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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/667 20230101AFI20240527BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20240527BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240527BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240527BHJP
【FI】
H04N23/667
G03B17/00 Q
G03B17/18
H04N23/60 300
H04N23/60 500
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020069325
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2021166357
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】千葉 智実
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-118022(JP,A)
【文献】特開2018-074226(JP,A)
【文献】特開2020-009130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/667
G03B 17/00
G03B 17/18
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1階調分解能を有する第1種別の画像を、第1階調分解能よりも高い第2階調分解能に変換する第一変換手段と、
第2階調分解能を有する第2種別の画像を、第1階調分解能に変換する第二変換手段と、
表示手段に再生する画像を出力するための再生出力モードであって、第1再生出力モードと、第2再生出力モードとを含む再生出力モードの何れかに設定する設定手段と、
前記第1再生出力モードでは、第1種別の画像を変換せずに出力し、第2種別の画像は第二変換手段で変換して出力し、
前記第2再生出力モードでは、第1種別の画像は第一変換手段で変換して出力し、第2種別の画像は第2種別の画像を変換せずに出力する再生出力手段と、
RAW画像を現像処理する現像処理手段と、
RAW画像を所定の画像形式に現像処理する指示があった場合に、指示された画像形式の階調分解能に応じて、設定されている再生出力モードを切り替えるように制御し、
再生している画像を他の画像に切り替える指示があっても、設定されている再生出力モードを切り替えないように制御する制御手段と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、指示された画像形式の階調分解能が第1階調分解能である場合に、設定されている再生出力モードを前記第1再生出力モードに切り替えるように制御し、
指示された画像形式の階調分解能が第2階調分解能である場合に、設定されている再生出力モードを前記第2再生出力モードに切り替えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示手段が外部機器に設けられており、
外部機器と接続する接続手段をさらに有し、
前記再生出力手段は、前記第1再生出力モードでは、外部機器との接続モードを、第1階調分解能以下の階調分解能を有する画像を出力する第1接続モードに設定し、
前記第2再生出力モードでは、外部機器との接続モードを、第1階調分解能より高い階調分解能を有する画像を出力する第2接続モードに設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記表示手段が第1階調分解能より高い階調分解能に対応していない場合に、
前記制御手段は、指示された前記画像形式の階調分解能が第2階調分解能であっても、設定されている再生出力モードを前記第2再生出力モードに切り替えないように制御することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、指示された前記画像形式の階調分解能が第2階調分解能であっても、再生出力モードを前記第2再生出力モードに切り替えられない場合には、警告を行うように制御することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御手段は、現像処理後の画像と、前記現像処理後の画像のパラメータの選択を受け付けるための所定のアイコンとを含むパラメータ選択画面を出力する場合に、前記警告を行うように制御することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記現像処理は、RAW画像を現像して8bitのSDR画像を生成する処理であることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記現像処理は、RAW画像を現像して10bitのHDR画像を生成する処理であることを特徴とする請求項1乃至7何れか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
第1階調分解能は、8bitの階調分解能であることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
第2階調分解能は、10bitまたは12bitの階調分解能であることを特徴とする請求項1乃至9何れか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記接続手段は、外部機器とHDMI(登録商標)接続することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項12】
第1階調分解能を有する第1種別の画像を、第1階調分解能よりも高い第2階調分解能に変換する第一変換ステップと、
第2階調分解能を有する第2種別の画像を、第1階調分解能に変換する第二変換手段と、
表示手段に再生する画像を出力するための再生出力モードであって、第1再生出力モードと、第2再生出力モードとを含む再生出力モードの何れかに設定する設定ステップと、
前記第1再生出力モードでは、第1種別の画像を変換せずに出力し、第2種別の画像は第二変換ステップで変換して出力し、
前記第2再生出力モードでは、第1種別の画像は第一変換ステップで変換して出力し、第2種別の画像は第2種別の画像を変換せずに出力する再生出力ステップと、
RAW画像を現像処理する現像処理ステップと、
RAW画像を所定の画像形式に現像処理する指示があった場合に、指示された画像形式の階調分解能に応じて、設定されている再生出力モードを切り替えるように制御し、
再生している画像を他の画像に切り替える指示があっても、設定されている再生出力モードを切り替えないように制御する制御ステップと
を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至11何れか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至11何れか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレーに対して画像を出力する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレーに画像を出力する際に、表示する画像のフォーマットに応じて接続モードを切り替える技術がある。特許文献1では動画自体のフォーマットが変わる際にディスプレーとの接続モードを切り替える技術が開示されている。また、表示する画像に応じて接続モードを切り替えずに、接続モードに合わせて画像を変換する技術が開示されている。特許文献2には、8bitの映像を10bitの映像に変換して出力する技術が開示されている。また、特許文献3には、画像の表示倍率を変更した際に階調を調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-110563号公報
【文献】特開2005-167809号公報
