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特許7493729配電システム、自家消費型の発電プラント、変圧器、及び、制御ボックス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】配電システム、自家消費型の発電プラント、変圧器、及び、制御ボックス
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240527BHJP
   H02B 1/04 20060101ALI20240527BHJP
   H02B 1/32 20060101ALI20240527BHJP
   H02B 1/56 20060101ALI20240527BHJP
   H02B 7/06 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02B1/04
H02B1/32
H02B1/56
H02B7/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020076986
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021058077
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-03-04
(31)【優先権主張番号】P 2019173603
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512231417
【氏名又は名称】株式会社Wave Energy
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】本家 正雄
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-274841(JP,A)
【文献】再公表特許第2015/118656(JP,A1)
【文献】特開2009-171671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02B 1/04
H02B 1/32
H02B 1/56
H02B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ(2)と、前記パワーコンディショナ(2)からの交流電流を変圧する変圧器(3)を有した配電システムであって、
平面視において、前記パワーコンディショナ(2)及び変圧器(3)の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放され
少なくとも前記パワーコンディショナ(2)を制御する制御部(4)を内蔵したキャビネット(5)を有し、
平面視において、少なくとも前記キャビネット(5)及びパワーコンディショナ(2)は長手方向を有し、
前記キャビネット(5)の長手方向は、少なくとも前記パワーコンディショナ(2)の長手方向と略平行であることを特徴とする配電システム。
【請求項2】
システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ(2)と、前記パワーコンディショナ(2)からの交流電流を変圧する変圧器(3)を有した配電システムであって、
平面視において、前記パワーコンディショナ(2)及び変圧器(3)の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放され、
前記パワーコンディショナ(2)及び変圧器(3)は、上下方向に並んで配置されていることを特徴とする配電システム。
【請求項3】
システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ(2)と、前記パワーコンディショナ(2)からの交流電流を変圧する変圧器(3)を有した配電システムであって、
平面視において、前記パワーコンディショナ(2)及び変圧器(3)の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放され、
当該配電システムは、前記変圧器(3)で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路と、前記変圧出力電路を遮断可能な遮断器を有し、
前記遮断器と前記変圧器(3)の鉄心及びコイルとの間に、板状部材が配置されていることを特徴とする配電システム。
【請求項4】
システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ(2)と、前記パワーコンディショナ(2)からの交流電流を変圧する変圧器(3)を有した配電システムであって、
当該配電システムは、前記変圧器(3)で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路と、前記変圧出力電路を遮断可能な遮断器を有し、
前記遮断器と前記変圧器(3)の鉄心及びコイルは、同一のカバー体の内部に配置され
前記遮断器と前記変圧器(3)の鉄心及びコイルとの間に、遮熱板が配置されていることを特徴とする配電システム。
【請求項5】
システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ(2)と、前記パワーコンディショナ(2)からの交流電流を変圧する変圧器(3)を有した配電システムであって、平面視において、前記パワーコンディショナ(2)及び変圧器(3)の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放された配電システム(1)と、系統(K)及び負荷(F)にそれぞれ接続された接続部(22)を有した発電プラントであって、
前記配電システム(1)を介して、発電部(26)が、前記負荷(F)に接続されていることを特徴とする発電プラント。
【請求項6】
交流電流を変圧する変圧器であって、
当該変圧器は、その変圧器の鉄心及びコイルと導通した電路と、前記電路を遮断可能な遮断器を有し、
前記遮断器と当該変圧器の鉄心及びコイルは、同一のカバー体の内部に配置され
前記遮断器と当該変圧器の鉄心及びコイルとの間に、遮熱板が配置されていることを特徴とする変圧器。
【請求項7】
少なくとも外部においてパワコン筐体外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナを制御する制御部(4)を内蔵したキャビネットであって、
当該キャビネットは、電路を遮断可能な遮断器を内蔵していない、又は、前記遮断器を1つだけ内蔵し
平面視において、当該キャビネット及び前記パワーコンディショナは長手方向を有し、
当該キャビネットの長手方向は、前記パワーコンディショナの長手方向と略平行であることを特徴とするキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーコンディショナと変圧器を有した配電システムや、この配電システムを有した発電プラント、変圧器、及び、制御用のキャビネット(謂わば、制御ボックス)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配電盤が知られている(特許文献1参照)。
この配電盤は、太陽光パネルから直流電力を交流電力に変換するインバータを有したパワーコンディショナと、該パワーコンディショナから出力される交流電力を高圧交流電力に昇圧する変圧器と、該変圧器と既存の電力系統の間に配置された遮断器とを1台の配電盤に収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-103976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された配電盤は、発熱量が非常に大きい変圧器やパワーコンディショナを1台の盤の内部に収納しており、盤の内部が高温となるため、変圧器と既存の電力系統の間を隔てる遮断器等の機器が必須となり、部材数の増加などを招く問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑み、パワーコンディショナと変圧器の3方向側等をシステム外部へ開放することによって、「部材冷却性の向上」と「部材数の低減」の両立等を実現する配電システムや、発電プラント、変圧器、及び、キャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配電システム1は、システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ2と、前記パワーコンディショナ2からの交流電流を変圧する変圧器3を有した配電システムであって、平面視において、前記パワーコンディショナ2及び変圧器3の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放され、少なくとも前記パワーコンディショナ2を制御する制御部4を内蔵したキャビネット5を有し、平面視において、少なくとも前記キャビネット5及びパワーコンディショナ2は長手方向を有し、前記キャビネット5の長手方向は、少なくとも前記パワーコンディショナ2の長手方向と略平行であることを第1の特徴とする。
尚、本発明における「平面視における少なくとも3方向側」とは、配電システム1の平面視において(配電システム1を上方から視た場合において)、パワーコンディショナ2及び変圧器3を支持する部材(配電フレーム枠体6等)で支持されている部分で、当該支持する部材で支持されている側を「後側」とし、その反対側(対向する側)を「前側」とし、仮に使用者等が配電システム1等の真上に立ち且つ当該後側から前側に向いた際、その使用者の右手側にある側を「右側」とし、その使用者の左手側にある側を「左側」としたケースであって、これら「後側」、「前側」、「右側」及び「左側」の4つの側のうち、少なくとも3つの側を「平面視における少なくとも3方向側」とする。
又、キャビネット5等については、当該キャビネット5等が実際に支持する部材で支持されている側が何れの側かに関わらず、仮に使用者等がパワーコンディショナ2及び変圧器3の真上に立ち且つその後側から前側に向いた際、その使用者等を基準に、パワーコンディショナ2及び変圧器3と同様に、キャビネット5等の「後側」、「前側」、「右側」及び「左側」が決まる。
更に、パワーコンディショナ2及び変圧器3の「後側」、「前側」、「右側」及び「左側」は、必ずしも平面(平ら)でなくとも良く、曲面があったり、凹凸があったり、パワーコンディショナ2及び変圧器3等の平面視形状が略円形状や略楕円形状などでも良いが、この場合も上述したように、仮に使用者等がパワーコンディショナ2及び変圧器3の真上に立ち且つその後側から前側に向いた際、その使用者等を基準にして、パワーコンディショナ2及び変圧器3等の「後側」、「前側」、「右側」及び「左側」が決まる。
【0008】
本発明に係る配電システム1の第の特徴は、システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ2と、前記パワーコンディショナ2からの交流電流を変圧する変圧器3を有した配電システムであって、平面視において、前記パワーコンディショナ2及び変圧器3の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放され、前記パワーコンディショナ2及び変圧器3は、上下方向に並んで配置されている点にある。
【0009】
その他、平面視において、前記パワーコンディショナ2及び/又は変圧器3の4方向側全てが、システム外部へ開放されていても良い
【0010】
本発明に係る配電システム1の第の特徴は、システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ2と、前記パワーコンディショナ2からの交流電流を変圧する変圧器3を有した配電システムであって、平面視において、前記パワーコンディショナ2及び変圧器3の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放され、当該配電システムは、前記変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路と、前記変圧出力電路を遮断可能な遮断器を有し、前記遮断器と前記変圧器3の鉄心及びコイルとの間に、板状部材が配置されている点にある。
【0011】
その他、当該配電システムは、前記変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路と、前記変圧出力電路を遮断可能な遮断器を有し、前記遮断器と前記変圧器3の鉄心及びコイルとの間の距離が、30cm以下であっても良い
【0012】
その他、当該配電システムは、前記変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路と、前記変圧出力電路を遮断可能な遮断器を有し、前記遮断器と前記変圧器3の鉄心及びコイルは、同一のカバー体の内部に配置されていても良い
【0013】
本発明に係る配電システム1の第の特徴は、システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ2と、前記パワーコンディショナ2からの交流電流を変圧する変圧器3を有した配電システムであって、当該配電システムは、前記変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路と、前記変圧出力電路を遮断可能な遮断器を有し、前記遮断器と前記変圧器3の鉄心及びコイルは、同一のカバー体の内部に配置され前記遮断器と前記変圧器3の鉄心及びコイルとの間に、遮熱板が配置されている点にある。
【0014】
これらの特徴により、平面視において、パワーコンディショナ2及び変圧器3の3方向側等をシステム外部へ開放することによって、特許文献1とは異なり、そもそもパワーコンディショナ2や変圧器3を内蔵する盤そのものがなく、その部材の大半をシステム外に開放しているため、当然、熱が籠り難いと同時に、特許文献1のような遮断器等の機器が不要となる分だけ、部材数が低減できる(「部材冷却性の向上」と「部品数の低減」の両立)。
【0015】
又、パワーコンディショナ2等の制御部4を内蔵したキャビネット5の長手方向Lを、平面視でパワーコンディショナ2等の長手方向L’と略平行にすることによって、配電システム1全体形状の前後長さが短くなり(つまり、薄型となり)、工場やオフィス、店舗等の建物の壁面等に配電システム1の後面を付けたり、壁面等に沿わせれば、当該壁面等からのせり出しが抑制され、通行等の妨害になり難い(「通行等の妨害抑制」)。
これと同時に、薄型の配電システム1においては、露出する前面が広くなり、メンテナンスし易いとも言える(「メンテナンス性の向上」)。
【0016】
更に、パワーコンディショナ2及び変圧器3を、上下方向に並べて配置することによって、配電システム1が占有する平面スペースが減り、更なる「通行等の妨害抑制」が図れる。
これと同時に、発熱量の大きいパワーコンディショナ2及び変圧器3の側面部分の4方向側を同時に開放し易くなるとも言える。
【0017】
そして、平面視において、パワーコンディショナ2や変圧器3の4方向側全てを、システム外部へ開放することによって、更なる「部材冷却性の向上」を図れる。
尚、本発明における「4方向側全てを、システム外部へ開放する」とは、パワーコンディショナ2や変圧器3等を支持する部材を、配電フレーム枠体6等にすることで、パワーコンディショナ2や変圧器3等における配電フレーム枠体6等に取り付けられた方向の面も、配電フレーム枠体6等の間から、システム外部へ開放することができると言える。
【0018】
その他、変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路V(後述する変圧出力電路3eや、分岐電路25など)を遮断可能な遮断器W(後述する配線用遮断器25’や、制御部用遮断器35等であり、謂わば、変圧出力遮断機W)と、変圧器3の鉄心(コア)及びコイルとの間に板状部材P(変圧出力遮断器Wを内部に設けたキャビネット(箱体)5自体や、キャビネット5を構成する板状部材、変圧器3のカバー体3Q自体や、カバー体3Qを構成する板状部材、後述する遮熱板3gや取付板3hなどであって、謂わば、中間板状部材P)を配置したり、変圧出力遮断器Wと変圧器3の鉄心及びコイルとの間の距離(謂わば、遮断機-鉄心・コイル距離)αを30cm以下としたり、変圧出力遮断器Wと変圧器3の鉄心及びコイルを同一のカバー体3Q(後述する変圧筒体3aや上蓋3c、ベース3fなど)の内部に配置することによって、配電システム1における各装置が繋ぎ易くなり、配線の簡素化やコスト低減などが図れるとも言える。特に、変圧出力遮断器Wを、表面が高温となり易い鉄心及びコイルと同一のカバー体3Qの内部に、敢えて配置した場合には、変圧器3のコイルからの変圧出力電路V(例えば、後述する鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’など)を、接続プラグや絶縁物で覆う等が不要となり、直接的に変圧出力遮断器Wに導通させることが可能となるため、変圧器3のコイルと変圧出力遮断器Wとの間が繋ぎ易くなり、当然、配線が簡素となると共に、接続プラグや絶縁物で覆う等の必要がない分だけ、よりコストが低減し、又、変圧器3のカバー体3Qの外部に変圧出力遮断器Wがない分だけ、配電システム1全体としての省スペース化も図れるとも言える。
その他、変圧出力遮断器Wと変圧器3の鉄心及びコイルとの間に、遮熱板3gが配置されていても良く、この場合、変圧出力遮断器W、変圧器3の鉄心及びコイルと同一のカバー体3Qの内部に配置されたり、遮断機-鉄心・コイル距離αが30cm以下等であっても、変圧出力遮断器Wへの影響を低減できると言える。
【0019】
本発明に係る発電プラント21は、システム外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ2と、前記パワーコンディショナ2からの交流電流を変圧する変圧器3を有した配電システムであって、平面視において、前記パワーコンディショナ2及び変圧器3の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放された配電システム1と、系統K及び負荷Fにそれぞれ接続された接続部22を有した発電プラントであって、前記配電システム1を介して、発電部26が、前記負荷Fに接続されていることを第1の特徴とする。
【0020】
この特徴により、発電プラント21において、配電システム1を介して、発電部26を負荷Fに接続させることによって、発電部26からの発電力をすぐに負荷Fに供給でき、ロスが低減される。
尚、このような発電プラント21は、当該プラント21の使用者が発電した電力を自ら消費するのに適した「自家消費型の発電プラント」であるとも言える。
【0021】
本発明に係る変圧器3は、交流電流を変圧する変圧器であって、当該変圧器は、その変圧器の鉄心及びコイルと導通した電路と、前記電路を遮断可能な遮断器を有し、前記遮断器と当該変圧器の鉄心及びコイルは、同一のカバー体の内部に配置され、前記遮断器と当該変圧器の鉄心及びコイルとの間に、遮熱板が配置されていることを第1の特徴とする。
【0022】
