(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】生成物を分注し発泡させるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65D 83/60 20060101AFI20240524BHJP
B65D 83/30 20060101ALI20240524BHJP
A47J 43/12 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B65D83/60
B65D83/30 100
A47J43/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023113933
(22)【出願日】2023-07-11
(62)【分割の表示】P 2020545212の分割
【原出願日】2018-11-16
【審査請求日】2023-07-21
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】516060428
【氏名又は名称】フリースランドカンピナ ネーデルラント ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ロベルト・ルネ・マッサ
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ジャック・クリスチャン・モーリス・カスティーヌ
(72)【発明者】
【氏名】アルノ・フレポン
(72)【発明者】
【氏名】ヨレン・スウィーク
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-206114(JP,A)
【文献】特開2012-110799(JP,A)
【文献】実開昭62-110177(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0210184(US,A1)
【文献】国際公開第2009/110794(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00-83/76
A47J 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を分注させるための携帯装置(1)であって、
- 前記装置によって発泡させかつ前記装置から分注される食品(P)を含む生成物容器(5)と、
- 少なくともガ
スを含むガス容器(7)であって、前記ガス
が温室効果ガスを含まない、ガス容器(7)と、
- 少なくとも2つの分散デバイス(10)であって、各分散デバイス(10)が、食品(P)を受け取るための前記生成物容器(5)に接続することのできる生成物入口を備え、生成物排出時に前記食品(P)に前記ガスを供給するために、さらに前記ガス容器(7)に接続することができる、少なくとも2つの分散デバイス(10)と、
- 前記ガスが供給された前記食品に対して混合処理および/または減圧を実行するために、前記分散デバイス(10)の下流側に位置する処理デバイス(12)と、
- 前記処理デバイス(12)の下流側に配置された生成物分注ヘッド(20)であって、生成物受取り空間(21)を画定して前記処理デバイス(12)から前記食品(P)を受け取り、前記分注ヘッド(20)の遠位部
が生成物成形突起(22)を有する生成物分注ヘッド(20)と、を含み、
前記分散デバイスは、同時に動作するように構成される携帯装置。
【請求項2】
前記生成物分注ヘッド(20)から離れる方向を向いた底部(B)が設けられた携帯ハウジング(H)を有し、前記生成物分注ヘッド(20)は
、前記装置の最上部に取り付けられているかまたは取付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置の最上部(19)は前記分散デバイス(10)を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
動作時にガス流および/または生成物流を誘導するための加圧ガスを含む加圧ガス供給手段(7;187;207)を含み、前記加圧ガス供給手段における初期圧力は、15バールよりも
高い、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ガス容器は、前記加圧ガス供給手段(7;207)を構成する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記分散デバイス(10)は、チャンバとガス分散管とを備
える、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記分散デバイスは、精密濾過型分散デバイスまたは限外濾過型分散デバイスで
ある、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記処理デバイス(12)は
、渦巻状または螺旋状の軌跡に沿って延びる細長い拡張流路(経路)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記拡張
流路は、1cmよりも長
い、請求項8に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記ガス容器は
、純粋な窒素もしくは空気またはそれらの混合物を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記食品(P)は、ミルクまたは生クリームを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の、食品を分注させるための携帯装置(1)であって、
- 前記装置によって発泡させかつ前記装置から分注される食品(P)を含む生成物容器(5)と、
- 少なくと
も単一のガスまたはガス混合物を含むガス容器(7)であって、前記ガス
が温室効果ガスを含まない、ガス容器(7)と、
- 食品(P)を受け取るための前記生成物容器(5)に接続することのできる生成物入口を有する分散デバイス(10)であって、生成物排出時に前記食品(P)に前記ガスを供給するために、さらに前記ガス容器(7)に接続することができる分散デバイス(10)と、
- 前記ガスが供給された前記食品に対して混合処理および/または減圧を実行するために、前記分散デバイス(10)の下流側に位置する処理デバイス(12)と、
- 前記処理デバイス(12)の下流側に配置された生成物分注ヘッド(20)であって、生成物受取り空間(21)を画定して前記処理デバイス(12)から前記食品(P)を受け取り、前記分注ヘッド(20)の遠位部
が生成物成形突起(22)を有する生成物分注ヘッド(20)と、を含み、
前記装置は、動作時にガス流および/または生成物流を誘導するために、加圧ガスを含む加圧ガス供給手段(7;187)を含み、前記加圧ガス供給手段における初期圧力が15バールよりも
高い携帯装置。
【請求項13】
前記加圧ガス供給手段(7;187)は、少なくとも50バー
ルの内部ガス圧に耐えるように構成され、
かつ、最大内部容積が200mlであるガスカートリッジを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
食品を発泡させて分注するための方法であって、分散デバイス(10)に食品(P)を供給するステップと、前記分散デバイスにガスを供給するステップと、を含み、前記ガス
は温室効果ガスを含まず、前記食品(P)は前記分散デバイス(10)を通じた第1の経路を辿り、前記分散デバイスを介して前記ガスを受け取り、前記食品は、前記分散デバイスの下流側で制御された減圧を受け、前記食品は、前記制御された減圧の間、前記第1の経路か
らずれた第2の経路を辿る方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成物を分注する(かつ発泡させる)ための携帯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の生成物分注および発泡装置の一例はエアロゾル缶である。たとえば、特許文献1を参照されたい。この公知の装置は、推進剤および食品を含むリザーバ、食品を排出するための動作可能な排出手段、ならびに食品受取り空間を画定して排出手段から食品を受け取る分注ヘッドを含む。ヘッドの遠位部は、流出する発泡生成物を成形するための食品成形突起を含む。
【0003】
この公知の装置は、便利で軽量で小型であり、使用後に処分されるように設計される。これは、たとえば、(通常、電動ポンプを有し、定期的なメンテナンスおよび洗浄工程を必要とする)市販の大型の高価なクリームホイッピングマシンと比べて顕著な利点である。
【0004】
特に、公知のエアロゾル容器を操作する間、排出手段を動作させる場合、クリームが分注ヘッドを介して分注され、いわゆる「オーバーラン」状態になり(すなわち、容積が増大する)、したがって、一般的なホイップされたクリームに似た「スプレークリーム」が得られる。
【0005】
食品は安全に消費することができる。非限定的な例として、公知のエアロゾル容器に食品および推進剤を充填することができ、容器内の初期圧力は、当業者には理解されるように充填された食品の量に応じてたとえば7~18気圧の範囲になる。公知の装置の推進剤は、食品技術の観点から許容される1つ以上のガス、たとえば、実質的に食品に溶解するガス、実質的に食品に溶解しないガス、およびこれらのガスの組合せで構成することができる。特に、特許文献1によれば、推進剤はCO2、窒素(N2)、笑気ガス(N2O)、またはこれらのガス(窒素および笑気ガスなど)の組合せで構成することができる。たとえば、推進剤のうちの15~25w%(重量%)はN2とすることができ、推進剤の残りの部分(すなわち、85~75w%)はN2Oとすることができる。
【0006】
実際には、エアロゾル容器は少なくとも、推進剤としてN2Oを含む。その理由は、このガスが、上述の圧力で適切な食品推進および食品オーバーランの結果をもたらすことができるからである。1つの問題は、N2Oがいわゆる温室効果ガスであることである。一般に、温室効果ガスの使用を制限または禁止して地球を温暖化から保護することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2008/033005号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、この問題を解決または軽減することである。特に、本発明の目的は、環境に悪影響を与えずにかつ衛生的に適切な発泡結果をもたらすことができる、前段による装置を提供することである。さらに、本発明の目的は、使い勝手がよく、生成物をそれぞれに異なる方向に分注可能であり得、経済的に製造することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、このことは請求項1の特徴によって実現することができる。
【0010】
有利なことに、
装置によって発泡させられかつ装置から分注される生成物を含む生成物容器と、
- 少なくともガス、たとえば単一のガスまたはガス混合物を含むガス容器であって、ガスが、N2Oなどの温室効果ガスを実質的に含まないガス容器と、
- 生成物を受け取るために生成物容器に接続することのできる生成物入口を有する分散デバイスであって、生成物排出時に生成物にガスを供給するためにさらにガス容器に接続することのできる分散デバイスと、
- ガスを供給された生成物に対して混合処理および/または減圧を実行するために分散デバイスの下流側に位置する処理デバイスと、