【文献】特開2018-152809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、表示する画像に応じて接続モードを切り替えると、接続モードを切り替えてから画像が再生されるまでに時間を要するため、切り替えが頻繁になるとユーザビリティーが損なわれる。また、特許文献2のように、接続モードを切り替えずに画像を出力すると正しく表示できない場合がある。特に、RAW画像を現像する場合に、接続モードを切り替えずに現像後の画像を出力すると、画像形式に応じた正しい画像が表示されず、意図しない編集がされてしまうなど、不都合が大きい。また、特許文献3では、画像を拡大した時には階調を変更するのみで、拡大操作以外の場面では正しく表示できない。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、ユーザビリティーを確保しつつ、RAW画像を現像する場合には、現像後の画像形式に応じた正しい表示を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、第1階調分解能を有する第1種別の画像を、第1階調分解能よりも高い第2階調分解能に変換する第一変換手段と、第2階調分解能を有する第2種別の画像を、第1階調分解能に変換する第二変換手段と、表示手段に再生する画像を出力するための再生出力モードであって、第1再生出力モードと、第2再生出力モードとを含む再生出力モードの何れかに設定する設定手段と、前記第1再生出力モードでは、第1種別の画像を変換せずに出力し、第2種別の画像は第二変換手段で変換して出力し、前記第2再生出力モードでは、第1種別の画像は第一変換手段で変換して出力し、第2種別の画像は第2種別の画像を変換せずに出力する再生出力手段と、RAW画像を現像処理する現像処理手段と、RAW画像を所定の画像形式に現像処理する指示があった場合に、指示された画像形式の階調分解能に応じて、設定されている再生出力モードを切り替えるように制御し、再生している画像を他の画像に切り替える指示があっても、設定されている再生出力モードを切り替えないように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザビリティーを確保しつつ、RAW画像を現像する場合には、現像後の画像形式に応じた正しい表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るデジタルカメラの外観図である。
図2】本実施形態に係るデジタルカメラの構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るデジタルカメラと外部機器との接続を表す図である。
図4】本実施形態に係るデジタルカメラのフローチャートである。
図5】本実施形態に係るデジタルカメラのフローチャートである。
図6】本実施形態に係るデジタルカメラのフローチャートである。
図7】本実施形態に係るデジタルカメラのフローチャートである。
図8】疑似HDR変換処理について説明するための図である。
図9】本実施形態に係るデジタルカメラのフローチャートである。
図10】デジタルカメラまたは外部機器に表示される画面例を示す図である。
図11】外部機器に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0010】
図1(a)及び図1(b)に、本発明を適用可能な電子機器の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。図1(a)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。
表示部28は、デジタルカメラ100の背面に設けられた表示部であり、画像や各種情報を表示する。ファインダー外表示部43は、デジタルカメラ100の上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするデジタルカメラ100の様々な設定値を表示する。端子カバー40は、デジタルカメラ100を外部機器に接続する接続ケーブル等のコネクタを保護するカバーである。コネクタには、USBケーブルの接続端子(不図示)と、HDMI(登録商標)出力端子である出力I/F91(後述)が含まれる。
【0011】
クイックリターンミラー12は、システム制御部50(後述)から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。通信端子10は、デジタルカメラ100がレンズユニット150(後述;着脱可能)側と通信を行うための通信端子である。接眼ファインダー16は、フォーカシングスクリーン13(後述)を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型のファインダーである。蓋202は、記録媒体200(後述)を格納するスロットの蓋である。グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。
【0012】
また、デジタルカメラ100は、モード切り替えスイッチ60、シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、4方向キー74、SETボタン75、及び、LVボタン76を有する。デジタルカメラ100は、拡大ボタン77、縮小ボタン78、再生ボタン79、タッチパネル70a、AF(オートフォーカス)-ONボタン70b、クイック設定ボタン70c(Qボタン70c)、及び、アクティブ枠切り替えボタン70dも有する。デジタルカメラ100は、メニューボタン70e、ファンクションボタン70f、及び、インフォボタン70gも有する。デジタルカメラ100は、他の操作部材を有していてもよい。各種操作部材については後述する。
【0013】
図2は、デジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、図2では簡略して一枚のレンズのみを示している。通信端子6は、レンズユニット150がデジタルカメラ100側と通信を行うための通信端子であり、通信端子10は、デジタルカメラ100がレンズユニット150側と通信を行うための通信端子である。レンズユニット150は、これら通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信する。そして、レンズユニット150は、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行う。また、レンズユニット150は、レンズシステム制御回路4によってAF駆動回路3を介してレンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0014】
AE(自動露出)センサー17は、レンズユニット150を通した被写体(被写体光)の輝度を測光する。焦点検出部11は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する。システム制御部50は、デフォーカス量情報に基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。
クイックリターンミラー12(ミラー12)は、露光、ライブビュー撮影、動画撮影、等の際にシステム制御部50から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。ミラー12は、レンズ103から入射した光束をファインダー16側と撮像部22側とに切り替えるためのミラーである。ミラー12は、通常時には、ファインダー16へと光束を導く(反射させる)ように配されるが(ミラーダウン)、撮影やライブビュー表示が行われる場合には、撮像部22へと光束を導くように上方に跳ね上がり光束中から待避する(ミラーアップ)。また、ミラー12は、その中央部が光の一部を透過できるようにハーフミラーとなっており、光束の一部を、焦点検出を行うための焦点検出部11に入射するように透過させる。
【0015】
撮影者は、ペンタプリズム14とファインダー16を介して、フォーカシングスクリーン13を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認が可能となる。
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子などで構成される撮像素子である。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の処理(画素補間、縮小といったリサイズ処理、色変換処理、等)を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御や測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF処理、AE処理、EF(フラッシュプリ発光)処理、等が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行われる。
