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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】追従走行制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/16 20200101AFI20240527BHJP
【FI】
B60W30/16
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020015809
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021123153
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】田中 志歩
(72)【発明者】
【氏名】西川 侑吾
(72)【発明者】
【氏名】松原 真治
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-278095(JP,A)
【文献】特開2010-30544(JP,A)
【文献】特開平3-136928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標加速度を設定し、加速制御および減速制御により自車を前記目標加速度で加減速させて、前記自車をその前方の先行車に追従して走行させる追従走行制御を実行する制御実行手段、を含み
前記追従走行制御の解除条件の成立に応じて、前記制御実行手段による実行中の前記追従走行制御を解除し、当該解除時に、前記自車のブレーキの制動力により前記自車を減速させるブレーキ減速制御中であるか否かを判断し、前記ブレーキ減速制御中である場合には、前記ブレーキ減速制御を継続させ、前記ブレーキ減速制御が所定タイミングまで継続したことに応じて、前記ブレーキ減速制御を終了させ、前記ブレーキ減速制御が前記所定タイミングまで継続する前に、前記自車の車速が所定車速未満に低下した場合、前記ブレーキ減速制御の継続を抑制する、追従走行制御装置。
【請求項2】
前記自車の走行中の路面が下り勾配であるか否かを検出する勾配検出手段、をさらに含み、
記勾配検出手段により下り勾配であることが検出されている場合、前記自車の車速が前記所定車速未満に低下した場合の前記ブレーキ減速制御の継続の抑制を弱める、請求項1に記載の追従走行制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車を先行車に追従して走行させる追従走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の車両には、自車を先行車に追従して走行させる機能、いわゆるアダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)機能が搭載されてきている。
【0003】
ACC機能による追従走行制御には、自車の車速から自車と先行車との車間距離の目標が設定され、その目標車間距離を実際の車間距離から減算して車間距離偏差(=車間距離-目標車間距離)が求められる。また、自車と先行車との相対速度が求められる。そして、車間距離偏差および相対速度に応じた目標加速度が設定され、自車が目標加速度で加減速するように、自車のエンジンの出力または摩擦ブレーキの制動力が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭61-102335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
追従走行制御における減速中(減速制御中)に、ACC機能の作動がユーザの意図によらずに自動解除された場合(たとえば、ACC制御のコントローラが先行車を見失った場合など)、すぐに減速制御を終了せず、一定時間、自動解除される直前の減速度が維持されるように減速制御を継続することが考えられる。これにより、急な減速抜けが発生しないので、その減速抜けによる不安感や違和感をユーザが感じることを抑制できる。
【0006】
しかし、状況によっては、車両(自車)がユーザの意図しない挙動を示すことがある。
【0007】
本発明の目的は、追従走行制御の解除の際に、車両がユーザの意図しない挙動を示すことを抑制できる、追従走行制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明に係る追従走行制御装置は、加速制御および減速制御により自車を加減速させて、自車をその前方の先行車に追従して走行させる追従走行制御を実行する制御実行手段と、追従走行制御の解除条件の成立に応じて、制御実行手段による実行中の追従走行制御を解除する制御解除手段とを含み、制御解除手段は、減速制御の実行中に解除条件が成立した場合、減速制御を継続させ、減速制御が所定タイミングまで継続したことに応じて、減速制御を終了させ、減速制御が所定タイミングまで継続する前に、自車の車速が所定車速未満に低下した場合、減速制御の継続を抑制する。
【0009】