この特徴により、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yと導通した電路(後述する変圧出力電路3eや、分岐電路25などの変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路V)を遮断可能な遮断器W(後述する配線用遮断器25’や、制御部用遮断器35など)と、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yを、同一のカバー体3Q(後述する変圧筒体3aや上蓋3c、ベース3fなど)の内部に配置することによって、配電システム1や発電プラント21に用いた際、各装置が繋ぎ易くなり、配線の簡素化やコスト低減などが図れるとも言える。
尚、このような変圧器3は、当該変圧器3の使用者が発電した電力を自ら消費するのに適した「自家消費型の変圧器」であるとも言える。
【0023】
本発明に係るキャビネット5は、少なくとも外部においてパワコン筐体外部からの直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナを制御する制御部4を内蔵したキャビネットであって、当該キャビネットは、電路を遮断可能な遮断器を内蔵していない、又は、前記遮断器を1つだけ内蔵し、平面視において、当該キャビネット及び前記パワーコンディショナは長手方向を有し、当該キャビネットの長手方向は、前記パワーコンディショナの長手方向と略平行であることを第1の特徴とする。
【0024】
この特徴により、キャビネット5に内蔵され且つ電路を遮断可能な遮断器の個数を、0個としたり、1つだけ(例えば、後述する制御部用遮断器35等だけ)とすることによっても、配電システム1や発電プラント21に用いた際、各装置が繋ぎ易くなり、配線の簡素化やコスト低減などが図れると共に、キャビネット5自体の小型化も可能となるとも言える。
尚、このようなキャビネット5は、上述した制御部4を内蔵したキャビネット(ボックス)であると言え、又、当該キャビネット5の使用者が発電した電力を自ら消費するのに適した「自家消費型の制御ボックス(制御用キャビネット)」であるとも言える。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る配電システムや、発電プラント、変圧器、及び、キャビネットによると、パワーコンディショナと変圧器の3方向側等をシステム外部へ開放することによって、「部材冷却性の向上」と「部材数の低減」の両立等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態に係る配電システム(屋根材を外した状態)を示す平面図である。
図2】第1実施形態に係る配電システムを示す正面図である。
図3】第1実施形態に係る配電システムを示す右側面図である。
図4】第1実施形態に係る配電システムを示す左側面図である。
図5】第1実施形態に係る配電システムに用いられたキャビネットの平面透視図である。
図6】第1実施形態のキャビネット(開閉扉を外した状態)の正面透視図である。
図7】第1実施形態のキャビネットの右側面透視図である。
図8】第1実施形態のキャビネットの左側面透視図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る配電システム(一体式)と、このシステムに用いられた本発明に係る変圧器、及び、本発明に係るキャビネットを例示する図面代用写真である。
図10】(a)は第2実施形態に係る配電システム(キャビネットを外した状態)と、このシステムに用いられた本発明に係る変圧器を示す斜視図であり、(b)は本発明に係る変圧器の内部を示す斜視透視図であり、(c)は本発明に係る変圧器の鉄心及びコイル等の表面温度分布を示すシミュレーション斜視図であり、(d)は本発明に係る変圧器の内部における温度分布を示すシミュレーション断面図である。
図11】(a)は本発明に係る変圧器や開口状況を示す斜視透視図であり、(b)は本発明に係る変圧器におけるカバー体の上部(上蓋周辺)を示す斜視透視図であり、(c)は本発明に係る変圧器におけるカバー体の下部(ベース周辺)を示す斜視図である。
図12】(a)は第2実施形態に係る配電システム(キャビネットを外した状態)と、このシステムに用いられた本発明に係る変圧器の内部における温度分布を示すシミュレーション断面図であり、(b)は本発明に係る変圧器における風速ベクトル分布を示すシミュレーション平断面図であり、(c)は本発明に係る変圧器における風速ベクトル分布を示すシミュレーション側断面図である。
図13】本発明に係る変圧器のカバー体、及び、このカバー体の内部における遮断器(変圧出力遮断器)と板状部材(遮熱板、取付板などの中間板状部材)のシミュレーション表面温度分布図と、本発明に係る変圧器のカバー体の内部における遮断器と板状部材と鉄心及びコイル等との位置関係などを示し、(a)は遮断器と遮熱板との距離が3.5cm等の場合を示し、(b)は(a)の場合より遮熱板と鉄心及びコイル等とを5cm離した等の場合を示し、(c)は(b)の場合より遮断器と取付板とを1cm離した等の場合を示す。
図14】本発明に係るキャビネットの外観と概要を例示する図面代用写真である。
図15】本発明に係るキャビネットの内部を例示する図面代用写真である。
図16】本発明の第3実施形態に係る配電システム(分割式)を例示する図面代用写真であって、このシステムには、本発明に係る変圧器、及び、本発明に係るキャビネットが含まれている状態を示す。
図17】本発明の第1実施形態に係る発電プラントを示す概要図である。
図18】第1実施形態に係る発電プラント(第1実施形態に係る配電システムを用いた状態)を示す回路図である。
図19】本発明の第2実施形態に係る発電プラントを示す概要図である。
図20】第2実施形態に係る発電プラントを示す回路図(第2実施形態に係る配電システムを用いた状態)である。
図21】本発明の第3実施形態に係る発電プラントを示す概要図である。
図22】第3実施形態に係る発電プラントを示す回路図(第1実施形態に係る配電システムを用いた状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態の配電システム1の全体構成>
図1~8、17~22には、本発明の第1実施形態に係る配電システム1が示されている。
この配電システム1は、後述するパワーコンディショナ2と、変圧器3を有している。
配電システム1は、これらのパワーコンディショナ2や変圧器3等を支持する部材(後述する配電フレーム枠体6等)も有している。
【0028】
配電システム1は、後述する制御部4や、キャビネット5を有したり、電機器11を有していても良い。
配電システム1では、配電フレーム枠体6等の支持する部材に対して、パワーコンディショナ2と変圧器3が取り付けられ、後述するキャビネット5に内蔵された制御部4や電機器11等が設けられていても良い。
【0029】
配電システム1は、前後長さ(奥行)の値を小さくしても(薄型としても)良く、このような配電システム1の具体的な前後長さの値は、特に制限はないが、例えば、300mm以上1500mm以下であっても良く、好ましくは400mm以上1200mm以下、更に好ましくは500mm以上1000mm以下(700mmなど)であっても良い。
更に、配電システム1(配電フレーム枠体6等)の裏面側を略面一にしている等のため、裏面側にスペースが不要となり、工場や建物の壁面(外壁等)に極力近づけて設置することが出来ると言える。
【0030】
又、配電システム1は、上下長さ(高さ)を低位としても良く、このような配電システム1の具体的な上下長さは、特に制限はないが、例えば、2500mm以下(900mm以上2500mm以下)であっても良く、好ましくは2300mm以下(900mm以上2300mm以下)、更に好ましくは2100mm以下(1200mm以上2100mm以下、1980mmなど)であっても良い。
配電システム1は、1つの太陽光発電装置23’(の太陽電池26’の下方等)に、複数の配電システム1が分散して設けられていても構わない。
【0031】
<パワーコンディショナ2>
図1~8、17~22に示されたように、パワーコンディショナ2は、後述する発電部26(太陽電池26’)などの配電システム1外部からの直流電流や、風力発電装置の交流モータなどからの交流電流を、系統Kの電圧及び位相等に合わせた交流電力に変換して出力する機器である。
パワーコンディショナ2は、太陽電池26’等からの直流電流等を交流電流(例えば、100V以上600V以下等)に変換するインバータ装置と、このインバータ装置が変換する交流の電圧や周波数を制御する制御部と、気中遮断器(ACB)等を備えていても良い。
【0032】
パワーコンディショナ2は、これらのインバータ装置や制御部、遮断器等が内蔵された筐体には、その内部の空気を逃がす回転ファン状の送風手段が設けられていても良い。
尚、このようなパワーコンディショナ2は、略してパワコン2とも呼ばれる。
【0033】
パワーコンディショナ2は、後述する制御部4からの信号によって、当該パワーコンディショナ2から出力される発電力Hを、所定の値(目標上限値など)に制限(抑制)するように制御される(謂わば、「電機器11等からの信号によって、当該パワーコンディショナ2における変換を停止する構成としても良い(このように変換を停止することで、パワーコンディショナ2から発電力Hが出力されなくなるとも言える)。
尚、パワーコンディショナ2の数は、上述したように、1つの配電システム1において、1又は複数であっても良い。
パワーコンディショナ2が複数である場合、上述した電機器11等からの信号によって、パワーコンディショナ2の変換を停止する際には、一度に全てのパワーコンディショナ2の変換を停止しても良いし、まずは少なくとも一部のパワーコンディショナ2の変換を停止しても良い。
【0034】
パワーコンディショナ2は、配電システム1の支持する部材等とは別の筐体(パワコン筐体)に内蔵された状態で、当該配電システム1の配電フレーム枠体6等に設けられていたり、パワコン筐体に内蔵された場合には、1つの太陽光発電装置23’(の太陽電池26’の下方等)に、複数のパワコン筐体(つまり、パワーコンディショナ2)が分散して設けられるものが別途あっても構わない。
尚、パワーコンディショナ2は、配電システム1が設置される現場にて、配電フレーム枠体6等に取り付けられても良い。
【0035】
<パワーコンディショナ2の長手方向Lなど>
図1~4に示すように、パワーコンディショナ2の長手方向Lは、配電システム1(パワーコンディショナ2)の平面視において、パワーコンディショナ2の左側から右側にかけての方向(つまり、「左右方向」)であると言える。
パワーコンディショナ2の平面視形状は、左右方向に長い(横長の)略矩形状であるとも言える。
【0036】
尚、パワーコンディショナ2の平面視形状は、横長の略矩形状以外で、矩形の角が丸かったり、角が取れていても、それらの平面視形状において、長手方向Lが存在していれば良く、その他、パワーコンディショナ2の平面視形状が略楕円形状であった場合には、その長径方向が長手方向Lであるとも言える。
尚、パワーコンディショナ2は、横長だけでなく、前後長さ(奥行)の値を小さくしても(薄型としても)良く、このようなパワーコンディショナ2の具体的な前後長さの値は、特に制限はないが、例えば、100mm以上1000mm以下であっても良く、好ましくは150mm以上700mm以下、更に好ましくは200mm以上500mm以下(約330mmなど)であっても良い。
【0037】
又、パワーコンディショナ2は、上下長さ(高さ)を低位としても良く、このようなパワーコンディショナ2の具体的な上下長さは、特に制限はないが、例えば、1000mm以下(200mm以上1000mm以下)であっても良く、好ましくは850mm以下(300mm以上850mm以下)、更に好ましくは700mm以下(400mm以上700mm以下、約550mmなど)であっても良い。
パワーコンディショナ2は、1つの配電システム1において、複数設けられていても構わない。
【0038】
<実施例1の変圧器3>
図1~8、17~22に示されたように、第1実施形態に係る配電システム1に用いられた変圧器3(謂わば、実施例1の変圧器3)は、上述した1又は複数のパワーコンディショナ2からの交流電流を変圧する機器である。
尚、変圧器3は、パワーコンディショナ2からの交流電流をより低圧な交流電流に変圧(降圧)しても良く、この場合、変圧器3は、謂わば、降圧変圧器であると言える。
変圧器3は、上述した配電システム1における交流電流をより低圧な交流電流に変圧するのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、乾式であって、上下が開口した変圧筒体3aによって覆われ、配電フレーム枠体6等に取り付けていても構わない。尚、変圧筒体3aは、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3におけるカバー体3Qである(又は、カバー体3Qの一部である)とも言える。
【0039】
変圧器3が乾式であるとは、内部に油(絶縁油)が入っていないことを意味し、これによっても、工場やオフィス、店舗等の建物の壁面等に配電システム1の後面を付けることが出来るとも言える。
変圧器3の変圧筒体3aは、その平面視形状が略矩形状であり、この内部に鉄心(コア)やコイル、端子等が配置されている。尚、鉄心やコイル、端子等は、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3における鉄心3X、コイル3Y等であるとも言える。
【0040】
変圧筒体3aの前面下部は、変圧器3(配電システム1)を設置した際にも略矩形状に開口するように切り欠かれており(切欠3bが形成されており)、変圧器3の設置後も、この切欠3bから変圧筒体3a内部に空気が出入りできる。
一方、変圧筒体3aの上部開口には、上蓋3cが被さっており、この上蓋3cは、平面視略矩形状の天板と、この天板の4辺それぞれから下方に立設した4つの側板(謂わば、庇部分)を有している(つまり、下方開口した底浅の箱状であるとも言える)。尚、上蓋3cも、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3におけるカバー体3Qである(又は、カバー体3Qの一部である)とも言える。
【0041】
ここで、変圧器3の上蓋3cは、変圧筒体3aの上部開口に被さった状態であっても、当該上蓋3cの庇部分と、変圧筒体3aの外面の間から、当該変圧筒体3a内外に空気が出入りできる。
よって、変圧器3は、上述した切欠3bから変圧筒体3a内に下部から流入した空気は、変圧器3の鉄心やコイル等の発熱により温められて上昇し、変圧筒体3aの上部外面と上蓋3cの庇部分の間から、変圧筒体3a外へ排出され、これにより、変圧器3の鉄心やコイル等が冷却されるとも言える。
【0042】
尚、上蓋3cの庇部分は、天板から下方に立設しているため、雨天時等でも、水分が変圧筒体3aの内部に入り難い。
上蓋3cには、その上面にクレーン等で吊上可能なフックやリング等の吊下部材が設けられていても良い。尚、上蓋3cが変圧筒体3aの上方開口に被さった際に、当該上蓋3cの上面が、後傾したり、前傾等をしても良い。
【0043】
変圧器3の変圧筒体3aには、その側面(右側面)後下部に、ケーブルを引き込むためのケーブル孔3dが設けられていても良い。
又、変圧器3の変圧筒体3aは、その前面下部にも、ケーブルを引き込むためのケーブル孔3dが設けられていても良い。
【0044】
変圧器3は、後述する発電プラント21全体としては、分岐電路25(負荷Fとパワーコンディショナ2との間の電路、又は、主電路Mとパワーコンディショナ2との間の電路)に設けられているとも言える。
変圧器3からの出力(謂わば、発電力H)は、配線用遮断器(MCCB、単に、ブレーカとも言う)を介して、直接、負荷Fに接続されていても良い。尚、この配線用遮断器は、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3における当該変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路Vを遮断可能な変圧出力遮断器Wである(又は、変圧出力遮断器Wの1つである)とも言える。
【0045】
変圧器3が変圧する電圧の値は、特に限定はないが、例えば、配電システム1外等からの交流電流(例えば、100V以上600V以下等)を、負荷Fが消費するのに適したより低圧な交流電流(例えば、200V等)に変換しても良い。
このような変圧器3は、例えば、三相3線(3φ3W)で100V以上600V以下等の入力を、三相3線で200V等に降圧して出力する構成であっても良く、降圧して出力された三相3線の電力は、後述する分岐電路25を介して負荷F等に流れると言える。尚、この分岐電路25は、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3における当該変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路Vである(又は、電路Vの一部である)とも言える。
【0046】
ここで、変圧器3は、分岐電路25に流す三相3線を出力するだけでなく、これと同時に、単相2線(1φ2W)を出力する構成であっても良く、この場合、三相3線(3φ3W)で100V以上600V以下等の入力を、単相2線で105V等に降圧して、キャビネット電路3eを介して、後述するキャビネット5に出力する構成であっても構わない。尚、分岐電路25への三相3線の出力と同時に、単相2線(1φ2W)でなく、単相3線(1φ3W)で出力する構成であっても良い。尚、キャビネット電路3eは、(変圧器3から)キャビネット5へ当該変圧器3で変圧した交流電流を出力する電路と言える。又、このキャビネット電路3eも、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3における当該変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路Vである(又は、電路Vの一部である)とも言える。
変圧器3の容量も、特に制限はないが、例えば、1kVA以上500kVA以下、好ましくは10kVA以上200kVA以下、更に好ましくは20kVA以上100kVA以下であっても良い。
【0047】
<実施例1の変圧器3の長手方向L”>
図1~4に示されたように、実施例1の変圧器3の長手方向L”については、配電システム1(変圧器3)の平面視において、変圧器3の平面視形状(略矩形)の左右長さが前後長さより長い(例えば、左右長さが約720mmで、前後長さが約640mm)ため、変圧器3の長手方向L”とは、変圧器3の左側から右側にかけての方向(つまり、「左右方向」)であると言える。
つまり、変圧器3の平面視形状において、ある方向の長さが、少しでも他の方向の長さより長ければ、変圧器3は、平面視において、長手方向L”を有することとなる。
尚、変圧器3の平面視形状は、左右方向に長い(横長の)略矩形状であるとも言える。
【0048】
尚、変圧器3の平面視形状は、横長の略矩形状以外で、矩形の角が丸かったり、角が取れていても、それらの平面視形状において、長手方向L”が存在していれば良く、その他、変圧器3の平面視形状が略楕円形状であった場合には、その長径方向が長手方向Lであるとも言える。
尚、変圧器3は、横長だけでなく、前後長さ(奥行)の値を小さくしても(薄型としても)良く、このような変圧器3の具体的な前後長さの値は、特に制限はないが、例えば、200mm以上2000mm以下であっても良く、好ましくは300mm以上1500mm以下、更に好ましくは400mm以上1000mm以下(約640mmなど)であっても良い。
