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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】表示装置用透明光源システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240527BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
F21S2/00 433
F21S2/00 431
G02F1/13357
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022560014
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2021000074
(87)【国際公開番号】W WO2021203771
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202010278218.9
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522385289
【氏名又は名称】馬鞍山晶智科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MAANSHAN-JINGZHI TECHNOLOGY CO LTD
【住所又は居所原語表記】No.9 and 10,Guangna Standardized Factory Building,Zhengpu Port New District,Ma’anshan City,Anhui Province 243000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】武 鵬
(72)【発明者】
【氏名】陳 玉雷
(72)【発明者】
【氏名】張 蕊蕊
(72)【発明者】
【氏名】李 同
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0084888(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0001236(KR,A)
【文献】特開平07-072475(JP,A)
【文献】特開2011-181794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置用透明光源システムであって、
光源及び導光板を備え、前記導光板は前記光源に対向する入光面、上面、下面、及び前記入光面に対向する側面を備え、前記上面と前記下面が互いに平行である表示装置用透明光源システムにおいて、
前記上面の外には導光用外膜が設けられ、前記上面の上には前記導光板内を伝送する光線を前記上面から射出させることができる第1光学的微細構造が設けられ、前記導光用外膜の内面の上には前記第1光学的微細構造に対向する第2光学的微細構造が設けられ、前記第2光学的微細構造は前記第1光学的微細構造から射出する光線を前記導光用外膜の外面から射出させることができ
前記第1光学的微細構造は光線伝送方向に沿って並列に設けられる複数の第1ストリップ状独立構造であり、前記第1ストリップ状独立構造の幅寸法が表示装置の最小画素寸法よりも小さく、前記第2光学的微細構造は光線伝送方向に沿って並列に設けられる複数の第2ストリップ状独立構造であり、前記第2ストリップ状独立構造の幅寸法が表示装置の最小画素寸法よりも小さいことを特徴とする表示装置用透明光源システム。
【請求項2】
前記導光板と前記導光用外膜との間に導光用内膜が設けられ、前記導光用内膜の下面は前記導光板の上面に貼り合せられ、前記第1光学的微細構造は前記導光用内膜の上面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用透明光源システム。
【請求項3】
前記導光用外膜の外面は前記導光用内膜の下面に平行であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置用透明光源システム。
【請求項4】
前記第1ストリップ状独立構造と前記第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて複数の並列したストリップ状独立構造ユニットを構成し、前記ストリップ状独立構造ユニットが前記導光板内を伝送する光線を前記導光用外膜の外面から射出させることを特徴とする請求項に記載の表示装置用透明光源システム。
【請求項5】
前記ストリップ状独立構造ユニットは1つの第1ストリップ状独立構造と1つの第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて構成されることを特徴とする請求項に記載の表示装置用透明光源システム。
【請求項6】
