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特許7493987インジェクターおよびランセットアッセンブリ、ならびに穿刺デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】インジェクターおよびランセットアッセンブリ、ならびに穿刺デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/151 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A61B5/151 200
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020071801
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021166682
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】591185076
【氏名又は名称】株式会社旭ポリスライダー
(73)【特許権者】
【識別番号】000200666
【氏名又は名称】泉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】兵江 智幸
(72)【発明者】
【氏名】居森 博和
(72)【発明者】
【氏名】花房 裕
(72)【発明者】
【氏名】北村 順孝
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0251188(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0193201(US,A1)
【文献】特表2018-500096(JP,A)
【文献】特開2013-128560(JP,A)
【文献】特開2012-020164(JP,A)
【文献】特開2007-143635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/15-5/157
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランセットアッセンブリを装填可能なインジェクターであって、
ハウジングを有して成り、該ハウジングが互いに分割可能でありかつ穿刺方向に延在する少なくとも2つのサブパーツから構成され、
前記穿刺方向とは異なる方向における各サブパーツの一方の端部同士と他方の端部同士とがそれぞれ、拘束部材により拘束されており、
ハウジングの一方のサブパーツの外縁部に係止部材が供され、他方のサブパーツの外縁部に前記係止部材と係止可能な被係止部材が供され、ハウジングの一方のサブパーツの外縁部と他方のサブパーツの外縁部が孔をそれぞれ有し、ピンの一端を前記一方のサブパーツに設けられた孔に挿入し、ピンの他端を前記他方のサブパーツに設けられた孔に挿入可能となっている、インジェクター。
【請求項2】
前記穿刺方向における、隣り合う一方のサブパーツの外縁部と他方のサブパーツの外縁部とが互いに接続可能となっている、請求項1に記載のインジェクター。
【請求項3】
前記拘束部材がリング状部材である、請求項1又は2に記載のインジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インジェクターおよびランセットアッセンブリ、ならびに穿刺デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
穿刺デバイスは、患者、例えば糖尿病患者の血液を微小量採取して、血糖値を測定するために用いられる。穿刺デバイスは、ランセットアッセンブリを装填可能なインジェクターおよびインジェクターに装填可能なランセットアッセンブリを有して成る。ランセットアッセンブリは、身体の所定箇所を穿刺する穿刺部材を有して成るランセットを備える。インジェクターは、ランセットを所定箇所に向かって発射する機能を有している。
【0003】
使用に際しては、ランセットアッセンブリをインジェクターに装填した後、インジェクター内で圧縮されたバネが伸長する作用を利用して、ランセットを所定箇所に向かって発射させる。これにより、患者の身体の所定箇所へランセットの穿刺部材を穿刺し、それにより血液を採取することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許明細書第5385571号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、穿刺デバイスは、身体の所定箇所へランセットの穿刺部材を穿刺して血液を採取するために用いられるため、その構成要素であるインジェクターおよびランセットアッセンブリは共に安全に機能することが要求される。
【0006】
かかる事情に鑑み、本発明は、安全に機能することが可能なインジェクターおよびランセットアッセンブリを供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
ランセットアッセンブリを装填可能なインジェクターであって、
ハウジングを有して成り、該ハウジングが互いに分割可能でありかつ穿刺方向に延在する少なくとも2つのサブパーツから構成され、
前記穿刺方向とは異なる方向における各サブパーツの一方の端部同士と他方の端部同士とがそれぞれ、拘束部材により拘束されている、インジェクターが供される。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
ランセットアッセンブリを装填可能なインジェクターであって、
装填された前記ランセットアッセンブリを排出するためのエジェクターを有して成り、
前記エジェクターがエジェクターメイン部およびエジェクターノブを有して成り、
前記エジェクターノブが前記エジェクターメイン部から独立して軸回転可能となっている、インジェクターが供される。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