この構成によれば、減速制御による自車の減速中に追従走行制御の解除条件が成立して、追従走行制御が解除される際には、原則的に、減速制御が所定タイミングまで継続される。これにより、減速制御の終了による急な減速抜けの発生を防止することができる。ただし、減速制御が所定タイミングまで継続する前に、自車の車速が所定車速未満に低下した場合には、減速制御の継続が抑制される。これにより、自車が停車するという、ユーザの意図しない挙動を示すことを抑制できる。
【0010】
また、追従走行制御の解除がユーザの意図しない解除であった場合には、なぜ自車が停車したのかという違和感をユーザに与えることを抑制できる。
【0011】
追従走行制御装置は、自車の走行中の路面が下り勾配であるか否かを検出する勾配検出手段をさらに含み、制御解除手段は、勾配検出手段により下り勾配であることが検出されている場合、自車の車速が所定車速未満に低下した場合の減速制御の継続の抑制を弱める構成であってもよい。
【0012】
自車の車速が所定車速未満に低下しても、自車の走行中の路面が下り勾配である場合には、減速制御の継続の抑制が弱められて、減速制御が継続する方向に向けられる。これにより、下り勾配の路面で自車が加速することを抑制でき、その加速による不安感をユーザに与えることを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、追従走行制御の解除の際に、車両がユーザの意図しない挙動を示すことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る追従走行制御装置が搭載された車両の要部の構成を示すブロック図である。
図2】目標加速度マップの内容を概念的に示す図である。
図3】制御解除処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
<車両の電気的構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る追従走行制御装置が搭載された車両1の要部の構成を示すブロック図である。
【0017】
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。エンジン2の動力は、変速機を介して、左右の駆動輪に伝達される。変速機は、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)であってもよいし、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)であってもよいし、手動変速機(MT:Manual Transmission)であってもよい。
【0018】
エンジン2は、たとえば、ガソリンエンジンであり、エンジン2の燃焼室への吸入空気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。
【0019】
車両1の車室内には、運転席の足下に、車両1の加減速のために操作されるアクセルペダルと、車両1の制動のために操作されるブレーキペダルとが設けられている。アクセルペダルおよびブレーキペダルは、運転席に着座した運転者の右足での足踏み操作が便利な位置に配置されている。
【0020】
また、車両1には、油圧ブレーキが搭載されている。油圧ブレーキは、ブレーキブースタ、マスタシリンダおよびブレーキアクチュエータ3を備えている。ブレーキペダルが踏まれると、そのブレーキペダルに入力された踏力がブレーキブースタに伝達される。ブレーキブースタに伝達された踏力は、ブレーキブースタの負圧によって増幅(倍力)され、ブレーキブースタからマスタシリンダに入力される。マスタシリンダでは、ブレーキブースタから入力される力に応じた油圧が発生する。マスタシリンダの発生油圧は、ブレーキアクチュエータ3に伝達される。そして、ブレーキアクチュエータ3の機能により、各車輪に設けられたブレーキのホイールシリンダに油圧が分配され、その油圧により各ブレーキから駆動輪を含む車輪に制動力が付与される。
【0021】
車両1には、マイコン(マイクロコントローラユニット)を含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)4が備えられている。マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。図1には、1つのECU4のみが示されているが、車両1には、各部を制御するため、ECU4と同様の構成を有する複数のECUが搭載されている。ECU4を含む複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
【0022】
ECU4には、エンジン制御ロジックおよびブレーキ制御ロジックが組み込まれている。エンジン制御ロジックにより、ECU4に接続された各種センサから入力される検出信号や他のECUから入力される情報に基づいて、エンジン2の始動、停止および出力などを調整するため、電子スロットルバルブ、インジェクタおよび点火プラグなどが制御される。ブレーキ制御ロジックにより、各種センサから入力される検出信号や他のECUから入力される情報に基づいて、車両1の車速および姿勢などを調整するため、ブレーキアクチュエータ3などが制御される。
【0023】
各種センサには、たとえば、車速センサ5、外界認識センサ6およびGセンサ7が含まれる。
【0024】
