(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】電極組立体の積層不良の検出方法、絶縁部材を含む電極組立体及びそれを含む電池セル
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0585 20100101AFI20240527BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20240527BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20240527BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240527BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240527BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M4/13
H01M50/586
H01M10/052
H01M50/593
(21)【出願番号】P 2022526272
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(86)【国際出願番号】 KR2021012953
(87)【国際公開番号】W WO2022075637
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0129936
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ウ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ス・ヒョン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ドン・シク・ユン
【審査官】川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-054587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/00 -10/39
H01G 11/00 -11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極一面
の両側端部のオーバーハング領域に1~500μmの幅と1~500μmの高さを有する絶縁部材を形成するステップと、
負極の一面に分離膜と正極を順次に積層して電極組立体を製造するステップと、
電極組立体の厚さを測定して、電極組立体の積層不良の可否を判断するステップとを含み、
前記絶縁部材が形成された領域を除いた負極の幅W1は、正極の幅W2と対応するか、または正極の幅W2より大きく、
前記オーバーハング領域は、負極が正極を覆うときに正極とは重ならない負極の領域である、電極組立体の積層不良の検出方法。
【請求項2】
絶縁部材を形成するステップは、負極一面の両側端部のオーバーハング領域にそれぞれ、第1絶縁部材及び第2絶縁部材を形成する工程を含む、請求項
1に記載の電極組立体の積層不良の検出方法。
【請求項3】
第1絶縁部材及び第2絶縁部材の間隔Lは、正極の幅W2と対応するか、又は正極の幅W2より大きい、請求項
2に記載の電極組立体の積層不良の検出方法。
【請求項4】
電極組立体の積層不良の可否を判断するステップは、電極組立体の厚さが負極、分離膜及び正極の各厚さの合計を超える場合、積層不良の電極組立体として判断する工程を含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の電極組立体の積層不良の検出方法。
【請求項5】
電極組立体の積層不良の可否を判断するステップは、電極組立体の厚さが負極、分離膜及び正極の各厚さの合計と対応する場合、正常の電極組立体として判断する工程を含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の電極組立体の積層不良の検出方法。
【請求項6】
電極組立体は、正極/負極/正極構造のバイセル又は正極/負極構造のモノセル単位を1つ以上含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の電極組立体の積層不良の検出方法。
【請求項7】
負極と正極との間に分離膜が介在する電極組立体であって、
前記負極は、負極一面
の両側端部のオーバーハング領域に1~500μmの幅と1~500μmの高さを有する絶縁部材が形成された構造を有し、
前記絶縁部材が形成された領域を除いた負極の幅W1は、正極の幅W2と対応するか、または正極の幅W2より大きく、
前記オーバーハング領域は、負極が正極を覆うときに正極とは重ならない負極の領域である、電極組立体。
【請求項8】
請求項
7に記載の電極組立体を含む電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体の積層不良の検出方法、絶縁部材を含む電極組立体、およびそれを含む電池セルに関するものである。
【0002】
本出願は、2020年10月08日付の韓国特許出願第10-2020-0129936号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、充放電の可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広く使用されている。また、二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両、ディーゼル車両などに起因する大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車、ハイブリッド電気自動車などのエネルギー源としても注目されている。したがって、二次電池を使用するアプリケーションの種類は、二次電池の長所に起因して非常に多様化しており、今後は今よりも多くの分野と製品に二次電池が適用されると予想される。
