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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】遮熱用資材
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/30 20060101AFI20240527BHJP
   E04D 3/00 20060101ALI20240527BHJP
   E04D 3/35 20060101ALI20240527BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
E04C2/30 X
E04D3/00 D
E04D3/35 G
E04B1/76 100D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020045699
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021147784
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】519012448
【氏名又は名称】プロックスマテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】井上 哲一
(72)【発明者】
【氏名】井上 一馬
(72)【発明者】
【氏名】石蔵 義浩
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-112229(JP,U)
【文献】特開2015-169038(JP,A)
【文献】特開2007-278026(JP,A)
【文献】実開平05-062616(JP,U)
【文献】実開平01-083825(JP,U)
【文献】実開平3-110473(JP,U)
【文献】特開2000-43851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 2/30
E04D 3/35
E04D 3/00
E04D 12/00
E04B 1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋根構成部材に張設され、輻射熱を遮る遮熱用資材であり、
遮熱性を有する長尺帯状のシート材の表面若しくは裏面の少なくとも一方に、
前記シート材の長さ方向と平行をなすように、当該長さ方向の一端から他端まで一定間隔ごとに並列表示された複数の小単位目盛、および、前記シート材の幅方向と平行をなすように、当該幅方向の一端から他端まで一定間隔ごとに並列表示された複数の小単位目盛を備えた遮熱用資材。
【請求項2】
前記小単位目盛が、実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線の何れかで表示された請求項1記載の遮熱用資材。
【請求項3】
並列表示された複数の前記小単位目盛を一定個数ごとに区分する位置に他の前記小単位目盛と識別可能な大単位目盛を設けた請求項1または2記載の遮熱用資材。
【請求項4】
前記大単位目盛が、他の前記小単位目盛と太さの異なる実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線、または、他の前記小単位目盛と色彩若しくは濃度の異なる実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線で表示された請求項3記載の遮熱用資材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根、スレート屋根、その他様々な屋根の遮熱手段として使用される遮熱用資材に関する。
【背景技術】
【0002】
折板屋根やスレート屋根などを備えた建物における屋根部分の遮熱技術については、従来、様々なアイデアが提案されているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された「屋根遮熱構造及びその形成方法」などがある。
【0003】
特許文献1に記載された「屋根遮熱構造」は、並設された複数の梁の間に梁配置方向と交差して架け渡され、複数の梁に取り付けられた複数の折板からなる折板屋根の内側の梁上面側に並置された複数の支持部材と、
梁と支持部材に周囲を載置した一枚ずつからなり、折板との間に空間を確保した状態でそれぞれが支持部材に固着され、折板から建物内部への輻射熱を遮るシート状遮熱部材と、を有するものである。
【0004】
また、特許文献1に記載された「屋根遮熱構造形成方法」は、並設された複数の梁の間に梁配置方向と交差して架け渡し、複数の梁に取り付けられた複数の折板からなる折板屋根の内側の梁上面側に、複数の支持部材を並置する工程と、
梁と支持部材に周囲を載置した一枚ずつからなる、折板から建物内部への輻射熱を遮るシート状遮熱部材を、折板との間に空間を確保した状態でそれぞれ支持部材に固着する工程と、を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-155507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「屋根遮熱構造形成方法」を施工する場合、その作業現場は建物の屋根部分を構成する複数の小梁並びに小梁と交差するように架け渡された複数の支持部材などの上方部分であるため、高所作業に伴う様々な困難や問題が生じ、遮熱シートの張設作業を妨げることが多い。
【0007】
即ち、遮熱シートの表面や裏面は全面的に均一な状態に仕上げられているので、長尺帯状の遮熱シートから必要とするサイズの遮熱シートを切り出すときに切断位置を間違えたり、所定サイズの遮熱シートを屋根構成部材に張設するときに位置ずれが生じたりすることが多い。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、必要とするサイズの切り出し作業並びに屋根構成部材への張設作業を容易且つ正確に行うことができる遮熱用資材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る遮熱用資材は、
遮熱性を有する長尺帯状のシート材の表面若しくは裏面の少なくとも一方に、
前記シート材の長さ方向と平行をなすように一定間隔ごとに並列表示された複数の小単位目盛、若しくは、前記シート材の幅方向と平行をなすように一定間隔ごとに並列表示された複数の小単位目盛の少なくとも一方を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記遮熱用資材においては、前記小単位目盛を、実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線の何れかで表示することができる。
【0011】
前記遮熱用資材においては、並列表示された複数の前記小単位目盛を一定個数ごとに区分する位置に他の前記小単位目盛と識別可能な大単位目盛を設けることができる。
【0012】
