(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】バイオプロセス精製システムにおける方法
(51)【国際特許分類】
G01N 30/86 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
G01N30/86 D
G01N30/86 P
(21)【出願番号】P 2019572131
(86)(22)【出願日】2018-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2018067932
(87)【国際公開番号】W WO2019007948
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-05-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-13
(32)【優先日】2017-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ペトラ・バングトソン
(72)【発明者】
【氏名】ケイ・ヒュッケンベリ
(72)【発明者】
【氏名】ラース・ヘニング・イーヴァル・マットソン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリカ・スカルプ
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】▲高▼見 重雄
【審判官】松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-3241(JP,A)
【文献】国際公開第2016/173928(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N30/86
G05B13/00,17/00
G01N35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオプロセス精製システムと対話するように構成されている制御システムにおいて、プロセスラン
のイベントを再構成するための方法であって、前記制御システムは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを含むハードウェアを備え、前記バイオプロセス精製システム内の試料を含む液体の精製に関係する前記
イベントを制御するように構成され、
前記バイオプロセス精製システムは、以下のハードウェア:容器(11)、ポンプ(12)、弁(13)、マニュアルフィード(14)、カラム(15)、UVセンサ(16)、伝導度センサ(17)、逃し弁(18)、および出力(19)を備え、前記方法は
前記プロセスランに
使用されるハードウェア状態を前記メモリに記録するステップ(S11)と、
前記プロセスランに
使用されるセンサからの読み取り値を前記メモリに記録するステップ(S12)と、
ハードウェア状態を前記プロセスランからの結果とリンクさせるために前記ハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるステップ(S13)と
を含み、
前記
イベントは、連続して実行されるいくつかの命令によって制御され、前記方法は、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値を前記命令と同期させて前記命令を前記ハードウェア状態とリンクさせるステップ(S13b)をさらに含み、
前記プロセスランは、いくつかのプロセスフェーズに分割され、各プロセスフェーズは少なくとも1つの命令を含み、前記方法は実行された命令に基づいて現在のプロセスフェーズを決定するステップ(S13c)をさらに含み、
各開始された命令を関連付けられているプロセスフェーズとリンクさせるステップ(S13d)をさらに含み、
ハードウェアの非許容組合せがリストアップされ、前記方法は、前記プロセスラン
のイベントを再構成するときにハードウェアの非許容組合せを自動的に識別するステップ(S14)をさらに含
む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、前記メモリに記録されているハードウェア状態をデータ記憶媒体に格納するステップ(S11a)と、センサからの読み取り値を前記データ記憶媒体に格納記憶するステップ(S12a)とをさらに含み、ハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させる前記ステップは、前記データ記憶媒体にアクセスするステップ(S13a)をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、時間および/または量の関数として記録される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、スケジュールされた
イベントの関数として記録される請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ハードウェアは制御弁を備え、前記ハードウェア状態を記録する前記ステップは制御弁の位置を記録するステップを含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、前記プロセスランに対して前記バイオプロセス精製システムを初期化するときに、および/または前記プロセスランが完了した後に、データ記憶媒体に格納される請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセスランにおける経過時間に関係する点を選択するステップ(S15)と、その点について前記ハードウェア状態とセンサからの前記同期された読み取り値とを表示するステップとをさらに含む請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
バイオプロセス精製システム(41)におけるプロセスラン
