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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】電気転てつ機
(51)【国際特許分類】
   B61L 5/06 20060101AFI20240527BHJP
   E01B 7/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B61L5/06
E01B7/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018173573
(22)【出願日】2018-09-18
(65)【公開番号】P2020044908
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-07-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植竹 保介
(72)【発明者】
【氏名】岡見 毅彦
【合議体】
【審判長】河端 賢
【審判官】青木 良憲
【審判官】山本 信平
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-149985(JP,A)
【文献】特表2004-530089(JP,A)
【文献】特開2013-256978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 5/06
E01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するケースと、前記ケースの外側面外側から着脱可能に取り付けられる受け部材と、往復運動をする部品とを有し、前記部品は前記受け部材の上を摺動し、前記受け部材は前記開口部の一部を塞ぐように取り付けられ前記部品を受けて前記部品の移動をガイドし前記部品の往復運動に伴い摩耗し、かつ前記受け部材は交換可能である電気転てつ機。
【請求項2】
記受け部材は、前記ケースの開口部よりも小さい開口部を有し、前記部品は、前記ケースの開口部と連通した前記受け部材の開口部に受容され前記ケースを貫くように配置されている
請求項1に記載の電気転てつ機。
【請求項3】
前記受け部材は、各々が前記部品の一部を囲むように配置され、各々が個別に前記ケースの外側面に外側から着脱可能に取り付けられる複数の部材を有する
請求項1又は2に記載の電気転てつ機。
【請求項4】
前記部品は動作かんであり、前記動作かんは、前記受け部材が前記ケースから取り外された状態で前記ケースの開口部を通じて前記ケースから引き抜き可能である
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気転てつ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気転てつ機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気転てつ機は、列車の走行する線路の分岐器のトングレールを定位と反位の間で移動させる電動の装置である。一般的な電気転てつ機は、モータと、モータの動力を転換ローラに伝達する減速歯車及び転換歯車と、それらの歯車を解して伝達されるモータの動力により回転運動する転換ローラと、転換ローラの回転運動に伴い直線運動する動作かんを備える。動作かんの直線運動に伴い、動作かんに連結されているトングレールが定位又は反位に移動される。
【0003】
また、電気転てつ機は、転換ローラの回転運動に伴い異なる方向に直線運動する2個1対のロックピースと、トングレールに連結されトングレールの移動に伴い直線運動する鎖錠かんを備える。トングレールが正しく定位又は反位に移動された場合は、トングレールの位置に応じたロックピースの端部が鎖錠かんの切欠部に填まり込み、トングレールの位置がロックされる。
【0004】
電気転てつ機に関する発明を開示した特許文献として、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-146213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気転てつ機の往復運動をする部品(動作かん、鎖錠かん、ロックピース等)は、トングレールの移動に伴い、ケースに設けられた受け部にガイドされながら受け部の上を摺動する。この摺動に伴い、往復運動をする部品及びケースの受け部が摩耗する。部品又はケースの摩耗が基準値を超えると、摩耗した部品又はケースを交換又は補修する必要がある。
【0007】
