(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】双方向通信を支援する光コネクタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20240524BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20240524BHJP
H01S 5/183 20060101ALI20240524BHJP
H01S 5/02251 20210101ALI20240524BHJP
H01S 5/02253 20210101ALI20240524BHJP
H01S 5/02255 20210101ALI20240524BHJP
H01S 5/02325 20210101ALI20240524BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/32
H01S5/183
H01S5/02251
H01S5/02253
H01S5/02255
H01S5/02325
(21)【出願番号】P 2023501243
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(86)【国際出願番号】 KR2021009539
(87)【国際公開番号】W WO2022019700
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0091749
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515103342
【氏名又は名称】オプティシス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】金 熙 大
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-507374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0044696(US,A1)
【文献】特開2020-038250(JP,A)
【文献】特開2005-234052(JP,A)
【文献】特開2003-004992(JP,A)
【文献】特開平10-090577(JP,A)
【文献】特開2003-195123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/42 - 6/43
G02B 6/32
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面と、前記底面から第1レベルの高さに共に形成され、互いに離隔された第1支持面及び第2支持面と、を含むものであり、一体に形成されたOSA(optical sub assembly)基板と、
前記第1支持面上に配された発光素子と、
前記発光素子から出射される光の第1光経路上に位置し、前記第2支持面上に配されたボールレンズと、
前記第1光経路に沿い、前記ボールレンズの後方に配された光ファイバと、
前記発光素子からの
前記第1光経路と、前記光ファイバから
出射される光の第2光経路と、を空間的に分離させるための光フィルタと、
前記第2光経路上に位置し、前記第2支持面上に配された受光素子と、を含
み、
前記発光素子は、その上面に垂直な方向に発光する垂直共振表面発光レーザダイオードVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser Diode)であり、前記第1支持面には、前記発光素子を覆うようにして、前記発光素子から出射される光を前記第1光経路に沿って前面側に向けて反射する反射鏡が配置され、
前記第1支持面と前記第2支持面との間に、前記光フィルタを前記底面から前記第1レベルよりも低い第2レベルの高さで支持するための基底面が設けられ、
前記OSA基板は、前記発光素子が配置される前記第1支持面と前記受光素子及び前記ボールレンズが配置される前記第2支持面とは前記底面からのレベルが異なる前記第2レベルの平坦面を含み、前記平坦面は、前記第1支持面および前記第2支持面と平行であり、前記光フィルタは前記平坦面によって支持され、
前記発光素子および前記受光素子は、前記第1光経路および前記第2光経路に沿って、前記光学フィルタに向かって互いに平行に前記光学フィルタの前面側および背面側に配置され、前記光学フィルタは、前記第1光経路および前記第2光経路に沿う光の入射面が、前記光学フィルタの透過方向と反射方向に対して角度を有するように、前記底面から前記第1支持面および前記第2支持面に至る高さ方向において傾斜して配置され、
前記光ファイバは、マルチモード用光ファイバであってシングルモード用光ファイバよりもコア径が太く、前記OSA基板の外側に配置されていることを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記第1支持面及び前記第2支持面と、前記底面は、それぞれ前記OSA(optical sub assembly)基板の互いに反対となる表面側と裏面側とに該当することを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記第1支持面及び前記第2支持面と、前記底面は、それぞれ
前記OSA(optical sub assembly)基板の互いに異なる平らな面に該当することを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)は、エッジ発光レーザダイオード(EEL)より、温度による入出力変化が相対的に小さいことを特徴とする請求項
1に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記入出力変化は、温度上昇により、同一駆動電流の入力から光パワーの出力が低減する程度、または温度上昇により、同一光パワーの出力を得るための駆動電流の入力が増大する程度を示すことを特徴とする請求項
