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特許7493950情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20240527BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240527BHJP
   G06F 11/36 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
H04L67/00
B41J29/38 401
G06F11/36 160
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020020922
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021128381
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】馬場 翔平
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-065223(JP,A)
【文献】特開2019-164518(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0283351(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0352770(US,A1)
【文献】特開2018-136876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
B41J 29/38
G06F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークデバイスを監視する情報処理装置であって、
監視の対象となるネットワークデバイスの登録情報が第1の情報であることに従い、前記情報処理装置から要求することで当該ネットワークデバイスから稼働情報を取得して、該取得された稼働情報を、ネットワークを介して管理サーバに送信する監視手段と、
ネットワークデバイスから前記管理サーバへの情報の送信に際して、当該ネットワークデバイスにとってのプロキシサーバとして動作するためのプロキシ手段と、
監視の対象となるネットワークデバイスの登録情報が前記第1の情報とは異なる第2の情報であることに従い、前記プロキシ手段が前記プロキシサーバとして正常に動作しているかを確認する確認手段と、を有し、
前記第2の情報は、前記監視手段の取得の対象となる稼働情報を、前記情報処理装置からの要求ではなく、前記プロキシサーバを経由してネットワークデバイスから前記管理サーバへ送信する設定に対応する情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記確認手段は、周期的に、前記プロキシ手段が前記プロキシサーバとして正常に動作しているかを確認し、前記プロキシサーバが停止していた場合には前記プロキシ手段の再起動を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記稼働情報を前記管理サーバへ送信する機能を備えたネットワークデバイスについて、該ネットワークデバイスの登録情報を前記第1の情報から前記第2の情報に書き換えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロキシサーバとしての動作が異常と判断された場合に、前記ネットワークデバイスが稼働情報の送信時に参照する前記ネットワークデバイスのプロキシサーバの設定を空に変更するための指示を送信する、設定変更手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロキシサーバとしての動作が異常と判断された場合に、前記ネットワークデバイス自身が稼働情報を生成して前記ネットワークデバイスにとってのプロキシサーバへ送信する機能を停止するための指示を送信する、自己監視停止手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記確認手段は、自己装置内の前記プロキシ手段を介さずに前記管理サーバへデータを送信できたにも拘わらず当該プロキシ手段を介して前記管理サーバへデータを送信できなかった場合に、前記プロキシ手段が前記プロキシサーバとして正常に動作していないと判断することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記確認手段は、前記プロキシ手段の負荷が所定の状態よりも高いと判断したときに、前記稼働情報のデータ量を低減するための指示を送信する、負荷低減手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記確認手段は、前記プロキシ手段の負荷が所定の状態よりも高いと判断したときに、複数の前記ネットワークデバイスの少なくとも一部が前記プロキシ手段を用いずに前記稼働情報を送信するための指示を送信する、送信変更手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数のネットワークデバイスを監視する情報処理装置による情報処理方法であって、