前記ストリップ状独立構造ユニットは1つの第1ストリップ状独立構造と2つの第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて構成されることを特徴とする請求項に記載の表示装置用透明光源システム。
【請求項7】
前記第1ストリップ状独立構造と前記第2ストリップ状独立構造が光学用接着剤で1つの全体に接着されることを特徴とする請求項に記載の表示装置用透明光源システム。
【請求項8】
前記導光板の側面に反射面が設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用透明光源システム。
【請求項9】
前記側面の外に補助光源が設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用透明光源システム。
【請求項10】
前記導光用外膜の外側に表示装置が設けられることを特徴とする請求項1に記載の透明光源システムを用いる表示装置。
【請求項11】
前記導光板の下面の外側に反射板が設けられることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用光源システムに関し、特に表示装置用透明光源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
透明光源システムは液晶表示装置に適用される光源システムであり、その原理は、環境光が比較的強い場合、環境光線が透明光源システムを透過して表示装置に入って、その後に人の目で反射され、且つこのときの光線に表示情報を含め、環境光が比較的弱い場合、透明光源自体が光線を発し、該光線が表示装置に入ってから人の目で反射されて、人の目に十分なエネルギーの光線を受信させて表示情報を識別することであり、この技術はエネルギー利用率を効果的に向上させることができ、省エネシーンのニーズを満たす。
【0003】
特許US20180052274A1には薄膜導光膜が開示され、図1に示される。導光膜に微細構造を製作し、光線が微細構造を通過した後にその伝播の全反射条件を破って、その後に他の面から出射し、複数層のこのような構造の導光膜を圧接して薄膜導光膜を構成し、光学的に各層の導光膜が単一の個体である。このような構造は、コストが比較的高く且つプロセスが複雑であるとともに、効率が比較的低い。
【0004】
特許CN109031512Aに開示される導光膜構造は台形構造であり、図2に示される。この導光膜を導光板とボンドラインで一体に接着し、これは導光板の表面に1つの逆台形構造が存在することに相当し、光線は逆台形構造の側面に入射して全反射が発生した後、台形の底面から出光する。このような導光膜構造は、ボンドラインで2層の構造を一体に接着する必要があり、そのボンドラインの平滑性がその出光効果に大きく影響することとなり、このため、コントラストが低下し、輝度が低下するなどの問題を引き起こしてしまう。
【0005】
特許CN108519637Aには導光板に微細構造を製作することが開示され、図3に示される。微細構造の形状は円錐台型であり、光線が微細構造の表面に照射して、表面に屈折して出光する。このような構造に背面光漏れ現象が存在し、その背面に半透明半反射膜を貼り合せることにより、その背面光漏れを抑制することができるが、それと同時に光透過率を低下させることとなり、また、半透明半反射構造がその反対側の微細構造に位置合わせする必要があり、このため、プロセスが複雑で、コストが比較的高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、容易に製作でき、コストが比較的低く、且つ出光効率が高い表示装置用透明光源システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が上記技術的課題を解決するために用いる技術案は以下のとおりである。表示装置用透明光源システムであって、光源及び導光板を備え、前記導光板は前記光源に対向する入光面、上面、下面、及び前記入光面に対向する側面を備え、前記上面と前記下面が互いに平行であり、前記上面の外には導光用外膜が設けられ、前記上面の上には前記導光板内を伝送する光線を前記上面から射出させることができる第1光学的微細構造が設けられ、前記導光用外膜の内面の上には前記第1光学的微細構造に対向する第2光学的微細構造が設けられ、前記第2光学的微細構造は前記第1光学的微細構造から射出する光線を前記導光用外膜の外面から射出させることができる。
【0008】
前記導光板と前記導光用外膜との間に導光用内膜が設けられ、前記導光用内膜の下面は前記導光板の上面に貼り合せられ、前記第1光学的微細構造は前記導光用内膜の上面に設けられる。
【0009】
前記導光用外膜の外面は前記導光用内膜の下面に平行である。
【0010】