インジェクターに装填可能なランセットアッセンブリであって、
ランセットおよびランセット係合部材ならびにそれらを収容するランセットケースを備え、
ランセットは、ランセットボディ、ランセットキャップおよび穿刺部材を有して成り、 前記ランセット係合部材は相互に離隔対向した側部を有して成り、該離隔対向した該側部間に、前記ランセットボディが穿刺方向又は穿刺方向とは反対方向に移動可能に設けられており、前記ランセットボディは、相互に対向する2つの側部を有して成り、該2つの側部の少なくとも一方に係止部分を有して成り、
前記ランセット係合部材の相互に対向する2つの側部の内側面の少なくとも一方に、前記ランセットボディの前記係止部分と係止可能な被係止部分を有して成り、
前記ランセットボディが前記ランセット係合部材に対して前記穿刺方向とは反対方向へと相対的に後方に移動する力が作用する際において、前記ランセットボディの前記係止部分が前記ランセット係合部材の前記被係止部分と係止可能となっている、ランセットアッセンブリが供される。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
インジェクターに装填可能なランセットアッセンブリであって、
ランセットおよびランセット係合部材ならびにそれらを収容するランセットケースを備え、
ランセットは、ランセットボディ、ランセットキャップおよび穿刺部材を有して成り、 穿刺部材がランセットボディおよびランセットキャップにまたがってこれらの中に存在し、ランセットキャップによって穿刺部材の先端部がカバーされていると共に、ランセットキャップとランセットボディとが連結部材を介して一体的に結合しており、
ランセット係合部材とランセットキャップとは相互に当接可能状態で設けられており、
ランセット係合部材は相互に離隔対向した側部を有して成り、該離隔対向した該側部間にて、前記ランセットボディが穿刺方向又は穿刺方向とは反対方向に移動可能に設けられており、
前記ランセットキャップは平面視でキャップメイン部分と該キャップメイン部分の少なくとも一方に連続する突状部分を有して成り、
前記ランセット係合部材の側部は、前記ランセットキャップの前記突状部分を受容可能な凹部分を有して成り、
前記インジェクターは、ランセットボディの後端部と係合でき、ランセットボディを穿刺方向に発射させるプランジャーを有して成り、前記インジェクターへの装填前にて、前記ランセットケースと前記ランセットとは係止されており、
前記ランセットボディを前記プランジャーに係合させランセットアッセンブリを装填する際に、ランセット係合部材がランセットに対して相対的に前方の穿刺方向へと移動し、ランセット係合部材によってランセットキャップが押圧され、連結部材が破壊されてランセットキャップがランセットボディから分離し、分離したランセットキャップがランセットケース内にて穿刺部材の穿刺軌道から逸れる位置にまで移動可能となっており、
前記移動が完了した前記ランセットキャップの前記突状部分が前記ランセットキャップの前記側部に設けられた前記凹部分に受容される、ランセットアッセンブリが供される。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
インジェクターに装填可能なランセットアッセンブリであって、
ランセットおよびランセット係合部材ならびにそれらを収容するランセットケースを備え、
ランセットは、ランセットボディ、ランセットキャップおよび穿刺部材を有して成り、 穿刺部材がランセットボディおよびランセットキャップにまたがってこれらの中に存在し、ランセットキャップによって穿刺部材の先端部がカバーされていると共に、ランセットキャップとランセットボディとが連結部材を介して一体的に結合しており、
ランセット係合部材とランセットキャップとは相互に当接可能状態で設けられており、
ランセット係合部材は相互に離隔対向した側部を有して成り、該離隔対向した該側部間にて、前記ランセット係合部材の前記側部が前記ランセットケース内を穿刺方向又は穿刺方向とは反対方向に摺動可能となるように、少なくとも前記ランセット係合部材および前記ランセットケースが摺動性樹脂を含んで成る、ランセットアッセンブリが供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態に従えば、安全に機能することが可能なインジェクターおよびランセットアッセンブリを供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイスを模式的に示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るランセットアッセンブリを模式的に示す斜視図である。
図3A図3Aは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットケースを模式的に示す斜視図である。
図3B図3Bは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットケースを模式的に示す断面図である。
図4A図4Aは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットを模式的に示す斜視図である。
図4B図4Bは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットの背面側を模式的に示す斜視図である。
図5A図5Aは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセット係合部材を模式的に示す斜視図である。
図5B図5Bは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセット係合部材を模式的に示す断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るインジェクターを模式的に示す外観斜視図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るインジェクターを模式的に示す分解斜視図である。
