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  • 特許-書籍又は雑誌殺菌装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】書籍又は雑誌殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20240527BHJP
   A47B 81/00 20060101ALN20240527BHJP
【FI】
A61L2/10
A47B81/00 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020153699
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047751
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500429170
【氏名又は名称】株式会社デンネツ
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】青柳 廣雄
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0984021(KR,B1)
【文献】特開2005-185302(JP,A)
【文献】特開2017-077255(JP,A)
【文献】特開2022-15744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00- 2/28
A47B 81/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍又は雑誌を収納する書籍等収納室を有し、当該書籍等収納室の内壁の少なくとも一部を反射面に仕上げてなるケースと、
前記書籍等収納室内に出し入れ可能に収納され、複数冊の前記書籍又は雑誌を保持する書籍等保持具と、
前記書籍等収納室内に設置され、前記書籍等保持具に保持した書籍又は雑誌に紫外線を直接または前記反射面による反射により照射する殺菌灯と、
を具備し、
前記書籍等保持具は、矩形状に組まれた外枠内に、複数の仕切部材を、これら各仕切部材の上部を前記外枠の上辺より上方に向かって所定寸法突出した状態で隙間をあけて設置することで、前記各仕切部材間の隙間を前記書籍又は雑誌挿入用の書籍等挿入溝とし、且つ当該書籍等挿入溝の上部開口を書籍等挿入口とし、
前記仕切部材の上辺左右両側の第1,第2端部の内の第1端部の屈曲角度を、第2端部の屈曲角度に比べて緩い角度とし、且つ隣接する前記仕切部材の第1,第2端部の位置を、互い違いに左右逆転させて設置することで隣接する第1,第2端部間の間隔を上下にずらせて広げたことを特徴とする書籍又は雑誌殺菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載の書籍又は雑誌殺菌装置であって、
前記複数の仕切部材の形状と寸法を同一にしたことを特徴とする書籍又は雑誌殺菌装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の書籍又は雑誌殺菌装置であって、
前記殺菌灯は棒状であり、前記ケースの左右両内側壁と天面の内の少なくとも何れかの内壁に、当該殺菌灯の長尺方向が前記書籍等保持具に保持される書籍又は雑誌の並び方向であって且つ当該書籍又は雑誌の面に垂直な方向に向かうように、設置されていることを特徴とする書籍又は雑誌殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書籍や雑誌を殺菌するのに用いて好適な書籍又は雑誌殺菌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図書館などで閲覧や貸し出しされる書籍や雑誌、古書店などで販売される書籍や雑誌には、過去の利用者などによるウイルスや、細菌、虫、カビなどが付着している虞があり、これを殺菌することが求められていた。
【0003】