【0049】
又、変圧器3は、鉄心の組み方によって、より上下長さ(高さ)を低位としつつ十分な容量を持っていても良く、このような変圧器3の具体的な上下長さは、特に制限はないが、例えば、1500mm以下(900mm以上1500mm以下)であっても良く、好ましくは1400mm以下(900mm以上1400mm以下)、更に好ましくは1200mm以下(95mm以上1200mm以下)、より好ましくは1150mm以下(950mm以上1150mm以下、1100mmなど)であっても良い。
変圧器3も、1つの配電システム1において、複数設けられていても構わない。
尚、配電システム1における制御部4は、上述したパワーコンディショナ2だけでなく、後述する接続部(系統盤)22を制御する場合もあり、又、制御部4による制御は、後述する系統Kから系統盤22へ受電される受電力Jや、後述する発電プラント21から出力される発電力H等を用いるため、制御部4については、おって述べる。
【0050】
<実施例1のキャビネット5>
図1~8に示されたように、第1実施形態に係る配電システム1に用いられたキャビネット5(謂わば、実施例1のキャビネット5)は、上記で言及した制御部4や、後述する電機器11などを内部に設けた箱体である。
キャビネット5は、その他、地絡過電圧継電器(OVGR、Over Voltage Relay)33や、配線用遮断器(MCCB)、通信機器(ルータなど)36、無停電電源装置(UPS)37、コンセント38などを、内部に有していても良い。
【0051】
尚、地絡過電圧継電器33は、後述する接続部(系統盤)22内で、零相検出器(ZPD、Zero Phase potential Device)22zを介して、主電路Mに接続されていても良い。コンセント38は、何れの構成であっても良いが、例えば、接地角形コンセントであっても構わない。
1つのキャビネット5の内部に、後述する電機器11や、配線用遮断器が複数台設けられていても良く、例えば、電機器11が複数台(例えば、2台、逆電力等用の電機器11と、発電力用の電機器11)であれば、一方の電機器11が、逆電力等用の電機器であり、他方の電機器11が発電力用の電機器などであっても良く、又、配線用遮断器が複数台(例えば、2台、分岐電路25用の配線遮断器25’と、制御部4等用の配線遮断器35)であれば、一方が、変圧器3から出力された三相3線(後述する分岐電路25)を遮断するもの(発電遮断機25’であると言える)となり、他方が、変圧器3から出力された単相2線を遮断するものとなる。尚、この分岐電路25用の配線遮断器25’や、制御部4等用の配線遮断器35は、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3における当該変圧器3で変圧した交流電流を出力する変圧出力電路Vを遮断可能な変圧出力遮断器Wである(又は、変圧出力遮断器Wの1つである)とも言える。
又、このような変圧出力遮断器Wを内部に設けたキャビネット(箱体)5自体や、キャビネット5を構成する板状部材は、当然、変圧出力遮断器Wと、変圧器3の鉄心及びコイル(鉄心3X及びコイル3Y)等との間に存在する(配置されている)ため、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1や、本発明に係る変圧器3における中間板状部材Pである(又は、中間板状部材Pの一部である)とも言える。
更に、キャビネット5の内部に設けられた変圧出力遮断器Wと、変圧器3の鉄心及びコイル(鉄心3X及びコイル3Y)等との間の距離は、後述する本発明の第2実施形態に係る配電システム1における遮断器-鉄心・コイル距離αであるとも言える。
ここで、このキャビネット5と、上述した変圧器3を、上述したパワーコンディショナ2と共に、後述する配電フレーム枠体6で後側から支持すれば(一体式となっていれば)、当然、キャビネット5と変圧器3などは、互いの距離(遮断器-鉄心・コイル距離αなどの距離)は、必ず所定の値以下となる(謂わば、互いに近傍に存在することとなる)。
つまり、キャビネット5と変圧器3が互いに近傍に存在していれば、キャビネット5の内部に設けられた変圧出力遮断器Wと、変圧器3の鉄心3Xやコイル3Y等との間の遮断器-鉄心・コイル距離αも、当然、所定の値以下となり、例えば、この遮断器-鉄心・コイル距離αは、配電システム1の側面視や正面視の何れか1つの方向視において、30cm(300mm)以下であったり、又は、1cm以上30cm以下(10mm以上300mm以下)、好ましくは3cm以上24cm以下(30mm以上240mm以下)、更に好ましくは6cm以上18cm以下(60mm以上180mm以下)であっても良く、より具体的には、8.5cmや、13.5cm、14.5cmなどであっても構わないと言える。
【0052】
キャビネット5は、その前面に開閉扉5aを有しており、その開閉扉5aの構成は、1枚扉で横開き(左開き(右側に軸があり、開閉扉の左側から開く場合)又は右開き)でも、縦開き(特に、上開き)でも良く、2枚扉で観音開きであったり、3枚以上の扉があっても構わない。
尚、キャビネット5の内部における各機器の配置は、特に限定はないが、例えば、制御部4や、電機器11(機器筐体14の表示部や操作部)等が、前側(開閉扉5a側)寄りに配置されていても良く、この場合、開閉扉を開いた際に、制御部4や電機器11が使用者等の手前に来るため、制御部4や電機器11の操作や、電機器11の表示部14a等の視認がし易くなるとも言える。尚、2つの電機器11や1つの地絡過電圧継電器33を支持する板材は、上下軸回りに回動可能となっていても良い(図5中の1点鎖線参照)。
【0053】
一方、キャビネット5の内部では、配線用遮断器等は、極力、後側(開閉扉5aから離れる側)寄りに配置されていても良く、この場合、開閉扉を開いた際に、操作するために誤って接触し難くするためであるとも言える。
又、配線用遮断器は、操作ができる最小限度まで前側(開閉扉5a側)寄りに支持台等で配置されたとしても、当該配線用遮断器の前面は板材等で覆われ、操作レバーのみが開口部から露出する構成としても良い。
【0054】
<実施例1のキャビネット5の長手方向L’>
図1~8に示されたように、キャビネット5の長手方向L’は、配電システム1(キャビネット5)の平面視において、キャビネット5の左側から右側にかけての方向(つまり、「左右方向」)であると言える。
キャビネット5の平面視形状は、左右方向に長い(横長の)略矩形状であるとも言える。
【0055】
尚、キャビネット5の平面視形状は、横長の略矩形状以外で、矩形の角が丸かったり、角が取れていても、それらの平面視形状において、長手方向Lが存在していれば良く、その他、キャビネット5の平面視形状が略楕円形状であった場合には、その長径方向が長手方向Lであるとも言える。
尚、キャビネット5は、横長だけでなく、前後長さ(奥行)の値を小さくしても(薄型としても)良く、このようなパワーコンディショナ2の具体的な前後長さの値は、特に制限はないが、例えば、50mm以上1000mm以下であっても良く、好ましくは100mm以上700mm以下、更に好ましくは150mm以上500mm以下(300mmなど)であっても良い。
【0056】
又、キャビネット5は、上下長さ(高さ)を低位としても良く、このようなキャビネット5の具体的な上下長さは、特に制限はないが、例えば、1200mm以下(300mm以上1200mm以下)であっても良く、好ましくは1000mm以下(400mm以上1000mm以下)、更に好ましくは900mm以下(500mm以上900mm以下、700mmなど)であっても良い。
キャビネット5も、1つの配電システム1において、複数設けられていても構わない。
【0057】
<配電フレーム枠体6>
図1~4に示されたように、配電フレーム枠体6は、上述したパワーコンディショナ2や変圧器3、キャビネット5を後側から支持する部材である。
配電フレーム枠体6は、パワーコンディショナ2や変圧器3、キャビネット5を後側から支持できるのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、配電フレーム枠体6は、左右の一対の柱材6a、6bと、これら左右の柱材6a、6b間にわたされた上梁材6c及び下梁材6dと、左右の柱材6a、6b間にわたされ且つ左右の柱材6a、6bの上端部に取り付けられた屋根材6eと、左右何れかの柱材6a、6b(例えば、右柱材6b)に取り付けられ且つキャビネット5を支持するキャビネット支持材6fを有していても良い。
【0058】
<左右の柱材6a、6b>
図1~4に示されたように、左右一対の柱材6a、6bは、上述した変圧器3の後面における左右端部に、当該左右の柱材6a、6bの前側が取り付けられる。
尚、変圧器3は、左右の柱材6a、6bに後側から支持されると共に、配電システム1において最も重い変圧器3の後側に左右の柱材6a、6bが取り付けられ、これらの左右の柱材6a、6bを含む配電フレーム枠体6で、他のパワーコンディショナ2や、キャビネット5等を支持しているとも言える。
左右の柱材6a、6bの形状・構成は、特に限定はないが、例えば、その断面形状が略矩形状や略正方形となる角柱状であったり、その断面形状が略円形状や略楕円形状となる丸柱状などであっても良い。
【0059】
尚、左右の柱材6a、6bが丸柱状であれば、変圧器3等へは、固定具等を介して取り付けられるとも言える。
以下、左右の柱材6a、6bは、主に角柱状として述べる。
尚、左右の柱材6a、6bは、中空でも良いし、中実でも構わない。
【0060】
左右の柱材6a、6bは、上梁材6cや下梁材6d、屋根材6e以外に、左右の柱材6a、6b間を連結する部材があっても良いが、変圧器3の後面側においても、左右の柱材6a、6bは、互いに離間しており、開放されていると言える。
これにより、変圧器3の後側も、その後面の大部分が露出しており、平面視においてシステム外部へ開放されているとも言える。
【0061】
又、右柱材6bの左右外方面(右面)が、上述した変圧器3の変圧筒体3aにおける右面と略面一となっていても良い。同様に、左柱材6aの左右外方面(左面)が、上述した変圧器3の変圧筒体3aにおける左面と略面一となっていたり、左右の柱材6a、6bの下面それぞれが、上述した変圧器3の変圧筒体3aにおける下面と略面一となっていても良い。
左右の柱材6a、6bは、上下方向中途部において、変圧器3において後方に突出した上蓋3cの庇部分をかわすように、前後長さが短くなって(厚さが薄くなって)おり、上蓋3cの庇部分より高い位置においても、左右の柱材6a、6bの厚さは薄い状態で保たれているとも言える。
【0062】
<上梁材6c及び下梁材6d>
図1~4に示されたように、上梁材6c及び下梁材6dは、上述した左右の柱材6a、6bの前面における上部に、当該上梁材6c及び下梁材6dの後面が取り付けられる。
上梁材6c及び下梁材6dの形状・構成は、特に限定はないが、例えば、その断面形状が断面略コ字型の棒材状であったり、略矩形状や略正方形となる角柱状であったり、その断面形状が略円形状や略楕円形状となる丸柱状などであったり、板材であったり、更に、中空でも良いし、中実でも構わない。
【0063】
尚、上梁材6c及び下梁材6dが丸柱状であれば、左右の柱材6a、6b等へは、固定具等を介して取り付けられるとも言える。
又、上梁材6c及び下梁材6dは、断面略コ字型の棒材状であれば、略コ字型の断面視において、開口している部分は、下方に位置したり(下方開口したり)、上方に位置しても(上方開口しても)良い。
【0064】
以下、上梁材6c及び下梁材6dは、主に、下方開口した断面略コ字型の棒材状として述べる。
この場合、上梁材6c及び下梁材6dの断面略コ字型において、後方に位置する部分(板材)が左右の柱材6a、6bの前面に固定され、前方に位置する部分(板材)がパワーコンディショナ2のパワコン筐体の後面に固定されて、当該パワーコンディショナ2を後側から支持する。
【0065】
<屋根材6e>
図1~4に示されたように、屋根材6eは、上述した左右の柱材6a、6bの上端部における上面等に、当該屋根材6eの下面側が取り付けられる。
屋根材6eの形状・構成は、特に限定はないが、例えば、雨天時の雨水等がパワーコンディショナ2や変圧器3等にかかるのを抑制できる大きさ等であれば、平面視形状が略矩形の板状であったり、その他、平面視形状が略楕円形や略正方形、略円形等の板状などであっても良い。
【0066】
以下、屋根材6eは、主に、平面視形状が略矩形の板状として述べる。
屋根材6eの下面における左右端部は、左右の柱材6a、6bの上面に直接取り付けられていても良いが、屋根材6eは、棒体を介して、左右の柱材6a、6bに取り付けられていても良い。
又、屋根材6eと左右の柱材6a、6bの間には、側面視で略台形状の縦板材が、その長手方向を前後方向に略沿わせ且つ板材としての厚み方向を左右方向に略沿わせた(板を縦に立たせた状態で)、上述した棒体の傍に設けられていても良い。
【0067】
屋根材6eは、前方又は後方等へ傾斜していても良いし、略水平であっても構わない。
屋根材6eの上面には、雨天時等の水分が流れやすいように、傾斜方向に略直交する向きに複数の溝(例えば、瓦風の溝など)が形成されていたり、屋根材6eが傾斜して低くなった側には、樋部材を設けていても良い。
【0068】
<キャビネット支持材6f>
図1~4に示されたように、キャビネット支持材6fは、例えば、上述した左右の柱材6a、6bのうちの右柱材6bにおける左右外方面(右面)と、これと略面一である変圧器3の変圧筒体3aの右面等に、当該キャビネット支持材6fの左側が取り付けられる。
キャビネット支持材6fの形状・構成は、特に限定はないが、例えば、平面視で略L字型の1又は複数の板材で主構成された部材であったり、その他、平面視で略L字型である一対の棒材や柱材などであっても良い。
【0069】
以下、キャビネット支持材6fは、主に、平面視で略L字型の1又は複数の板材で主構成された部材として述べる。
キャビネット支持材6fは、平面視で略L字型の1又は複数の板材以外に、平面視で略直角三角形状等の横板材が、その直角を挟んだある1辺を、略L字型の一方の板材部分に当接させ、その直角を挟んだ別の1辺を、略L字型の他方の板材部分に当接させた(板を横に突っ張らせた状態で)、略L字型の板材に取り付けられていても良い。
【0070】
キャビネット支持材6fは、略L字型の一方の板材部分の左面が、右柱材6bの右面と変圧器3の変圧筒体3aの右面に固定され、略L字型の他方の板材部分の前面が、キャビネット5の後面に固定されて、当該キャビネット5を後側から支持する。
尚、キャビネット支持材6f(及びキャビネット5)は、配電システム1(変圧器3等)に対して、左右逆に取り付けられていても良い。
【0071】
<パワーコンディショナ2と変圧器3等の3方向側等の開放>
図1~4に示されたように、ここまで述べた配電フレーム枠体6によって、後側を支持されたパワーコンディショナ2や変圧器3等は、平面視において、パワーコンディショナ2及び変圧器3の少なくとも3方向側が、システム外部へ開放されている。
ここで、本発明における「システム外部へ開放されている」とは、例えば、後側がシステム外部へ開放されているかは、後側視でパワーコンディショナ2や変圧器3等の半分以上が露出すれば(使用者等がパワーコンディショナ2や変圧器3等を後側から視た際に、当該使用者等がパワーコンディショナ2や変圧器3等の半分以上を視認できれば)、当該パワーコンディショナ2や変圧器3等は「後側が、システム外部へ開放されている」と言える。
【0072】
同様に、前側や左側、右側において、前側視や左側視、右側視でパワーコンディショナ2や変圧器3等の半分以上が露出していれば、当該パワーコンディショナ2や変圧器3等は「前側や左側、右側が、システム外部へ開放されている」と言える。
従って、パワーコンディショナ2や変圧器3等の4方向側において、それらの一部が他の部材によって隠されている(配電フレーム枠体6であったり、変圧器3とキャビネット5が互いを互いで隠している等)場合であっても、隠されている部分の方が少なければ、パワーコンディショナ2や変圧器3等の冷却には支障がないと言え、「システム外部へ開放されている」とする。
【0073】
図1~4で例示された配電システム1においては、パワーコンディショナ2は、4方向側全てがシステム外部へ開放されていると言え、変圧器3は、4方向側のうち前側、左側及び後側がシステム外部へ開放されていると言える。
尚、キャビネット5にも言及すれば、キャビネット5は、4方向側のうち前側及び右側がシステム外部へ開放されていると言えるが、キャビネット5内の機器は、パワーコンディショナ2や変圧器3より発熱量が少なく、支障がないとも言える。
【0074】
又、仮にパワーコンディショナ2と変圧器3が上下逆に配置されたとすれば、パワーコンディショナ2は、4方向側のうち前側、左側及び後側がシステム外部へ開放されていると言え、変圧器3は、4方向側全てがシステム外部へ開放されていると言える。
更に、仮にキャビネット5を有さない、又は、キャビネット5がパワーコンディショナ2や変圧器3の上方等に配置されたとすれば、パワーコンディショナ2、変圧器3及びキャビネット5は、4方向側全てがシステム外部へ開放されていると言える。
【0075】
<パワーコンディショナ2とキャビネット5等の長手方向の略平行>
図1~4に示されたように、上述してきたキャビネット5の長手方向L等は、パワーコンディショナ2の長手方向L’等と略平行であっても良い。
ここで、本発明における「ある長手方向が、別の長手方向と略平行である」とは、3次元空間中において略平行か否かであって、例えば、キャビネット5の長手方向Lと、パワーコンディショナ2の長手方向L’が、何れも「左右方向」と思われる場合、キャビネット5及びパワーコンディショナ2における前面視(正面視)又は後面視(背面視)において2つの長手方向L、L’が略平行である(使用者等によって、略平行に見える)、且つ、キャビネット5及びパワーコンディショナ2における上面視(平面視)又は下面視(底面視)において2つの長手方向L、L’が略平行である(使用者等によって、略平行に見える)のであれば、キャビネット5の長手方向Lと、パワーコンディショナ2の長手方向L’は、3次元空間中においても「左右方向」について略平行であると言える。
【0076】
同様に、キャビネット5とパワーコンディショナ2の長手方向L、L’が何れも「前後方向」と思われる場合であれば、キャビネット5及びパワーコンディショナ2における左側面視又は右側面視において2つの長手方向L、L’が略平行である、且つ、キャビネット5及びパワーコンディショナ2における上面視又は下面視において2つの長手方向L、L’が略平行であるのであれば、キャビネット5とパワーコンディショナ2の長手方向L、L’は、3次元空間中においても「前後方向」について略平行であると言える。
又、キャビネット5とパワーコンディショナ2の長手方向L、L’が何れも「上下方向」と思われる場合であれば、キャビネット5及びパワーコンディショナ2における左側面視又は右側面視において2つの長手方向L、L’が略平行である、且つ、キャビネット5及びパワーコンディショナ2における前面視又は後面視において2つの長手方向L、L’が略平行であるのであれば、キャビネット5とパワーコンディショナ2の長手方向L、L’は、3次元空間中においても「上下方向」について略平行であると言える。
【0077】
図1~4で例示された配電システム1においては、キャビネット5、パワーコンディショナ2及び変圧器3の長手方向L、L’、L”の3本ともが、3次元空間中においても「左右方向」について略平行であると言える。
