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特許7493618半導体レーザ装置を製造する方法および半導体レーザ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】半導体レーザ装置を製造する方法および半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0236 20210101AFI20240524BHJP
   H01S 5/02335 20210101ALI20240524BHJP
   H01S 5/0234 20210101ALI20240524BHJP
   H01S 5/024 20060101ALI20240524BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20240524BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
H01S5/0236
H01S5/02335
H01S5/0234
H01S5/024
H01S5/40
H01S5/042 610
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022565646
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2021060234
(87)【国際公開番号】W WO2021219441
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】102020111394.3
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス ホアン
(72)【発明者】
【氏名】イェアク エーリヒ ゾアク
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ケーニヒ
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/098689(WO,A1)
【文献】特開2011-165708(JP,A)
【文献】特開平10-256643(JP,A)
【文献】特開2007-256696(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009047791(DE,A1)
【文献】特開2009-076730(JP,A)
【文献】特開2015-154074(JP,A)
【文献】特開2004-096062(JP,A)
【文献】特開2007-281483(JP,A)
【文献】米国特許第09651751(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザ装置(1)を製造する方法であって、前記方法は、次のステップ、すなわち、
a)第1中間支持体(31)に第1レーザダイオードチップ(21)を配置するステップと、
b)第2中間支持体(32)に第2レーザダイオードチップ(22)を配置するステップと、
c)前記第2中間支持体(32)と共に前記第2レーザダイオードチップ(22)を前記第1中間支持体(31)に配置するステップであって、前記第2レーザダイオードチップ(22)だけが、前記第2中間支持体(32)と前記第1中間支持体(31)との間に配置されるように、前記第2レーザダイオードチップ(22)の、前記第2中間支持体(32)が配置されていない面を前記第1中間支持体(31)に配置するステップとを有し、
前記第1中間支持体(31)に前記第1レーザダイオードチップ(21)を、前記第2中間支持体(32)に前記第2レーザダイオードチップ(22)をそれぞれ接合層(5)によって固定し、
ステップb)の後かつステップc)の前にテストで、前記第2中間支持体(32)に配置された状態で前記第2レーザダイオードチップ(22)を作動させ、かつ/または
ステップa)の後かつステップc)の前にテストで、前記第1中間支持体(31)に配置された状態で前記第1レーザダイオードチップ(21)を作動させることにより、ステップc)において、機能しない、前記第1レーザダイオードチップ(21)または前記第2レーザダイオードチップ(22)を配置した前記第1中間支持体(31)または前記第2中間支持体(32)を用いないようにした、半導体レーザ装置(1)を製造する方法。
【請求項2】
前記第1レーザダイオードチップ(21)および前記第2レーザダイオードチップ(22)はそれぞれ、ビーム生成のために設けられている活性領域(40)を備えた半導体基体(45)と基板(49)とを有し、ステップa)において、前記第1レーザダイオードチップの前記半導体基体の、前記第1中間支持体(31)とは反対側を向いた面に前記第1レーザダイオードチップの前記基板を配置し、ステップb)において、前記第2レーザダイオードチップの前記半導体基体の、前記第2中間支持体(32)側を向いた面に前記第2レーザダイオードチップの前記基板を配置する、請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体レーザ装置を製造する方法および半導体レーザ装置に関する。
【0002】