監視の対象となるネットワークデバイスの登録情報が第1の情報であることに従い、前記情報処理装置から要求することで当該ネットワークデバイスから稼働情報を取得して、該取得された稼働情報を、ネットワークを介して管理サーバに送信する監視工程と、
ネットワークデバイスから前記管理サーバへの情報の送信に際して、プロキシ手段を当該ネットワークデバイスにとってのプロキシサーバとして動作させるプロキシ工程と、
監視の対象となるネットワークデバイスの登録情報が前記第1の情報とは異なる第2の情報であることに従い、前記プロキシ手段が前記プロキシサーバとして正常に動作しているかを確認する確認工程と、を有し、
前記第2の情報は、前記監視工程における取得の対象となる稼働情報を、前記情報処理装置からの要求ではなく、前記プロキシサーバを経由してネットワークデバイスから前記管理サーバへ送信する設定に対応する情報であることを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスでのエラー処理や消耗品の補充等のデバイスメンテナンスを迅速に行うための、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オフィス等に設置したデバイス(例えば画像形成装置)のメンテナンスを、ネットワークを介して行うデバイス管理システムが知られている。デバイス管理システムを用いることで、例えば、デバイスに障害が発生したことや、消耗品の補充が必要になったこと等を、ネットワーク経由で検出して、迅速に対応することができる。デバイス管理システムを開示する文献としては、例えば下記特許文献1が知られている。
【0003】
従来のデバイス管理システムとして、各デバイスを一元的に管理する管理サーバーと、複数のデバイスから稼働情報を収集して該管理サーバーに転送する監視装置として動作する情報処理装置と、を含むものが、知られている。稼働情報とは、デバイスの障害や消耗品に関連する情報であるステータス情報や、カウンター情報、センサー情報、ログ情報等を含む情報である。稼働情報は、管理サーバが、デバイス管理サービスやデバイス保守サービス等を行うために、使用される。監視装置は、例えば定期的なポーリング等の方法を用いて、この稼働情報を各デバイスから取得する。
【0004】
デバイスで障害等が発生した場合、その障害等の種類等によっては、復旧作業を行うために作業員がデバイス設置場所へ出向く必要が生じる。このため、障害等の発生から復旧までの時間、すなわちダウンタイムを短縮するためには、デバイス管理システムの安定した稼働が望まれる。
【0005】
特許文献1のデバイス管理システムでは、監視装置が、その内部に、管理データ(稼働情報)の通信を中継するプロキシ機能(以下、単に「プロキシ」と称す)を有している。さらに、監視装置のプロキシを使用するための設定が、管理対象のデバイスに対しても成される。その結果、管理データは、監視装置のプロキシを経由して、デバイスから管理サーバーへ送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-136876
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1が開示するシステムのように、監視装置のプロキシ機能を利用してデバイスを管理する場合、その監視装置のプロキシ機能が正常に動作していないと、管理サーバーで稼働情報を受信して、管理できない。
【0008】
また、監視装置がプロキシ機能を利用する場合、この監視クライアントのプロキシ設定に対応するように、デバイスのプロキシ設定がなされる。デバイスにプロキシ設定が1種類しかない場合などには、監視装置のプロキシ機能に不具合が生じると、その影響がデバイス内の該プロキシ設定を利用する他の機能に影響するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、プロキシ機能を備える情報処理装置において、そのプロキシ機能に異常が発生したことを認識できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、複数のネットワークデバイスを監視する情報処理装置であって、監視の対象となるネットワークデバイスの登録情報が第1の情報であることに従い、前記情報処理装置から要求することで当該ネットワークデバイスから稼働情報を取得して、該取得された稼働情報を、ネットワークを介して管理サーバに送信する監視手段と、ネットワークデバイスから前記管理サーバへの情報の送信に際して、当該ネットワークデバイスにとってのプロキシサーバとして動作するためのプロキシ手段と、監視の対象となるネットワークデバイスの登録情報が前記第1の情報とは異なる第2の情報であることに従い、前記プロキシ手段が前記プロキシサーバとして正常に動作しているかを確認する確認手段と、を有し、前記第2の情報は、前記監視手段の取得の対象となる稼働情報を前記情報処理装置からの要求ではなく、前記プロキシサーバを経由してネットワークデバイスから前記管理サーバへ送信する設定に対応する情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報処理装置のプロキシ機能に異常が発生したことを認識できるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の各実施形態に係る情報処理装置を含むデバイス管理システムのネットワーク構成を概略的に示す概念図である。