本願発明者は、上記書籍又は雑誌殺菌装置として、特許文献1に記載の書物殺菌装置(1)を提案した。この書物殺菌装置(1)は、空気吹き出し口(31)から書物収納部(13)内に吹き出した空気を書物(100)の天(105)または地(107)に吹き付けて書物(100)の各ページを開かせることで、各ページに紫外線を照射して殺菌する構成となっている。この書物殺菌装置(1)によれば、書物の表裏両表面の他に、開いた各ページ間にも紫外線を照射することができ、書物の殺菌を各ページの内部まで及ばせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-77255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の書物殺菌装置(1)によれば、書物の殺菌を各ページの内部まで及ばせることができるようにするため、その分構造が複雑になり、簡易な装置とすることができなかった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、構造が簡単であり、且つ効果的な殺菌を行うことができ、さらに書籍や雑誌の収納や取出しが容易に行える書籍又は雑誌殺菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、書籍又は雑誌の場合、ウイルスや細菌に汚染される主な場所は、書籍又は雑誌の外表面(表表紙、裏表紙、背表紙など)であることに着目し、これら外表面を効果的に殺菌できるようにすると同時に、構造が簡単で、且つ書籍や雑誌の収納・取出操作が容易に行える構造の本願発明を創作した。
即ち、本発明は、書籍又は雑誌を収納する書籍等収納室を有し、当該書籍等収納室の内壁の少なくとも一部を反射面に仕上げてなるケースと、前記書籍等収納室内に出し入れ可能に収納され、複数冊の前記書籍又は雑誌を保持する書籍等保持具と、前記書籍等収納室内に設置され、前記書籍等保持具に保持した書籍又は雑誌に紫外線を直接または前記反射面による反射により照射する殺菌灯と、を具備し、前記書籍等保持具は、矩形状に組まれた外枠内に、複数の仕切部材を、これら各仕切部材の上部を前記外枠の上辺より上方に向かって所定寸法突出した状態で隙間をあけて設置することで、前記各仕切部材間の隙間を前記書籍又は雑誌挿入用の書籍等挿入溝とし、且つ当該書籍等挿入溝の上部開口を書籍等挿入口とし、前記仕切部材の上辺左右両側の第1,第2端部の内の第1端部の屈曲角度を、第2端部の屈曲角度に比べて緩い角度とし、且つ隣接する前記仕切部材の第1,第2端部の位置を、互い違いに左右逆転させて設置することで隣接する第1,第2端部間の間隔を上下にずらせて広げたことを特徴とする書籍又は雑誌殺菌装置にある。
本発明によれば、ケースの書籍等収納室内に、書籍や雑誌を保持した書籍等保持具を収納し、各書籍や雑誌に殺菌灯から直接または反射面による反射によって紫外線を照射するので、各書籍や雑誌(特にウイルスや細菌などによる汚染度が高い外表面)を効果的に殺菌することができる。
また殺菌灯を設置したケースの書籍等収納室内に、書籍を保持した書籍等保持具を収納する構造なので、構造が簡単である。
また本発明によれば、隣接する仕切部材の上辺の同じ側の端部に第1,第2端部が交互に位置することになり、当該隣接する第1,第2端部間の間隔を広げることができる。このため、各書籍等挿入溝の上部開口(書籍等挿入口)、特に前記広がっている上部開口の端部からの書籍や雑誌の挿入・取出しが容易に行えるようになる。
【0008】
また本発明は、上記特徴に加え、前記複数の仕切部材の形状と寸法を同一にしたことを特徴としている。
これによって、前記第1,第2端部の形状を有する1種類の仕切部材を用意するだけでよくなる。
また本発明は、上記特徴に加え、前記殺菌灯は棒状であり、前記ケースの左右両内側壁と天面の内の少なくとも何れかの内壁に、当該殺菌灯の長尺方向が前記書籍等保持具に保持される書籍又は雑誌の並び方向であって且つ当該書籍又は雑誌の面に垂直な方向に向かうように、設置されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、構造が簡単で、且つ効果的な殺菌を行うことができ、さらに書籍や雑誌の収納や取出しを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】書籍又は雑誌殺菌装置1の斜視図である。
図2】書籍又は雑誌殺菌装置1の使用方法説明図である。
図3】書籍等保持具50の斜視図である。
図4】外枠51の斜視図である。
図5】仕切板53を示す図であり、図5(a)は仕切板53を一方の方向から見た斜視図、図5(b)は反対方向から見た斜視図である。
図6】書籍又は雑誌100を保持した書籍等保持具50の斜視図である。