さまざまな応用に対し、特にさまざまなスペクトル領域において発光する複数のエミッタが、小さな間隔で並んで配置されているレーザ光源が求められている。一般に個々のエミッタの故障は、装置全体が利用できなくなってしまうことにつながり、これにより、最終的にはそれ自体は機能し得るエミッタも利用できないことによってしまう。
【0003】
1つの課題は、簡単であり、コスト的に有利であり、かつ信頼性の高い、複数のエミッタを有するレーザ構成部材の製造を示すことである。
【0004】
この課題は、とりわけ、独立請求項に記載された方法および半導体レーザ装置によって解決される。別の実施形態および利点は、従属する特許請求項の対象である。
【0005】
ここでは、半導体レーザ装置を製造する方法が示される。
【0006】
この方法の少なくとも1つの実施形態によると、この方法は、第1中間支持体に第1レーザダイオードチップを配置するステップを有する。例えば、接合層、例えばはんだ層により、中間支持体に直接に第1レーザダイオードチップを固定する。好適には、第1レーザダイオードチップと第1中間支持体との間には接合層だけが配置されている。
【0007】
第1レーザダイオードチップは、例えば、ビーム生成のために設けられている活性領域を備えた半導体基体と基板とを有する。半導体基体は、例えば、特に、活性領域を備えかつエピタキシャル成膜された半導体積層体を有する。基板は、半導体基体の半導体層を成膜するための成長基板であってよいか、または成長基板とは異なる基板であってよい。基板は、半導体基体の機械的な安定化に使用され、好適には、半導体基体よりも大きな厚さ、すなわち半導体基体の半導体層の主延在面に対して垂直方向により大きな寸法を有し、例えば、少なくとも2倍または少なくとも5倍大きな厚さを有する。特に、基板は、最大の厚さを有する第1レーザダイオードチップの要素である。
【0008】
第1中間支持体(サブマウントとも称される)は、特に、レーザダイオードチップの動作時に発生する損失熱の排熱または熱拡散に使用される。好適には、第1中間支持体は、高い熱伝導率を有する、例えば、少なくとも100W/(m・K)の熱伝導率を有する材料によって形成されている。例えば、第1中間支持体は、AlN、SiC、CuWを含有する。別の材料、例えば、モリブデンまたはダイヤモンドライクカーボン(diamond like carbon、DLC)も使用可能である。第1中間支持体は、導電性または電気絶縁性であってよい。例えば、第1中間支持体の取付面には、互いに電気絶縁された電気端子面が形成されている。第1中間支持体は、多層型であってもよい。例えば、第1中間支持体は、1つまたは複数の電気端子面と、残りの、例えば、第1中間支持体の導電性部分とを電気的に切り離すための絶縁層を有する。
【0009】
例えば、第1レーザダイオードチップは、活性領域を有する半導体基体が、基板の、第1中間支持体側を向いた面に配置されるように第1中間支持体に固定される。したがって、基板は、活性領域と第1中間支持体との間に配置されておらず、これにより、比較的熱伝導率の低い基板では、半導体基体から効率的な排熱を行うことができる。
【0010】
この方法の少なくとも1つの実施形態によると、この方法は、第2中間支持体に第2レーザダイオードチップを配置するステップを有する。例えば、接合層、例えばはんだ層により、第2中間支持体に直接に第2レーザダイオードチップを固定する。好適には、第2レーザダイオードチップと第2中間支持体との間には接合層だけが配置されている。
【0011】
第1レーザダイオードチップに関連して説明したように、第2レーザダイオードチップは、ビーム生成のために設けられている活性領域を備えた半導体基体と基板とを有していてよい。しかしながら、好適には第1レーザダイオードチップの活性領域および第2レーザダイオードチップの活性領域は、特に互いに異なるスペクトル領域において、互いに異なるピーク波長を有するビームを生成するために構成されている。さらに活性領域は、互いに異なる材料組成を有し、使用される材料系が互いに異なっていてもよい。
【0012】
第2中間支持体は、その構造が、第1中間支持体に関連して説明した1つまたは複数の特徴的構成を有していてよい。
【0013】
第2レーザダイオードチップは、活性領域を有する半導体基体が、基板の、第2中間支持体とは反対側を向いた面に配置されるように第2中間支持体に配置可能である。
【0014】
この方法の少なくとも1つの実施形態によると、この方法は、第2中間支持体と共に第2レーザダイオードチップを第1中間支持体に配置し、特に、例えば接合層を用いてこれに固定するステップを有する。好適には、第2レーザダイオードチップと第1中間支持体との間には接合層だけが配置されている。
【0015】
第1中間支持体に第2レーザダイオードチップを配置する際には、好適には、第2レーザダイオードチップの、第1中間支持体とは反対側を向いた面に第2中間支持体を配置する。したがって、半導体レーザ装置の側面図で見て、垂直方向に、すなわち、第1中間支持体と第2中間支持体との間で第1中間支持体の取付面に対して垂直方向に第2レーザダイオードチップを配置する。
【0016】
製造対象の半導体レーザ装置は、2つよりも多くのレーザダイオードチップを有していてもよい。好適には、中間支持体の個数は、製造対象の半導体レーザ装置に設けられるレーザダイオードチップの個数に対応する。
【0017】
