(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】錠開閉装置
(51)【国際特許分類】
E05B 47/00 20060101AFI20240527BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
E05B47/00 K
E05B49/00 B
(21)【出願番号】P 2020085517
(22)【出願日】2020-05-14
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000147442
【氏名又は名称】株式会社WEST inx
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】西 康雄
(72)【発明者】
【氏名】勝部 博行
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-211027(JP,A)
【文献】特開2020-060088(JP,A)
【文献】特開2009-264055(JP,A)
【文献】実開昭58-095458(JP,U)
【文献】特開昭61-130575(JP,A)
【文献】特開2012-244709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッドボルトを有する錠本体と組み合わされて、電気錠装置を構成する錠開閉装置であって、前記デッドボルトを駆動する動力源と、当該動力源に電力を供給する通常電源部と、扉の室外側に取り付けられる室外筐体部材とを有する錠開閉装置において、
前記室外筐体部材には、前記通常電源部とは別系統の非常用給電ケーブルと、当該非常用給電ケーブルと一体の給電端子を備えた非常給電部材が収容されており、前記非常給電部材を前記室外筐体部材から外部に引き出し可能であり、
前記室外筐体部材は底部を有し、前記室外筐体部材には、扉に取り付けられた状態を基準として前記底部に開口があり、当該開口から前記非常給電部材が引き出されるものであり、
前記室外筐体部材内には、前記非常用給電ケーブルと接続された
室外基板と、室外区隔壁と、
室外仕切板とを有し、
前記室外筐体部材は、室外区隔壁と室外仕切板との間に配置されたケーブル通路と、室外仕切板と
前記底部との間に配置されたケーブル収容部と、室外仕切板の両側のいずれか一方に配置された室外仕切板開口部とを有し、
前記非常用給電ケーブ
ルは、前記
室外基板から前記室外仕切板開口部を通過して、または、前記
室外基板から前記ケーブル通路を通り前記室外仕切板開口部を通過して、前記ケーブル収容部に至り、当該ケーブル収容部から
前記底部の前記開口を通って室外ノブの延伸方向とは逆側の
空間に至ることを特徴とする錠開閉装置。
【請求項2】
前記開口を封鎖する封鎖部材を有することを特徴とする請求項
1に記載の錠開閉装置。
【請求項3】
前記室外筐体部材は、正面壁を有し、当該正面壁に操作面があり、前記正面壁の裏面側に周壁で囲まれた
前記室外基板を収容する機器収容部があり、前記正面壁の面積は、機器収容部の正面断面積よりも大きく、前記正面壁の少なくとも一つの周縁は機器収容部からフランジ状に張り出していることを特徴とする請求項
1または
2に記載の錠開閉装置。
【請求項4】
前記非常給電部材と接続される別系統の外部電源と前記通常電源部との間に電圧を調整する電圧調整部が接続されていることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれかに記載の錠開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に扉を施錠および解錠する錠開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、扉に取り付けられ、デッドボルトの施錠/解錠の動作をする電気錠を構成する錠開閉装置が知られている(特許文献1参照)。
錠開閉装置は、扉の外側に取り付けられる室外筐体部材と、扉の内側に取り付けられる室内筐体部材とを有し、室外筐体部材および室内筐体部材は、ハーネスで電気的に接続されている。
【0003】
錠開閉装置は、例えば暗証番号を入力するキー入力パネル等が室外筐体部材の本体表面にあり、ユーザが帰宅したとき、ユーザはキー入力パネルを押して、暗証暗号を入力する。暗証番号が押されることで、錠開閉装置は、電気的に扉を解錠することが可能となる。
【0004】
錠開閉装置は、内蔵される電池や、商用電源から電力供給を受けて作動する。
ここで、停電や電池切れによって、通常供給される電源からの給電を受けることができなくなる場合がある。
仮にユーザが帰宅した際にこの様な事態に遭遇すると、開錠が不能となり、家に入ることができなくなってしまう。