従来、電気転てつ機の摩耗している部品又はケースを交換又は補修するためには、電気転てつ機を分解する必要があり手間を要する。そのため、電気転てつ機の設置現場において部品又はケースの交換又は補修を行うことは困難である。従って、基準値を超える摩耗の生じた電気転てつ機は保守工場に輸送する必要があるが、電気転てつ機は人力による移動が困難な程の重量を有するため、その輸送にも手間を要する。さらに、基準値を超える摩耗の生じた電気転てつ機を保守する間、現場で動作する代替の電気転てつ機を準備し設置する必要がある。
【0008】
上記の背景に鑑み、本発明は、簡便に保守作業を行うことができる電気転てつ機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、開口部を有するケースと、前記ケースの外側面外側から着脱可能に取り付けられる受け部材と、往復運動をする部品とを有し、前記部品は前記受け部材の上を摺動し、前記受け部材は前記開口部の一部を塞ぐように取り付けられ前記部品を受けて前記部品の移動をガイドし前記部品の往復運動に伴い摩耗し、かつ前記受け部材は交換可能である電気転てつ機を第1の態様として提供する。
【0010】
第1の態様の電気転てつ機によれば、着脱可能な受け部材に摩耗が生じるため、その摩耗が基準値を超えた場合、受け部材のみを交換すればよく、簡便に保守作業を行うことができる。
【0011】
第1の態様の電気転てつ機において、前記受け部材は、前記ケースの開口部よりも小さい開口部を有し、前記部品は、前記ケースの開口部と連通した前記受け部材の開口部に受容され前記ケースを貫くように配置されている、という構成が第2の態様として採用されてもよい
第1又は第2の態様の電気転てつ機において、前記受け部材は、各々が前記部品の一部を囲むように配置され、各々が個別に前記ケースの外側面に外側から着脱可能に取り付けられる複数の部材を有する、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
【0012】
の態様の電気転てつ機によれば、受け部材が複数の部材で構成されているため、受け部材の着脱を容易に行うことができる。
【0013】
第1乃至の態様の電気転てつ機において、前記部品は動作かんであり、前記動作かんは、前記受け部材が前記ケースから取り外された状態で前記ケースの開口部を通じて前記ケースから引き抜き可能である、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
【0014】
の態様の電気転てつ機によれば、動作かんに基準値を超える摩耗が生じた場合、受け部材を取り外すことで動作かんをケースから引き抜くことができるため、動作かんの交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る電気転てつ機の平面図。
図2】一実施形態に係る電気転てつ機の側面図。
図3】一実施形態に係る電気転てつ機の鎖錠の仕組みを説明するための図。
図4】一実施形態に係る電気転てつ機の受け部材の配置と形状を示した図。
図5】一変形例に係る電気転てつ機の受け部材の形状を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態に係る電気転てつ機1を説明する。図1は、ケース蓋部を取り外した状態の電気転てつ機1の全体構成を模式的に示した平面図である。図2は、電気転てつ機1の側面図である。図2(a)は、図1中の矢印A方向から見た側面図、図2(b)は、図1中の矢印B方向から見た側面図である。
【0017】
電気転てつ機1は、まず、ケース11と、ケース11に取り付けられたモータ12を備える。ケース11は、ケース本体部111とケース蓋部112から構成されている。図1は、ケース本体部111からケース112が取り外された状態の電気転てつ機1を示している。図2は、ケース本体部111の上部にケース蓋部112が取り付けられた状態を示している。
【0018】
なお、以下の説明において、図1の左右方向をX方向、右方向をX正方向、左方向をX負方向とし、図1の上下方向をY方向、上方向をY正方向、下方向をY負方向とし、図1の紙面に垂直な方向をZ方向、紙面から手前に向かう方向をZ正方向、紙面から向こう側に向かう方向をZ負方向とする。
【0019】
以下にケース11内に配置されている部品(一部がケース11外に突出している部品を含む)を説明する。減速機構13は、減速歯車等を有し、モータ12の動力を転換歯車14に伝達する。転換歯車14は、減速機構13を介して伝達されるモータ12の動力により軸O周りに所定の範囲内で回転する。
【0020】
