(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/231 20110101AFI20240524BHJP
H04N 21/658 20110101ALI20240524BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20240524BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240524BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20240524BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240524BHJP
【FI】
H04N21/231
H04N21/658
H04N5/222 100
H04N23/60 300
H04N5/77
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023086738
(22)【出願日】2023-05-26
(62)【分割の表示】P 2022160241の分割
【原出願日】2021-11-09
【審査請求日】2023-05-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】宮沢 光善
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/075362(WO,A1)
【文献】特開2021-136656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00-23/959
H04N 5/77
G06Q 50/00-50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体の飛行に関する情報を処理する情報処理装置であって、
前記飛行体が飛行を開始する前に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって、前記飛行体が無線通信によって送信した映像データを録画する録画装置
であって、前記飛行体及び前記情報処理装置とは異なる録画装置に、前記映像データの録画を開始させるための録画開始情報を送信する送信部と、
前記飛行体の動作状態を特定する特定部と、
を有し、
前記送信部は、前記飛行体が着陸したことを示す前記動作状態を前記特定部が特定したことに従って、前記録画装置に前記映像データの録画を停止させるための録画停止情報を送信する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記録画装置が録画する前記映像データは、前記飛行体によって配信装置に送信された後、前記配信装置によって前記録画装置に配信されたデータである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始する前に、前記配信装置に前記映像データの配信を開始させるための配信開始情報を送信する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記配信開始情報の送信と同時に前記録画開始情報を送信する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記配信開始情報を送信した後に前記録画開始情報を送信する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記飛行体が着陸したことを示す前記動作状態を前記特定部が特定したことに従って、前記配信装置に前記映像データの配信を停止させるための配信停止情報を送信する、
請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記飛行体の飛行を管理するための情報端末において前記飛行体が指定されたことに従って、前記録画装置に前記録画開始情報を送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記飛行体の電源が入ったことに従って、前記録画装置に前記録画開始情報を送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記飛行体の飛行を管理するための情報端末において飛行管理画面を表示するためのアプリケーションが起動されたことに従って、前記録画装置に前記録画開始情報を送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記飛行体の飛行を管理するための情報端末から飛行開始要求を受け付ける受付部をさらに有し、
前記送信部は、前記飛行開始要求に従って、前記飛行体に飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記送信部は、前記情報端末又は前記録画装置の少なくともいずれか一方への前記映像データの配信状況に応じて、前記飛行開始情報を送信するか否かを制御する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記送信部は、前記映像データの配信が行われていない場合に、前記飛行開始情報を送信しない、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記送信部は、前記録画装置による前記映像データの録画状況に応じて、前記飛行開始情報を送信するか否かを制御する、
請求項10から12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記送信部は、前記映像データの録画が行われていない場合に、前記飛行開始情報を送信しない、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
飛行体の飛行に関する情報を処理する情報処理方法であって、
情報処理装置が備えるプロセッサが実行する、
前記飛行体が飛行を開始する前に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって、前記飛行体が無線通信によって送信した映像データを録画する録画装置
