IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ラグロフ設計工房の特許一覧

特許7493793画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム
<>
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図1
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図2
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図3A
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図3B
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図4
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図5
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図6A
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図6B
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図7A
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図7B
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図8
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図9
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図10
  • 特許-画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20240527BHJP
   G01C 11/04 20060101ALI20240527BHJP
   G01C 11/36 20060101ALI20240527BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20240527BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20240527BHJP
【FI】
G01B11/00 A
G01C11/04
G01C11/36
G01B11/24 K
G06T7/70 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020208438
(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公開番号】P2022095239
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】520466261
【氏名又は名称】株式会社ラグロフ設計工房
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 範之
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-38822(JP,A)
【文献】特開2019-109200(JP,A)
【文献】特開2019-74991(JP,A)
【文献】織田 和夫,講座:バンドル法 第一回バンドル法概論と用語,写真測量とリモートセンシング,日本,一般社団法人 日本写真測量学会,2012年03月09日,VOL.51, NO.1,pp.54-61
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
G01B 11/00-11/30
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも被写体を撮影するときに前記被写体に対して位置が固定された第1のカメラによって、前記被写体を撮影し、第1の画像を取得するステップと、
前記被写体の少なくとも一部を複数の箇所から撮影し、複数の第2の画像を取得するステップと、
前記複数の第2の画像に基づいて、前記被写体を含む領域の、絶対座標系における3次元画像データを作成するステップと、
前記被写体における複数の点の各々に対応する対応点を、前記第1の画像と、前記複数の第2の画像のうちの少なくとも一つと、から特定するステップと、
前記第1のカメラの絶対座標系における位置座標と、前記複数の点の各々に対応する対応点の写真座標系における位置座標と、前記複数の点の各々の前記3次元画像データに基づいて特定された絶対座標系における位置座標に基づいて、前記第1のカメラの、前記第1の画像の撮像時の絶対座標系における標定要素を計算するステップと、
を含む、画像標定方法。
【請求項2】
前記複数の第2の画像は、前記被写体に対して位置が移動可能な第2のカメラによって、前記第2のカメラの移動中に前記被写体を撮影して取得した画像である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像標定方法。