のイベントを再構成するための制御システム(40)であって、前記制御システムは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを含むハードウェアを備え、前記バイオプロセス精製システム内の試料を含む液体の精製に関係する前記
イベントを制御するように構成されているハードウェアと対話するよう構成され、
前記バイオプロセス精製システムは、以下のハードウェア:容器(11)、ポンプ(12)、弁(13)、マニュアルフィード(14)、カラム(15)、UVセンサ(16)、伝導度センサ(17)、逃し弁(18)、および出力(19)を備え、前記制御システムは、
前記プロセスランに
使用されるハードウェア状態を前記メモリに記録し、
前記プロセスランに
使用されるセンサからの読み取り値を前記メモリに記録し、
ハードウェア状態を前記プロセスランからの結果とリンクさせるために前記ハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させる
ようにさらに構成され、
前記
イベントは、プログラムで連続して実行されるいくつかの命令によって制御され、前記制御システムは、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値を前記命令と同期させて前記命令を前記ハードウェア状態とリンクさせるように構成され、
前記プロセスランは、いくつかのプロセスフェーズに分割され、各プロセスフェーズは少なくとも1つの命令を含み、前記制御システムは、実行された命令に基づいて現在のプロセスフェーズを決定するようにさらに構成され、
前記制御システムは、各開始された命令を関連付けられているプロセスフェーズにリンクさせるようにさらに構成され、
ハードウェアの非許容組合せがリストアップされ、前記制御システムは、前記プロセスラン
のイベントを再構成するときにハードウェアの非許容組合せを自動的に識別するようにさらに構成され
る
ことを特徴とする制御システム(40)。
【請求項9】
前記制御システムは、前記メモリに記録されているハードウェア状態とセンサからの読み取り値とをデータ記憶媒体(42)に格納するようにさらに構成され、前記制御システムは、前記データ記憶媒体にアクセスして前記ハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるようにさらに構成される請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、時間および/または量の関数として記録される請求項8または9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、スケジュールされた
イベントの関数として記録される請求項8または9に記載の制御システム。
【請求項12】
前記ハードウェアは制御弁を備え、前記制御システムは、前記ハードウェア状態を記録するときに前記制御弁の位置を記録するようにさらに構成される請求項8または11のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項13】
前記ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、前記プロセスランに対して前記バイオプロセス精製システムを初期化するときに、および/または前記プロセスランが完了した後に、記録される請求項8または12のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項14】
前記制御システムは、前記プロセスランにおける経過時間に関係する点のユーザによる選択を検出し、その点について、前記ハードウェア状態とセンサからの前記同期された読み取り値を表示するようにさらに構成される請求項8または13のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項15】
バイオプロセス精製システムにおけるプロセスラン
のイベントを再構成するためのコンピュータプログラムであって、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のバイオプロセス精製システムにおけるプロセスラン
のイベントを再構成するためのコンピュータプログラムを収めるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオプロセス精製システム(bioprocess purification system)において、たとえばシステムに試料を含む液体を供給するときに、プロセスランの間の事象を再構成するための方法に関する。本発明は、バイオプロセス精製システムにおけるプロセスランに関係する将来の事象をシミュレートするための方法にも関係する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィの分野では、複数の物質を含む混合物は、一般的に、カラムによって分離され、カラムから出る流体出力または溶出液は分析に付され、その後、フラクションコレクタ内の複数の受給容器内に分画される。コンピュータが処理ユニットとして、またユーザインターフェースとして働き、ユーザがプロセスを適合させ制御することを可能にし、このコンピュータは、ピークが混合物中の異なる物質に対応するクロマトグラムの形態でデータおよび結果をユーザに提示するために使用される。コンピュータのディスプレイは、クロマトグラフィ装置の様々な部分に対する記号を使用してプロセス図を提示し、ユーザがプロセス図と対話することによって、たとえば、コンポーネントをクリックしてその動作を変更することによってプロセスをある程度制御することを可能にし得る。
【0003】
収集されたデータはさらに記憶され、データが検討されプロセスがファイナライズされた後にさらに分析され得る。しかしながら、この時点において、プロセス図は、もはや利用可能でなく、したがってユーザはクロマトグラフィ装置と生成されたデータとの間の限られた関連を有する。