4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記反射鏡は、前記第1支持面上に配された射出成形物によって形成され
、前記発光素子
を覆うように形成された前記射出成形物の内側に対向して前記発光素子が配置されていることを特徴とする請求項
1に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記発光素子の上部表面から出射される光は、前記発光素子の上部表面と対向するように配された
前記反射鏡により、
前記第1光経路に沿い、前方に照射されることを特徴とする請求項
1に記載の光コネクタ。
【請求項8】
前記光フィルタは、
前記第1光経路上に配され、
前記発光素子から入射される第1波長帯の光を透過させ、
前記光ファイバに提供し、
前記第2光経路上に配され、
前記光ファイバから入射される第2波長帯の光を反射させ、
前記受光素子に提供することを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項9】
前記発光素子及び前記光ファイバは、前記光フィルタを透過する
前記第1光経路に沿い、前記光フィルタの互いに異なる側に配され、
前記光ファイバと前記受光素子は、前記光フィルタに反射される
前記第2光経路に沿い、前記光フィルタの互いに同じ側に配されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項10】
前記第1支持面と前記第2支持面との間には、前記光フィルタが支持されるグルーブが形成されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項11】
前記光フィルタは、前記グルーブの両側に形成された
前記第1支持面及び
前記第2支持面のうち、
前記第2支持面に向けて傾いた形態に支持されることを特徴とする請求項
10に記載の光コネクタ。
【請求項12】
前記光フィルタと隣接した
前記第2支持面上には、
前記受光素子が配されたことを特徴とする請求項
11に記載の光コネクタ。
【請求項13】
前記グルーブは、
前記第1支持面と前記第2支持面との間において、底面に向けて段差になる
前記基底面と、
前記第1支持面と前記基底面との間と、前記第2支持面と前記基底面との間と、を連結する第1側壁の対と、を含むことを特徴とする請求項
11に記載の光コネクタ。
【請求項14】
前記光フィルタは、前記基底面上に形成された第1支持ポイントと、前記第1側壁と前記第2支持面とが当接するエッジに形成された第2支持ポイントとを介し、斜めに傾いた状態に支持されることを特徴とする請求項
13に記載の光コネクタ。
【請求項15】
前記光フィルタは、
前記受光素子を横切って斜めに延長され、
前記第1支持ポイント及び前記第2支持ポイントと共に、前記受光素子の1つのエッジに形成された第3支持ポイントを介し、傾いた状態に支持されることを特徴とする請求項
14に記載の光コネクタ。
【請求項16】
前記受光素子は、前記光フィルタの下部に配されることを特徴とする請求項
15に記載の光コネクタ。
【請求項17】
前記ボールレンズは、
前記第2支持面上に形成され、
前記ボールレンズを取り囲むように形成された整列ガイドによって位置整列されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項18】
前記ボールレンズは、
前記第1光経路に沿い、
前記発光素子からの光を
前記光ファイバの先端面に向けて集束させるか、あるいは
前記第2光経路に沿い、
前記光ファイバからの光を平行光形態に整形することを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項19】
前記ボールレンズは、
前記第1光経路に沿い、前記発光素子から出射され、ドラムレンズによって平行光形態に整形された光を、
前記光ファイバの先端面に向けて集束させるか、あるいは
前記第2光経路に沿い、
前記光ファイバから出射される拡散光を平行光形態に整形させることを特徴とする請求項
18に記載の光コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタに係り、本研究は、中小ベンチャー企業部と韓国産業技術振興院との「地域特化産業育成事業(R&D,S2913806)」として遂行された研究結果である。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子と、通信線としての光ファイバとを含む光コネクタは、2以上の互いに異なるプラットホーム(OSA:optical sub assembly)を含む。そのように互いに異なる別個のプラットホームに基づいて作製された光コネクタは、光学部品間の整列において、互いに異なる支持基盤を統合したり、それぞれの光学部品を光学的に整列したりする過程において、ミスアラインメント(mis-alignment)が生じる可能性が高い。
【0003】
特に、1本の通信線を利用し、双方向に送信及び受信を行う双方向通信においては、互いに異なる多数のプラットホームを備えた光コネクタの光学整列が容易ではないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、1つのプラットホームを含み、構造が単純化され、小型化に有利な光コネクタを含む。
【0005】
本発明の他の実施形態は、光学部品間の整列が自動的になされうる光コネクタを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述のような課題、及びそれ以外の課題を解決するために、本発明の光コネクタは、
【0007】
底面と、前記底面から第1レベルの高さに共に形成され、互いに離隔された第1支持面及び第2支持面と、を含むものであり、一体に形成されたOSA(optical sub assembly)基板と、
【0008】
前記第1支持面上に配された発光素子と、
【0009】
前記発光素子から出射される光の第1光経路上に位置し、前記第2支持面上に配されたボールレンズと、
【0010】
前記第1光経路に沿い、前記ボールレンズの後方に配された光ファイバと、
