(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】無線ユニット及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20240527BHJP
H04W 16/02 20090101ALI20240527BHJP
H04W 88/08 20090101ALI20240527BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W16/02
H04W88/08
(21)【出願番号】P 2020070991
(22)【出願日】2020-04-10
【審査請求日】2023-01-19
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、総務省 「第5世代移動通信システムの更なる高度化に向けた研究開発」に関する委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 英範
(72)【発明者】
【氏名】牟田 竜二
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0242349(US,A1)
【文献】国際公開第2017/164057(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ユニットを制御する
Lower Layer Sprit (LLS)分散ユニット及び
Higher Layer Sprit(HLS)分散ユニッ
トから
それぞれに対応するLLS端末
及びHLS端末に対する上りリンクのリソース割当
情報を含む制御情報を受信する受信回路と、
前記制御情報に基づいて、前記
LLS分散ユニット又は前記
HLS分散ユニットの何れかに対する前記上りリンクの受信信号の転送を制御する制御回路と、
を具備
し、
前記制御情報に含まれる、前記LLS端末に対するリソース割当情報と対応する前記LLS分散ユニットの情報と、前記HLS端末に対するリソース割当情報と対応する前記HLS分散ユニットの情報と、を記憶する記憶部をさらに具備し、
前記制御回路は、前記LLS分散ユニット又は前記HLS分散ユニットのうち、前記受信信号の割り当てられたリソースを示す前記リソース割当情報に対応する前記LLS分散ユニット又は前記HLS分散ユニットを、前記受信信号の転送先に決定する、
無線ユニット。
【請求項2】
前記制御回路は、前記LLS端末の使用帯域又は前記HLS端末の使用帯域に基づいて、前記受信信号の転送先を決定する機能を有し、
前記制御回路は、前記
LLS端末に対するリソース割当情報に合致しないリソースにおいて
前記受信信号を受信した
場合には、前記受信信号を受信した帯域が前記LLS端末の使用帯域に含まれる場合であっても、前記受信信号の非転送を決定する、
請求項
1に記載の無線ユニット。
【請求項3】
前記上りリンクのリソース割当情報は、端末向けの下り制御信号に含まれ、
前記制御情報は、前記下り制御信号の復号に用いるパラメータを含む、
請求項1に記載の無線ユニット。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記パラメータを用いて前記下り制御信号を復号して、前記リソース割当情報を取得し、
前記
LLS分散ユニット又は前記
HLS分散ユニットのうち、前記受信信号の割り当てられたリソースを示す前記リソース割当情報の送信元分散ユニットを、前記受信信号の転送先に決定する、
請求項
3に記載の無線ユニット。
【請求項5】
前記制御回路は、
前記パラメータを用いて前記下り制御信号を復号して、前記リソース割当情報を取得し、
前記リソース割当情報に合致しないリソースにおいて受信した前記受信信号の非転送を決定する、
請求項
3に記載の無線ユニット。
【請求項6】
前記制御回路は、前記受信信号の復号に成功した場合に、前記受信信号を転送する分散ユニットの決定を行い、前記受信信号の復号に失敗した場合に、前記受信信号の非転送を決定する、
請求項1に記載の無線ユニット。
【請求項7】
前記制御情報は、上り制御信号のリソース割当情報を含み、
前記制御回路は、前記上り制御信号のリソース割当情報に基づいて受信した前記上り制御信号の復号に成功した場合に、前記
LLS分散ユニット又は前記
HLS分散ユニットのうち、前記上り制御信号のリソース割当情報の送信元分散ユニットを、前記上り制御信号の転送先に決定する、
請求項
6に記載の無線ユニット。
【請求項8】
上りデータのリソース割当情報が、端末向けの下り制御信号に含まれ、
前記制御情報は、前記下り制御信号の復号に用いるパラメータを含み、
前記制御回路は、
前記パラメータを用いて前記下り制御信号を復号して、前記上りデータのリソース割当情報を取得し、
前記上りデータのリソース割当情報に基づいて受信した前記上りデータの復号に成功した場合に、前記
LLS分散ユニット又は前記
HLS分散ユニットのうち、前記上りデータのリソース割当情報の送信元分散ユニットを、前記上りデータの転送先に決定する、
請求項
6に記載の無線ユニット。
【請求項9】
無線ユニットは、
前記無線ユニットを制御する
Lower Layer Sprit (LLS)分散ユニット及び
Higher Layer Sprit(HLS)分散ユニッ
トから
それぞれに対応するLLS端末
及びHLS端末に対する上りリンクのリソース割当
情報を含む制御情報を受信し、
前記制御情報に基づいて、前記
LLS分散ユニット又は前記
HLS分散ユニットの何れかに対する前記上りリンクの受信信号の転送を制御
し、
前記制御情報に含まれる、前記LLS端末に対するリソース割当情報と対応する前記LLS分散ユニットの情報と、前記HLS端末に対するリソース割当情報と対応する前記HLS分散ユニットの情報と、を記憶し、
前記LLS分散ユニット又は前記HLS分散ユニットのうち、前記受信信号の割り当てられたリソースを示す前記リソース割当情報に対応する前記LLS分散ユニット又は前記HLS分散ユニットを、前記受信信号の転送先に決定する、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線ユニット、分散ユニット及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際標準化団体である3rd Generation Partnership Project(3GPP)のRelease 15において、第5世代移動通信システム(5G:5th Generation mobile communication systems)の無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)のアーキテクチャーとして、新しいインターフェイス(例えば、New Radio(NR))、及び、機能モジュールの導入が検討される。
【0003】
例えば、5GのRANを構成する5G NRの無線基地局(例えば、基地局、又は、Next-Generation NodeB(gNB)とも呼ばれる)の機能を分離(換言すると、split)する構成が検討される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】E. Katranaras, M. Imran, and R. Hoshyar, “Sum-rate of linear cellular systems with clustered joint processing,” in Proc. IEEE 69th Vehicular Technology Conference -VTC2009-Spring, April 2009
【文献】NGMN(Next Generation Mobile Networks Alliance), “NGMN Overview on 5G RAN Functional Decomposition”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基地局の機能を分離した構成における上りリンク(UL:Uplink)の無線通信方法については十分に検討されていない。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、ULにおける無線通信の効率を向上できる無線ユニット、分散ユニット及び通信方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る無線ユニットは、無線ユニットを制御する第一の分散ユニット及び第二の分散ユニットのそれぞれから端末向けの上りリンクのリソース割当に関する制御情報を受信する受信回路と、前記制御情報に基づいて、前記第一の分散ユニット又は前記第二の分散ユニットの何れかに対する前記上りリンクの受信信号の転送を制御する制御回路と、を具備する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施例によれば、ULにおける無線通信の効率を向上できる。
【0010】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】LLS Distributed Unit(DU)とHLS DUとの間の周波数リソースの割当例を示す図