図7】書籍又は雑誌100の書籍等保持具50への挿入方法説明概略図である。
図8】ケース10内に収納した書籍又は雑誌100への紫外線の照射状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる書籍又は雑誌殺菌装置1の斜視図、図2は書籍又は雑誌殺菌装置1の使用方法説明図である。これらの図に示すように、書籍又は雑誌殺菌装置1は、書籍等収納室13を有するケース10と、書籍又は雑誌100を保持する書籍等保持具50とを具備して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは前記書籍等保持具50の下記する書籍又は雑誌100を挿入する側をいい、「下」とはその反対側をいうものとする。
【0012】
ケース10は、矩形箱型であって、その一側面に開閉扉21を取り付けて構成されている。ケース10の内部には、矩形状の空間からなる書籍等収納室13が形成されており、前記開閉扉21を設けた側面に開口15が形成されている。開口15は、前記開閉扉21によって塞がれる。書籍等収納室13内の開口15から見て左右両内側壁131,133と天面135には、それぞれ1本ずつ殺菌灯41,43,45が設置されている。
【0013】
書籍等収納室13の内壁の全て(左右両内側壁131,133、天面135、奥面137、底面139、開閉扉21の裏面141)は、反射面に仕上げられている。具体的には、アルミ板の表面を鏡面加工することで反射面としている。左右両内側壁131,133の略中央と、天面135の略中央には、それぞれランプ収納凹部143(図2では向かって右内側壁133の部分のみ示す)が形成され、各ランプ収納凹部143内に、前記殺菌灯41,43,45が設置されている。この例で用いられている各殺菌灯41,43,45は棒状(直線状)であり、左右両内側壁131,133に設置された殺菌灯41,43は、開口15側から奥側に向かって水平に設置され、また天面135に設置された殺菌灯45も、それらと同一方向に向かって設置されている。各殺菌灯41,43,45は、紫外線ランプである。
【0014】
開閉扉21は、片開き形式の扉であり、その外表面にこれを開閉する際に使用する取っ手151が取り付けられ、また書籍等収納室13の内部を目視可能とする透明な板材からなる窓153を取り付けて構成されている。
【0015】
図3は書籍等保持具50の斜視図である。同図及び図2に示すように、書籍等保持具50は、下記する多数冊の書籍又は雑誌100を保持して前記ケース10の書籍等収納室13に収納されるものであり、矩形状に組まれた外枠51内に、多数枚の仕切部材(以下「仕切板」という)53を、隙間をあけて平行に設置することで、当該隙間を書籍等挿入溝55として構成している。
【0016】
図4は、外枠51を示す斜視図である。同図に示すように、外枠51は、12本の枠材511a~lを矩形状(直方体形状)になるように接合し、前後の面と底面とに2本ずつ、左右の面に1本ずつ、補強材513を、水平方向に向かうように取り付けて構成されている。従って、外枠51は、各面が大きな開口となっており、その内部に紫外線が入射し易い。なお図示はしていないが、例えば、枠体511bの中央と、これに対向する枠体511dの中央に、書籍等保持具50を運ぶための取っ手を取り付けておくことが好ましい。
【0017】
図5は、仕切板53を示す図であり、図5(a)は仕切板53を一方向から見た斜視図、図5(b)は同一の仕切板53を反対方向から見た斜視図である。同図に示すように、仕切板53は、枠材531a~dを略四角形状になるように接合し、対向する上下の一対の枠材531b,dに、上下方向に向かう2本の補強材533を渡すように取り付けて構成されている。従って、仕切板53は、大きな開口を有しており、その内部を紫外線が通過し易い。
【0018】
さらにこの仕切板53は、その上辺531b両側の第1端部535と第2端部537の内の第1端部535の屈曲角度を、第2端部537の屈曲角度に比べて緩い角度、即ち、この例の場合は、第1端部535は大きな円弧形状とし、第2端部537は略直角に屈曲する形状としている。
【0019】
そして書籍等保持具50は、図3に示すように、前記外枠51内に、多数枚(この例では6枚)の仕切板53を、各仕切板53が所定の間隔で平行になるように収納して設置・固定(溶接など)することで構成されている。その際、外枠51内に設置した各仕切板53は、隣接する仕切板53の第1,第2端部535,537の位置(向き)を、互い違いに左右逆転させている。この書籍等保持具50は、図5に示す第1,第2端部535,537の形状を有する1種類の仕切板53を用いて構成できるので、複数種類の形状の仕切板を用意する必要がなく、これによって書籍等保持具50の製造コストを削減することができる。