【0004】
このような二次電池は、電極と電解液の構成によってリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池などに分類されることもあり、そのうち電解液の漏液の可能性が少なく、製造が容易なリチウムイオンポリマー電池の使用量が増えている。一般的に、二次電池は、電池ケースの形状に応じて、電極組立体が円筒形または角形の金属缶に内蔵されている円筒形電池および角形電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池とに分類され、電池ケースに内蔵される電極組立体は、正極、負極、及び上記正極と上記負極との間に介在する分離膜構造からなり充放電が可能な発電素子であって、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介して巻き取ったゼリーロール型と所定のサイズの多数の正極と負極を分離膜を介在させた状態で順次に積層したスタック型に分類される。
【0005】
このうち、電池の高容量化により、ケースの大面積化及び薄い素材への加工が多くの関心を集めており、これにより、スタック型又はスタック/折り畳み型電極組立体をアルミニウムラミネートシートのパウチ型電池ケースに内蔵した構造のパウチ型電池が低い製造費、小さな重量、容易な形態変形等を理由で、使用量が徐々に増加している。
【0006】
図1は従来の電極製造工程を示した模式図であり、
図2は電極組立体の構造を示す図面である。
【0007】
図1及び
図2を参照すると、従来の電極製造方法においては、集電体1上に電極活物質を含む電極スラリーを塗布して電極活物質2を形成し、それを乾燥及び圧延した後にノッチングして電極が製造された。正極の場合、正極集電体上に正極活物質を含む正極スラリーを塗布することによって製造され、負極の場合、負極集電体上に負極活物質を含む負極スラリーを塗布することによって製造され得る。
【0008】
このように製造された正極13及び負極14は分離膜15と交互に積層されて電極組立体12の形態に製造され、電池ケースの内部に内臓されることによって電池セル10が製造される。一方、正常的な電極組立体12は、負極14の横及び縦の長さが正極13の横及び縦の長さよりそれぞれ長く裁断されて、負極14が正極13を覆う構造を有する。しかし、電極組立体12の製造時に、正極13または負極14の配列が定位置から外れることによって、正極13の端部が負極14の端部を越える、電極組立体12の積層不良現象が発生する場合がある。すなわち、負極14のオーバーハング領域に正極のオーバーハング現象(A、B)が発生し得る。
【0009】
上述したように、電極組立体12の積層不良現象が発生する場合、正極13と負極14が直接的に接触するか、或いは充放電によって負極14から蓄積したリチウム析出物が正極と接触して、短絡などの問題が発生し得る。
【0010】
したがって、電極組立体の製造時に積層不良の可否を初期に検出し得る方法が必要であるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために、電極組立体の積層不良の可否を初期に検出し得る電極組立体の積層不良の検出方法、絶縁部材を含む電極組立体及びそれを含む電池セルを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、電極組立体の積層不良の検出方法を提供する。一例において、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法は、負極一面の一側または両側の端部のオーバーハング領域に所定の幅と高さを有する絶縁部材を形成するステップと、負極の一面に分離膜と正極を順次に積層して電極組立体を製造するステップと、電極組立体の厚さを測定して、電極組立体の積層不良の可否を判断するステップとを含む。
【0014】
一例において、上記絶縁部材を形成するステップは、負極一面の一側端部のオーバーハング領域に絶縁部材を形成する工程を含む。具体的な例において、上記絶縁部材が形成された領域を除く負極の幅W1は、正極の幅W2と対応するか、または正極の幅W2よりも大きい構造を有する。
【0015】
他の一例において、上記絶縁部材を形成するステップは、負極一面の両側端部のオーバーハング領域にそれぞれ第1絶縁部材および第2絶縁部材を形成する工程を含む。具体的な例において、上記第1絶縁部材および第2絶縁部材の間隔Lは、正極の幅W2と対応するか、または正極の幅W2よりも大きい構造を有する。
【0016】
また、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法において、電極組立体の積層不良の可否を判断するステップは、電極組立体の厚さが負極および分離膜、正極の各厚さの合計を超える場合、積層不良の電極組立体として判断する工程を含む。
【0017】
他の一例において、上記電極組立体の積層不良の可否を判断するステップは、電極組立体の厚さが負極、分離膜および正極の各厚さの合計に対応する場合、正常の電極組立体として判断する工程を含む。
【0018】
一方、上記電極組立体は、正極/負極/正極構造のバイセル(bi‐cell)又は正極/負極構造のモノセル(mono‐cell)単位を1つ以上含む構造であり得る。
【0019】