【0016】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28、または、外部モニターなどの外部機器300に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上で、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によってA/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてD/A変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダーの機能が実現でき、スルー画像表示(ライブビュー表示)が行える。
【0017】
ファインダー内表示部41には、ファインダー内表示部駆動回路42を介して、現在オートフォーカスが行われている測距点を示す枠(AF枠)や、カメラの設定状態を表すアイコンなどが表示される。
ファインダー外表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするデジタルカメラ100の様々な設定値が表示される。
出力I/F91は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをデジタル信号のまま外部機器300に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データは外部機器300に表示される。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0018】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーを有する制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52は例えばRAMであり、システム制御部50は、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等をシステムメモリ52に展開する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器19、出力I/F91、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0019】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出等を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0020】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続された外部機器に対して、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
姿勢検知部55は、重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された撮像画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録することが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。
【0021】
操作部70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。操作部70は、ユーザーからの操作(ユーザー操作)を受け付ける入力部としての各種操作部材を含む。具体的には、操作部70は、モード切り替えスイッチ60、シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、4方向キー74、SETボタン75、LVボタン76、拡大ボタン77、及び、縮小ボタン78を含む。また、操作部材は、再生ボタン79、タッチパネル70a、AF-ONボタン70b、Qボタン70c、アクティブ枠切り替えボタン70d、メニューボタン70e、ファンクションボタン70f、及び、インフォボタン70gを含む。操作部70の各操作部材は、表示部28、または、外部機器300に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン、等がある。
【0022】
モード切り替えスイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部材である。モード切り替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切り替えスイッチ60で、これらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切り替えスイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り替えた後に、表示された複数のモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0023】
シャッターボタン61は、撮影指示を行うための操作部材である。シャッターボタン61は、第1シャッタースイッチ62と第2シャッタースイッチ64を備える。第1シャッタースイッチ62は、シャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理、等の動作を開始する。第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0024】
メイン電子ダイヤル71は回転操作部材であり、メイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のON/OFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は、回転操作部材であり、サブ電子ダイヤル73を回すことで、選択枠の移動や画像送りなどが行える。4方向キー74は、上、下、左、右の各部を押し込み可能に構成される。4方向キー74の押した部分に応じた処理が可能である。本実施形態では4方向キー74一体的な操作部材として説明しているが、上ボタン、下ボタン、右ボタン、左ボタンがそれぞれ独立した方向ボタンであってもよい。以下、上または下部分を上下キー、左または右部分を左右キーと称する。SETボタン75は、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
【0025】
LVボタン76は、静止画撮影モードおいてライブビュー(LV)のON/OFFを切り替えるボタンである。動画撮影モードにおいては、LVボタン76は、動画撮影(記録)の開始、停止の指示に用いられる。拡大ボタン77は、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのON/OFFの切り替え及び拡大モード中の拡大率の変更を行うための操作ボタンである。再生モードにおいては、拡大ボタン77は、再生画像を拡大したり、その拡大率を増加させたりするための拡大ボタンとして機能する。縮小ボタン78は、拡大された再生画像の拡大率を低減させ、表示された画像を縮小させるためのボタンである。再生ボタン79は、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200に記録された画像のうち最新の画像を表示部28または外部機器300に表示させることができる。
【0026】
タッチパネル70aは、タッチパネル70aに対する接触を検知する。タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aを、光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成し、表示部28の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を構成することができる。システム制御部50は、タッチパネル70aへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
【0027】
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと、すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)
・タッチパネル70aを指やペンがタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)
・指やペンがタッチパネル70aをタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンがタッチパネル70aから離れたこと、すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)