【
図5】Radio Unit(RU)によるULデータの転送例を示す図
【
図7】実施の形態1に係る無線通信システムの構成例を示す図
【
図8】実施の形態1に係るDU及びRUの構成例を示すブロック図
【
図9】実施の形態1に係るUL信号の送信例を示すシーケンス図
【
図10】実施の形態1に係るDUからRUへ通知される制御情報の一例を示す図
【
図11】実施の形態2に係る無線通信システムの構成例を示す図
【
図12】実施の形態2に係るDU及びRUの構成例を示すブロック図
【
図13】実施の形態2に係るUL信号の送信例を示すシーケンス図
【
図14】実施の形態2に係るDUからRUへ通知される制御情報の一例を示す図
【
図15】実施の形態3に係る無線通信システムの構成例を示す図
【
図16】実施の形態3に係るDU及びRUの構成例を示すブロック図
【
図17】実施の形態3に係るUL信号の送信例を示すシーケンス図
【
図18】実施の形態3に係るDUからRUへ通知される制御情報の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、基地局の機能モジュールの配置例を示す図である。
【0014】
基地局の機能は、例えば、Centralized Unit(CU)、Distributed Unit(DU)、及び、Radio Unit(RU)の3つの機能モジュールで構成されてよい。なお、CUは、例えば、集中局、集中ノード、又は、集約ノードとも呼ばれてよい。また、DUは、例えば、分散局、又は、分散ノードとも呼ばれてよい。また、RUは、例えば、無線局、アンテナ部、又は、無線ノードとも呼ばれてよい。
【0015】
CU、DU及びRUそれぞれの機能モジュールの様々な組み合わせが可能である。例えば、各機能モジュールをCell Site(換言すると、radio frequeny(RF)又はアンテナ)側、及び、Central Site(換言すると、コアネットワーク)側の何れに配置するかによって、
図1に示す「Lower Layer Split(LLS)構成」及び「Higher Layer Split(HLS)構成」の2つの構成が検討される。
【0016】
LLS構成では、例えば、Cell Site側にRUが配置され、Central Site側にCU及びDUが配置されてよい。また、HLS構成では、Cell Site側にDU及びRUが配置され、Central Site側にCUが配置されてよい。なお、Central SiteとCell Siteとの間は、例えば、Fronthaul(FH)と呼ばれるインターフェイスによって接続されてよい。
【0017】
図2は、LLS構成におけるセルの配置例を示す図である。
【0018】
図2に示すように、例えば、LLS構成では、Cell Site側に配置されるRU(換言すると、複数のRUが分散して配置される分散アンテナ)によって、セル(例えば、マクロセルと呼ぶ)を形成してよい。例えば、マクロセルは、マクロセル内に配置される複数のRUのうちの一部のRUによって構成されるセル(例えば、仮想セル又はクラスタ(Cluster)と呼ばれる)に分割されてよい。なお、
図2に示すマクロセルに対して、例えば、1つのセルID(例えば、physical cell identity(PCI))が設定されてよい。
【0019】
図2に示す構成では、例えば、Central Site側に配置されるCU及びDU(以下、「CU/DU」と表すこともある)は、個々のRUを制御してよい。また、例えば、CU/DUは、クラスタ単位で無線リソースを制御してよい。また、例えば、クラスタ(例えば、クラスタにおけるRU構成)は、伝搬路状況に応じて動的に変更可能である。また、LLS構成では、例えば、CU/DUは、マクロセル内の複数のRUに対する協調制御により、無線品質を向上可能である。
【0020】
図3は、HLS構成におけるセルの配置例を示す図である。
【0021】
図3に示すように、例えば、HLS構成では、Cell Site側に配置されるDUによってセル(例えば、スモールセルと呼ぶ)を形成してよい。例えば、個々のスモールセルに対応するDUは、当該DUに接続される(換言すると、紐づく)1つ又は複数のRUを制御してよい。例えば、
図3に示すHLS構成において形成されるスモールセルは、
図2に示すLLS構成において形成されるマクロセルと比較して小さい。なお、
図3に示すスモールセルそれぞれに対して、例えば、個別のセルID(例えば、PCI)が設定されてよい。
【0022】
HLS構成では、例えば、DUがCell Site側に配置されるので、LLS構成と比較して低遅延の通信が可能である。
【0023】
以上、LLS構成及びHLS構成についてそれぞれ説明した。
【0024】
LLS構成とHLS構成とは、例えば、端末(user equipment(UE)、ユーザ端末、又は、ユーザとも呼ばれる)に対して、切り替え可能に運用されてよい。例えば、端末におけるサービス要求(例えば、遅延要求)、又は、端末におけるトラフィック量に応じて、LLS構成及びHLS構成の何れか一方が選択されてよい。また、例えば、多数の端末に対する様々な要求に対応するために、LLS構成とHLS構成とを共用する運用が想定され得る。例えば、LLS構成及びHLS構成において、Cell SiteとCentral Siteとの間のフロントホール(FH:Fronthaul)、及び、RUの少なくとも1つが共用されてよい。このため、例えば、フロントホールのリソース、及び、RUとUEとの間の無線リソースは、LLS構成とHLS構成とのそれぞれについて設定又は調整されることが想定される。
【0025】
例えば、LLS構成のDU(以下、「LLS DU」と表す)及びHLS構成のDU(以下、「HLS DU」と表す)はRUを共用してよい。この場合、1つのRUでは、例えば、LLS DUとHLS DUとの間で使用する帯域(例えば、周波数リソース)を分けてよい。例えば、
図4に示すように、RUにおける周波数リソースは、LLS DU用のBandwidth Part(BWP)(以下、「LLS BWP」と表す)と、HLS DU用のBWP(以下、「HLS BWP」と表す)とに分割されてよい。
【0026】
ここで、例えば、RUは、端末を識別する情報(例えば、UE ID、又は、radio network temporary identifier(RNTI))に基づいて端末を識別する機能を有さなくてよい。このため、RUは、例えば、LLS構成及びHLS構成の双方の使用帯域(例えば、BWP)に基づいて、端末から送信される上りリンクデータ(ULデータ)の転送先DUを決定(換言すると、選択)してよい。
【0027】
図5は、RUによるULデータの転送例(例えば、転送先DUの決定方法の一例)を示す図である。
図5では、例えば、DU
0はLLS DUであり、DU
1はHLS DUである。
図5において、DU
0及びDU
1は、RU(換言すると、RUの周波数帯域)を共用する。
【0028】
図5では、例えば、RUは、DU
0に接続するUE(例えば、LLS UEと呼ぶ)又はDU
1に接続するUE(例えば、HLS UEと呼ぶ)から送信されるULデータの転送先DUを、当該ULデータが割り当てられた周波数リソースに基づいて決定してよい。例えば、RUは、ULデータの割当周波数リソースがLLS BWPに含まれる場合、当該ULデータの転送先DUをDU
0(LLS DU)に決定してよい。また、例えば、RUは、ULデータの割当周波数リソースがHLS BWPに含まれる場合、当該ULデータの転送先DUをDU
1(HLS DU)に決定してよい。
【0029】
ここで、上述したULデータの転送先DUの決定方法では、以下のように、RUがULデータの転送先DUを誤る可能性がある。
【0030】
例えば、LLS DUは、Cluster単位でリソースを制御してよい。また、LLS DUがRUにおいて使用可能な周波数帯域(例えば、LLS BWP)と、HLS DUがRUにおいて使用可能な周波数帯域(例えば、HLS BWP)とはオーバーラップ可能である。例えば、Cluster内あるいはHLS DU内のトラヒックに応じて、各DU(例えば、Medium Access Control(MAC)スケジューラー)は、当該DUに対応するBWPの範囲内において、Clusterそれぞれのリソース割当あるいはHLS DUのリソース割当を設定してよい。そのため、LLS DU内の異なるClusterでは、HLS DUとClusterとの間のリソース割当が異なることがあり得る。
【0031】
図6は、RUによるULデータの転送例を示す図である。
【0032】
図6において、例えば、DU
0はLLS DUであり、DU
1及びDU
2はHLS DUである。
図6において、DU
0(例えば、Cluster#1)及びDU
1は、RU
1(換言すると、RUの割当帯域)を共用する。また、
図6において、DU
0(例えば、Cluster#2)及びDU
2は、RU
2(換言すると、RUの割当帯域)を共用する。
【0033】
また、
図6に示すように、RU
1の割当帯域におけるLLS BWPとHLS BWPとはオーバーラップし、RU