転換ローラ15は転換歯車14の下面にZ負方向に突起するように設けられたローラであり、転換歯車14の回転に伴い円弧経路上を移動し、その移動中に動作かん16のカム側面を押してY方向に直線往復運動させるとともに、カムバー18L及びカムバー18Rを押してX方向に直線往復運動させる。
【0021】
動作かん16と鎖錠かん17は、ケース11をY方向に貫くように配置されている。
【0022】
動作かん16はトングレール(図示せず)の位置を正位と反位の間で移動させるための部品である。動作かん16の一方の端部(例えば、Y負方向側の端部)はトングレールと連結されており、転換ローラ15に押されて動作かん16がY方向に移動すると、トングレールの位置が正位と反位の間で切り換えられる。
【0023】
鎖錠かん17は正位又は反位に切り換えられたトングレールをその位置でロックするための部品である。鎖錠かん17の一方の端部(例えば、Y負方向側の端部)はトングレールに連結されており、動作かん16のY方向の移動に伴いトングレールが正位と反位の間で切り換えられると、鎖錠かん17もY方向(動作かん16と同じ方向)に移動する。
【0024】
既述のように、カムバー18Lとカムバー18Rは転換ローラ15に押されてX方向に直線往復運動をする。ロックピース19Lはカムバー18Lに取り付けられており、カムバー18LとともにX方向に直線往復運動をする。また、ロックピース19Rはカムバー18Rに取り付けられており、カムバー18RとともにX方向に直線往復運動をする。
【0025】
図3は、転換ローラ15の円弧経路上の移動により鎖錠かん17の位置がロックピース19L又はロックピース19Rによってロックされる仕組みを説明するための図である。
【0026】
図3(a)は、転換ローラ15が円弧経路の反時計回り側の端点に位置しているときの動作かん16、鎖錠かん17等の状態を示した図である。図3(a)の状態において、カムバー18Lとロックピース19Lは定位置からX負方向に移動しており、動作かん16と鎖錠かん17はY正方向側に移動している。
【0027】
鎖錠かん17はZ方向に隙間を空けて積層されたバー172とバー171で構成される。ロックピース19Lの先端部とロックピース19Rの先端部は、バー172とバー171の隙間に差し込まれている。
【0028】
ロックピース19Lの先端部は、上方向に突起するようにその他の部分より肉厚となっている。また、ロックピース19Rの先端部は、下方向に突起するようにその他の部分より肉厚となっている。
【0029】
バー172には、ロックピース19Rの先端部(肉厚な部分)を受容するための切欠部174が、バー172の上面から下方に凹むように設けられている。また、バー171には、ロックピース19Lの先端部(肉厚な部分)を受容するための切欠部173が、バー172の底面から上方に凹むように設けられている。図3(a)の状態において、ロックピース19Lの先端部は切欠部173に填まり込んでいる。このように、ロックピース19Lの先端部が切欠部173に填まり込んでいると、鎖錠かん17はY方向に移動することができない。従って、例えばトングレールに外力が加わっても、トングレールの位置がずれることはない。
【0030】
図3(b)は、転換ローラ15が図3(a)の位置から時計回りに180度弱、回転し、円弧経路のX正方向側の端点に達したときの動作かん16、鎖錠かん17等の状態を示した図である。図3(a)の状態から図3(b)の状態になるまでの間に、転換ローラ15はまず、カムバー18LをX正方向に定位置まで移動させる。カムバー18Lの移動に伴いロックピース19LがX正方向に移動し、ロックピース19Lの先端部が切欠部173から外れる。これにより、鎖錠かん17はY方向に移動可能となる。
【0031】
続いて、転換ローラ15は動作かん16をY負方向に移動させる。動作かん16の移動に伴い、鎖錠かん17もY負方向に移動する。
【0032】
図3(c)は、転換ローラ15が図3(b)の位置から時計回りに180度弱、回転し、円弧経路の時計回り側の端点に達したときの動作かん16、鎖錠かん17等の状態を示した図である。図3(b)の状態から図3(c)の状態になるまでの間に、転換ローラ15はまず、動作かん16をY負方向に移動させる。動作かん16の移動に伴い、鎖錠かん17もY負方向に移動する。
【0033】
続いて、転換ローラ15はカムバー18Rを定位置からX負方向に移動させる。カムバー18Rの移動に伴いロックピース19RがX負方向に移動し、ロックピース19Rの先端部が切欠部174に填まり込む。この状態において、鎖錠かん17はY方向に移動することができない。従って、例えばトングレールに外力が加わっても、トングレールの位置がずれることはない。