であって、前記飛行体及び前記情報処理装置とは異なる録画装置に、前記映像データの録画を開始させるための録画開始情報を送信するステップと、
前記飛行体の動作状態を特定するステップと、
前記特定するステップにおいて前記飛行体が着陸したことを示す前記動作状態を特定したことに従って、前記録画装置に前記映像データの録画を停止させるための録画停止情報を送信するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体の飛行に関する情報を処理する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クラウドサーバがドローンに対してユーザによって選択されたルートを送信し、ドローンがルートに沿って飛行しながら撮影をし、クラウドサーバがドローンによって撮影された画像をユーザ端末に送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドローン等の飛行体が撮像をした映像データを録画するための録画装置は、飛行体が撮像をする期間を含む所定期間のみ稼働するように構成されている場合がある。このような場合に、録画装置に対して飛行体が飛行を開始したタイミングで録画を開始させるための情報を送信しても、録画装置は、起動に時間が掛かるため飛行体の飛行開始直後の映像データを録画できないおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飛行体が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、飛行体の飛行に関する情報を処理する情報処理装置であって、前記飛行体が飛行を開始する前に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって、前記飛行体が無線通信によって送信した映像データを録画する録画装置に、前記映像データの録画を開始させるための録画開始情報を送信する送信部と、前記飛行体の動作状態を特定する特定部と、を有し、前記送信部は、前記飛行体が着陸したことを示す前記動作状態を前記特定部が特定したことに従って、前記録画装置に前記映像データの録画を停止させるための録画停止情報を送信する。
【0007】
前記録画装置が録画する前記映像データは、前記飛行体によって配信装置に送信された後、前記配信装置によって前記録画装置に配信されたデータであってもよい。
【0008】
前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始する前に、前記配信装置に前記映像データの配信を開始させるための配信開始情報を送信してもよい。
【0009】
前記送信部は、前記配信開始情報の送信と同時に前記録画開始情報を送信してもよい。
【0010】
前記送信部は、前記配信開始情報を送信した後に前記録画開始情報を送信してもよい。
【0011】
前記送信部は、前記飛行体が着陸したことを示す前記動作状態を前記特定部が特定したことに従って、前記配信装置に前記映像データの配信を停止させるための配信停止情報を送信してもよい。
【0012】
前記送信部は、前記飛行体の飛行を管理するための情報端末において前記飛行体が指定されたことに従って、前記録画装置に前記録画開始情報を送信してもよい。
【0013】
前記送信部は、前記飛行体の電源が入ったことに従って、前記録画装置に前記録画開始情報を送信してもよい。
【0014】
前記送信部は、前記飛行体の飛行を管理するための情報端末において飛行管理画面を表示するためのアプリケーションが起動されたことに従って、前記録画装置に前記録画開始情報を送信してもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記飛行体の飛行を管理するための情報端末から飛行開始要求を受け付ける受付部をさらに有し、前記送信部は、前記飛行開始要求に従って、前記飛行体に飛行を開始させるための飛行開始情報を送信してもよい。
【0016】
前記送信部は、前記情報端末又は前記録画装置の少なくともいずれか一方への前記映像データの配信状況に応じて、前記飛行開始情報を送信するか否かを制御してもよい。
【0017】
前記送信部は、前記映像データの配信が行われていない場合に、前記飛行開始情報を送信しなくてもよい。
【0018】
前記送信部は、前記録画装置による前記映像データの録画状況に応じて、前記飛行開始情報を送信するか否かを制御してもよい。
【0019】
前記送信部は、前記映像データの録画が行われていない場合に、前記飛行開始情報を送信しなくてもよい。
【0020】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、飛行体の飛行に関する情報を処理する情報処理方法であって、プロセッサが実行する、前記飛行体が飛行を開始する前に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって、前記飛行体が無線通信によって送信した映像データを録画する録画装置に、前記映像データの録画を開始させるための録画開始情報を送信するステップと、前記飛行体の動作状態を特定するステップと、前記特定するステップにおいて前記飛行体が着陸したことを示す前記動作状態を特定したことに従って、前記録画装置に前記映像データの録画を停止させるための録画停止情報を送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、飛行体が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図3】例示的な飛行管理画面を表示している情報端末の模式図である。
【
図4】情報処理システムが映像データの録画を開始する処理を説明するための模式図である。
【
図5】情報処理システムが映像データの録画を停止する処理を説明するための模式図である。
【
図6】決定部が対象区間を決定する処理の一例を説明するための模式図である。
【
図7】決定部が対象区間を決定する処理の他の例を説明するための模式図である。
【