あわせて、本発明は電極組立体を提供する。一例において、本発明に係る電極組立体は、負極と正極との間に分離膜が介在する構造であり、上記負極は、負極一面の一側又は両側端部のオーバーハング領域に所定の幅と高さを有する絶縁部材が形成された構造を有する。
【0020】
さらに、本発明は、上記電極組立体を含む電池セルを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法、絶縁部材を含む電極組立体及びそれを含む電池セルは、負極のオーバーハング領域に絶縁部材を形成した後、電極組立体を製造し、上記電極組立体の厚さを測定することにより、電極組立体の積層不良の可否を容易に検出し得る。
【0022】
特に、電池セルの製造時に電解液の注液や、包装手続きの前に電極組立体の積層不良の可否を容易に検出し得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法を示したフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態において絶縁部材を含む電極組立体の積層構造を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態において絶縁部材を含む電極組立体の積層構造を示す断面図である。
【
図6】本発明の他の一実施形態において絶縁部材を含む電極組立体の積層構造を示す断面図である。
【
図7】本発明の他の一実施形態において絶縁部材を含む電極組立体の積層構造を示す断面図である。
【
図8】本発明の他の一実施形態において絶縁部材を含む電極組立体の積層構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるものであるところ、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものとして理解すべきである。
【0025】
本出願において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、またはそれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「真上」にある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるとする場合、それは他の部分の「真下」にある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本出願において「上に」配置されるということは、上部のみならず下部に配置される場合も含むものであり得る。
【0026】
本発明は、電極組立体の積層不良の検出方法、絶縁部材を含む電極組立体およびそれを含む電池セルに関するものである。
【0027】
一般的に、電極スラリーが塗布された正極と負極は、分離膜と交互に積層されて電極組立体の形態に製造され、ケースの内部に内蔵されることによって、電池セルが製造される。一方、通常的な電極組立体は、負極の横および縦の長さが正極の横および縦の長くよりそれぞれ長く裁断されて、負極が正極を覆う構造を有する。しかし、電極組立体の製造時に正極または負極の配列が定位置を外れることによって、正極の端部が負極の端部を越える電極組立体の積層不良現象が発生する場合がある。このような場合、正極と負極とが直接的に接触するか、或いは充放電によって負極から蓄積したリチウム析出物が正極と接触して短絡等の問題が発生し得る。
【0028】
そこで、本発明においては、電極組立体の積層不良の可否を初期に検出し得る電極組立体の積層不良の検出方法を提供する。特に、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法は、負極のオーバーハング領域に絶縁部材を形成した後、電極組立体を製造し、上記電極組立体の厚さを測定することによって、電極組立体の積層不良の可否を容易に検出し得る利点がある。
【0029】
以下、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法、絶縁部材を含む電極組立体及びそれを含む電池セルについて詳細に説明する。
【0030】
図3は、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法を示したフローチャートである。
【0031】
図3を参照すると、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法は、負極一面の一側または両側端部のオーバーハング領域に所定の幅と高さを有する絶縁部材を形成するステップ(S10)、負極の一面に分離膜と正極を順次に積層して電極組立体を製造するステップ(S20)、電極組立体の厚さを測定して、電極組立体の積層不良の可否を判断するステップ(S30)を含む。
【0032】
本発明において、「負極のオーバーハング領域」とは、負極の一側の端部または両側の端部における所定の幅領域を意味する。具体的には、電極組立体の製造時に、負極の横の長さ及び縦の長さは、正極の横及び縦の長さよりそれぞれ長く裁断されて負極が正極を覆う構造を有する。このとき、上記負極のオーバーハング領域は、負極が正極を覆うときに、正極を含まない負極の領域を意味する。さらに、上記オーバーハング領域は、負極の電極タブが配置された領域および/またはその反対領域の幅を意味し得る。
【0033】
本発明では、上記負極のオーバーハング領域に絶縁部材を形成した後に、負極、分離膜及び正極を順次に積層した電極組立体の厚さを測定し、上記電極組立体の積層不良の可否を判断し得る。具体的な電極組立体の積層不良の検出方法は後述する。
【0034】