- 装置の最上部の一部であり、処理デバイスの下流側に配置された生成物分注ヘッドであって、生成物受取り空間を画定して処理デバイスから生成物を受け取り、遠位部が好ましくは生成物成形突起を有する生成物分注ヘッドと、を含み、
生成物排出時に少なくとも実質的に上下逆の向きに使用されるように構成される装置が提供される。
【0011】
このように、携帯生成物分注装置によって適切な生成物の発泡(およびその後の成形)を実現できることがわかっている。この装置は、比較的小型で軽量にすることができ(たとえば、最大質量が約1kgであり、最大内部容積が約1リットルである)、それによって、たとえば従来技術のエアロゾル缶と同様に実質的に上下逆の向きで使用して生成物を実質的に下向きの分注方向に(たとえば、生成物受けまたは生成物受け面に向けてまたは生成物受けまたは生成物受け面上に)分注することができる。生成物の発泡は、衛生的に実現することもできる。装置によって動作時に実現されるそのような分注方向を、垂直方向下向き、または垂直平面に対して所定の角度(たとえば、0~90度の範囲の角度)を含む方向とすることができることに留意されたい。同様に、装置の実質的に上下逆の向きは、当業者によって理解されるように広義に解釈すべきである。
【0012】
本発明の基本的な考えは、装置の一部として分散デバイスが適用されることであり、分散デバイスは、装置が実質的に上下逆の向きに保持されたときに適切で安定した食品の発泡を可能にすることがわかっている。分散デバイスは様々な異なる方法で構成することができる。たとえば、分散デバイスは、ガス巻込みおよび/または濾過デバイスとすることができ、ならびに/あるいは多孔性要素もしくは多孔性質量、または異なる分散デバイスを含むことができる。
【0013】
分散デバイスが精密濾過デバイスまたは限外濾過デバイスである場合に良好な結果を実現することができる。一実施形態では、分散デバイスは、細孔径が0.1~200ミクロンの範囲であり、特に細孔径が少なくとも0.1ミクロンで5ミクロン未満である通気性細孔を有する壁を備えることができる。そのような分散デバイスを使用すると、非常に安定していて魅力的であり、特に品質が一定である発泡体を比較的簡単にかつ安価に得ることができるようである。したがって、様々な発泡可能な生成物を用いる場合、さらに、いずれにしても特に高度な(通気度が高い)オーバーラン、すでに公知の方法によって得られるオーバーランと同等であるかまたはそれよりも高度な適切なオーバーランが得られることがわかっている。最低オーバーランは、(生成物および用途に応じて)たとえば約100%、特に約150%、さらに約200%とすることができる。さらに、適切な最終生成物安定性(すなわち、発泡した生成物の形状を長時間にわたって維持すること)を実現することができる。
【0014】
分散デバイスは、それぞれに異なる構成を有するガス分散壁を含むことができ、たとえば、チューブ内側空間をチューブ外側空間から分離する管状(たとえば、精密濾過)壁とすることができる。別の実施形態では、分散デバイスは、たとえば平坦なガス分散壁(たとえば、シート状壁または膜状壁)を備えており、この壁の一方の側に壁に沿って(前述の第1の空間を通して)生成物を送り、他方の側にガスを(前述の第2の空間に)送り、それによって、ガス分散壁を介して生成物にガスが(特にこの壁で構成された細孔を介して)注入される。
【0015】
さらに、本発明によって形成された生成物は、生成物が消費されることを目的としたものである場合、特に好ましい味覚をもたらすことができる。さらに、分散デバイスは、分注装置に適切に組み込むことができるように比較的小型にすることができ、しかも高品質の発泡体による発泡を実現できることがわかっている。
【0016】
たとえば、一体型の微粒分散デバイスを様々な方法で設計することができる。特にこのデバイスは、剛性を有する壁を備えることができ、この壁は(生成物を送り込むための)生成物送込み空間をガス供給空間から分離する。このガス分散壁は好ましくは、(たとえば、この壁を横切ってガス供給空間から生成物送込み空間まで延びる)多数のフロースルー流路を備え、これらの流路は少なくとも、比較的幅の狭い流出口(流路の各々を幅の狭い流路とすることもできるが、このことは必須ではない)を備える。特に、ガス分散壁は非常に剛性が高く、生成物送込み空間とガス供給空間との間での使用時に優勢になることがある圧力差、たとえば、1バールよりも低い圧力差(本出願に記載される圧力は絶対圧力である)の影響を受けても変形しない。
【0017】
さらなる構成によれば、装置によって分注される生成物は、均一に発泡する生成物(単分散生成物発泡体であってもそうでなくてもよい)とすることができる。
【0018】
さらなる構成によれば、装置は、分散デバイスの下流側において、好ましくは生成物に制御された減圧が生じるように設計することができる。ここで、生成物の圧力は特に、第1の圧力値から第2の圧力値へと徐々に変化することができ、第1の圧力値は第2の圧力値よりも高い(第1の圧力と第2の圧力との間の圧力差は、たとえば1バールよりも高く、たとえば、約2~10バールの範囲、特に約4~5バールの範囲の圧力差、または別の圧力差とすることができる)。第1の圧力は、たとえば過圧であってもよい。第2の圧力は、たとえば実質的な大気圧であってもよい。
【0019】
減圧は、たとえばその目的に適した生成物処理デバイス(すなわち、減圧器、減圧デバイス)によって行うことができる。この処理デバイスは、たとえば減圧のために流動する生成物にせん断を加えるように構成することができる。
【0020】
徐々に減圧を施し、制御しながら生成物にせん断を加えることによって、生成物の分離を適切に防止または制限することができる。
【0021】
微粒分散デバイスの下流側において、生成物が混合処理を受けて、特に均一な生成物発泡体を得る場合に適切な結果が得られることがわかっている。その場合、混合処理が静的混合デバイスによって行われると特に有利である。混合デバイスは、たとえば前述のような生成物処理デバイスとすることができ、減圧およびせん断を生成物に特に簡単に施すことができることがわかっている。
【0022】
上記の態様と組み合わせることのできる本発明の別の態様によれば、生成物を分注するための携帯装置であって、
- 装置によって発泡させられかつ装置から分注される生成物を含む生成物容器と、
- 少なくともガス、たとえば単一のガスまたはガス混合物を含むガス容器であって、ガスが実質的にN2Oなどの温室効果ガスを含まない、ガス容器と、
- 生成物を受け取るために生成物容器に接続することのできる生成物入口を有する分散デバイスであって、生成物排出時に生成物にガスを供給するためにさらにガス容器に接続することができる分散デバイスと、
- ガスを供給された生成物に対して混合処理および/または減圧を実行するために分散デバイスの下流側に位置する処理デバイスと、
- 処理デバイスの下流側に配置された生成物分注ヘッドであって、生成物受取り空間を画定して処理デバイスから生成物を受け取り、遠位部が好ましくは生成物成形突起を有する生成物分注ヘッドと、を含み、
生成物容器がハウジングに組み込まれ、ハウジングが、生成物を排出するための排出弁を含む頂部を有し、ハウジングの頂部が、ハウジングにガスを送り込むためのガス入口をさらに含み、装置はまた、ハウジングの頂部に取り付けられる最上部を含み、最上部が、動作時にガス流および生成物流を誘導するために加圧ガスを含む加圧ガス供給手段を含み、加圧ガス供給手段の出口が、ハウジングのガス入口に接続することができる携帯装置が提供される。
【0023】
このようにして、上述の利点を実現することができる。加圧ガス供給手段は、たとえばハウジングの最上部に組み込まれるように比較的小型にすることができる。さらに、これらの加圧ガス供給手段において比較的高い初期圧力を使用することができる。
【0024】
たとえば、ハウジングの生成物排出弁は生成物排出流路とガス排出流路とを含むことができ、たとえばガス排出流路が生成物排出流路に対して、(たとえば生成物排出流路の周りまたは内部に)同心円状に配置されるか、または各流路が互いに隣り合わせて(たとえば並行して)延びる。
【0025】
上記の態様と組み合わせることのできる本発明のさらに別の態様によれば、生成物を分注するための携帯装置であって、
- 装置によって発泡させられかつ装置から分注される生成物を含む生成物容器と、
- 少なくともガス、たとえば単一のガスまたはガス混合物を含むガス容器であって、ガスが実質的にN2Oなどの温室効果ガスを含まない、ガス容器と、
- 各分散デバイスが、生成物を受け取るために生成物容器に接続することのできる生成物入口を有する少なくとも2つの分散デバイスであって、生成物排出時に生成物にガスを供給するためにさらにガス容器に接続することができる少なくとも2つの分散デバイスと、
- ガスを供給された生成物に対して混合処理および/または減圧を実行するために分散デバイスの下流側に位置する処理デバイスと、
- 処理デバイスの下流側に配置された生成物分注ヘッドであって、生成物受取り空間を画定して処理デバイスから生成物を受け取り、遠位部が好ましくは生成物成形突起を有する生成物分注ヘッドと、を含み、
分散デバイスは、同時に動作するように構成される携帯装置が提供される。
【0026】
このようにして、上述の利点を実現することもできる。さらに、このようにして、比較的小型の手段が相対的に発泡する生成物流/分注率をもたらすことができ、たとえば、それによって、下流側食品成形突起(もしあれば)によって適切な食品成形を実現することができる。
【0027】
上記の態様と組み合わせることのできる本発明のさらに別の態様によれば、生成物を分注するための携帯装置であって、
- 装置によって発泡させられかつ装置から分注される生成物を含む生成物容器と、
- 少なくともガス、たとえば単一のガスまたはガス混合物を含むガス容器であって、ガスが実質的にN2Oなどの温室効果ガスを含まない、ガス容器と、
- 生成物を受け取るために生成物容器に接続することのできる生成物入口を有する分散デバイスであって、生成物排出時に生成物にガスを供給するためにさらにガス容器に接続することができる分散デバイスと、
- ガスを供給された生成物に対して混合処理および/または減圧を実行するために分散デバイスの下流側に位置する処理デバイスと、
- 処理デバイスの下流側に配置された生成物分注ヘッドであって、生成物受取り空間を画定して処理デバイスから生成物を受け取り、遠位部が好ましくは生成物成形突起を有する生成物分注ヘッドと、を含み、
動作時にガス流および/または生成物流を誘導するために加圧ガスを含む加圧ガス供給手段を含み、加圧ガス供給手段における初期圧力が15バールよりも高く、特に50バールよりも高く、たとえば100バールよりも高い携帯装置が提供される。
【0028】
このようにして、上述の利点を実現することもできる。15バールよりも高い上述の圧力は、特に温度が20℃の場合に測定される圧力である。
【0029】
たとえば、加圧ガス供給手段は、特に剛性を有する構成を有し、(20℃で測定された場合に)少なくとも50バール、たとえば少なくとも100バール、特に少なくとも200バールの内部ガス圧に耐えるように構成され、好ましくはスチールで作られ、好ましくは20ml、特に14mlの最大例内部容積(maximum example internal volume)について最大内部容積が200mlであるガスカートリッジを含んでもよい。
【0030】
本発明は、生成物を発泡させ分注するための方法であって、本発明による装置を使用することを含む方法も提供する。
【0031】