又、キャビネット5、パワーコンディショナ2及び変圧器3の長手方向L、L’、L”の3本のうち、少なくとも2本が互いに略平行であれば、配電システム1全体としての薄型化に寄与しているとも言える。
【0078】
<パワーコンディショナ2と変圧器3等の上下配置>
図1~4に示されたように、上述したパワーコンディショナ2及び変圧器3等は、上下方向に並んで配置されていても良い。
ここで、本発明における「上下方向に並んで配置されている」とは、平面視において、パワーコンディショナ2と変圧器3等の少なくとも一部で重なる部分が存在する否かを意味する。
【0079】
尚、仮に前面視、左右の側面視、後面視の少なくとも1つの方向視において、パワーコンディショナ2と変圧器3等の少なくとも一部が重なっていたとしても、平面視において、パワーコンディショナ2と変圧器3等の少なくとも一部で重なる部分が存在すれば、当該平面視において重なる部分においては、パワーコンディショナ2と変圧器3等が上下方向に並んで配置されており、他に上下方向に並んで配置されていない部分があっても、少なくともパワーコンディショナ2と変圧器3の高さ(例えば、それぞれの重心位置の高さ)に違いがあることから、平面視以外の方向視において重なる部分があっても、平面視において、少なくとも一部で重なる部分が存在する否かだけで、「上下方向に並んで配置されている」か否かは判断できると言える。
図1~4で例示された配電システム1においては、パワーコンディショナ2と変圧器3は上下方向に並んで配置され、パワーコンディショナ2とキャビネット5も、平面視において重なる部分が存在していることから、上下方向に並んで配置されていると言える。
【0080】
一方、変圧器3とキャビネット5は、平面視において重なる部分が存在していないため、上下方向に並んで配置されていないと言える。
この他、配電システム1は、パワーコンディショナ2と変圧器3が、上下逆に配置されていたり、キャビネット5、変圧器3及びパワーコンディショナ2の3つ共が、上下配置されていても良く、それぞれの上下順は、何れのであっても構わない。
尚、3つ以上の部材が「上下方向に並んで配置されている」かは、平面視において、当該3つ以上の部材の全てが共通して重なる部分が、平面視の少なくとも一部でも存在しているか否かであるとも言える。
【0081】
<第2実施形態の配電システム1>
図9~15は、本発明の第2実施形態に係る配電システム1を示している。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、変圧出力電路V(変圧器3で変圧した交流電流を出力する電路)を遮断可能な変圧出力遮断器Wと、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yは、同一のカバー体3Qの内部に配置されている点である。
尚、変圧出力電路Vとは、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yと導通した電路の1つであるとも言え、変圧出力遮断器Wとは、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yと導通した電路を遮断可能な遮断器であるとも言える。
【0082】
又、第2実施形態では、変圧出力遮断器Wと変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yが同一のカバー体3Qの内部に配置されると同時に、キャビネット5の内部に変圧出力遮断器W(例えば、上述した配線用遮断器25’や、制御部用遮断器35など)が設けられていない点も、第1実施形態とは異なっていると言える。
尚、第2実施形態では、変圧出力遮断器Wと変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yが同一のカバー体3Qの内部に配置されると同時に、キャビネット5の内部に変圧出力遮断器Wが1つだけ(例えば、上述した制御部用遮断器35だけなど)設けられていても良い。
このような第2実施形態の配電システム1における変圧器3やキャビネット5等について、次に述べる。
【0083】
<本発明に係る変圧器3(実施例2の変圧器3)>
図9~13に示されたように、本発明に係る変圧器3は、第2実施形態の配電システム1に用いられる等をし、上述した1又は複数のパワーコンディショナ2からの交流電流などを変圧する機器である。
尚、本発明に係る変圧器3は、実施例2の変圧器3であるとも言え、又、変圧器3は、パワーコンディショナ2からの交流電流などをより低圧な交流電流に変圧(降圧)したり、逆に、パワーコンディショナ2からの交流電流などをより高圧な交流電流に変圧(昇圧)しても良い。
【0084】
実施例2の変圧器3において実施例1の変圧器3と最も異なるのも、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yと導通した電路(例えば、上述した第2実施形態の配電システム1における変圧出力電路V(変圧器3で変圧した交流電流を出力する電路)であったり、逆に、変圧器3に交流電流を入力させる電路など)を遮断可能な遮断器(例えば、上述した第2実施形態の配電システム1における変圧出力遮断器Wなどであったり、逆に、変圧器3に交流電流を入力させる電路を遮断可能な遮断器など)と、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yは、同一のカバー体3Qの内部に配置されている点である。
以下、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yと導通した電路とは、主に、変圧出力電路Vであり、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Yと導通した電路を遮断可能な遮断器とは、主に、変圧出力遮断器Wであるとして述べる。
ここで、実施例2の変圧器3におけるカバー体3Qとは、実施例1の変圧器3で述べた変圧筒体3aや、上蓋3cが含まれ、その他、後述するベース3fが含まれても良い。
【0085】
又、実施例2の変圧器3では、そのカバー体3Qの内部において、変圧出力遮断器Wなどの遮断器と、当該変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等との間に、中間板状部材Pとして、後述する遮熱板3gや、取付板3hが配置されている点も、実施例1の変圧器3とは異なっていると言える。
尚、実施例2の変圧器3でも、上述した実施例1の変圧器3のように、変圧出力遮断器W(実施例2では、カバー体3Qの内部に設けられた変圧出力遮断器W)等と、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等との間の距離である遮断器-鉄心・コイル距離αを有していると言える。
次に、実施例2の変圧器3におけるベース3fや遮熱板3g、取付板3h、遮断器-鉄心・コイル距離α等について以下に述べる。
【0086】
<ベース3f>
図10~13に示されたように、ベース3fは、本発明に係る変圧器3(実施例2の変圧器3)において、上述した鉄心3Xやコイル3Y、端子等を支える(支持する)部材である。
ベース3fは、鉄心3Xやコイル3Y等を支えるのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、鋼材(H鋼など)を略井形状の部分や、略矩形状の部分、略矩形状の部分を更に略矩形状に分割した部分(謂わば、漢字の略「目」字状の部分)であったり、その他、これら略井形状や略矩形状等の部分を組み合わせたものなどであったり、その他、コンクリート製などで、一様な厚みを持つベタ基礎や、変圧器3の下方に空間を形成するよう凹み等を有したゲタ基礎であっても構わない。
【0087】
ベース3fは、鉄心3Xやコイル3Y等以外に、上述した変圧筒体3aを支えていても(支持していても)良い。
以下、実施例2の変圧器3では、主に、略井形状や略矩形状の部分を組み合わせたベース3fを用いているとして述べる。
【0088】
<カバー体3Qにおける開口率>
図11(a)~(c)における例示であれば、カバー体3Qにおける開口率は、当該カバー体3Qの下部(上述したベース3f)の開口状況について言及すれば、ベース3fの略矩形に組んだ部分における開口率は、例えば、0%より大きく95%以下、好ましくは10%以上85%以下、更に好ましくは20%以上80%以下(70%など)であっても良い。
又、ベース3fの略矩形状の部分を更に略矩形状に分割した部分における開口率は、例えば、0%より大きく80%以下、好ましくは10%以上70%以下、更に好ましくは20%以上60%以下(30%など)であっても構わない。
【0089】
又、当該カバー体3Qの上部(上述した上蓋3c)の開口状況について言及すれば、上蓋3cの4つの側板と変圧筒体3aとの間における開口率は、例えば、0%より大きく80%以下、好ましくは10%以上70%以下、更に好ましくは20%以上60%以下(30%など)であっても良い。
上蓋3cの4つの側板と変圧筒体3aとの間の空間と、変圧筒体3a自体の内部とを連通する開口率は、例えば、0%より大きく100%以下、好ましくは25%以上95%以下、更に好ましくは50%以上90%以下(100%など)であっても良い。
尚、図11(b)、(c)における矢印は、図10(c)、(d)、図12図13に示したシミュレーションにおける空気の流れを示す。
【0090】
<遮熱板3gなど>
図10~13に示されたように、遮熱板3gは、本発明に係る変圧器3(実施例2の変圧器3)において、上述した変圧出力遮断器W(上述した配線用遮断器25’や、制御部用遮断器35等の少なくとも1つ)と、当該変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等との間に配置された中間板状部材Pである。
遮熱板3gは、遮熱性を有しており、変圧器3の本体である鉄心3Xやコイル3Y等から生じる熱が、変圧出力遮断器Wに届くことを抑制する(遮る)と言える。
【0091】
遮熱板3gは、変圧出力遮断器Wと鉄心3X及びコイル3Y等との間に配置され、鉄心3Xやコイル3Y等からの熱を遮るのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、鉄心3X及びコイル3Y等の側に遮熱塗装をした板状部材であったり、アルミニウムを蒸着した合成樹脂製や鉄製などの板状部材であったり、その他、アルミニウム製の板状部材などであっても構わない。
遮熱板3gの形状は、特に限定はないが、例えば、略矩形状の板状部材(図13参照)や、略矩形状の板状部材の端部を折り曲げて平面視で略コ字状としたもの(図10、11等参照)であったり、その他、略正方形状の板状部材であっても良く、又、遮熱板3gの大きさも、特に限定はないが、変圧器3の正面視において、変圧出力遮断器Wより大きく(広く)ても良く、更に、変圧出力遮断器Wが、配線用遮断器25’と制御部用遮断器35等の2つ以上であっても、熱を遮ることが出来る大きさであるとも言える。
【0092】
遮熱板3gは、鉄心3X及びコイル3Y等の前面から立設し、前方向に所定の遮熱配置距離βだけ延びた遮熱配置部材(遮熱支持部材)3z1を介して、取り付けられていても良い。
尚、遮熱配置部材3z1は、所定本数(2本(左右一対)であったり、3本以上など)で略直線状の棒状材であり、その断面形状は、特に限定はないが、例えば、略正方形状や、略矩形状であったり、その他、略円形状や略楕円形状、略三角形状など、何れの形状であっても構わない。
一方、遮熱板3gが略矩形状の板状部材の両端部を折り曲げて平面視で略コ字状としたものであれば、当該両端部が遮熱板3gを配置させる部材であるとも言え、別途、遮熱配置部材3z1を有していなくとも良い。
【0093】
又、上述した遮熱配置距離βは、何れの値であっても良いが、例えば、変圧器3の側面視において、20cm(200mm)以下であったり、又は、1cm以上20cm以下(10mm以上200mm以下)、好ましくは2cm以上16cm以下(20mm以上160mm以下)、更に好ましくは4cm以上12cm以下(40mm以上120mm以下)であっても良く、より具体的には、5cmや、10cmなどであっても構わないとも言える。
このような遮熱配置部材3z1や遮熱板3g等を介して、次に述べる取付板3hが、鉄心3X及びコイル3Y等に取り付けられていると言える。
【0094】
<取付板3hなど>
図10~13に示されたように、取付板3hも、本発明に係る変圧器3(実施例2の変圧器3)において、上述した変圧出力遮断器W(上述した配線用遮断器25’や、制御部用遮断器35等の少なくとも1つ)と、当該変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等との間に配置された中間板状部材Pである。
この取付板3hを介して、変圧出力遮断器Wは、上述した鉄心3X及びコイル3Y等や、遮熱板3gに取り付けられている(支持されている)と言える。
【0095】
取付板3hは、変圧出力遮断器Wと鉄心3X及びコイル3Y等との間に配置され、変圧出力遮断器Wを取り付けるのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、取付板3hの形状は、略矩形状の板状部材(図13参照)や、略矩形状の板状部材の端部を折り曲げて平面視で略コ字状としたものであったり、その他、略正方形状の板状部材であっても良く、又、取付板3hの大きさも、変圧器3の正面視において、変圧出力遮断器Wより大きかったり(広かったり)、その他、上述した遮熱板3gより小さくても(狭くても)構わず、更に、変圧出力遮断器Wが、配線用遮断器25’と制御部用遮断器35等の2つ以上であっても、熱を遮ることが出来る大きさであるとも言える。
尚、取付板3hも、鉄心3X及びコイル3Y等の側に遮熱塗装をした板状部材であったり、アルミニウムを蒸着した合成樹脂製や鉄製などの板状部材であったり、その他、アルミニウム製の板状部材などであったり、断熱材で構成されていても良いが、逆に、そのような構成が施されておらず、単に、合成樹脂製や鉄製などの板状部材であっても構わない。
【0096】
取付板3hは、遮熱板3gの前面から立設し、前方向に所定の取付配置距離γだけ延びた取付配置部材(取付支持部材)3z2を介して、取り付けられていても良い。
尚、取付配置部材3z2も、所定本数(2本(左右一対)であったり、3本以上など)で略直線状の棒状材であり、その断面形状は、特に限定はないが、例えば、略正方形状や、略矩形状であったり、その他、略円形状や略楕円形状、略三角形状など、何れの形状であっても構わない。
一方、取付板3hが略矩形状の板状部材の両端部を折り曲げて平面視で略コ字状としたものであれば、当該両端部が取付板3hを配置させる部材であるとも言え、別途、取付配置部材3z2を有していなくとも良い。
又、取付板3hは、上述した遮熱板3gと兼用されていても(つまり、取付板3hと遮熱板3gを1枚の板状部材で兼用していても)良く、遮熱配置部材3z1と取付配置部材3z2が同一の部材であっても構わない。
【0097】
又、上述した取付配置距離γも、何れの値であっても良いが、例えば、変圧器3の側面視において、10cm(100mm)以下であったり、又は、1cm以上10cm以下(10mm以上100mm以下)、好ましくは2cm以上7cm以下(20mm以上70mm以下)、更に好ましくは3cm以上4cm以下(30mm以上40mm以下)であっても良く、より具体的には、3.5cmなどであっても構わないとも言える。
ここまで述べた取付配置部材3z2や取付板3h、遮熱配置部材3z1や遮熱板3g等を介して、変圧出力遮断器Wが、鉄心3X及びコイル3Y等に取り付けられていると言える。
【0098】
更に、取付板3hは、変圧出力遮断器Wの裏面に対して、ネジ等の固定手段にて直接当接して固定されたり(図13(a)、(b)参照)、所定のオフセット配置距離δをとる(長さがオフセット配置距離δ)の略筒状のスペーサ3z3を介して、ネジ等の固定手段にて固定されて(図13(c)参照)いても構わない。
このようなスペーサ3z3を有している場合、上述したオフセット配置距離δも、何れの値であっても良いが、例えば、変圧器3の側面視において、5cm(50mm)以下であったり、又は、0cmより大きく5cm以下(0mmより大きく50mm以下)、好ましくは0cmより大きく4cm以下(0mmより大きく40mm以下)、更に好ましくは0.5cm以上3cm以下(5mm以上30mm以下)であっても良く、より具体的には、1cmなどであっても構わないとも言える。
【0099】
<遮断器-鉄心・コイル距離α>
図13に示されたように、遮断器-鉄心・コイル距離αは、本発明に係る変圧器3(実施例2の変圧器3)においては、上述したカバー体3Qの内部に設けられた変圧出力遮断器Wと、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等との間の距離である。
ここで、変圧出力遮断器Wや、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等は、同一のカバー体3Qの内部に配置されていることから、当然、遮断器-鉄心・コイル距離αは、必ず所定の値以下となる(謂わば、互いに近傍に存在することとなる)。
【0100】
つまり、変圧出力遮断器Wと、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等が互いに近傍に存在していれば、遮断器-鉄心・コイル距離αは、当然、所定の値以下となり、例えば、この遮断器-鉄心・コイル距離αは、変圧器3の側面視において、30cm(300mm)以下であったり、又は、1cm以上30cm以下(10mm以上300mm以下)、好ましくは3cm以上24cm以下(30mm以上240mm以下)、更に好ましくは6cm以上18cm以下(60mm以上180mm以下)であっても良く、より具体的には、8.5cmや、13.5cm、14.5cmなどであっても構わないと言える。
又、遮断器-鉄心・コイル距離αは、ここまで述べた各距離β、γ等の合計でもあると言え、上述したスペーサ3z3を有している場合(図13(c)参照)、遮断器-鉄心・コイル距離αとは、遮熱配置距離βと取付配置距離γとオフセット配置距離δの合計に略等しいと言え、又、上述したスペーサ3z3を有していない場合(図13(a)、(b)参照)、遮断器-鉄心・コイル距離αとは、遮熱配置距離βと取付配置距離γの合計に略等しいと言える。尚、厳密には、遮断器-鉄心・コイル距離αは、ここまで述べた各距離β、γ等の合計に、遮熱板3gや取付板3hの各厚さの合計も足した値であるとも言える。
【0101】
<鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’>
その他、実施例2の変圧器3は、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’を有していると言える。
図13に示されたように、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’は、実施例2の変圧器3において、上述したカバー体3Qの内部に設けられた変圧出力遮断器Wと、変圧器3のコイル3Yや端子等とを導通させるケーブル(電路)であって、上述した変圧出力電路Vの一部であると言える。
【0102】
鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’は、変圧出力遮断器Wとコイル3Y等とを導通させるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、変圧器3の側面視で略コ字状等の棒状材であったり、略直線状の棒状材であっても良く、その断面形状は、特に限定はないが、例えば、略矩形状や、略正方形状であったり、その他、略円形状や略楕円形状、略三角形状など、何れの形状であっても構わない。
尚、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’も、本発明における「電路」であることから、その素材は、後述と同様であるが、例えば、ニクロム等であっても良い。
【0103】
尚、変圧器3で変圧された交流電流は、その鉄心3X及びコイル3Y等から鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’を介して、変圧出力遮断器W(配線用遮断器25’や制御部用遮断器35など)を経た後、変圧出力電路V(変圧出力電路3eや分岐電路25など)にて、変圧器3の外部に出力される。
又、この鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’に、変圧器3で変圧された交流電流が流れる際に発生するジュール発熱は、当該変圧器3のカバー体3Qの内部の温度分布や風速分布には、影響を与えないと言える。
以下、このような変圧器3のカバー体3Qの内部の温度分布や風速分布について述べる。
【0104】
<カバー体3Q内の温度分布・風速分布>
図10(c)、(d)に示したシミュレーションは、当該シミュレーション条件のうち、環境温度が40℃で、変圧器3の発熱量(最大発熱時)が1340W(ワット)で、日射の有無は有りであり、日射条件が、方位角が268.9°で、太陽高度が47.8°で、日射強度が1000W(ワット)/mである場合、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等自体の表面温度は170℃程度であり、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等の周囲温度は50℃程度であった。
図12(a)に示したシミュレーションは、当該シミュレーション条件や日射条件が図10(c)、(d)と同じ条件である場合における配電システム1全体の温度分布を示しており、変圧器3の上方にあるパワーコンディショナ2等には影響がないと言える。
【0105】
図12(b)、(c)に示したシミュレーションは、当該シミュレーション条件や日射条件が図10(c)、(d)と同じ条件である場合における変圧器3のカバー体3Q内部の風速ベクトル分布を示しており、変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等の周囲のうち、その左右方向側面側は風が出にくいとも言える。尚、変圧器3のカバー体3Qの内部において、表面が高温となり易い鉄心3Xやコイル3Y等の周辺では、熱せられた空気が上方に流れ、変圧筒体3aと上蓋3cとの間の開口(変圧筒体3aの外面と、上蓋3cの庇部分との間)から空気がカバー体3Qの外部へ出ると共に、カバー体3Qの外部へ出た分等の空気が、変圧筒体3aの下部における切欠3bやベース3fの隙間を通って、カバー体3Qの外部から内部へ入る(図12(b)、(c)の風速ベクトルで示した風の流れが生じる)ため、この風の流れによって、変圧出力遮断器Wも冷却されるとも言える。
図13(a)~(c)に示した3つのシミュレーションは、共通な当該シミュレーション条件のうち、変圧器3の発熱量が所定の値(例えば、当該変圧器3の鉄心3X及びコイル3Y等自体の表面温度が25℃の場合における変圧器3の発熱量は鉄心3Xが240W(ワット)でコイル3Yが730W(ワット)の合計970W(ワット)となり、当該表面温度が160℃の場合がほぼ最大発熱時で、この場合における変圧器3の発熱量は鉄心3Xが240W(ワット)でコイル3Yが1100W(ワット)の合計1340W(ワット)となるなど)で、日射の有無は有りであり、日射方向は同じで(図13(a)のみに示され)、日射方向側のカバー体3Qの側表面の広さが900mm×600mmである。
【0106】
図13(a)に示したシミュレーションは、上記共通な当該シミュレーション条件に加え、カバー体3Qの上蓋3cの上面(天面)に遮熱塗装が施され、遮断器-鉄心・コイル距離αが8.5cm(85mm)で、遮断配置距離βが5cm(50mm)で、取付配置距離γが3.5cm(35mm)である(尚、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’は有さず、シミュレーション結果に反映していない)場合において、変圧出力遮断器Wの表面温度が63.8℃で、取付板3hの変圧出力遮断器W側の表面温度が65.3℃で、カバー体3Qの上蓋3cの上面略中央の表面温度が69.8℃で、同じくカバー体3Qの上蓋3cの端側の表面温度が最大の72.8℃で、カバー体3Qの日射方向側の表面温度が80.4℃であることを示しており、上蓋3cの上面に遮熱塗装を施すことで、施さない場合より各表面温度が低下するとも言える。
図13(b)に示したシミュレーションは、上記共通な当該シミュレーション条件と上蓋3c上面の遮熱塗装に加え、60A(アンペア)の交流電流を導通可能な鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’にて鉄心3X及びコイル3Y等と変圧出力遮断器Wとを導通させ、且つ、図13(a)の場合より遮断配置距離βを5cm(50mm)大きくした(換言すれば、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’による発熱は0.48W(ワット)でシミュレーションし、且つ、遮断器-鉄心・コイル距離αも5cm(50mm)大きくなった(取付配置距離γは図13(a)の場合と同じ値である))場合において、変圧出力遮断器Wの表面温度が63.1℃に、取付板3hの変圧出力遮断器W側の表面温度が63.9℃に下がると共に、カバー体3Qの上蓋3cの上面略中央の表面温度とカバー体3Qの日射方向側の表面温度は図13(a)の場合と同じ値となり、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’の鉄心3X等側の端部周辺における鉄心3X及びコイル3Y等の表面温度が140℃であるものの、当該ケーブルV’の鉄心3X等側の端部における表面温度が81.1℃で、当該ケーブルV’の変圧出力遮断器W側の端部における表面温度が84.8℃であることを示しており、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’を設けても、そのジュール発熱の影響はほぼなく、又、遮断配置距離β(遮断器-鉄心・コイル距離α)を大きくすることで、変圧出力遮断器Wの表面温度や、取付板3hの変圧出力遮断器W側の表面温度が低下するとも言える。
【0107】
図13(c)に示したシミュレーションは、上記共通な当該シミュレーション条件と上蓋3c上面の遮熱塗装、鉄心・コイル-遮断器ケーブルV’による導通に加え、図13(b)の場合にはなかったオフセット配置距離δを1cm(10mm)とった場合において、変圧出力遮断器Wの表面温度が63.0℃に、取付板3hの変圧出力遮断器W側の表面温度が62.6℃に更に下がり、変圧出力遮断器Wと取付板3hとの間の空間の温度が59.2℃で、変圧出力遮断器Wにおける取付板3hとは反対側の空間の温度が58.8℃であることを示しており、変圧出力遮断器Wを取付板3hに対してオフセット配置する(オフセット配置距離δを設ける)ことで、変圧出力遮断器W周辺の空間の温度を60℃以下とすることが出来るとも言える。尚、変圧出力遮断器W自体の温度は、60℃程度であった。
その他の変圧器3等の構成、作用効果や使用態様は、実施例1の変圧器3と同様である。
【0108】
<本発明に係るキャビネット5(実施例2のキャビネット5)>
図14、15に示されたように、本発明に係るキャビネット5は、第2実施形態の配電システム1に用いられ、上述した制御部4や電機器11などを内部に設けた箱体である。
尚、本発明に係るキャビネット5は、実施例2のキャビネット5であるとも言える。
【0109】
この実施例2のキャビネット5において実施例1のキャビネット5と最も異なるのも、上述した第2実施形態の配電システム1と同様に、当該キャビネット5の内部に遮断器(変圧出力遮断器Wをはじめあらゆる遮断器)が設けられて(内蔵されて)いない(図14参照)、又は、遮断器(例えば、変圧出力遮断器Wなど)が1つだけ設けられて(内蔵されて)いる(図15参照)点である。
図14のように、キャビネット5の内部に変圧出力遮断器Wが設けられていない場合は、当然、上述した配線用遮断器25’や、制御部用遮断器35など何れもが、キャビネット5の内部に変圧出力遮断器Wが設けられていない。
一方、図15のように、キャビネット5の内部に遮断器が1つだけ設けられている場合は、上述した配線用遮断器25’や、制御部用遮断器35など、何れかの遮断器が1つだけ設けられているが、負荷Fや系統K等へ導通する電路(分岐電路25など)における遮断器(例えば、配線用遮断器25’など)は設けられず、配線用遮断器25’等より小型な制御部用遮断器35は設けられていても良い。
【0110】
実施例2のキャビネット5は、当該キャビネット5の内部に遮断器が1つも設けられていない、又は、遮断器が1つだけ設けられていれば、何れの構成であっても良いが、例えば、実施例2のキャビネット5は、制御部4以外に、例えば、電機器11である後述する電力計測部12や、上述した地絡過電圧継電器33や、通信機器36、無停電電源装置37を内蔵していたり(図14参照)、これらに加えて、例えば、制御部4用の電源アダプタ4aや、通信機器36用の避雷器(SPD、Surge Protective Device)39を内蔵していても(図15参照)構わない。
その他のキャビネット5等の構成、作用効果や使用態様は、実施例1のキャビネット5と同様である。
【0111】
<第3実施形態の配電システム1>
図16は、本発明の第3実施形態に係る配電システム1を示している。
この第3実施形態において第1、2実施形態と最も異なるのは、ここまで述べた実施例1、2等の変圧器3や、実施例1、2等のキャビネット5、パワーコンディショナ2等が分割している分割式である点である。
【0112】
これを換言すれば、第3実施形態では、配電フレーム枠体6を有していないとも言え、第3実施形態の配電システム1における分割された変圧器3は、本発明に係る変圧器3であっても良く、又、第3実施形態の配電システム1における分割されたキャビネット5は、本発明に係るキャビネット5であっても構わない。
その他の配電システム1、パワーコンディショナ2、変圧器3、制御部4、キャビネット5、配電フレーム枠体6等の構成、作用効果や使用態様は、第1、2実施形態の配電システム1や、実施例1、2の変圧器3、実施例1、2のキャビネット5と同様である。
【0113】
<第1実施形態の発電プラント21>
図17、18には、本発明の第1実施形態に係る発電プラント21が示されている。
発電プラント21は、ここまで述べた配電システム1と、系統K及び負荷Fにそれぞれ接続された接続部22を有したプラントである。
発電プラント21は、配電システム1を介して、発電部26が、負荷Fに接続されている。
【0114】
又、発電プラント21は、後述する発電接続機器24と、上述した電機器11を有していても良い。
尚、この第1実施形態の発電プラント21は、容量が300kVAを超える高圧受電を行うCB受電タイプ(高圧遮断器(VCB)22aを有したタイプ)であると言える。
【0115】
発電プラント21は、後述する発電装置23や、上述した接続部22やパワーコンディショナ2(発電装置23)を制御する制御部4を有していても良い。
尚、上述した接続部22は、パワーコンディショナ2と系統Kと負荷Fにそれぞれ接続されていると言え、ここでは、まず系統Kについて、以下に述べる。
【0116】
<系統K>
図17、18に示したように、系統Kは、商用電力系統とも言い、電力を需要家の受電設備に供給するための、発電・変電・送電・配電を統合したシステムである。
系統Kは、三相3線(3φ3W)で、6600Vや22000V等、60Hz又は50Hz等の電力を、電力会社の変電所等から供給する。尚、後述する発電プラント21の第3実施形態における柱上変圧器K’以降は、単相2線(1φ2W)や、1φ3W(単相3線)等の電力を供給しても良い。
このような系統Kは、まず接続部22に接続されており、次に接続部22などについて以下に述べる。
【0117】
<接続部(系統盤)22など>
図17、18に示したように、接続部22は、上述した系統Kに接続する機器を有した部分であって、この接続部22は、買電盤などの系統盤22や、既存の設置盤であるとも言える。このような系統盤22の機器は、盤支持体(系統盤筐体)22’に内蔵されている。
系統盤22は、系統Kに接続され、且つ、系統盤22の機器が系統盤筐体22’に内蔵されているのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、真空遮断器(VCB)、高圧遮断器等の遮断器(謂わば、系統遮断器)22aや、避雷器(SAR)、計器用変成器(VT、Voltage Transformer 、謂わば、電圧変成器)22bなどを備えていても良い。
【0118】
系統盤22における系統遮断器22aは、後述する制御部4(又は、上述した電機器11)からの信号によって、引外しトリップコイル等を介して、遮断する構成としても良い。
このような系統遮断器22aは、系統盤22(系統盤筐体22’)内に設けられていることによって、後述する発電装置23(パワーコンディショナ2)と系統Kとの間の電路(換言すれば、系統Kから系統盤22を介して負荷Fまでの主電路Mのうち系統盤22内の電路)を遮断することとなる。
【0119】
尚、上述したように、主電路Mにおける電位は、系統Kにおける電位と同じ(6600Vや22000V等)であっても良く、後述する負荷Fが変圧器(降圧変圧器)F1を有している場合は、この変圧器F1(の高圧側)と系統盤22の間を接続する電路が主電路Mの一部であると言える。
この主電路Mには、後述する発電接続機器24(特に、分岐電路25)を接続しても良い。
【0120】
系統盤22における計器用変成器22bは、後述する発電装置23(パワーコンディショナ2)と系統Kの間で且つ系統盤22内の電路において、上述した系統遮断器22aより系統K寄り(系統Kに近い側)の電路に設けられている。
このような計器用変成器22bは、その高圧側が、系統遮断器22aより系統K寄り(系統Kに近い側)の電路と、当該電路における分岐点(変成分岐点)22cから分岐電路(変成分岐電路)22dを介して接続され、計器用変成器22bの低圧側は、上述した電機器11や、後述する発電力計に接続されている。
【0121】
系統盤22における計器用変成器22bの構成も、特に限定はないが、例えば、6600Vや22000V等を110V等に降圧する構成であっても良い。
系統盤22では、この計器用変成器22bと変成分岐点22cの間の電路に、高圧限流ヒューズ(PF、Power Fuse)が設けられていても良い。
【0122】
<系統盤22における他の機器>
図17、18に示したように、系統盤22には、その他、断路器(謂わば、引込断路器、高圧開閉器)22e、計器用変流器(謂わば、高圧系統電流変成器)22f、過電流継電器(謂わば、受電OCR)22g、計器用変圧変流器(謂わば、高圧変成電圧電流器であり、取引用メータ22h’の一部を構成するとも言える)22hが設けられていても良い。
更に加えて、系統盤22には、不足電圧継電器や、過電圧継電器、不足周波数継電器(周波数低下継電器とも言う)、過周波数継電器であったり、電力量計や、柱上気中開閉器が設けられていても良い。
【0123】
系統盤22における断路器(DS、Disconnecting Switch)22eは、発電プラント21や、この発電プラント21における回路に電流が流れていない状態で、当該回路を開閉する機器であって、断路器22eには、電流を遮断する機能はなく、別の遮断器(系統遮断器22aや発電遮断器25’等)で電流を遮断してから、断路器の開閉を行う。
断路器22eは、電流が流れていない状態で回路を開閉できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、上述した計器用変成器22bへの分岐点(変成分岐点)22cと系統Kの間の電路に設けられていても良い。
【0124】
系統盤22における計器用変流器(CT、Current Transformer )22fは、後述する発電装置23と系統Kの間で且つ系統盤22内の電路(主電路Mのうち系統盤22内の電路)において、上述した系統遮断器22aより発電装置23寄り(発電装置23に近い側)の電路に設けられている。
このような計器用変流器22fの構成も、特に限定はないが、例えば、計器用変流器22fの出力側(2次側)に、上述した電機器11のセンサ部15が取り付けられていたり、又は、電機器11が直接接続されていても良い。
この計器用変流器22fに、過電流継電器(OCR、Over Current Relay)22gは接続されている。
【0125】
系統盤22における計器用変圧変流器(VCT、Combined Voltage and Current Transformer)22hは、計器用変圧器(VT)と計器用変流器(CT)を一つに組み合わせた機器であって、系統Kから系統盤22に流れ込む(又は、系統Kへ流れ出す)電流や電圧の測定を行う機器であって、電力量計は、上述した計器用変圧変流器22hと組み合わせて、系統Kから系統盤22に流れ込む(又は、系統盤22から系統Kへ流れ出す)電力量の測定を行う機器であって、取引用メータであるとも言える。
計器用変圧変流器22hは、系統Kから系統盤22に流れ込む等の電流や電圧を測定できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、計器用変圧変流器22hは、上述した断路器22eと系統Kの間の電路に設けられていても良い。
【0126】
その他、系統盤22に不足電圧継電器(後述する電機器1であっても良い)が設けられている場合、この不足電圧継電器(UVR、Under Voltage Relay )は、不足電圧Uを検知する継電器であって、不足電圧Uを検知できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、上述した計器用変成器22bの低圧側に接続されていても良い。
不足電圧継電器等で検知される不足電圧Uが、所定値(6600Vや22000V等から、所定の電圧(例えば、100Vや200V等)を引いた値)以下になると、後述する制御部4によって、上述した発電装置23(パワーコンディショナ2)から系統Kまでの何れかの遮断器(系統遮断器22aや発電遮断器25’等)を遮断しても良いが、この遮断は、上述した逆電力発生状態C1になった場合より、優先度が低いとも言える。
尚、不足電圧継電器等で不足電圧Uが検知された際、上述した遮断器をハードウェア的に(例えば、引外しトリップコイル等を介して)遮断する場合、当該不足電圧継電器等自体が、後述する制御部4であるとも言える。
【0127】
系統盤22に過電圧継電器が設けられている場合、この過電圧継電器(OVR、Over Voltage Relay)は、過電圧を検知する継電器であって、過電圧を検知できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、上述した計器用変成器22bの低圧側に接続されていても良い。