一例において、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法は、負極一面の一側端部のオーバーハング領域に所定の幅と高さを有する絶縁部材を形成する工程を含む。具体的な例において、上記絶縁部材は、接着又はコーティングなどの工程を用いて、上記負極の一面に形成される。
【0035】
一例において、上記絶縁部材の幅は、1~500μmの範囲、5~300μmの範囲、10~100μmの範囲、または10~50μmの範囲であり得る。さらに、上記絶縁部材の高さは、1~500μmの範囲、5~300μmの範囲、10~100μmの範囲、10~40μmの範囲であり得る。ただし、上記絶縁部材の幅と高さはこれに限定されるものではない。上記絶縁部材の幅と高さは、電極組立体の製造時に積層される負極と正極の構造または大きさによって変わり得る。
【0036】
一方、上記絶縁部材の幅が大きすぎると、負極のオーバーハング領域を超えて形成され得るので、適切な幅を有することが好ましい。さらに、上記絶縁部材の高さが高すぎる場合、通常の電極組立体であるときでも、絶縁部材の高さも一緒に測定され得る。したがって、上記絶縁部材の高さは、正極または正極活物質層の高さを超えないことが好ましい。
【0037】
上記絶縁部材は電気的に安定な物質であることが好ましく、負極において、上記絶縁部材の領域は正常の電池セルで容量発現がない領域であり得る。上記絶縁部材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンおよびそれらのコポリマーまたはそれらの混合物を含み得る。例えば、絶縁部材は、ポリエチレンが負極の一側端部のオーバーハング領域で所定の幅と高さを有するようにコーティングして形成され得る。
【0038】
このとき、上記絶縁部材が形成された領域を除いた負極の幅W1は、正極の幅W2に対応するか、または正極の幅W2より大きい構造であり得る。これは、上記絶縁部材が負極のオーバーハング領域のみに配置されることを意味する。一般的に、負極の幅は正極の幅より大きい構造であるが、上記絶縁部材が形成された領域を除いた負極の幅W1が正極の幅W2より小さい構造である場合、絶縁部材が負極のオーバーハング領域を超えて形成された構造であり得る。さらに、絶縁部材が形成された領域を除いた負極の幅W1が正極の幅W2より小さい構造である場合、正極を負極の上部に積層する際、上記正極が絶縁部材の上部に積層されて電極組立体の積層不良が発生し得る。
【0039】
一方、負極の上部に正極を積層するとき、正極の一端部が、絶縁部材形成された負極のオーバーハング領域に配置されるか、或いは上記負極のオーバーハング領域を超えて配置される場合、電極組立体の積層不良として判断し得る。
【0040】
他の一例において、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法は、負極一面の両側端部のオーバーハング領域にそれぞれ、第1絶縁部材および第2絶縁部材を形成する工程を含む。
【0041】
このとき、第1絶縁部材及び第2絶縁部材の間隔Lは、正極の幅W2と対応するか、または正極の幅W2より大きい構造であり得る。第1絶縁部材及び第2絶縁部材の間隔Lは、絶縁部材が形成された領域を除いた負極の幅を意味する。上述したように、通常の負極の幅は、正極の幅より大きい構造であるが、上記絶縁部材が形成された領域を除いた負極の幅W1が正極の幅W2より小さい構造である場合、絶縁部材が負極のオーバーハング領域を超えて形成された構造であり得る。さらに、第1絶縁部材及び第2絶縁部材の間隔Lが正極の幅W2より小さい構造である場合、正極を負極の上部に積層するとき、上記正極が絶縁部材の上部に積層されて電極組立体の積層不良が発生し得る。
【0042】
一方、負極の上部に正極を積層するとき、正極の一端部が絶縁部材が形成された負極のオーバーハング領域に配置されるか、または上記負極のオーバーハング領域を超えて配置される場合、電極組立体の積層不良として判断し得る。
【0043】
一例において、本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法は、上記絶縁部材が形成された負極の一面に分離膜と正極を順次に積層して電極組立体を製造するステップ(S20)を含む。また、上記製造した電極組立体の厚さを測定して、製造された電極組立体の積層不良の可否を判断し得る。
【0044】
本発明に係る電極組立体の積層不良の検出方法は、電極組立体の厚さを測定して、電極組立体の積層不良の可否を判断するステップ(S30)を含む。
【0045】
一例において、上記電極組立体の積層不良の可否を判定するステップ(S30)は、電極組立体の厚さが、負極および分離膜、正極の各厚さの合計を超える場合、積層不良の電極組立体として判断する工程を含む。上述したように、本発明に係る負極は、一側端部のオーバーハング領域に絶縁部材が形成された構造である。もし、負極のオーバーハング領域に正極が積層される場合には、上記正極は絶縁部材の上部に積層されて、電極組立体の厚さ測定時に絶縁部材の厚さも共に測定され得る。これにより、積層不良の電極組立体の厚さは、負極、分離膜および正極の各厚さの合計を超えて測定され得る。すなわち、製造された電極組立体の厚さが、負極、分離膜及び正極の各厚さの合計を超える場合、積層不良の電極組立体として判断し得る。
【0046】
例えば、負極、分離膜、および正極の厚さがそれぞれ、80μm、20μmおよび100μmであるとき、製造された電極組立体の厚さが200μmを超えると、製造された電極組立体は積層不良の電極組立体である。
【0047】
他の一例において、電極組立体の積層不良の可否を判定するステップS30は、電極組立体の厚さが負極、分離膜及び正極の各厚さの合計に対応する場合、正常の電極組立体として判断する工程を含む。これは、正極が負極の上部に積層されるとき、絶縁部材が形成されない領域に積層されたことを意味する。