【請求項3】
前記複数の第2の画像は、少なくとも被写体を撮影するときに前記被写体に対して各々の位置が固定された複数の第3のカメラによって、被写体を撮影して取得した画像である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像標定方法。
【請求項4】
被写体における複数の点の各々に対応する対応点を、少なくとも被写体を撮影するときに前記被写体に対して位置が固定された第1のカメラによって撮影して取得した第1の画像と、前記被写体の少なくとも一部を複数の箇所から撮影して取得した複数の第2の画像のうちの少なくとも一つと、から特定する対応点特定部と、
前記複数の第2の画像に基づいて、前記被写体を含む領域の、絶対座標系における3次元画像データを作成する3次元画像データ作成部と、
前記第1のカメラの絶対座標系における位置座標と、前記複数の点の各々に対応する対応点の写真座標系における位置座標と、前記複数の点の各々の前記3次元画像データに基づいて特定された絶対座標系における位置座標に基づいて、前記第1のカメラの、前記第1の画像の撮像時の絶対座標系における標定要素を計算する標定計算部と、
を備えた、画像標定装置。
【請求項5】
少なくとも被写体を撮影するときに被写体に対して位置が固定された第1のカメラと、
第2のカメラと、
請求項4に記載の画像標定装置と、
を備え、
前記第2のカメラは、前記複数の第2の画像を取得する、
画像標定システム。
【請求項6】
コンピューターに、
少なくとも被写体を撮影するときに前記被写体に対して位置が固定された第1のカメラによって、前記被写体を撮影して取得した第1の画像を取得させ、
前記被写体の少なくとも一部を複数の箇所から撮影して取得した複数の第2の画像を取得させ、
前記複数の第2の画像に基づいて、前記被写体を含む領域の、絶対座標系における3次元画像データを作成させ、
前記被写体における複数の点の各々に対応する対応点を、前記第1の画像と、前記複数の第2の画像のうちの少なくとも一つと、から複数点特定させ、
前記第1のカメラの絶対座標系における位置座標と、前記複数の対応点の写真座標系における位置座標と、前記複数の点の各々の前記3次元画像データに基づいて特定された絶対座標系における位置座標に基づいて、前記第1のカメラの、前記第1の画像の撮像時の絶対座標系における標定要素を計算させる、
画像標定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像標定方法、画像標定装置、画像標定システム及び画像標定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
河川や道路、公園等の野外に設置されたカメラは、遠隔操作により撮影方向や倍率が可変であり、撮影画角が固定されていない場合が多い。このようなカメラによって撮影された画像から、当該画像内に写り込んだ物体の大きさや移動速度を計測する場合、当該画像の撮像時のカメラの内部標定要素及び外部標定要素を取得する必要がある。
【0003】
従来の画像標定方法は、撮影された画像から容易に視認できるマーカーを、標定対象区域内の複数箇所に設置する。そして、地上に固定された座標系における当該マーカーの位置座標を測量した上で、画像標定を行う必要がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】再表2005/017644
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば増水時の河川や、供用中の道路等においては、マーカーの設置が禁止又は制限される場合がある。従って、標定対象区域内にマーカーの設置を必要とする従来の画像標定方法では、標定の作業が禁止又は制限される場合がある。
【0006】
本発明の目的は、標定対象区域内にマーカーの設置を必要としない標定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、被写体に対して位置が固定された第1のカメラによって、前記被写体を撮影し、第1の画像を取得するステップと、各々が、前記被写体の少なくとも一部を撮影し、複数の第2の画像を取得するステップと、前記被写体における複数の点の各々に対応する対応点を、前記第1の画像と、前記複数の第2の画像のうちの少なくとも一つと、から特定するステップと、前記複数の点の各々に対応する対応点の位置座標に基づいて、前記第1のカメラの、前記第1の画像の撮像時の標定要素を計算するステップと、を含む、画像標定方法である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、標定対象区域内にマーカーの設置を必要としない標定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像標定システムの一例を示す図である。
図2】第1のカメラと、第2のカメラとの配置の一例を示す図である。
図3A】第1の画像の一例を示す図である。
図3B】複数の第2の画像の一例を示す図である。
図4】各種座標系及び共線条件について説明する図である。