図8A図8Aは、一体的に組み合わされたエジェクターを模式的に示す斜視図である。
図8B図8Bは、エジェクターの構成要素を模式的に示す分解斜視図である。
図9A図9Aは、インジェクターへランセットアッセンブリを装填する前における態様を模式的に示す断面図である。
図9B図9Bは、装填前におけるランセットアッセンブリを模式的に示す平面図である。
図9C図9Cは、装填前におけるランセットアッセンブリを模式的に示す断面図である。
図10図10は、インジェクターにランセットアッセンブリを装填開始した後における態様を模式的に示す断面図である。
図11A図11Aは、インジェクターへのランセットアッセンブリの装填完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図11B図11Bは、インジェクターへのランセットアッセンブリの装填完了時における態様を模式的に示す断面図(幅方向)である。
図11C図11Cは、装填完了時におけるランセットアッセンブリを模式的に示す平面図である。
図11D図11Dは、装填完了時におけるランセットアッセンブリを模式的に示す断面図である。
図12図12は、インジェクターのトリガーレバーの押込み時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図13図13は、穿刺部材の射出態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図14図14は、穿刺部材の後退する態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図15A図15Aは、穿刺完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図15B図15Bは、穿刺完了時におけるランセットアッセンブリを模式的に示す平面図である。
図16A図16Aは、再コッキング開始後における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図16B図16Bは、再コッキング完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図17A図17Aは、ランセットアッセンブリの排出開始時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図17B図17Bは、ランセットアッセンブリの排出開始後プランジャーの突起部とトリガーレバーとが係止している態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図17C図17Cは、ランセットアッセンブリの排出開始後プランジャーとランセットボディの後端部との係合が解除されている態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図17D図17Dは、ランセットアッセンブリの排出完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
図17E図17Eは、排出完了時におけるランセットアッセンブリを模式的に示す平面図である。
図17F図17Fは、排出完了時におけるランセットアッセンブリを模式的に示す断面(厚さ方向)である。
図18A図18Aは、インジェクター内へと装填完了後のランセットアッセンブリの外部への引抜き開始時における態様を模式的に示す断面図である。
図18B図18Bは、インジェクター内へと装填完了後のランセットアッセンブリの外部への引抜き途中時における態様を模式的に示す断面図である。
図18C図18Cは、インジェクター内へと装填完了後のランセットアッセンブリの外部への引抜き完了時における態様を模式的に示す断面図である。
図19A図19Aは、インジェクター内へと装填途中(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)のランセットアッセンブリの外部への引抜き開始時における態様を模式的に示す断面図である。
図19B図19Bは、インジェクター内へと装填途中(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)のランセットアッセンブリの外部への引抜き途中時における態様を模式的に示す断面図である。
図19C図19Cは、インジェクター内へと装填途中(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)のランセットアッセンブリの外部への引抜き完了時における態様を模式的に示す断面図である。
図20A図20Aは、一旦排出が完了したランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填開始時における態様を模式的に示す断面図である。
図20B図20Bは、一旦排出が完了したランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填途中時における態様を模式的に示す断面図である。
図20C図20Cは、一旦排出が完了したランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填完了時における態様を模式的に示す断面図である。
図21A図21Aは、図19Cに示すインジェクター内へと装填途中に外部へと引き抜いたランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填開始時における態様を模式的に示す断面図である。
図21B図21Bは、図19Cに示すインジェクター内へと装填途中に外部へと引き抜いたランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填途中時における態様を模式的に示す断面図である。