【0004】
そこで、実行済みプロセスランを分析するときと、プロセスランを実行する前に将来の結果を予測するときの両方でユーザがクロマトグラム内に提示されている結果をクロマトグラフィ装置とリンクする可能性を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、当技術分野における上述の欠点および不利点のうちの1つまたは複数を、単独で、または任意の組合せで、軽減するか、緩和するか、または排除することを求める方法ならびに方法およびコンピュータプログラムを実行するように構成されているデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載のバイオプロセス精製システムにおけるプロセスランに関係する事象を再構成するための方法によって達成される。
【0007】
事象を再構成するための方法の利点は、プロセスランをプログラムするときに犯した誤りを識別するためにプロセスランにおける事象を遡って調べることが可能であることである。また、プロセスランの間の予期せぬ事象の原因を識別することも可能であり、その原因は、ハードウェア、化学的問題などに関係することもあり得る。
【0008】
この目的は、請求項10に記載のバイオプロセス精製システムにおけるプロセスランに関係する事象をシミュレートするための方法によっても達成される。
【0009】
事象をシミュレートするための方法の利点は、プログラミングの誤りがプログラムを実行しプロセスランを開始する前に識別され得るのでプロセスランにおける失敗のリスクを低減することが可能であり、より効率的な手順をもたらすことにある。
【0010】
さらなる目的および利点は、詳細な説明から当業者によって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】バイオプロセス精製手順に関して使用されるクロマトグラフィ装置の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図2】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図3】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図4】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図5】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図6】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図7】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図8】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図9】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図10】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図11】プロセスランの間のプロセスステップを例示する図である。
【
図12】バイオプロセス精製システム内の事象を再構成するためのプロセスを例示するフローチャートである。
【
図13】バイオプロセス精製システム内の将来の事象をシミュレートするためのプロセスを例示するフローチャートである。
【
図14】バイオプロセス精製システムと対話するように構成されている制御システムを例示する図である。
【
図15】プロセスフェーズ情報(process phase information)とともに、プロセスランの間のハードウェア状態とセンサ読み取り値との間のリンクを例示する図である。
【
図16】実行されたプロセスステップに関する情報を追加した
図15に例示されているようなプロセスランの間のハードウェア状態とセンサ読み取り値との間のリンクを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
クロマトグラムは、試料を含む液体がバイオプロセス精製システム内で処理されるときに通常は作成され、センサからの読み取り値は、方法時間の関数として、すなわち、プロセスランにおいて、クロマトグラムに含まれる。非方法時間、たとえば、洗浄、較正時の事象、およびシステムをリセットするときに生じる事象は、クロマトグラムに含まれない。
【0013】
図1は、バイオプロセス精製手順に関して使用されるクロマトグラフィ装置10の例示的な一実施形態を示している。多くの異なる種類のクロマトグラフィ装置が試料の精製プロセスを実行するために使用され得ることが言及されるべきである。クロマトグラフィ装置10は、そのプロセスのための液体を含むいくつかの容器11aおよび11bを備える。この例では、フィードは2つの容器11aを使用して供給され、第1の容器は液体「A1」を含み、第2の容器は液体「B1」を含む。試料は、第3の容器11bを介して供給される。
【0014】
この装置は、装置を通る液体の流れを制御するために使用される、いくつかのポンプ12および弁13a、13bを備える。マニュアルフィード14も設けられ得る。分離は、弁13bの位置に応じてバイパスされ得る、カラム15を使用して実行される。いくつかのパラメータがプロセスランにおいて測定されるが、この例では、UVセンサ16および伝導度センサ17によって例示されている。
【0015】
最終生成物から廃棄物を分離するために逃し弁18が設けられ、これは出力19のところに用意され、好適な画分で捕集される。
【0016】
これらすべての部分(すなわち、フィード、バッファ、ポンプ、カラム、センサ、出力)は、
図2~
図11の底部に例示されている流路を構成する。
【0017】