【0028】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出された場合も、同時にタッチオンが検出される。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出されると、タッチオフが検出される。
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。そして、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作(タッチ操作)が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行なわれたと判定するものとする。タッチパネル70a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。更に、複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式があるが、いずれの方式でもよい。
【0029】
メニューボタン70eは押しボタンスイッチであり、メニューボタン70eを押下することで、各種の設定が可能なメニュー画面が表示部28または外部機器300に表示される。ユーザーは、表示部28または外部機器300に表示されたメニュー画面と、4方向キー74やSETボタン75とを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
インフォボタン70gは、押しボタンスイッチであり、各種情報表示の切り替えなどに使用される。
【0030】
図3は、デジタルカメラ100と外部機器300との接続を表す図である。接続ケーブルであるHDMI(登録商標)ケーブル302を用いて、デジタルカメラ100の出力I/F91と外部機器300とのHDMI接続が可能である。HDMI接続がされると、デジタルカメラ100の表示部28が消灯し、デジタルカメラ100に表示されていた画像が外部機器300の表示部(外部表示部)301に表示される。デジタルカメラ100の表示部28、及び、外部機器300の外部表示部301は、表示手段の一例である。
【0031】
<再生モード処理>
図4は、デジタルカメラ100で行われる再生モード処理を示すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。再生モード処理の実行中は、システム制御部50は再生出力手段として機能する。
S401では、システム制御部50は、デジタルカメラ100が外部機器300に接続されているか否かを判定する。接続されていると判定された場合はS402に進み、そうでない場合はS408に進む。
S402では、システム制御部50は、デジタルカメラ100において再生出力モードの設定がHDR出力モードであるか否かを判定する。HDR出力モードであると判定された場合はS404に進み、そうでない場合はS405に進む。
再生出力モードは、デジタルカメラ100の表示部28、もしくは、外部機器300の外部表示部301に再生する画像を出力するためのモードである。HDR出力モードは、HDR画像を出力するためのモードである。HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)のことであり、SDR(スタンダードダイナミックレンジ)よりも広いダイナミックレンジのことである。ここでは、再生出力モードで、デジタルカメラ100の表示部28、外部機器300の外部表示部301、の両方に対する設定をすることとする。ただし、本実施形態では、表示部28の設定と、外部機器300の外部表示部301の設定を別にしてもよいし、片方しか存在しなくてもよい。
【0032】
S403では、システム制御部50は、デジタルカメラ100と外部機器300の能力判断処理を行う。能力判断処理(外部接続処理)の詳細は図5(a)を用いて後述する。
S404、S405では、再生出力モードに応じて外部機器300との接続モードを切り替える。詳細は、図5(b)及び図5(c)を用いて後述する。
S406では、システム制御部50は、HDR出力モードの再生モード処理を行う。詳細は図6(b)を用いて後述する。
S407では、システム制御部50は、SDR出力モードの再生モード処理を行う。詳細は図6(a)を用いて後述する。SDR出力モードは、SDR画像を出力するためのモードである。
S408では、S402と同様に、再生出力モードの設定を確認する。HDR出力モードであると判定された場合はS409に進み、そうでない場合はS410に進む。
S409では、システム制御部50は、HDR出力モードの再生モード処理を行う。詳細は図6(b)を用いて後述する。本実施形態では、表示部28はHDRに対応していることを前提とする。ただし、表示部28がHDRに対応していなくてもよい。その場合は、S409でもSDR出力モードの再生モード処理を行う。
S410では、システム制御部50は、SDR出力モードの再生モード処理を行う。詳細は図6(a)を用いて後述する。
【0033】
図5(a)は、デジタルカメラ100と外部機器300が互いに接続された場合の、デジタルカメラ100と外部機器300の制御手順を示すシーケンス図である。本実施形態では、デジタルカメラ100と外部機器300とのHDMI接続が行われるものとして説明する。
S511では、システム制御部50は+5V信号の送信開始を出力I/F91に指示し、出力I/F91は+5V信号の送信を開始する。送信された+5V信号は、接続ケーブル302の+5V信号線(不図示)を通じて、外部機器300に伝送される。外部機器300は、接続ケーブル302の+5V信号を受信する。
S512では、外部機器300は、+5V信号の受信によって、接続ケーブル302を介したデジタルカメラ100の接続を検知する。
S513では、外部機器300は、接続ケーブル302のHPD信号線(不図示。HPD:Hot Plug Detect)へのHPD信号の送信を開始する。デジタルカメラ100の出力I/F91は、送信されたHPD信号を、接続ケーブル302を介して受信する。出力I/F91は、HPD信号を受信すると、システム制御部50にHPD信号の受信を通知する。
S514では、システム制御部50は、HPD信号の受信通知によって外部機器300の接続を検知する。S514の処理が、図4のS401の処理に対応する。システム制御部50は、HPD信号が受信されている期間に、デジタルカメラ100が外部機器300に接続されていると判定し、それ以外の期間に、デジタルカメラ100が外部機器300に接続されていないと判定する。
S515では、システム制御部50は、出力I/F91を制御して、接続ケーブル302からEDID要求信号を送信する(EDID:Extended Display Identification Data)。送信されたEDID要求信号は、接続ケーブル302のEDID信号線(不図示)を通じて、外部機器300に伝送される。外部機器300は、EDID要求信号を受信する。
S516では、外部機器300は、接続ケーブル302のEDID信号線(不図示)へEDIDを送信する。デジタルカメラ100の出力I/F91は、送信されたEDIDを接続ケーブル302を介して受信する。出力I/F91は、EDIDを受信すると、システム制御部50にEDIDの受信を通知する。
【0034】
S517では、システム制御部50は、出力I/F91に対し、S516において受信したEDIDのシステムメモリ52へのコピーを指示する。コピー完了後、システム制御部50は、システムメモリ52に展開されたEDIDを解析し、外部機器300がどのような映像信号を受付可能かの能力を判断する。
S518では、システム制御部50は、再生出力モードの設定がHDR出力モードであるか否かを判定する。外部機器300がHDR映像信号を受付可能であり、且つ、HDR出力モードであると判定された場合には、システム制御部50は、外部機器300にHDR映像信号を出力すると判断する。そうでない場合には、システム制御部50は、外部機器300にSDR映像信号を出力すると判断する。前述のS517及びS518の処理が、図4のS403の処理に対応する。ここでいうHDR映像信号を受付可能とは、所定の階調分解能(例えば、8bit;第1階調分解能)より高い階調分解能に対応可能であることを意味する。
S519では、システム制御部50は、出力I/F91に対し、S518で判断した映像信号(HDR映像信号またはSDR映像信号)の送信開始を指示する。S519の処理が、図4のS406、S407、S409、S410の処理に対応する。