図8】情報処理システムが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。
【
図9】情報処理システムが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、情報端末2と、飛行体3と、配信装置4と、録画装置5と、編集装置6と、を含む。情報処理装置1、配信装置4、録画装置5及び編集装置6は、それぞれ単一の装置、又は複数の装置である。また、情報処理装置1、配信装置4、録画装置5及び編集装置6は、それぞれコンピュータ資源の集合であるクラウド上で動作する一又は複数の仮想的なサーバであってもよい。情報処理システムSは、その他の端末、装置等を含んでもよい。
【0024】
情報処理装置1は、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データを録画するための制御を行うコンピュータである。情報処理装置1は、例えば、飛行体3の動作状態に基づいて映像データの中で録画対象とする対象区間を決定し、決定した対象区間を示す情報を、映像データを編集する編集装置6に送信する。また、情報処理装置1は、飛行体3を飛行させるための制御を行ってもよい。
【0025】
情報端末2は、ユーザが使用する、飛行体3の飛行を管理するためのコンピュータである。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザは、例えば、飛行体3を操縦し、管理し、又は所有する人である。情報端末2は、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、ユーザによる操作を受け付けるためのタッチパネル等の操作部と、を有する。情報端末2は、無線通信又は有線通信によって情報処理装置1及び配信装置4との間で情報を送受信する。
【0026】
飛行体3は、ユーザによって指定された飛行経路を飛行するとともに、飛行中又は飛行前後に撮像をする装置である。飛行体3は、例えば、ドローン等の無人飛行装置である。飛行体3は、所定の撮像範囲を撮像するためのカメラ等の撮像部を有する。飛行体3は、無線通信によって情報処理装置1及び配信装置4との間で情報を送受信する。
【0027】
配信装置4は、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データを、情報端末2及び録画装置5に配信するコンピュータである。配信装置4は、例えば、飛行体3から映像データを受信し、受信した映像データを情報端末2及び録画装置5に送信する。配信装置4は、無線通信又は有線通信によって情報処理装置1、情報端末2、飛行体3及び録画装置5との間で情報を送受信する。
【0028】
録画装置5は、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データを録画するコンピュータである。録画装置5は、例えば、配信装置4から配信された映像データを、録画装置5が有する記憶部又は録画装置5の外部に設けられた記憶部に記憶させる。録画装置5は、無線通信又は有線通信によって情報処理装置1、配信装置4及び編集装置6との間で情報を送受信する。
【0029】
配信装置4は、録画装置5と一体化され、録画装置5として機能してもよい。この場合に、配信装置4は、例えば、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データを、情報端末2に配信するとともに、録画ファイルとして記憶部に記憶させる。
【0030】
編集装置6は、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データを編集するコンピュータである。編集装置6は、例えば、録画装置5が録画した映像データを、情報処理装置1が決定した対象区間に基づいて編集する。編集装置6は、無線通信又は有線通信によって情報処理装置1及び録画装置5との間で情報を送受信する。情報処理装置1、配信装置4又は録画装置5のいずれかは、編集装置6と一体化され、編集装置6として機能してもよい。
【0031】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、飛行体3が飛行を開始する前に、配信装置4に映像データの配信を開始させるための配信開始情報を送信するとともに、録画装置5に映像データの録画を開始させるための録画開始情報を送信する。情報処理装置1は、例えば、情報端末2においてユーザにより飛行体3が指定されたことに従って、配信開始情報及び録画開始情報を送信する。
【0032】
飛行体3は、例えば、電源が入る(すなわち、電源がONになる)と、撮像部を用いて撮像した映像データを配信装置4に送信することを開始する。配信装置4は、情報処理装置1から配信開始情報を受信したことに従って、飛行体3から受信した映像データを、情報端末2及び録画装置5に配信することを開始する。録画装置5は、情報処理装置1から録画開始情報を受信したことに従って、配信装置4から配信された映像データを録画することを開始する。
【0033】
情報処理装置1は、飛行体3の動作状態を特定する。情報処理装置1は、例えば、飛行体3の動作状態として、飛行体3が離陸したこと及び飛行体3が着陸したことを特定する。録画装置5による映像データの録画が終了した後に、情報処理装置1は、飛行体3の動作状態に基づいて、映像データの中で記録対象とする対象区間を決定する。情報処理装置1は、例えば、飛行体3が離陸したタイミングを対象区間の開始点とし、飛行体3が着陸したタイミングを対象区間の終了点とする。
【0034】
情報処理装置1は、決定した対象区間を示す編集情報を、編集装置6に送信する。編集装置6は、情報処理装置1から受信した編集情報に従って、録画装置5が録画した映像データの中で対象区間が残るように、映像データの長さを短くする編集を行う。
【0035】
このような構成により、情報処理システムSは、録画装置5の起動に時間が掛かる場合であっても、飛行体3が飛行を開始する前に録画装置5に映像データの録画を開始させることができるため、飛行体3が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。