過電圧継電器で検知される過電圧が、所定値(6600Vや22000V等から、所定の電圧(例えば、100Vや200V等)を足した値)以上になると、後述する制御部4によって、上述した発電装置23(パワーコンディショナ2)から系統Kまでの何れかの遮断器を遮断しても良いが、この遮断も、上述した逆電力発生状態C1になった場合より、優先度が低いとも言える。
尚、過電圧継電器で過電圧が検知された際、上述した遮断器をハードウェア的に遮断する場合、当該過電圧継電器自体が、後述する制御部4であるとも言える。
【0128】
系統盤22に不足周波数継電器が設けられている場合、この不足周波数継電器(UFR、Under Frequency Relay )は、不足周波数を検知する継電器であって、不足周波数を検知できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、上述した計器用変成器22bの低圧側に接続されていても良い。
不足周波数継電器で検知される不足周波数が、所定値(60Hzや50Hz等から、所定の周波数(例えば、1Hz以上10Hz以下等)を引いた値)以下になると、後述する制御部4によって、上述した発電装置23(パワーコンディショナ2)から系統Kまでの何れかの遮断器を遮断しても良いが、この遮断も、上述した逆電力発生状態C1になった場合より、優先度が低いとも言える。
尚、不足周波数継電器で不足周波数が検知された際、上述した遮断器をハードウェア的に遮断する場合、当該不足周波数継電器自体が、後述する制御部4であるとも言える。
【0129】
系統盤22に過周波数継電器が設けられている場合、この過周波数継電器(OFR、Over Frequency Relay)は、過周波数を検知する継電器であって、過周波数を検知できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、上述した計器用変成器22bの低圧側に接続されていても良い。
過周波数継電器で検知される過周波数が、所定値(60Hzや50Hz等から、所定の周波数(例えば、1Hz以上10Hz以下等)を足した値)以上になると、後述する制御部4によって、上述した発電装置23から系統Kまでの何れかの遮断器を遮断しても良いが、この遮断も、上述した逆電力発生状態C1になった場合より、優先度が低いとも言える。
尚、過周波数継電器で過周波数が検知された際、上述した遮断器をハードウェア的に遮断する場合、当該過周波数継電器自体も、後述する制御部4であるとも言える。
【0130】
系統盤22に電力量計が設けられている場合、この電力量計は、系統Kから系統盤22に流れ込む際等の電力量の測定ができるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、計器用変圧変流器22hに接続されて、当該計器用変圧変流器22hから出力される電流及び電圧の測定値を入力し、これら電流と電圧をかけた値(電圧と電流の積)を積算して電力量を測定しても良い。
ここで、電力量計は、系統Kから系統盤22に流れ込む電力量を測定する際は買電用であると言え、逆に、系統盤22から系統Kへ流れ出す電力量を測定する際は売電用であるとも言える。尚、この電力量計は、電気用品安全法で規定された乙種電気用品であっても良い。
【0131】
系統盤22に柱上気中開閉器が設けられている場合、この柱上気中開閉器(PAS、Pole Air Switches )は、発電プラント21と系統Kとの責任分界点等の開閉に用いる機器である。
柱上気中開閉器は、発電プラント21と系統Kとの責任分界点等を開閉できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、上述した計器用変圧変流器22hと系統Kの間の電路に設けられていても良い。
【0132】
<系統盤22の盤支持体(系統盤筐体)22’>
図17、18に示したように、系統支持体である系統盤筐体22’は、上述した系統盤22の機器を内蔵する筐体であって、1つの発電プラント21(又は後述する発電装置23)において、系統Kに接続されるために1つだけ存在する(系統盤22も1つだけ存在する)ものであるとも言える。
系統盤筐体22’は、系統盤22の機器を内蔵するのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、全体として略直方体状等に形成されていても良い。
【0133】
<負荷F、負荷電力D>
図17、18に示したように、負荷Fは、系統Kから接続部(系統盤)22を介しての受電力Jや、発電装置23(パワーコンディショナ2)から出力された発電力H等を消費する機器であって、このような負荷Fが消費する電力を負荷電力(消費電力とも言える)Dとする。
負荷Fは、受電力Jや発電力Hを消費するのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、工場内等の照明(電灯負荷設備)Fであったり、工場内などのインダストリアルモータ(IM、Industrial Motor、動力負荷設備)Fであったり、上述した照明F複数と接続された照明分電盤などであっても良い。
【0134】
負荷Fは、工場内の機器の他、住宅やビル等の建物内のエアコン、蛍光灯、家電、電気自動車やガソリン自動車等の車両、当該車両内の機器などであっても良い。
その他、負荷Fは、系統Kから系統盤22を介しての受電力J(又はパワーコンディショナ2からの発電力H)を変圧(降圧)する変圧器(謂わば、降圧変圧器)F1を有していたり、この変圧器F1と系統盤22(又はパワーコンディショナ2)との間の電路等に高圧交流負荷開閉器(LBS、Load Break Switch )F2を有していたり、変圧器F1と上述したインダストリアルモータ(又は照明)Fとの間の電路等に配線用遮断器(MCCB、Molded Case Circuit Break )F3を有していても良い。
尚、配線用遮断器F3は、高圧限流ヒューズ等のヒューズを有していても良い。
【0135】
負荷Fにおける変圧器F1の構成も、特に限定はないが、例えば、インダストリアルモータ用(動力用)であれば、三相3線(3φ3W)で、6600Vや22000V等を440Vや210V、600V等に降圧する構成であったり、照明用(電灯用)であれば、単相3線(1φ3W)で、6600Vや22000V等を、105V以上210V以下等に降圧する構成であっても良い。
負荷Fは、このような変圧器F1が設けられていなくとも良く、この場合は、系統盤22側に別の変圧器が設けられていたり、発電装置23(パワーコンディショナ2)からの出力が、変圧器F1を介すことなく、負荷Fに直接接続する構成であっても良い。
【0136】
<負荷Fの消費電力(負荷電力)D、その算出や変化>
このような負荷F全体で消費される電力が、負荷電力Dであり、各負荷Fそのもので消費される電力の合計だけでなく、変圧器F1における電力ロス分や、照明分電盤で消費される電力を含んでも良い。
尚、負荷Fの数は、1又は複数であっても良いが、たとえ負荷Fが1つであっても、変圧器F1も有していれば、その電力ロス分も含めた電力が、負荷電力Dとなる。
【0137】
このように、1つ又は複数の負荷Fの各消費電力を直接測定し、電力ロス分も含め、それらの合計した負荷電力Dを算出することは、ハードウェア的に困難であり、正確に負荷電力Dを測定し難いと言える。
そこで、受電力Jと発電力Hとの和から負荷電力Dを算出することで、負荷電力Dを直接測定する必要がなく、受電力Jと発電力Hの測定はハードウェア的にシンプルな構造となって測定し易く、正確性も上がると言える。
このような負荷電力Dの算出の基となる受電力J(逆電力Gや不足電力Uも含む)を計測するのが、上述した電機器11であり、又、発電力Hを測定する発電力用としての使用については、後に述べる。
【0138】
負荷Fの消費電力(負荷電力)Dは、昼か夜か等の時間帯などによって、使用する電灯負荷設備Fの数が変わったり、工場内等で使用する動力負荷設備Fの種類・数も作業の目的等によって変わるため、当然、負荷電力Dは低下したり上昇するなど変化する。
このように変化する負荷電力Dに極力近い発電力H等を発電装置23で発電させる(換言すると、後述する制御部4にて、制限係数A(t)を極力100%に近づける)ことが出来れば、受電力(買電力)Jが極力抑えられ(経費が低減でき)て望ましい。
【0139】
一方、負荷電力Dに極力近い発電力H等を発電装置23で発電している場合、負荷電力Dが低下した際には、パワーコンディショナ2を制御して発電力Hを下げるための発電力Hの目標値THを与えても、実際の発電力Hはすぐに下がらない(発電力Hの低下が遅れる)ため、遅れた分だけ、発電力Hが負荷電力Dより大きくなり、逆電力Gが発生する(負荷Fで消費できない電力が系統Kに流れる)ことを抑制する必要がある。
ここまで述べた負荷Fや系統盤22に対して、後述する発電装置23を接続させるための発電接続機器24について、以下に述べる。
【0140】
<発電接続機器24と電機器11>
図17、18に示したように、発電接続機器24は、上述した接続部(系統盤)22及び負荷Fに、後述する発電装置23を接続させる機器である。又、上述した電機器11も、発電接続機器24と共に発電装置23を接続させる別体の機器であるとも言えるため、おって述べる。
尚、発電接続機器24は、系統盤22及び負荷Fに発電装置23を接続させるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、分岐電路25を備えていても良く、その他、発電力計(図示せず)や、発電変成器(図示せず)、発電遮断器25’などを備えていても良い。
【0141】
<電機器11>
図17、18に示したように、電機器11は、所定の電路に接続される機器であって、後述する電力計測部12とリレー部13を備えている。尚、このような電機器1は、所謂、電力計とリレー(継電器)における両方の機能を備えていることから、「電力計リレー」であるとも言える。
電機器11は、後述するセンサ部(謂わば、電流センサ部)15を備えていても良い。
ここで、本発明における「所定の電路に接続される」とは、当該電路と直接導通している場合だけでなく、当該電路と直接導通していなくとも、変圧器(例えば、後述する計器用変成器22bの低圧側や、柱上変圧器K’の低圧側など)を介して接続されたり、変流器(例えば、後述する計器用変流器22bの2次側(計器用変流器22bからの出力)など)を介してセンサ部5が接続され(取り付けられ)たり、その他、柱上変圧器K’の低圧側にセンサ部5が接続され(取り付けられ)ている場合も含む。
【0142】
電機器11は、後述する電力計測部12による計測値をデジタル化等して、後述するリレー部13や、後述する発電プラント21の制御部4へ、通信ケーブル11A等による有線か、無線によって出力する出力部(図示せず)を有していても良い。
電機器11は、電力計測部12による計測間隔や、上述した出力部の出力間隔(通信スピード)について、何れの値でも良いが、例えば、計測間隔や出力間隔は、0.1秒以下であったり、0.05秒以上2.00秒以下や、0.75秒以上1.50秒以下、0.10秒以上1.00秒以下(0.1秒など)であっても良い。
【0143】
<電力計測部12>
図17、18に示したように、電力計測部12は、上述した所定の電路における電力を計測する部分であり、電機器11は、電力計機能を有しているとも言える。
ここで、本発明における「電路」とは、電気を流すものであって、銅、アルミニウム、銀、金、ニクロム等の導体や、この導体を絶縁物で覆ったケーブル、一般的な電線などを含む。
【0144】
電力計測部12が電力を計測する所定の電路は、特に限定はないが、例えば、後述する系統Kと同じ三相3線(3φ3W)で、6600Vや22000V等、60Hz又は50Hz等の電力を供給する電路であったり、単相2線(1φ2W)や、単相3線(1φ3W)等の電力を供給する電路でも良い。
より具体的には、電力計測部12が電力を計測する所定の電路とは、例えば、後述する発電プラント21において、系統Kから接続部22を介して負荷Fまでの電路(以下、「主電路M」という)であっても良い。
【0145】
又、電機器11(特に、電力計測部12等)に入力される電圧(計測対象としての電路の電圧)の値については、特に限定はないが、例えば、電路が三相3線や単相2線であれば、変圧器(例えば、後述する計器用変成器22bや、柱上変圧器K’)を経た60Hz又は50Hzの110V、220V、440V、600Vなどであったり、単相3線であれば、60Hz又は50Hzの100V以上200V以下であっても良い。
ここで、電力計測部12等に対して、計測対象としての電路の電圧を入力するには、当然、電機器11が、計測対象となる所定の電路に接続されていることとなる。
【0146】
より具体的には、例えば、計測対象としての電路が三相3線や単相2線であれば、電機器11は、後述する計器用変成器22bの低圧側(後述する発電プラント21の第1、2、4実施形態参照)に接続され、計測対象としての電路が単相3線であれば、電機器11は、後述する柱上変圧器K’の低圧側(後述する発電プラント21の第3実施形態参照)に接続される。
尚、電機器11の電源についても、特に限定はないが、上述した計測対象としての電路の電圧と共用(つまり、60Hz又は50Hzの110V、220V、440V、600Vや、100V以上200V以下)であったり、直流の100Vや110Vであっても良い。
【0147】
電力計測部12が計測する電力は、例えば、主電路Mにおける逆電力Gや不足電力Uなどであっても良く、又、主電路Mにおいては、系統Kから接続部22や負荷F等へ流れる受電力(買電力、買電電力)Jも含まれるとも言える。
ここで、逆電力Gとは、後述する発電プラント21において、接続部22から系統Kへ逆流する電力であり、逆流電力Gとも言える。
又、不足電力Uとは、上述した系統K側において短絡(ショート)が起こった際に、接続部22での受電力Jの不足分を表す電力であって、上述した発電装置23からの発電力Hが大きくなり過ぎると、不足電力は0に近づくとも言える。
【0148】
電力計測部12は、電力が計測できるのであれば、特に限定はないが、例えば、電子式や機械式であったり、三相式(三相3線のうち、2相を計測する方式)であったり、単相式などであっても良い。
以下、電力計測部12は、主に電子式で且つ三相式であるとして述べる。
このような電力計測部12は、1つの電機器11において、1つだけ存在しても良いが、複数存在しても構わない。
【0149】
<リレー部13>
図17、18に示したように、リレー部13は、上述した電力計測部12で計測した電力に応じてリレー動作を行う部分であり、電機器11は、継電器機能(リレー(Relay )機能)を有しているとも言える。
ここで、本発明における「電力計測部12で計測した電力に応じて」とは、当該計測した電力が、所定の値(閾値)以上となった場合(閾値を超えた場合)や、所定の値(閾値)以下となった場合(閾値を下回った場合)に、次のリレー動作を行うことを意味する。
【0150】
尚、所定の閾値とは、当該計測した電力が逆電力Gであれば、例えば、後述する発電プラント21において、系統Kから接続部22に流れ込む電力(後述する受電力J)の1%以上10%以下(好ましくは1.5%以上5%以下であったり、5%や1%など)の電力であったり、所定の閾値が0kWであっても良い。
より具体的には、例えば、系統Kから接続部22に流れ込む(受電される)三相3線の電力における電流値が50Aで且つ電圧値が6600Vである場合には、受電力Jは、√3×50×6600=571576.766・・・W≒571.6kWとなり、この受電力Jの5%は、571.6kW×0.05≒28.6kWとなることから、この28.6kWが、所定の閾値となったり、この受電力Jの1%である571.6kW×0.01≒5.72kWが、所定の閾値となったりする。
【0151】
更に加えて、「電力計測部12で計測した電力に応じて」とは、当該計測した電力が、所定の値(閾値)以上となった直後、すぐに次のリレー動作を行う場合だけでなく、所定の時間を経過した後に、次のリレー動作を行う場合も含む。
尚、所定の時間とは、当該計測した電力が逆電力Gであれば、例えば、後述する発電プラント21において、受電力Jの5%(28.6kWなど)より大きい逆電力Gが発生した場合には、この値の逆電力Gが発生してから、0.1秒以上15.0秒以下や、0.5秒以上5.0秒以下、1.0秒以上や2.0秒以上(2.0秒など)が、所定の時間となる(つまり、逆電力Gが閾値である28.6kW以上となってから、2秒後が経過した場合には、次のリレー動作を行うこととなる)。
ここで、本発明における「逆電力Gが所定の値(閾値)より大きくなる(謂わば「逆電力発生状態C1」になる)」とは、逆電力Gが、厳密に閾値より大きくなる(当然に、当該閾値を含まない)ことを意味する以外に、電機器11の分解能や設定等によっては、その逆電力Gが「当該閾値とみなせる値以上となる」ことを意味しても許容し、本発明における「当該閾値とみなせる値」とは、電機器11の分解能に応じたり、所定の不足電力Uの値に設定する等をしても構わず、例えば、当該閾値と1mWや1μW、1nWなどとの和であっても良い。
【0152】
又、本発明における「リレー動作」とは、例えば、後述する発電プラント21においてであれば、発電装置23から系統Kまでの電路における何れかを遮断する(当該電路における何れかの遮断器を遮断する)動作であったり、発電装置23がパワーコンディショナ2(直流電流又は交流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナ2)を有していれば、当該パワーコンディショナ2の変換を停止する等を意味する。
尚、遮断器では、後述する制御部4(又は、電機器11)からの信号によって、引外しトリップコイル等を介して、遮断する構成としても良い。
【0153】
リレー部13は、電力計測部12で計測した電力に応じてリレー動作を行えるのであれば、特に限定はないが、例えば、電磁石を使用した有接点式(電磁式)や、半導体素子を使用した無接点式であっても良く、更に電磁式であれば、例えば、メーク型(電磁石に電流を流したときに接点が閉じるa接点)や、ブレーク型(電磁石に電流を流したときに接点が開く、b接点)、トランスファ型(電磁石に電流を流すことで複数の接点を切り替える、c接点)、ラチェット型(電磁石に電流を流すたびに接点の開閉を切り替える)であったり、その他、電磁石と並列に永久磁石を設けた有極リレー型など何れの構成であっても良い。
【0154】
このようなリレー部13も、1つの電機器11において、1つ(1要素)だけ存在しても良いが、複数(複数要素)存在しても構わない。
以下、リレー部13は、1つの電機器11において、主に複数(例えば、2要素など)存在しているとして述べる。
【0155】
<機器筐体14>
図17、18に示したように、機器筐体14は、上述した電力計測部12とリレー部13を内部に設ける(内蔵する)筐体である。
機器筐体14は、電力計測部12とリレー部13を内蔵するのであれば、その形状・大きさ・構成などについて、特に限定はないが、例えば、形状は、略立方体状や、略直方体状などであっても良い。
【0156】
<センサ部15>
図17、18に示したように、センサ部15は、上述した所定の電路における電流を検知する部分であって、電流センサ部15であるとも言える。
センサ部15は、後述するセンサ電路16と、開閉型検知具17を備えていても良い。
【0157】