S520では、デジタルカメラ100の出力I/F91は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示。TMDS:Transition Minimized Differential Signaling)へ、S518で判断された映像信号を出力し、外部機器300は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)を介して当該映像信号を受信する。
S521では、外部機器300は、S518において受信した映像信号を解析し、外部表示部301の駆動設定が当該映像信号を表示できない設定である場合には、当該映像信号を表示できる設定に外部表示部301の駆動設定を切り替える。
S522では、外部機器300は、S518において受信した映像信号を外部表示部301に表示する。
【0035】
図5(b)は、外部機器300との接続モードを、SDR接続モードからHDR接続モードに切り替えるための外部接続処理の制御手順を示すシーケンス図である。このシーケンスでは、デジタルカメラ100と外部機器300との間の接続は図5(a)で説明したシーケンスで完了しており、SDR接続モードが設定されているものとする。
S531では、システム制御部50は、出力I/F91に対しSDR映像信号の送信を指示する。S532では、デジタルカメラ100の出力I/F91は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)へSDR映像信号を出力し、外部機器300は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)を介してSDR映像信号を受信する。S533では、外部機器300は、S532において受信したSDR映像信号を外部表示部301に表示する。
【0036】
SDR接続モードが設定されている間は、S531からS533の処理を繰り返すことで、外部表示部301にSDR画像が表示される。設定されている接続モードがSDR接続モードからHDR接続モードに切り替えられると、S534以降の処理が実行される。
S534では、システム制御部50は、出力I/F91に対しSDR映像信号の出力停止を指示する。S535では、デジタルカメラ100の出力I/F91は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)へのSDR映像信号の出力を停止する。それにより、外部機器300では、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)を介したSDR映像信号の受信が停止される。S536では、外部機器300は、デジタルカメラ100からの映像信号の受信が停止したため、外部表示部301への映像の表示を停止する。
S537では、システム制御部50は、出力I/F91に対しHDR映像信号の送信を指示する。S538では、デジタルカメラ100の出力I/F91は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)へHDR映像信号を出力し、外部機器300は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)を介してHDR映像信号を受信する。
S539では、外部機器300は、S538において受信した映像信号を解析し、HDR映像信号を表示できる設定に外部表示部301の駆動設定を切り替える。S540では、外部機器300は、S538において受信したHDR映像信号を外部表示部301に表示する。このとき、S539とS540の処理時間は外部機器300の性能によって異なり、映像が表示されるまでに1秒から5秒程度の時間がかかる。
【0037】
図5(c)は、外部機器300との接続モードを、HDR接続モードからSDR接続モードに切り替えるための外部接続処理の制御手順を示すシーケンス図である。このシーケンスでは、デジタルカメラ100と外部機器300との間の接続は図5(a)で説明したシーケンスで完了しており、HDR接続モードが設定されているものとする。
S551では、システム制御部50は、出力I/F91に対しHDR映像信号の送信を指示する。S552では、デジタルカメラ100の出力I/F91は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)へHDR映像信号を出力し、外部機器300は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)を介してHDR映像信号を受信する。S553では、外部機器300は、S552において受信したHDR映像信号を外部表示部301に表示する。
【0038】
HDR接続モードが設定されている間は、S551からS553の処理を繰り返すことで、外部表示部301にHDR画像が表示される。設定されている接続モードがHDR接続モードからSDR接続モードに切り替えられると、S554以降の処理が実行される。
S554では、システム制御部50は、出力I/F91に対しHDR映像信号の出力停止を指示する。S555では、デジタルカメラ100の出力I/F91は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)へのHDR映像信号の出力を停止する。それにより、外部機器300では、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)を介したHDR映像信号の受信が停止される。S556では、外部機器300は、デジタルカメラ100からの映像信号の受信が停止したため、外部表示部301への映像の表示を停止する。
S557では、システム制御部50は、出力I/F91に対しSDR映像信号の送信を指示する。S558では、デジタルカメラ100の出力I/F91は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)へSDR映像信号を出力し、外部機器300は、接続ケーブル302のTMDS信号線(不図示)を介してSDR映像信号を受信する。
S559では、外部機器300は、S558において受信した映像信号を解析し、SDR映像信号を表示できる設定に外部表示部301の駆動設定を切り替える。S560では、外部機器300は、S558において受信したSDR映像信号を外部表示部301に表示する。このとき、S559とS560の処理時間は外部機器300の性能によって異なり、映像が表示されるまでに1秒から5秒程度の時間がかかる。
なお、図5(a)~図5(c)では、外部機器300との接続としてHDMI接続を用いて説明したが、Display Portやその他のデジタル接続手段を用いた接続が行われてもよい。
【0039】
<再生モード処理(SDR出力モード)>
図6(a)は、SDR出力モードの再生モード処理の詳細を示すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。図4のS407、S410の詳細な説明である。SDR出力モードは第1再生出力モードに相当する。
S410では、システム制御部50は、再生する画像のファイルから、当該画像の情報を取得する。取得される情報は、メタデータ(属性情報を含む)、ファイル名、等である。再生する画像のファイルは記録媒体200に記録されており、当該画像の情報は、記録媒体200から記録媒体I/F18を用いてシステムメモリ52に読み込まれる。
S411では、システム制御部50は、S402や後述のS425で取得した情報(再生する画像のメタデータ、ファイル名、等)から、再生する画像がRAW画像か否かを判定する。RAW画像と判定された場合はS412に進み、そうでない場合はS416に進む。RAW画像のファイル、すなわちRAWファイルには、RAW画像データ、表示用JPEG画像、DCFサムネイル画像、等が含まれている。
S412では、システム制御部50は、S410や後述のS425で取得した情報(再生する画像のメタデータ、ファイル名、等)から、再生する画像がHDR画像かSDR画像か否かを判定する。HDR画像と判定された場合はS414に進み、そうでない場合はS413に進む。
【0040】
S413では、システム制御部50は、再生するRAW画像に関連付けられて記録された表示用JPEG画像(プレビュー画像)のみを記録媒体200から読み出し、表示部28に表示する。また、外部機器300に接続されている場合は、表示部28ではなく外部機器300の外部表示部301に表示する(SDR表示)。
S414では、システム制御部50は、再生するRAW画像に関連付けられて記録された表示用HDR画像を、記録媒体200から記録媒体I/F18を用いてメモリ32に読み込み、SDR変換処理でSDR画像に変換してメモリ32に書き込む。本実施形態においてSDR変換処理は、10bitまたは12bitの階調分解能(第2階調分解能)を有するHDR画像(第2種別の画像)を、8bitの階調分解能(第1階調分解能)を有するJPEG画像(変換画像;第1種別の画像)に変換する処理である。S414及び後述のS418では、システム制御部50が第二変換手段として機能する。例えば、BT.2020ではHDR画像の階調分解能として10bitの階調分解能が規定されている。HDR画像の階調分解能として12bitの階調分解能を規定するものもある。