前記第1光学的微細構造は光線伝送方向に沿って並列に設けられる複数の第1ストリップ状独立構造であり、前記第1ストリップ状独立構造の幅寸法が表示装置の最小画素寸法よりも小さく、前記第2光学的微細構造は光線伝送方向に沿って並列に設けられる複数の第2ストリップ状独立構造であり、前記第2ストリップ状独立構造の幅寸法が表示装置の最小画素寸法よりも小さい。
【0011】
前記第1ストリップ状独立構造と前記第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて複数の並列したストリップ状独立構造ユニットを構成し、前記ストリップ状独立構造ユニットが前記導光板内を伝送する光線を前記導光用外膜の外面から射出させる。
【0012】
前記ストリップ状独立構造ユニットは1つの第1ストリップ状独立構造と1つの第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて構成される。
【0013】
前記ストリップ状独立構造ユニットは1つの第1ストリップ状独立構造と2つの第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて構成される。
【0014】
前記第2ストリップ状独立構造は光線伝送方向に沿って連続的に分布してもよく、前記第1ストリップ状独立構造は光線伝送方向に沿って不連続的に分布してもよい。第1ストリップ状独立構造と第2ストリップ状独立構造はいずれも光線伝送方向に沿って不連続的に分布してもよい。
【0015】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した弧形が弧形に対応するものであってもよい。
【0016】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した弧形が三角形に対応して対向するものであってもよい。
【0017】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した弧形が多角形に対応して対向するものであってもよい。
【0018】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した弧形が台形に対応して対向するものであってもよい。
【0019】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した三角形が三角形に対応して対向するものであってもよい。
【0020】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した三角形が弧形に対応して対向するものであってもよい。
【0021】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した三角形が多角形に対応して対向するものであってもよい。
【0022】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した三角形が台形に対応して対向するものであってもよい。
【0023】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した台形が三角形に対応して対向するものであってもよい。
【0024】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した台形が弧形に対応して対向するものであってもよい。
【0025】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した台形が多角形に対応して対向するものであってもよい。
【0026】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した台形が台形に対応して対向するものであってもよい。
【0027】
第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の断面は突起した相補する形状で対向するものであってもよい。
【0028】
前記第1ストリップ状独立構造と前記第2ストリップ状独立構造が光学用接着剤で全体に1つに接着される。
【0029】
前記導光板の側面に反射面が設けられてもよい。
【0030】
前記側面の外に補助光源が設けられてもよい。
【0031】
前記光学的微細構造は光線伝播方向に沿って配列して設けられる離散する二次元構造であってもよく、前記二次元光学的微細構造は均一に分布するものであってもよく、不均一に分布するものであってもよい。前記二次元構造の横断面は四角形、六角形、円形及び円錐形を含むが、それらに限定されない。
【0032】
上記透明光源システムを用いる表示装置であって、前記導光用外膜の外側に表示装置が設けられる。
【0033】
前記導光板の下面の外側に反射板が設けられる。
【発明の効果】
【0034】