【0011】
前記発光素子からの第1光経路と、前記光ファイバからの第2光経路と、を空間的に分離させるための光フィルタと、
【0012】
前記第2光経路上に位置し、前記第2支持面上に配された受光素子と、を含む。
【0013】
例えば、前記第1支持面及び前記第2支持面と、前記底面は、それぞれOSA(optical sub assembly)基板の互いに反対となる表面側と裏面側とに該当しうる。
【0014】
例えば、前記第1支持面及び前記第2支持面と、前記底面は、それぞれOSA(optical sub assembly)基板の互いに異なる平らな面に該当しうる。
【0015】
例えば、前記発光素子は、垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser diode)を含むものでもある。
【0016】
例えば、前記垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)は、エッジ発光レーザダイオード(EEL:edge emitting laser diode)より、温度による入出力変化が相対的に小さくもある。
【0017】
例えば、前記入出力の変化は、温度上昇により、同一駆動電流の入力から光パワーの出力が低減する程度、または温度上昇により、同一光パワーの出力を得るための駆動電流の入力が増大する程度を示しうる。
【0018】
例えば、前記第1支持面上には、第1支持面上に配された発光素子を覆うように、反射鏡が配されうる。
【0019】
例えば、前記反射鏡は、前記第1支持面上に配された射出成形物によって形成されるものの、発光素子と対向する射出成形物の内側にも形成される。
【0020】
例えば、前記発光素子の上部表面から出射される光は、前記発光素子の上部表面と対向するように配された反射鏡により、第1光経路に沿い、前方にも照射される。
【0021】
例えば、前記光フィルタは、
【0022】
前記第1光経路上に配され、発光素子から入射される第1波長帯の光を透過させ、光ファイバに提供し、
【0023】
前記第2光経路上に配され、光ファイバから入射される第2波長帯の光を反射させ、受光素子に提供することができる。
【0024】
例えば、前記発光素子及び前記光ファイバは、前記光フィルタを透過する第1光経路に沿い、前記光フィルタの互いに異なる側に配され、
【0025】
前記光ファイバと前記受光素子は、前記光フィルタに反射される第2光経路に沿い、前記光フィルタの互いに同じ側にも配される。
【0026】
例えば、前記第1支持面と前記第2支持面との間には、前記光フィルタが支持されるグルーブが形成されうる。
【0027】
例えば、前記光フィルタは、前記グルーブの両側に形成された第1支持面及び第2支持面のうち、第2支持面に向けて傾いた形態にも支持される。
【0028】
例えば、前記光フィルタと隣接した第2支持面上には、受光素子が配されうる。
【0029】
例えば、前記グルーブは、
【0030】
前記第1支持面と前記第2支持面との間において、底面に向けて段差になる基底面と、
【0031】
前記第1支持面と前記基底面との間と、前記第2支持面と前記基底面との間と、を連結する第1側壁の対を含むものでもある。
【0032】
例えば、前記基底面は、前記底面から第2レベルの高さに形成され、
【0033】
前記第2レベルは、前記第1支持面及び前記第2支持面の第1レベルよりも低い。
【0034】
例えば、前記光フィルタは、前記基底面上に形成された第1支持ポイントと、前記第1側壁と前記第2支持面とが当接するエッジに形成された第2支持ポイントとを介し、斜めに傾いた状態にも支持される。
【0035】
例えば、前記光フィルタは、
【0036】
前記受光素子を横切って斜めに延長され、
【0037】
前記第1支持ポイント及び前記第2支持ポイントと共に、前記受光素子の1つのエッジに形成された第3支持ポイントを介し、傾いた状態にも支持される。
【0038】
例えば、前記受光素子は、前記光フィルタの下部にも配される。
【0039】
例えば、前記ボールレンズは、第2支持面上に形成され、該ボールレンズを取り囲むように形成された整列ガイドによって位置整列されうる。
【0040】
例えば、前記ボールレンズは、
【0041】
前記第1光経路に沿い、発光素子からの光を光ファイバの先端面に向けて集束されるか、あるいは
【0042】
前記第2光経路に沿い、光ファイバからの光を平行光形態にも整形される。
【0043】
例えば、前記ボールレンズは、
【0044】
前記第1光経路に沿い、前記発光素子から出射され、ドラムレンズによって平行光形態に整形された光を、光ファイバの先端面に向けて集束させるか、あるいは
【0045】
前記第2光経路に沿い、光ファイバから出射される拡散光を平行光形態に整形させることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、光コネクタのプラットホーム(OSA:optical sub assembly)が1つの一体構造に形成されるので、構造が単純化されながらも、小型化に有利になる。例えば、発光素子からの第1光経路に沿い、反射鏡や、ドラムレンズや、光フィルタや、ボールレンズのような光学部品の装着と、光ファイバからの第2光経路に沿い、ボールレンズや、光フィルタのような光学部品の装着とが、いずれもOSA(optical sub assembly)基板上おいてなされ、該発光素子及び該光ファイバ、並びにそれら間の他の光学部品の位置整列が1つのOSA(optical sub assembly)基板に基づいて自動的になされうる。
【0047】
また、本発明によれば、光フィルタとボールレンズとが、それぞれOSA(optical sub assembly)基板に、所定深さに形成されたグルーブと、OSA(optical sub assembly)基板上に形成された整列ガイドとを介し、互いに光学的に整列されうる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明の一実施形態に係わる光コネクタの図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係わる光コネクタの他の図である。