一実施形態によれば、この方法は、分散デバイスに生成物を供給するステップと、分散デバイスに第1のガスを供給するステップと、を含み、第1のガスが好ましくはN2Oなどの温室効果ガスを含まず、生成物が分散デバイス内の第1の経路を辿り、分散デバイスを介して第1のガスを受け取り、生成物が分散デバイスの下流側で制御された減圧を受け、生成物が、制御された減圧の間、第1の経路から実質的にずれた第2の経路を辿る。
【0032】
さらに、一態様によれば、生成物を発泡させ分注するための方法、たとえば上述の方法であって、
分散デバイスに生成物を供給するステップと、分散デバイスに第1のガスを供給するステップと、を含み、第1のガスが好ましくはN2Oなどの温室効果ガスを含まず、生成物が分散デバイスを介して第1のガスを受け取り、生成物が分散デバイスの下流側で制御された減圧を受け、
第2のガスが、生成物流と第1のガスの流れの両方を誘導するために使用され、第2のガスが、第1のガスから分離されたままに維持される方法が提供される。
【0033】
さらなる有利な実施形態については従属請求項において説明する。次に、本発明の例について、図面を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の第1の非限定的な実施形態を概略的に示す図である。
【
図2A】一選択肢による
図1の第1の実施形態の詳細を概略的に示す図である。
【
図2B】一選択肢による
図1の第1の実施形態の詳細を概略的に示す図である。
【
図3】生成物分注装置の第2の実施形態の部分開放側面図である。
【
図4】第2の実施形態の別の視野角から見た、
図3と同様の図である。
【
図5】装置の最上部が分離された第2の実施形態の斜視図である。
【
図6A】一動作状態における、本発明の第2の実施形態の部分開放構成の側面図である。
【
図6B】一動作状態における、本発明の第2の実施形態の部分開放構成の側面図である。
【
図7】別の側面図における第2の実施形態の部分開放構成を示す図である。
【
図8】第2の実施形態の弁部における部分開放構成を示す図である。
【
図10】排出弁が初期閉状態であるときの第2の実施形態の弁部の開放側面図である。
【
図11】弁が開弁状態に移動したときのガス流および生成物流を示す、
図10と同様の図である。
【
図12】第2の実施形態の減圧部の詳細開放側面図である。
【
図13A】第2の実施形態のノズル部の断面図である。
【
図13B】第2の実施形態のノズル部の側面図である。
【
図14A】一動作状態における第2の実施形態を示す図である。
【
図14B】一動作状態における第2の実施形態を示す図である。
【
図14C】一動作状態における第2の実施形態を示す図である。
【
図15A】一動作状態における分注および発泡装置の第3の実施形態を示す図である。
【
図15B】一動作状態における分注および発泡装置の第3の実施形態を示す図である。
【
図15C】一動作状態における分注および発泡装置の第3の実施形態を示す図である。
【
図15D】一動作状態における分注および発泡装置の第3の実施形態を示す図である。
【
図16A】最上部を分離する前の
図15の第3の実施形態の開放側面図である。
【
図16B】最上部を分離した後の
図15の第3の実施形態の開放側面図である。
【
図17A】第3の実施形態の一部の斜視底面図である。
【
図17B】第3の実施形態の一部の斜視上面図である。
【
図18】第3の実施形態の最上部の開放側面図である。
【
図20】分注装置の第4の実施形態の部分開放状態および部分分解状態の概略図である。
【
図21B】第5の実施形態の斜視側面図であり部分開放図である。
【
図24】分注デバイスのさらなる実施形態の詳細斜視開放側面図である。
【
図25A】分注装置の第8の実施形態の斜視側面図である。
【
図25C】第8の実施形態の下部の一部の斜視開放図である。
【
図25E】線XXVE-XXVEに沿った、
図25Dに示す装置部分の縦断面図である。
【
図25F】線XXVF-XXVFに沿った、
図25Dに示す装置部分の横断面図である。
【
図25G】部分分解後の第8の実施形態の最上部の斜視図である。
【
図25H】第8の実施形態の処理デバイスの一部の斜視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願では、同様の特徴または対応する特徴は、同様の参照符号または対応する参照符号によって示される。
【0036】
図1は、生成物Pを分注(かつ発泡生成物P´を排出)するための携帯装置1の一部を概略的に示す。装置1は、
- 装置によって発泡させられかつ装置から分注される生成物Pを含む生成物容器5と、
- 少なくともガス、たとえば単一のガスまたはガス混合物を含む少なくとも1つのガス容器7であって、ガスが、N
2Oなどの温室効果ガスを実質的に含まない、少なくとも1つのガス容器7と、
- 生成物Pを受け取るために生成物容器5に接続することのできる生成物入口を有する少なくとも1つのガス分散デバイス10であって、生成物排出時に生成物Pにガスを供給するためにさらにガス容器7に接続することのできる少なくとも1つのガス分散デバイス10と、
- ガスを供給された生成物に対して混合処理および/または減圧を実行するために分散デバイス10の下流側に位置する処理デバイス12と、
- 装置1の最上部19の一部であり、処理デバイス12の下流側に配置された生成物分注ヘッド20であって、生成物受取り空間21(
図4、
図5参照)を画定して処理デバイス12から発泡生成物P´を受け取り、遠位部が好ましくは生成物成形突起22を有する生成物分注ヘッド20と、を含む。
【0037】
装置1は、
図1に示すように生成物排出時に実質的に上下逆の向きに使用されるように構成される(さらなる実施形態に関して
図14Cおよび
図15Dも参照されたい)。したがって、装置は有利なことに、たとえば、(仮想水平回転軸に対して)少なくとも90度の角度にわたって装置を回転させることによって、装置1の向きを初期格納位置から、たとえば上下逆の向きまたは同様の下向きの構成に変更することによって使用されるように構成することができる。さらに、たとえば好ましい実施形態によれば、装置は、生成物容器から生成物Pを受け取るための浸漬管を含まず(すなわち、生成物容器に浸漬管が存在する必要はない)、または装置は、ガス/空気空隙なしに生成物を充填する可撓性のバッグオンバルブ型生成物ホルダーを含む。
【0038】
装置は、生成物分注ヘッド20から離れる方向を向いた底部Bを備える携帯ハウジングH(
図1には示されていない。
図3および
図14における第2および第3の実施形態101、201のハウジングHも参照されたい)を有し、生成物分注ヘッド20は特に、装置の最上部に取り付けられているかまたは取付け可能である。(
図3~
図23に示す例と同様に)生成物容器はハウジングHに組み込まれることが好ましい。
【0039】
装置のハウジングHは、ユーザによって片手で持ち上げられるように形作られ(装置を操作するユーザの手Rが
図1に示されている)、たとえばハウジングHは、細長い形状を有しならびに/または把持位置において最大幅が10cmである。したがって、たとえばハウジングHは、ユーザが持ち上げて手で向きを変えるのが容易であるように構成するかまたは形作ることができる。本例では、ハウジングHは、その目的のために実質的に円筒形の外側を有するが、ハウジングの外形はそれに限定されない。
【0040】
さらに、装置1は、生成物の発泡および分注を開始し、その後停止するように手で制御することができる操作手段K、たとえばハンドルまたはノブを含む。操作手段Kは、たとえば流れ制御手段40、41(たとえば、それぞれのフローバルブ)と協働してガス流および生成物流を制御するように構成することができる。
【0041】
装置1は特に、動作時にガス流および生成物流を誘導するために加圧ガスを含む加圧ガス供給容器7を含む。一実施形態では、加圧ガス供給手段における初期圧力は比較的高くすることができ、すなわち15バールよりも高く、特に50バールよりも高く、たとえば100バールよりも高くすることができる(圧力は20℃で測定される)。そのような高い(初期)圧力を有する加圧ガス容器7を使用することによって、比較的小型の手段を使用して比較的長い動作排出期間を実現することができる。代替実施形態では、加圧ガス供給手段における初期圧力は15バール以下とすることができ、たとえば圧力は10~15バールの範囲とすることができる(たとえば、約12または13バール)。
【0042】
好ましい実施形態では、たとえば加圧ガス供給手段7は使い捨てガスカートリッジであり、好ましくは少なくとも50バール、たとえば少なくとも100バール、または場合によっては少なくとも200バールの内部ガス圧に耐えるように構成され、好ましくはスチールで作られ、好ましくは20mlの最大例内部容積(たとえば、14ml)について最大内部容積が200mlである。したがって、そのようなガスカートリッジは、公知であり、動作に必要なガスを装置1に供給するための比較的小型で費用効率が高く経済的な手段を構成することができる。
【0043】
したがって、分散デバイス10は様々な方法で構成することができる。分散デバイス10はたとえば、多孔性質量、シートもしくは膜、濾過管(もしくは管状膜)、または異なる手段によって設けることができる。
【0044】
本例では(
図1参照)、分散デバイス10は、チャンバとガス分散管とを備え、この管は好ましくは、チャンバの内側から実質的に間隔を置いて配置され、たとえば中心に配置される。管は壁(または「分散要素」)15aとして働くことができ、チャンバを生成物送込み空間15bおよびガス供給空間15c(
図2A、
図2B参照)に分離する。
図2Aでは、管壁15aは、生成物送込み空間15bを囲み、ガスが、外部に配置されたガス供給空間15cを介して供給され、壁15aを介して生成物内に分散される。
図2Bは、代替構成を示し、この場合管壁15aはガス供給空間15cを囲み、生成物が外部に配置された生成物送込み空間15bを介して(ガスを受け取るために)送り込まれる。この構成は、動作時に改良されたガス圧制御およびそれぞれの分散を実現することができる。
【0045】
分散デバイス10が精密濾過または限外濾過型分散デバイスであり、たとえば細孔径が0.1~200ミクロンの範囲であり、たとえば0.1~100ミクロンの範囲であり、特に細孔径が少なくとも0.1ミクロンで5ミクロン未満である通気性細孔を有する壁15a(
図2参照)を備える分散デバイス(たとえば管状分散デバイス)である場合に適切な結果を実現することができる。管状壁15a(
図2A、
図3、
図4を参照されたい)を有する分散デバイスの場合、小型の濾過(膜)管を利用して比較的適切な結果を実現することができる。
【0046】
たとえば、分散デバイス10のそれぞれの(たとえば、管状)壁15aは、比較的短い(縦方向に測定され、すなわちそれぞれの生成物送込み空間15bにおいて、概略的な生成物流方向に並行する方向に測定された)長さを有することができ、特に長さを5cm以下、好ましくは4または3cm以下、たとえば約1~2cmの範囲の長さとすることができる。代替として、壁15aは、長さを5cmよりも長く、たとえば5~40cmの範囲、または10~25cmの範囲の長さとすることができる。さらに、たとえば壁15aは、比較的小さい内径(壁15aによって囲まれるそれぞれの空間15bまたは15cの直径)を有することができ、たとえば内径は6mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、たとえば2mm以下とすることができる。それぞれの壁15aの壁厚さ(すなわち、フィルタ壁の内側から外側まで左右方向に測定された厚さ)も好ましくは薄く、3mm以下または2mm以下、好ましくは1mm以下であってもよく、たとえば壁厚さは約0.5~1mmの範囲であってもよい。非限定的一例では、内径が1.8mmで外径が2.8cmであり、長さが1~2cmの範囲であり、細孔径が0.2ミクロンであるプラスチック(特にポリプロピレン)製濾過管が適切な結果をもたらした。