【0036】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0037】
情報処理装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部11は、一又は複数の飛行体3それぞれと、当該飛行体3を飛行させる予定の飛行経路と、当該飛行体3を飛行させる予定の予定時刻と、を関連付けた飛行予定情報を予め記憶している。記憶部11は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。
【0038】
制御部12は、受付部121と、送信部122と、特定部123と、決定部124と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部121、送信部122、特定部123及び決定部124として機能する。
【0039】
編集装置6は、記憶部61と、制御部62とを有する。記憶部61は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部61は、制御部62が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部61は、編集装置6の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部62との間でデータの授受を行ってもよい。
【0040】
制御部62は、受信部621と、編集部622と、を有する。制御部62は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部61に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部621と及び編集部622として機能する。
【0041】
情報処理システムSが本実施形態に係る処理を実行するための構成を以下に説明する。情報端末2は、飛行体3の飛行を管理するための飛行管理画面を表示部上に表示する。
図3は、例示的な飛行管理画面を表示している情報端末2の模式図である。
【0042】
飛行管理画面は、例えば、飛行体3の指定欄21と、飛行体3が撮像している映像22と、飛行経路23と、飛行体3に飛行を開始させるためのボタン24と、を含む。指定欄21は、例えば、ユーザが飛行させることができる一又は複数の飛行体3の選択肢を含む。ユーザが飛行させることができる飛行体3は、例えば、情報処理装置1の記憶部11に飛行予定情報が予め記憶されている飛行体3である。情報端末2は、指定欄21に対するユーザによる操作に応じて、飛行させる飛行体3の指定を受け付ける。その後、情報処理システムSは、ユーザが指定した飛行体3が撮像した映像データの録画を開始する処理を実行する。
【0043】
図4は、情報処理システムSが映像データの録画を開始する処理を説明するための模式図である。情報端末2は、飛行管理画面においてユーザが指定した飛行体3を示す指定情報を、情報処理装置1に送信する(a1)。指定情報は、例えば、ユーザが指定した飛行体3を識別するための識別情報(以下、飛行体ID(Identification))を含む。
【0044】
情報処理装置1において、受付部121は、情報端末2からユーザが指定した飛行体3の指定情報を受け付ける。送信部122は、ユーザが指定した飛行体3が飛行を開始する前に、配信装置4に映像データの配信を開始させるための配信開始情報を送信する(a2)。配信開始情報は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0045】
送信部122は、例えば、ユーザが指定した飛行体3を受付部121が受け付けたこと、すなわち情報端末2において飛行体3が指定されたことに従って、配信開始情報を送信する。また、送信部122は、例えば、飛行体3の電源が入ったことに従って、配信開始情報を送信してもよい。また、送信部122は、例えば、情報端末2において飛行管理画面を表示するためのアプリケーションソフトウェアが起動されたことに従って、配信開始情報を送信してもよい。
【0046】
送信部122は、ユーザが指定した飛行体3が飛行を開始する前に、録画装置5に映像データの録画を開始させるための録画開始情報を送信する(a3)。録画開始情報は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0047】
送信部122は、例えば、ユーザが指定した飛行体3を受付部121が受け付けたこと、すなわち情報端末2において飛行体3が指定されたことに従って、録画開始情報を送信する。また、送信部122は、例えば、飛行体3の電源が入ったことに従って、録画開始情報を送信してもよい。また、送信部122は、例えば、情報端末2において飛行管理画面を表示するためのアプリケーションソフトウェアが起動されたことに従って、録画開始情報を送信してもよい。
【0048】
送信部122は、配信装置4に配信開始情報を送信するタイミングと同時に録画装置5に録画開始情報を送信し、又は当該タイミングの後に録画装置5に録画開始情報を送信する。
【0049】
飛行体3は、例えば、電源が入ると、撮像部を用いて撮像した映像データを配信装置4に送信することを開始する。配信装置4は、情報処理装置1から配信開始情報を受信したことに応じて、ユーザが指定した飛行体3(すなわち、配信開始情報が含む飛行体IDに対応する飛行体3)から受信した映像データを録画装置5に配信することを開始する(a4)。
【0050】
また、配信装置4は、ユーザが指定した飛行体3から受信した映像データを情報端末2に配信することを開始する。それとともに、情報処理装置1は、記憶部11に予め記憶された、ユーザが指定した飛行体3の飛行予定情報を取得し、情報端末2に送信する。
【0051】
録画装置5は、情報処理装置1から録画開始情報を受信したことに応じて、配信装置4から配信された映像データを録画することを開始する。録画装置5は、例えば、録画装置5が有する記憶部又は録画装置5の外部に設けられた記憶部に、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDと関連付けて映像データを記憶させる。録画装置5は、映像データの録画を開始したことを示す録画開始通知を、情報処理装置1に送信する(a5)。録画開始通知は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDと、録画を開始した時刻と、を含む。