【
図3】本発明の一実施形態に適用された垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)と、本発明の比較例に適用されたエッジ発光レーザダイオード(EEL)とにおいて、発光素子の注入電流による光パワーの変化を示す図である。
【
図4】垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)において、互いに異なる温度ごとに、注入電流に係わる光パワーの変化を示す図である。
【
図5】エッジ発光レーザダイオード(EEL)において、互いに異なる温度ごとに、注入電流に係わる光パワーの変化を示す図である。
【
図6A】本発明の一実施形態による光ファイバであり、マルチモード用光ファイバの断面構造を示す図である。
【
図6B】本発明と対比される比較例において適用可能なシングルモード用光ファイバの断面構造を示す図である。
【0049】
【0050】
【0051】
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の光コネクタは、
【0053】
底面と、前記底面から第1レベルの高さに共に形成され、互いに離隔された第1支持面及び第2支持面と、を含むものであり、一体に形成されたOSA(optical sub assembly)基板と、
【0054】
前記第1支持面上に配された発光素子と、
【0055】
前記発光素子から出射される光の第1光経路上に位置し、前記第2支持面上に配されたボールレンズと、
【0056】
前記第1光経路に沿い、前記ボールレンズの後方に配された光ファイバと、
【0057】
前記発光素子からの第1光経路と、前記光ファイバからの第2光経路と、を空間的に分離させるための光フィルタと、
【0058】
前記第2光経路上に位置し、前記第2支持面上に配された受光素子と、を含む。
【0059】
以下、添付された図面を参照し、本発明の望ましい実施形態に係わる光コネクタについて説明する。
【0060】
図1及び
図2には、本発明の一実施形態に係わる光コネクタの互いに異なる図面が図示されている。
【0061】
図面を参照すれば、前記光コネクタは、底面S0と、前記底面S0から第1レベルh1の高さに共に形成され、互いに離隔された第1支持面S1及び第2支持面S2を含むものであり、一体に形成されたOSA(optical sub assembly)基板100と、前記第1支持面S1上に配された発光素子110と、前記発光素子110から出射される光の第1光経路L1上に位置し、前記第2支持面S2上に配されたボールレンズ150と、前記第1光経路L1に沿い、前記ボールレンズ150の後方に配された光ファイバ160と、前記発光素子110からの第1光経路L1と、前記光ファイバ160からの第2光経路L2と、を空間的に分離させるための光フィルタ140と、前記第2光経路L2上に位置し、前記第2支持面S2上に配された受光素子170と、を含むものでもある。
【0062】
本発明の一実施形態による光コネクタは、互いに異なる第1波長帯λ1及び第2波長帯λ2の光信号を1つの光ファイバ160を介して伝送及び受信することができる双方向通信を支援することができる。例えば、前記光コネクタは、第1波長帯λ1の光信号に係わる伝送端を形成しながら、同時に、前記第1波長帯λ1と異なる第2波長帯λ2の光信号に係わる受信端を形成することができる。後述するように、互いに異なる第1波長帯λ1及び第2波長帯λ2の光信号は、光フィルタ140を介して空間的に分離された第1光経路L1及び第2光経路L2に沿って進むことができる。
【0063】
前記光コネクタは、光学部品の装着位置を提供し、それらを自動的に整列させるためのOSA(optical sub assembly)基板100を含むものでもある。前記OSA(optical sub assembly)基板100は、一体にも形成され、それにより、光学部品は、1つのOSA(optical sub assembly)基板100上に設定された正位置に装着されることにより、光学部品間の整列が自動的になされうる(self-alignment)。
【0064】
前記OSA(optical sub assembly)基板100は、底面S0と、前記底面S0から第1レベルh1の高さに共に形成され、互いに離隔された第1支持面S1及び第2支持面S2と、を含むものでもある。後述するように、前記第1支持面S1と第2支持面S2との間には、光フィルタ140が載置されるグルーブ100’が形成されうる。すなわち、前記第1支持面S1及び前記第2支持面S2は、グルーブ100’を挟み、互いに離隔されるように断絶された形態にも形成される。本発明の一実施形態において、前記第1支持面S1及び前記第2支持面S2と、底面S0は、それぞれOSA(optical sub assembly)基板100の互いに反対となる表面側と裏面側とに該当しうる。そして、前記第1支持面S1及び前記第2支持面S2と、底面S0は、OSA(optical sub assembly)基板100の平らな面に該当しうる。本発明の一実施形態において、前記発光素子110は、第1支持面S1上にも配され、前記ボールレンズ150は、第2支持面S2上にも配される。
【0065】
本発明の一実施形態において、前記発光素子110は、第1波長帯λ1で動作する垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser diode)でもある。本発明の一実施形態において、発光素子110としての垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)は、低電力と短距離通信用(例えば、通信距離300m)とに適し、互いに異なる波長帯の出力を提供するマルチモードを支援することができる。本発明の一実施形態に適用された垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)と異なり、本発明の比較例に適用されたエッジ発光レーザダイオード(EEL:edge emitting laser diode)は、高電力と長距離通信用(例えば、通信距離10km)とに適し、単一波長帯の出力を提供するシングルモードを支援することができる。