【0034】
転換ローラ15が円弧経路上を反時計回りに移動すると、動作かん16、鎖錠かん17等の状態は図3(c)から図3(b)を経て図3(a)に至るように変化する。
【0035】
上述のように、トングレールを正位と反位の間で切り換えるために転換ローラ15が円弧経路上を時計回り及び反時計回りに移動すると、動作かん16と鎖錠かん17はY方向に直線往復運動をし、カムバー18Rとロックピース19R、及び、カムバー18Lとロックピース19LはX方向に直線往復運動をする。直線往復運動をするこれらの部品には、それらの往復直進運動をガイドするための受け部材が、ケース11に着脱可能に取り付けられている。以下にそれらの受け部材を説明する(図1及び図2参照)。
【0036】
電気転てつ機1は、動作かん16の移動をガイドする受け部材21Rと受け部材21Lを備える。
【0037】
受け部材21Rは、ケース11のY負方向側の側面に設けられた開口部113Rの一部を外側から塞ぐように、ケース11に着脱可能に取り付けられている。受け部材21Rは受け部材212Rと受け部材211Rにより構成される。受け部材212Rと受け部材211Rは複数のボルト25によってケース11に着脱可能に取り付けられている。
【0038】
受け部材212Rと受け部材211Rの双方又は一方には、動作かん16を受容する開口部を形成するための切欠部が設けられている。なお、受け部材212Rと受け部材211Rは、動作かん16を囲むように配置された複数の部材の一例である。
【0039】
受け部材21Lは、ケース11のY正方向側の側面に設けられた開口部113Lの一部を外側から塞ぐように、ケース11に着脱可能に取り付けられている。受け部材21Lは受け部材212Lと受け部材211Lにより構成される。受け部材212Lと受け部材211Lは複数のボルト25によってケース11に着脱可能に取り付けられている。
【0040】
受け部材212Lと受け部材211Lの双方又は一方には、動作かん16を受容する開口部を形成するための切欠部が設けられている。なお、受け部材212Lと受け部材211Lは、動作かん16を囲むように配置された複数の部材の一例である。
【0041】
ケース11に設けられた開口部113Rと開口部113Lの形状は、動作かん16をY方向に見た形状の外側を取り囲む形状である。従って、受け部材21Rと受け部材21Lがケース11から取り外された状態で、動作かん16は開口部113Rと開口部113Lを通じてケース11から引き抜き可能となる。
【0042】
電気転てつ機1は、鎖錠かん17の移動をガイドする受け部材22Rと受け部材22Lを備える。
【0043】
受け部材22Rは、ケース11のY負方向側の側面に設けられた開口部114Rの一部を外側から塞ぐように、ケース11に着脱可能に取り付けられている。受け部材22Rは受け部材221Rと受け部材222Rにより構成される。受け部材221Rと受け部材222Rは複数のボルト25によってケース11に着脱可能に取り付けられている。
【0044】
受け部材221Rと受け部材222Rの双方又は一方には、鎖錠かん17(バー172及びバー171)を受容する開口部を形成するための切欠部が設けられている。なお、受け部材221Rと受け部材222Rは、鎖錠かん17を囲むように配置された複数の部材の一例である。
【0045】
受け部材22Lは、ケース11のY正方向側の側面に設けられた開口部114Lの一部を外側から塞ぐように、ケース11に着脱可能に取り付けられている。受け部材22Lは受け部材222Lと受け部材221Lにより構成される。受け部材222Lと受け部材221Lは複数のボルト25によってケース11に着脱可能に取り付けられている。
【0046】
受け部材222Lと受け部材22Lの双方又は一方には、鎖錠かん17(バー172及びバー171)を受容する開口部を形成するための切欠部が設けられている。なお、受け部材222Lと受け部材221Lは、鎖錠かん17を囲むように配置された複数の部材の一例である。
【0047】
ケース11に設けられた開口部114Rと開口部114Lの形状は、鎖錠かん17をY方向に見た形状の外側を取り囲む形状である。従って、受け部材22Rと受け部材22Lがケース11から取り外された状態で、鎖錠かん17は開口部114Rと開口部114Lを通じてケース11から引き抜き可能となる。
【0048】
電気転てつ機1は、カムバー18Lとカムバー18Rの移動をガイドする受け部材23を備える。なお、カムバー18Lとカムバー18Rの移動をガイドする受け部材の数は1個に限られず、2個以上でもよい。
【0049】