【0041】
S415では、システム制御部50は、出力I/F91を制御し、メモリ32に格納されている変換して得られたSDR画像を表示部28に表示する。また、外部機器300に接続されている場合は、デジタル信号のまま外部機器300に出力する。これにより、S414でメモリ32に書き込まれたSDR画像は、外部機器300の外部表示部301に表示される(SDR表示)。
S455では、システム制御部50は、出力I/F91を制御し、メモリ32に格納されている疑似HDR画像を表示部28に表示する。また、デジタル信号のまま外部機器300に出力する。これにより、S454でメモリ32に書き込まれた疑似HDR画像は、外部機器300の外部表示部301に表示される(HDR表示)。
S416では、RAW画像ではない画像がファイルに保存されている場合において、システム制御部50は、S410や後述のS425で取得した情報(再生する画像のメタデータ、ファイル名等)から、再生する画像がHDR画像かSDR画像か否かを判定する。HDR画像と判定された場合はS418に進み、そうでない場合はS417に進む。
S417では、JPEG画像を、S413と同様に、表示する。
S418では、HDR画像を、S414と同様に、SDR変換する。
S419では、S415と同様に、変換して得られたSDR画像を表示する。
S420では、システム制御部50は、ユーザーによりメニューボタン70eが押下されたか否かを判定する。メニューボタン70eが押下されたと判定された場合はS421に進み、そうでない場合はS422に進む。
S421では、システム制御部50は、メニュー処理を行う。メニュー処理の詳細は後述する。
S422では、システム制御部50は、デジタルカメラ100が外部機器300に接続されているか否かを判定する。接続されていると判定された場合は、図4のS401の前に進み、そうでない場合はS423に進む。
S423では、システム制御部50は、ユーザーにより電源スイッチ72が操作されて電源オフが指示されたか否かを判定する。電源オフが指示されたと判定された場合は、再生モード処理を終了し、そうでない場合はS424に進む。
S424では、システム制御部50は、操作部70を用いた画像切り替え操作がユーザーにより行われたか否かを判定する。画像切り替え操作が行われたと判定された場合は、S425に進み、そうでない場合はS420に進む。
S425では、システム制御部50は、次に再生する画像のファイルから、当該画像の情報(メタデータ、ファイル名等)を取得する。その後、処理はS411に進む。
【0042】
<再生モード処理(HDR出力モード)>
図6(b)は、HDR出力モードの再生モード処理の詳細を示すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。図4のS406、S409の詳細な説明である。HDR出力モードは第2再生出力モードに相当する。
S450~S452では、S410~S412と同様の処理を行う。
S453では、システム制御部50は、再生するRAW画像に関連付けられて記録された表示用HDR画像(プレビュー画像)のみを記録媒体200から読み出し、表示部28に表示する。また、外部機器300に接続されている場合は、表示部28ではなく外部機器300の外部表示部301に表示する(HDR表示)。
S454では、システム制御部50は、再生するRAW画像に関連付けられて記録された表示用JPEG画像(プレビュー画像)を、記録媒体200からメモリ32に読み込み、疑似HDR変換処理でHDR画像に変換してメモリ32に書き込む。本実施形態の疑似HDR変換処理は、8bitの階調分解能(第1階調分解能)を有するJPEG画像(第1種別の画像)を、10bitまたは12bitの階調分解能(第2階調分解能)を有するHDR画像(疑似HDR画像;第2種別の画像)に変換する処理である。S454及び後述のS458では、システム制御部50が第一変換手段として機能する。例えば、BT.2020ではHDR画像の階調分解能として10bitの階調分解能が規定されている。HDR画像の階調分解能として12bitの階調分解能を規定するものもある。疑似HDR変換処理の詳細は図8(a),図8(b)を用いて後述する。
【0043】
S455では、システム制御部50は、出力I/F91を制御し、メモリ32に格納されている疑似HDR画像を表示部28に表示する。また、外部機器300に接続されている場合は、デジタル信号のまま外部機器300に出力する。これにより、S454でメモリ32に書き込まれた疑似HDR画像は、外部機器300の外部表示部301に表示される(HDR表示)。この際に、疑似HDR画像の表示が行われていることを表すアイコンを表示してもよい。
S456では、RAW画像ではない画像がファイルに保存されている場合において、システム制御部50は、S410や後述のS425で取得した情報(再生する画像のメタデータ、ファイル名等)から、再生する画像がHDR画像かSDR画像か否かを判定する。HDR画像と判定された場合はS457に進み、そうでない場合はS458に進む。
【0044】
S457では、HDR画像を、S453と同様に、表示する。
S458では、JPEG画像を、S454と同様に、疑似HDR変換する。
S459では、S455と同様に、疑似HDR画像を表示する。
それ以降の処理は、図6(a)で前述したS420~S425と同様である。
【0045】
<メニュー処理>
図7は、メニュー処理(図6のS421)の詳細を示すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。
S701では、システム制御部50は、表示部28もしくは、外部機器300の外部表示部301にメニュー画面を出力して表示する。例えば、再生出力モード設定のHDR出力モード/SDR出力モードを切り替えるためのメニュー項目を表示する。
【0046】
S702では、システム制御部50は、再生出力モード設定のHDR出力モード/SDR出力モードを切り替えるためのメニュー項目がユーザーによって選択されたか否かを判定する。選択されたと判定された場合はS703に進み、そうでない場合はS708に進む。例えば、再生出力モードの設定を切り替えるためのメニュー項目が選択されると、システム制御部50は、S701で出力したメニュー画面を、再生出力モード設定をHDR出力モード/SDR出力モードに切り替えるための設定画面に切り替える。
【0047】
S703では、システム制御部50は、再生出力モードの設定をSDR出力モードからHDR出力モードに切り替えるユーザー操作が行われたか否かを判定する。ユーザー操作が行われたと判定された場合はS706に進み、そうでない場合はS704に進む。
S704では、システム制御部50は、再生出力モードの設定をHDR出力モードからSDR出力モードに切り替えるユーザー操作が行われたか否かを判定する。ユーザー操作が行われたと判定された場合はS705に進み、そうでない場合はS707に進む。
S705では、システム制御部50は、再生出力モードの設定をSDR出力モードに変更し、その設定値をシステムメモリ52に記録する。
S706では、システム制御部50は、再生出力モードの設定をHDR出力モードに変更し、その設定値をシステムメモリ52に記録する。
以上のように、システム制御部50が、再生出力モードの設定をSDR出力モード及びHDR出力モードのうちのいずれかに設定する設定手段として機能する。
S707では、システム制御部50は、S702からS703に進む際に表示された再生出力モードの設定を切り替えるための設定画面からS701で出力したメニュー画面に戻るユーザー操作が行われたか否かを判定する。ユーザー操作が行われたと判定された場合はS701に進み、そうでない場合はS703に進む。
【0048】
S708では、システム制御部50は、RAW現像を実行するためのメニュー項目がユーザーによって選択されたか否かを判定する。例えば、RAW現像を実行するためのメニュー項目とは、後述する図10の(b)の画面1000におけるメニュー項目1003である。選択されたと判定された場合は、S709に進み、そうでない場合はS710に進む。
S709では、システム制御部50は、RAW現像処理を行う。RAW現像処理の詳細は図9を用いて後述する。
【0049】
S710では、システム制御部50は、他のメニュー項目がユーザーによって選択されたか否かを判定する。選択されたと判定された場合はS711に進み、そうでない場合はS712に進む。