【0020】
各仕切板53間の隙間寸法は、1冊の書籍又は雑誌100が無理なく挿入できる寸法に形成され、この隙間によって書籍等挿入溝55が形成されている。また各書籍等挿入溝55の上部開口は、書籍等挿入口55aとなっている。書籍等保持具50は、各仕切板53の上部の部分が、外枠51の上側の枠材511a,b,c,dの上辺よりもその上方に向かって所定寸法突出するように取り付けられている。即ち、各仕切板53の左右の枠材531a,cの上部の部分が枠材511a,b,c,dの上辺よりも所定寸法上方向に突出している。
【0021】
書籍又は雑誌100は、図2に示すように、表表紙100eと裏表紙100fと4つの外周辺100a,b,c,dとを有している。図2では、外周辺100aが天、外周辺100bが背(背表紙)、外周辺100cが地、外周辺100dが小口となっている。この図2の場合は、書籍又は雑誌100の書籍等保持具50へ挿入する先端側(下側)は外周辺100dとなっているが、他の3外周辺100a,b,cの何れかを先端側(下側)としても良い。
【0022】
次に、以上のように構成された書籍又は雑誌殺菌装置1の使用方法及び動作を説明する。まず図7の挿入方法説明概略図に示すように、書籍等保持具50の各書籍等挿入口55aから書籍等挿入溝55内に、1冊ずつ書籍又は雑誌100を挿入し、図6に示すように、立てかける。
【0023】
前記書籍又は雑誌100の書籍等挿入口55aへの挿入は、書籍等挿入口55aの真上側からもできるが、例えば図7に示すように、左右の枠材531c,531aの上部の部分が枠材511d(511b)よりも所定寸法上方向に突出しているので、突出した枠材531c,531aの側面側からも書籍又は雑誌100を挿入することができる。このため書籍又は雑誌100の挿入を、より容易に行うことができる。
【0024】
さらに、図7の挿入方法説明概略図に示すように、隣接する仕切板53の上辺531bの同じ側の端部に第1,第2端部535,537が交互に位置しているので、当該隣接する第1,第2端部535,537間の間隔H1を広げることができ、同時に第1,第2端部535,537の高さ位置を上下にずらすことができる。このため、上部開口55aの中でも、当該高さ位置がずれ且つ間隔H1が広がっている部分から、書籍又は雑誌100を挿入することがより容易である。
【0025】
次に、図6に示すように、書籍又は雑誌100を保持した書籍等保持具50を、図2に示すように、開閉扉21を開いたケース10の書籍等収納室13内に収納する。そして前記開閉扉21を閉じ、前記3つの殺菌灯41,43,45を点灯する。
【0026】
図8は、ケース10内に収納した書籍又は雑誌100への紫外線の照射状態を示す概略図である。同図では、書籍又は雑誌100を上方から見ている。同図に示すように、左右一対の殺菌灯41,43から照射された紫外線UVは、同図に一点鎖線の矢印で示すように、平行に設置された各書籍又は雑誌100の間の隙間に入り込み、対向する反対面側に向けて照射される。また天面135に設置された殺菌灯45から照射された紫外線も、矢印では図示していないが、上記平行に設置された各書籍又は雑誌100の間の隙間にその上側から入り込み、対向する下面側に向けて照射される。
【0027】
このとき、殺菌灯41,43は、書籍等収納室13内に設置した前記書籍又は雑誌100の上下方向に向かう外周辺100a,cの外側位置に設置され、また殺菌灯45は、書籍等収納室13内に設置した前記書籍又は雑誌100の上側の外周辺100bの外側位置に設置されているので、これら殺菌灯41,43,45から照射された紫外線の多くが隣接する書籍又は雑誌100の間の反対側の外周辺まで入り込み、また書籍又は雑誌100の間に入り込まなかった紫外線も書籍等収納室13内の反射面によって1又は複数回反射された後、書籍又は雑誌100に照射され、これによって書籍又は雑誌100の外周全面に満遍なく照射される。このように各書籍又は雑誌100に殺菌灯41,43,45から直接または反射面による反射によって紫外線を照射するので、各書籍又は雑誌100(特にウィルスや細菌などによる汚染度が高いその外表面全体)を効果的に殺菌消毒することができる。