【0066】
図3には、本発明の一実施形態に適用された垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)と、本発明の比較例に適用されたエッジ発光レーザダイオード(EEL)とにおいて、発光素子の注入電流による光パワーの変化を示す図面が図示されている。
図4及び
図5には、それぞれ垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)とエッジ発光レーザダイオード(EEL)とにおいて、互いに異なる温度ごとに、注入電流に係わる光パワーの変化を示す図面が図示されている。
【0067】
図3を参照すれば、同一光パワー、例えば、同一の5mWの光パワー出力を得るために、垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)においては、大体のところ、8mAの注入電流が要求されるが、エッジ発光レーザダイオード(EEL)においては、垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)より高い駆動電流が要求され、大体のところ、30mAの注入電流が要求される。このように、同一光パワーの出力のために、エッジ発光レーザダイオード(EEL)においては、垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)より高い駆動電流の入力が要求され、高い駆動電流が入力されるほど、発熱量が増大することになる。このとき、
図4及び
図5を比較するとき、垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)においては、温度変化による入出力間の変化、言わば、同一光パワー(例:5mW)の出力のために要求される入力としての駆動電流が、温度によって大きい影響を受けないのに反し、エッジ発光レーザダイオード(EEL)においては、同一光パワー(例:5mW)の出力のために要求される入力としての駆動電流が、温度によって大きい影響を受けるという点で違いがある。すなわち、駆動電流、及びそれによる発熱状態が相対的に高いエッジ発光レーザダイオード(EEL)においては、温度上昇により、同一駆動電流の入力からの光パワー出力が低減し、また温度上昇により、同一光パワーの出力を得るための駆動電流入力が増大する必要がある。
【0068】
そのように、エッジ発光レーザダイオード(EEL)においては、発熱状態により、入出力関係(例えば、駆動電流の入力と、光パワー出力との関係)が大きい影響を受けるという点において、エッジ発光レーザダイオード(EEL)が適用された本発明の比較例においては、発光素子110の出力一部から光パワーを検出し、検出された光パワーによって注入電流を制御する方式でもって、発光素子110の発熱状態と係わりなく一定の光パワーを維持するように、フィードバック構成を含む必要がある。例えば、エッジ発光レーザダイオード(EEL)が適用された本発明の比較例においては、発光素子110の出力のほとんどは、透過させるが、発光素子110の出力一部を検出素子(図示せず)に向けて反射させるための部分反射板(図示せず)を含むものでもあり、該検出素子(図示せず)によって測定された光パワーをフィードバックし、発光素子110の注入電流を制御するためのIC(図示せず)を含むものでもある。そのような本発明の比較例によれば、発光素子110からの光経路を変更するための部分反射板(図示せず)と、光パワー検出のための検出素子(図示せず)とが追加され、全体光コネクタの構成が複雑化されうる。特に、発光素子110からの光経路を変更するための部分反射板(図示せず)や、部分反射板(図示せず)を経由する光経路上において光パワーを検出するための検出素子(図示せず)は、発光素子110と隣接した精密な位置に整列される必要があり、例えば、発光素子110の光経路上に整列される必要があるので、製造工程上、精密な位置整列が要求され、厳格な工程管理が要求される。
【0069】
本発明の一実施形態による光コネクタにおいては、駆動電流が相対的に弱く、それによる発熱状態が相対的に低く、発熱状態が入出力関係(例えば、駆動電流の入力と光パワー出力との関係)に及ぼす影響が相対的に小さいところの、垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)を発光素子110に適用することにより、フィードバック構成を介し、発光素子110に対するモニタリングが要求されず、
図4に図示されているように、発光素子110としての垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)は、発熱状態あるいは温度変化による入出力曲線(駆動電流と光パワー出力との曲線)の変化が相対的に少なく、それにより、モニタリングのためのフィードバックを構成せずとも、電気的な入力信号(注入電流に該当する)を、光学的な出力信号(光パワーに該当する)に変換するために、注入電流のハイ/ローレベルにより、光パワーがハイ/ローレベルに変換されるモジュレーションでもって、適正な変調性能を維持することができる。
【0070】
本発明の一実施形態による発光素子110としての垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)は、多様な波長帯の出力を提供するマルチモードを支援することができる。本発明と対比される比較例による発光素子110としてのエッジ発光レーザダイオード(EEL)は、1つの波長帯の出力を提供するシングルモードに適して駆動されうる。本発明の一実施形態においては、発光素子110として、マルチモードに適して駆動されうる垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)を適用することにより、後述するように、マルチモードに適するボールレンズ150との組み合わせにより、多様な波長帯の光信号に係わるマルチモードの伝送が円滑に行われうる。