図5】画像標定装置に実現される機能ブロックの一例を示す図である。
図6A】第1の画像から特定された複数の特徴点の一例を示す図である。
図6B】第2の画像から特定された複数の特徴点の一例を示す図である。
図7A】第1の画像から特定された複数の対応点の一例を示す図である。
図7B】第2の画像から特定された複数の対応点の一例を示す図である。
図8】3次元画像の一例を示す図である。
図9】画像標定装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである
図10】画像標定装置で実行される処理の変形例を示すフローチャートである
図11】第1のカメラと、複数の第3のカメラとの配置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
==第1実施形態==
<画像標定システム>
図1は、本実施形態の画像標定システム1の構成を示す図である。画像標定システム1は、第1のカメラC1と、第2のカメラC2と、画像標定装置2とを備えている。図2は、第1のカメラC1及び第2のカメラC2の配置を説明する図である。
【0011】
[第1のカメラ]
第1のカメラC1は、第1の画像F1(詳細は後述)を得るためのカメラである。本実施形態の第1のカメラC1は、被写体に対して位置が固定されたカメラである。本実施形態における被写体は、河川、道路、橋、建築物等を含む。従って、第1のカメラC1は、地上に対して位置が固定されたカメラともいえる。第1のカメラC1は、姿勢、レンズの焦点距離、撮影画角等が可変であり、これらは例えば遠隔操作によって制御可能である。第1のカメラC1は、例えば、防災、防犯等の目的で設置された監視カメラである。
【0012】
尚、第1のカメラC1は、持ち運び可能なビデオカメラ、デジタルカメラ、モバイル機器に搭載されたカメラ等であってもよい。この場合、これらの機器を三脚等で地上に固定して用いればよい。
【0013】
[第2のカメラ]
第2のカメラC2は、複数の第2の画像F2i(iは整数、詳細は後述)を得るためのカメラである。本実施形態の第2のカメラC2は、被写体に対して位置が移動可能なカメラである。第2のカメラC2は、例えば、航空機、車両、船舶等の移動体に積載されたカメラである。第2のカメラC2は、これらの移動体に設置されてもよいし、これらの移動体の乗組員の手や肩によって支持されてもよい。
【0014】
本実施形態では、第2のカメラC2は、航空機Aに設置されたカメラである。図2には、航空機Aの飛行ルートRが示されている。航空機Aの飛行中に、第2のカメラC2が被写体を撮影することによって、第2の画像F2iが得られる。第2のカメラC2が航空機に積載される場合、被写体を撮影する方向は特に制限されないが、鉛直下方に対して角度を有する方向から被写体を撮影することが好ましい。そうすると、被写体の側面のうち、鉛直方向に垂直な側面のみならず、鉛直方向に平行な側面が写る画像も得られることにより、後述する3次元画像データを高精度で得られるために好ましい。
【0015】
第2のカメラC2は、静止画を得るためのカメラでもよく、動画を得るためのカメラでもよい。静止画を得るためのカメラである場合、第2のカメラC2は、航空機Aが所定の位置を飛行しているときに、又は所定の時間間隔で、被写体を撮影することにより、第2の画像F2iを得る。動画を得るためのカメラである場合、動画の所定の時間の1コマを第2の画像F2iとすればよい。
【0016】
尚、以下では、第1のカメラC1と、第2のカメラC2とを区別しない場合、これらを単に「カメラ」と称する。
【0017】
[画像標定装置のハードウェア構成]
図1では、画像標定装置2のハードウェア構成の一例が示されている。画像標定装置2は、CPU(Central Processing Unit)20、主記憶装置21、補助記憶装置22、入力装置23、出力装置24、及び通信装置25を含むコンピューターである。
【0018】
CPU20は、主記憶装置21に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、画像標定装置2が有する上記各装置の動作を制御する。また、CPU20は、当該プログラムに従って、四則演算や論理演算を行う。
【0019】
主記憶装置21は、CPU20が実行中のプログラムやデータを一時的に格納するための記憶装置である。主記憶装置21は、例えばRAM(Random Access Memory)等の半導体記憶装置により構成することができる。
【0020】
補助記憶装置22は、CPU20によって実行あるいは処理されるプログラムや各種データを格納するための記憶装置である。補助記憶装置22は、例えばハードディスク等の磁気記憶装置、CDやDVD等の光記憶装置、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置等により構成することができる。補助記憶装置22には、本実施形態に係る各種のコードから構成される画像標定プログラム及び画像データが格納されている。
【0021】
画像標定プログラムは、画像標定装置2が有する各種機能(詳細は後述)を実現するためのプログラムである。
【0022】