【0052】
図3に戻り、情報端末2は、配信装置4から映像データを受信し、受信した映像データに基づいて飛行管理画面中の映像22を表示する。また、情報端末2は、情報処理装置1から、指定された飛行体3の飛行予定情報を受信し、受信した飛行予定情報に基づいて飛行管理画面中の飛行経路23を表示する。
【0053】
情報端末2は、ユーザによるボタン24を選択する操作に応じて、ユーザが指定した飛行体3の飛行開始要求を受け付ける。その後、情報処理システムSは、ユーザが指定した飛行体3が撮像した映像データの録画を停止する処理を実行する。
【0054】
図5は、情報処理システムSが映像データの録画を停止する処理を説明するための模式図である。情報端末2は、ユーザが指定した飛行体3の飛行開始要求を、情報処理装置1に送信する(b1)。飛行開始要求は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0055】
情報処理装置1において、受付部121は、情報端末2から飛行開始要求を受け付ける。送信部122は、飛行開始要求が含む飛行体IDに対応する飛行体3に、飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する(b2)。飛行開始情報は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行予定情報が示す飛行経路を含む。また、送信部122は、情報端末2から飛行開始要求を受け付けることなく、現在時刻が、飛行予定情報が示す予定時刻になったことに応じて、飛行体3に飛行開始情報を送信してもよい。
【0056】
飛行体3は、情報処理装置1から飛行開始情報を受信したことに応じて、飛行を開始するとともに、情報処理装置1に飛行を開始したことを示す飛行開始通知を送信する(b3)。飛行開始通知は、例えば、飛行体3が離陸した時刻を含む。
【0057】
飛行体3は、飛行開始情報が含む飛行経路を飛行した後、所定の地点(例えば、ドローンポート)に飛行し、飛行を停止するとともに、情報処理装置1に飛行を停止したことを示す飛行停止通知を送信する(b4)。飛行停止通知は、例えば、飛行体3が着陸した時刻、飛行体3のプロペラを停止した時刻、又は飛行体3の電源が切られた時刻(すなわち、電源がOFFになった時刻)を含む。
【0058】
情報処理装置1において、特定部123は、飛行体3から受信した通知に基づいて、飛行体3の動作状態と、飛行体3が当該動作状態になったタイミングと、を特定する。特定部123は、例えば、飛行体3から受信した飛行開始通知が示す時刻に飛行体3が離陸したこと(すなわち、飛行状態になったこと)を特定する。また、特定部123は、例えば、飛行体3から受信した飛行停止通知が示す時刻に飛行体3が着陸したこと(すなわち、着陸状態になったこと)を特定する。
【0059】
送信部122は、飛行体3が着陸したことを特定部123が特定したことに従って、録画装置5に映像データの録画を停止させるための録画停止情報を送信する(b5)。録画停止情報は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0060】
録画装置5は、情報処理装置1から録画停止情報を受信したことに応じて、配信装置4から配信された映像データ(すなわち、録画停止情報が含む飛行体IDに対応する飛行体3が撮像した映像データ)を録画することを停止する。録画装置5は、映像データの録画を停止したことを示す録画停止通知を、情報処理装置1に送信する(b6)。録画停止通知は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDと、録画を停止した時刻と、を含む。
【0061】
情報処理装置1において、特定部123は、録画装置5から受信した通知に基づいて、映像データの録画が開始及び停止されたタイミングを特定する。特定部123は、例えば、録画装置5から受信した録画開始通知が示す時刻に映像データの録画が開始されたことを特定する。また、特定部123は、例えば、録画装置5から受信した録画停止通知が示す時刻に映像データの録画が停止されたことを特定する。
【0062】
また、送信部122は、飛行体3が着陸したことを特定部123が特定したことに従って、配信装置4に映像データの配信を停止させるための配信停止情報を送信してもよい。配信停止情報は、例えば、ユーザが指定した飛行体3の飛行体IDを含む。配信装置4は、情報処理装置1から配信停止情報を受信したことに応じて、ユーザが指定した飛行体3(すなわち、配信停止情報が含む飛行体IDに対応する飛行体3)から受信した映像データを情報端末2及び録画装置5に配信することを停止する。また、配信装置4は、情報処理装置1から配信停止情報を受信することなく、飛行体3から映像データを受信できなくなったことに応じて、映像データを情報端末2及び録画装置5に配信することを停止してもよい。
【0063】
決定部124は、映像データの録画が停止されたことを特定部123が特定した後に、特定部123が特定した飛行体3の動作状態に基づいて、映像データの中で記録対象とする対象区間を決定する。
【0064】
図6は、決定部124が対象区間を決定する処理の一例を説明するための模式図である。
図6は、映像データを、録画開始時刻から録画停止時刻までの期間に対応する帯状領域として表している。決定部124は、例えば、特定部123が特定した飛行体3が離陸した時刻を開始点P1として決定する。決定部124は、例えば、特定部123が特定した飛行体3が着陸した時刻を終了点P2として決定する。決定部124は、開始点P1から終了点P2までの区間を、対象区間として決定する。また、決定部124は、映像データの中で対象区間以外の区間を、映像データの中で記録対象としないカット区間として決定してもよい。
【0065】