図2】各実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
図3】各実施形態に係る管理サーバ及び監視装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る管理サーバ及び監視装置のソフトウェア構成を概略的に示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る監視装置の動作例を示すフローチャートである。
図6】本発明の第2実施形態に係る管理サーバ及び監視装置のソフトウェア構成を概略的に示すブロック図である。
図7】第2実施形態に係る画像処理装置のソフトウェア構成を概略的に示すブロック図である。
図8】第2実施形態に係る監視装置の動作例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係る監視装置のデバイス管理情報例を示す表である。
図10】第3実施形態に係る監視装置の動作を示すフローチャートである。
図11】第4実施形態に係る監視装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1~5を参照して説明する。
【0014】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る管理システムのネットワーク構成を示す概念図である。
本実施形態の管理システムは、画像形成装置の管理を行うシステムであり、1又は複数台の画像形成装置101と、監視装置102と、管理サーバ103とを含む。
【0015】
図1において、画像形成装置101は、本発明の「ネットワークデバイス」に対応しており、本実施形態に係る管理システムの管理対象である。この画像形成装置101としては、例えば、コピーやプリント等のジョブを実行するデジタル複合機等を採用できる。また、画像形成装置101に代えて、単機能のプリンタやスキャナ、複写機、三次元プリンター等の、他のデバイスを採用してもよい。
【0016】
監視装置102は、例えばLAN(Local Area Network)105等のネットワークを介して、各画像形成装置101へ接続されている。そして、監視装置102は、各画像形成装置101から、稼働情報すなわち障害の発生や消耗品の補充等に関するデータを、取得する。監視装置102は、取得した稼働情報を、管理サーバ103へ送信する。
【0017】
管理サーバ103は、例えばWAN(Wide Area Network)104等のネットワークを介して、監視装置102へ接続されている。後述するように、管理サーバ103は、監視装置102と、各画像形成装置101とを、一元的に管理する。この管理には、監視装置102から受け取った稼働情報が使用される。管理サーバ103は、1台のコンピュータを含む構成でもよいし、複数のコンピュータを含む構成でもよい。さらには、管理サーバ103として、クラウドコンピューティング技術を用いたコンピュータを使用してもよい。なお、図1に示したように、管理サーバ103は、WAN104及びLAN105を介して、画像形成装置101へ直接接続されていてもよい。
【0018】
<画像形成装置のハードウエア構成>
図2は、画像形成装置101のハードウエア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図2に示したように、本実施形態の画像形成装置101は、全体制御部211を有する。全体制御部211は、画像形成装置101に接続された外部機器212~215やネットワーク217(LAN105等)とのインタフェースを制御すると共に、画像形成装置101全体の動作を制御する。
【0019】
CPU201は、システム全体を制御するコントローラとして機能する。このために、CPU201は、ROM202やHDD205から制御プログラムを読み出す。HDD205から制御プログラムを読み出す場合には、ディスクコントローラ(HDC)204によって、読み出しが制御される。そして、CPU201は、システムバス206を介して接続された、各部207~210、216を制御する。
【0020】
RAM203は、CPU301が制御プログラムを実行する際に、ワークエリアとして使用される。
リーダI/F207は、リーダ部212(後述)に接続されて、このリーダ部212の動作を制御する。