【0048】
例えば、負極、分離膜および正極の厚さがそれぞれ、80μm、20μmおよび100μmであるとき、製造された電極組立体の厚さが200μmであると、製造された電極組立体は正常の電極組立体である。
【0049】
一例において、上記電極組立体は、正極/負極/正極構造のバイセル(bi‐cell)または正極/負極構造のモノセル(mono‐cell)単位を一つ以上含み得る。具体的な例において、電極組立体は正極/分離膜/負極のモノセルであってもよく、上記モノセルは正極と負極との間に分離膜が介在しており、分離膜は正極及び負極より面積がされに大きくて、正極及び負極から突出される構造であり得る。
【0050】
上述したように、本発明は、積層された電極組立体の厚さの測定のみで、電極組立体の積層不良の可否を容易に検出し得る。
【0051】
特に、本発明によると、負極と正極を積層したのみでも、電極組立体の厚さの測定が可能であり、電解液の注液、パウチ/缶などの外装材の包装手続きの前に、電極組立体の積層不良の可否を容易に検出し得る。
【0052】
さらに、本発明は電極組立体を提供する。より具体的に、本発明は、負極と正極との間に分離膜が介在する電極組立体に関するものであって、上記負極は、負極の一面の一側または両側の端部のオーバーハング領域に所定の幅と高さを有する絶縁部材が形成された構造を有することを特徴とする。
【0053】
上述したように、負極には絶縁部材を含んでおり、電極組立体の製造時に積層不良の可否を初期に検出し得る。
【0054】
本発明において、正極は、正極集電体の一面または両面に正極合剤層が積層された構造である。一例において、正極合剤層は、正極活物質、導電材およびバインダー高分子などを含み、必要に応じて、当業界で通常的に使用される正極添加剤をさらに含み得る。
【0055】
上記正極活物質は、リチウム含有酸化物であってもよく、同じであっても異なっていてもよい。リチウム含有酸化物としては、リチウム含有遷移金属酸化物が使用され得る。
【0056】
例えば、上記リチウム含有遷移金属酸化物は、LixCoO2(0.5<x<1.3)、LixNiO2(0.5<x<1.3)、LixMnO2(0.5<x<1.3)、LixMn2O4(0.5<x<1.3)、Lix(NiaCobMnc)O2(0.5<x<1.3、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LixNi1-yCoyO2(0.5<x<1.3、0<y<1)、LixCo1-yMnyO2(0.5<x<1.3、0≦y<1)、LixNi1-yMnyO2(0.5<x<1.3、0≦y<1)、Lix(NiaCobMnc)O4(0.5<x<1.3、0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LixMn2-zO4(0.5<x<1.3、0<z<2)、LixMn2-zCozO4(0.5<x<1.3、0<z<2)、LixCoPO4(0.5<x<1.3)及びLixFePO4(0.5<x<1.3)からなる群から選択される、いずれか一つまたはこれらのうちの2種以上の混合物であり得る。そして、上記リチウム含有遷移金属酸化物は、アルミニウム(Al)などの金属や金属酸化物でコーティングされることもあり得る。また、上記リチウム含有遷移金属酸化物の他に硫化物(sulfide)、セレン化物(selenide)及びハロゲン化物(halide)のうちの1種以上が使用され得る。
【0057】
本発明に係る正極は、多様な形態のリチウム二次電池に適用可能であるが、好ましくは高出力の電池に活用可能である。本発明の正極活物質層は、高含量ニッケル(High-Ni)系NCM電池に適用される。
【0058】
具体的な例において、本発明に係る正極活物質層は、下記化学式1または化学式2の構造を有する活物質成分を含む。
【0059】
[化学式1]
Lix(NiaCobMnc)O2
(上記化学式1において、x、a、b およびcは、0.5<x<1.3、0.5<a<1、0<b<0.25、0<c<0.25、a+b+c=1を満たす)
【0060】
上記化学式1において、aの値は0.6以上、具体的には0.8以上である。上記化学式1において、aの値が高くなると、bの値および/またはcの値は上記化学式1を満たす範囲内で数値が低くなる。これにより、本発明に係るリチウム二次電池用の正極は、高含量ニッケル(High‐Ni)系NCM二次電池に適用される。
【0061】
[化学式2]
Lix(NiaCobMncAld)O2
(上記化学式2において、x、a、b、cおよびdは、0.5<x<1.3、0.6<a<1、0<b<0.2、0<c<0.1、0<d<0.1、a+b+c+d=1を満たす)
【0062】
上記化学式2において、aの値は0.6以上、具体的には0.8以上、より具体的には0.83以上である。
【0063】
上記NCM二次電池は、例えば、NCM622、NCM651520、NCM712、またはNCM811(Ni≧80%)であり得る。NCMAの場合、コバルトの割合を減らす代わりにアルミニウムを添加してNCMのような安定性を維持しながら出力が高い。
【0064】
上記正極に用いられる集電体は、伝導性の高い金属であって、正極活物質スラリーが容易に接着し得る金属でありながら電気化学素子の電圧範囲で反応性がないものであれば、いずれでも使用できる。具体的に、正極用集電体の非制限的な例としては、アルミニウム、ニッケルまたはこれらの組み合わせによって製造されるホイルなどがある。
【0065】