画像データは、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとを含む複数の画像の各々を、出力装置24の一つである表示装置に表示させるためのデータである。図3Aは、第1の画像F1の一例を示す図である。図3Bは、複数の第2の画像F2iの一例を示す図である。この例では、8枚の第2の画像F2i(i=1~8)が示されている。
【0023】
第1の画像F1は、第1のカメラC1によって、被写体を撮影して取得した画像である。第1の画像F1は、本実施形態の画像標定システム1による画像標定の対象となる画像である。つまり、本実施形態の画像標定システム1は、第1のカメラC1の、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算する。
【0024】
ここで、標定要素とは、外部標定要素と、内部標定要素とを含む。外部標定要素とは、カメラの撮像時の位置及び姿勢である。内部標定要素とは、カメラの幾何学的特性であり、カメラレンズの焦点距離、レンズ歪み係数等である。本明細書では、単に「標定要素」と称する場合、外部標定要素と、内部標定要素との双方を意味する。
【0025】
複数の第2の画像F2iの各々は、第2のカメラC2によって、撮影して取得した画像である。また、複数の第2の画像F2iの各々は、第2のカメラC2によって、被写体の少なくとも一部を撮影して取得した画像である。前述のように、第2のカメラC2は、航空機、車両等に設置されたカメラであるため、航空機、車両等の移動中に、複数の異なる位置から、被写体を撮影することができる。これによって、複数の第2の画像F2iを取得することができる。
【0026】
複数の第2の画像F2iは、画像標定システム1が第1の画像F1の画像標定を行う際に必要な情報を得るための画像である。第1の画像F1に写った被写体における任意の1点は、複数の第2の画像F2iのうち少なくとも一つに写っていることが必要である。
【0027】
また、複数の第2の画像F2iは、3次元画像データ作成部32(後述)が、被写体の3次元画像データを作成するために用いられる画像でもある。3次元画像データ作成部32は任意の構成である。3次元画像データ作成部32が3次元画像データを作成する場合、被写体における任意の1点は、複数の第2の画像F2iのうち少なくとも二つの第2の画像F2iに写っていることが必要である。
【0028】
尚、以下では、第1の画像F1と、第2の画像F2iとを区別しない場合、これらを単に「画像」と称する。
【0029】
入力装置23は、画像標定装置2の外部から画像標定装置2の内部へ各種データを取り込むためのユーザインタフェースである。入力装置23は、キーボード、マウス、マイク等の装置である。
【0030】
出力装置24は、画像標定装置2の内部における処理結果等を、画像標定装置2の外部に出力するためのユーザインタフェースである。出力装置24は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置、プリンタ、スピーカ等の装置である。
【0031】
通信装置25は、画像標定装置2を各種通信網に接続するためのネットワークインターフェースである。通信装置25は、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して他のコンピューターからデータを受信し、受信したデータを補助記憶装置22や主記憶装置21に記憶する。また、通信装置25は、補助記憶装置22や主記憶装置21に記憶されているデータを、ネットワークを介して他のコンピューターへ送信する。通信装置25は、例えばネットワークカード等の装置である。
【0032】
[各種座標系と共線条件]
図4は、各種座標系及び共線条件について説明する図である。画像標定装置2の機能ブロックの説明を行う前に、後の説明の便宜のため、絶対座標系と、写真座標系と、カメラ座標系とについて定義し、これらの関係について説明する。更に、共線条件について説明する。
【0033】
絶対座標系は、地上の一点に原点を有し、地上に対する3つの方向の座標軸を有する3次元の直交座標系である。カメラの位置Oの絶対座標系における位置座標を、点O(X,Y,Z)とする。また、被写体上のある点Pの絶対座標系における位置座標を、点P(X,Y,Z)とする。
【0034】
写真座標系は、画像上の一点に原点を有し、画像に対する2つの方向の座標軸を有する2次元の直交座標系である。点P(X,Y,Z)に対応する、写真座標系における位置座標を、点p(x,y)とする。
【0035】
カメラ座標系は、カメラの位置に原点を有し、カメラに対する3つの方向の座標軸を有する3次元の直交座標系である。カメラの座標系におけるカメラの位置座標oを、点o(0,0,0)とする。また、点P(X,Y,Z)に対応する、カメラ座標系における位置座標pを、写真座標系における座標値を用いて、点p(x,y,-c)とする。cは、カメラレンズの焦点距離である。
【0036】
点Oと、点pと、点Pとは、一直線に並ぶ。これは、共線条件と称され、共線条件を定式化することにより、以下の式が得られる。
【0037】