この方法の少なくとも1つの実施形態では、第1中間支持体に第1レーザダイオードチップを配置する。第2中間支持体に第2レーザダイオードチップを配置する。第2中間支持体と共に第2レーザダイオードチップを第1中間支持体に配置し、この際に第2レーザダイオードチップの、第1中間支持体とは反対側を向いた面に第2中間支持体を配置する。特に、第1中間支持体に第1レーザダイオードチップを、第2中間支持体に第2レーザダイオードチップをそれぞれ接合層によって固定する。
【0018】
したがって、第1中間支持体に第2レーザダイオードチップを取り付ける際には、第2レーザダイオードチップはすでに第2中間支持体に配置されている。第1中間支持体は、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップ用の共通の中間支持体として使用される。半導体レーザ装置の動作時には、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップの生成する損失熱は、第1中間支持体を介して排出可能である。
【0019】
この方法の少なくとも1つの実施形態によると、中間支持体に第2レーザダイオードチップを配置した後、かつ特に第1中間支持体に第2レーザダイオードチップを配置する前に、テストで第2レーザダイオードチップを作動させる。
【0020】
したがって、この時点では第2レーザダイオードチップはすでに、第2中間支持体に配置されているため、特に、このような中間支持体のないレーザダイオードチップをテストする場合に比べて、高い光学的負荷でテストを実行することできる。これにより、第2レーザダイオードチップのテストの説得力が向上する。第2レーザダイオードチップのテストが成功した場合、第2中間支持体と共に第2レーザダイオードチップを第1中間支持体に固定することができる。これに対し、テストが成功せずに経過した場合、比較的に早期の方法段階に第2レーザダイオードチップを置き換えることができる。したがって第1中間支持体には、あらかじめ定められた光学特性および/またはオプトエレクトロニクス特性を有する第2レーザダイオードチップだけが装着される。
【0021】
この方法の少なくとも1つの実施形態によると、第1中間支持体に第1レーザダイオードチップを配置した後、かつ第1中間支持体に第2レーザダイオードチップを配置する前にテストで第1レーザダイオードチップを作動させる。
【0022】
したがって、第1中間支持体に第2レーザダイオードチップを固定する前に、テスト目的で第1レーザダイオードチップを作動させることができる。これにより、第1レーザダイオードチップが、あらかじめ定められた光学特性および/またはオプトエレクトロニクス特性を有する場合にのみ、第1中間支持体に第2レーザダイオードチップが載置されることを高い信頼性で保証することができる。
【0023】
説明した方法によれば、対応付けられている中間支持体にそれぞれ1つのレーザダイオードチップだけが設けられている時点ですでに、個々のレーザダイオードチップに比較的強力な予備テストを受けさせることができる。これにより、あらかじめ定められた光学特性および/またはオプトエレクトロニクス特性を満たさないレーザダイオードチップを早期の方法段階に選び出すことでき、その際に製造対象の半導体レーザ装置の、それ自体機能する残りのレーザダイオードチップにはこれは無関係である。これにより、レーザダイオードチップの欠陥および製造コストを全体として減少させることができる。
【0024】
当然のことながら、この方法は、2つよりも多くのレーザダイオードチップ、例えば正確に3つのレーザダイオードチップまたは3つよりも多くのレーザダイオードチップを有する半導体レーザ装置の製造にも適している。
【0025】
ここでは好適には、それぞれレーザダイオードチップに専用の中間支持体が対応付けられており、完成した半導体レーザ装置において、複数の中間支持体のうちの1つは、半導体レーザ装置の複数のレーザダイオードチップ、特にすべてのレーザダイオードチップ用の共通の中間支持体である。
【0026】
この方法の少なくとも1つの実施形態によると、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップはそれぞれ、ビーム生成のために設けられている活性領域を備えた半導体基体と基板とを有し、第1中間支持体に第1レーザダイオードチップを配置する際に、半導体基体の、第1レーザダイオードチップの第1中間支持体とは反対側を向いた面に第1レーザダイオードチップの基板を配置する。第2中間支持体に第2レーザダイオードチップを固定する際に、第2レーザダイオードチップの半導体基体の、第2中間支持体側を向いた面に第2レーザダイオードチップの基板を配置する。これにより、完成した半導体レーザ装置では、それぞれの基板の、第1中間支持体側を向いた面にレーザダイオードチップの活性領域をそれぞれ配置することができる。これにより、個々のレーザダイオードチップの活性領域は、第1中間支持体の取付面からの垂直方向の間隔を示す同じまたは実質的に同じ高さに配置可能である。この関連において「実質的に」とは、最大で10μmの偏差を意味する。好ましくは偏差は、最大で5μmである。
【0027】
ここではさらに半導体レーザ装置が示される。上で説明した方法は、半導体レーザ装置の製造に特に適している。したがって方法に関連して説明した特徴的構成は、半導体レーザ装置にも使用することができ、逆も同様である。