図21C図21Cは、図19Cに示すインジェクター内へと装填途中に外部へと引き抜いたランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填完了時における態様を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るインジェクターおよびランセットアッセンブリ、ならびにインジェクターおよびランセットアッセンブリを有して成る穿刺デバイスについて説明する。
【0015】
本明細書にて、穿刺に際してランセットボディが移動する「穿刺方向」(即ち、穿刺時にて穿刺部位に向かって穿刺部材が移動する方向)を「前」方向とし、その反対の方向を「後」方向として規定する。なお、「穿刺方向」は、ランセットケースの開口端から穿刺開口部へと向かう方向に相当し、“前方”に相当する。
【0016】
本願発明者らは、安全に機能することが可能なインジェクターおよびランセットアッセンブリ、ならびにこれらを有して成る穿刺デバイスについて鋭意検討し、その結果本発明の一実施形態を案出するに至った。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイスを模式的に示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイス300は、ランセットアッセンブリ100およびランセットアッセンブリ100を装填可能なインジェクター200を有して成る。後述するが、使用時に、ランセットアッセンブリ100をインジェクター200に装填した後、インジェクター200内でその構成要素である圧縮されたバネが伸長する作用を利用して、ランセットアッセンブリ100の構成要素であるランセットを患者の身体の所定箇所に向かって発射させる。これにより、最終的に患者から微小量の血液を採取することが可能となる。
【0019】
<ランセットアッセンブリ100の構成>
以下、穿刺デバイス300の構成要素であるランセットアッセンブリ100について説明する。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態に係るランセットアッセンブリを模式的に示す斜視図である。図3Aは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットケースを模式的に示す斜視図である。図3Bは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットケースを模式的に示す断面図である。図4Aは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットを模式的に示す斜視図である。図4Bは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセットの背面側を模式的に示す斜視図である。図5Aは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセット係合部材を模式的に示す斜視図である。図5Bは、ランセットアッセンブリの構成要素であるランセット係合部材を模式的に示す断面図である。
【0021】
図2図5Bに示すように、本発明の一実施形態に係るランセットアッセンブリ100は、ランセットケース110内にてランセット130およびランセット130に対して相対的に前進可能なランセット係合部材120が一体となって収容された構造を有している。
【0022】
(ランセットケース)
図3Aに示すように、ランセットケース110は、例えば全体として円筒の形態である。ランセットケース110の形状は必ずしも円筒の形態に限定されるものではなく、例えば角筒の形態であってもよい。図3Aに示すように、ランセットケース110の外面(特にケース外面の後端側領域)には凹部111が設けられている。好ましくは、凹部111がランセットケース胴部の周方向に沿って環状に設けられている。凹部111は、ランセットケース110がインジェクター200に挿入された際に、インジェクター200内に供されたランセットアッセンブリ受容部材の突起と係わり合うことになる。これにより、一旦挿入されたランセットケース110をインジェクター200に保持固定することが可能となる。
【0023】
又、ランセットケース110は、長手方向に沿って後端側に開口後端115および前端側に開口前端(穿刺開口部116/ランセット係合部材の前端部120bの露出開口部118)を有している。かかる穿刺開口部116は、穿刺すべき所定の部位(例えば指先)に位置づける部分に相当する。
【0024】
図3Bに示すように、ランセットケース110は内部空間114を有し、内部空間114に、ランセット130およびランセット係合部材120が穿刺方向又は穿刺方向とは反対方向に移動可能に収容されている。又、ランセットケース110は、内部空間114に、穿刺方向に延在する突起部分112a付きの延在部112およびスロープ部113を有して成る。
【0025】
延在部112の突起部分112aは、後述するランセット130の構成要素であるランセットボディの背面に供された土手部と係止可能に位置づけられている。延在部112の端部112bは、後述するランセット係合部材120の背面側に供された湾曲部123と当接可能に構成されている。かかる湾曲部123との当接を可能とするために、延在部112の端部112bは傾斜構造を有する。又、延在部112は、ランセット係合部材120の湾曲部123との当接により、延在部112の所定箇所112cを基点として下方方向に屈曲可能となっている。
【0026】
スロープ部113は、ランセットケース110の内部空間114の先端側に位置づけられており、後述するランセット130の構成要素であるランセットキャップが上方側に移動可能に構成されている。
【0027】