ここで、kは、正の実数である。また、行列Rは、カメラ座標系から絶対座標系へ変換するための行列であって、3行3列の直交行列aij(i=1~3、j=1~3)である。つまり、行列Rの転置行列は、行列Rの逆行列に等しい。また、行列Rが決まると、外部標定要素の一つであるカメラの姿勢が特定される。つまり、行列Rの各成分は、外部標定要素に起因するパラメータである。
【0038】
式1のkを消去すると、下記の2式が得られる。
【0039】
ここで、レンズ歪み等の内部標定要素に起因して、写真座標系の位置座標(式2-1及び式2-2)の左辺)に誤差Δx及びΔyが生じる場合、式(2-1)及び式(2-2)はそれぞれ、以下の式3-1及び式3-2のように書き換えられる。
【0040】
つまり、内部標定要素は、誤差Δx及びΔyとしてモデル化される。誤差Δx及びΔyの、内部標定要素を用いた表現については、幾つかのモデルが提案されているが、いずれを用いてもよく、特に制限はない。
【0041】
本明細書において、「標定要素を計算する」とは、当該標定要素の数値を求めること、又は当該標定要素に起因するパラメータ等の数値を求めることである。また、本明細書において、「カメラの外部標定要素を計算する」とは、カメラの絶対座標における位置座標と、カメラの姿勢を特定するパラメータを求めることを意味する。「カメラの姿勢を特定するパラメータ」とは、行列Rの成分(独立なパラメータは3つ)であってもよいし、絶対座標系のX軸、Y軸及びZ軸の各々に対するカメラ座標の回転角ω、φ及びκであってもよい。また、本明細書において、「カメラの内部標定要素を計算する」とは、カメラレンズの焦点距離cと、カメラの内部標定要素に起因する誤差Δx及びΔyのモデルに含まれた内部標定要素を求めることを意味する。
【0042】
[画像標定装置の機能ブロック]
図5は、画像標定装置2に実現される機能ブロックの一例を示す図である。画像標定装置2のCPU20が、標定プログラムを実行することにより、画像標定装置2には、特徴点特定部30と、対応点特定部31と、標定計算部34と、3次元画像データ作成部32と、表示制御部33とが実現される。
【0043】
特徴点特定部30は、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとの各々について、複数の特徴点を特定する。特徴点とは、画像内において、明瞭な特徴と視認される点である。特徴点は、例えば、地形が有する角、道路の白線の終端、建築物が有する角等に対応する画像内の箇所である。
【0044】
「特徴点を特定する」とは、画像における特徴点の写真座標系における位置座標を特定することを意味する。特徴点を特定する方法としては、例えば、Foerstnerフィルタ、SUSANフィルタ、FASTフィルタ等を用いることができる。特徴点特定部30は、複数の特徴点を特定した後に、複数の特徴点の各々の写真座標系における位置座標を特定する。
【0045】
図6Aは、第1の画像F1において特定された複数の特徴点を示す図である。図6Bは、複数の第2の画像F2iのうち、第2の画像F21において特定された複数の特徴点を示す図である。図6A及び図6Bにおいて、特定された特徴点を黒丸で示す。
【0046】
第1の画像F1及び第2の画像F21から特定される特徴点の数は、多いほど好ましい。詳細は後述するが、第1の画像F1及び第2の画像F21から特定される特徴点の数が多いほど、第1の画像F1及び第2の画像F21から、多くの対応点が特定されやすくなる。第1の画像F1及び第2の画像F21から、少なくとも6個の対応点が特定されるのに十分な数の特徴点を特定することが好ましい。他の第2の画像F2i(i≠1)についても同様の手順で複数の特徴点が特定される。
【0047】
3次元画像データ作成部32は、複数の第2の画像F2iに基づいて、被写体を含む領域の3次元画像データを作成する。具体的には、3次元画像データ作成部32は、フォトグラメトリの原理を用いて、3次元画像データを作成する。図8は、図4Bに示した8枚の第2の画像F2iから得られた3次元画像の一例である。尚、3次元画像データ作成部32は任意の構成である。
【0048】
表示制御部33は、3次元画像データ作成部32が作成した3次元画像データに基づく3次元画像32aを、出力装置24の一である表示装置に表示させる。ユーザは、キーボード、マウス等を用いて、被写体を含む領域の3次元画像32aを、任意の方向から視認することができる。
【0049】
ユーザは、3次元画像32aを視認することにより、複数の第2の画像F2iが、後述する標定計算部34による画像標定において十分な精度を得るために十分なデータであるか否かを確認する。仮に、3次元画像32aが、現実の被写体を十分な精度で再現していないと視認される場合、画像標定において十分な精度を得ることが困難であると予測される。
【0050】
また、ユーザは、3次元画像32aを視認することにより、第1の画像F1の画像標定が可能か否かを確認する。仮に、第1の画像F1に写った被写体の範囲が、3次元画像32aに含まれていない場合、第1の画像F1の画像標定が不可能である。
【0051】
また、3次元画像32aと、絶対座標とを関連付けることにより、被写体の一点の、絶対座標系における位置座標を特定してもよい。そうすると、カメラ座標系における対応点の、絶対座標系における位置座標を特定することができる。これによって、セルフキャリブレーション付きバンドル法(後述)の精度が向上し、画像標定の精度が向上する。