上記正極活物質は、正極合剤層中に90.0~98.5重量%の範囲に含まれ得る。正極活物質の含有量が上記範囲を満たすとき、高容量の電池の作製、そして十分な正極の導電性や電極材間接着力を付与するという点で有利である。
【0066】
上記正極に用いられる集電体は、伝導性の高い金属であって、正極活物質スラリーが容易に接着し得る金属でありながら二次電池の電圧範囲に反応性がないものであれば、いずれでも使用し得る。具体的に、正極用集電体の非制限的な例としては、アルミニウム、ニッケルまたはこれらの組み合わせによって製造されるホイルなどがある。
【0067】
正極合剤層は導電材をさらに含む。上記導電材としては、通常、正極活物質を含む混合物全体の重量を基準として1~30重量%で添加される。このような導電材は、二次電池に化学的変化を誘発せずに導電性を有するものであれば、特に制限されない。例えば、上記導電材としては、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維、フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体、カーボンナノチューブ(CNT)などが使用され得る。
【0068】
バインダー成分としては、当業界で通常的に使用されるバインダー高分子が制限なく使用され得る。例えば、ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン(Poly(vinylidene Fluoride‐co‐hexafluoropropylene)、PVDF‐co‐HFP)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride、PVDF)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate)、スチレンブタジエンゴム(SBR(styrene‐butadiene rubber、SBR)、カルボキシメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose、CMC)などの多様な種類のバインダーが使用され得る。
【0069】
上記バインダー高分子の含有量は、上部正極活物質層および下部正極活物質層に含まれる導電材の含有量に比例する。これは、活物質に比べて粒子サイズが相対的に非常に小さい導電材に接着力を付与するためであって、導電材含量が増加するとバインダー高分子がさらに必要となり、導電材含量が減少するとバインダー高分子が少なく使用され得るためである。
【0070】
また、上記負極は、上述したように、負極集電体、上記負極集電体上に形成された二重層構造の合剤層を含むことができる。
【0071】
上記負極に使用される集電体の非限定的な例としては、銅、金、ニッケルまたは銅合金またはこれらの組み合わせによって製造されるホイルなどがある。また、上記集電体は、上記物質からなる基材を積層して使用することもできる。
【0072】
上記分離膜は、リチウム二次電池で使用される多孔性基材であれば、いずれも使用が可能であり、例えば、ポリオレフィン系多孔性膜(membrane)または不織布を用いることができるが、これに特に限定されない。
【0073】
上記ポリオレフィン系多孔質膜の例としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンのようなポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン又はポリペンテン等のポリオレフィン系高分子をそれぞれ、単独で又はこれらを混合した高分子で形成した膜(membrane)が挙げられる。
【0074】
上記不織布としては、ポリオレフィン系不織布の他に、たとえば、ポリエチレンテレフタラート(polyethyleneterephthalate)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutyleneterephthalate)、ポリエステル(polyester)、ポリアセタール(polyacetal)、ポリアミド(polyamide)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリイミド(polyimide)、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone)、ポリエーテルサルホン(polyethersulfone)、ポリフェニレンオキシド(polyphenyleneoxide)、ポリフェニレンスルファイド(polyphenylenesulfide)またはポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalene)などをそれぞれ、単独でまたはこれらを混合した高分子で形成した不織布が挙げられる。
【0075】
不織布の構造は、長繊維からなるスパンボンド不織布またはメルトブロー不織布であり得る。
【0076】
上記多孔性基材の厚さは特に制限されないが、5~50μmであってもよく、多孔性基材に存在する気孔サイズおよび気孔度も特に制限されないがそれぞれ、0.01~50μmおよび10~95%であってもよい。
【0077】
一方、上記多孔性基材からなる分離膜の機械的強度の向上及び正極と負極との間の短絡を抑制するために、上記多孔性基材の少なくとも一面に、無機物粒子とバインダー高分子とを含む多孔性コーティング層をさらに含み得る。
【0078】
電解液は有機溶媒および電解質塩を含み得る。そして、上記電解質塩はリチウム塩である。上記リチウム塩はリチウム二次電池用の非水電解液に通常的に使用されるものが制限無く使用され得る。例えば、上記リチウム塩のアニオンとしては、F-、Cl-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、PF6