車速センサ5は、たとえば、車両1の走行に伴って回転する磁性体からなるロータと、ロータと非接触に設けられた電磁ピックアップとを備え、ロータが一定角度回転する度に電磁ピックアップから出力されるパルス信号を出力する。このパルス信号の周波数は、車両1の実車速に対応している。ECU4では、車速センサ5から入力される信号の周波数が求められて、その周波数が車速に換算される。
【0025】
外界認識センサ6は、たとえば、ステレオカメラである。ステレオカメラは、所定のフレームレートで静止画を連続して撮影可能なカメラであり、視差情報から撮影した画像中の物標の位置までの距離を検出可能である。ステレオカメラは、車両1の前方を広角で撮像可能なように、たとえば、車室内の前部中央のルームミラーに設置されている。また、車両1には、外界認識センサ6として、ステレオカメラに加えて、レーダが設けられていてもよい。レーダは、車両1の前部に設置されており、車両1の前方の所定の探索範囲の状況を探知するためのセンサである。レーダは、探索範囲にレーダ波(ミリ波、レーザ)を照射し、探索範囲内に存在する物体からの反射波を受信して、その反射波に応じた検出信号を出力する。
【0026】
Gセンサ7は、錘の変位に応じた信号を車両1の加速度に応じた検出信号として出力する。Gセンサ7の検出信号から車両1の加速度を求めることができる。Gセンサ7の検出信号から求まる加速度には、車速の変化による加速度成分と、車両1が所在する路面の勾配による加速度成分とが含まれる。一方、車速センサ5の検出信号から取得される車速を微分して得られる加速度は、車速の変化による加速度成分のみである。したがって、Gセンサ7の検出信号から求まる加速度と車速の微分値との差を求めることにより、車両1が走行中の路面の勾配による加速度成分が得られるので、その加速度成分に基づいて、路面の勾配を推定することができる。
【0027】
車両1には、走行支援機能として、アダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)機能が搭載されている。
【0028】
ACC機能は、車両1をその前方を先行する他の車両である先行車に追従して走行させる追従走行機能である。たとえば、ステアリングホイールには、ACC機能に関する操作スイッチ8が設けられている。操作スイッチ8には、ACC機能をオン/オフするACCメインスイッチ、現在の車両1の車速を設定車速としてセットするセットスイッチ、車両1と先行車との車間距離の長短を切り替える設定車間切替スイッチ、ACC機能の作動を解除するキャンセルスイッチおよび前回の設定車速でACC機能を再作動させるレジュームスイッチが含まれる。
【0029】
ACCメインスイッチが押操作されると、ACC機能が作動する。その後、セットスイッチが押操作されると、現在の車両1の車速が設定車速にセットされる。設定車速は、レジュームスイッチまたはセットスイッチの押操作により変更可能である。すなわち、レジュームスイッチの押操作により、設定車速を上げることができ、セットスイッチの押操作により、設定車速を下げることができる。また、設定車間切替スイッチの押操作により、たとえば、車間距離を長めに設定するか、短めに設定するか、または、その中間に設定するかを切り替えることができる。
【0030】
設定車速がセットされると、ECU4により、車両1をその前方の先行車に追従して走行させるACC制御(追従走行制御)が開始される。ACC制御では、先行車の有無に応じて、スイッチ操作により設定された設定車速を上限車速とする先行車への追従走行と、その設定車速での定速走行とが自動的に切り替えられる。追従走行時には、車両1とその前方の先行車との車間距離が目標車間距離に保持されるように、車両1が加減速される。
【0031】
具体的には、車両1の車速から車両1と先行車との車間距離の目標が設定され、その目標車間距離と実際の車間距離との車間距離偏差(=実際の車間距離-目標車間距離)が求められる。また、車両1と先行車との相対速度が求められる。そして、車間距離偏差および相対速度に応じた車両1の目標加速度が設定される。ECU4のマイコンに内蔵されている不揮発性メモリには、車間距離偏差および相対速度に対する目標加速度の特性(関係)がマップの形態で目標加速度マップとして記憶されている。この目標加速度マップは、図2に概念的に示されるものであり、車間距離偏差が小さいほど、目標加速度が負の方向(減速方向)に大きい値に設定されるように作成されている。目標加速度が設定されると、車両1がその目標加速度で加減速するように、エンジンの出力またはブレーキの制動力が制御される(加速制御、減速制御)。
【0032】
<制御解除処理>
図3は、制御解除処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
ACC制御の実行中に、ACC制御の自動解除条件が成立することがある。自動解除条件は、ユーザの意図によらずに成立する条件であり、たとえば、ACC制御中のECU4が先行車を見失った場合や、車両1の制動時や旋回時に車両1の姿勢を安定に保つ姿勢制御が介入された場合、その姿勢制御の作動をオフにするスイッチが操作された場合などに成立する。
【0034】
ACC制御の実行中は、ECU4により、ACC制御の自動解除条件の成立に応じてACC制御を解除するための制御解除処理が所定の周期で実行される。
【0035】