2の割当帯域におけるLLS BWPとHLS BWPとはオーバーラップしてよい。また、例えば、
図6に示すように、Cluster#1及びDU
1のリソース割当と、Cluster#2及びDU
2のリソース割当と、は異なってよい。これらのリソース割当は、例えば、クラスタあるいはHLS DU内のトラヒックに応じて決定されてよい。
【0034】
例えば、
図6では、RU
1の割当帯域において、Cluster#1に対してLLS BWPより少ない帯域が割り当てられ、HLS DU
1に対してHLS BWPに相当する帯域が割り当てらる。その一方で、例えば、
図6では、RU
2の割当帯域において、Cluster#2に対してLLS BWPに相当する帯域が割り当てられ、HLS DU
1に対してHLS BWPより少ない帯域が割り当てられる。換言すると、
図6では、LLS BWPとHLS BWPとがオーバーラップする帯域は、互いに異なる構成(LLS及びHLS)のDUに割り当てられる。
【0035】
例えば、
図6において、RU
2は、HLS DU
2に接続されたHLS UEから送信されるULデータの割当リソースが、HLS DU
2の使用帯域に含まれるので、当該ULデータの転送先をHLS DU
2に決定してよい。
【0036】
また、
図6に示すHLS DU
1に接続されたHLS UEは、例えば、Cluster#1とCluster#2との境界付近に位置するため、当該HLS UEから送信されるULデータは、RU
2に対して干渉になり得る。ここで、
図6に示すように、HLS DU
1に接続されたHLS UEに対して、HLS DU
1の使用帯域のうち、LLS BWPとHLS BWPとがオーバーラップする帯域が割り当てられる。よって、
図6において、RU
2の割当帯域では、HLS DU
1に接続されたHLS UEから送信されるULデータの割当リソースが、LLS DU
0(Cluster#2)の使用帯域に含まれるので、RU
2は、当該ULデータを、LLS UE(図示せず)からのULデータと判断し、ULデータの転送先をLLS DU
0に誤って決定する可能性がある。
【0037】
このように、LLS構成とHLS構成との間のULの使用帯域(例えば、BWP)に基づく端末の識別方法(換言すると、転送先DUの決定方法)では、RUが、干渉となる他局(例えば、隣り合うRU)に対応するHLS DUに接続する端末のULデータを、当該RUに対応するLLS DUに接続する端末のULデータと誤って判断して、LLS DUに転送する可能性があり、UL信号の伝送効率を低下する可能がある。
【0038】
そこで、本開示の一実施例では、UL信号の伝送効率を向上する方法について説明する。
【0039】
(実施の形態1)
[無線通信システムの構成]
図7は、本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【0040】
本実施の形態に係る無線通信システムは、例えば、少なくとも、基地局(例えば、CU、DU及びRU)、及び、端末(例えば、UE)を含む。
【0041】
基地局は、例えば、LLS構成とHLS構成とを切り替え可能である。
図7において、例えば、DU
0はLLS DUであり、DU
1及びDU
2はHLS DUである。また、
図7において、DU
0(例えば、Cluster#1)及びDU
1は、RU
1を共用する。また、
図7において、DU
0(例えば、Cluster#2)及びDU
2は、RU
2を共用する。
【0042】
例えば、
図7において、各RU(例えば、RU
1及びRU
2)は、LLS DU
0に接続されたLLS UEから送信されるULデータをLLS DU
0へ転送してよい。また、例えば、
図7において、各RU(例えば、RU
1及びRU
2)は、HLS DU(例えば、DU
1及びDU
2)に接続されたHLS UEから送信されるULデータをHLS DUへ転送してよい。なお、RUにおけるULデータ転送先DUの決定方法の例については後述する。
【0043】
図8は、本実施の形態に係るDU10及びRU20の構成例を示すブロック図である。例えば、
図7に示すLLS DU
0、HLS DU
1及びHLS DU
2それぞれは、
図8に示すDU10の構成を備えてよい。また、例えば、
図7に示すRU
1及びRU
2それぞれは、
図8に示すRU20の構成を備えてよい。
【0044】
図8に示すDU10は、例えば、MACスケジューラー101、UL割当情報生成部102、及び、インターフェイス103を備えてよい。
【0045】
MACスケジューラー101は、例えば、DU10(例えば、Cluster又はHLS DU)内のリソース割当を制御してよい。例えば、MACスケジューラーは、ClusterあるいはHLS DUにおけるトラヒック量に基づいて、Cluster及びHLS DUの使用帯域を決定してよい。また、MACスケジューラー101は、例えば、Cluster及びHLS DUそれぞれの使用帯域において、UE(例えば、LLS UE又はHLS UE)に対してULデータのリソースを割り当ててよい。MACスケジューラー101は、例えば、スケジューリング結果を示す情報をUL割当情報生成部102へ出力してよい。
【0046】
UL割当情報生成部102は、例えば、MACスケジューラー101から出力されるスケジューリング結果を示す情報に基づいて、各UE(例えば、LLS UE及びHLS UE)に対するULデータの割当リソース(例えば、周波数リソース及び時間リソースを含む)を示すUL割当情報を生成してよい。UL割当情報生成部102は、例えば、生成したUL割当情報をインターフェイス103へ出力してよい。
【0047】
インターフェイス103は、例えば、RU20と通信を行ってよい。例えば、インターフェイス103は、UL割当情報生成部102から出力されるUL割当情報をRU20(例えば、インターフェイス201)へ送信してよい。
【0048】
また、例えば、インターフェイス103は、端末向けの下りリンク制御情報(DL制御信号。例えば、Physical Downlink Control Channel(PDCCH)又はDownlink Control Information(DCI)とも呼ぶ)、又は、端末向けの下りリンクデータ(DLデータ。例えば、Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))をRU20へ送信してよい。また、例えば、インターフェイス103は、RU20から送信される、上りリンク制御信号(UL制御信号。例えば、Physical Uplink Control Channel(PUCCH)又はUplink Control Information(UCI)とも呼ぶ)、又は、上りリンクデータ(ULデータ。例えば、Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))を受信してよい。
【0049】
図8に示すRU20は、例えば、インターフェイス201、記憶部202、無線部203、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))部204、及び、制御部205を備えてよい。
【0050】
インターフェイス201は、例えば、DU10と通信を行ってよい。例えば、インターフェイス201は、DU10(インターフェイス103)から送信されるUL割当情報を受信し、記憶部202へ出力してよい。また、例えば、インターフェイス103は、制御部205の指示(例えば、転送先DUに関する指示)に従って、制御部205から出力される、UL制御信号又はULデータといったUL信号をDU10へ送信してよい。
【0051】
また、例えば、インターフェイス201は、RU20から送信される、DL制御信号又はDLデータといった端末向けのDL信号をDU10から受信してよい。RU20は、例えば、DU10から受信したDL信号を端末へ送信(換言すると、転送)してよい(図示せず)。
【0052】
記憶部202は、例えば、インターフェイス201から出力されるUL割当情報を記憶してよい。
【0053】
無線部203は、例えば、端末(例えば、UE)と無線通信を行ってよい。例えば、無線部203は、端末から送信されるUL信号を受信し、FFT部204へ出力してよい。端末から送信されるUL信号の送信波形は、例えば、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))といった波形でもよい。なお、UL信号の送信波形は、OFDM波形に限らない。
【0054】
FFT部204は、無線部203から出力されるUL信号に対してFFT処理を行い、FFT後のUL信号を制御部205へ出力する。
【0055】
制御部205は、例えば、記憶部202に記憶された、端末(例えば、LLS UE及びHLS UE)に対するUL割当情報に基づいて、複数のDU10へのUL信号の転送を制御してよい。例えば、制御部205は、UL割当情報に基づいて、FFT部204から出力されるUL信号の転送先DU(LLS DU又はHLS DU)を決定してよい。制御部205は、決定した転送先DUに関する情報をインターフェイス201へ出力してよい。なお、RU20(例えば、制御部205)におけるUL信号の転送先DUの決定方法の一例については後述する。