【0028】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、半導体レーザ装置は、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップを有し、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップは、第1中間支持体に配置されている。特に、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップは並んで第1中間支持体に固定されている。したがって、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップは、中間支持体の同じ面に配置されている。特に、第2レーザダイオードチップは、第2中間支持体に配置されており、ここでは第2中間支持体は、第2レーザダイオードチップの、第1中間支持体とは反対側を向いた面に配置されている。第2レーザダイオードチップは、半導体レーザ装置の側面図で見て垂直方向に、すなわち、第1中間支持体と第2中間支持体との間に配置されている。特に、第1中間支持体には第1レーザダイオードチップが、第2中間支持体には第2レーザダイオードチップがそれぞれ接合層によって固定されている。
【0029】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップはそれぞれ、ビーム生成のために設けられている活性領域を備えた半導体基体と基板とを有する。基板は特に、中間支持体から見て、活性領域の同じ面にそれぞれ配置されている。特に、基板は好適には、レーザダイオードチップのそれぞれの活性領域の、第1中間支持体とは反対側を向いた面に配置されている。これにより、活性領域において動作時に発生する損失熱は、第1中間支持体を介して直接に排出可能である。したがって、レーザダイオードチップの基板を介する排熱は、不要であるが、いくつかの実施例では付加的に行われてよい。
【0030】
基板は、個々のレーザダイオードチップにおいて特に、レーザダイオードチップが個別化によってウェハ結合体から生じる時点ですでに設けられている。これに対し、所属の中間支持体は、レーザダイオードチップに個別化した後はじめて、レーザダイオードチップに装着される。
【0031】
第2レーザダイオードチップの主放射方向に対して横向きの、第2中間支持体の横方向寸法は好適には、第2レーザダイオードチップの横方向寸法よりも大きい。例えば、第2中間支持体の横方向寸法は、この方向に沿った第2レーザダイオードチップの寸法の少なくとも2倍、少なくとも3倍または少なくとも4倍である。
【0032】
比較的大きな中間支持体を介し、第2レーザダイオードチップのテストの際の第2レーザダイオードチップの熱負荷を効率的にバッファリングすることができる。
【0033】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、第2レーザダイオードチップは、第2レーザダイオードチップの主放射方向に対して横向きに、第2中間支持体の中心軸線に対してずらされて配置されている。換言すると、第2レーザダイオードチップは、第2中間支持体の中央に配置されていない。例えば、第2レーザダイオードチップの中心軸線は、第2中間支持体の中心軸線に対し、第2中間支持体の横方向寸法の少なくとも20%だけずらされて配置されている。
【0034】
これにより、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップは、半導体レーザ装置の平面図において、第2中間支持体が、第1レーザダイオードチップと重なることなく、互いに比較的小さな間隔で配置可能である。
【0035】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、第2レーザダイオードチップだけが、特に第1中間支持体の取付面に対して垂直方向に見て、第2中間支持体と第1中間支持体との間に配置されている。特に、第1中間支持体と第2中間支持体との間では、第2レーザダイオードチップの他に、半導体レーザ装置の別のレーザダイオードチップは設けられていない。したがって、第1中間支持体と第2中間支持体との間には、第2レーザダイオードチップと、第2レーザダイオードチップを第1中間支持体および第2中間支持体に固定するための接合層とだけが配置されている。
【0036】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップは、第1中間支持体と第2中間支持体との間に配置されている。特に、第1レーザダイオードチップと第2中間支持体とは、例えば、接合層を介して熱結合されている。この実施形態では、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップの、動作時に生成される廃熱は、第1中間支持体もしくは第2中間支持体を介して、反対側の面に拡散可能である。
【0037】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップの側方に熱結合路が、第1中間支持体と第2中間支持体との間に構成されている。熱結合路を介して、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップの、第2中間支持体に達する廃熱を第1中間支持体に排出することができる。例えば、取付面とは反対側の、第1中間支持体の面において、ヒートシンクまたは半導体レーザ装置用のケーシングを介して第1中間支持体からの排熱を行うことができる。