【0028】
言い換えれば、書籍等保持具50に設けた各書籍等挿入溝55に各書籍又は雑誌100を挿入できるので、各書籍又は雑誌100を所定の隙間を空けて平行に併設でき、これによって、当該隙間を通して殺菌灯41,43,45から照射された紫外線を容易にその奥の方まで照射できる。これによって各書籍又は雑誌100の全外表面を効果的且つ確実に殺菌消毒することができる。
【0029】
また、書籍等保持具50に容易に複数冊の書籍又は雑誌100を保持できるので、一度に多数冊の書籍又は雑誌100を効率的に殺菌消毒することができる。
【0030】
また左右の殺菌灯41,43は、書籍等収納室13の対向する一対の内側壁131,133に沿って一対水平に設置されているので、殺菌灯41,43の長尺方向が、書籍等保持具50に保持された書籍又は雑誌100の並び方向(面に垂直な方法)に向かい、このため多数冊の書籍又は雑誌100に対してほぼ均等にその左右両外周辺100a,c側から紫外線を照射することができる。
【0031】
さらに殺菌灯45は、書籍等収納室13の天面135に沿って、前記一対の殺菌灯41,43と同一方向に向けて設置されているので、書籍又は雑誌100の上方からさらに紫外線を照射することができ、書籍又は雑誌100のより効果的な殺菌を図ることができる。またこの殺菌灯45も、その長尺方向が、書籍等保持具50に保持された書籍又は雑誌100の並び方向(面に垂直な方法)に向かうので、多数冊の書籍又は雑誌100に対してほぼ均等に当該殺菌灯45からの紫外線を照射することができる。
【0032】
以上のようにして書籍又は雑誌100の殺菌が終了した後は、殺菌灯41,43,45を消灯し、開閉扉21を開き、書籍等収納室13から書籍等保持具50を取り出す。そして書籍等保持具50から書籍又は雑誌100を取り出すが、その際、図6に示すように、書籍又は雑誌100の上辺角部Aは、それに隣接する一方側の仕切板53の第1端部535よりも外方(上側)に突出し、それに隣接する他方側の仕切板53の第2端部537の内側(下側)に位置する(もちろん書籍又は雑誌100の外形寸法によってはそのような位置関係にはならないが、主な書籍又は雑誌100についてはそのような位置関係になるように書籍等保持具50の形状寸法を設計している)。このため、書籍又は雑誌100の上辺角部Aは、仕切板53の第1端部535側から容易に指で触れることができ、当該書籍又は雑誌100の取出しをスムーズ(容易)に行うことができる。
【0033】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、書籍等収納室の内壁の全てを反射面に仕上げる代わりに、その一部を反射面に仕上げる構成としても良い。また書籍等保持具の形状・構造にも種々の変形が可能であり、要は、第1端部の屈曲角度を第2端部の屈曲角度に比べて緩い角度とした複数の仕切部材を、隣接する仕切部材の第1,第2端部の位置を互い違いに左右逆転させながら、隙間をあけて設置することで当該隙間を書籍又は雑誌挿入用の書籍等挿入溝とした構成の書籍等保持具であればよい。また書籍等保持具を構成する仕切部材は枠材で構成する代わりに例えば平板によって構成しても良く、また板状以外の各種形状であってもよい。また上記実施形態では、殺菌灯を書籍等収納室内の左右両内側壁と天面とに設置したが、左右両内側壁のみ、又は天面のみ、又は何れか一面のみに設置しても良い。また殺菌灯は、書籍又は雑誌の上下方向に向かう外周辺と書籍等収納室の内側壁との間以外の所望の位置に設置しても良い。また殺菌灯は、水平以外の状態で設置しても良い。また殺菌灯は、直線形状に限定されず、U字形状、球形状など、他の各種形状であっても良い。
【0034】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
1 書籍又は雑誌殺菌装置
10 ケース
13 書籍等収納室
131 内側壁(内壁)
133 内側壁(内壁)
135 天面(内壁)
137 奥面(内壁、内側壁)
139 底面(内壁)
141 開閉扉21の裏面(内壁、内側壁)
15 開口
21 開閉扉
41,43,45 殺菌灯
50 書籍等保持具
51 外枠
53 仕切板(仕切部材)
535 第1端部
537 第2端部
55 書籍等挿入溝
55a 書籍等挿入口
100 書籍又は雑誌
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8