ユーザがランに関してある種の問題に直面した場合、ランが完了した後に、そのランに関係する所与の時間におけるハードウェア状態を再構成することが不可能である。ユーザに、プロセスランに関係する、すなわち、方法および非方法時間における、ハードウェア状態を再構成する機会を与えるために、システムに関する追加情報が測定され、後でアクセスできるように記憶されなければならない。その後、この追加情報は、クロマトグラム情報(通常の結果情報)の表示を横に並べてシステム状態を表示するために使用される。この表示では、
図2~
図11に例示されているように、非方法時間であってもランのワインドおよびリワインドを行い、さらに特定の時点にジャンプして、ハードウェアの状態に関する情報を取得することが可能である。
【0018】
ユーザがプロセスランのフォレンジック分析を実行することを可能にすることに加えて、マニュアル命令またはプログラムで実装された命令を実行するときにプロセスランに関係する将来の事象をシミュレートするために同じアプローチが使用され得る。これは、プロセスランに対する境界条件を決定する、プロセスランの現在のプロセス状態に関する知識に基づくことによって達成される。各非実行命令の結果は記憶されている情報に基づき評価され、将来の事象は現在の状態および非実行命令の評価された結果に基づき予測される。これは、
図13のフローチャートに関連してより詳しく説明される。
【0019】
図2~
図11は、
図14において説明されているような、制御システム上でユーザに対して表示され得るプロセスランの間のプロセスステップを例示している。
【0020】
図2~
図11は、クロマトグラム20を作成するために使用される実際の装置のデジタル表現である、完了したクロマトグラム20およびハードウェア設備21を例示している。各
図2~
図11は、各図における経過時間および記録持続時間が3.99分であることを示す、時間カーソル22によって指示されているように、プロセスランに対する特定の持続時間とプロセスランに関係する事象とを例示している。制御バー23は、黒色セクション24および灰色セクション25を含む。黒色セクション24は、センサ値がクロマトグラム20に記録され、提示される方法時間を表す。灰色セクション25は非方法時間、たとえば、プロセスランが開始する前のポンプ洗浄(図示せず)、クロマトグラフィカラムの利用を最適化するための休止期間、完了したプロセスランの後の装置のリセットなどを表す。
【0021】
図2において、経過時間は0.00分であり、ハードウェア状態は初期化状態にある。
【0022】
図3において、経過時間は0.29分であり、ハードウェアは、この装置を通して「A1」からの液体の流れを許すように構成される。クロマトグラムはハードウェア状態と同期され、直線26でクロマトグラム内の位置をマークする。
【0023】
図4に例示されているように、経過時間が0.64分になった後、プロセスランは非方法時間にあり(灰色セクション25によって示されているように)、クロマトグラムに含まれるべきセンサ値は測定されない。しかしながら、UVセンサおよび伝導度センサは、事象を再構成しているときに利用可能である値をそのまま測定している。
【0024】
プロセスランは、それでも、
図5に例示されているように、1.24分後に非方法時間内にあり、直線26はそのまま
図4と同じ位置にある。しかしながら、ハードウェア状態は異なるが、それはいくつかの弁が開いており「A1」からの液体が装置の一部を貫流することを可能にしているからである。
【0025】
プロセスランが方法時間に入るとすぐに、すなわち、カーソル22は
図6に例示されているように制御バー23に沿って黒色セクション24内に移動され、経過時間は1.79分に移動する。この移動は、直線26をクロマトグラムに沿って移動させ、ハードウェア状態はその変化と同期する。「A1」および「B1」からの両方の液体がバイオプロセスシステム内に導入される。
【0026】
ハードウェア状態は、
図7に例示されているように同じ黒色セクション24において変化するものとしてよく、経過時間は2.24分である。応答として、クロマトグラムおよびハードウェア状態は同期しているので、直線26は移動される。プロセスが別の非方法時間に移動されたときに、直線26は、カーソル22が灰色セクション25内にある限り同じ位置に留まる。これは
図8に例示されており、経過時間は2.92分である。
【0027】
図9は、3.54分(経過時間)の後に再びプロセスが方法時間に入ったときの状況を例示しており、
図10は、経過時間3.95分の後であり、クロマトグラムの測定が完了したときの状況を示しているが、装置をリセットするためにいくつかの軽微な動作が必要である。
【0028】
図11は、完了したプロセスランの終わり近くの状況(経過時間3.97分の後)を表している。クロマトグラム内の直線26は、
図10と
図11との間のプロセス(全プロセスランの終わりまで)が非方法時間で実行されるので同じ位置に留まる。
【0029】
この有用な情報に加えて、連続して実行される命令に関する情報を含めることが可能である。この例では、マニュアル命令は、クロマトグラムから見える(
図11の参照番号30)。
【0030】
図2~
図11に関連して例示されているグラフィカルユーザインターフェースGUIは、ユーザがカーソル22を制御バー23に沿って任意の位置に移動し、任意の所与の経過時間において、クロマトグラムと同期されている、ハードウェア状態にアクセスし得るという利点を有する。これは、ユーザに対して、プロセスランに関係する経過時間の関数としてスクロール可能なGUIを提供する。GUIは、
図12に例示されているようにすでに実行されているバイオプロセス精製に関係する事象を再構成するとき、または
図13に例示されているように命令を実行したことから推定された結果に基づきバイオプロセス精製における将来の事象をシミュレートするときの両方において使用され得る。
【0031】