【0047】
したがって、特に分散デバイス10は壁15aを備えることができ、壁15aは(生成物を送り込むための)生成物送込み空間15bをガス供給空間15cから分離する。壁15aは好ましくは、(たとえばこの壁15aを横切ってガス供給空間15cから生成物送込み空間15bまで延びる)多数のフロースルー流路を備え、これらの流路は少なくとも、比較的幅の狭い流出口を備える(流路の各々を幅の狭い流路とすることもできるが、このことは必須ではない)。特に壁15aは、剛性を非常に高くすることができ、それによって壁15aは、生成物送込み空間15bとガス供給空間15cとの間において使用時に優勢になることがある圧力差、たとえば1バールよりも低く、たとえば、約0.1バールの圧力差、または別の圧力差(本出願に記載された圧力は絶対圧力である)の影響を受けても変形しない。
【0048】
さらなる構成によれば、生成物送込み流路を囲む壁15aの表面における細孔の累積細孔表面はたとえば、その表面の残りの閉鎖部よりも小さい場合がある。その壁表面では、細孔はさらに、たとえば互いに隣接する細孔の周方向縁部が、たとえば上述の細孔寸法よりも大きい相互距離だけ互いから離れるように表面において分散されてもよい。平均細孔径と(近隣の細孔間の)平均最小近隣距離との比は、たとえば約1:1~1:50、特に1:2~1:20の範囲、または別の比であってもよい。
【0049】
代替として、生成物送込み流路を囲む壁15aの表面における細孔の累積細孔表面は、たとえばその表面の残りの閉鎖部よりも大きくてもよい。その壁面では、細孔はさらに、たとえば互いに隣接する細孔の周方向縁部が、たとえば上述の細孔寸法よりも小さい相互距離だけ互いから離れるように表面において分散されてもよい。平均細孔径と(近隣の細孔間の)平均最小近隣距離との比は、たとえば約10:1~1:1、特に5:1~1:1の範囲、または別の比であってもよい。
【0050】
図2A、
図2Bにおいて、矢印f
gはそれぞれのガス流を示し、矢印f
pは、それぞれの生成物流を示す。
図2A、
図2Bからわかるように、排出時に、生成物Pはたとえば、分散デバイスのガス分散壁に沿って流れることができ、一方でガスはガス供給空間から各細孔に供給され、細孔を介して生成物に供給される。具体的には、ガス供給空間において優勢な圧力は、たとえばガス分散壁に沿って流れる生成物の圧力よりも高くすることができる。
図2Aによる構成では、管状分散要素15aを適用した場合、ガスが生成物に半径方向内側に注入され、一方、
図2Aの代替実施形態は、ガスの生成物への実質的に半径方向外側への注入を示す。当業者は、他のガス分散/注入方向も実現可能であることが理解されよう。
【0051】
分散デバイス/要素(たとえば壁15a)は、当業者によって理解されるように様々な方法で構成することができる。好ましい実施形態では、分散要素15aは、プラスチックまたはプラスチック化合物、たとえば(限定はしないが)ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルスルフォン(PE)、または別のプラスチックもしくは熱プラスチックから作ることができる。代替として、分散要素15aはセラミック材料、たとえばアルミナまたは酸化アルミニウム(Al2O3)を含むセラミックから作ることができる。本発明のさらなる構成によれば、ガスは、2バールよりも高い(絶対)圧力、たとえば3バールよりも高い範囲の圧力、特に約3~10バールの範囲の圧力の影響下で分散デバイスを介して生成物に導入することができる。ガス供給空間15cにおけるガス圧の好ましい圧力範囲は、4~6バールであることがわかっている。
【0052】
任意選択で、装置は、この場合は並列に配置された複数の分散デバイス10(1)、10(2)を含み、同時に動作するように構成される。そのような実施形態の例は
図24に示されている。この場合、分散デバイス10(1)、10(2)の各々がたとえば、上述の精密濾過型分散デバイスもしくは限外濾過型分散デバイス、またはたとえば生成物を受け取り、同時にガスを生成物に注入し、得られた生成物P´を同時に排出ノズル20に向けて排出するように構成された異なる種類の分散デバイスを含むことができる。分散デバイス10(1)、10(2)は、実質的に同じ方向に向けることができ、次に互いの方へ延びまたは互いの近くに延び、比較的小型の構成が得られる。
【0053】
処理デバイス12は、様々な方法で構成することができる。たとえば、処理デバイス12はスタティックミキサーとすることができる。好ましい実施形態では、処理デバイス12は、たとえば渦巻状および/または螺旋状の軌跡に沿って延びる少なくとも1つの細長い流路(経路)を備えることができる。たとえば、この拡張経路または管は、分散デバイス10の下流側に適切な制御された減圧をもたらすために、1cmよりも長く、たとえば10cmよりも長くすることができ、長さを特に少なくとも15cmにすることができる。比較的長い螺旋状生成物処理経路を構成する比較的小型の処理デバイス12の一例が、
図3~
図18(以下を参照されたい)の実施形態にも示されており、螺旋状および/または渦巻状の経路は、たとえば多数の以後のループ(たとえば、少なくとも2つのループ)を含むことができ、所望の長い処理経路長がもたらされる。
【0054】
この装置は、分散デバイス10に送られる生成物および/またはガスの圧力および/または比を調整するように構成された圧力調整手段30、31をさらに備えることができる。
図1の例では、圧力調整手段は、ガス容器7と分散デバイス10との間のガス流経路内に配置された第1の減圧器30を含む。第1の減圧器30は、分散デバイス10を介して生成物にガスを注入できるように、ガス容器7から受け取られたガスの前述の比較的高い圧力を第1の所定のより低い圧力(前記比較的高い圧力よりも低い圧力)に低減させるように構成される。
【0055】
また、
図1の例では、圧力調整手段は、ガス容器7と生成物容器との間のガス流経路内に配置された第2の減圧器31を含む。第2の減圧器31は、生成物Pを生成物容器から分散デバイス10に送り出せるように、ガス容器7から受け取られたガスの比較的高い圧力を第2の所定のより低い圧力(すなわち、前記比較的高い圧力よりも低い圧力)に低減させ、かつ生成物が分散デバイス10を通過することができ、分散デバイスからガスを受け取り、排出ノズル20を介して発泡生成物P´として排出されるように構成される。
【0056】
さらなる好ましい実施形態では、装置は、好ましくは特に装置の操作手段Kの作動時に、ガス容器7から分散デバイス10へのガスの供給が生成物の分散デバイス10への供給よりも前に開始されるようにガス流および生成物流を制御するための制御手段40、41を含む。たとえば前記操作手段Kは、操作手段Kを介して装置を手動で排出作動させるときに、生成物流制御手段41を作動させる前にガス流制御手段40を作動させるように構成することができる。さらにまたは加えて、制御手段40、41は、ガスが分散デバイス10に進入した直後に生成物が分散デバイス10に進入し、たとえば分散壁15aがガス供給空間15cからガスを受け取る前に、生成物が分散壁15aに(ガス供給空間15cに向けて)押し込まれるのを防止するように構成できることが好ましい。
【0057】
図1の実施形態では、ガス容器は、加圧ガス供給手段7を構成する。代替として、たとえば
図3~
図11を参照されたい。加圧ガス供給手段187はガス容器から分離することができる。
【0058】
図1を参照すると、装置は、N
2Oなどの温室効果ガスを実質的に含まないガス、たとえば単一のガスまたはガス混合物を含む単一のガス容器7を含むことができる。たとえば、それぞれのガスは窒素、アルゴン、もしくは空気、またはそれらの混合物とすることができる。好ましい実施形態では、装置は、互いに比較的長い動作期間を実現する複数のそのようなガス容器7、たとえば複数の比較的小型のガス容器を含むことができる。
【0059】
以下にさらに詳しく説明するように、加圧ガス供給手段7の出口は、最初は閉鎖密封構造によって密封されてもよい。その場合、好ましくは装置1は、ガス供給手段7を最初に使用する前に密封構造を開放するための機構(たとえば、シール貫通構造)を含んでもよい。したがって、装置1は、最初に使用する前に、一体型ガス供給システムの下向き部分を加圧せずに安全に格納し輸送することができる。
【0060】
生成物Pは、たとえばミルクもしくは生クリーム、または発泡させる異なる種類の生成物を含む食品とすることができる。特に、生成物Pは(特に動作温度で、すなわち通常の使用時に)発泡性の液体または液体状の物質である。
図1に示すように、そのような生成物Pは、重力の下で、それぞれの容器5内で少なくとも垂直方向においてより低いレベルに位置する。この例では、生成物容器5の構成は、装置1(容器5を含む)が実質的に上下逆の排出位置に保持されるときにそれぞれの生成物出口5aが生成物容器5の実質的により低いレベルに位置するような構成である。これによって、装置1が生成物Pを排出するように(それぞれの操作手段Kを介して)操作されるときに生成物Pが少なくとも生成物出口5aに存在することができる。別の実施形態では、生成物を可撓性のバッグオンバルブ(BOV)型容器内に保持することができ、容器の向きにかかわらず、生成物を容器の出口(「弁」)に向けて押すことができる。
【0061】
図1の例では、生成物容器5の内容物は、(ガス容器7から)ガスによって直接加圧されるように構成される。その目的のために、生成物容器5は、動作時にガスを受け取るためのガス入口5bを含むことができる。さらなる好ましい実施形態では、生成物容器は可撓性のバッグ、たとえば動作時に外部ガス圧によって圧縮されるバッグである。そのような構成の例が
図3~
図11(以下を参照されたい)に示されている。
【0062】
代替として、
図22を参照されたい。装置1は、外部コンプレッサおよび/または高圧外部ガスリザーバと協働してガス容器を充填または再充填するように構成することができる。また、さらに別の実施形態において、
図23を参照されたい。装置1は、ガス容器を充填または再充填するために内部コンプレッサを含むことができる。
【0063】
装置1の動作は、生成物Pを発泡させ分注するための方法を含むことができる。最初に使用する前に、ユーザによってガス容器7の任意選択のシールが除去または破壊されてもよい。次に、ユーザは装置1を(たとえば初期アイドル位置または格納位置から)実質的に下(上下逆の)向きに再配置し、たとえば排出ノズル20を生成物受取り領域に向けることができる。次にユーザは、たとえばそれぞれのアクチュエータ要素、ハンドルまたはノブ(もしあれば)をアイドル位置からアクティブ位置に押すかまたは移動させることにより、操作手段Kを作動させることによって生成物発泡および排出を開始することができる。操作手段Kを作動させた結果として、ガス流制御手段30、31はそれぞれの流経路を開く。したがって、ガスはガス容器7から生成物容器5内に放出され、生成物Pを容器出口5aおよびそれぞれの生成物供給経路を介して分散デバイス10に向けて押し、分散デバイス10を通過させる。ガスはまた、ガス容器7から直接(それぞれのガス供給経路を介して)分散デバイス10に向けて放出され、そのデバイス10を介して注入されて生成物を発泡させる。前述のように、好ましくは分散デバイス10へのガス流は、分散デバイスへの生成物流が開始する直前に開始される(たとえば流れ制御手段40、41によって行われる)。このようにして、たとえば分散デバイスおよび/または排出の詰まりを防止することができ、正規の生成物排出を実現することができる。得られた生成物は、生成物に対して混合処理および/または減圧を行う下流側の処理デバイス12において/によって処理されることが好ましい。処理済みの発泡生成物P´は次いで、ノズル20を介して排出され、たとえばそれぞれのノズル突起(たとえば歯)22がもしあれば、それによって成形することができる。