【0071】
図1及び
図2を参照すれば、前記発光素子110からの第1光経路L1上には、反射鏡125が配されうる。前記反射鏡125は、発光素子110を覆うように、発光素子110が配された第1支持面S1上にも配され、射出成形物120の一部に、反射鏡125が形成された形態にも具現される。さらに具体的には、金型(図示せず)内に、溶融樹脂(図示せず)を注入し、溶融樹脂の凝固によって成形された射出成形物120の一部に、反射鏡125を形成した形態にも形成され、反射鏡125が形成された射出成形物120は、発光素子110を覆うように、発光素子110が配された第1支持面S1上にも配され、発光素子110と対向する射出成形物120の内側に、反射鏡125が形成された構造にも形成される。例えば、前記反射鏡125は、楕円形反射鏡(ellipsoid mirror)125としても形成され、楕円形反射鏡125の1焦点上に、発光素子110の発光領域が配されるようにも整列される。例えば、前記楕円形反射鏡125は、発光素子110から光を前方に向けて照射することができ、発光素子110から拡散される光をいずれか1軸方向に発散される光の形態に変換し、前方に照射することができる。本発明の一実施形態において、前記発光素子110は、発光素子110の上部表面から垂直方向に光が出射される垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)にも設けられ、発光素子110の上部表面から垂直方向に出射される光は、楕円形反射鏡125により、前方に向けて照射されうる。
【0072】
本発明の一実施形態において、前記発光素子110は、第1支持面S1上にも配され、前記ボールレンズ150は、第2支持面S2上にも配される。すなわち、前記ボールレンズ150は、前記発光素子110からの第1光経路L1上に位置し、第2支持面S2上にも配される。
【0073】
前記ボールレンズ150は、発光素子110からの第1光経路L1上と、光ファイバ160からの第2光経路L2上とにも配され、前記ボールレンズ150の中心は、発光素子110からの第1光経路L1の光軸上と、光ファイバ160からの第2光経路L2の光軸上とに整列されうる。本発明の一実施形態において、前記ボールレンズ150は、第1光経路L1に沿い、発光素子110からの光を光ファイバ160の先端面に向けて集束させるか、あるいは第2光経路L2に沿い、光ファイバ160からの光を平行光形態にも整形させ、前記発光素子110と光ファイバ160との間には、光フィルタ140が介在され、発光素子110からの第1光経路L1と、光ファイバ160からの第2光経路L2とを空間的に分離させることができる。
【0074】
本発明の一実施形態において、前記ボールレンズ150は、第1光経路L1に沿い、前記発光素子110から出射され、ドラムレンズ(drum lens)120によって平行光形態に整形された光を、光ファイバ160の先端面に向けて集束させるか、あるいは第2光経路L2に沿い、光ファイバ160から出射される拡散光を平行光形態に整形させることができ、そのために、前記ボールレンズ150は、球形の透明体にも形成される。
【0075】
本発明の一実施形態による光コネクタは、互いに異なる第1波長帯λ1及び第2波長帯λ2の光信号を、1つの光ファイバ160を介し、伝送及び受信することができる双方向通信を支援し、前記ボールレンズ150は、第1光経路L1に沿い、光フィルタ140から第1波長帯λ1の光信号を集束し、大体のところ、30~40μm直径の光スポットに整形しながら、光ファイバ160のコア161(
図6A)、言わば、本発明の一実施形態によるマルチモード用光ファイバ160において、直径50μm(または、直径62.5μm)のコア161上に集束させることができ、また、第2光経路L2に沿い、直径50μm(または、直径62.5μm)のコア161からの第2波長帯λ2の光信号を平行光形態に整形し、光フィルタ140に提供することができる。例えば、本発明の一実施形態によるボールレンズ150は、互いに異なる波長帯λ1,λ2の光信号につき、直径50μm(または直、径62.5μm)のコア161上に集束させることができるように、互いに異なる波長帯λ1,λ2の光信号につき、適正な屈折率を提供することができる。
【0076】
本発明と対比される比較例においては、ボールレンズ150の代わりに、非球面レンズが適用されうる。例えば、本発明の比較例に適用される非球面レンズは、本発明に適用可能な一般的なボールレンズ150と異なり、相対的に狭い領域に集束された光スポット(例:例えば、10μm直径の光スポット)を形成することができるが、特殊な加工と、精密な光学的整列とが要求されるので、製造コストが増大するという問題点がある。
【0077】
本発明の一実施形態においては、発光素子110として、マルチモードに適する垂直共振表面発光レーザダイオード(VCSEL)を適用するので、一般的なボールレンズ150を適用しても、相対的に広い直径50μm(または、直径62.5μm)のコア161を有するマルチモード用光ファイバ160と十分なカップルリングが可能である。本発明と対比される比較例においては、シングルモードに適するエッジ発光レーザダイオード(EEL)を適用するので、非球面レンズを適用してこそ、相対的に狭い直径(8~12μm)のコア161’(
図6B)を有するシングルモード用光ファイバ160’(
図6B)と十分なカップルリングが可能であり、例えば、非球面レンズを適用し、相対的に狭い光スポット(例えば、10μm直径の光スポット)を形成する必要がある。もしシングルモードに適するエッジ発光レーザダイオード(EEL)を適用する比較例において、本発明のように、一般的なボールレンズ150を適用する場合、ボールレンズ150を介し、相対的に広い光スポット(例えば、30~40μm直径の光スポット)が形成されながら、相対的に狭い直径(8~12μm)のコア161’を有するシングルモード用光ファイバ160’に十分に集束されず、光損失が増大することになるので、光信号伝送に不適となる。