【0021】
プリンタI/F208は、プリンタ部213(後述)に接続されて、このプリンタ部213の動作を制御する。
操作部I/F209は、操作部214に接続されて、この操作部214から入力されたユーザ操作情報をCPU201へ送信する処理や、CPU201から受け取った情報に基づいて操作部214の表示を制御する処理等を行う。
【0022】
スイッチI/F210は、スイッチ部215に接続されて、スイッチ部215のオン/オフ状態等をCPU201へ伝える。
リーダ部212は、リーダI/F207の制御に基づいて、原稿の画像を読み取る。そして、リーダ部212は、ユーザーからの指示に応じて、その原稿画像に対応する画像データをプリンタ部213に印刷出力させる処理や、HDD205に保存する処理を行う。更には、リーダ部212が出力した画像データを、ネットワーク217を介して外部コンピュータ等へ送信する処理を行うことも可能である。
【0023】
プリンタ部213は、プリンタI/F208の制御に基づいて、リーダ部212により読み取られた原稿や、HDD205から読み出された画像データを、印刷出力する。更に、プリンタ部213は、ネットワーク217を介して外部コンピュータ等から印刷ジョブを受信し、実行する。
【0024】
操作部214は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、表示デバイス等を含み、ユーザの操作入力の受け付けやユーザへの情報表示等を行う。また、操作部214は、タッチパネル付の表示デバイスでもよい。
【0025】
スイッチ部215は、ユーザが画像形成装置101を操作するためのスイッチ等の、オン/オフ状態を制御する。
ネットワーク(NW)I/F216は、ネットワーク217へ接続される。このネットワークI/F216を介して、全体制御部211は、とネットワーク217上の他の情報機器等と、相互通信を行う。
【0026】
<監視装置及び管理サーバのハードウエア構成>
図3は、監視装置102及び管理サーバ103のハードウエア構成例を概略的に示すブロック図である。このように、監視装置102と管理サーバ103とは、同じハードウエア構成を有する。
【0027】
図3において、通信I/F部301は、外部のシステムや装置等と通信を行うための、ネットワークインターフェースである。
記憶装置302は、OS(Operating System)や、プログラム、稼働情報、外部システムや装置等から収集したデータ等を格納する。
【0028】
CPU303は、記憶装置302からメモリ304へプログラムをロードして、実行する。
すなわち、メモリ304は、CPU303の作業用メモリとして使用される。
出力I/F部305は、表示デバイス等の出力装置に接続され、プログラム実行結果の出力等を行う。
【0029】
<監視装置のソフトウエア構成>
図4は、監視装置102のソフトウエア構成(機能構成)の一例を概略的に示すブロック図である。
図4において、取得部401は、画像形成装置101から稼働情報等のデータを取得する。
送信部402は、取得した稼働情報等を管理サーバ103へ送る。
【0030】
データ管理部403は、取得した稼働情報等を保存する処理や、管理対象となる画像形成装置101のデバイス情報を管理する処理等を行う。
プロキシサーバ404は、画像形成装置101と管理サーバ103との間のデータ通信を中継する。なお、このプロキシサーバ404に加えて、画像形成装置101と管理サーバ103との通信経路に他のプロキシサーバを設けてもよい。
監視部405は、プロキシサーバ404の稼働状態を監視することともに、プロキシサーバの開始処理や停止処理等を行う。
【0031】
<監視装置の動作>
図5は、監視装置102が監視部405が行う処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
本実施形態では、監視部405が、所定の監視タイミングごとに、プロキシサーバ404の稼働状態を監視する。このため、監視部405は、時刻が監視タイミングに達するまで待機する(ステップS501)。時刻が監視タイミングに達した場合、処理はステップS502へ移行する。
【0032】
ここで、監視タイミングは、予め定めた時刻であってもよいし、前回の監視処理から所定時間経過後の時刻であってもよいし、他の基準で定めてもよい。
ステップS502で、監視部405は、プロキシサーバ404の稼働状態を確認する処理を実行する。
【0033】
そして、ステップS503で、監視部405は、稼働状態の確認結果に基づいて、プロキシサーバ404の動作/停止を判断する。プロキシサーバ404が動作している場合、処理は終了する。
一方、ステップS503でプロキシサーバ404が停止していると判断した場合、監視部405は、ステップS504で、プロキシサーバ404を再起動させる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、監視部405が、監視装置102のプロキシサーバ404が動作しているか否かを、所定のタイミングで自動的に判断し、停止している場合にそのプロキシサーバ404を再起動する。このため、本実施形態によれば、プロキシサーバ404で異常が発生したことを、情報処理装置が認識できる。