【0056】
[DU10及びRU20の動作例]
上述したDU10及びRU20の動作例について説明する。
【0057】
図9は、DU10及びRU20のULデータ送信に関する動作例を示すシーケンス図である。
【0058】
図9において、例えば、LLS DU及びHLS DUは、
図8に示すDU10(例えば、DU10-1及びDU10-2と表す)の構成を備えてよく、RUは、
図8に示すRU20の構成を備えてよい。
【0059】
例えば、LLS DUは、当該LLS DUに接続した端末(LLS UE)が送信するULデータの割当リソースを示すUL割当情報を、当該LLS DUに対応するRU20へ送信してよい(S101-1)。また、HLS DUは、当該HLS UEに接続した端末(HLS UE)が送信するULデータの割当リソースを示すUL割当情報を、当該HLS DUに対応するRU20へ送信してよい(S101-2)。RU20は、例えば、LLS DU及びHLS DUそれぞれから受信したUL割当情報を記憶してよい。
【0060】
UL割当情報の通知タイミングは、例えば、DU10において、端末に対するULデータの割当リソースを示す割当情報(例えば、UL scheduling grant又はUL grantとも呼ぶ)を含むDL制御信号(例えば、PDCCH)の送信タイミングでもよく、他のタイミングでもよい。
【0061】
図10は、RU20が保持するUL割当情報の一例を示す図である。例えば、
図10は、LLS DUから通知される、LLS DUに接続されたUEに対するUL割当情報、及び、HLS DUから通知される、HLS DUに接続されたUEに対するUL割当情報を示す。
【0062】
UL割当情報には、例えば、以下のパラメータが含まれてよい。
・DUを識別する値(例えば、DU index)
・UEを識別する値(例えば、UE ID又はRNTI)
・ULデータが割り当てられる周波数リソース(例えば、resource block(RB)又はphysical RB(PRB))の開始番号(例えば、Start RB index)
・ULデータが割り当てられる連続する周波数リソース数(例えば、Number of Consecutive RBs)
・ULデータが割り当てられるサブフレームを識別する値(例えば、Subframe index)
・ULデータが割り当てられるスロットを識別する値(例えば、Slot index)
・ULデータが割り当てられるシンボルの開始番号(例えば、Start symbol index)
・ULデータが割り当てられる連続するシンボル数(例えば、Number of Consecutive symbols)
【0063】
なお、UL割当情報に含まれるパラメータは、上述したパラメータに限定されず、UL割当リソース(例えば、周波数リソース及び時間リソース)に関する他のパラメータでもよい。例えば、UL割当情報には、
図10に示すパラメータのうち、UEを識別する値(例えば、UE ID又はRNTI)は含まれなくてもよい。
【0064】
また、
図10に示すUL割当情報は、割当対象のUE毎(例えば、UE ID単位)にRU20へ個別に通知されてもよく、複数のUEについてRU20へまとめて通知されてもよい。例えば、DU10は、UEに対してULリソースを割り当てる度に、RU20に対して、UL割当情報を通知してもよい。また、
図10に示すUL割当情報に含まれる複数のパラメータは、DU10(例えば、LLS DU又はHLS DU)からRU20へ個別に通知されてもよく、少なくとも2つまとめて通知されてもよい。例えば、
図10に示すUL割当情報に含まれる各パラメータは、更新される度にDU10からRU20へ通知されてもよい。
【0065】
図9において、例えば、LLS UEは、ULデータ(例えば、PUSCHといったデータチャネル)をRU20へ送信し(S102-1)、HLS UEは、ULデータをRU20へ送信してよい(S102-2)。
【0066】
RU20は、例えば、複数のDU10それぞれから通知されたUL割当情報に基づいて、受信したULデータの転送先DUを決定(換言すると、選択)してよい(S103)。そして、RU20は、例えば、決定した転送先DUへ、ULデータを送信してよい(S104)。
【0067】
一例として、
図7に示すRU
2における動作例について説明する。
【0068】
図7に示すように、RU
2は、LLS DU
0及びHLS DU
2に対応するRU(換言すると、共用されるRU)である。RU
2は、例えば、
図10に示すように、LLS DU
0から、LLS DU
0に接続されるLLS UEに関するUL割当情報を受信し、HLS DU
2から、HLS DU
2に接続されるHLS UEに関するUL割当情報を受信してよい。
【0069】
RU2は、例えば、UL割当情報に基づいて、LLS DU0及びHLS DU2へのULデータの転送を制御してよい。
【0070】
例えば、RU
2は、LLS UEに関するUL割当情報に示されるリソースに割り当てられたULデータを受信した場合、当該ULデータの転送先DUを、LLS DU
0に決定してよい。換言すると、RU
2は、例えば、LLS UEに関するUL割当情報に示されるリソースに割り当てられたULデータを受信した場合、LLS UEから送信されたULデータであると判断してよい。一例として、RU
2において受信したULデータが割り当てられたリソースが、Subframe index=2、Slot index=0、Symbol index=9~13の時間タイミングであり、かつ、RB index=15~20の周波数リソースである場合、RU
2は、
図10に示すLLS UEに関するUL割当情報を参照して、UE ID=3578のLLS UEであると判断し、ULデータをLLS DU
0へ転送してよい。
【0071】
また、例えば、RU
2は、HLS UEに関するUL割当情報に示されるリソースに割り当てられたULデータを受信した場合、当該ULデータの転送先DUを、HLS DU
2に決定してよい。換言すると、RU
2は、例えば、HLS UEに関するUL割当情報に示されるリソース(Start RB indexが0である、等)に割り当てられたULデータを受信した場合、HLS UEから送信されたULデータであると判断してよい。一例として、RU
2において受信したULデータが割り当てられたリソースが、Subframe index=7、Slot index=0、Symbol index=9~13の時間タイミングであり、かつ、RB index=0~7の周波数リソースである場合、RU
2は、
図10に示すHLS UEに関するUL割当情報を参照して、UE ID=980のHLS UEであると判断し、ULデータをHLS DU
2へ転送してよい。
【0072】
このように、RU2は、例えば、LLS DU0及びHLS DU2のうち、RU2がUEから受信したULデータの割り当てられたリソースを示すUL割当情報の送信元DUを、受信したULデータの転送先に決定してよい。あるいは、RU2は、UL allocation informationのDU indexの指示に従い、ULデータの転送先を決定してよい。
【0073】
その一方で、例えば、RU2は、LLS UE及びHLS UEそれぞれに関するUL割当情報に合致しないリソースにおいて受信したULデータの転送を行わなくてよい(換言すると、破棄又は非転送を決定してよい)。
【0074】
例えば、
図7において、RU
2は、上述したように、LLS DU
0に接続されたLLS UE、及び、HLS DU
2に接続されたHLS UEに関するUL割当情報を記憶する一方で、HLS DU
1に接続されたHLS UEに関するUL割当情報は記憶しなくてよい。このため、例えば、HLS DU
1に接続されたHLS UEから送信されるULデータをRU
2が受信し、RU
2が、当該ULデータが割り当てられたリソースを示すUL割当情報を有さない場合、当該ULデータを転送しなくてよい。換言すると、例えば、UL割当情報に示されるリソースと異なるリソースに割り当てられたULデータを受信した場合、RU
2は、他局に接続されたUEから送信されたULデータ(換言すると、干渉となり得る信号)であると判断してよい。
【0075】
このように、RU2は、例えば、RU2がUEから受信したULデータが割り当てられたリソースを示すUL割当情報を有さない場合、ULデータの非転送を決定してよい。
【0076】
本実施の形態では、例えば、RU20は、RU20を制御するDU10-1及びDU10-2(例えば、第一DU及び第二DUに相当)それぞれから、当該DU10-1及びDU10-2それぞれに接続された端末向けの上りリンクのリソース割当に関するUL制御情報(例えば、PDCCHに含まれる上りデータのリソース割当情報)を受信する。そして、RU20は、UL割当情報に基づいて、DU10-1又はDU10-2の何れかに対するULの受信信号(例えば、ULデータ)の転送(例えば、転送先DUの決定、又は、転送の有無の決定)を制御する。
【0077】
この転送制御により、例えば、LLS構成におけるクラスタ毎にLLS DUとHLS DUとの間のリソース割当が異なる場合でも、RU20は、ULデータの転送先を誤らずに決定できる。
【0078】