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-および(CF3CF2SO2)2N-からなる群から選択されるいずれか一つまたはこれらのうちの2種以上が含み得る。
【0079】
上述した電解液に含まれる有機溶媒としては、リチウム二次電池用の電解液に通常的に用いられるものを制限なく使用することができ、例えば、エーテル、エステル、アミド、線状カーボネートまたは環状カーボネート等をそれぞれ、単独でまたは2種以上を混合して使用し得る。その中で、代表的には、環状カーボネート、線状カーボネート、またはこれらの混合物であるカーボネート化合物を含み得る。
【0080】
上記環状カーボネート化合物の具体的な例としては、エチレンカーボネート(ethylene carbonate、EC)、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびそれらのハロゲン化物からなる群から選択されるいずれか1つまたはこれらのうちの2種以上の混合物がある。
【0081】
これらのハロゲン化物としては、例えば、フルオロエチレンカーボネート(fluoroethylenecarbonate、FEC)などがあり、これに限定されない。
【0082】
また、上記線状カーボネート化合物の具体的な例としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネートおよびエチルプロピルカーボネートからなる群から選択されるいずれか一つまたはこれらのうちの2種以上の混合物等が代表的に使用され得るが、これに限定されない。
【0083】
特に、上記カーボネート系有機溶媒のうちの環状カーボネートであるエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートは高粘度の有機溶媒であって、誘電率が高くて電解質内のリチウム塩をより良く解離させることができ、このような環状カーボネートにジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートのような低粘度、低誘電率線状カーボネートを適当な割合で混合して使用すると、より高い電気伝導率を有する電解液を作ることができる。
【0084】
また、上記有機溶媒中、エーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル及びエチルプロピルエーテルからなる群から選択されるいずれか一つ又はこれらのうちの2種以上の混合物を用いることができるが、これに限定されない。
【0085】
そして、上記有機溶媒中のエステルとしては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、γ‐カプロラクトン、σ‐バレロラクトンおよびε‐カプロラクトンからなる群から選択されるいずれか一つまたはこれらのうちの2種以上の混合物を使用し得るが、これらに限定されない。
【0086】
上記非水電解液の注入は、最終製品の製造工程および要求物性に応じて、二次電池の製造工程中の適切なステップで行われ得る。
【0087】
さらに、本発明は電極組立体を含む電池セルを提供する。上記電池セルは、充放電が可能な二次電池であれば特に制限されるものではない。パウチ型電池セルまたは円筒形電池セルであり得る。
【0088】
具体的な例において、電池セルはパウチ型の電池セルであり得る。例えば、上記電池セルはパウチタイプの単位セルであって、ラミネートシート外装材に正極/分離膜/負極構造の電極組立体が上記外装材の外部に形成された電極リードと連結された状態で内蔵されている。上記電極リードはシートの外側に引き出され、かつ互いに同じ方向または反対方向に延長され得る。
【0089】
以下、図面と実施形態などを通じて本発明をより詳細に説明する。本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができる。そのため、特定の実施形態を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとすることではなく、本発明の思想および技術の範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を包含するものとして理解されるべきである。
【0090】
第1実施形態
図4~
図5は、本発明の一実施形態において、絶縁部材を含む電極組立体の積層構造を示す断面図である。
【0091】
図4を参照すると、本発明に係る電極組立体120は、負極140、分離膜150及び正極130を順次に積層して電極組立体120を製造する。このとき、上記負極140一面の一側端部のオーバーハング領域141には、絶縁部材160が形成された構造である。
【0092】
また、本発明において絶縁部材160が形成された領域を除いた負極の幅W1は、正極の幅W2より大きい構造を有する。一方、負極140の上部に正極130を積層するとき、正極130の一端部が負極のオーバーハング領域141に配置されるか、あるいは上記負極のオーバーハング領域141を超えて配置される場合、電極組立体120の積層不良と判断する。
【0093】
本発明においては、負極140、分離膜150及び正極130を順次に積層した電極組立体120の厚さを測定し、上記電極組立体120の積層不良の可否を判断する。一方、電極組立体120の厚さは、絶縁部材160が位置した領域の厚さを測定する。具体的には、