【0064】
所望の量の発泡生成物P´が排出された後、ユーザは操作手段Kを解放することができ、操作手段Kは次いで初期アイドル状態に戻ることができ、それによって、ガス流制御手段30、31はそれぞれの流経路を閉じる。
【0065】
この例では、発泡生成物P´は、垂直方向下向きまたは垂直平面に対して特定の角度(たとえば、垂直平面に対して0~90度の範囲、特に約0~45度の範囲の角度)を含む方向に排出される。したがって、装置の操作は特に利用しやすい。
【0066】
この場合、ガスを生成物に注入することによって、同じガスが生成物流を誘導することと生成物を発泡させることとに使用される。
【0067】
代替として、第2の実施形態と同様に、第2のガスを生成物流と第1のガスの流れの両方を誘導するのに使用することができ、第2のガスは第1のガスから分離されたままに維持される。たとえば第2のガスは、装置の使用中および使用後に装置内に残留することができる。
【0068】
そのような従来技術のエアロゾル容器に勝る本発明の主な利点は、本装置1が動作時に温室効果ガスを実質的に排出せず、しかも比較的高い衛生レベルで適切な発泡結果、生成物成形結果(所望の場合)をもたらすことができることである。
【0069】
図3~
図14は、本発明の第2の非限定的実施形態を示す。第2の実施形態は、装置101が2つの異なるガス容器107、187を含むという点で第1の実施形態とは異なる。ガス容器107のうちの1つは、生成物Pに注入すべきガスを含む。他のガス容器187は、発泡プロセスを誘導するために加圧ガスを含む。
【0070】
特に、第2の実施形態では、生成物容器105がハウジングHに組み込まれる。生成物容器105の一部が
図8、
図10、
図11に示されている。
【0071】
特に、生成物容器105は可撓性のバッグであり、生成物を排出するための操作時に外部ガス圧によって圧縮されるように構成される。
【0072】
さらに、第2の実施形態では、非温室効果ガスを含む第1のガス容器107が、ハウジングHに組み込まれる。それぞれのガス容器107の一部も
図8、
図10、
図11に示されている。このガス容器107も、たとえば可撓性のバッグとすることができ、ガスを分注するための操作時に外部ガス圧によって圧縮されるように構成される。
【0073】
可撓性の生成物容器105が全体的に可撓性を有してもよく、または部分的に可撓性を有してもよいことに留意されたい。たとえば、そのような生成物容器は、外部加圧の下で内側に移動することができ、容器の内容物の排出を可能にする少なくとも可撓性の壁部を含んでもよい。
【0074】
同様に、可撓性のガス容器107は全体的に可撓性を有してもよく、または部分的に可撓性を有してもよいことに留意されたい。たとえば、そのようなガス容器は、外部加圧の下で内側に移動することができ、その容器のガス状内容物の排出を可能にする少なくとも可撓性の壁部を含んでもよい。
【0075】
さらに、本例では、可撓性の生成物容器105は可撓性のガス容器107内に延びる。したがって、この実施形態は「バッグインバッグ」型装置と呼ぶことができる。代替として、装置のハウジングH内で2つのバッグ型容器(1つは生成物用で1つはガス用)を隣り合わせに配置することができる。
【0076】
ハウジングHは、生成物容器105とガス容器107との両方を囲む(包囲する)加圧(すなわち圧縮)チャンバ145をさらに含む。加圧チャンバ145を、特にそのチャンバに(第2の加圧されたガス容器187から放出された)加圧された第2のガスを送り込むことによって加圧することにより、生成物およびガスを排出できるように生成物容器105とガス容器107との両方を内側に押すことができる。加圧チャンバに送り込まれたガスは、そのチャンバに残留することができ、すなわちガスは生成物および可撓性のガス容器107の内容物と混合しない。したがって、加圧ガスは実質的にたとえば温室効果ガス(たとえば、N2O)であってもよく、装置は生成物排出時にガスを環境に進入させることができる。
【0077】
さらに、この例では、可撓性の生成物容器105は、実質的に可撓性のガス容器107内に延び、(分注すべき)ガスを2つの容器105、107の壁の間の空間に保持することができる。代替として、たとえば可撓性のガス容器が実質的に可撓性のガス容器内に延びてもよく、放出すべき生成物が、2つの容器の間に配置される。さらに別の実施形態では、可撓性の生成物容器105と可撓性のガス容器107の両方を、ハウジングHの加圧チャンバ145内で間を隔てて隣り合わせに配置することができる。
【0078】
さらに、ハウジングH(およびたとえば、それぞれの生成物容器および装置の他の部品)は使い捨て構成を有してもよい。
【0079】
この例では、ハウジングHは、一般的なエアロゾル容器と同様の構成を有し、一般的なエアロゾル容器は、実質的に円筒形の壁を有し、最上部Tが中央頂部リム161を有し、中央頂部リム161の中央に生成物排出弁171がある。排出弁は、ばね力(ばね174、
図10参照)に抗して閉弁状態から開弁状態に内側に(わずかにハウジングH内に)移動可能であり、弁から生成物を排出するのを可能にする。排出弁171の上流部は、弁が(
図11のように)その開弁状態まで移動したときに一体型生成物容器105と流体連通する。
【0080】
さらに、第2の例による本装置は、たとえばクランプ接続またはクリック接続を介してハウジングHの頂部のリム161に接続された最上部119を有する。さらなる実施形態では、装置の最上部19はハウジングHに取外し可能に接続されてもよく、たとえば使用後に別個に処分することが可能になる。
【0081】
この実施形態では、装置の最上部119は下向きに延びるスカート部119aを含み、スカート部119aは、ハウジングの外側を覆い外側と円滑に嵌め合うように構成される。
【0082】
この場合、最上部119は(また)、以下で説明するように様々な生成物排出操作要素を含む実質的に円筒形のキャップ部を含む。
【0083】
第2の(および第3の)実施形態では、特に装置の最上部119は、分散デバイス110と、それぞれの下流側処理デバイス112と、分注ヘッド20と、を含む。さらに、最上部119は、加圧ガス供給手段187、すなわち前述の第2のガス容器119(たとえば
図5を参照されたい)を含んでもよい。さらに、その最上部119内にガス圧制御手段を配置することができ、一方で最上部119は、ガス流制御手段130と、シール開放機構190と、手動操作手段K´と、をさらに備えることができる。
【0084】
このようにして、生成物を含むためのハウジング内に比較的大きい容積を設けることができる。さらにこの実施形態は、使いやすさ、適切な使い捨て特性を実現する(場合によっては、分解後に1つ以上の構成要素を再使用する選択肢が得られる)。さらに、このようにして、比較的小さい生成物流経路を実現することができ、それによって適切な機能が実現され、汚染の可能性が低くなる。
【0085】
特に図面(
図3~
図5)からわかるように、最上部119は、加圧ガスシリンダの形をした第2のガス容器187を含む。この加圧ガス容器は、剛性を有する(たとえば使い捨て)ガスカートリッジとすることができ、少なくとも50バール、たとえば少なくとも100バール、または場合によっては少なくとも200バールの内部ガス圧に耐えるように構成され、好ましくはスチールで作られ、好ましくは20mlの最大例内部容積(たとえば14ml)について最大内部容積が200mlである。
【0086】
本ガスシリンダ187は、ハウジングの中心軸に実質的に並行して延び、ハウジングにコンパクトに組み込むことが可能である。
図6A、
図6B、
図7を参照すると、加圧ガス供給手段187の出口は、最初に使用される前に閉鎖密封構造143によって密封されることが好ましい。密封構造143は、様々な方法で構成することができ、たとえば、貫通可能な要素またはシールとすることができる。装置(特にその最上部119)は、ガス供給手段187を最初に使用する前に、密封構造143を開放するための手動制御可能開放機構190も含む。本開放機構は貫通要素191を含み、貫通要素191は、シール143を貫通しないアイドル状態(
図6Aに示されている)からシール143を開放しており第2のガス容器187の内容物からガスを受け取る貫通状態(
図6Bに示されている)に移動可能である。貫通要素191は、たとえば、ガスを装置の下流側ガス流路に渡すための一体型ガス送り流路191a(
図7参照)を含んでもよい。
【0087】
さらに、手動制御可能開放機構190は、たとえば貫通要素191と機械的に協働して要素191を(シールを貫通するように)ガス容器187に向けて押すことのできる、旋回可能なレバー193を含んでもよい。
図21A、
図21Bは代替的な実施形態を示し、手動制御可能開放機構490は、ハウジングHの外側に(ハウジングHと同心に)取り付けられたリングを含む。
【0088】
この例では、装置は、第2のガス容器187を所定の位置にしっかりと保持し、特にそのガス出口リムがガスシール(たとえば弾性密封部材)188上に位置し、シール188が貫通された後で装置の最上部119の内部へのガスの不要な漏れを防止するように構成される。加圧ガスシリンダを所定の位置にロックするために、たとえば(ガス出口を含む)シリンダの頂部に、たとえばねじを設け、装置のロック部材144のねじを受け入れる際にシリンダを旋回させてロックしてもよい。それぞれのねじは図面には示されていない。本例では、ロック部材144は、ガスシリンダ187の首部を受け入れるように構成されたロッキングスリーブである。
【0089】
代替として、加圧ガスシリンダ187とロック部材144との間にバヨネット接続、または(たとえば接着接合を介して)異なる種類の固定が適用されてもよい。リサイクルのために、第2の容器187は、その動作位置に取外し可能にロックすることができ、装置を処分した後で、リサイクルセンターにおいて容器187を(たとえば、再利用できるように)取り外すのを可能にすることが好ましい。
【0090】
第2のガス容器187の下流側において、装置の最上部は、その容器187から受け取られたガスの圧力をある(所定の)動作圧力に調整するための1つ以上のガス圧調整器130を含む。たとえば、第2のガス容器における初期ガス圧は(前述のように)15バールよりも著しく高くすることができ、一方で所定の動作圧力は(20℃において)15バール以下とすることができる。ガス圧調整器、すなわち「減圧器」は、当業者には明らかなように適切な弁手段(図のように)を含むいくつかの手段において構成することができる。
【0091】
ガス圧調整器130の下流側において、装置の最上部119は、圧力制御されたガスをハウジングH、すなわち加圧チャンバ145に送り込むために、組立て後にハウジング頂部Tのガス入口170に接続されるガス送り流路169を含む。特にガス圧調整器130は、加圧チャンバ145がガスシリンダ187によって加圧された後で、加圧チャンバ145内部の圧力を自動的に制御することができる。