図15は、ハードウェア状態10とセンサ読み取り値との間のリンクが、クロマトグラム20の形態で、プロセスフェーズ情報31とともにプロセスランの間に提示されるグラフィカルユーザインターフェースGUI30を例示している。制御バー23は、センサ値が記録され、クロマトグラム20内に提示される(この例ではセンサ読み取り値なしで)方法時間を表す黒色セクション24と、上で説明されているような非方法時間を表す灰色セクション25とを有し、
図15の下側部分に例示されている。カーソル22は、制御バー23に沿って移動可能である。この例示的な実施形態における追加された特徴は、クロマトグラフィランを実行している間に事前プログラムされた方法フェーズにおける進行状況を示す、プロセスフェーズ情報を含む右側のパネル31である。
【0032】
図2~
図11の図とは対照的に、プロセスフェーズパネル31内の追加情報は、ユーザが32で示されているようにどのプロセスステップが実行されたかに関する情報を取得することを可能にし、事前プログラムされた方法において、プロセスは、現在、33で示されているとおりであり、34で示されているように、将来のステップも示している。ランデータ35を有する別個のパネルが、プロセスを監視するために用意されるものとしてよい。
【0033】
図16は、
図15に関連して説明されているGUIに類似するグラフィカルユーザインターフェースGUI36を例示しており、プロセスランを実行するために使用される事前プログラムされた方法に関係する実行される命令に関する情報が追加され、各命令はプロセスフェーズに関連付けられている。実行される命令は、別のパネル37内に提示される。
【0034】
GUI30、36内にプロセスフェーズ(完了32、アクティブ33、および将来34)を示すことによって、ユーザがプロセスランの進行を理解することがしやすくなる。各フェーズの長さが推定され、これにより、制御バーをスクロールさせ、
図13に関連してより詳しく説明されているように現在の状態に基づき将来の事象を予測することが可能になる。
【0035】
図12は、バイオプロセス精製システムにおける試料を含む液体の精製に関係する事象を制御するように構成されているハードウェアを備えるバイオプロセス精製システムに関係する事象を再構成するためのプロセスを例示するフローチャートである。「に関係する」という言い回しは、方法時間における事象が含まれるだけでなく、プロセスランに関係する他の事象、たとえば、クロマトグラムがセンサ値を記録していないときにプロセスランで実行される動作、プロセスランが完了した後に実行される洗浄なども含まれることを意味する。
【0036】
この方法は、ステップS10で開始し、3つの主要ステップ、すなわち、
- プロセスランに関係するハードウェア状態を記録するステップS11と、
- プロセスランに関係するセンサからの読み取り値を記録するステップS12と、
- ハードウェア状態をプロセスランからの結果とリンクさせるためにハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるステップS13とを含む。
【0037】
ハードウェア状態、たとえば、バイオプロセス精製システム内の弁位置を記録するステップS11では、ハードウェア状態は、プロセスラン実行中、プロセスが始まる前、および/またはプロセスランが完了した後に記録されるものとしてよい。同じことが、ステップS12においてセンサからの読み取り値を記録することについても適用され、このことは、センサからの読み取り値が方法時間(クロマトグラムに示されているように)および非方法時間において記録されることを意味する。
【0038】
システムは、データ記憶媒体、たとえば、構造化データを含むデータベースまたはファイルを備えるものとしてよい。いくつかの態様によれば、この方法は、記録されたハードウェア状態を記憶するステップS11aと、センサからの読み取り値をデータ記憶媒体に記憶するステップS12aとをさらに含み、ハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるステップS13は、データ記憶媒体にアクセスするステップS13aをさらに含む。
【0039】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、時間および/または量の関数として記録される。いくつかのプロセスにおいて、クロマトグラムは時間の関数として例示され、他のプロセスでは、クロマトグラムは量の関数として例示される。これら2つの表現を切り替えるために、読み取り値は、時間の関数および量の関数の両方として記録され得る。
【0040】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、スケジュールされた事象の関数として記録される。同じ機能がプロセスランにおいて事象を再構成するためのマーカーとしてスケジュールされた事象の順序を使用して取得され得るので、クロマトグラムのx軸は、必ずしも、時間または量でなくてもよい。
【0041】
いくつかの態様によれば、ハードウェアは制御弁を備え、ハードウェア状態を記録するステップS11は制御弁の位置を記録するステップを含む。
【0042】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、プロセスランに対してバイオプロセス精製システムを初期化するときに、すなわち、プロセスランが開始する前に、記録される。プロセスランに影響を及ぼす事象は、ポンプ洗浄手順、システム初期化などを含むものとしてよい。
【0043】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、プロセスランが完了した後、たとえば、キャリブレーションポンプなどによるシステムの洗浄またはリセットの際に記録される。
【0044】
プロセスランは、連続して実行されるいくつかの命令によって制御され、各命令が事象を引き起こす。いくつかの態様によれば、この方法は、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値を命令と同期させて命令をハードウェア状態とリンクさせるための任意選択のステップS13bをさらに含む。プロセスを制御する命令を含めることによって、命令に基づきハードウェア状態を追跡することが可能になる。したがって、命令の中の誤りから生じる誤りを識別すること、および識別された誤りに対する好適な是正策を見つけることがより容易である。