これにより、例えば、フロントホール(FH)において、転送先を誤ったULデータの送信を抑制できるので、フロントホールのトラヒックを低減し、伝送効率を向上できる。よって、本実施の形態によれば、基地局の機能がCU、DU及びRUといった機能モジュールに分離され、各機能モジュールがCentral Site及びCell Siteに動的に配置される構成でも、ULにおける無線通信の効率を向上できる。
【0079】
(実施の形態2)
実施の形態1では、DUからRU向けにUL割当情報が通知される場合について説明した。本実施の形態では、例えば、RUは、DUから送信される端末向けの制御情報に含まれるUL割当情報(例えば、UL scheduling grant)を取得する場合について説明する。換言すると、本実施の形態では、DUからRU向けにUL割当情報が通知されなくてよい。
【0080】
図11は、本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【0081】
本実施の形態に係る無線通信システムは、実施の形態1と同様、例えば、少なくとも、基地局(例えば、CU、DU及びRU)、及び、端末(例えば、UE)を含む。
【0082】
基地局は、例えば、LLS構成とHLS構成とを切り替え可能である。
図11において、例えば、DU
0はLLS DUであり、DU
1及びDU
2はHLS DUである。また、
図11において、DU
0(例えば、Cluster#1)及びDU
1は、RU
1を共用する。また、
図11において、DU
0(例えば、Cluster#2)及びDU
2は、RU
2を共用する。
【0083】
例えば、
図11において、各RU(例えば、RU
1及びRU
2)は、LLS DU
0に接続されたLLS UEから送信されるULデータをLLS DU
0へ転送してよい。また、例えば、
図11において、各RU(例えば、RU
1及びRU
2)は、HLS DU(例えば、DU
1及びDU
2)に接続されたHLS UEから送信されるULデータをHLS DUへ転送してよい。なお、RUにおけるULデータ転送先DUの決定方法の例については後述する。
【0084】
図12は、本実施の形態に係るDU30及びRU40の構成例を示すブロック図である。なお、
図12において、実施の形態1(
図8)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。例えば、
図11に示すLLS DU
0、HLS DU
1及びHLS DU
2それぞれは、
図12に示すDU30の構成を備えてよい。また、例えば、
図12に示すRU
1及びRU
2それぞれは、
図8に示すRU40の構成を備えてよい。
【0085】
図12に示すDU30において、記憶部301は、例えば、DU30に接続される端末(例えば、UE)に関する情報(以下、端末情報と呼ぶ)を記憶してよい。端末情報には、例えば、端末識別情報(例えば、UE ID又はRNTI)、及び、スクランブリング情報(例えば、セルID(PCI))といった端末向けのDL制御信号(例えば、PDCCH)の復号に用いるパラメータが含まれてよい。記憶部301には、例えば、DU30に端末が接続(換言すると、アタッチ)される度に設定される端末情報が入力されてよい。
【0086】
DU30は、例えば、端末識別情報及びスクランブリング情報を含む端末情報を、インターフェイス103を介してRU40へ送信してよい。
【0087】
図12に示すRU40において、記憶部401は、例えば、インターフェイス201を介して、DU30から送信される端末情報(例えば、端末識別情報及びスクランブリング情報を含む)を記憶してよい。
【0088】
DL信号復号部402は、例えば、記憶部401に記憶された端末情報を用いて、インターフェイス201から出力されるDL信号のうち、DL制御信号(例えば、PDCCH)を復号し、端末に対するUL割当情報(例えば、UL scheduling grantといったリソース割当情報、例えば、DCI format 0 の Resource block assignment 情報等)を取得してよい。換言すると、RU40は、DU30から端末へ通知されるUL割当情報を傍受してよい。DL信号復号部402は、取得したUL割当情報を制御部403へ出力してよい。
【0089】
制御部403は、例えば、DL信号復号部402から入力される端末(例えば、LLS UE及びHLS UE)に対するUL割当情報に基づいて、実施の形態1と同様、複数のDU30へのUL信号の転送を制御してよい。例えば、制御部403は、UL割当情報に基づいて、FFT部204から出力されるUL信号の転送先DU(LLS DU又はHLS DU)を決定してよい。制御部403は、例えば、決定した転送先DUに関する情報をインターフェイス201へ出力してよい。なお、RU40(例えば、制御部403)におけるUL信号の転送先DUの決定方法の一例については後述する。
【0090】
[DU30及びRU40の動作例]
上述したDU30及びRU40の動作例について説明する。
【0091】
図13は、DU30及びRU40のULデータ送信に関する動作例を示すシーケンス図である。なお、
図13において、実施の形態1(例えば、
図9)と同様の動作には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
図13において、例えば、LLS DU及びHLS DUは、
図12に示すDU30(例えば、DU30-1及びDU30-2と表す)の構成を備えてよく、RUは、
図12に示すRU40の構成を備えてよい。
【0093】
例えば、LLS DUは、当該LLS DUに接続した端末(LLS UE)に関する端末情報(例えば、UE ID及びスクランブリング情報)を、当該LLS DUに対応するRU40へ送信してよい(S201-1)。また、HLS DUは、当該HLS DUに接続した端末(HLS UE)に関する端末情報を、当該HLS DUに対応するRU40へ送信してよい(S201-2)。RU40は、例えば、LLS DU及びHLS DUそれぞれから受信した端末情報を記憶してよい。
【0094】
端末情報の通知タイミングは、例えば、DU30に対して端末が接続(換言すると、アタッチ)するタイミングでもよく、他のタイミングでもよい。
【0095】
図14は、RU40が保持する端末情報の一例を示す図である。例えば、
図14は、LLS DUから通知される、LLS DUに接続されたUEに関する端末情報、及び、HLS DUから通知される、HLS DUに接続されたUEに関する端末情報を示す。
【0096】
端末情報には、例えば、以下のパラメータが含まれてよい。
・DUを識別する値(例えば、DU index)
・スクランブリング情報(例えば、PCI)
・端末識別情報(例えば、UE ID又はRNTI)
【0097】
なお、端末情報に含まれるパラメータは、上述したパラメータに限定されず、DL制御信号の復号に関する他のパラメータでもよい。
【0098】
また、
図14に示す端末情報は、割当対象のUE毎(例えば、UE ID単位)にRU40へ個別に通知されてもよく、複数のUEについてRU40へまとめて通知されてもよい。例えば、DU30は、UEがDU30に接続(換言すると、アタッチ)する度にRU40に対して、当該UEの端末情報を通知してもよい。また、
図14に示す端末情報に含まれる複数のパラメータは、DU30(例えば、LLS DU又はHLS DU)からRU40へ個別に通知されてもよく、少なくとも2つまとめて通知されてもよい。また、当該UEがデタッチしたことを検知した場合の端末情報の削除などが適宜行われてもよい。
【0099】
図13において、例えば、LLS DUは、LLS UEが送信するULデータの割当リソースを示すUL割当情報(例えば、UL scheduling grant)を含むLLS UE向けのDL制御信号(例えば、PDCCH)を、RU40を介してLLS UEへ通知する(S202-1)。また、例えば、HLS DUは、HLS UEが送信するULデータn割当リソースを示すHLS UE向けのUL割当情報(例えば、UL scheduling grant)を含むDL制御信号(例えば、PDCCH)を、RU40を介してHLS UEへ通知する(S202-2)。
【0100】
RU40は、LLS DU及びHLS DUそれぞれから通知された端末情報に基づいて、LLS DU及びHLS DUそれぞれからUE向けに送信されたDL制御信号(例えば、PDCCH)を復号し、DL制御信号に含まれるUL割当情報を取得する(S203)。
【0101】
RU40は、例えば、取得したUL割当情報に基づいて、実施の形態1と同様にして、受信したULデータの転送先DUを決定(換言すると、選択)してよい(S204)。
【0102】
一例として、
図11に示すRU
2における動作例について説明する。
【0103】
図11に示すように、RU
2は、LLS DU
0及びHLS DU
2に対応するRU(換言すると、共用されるRU)である。RU
2は、例えば、
図14に示すように、LLS DU
0から、LLS DU
0に接続されるLLS UEに関する端末情報を受信し、HLS DU
2から、HLS DU
2に接続されるHLS UEに関する端末情報を受信してよい。
【0104】