また、電気転てつ機1は、ロックピース19Lとロックピース19Rの移動をガイドする受け部材24Tと受け部材24Hを備える。なお、ロックピース19Lとロックピース19Rの移動をガイドする受け部材の数は2個に限られず、1個又は3個以上でもよい。
【0050】
図4は、受け部材23、受け部材24T、受け部材24Hの配置と形状を示した図である。図4(a)はカムバー18L、カムバー18R、ロックピース19L、ロックピース19R、受け部材23、受け部材24T、受け部材24Hの平面図であり、図4(b)はこれらの部品をY正方向に見た側面図である。
【0051】
受け部材23、受け部材24T、受け部材24Hはいずれも、コの字形状の部材であり、ケース本体部111の内側底面に、コの字の開口部がZ正方向を向く姿勢で、複数のボルト25により着脱可能に取り付けられている。
【0052】
電気転てつ機1の動作に伴い、直線往復運動をする動作かん16と、動作かん16の移動をガイドする受け部材21R、受け部材21Lは、互いに擦れ合い摩耗する。ゲージ又はセンサで測定した結果、受け部材21R又は受け部材21Lの摩耗が基準値に達していると判った場合、保守作業員はこれらの受け部材をケース11から取り外し、新しい受け部材をケース11に取り付けることで、設置現場において保守作業を完了することができる。また、ゲージ又はセンサで測定した結果、動作かん16の摩耗が基準値に達していると判った場合、保守作業員は受け部材21Rと受け部材21Lをケース11から取り外し、古い動作かん16をケース11から引き抜いた後、新しい動作かん16をケース11に差し込んで所定位置に配置し、受け部材21Rと受け部材21Lをケース11に取り付けることで、設置現場において保守作業を完了することができる。
【0053】
電気転てつ機1の動作に伴い、直線往復運動をする鎖錠かん17と、鎖錠かん17の移動をガイドする受け部材22R、受け部材22Lは、互いに擦れ合い摩耗する。ゲージ又はセンサで測定した結果、受け部材22R又は受け部材22Lの摩耗が基準値に達していると判った場合、保守作業員はこれらの受け部材をケース11から取り外し、新しい受け部材をケース11に取り付けることで、設置現場において保守作業を完了することができる。また、ゲージ又はセンサで測定した結果、鎖錠かん17の摩耗が基準値に達していると判った場合、保守作業員は受け部材22Rと受け部材22Lをケース11から取り外し、古い鎖錠かん17をケース11から引き抜いた後、新しい鎖錠かん17をケース11に差し込んで所定位置に配置し、受け部材22Rと受け部材22Lをケース11に取り付けることで、設置現場において保守作業を完了することができる。
【0054】
電気転てつ機1の動作に伴い、直線往復運動をするカムバー18R、ロックピース19R、カムバー18L、ロックピース19Lと、それらの移動をガイドする受け部材23、受け部材24T、受け部材24Hは、互いに擦れ合い摩耗する。ゲージ又はセンサで測定した結果、受け部材23、受け部材24T又は受け部材24Hの摩耗が基準値に達していると判った場合、もしくは、カムバー18R、ロックピース19R、カムバー18L又はロックピース19Lの摩耗が基準値に達していると判った場合、保守作業員は動作かん16と鎖錠かん17をケース11から一旦取り外した後、摩耗が基準値に達した部材をケース11から取り外し、新しい部材をケース11に取り付け、その後、動作かん16と鎖錠かん17を再びケース11に取り付けることで、設置現場において保守作業を完了することができる。
【0055】
上述した保守作業はいずれも、電気転てつ機1の設置現場で人力により短時間で完了することができるため、電気転てつ機1の輸送や代替品の調達等の手間を要さない。
【0056】
[変形例]
上述の実施形態は様々に変形され得る。以下に、それらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
【0057】
上述した実施形態において例示した受け部材の形状は例示であって、他の形状が採用されてもよい。
【0058】
例えば、上述の実施形態において例示した受け部材21Rと受け部材21Lの構成に代えて、図5に示す受け部材21R(ロの字形状の1ピースの部品)の構成が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…電気転てつ機、11…ケース、12…モータ、13…減速機構、14…転換歯車、15…転換ローラ、16…動作かん、17…鎖錠かん、18R・18L…カムバー、19R・19L…ロックピース、21R・21L・22R・22L・23・24T・24H…受け部材、25…ボルト、111…ケース本体部、112…ケース蓋部、113R・113L・114R・114L…開口部。
図1
図2
図3
図4
図5