【0038】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップは、半導体レーザ装置の平面図において、それらの放射面が、第1中間支持体を越えて、例えば、少なくとも1μmまたは少なくとも5μmおよび/または最大で50μmだけ突き出ている。
【0039】
これによって容易に保証されるのは、第1レーザダイオードチップおよび第2レーザダイオードチップによって動作時に放射されるビームが、第1中間支持体に遮られて影を生じてしまうことがないことである。
【0040】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、半導体レーザ装置は、第3中間支持体に配置されておりかつ第1中間支持体に固定されている第3レーザダイオードチップを有する。第3中間支持体は、第1中間支持体および/または第2中間支持体に関連して挙げた1つまたは複数の特徴的構成を有していてよい。
【0041】
例えば、第1レーザダイオードチップ、第2レーザダイオードチップおよび第3レーザダイオードチップは、互いに異なるピーク波長を有する、特に、対毎に互いに異なるピーク波長を有する、例えば、対毎に互いに異なるスペクトル領域を有するビームを生成するために構成されている。例えば、複数のレーザダイオードチップの1つは、赤色のスペクトル領域におけるビームを生成するために、レーザダイオードチップの別の1つは、緑色のスペクトル領域におけるビームを生成するために、さらに別の1つのレーザダイオードチップは、青色のスペクトル領域におけるビームを生成するために構成されている。
【0042】
半導体レーザ装置の少なくとも1つの実施形態によると、第1レーザダイオードチップは、特に、取付面に沿いかつ主放射方向に対して垂直方向に見ると、第2レーザダイオードチップと第3レーザダイオードチップとの間に配置されている。したがって第1レーザダイオードチップの両側にはそれぞれ1つの別のレーザダイオードチップが、第1中間支持体に配置されている。
【0043】
半導体レーザ装置の説明した実施形態によると、特に、隣接するレーザダイオードチップ間の小さな中心間距離、例えば、最大で1000μm、最大で500μmまたは最大で300μmの中心間距離も達成可能である。ここで中心間距離は実質的に、それぞれのレーザダイオードチップの横方向寸法によって制限される。
【0044】
この半導体レーザ装置は、例えば、プロジェクタ、特に、殊に寸法の小さいプロジェクタのための、かつ/または拡張現実(Augmented Reality)の分野における応用のための光源として適している。
【0045】
別の実施形態および利点は、図面に関連する実施例の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1A】概略側面図において半導体レーザ装置についての実施例を示す図である。
図1B】概略平面図において半導体レーザ装置についての実施例を示す図である。
図1C】レーザダイオードチップの斜視図によって半導体レーザ装置についての実施例を示す図である。
図2A】半導体レーザ装置の概略側面図によって半導体レーザ装置の実施例を示す図である。
図2B】半導体レーザ装置に適したレーザダイオードチップの概略断面図によって、半導体レーザ装置についての実施例を示す図である。
図3】半導体レーザ装置についての実施例を概略断面図で示す図である。
図4A】概略的に側面図で示した中間ステップによって、半導体レーザ装置を製造する方法についての実施例を示す図である。
図4B】概略的に側面図で示した別の中間ステップによって、半導体レーザ装置を製造する方法についての実施例を示す図である。
図4C】概略的に側面図で示したさらに別の中間ステップよって、半導体レーザ装置を製造する方法についての実施例を示す図である。
図4D】概略的に側面図で示したさらに別の中間ステップによって、半導体レーザ装置を製造する方法についての実施例を示す図である。
【0047】
同じ要素、同種の要素、または同じ作用の要素には、複数の図面において同じ参照符号が付されている。
【0048】
図面は、それぞれ略図であり、したがって必ずしも縮尺通りではない。むしろ、よりよく図示するため、かつ/またはよりよく理解できるようにするために、比較的小さな要素は、また特に層厚も、誇張して大きく表されていることがある。
【0049】
図1A図1Cに示した実施例では、半導体レーザ装置1は、第1レーザダイオードチップ21、第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23を有する。第1レーザダイオードチップ21は、第1中間支持体31に配置されている。第2レーザダイオードチップ22は、第2中間支持体32に配置されている。第3レーザダイオードチップ23は、第3中間支持体33に配置されている。
【0050】