これにより、情報処理システムSは、飛行体3が飛行を開始する前から映像データを録画し、飛行体3の動作状態に基づいて映像データの中で記録対象の期間を決定するため、飛行体3が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。また、情報処理システムSは、飛行体3が実際に飛行した期間を記録対象の期間とすることにより、映像データの記録に必要な記憶部の容量を削減できる。
【0066】
図7(a)、
図7(b)及び
図7(c)は、決定部124が対象区間を決定する処理の他の例を説明するための模式図である。情報処理システムSは、飛行体3が飛行している間であって、ユーザが指定した範囲内に飛行体3が位置している間の映像データを録画することが求められる場合がある。
図7(a)の例では、決定部124は、飛行体3が飛行経路の中でユーザが指定した範囲に基づいて、対象区間を決定する。情報端末2は、例えば、飛行経路の中で、映像データの記録対象とする指定範囲の指定をユーザから受け付け、指定範囲を示す情報を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、特定部123は、情報端末2から受信した情報が示す指定範囲を特定する。
図7(a)の例では、飛行経路の中の地点2から地点3までの範囲が指定範囲である。
【0067】
また、飛行体3は、飛行した位置と、当該位置を飛行した時刻と、を関連付けた位置情報を、情報処理装置1に送信する。飛行体3は、例えば、GPS(Global Positioning System)によって飛行中の位置を特定する。情報処理装置1において、特定部123は、飛行体から受信した位置情報が示す、位置及び時刻を関連付けて特定する。
【0068】
決定部124は、飛行体3が飛行経路の中で指定範囲を飛行した際の映像データの区間を、対象区間として決定する。決定部124は、例えば、飛行体3の位置が指定範囲に含まれている間(
図7(a)の例では飛行体3が地点2から地点3までの範囲に位置している間)の時刻に対応する区間を、対象区間として決定する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3がユーザによって指定された範囲に進入したタイミングの直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。
【0069】
情報処理システムSは、飛行体3が飛行している間であって、飛行体3の動作に関するアラートが発生した後の映像データを録画することが求められる場合がある。
図7(b)の例では、決定部124は、飛行体3の動作に関するアラートに基づいて、対象区間を決定する。飛行体3は、例えば、飛行体3の動作に関するアラートが発生した場合に、当該アラートを示す情報を情報処理装置に送信する。飛行体3の動作に関するアラートは、例えば、飛行体3が備える動作機構、通信モジュール、GPSモジュール等の部品に異常が生じたことである。アラートを示す情報は、例えば、アラートの内容と、当該アラートが発生した時刻と、を含む。情報処理装置1において、特定部123は、情報端末2から受信した情報が示すアラートの内容及び時刻を特定する。
【0070】
決定部124は、例えば、所定のアラートが発生した時刻を開始点P1として決定する。また、決定部124は、例えば、所定のアラートが発生した時刻の所定時間前の時刻を開始点P1として決定してもよい。決定部124は、例えば、特定部123が特定した飛行体3が着陸した時刻を終了点P2として決定する。また、決定部124は、例えば、発生したアラートが示す異常が解消した時刻を、終了点P2として決定してもよい。また、決定部124は、例えば、発生したアラートが示す異常が解消した時刻の所定時間後の時刻を終了点P2として決定してもよい。決定部124は、開始点P1から終了点P2までの区間を、対象区間として決定する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3の動作に関するアラートが発生したタイミングの前後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。
【0071】
情報処理システムSは、飛行体3が飛行している間であって、飛行体3の動作が自律飛行から手動飛行に切り替えられた後の映像データを録画することが求められる場合がある。
図7(c)の例では、決定部124は、飛行体3の動作が自律飛行から手動飛行に切り替えられたことに基づいて、対象区間を決定する。情報端末2は、例えば、飛行体3が飛行している間に、自律飛行から手動飛行に切り替えるための操作をユーザから受け付け、自律飛行から手動飛行に切り替えることを示す情報を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、送信部122は、情報端末2から受信した情報に応じて、自律飛行から手動飛行に切り替えることを示す情報を飛行体3に送信する。これ以降、飛行体3は、情報端末2におけるユーザの操作に従って飛行する。特定部123は、飛行体3の動作が自律飛行から手動飛行に切り替えられた時刻を特定する。
【0072】
決定部124は、例えば、飛行体3の動作が自律飛行から手動飛行に切り替えられた時刻を開始点P1として決定する。また、決定部124は、例えば、飛行体3の動作が自律飛行から手動飛行に切り替えられた時刻の所定時間前の時刻を開始点P1として決定してもよい。決定部124は、例えば、特定部123が特定した飛行体3が着陸した時刻を終了点P2として決定する。また、決定部124は、例えば、飛行体3の動作が手動飛行から自律飛行に切り替えられた時刻を、終了点P2として決定してもよい。また、決定部124は、例えば、飛行体3の動作が手動飛行から自律飛行に切り替えられた時刻の所定時間後の時刻を終了点P2として決定してもよい。決定部124は、開始点P1から終了点P2までの区間を、対象区間として決定する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3の動作が自律飛行から手動飛行に切り替えられたタイミングの前後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。
【0073】