前記遮熱用部材においては、前記大単位目盛を、他の前記小単位目盛と太さの異なる実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線、または、他の前記小単位目盛と色彩若しくは濃度の異なる実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線で表示することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、必要とするサイズの切り出し作業並びに屋根構成部材への張設作業を容易且つ正確に行うことができる遮熱用資材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態である遮熱用資材を示す一部省略斜視図である。
図2図1に示す遮熱用資材の一部省略表面図である。
図3】本発明のその他の実施形態である遮熱用資材を示す一部省略表面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1図3に基づいて、本発明の実施形態である遮熱用資材10,20について説明する。
【0016】
初めに、図1図2に基づいて、遮熱用資材10について説明する。図1に示すように、遮熱用資材10は、遮熱性を有する長尺帯状のシート材11の表面11aに、シート材11の長辺方向Lと平行をなすように一定間隔ごとに並列表示された複数の縦小単位目盛12と、シート材11の幅方向Wと平行をなすように一定間隔ごとに並列表示された複数の横小単位目盛13の両方を備えている。
【0017】
縦小単位目盛12及び横小単位目盛13は何れも直線状の実線で表示されている。並列表示された複数の縦小単位目盛12を一定個数(5本)ごとに区分する位置に他の縦小単位目盛12と識別可能な縦大単位目盛14を設けている。また、並列表示された複数の横小単位目盛13を一定個数(5本)ごとに区分する位置に他の横小単位目盛13と識別可能な横大単位目盛15を設けている。
【0018】
縦大単位目盛14及び横大単位目盛15は、他の縦小単位目盛12及び横小単位目盛13より太い直線状の実線で表示されているが、これに限定するものではないので、互いに識別可能なものであれば他の種類の線で表示することもできる。
【0019】
図2に示すように、複数の縦小単位目盛12及び縦大単位目盛14と、複数の横小単位目盛13及び横大単位目盛15と、は互いに直交しており、シート材11の表面11aにおいて正方格子形状をなしている。複数の縦小単位目盛12及び縦大単位目盛14、並びに、複数の横小単位目盛13及び横大単位目盛15はシート材11の表面11aのみに表示されているが、これに限定しないので、シート材11の裏面のみ、若しくはシート材11の表裏両面に表示することもできる。
【0020】
遮熱用資材10においては、縦小単位目盛12並びに横小単位目盛13はそれぞれ100mm間隔で表示され、縦大単位目盛14はシート材11の幅方向の中央位置及び中央位置からそれぞれ500mm離れた両側縁部分に表示され、横大単位目盛15は500mm間隔で(横小単位目盛13を5本ごとに区分する位置に)表示されているが、これらに限定するものではないので、本実施形態に係る遮熱用資材10における設定間隔と異なる間隔で表示することもできる。
【0021】
遮熱用資材10を構成する遮熱性のシート材11の種類、構造、サイズなどは限定しないので、任意のシート材を使用することができるが、例えば、シート状のガラスファイバーの表裏両面に接着剤を介してアルミ箔が貼着され、アルミ箔の表面に耐食コートが施されたもの、例えば、「プロックスマテリアル株式会社」の商品名「プロックスヒートプロテクター」などが好適である。
【0022】
本実施形態に係る遮熱用資材10は、従来の遮熱シートや断熱シートと同様に使用することができ、同様の遮熱性・断熱性を発揮するが、遮熱用資材10においては、遮熱性を有するシート材11の表面に、縦小単位目盛12及び横小単位目盛13と、縦大単位目盛14及び横大単位目盛15が表示されているので、図1に示す長尺帯状の遮熱用資材10から必要とするサイズの遮熱用資材10を切り出すとき、メジャーなしでも正確な位置で切断することができる。
【0023】
また、所定サイズに切断した遮熱用資材10を屋根構成部材に張設するとき、シート材11の表面に表示された縦小単位目盛12、横小単位目盛13、縦大単位目盛14並びに横大単位目盛15を基準にして屋根構成部材との位置合わせを行うことができるので、位置合わせ作業が容易であり、位置ずれが生じることもなく、正確な位置に張設することができる。即ち、遮熱用資材10を使用すれば、必要とするサイズの切り出し作業並びに屋根構成部材への張設作業を容易且つ正確に行うことができる。
【0024】
次に、図3に基づいて、その他の実施形態である遮熱用資材20について説明する。図3に示すように、遮熱用資材20は、遮熱性を有する長尺帯状のシート材21の表面21aに、シート材21の長辺方向Lと平行をなすように複数の縦小単位目盛22が一定間隔ごと(例えば、100mmごと)に並列表示され、シート材21の幅方向Wと平行をなすように複数の横小単位目盛23が一定間隔ごと(例えば、100mmごと)に並列表示されている。
【0025】
縦小単位目盛22及び横小単位目盛23は何れも直線状の破線で表示されている。並列表示された複数の縦小単位目盛22を一定個数(5本)ごとに区分する位置に他の縦小単位目盛22と識別可能な縦大単位目盛24を設けている。また、並列表示された複数の横小単位目盛23を一定個数(5本)ごとに区分する位置に他の横小単位目盛23と識別可能な横大単位目盛25を設けている。縦大単位目盛24及び横大単位目盛25は直線状の実線で表示されている。
【0026】
遮熱用資材20の使い方は、図1図2に示す遮熱用資材10と同様であり、遮熱用資材20を使用すれば、サイズの切り出し作業並びに屋根構成部材への張設作業を容易且つ正確に行うことができる。
【0027】
なお、縦小単位目盛22及び横小単位目盛23の線の種類は限定しないので、実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線などで表示することができる。また、縦大単位目盛24及び横大単位目盛25の線の種類も限定しないので、他の縦小単位目盛22及び横小単位目盛23と太さの異なる実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線など、または、他の縦小単位目盛22及び横小単位目盛23と色彩若しくは濃度の異なる実線、破線、点線、一点鎖線若しくは二点鎖線などで表示することができる。
【0028】
なお、図1図3に基づいて説明した遮熱用資材10,20は、本発明に係る遮熱用資材を例示するものであり、本発明に係る遮熱用資材は前述した遮熱用資材10,20に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係る遮熱用資材は、折板屋根やスレート屋根の建物における屋根遮熱手段として建設業の分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0030】
10,20 遮熱用資材
11,21 シート材
11a,21a 表面
12,22 縦小単位目盛
13,23 横小単位目盛
14,24 縦大単位目盛
15,25 横大単位目盛
L 長さ方向
W 幅方向
図1
図2
図3