RU2は、例えば、LLS UEに関する端末情報に基づいて、LLS DU0からLLS UEへ通知されるDL制御信号を復号して、LLS UEに関するUL割当情報を取得してよい。また、RU2は、例えば、HLS UEに関する端末情報に基づいて、HLS DU2からHLS UEへ通知されるDL制御信号を復号して、HLS UEに関するUL割当情報を取得してよい。
【0105】
そして、実施の形態1と同様、RU2は、例えば、UL割当情報に基づいて、LLS DU0及びHLS DU2へのULデータの転送を制御してよい。
【0106】
例えば、RU2は、受信したULデータの割り当てられたリソースを示す、LLS UE又はHLS UEに関するUL割当情報の送信元DUを、受信したULデータの転送先DUに決定してよい。その一方で、例えば、実施の形態1と同様、RU2は、LLS UE及びHLS UEそれぞれに関するUL割当情報に合致しないリソースにおいて受信したULデータの転送を行わなくてよい(換言すると、非転送を決定してよい)。
【0107】
例えば、
図11において、RU
2は、上述したように、LLS DU
0に接続されたLLS UE、及び、HLS DU
2に接続されたHLS UEに関する端末情報を記憶し、これらのUEに対するDL制御信号を復号して、UL割当情報を記憶する。その一方で、RU
2は、例えば、HLS DU
1に接続されたHLS UEに関する端末情報を保持しなくてよく、UL割当情報も保持しなくてよい。
【0108】
このため、
図11では、例えば、HLS DU
1に接続されたHLS UEから送信されるULデータをRU
2が受信し、RU
2が、当該ULデータが割り当てられたリソースを示すUL割当情報を有さない場合、当該ULデータの転送先DUの選択処理を行わなくてよい(換言すると、ULデータの非転送を決定してよい)。換言すると、例えば、UL割当情報に示されるリソースと異なるリソースに割り当てられたULデータを受信した場合、RU
2は、他局に接続されたUEから送信されたULデータ(換言すると、干渉となり得る信号)であると判断してよい。
【0109】
このように、本実施の形態では、例えば、RU40は、DU30からUEへ通知されるDL制御信号を復号して、UEのUL割当情報を取得する。そして、RU40は、UL割当情報に基づいて、複数のDU30の何れかに対するULデータの転送(例えば、転送先DUの決定、又は、転送の有無の決定)を制御する。
【0110】
この転送制御により、例えば、DU30は、UEへ通知するUL割当情報を含むDL制御信号とは別に、RU40向けの制御信号をRU40へ通知しなくてよい。例えば、DU30からRU40へ通知される端末情報(例えば、
図14)の情報量は、実施の形態においてDU10からRU20へ通知されるUL割当情報(例えば、
図10)の情報量と比較して小さくてよい。この場合、DU30とRU40との間のトラヒック量(例えば、フロントホールのトラヒック量)を低減できる。
【0111】
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様、例えば、LLS構成におけるクラスタ毎にLLS DUとHLS DUとの間のリソース割当が異なる場合でも、RU40は、ULデータの転送先を誤らずに決定できる。よって、例えば、フロントホール(FH)において、転送先を誤ったULデータの送信を抑制できるので、フロントホールのトラヒックを低減し、伝送効率を向上できる。
【0112】
(実施の形態3)
本実施の形態では、RUは、例えば、実施の形態1又は実施の形態2のUL割当情報に基づく動作に加えて、UL信号(例えば、UL制御信号又はULデータ)の復号結果に基づいて、UL信号の転送を制御する場合について説明する。
【0113】
図15は、本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【0114】
本実施の形態に係る無線通信システムは、実施の形態1及び実施の形態2と同様、例えば、少なくとも、基地局(例えば、CU、DU及びRU)、及び、端末(例えば、UE)を含む。
【0115】
基地局は、例えば、LLS構成とHLS構成とを切り替え可能である。
図15において、例えば、DU
0はLLS DUであり、DU
1及びDU
2はHLS DUである。また、
図15において、DU
0(例えば、Cluster#1)及びDU
1は、RU
1を共用する。また、
図15において、DU
0(例えば、Cluster#2)及びDU
2は、RU
2を共用する。
【0116】
例えば、
図15において、各RU(例えば、RU
1及びRU
2)は、LLS DU
0に接続されたLLS UEから送信されるULデータをLLS DU
0へ転送してよい。また、例えば、
図15において、各RU(例えば、RU
1及びRU
2)は、HLS DU(例えば、DU
1及びDU
2)に接続されたHLS UEから送信されるULデータをHLS DUへ転送してよい。なお、RUにおけるULデータ転送先DUの決定方法の例については後述する。
【0117】
図16は、本実施の形態に係るDU50及びRU60の構成例を示すブロック図である。なお、
図16において、実施の形態1(
図8)又は実施の形態2(
図12)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。例えば、
図15に示すLLS DU
0、HLS DU
1及びHLS DU
2それぞれは、
図16に示すDU50の構成を備えてよい。また、例えば、
図15に示すRU
1及びRU
2それぞれは、
図16に示すRU60の構成を備えてよい。
【0118】
図16に示すDU50において、記憶部501は、例えば、DU50に接続される端末(例えば、UE)に関する情報(以下、端末情報)を記憶してよい。端末情報には、例えば、端末識別情報(例えば、UE ID又はRNTI)、及び、スクランブリング情報(例えば、セルID(PCI))といった端末向けのDL制御信号(例えば、PDCCH)の復号に用いるパラメータが含まれてよい。
【0119】
また、記憶部501は、例えば、DU50に接続される端末が送信するUL制御信号(例えば、PUCCH)の割当リソースを示すリソース割当情報(例えば、PUCCH resource information)を記憶してよい。なお、UL制御信号のリソース割当情報は、例えば、上位レイヤシグナリング(例えば、Radio Resource Control(RRC)メッセージ、又は、上位レイヤパラメータ)によって、DU50から端末へ通知されてよい。
【0120】
記憶部501には、例えば、DU50に端末が接続(換言すると、アタッチ)される度に、端末情報又はUL制御信号のリソース割当情報が入力されてよい。
【0121】
DU50は、例えば、端末識別情報及びスクランブリング情報を含む端末情報、及び、UL制御信号のリソース割当情報を、インターフェイス103を介してRU60へ送信してよい。
【0122】
図16に示すRU60において、記憶部601は、例えば、インターフェイス201を介して、DU50から送信される端末情報、及び、UL制御信号のリソース割当情報を記憶してよい。
【0123】
UL信号復号部602は、例えば、記憶部601に記憶された端末情報に基づいて、FFT部204から入力されるUL信号(例えば、UL制御信号又はULデータ)を復号し、復号後のUL信号を制御部603へ出力してよい。また、UL信号復号部602は、例えば、UL信号の復号結果(例えば、復号成功又は復号失敗)を示す情報を制御部603へ出力してよい。
【0124】
例えば、UL信号復号部602は、記憶部601に記憶された、UL制御信号のリソース割当情報に基づいて、FFT部204から出力されるUL信号のうち、UL制御信号(例えば、PUCCH)の割り当てられたULリソースを特定してよい。そして、UL信号復号部602は、特定したULリソースにおいてUL制御信号を受信した場合に、記憶部601に記憶された端末情報を用いて、当該UL制御信号を復号してよい。
【0125】
制御部603は、例えば、UL信号復号部602から入力されるUL信号の復号結果を示す情報、及び、DL信号復号部402から入力される端末に対するUL割当情報に基づいて、複数のDU50へのUL信号の転送を制御してよい。例えば、制御部603は、UL信号の復号結果が成功の場合に、UL制御信号に基づいて、受信したUL信号を転送するDU(LLS DU又はHLS DU)の決定を行ってよい。その一方で、例えば、制御部603は、UL信号の復号結果が成功の場合に、受信したUL信号の非転送を決定してよい。制御部603は、例えば、決定した転送先DUに関する情報をインターフェイス201へ出力してよい。なお、RU60(例えば、制御部603)におけるUL信号の転送先DUの決定方法の一例については後述する。
【0126】
[DU50及びRU60の動作例]
上述したDU50及びRU60の動作例について説明する。
【0127】
図17は、DU50及びRU60のUL信号送信に関する動作例を示すシーケンス図である。なお、
図17において、実施の形態1(例えば、
図9)又は実施の形態2(例えば、
図13)と同様の動作には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0128】