【0052】
対応点特定部31は、被写体における複数の点(絶対座標系における複数の点)の各々に対応する対応点を、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iのうちの少なくとも一つと、から特定する。ここで、「対応点」とは、被写体のある一点を点Pとした場合に、点Pに対応する、写真座標系の点である。対応点は、「タイポイント」とも称される。
【0053】
「対応点を特定する」とは、対応点の写真座標系における位置座標を特定することを意味する。
【0054】
具体的に、対応点特定部31が、被写体における複数の点の各々に対応する対応点を、第1の画像F1と、第2の画像F21と、から特定する方法について説明する。対応点特定部31は、例えば、第1の画像F1から特定された複数の特徴点と、第2の画像F21から特定された複数の特徴点との全ての対について、パターンマッチングの手法を用いて類似度を算出する。パターンマッチングの手法としては、例えば、正規化相互相関法や最小二乗相関法を用いることができる。
【0055】
そして、対応点特定部31は、例えば、類似度が所定の閾値以上となる特徴点の対を、被写体のある一点に対応する、第1の画像F1における対応点と、第2の画像F21における対応点として特定する。
【0056】
図7Aは、第1の画像F1から特定された複数の対応点を示す図である。図7Bは、第2の画像F21から特定された複数の対応点を示す図である。図7A及び図7Bにおいて、特定された対応点が、黒丸で示されている。
【0057】
これらの図において、図7Aの点q(1)と、図7Bの点q(21)とは、いずれも被写体における点P(図示せず)に対応する対応点を意味する。第1の画像F1と、他の第2の画像F2i(i≠1)についても同様の手順で複数の対応点が特定される。
【0058】
標定計算部34は、複数の対応点の写真座標系における各々の位置座標に基づいて、第1のカメラC1の、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算する。具体的には、標定計算部34は、セルフキャリブレーション付きバンドル法を用いて、第1のカメラC1の、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算する。
【0059】
バンドル法とは、共線条件を定式化し、最小自乗法を用いて解くことにより、外部標定要素を求める手法である。セルフキャリブレーション付きバンドル法とは、カメラの外部標定要素に加えて、内部標定要素を同時に計算する手法であり、バンドル法で利用される共線条件式に誤差モデルの項を追加して、未知の量を解く手法である(式3-1及び式3-2)。
【0060】
第1の画像F1から特定された複数の対応点のうち一の対応点q(1)から、下記の共線条件が得られる。ここで、点q(1)のカメラ座標系における座標を、(x(1),y(1),z(1))とする。また、対応点q(1)に対応する絶対座標系における位置座標を、(X,Y,Z)とする。
【0061】
更に、第2の画像F21から特定された複数の対応点のうち一の対応点q(21)から、下記の定式化された共線条件が得られる。ここで、点q(21)のカメラ座標系における座標を、(x(21),y(21),z(21))とする。また、対応点q(21)に対応する絶対座標系における位置座標は、対応点q(1)に対応する絶対座標系における位置座標と同一であり、(X,Y,Z)である。
【0062】
式4-1及び式4-2において、変数に「(1)」と付したものは、第1の画像F1に関する変数であることを意味する。同様に、式5-1及び式5-2において、変数に「(21)」と付したものは、第2の画像F21に関する変数であることを意味する。
【0063】
同様にして、第1の画像F1と、第2の画像F2i(i≠1)とから特定された複数の対応点の対の数の2倍の数だけ、共線条件が得られる。
【0064】
標定計算部34は、上述の方法で定式化された複数の共線条件を、セルフキャリブレーション付きバンドル法を用いて、第1のカメラC1の、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算する。
【0065】
<画像標定処理>
以下、各機能ブロックが実行する処理の一例を、図9を参照しながら説明する。図9は、画像標定装置2で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
本実施形態の画像標定処理は、第1の画像F1を取得するステップS1と、複数の第2の画像F2iを取得するステップS2と、特徴点を特定するステップS2と、対応点を特定するステップS3と、標定要素を計算するステップS4と、を含む。
【0067】
ステップS1において、特徴点特定部30は、補助記憶装置22に記録された、第1の画像F1を表現するための画像データを読み出し、第1の画像F1を取得する。
【0068】
ステップS2において、特徴点特定部30は、補助記憶装置22に記録された、複数の第2の画像F2iの各々を表現するための画像データを読み出し、複数の第2の画像F2iを取得する。尚、ステップS1及びステップS2の順序は任意である。
【0069】