【0045】
プロセスランを実行するための事前プログラムされた方法は、「方法設定」、「カラムCIP」、「平衡」、「試料適用」、および「溶離」などのプロセスフェーズに分割されるものとしてよく、各プロセスフェーズは、少なくとも1つの命令を含む。いくつかの態様によれば、この方法は、実行された命令に基づき現在のプロセスフェーズを決定するための任意選択のステップS13cをさらに含む。それに加えて、完了したプロセスフェーズおよび将来のプロセスフェーズも決定され得る。
【0046】
事前プログラムされた方法が実行されるときに、命令は連続して開始され、いくつかの態様によれば、この方法は、各開始された命令を関連付けられているプロセスフェーズとリンクさせるステップS13dをさらに含む。
【0047】
これらの命令は、手動で制御されるか、またはコンピュータプログラム内の命令として実装され得る。これらの命令は、クロマトグラム内に直接的に指示されるか、または別々に指示され得る。
【0048】
いくつかの態様によれば、非許容ハードウェア組合せ、たとえば、第1の弁は第2の弁が開いているときには常に閉じられているべきであるということが、リストされ、この方法は、プロセスランに関係する事象を再構成するときに非許容ハードウェア組合せを自動的に識別するステップS14をさらに含む。
【0049】
いくつかの態様によれば、プロセスランにおける経過時間に関係する点は、ステップS15において選択され、その点について、ハードウェア状態および同期データが表示される。この点は、時間、量、および/または事象に関係するものとしてよく、表示される同期データはハードウェア状態およびセンサからの同期された読み取り値を含む。同期された命令も含まれ得る。
【0050】
このフローはステップS16で終了し、データ記憶媒体に記録されているデータは、
図2~
図11に例示されているグラフィカルインターフェースを作成するためにアクセスされ得る。
【0051】
この方法は、
図14に関連して説明されているように、バイオプロセス精製システム41におけるプロセスランに関係する事象を再構成するために制御システム40内に実装され得る。制御システムは、バイオプロセス精製システム内の液体の精製に関係する事象を制御するように構成されているハードウェアと対話するよう構成され、さらに、
- プロセスランに関係するハードウェア状態を記録し、
- プロセスランに関係するセンサからの読み取り値を記録し、
- ハードウェア状態をプロセスランからの結果とリンクさせるためにハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるようにさらに構成される。
【0052】
いくつかの態様によれば、制御システムは、記録されたハードウェア状態と、センサからの読み取り値とをデータ記憶媒体42に記憶するようにさらに構成され、制御システムは、データ記憶媒体にアクセスしてハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるようにさらに構成される。
【0053】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、時間および/または量の関数として記録される。いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、スケジュールされた事象の関数として記録される。
【0054】
いくつかの態様によれば、ハードウェアは制御弁を備え、制御システムは、ハードウェア状態を記録するときに制御弁の位置を記録するようにさらに構成される。
【0055】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、プロセスランに対してバイオプロセス精製システムを初期化するときに記録される。
【0056】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、プロセスランが完了した後に記録される。
【0057】
いくつかの態様によれば、制御システムは、プロセスランにおける経過時間に関係する点を選択し、その点について、ハードウェア状態および同期データを表示するように構成される。この点は、時間、量、および/または事象に関係するものとしてよく、表示される同期データはハードウェア状態およびセンサからの同期された読み取り値を含む。同期された命令も含まれ得る。
【0058】
いくつかの態様によれば、これらの事象は、プログラム内で連続して実行されるいくつかの命令によって制御され、制御システムは、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値を命令と同期させて命令をハードウェア状態とリンクさせるように構成される。
【0059】
いくつかの態様によれば、非許容ハードウェア組合せは、リストされ、制御システムは、プロセスランに関係する事象を再構成するときに非許容ハードウェア組合せを自動的に識別するようにさらに構成される。
【0060】
図13は、バイオプロセス精製システムにおける液体の精製に関係する事象を制御するように構成されているハードウェアを備えるバイオプロセス精製システムにおける将来の事象をシミュレートするためのプロセスを例示するフローチャートである。将来の事象は、マニュアルで、またはコンピュータプログラムで実装されたときのいずれかで、連続的に実行されるいくつかの命令によって制御される。「に関係する」という言い回しは、方法時間における事象がシミュレーションに含まれるだけでなく、プロセスランに関係する他の事象、たとえば、クロマトグラムがセンサ値を通常は記録していないときにプロセスランで実行される動作、プロセスランが完了した後に実行される洗浄なども含まれることを意味する。
【0061】