従来技術に比べて、本発明の利点は、出光の単方向性が高く、1つの方向のみから出光することが確保され、光学薄膜が一次成形され、プロセスの難易度が低く、製品の収率が高く、この構造の導光用内膜が導光板と統合することができ、製品が一体化成形を実現でき、プロセスフローがシンプルで、コストが低いことにある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は米国特許US20180052274A1に開示される構造模式図である。
図2図2は中国特許CN109031512Aに開示される構造模式図である。
図3図3は中国特許CN108519637Aに開示される構造模式図である。
図4a図4aは本発明の実施例1の平面構造模式図である。
図4b図4bは本発明の実施例1の立体構造模式図である。
図5a図5aは本発明の実施例1の例1の構造模式図である。
図5b図5bは本発明の実施例1の例2の構造模式図である。
図5c図5cは本発明の実施例1の例3の構造模式図である。
図5d図5dは本発明の実施例1の例4の構造模式図である。
図5e図5eは本発明の実施例1の例5の構造模式図である。
図5f図5fは本発明の実施例1の例6の構造模式図である。
図5g図5gは本発明の実施例1の例7の構造模式図である。
図5h図5hは本発明の実施例1の例8の構造模式図である。
図5i図5iは本発明の実施例1の例9の構造模式図である。
図5j図5jは本発明の実施例1の例10の構造模式図である。
図5k図5kは本発明の実施例1の例11の構造模式図である。
図5l図5lは本発明の実施例1の例12の構造模式図である。
図6図6は本発明の実施例1の導光用内膜が導光用外膜に結合される模式図である。
図7図7は本発明の実施例2の構造模式図である。
図8図8は本発明の実施例3の構造模式図である。
図9a図9aは本発明の実施例4の例1の単方向の反射光線の模式図である。
図9b図9bは本発明の実施例4の例2の双方向の入射光線の模式図である。
図10a図10aは本発明の実施例5の例1の構造模式図である。
図10b図10bは本発明の実施例5の例2の構造模式図である。
図10c図10cは本発明の実施例5の例3の構造模式図である。
図11a図11aは本発明の透明光源システムを用いる反射型表示装置の最終的な光線観察効果の模式図である。
図11b図11bは本発明の透明光源システムを用いる透明型表示装置の最終的な光線観察効果の模式図である。
図11c図11cは本発明の透明光源システムを用いる透過型表示装置の最終的な光線観察効果の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
【実施例1】
【0037】
図4aに示すように、表示装置用透明光源システムであって、光源1及び導光板2を備え、導光板2は平行平板であり、光源1に対向する入光面21、上面22、下面23、及び入光面21に対向する側面24を備え、上面22と下面23は互いに平行であり、側面24は斜面であってもよく、入光面21に互いに平行であってもよく、上面22に導光用内膜4が設けられ、導光用内膜4の下面41は導光板2の上面22に貼り合せられ、導光用内膜4の上面42に第1光学的微細構造43が設けられ、導光板2内を伝送する光線を導光板2の上面22から射出させることができ、第1光学的微細構造43は光線伝送方向に沿って並列に設けられる複数の第1ストリップ状独立構造であり、UV成形によって導光用内膜4の上面42に設けられ、第1ストリップ状独立構造43の幅は表示装置の最小画素寸法よりも小さく、隣接する第1ストリップ状独立構造間の間隔441は第1ストリップ状独立構造43の幅の2倍よりも大きく、導光用内膜4の外側に導光用外膜5が設けられ、導光用外膜5の外面51は導光用内膜4の下面41に平行であり、導光用外膜5の内面52には第1光学的微細構造43に対向する第2光学的微細構造53が設けられ、第2光学的微細構造53は第1光学的微細構造43から射出した光線を導光用外膜5の外面51から射出させることができる。第2光学的微細構造53は光線伝送方向に沿って並列に設けられる複数の第2ストリップ状独立構造であり、UV成形によって外膜5の内面52に設けられ、第2ストリップ状独立構造の幅寸法は表示装置の最小画素寸法よりも小さい。
【0038】
導光用内膜4及び導光用外膜5の材料はポリエチレンテレフタレートであり、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル又はその混合物の透明材料を用いてもよい。
【0039】
第1光学的微細構造43及び第2光学的微細構造53の材料はアクリル樹脂であり、エポキシ樹脂又はシリコンゴムであってもよく、同様にポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等の材料を用いて一体射出成形加工により製作されてもよい。
【0040】
導光板2の材料はポリメタクリル酸メチルであってもよく、ポリカーボネート、ガラス等を用いてもよい。
【0041】
第1ストリップ状独立構造の断面は突起した弧形であり、第2ストリップ状独立構造の断面は突起した弧形である。
【0042】