この問題を解決する方策が特許文献2に開示されている。
【0005】
特許文献2に開示された電気錠システムは、非常用給電部を備えている。
特許文献2に開示された電気錠システムでは、非常用給電部は扉ハンドルに取り付けられている。即ち、特許文献2に開示された構成は、扉ハンドルに収容部があり、当該収容部に非常用給電部が収容されている。収容部はカバーで覆われており、当該カバーを取り外すと、非常用給電部が露出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-21419号公報
【文献】特開2017-223037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の非常用給電部は、前記した様に、扉ハンドルに収容部があり、当該収容部に収容されている。
扉ハンドルは、使用者が、容易に握ることができる程度の大きさであるために相当に小さく、当該部位に設けられた非常用給電部に電池を取り付ける作業は困難である。
また前記した様に、扉ハンドルは小さいものであるから、収容部は外から容易に見える位置に設けざるを得ず、見栄えが悪い。
従来技術においては、扉の見栄えをよくするために、収容部にカバーが取り付けられている。しかしながら、扉ハンドルは、日常的に操作されるものであり、使用者の手でこすられて、カバーが外れたり壊れてしまうことがある。カバーが外れると、非常用給電部がむき出し状態となり、見栄えが悪い。
また扉ハンドルは、使用者が、容易に握ることができる程度の大きさであるために相当に小さく、当該部位に設けられた非常用給電部に電池を取り付ける作業は困難である。
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、見栄えがよく、且つ非常用電源の接続が容易な錠開閉装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために開発された本発明の一つの態様は、デッドボルトを有する錠本体と組み合わされて、電気錠装置を構成する錠開閉装置であって、前記デッドボルトを駆動する動力源と、当該動力源に電力を供給する通常電源部と、扉の室外側に取り付けられる室外筐体部材とを有する錠開閉装置において、前記室外筐体部材には、前記通常電源部とは別系統の非常用給電ケーブルと、当該非常用給電ケーブルと一体の給電端子を備えた非常給電部材が収容されており、前記非常給電部材を前記室外筐体部材から外部に引き出し可能であることを特徴とする錠開閉装置である。
【0009】
本態様の錠開閉装置は、デッドボルトを有する錠本体と組み合わされて、電気錠装置を構成するものである。
室外筐体部材には、通常電源部とは別系統(外部電源)の非常用給電ケーブルと、非常用給電ケーブルと一体の給電端子を備えた非常給電部材が収容されており、非常給電部材を室外筐体部材から外部に引き出し可能となっている。
室外筐体部材は、大きさに大きな制約がなく、非常用給電ケーブルと給電端子を収容することができる。
本態様によれば、室外筐体部材から外部に非常用給電ケーブルを引き出し、外部で外部電源と接続することができる。そのため電池等の接続作業が容易である。また、室外筐体部材は、扉ハンドルに比べて人の手が触れる機会が少ない。また、ケーブル収容部内に、非常用給電ケーブルと給電端子が収容されるので、非常給電部材が隠され、見栄えが良い。
【0010】
上記した態様において、前記室外筐体部材内にケーブル収容部があり、前記非常給電部材は、前記ケーブル収容部内に収容されており、必要に応じて前記室外筐体部材から外部に引き出されることが望ましい。
【0011】
本態様によると、ケーブル収容部内に、非常用給電ケーブルと給電端子が収容されるので、非常給電部材が隠され、見栄えが良い。また、非常用ケーブルを外部に引き出せるので、外部電源を繋ぎやすい位置で繋ぐことができる。
【0012】
上記した各態様において、前記室外筐体部材には、扉に取り付けられた状態を基準として底部に開口があり、当該開口から前記非常給電部材が引き出されることが望ましい。
【0013】
本態様では、扉に取り付けられた状態を基準として室外筐体部材の底部に開口があり、当該開口から前記非常給電部材が引き出される。
室外筐体部材の底部は、使用者にとって見えにくい部位であり、開口が意匠性を妨げることがない。そのため本態様の錠開閉装置は、見栄えが良い。
【0014】
上記した各態様において、前記開口を封鎖する封鎖部材を有することが望ましい。室外筐体部材の底部は、使用者にとって見えにくい部位であり、且つ開口を封鎖する封鎖部材を有しているので、開口が意匠性を妨げることがない。そのため本態様の錠開閉装置は、見栄えが良い。また、異物の侵入を防ぐことができる。
【0015】