【0092】
さらに、第2の実施形態では、ハウジングの生成物排出弁171は、生成物排出流路172とガス排出流路173(
図8~
図11参照)の両方を含む。ガス排出流路173は、たとえば生成物排出流路172に対して同心状に配置され、ならびに/または生成物排出流路172と並行して延びる。ガスを受け取るためのガス入口170は、排出弁171の近くに配置され、実質的に排出弁171に並行して延びる。
【0093】
本生成物排出弁171は、それぞれ生成物容器105および第1のガス容器107から装置の最上部に向かって閉鎖可能な生成物通路および閉鎖可能なガス通路の両方を構成するように構成される。
【0094】
一体型ガス排出流路173(
図11参照)の上流部は、弁を軸方向にその開弁状態に移動させたときに一体型ガス容器107と流体連通する。ガス排出流路173の上流部と第1のガス容器107との間の流体連通は、弁171を(弁ばね174のばね力によって)(
図10のような)初期アイドル状態に移動させたときに閉鎖される。
【0095】
さらにこの実施形態では、ガス排出流路173および生成物排出流路172の構成は、これらの流路が流れタイミング制御手段として働き、分散デバイス10において生成物が供給される直前に、ガス容器107から分散デバイス10へのガスの供給が開始される。特に排出弁171は、そのアイドル状態とその開弁状態(
図10~
図11に示されている)との間の中間弁位置を有するように構成される。この中間弁状態では、一体型ガス排出流路173を一体型ガス容器107と流体連通させているが、一体型生成物排出流路172はそれぞれの生成物流連通から遮断されたままである。
【0096】
装置の最上部119内の弁の上流側において、弁171のそれぞれのガス出口および生成物出口から別々にガスおよび生成物を受け取るように構成された生成物受取り部151(
図12参照)を設けることができる。さらに、生成物受取り部151は、下流側分散デバイス110に生成物およびガスを別々に送るように構成される(
図4、
図13も参照されたい)。その目的のために、生成物受取り部151は生成物送り管152とガス送り管153を含むことができる。図面からわかるように、この実施形態では、これらの送り管152、153が互いに実質的に並行して延び、ハウジングHの中心軸に実質的に並行して延びる。これらの送り管152、153のうちの1つ以上、たとえば各送り管が、さらなる流れ制御手段152a、153a、たとえば本例のように(
図12参照)流量制御弁または減圧手段を含むことができる。本分散デバイス110は、受取り部151から生成物およびガスを受け取るように構成され、ハウジングの中心軸に対して実質的に垂直に、すなわち送り管152、153に対して実質的に垂直に配置され、小型の構成が可能になる。動作時には、第1の実施形態(
図1~
図2)に関して上記で説明したプロセスと同様に、分散デバイス110がガスおよび生成物を受け取り、生成物にガスを注入する。
【0097】
分散デバイス110は、発泡後の生成物または発泡中の生成物を処理デバイス112の下流側螺旋経路(
図13A、
図13B参照)に送り込むための生成物出口を有する。この例では、処理デバイス112によって形成される生成物処理経路の仮想中心が、ハウジングHの中心軸に実質的に平行になる。この例では、経路は螺旋状(渦巻状)経路であるだけでなく、断面が徐々に大きくなる経路でもあり、生成物処理、たとえば減圧をより適切に制御することが可能である。このことは様々な方法で実現することができる。この例では、螺旋状経路の外径は、第1の直径D1から第2の直径D2まで徐々に大きくなる(
図13A参照)。螺旋状経路の内径は、実質的に一定のままであり、同じことが経路の局所幅にも当てはまる(断面において、経路の回転中心軸に平行に測定する)。生成物処理経路の代替構成は、たとえば断面が徐々に大きくなることはない。たとえば
図25の実施形態を参照されたい。
【0098】
上流側において、螺旋状経路は、分注ヘッド20の下流部として終わる。したがって、分注ヘッド20は、当業者には理解されるように様々な方法で構成することができる。たとえば、分注ヘッド20および処理デバイス112は、たとえばプラスチックから互いに一体に作ることができる。さらなる好ましい実施形態では、分注ヘッド20およびそれぞれの処理デバイス112を、取り外し分離して洗浄できるように、装置に取外し可能に接続することができる。
図25Eおよび
図25Fは、代替実施形態を示し、処理デバイス812がそれぞれの装置の外部キャップの内側に沿って延びる。
【0099】
最後に、装置は、排出弁171に、その弁を制御する(すなわち、開く)ために機械的に結合された手動操作手段K´、たとえばレバーまたはハンドルを含む。非限定的な例では、少なくとも生成物受取り部151を操作手段K´に機械的にリンクすることができ、それによって、弁を作動できるように軸方向下向きに押すことができる。操作手段K´は、手動操作に対抗するためのばね手段自体を含むことができる。さらにまたは加えて、弁ばね174を、操作手段の手動解放後に弁と操作手段K´の両方の位置を復元するのを可能にするように構成することができる。
【0100】
さらに、装置の他の構成要素、たとえばそれぞれの送り管152、153、分散デバイス110、処理デバイス112、および分注ヘッド20を、操作手段K´にリンクすることができ、弁を作動できるように装置の最上部110に移動可能かつ滑り可能に配置することができる。代替として、1つ以上の構成要素は、可撓性の構成を介した移動を可能にすることができ、たとえば中間ガスおよび生成物送り管152、153は、下流側分散デバイス110に対して生成物受取り部151の上流部を自由に移動できるようにするために可撓性の送り部を含むことができる。
【0101】
第2の実施形態の使用は、加圧ガス容器187の初期シール143を除去または貫通する第1のステップを包含することができる(
図14A、
図14B、
図14Cを参照されたい)。その結果、ガスが容器187から放出され、ハウジングHの加圧チャンバ145を所定の制御された圧力まで加圧する。さらに、その結果、生成物容器105と第1のガス容器107の両方が加圧される。
【0102】
さらに、最初に使用する前に、格納などのためにヘッド20を環境から遮蔽する任意選択の分注ヘッドキャップ199を取り外すことができる。
【0103】
次に、装置はその後、発泡した生成物P´を実質的に下向きに排出し、すなわち装置の底部Bが実質的に上向きになるように向きを変更することができる。
【0104】
排出を開始するために、操作手段K´を手動で作動させ、たとえば押すかまたはシフトさせることができ、それによって弁171を閉弁状態から中間弁状態を介して開弁状態に移動させる。その結果、加圧後生成物容器105および加圧後第1のガス容器107は、上述のように弁およびそれぞれの送り流路を介して生成物Pおよびガスを分散デバイス110に排出する。分散デバイス110および処理手段112による適切な発泡および生成物処理の後、発泡した生成物P´が分注ヘッド20を離れ、任意選択でたとえば、所望のレリーフなどで形作られる。
【0105】
排出時に、生成物Pは分散デバイス110内の第1の経路、すなわち実質的に直線状の経路を辿り、分散デバイスを介して第1のガスを受け取る。生成物は、分散デバイス110の下流側で制御された減圧を受け、この場合、その制御された減圧の間、第1の経路から実質的にずれた第2の経路を辿る(第2の経路は、この例では螺旋状経路である)。
【0106】
図16~
図19は、第3の実施形態を示し、第3の実施形態は、装置に単一の加圧ガス容器207が含まれるという点で第2の実施形態とは異なる。したがって、第3の実施形態は、第1の実施形態に関する
図1に概略的に示されている構成に従う。
【0107】
図15A~
図15Dからわかるように、第3の実施形態は、実質的に円筒形のハウジングH´を含み、ハウジングH´は、装置201の他の構成要素用の耐久性ホルダー(または一次パッケージング)として働くことができる。装置は、ハウジングH´に挿入可能である、たとえば使い捨て構成の(二次)補充ユニットSUも含み、補充ユニットは、(後述のように)生成物、ガス、発泡手段ならびに分注ヘッド20を含む。この例では、取外し可能なキャップYが設けられ、たとえば(この例のように)ねじ接続TDを介すかまたはバヨネット結合を介してハウジングH´の頂部に接続することができる。
図15A~
図15Cからわかるように、装置の組立ては、補充ユニットSUをハウジングH´に挿入するステップと、その後その上にキャップYを設置することによってハウジングを閉鎖するステップと、を含むことができる。この場合、キャップYは中央開口部を有し、組立て後に補充ユニットSUの分注ヘッド20が通過するのを可能にする。キャップYは、組立て後に弁作動手段と協働するように配置されたノブK´´または同様の作動部材を含むこともできる。さらに、キャップYは、
図17および
図18からわかるように、装置を操作するための他の手段、たとえば、カプセルシール貫通手段およびガス減圧手段、ならびに圧力チャンバを備えることができる。
【0108】
図16~
図19は、補充ユニットSUが生成物Pを保持するための少なくとも部分的に可撓性の生成物容器205を含んでもよいことを、より詳細に示す。さらにこの例では、補充ユニットSUはいくつかのガス容器207、特に複数の(たとえば、この例では2つまたは3つ)加圧ガスシリンダを含む。上記の実施形態と同様に、各加圧ガス容器は、剛性を有する(たとえば使い捨て)ガスカートリッジとすることができ、少なくとも50バール、たとえば少なくとも100バール、または場合によっては少なくとも200バールの内部ガス圧に耐えるように構成され、好ましくはスチールで作られ、好ましくは20mlの最大例内部容積(たとえば14ml)について最大内部容積が200mlである。さらに、本第3の例では、これらのガスシリンダの各々に非温室効果ガス、たとえば空気またはN
2が充填される。
【0109】
上記の実施形態と同様に、ガス容器207は最初の使用の前に密封されることが好ましい。本例では、装置のキャップYは、キャップYをハウジングH´上に組み付ける際に(
図18参照)、ガス容器の密封構造243を開放するための開放機構280を含み、すなわち開放機構280を構成する。第2の実施形態と同様に、開放機構は、いくつかの要素291を含むことができ、要素291は、それぞれの貫通状態に移動することができる(1つの貫通状態が
図19に示されている)。しかし本例では、貫通状態は、キャップYを取り付ける際に自動的に到達する。貫通要素291は、それぞれのガス容器207の内容物からガスを受け取ることができ、この例では同じくキャップYに組み込まれた下流側圧力チャンバ245(
図17B参照)にガスを渡すための一体型ガス送り流路を含むことができる。
【0110】
この例では、第1の圧力調整器230aが各ガス容器207のすぐ下流側に設けられており、圧力チャンバ245に送り込まれるガスの圧力を低下させるかまたは調整する。さらに、圧力チャンバ245のガス出口の所に第2の圧力調整器230bが設けられており、そのチャンバ245から補充ユニットSUの下流側ガス受取り入口270(
図16B参照)に送られるガスの圧力を制御する。
【0111】