さらに、第2レーザダイオードチップ22は、第2中間支持体32と共に、第3レーザダイオードチップ23は、第3中間支持体33と共に、第1中間支持体31に並んで配置されており、これにより、第1中間支持体31は、3つのレーザダイオードチップ用の共通の中間支持体を形成している。特に、第1レーザダイオードチップ21、第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23は、第1中間支持体31の同じ面、特に第1中間支持体の取付面310に並んで配置されており、かつ直接に、したがってこれらの間に別の要素が設けられることなく、接合層5によって第1中間支持体31に固定されている。取付面310とは反対側の、第1中間支持体31の面において、半導体レーザ装置1は、例えば、ヒートシンクまたは半導体レーザ装置用のケーシング部分に取り付けられていてよい。
【0051】
第2中間支持体32は、第2レーザダイオードチップ22の、第1中間支持体31とは反対側を向いた面に配置されている。同様に第3中間支持体33は、第3レーザダイオードチップ23の、第1中間支持体31とは反対側を向いた面に配置されている。
【0052】
レーザダイオードチップ21,22,23と中間支持体31,32,33との機械的に安定な接合はそれぞれ、接合層5、例えばはんだ層を介して行われる。
【0053】
レーザダイオードチップ21,22,23はそれぞれ、半導体積層体を備えた半導体基体45を有し、半導体積層体は、第1導電型の第1半導体層と、第1導電型とは別の第2導電型の第2半導体層42とを有する。例えば、第1半導体層41はn導電型でありかつ第2半導体層42はp導電型であるかまたはこの逆である。活性領域40は、第1半導体層41と第2半導体層42との間に配置されている。第1半導体層41、第2半導体層42および活性領域40は一般に多層で構成されている。このことは、図示を簡略化するために示されていない。
【0054】
レーザダイオードチップ21,22,23はさらに、半導体基体45が配置されているそれぞれ1つの基板49を有する。基板49は、半導体基体45の半導体層をエピタキシャル成膜するための成長基板であるか、または成長基板とは異なる基板である。
【0055】
例えば、レーザダイオードチップ21,22,23の活性領域40は、それぞれ1つの化合物半導体材料、特にIII-V族化合物半導体材料を有する。
【0056】
III-V族化合物半導体材料は、紫外スペクトル領域(AlInGa1-x-yN)から、可視スペクトル領域(特に青色から緑色のビームに対してAlInGa1-x-yN、または特に黄色から赤色のビームに対してAlInGa1-x-yP)経て、赤外スペクトル領域(AlInGa1-x-yAs)までのビーム生成に特に適している。ここではそれぞれ0≦x≦1,0≦y≦1かつx+y≦1が成り立ち、ただし特にx≠1,y≠1,x≠0かつ/またはy≠0である。特に上記の材料系からのIII-V族化合物半導体材料によればさらに、ビーム生成の際に高い内部量子効率を達成することができる。
【0057】
例えば、第1レーザダイオードチップ21は、緑色のスペクトル領域おいて、第2レーザダイオードチップ22は、赤色のスペクトル領域において、また第3レーザダイオードチップ23は、青色のスペクトル領域において発光する。
【0058】
図1Cには、例示的に、第2中間支持体32における第2レーザダイオードチップ22が、斜視図で示されている。第2レーザダイオードチップ22は残りのレーザダイオードチップと同様に端面発光型レーザダイオードチップとして構成されている。レーザダイオードチップ22の放射領域220から、主放射方向11に沿って放射225が行われる。横方向の導波のための第2レーザダイオードチップ22の横方向の構造化は、図示を簡略化するために明示的には示されていない。例えば、レーザダイオードチップ21,22,23はそれぞれ1つのリッジ導波路を有する。
【0059】
第1中間支持体31は好適には、熱伝導率の高い材料、例えばSiC、AlNまたはCuWを有する。好適には熱伝導率は少なくとも100W/(m・K)である。これにより、第1中間支持体31を介し、発生する廃熱を効率的に排出することができる。
【0060】
第2中間支持体32および第3中間支持体33には基本的に、第1中間支持体31に対する材料と同じ材料が適している。しかしながら第2中間支持体32および第3中間支持体33は、完成した半導体レーザ装置1において、必ずしも放熱に使用される必要はないため、場合によっては、第2中間支持体32および第3中間支持体33にはコスト的により有利な材料、例えばケイ素またはゲルマニウムも使用可能である。
【0061】
しかしながら第2中間支持体32および第3中間支持体33は、図3に関連して説明するように、第1中間支持体31と熱結合することも可能であり、これにより、これらの中間支持体32,33を介して、半導体レーザ装置の動作時に、レーザダイオードチップ21,22,23から排熱を行うことも可能である。
【0062】
第1中間支持体31とは反対側を向いた面におけるレーザダイオードチップ21,22,23の電気的な接触接続は、例えば、第1中間支持体の端子面35に案内されている接続線路6、例えばボンディングワイヤを介して行われる。第1中間支持体31を向いた面では、電気的な接触接続は、接合層5を介し、第1中間支持体31の対応付けられている端子面35に向かって行うことができる。
【0063】
半導体レーザ装置1の放射面10では、第1レーザダイオードチップ21、第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23は、半導体レーザ装置の平面図において見ると、第1中間支持体31を越えて突き出ている。これにより、図1Cに示した放射25が垂直方向に、すなわち第1中間支持体31の取付面310に対して垂直方向に拡散するのにかかわらず、放射されるビームが第1中間支持体31に当たってしまうことを回避することができる。例えば、レーザダイオードチップ21,22および23は、第1中間支持体31を越えて数マイクロメートルだけ突き出ている。