上記した各態様において、前記室外筐体部材は、正面壁を有し、当該正面壁に操作面があり、前記正面壁の裏面側に、基板を収容し、周壁で囲まれた機器収容部があり、前記正面壁の面積は、機器収容部の正面断面積よりも大きく、前記正面壁の少なくとも一つの周縁は機器収容部からフランジ状に張り出していることが望ましい。
【0016】
本態様の錠開閉装置では、正面壁の面積は、機器収容部の正面断面積よりも大きく、正面壁の少なくとも一つの周縁は機器収容部からフランジ状に張り出している。そして機器収容部の底部に開口がある。
本態様の錠開閉装置では、正面壁が目隠しとなり、開口が目立たない。そのため本態様の錠開閉装置は、見栄えが良い。
【0017】
上記した各態様において、前記非常給電部材と接続された別系統の外部電源と前記通常電源部との間に電圧を調整する電圧調整部が接続されていることが望ましい。
【0018】
本態様によれば、外部電源と通常電源部との間に電圧を調整する電圧調整部(例えば、DC/DCコンバータ)を設けることで、外部電源の電圧(9V)を通常電源部の電圧(6V)に揃えることができので、安全に動作可能である。
【0019】
さらに好ましい態様は、前記室外筐体部材内には、前記非常用給電ケーブルと接続された室外基板と、室外区隔壁と、室外仕切板とを有し、
前記室外筐体部材は、室外区隔壁と室外仕切板との間に配置されたケーブル通路と、室外仕切板と前記底部との間に配置されたケーブル収容部と、室外仕切板の両側のいずれか一方に配置された室外仕切板開口部とを有し、
前記非常用給電ケーブルは、前記室外基板から前記室外仕切板開口部を通過して、または、前記室外基板から前記ケーブル通路を通り前記室外仕切板開口部を通過して、前記ケーブル収容部に至り、当該ケーブル収容部から前記底部の前記開口を通って室外ノブの延伸方向とは逆側の空間に至ることを特徴とする錠開閉装置である。
【0020】
本態様の錠開閉装置の非常用給電ケーブルは、室外基板から室外仕切板開口部を通過して、または、室外基板からケーブル通路を通り室外仕切板開口部を通過して、ケーブル収容部に至り、ケーブル収容部から室外ノブの延伸方向とは逆側の空間に至る構成である。
この構成により、室外ノブが右側に延伸している態様と室外ノブが左側に延伸している態様のいずれの態様でも、上記空間に非常用給電ケーブルを短い距離で到達することができ、ケーブル収容部を小さくできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、室外筐体部材から外部に非常用給電ケーブルを引き出し、室外筐体部材の外部で外部電源と接続することにより、外部電源を収納するためのケーブル収容部の大きさを小さくでき、室外筐体部材の小型化を図ることができる。また、見栄えをよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態の電気錠装置を模式的に示した全体の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の錠開閉装置を模式的に示した全体の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態の錠開閉装置の分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態の室外筐体部材を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態の室外筐体部材を示す図であり、(a)は室外筐体部材の正面図を示し、(b)は室外筐体部材の底面を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態の錠開閉装置の動作回路のブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態の室外筐体部材の背面図である。
【
図8】本発明の実施形態の室外筐体部材の内部構造の概略を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態の室外筐体部材と室外ノブの配置関係を示す図である。
【
図10】
図9と異なる本発明の実施形態の室外筐体部材と室外ノブの配置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本実施形態の電気錠装置1の全体を模式的に示した斜視図である。
図1に示すように、電気錠装置1は、錠開閉装置6と、錠開閉装置6とは別の錠本体17及び室外ノブ10が組み合わされた構成である。
錠開閉装置6は、
図2に示す様に、室外筐体部材2と、室内筐体部材3と、室外筐体部材2と室内筐体部材3とを電気的に接続するハーネス9とを有する。
【0024】
室外筐体部材2は、6面が覆われた筐体である。室外筐体部材2は、大きく分けて、正面壁40と、当該正面壁40の裏面側に設けられた機器収容部36によって構成されている。