送信部122は、録画装置5が録画した映像データの中で決定部124が決定した対象区間が残るように映像データの長さを短くするための編集情報を、編集装置6に送信する。編集情報は、例えば、映像データの中で記録対象とする対象区間の開始点及び終了点と、当該映像データを識別するための識別情報(以下、映像ID)と、を含む。また、編集情報は、映像データの中で記録対象としないカット区間の開始点及び終了点を含んでもよい。
【0074】
編集装置6において、受信部621は、情報処理装置1から編集情報を受信する。また、受信部621は、受信した編集情報が示す映像IDに対応する映像データを、録画装置5が有する記憶部又は録画装置5の外部に設けられた記憶部から受信する。
【0075】
編集部622は、受信部621が受信した映像データの中で、飛行体3の動作状態に基づいて決定された対象区間が残るように、当該映像データの長さを短くする編集を行う。編集部622は、例えば、映像データの中で編集情報が示す対象区間の開始点より前のデータを削除し、映像データの中で編集情報が示す対象区間の終了点より後のデータを削除する。また、編集部622は、例えば、映像データの中で編集情報が示すカット区間の開始点から終了点までのデータを削除してもよい。編集部622は、編集後の映像データを、録画装置5が有する記憶部又は録画装置5の外部に設けられた記憶部に記憶させる。
【0076】
このように、情報処理システムSは、飛行体3が飛行を開始する前に録画装置5に映像データの録画を開始させ、録画の終了後に飛行体3の動作状態に基づいて決定された対象区間が残るように映像データを編集するため、飛行体3が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。
【0077】
[飛行管理方法のシーケンス]
図8、
図9は、情報処理システムSが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。
図9のシーケンスは、
図8のシーケンスに引き続いて実行される。飛行体3は、例えば、電源が入ると、撮像部を用いて撮像した映像データを配信装置4に送信することを開始する(S11)。
【0078】
情報端末2は、飛行体3の飛行を管理するための飛行管理画面を表示部上に表示する。情報端末2は、飛行管理画面において飛行させる飛行体3の指定をユーザから受け付け、ユーザが指定した飛行体3を示す指定情報を情報処理装置1に送信する(S12)。
【0079】
情報処理装置1において、受付部121は、情報端末2からユーザが指定した飛行体3の指定情報を受け付ける。送信部122は、ユーザが指定した飛行体3が飛行を開始する前に、配信装置4に映像データの配信を開始させるための配信開始情報を送信するとともに、録画装置5に映像データの録画を開始させるための録画開始情報を送信する(S13)。送信部122は、配信装置4に配信開始情報を送信するタイミングと同時に録画装置5に録画開始情報を送信し、又は当該タイミングの後に録画装置5に録画開始情報を送信する。
【0080】
配信装置4は、情報処理装置1から配信開始情報を受信したことに応じて、ユーザが指定した飛行体3から受信した映像データを、情報端末2及び録画装置5に配信することを開始する(S14)。
【0081】
録画装置5は、情報処理装置1から録画開始情報を受信したことに応じて、配信装置4から配信された映像データを録画することを開始する(S15)。録画装置5は、映像データの録画を開始したことを示す録画開始通知を、情報処理装置1に送信する。
【0082】
情報端末2は、飛行管理画面におけるユーザによる操作に応じて、ユーザが指定した飛行体3の飛行開始要求を受け付け、情報処理装置1に送信する(S16)。情報処理装置1において、受付部121は、情報端末2から飛行開始要求を受け付ける。送信部122は、ユーザが指定した飛行体3に、飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する(S17)。
【0083】
飛行体3は、情報処理装置1から飛行開始情報を受信したことに応じて、飛行を開始するとともに、情報処理装置1に飛行を開始したことを示す飛行開始通知を送信する。飛行体3は、飛行開始情報が含む飛行経路を飛行した後、所定の地点に飛行し、飛行を停止するとともに、情報処理装置1に飛行を停止したことを示す飛行停止通知を送信する。
【0084】
情報処理装置1において、特定部123は、飛行体3から受信した通知に基づいて、飛行体3の動作状態と、飛行体3が当該動作状態になったタイミングと、を特定する。特定部123は、例えば、飛行体3から受信した飛行開始通知が示す時刻に飛行体3が離陸したことを特定する。また、特定部123は、例えば、飛行体3から受信した飛行停止通知が示す時刻に飛行体3が着陸したことを特定する。
【0085】
送信部122は、飛行体3が着陸したことを特定部123が特定したことに従って、配信装置4に映像データの配信を停止させるための配信停止情報を送信するとともに、録画装置5に映像データの録画を停止させるための録画停止情報を送信する(S21)。
【0086】
配信装置4は、情報処理装置1から配信停止情報を受信したことに応じて、ユーザが指定した飛行体3から受信した映像データを情報端末2及び録画装置5に配信することを停止する(S22)。録画装置5は、情報処理装置1から録画停止情報を受信したことに応じて、配信装置4から配信された映像データを録画することを停止する(S23)。録画装置5は、映像データの録画を停止したことを示す録画停止通知を、情報処理装置1に送信する。
【0087】
情報処理装置1において、特定部123は、録画装置5から受信した通知に基づいて、映像データの録画が開始及び停止されたタイミングを特定する。特定部123は、例えば、録画装置5から受信した録画開始通知が示す時刻に映像データの録画が開始されたことを特定する。また、特定部123は、例えば、録画装置5から受信した録画停止通知が示す時刻に映像データの録画が停止されたことを特定する。
【0088】
決定部124は、映像データの録画が停止されたことを特定部123が特定した後に、特定部123が特定した飛行体3の動作状態に基づいて、映像データの中で記録対象とする対象区間を決定する(S24)。決定部124は、例えば、飛行体3が離陸した時刻を開始点とし、飛行体3が着陸した時刻を終了点とした対象区間を決定する。送信部122は、録画装置5が録画した映像データの中で決定部124が決定した対象区間が残るように映像データの長さを短くするための編集情報を、編集装置6に送信する。