ステップS3において、特徴点特定部30は、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとの各々から、複数の特徴点を特定する。
【0070】
ステップS4において、対応点特定部31は、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとの対応点を、複数点特定する。
【0071】
ステップS5において、標定計算部34は、ステップS2で得られた複数の対応点に基づいて、第1のカメラC1の、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算する。
【0072】
==変形例1==
各機能ブロックが実行する処理の変形例を、図10を参照しながら説明する。図10は、画像標定装置2で実行される処理の変形例を示すフローチャートである。本変形例の処理は、第1実施形態の処理(図9)に比べると、3次元画像データを作成するステップS4´を更に含む点で異なっている。第1実施形態のステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS4及びステップS5はそれぞれ、本変形例のステップS1´、ステップS2´、ステップS3´、ステップS5´及びステップS6´と同様である。
【0073】
本変形例では、3次元画像データを作成するステップS4´は、対応点を特定するステップS5´の前に実行される。ステップS4´において、3次元画像データ作成部32は、複数の第2の画像F2iを用いて被写体を含む領域の3次元画像データを作成する。尚、ステップS4´は、ステップS6´の前に実行されればよく、この例のタイミングに限られない。
【0074】
==変形例2==
画像標定システム1の処理において、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとは、解像度、明るさ、コントラスト、色彩等の画質、影の位置等が近いことが好ましい。そうすると、対応点特定部31が実行するパターンマッチングの精度を一定以上に保つことができ、ひいては得られる標定要素の精度を一定以上に保つことができる。
【0075】
従って、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとについて画像処理を行い、解像度、明るさ、コントラスト、色彩等が近くなるように調整してもよい。このような画像処理は、対応点を特定するステップS5(図9)の前の任意のタイミングで行えばよい。
【0076】
==第2実施形態==
本実施形態の画像標定システムは、第1実施形態の画像標定システム1と比べると、複数の第2の画像F2iを得るためのカメラが異なっている。その他の構成、処理方法等は、第1実施形態と同様である。
【0077】
図11は、第1のカメラC1と、複数の第3のカメラC3との配置の一例を示す図である。本実施形態では、複数の第2の画像F2iは、複数の第3のカメラC3によって、撮影して取得した画像である。複数の第3のカメラC3の各々は、被写体に対して、位置が固定されている。
【0078】
複数の第3のカメラC3の各々は、所定の時間間隔で第2の画像F2iを得る。複数の第3のカメラC3の各々は、第1実施形態の第2のカメラC2と同様に、静止画を得るためのカメラでもよく、動画を得るためのカメラでもよい。
【0079】
また、複数の第3のカメラC3の各々は、姿勢、撮影画角等が遠隔操作により制御可能であってもよいし、これらが固定されていてもよい。
【0080】
前述のように、画像標定システムの処理において、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとは、解像度、明るさ、コントラスト、色彩等の画質、影の位置等が近いことが好ましい。
【0081】
従って、複数の第2の画像F2iとしては、第1の画像F1が得られた時刻に可能な限り近い時刻に得られたものを選択することが好ましい。
【0082】
また、本実施形態の複数の第3のカメラC3によれば、任意のタイミングで被写体を撮影して複数の第2の画像F2iを取得することができる。従って、予め被写体を撮影して複数の第2の画像F2iを取得し、3次元画像データを作成しておいてもよい。そして、複数の第2の画像F2iの各々を表現するための画像データと、当該3次元画像データとを、補助記憶装置22に保存しておいてもよい。
【0083】
そして、その後に第1のカメラC1が被写体を撮影して得られた第1の画像F1について、標定要素を計算してもよい。この場合、図10のフローチャートにおいて、3次元画像データを作成するステップS4´の代わりに、補助記憶装置22に記録された3次元画像データを読み出すステップとすればよい。
【0084】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【0085】