【0078】
図2を参照すれば、前記ボールレンズ150の周辺には、ボールレンズ150の位置整列のための整列ガイド151,152が形成されうる。前記整列ガイド151,152は、ボールレンズ150を取り囲むようにも形成され、ボールレンズ150が配された第2支持面S2上において、ボールレンズ150を取り囲むようにも形成される。例えば、前記整列ガイド151,152は、第1光経路L1及び第2光経路L2を横切って延長されるメイン隔壁151と、前記メイン隔壁151の両側において、第1光経路L1及び第2光経路L2と並んで延長される1対のサイド隔壁152と、を含むものでもある。
【0079】
前記ボールレンズ150は、平らな第2支持面S2上にも配され、本発明の一実施形態において、前記ボールレンズ150は、平らな第2支持面S2上に接着され、位置固定されうる。例えば、前記ボールレンズ150は、球形のホウケイ酸ガラスによっても形成され、接着剤(図示せず)としては、エポキシ系またはアクリル系などが適用されうる。本発明の一実施形態において、前記ボールレンズ150は、平らな第2支持面S2上に、接着剤(図示せず)などで位置固定され、前記第2支持面S2上には、ボールレンズ150載置のための別途の溝が形成されないものでもある。ただし、本発明の一実施形態において、前記ボールレンズ150は、ボールレンズ150を取り囲むように形成された整列ガイド151,152によって位置整列され、別途の接着剤(図示せず)などによらず、整列ガイド151,152に対する組み込みを介しても位置固定される。
【0080】
図1を参照すれば、前記OSA(optical sub assembly)基板100の表面を形成する第1支持面S1と第2支持面S2との間には、第1支持面S1及び第2支持面S2から所定深さに引き込まれたグルーブ100’が形成されうる。前記グルーブ100’には、光フィルタ140が挿入されうる。前記光フィルタ140は、ガラス基板上またはプラスチック基板上に、多層積層された誘電体薄膜を含むものでもある。前記光フィルタ140は、高周波数透過(high-pass)または低周波数透過(low-pass)のエッジフィルタでもある。また、本発明の多様な実施形態として、前記光フィルタ140は、一定通過帯域を有する帯域透過(band pass)フィルタでもある。
【0081】
本発明の一実施形態において、前記光フィルタ140は、第1波長帯λ1の光は、透過させ、第2波長帯λ2の光は、反射させることができる。ただし、前記光フィルタ140は、前述の例示に限定されるものではなく、多様な構造にも変形され、互いに異なる波長帯λ1,λ2の光信号を分離させるように、選択的に反射/透過が可能ないかなる形態の反射透過膜にも形成される。また、前記光フィルタ140は、名称や形態にかかわらず、ビームスプリッタ(beam spritter)またはダイクロイックミラー(dichroic mirror)のような他の名称にも呼称される。
【0082】
前記光フィルタ140は、発光素子110からの第1光経路L1と、光ファイバ160からの第2光経路L2とを空間的に分離させるためのものであり、同一光源からの光を、互いに異なる波長帯または偏光成分によって分離する素子とは区別されうる。ここで、前記光フィルタ140が、発光素子110からの第1光経路L1と、光ファイバ160からの第2光経路L2とを空間的に分離させるというのは、発光素子110と光ファイバ160とを連結する第1光経路L1と、光ファイバ160と受光素子170とを連結する第2光経路L2とが、空間的に互いに異なる経路に沿うように分離されるということを意味し、同じ光源からの光を、波長帯または偏光成分により、互いに異なる経路に分離させるというものではない。
【0083】
前記光フィルタ140は、第1光経路L1上に配され、発光素子110から入射される第1波長帯λ1の光を透過させ、光ファイバ160に提供することができ、第2光経路L2上に配され、光ファイバ160から入射される第2波長帯λ2の光を反射させ、受光素子170に提供することができる。前記受光素子170は、光フィルタ140によって反射された光ファイバ160の出力光を感知し、光信号を電気的な信号に出力することができる。例えば、前記光フィルタ140は、互いに異なる第1波長帯λ1と第2波長帯λ2との光信号を分離し、互いに異なる第1光経路L1及び第2光経路L2に提供することにより、双方向通信を支援することができる。
【0084】
前記光フィルタ140との関係において、前記発光素子110及び光ファイバ160は、前記光フィルタ140を透過する第1光経路L1に沿い、光フィルタ140の互いに異なる側に配され、前記光ファイバ160と受光素子170は、前記光フィルタ140に反射される第2光経路L2に沿い、前記光フィルタ140の互いに同じ側にも配される。
【0085】
前記光フィルタ140は、グルーブ100’の形状によっても支持され、グルーブ100’の形状によって支持された光フィルタ140は、第2支持面S2上に配された受光素子170に向けて斜めになるように傾くようにも配される。すなわち、前記光フィルタ140は、光フィルタ140が支持されるグルーブ100’の両側に形成された第1支持面S1及び第2支持面S2のうち、第2支持面S2に向けて傾いた形状にも支持される。本明細書を介し、光フィルタ140が、グルーブ100’の形状によって支持されるというのは、グルーブ100’を形成する少なくとも2以上の互いに異なる面を介し、光フィルタ140が支持されるということを意味しうる。本発明の一実施形態において、前記グルーブ100’は、第1支持面S1及び第2支持面S2から底面S0に向けて下方に段差になる基底面S3と、前記基底面S3から上方に延長されながら、第1支持面S1及び第2支持面S2と連結される第1側壁W1と、を含み、大体のところ、四角形の断面形状にも形成される。本発明の一実施形態において、前記光フィルタ140は、グルーブ100’の基底面S3上に形成され、光フィルタ140のエッジを下支えする第1支持ポイントP1と、グルーブ100’の第1側壁W1と、第2支持面S2とが当接するエッジ上に形成され、光フィルタ140の主面を下支えする第2支持ポイントP2とによっても支持される。また、前記光フィルタ140は、グルーブ100’の第1支持ポイントP1及び第2支持ポイントP2によって支持されながら、第2支持面S2上に配された受光素子170を横切って延長されうる、受光素子170の1エッジ上に形成され、光フィルタ140の主面を下支えする第3支持ポイントP3によっても支持される。そのように、前記光フィルタ140は、全体として、第1支持ポイントP1、第2支持ポイントP2及び第3支持ポイントP3を介しても支持され、グルーブ100’上に形成された第1支持ポイントP1及び第2支持ポイントP2と、受光素子170上に形成された第3支持ポイントPとを介し、斜めに傾いた形態にも支持される。