【0035】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、監視装置102が自身のプロキシサーバ404を監視し、プロキシサーバ404が停止していた場合に再起動を行っていた。しかし、プロキシサーバ404の再起動が失敗する場合も想定される。本実施形態では、プロキシサーバ404の再起動が失敗した場合には、このプロキシサーバ404を使用せずに、画像形成装置101から管理サーバ103へのデータ送信を行うための構成を、上記第1実施形態の管理システムに追加した。
【0036】
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る画像形成装置101、監視装置102及び管理サーバ103のネットワーク構成及びハードウエア構成は、上記第1実施形態と同様である(図1図3参照)。その一方で、監視装置102及び管理サーバ103のソフトウエア構成は、以下の点で、第1実施形態と異なる。
【0037】
<監視装置のソフトウエア構成>
図6は、本実施形態の監視装置102に係るソフトウエア構成の一例を概略的に示すブロック図である。図6において、図4と同じ符号を附した構成要素は、それぞれ図4と同じものを示している。
【0038】
本実施形態の監視装置102は、デバイス管理部406を備えた点で、上記第1実施形態の監視装置102と異なる。このデバイス管理部406は、画像形成装置101のプロキシ設定の変更や、この画像形成装置101に設けられた自己監視機能(後述)の開始・停止処理等を行う。
【0039】
<画像形成装置のソフトウエア構成>
図7は、画像形成装置101の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7において、受信部601は、外部装置からリクエストを受信する。リクエストとしては、例えば、画像形成装置101内の稼働情報等を自己監視部604(後述)に収集させる旨のリクエストがある。
【0040】
送信部602は、受信部601が受信したリクエストに対する応答を、監視装置102等へ送信する。
設定部603は、プロキシの設定等、監視装置102等から指定された情報に基づく各種設定を行う。
【0041】
自己監視部604は、画像形成装置101内の状態を監視する。そして、自己監視部604は、その監視結果を示すデータのうち、監視装置102から指定されたデータを、予め定められたスケジュールに従って送信部602へ送り、監視装置102へ送信させる。
【0042】
<監視装置の動作>
図8は、本実施形態に係る監視装置102の動作例を概略的に示すフローチャートである。
監視部405は、上記第1実施形態と同様、時刻が監視タイミングに達するまで待機したのち(ステップS501)、プロキシサーバ404の稼働状態を確認する(ステップS502)。監視部405は、プロキシサーバ404が稼働している場合は処理を終了し、停止している場合はこのプロキシサーバ404を再起動させる(ステップS504)。
【0043】
続いて、監視部405は、プロキシサーバ404が再起動に成功したか否かを確認する(ステップS701)。再起動が失敗した場合、処理はステップS706へ進む。
一方、再起動できた場合、ステップS702で、データ管理部403が、管理対象の画像形成装置101の中から、自己監視部604を備えているにも拘わらずポーリングによってデータを収集している画像形成装置を探す。
【0044】
上述のように、自己監視部604を有している場合、画像形成装置101は、その画像形成装置101自身の制御に基づいて稼働情報を収集し、監視装置102のプロキシサーバ404を介して管理サーバー103へ送信することができる。但し、自己監視部604を使用しない設定となっている場合、画像形成装置101は、自身の制御で稼働情報を収集せずに、監視装置102のポーリング機能に応答してデータを送信する。また、自己監視部604を備えていないために、自身の制御で稼働情報を収集できない画像形成装置(ポーリング機能に応答したデータ送信のみ可能な画像形成装置)が、管理システムの管理下に置かれている場合もある。
【0045】
図9は、管理情報テーブル、すなわち画像形成装置を管理する情報を登録するテーブルの一例を示す。この管理情報テーブルは、監視装置102のデータ管理部403によって管理される。
【0046】
図9において、「デバイスID」は、システム内で画像形成装置を一意に識別するための情報である。
「シリアルNo」は、同一の製造業者等が提供した製品群の中から、その画像形成装置を一意に識別するための情報である。
「IPアドレス」は、各画像形成装置に割り当てられたIPアドレスである。
【0047】
「自己監視機能」は、各画像形成装置が自己監視機能を有するか否か(自己監視部604を有するか否か)を示す情報である。