この方法は、ステップS20で開始し、3つの主要ステップ、すなわち、
- プロセスランの現在状態を確立するステップS21と、
- データ記憶媒体に記憶されている情報に基づき各非実行命令の結果を評価するステップS23と、
- プロセスランの現在状態および非実行命令の評価された結果に基づき将来の事象を予測するステップS24とを含む。
【0062】
非実行命令に関係する将来の事象は、データベースなどの、データ記憶媒体からアクセス可能であり、前のランからの履歴データまたは解析的計算からの結果を記憶しておき、事前構成された要求条件、およびプロセスの現在状態を考慮して命令を実行する際に結果を決定するものとしてよい。
【0063】
プロセスランの現在の状態を確立するステップS21は、プロセスランが開始されていなかった場合にユーザプリファレンスによって設定される開始状態であってよい。その一方で、プロセスランが開始されており、いくつかの命令が実行されている場合、実行された命令に基づきセンサから情報を取り出すことによってプロセスランの状態の情報を取得する必要がある。
【0064】
いくつかの態様によれば、現在状態は、
- 命令を実行するときにプロセスランに関係するハードウェア状態を記録するステップS11と、
- 命令を実行するときにプロセスランに関係するセンサからの読み取り値を記録するステップS12と、
- プロセスランの現在状態を確立するためにハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるステップS22とによって確立される。
【0065】
ハードウェア状態、たとえば、バイオプロセス精製システム内の弁位置を記録するステップS11では、ハードウェア状態は、プロセスラン実行中、プロセスが始まる前、および/またはプロセスランが完了した後に記録されるものとしてよい。同じことが、ステップS12においてセンサからの読み取り値を記録することについても適用され、このことは、センサからの読み取り値が方法時間(クロマトグラムに示されているように)および非方法時間において記録されることを意味する。
【0066】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるステップS22は、ハードウェア状態を実行された命令と同期させ、現在のプロセスフェーズを決定し(S22a)、および/または各開始された命令を関連付けられているプロセスフェーズにリンクさせる(S22b)ことを含む。
【0067】
システムは、データ記憶媒体、たとえば、構造化データを含むデータベースまたはファイルを備えるものとしてよい。いくつかの態様によれば、この方法は、記録されたハードウェア状態を記憶するステップS11aと、センサからの読み取り値をデータ記憶媒体に記憶するステップS12aとをさらに含み、ハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるステップS22は、データ記憶媒体にアクセスするステップをさらに含む。
【0068】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、時間および/または量の関数として記録される。いくつかのプロセスにおいて、クロマトグラムは時間の関数として例示され、他のプロセスでは、クロマトグラムは量の関数として例示される。これら2つの表現を切り替えるために、読み取り値は、時間の関数および量の関数の両方として記録され得る。
【0069】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、スケジュールされた事象の関数として記録される。同じ機能がプロセスランにおいて事象を再構成するためのマーカーとしてスケジュールされた事象の順序を使用して取得され得るので、クロマトグラムのx軸は、必ずしも、時間または量でなくてもよい。
【0070】
いくつかの態様によれば、ハードウェアは制御弁を備え、ハードウェア状態を記録するステップS11は制御弁の位置を記録するステップを含む。
【0071】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、プロセスランに対してバイオプロセス精製システムを初期化するときに、すなわち、プロセスランが開始する前に、記録される。プロセスランに影響を及ぼす事象は、ポンプ洗浄手順、システム初期化などを含むものとしてよい。
【0072】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、プロセスランが完了した後、たとえば、キャリブレーションポンプなどによるシステムの洗浄またはリセットの際に記録される。
【0073】
ステップS24において将来の事象を予測するときに時間表現と量表現とを切り替えるために、非実行命令の評価された結果をサポートするためのデータが時間の関数および量の関数の両方としてデータ記憶媒体に記憶されるものとしてよい。
【0074】
いくつかの態様によれば、この方法は、プロセスランにおける将来の経過時間に関係する点を選択するステップS25と、その点について、予測された将来の事象を表示するステップとをさらに含む。この点は、時間、量、および/または事象に関係するものとしてよく、表示される予測された将来の事象は各非実行命令の評価された結果、すなわち、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値を含む。
【0075】
いくつかの態様によれば、将来の事象を予測するステップは、非実行命令が実行され、プロセスランが進行したときに更新される。非実行命令が実行され、センサからの読み取り値が測定されたときに必ずより正確な予測が行われ得る。
【0076】
この方法はS26で終了する。
【0077】
この方法は、バイオプロセス精製システム41におけるプロセスランに関係する将来の事象をシミュレートするために制御システム40内に実装され得る。制御システムは、バイオプロセス精製システム内の液体の精製に関係する事象を制御するように構成されているハードウェアと対話するよう構成され、事象は連続して実行されるいくつかの命令によって制御され、さらに、