【0086】
本発明の一実施形態において、前記OSA(optical sub assembly)基板100は、底面S0から第1レベルh1の高さに共に形成された第1支持面S1及び第2支持面S2と、底面S0から第1レベルh1より低い第2レベルh2の高さに形成された第3支持面S3(グルーブ100’の基底面S3に該当する)と、を含むものでもある。ここで、前記第3支持面S3は、第1支持面S1及び第2支持面S2から底面S0に向け、下方に段差になるグルーブ100’の基底面S3に該当し、底面S0から第2レベルh2の高さにも形成される。そのように、本発明の一実施形態によるOSA(optical sub assembly)基板100は、全体的に、互いに異なる第1レベルh1及び第2レベルh2を含み、1回のエッチングを介し、互いに異なる第1レベルh1及び第2レベルh2の面、言わば、第1レベルh1に形成された第1支持面S1及び第2支持面S2と、第2レベルh2に形成された第3支持面S3と、をいずれも形成することができる。そのように、OSA(optical sub assembly)基板100を1回のエッチングで形成することができることにより、製造工程を単純化させることができる。
【0087】
図2を参照すれば、前記光フィルタ140が挿入されるグルーブ100’は、第1光経路L1及び第2光経路L2を横切って延長される1対の第1側壁W1と、前記第1光経路L1及び第2光経路L2と並んで延長される1対の第2側壁W2と、を含むものでもあり、前記グルーブ100’は、基底面S3を取り囲む1対の第1側壁W1及び第2側壁W2によって取り囲まれた形態に形成されながら、光フィルタ140の位置整列のための整列ガイド151,152としての機能を遂行することができる。本発明の一実施形態において、前記グルーブ100’は、第1支持面S1と第2支持面S2との間にも形成され、第1支持面S1及び第2支持面S2は、前記グルーブ100’によって互いに分離されうる。本発明の一実施形態において、前記第1支持面S1及び前記第2支持面S2は、グルーブ100’によって互いに分離されながら、グルーブ100’の両側、言わば、第2側壁W2の外側に形成された第4支持面S4を介しても互いに連結される。このとき、前記第1支持面S1及び前記第2支持面S2と、それらを互いに連結するグルーブ100’両側の第4支持面S4は、互いに同じ第1レベルh1の高さに共に形成されうる。
【0088】
図1を参照すれば、第1光経路L1上において、発光素子110と光フィルタ140との間には、ドラムレンズ130が介在されうる。前記ドラムレンズは、球面または非球面に形成された一面と、平面に形成された他面と、を含むものでもあり、反射鏡から発散される形態に照射される光を、平行光形態に整形し、光フィルタ140に提供することができる。
【0089】
前記光ファイバ160は、ボールレンズ150が配された第2支持面S2から離隔されたレベルにも配され、さらに具体的には、第2支持面S2から第3レベルh3の高さにも配される。すなわち、前記光ファイバ160は、OSA(optical sub assembly)基板100の底面S0から、第1レベルh1の高さ(第2支持面S2の高さに該当する)に、さらに第3レベルh3の高さが加わったレベルにも配される。
【0090】
本発明の一実施形態において、前記光ファイバ160は、光ファイバ160から、第2光経路L2の光軸と、ボールレンズ150の中心とが互いに整列されうるように、ボールレンズ150が配された第2支持面S2から、第3レベルh3の高さにも配される。本発明の一実施形態において、前記光ファイバ160は、OSA(optical sub assembly)基板100の外部にも配される。
【0091】
本発明の一実施形態において、前記光ファイバ160としては、多様な波長帯の信号伝送が可能になるように、マルチモードを支援するマルチモード用光ファイバ160が適用されうる。本発明の一実施形態による光コネクタは、互いに異なる第1波長帯λ1及び第2波長帯λ2の光信号を、1つの光ファイバ160を介し、伝送して受信することができる双方向通信を支援するので、前記光ファイバ160としては、マルチモード用光ファイバ160が適用されうる。
図6Aに図示されているように、本発明の一実施形態による光ファイバ160としてのマルチモード用光ファイバ160は、光信号の伝送路に該当するコア(core)161と、前記コア161の外周を取り囲むクラッディング(cladding)162と、前記クラッディング162の外周を取り囲むジャケット(jacket)163と、を含むものでもあり、このとき、前記コア161は、大体のところ、50μmまたは62.5μmの直径を有することができ、
図6Bに図示されているように、本発明と対比される比較例において、適用可能なシングルモード用光ファイバ160’において、前記コア161’は、大体のところ、8~12μmの直径を有することができる。
【0092】
本発明は、添付された図面に図示された実施形態を参照して説明されたが、それらは、例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野において当業者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、光コネクタに係わるものであり、光通信を適用する電子機器及び通信機器にも適用される。