「管理方法」は、監視装置102において、自己監視部604を用いた管理をしているのか或いは定期的なポーリングで稼働情報を収集して管理しているのかの区別を示す情報である。
【0048】
図9に示した各情報は、各画像形成装置を管理対象として登録する際に、その画像形成装置から取得した情報に基づいて判断して登録する。なお、図9に示した各情報とは異なる種類の情報を用いて、画像形成装置を管理してもよいことはもちろんである。
【0049】
図8のフローチャートへ戻る。ステップS702で、自己監視部604を備えるがポーリングで稼働情報を収集する画像形成装置が見つかった場合、監視装置102のデータ管理部403は、プロキシサーバ404のプロキシ情報を、その画像形成装置の設定部603へ通知する。そして、この設定部603が、このプロキシ情報に基づいて、画像形成装置101のプロキシ設定を行う(ステップS703)。
【0050】
次に、監視装置102のデバイス管理部406が、画像形成装置101の自己監視部604へ、自己監視動作の開始を指示する(ステップS704)。
その後、監視装置102のデータ管理部403が、管理情報テーブル(図9参照)の登録情報のうち、対応する画像形成装置101の「管理方法」欄を、「ポーリング」から「プロキシ経由」へ書き換える(ステップS705)。
【0051】
ステップS703~S705の処理は、自己監視部604を備えているがポーリングで稼働情報を収集している画像形成装置全てについて、実行される。
一方、ステップS701で、プロキシサーバ404の再起動が失敗したと判断した場合、データ管理部403は、管理対象の画像形成装置の中から、プロキシサーバ404を用いた管理を行っている画像形成装置101を探す(ステップS706)。
【0052】
そして、管理にプロキシサーバ404を用いている画像形成装置101が見つかると、デバイス管理部406は、「空」の設定を、その画像形成装置101の設定部603に通知する。「空」の設定とは、その画像形成装置101が管理対象として登録される前に設定されていたプロキシ情報である。そして、この設定部603が、このプロキシ情報に基づいて、画像形成装置101のプロキシ設定を行う(ステップS707)。なお、登録前のプロキシ情報とは、画像形成装置101が監視装置102のプロキシサーバ404を経由しないで通信を行うためのプロキシ情報である。このようなプロキシ情報は、例えば、その画像形成装置101を管理対象に設定する際に、画像形成装置101から取得して、保存しておけばよい。
【0053】
次に、監視装置102のデバイス管理部406が、画像形成装置101の自己監視部604へ、自己監視動作の停止を指示する(ステップS708)。
その後、監視装置102のデータ管理部403が、管理情報テーブル(図9参照)の登録情報のうち、対応する画像形成装置101の「管理方法」欄を、「プロキシ経由」から「ポーリング」へ書き換える(ステップS709)。
【0054】
ステップS707~S709の処理は、プロキシサーバ404を用いた管理を行っている画像形成装置全てについて、実行される。
以上示したように、本実施形態では、監視装置102のプロキシサーバ404が再起動に失敗した場合、このプロキシサーバ404を使用しない設定に、画像形成装置101を戻すことができる。これにより、本実施形態によれば、プロキシサーバ404が正常動作状態へ復帰できない場合に、ポーリングによる管理に切り換えることができる。
【0055】
[第3実施形態]
本実施形態に係る画像形成装置101、監視装置102及び管理サーバ103のネットワーク構成、ハードウエア構成及びソフトウエア構成は、上記第1実施形態とほぼ同じである(図1図4参照)。但し、監視装置102の動作が、以下の点で、第1実施形態と異なる。
【0056】
上記第1実施形態では、プロキシサーバ404の正常/異常を判定するために、このプロキシサーバ404が稼働しているか否かをチェックすることとした(図5のステップS502、S503参照)。
【0057】
しかし、稼働はしていても、そのプロキシサーバ404の内部的な不具合により、正常に動作していない場合が考えられる。
これに対して、本実施形態では、第1実施形態と同様の処理(図5参照)に代えて、或いは、第1実施形態と同様の処理に加えて、以下のような処理を行う。
【0058】
<監視装置の動作>
図10は、本実施形態に係る監視装置102の動作例を概略的に示すフローチャートである。
監視部405は、所定の監視タイミングごとに、プロキシサーバ404の稼働状態を監視する。このため、監視部405は、時刻が監視タイミングに達するまで待機する(ステップS901)。時刻が監視タイミングに達した場合、処理はステップS902へ移行する。
【0059】
ここで、監視タイミングは、予め定めた時刻であってもよいし、前回の監視処理から所定時間経過後の時刻であってもよいし、他の基準で定めてもよい。
ステップS902で、監視部405は、管理サーバ103に対して、プロキシサーバ404を経由した通信を行う。
【0060】
続いて、ステップS903において、監視部405は、ステップS902の通信が成功したか否かを判断する。そして、通信に成功した場合は、処理を終了する。