【0064】
図1Bの平面図に示されているように、第2レーザダイオードチップ22の中心軸線221は、第2中間支持体32の中心軸線321に対し、主放射方向11に対して垂直な方向にずらされて配置されている。これにより、第1レーザダイオードチップ21と第2レーザダイオードチップ22との間では、比較的小さな中心間距離で配置を行うことができ、同時に、第2レーザダイオードチップ22の横方向寸法に対し、第2中間支持体32の横方向寸法を比較的大きくすることができる。
【0065】
当然のことながら半導体レーザ装置は、2つのレーザダイオードチップだけ、または3つよりも多くのレーザダイオードチップを有していてもよく、好適には中間支持体の個数は、レーザダイオードチップの個数に等しい。
【0066】
図2Aおよび図2Bに示した実施例は、図1A図1Cに関連して説明した実施例に実質的に対応する。しかしながら図1A図1Cとは異なり、レーザダイオードチップ21,22,23の電気的な接触接続は、接続線路6を介して行われない。
【0067】
図2には、適切なレーザダイオードチップ20の実施形態が示されている。この実施形態は、レーザダイオードチップ21,22,23の1つまたは複数に使用可能であり、または半導体レーザ装置1のすべてのレーザダイオードチップにも使用可能である。レーザダイオードチップ20では、レーザダイオードチップ20の電気的な接触接続のために設けられている2つのコンタクト48は、半導体基体45の、基板49とは反対側を向いた面に配置されており、電気的な接触接続に利用可能である。半導体基体45は、凹部46を有し、この凹部では一方のコンタクト48が第1半導体層41に導電接続されている。他方のコンタクト48は、第2半導体層42に導電接続されているため、コンタクト48間に電圧を加えることにより、互いに反対側に位置する2つの面から活性領域40に荷電担体を注入することができ、荷電単体はそこでビームを放射しながら再結合される。電気的な短絡を回避するために、凹部46には絶縁層47を張ることができる。
【0068】
図3に示した実施例は、図1に関連して説明した実施例に実質的に対応する。図1とは異なり、第1レーザダイオードチップ21および第2レーザダイオードチップ22が、第1中間支持体31と第2中間支持体32との間に配置されている。したがって第2中間支持体32は、第2レーザダイオードチップ22に加えて、第1中間支持体31とは反対側を向いた面において、第1レーザダイオードチップ21も熱結合することができる。
【0069】
第1レーザダイオードチップ21および第2レーザダイオードチップ22の電気的な接触接続は、例えば、それぞれヴィア37を介し、第2中間支持体32を通して行うことができる。しかしながら、電気的な接触接続の別の方式も可能であり、特に、第1中間支持体31を向いた面において互いに切り離された端子面35が、第1レーザダイオードチップ21および第2レーザダイオードチップ22に対応付けられている場合には、例えば、第1中間支持体31とは反対側を向いた面において、第1レーザダイオードチップ21および第2レーザダイオードチップ22を一緒に電気的に接触接続させることができる。
【0070】
第2中間支持体32と第1中間支持体31との間では選択的に、第1レーザダイオードチップ21と第2レーザダイオードチップ22の側方に熱結合路7が構成されている。例えば、熱結合路7は、体積体70によって形成されており、体積体70は、レーザダイオードチップ21,22,23と同様に接合層5を介して、第1中間支持体31および第2中間支持体32に機械的に安定してかつ熱伝導的に接合されている。したがって体積体70は、例えば、最大で10μmまたは最大で5μmの偏差で、レーザダイオードチップ21,22,23と実質的に同じ厚さ、すなわち同じ垂直方向寸法を有する。
【0071】
体積体70には、例えば、第1中間支持体31または第2中間支持体32に関連して挙げた材料が適している。
【0072】
したがってレーザダイオードチップ21および22は、第1中間支持体31とは反対側を向いた面において、第2中間支持体32を介して付加的に冷却され、熱は、熱結合路7を介して第1中間支持体31に排出可能である。同様に第3中間支持体33にも選択的に、このような熱結合路7を設けることができる。
【0073】
このような熱結合路7は、図1A図1Cに関連して、または図2Aおよび図2Bに関連して説明した実施例においても使用可能である。
【0074】
図4A図4Dには、半導体レーザ装置を製造する方法が例示的に説明されており、この方法では、製造される半導体レーザ装置1は、図1A図1Cに関連して説明されているように実施されている。
【0075】
しかしながらこの方法は、特に、残りの実施例による別の半導体レーザ装置の製造にも適している。
【0076】
図4Aに示したように、第1中間支持体31に第1レーザダイオードチップ21を、第2中間支持体32に第2レーザダイオードチップ22を、また第3中間支持体33に第3レーザダイオードチップ23を配置し、特に、接合層5を用いて、対応する中間支持体にそれぞれ固定する。したがって中間支持体31,32,33の個数は、製造対象の半導体レーザ装置に設けられるレーザダイオードチップ21,22,23の個数に対応する。