ランセットケース110の内面(具体的には内側面)には、突起部117が設けられている。当該突起部117は、装填前にて平面視でランセット係合部材120の突起部125の後方に、かつ可撓性の係止部126の前方に位置づけられている。又、ランセットケース110の突起部117は、平面視で前方に位置するランセット係合部材120の突起部125を係止め可能な構造となっている。かかる構成により、装填前にて、ランセットケース110の突起部117とランセット係合部材120の突起部125との係止めにより、ランセットケース110内にてランセット係合部材120の後進移動を抑制可能となる。又、ランセットケース110の突起部117は、平面視で後方に位置するランセット係合部材120の可撓性の係止部126が当該突起部117を乗り越え可能である一方、一旦乗り越えた後に後退して当該突起部117を再度乗り越えることはできない構造となっている。
【0028】
又、ランセットケース110の内面(具体的には内側面)の後方には、間隙部が設けられている。当該間隙部には、ランセット係合部材120の側部121の後方に配置された可撓性の係止部127(突起部128付き)が係止可能となっている。かかる係止により、装填前にてランセットケース110内にて穿刺方向(即ち前方向)へのランセット係合部材120の前進移動を抑制可能となる。
【0029】
(ランセット)
図4Aおよび図4Bに示すように、ランセット130は、ランセットボディ131、ランセットキャップ132、および穿刺部材133を有して成る。穿刺部材133は、ランセットボディ131およびランセットキャップ132にまたがってこれらの中に存在し、ランセットキャップ132によって穿刺部材133の先端部133aがカバーされていると共に、ランセットキャップ132とランセットボディ131とが連結部材134を介して連結されている。
【0030】
連結部材134は、外力が作用すると容易に破断可能に構成されている。後述するが、ランセットアッセンブリ100をインジェクター200に装填する際に、ランセット係合部材120がランセット130に対して相対的に前方の穿刺方向へと移動する。かかるランセット係合部材120の前方方向への移動により、ランセット係合部材によってランセットキャップ132が押圧される。これにより、ランセットキャップと連結部材134とを連結する連結部材134を破断可能となる。その結果、ランセットキャップ132がランセットボディ131から分離する。
【0031】
又、図4Aおよび図4Bに示すように、ランセットボディ131は、突状の後端部131a、主面上に形成された凸部131b(突状部)、側部131cに形成された可撓性のウィング部131d、および背面側に形成された土手部131eを有して成る。
【0032】
突状の後端部131aは、後述するプランジャー203の先端部203aと係合可能となっている。ランセットボディ131の上面側に形成された凸部131bは、後述するランセット係合部材120の凹部分120c(平面視)に当接可能となっている。可撓性のウィング部131dは、後述するランセット係合部材120の側部121の内側に形成された突起部129に係止可能となっている。ランセットボディ131の背面側に形成された土手部131eは、その前方部分がランセットケース110に供された突起部分112aと係止可能となっている。かかる係止により、穿刺方向(即ち前方向)へのランセットボディ131の前進移動を抑制することが可能である。
【0033】
ランセットキャップ132は、キャップメイン部分132aとキャップメイン部分132aの少なくとも一方に連続する突状部分132bを有して成る。ランセットキャップ132の突状部分132bは、後述するランセット係合部材120の側部に供された凹部分に受容され得る。
【0034】
(ランセット係合部材)
図5Aに示すように、ランセット係合部材120は、穿刺方向に沿って相互に離隔対向した2つの側部121を有して成る。当該離隔対向した側部121間にて、ランセット130のランセットボディ131が穿刺方向又は穿刺方向とは反対方向に移動可能となっている。
【0035】
図5Aに示すように、ランセット係合部材120の側部121は、ランセットキャップ132の突状部分132bを受容可能な凹部分124を有して成る。後述するが、ランセットアッセンブリ100をインジェクター200に装填する際に、ランセット係合部材120は、ランセット130に対して相対的に前方の穿刺方向へと移動可能となっている。かかるランセット係合部材120の前方方向への移動の際に、ランセット係合部材120の凹部分124に受容されたランセットキャップ132の突状部分132bも前方方向へと移動する力が作用する。これにより、ランセットキャップ132をランセットボディ131から分離させることができる。
【0036】
又、ランセットキャップ132の突状部分132bはランセット係合部材120の凹部分124に受容されているため、ランセット係合部材120の前方方向への移動の際に、分離したランセットキャップ132も共に前方方向へと移動することが可能となる。上述するように、ランセットケース110に供されたスロープ部113は、ランセットケース110の内部空間114の先端側に位置づけられている。そのため、前方方向へ移動する分離されたランセットキャップ132は、当該スロープ部113の傾斜面に沿って上方側に移動可能となる。かかる移動により、後刻において先端が露出した穿刺部材133付のランセットボディ131がランセットキャップ132に接触することなく、ランセットケース110の先端側に供された穿刺開口部116を通じて穿刺部材133を外部に突き出すことが可能となる。
【0037】
特に、本発明の一実施形態では、ランセット係合部材120の側部121に供された凹部分124は、ランセットキャップ132がランセットボディ131から分離する前および分離後のいずれの段階においても、ランセットキャップ132の突状部分132bを受容可能となっている。すなわち、分離前および分離後のいずれの段階においても、ランセットキャップ132の突状部分132bがランセット係合部材120の側部121に供された凹部分124に受容されている。具体的には、ランセットボディ131からのランセットキャップ132の分離前から、ランセットボディ131から分離して穿刺部材133の穿刺軌道から逸れる位置までのランセットキャップ132の移動完了時にいたるまで、ランセットキャップ132の突状部分132bが凹部分124に常時受容されている。