また、
図17では、一例として、UL制御信号がScheduling Request(SR)である場合について説明する。SRは、例えば、端末において送信すべきULデータが発生すると、端末がUL制御チャネル(例えば、PUCCH)を用いて送信する、ULリソースの割当を要求するメッセージである。
【0129】
図17において、例えば、LLS DU及びHLS DUは、
図16に示すDU50(例えば、DU50-1及びDU50-2と表す)の構成を備えてよく、RUは、
図16に示すRU60の構成を備えてよい。
【0130】
例えば、LLS DUは、当該LLS DUに接続された端末(LLS UE)に関する、端末情報(例えば、UE ID及びスクランブリング情報)及びUL制御信号のリソース割当情報(例えば、PUCCH resource information)、を、当該LLS DUに対応するRU60へ送信してよい(S301-1)。また、HLS DUは、当該HLS DUに接続された端末(HLS UE)に関する、端末情報及びUL制御信号のリソース割当情報を、当該HLS DUに対応するRU60へ送信してよい(S301-2)。RU60は、例えば、LLS DU及びHLS DUそれぞれから受信した端末情報、及び、UL制御信号のリソース割当情報を記憶してよい。
【0131】
端末情報及びUL制御信号のリソース割当情報の通知タイミングは、例えば、DU30に対して端末が接続(換言すると、アタッチ)するタイミングでもよく、他のタイミングでもよい。また、端末情報、及び、UL制御信号のリソース割当情報は、RU60へ個別に通知されてもよく、RU60へまとめて通知されてもよい。
【0132】
また、例えば、UL制御信号のリソース割当情報は、例えば、RRCメッセージによって、DU50からUEへ通知されてよい(図示せず)。
【0133】
RU60が保持する端末情報は、例えば、実施の形態2(
図14)と同様でよい。
【0134】
図18は、RU60が保持するUL制御信号のリソース割当情報(PUCCH resource information)の一例を示す図である。例えば、
図18は、LLS DUから通知される、LLS DUに接続されたUEに関するUL制御信号のリソース割当情報、及び、HLS DUから通知される、HLS DUに接続されたUEに関するUL制御信号のリソース割当情報を示す。
【0135】
UL制御信号のリソース割当情報には、例えば、以下のパラメータが含まれてよい。
・DUを識別する値(例えば、DU index)
・端末識別情報(例えば、UE ID又はRNTI)
・UL制御信号のフォーマット(例えば、PUCCH format)
・UL制御信号が割り当てられる周波数リソース(例えば、RB)の開始番号(例えば、Start RB index又はPRB-id)
・UL制御信号が割り当てられる連続する周波数リソース数(例えば、Number of Consecutive RBs)
・UL制御信号が割り当てられるサブフレームを識別する値(例えば、Subframe index)
・UL制御信号が割り当てられるスロットを識別する値(例えば、Slot index)
・UL制御信号が割り当てられるシンボルの開始番号(例えば、Start symbol index)
・UL制御信号が割り当てられる連続するシンボル数(例えば、Number of Consecutive symbols)
【0136】
なお、UL制御信号のリソース割当情報に含まれるパラメータは、上述したパラメータに限定されず、UL制御信号のリソースに関する他のパラメータでもよい。例えば、UL割当情報には、
図18に示すパラメータのうち、UEを識別する値(例えば、UE ID又はRNTI)は含まれなくてもよい。
【0137】
また、
図18に示すUL制御信号のリソース割当情報は、割当対象のUE毎(例えば、UE ID単位)又はPUCCHフォーマット毎にRU60へ個別に通知されてもよく、複数のUE又はPUCCHフォーマットについてRU60へまとめて通知されてもよい。例えば、DU50は、UEがDU50に接続(換言すると、アタッチ)する度にRU60に対して、当該UEの端末情報又はUL制御信号のリソース割当情報を通知してもよい。また、
図18に示すUL制御信号のリソース割当情報に含まれる複数のパラメータは、DU50(例えば、LLS DU又はHLS DU)からRU60へ個別に通知されてもよく、少なくとも2つまとめて通知されてもよい。例えば、
図18に示すリソース割当情報に含まれる各パラメータは、更新される度にDU50からRU60へ通知されてもよい。
【0138】
図17において、UL制御信号(例えば、PUCCH)の送信に関する動作について説明する。
【0139】
例えば、LLS UEは、送信するULデータが発生すると(S302-1)、LLS DUから通知されたリソース割当情報(図示せず)に基づいて、当該ULデータに対するScheduling Request(SR)をRU60へ送信する(S303-1)。同様に、HLS UEは、例えば、送信するULデータが発生すると(S302-2)、HLS DUから通知されたリソース割当情報(図示せず)に基づいて、当該ULデータに対するScheduling Request(SR)をRU60へ送信する(S303-2)。
【0140】
RU60は、例えば、DU50(例えば、LLS DU及びHLS DU)から通知された、端末情報、及び、UL制御信号のリソース割当情報に基づいて、PUCCH(ここでは、SR)を復号する(S304)。
【0141】
また、例えば、RU60は、PUCCHの復号が成功したか否かを判断する(S305)。PUCCHの復号に失敗した場合(S305:No)、RU60は、例えば、ULパケット(例えば、SR)を破棄してよい(S306)。換言すると、RU60は、PUCCHの復号に失敗した場合に、PUCCHの非転送を決定してよい。その一方で、PUCCHの復号に成功した場合(S305:Yes)、RU60は、例えば、複数のDU50のうち、PUCCH resource informationの送信元DU50を、PUCCH(例えば、SR)の転送先DUに決定(換言すると、選択)してよい(S307)。そして、RU60は、例えば、決定した転送先DUへ、SRを送信してよい(S308)。
【0142】
次に、
図17においてULデータ(例えば、PUSCH)の送信に関する動作について説明する。
【0143】
図17において、RU60は、例えば、DU50から通知された端末情報に基づいて、ULデータ(例えば、PUSCH)を復号する(S309)。
【0144】
また、例えば、RU60は、PUSCHの復号が成功したか否かを判断する(S310)。PUSCHの復号に失敗した場合(S310:No)、RU60は、例えば、ULパケット(例えば、PUSCH)を破棄してよい(S311)。換言すると、RU60は、PUSCHの復号に失敗した場合に、PUSCHの非転送を決定してよい。その一方で、PUSCHの復号に成功した場合(S310:Yes)、RU60は、例えば、実施の形態2と同様に、取得したUL割当情報に基づいて、PUSCHの転送先DUを決定(換言すると、選択)してよい(S312)。
【0145】
このように、RU60は、端末から送信されるUL信号(例えば、UL制御信号又はULデータ)のうち、復号に成功したUL信号をDUへ転送し、復号に失敗したUL信号を転送しない(例えば、破棄する)。
【0146】
ここで、例えば、RU60においてUL信号の復号に失敗した場合、RU60の通信環境(換言すると、通信品質)の低下が想定され得る。例えば、RU60においてUL信号の復号に失敗した場合、RU60に対応するセル(例えば,スモールセル)の周辺セルからのUL信号に対する干渉により、RU60からDU50へUL信号を転送しても、DU50においてUL信号の復号に成功する可能性が低くなり得る。このため、RU60が、DU50で復号に失敗する可能性の高いUL信号を転送しないことで、DU50とRU60との間の無線リンク(例えば、フロントホール)におけるトラヒック量を低減し、伝送効率を向上できる。
【0147】
なお、本実施の形態では、一例として、実施の形態2の動作(例えば、RUがPDCCHを復号してUL割当情報を取得する場合)に加え、RUにおいてUL信号の復号成否に基づく転送制御を行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、実施の形態1の動作(例えば、RU向けのUL割当情報が通知される場合)に加え、RUにおいてUL信号の復号成否に基づく転送制御を行ってもよい。
【0148】
また、本実施の形態では、UL制御信号の一例として、スケジューリングリクエスト(SR)を用いる場合について説明したが、UL制御信号は、SRに限定されない。例えば、UL制御信号には、SR、応答信号(例えば、ACK/NACK、又は、hybrid automatic repeat request(HARQ)-ACKとも呼ぶ)、又は、チャネル状態情報(Channel State Information(CSI))といった情報の少なくとも一つを含んでもよい。
【0149】
また、