機器収容部36は、基板等を収容する部位であり、4面の周壁を有している。
即ち、
図2に示す様に、機器収容部36は、扉4(
図1参照)に取り付けられた姿勢を基準として、上面62、左右側面64及び底面(底部)44を有している。上面62の両側は、斜め下方に傾斜した傾斜面63を有し、傾斜面63は左右側面64と接続している。
機器収容部36の周壁で囲まれる領域の正面断面は、正面壁40よりも小さい。そのため正面壁40の周縁は、機器収容部36からはみ出してフランジ状を呈している。
本実施形態では、機器収容部36の周壁の内、上面62の傾斜面63及び左右側面64から、正面壁40の周縁がはみ出して、フランジ部55を構成している。
【0025】
本実施形態では室外筐体部材2の機器収容部36内に、ケーブル収容部54が設けられている。
ケーブル収容部54の位置は、
図2及び
図5に示すように、扉4(
図1参照)に取り付けられた姿勢を基準として、室外筐体部材2の底面44の近傍である。
本実施形態では室外筐体部材2(機器収容部36)の底面44が、ケーブル収容部54と外部とを仕切る境界壁となっている。そして、本実施形態では、底面44に開口50が設けられている。
本実施形態では、
図7に示す様に、ケーブル収容部54内に、非常給電部材13が収容されている。非常給電部材13は、非常用給電ケーブル8と、非常用給電ケーブル8の先端に一体的に設けられた給電端子7によって構成されている。給電端子7は、9ボルトの積層乾電池の端子を直接接続することができるものである。
本実施形態では、
図9、
図10の様に、ケーブル収容部54内に収められた非常給電部材13を、開口50から外部に引き出すことができる。そして、給電端子7に積層乾電池を接続し、錠開閉装置6を駆動することができる。
【0026】
通常の場合、非常給電部材13は、ケーブル収容部54内に収容されており、外部からは見えない。
また、非常給電部材13の開口50(
図5参照)は、室外筐体部材2の底面44にあり、且つ斜め上からみると、正面壁40の陰になる位置にあるので、目立ちにくい。
さらに、開口50の位置は、通常、ユーザが触れることのない場所であるから、開口50を封鎖する封鎖部材(ゴムカバー蓋46)に手が触れることが少なく、封鎖部材46が外れることが少ない。
【0027】
図4は、室外筐体部材2を示す分解斜視図である。室外筐体部材2は、正面壁(キー入力パネル)40と、機器収容部36と、テンキーコントロール基板42と、室外基板43と、ゴムカバー45と、ゴムカバー蓋(封鎖部材)46とを有する。
機器収容部36は、キー入力パネル40と室外基板43とで挟まれ、室外基板43とキー入力パネル40との間には、空間が存在する。
【0028】
図5(a)は、室外筐体部材2の正面図である。
図5(a)に示すように、室外筐体部材2の本体表面は、キー入力パネル40となっている。キー入力パネル40は、0~9の番号を含む4行3列の12個の入力ボタンを有している。キー入力パネル40の底部44付近に、ケーブル収納部54が配置されている。
図5(b)に示すように、室外筐体部材2の底部44には、開口50が設けられ、開口50から非常用給電ケーブル8が取り出せるようになっている。
【0029】
図6は、電気錠装置1の動作回路のブロック図である(一部機械構造部を含む)。
室内筐体部材側は、制御回路20を主要部材として、通常電源部30、モータを含む動力源31を有している。さらに、室内筐体部材側には、電圧調整部27、通信部60、制御回路20がある。
また室内筐体部材側には、機械構造物として、モータ31と係合するギア機構32と、ギア機構32と係合するシャフト5を有している。なお、シャフト5は、錠本体17に挿通され、デッドボルト15を駆動するものである。
【0030】
室外筐体部材2側は、キー入力パネル40、外部電源26、給電端子7、非常用給電ケーブル8を有している。通常電源部30は、制御回路20と、動力源31と、通信部60と、キー入力パネル40とに主に電力を供給する。通信部60は、例えば、WiFiまたはBluetoothなどで、外部からコントロール可能である。
【0031】
次に、各部材の位置関係について説明する。
図1に示すように、扉4の室外側には室外ノブ10が配置されている。室外ノブ10は、レバーハンドルであり、室外筐体部材2のほぼ真下に配置され、ノブ固定台12から横方向に延伸している。
【0032】
図3は、電気錠装置1の分解斜視図である。なお、
図3には、室外ノブ10の図示が省略されている。
室外筐体部材2は、扉4の室外側に配置されている。室内筐体部材3は、扉4の室内側に配置されている。
錠本体17は、公知のそれと同様、デッドボルト15とラッチボルト16とを有する。錠本体17は、扉4の側面に埋め込まれている。