この例では、圧力チャンバ245およびそれぞれの圧力調整器230a、230b、ならびに貫通要素291は、周囲のキャップY内に回転可能に保持されるキャップ挿入ユニットの一部とすることができる。したがって、これらの要素は組立て時に補充ユニットSU上に位置決めすることができ、たとえば第2の圧力調整器230bが、補充ユニットSUのガス受取り入口270と相互接続され、貫通要素291が開放すべきガスシリンダの方を指す。それぞれの位置は、キャップYがホルダーH´上にねじ込み移動Mする間保持され得、キャップYが軸方向に移動することによって、貫通要素291がガス容器シールを貫通するように押される(
図18参照)。
【0112】
補充ユニットSUは、組立て後にそれぞれのガス入口270を介して圧力チャンバ245から加圧ガスを受け取るように構成される。ガスは、第2の圧力チャンバ246を、前述の調整器によって設定された所定の圧力に加圧する。この場合も、生成物容器205が加圧される。生成物容器205は、図示のように圧力チャンバ246内に位置する。
【0113】
第3の実施形態の排出弁271は、第2の実施形態の排出弁と同様の構成を有し、下流側分散デバイス210に向かう別々の生成物流経路およびガス流経路を構成する。同様に、それぞれの分散デバイス210は上述の分散デバイス10、110と同様の構成を有する。さらに、第3の実施形態の処理デバイス212は、他の実施形態の上述の処理デバイス12、112と同様の構成を有することができる。
【0114】
さらに、第3の実施形態は、操作手段K´´にリンクされた可動生成物受取り部251を含むことができ、生成物受取り部は、排出弁を作動させるためにそれらの操作手段K´´によって軸方向下向きに押されるように構成される。たとえば、分散デバイス210、処理デバイス212、および分注ヘッド20は、生成物受取り部251の構成要素とすることができる。
【0115】
第3の実施形態では、下流側分散デバイス210は、装置の中心軸に実質的に平行に向けられ、特に排出弁271と一直線に配置される(
図19参照)。さらに、図示の比較的小型の構成では、分散デバイス210はそれぞれの処理デバイス212内に到達する。この例では、(細長い)分散デバイス210は、それぞれの処理デバイス212内の50%を超える部分に配置され、たとえばデバイス212の中心線に沿って延びている。
【0116】
図19からわかるように、動作時(装置201がたとえば
図15Dに示すような位置に保持されるとき)には、操作手段K´´を手動で作動させることができ、それによって排出弁271が開き、その後ガスおよび生成物が分散デバイス210に向かって放出され、最後に発泡生成物P´が分注される。
【0117】
上述の斬新な概念のうちの1つ以上を使用して様々な代替構成が可能である。
【0118】
たとえば
図20に示すように、装置301は、前述の分散デバイス310および処理デバイス312、ならびに遠位(下流側)分注ヘッド20、それぞれの生成物排出弁および手動操作手段を含む取外し可能な(たとえば、使い捨て)補充ユニットSU´を受け入れるように構成されたハウジングH、たとえば耐久性缶を含むことができる。さらに、本補充ユニットSU´は、少なくとも部分的に可撓性の生成物ホルダー305を含むことができる。補充ユニットSU´は、たとえばねじ接続またはクリック可能構成を介してハウジングの頂部リムまたは最上部上に取り付けることができる。
【0119】
図20からわかるように、ハウジング(この場合、ハウジングの底部)は、加圧非温室効果ガスが充填される一体型の比較的小さい加圧ガス容器307を含む。この一体型ガス容器307は、組立て後に制御され低減された圧力のガスをハウジング内に画定された圧力チャンバに送り込んで生成物容器305を外部から加圧するための減圧器330を有するガス出口を含む。ハウジングHは、最初に使用する前に一体型ガス容器307を充填し加圧するためのガス入口戻り弁307xを含む。それぞれの組立ておよび場合によっては分解に伴う充填および補充は、たとえば生産プラントにおいて行うことができる。補充には、たとえば使用済み生成物容器305を新たに充填された生成物容器と交換することを含めることもできる。したがって、この装置は適切なリサイクル可能性をもたらすことができる。
【0120】
図21A、
図21Bは、手動制御可能シール開放機構490の一代替例を示す。この場合、機構490は、ハウジングHの外側に(ハウジングHと同心円状に)取り付けられた作動リングを含み、リングは(たとえばガス容器ロック部材444に対して移動可能である)それぞれの貫通要素を装置のそれぞれの加圧ガス容器487に対して押すように手動で回転させることができる。リング490の外側には把持向上手段、たとえば特定の粗な構造および/または把持向上材料を設けることができる。リングの回転を貫通要素の移動に伝達するための機械的結合機構は図示されておらず、当業者には、そのような機構を様々な異なる方法で実現できることが理解できよう。たとえば作動リング490は、ねじを使用して取り付けることができ、それによって、リングの回転がリングの軸方向変位をもたらす。この軸方向変位は、適切な架橋部(図示略)を介して貫通要素に機械的に伝達することができる。
【0121】
図22は、装置が一体型エアコンプレッサACを含むという点で
図20に示す例と異なる、装置の実施形態501の別の代替例を示す。このコンプレッサは、たとえば外部充填装置を使用して再充填することができる。さらにコンプレッサは、異なって構成されたホルダーH内の空気加圧チャンバを自動的に加圧するように構成することができる。この例では、コンプレッサ部は、たとえばねじ接続を介してホルダーHに取外し可能に接続され、それによって、空気加圧チャンバ(およびたとえば、そのチャンバに存在する可撓性の生成物容器)に手を届かせるのが可能になる。
【0122】
図23は、装置が、ホルダーの一体型ガス容器に(それぞれのガス入口607xを介して)空気を送り込むためのエアコンプレッサを有する空気充填ステーションAC´を含むという点で、
図20および
図23に示す実施形態とは異なるさらに別の例601を示す。エアコンプレッサAC´とホルダーHの底部は、一体型ガス容器を充填する間この2つのユニットを互いにロックするためのロック手段(たとえばバヨネット結合など)を含むことが好ましい。動作時には、装置601は、外部コンプレッサAC´と協働してそれぞれのガス容器を充填または再充填することができる。
【0123】
図24を参照すると、装置のさらなる実施形態(分散デバイス部710のみが示されている)は、少なくとも2つの分散デバイス10を含むことができ、各分散デバイス10は、生成物Pを受け取るために生成物容器5に接続することのできる生成物入口を有する。この場合、少なくとも2つの分散デバイス10は、生成物を排出する間に生成物Pにガスを供給するためにさらにガス容器7に接続することができる。同様の構成が第8の実施形態において実現される。
【0124】
図25A~
図25Hは、生成物を分注する(かつ発泡させる)ための携帯装置の第8の実施形態801を示す。第8の実施形態は上述の実施形態のうちのいくつかの組合せを提供することができる。第8の実施形態は、それぞれの一体型ガス一次ガス容器807aの比較的低い初期圧力で動作することができる。さらに、第8の実施形態は比較的大きい直径を有し、好ましくは取外し可能なキャップの内側に沿って延びる固定処理デバイス812を含むことが好ましい。第8の実施形態の別の態様は、(手動操作手段K´´´とハウジングの排出ノズルとの間を延びる)軸方向に移動可能な分散デバイス810を提供し、分散デバイス810は、特に弁871を操作手段K´´´に機械的にリンクする滑り可能な生成物受取り部851の一部である。当業者には、第8の実施形態の様々な態様が本来互いにリンクされたものではないことが理解されよう。
【0125】
特に図面からわかるように、第8の実施形態のハウジングHの第1の部分H1は、圧力チャンバとして機能し、可撓性の生成物容器805を含む(
図25C参照)。生成物容器は、
図20に示す実施形態と同様に、装置によって発泡させられ装置から分注される生成物を含む。さらに、ハウジングHの第1の部分H1は、生成物に分注されるガスを含むための二次ガス容器807bを構成する。特に二次ガス容器807bは、ハウジングの第1の部分H1において、可撓性の生成物容器805の外部で利用可能な空間である。
【0126】
さらに、第8の実施形態801のハウジングHは第2の部分H2を含み、第2の部分H2は、ガスが充填される比較的大きい一体型ガス容器807aを構成する。この一体型ガス容器807aは一次ガス容器として働き、(二次ガス容器807bを作動/動作圧に加圧するために)制御され低減された圧力のガスを二次ガス容器807b、すなわちハウジングの第1の部分H1に送り込むための減圧器830(
図25C参照)を有するガス出口を含む。
【0127】
図25B、
図25Cからわかるように、ハウジングの第2の部分H2の(すなわち一次ガス容器807aの)内部容積は、ハウジングHの総内部容積の少なくとも20%、たとえば少なくとも30%を占有することができる。同様に、ハウジングの第1の部分H1の(または最初に使用する前に最大まで充填したときの可撓性の生成物容器805の)内部容積は、ハウジングの総内部容積の少なくとも30%を占有することができる。さらなる実施形態では、第1のハウジング部H1の内部容積と第2のハウジング部H2の内部容積との比(H1:H2)は、1:3~3:1の範囲とすることができ、特に1:2~2:1の範囲とすることができる。この例では、可撓性の生成物ホルダー805を受け入れるための内部容積H1は、それぞれの一次ガス容器807aの内部容積よりもわずかに大きいことが好ましい。非限定的な態様によれば、たとえばハウジングの全内部容積に応じて、一次ガス容器807aの容積は約300~500mlの範囲とすることができる。(初期充填条件における)それぞれの可撓性の生成物容器805の容積は、たとえば約400~600mlの範囲とすることができる。
【0128】
比較的大きい一体型一次ガス容器807aを実装することによって、ガス容器を十分なガスによって15バール以下(好ましくは少なくとも10バール)の初期圧力に加圧することができ、長い動作時間の間機能する適切な装置が提供される。第8の実施形態の減圧器830は、一次ガス容器807aから受け取られた、第2の部分H2からのガスの圧力を第2の所定のより低い圧力に低減させ、生成物Pを可撓性の生成物容器805から下流側分散デバイス810に押し出し、またそれによって、生成物は分散デバイス810を通過することができ、分散デバイスからガスを受け取り、排出ノズル20を介して発泡生成物P´として排出される、ように構成される。
【0129】
第8の実施形態801は、最初に使用する前に一次ガス容器807aを充填し加圧するためのガス入口戻り弁807xを含む。この場合、両方のガス容器807a、807bに空気または窒素(N2)を充填することが好ましく、CO2および/またはアルゴン(または前述のガスの混合物)を代替オプションとすることができる。
【0130】
図25D(生成物容器805を示していない)を参照すると、第8の実施形態801は、
図8~
図11に示す実施形態において使用された弁と同様に、二重型の排出弁構成を有する。ハウジングHの生成物排出弁871は、生成物排出流路872とガス排出流路873との両方を含む(
図25E参照)。第8の実施形態では、ガス排出流路873はたとえば、生成物排出流路872に対して同心円状に配置され、ならびに/または生成物排出流路872に並行して延びる。弁作動時に、ガス排出流路873はガスを二次ガス容器807bから下流側分散手段810に向かって送る。
【0131】
図25D、
図25E、