一方、ステップ903で通信が失敗したと判断した場合、ステップS904で、監視部405は、管理サーバ103に対して、プロキシサーバ404を経由しない通信を行う。
【0061】
次に、ステップS905において、監視部405は、ステップS902の通信が成功したか否かを判断する。
ステップS905で通信に成功したと判断した場合、監視部405は、プロキシサーバ404を再起動する(ステップS906)。
【0062】
一方、ステップS905で通信に失敗したと判断した場合、監視部405は、例えば監視装置102の管理画面(図示せず)にメッセージを表示することにより、システム管理者に、管理サーバ103と接続できないことを通知する(ステップS907)。なお、管理者への通知方法は特に限定されず、メール通知等であってもよい。
【0063】
以上示したように、本実施形態では、プロキシサーバ404の正常/異常を、通信を行えるか否かで判断することとした。このため、本実施形態によれば、プロキシサーバ404が内部的な不具合を起こしている場合であっても、その状態を自動的に検知することができる。
【0064】
[第4実施形態]
本実施形態の監視装置102は、上記第2実施形態と同様、画像形成装置101を管理するためのデバイス管理部406を有する(図6参照)。但し、後述するように、デバイス管理部406が行う処理の内容は、上記第2実施形態と異なる(図11参照)。
【0065】
監視装置102の他の構成や、画像形成装置10及び管理サーバ103の構成、ネットワーク全体の構成等は、上記第1実施形態とほぼ同じである(図1図4参照)。
上記各実施形態では、プロキシサーバ404の稼働状態が正常か否かを、定期的に確認することとした。
【0066】
これに対して、本実施形態では、プロキシサーバ404に異常が発生し易い状態になることを防ぐための制御を設けた。
例えば、画像形成装置101と管理サーバ103との間の通信データ量が増大すると、プロキシサーバ404の負荷が高くなって、異常が発生し易くなる。
【0067】
<監視装置の動作>
図11は、本実施形態に係る監視装置102の動作例を概略的に示すフローチャートである。
上述の各実施形態と同様、本実施形態でも、監視部405は、所定の監視タイミングごとに、プロキシサーバ404の稼働状態を監視する。このため、監視部405は、時刻が監視タイミングに達するまで待機する(ステップS1001)。時刻が監視タイミングに達した場合、処理はステップS1002へ移行する。上記各実施形態と同様、監視タイミングは限定されない。
【0068】
ステップS1002で、監視部405は、プロキシサーバ404の負荷の高さを確認する。プロキシサーバ404の負荷は、そのプロキシサーバ404のCPU使用率やメモリ使用率、単位時間当たりのコネクション数等の情報に基づいて数値化できる。そして、その数値を所定の基準値と比較することで、負荷が高いか否かを判断する。なお、負荷の数値化に使用する情報としては、これら情報の一部のみを使用してもよいし、これら情報に代えて、或いは追加して、他の情報を使用してもよい。
【0069】
ステップS1002で、プロキシサーバ404の負荷が基準値より低い場合、監視部405は処理を終了する。
一方、ステップS1002で、プロキシサーバ404の負荷が基準値を超えていた場合、監視装置102のデバイス管理部406が、画像形成装置101の自己監視部604に対して、監視情報の設定変更を指示する。
【0070】
例えば、自己監視部604が、緊急度の高い情報のみ監視するように設定を変更すれば、管理サーバ103へ送信する稼働情報のデータ量(すなわちプロキシサーバ404が中継するデータ量)が減って、そのプロキシサーバ404の負荷が低減する。緊急度が高い情報とは、例えば、画像形成装置101のエラーや、消耗品の補充に関する情報である。それ以外の情報、すなわち緊急度が高くない情報については、例えば、監視装置102の取得部401が定期的にポーリング取得を行って、管理サーバ103へ送信すればよい。
【0071】
以上示したように、本実施形態によれば、プロキシサーバ404の負荷の高低に応じて自己監視部604からの送信データ量を抑制することとしたので、このプロキシサーバ404の通信データ量の過多に起因して発生する異常を減らすことが可能になる。
【0072】
なお、自己監視部604からの送信データ量を抑制する方法は、本実施形態の方法に限定されない。例えば、複数の画像形成装置101のうちの一部について、自己監視部604からの送信するデータを、プロキシサーバ404を経由させるのではなく、監視装置102がWebサーバとして機能して受信してもよい。これにより、プロキシサーバ404が扱うデータ量を抑制できる。
【符号の説明】
【0073】
101 画像形成装置
102 監視装置
103 管理サーバ
104 WAN(Wide Area Network)
105 LAN(Local Area Network)
217 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11