図4aに示すように、本実施例の動作原理は以下のとおりである。
【0043】
光源1が発する光線は導光板2に入り、フレネル反射法則に従って光線は平行媒質内を伝播する際に空気と接する界面で全反射を形成し、例えば、光線4010は1回目(42)、2回目の界面(23)により反射された後に導光板2を伝播し続ける(導光用内膜4の屈折率が導光板2と同じであってもよく、導光板2と異なってもよく、光線が媒質内で全反射される条件に影響しない)。光線が伝播中ストリップ状弧形の第1光学的微細構造43に入る(例えば、光線4020、光線4050)場合に界面条件が既に全反射条件を満たさないことになり、光線は第1光学的微細構造43の表面44から射出して外膜の第2光学的微細構造53に入り、ストリップ状の第2光学的微細構造53の輪郭54は弧形構造であり、その輪郭はその表面に照射した光線の界面における入射角が全反射角以上であることを満たすべきであり、輪郭54に照射した光線は第2光学的微細構造53から屈折して外面51に出光し(例えば、光線4011、4021及び4051)、光線が伝播中第1光学的微細構造43に入っていない場合、側面24に照射して導光板2から射出するまで、導光板2を伝播し続けることとなる(例えば、光線4030、4040)。すべての光線は導光用外膜5の外面51から出光するだけである。一般的に、第1光学的微細構造43及び第2光学的微細構造53は屈折率が導光板よりも高い導光用内膜4及び導光用外膜5にあり、即ち導光板2と第1光学的微細構造43との間に1層の光学材料があり、導光用内膜4と導光板2が一般的に光学用接着剤で結合される。第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の配列間隔は均一であってもよく、不均一であってもよい。また、導光用外膜5の出光面(外面51)に光学用接着剤を塗布してもよく、膜全体は液晶タブレットに直接貼り合せられてもよく、それにより光学的界面を更に減少させる。
【0044】
本発明の第1ストリップ状独立構造と第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて複数の並列したストリップ状独立構造ユニットを構成し、1つの第1ストリップ状独立構造と1つの第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて構成されてもよく、1つの第1ストリップ状独立構造と2つの第2ストリップ状独立構造が対応して組み合わせて構成されてもよい。
【0045】
図4における弧形が弧形に対向するストリップ状独立構造ユニットに加えて、図5の各図に様々なストリップ状独立構造ユニットの例が更に開示される。
【0046】
例1は図5aに示される三角形が三角形に対向するものであり、
例2は図5bに示される三角形が弧形に対向するものであり、
例3は図5cに示される三角形が多角形に対向するものであり、
例4は図5dに示される三角形が台形に対向するものであり、
例5は図5eに示される台形が三角形に対向するものであり、
例6は図5fに示される台形が弧形に対向するものであり、
例7は図5gに示される台形が多角形に対向するものであり、
例8は図5hに示される台形が台形に対向するものであり、
例9は図5iに示される例8の逆方向構造に適合するものであり、
例10は図5jに示される弧形が三角形に対向するものであり、
例11は図5kに示される弧形が多角形に対向するものであり、
例12は図5lに示される弧形が台形に対向するものである。
【0047】
図6に示すように、第1光学的微細構造43の表面44を透過して外膜に入った第2光学的微細構造53に適合するものは光学用接着剤で導光用内膜4と導光用外膜5を接着してもよく、それにより導光用内膜4と導光用外膜5との光学的界面なしの一体化結合を形成する。
【実施例2】
【0048】
図7に示すように、導光用内膜4上の第1光学的微細構造43を導光板2に直接成形し、又は比較的厚い導光用内膜基材を用いて直接的に導光板とし、実施例1における導光用内膜43と導光板2との界面を減少させ、材料を節約するとともに界面損失を減少させる。導光膜を導光板とする場合、必ず光透過性の高い材料を選択しなければならず、そうでなければ媒質内の光路が長すぎると光学的損失が大きすぎることになってしまう。
【実施例3】
【0049】
図8に示すように、実施例1における導光用外膜5上の第2光学的微細構造53を、図4図7に示される不連続的に分布するモードではなく、連続的に分布する第2ストリップ状独立構造にしてもよい。
【実施例4】
【0050】
図9aに示される例1では、実施例1の構造において、導光板2の側面24に反射面25を設け、側面24に照射した光線が反射された後に改めて導光板2に入って伝播し、再び導光用内膜4の第1光学的微細構造43に入った後、導光用外膜5の第2光学的微細構造53により出光面51から屈折され、例えば、光線9010、9020のプロセスは上記実施例1の説明と同じであるが、方向が逆である。図9bに示される例2では、導光板2の側面24に1つの補助光源を更に設けてもよく、第1ストリップ状独立構造及び第2ストリップ状独立構造の分布が対称的に配列され、光線屈折原理及びプロセスは上記説明と同じである。