【0077】
ここでは第1レーザダイオードチップ21の活性領域40は、基板49と第1中間支持体との間に設けられている。これとは異なり、第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23の活性領域40はそれぞれ、所属の基板49の、所属の第2中間支持体32もしくは第3中間支持体33とは反対側を向いた面に配置されている。
【0078】
第1レーザダイオードチップ21、第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23は続いて、図4Bに示したように、テストで電気的に接触接続され、これにより、レーザダイオードチップ21,22,23の光学特性およびオプトエレクトロニクス特性をテストすることができる。
【0079】
例えば、ピーク波長または放射されるビームのスペクトル幅、量子化効率または発振閾値のようなパラメータを特定することができる。この時点でレーザダイオードチップはすでに、中間支持体31,32,33の1つにそれぞれ配置されており、これにより、このテストは比較的高い負荷で実行可能である。さらに、接合層5、例えばはんだを介して、それぞれの中間支持体との効率的な熱結合を行うことできる。第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23の活性領域40においてテスト中に生成される損失熱は、それぞれの基板49を介して排出可能である。これにより、熱結合は、第1レーザダイオードチップ21に対する熱結合ほど効率的でないが、第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23に説得力のあるテストを受けさせることができるためには十分である。
【0080】
個々のレーザダイオードチップのテストが成功裏に経過した後、対応付けられている第2中間支持体もしくは第3中間支持体と共に第2レーザダイオードチップ22および第3レーザダイオードチップ23を第1中間支持体31に固定することができる(図4C)。第2中間支持体32および第3中間支持体33はそれぞれ、第2レーザダイオードチップおよび第3レーザダイオードチップの、第1中間支持体31とは反対側を向いた面に配置されている。第1中間支持体31を参照すると、活性領域40はそれぞれ、それぞれの基板49の、第1中間支持体31側を向いた面に配置されており、これによって活性領域40はそれぞれ、少なくとも近似的に第1中間支持体31の取付面310から同じ間隔で配置されている。したがって、第1中間支持体31に付加的に設けられている中間支持体は、第1中間支持体の取付面に対する、活性領域の垂直方向の間隔には影響を及ぼすことはない。
【0081】
引き続いて、必要に応じ、接続線路6を用いてレーザダイオードチップ21,22,23の電気的な接触接続を行うことができる(図4D)。
【0082】
説明した方法によれば、比較的早期の方法段階に、機能しないレーザダイオードチップに、説得力のある動作テストを受けさせることができ、必要に応じて選び出すことができる。特にこれは、同じ中間支持体に別のレーザダイオードチップがまだ固定される前に行うことができる。これによって回避できるのは、製造対象の半導体レーザ装置の複数のレーザダイオードチップの1つが、あらかじめ定められた特性を満たさない場合に、レーザダイオードチップを、またはそれ自体は機能するレーザダイオードチップも廃棄しなければならないことである。
【0083】
特に、この方法は、ピーク波長が互いに異なりしたがって種々異なる材料組成を有するかまたは互いに異なる材料系から形成されてもいる複数の半導体レーザが、例えば、フルカラープロジェクションに必要である、半導体レーザ装置の製造に適している。
【0084】
この特許出願は、ドイツ国特許出願第102020111394.3号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容は、引用によって本明細書に取り込まれるものである。
【0085】
本発明は、実施例に基づく説明には限定されない。むしろ本発明には、あらゆる新たな特徴的構成および特徴的構成のあらゆる組み合わせが含まれるのであり、これには、特に、特許請求の範囲における特徴的構成のあらゆる組み合わせが含まれており、このことは、この特徴的構成または組み合わせそれ自体が、特許請求の範囲または実施例において明示的に示されていない場合であっても当てはまるものである。
【符号の説明】
【0086】
1 半導体レーザ装置
10 放射面
11 主放射方向
20 レーザダイオードチップ
21 第1レーザダイオードチップ
22 第2レーザダイオードチップ
220 放射領域
221 第2レーザダイオードチップの中心軸線
225 放射
23 第3レーザダイオードチップ
31 第1中間支持体
310 取付面
32 第2中間支持体
321 第2中間支持体の中心軸線
33 第3中間支持体
35 端子面
37 ヴィア
40 活性領域
41 第1半導体層
42 第2半導体層
45 半導体基体
46 凹部
47 絶縁層
48 コンタクト
49 基板
5 接合層
6 接続線路
7 熱結合路
70 体積体
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D