S711では、システム制御部50は、S710で選択されたメニュー項目に応じた処理を行う。例えば、画像の選択削除、画像に対する属性付与、画像の属性変更、画像編集、撮像画像の確認時間の変更、電子音出力の有効/無効の切り替え、または、外部ストロボの制御が行われる。
S712では、システム制御部50は、ユーザーによりメニュー処理終了操作が行われたか否かを判定する。メニュー処理終了操作が行われたと判定された場合はS713に進み、そうでない場合はS701に進む。
【0050】
S713では、システム制御部50は、再生出力モードの設定がHDR出力モードか否かを判定する。HDR出力モードであると判定された場合はS714に進み、そうでない場合はS717に進む。
S714では、システム制御部50は、外部機器300が接続されていれば、外部機器300の外部表示部301がHDRに対応しているか否かを判定する。外部表示部301がHDRに対応しているかの判定は、S403で前述したとおり、図5(a)の能力判断処理により行われる。また、外部機器300が接続されていなければ、表示部28はHDRに対応していると想定しているので、HDR対応していると判定される。HDRに対応していると判定された場合はS715に進み、そうでない場合はS717に進む。
S715では、外部機器300が接続されている場合は、システム制御部50は、S404と同様に、設定されている接続モードをSDR接続モードからHDR接続モードに切り替える。外部機器300が接続されていない場合は、何もしない。
S716では、システム制御部50は、HDR出力モードの再生モード処理(図6(b))を行う。
S717では、外部機器300が接続されている場合は、システム制御部50は、S405と同様に、設定されている接続モードをHDR接続モードからSDR接続モードに切り替え、SDR出力モードの再生モード処理(図6(a))を行う。
以上が、メニュー処理である。
【0051】
<疑似HDR変換処理>
図8(a)は、疑似HDR変換処理(図6のS454、S458)の詳細を示すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。
疑似HDR変換処理では、画像の階調分解能が高められると共に、画像の階調特性(階調値と輝度の対応関係)が変換される。本実施形態では、疑似HDR変換処理により、YCC422(BT.601,BT.601)のSDR画像(例えばJPEG画像)をYCC422(ST.2084,BT.2020)の疑似HDR画像に変換する例を説明する。ここで、YCC(BT.601,BT.601)は、色空間(階調特性,階調分解能)=YCC422(BT.601で規定された階調特性,BT.601で規定された階調分解能)を意味する。同様に、YCC422(ST.2084,BT.2020)は、YCC422(ST.2084で規定された階調特性,BT.2020で規定された階調分解能)を意味する。以下で述べる他の記載についても、同様の解釈方法が適用される。
【0052】
S801では、システム制御部50は、メモリ32に書き込まれたYCC422(BT.601,BT.601)のSDR画像の色空間を、RGBに変換する。これにより、YCC422(BT.601,BT.601)のSDR画像が、RGB(BT.601,BT.601)の画像に変換される。
S802では、システム制御部50は、S801で得られたRGB(BT.601,BT.601)の画像の階調特性を、階調値の増加に対して輝度が線形に増加する線形特性に変換する(所定のγカーブを用いたγ変換)。これにより、RGB(BT.601,BT.601)の画像が、RGB(線形特性,BT.601)の画像に変換される。
S803では、システム制御部50は、S802で得られたRGB(線形特性,BT.601)の画像の階調分解能を、BT.2020で規定された階調分解能に変換する(CG変換)。これにより、RGB(線形特性,BT.601)の画像が、RGB(線形特性,BT.2020)の画像に変換される。BT.601の階調分解能からBT.2020の階調分解能に画像の階調分解能が高められると、画像の色域(表現可能な色のレンジ)が広がる。
S804では、システム制御部50は、S803で得られたRGB(線形特性,BT.2020)の画像の階調特性を、ST.2084で規定された階調特性に変換する(図8(b)のγカーブを用いたγ変換)。これにより、RGB(線形特性,BT.2020)の画像が、RGB(ST.2084,BT.2020)の画像に変換される。ST.2084で規定された階調特性は、PQ(Perceptual Quantization)などと呼ばれる。
S805では、システム制御部50は、S804で得られたRGB(ST.2084,BT.2020)の画像の色空間を、YCC422に変換する。これにより、RGB(ST.2084,BT.2020)の画像が、YCC422(ST.2084,BT.2020)の疑似HDR画像に変換される。
【0053】
以上のように、外部機器300との接続モードの切り替えは、表示開始の遅延をまねくが、HDR接続モードでの接続を継続(維持)したまま、JPEG画像が階調分解能の高い疑似HDR画像に変換されて表示される。また、SDR接続モードでの接続を継続(維持)したまま、HDR画像が階調分解能の低いJPEG画像に変換されて表示される。これらにより、種々の画像が好適に表示可能となる。例えば、種々の画像を、時間をかけずに表示したり、接続モードの切り替え無しで表示したりできる。そのため、快適な画像鑑賞が可能になる。
なお、撮像画像を出力したり表示したりする例を説明したが、コンピューターグラフィックなどであってもよい。また、SDR接続モードおよびHDR接続モードとは異なる接続モードが設定可能であってもよい。SDR接続モードで出力される画像はJPEG画像でなくてもよいし、その階調分解能は8bitの階調分解能でなくてもよい。例えば、8bitの階調分解能以下の階調分解能を有する画像がSDR接続モードで出力されてもよい。HDR接続モードで出力される画像の階調分解能は10bitや12bitでなくてもよい。所望の階調分解能と所望の階調特性を有する画像が得られれば、疑似HDR変換処理は特に限定されない。例えば、疑似HDR変換処理は色空間の変換を含まなくてもよい。HLG(Hybrid Log Gamma)と呼ばれる階調特性を有する疑似HDR画像が得られてもよい。各種画面も上述したものに限られない。
【0054】
<RAW現像の処理>
図9図7のS709で実行されるRAW現像処理を示すフローチャートである。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。また、図10にはRAW現像処理の実行中に表示部28、または、外部機器300の外部表示部301に表示される画面の遷移を示す。
まず、図10のメニュー画面1000は、前述した図7のS701で表示部28、または、外部表示部301に表示される画面例である。メニュー画面1000は、複数のメニュータブ1001と、複数のメニュー項目1002とを含む。メニュー項目1003は、RAW現像をするためのメニュー項目である。複数のメニュー項目1002は、RAW現像メニュー項目1003を含む。本フローチャートに示す処理は、前述した図7のS708で、RAW現像メニュー項目1003が選択されたと判定された場合に開始する。
【0055】
S901では、システム制御部50は、RAW現像を行う画像を選択する画面を表示部28、または、外部表示部301に表示する。例えば、図9(b)の画面1100を表示する。画面1100には、RAW現像を行う候補となるRAW画像が表示される。この場合、再生出力モードの設定がHDR出力モードであれば、図6(b)のHDR出力モードの再生モード処理によりRAW画像が表示される。また、再生出力モードの設定がSDR出力モードであれば、図6(a)のSDR出力モードの再生モード処理によりRAW画像が表示される。再生決定ボタン1101は、画像を決定するときに押下するボタンである。
【0056】
S902では、システム制御部50は、画像送りがされたか否かを判定する。画像送りがされたと判定された場合は、S901に進み、次の候補画像を表示する。画像送りがされなかったと判定された場合は、S903に進む。なお、画像送りがされている間は、再生する画像が切り替えられても、システム制御部50は、再生出力モードの設定を切り替えない。
S903では、システム制御部50は、RAW現像を行うRAW画像が決定されたか否かを判定する。例えば、再生決定ボタン1101が押下されたか否かを検知する。画像が決定されたと判定された場合は、S904に進み、そうでない場合は、S901に進む。
S904では、システム制御部50は、S903で決定された画像をRAW現像する画像形式を選択する画面を表示する。例えば、図10の画面1200を表示する。SDR選択ボタン1201は、RAW現像をした結果をSDR画像の形式で保存することを選択するボタンである。HDR選択ボタン1202は、RAW現像をした結果をHDR画像の形式で保存することを選択するボタンである。