【実施例5】
【0051】
図10に示すように、上記実施例における導光用内膜4上の第1光学的微細構造43と導光用外膜5上の第2光学的微細構造53との組み合わせは二次元構造であってもよい。
【0052】
例1は図10aに示される四角体の組み合わせであり、例2は図10bに示される六角体の組み合わせであり、例3は図10cに示される円錐体の組み合わせである。光学的微細構造の分布は均一であってもよく、不均一であってもよい。
【0053】
上記実施例において、ストリップ状又は二次元の光学的微細構造はホットプレス成形、射出成形又はレーザーエッチングプロセスを用いて製作されてもよく、そのアレイ配列方式は光源側に接近して低密度に配列したり、光源側を離れて高密度に配列したりしてもよく、均一に配列してもよく、材料はアクリル樹脂であり、エポキシ樹脂、ポリカーボネート材料等を用いてもよく、その屈折率が導光板の屈折率に一致し、導光板材料の屈折率よりも小さくてもよい。
【実施例6】
【0054】
本発明は透明光源の適用態様を提供する。
【0055】
例1
図11aに示すように、表示装置60及び上記透明光源を備え、透明光源は表示装置60の表示側(上方)に設けられ、透明光源における導光用外膜5の外面51が表示装置60に対向して設けられる。表示装置60は反射型表示装置であり、その内部が液晶層であり、その下面が光反射面である。上記透明光源が発する光線は表示装置60に入射して表示装置60に入り、光線が液晶を通過した後に下面で反射された後、透明光源に戻り、この光線が導光板2、導光用内膜4及び導光用外膜5を透過して観察者に見えることになり、光線93に示される。導光用外膜5の外面51が平面であるため、この透明光源は全体的に表示装置60に貼り合せられてもよく、それにより光学的界面の損失を減少させて異なる膜層間の物理的摩擦をなくす。透明光源の出光角度は表示装置60のニーズに応じて導光用内膜4及び導光用外膜5上の光学的微細構造の輪郭を変えることで設定されてもよい。
【0056】
例2
図11bに示すように、透明表示装置70、展示する必要がある物品及び上記透明光源を備え、透明光源は透明表示装置70の表示側の下方に設けられ、透明光源における導光用外膜5の外面51が透明表示装置70に対向して設けられ、展示する必要がある物品は透明光源の下方に設けられる。透明表示装置70の内部は液晶層であり、上下面は透明表面である。上記透明光源が発する光線は透明表示装置70に入射して透明表示装置70に入り、光線が液晶を通過した後、観察者の観察範囲に入り、光線94に示される。展示する必要がある物品が発する光線、又は展示する必要がある物品により反射された光線は透明光源に照射して、導光用内膜4、導光用外膜5、導光板2及び透明表示装置70を透過して観察者の観察範囲に入ることになり、光線95に示される。従って、観察者は透明表示装置70の情報を見ると同時に、透明表示装置70及び透明光源により展示する必要がある物品を見ることができる。導光用外膜5の外面51が平面であるため、この透明光源は全体的に表示装置70に貼り合せられてもよく、それにより光学的界面の損失を減少させて異なる膜層間の物理的摩擦をなくす。透明光源の出光角度は表示装置70のニーズに応じて導光用内膜4及び導光用外膜5上の光学的微細構造の輪郭を変えることで設定されてもよい。
【0057】
例3
図11cに示すように、透過型表示装置80、反射板81及び上記透明光源を備え、透明光源は透過型表示装置80の下方に設けられ、透明光源における導光用外膜5の外面51が透過型表示装置80に対向して設けられ、反射板81は透明光源における導光板2の片側に設けられ、反射板81と表示装置80は透明光源をそれらの間に挟む。透過型表示装置80の内部は液晶層である。上記透明光源が発する光線は透過型表示装置80に入射し、光線が液晶を通過した後、観察者の観察範囲に入り、光線96に示される。反射板81は光学的界面の反射により導光板2の下方から漏れた光線を反射することでモジュールの光学効率を向上させる。導光用外膜5の外面51が平面であるため、この透明光源は全体的に表示装置80に貼り合せられてもよく、それにより光学的界面の損失を減少させて異なる膜層間の物理的摩擦をなくす。透明光源の出光角度は表示装置80のニーズに応じて導光用内膜4及び導光用外膜5上の光学的微細構造の輪郭を変えることで設定されてもよい。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】
図5(e)】
図5(f)】
図5(g)】
図5(h)】
図5(i)】
図5(j)】
図5(k)】
図5(l)】
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】