センサ部15は、所定の電路における電流を検知できるのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、フラックスゲート式(オープンループ型やクローズドループ型など)であったり、ホール素子式(オープンループ型やクローズドループ型など)の他、CT(Current Transformer )式や、ロゴスキーコイル式などであっても構わない。
又、センサ部15は、1次側(所定の電路側)と2次側(センサ部15からの出力側)の変流比も、特に限定はないが、例えば、10:1以上5000:1以下や、100:1以上4000:1以下、(3000:1など)であっても良い。
【0158】
つまり、センサ部15における1次側と2次側の変流比が3000:1あれば、計測対象となる電路に流れる電流値が、例えば、非常に大きい150A等でも、センサ部15から出力される電流値は約0.05A(50mA)等となる。
又、センサ部15の検知可能範囲も、特に限定はないが、例えば、0.01A以上5.00A以下であったり、1A以上200A以下などであっても良い。
【0159】
このようなセンサ部15は、所定の電路における電流を検知できるのであれば、当該電路に対して、何れの位置に取り付けられていても良いが、例えば、後述する計器用変流器22aの2次側(後述する発電プラント21の第1、4実施形態参照)であったり、系統Kから接続部22を介して負荷Fまでの主電路M(後述する発電プラント21の第2実施形態参照)であったり、後述する柱上変圧器K’の低圧側(後述する発電プラント21の第3実施形態参照)に取り付けられていても良い。
尚、センサ部15が主電路Mに直接取り付けられたり、又は、センサ部15が計器用変流器22aの2次側に取り付けられる等によって、当該センサ部15が主電路Mの電流値さえ検知できれば、当該主電路Mの電圧値(電位)は、系統Kと同電位(6600Vや22000V等)であるため、このセンサ部15の検知による主電路Mの電流値と、主電路Mの電圧値の積が、主電路Mにおける電力である電力計測部12によって計測される系統Kに流れる売電力(逆電力G)や、系統Kから流れ込む買電力(受電力J))とも言える。
【0160】
これは、センサ部15が柱上変圧器(降圧変圧器)K’の低圧側に接続されている場合にも同様で、当該センサ部15が柱上変圧器K’の低圧側の電流値さえ検知できれば、柱上変圧器K’の高圧側・低圧側でも電力は略同じ(鉄損や銅損等を無視すれば)になるため、センサ部15の検知による柱上変圧器K’の低圧側の電流値と、柱上変圧器K’の低圧側の電圧値の積が、系統Kにおける電力(電力計測部12によって計測される系統Kに流れる売電力(逆電力G)や、系統Kから流れ込む買電力(受電力J))であるとも言える。
このようなセンサ部15も、1つの電機器11において、1つだけ存在しても良いが、複数存在しても構わない。
以下、センサ部15は、1つの電機器11において、主に複数(例えば、2つなど)存在しているとして述べる。
【0161】
<センサ電路16>
図17、18に示したように、センサ電路16は、上述したセンサ部15と電力計測部12を接続する電路である。
このセンサ電路16を流れ且つセンサ部15から出力される電流の値は、特に限定がなくても良いが、上述したセンサ部15における1次側と2次側の変流比にも関係し、例えば、1A以下であっても構わない。
【0162】
つまり、当該出力された電流の上限値は、例えば、1A(1000mA)以下であり、好ましくは500mA以下、更に好ましくは100mA以下、より更に好ましくは50mA以下(数mAや、1mA以上20mA以下など)であっても良い。
一方、当該出力する電流の下限値も、特に限定はないが、例えば、0.001mA以上、好ましくは0.010mA以上、更に好ましくは0.100mA以上、より更に好ましくは0.500mA以上であっても良い。
【0163】
ここまでの述べた当該出力する電流の上限値や下限値は、例えば、0.001mA以上1000mA以下や、0.001mA以上500mA以下のように、それぞれを互いに組み合わせても良い。
このセンサ電路16に流れる電流値に基づき、電力計測部12では、計測対象である所定の電路に流れる電流値を計算し、計器用変成器22b等を介して電力計測部12(電機器11)に入力される当該所定の電路の電圧値にかけることで、電力計測部12は、当該所定の電路における電力を計測するとも言える。
【0164】
<開閉型検知具17>
図17、18に示したように、開閉型検知具17は、上述した所定の電路に対して、当該所定の電路を開裂することなく取付け可能である検知具である。
つまり、開閉型検知具17は、計測対象である所定の電路を開裂せずとも、自らが開閉することによって、容易に後付けが出来る。
【0165】
これと同時に、開閉型検知具17は、所定の電路における電流を検知する検知具であることから、センサ部15が、上述したフラックスゲート式やホール素子式等であれば、当該フラックスゲートやホール素子そのものを有している部分であるとも言える。
開閉型検知具17は、所定の電路を開裂することなく取付け可能で且つ所定の電路における電流を検知するのであれば、何れの形状・構成であっても良いが、例えば、開閉型検知具17の筐体は、略直方体状であり、この略直方体の中途部を貫通する孔(電路孔)を有していても良い。
【0166】
この場合、開閉型検知具17の筐体が有する電路孔に、計測対象である所定の電路が入ることとなるが、この電路孔を囲む部分の一端側を軸に、他端側が開閉する。
つまり、開閉型検知具17の筐体における他端側を開いて電路孔に計測対象である所定の電路を配置した後に、筐体における他端側を閉じることとなる。
又、開閉型検知具17は、所定の電路を固定するストッパ等の固定部材を有していても良い。
【0167】
<分岐電路25>
図17、18に示したように、分岐電路25は、後述する発電装置23を、上述した系統盤22及び負荷Fに接続可能とする電路であり、例えば、その素材が電気機器用ビニル絶縁電線などであっても良い。
分岐電路25(換言すれば、発電接続機器24)は、上述した変圧器F1を介すことなく、負荷Fに配線用遮断器(MCCB)25’のみを介して接続しても良く、その他、主電路Mに接続可能とされても構わない(この場合、分岐電路25における電位は、主電路Mや系統Kにおける電位と同じ高電圧(6600Vや22000V等)となる)。
つまり、分岐電路25の一端側は、負荷Fに直接接続されたり、又は、主電路M(系統盤22と負荷Fの間の何れかの箇所の電路)に接続され、分岐電路25の他端側は、発電装置23の出力側(変圧器3の出力側(低圧側))に接続されても良い。尚、分岐電路25は、1つの発電プラント21において、複数存在しても良い。
【0168】
<電機器11、逆電力G、受電力J>
図17、18に示したように、電機器11は、逆電力Gを計測し、計測した逆電力Gが所定の閾値より大きければ、リレー動作を行う機器であると言える。
ここで、逆電力Gとは、上述したように、発電プラント21において、接続部22から系統Kへ逆流する電力であり、逆流電力Gとも言える。
電機器11で計測される逆電力Gが所定の閾値より大きくなると(謂わば「逆電力発生状態C1」になると)、後述する制御部4によって、リレー動作として、後述する発電装置23から系統Kまでの何れかの遮断器(発電遮断器25’や系統遮断器22a等)を遮断し、又は、後述するパワーコンディショナ2の変換を停止しても良い。
尚、電機器11で所定の閾値より大きい逆電力Gが計測された際、上述した遮断器をハードウェア的に(例えば、引外しトリップコイル等を介して)遮断する場合、当該電機器11自体が、後述する制御部4であるとも言える。
【0169】
又、図17、18に示したように、電機器11は、逆電力Gと共に受電力Jも計測する機器であると言える。
ここで、受電力Jとは、上述した系統Kから系統盤22へ受電される電力であり、受電電力(買電力)Jとも言える。
【0170】
<発電接続機器24における他の機器>
発電力計は、発電力Hを測定する電力計であって、発電接続機器24として備えられていても良い。
ここで、発電力Hとは、後述する発電装置23から出力される電力であり、発電電力Hであるとも言える。
【0171】
発電力計は、発電力Hを測定できるのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、上述した系統盤22に内蔵された計器用変成器22bの低圧側と接続可能で、且つ、分岐電路25に設けられた後述する発電変成器の出力側と接続されていても良い。
このような発電力計は、例えば、後述する発電変成器に接続された過電流継電器(OCR、Over Current Relay、謂わば、発電OCR)や、この過電流継電器に接続された電流計(謂わば、発電電流計)、この電流計の出力側と上述した計器用変成器22bの低圧側に接続された電力計(狭義の発電力計とも言える)、この電力計からの測定値をデジタル化等して制御部4へ出力する出力部も有する構成であっても良い。
【0172】
発電力計で測定される発電力Hの値と、上述した電機器11で測定される受電力Jに基づいて、後述する制御部4によって、後述するパワーコンディショナ2からの出力が制御される。
尚、後述する発電装置23における変圧器3の出力側(高圧側)と、上述した分岐電路25が接続されることとなり、この場合、変圧器3からの出力である発電力計の測定値を、発電装置23から出力される発電力Hとする(とみなす)こととなる。
又、制御部4が後述する配電システム1等の内部に設けられている場合は、発電力計で測定された発電力Hの値は、通信ケーブル11A等による有線か、無線によって、制御部4へ出力されても良い。
【0173】
発電遮断器25’は、分岐電路25(つまり、発電装置23と系統Kの間)を遮断する高圧交流負荷開閉器(LBS、Load Break Switch )等の遮断器である。
発電遮断器25’は、分岐電路25を遮断するのであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、メンテナンス性の向上のため、前後方向に回動可能となっていても良く、後述する制御部4(又は、電機器11)からの信号によって、後述するコンデンサ引き外し電源装置や、引外しトリップコイル等を介して、遮断する構成としても良い。
この発電遮断器25’や上述した系統遮断器22a等を遮断することで、発電装置23から発電力Hが出力されなくなる、又は、系統盤22から系統Kへ電流が流れ込まなくなるとも言える。
【0174】
発電接続機器24には、その他、コンデンサ引き外し電源装置や、ケーブルブラケットが設けられていても良い。
更に加えて、発電接続機器24には、不足電力継電器が設けられていても良い。
【0175】
発電接続機器24におけるコンデンサ引き外し電源装置(CTD、Condenser Trip Device )は、交流入力電圧を整流しコンデンサに放電した際のエネルギーを利用して、高圧交流負荷開閉器や真空遮断器などの引き外しを行う装置であって、このコンデンサ引き外し電源装置によって、上述した発電遮断器25’で分岐電路25の遮断が行われる。
この場合、コンデンサ引き外し電源装置は、後述する制御部4(又は、電機器11)からの信号を受けて、発電遮断器25’によって分岐電路25を遮断していると言える。
【0176】
<電機器11、不足電力U>
電機器11は、上述したように、リレー部13を2つ備えているため、主電路Mにおける不足電力Uも計測し、計測した不足電力Uが0に近づくと、リレー動作を行う機器としても兼用できる。
ここで、不足電力Uとは、上述したように、系統K側において短絡(ショート)が起こった際に、系統盤(接続部)22での受電力Jの不足分を表す電力であって、上述した発電装置23からの発電力Hが大きくなり過ぎると、不足電力は0に近づくとも言える。
電機器11で計測される不足電力が0に近づくと(謂わば「不足電力略零状態C2」になると)、後述する制御部4によって、上述したパワーコンディショナ2の変換を停止し、又は、上述した発電装置23から系統Kまでの電路における何れかの遮断器(発電遮断器25’や系統遮断器22a等)を遮断しても良い。
尚、電機器11で計測される不足電力が0に近づいた際、上述した遮断器をハードウェア的に(例えば、引外しトリップコイル等を介して)遮断する場合、当該電機器11自体が、後述する制御部4であるとも言える。
ここで、本発明における「不足電力Uが0(ゼロ)に近づく」とは、不足電力Uが、「0W(ワット)より大きく(つまり、0Wを含まない)」且つ「0W近傍の値以下となる」ことを意味し、本発明における「0W近傍の値」とは、0Wより大きい値であれば良く、電機器11の分解能に応じたり、所定の不足電力の値に設定する等をしても構わず、例えば、1kW(1000W)や1W、1mW、1μWなどであっても良い。
【0177】
<発電装置23>
図17、18に示したように、本発明に係る発電装置23は、発電を行う装置であって、その出力側が、上述した発電接続機器24や電機器11を介して、上述した接続部(系統盤)22及び負荷Fに接続可能な装置である。
発電装置23は、発電を行うのであれば、その構成に特に限定はないが、例えば、後述する太陽電池26’にて発電する太陽光発電装置23’であったり、風力、波力(潮力)、水力、火力、地熱等によって回転されるモータ(発電機)にて発電する装置(風力発電プラント等)、電力を発生し得る装置であれば、太陽電池26’だけを意味するなど何れであっても良い。
【0178】
尚、風力発電プラント等におけるモータは、交流モータや直流モータの何れでも構わない。
発電装置23は、発電部26と、パワーコンディショナ2と、変圧器3と、制御部4を備えていても良い。
【0179】
このような発電装置23は、発電接続機器24や電機器11を介して、上述した系統盤22及び負荷Fに接続される。
以下、発電装置23は、主に太陽光発電装置23’であるとして述べる。
【0180】
<太陽光発電装置23’など>
図17、18に示したように、太陽光発電装置23’は、上述した発電プラント21を有する他に、後述するパワーコンディショナ2や変圧器3、配電フレーム枠体6等を備えた配電システム1を有していても構わない。
太陽光発電装置23’においては、上述した配電システム1が、上述した発電接続機器24や電機器11、系統盤22、配電ケーブル等を介して、鉄塔や電柱等を末端とする系統Kに接続されている。
【0181】
太陽光発電装置23’は、太陽電池26’や配電システム1などを、それぞれ複数有していても良い。
更に、太陽電池26’が複数の場合、太陽光発電装置23’は、複数の太陽電池26’のうち所定数ごとと導通する複数の接続箱(遮断器等付き)を有していても構わず、各配電システム1は、これら複数の接続箱と導通することとなるが、この接続箱の機能が配電システム1に内蔵されていても良く、この場合、各配電システム1は、複数の太陽電池26’のうち所定数ごとと直接導通することとなる。
【0182】
太陽電池26’、配電システム1等は、設置する土地の広さ・形状に応じて配列するが、例えば、1つの配電システム1(各パワーコンディショナ2当たり)の発電力を、例えば、100kW以上180kW以下としたり、50kW以上120kW以下、30kW以上50kW以下(又は、50kw未満)とし、この配電システム1を複数台設けた太陽光発電装置23’としても良い。
尚、配電システム1としての重量も、特に限定はないが、例えば、0.1トン以上5.0トン以下、つまり、100kg以上5000kg以下であっても良く、好ましくは150kg以上2000kg以下、更に好ましくは200kg以上1000kg以下(350kgなど)であっても構わない。
以下、太陽光発電装置23’をはじめとする発電装置23の発電部26は、主に太陽電池26’であるとして述べる。
【0183】
<発電部26>
図17、18に示したように、発電部26は、実際に発電を行う部分であって、発電装置23が太陽光発電装置23’であれば、太陽電池26’が発電部26であり、発電装置23が風力等によって回転されるモータにて発電する風力発電プラント等であれば、モータが発電部26である。
【0184】
<太陽電池26’>
図17、18に示したように、太陽電池26’は、パネル状(平板状)等であっても良く、光が照射されることによって、正極(+極)と負極(-極)の間に直流電力を発生し、発生する電力の平均は、100W以上400W以下(例えば、250W)である。
これらのうち、ある太陽電池26’の+極に別の太陽電池26’の-極を接続し、別の太陽電池26’の+極にまた別の太陽電池26’の-極を接続し、以下、これを繰り返して、複数枚(例えば、5~20枚)の太陽電池26’を直列に接続して、1本の太陽電池ストリングとなる。
【0185】
このように、複数枚の太陽電池26’が直列に繋がった太陽電池ストリング全体としての+極(電力出力端)と、-極(グランド端)の間の電圧は、各太陽電池26’で発生された直流電圧の和であって、天候、時刻や、各太陽電池26’の劣化、故障、設置位置のズレなどで変動するが、200V以上1500V以下となる。
又、太陽電池ストリングの電力出力端から出力される電力は、各太陽電池26’の電力の和であって、500W以上6000W以下(例えば、出力電力が250Wの太陽電池26’を14枚接続した場合、3500W=3.5kW)となる。
【0186】
ここで、太陽電池26’を直列に接続するということは、それらの太陽電池26’のうち1つでも不具合のある太陽電池26’が発生すると、その太陽電池26’において電流が遮断されてしまい、他の太陽電池26’により発電された電力を出力することが困難となる。
そのため、直列に接続された太陽電池26’ごとに、バイパスダイオード(図示省略)を設けることで、不具合の発生した太陽電池26’を、電流が、バイパス(迂回)するように構成される。
【0187】
尚、このバイパスダイオードは、太陽電池26’に対して、その-極から+極へ電流が流れる向きに並列に接続され、詳しくは、バイパスダイオードのカソード(陰極)が、太陽電池26’の+極に接続され、バイパスダイオードのアノード(陽極)が、太陽電池26’の-極に接続される。
このような太陽電池26’は、架台を介して設置面に設置されていても良い。
【0188】
太陽電池26’(又は架台)の設置面は、上述した太陽光発電装置23’自体を設置する設置面のことであって、太陽電池26’を設置できるのであれば、何れの面であっても良いが、例えば、ゴルフ場跡地や山間部の土地、空き地、休耕地、農地等、土のある地面、建物の屋根や屋上、壁等であっても良い。
尚、太陽電池26’の設置面は、上述した系統盤22の設置面や、負荷Fと同じ設置面であったり、系統盤22や負荷Fとは異なる設置面であっても良い。
又、架台は、太陽光発電装置23’の発電量を上げるため、太陽電池26’を所定方向(例えば、南へ行くほど低くなるよう)に傾けて支持しても良く、その角度は、十分な発電量を得られるのであれば、何度でも良いが、例えば、10度や5度などである。
【0189】
<制御部4>
図1~8、17、18に示されたように、制御部4は、上述したパワーコンディショナ2や、後述する接続部(系統盤)22を制御する部分である。制御部4は、例えば、上述した配電システム1であれば、キャビネット5内に設けられたスマートロガーなどや、その他、シーケンサ等であっても良い。
制御部4は、後述する系統Kから系統盤22へ受電される受電力Jと、上述した発電装置23から出力される発電力Hとの和を、負荷Fの消費電力Dであるとして、発電装置23から出力される発電力H(パワーコンディショナ2の出力とも言える)を制御する。
尚、制御部4は、パワーコンディショナ2の出力を制御する(パワーコンディショナ2に出力目標値を与える)際には、上述した変圧器3における変圧ロス(昇圧ロスとも言える)等の電力ロス分を考慮して、実際の発電力H(発電力計12が設けられた変圧器3の高圧側(出力側)における電力)の目標値である発電目標値THより、少し高めの出力目標値をパワーコンディショナ2に与えても良い。