【0089】
編集装置6において、受信部621は、情報処理装置1から編集情報を受信する。また、受信部621は、受信した編集情報が示す映像IDに対応する映像データを、録画装置5が有する記憶部又は録画装置5の外部に設けられた記憶部から受信する。
【0090】
編集部622は、受信部621が受信した映像データの中で、飛行体3の動作状態に基づいて決定された対象区間が残るように、当該映像データの長さを短くする編集を行う(S25)。編集部622は、編集後の映像データを、録画装置5が有する記憶部又は録画装置5の外部に設けられた記憶部に記憶させる。
【0091】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSは、飛行体3が飛行を開始する前から映像データを録画し、飛行体3の動作状態に基づいて映像データの中で記録対象の期間を決定するため、飛行体3が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。また、情報処理システムSは、飛行体3が実際に飛行した期間や映像データの記録が求められる期間を記録対象の期間とすることにより、全ての映像データを記録する必要がないため、映像データの記録に必要な記憶部の容量を削減できる。
【0092】
[変形例]
上述の実施形態において、ユーザが飛行体3を指定した後すぐに飛行体3の飛行を開始させると、録画装置5による映像データの録画の開始が間に合わない可能性がある。本変形例に係る情報処理システムSは、所定条件が満たされるまで飛行体3の飛行開始を制限することにより、飛行体3が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態をより確実に抑制する。
【0093】
本変形例において、情報処理装置1の送信部122は、配信装置4から情報端末2又は録画装置5の少なくとも一方への映像データの配信が開始されたことを条件として、飛行開始要求に従って飛行体3に飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する。この場合に、特定部123は、配信装置4から映像データの配信状況を示す情報を受信することによって、配信装置4から情報端末2又は録画装置5の少なくとも一方への映像データの配信が開始されたことを特定する。
【0094】
また、送信部122は、録画装置5が映像データの録画を開始したことを条件として、飛行開始要求に従って飛行体3に飛行を開始させるための飛行開始情報を送信してもよい。この場合に、特定部123は、録画装置5から録画開始通知を受信することによって、録画装置5が映像データの録画を開始したことを特定する。
【0095】
情報端末2は、例えば、情報処理装置1の送信部122が飛行開始情報を送信する条件が満たされていない場合に、飛行開始要求を行うためのユーザによる指示(すなわち、所定の操作)を受け付けず、又は飛行開始要求を行うためのユーザによる指示を無視する。この場合に、情報端末2は、情報処理装置1から飛行開始情報を送信する条件が満たされているか否かを示す情報を受信し、受信した情報に基づいて飛行開始情報を送信する条件が満たされていないことを特定する。
【0096】
また、情報端末2は、例えば、配信装置4から配信された映像データを受信した場合、又は配信装置4から受信した映像データを表示部上に表示した場合に、飛行開始情報を送信する条件が満たされたことを特定し、そうでない場合に、飛行開始情報を送信する条件が満たされていないことを特定してもよい。
【0097】
このように、情報処理システムSは、配信装置4から録画装置5への映像データの配信が開始されたことを条件として飛行開始要求を可能にすることにより、飛行体3が飛行を開始した直後に撮像した映像データを録画できない事態を抑制することができる。また、情報処理システムSは、配信装置4から情報端末2への映像データの配信が開始されたこと又は情報端末2が映像データを表示したことを条件として飛行開始要求を可能にすることにより、飛行体3が飛行を開始した直後にユーザが情報端末2において映像データを観ることができない事態を抑制し、安全性を高めることができる。
【0098】
また、情報端末2は、飛行開始要求を行うためのユーザによる指示を受け付けず、又は無視する場合であっても、飛行開始要求以外のユーザによる指示(例えば、撮像部の設定変更等)を受け付けてもよい。
【0099】
また、送信部122は、例えば、受付部121が情報端末2から飛行開始要求を受け付けた場合であっても、飛行開始情報を送信する条件が満たされるまで、飛行体3への飛行開始情報の送信を待機する。これにより、情報処理システムSは、映像データを録画するための準備が整ってから、飛行体3に飛行開始情報を送信することができる。
【0100】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0101】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0102】
情報処理装置1、情報端末2、飛行体3、配信装置4、録画装置5及び編集装置6のプロセッサは、
図8、
図9に示す情報処理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1、情報端末2、飛行体3、配信装置4、録画装置5及び編集装置6のプロセッサは、
図8、
図9に示す情報処理方法を実行するためのプログラムを実行することによって、
図8、
図9に示す情報処理方法を実行する。
図8に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0103】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 記憶部
12 制御部
121 受付部
122 送信部
123 特定部
124 決定部
2 情報端末
3 飛行体
4 配信装置
5 録画装置
6 編集装置
61 記憶部
62 制御部
621 受信部
622 編集部