- プロセスランの現在状態を確立し、
- データ記憶媒体に記憶されている情報に基づき各非実行命令の結果にアクセスし、
- プロセスランの現在状態および非実行命令のアクセスされた結果に基づき将来の事象を予測するように構成される。
【0078】
いくつかの態様によれば、制御システムは、
- 命令を実行するときにプロセスランに関係するハードウェア状態を記録し、
- 命令を実行するときにプロセスランに関係するセンサからの読み取り値を記録し、
- プロセスランの現在状態を確立するためにハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるようにさらに構成される。
【0079】
いくつかの態様によれば、制御システムは、記録されたハードウェア状態と、センサからの読み取り値とをデータ記憶媒体に記憶するようにさらに構成され、制御システムは、データ記憶媒体にアクセスしてハードウェア状態をセンサからの読み取り値と同期させるようにさらに構成される。
【0080】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、時間および/または量の関数として記録される。いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、スケジュールされた事象の関数として記録される。
【0081】
いくつかの態様によれば、ハードウェアは制御弁を備え、制御システムは、ハードウェア状態を記録するときに弁の位置を記録するようにさらに構成される。
【0082】
いくつかの態様によれば、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値は、プロセスランに対してバイオプロセス精製システムを初期化するときに、および/またはプロセスランが完了した後に、記録される。
【0083】
いくつかの態様によれば、制御システムは、プロセスランにおける将来の経過時間に関係する点を選択し、その点について、予測された将来の事象を表示するようにさらに構成される。この点は、時間、量、および/または事象に関係するものとしてよく、表示される予測された将来の事象は各非実行命令の評価された結果、すなわち、ハードウェア状態およびセンサからの読み取り値を含む。
【0084】
いくつかの態様によれば、制御システムは、非実行命令が実行され、プロセスランが進行したときに将来の事象の予測を更新するようにさらに構成される。
【0085】
図14は、バイオプロセス精製システム41と対話するように構成されている制御システム40を例示している。制御システムは、構造化データを含むデータベースまたはファイルなどのデータ記憶媒体42にアクセスできる。データ記憶媒体は、制御システムがデータ記憶装置42にアクセスできる限り、制御システム40内に一体化され得ることについて言及されるべきである。
【0086】
制御ユニットはRAM(ランダムアクセスメモリ)43を備え、このメモリ内に命令を含むコンピュータプログラムが記憶され、マイクロプロセッサ45で実行され得る。情報は、ディスプレイ44上に提示される。マウス、キーボード、タッチ、スタイラス、音声制御、視標追跡、注視、ジェスチャ、または他の任意の好適な手段を介したマニュアル入力が用意され、これにより事象を引き起こすために実行される命令を手動で入力するものとしてよい。
【0087】
制御ユニット40は、
図12に概要が示されているように事象を再構成し、
図13に概要が示されているように将来の事象をシミュレートするための両方の方法を実装するために使用され得る。表示される情報は、指示されている命令ありで、またはなしでハードウェア状態と同期されたクロマトグラムであってよい。
【0088】
バイオプロセス精製システムにおけるプロセスランに関係する事象を再構成するためのコンピュータプログラムはRAM43に記憶されるものとしてよく、これは、少なくとも1つのプロセッサ45で実行されたときに、少なくとも1つのプロセッサに
図12に関連して説明されている方法を実行させる命令を含む。
【0089】
コンピュータプログラムは、バイオプロセス精製システムにおけるプロセスランに関係する事象を再構成するためのコンピュータプログラムを収めたコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるものとしてよい。
【0090】
バイオプロセス精製システムにおけるプロセスランに関係する将来の事象をシミュレートするためのコンピュータプログラムはRAM43に記憶されるものとしてよく、これは、少なくとも1つのプロセッサ45で実行されたときに、少なくとも1つのプロセッサに
図13に関連して説明されている方法を実行させる命令を含む。
【0091】
コンピュータプログラムは、バイオプロセス精製システムにおけるプロセスランに関係する将来の事象をシミュレートするためのコンピュータプログラムを収めたコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるものとしてよい。
【符号の説明】
【0092】
10 クロマトグラフィ装置
11a、11b 容器
12 ポンプ
13a、13b 弁
14 マニュアルフィード
15 カラム
16 UVセンサ
17 伝導度センサ
18 逃し弁
19 出力
20 クロマトグラム
21 ハードウェア設備
22 カーソル
23 制御バー
24 黒色セクション
25 灰色セクション
26 直線
30 グラフィカルユーザインターフェースGUI
31 プロセスフェーズ情報
32 完了
33 アクティブ
34 将来
35 ランデータ
36 グラフィカルユーザインターフェースGUI
37 別のパネル
40 制御システム
41 バイオプロセス精製システム
42 データ記憶媒体
43 RAM(ランダムアクセスメモリ)
44 ディスプレイ
45 マイクロプロセッサ
51 バイオプロセス精製システム