又、制御部4がパワーコンディショナ2に出力目標値を与える時間間隔(目標付与間隔)は、所定の時間毎に与えられていても(所定の目標付与間隔でも)良いが、例えば、0.1秒毎や0.25秒毎、1秒毎、5秒毎など、目標付与間隔が0.1秒以下であったり、0.05秒であっても構わない(ここで、目標付与間隔は、後述するサンプリングタイムより長い又は同じ長さであっても良い)。
【0190】
又、制御部4は、上述した電機器11で計測される逆電力Gが所定の閾値より大きくなると(つまり、「逆電力発生状態C1」になると)、上述したパワーコンディショナ2の変換を停止したり、上述したパワーコンディショナ2から系統Kまでの電路における何れかの遮断器(発電遮断器25’や系統遮断器22a等)を遮断しても良い。
この他、制御部4は、上述した電機器11で計測される不足電力Uが0に近づくと(つまり、「不足電力略零状態C2」になると)、上述したパワーコンディショナ2の変換を停止したり、上述したパワーコンディショナ2から系統Kまでの電路における何れかの遮断器(発電遮断器25’や系統遮断器22a等)を遮断しても良い。
【0191】
尚、パワーコンディショナ2の変換を停止した場合には、当該変換停止を再開する際に、パワーコンディショナ2からの出力を系統Kの電圧及び位相等に合わせる必要はないため、パワーコンディショナ2から系統Kまでの電路における何れかを遮断した場合と比べて、発電プラント21の復帰がより短時間で・より手間なく行うことが可能となる(システム復帰の短時間化・容易化」)とも言える。
この他、制御部4は、逆電力発生状態C1になった際に発電遮断器25’等の遮断器をハードウェア的に遮断する場合、当該逆電力継電器10が制御部4に含まれるとも言える。 これは、上述したように、不足電圧継電器で不足電圧が検知された際に遮断器をハードウェア的に遮断する場合や、過電圧継電器で過電圧が検知された際に遮断器をハードウェア的に遮断する場合、不足周波数継電器で不足周波数が検知された際に遮断器をハードウェア的に遮断する場合、過周波数継電器で過周波数が検知された際に遮断器をハードウェア的に遮断する場合も同様で、これら不足電圧継電器や、過電圧継電器、不足周波数継電器、過周波数継電器が、制御部4に含まれるとも言える。
【0192】
制御部4は、受電力Jと発電力Hとの和を消費電力Dとして、パワーコンディショナ2を制御するのであれば、何れの制御方法であっても良いが、例えば、以下に示す式(1)や式(2)に基づいて発電力Hの目標上限値(発電目標上限値)THmax を導出しても良い。
尚、式(1)や式(2)においては、受電力Jや発電力H、制限係数A(負荷電力Dに相当する受電力Jと発電力Hの和にかける制限係数A)、変動対応定数Bが、それぞれ時刻tによって変化するものとして、受電力をJ(t)、発電力をH(t)、制限係数A(t)、変動対応定数をB(t)としていて、これらのうち、受電力J(t)、発電力H(t)、変動対応定数B(t)それぞれの単位はkW等としている。
【0193】
【数1】
【0194】
【数2】
【0195】
ここで、受電力J(t)や発電力H(t)は、上述した電機器11や発電力計等によって、所定の時間毎に測定されていても(所定のサンプリングタイムでも)良いが、例えば、0.1秒毎や0.25秒毎、1秒毎、5秒毎など、サンプリングタイムが0.1秒以下であったり、0.05秒以上2.00秒以下や、0.75秒以上1.50秒以下、0.10秒以上1.00秒以下であっても構わない。
制限係数A(t)は、特に限定はないが、例えば、0以上1以下の値(つまり、0%以上100%以下、90%や95%、98%、99%、100%等や、80%以上100%以下や、90%以上100%以下、95%以上100%以下など)であっても良く、変動対応定数B(t)も、特に限定はないが、例えば、0kW以上20kW以下であっても構わない。
尚、制限係数A(t)を99%以上100%以下(例えば、99.0%や99.5%、99.8%、99.9%など)としたり、制限係数A(t)を極力100%に近づけることが出来れば、受電力(買電する電力)Jが極力抑えられ(経費が低減でき)て望ましい。
【0196】
尚、制限係数A(t)や変動対応定数B(t)は、所定のサンプリングタイムごとに細かく変化させずとも良く、例えば、大まかな区間ごと(1時間ごとや30分ごと)に所定の値としても良く、より具体的には、一日のうち「午前0時から午前9時まで」と「午後5時から午後12時まで」は、A(t)=1.00(100%)、B(t)=0kW等とし、「午前9時から午後5時まで」はA(t)=0.90(90%)、B(t)=10kW等としても良い。
このような制御部4は、実際にパワーコンディショナ2から出力される発電力Hが、上述した式(1)や式(2)にて導出した発電目標上限値THmax となるように、最大電力点追従制御(MPPT(Maximum Power Point Tracking)Control )等を行っていても良い。
【0197】
<発電力Hの目標値(発電目標値)TH>
一方、図4に示したように、制御部4にて、負荷電力Dに極力近い発電力Hや、負荷電力Dと同じ値の発電力Hを発電装置23で発電させて(制限係数A(t)を99%以上100%以下としたり、制限係数A(t)を極力100%に近づけて)発電力Hの制御を行っている場合には、負荷電力Dが低下した際に、パワーコンディショナ2を制御して発電力Hを下げる発電目標値THを与えても、実際の発電力Hはすぐに下がらない(発電力Hの低下が遅れる)ため、遅れた分だけ、発電力Hが負荷電力Dより大きくなり、逆電力Gが発生する(負荷Fで消費できない電力が系統Kに流れる)ことを抑制する必要がある。
又、発電遮断器25’等による遮断を行った後に、再び接続する際に、パワーコンディショナ2からの出力を系統Kの電圧及び位相等に合わせる必要が出てくる手間と時間がかかるため、結果的に、全体として発電力H(発電できる電力量)が減ることとなり、極力発電遮断器25’等による遮断を行わずに済むように、制御部4で発電力H(パワーコンディショナ2)を制御することが望ましい。
【0198】
そこで、制御部4は、発電力Hを下げる際には、当該発電力Hをゼロとする値、及び/又は、当該発電力Hを下げる際における負荷Fの消費電力(負荷電力)Dより低い値を、一旦は当該発電力Hの目標値(発電目標値)THとしても良い。
このように制御部4で制御することで、実際の発電力Hの低下が遅れず、発電力Hが負荷Fの消費電力Dより大きくなり難くなるため、逆電力Gの発生(負荷Fで消費できない電力が系統Kに流れること)を抑制できる。
【0199】
このような制御部4による制御を、より具体的に述べれば、例えば、制御部4は、約15秒遅れるうち、最初の数秒間(5秒間など)だけ、発電力Hをゼロとする値を、一旦は発電目標値THとして、パワーコンディショナ2等を制御(「ゼロ目標値制御」)して、その後(約10秒間など)は、1秒毎に測定される受電力Jと発電力Hの和から算出した負荷電力Dそのものを、発電目標値THとして、パワーコンディショナ2等を制御しても良い。
尚、ゼロ目標値制御をする時間は、当然、最初の5秒間だけに限定されず、最初の1秒間のみであったり、最初の3秒間や7秒間など、0.1秒間以上10.0秒間以下であっても良い。
【0200】
その他、例えば、制御部4は、約15秒遅れるうち、最初の数秒間(5秒間など)だけ、発電力Hを下げる際における負荷電力Dより低い値を、一旦は発電目標値THとして、パワーコンディショナ2等を制御(「低目標値制御」)して、その後(約10秒間など)は、1秒毎に測定される受電力Jと発電力Hの和から算出した負荷電力Dそのものを、発電目標値THとして、パワーコンディショナ2等を制御しても良い。
尚、低目標値制御をする時間は、当然、最初の5秒間だけに限定されず、最初の1秒間のみであったり、最初の3秒間や7秒間など、0.1秒間以上10.0秒間以下であっても良い。
又、発電目標値THとする「発電力Hを下げる際における負荷電力Dより低い値」は、負荷電力Dより低ければ、特に限定はないが、例えば、各サンプリングタイム毎に測定した負荷電力D(受電力Jと発電力Hの和)の1%以上99%以下、好ましくは5%以上95%以下、更に好ましくは10%以上90%以下(20%、50%、70%など)であっても良い。
【0201】
その他、上述したゼロ目標値制御と低目標値制御を組み合わせても良く、例えば、制御部4は、約15秒遅れるうち、最初の数秒間(5秒間など)だけ、ゼロ目標値制御をして、その後(約10秒間など)は、低目標値制御をしても構わない。
尚、ゼロ目標値制御をする時間は、当然、最初の5秒間だけに限定されず、最初の1秒間のみであったり、最初の3秒間や7秒間など、0.1秒間以上10.0秒間以下であっても良く、その後の低目標値制御をする時間は、当然、最後の約10秒間だけに限定されず、最後の約14秒間であったり、最後の約12秒間や約8秒間など、約5秒間以上約14秒間以下であっても構わない。
【0202】
ここで、ゼロ目標制御や低目標値制御を行うタイミング(きっかけ)は、負荷電力D(受電力Jと発電力Hの和)が、急に受電力Jの2%以上10%以下(例えば、2%より大きい)変化(又は低下)した際に、ゼロ目標値制御や低目標値制御を始めることとしても良い。
制御部4は、発電プラント21内であれば、何れに設けられていても良いが、例えば、上述した配電システム1に設けられていても良い。
【0203】
<第2実施形態の発電プラント21>
図19、20は、本発明の第2実施形態に係る発電プラント21を示している。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、容量が300kVA以下の高圧受電を行うLBS受電タイプ(高圧遮断器(VCB)22aの代わりに、高圧交流負荷開閉器(LBS)22a’を有すると同時に、断路器22e、計器用変流器22f、高圧交流負荷開閉器F2等を有さないタイプ)である点である。
【0204】
又、第2実施形態では、電機器11におけるセンサ部15(開閉型検知具17)が、接続部(系統盤)22における計器用変流器22fの出力側(2次側)ではなく、直接、系統Kから負荷Fまでの主電路M(特に、系統盤22内で計器用変圧変流器22hと系統Kの間の電路)に取り付けられている点も、第1実施形態とは異なっている。
その他の発電プラント21や、電機器11、配電システム1、発電装置23、発電接続機器24、発電部26、パワーコンディショナ2、変圧器3、制御部4、キャビネット5等の構成、作用効果や使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0205】
<第3実施形態の発電プラント21>
図21、22は、本発明の第3実施形態に係る発電プラント21を示している。
この第3実施形態において第1、2実施形態と最も異なるのは、容量が50kW未満の低圧動力受電タイプ(高圧遮断器(VCB)22aや、高圧交流負荷開閉器(LBS)22a’、計器用変圧変流器22hの代わりに、配線用遮断器(MCCB)22a”、取引用メータ22h’を有すると同時に、零相検出器22z、地絡過電圧継電器33、降圧変圧器F1等を有さないタイプ)である点である。
【0206】
又、第3実施形態では、計器用変圧変流器22hと系統Kの間の電路において、柱上変圧器(降圧変圧器)K’を有していると同時に、電機器11におけるセンサ部15(開閉型検知具17)が、計器用変圧変流器22hと配線用遮断器(MCCB)22a”の間の電路に取り付けられている点等も、第1、2実施形態とは異なっている。
その他の発電プラント21や、電機器11、配電システム1、発電装置23、発電接続機器24、発電部26、パワーコンディショナ2、変圧器3、制御部4、キャビネット5等の構成、作用効果や使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
【0207】
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。配電システム1や、発電プラント21、変圧器3、キャビネット5等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
配電システム1のパワーコンディショナ2や変圧器3は、平面視において当該パワーコンディショナ2及び変圧器3の少なくとも3方向側がシステム外部へ開放されるのであれば、上述した配電フレーム枠体6以外の支持する部材で支持されていても良く、例えば、配電フレーム板体で支持されたり、その他、略直方体状の支持する部材などで支持されても構わない。
配電システム1は、制御部4や、キャビネット5、屋根材6e、電機器11を有していなくとも良い。
【0208】
パワーコンディショナ2、変圧器3及びキャビネット5それぞれは、長手方向L、L’、L”を有さない平面視形状(略正方形状や、略円形状等)であっても良い。
変圧器3は、パワーコンディショナ2からの交流電流をより高圧な交流電流に変圧(昇圧)しても良く、この場合、変圧器3は、謂わば、昇圧変圧器であると言える。
変圧器3(つまり、配電システム1)は、基礎の上に据え付けられても良い。この場合、基礎は、コンクリート製や、鋼材(H鋼)製など何れの素材でも良く、その形状も、一様な厚みを持つベタ基礎や、変圧器3の下方に空間を形成するよう凹み等を有したゲタ基礎であっても構わない。
尚、変圧器3の基礎がゲタ基礎である場合、変圧器3の切欠3bに加え、ゲタ基礎の凹みと変圧器3の変圧筒体3aの下部開口からも、より多くの空気が変圧筒体3a内部に流入するため、更に冷却性が向上する。
【0209】
変圧器3の変圧筒体3aは、その前面下部に切欠3bが形成されていなくとも良く、又、切欠3bは、変圧筒体3aの前面下部以外の場所(例えば、変圧筒体3aの左側面下部や、右側面下部、後面下部など)に形成されていても構わない。
変圧器3の上蓋3cの上面にフックやリング等の吊下部材が設けられていなくとも良い。
変圧器3の変圧筒体3aは、その側面(右側面)後下部や前面下部に、ケーブル孔3dが設けられていなくとも良く、この場合、変圧器3の切欠3bからケーブルを引き込む等しても構わない。
又、ケーブル孔3dは、変圧筒体3aの別の場所に設けられていても良い。
【0210】
実施例1の変圧器3は、実施例2の変圧器3におけるベース3fを有していても良い。
実施例2の変圧器3は、遮熱板3gと取付板3hのうち、少なくとも1つを有していても良い。
実施例1、2の変圧器3は、そのカバー体3Qが、上述した変圧筒体3aや上蓋3c、ベース3f全てから構成されていても良いが、これら変圧筒体3a、上蓋3c、ベース3fの少なくとも1つから構成されていても構わない。
更に、実施例1、2の変圧器3のカバー体3Qは、変圧筒体3a、上蓋3c、ベース3fが、それぞれに分離可能であっても良いし、逆に、これら変圧筒体3a、上蓋3c、ベース3fが一体となっていても構わない。
尚、実施例1、2の変圧器3のカバー体3Qは、上述した変圧筒体3a、上蓋3c、ベース3fの部材以外に、鉄心3Xやコイル3Y、端子等を覆う別の部材(例えば、底板など)を含んでいても良い。
実施例1、2の変圧器3における上蓋3cは、その上面に遮熱塗装が施されていても良い。
【0211】
制御部4は、キャビネット5内に設けられていなくとも良く、例えば、パワーコンディショナ2のパワコン筐体内や、変圧器3の変圧筒体3a内に設けられていても構わない。
キャビネット5は、前面に開閉扉5aを有さずとも良く、又、キャビネット5の前面、左側面、後面、右側面等の何れか1つの面に開閉扉5aを有していても構わない。
キャビネット5の内部には、発電力計も設けられていても良い。
【0212】
電機器11は、上述したセンサ部15を備えておらず、センサ部15以外の部材(例えば、機器筐体14内の部材など)によって、所定の電路における電流を検知しても良い。
電機器11は、上述した出力部を有していなくとも良い。
電機器11は、買電盤などの系統盤22の他、特高盤(特高設備)、高圧盤(高圧設備)、低圧盤(低圧設備)、監視盤(監視設備)、制御盤(制御設備)、変電盤(変電設備)、ビルやマンション向け設備や、受電盤(特に、既存の受電盤)、照明分電盤に設けられていても良く、これらの盤は、電機器11が設けられたそれらの盤支持体(盤筐体や、盤フレーム体)を有した本発明に係る盤であるとも言える。
【0213】
電力計測部12が計測する電力とは、系統Kから接続部22を介して負荷Fまでの主電路Mにおける逆電力Gや、不足電力U、受電力(買電力)J以外に、発電装置232から出力される発電力H(主電路M以外の電路における発電力H)であっても良く、その他、負荷Fが消費する負荷電力D(主電路M以外の電路における負荷電力D)であっても構わない。
センサ部15は、上述したセンサ電路16と開閉型検知具17を必ずしも備えていなくともよく、特に検知具については、開閉しない検知具などであっても良い。
発電プラント21は、蓄電池や燃料電池、ガソリン等の燃料で動く発電機などを有しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0214】
本発明の配電システムは、自家消費型の太陽光発電装置などに対して、その発電量や規模に関わらず利用でき、自家消費型の太陽光発電装置以外に、自家消費型でない太陽光発電装置や、風力、水力、波力、地熱等によって回転される発電機(交流モータ等)によって発電する装置において使用でき、屋外・屋内を問わず利用可能である。
本発明の発電プラントは、自家消費型の太陽光発電装置などに対して、その発電量や規模に関わらず利用でき、自家消費型の太陽光発電装置以外に、自家消費型でない太陽光発電装置や、風力、水力、波力、地熱等によって回転される発電機(交流モータ等)によって発電する装置において使用でき、屋外・屋内を問わず利用可能である。
本発明の変圧器は、自家消費型の太陽光発電装置などに対して、その発電量や規模に関わらず利用でき、自家消費型の太陽光発電装置以外に、自家消費型でない太陽光発電装置や、風力、水力、波力、地熱等によって回転される発電機(交流モータ等)によって発電する装置において使用でき、屋外・屋内を問わず利用可能である。
本発明のキャビネットは、自家消費型の太陽光発電装置などに対して、その発電量や規模に関わらず利用でき、自家消費型の太陽光発電装置以外に、自家消費型でない太陽光発電装置や、風力、水力、波力、地熱等によって回転される発電機(交流モータ等)によって発電する装置において使用でき、屋外・屋内を問わず利用可能である。
【符号の説明】
【0215】
1 配電システム
2 パワーコンディショナ
3 変圧器
3a 変圧器の変圧筒体(変圧器のカバー体)
3c 変圧器の上蓋(変圧器のカバー体)
3e 変圧器のキャビネット電路(変圧出力電路)
3f 変圧器のベース(変圧器のカバー体)
3g 変圧器の内部の遮熱板(中間板状部材)
3h 変圧器の内部の取付板(中間板状部材)
3Q 変圧器のカバー体
3X 変圧器の鉄心
3Y 変圧器のコイル
4 制御部
5 キャビネット(キャビネットの一部は中間板状部材)
21 発電プラント
22 接続部(系統盤)
25 分岐電路(変圧出力電路)
25’ 配線用遮断器(変圧出力電路を遮断可能な遮断器)
26 発電部
35 制御部用遮断器(変圧出力電路を遮断可能な遮断器)
K 系統
F 負荷
V 変圧出力電路
W 変圧出力電路を遮断可能な遮断器
P 中間板状部材
α 遮断機-鉄心・コイル距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22