【0057】
S905では、システム制御部50は、RAW現像をした結果をHDR画像の形式で保存することが選択されたか否かを判定する。例えば、HDR選択ボタン1202が押下されたか否かを判定する。押下されたと判定された場合は、S906に進み、そうでない場合は、S909に進む。
S906では、システム制御部50は、外部機器300が接続されていれば、外部機器300の外部表示部301がHDRに対応しているか否かを判定する。外部表示部301がHDRに対応しているかの判定は、S403で前述したとおり、図5(a)の能力判断処理により行われる。また、外部機器300が接続されていなければ、表示部28はHDRに対応していると想定しているので、HDR対応していると判定される。HDRに対応していると判定された場合はS907に進み、そうでない場合はS908に進む。
【0058】
S907では、システム制御部50は、S404と同様に、外部機器300が接続されていれば、外部機器300との接続モードをHDR接続モードに切り替える。そして、システム制御部50は、再生出力モードの設定をHDR出力モードに切り替え、その設定値をシステムメモリ52に記録する。ただし、再生出力モードの設定がすでにHDR出力モードであれば切り替える必要ない。その後、システム制御部50は、HDR出力モードの再生モード処理(図6(b))を行う。
S908では、システム制御部50は、S405と同様に、外部機器300との接続モードをSDR接続モードに切り替える。そして、システム制御部50は、再生出力モードの設定をSDR出力モードに切り替え、その設定値をシステムメモリ52に記録する。ただし、再生出力モードの設定がすでにSDR出力モードであれば切り替える必要ない。その後、システム制御部50は、SDR出力モードの再生モード処理(図6(a))を行う。
S909では、システム制御部50は、RAW現像をした結果をSDR画像の形式で保存することが選択されたか否かを判定する。例えば、SDR選択ボタン1201が押下されたか否かを判定する。押下されたと判定された場合は、S910に進み、そうでない場合は、S905に進む。
S910では、システム制御部50は、外部機器300が接続されていれば、S405と同様に、外部機器300との接続モードをSDR接続モードに切り替える。そして、システム制御部50は、再生出力モードの設定をSDR出力モードに切り替え、その設定値をシステムメモリ52に記録する。ただし、再生出力モードの設定がすでにSDR出力モードであれば切り替える必要ない。その後、システム制御部50は、SDR出力モードの再生モード処理(図6(a))を行う。
以上のS905~S910では、システム制御部50は、RAW画像を現像処理する指示があって、SDR画像で保存することが指示されると、SDR再生出力モードに切り替え、HDR画像で保存することが指示されると、HDR再生出力モードに切り替える。これによりRAW現像処理後の画像を表示する際に、階調分解能を変換することなく、そのまま表示することが可能になる。S905~S910では、システム制御部50が制御手段として機能する。
【0059】
S911では、システム制御部50は、S903で決定されたRAW画像を、選択された画像形式に応じてSDR画像、もしくはHDR画像に現像処理してプレビュー画像を生成する。具体的には、RAW画像からSDR画像、もしくは、HDR画像を生成するRAW現像処理を行う。本実施形態においてRAW現像処理は、所定のデフォルトパラメータでRAW画像から現像画像を生成するRAW現像処理である。システム制御部50は、生成した現像画像をプレビュー画像としてメモリ32に書き込む。なお、SDR画像にするRAW現像処理は、RAW画像を現像して8bitSDRの画像を生成する処理(例えばRAW画像からJPEG画像を生成する処理)である。HDR画像にするRAW現像処理は、RAW画像を現像して10bitHDR画像を生成する処理である。S911では、システム制御部50が現像処理手段として機能する。
【0060】
S912では、システム制御部50は、パラメータ選択画面の表示を行う。例えば、図10の画面1300のように、S911で生成してメモリ32に格納されているプレビュー画像(現像画像)を表示し、当該プレビュー画像上にパラメータ選択ボタン1301(所定のアイコン)、パラメータ決定ボタン1302を重畳する。
S913では、システム制御部50は、パラメータが変更されたか否かを判定する。具体的には、パラメータ選択ボタン1301が押下されたか否かを判定する。例えば、パラメータ選択ボタン1301が押下されたことに応じて、システム制御部50は、明るさ補正を1段階上げる。変更されたと判定された場合は、S914に進み、そうでない場合は、S916に進む。
【0061】
S914では、システム制御部50は、変更されたパラメータでRAW現像処理を再度行って現像画像を生成する。システム制御部50は、生成した現像画像をプレビュー画像としてメモリ32に書き込む。
S915では、システム制御部50は、パラメータ選択画面に表示されるプレビュー画像を、S914で生成してメモリ32に格納されているプレビュー画像に更新する。
S916では、システム制御部50は、パラメータが決定されたか否かを判定する。具体的には、パラメータ決定ボタン1302が押下されたか否かを判定する。決定されたと判定された場合は、S917に進み、そうでない場合は、S912に進む。
【0062】
S917では、システム制御部50は、メモリ32に格納されているプレビュー画像(現像画像)を記録媒体200に保存する。
S918では、システム制御部50は、確認画面を表示する。例えば、図10の画面1400のように、S917で記録媒体200に保存した画像をプレビュー表示し、当該画像上に画像を保存した旨のテロップを重畳する。その後、RAW現像処理が終了する。
【0063】
以上のような本実施形態によれば、RAW現像をする対象画像を選択するために画像送りがされている間は、再生出力モードは切り替えられない。これにより、種々の画像を時間をかけずに表示することや、接続モードの切り替え時間を待つこと無く表示することができる。従って、ユーザビリティが損なわれない。一方で、RAW現像した画像のパラメータを選択する場合には、ユーザーが保存したい画像形式に合わせて再生出力モードをHDR出力モード、もしくは、SDR出力モードに切り替えて、RAW現像した画像を表示することができる。つまり、HDR画像を保存したい時はHDR画像のまま出力し、SDR画像を保存したい時はSDR画像のまま出力することができる。従ってユーザーはHDR画像が階調分解能の低いJPEG画像に変換された画像や、SDR画像が階調分解能の高いHDR画像に変換された画像ではなく、正しく表示された画像を見て、意図した編集をすることができる。
【0064】
以下、図11を参照して、前述の図9のフローチャートのS906にて、外部機器300の外部表示部301がHDR対応してないと判定された場合について説明する。外部機器300の外部表示部301がHDR対応してないと判定された場合とは、出力する画像の形式として、HDR画像が選択されたが、再生出力モードの設定をSDR出力モードに切り替えられない場合である。この場合には、S912にてパラメータ選択画面が表示される際に、プレビュー画像としてのHDR画像(現像画像)はSDR変換処理されて表示される。従って、保存したい画像が正しく表示されていないため、意図しない編集がされてしまう場合がある。そのため、このような場合には、警告を行うことで意図しない編集を防止するようにする。
【0065】
前述の図9のフローチャートのS906にて、外部機器300の外部表示部301がHDR対応してないと判定された場合、S912にて、システム制御部50は、パラメータ選択画面を表示する際に、警告を表示する。例えば、図11の画面1500のように、SDR変換処理されたプレビュー画像を表示し、当該プレビュー画像上に警告表示1501を重畳する。警告表示1501には、保存する画像を正しく表示できていない旨が表示される。このように、保存する画像を正しく表示できていないことを警告することで、意図しない編集を防止することができる。
【0066】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0067】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0068】
28:(デジタルカメラの)表示部、100:デジタルカメラ、300:外部機器、301:外部表示部
図1
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