図25Fからわかるように、本実施形態は少なくとも2つの分散デバイス810(この例では2つ)を有し、各分散デバイスは、ガス排出流路815cとそれぞれの生成物送り流路815bとを有し、分散デバイス810は、互いに並行して延び、同時に動作するように構成される。分散デバイス810およびそれぞれの下流側処理デバイス812および排出ノズル20ならびに操作手段K´´´は、装置801の最上部819の一部である。
【0132】
第8の実施形態は、弁871のガス排出流路873の下流側の、ガス追加専用圧力調整手段を必要としない。この場合、(二次ガス容器807bから受け取られた)ガスは直接、ガス排出流路873からそれぞれのガス送り管853を介してガス分散デバイス810のガス流路815cに送られる。同様に、生成物を生成物排出弁871から分散デバイス810に送るための生成物送り管852が最上部819に存在する。
【0133】
一態様によれば、第8の実施形態の処理デバイス812は、分散デバイス810の下流側に、生成物の制御された減圧のための減圧経路を構成する複数のループを含む。この例では、以後のループは、円形部812aと、各円形部812aを軸方向に相互接続するための中間ループ架橋部812b(
図25H参照)と、を含む。この実施形態では、複数の下流側円形部812aおよびそれぞれの架橋部812bは、(軸方向と半径方向との両方において見た場合に)実質的に一定の経路幅を有する。上流側(最終)円形部812cは、ノズル送り流路865で終了し、上流側円形部812c(
図25E参照)の幅に対して拡大経路幅を有する。
【0134】
一態様によれば、第8の実施形態は、組立て後に操作手段K´´にリンクされた可動生成物受取り部851を含むことが好ましい。生成物受取り部851は、排出弁を作動させるためにそれらの操作手段K´´によって軸方向下向きに押されるように構成される(下向きの移動は、たとえば排出弁のばね手段874によって対抗される)。この場合、分散デバイス210は、生成物受取り部851の構成要素である。
【0135】
この場合装置は、容器H´´上に取り付けられた固定案内ユニット849を含む。たとえば、案内ユニット849は、ハウジングH´´の頂部に結合されるかまたは固定された結合部材849aに固定することができるかまたは結合部材849aを一体的に含むことができる。本実施形態(
図25D参照)では、案内ユニット849の結合部材849aがねじ接続を介してハウジングの頂部に接続される。
【0136】
この非限定的な例では、処理デバイス812は固定案内ユニット849の一部である。
【0137】
案内ユニット849は生成物受取り部851を滑り可能に保持する。特に、案内ユニット849は、生成物受取り部851を受け入れるための案内空間849aを含む。この例では、装置は、いくつかの平行案内要素849b、たとえば縦方向中央平面に沿って配置され、軸方向に(すなわち生成物弁871に並行して)延びて生成物受取り部851を案内ユニット849に対して軸方向に位置決めして案内する細長い案内バーを含む。
【0138】
一態様によれば、分散デバイス210の(ジョイント)生成物出口813が、ハウジングの弁871に対して並行して延び、処理デバイス812の上流側生成物入口チャンバ812dと流体密係合する。この例では、その目的のために、第1の密封手段m1、たとえば弾性Oリングが、生成物出口813の外側と生成物入口チャンバ812dの内側との間に配置される。この構成は、分散デバイス210の生成物出口813が弁作動時に処理デバイス812の生成物入口チャンバ812dに対して軸方向に移動することが可能になるような構成である。
【0139】
この例では、装置801の最上部819は、
図15A~
図15Dに示す実施形態と同様なキャップY´を有する。本キャップY´は、処理デバイス812の生成物流経路の実質的な一部の外側を画定し(囲み)、処理デバイスの残りの部分は、装置の最上部の案内ユニット849の反対側の外側におけるそれぞれの溝構造によって実質的に構成される。
【0140】
図25Gからわかるように、好ましくはキャップY´は、たとえばねじ接続もしくはバヨネット結合、またはこの例のように専用ロッキングリングLRを介して、装置の最上部の案内ユニット849に取外し可能に接続される。任意選択のロッキングリングLRは、案内ユニット849の関連するロック部材(たとえばロックノッチ)に係合するための係合部材(たとえばロックカム、図示略)を含んでもよい。このリングは、(
図25A~
図25Fのように)案内ユニット4429にキャップY´をロックするためのロック状態と、(
図25G、
図25Hのように)キャップY´を取り外すのを可能にする解放状態と、の間で旋回することができる。この組立体は、処理デバイス812によって提供される生成物経路の上下の軸方向位置にキャップY´の内側と案内ユニット849の外側との間の流体密シールを設けるための第2の密封手段m2、たとえば、2つのOリングをさらに含む(
図25D、
図25G、
図25H参照)。
【0141】
図25Gは、分注ヘッド20を案内ユニット849、特に処理デバイス812のそれぞれのノズル送り流路865に取外し可能に接続できることも示す。
【0142】
第8の実施形態801は、一次ガス容器において比較的低い圧力(たとえば15バール以下)で動作させることができる。さらに、使用後に、第8の実施形態の最上部は、キャップY´を取り外すことによって少なくとも部分的に分解することができ、洗浄(たとえば水洗い)を目的として処理デバイス812に沿った生成物経路に手を届かせることが可能になり、分注ヘッド20を水洗いすることが可能になる。本明細書では、(たとえば処理デバイス810を取り出すことによって)たとえば一時的に分解して同じく水洗いするために、キャップY´が外された後で案内ユニット849から生成物受取り部851を取り外すことができることが好ましい。さらに、案内ユニット849と生成物受取り部851とを含む第8の実施形態の案内構造は、装置の安定した確実な動作を可能にする。
【0143】
図26は、第9の実施形態の一部を概略的に示し、第9の実施形態は、ハウジングH´´´が、ガスが充填される一次一体型ガス容器907aを含み、一次一体型ガス容器907aを充填する間、一次一体型ガス容器907aの容積が増加する点が(第8の実施形態などの)上記の実施形態とは異なる。
【0144】
第9の実施形態では、ハウジングH´´´は、実質的に円筒形の底部と幅を小さくされた第2の部分とを含む。
図26は、一次ガス容器907aの充填前の例を示す。
【0145】
一次ガス容器907aは、(二次ガス容器807bを加圧するために)制御され低減された圧力のガスを二次ガス容器907b、すなわちハウジングの第1の部分に送り込むために減圧器930を有するガス出口を含む。特に、二次ガス容器807bは、ハウジングの第1の部分において利用可能な、可撓性の生成物容器805の隣の(ハウジングの第1の部分内にも位置する)空間である。しかしこの場合、一次ガス容器907aと二次ガス容器907bとは壁930aによって分離され、壁930aは減圧器930を含み、最初に軸方向に移動可能である。本可動壁930aはピストンとして働き、一次ガス容器907aを充填する(充填はハウジングの底部のそれぞれの入口戻り弁を介して実現される)際に、初期位置から上向きに(矢印によって示されるように)ハウジングの円筒部に沿って、遮断された端部位置に向かって移動し、その端部位置で壁930aが、ハウジングの半径方向幅が小さくされた部分(たとえばハウジングの内側にテーパされた部分)に係合し封止される。
【0146】
減圧器930の可動隔壁が最終(遮断)位置まで移動した後、ハウジングの得られた第2の部分(すなわち一次ガス容器807a)の内部容積は、ハウジングHの総内部容積の少なくとも20%、たとえば少なくとも30%を占有することができる。同様に、ハウジングの得られた第1の部分の(または最初に使用する前に最大まで充填したときの可撓性の生成物容器の)内部容積は、ハウジングの総内部容積の少なくとも30%を占有することができる。第8の実施形態と同様に、たとえば一次ガス容器907aの容積は約300~500mlの範囲とすることができる。それぞれの可撓性の生成物容器の容積は400~600mlの範囲とすることができる。
【0147】
このようにして、ハウジングを比較的小さい構成要素から製造することができ、しかも2つの内部ガスコンパートメントを適切に分離することができる(内部ガスコンパートメントにおける適切な圧力制御を可能にする)。
【0148】
上記では特定の実施形態について説明したが、本発明が説明した以外の方法で実施されてもよいことが理解されよう。上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。したがって、当業者には、以下の特許請求の範囲から逸脱せずに上記で説明した本発明に修正を施してもよいことが明らかになろう。
【0149】
たとえば、前述の処理デバイス12は、ガスを供給された生成物に混合処理および/または減圧を行うために分散デバイス10の下流側に配置することができる。それぞれの生成物分注ヘッド20は、処理デバイス12の下流側に配置することができ、分注ヘッド20は、前記生成物受取り空間21を画定して処理デバイス12から生成物Pを受け取る。図面からわかるように、少なくとも2つの分散デバイスが同時に動作できるように配置される。
【符号の説明】
【0150】
1 携帯装置
5 生成物容器
5a 生成物出口
5b ガス入口
7 ガス容器
10(1)、10(2) 分散デバイス
12 処理デバイス
15a 管状壁
15b 生成物送込み空間
15c ガス供給空間
19 最上部
20 生成物分注ヘッド
21 生成物受取り空間
22 生成物成形突起
30、31 圧力調整手段
40、41 流れ制御手段
101 装置
105 生成物容器
107、187 ガス容器
112 処理デバイス
119 最上部
119a スカート部
130 ガス流制御手段
143 密封構造、シール
144 ロック部材
145 加圧チャンバ
151 生成物受取り部
152 生成物送り管
152a、153a 流れ制御手段
153 ガス送り管
161 中央頂部リム
169 ガス送り流路
170 ガス入口
171 生成物排出弁
172 生成物排出流路
173 ガス排出流路
174 ばね
188 ガスシール
190 シール開放機構
191 貫通要素
193 旋回可能なレバー
199 分注ヘッドキャップ
205 生成物容器
207 ガス容器
210 分散デバイス
212 処理デバイス
230a 第1の圧力調整器
230b 第2の圧力調整器
243 密封構造
245 圧力チャンバ
251 生成物受取り部
270 ガス受取り入口
271 排出弁
280 開放機構
291 貫通要素
301 装置
305 生成物ホルダー
307 加圧ガス容器
330 減圧器
310 分散デバイス
312 処理デバイス
444 ガス容器ロック部材
487 加圧ガス容器
490 手動制御可能シール開放機構
501、601、801 装置
710 分散デバイス部
805 生成物容器
807a 一次ガス容器
807b 二次ガス容器
807x ガス入口戻り弁
810 移動可能な分散デバイス
812 固定処理デバイス
812a 円形部
812b 中間ループ架橋部
812d 生成物入口チャンバ
815c ガス流路
819 最上部
830 減圧器
849 固定案内ユニット
849a 結合部材
849b 平行案内要素
851 生成物受取り部
852 生成物送り管
865 ノズル送り流路
871 生成物排出弁
872 生成物排出流路
873 ガス排出流路
907a 一次一体型ガス容器
907b 二次ガス容器
930 減圧器
930a 壁
4429 案内ユニット