以上、第1及び第2実施形態の画像標定方法は、被写体に対して固定された位置に設置された第1のカメラC1によって、被写体が撮影されることによって得られた、第1の画像F1を取得するステップと、各々が、被写体の少なくとも一部が撮影されることによって得られた、複数の第2の画像F2iを取得するステップと、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとの対応点を、複数点特定するステップと、複数の対応点の各々の写真座標系における位置座標に基づいて、第1のカメラC1の、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算するステップと、を含む。
【0086】
このような画像標定方法によれば、第1の画像F1の画像標定を行う際、標定対象区域内にマーカーの設置を必要としない。従って、マーカーの設置が禁止又は制限される区域の画像についても、画像標定を行うことができる。
【0087】
また、当該標定方法は、対応点を複数点特定するステップの前に、複数の第2の画像F2iに基づいて、被写体を含む領域の3次元画像データを作成するステップを更に含んでもよい。これによって、ユーザは、3次元画像32aを視認することにより、複数の第2の画像F2iが、画像標定において十分な精度を得るために十分なデータであるか否かを確認することができる。また、ユーザは、3次元画像32aを視認することにより、第1の画像F1の画像標定が可能か否かを確認することができる。また、3次元画像32aと、絶対座標とを関連付けることにより、被写体の一点の、絶対座標系における位置座標を特定することができる。そうすると、カメラ座標系における対応点の、絶対座標系における位置座標を特定することができる。これによって、セルフキャリブレーション付きバンドル法の精度が向上し、画像標定の精度が向上する。
【0088】
また、第1実施形態の標定方法において、複数の第2の画像F2iは、被写体に対して移動可能な位置に設置された第2のカメラC2によって撮影されることによって得られた画像である。これによって、複数の第2の画像F2iを得るために、複数のカメラを必要とせず、被写体に対して異なる位置及び角度から、被写体を複数撮影することができる。
【0089】
また、第2実施形態の標定方法において、複数の第2の画像F2iは、被写体に対して固定された位置に設置された複数の第3のカメラC3によって撮影されることによって得られた画像である。これによって、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとの画質が近くなる。そうすると、対応点特定部31が実行するパターンマッチングの精度を一定以上に保つことができ、ひいては得られる標定要素の精度を一定以上に保つことができる。
【0090】
第1及び第2実施形態の画像標定装置2は、被写体における複数の点の各々に対応する対応点を、被写体に対して位置が固定された第1のカメラC1によって撮影して取得した第1の画像F1と、被写体の少なくとも一部を撮影して取得した複数の第2の画像F2iのうちの少なくとも一つと、から特定する対応点特定部と、複数の点の各々に対応する対応点の位置座標に基づいて、前記第1のカメラの、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算する標定計算部34と、を含む。
【0091】
このような画像標定装置2によれば、第1の画像F1の画像標定を行う際、標定対象区域内にマーカーの設置を必要とせずに、画像標定を行うことができる。従って、マーカーの設置が禁止又は制限される区域の画像についても、画像標定を行うことができる。
【0092】
第1及び第2実施形態の画像標定システム1は、被写体に対して位置が固定された第1のカメラC1と、第2のカメラC2と、上記画像標定装置2とを備える。
【0093】
このような画像標定システム1によれば、第1の画像F1の画像標定を行う際、標定対象区域内にマーカーの設置を必要とせずに、画像標定を行うことができる。従って、マーカーの設置が禁止又は制限される区域の画像についても、画像標定を行うことができる。
【0094】
第1及び第2実施形態の画像標定プログラムは、コンピューターに、被写体に対して固定された位置に設置された第1のカメラC1によって、被写体が撮影されることによって得られた第1の画像F1を取得させ、各々が、被写体の少なくとも一部が撮影されることによって得られた複数の第2の画像F2iを取得させ、第1の画像F1と、複数の第2の画像F2iとの対応点を複数点特定させ、複数の対応点の各々の、被写体に固定された座標系における位置座標を取得させ、複数の対応点に基づいて、第1のカメラC1の、第1の画像F1の撮像時の標定要素を計算させる。
【0095】
このような画像標定プログラムによれば、第1の画像F1の画像標定を行う際、標定対象区域内にマーカーの設置を必要とせずに、コンピューターに画像標定を実行させることができる。従って、マーカーの設置が禁止又は制限される区域の画像についても、画像標定を行うことができる。
【符号の説明】
【0096】
1:画像標定システム
C1:第1のカメラ
C2:第2のカメラ
C3:第3のカメラ
2:画像標定装置
20:CPU
21:主記憶装置
22:補助記憶装置
23:入力装置
24:出力装置
25:通信装置
30:特徴点特定部
31:対応点特定部
32:3次元画像データ作成部
33:表示制御部
34:標定計算部

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11