室内筐体部材3は、室内筐体本体29と、通常電源を収納する通常電源部30と、動力源31と、通常電源部30を収容する通常電源収容部23と、通常電源部30を覆う通常電源カバー28とを有する。
【0033】
ここで、
図6を用いて、電気錠装置1が施錠状態と解錠状態とに切り替わる動作について、説明する。
ユーザにより、暗証暗号がキー入力パネル40より入力されると、制御回路20は、以下の動作を実行する。
制御回路20は、モータ31を正転/逆転させる。モータ31に連結したギア機構32が駆動し、ギア機構32と係合しているシャフト5が正転/逆転する。デッドボルト15は、扉4の内部の錠本体内で、シャフト5と係合しているので、シャフト5が正転/逆転することで、デッドボルト15が、扉4から突出したり/収納したりする。デッドボルト15の突出/収納により、扉4が施錠状態と解錠状態とに切り替えることができる。
【0034】
非常用給電ケーブル8は、一端が給電端子7と接続し、他端が電圧調整部27と接続されている。給電端子7は、外部電源26と接続する。非常用給電ケーブル8は、電圧調整部27を介して、通常電源部30と接続され、外部電源26から通常電源部30に電力を供給する。
【0035】
外部電源26と通常電源部30との間に電圧を調整する電圧調整部27を設けることで、外部電源26の電圧(9V)を降圧して、通常電源部30の電圧(6V)に揃えることができる。このことにより、安全に動作可能である。電圧調整部27は、例えば、DC/DCコンバータである。
【0036】
ユーザが帰宅したとき、ユーザは室外筐体部材2のキー入力パネル40を押して、暗証暗号を入力する。暗証番号が押されることで、錠開閉装置6は、電気的に解錠することが可能である。前記した様に、キー入力パネル40の下側に、非常用給電ケーブル8と給電端子7とを収容するケーブル収容部54が配置されている。
【0037】
図7は、室外筐体部材2の背面図である。
図7に示すように、ゴムカバー45は、室外基板43を覆っている。ゴムカバー蓋46は、開口50を覆っている。ケーブル収容部54は、テンキーコントロール基板42と室外基板43との間に配置されており、給電端子7と非常用給電ケーブル8とをする非常給電部材13を収納するものである。室外筐体部材2の正面から見たとき、ケーブル収容部54は、キー入力パネル40の背面にあり、隠れて見えない。つまり、室外筐体部材2は、ケーブル収容部54によって、下側方向には大きくならず、小型化を実現している。
【0038】
図8は、キー入力パネル40の半分下側を取り除いた室外筐体部2の内部の図である。
室外筐体部材2は、室外基板43と、底部44と、室外仕切板52、室外区隔壁51とを有する。室外筐体部材2は、室外区隔壁51と室外仕切板52との間に配置されたケーブル通路53と、室外仕切板52と底板44との間に配置されたケーブル収容部54とを有する。
【0039】
非常用給電ケーブル8は、室外制御基板端子49からケーブル通路53を通り、右側の室外仕切板開口部47を通過して、ケーブル収容部54に至る。そして、非常用給電ケーブ8は、ケーブル収容部54から開口50を通過して外部へ引き出される。
【0040】
室外仕切板52は板からなり、室外仕切板52の一端は室外基板43と接続されている。室外仕切板52は、室外筐体底板44の方向に途中から折れ曲がっており、テンキーコントロール基板42の近傍まで至る。ケーブル収容部54は、テンキーコントロール基板42と、室外基板43と、室外仕切板52と、室外筐体底板44とで形成され、非常給電部材13を収納する。このように、上記ケーブル収容部54を構成することで、室外筐体部材2の下側方向には大きくならず、小型化が図れる。
【0041】
図9は、室外筐体部材2と室外ノブ10の配置関係の一例を示す図である。キー入力パネル21の下にノブ固定台12が配置され、室外ノブ10は、ノブ固定台12から左の方へ延伸している。室外ノブ10の延伸方向とは逆側の右側に空間70が存在する。給電端子7と非常用給電ケーブル8とは空間70に配置され、空間70で外部電源26と給電端子7とが接続されてもよい。
【0042】
図10は、
図19の態様における室外ノブ10が逆側に配置された図である。室外ノブ10は、ノブ固定台12から右の方へ延伸している。室外ノブ10の延伸方向とは逆側の左側に空間70が存在する。給電端子7と非常用給電ケーブル8とは空間70に配置され、空間70で外部電源26と給電端子7とが接続されてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 電気錠装置
2 室外筐体部材
3 室内筐体部材
4 扉
5 シャフト
6 錠開閉装置
7 給電端子
8 非常用給電ケーブル
9 ハーネス
10 室外ノブ
11 室内ノブ
12 ノブ固定台
13 非常給電部材
15 デッドボルト
16 ラッチボルト
17 錠本体
20 制御回路
26 外部電源26
30 通常電源部
54 ケーブル収容部