制御解除処理では、自動解除条件の成立が判定される(ステップS1)。自動解除条件が成立していない場合には(ステップS1のNO)、制御解除処理は終了される。
【0036】
自動解除条件が成立すると(ステップS1のYES)、まず、ACC制御が解除される(ステップS2)。
【0037】
次に、ACC制御の解除時に、ブレーキの制動力により車両1を減速させる減速制御中であるか否かが判断される(ステップS3)。
【0038】
減速制御が実行されておらず、減速制御中でない場合には(ステップS3のNO)、制御解除処理は終了される。
【0039】
ACC制御の解除時に減速制御中である場合(ステップS3のYES)、減速制御の継続が決定される(ステップS4)。
【0040】
そして、減速制御が継続されつつ、車両1の車速が所定車速未満に低下したか否かが判断される(ステップS5)。
【0041】
車速が所定車速未満に低下していない場合(ステップS5のNO)、減速制御が所定タイミングまで継続しているか否かが判断される(ステップS6)。所定タイミングは、減速制御の継続開始(ACC制御の解除)から一定時間(たとえば、2秒間)が経過するタイミングに設定されている。
【0042】
減速制御が所定タイミングまで継続していない場合(ステップS6のNO)、車速が所定車速未満に低下したか否かが再び判断される(ステップS5)。
【0043】
車速が所定車速未満に低下せずに、減速制御が所定タイミングまで継続した場合(ステップS6のYES)、減速制御が終了されて(ステップS7)、制御解除処理は終了される。
【0044】
一方、減速制御が所定タイミングまで継続せずに、車速が所定車速未満に低下した場合(ステップS5のYES)、車両1の走行中の路面が下り勾配であるか否かが判断される(ステップS8)。
【0045】
車両1の走行中の路面が下り勾配でない場合(ステップS8のNO)、減速制御が終了されて(ステップS7)、制御解除処理は終了される。
【0046】
車両1の走行中の路面が下り勾配である場合(ステップS8のYES)、減速制御の継続の開始から2秒間が経過したか否かが判断される(ステップS9)。
【0047】
減速制御の開始から2秒間が経過していない場合(ステップS9のNO)、車速が所定車速未満に低下したか否かが再び判断される(ステップS5)。
【0048】
車速が所定車速未満に低下し、車両1の走行中の路面が下り勾配であり、かつ、減速制御の開始から2秒間が経過した場合(ステップS9のYES)、減速制御が終了されて(ステップS7)、制御解除処理は終了される。
【0049】
<作用効果>
以上のように、減速制御による車両1の減速中にACC制御の自動解除条件が成立して、ACC制御が解除される際には、原則的に、減速制御が所定タイミングまで継続される。これにより、減速制御の終了による急な減速抜けの発生を防止することができる。ただし、減速制御が所定タイミングまで継続する前に、車両1の車速が所定車速未満に低下した場合には、減速制御の継続が抑制(解除)される。これにより、車両1が停車するという、ユーザの意図しない挙動を示すことを抑制できる。
【0050】
また、自動解除条件の成立によるACC制御の解除は、ユーザの意図しない解除であるから、車両1が先行車に追従せずに停車すると、なぜ車両1が停車したのかという違和感をユーザに与えてしまう。車両1が先行車に追従せずに停車するという、ユーザの意図しない挙動を示さないので、なぜ車両1が停車したのかという違和感をユーザに与えることを抑制できる。
【0051】
車両1の走行中の路面が下り勾配である場合には、車両1の車速が所定車速未満に低下しても、減速制御がACC制御の開始から2秒間が経過するまで継続される。これにより、下り勾配の路面で車両1が加速することを抑制でき、その加速による不安感をユーザに与えることを抑制できる。
【0052】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0053】
たとえば、前述の実施形態では、車両1の走行中の路面が下り勾配である場合には、車両1の車速が所定車速未満に低下しても、減速制御がACC制御の開始から2秒間が経過するまで継続されるとした。この場合に減速制御が継続される時間は、2秒間で一定であってもよいし、2秒間よりも長い時間または短い時間で一定であってもよい。さらには、下り勾配の大きさに応じて可変に設定されてもよい。また、所定タイミングは、所定時間に限られず、ユーザに対して急な減速抜けと感じない契機が生じたタイミングでもよい。
【0054】
また、減速制御が継続される際の制動力は、ACC制御の解除時と同じであってもよいし、ACC制御の解除時よりも低減されてもよいし、増大されてもよい。さらに、減速制御の継続中に可変に設定されてもよい。
【0055】
また、前述の実施形態では、ECU4にエンジン制御ロジックおよびブレーキ制御ロジックが組み込まれているとしたが、エンジン2を制御するエンジンECUと、ブレーキアクチュエータ3を制御するブレーキECUとが別々に設けられて、エンジンECUおよびブレーキECUの協働により、ECU4の機能が実現されてもよい。
【0056】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1:車両(自車)
4:ECU(追従走行制御装置、制御実行手段、制御解除手段)
7:Gセンサ(勾配検出手段)
図1
図2
図3