図4に図示されたように、負極140、分離膜150及び正極130を順次に積層した電極組立体120の厚さを測定する場合、電極組立体の厚さは200μmとなる。このとき、負極140、分離膜150及び正極130の厚さはそれぞれ、80μm、20μm及び100μmであった。上記電極組立体120の厚さは、負極140、分離膜150及び正極130の厚さの合計と対応して、正常の電極組立体120として判断し得る。
【0094】
図5に図示されたように、負極140、分離膜150及び正極130を順次に積層した電極組立体120の厚さを測定する場合、電極組立体の厚さは220μmとなる。このとき、負極140、分離膜150及び正極130の厚さはそれぞれ、80μm、20μm及び100μmであった。上記電極組立体120の厚さは、負極140、分離膜150及び正極130の各厚さの合計を超えて、積層不良の電極組立体120として判断し得る。
【0095】
具体的には、本発明において、負極140は一側端部のオーバーハング領域141に絶縁部材160が形成された構造であるが、
図5に図示された電極組立体120は、正極130が負極のオーバーハング領域141に積層されて電極組立体120の厚さの測定時に、絶縁部材160の厚さも共に測定される。これにより、電極組立体120の厚さは、負極140、分離膜150、正極130の各厚さの合計を超えて測定され得る。
【0096】
上述したように、本発明は、積層された電極組立体の厚さの測定のみで、電極組立体の積層不良の可否を容易に検出し得る。
【0097】
第2実施形態
図6~
図8は、本発明の他の一実施形態において、絶縁部材を含む電極組立体の積層構造を示す断面図である。
【0098】
図6を参照すると、本発明に係る電極組立体220は、負極240、分離膜250及び正極230を順次に積層して電極組立体220を製造する。このとき、上記負極240一面の両側端部のオーバーハング領域(241、242)には第1絶縁部材(261)及び第2絶縁部材(262)が形成された構造である。
【0099】
また、本発明において、第1絶縁部材及(261)および第2絶縁部材(262)の間隔Lは、正極の幅W2と対応するか、又は正極の幅W2より大きい構造を有する。一方、負極240の上部に正極230を積層するとき、正極230の一端部が負極のオーバーハング領域(241、242)に配置されるか、或いは上記負極のオーバーハング領域(241、242)を超えて配置される場合、電極組立体220の積層不良と判断する。
【0100】
本発明においては、負極240、分離膜250及び正極230を順次に積層した電極組立体220の厚さを測定して、上記電極組立体220の積層不良の可否を判断する。一方、電極組立体220の厚さは、絶縁部材261、262が位置した領域の厚さを測定する。具体的には、
図6に図示されたように、負極240、分離膜250及び正極230を順次に積層した電極組立体220の厚さを測定する場合、電極組立体の厚さは200μmとなる。このとき、負極240、分離膜250及び正極230の厚さはそれぞれ、80μm、20μm及び100μmであった。上記電極組立体220の厚さは、負極240、分離膜250及び正極230の厚さの合計と対応する正常の電極組立体220と判断し得る。
【0101】
図7に図示されたように、負極240、分離膜250及び正極230を順次に積層した電極組立体220の厚さを測定する場合、電極組立体の厚さは220μmとなる。このとき、負極240、分離膜250及び正極230の厚さはそれぞれ、80μm、20μm及び100μmであった。上記電極組立体220の厚さは、負極240、分離膜250及び正極230の各厚さの合計を超えて、積層不良の電極組立体220と判断し得る。
【0102】
具体的に、本発明において、負極240は一側端部のオーバーハング領域241に絶縁部材261が形成された構造であるが、
図6に図示された電極組立体220は正極230が負極のオーバーハング領域241に積層されて電極組立体220の厚さの測定時に、絶縁部材261の厚さも共に測定される。これにより、電極組立体220の厚さは、負極240、分離膜250、および正極230の各厚さの合計を超えて測定され得る。
【0103】
さらに、
図8に図示されたように、本発明において、負極240は他側端部のオーバーハング領域242に絶縁部材262が形成された構造であるが、
図8に図示された電極組立体220は正極230が負極のオーバーハング領域242に積層されて、電極組立体220の厚さの測定時に絶縁部材262の厚さも共に測定される。これにより、電極組立体220の厚さは、負極240、分離膜250及び正極230の各厚さの合計を超えて測定され得る。
【0104】
したがって、負極240、分離膜250及び正極230を順次に積層した電極組立体220の厚さを測定する場合、電極組立体の厚さは220μmとなる。上記電極組立体220の厚さは、負極240、分離膜250及び正極230の各厚さの合計を超え、積層不良の電極組立体220として判断し得る。
【0105】
上述したように、本発明は、積層された電極組立体の厚さ測定のみで、電極組立体の積層不良の可否を容易に検出し得る。
【0106】
以上、図面と実施形態などを通じて本発明をより詳細に説明した。しかし、本明細書に記載された図面又は実施形態などに記載された構成は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではない。そのため、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0107】
1: 集電体
2: 電極活物質
10: 電池セル
11: 電極ケース
12、120、220: 電極組立体
13、130、230: 正極
14、140、240: 負極
15、150、250: 分離膜
160: 絶縁部材
261: 第1絶縁部材
262: 第2絶縁部材