図17では、一例として、RU60が、UL制御信号に対する転送制御、及び、ULデータに対する転送制御の双方を行う場合について説明したが、これに限定されず、UL制御信号に対する転送制御、及び、ULデータに対する転送制御の少なくとも一方を行ってもよい。例えば、RU60がULデータに対する転送制御を行い、UL制御信号に対する転送制御を行わない場合、DU50からRU60へUL制御信号のリソース割当情報は通知されなくてもよい。
【0150】
また、例えば、
図17では、RU60が、UL信号(例えば、PUCCH又はPUSCH)の復号成否に基づく転送制御の後に、UL割当情報に基づく転送制御を行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、RU60は、UL割当情報に基づく転送制御の後に、UL信号の復号成否に基づく転送制御を行ってもよい。または、RU60は、UL割当情報に基づく転送制御、及び、UL信号の復号成否に基づく転送制御を並行して行ってもよい。例えば、
図17において、RU60は、UL信号の復号成否に基づく転送制御(例えば、S304又はS309の処理)前に、UL割当情報に基づく転送制御(例えば、S307又はS312と同様の処理)を行ってよい。そして、RU60は、例えば、LLS UE及びHLS UEそれぞれに関するUL割当情報に合致しないリソースにおいて受信したULデータを破棄し、合致するリソースにおいて受信したULデータに対して、UL信号の復号成否に基づく転送制御(例えば、S304又はS309以降の処理)を行ってもよい。
【0151】
また、本実施の形態では、例えば、RU60が、UL信号の復号に失敗した場合に受信したUL信号の非転送(例えば、破棄)を決定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、RU60は、フロントホールのトラヒック量が閾値以下の場合、かつ、UL信号の復号に失敗した場合、受信したUL信号をDU50へ転送してもよい。この転送により、例えば、DU50では、復号に失敗したUL信号を用いて再送合成を行ってもよい。
【0152】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0153】
なお、基地局を構成するCU、DU及びCUそれぞれに分離される機能モジュールの分配(換言すると、分割ポイント)は、
図1に示す例に限定されず、他の機能分配でもよい。例えば、
図1の代わりに、DUは、Radio Link Control(RLC)機能及びMAC機能を備え、RUは、High-PHY機能、Low-PHY機能、及びRF機能を備えてもよい。
【0154】
また、下りリンク制御チャネル、上りリンク制御チャネル、及び、上りリンクデータチャネルは、それぞれ、PDCCH、PUCCH、及び、PUSCHに限らず、他の名称の制御チャネルでもよい。
【0155】
また、上述した実施の形態において、時間リソースの単位は、サブフレーム、スロット及びシンボルに限らず、他の時間リソース単位でもよい。また、上述した実施の形態において、周波数リソースの単位は、BWP、RB又はPRBに限らず、他の周波数リソース単位でもよい。
【0156】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0157】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0158】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0159】
本開示における基地局と通信する端末(UE)には、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)が含まれる。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0160】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0161】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0162】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0163】
また、本開示には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0164】
本開示の一実施例に係る無線ユニットは、無線ユニットを制御する第一の分散ユニット及び第二の分散ユニットのそれぞれから端末向けの上りリンクのリソース割当に関する制御情報を受信する受信回路と、前記制御情報に基づいて、前記第一の分散ユニット又は前記第二の分散ユニットの何れかに対する前記上りリンクの受信信号の転送を制御する制御回路と、を具備する。
【0165】
本開示の一実施例において、前記制御情報は、前記上りリンクのリソース割当情報を含む。
【0166】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記第一の分散ユニット又は前記第二の分散ユニットのうち、前記受信信号の割り当てられたリソースを示す前記リソース割当情報の送信元分散ユニットを、前記受信信号の転送先に決定する。
【0167】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記リソース割当情報に合致しないリソースにおいて受信した前記受信信号の非転送を決定する。
【0168】
本開示の一実施例において、前記上りリンクのリソース割当情報は、端末向けの下り制御信号に含まれ、前記制御情報は、前記下り制御信号の復号に用いるパラメータを含む。
【0169】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記パラメータを用いて前記下り制御信号を復号して、前記リソース割当情報を取得し、前記第一の分散ユニット又は前記第二の分散ユニットのうち、前記受信信号の割り当てられたリソースを示す前記リソース割当情報の送信元分散ユニットを、前記受信信号の転送先に決定する。
【0170】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記パラメータを用いて前記下り制御信号を復号して、前記リソース割当情報を取得し、前記リソース割当情報に合致しないリソースにおいて受信した前記受信信号の非転送を決定する。
【0171】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記受信信号の復号に成功した場合に、前記受信信号を転送する分散ユニットの決定を行い、前記受信信号の復号に失敗した場合に、前記受信信号の非転送を決定する。
【0172】
本開示の一実施例において、前記制御情報は、上り制御信号のリソース割当情報を含み、前記制御回路は、前記上り制御信号のリソース割当情報に基づいて受信した前記上り制御信号の復号に成功した場合に、前記第一の分散ユニット又は前記第二の分散ユニットのうち、前記上り制御信号のリソース割当情報の送信元分散ユニットを、前記上り制御信号の転送先に決定する。
【0173】
本開示の一実施例において、上りデータのリソース割当情報が、端末向けの下り制御信号に含まれ、前記制御情報は、前記下り制御信号の復号に用いるパラメータを含み、前記制御回路は、前記パラメータを用いて前記下り制御信号を復号して、前記上りデータのリソース割当情報を取得し、前記上りデータのリソース割当情報に基づいて受信した前記上りデータの復号に成功した場合に、前記第一の分散ユニット又は前記第二の分散ユニットのうち、前記上りデータのリソース割当情報の送信元分散ユニットを、前記上りデータの転送先に決定する。
【0174】
本開示の一実施例に係る分散ユニットは、端末向けの上りリンクのリソース割当に関する制御情報を無線ユニットに送信する送信回路と、前記無線ユニットにおいて前記制御情報に基づいて送信される、前記上りリンクの信号を受信する受信回路と、を具備する。
【0175】
本開示の一実施例において、無線ユニットは、前記無線ユニットを制御する第一の分散ユニット及び第二の分散ユニットのそれぞれから端末向けの上りリンクのリソース割当に関する制御情報を受信し、前記制御情報に基づいて、前記第一の分散ユニット又は前記第二の分散ユニットの何れかに対する前記上りリンクの受信信号の転送を制御する。
【0176】
本開示の一実施例において、分散ユニットは、端末向けの上りリンクのリソース割当に関する制御情報を無線ユニットに送信し、前記無線ユニットにおいて前記制御情報に基づいて送信される、前記上りリンクの信号を受信する。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本開示の一実施例は、無線通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0178】
10,30,50 DU
20,40,60 RU
101 MACスケジューラー
102 UL割当情報生成部
103,201 インターフェイス
202,301,401,501,601 記憶部
203 無線部
204 FFT部
205,403,603 制御部
402 DL信号復号部
602 UL信号復号部