【0038】
上述のように、前方方向へ移動する分離されたランセットキャップ132は、ランセットケース110の内部空間114の前方側に供されたスロープ部113の傾斜面に沿って上方側に移動可能となる。これにより、先端が露出した穿刺部材133付のランセットボディ131がランセットキャップ132に接触することを抑制可能となっている。これに加えて、本発明の一実施形態では、分離前のみならず分離後においてもランセットキャップ132の突状部分132bが凹部分124に受容されるため、分離後にランセットキャップ132が平面視および/または側面視にて全体として傾くことを抑制可能となる。その結果として、先端が露出した穿刺部材133付のランセットボディ131がランセットキャップ132に接触することなく、穿刺方向に沿ってランセットケース110内を移動し、それによって穿刺部材133の先端が穿刺開口部116を通じて好適に露出され得る。
【0039】
ランセット係合部材120の側部121の外側には、突起部125、可撓性の係止部126、および可撓性の係止部127(突起部128付き)が設けられている。ランセット係合部材120の突起部125は、ランセットケース110の内側面に供された突起部117の前方に配置されている。かかる配置により、装填前にて、ランセットケース110内にてランセット係合部材120の後進移動を抑制可能となる。可撓性の係止部127(突起部128付き)は、ランセット係合部材120の側部121の後方に配置されており、ランセットケース110の内側面に供された間隙部に係止可能となっている。かかる係止により、穿刺方向(即ち前方向)へのランセットボディ131の前進移動を抑制可能となる。
【0040】
図5Aに示すように、可撓性の係止部126は、上記突起部125と可撓性の係止部127との間に設けられている。ランセット係合部材120は装填完了時までに穿刺方向に前進移動するところ、その前進移動途中の間に、平面視で可撓性の係止部126がランセットケース110の内側面に供された突起部117を乗り越え可能となっている。その一方で、可撓性の係止部126は突起部117を一旦乗り越えると後進しないようになっている。これにより、装填完了時にて、ランセットケース110内にてランセット係合部材120の後進移動を抑制することが可能となる。
【0041】
ランセット係合部材120の側部121の内側後方には、突起部129が設けられている。当該突起部129は、ランセットボディ131がランセット係合部材120に対して相対的に後退移動する際に、ランセットボディ131の可撓性のウィング部131dが当該突起部129を乗り越えることができる一方、一旦乗り越えると突起部129に係止して前方方向に再度乗り越えることができない構造となっている。かかるランセット係合部材120の突起部129に対する可撓性のウィング部131dの係止めにより、ランセットボディ131が穿刺方向(すなわち前方方向)に移動することを好適に抑制することができる。
【0042】
又、図5Bに示すように、ランセット係合部材120は、背面側に湾曲構造を有する湾曲部123を有して成る。後述するように、ランセットアッセンブリ100をインジェクター200に装填する際に、ランセット係合部材120がランセット130に対して相対的に前方の穿刺方向へと移動する。かかるランセット係合部材120の前方方向への移動により、ランセット係合部材120の湾曲部123が傾斜構造を有する延在部112の端部112b(ランセットケース110の構成要素)と当接可能となっている。
【0043】
なお、上述のように、ランセット係合部材120は、その側部121がランセットケース110内を穿刺方向(前進方向)又は穿刺方向とは反対方向(後退方向)に移動可能となっている。かかるランセット係合部材120のランセットケース110内での前後移動が円滑となるように、すなわち摺動が可能となるように、少なくともランセット係合部材120およびランセットケース110が摺動性樹脂を含んで成ることが好ましい。これに加えて、上記ランセット130の構成要素であるランセットボディ131およびランセットキャップ132も上記摺動性樹脂を含んで成ることが好ましい。特に限定されるものではないが、当該摺動性樹脂は、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリスチレン、およびABS樹脂から成る群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることができる。
【0044】
<インジェクター200の構成>
以下、穿刺デバイス300の構成要素であるインジェクター200について説明する。
【0045】
図6は、本発明の一実施形態に係るインジェクターを模式的に示す外観斜視図である。図7は、本発明の一実施形態に係るインジェクターを模式的に示す分解斜視図である。
【0046】
図6および図7に示すように、本発明の一実施形態に係るインジェクター200は、ハウジング201内にインジェクター200の構成要素が収容された構造となっている。ハウジング201内に収容されたインジェクター200の構成要素は、プランジャー203、ランセットアッセンブリ受容部材204、トリガーレバー205、エジェクター217、プランジャー203に設けられたファイヤー・スプリング(射出用スプリング)208/リターン・スプリング209、係止部材216、アジャスター(穿刺深さ調節部材)209、およびアジャスター・リング210等を有して成る。
【0047】
プランジャー203は、インジェクター200の長手方向軸に沿うように配置されているものであって、ランセットボディ131を穿刺方向に発射させる機能を有している。プランジャー203の先端部203aは、ランセットボディ131の後端部131a(図4A参照)と係合可能となっている。インジェクター200へのランセットアッセンブリ100の装填に際してランセットボディ131がインジェクター200内に挿入されることによって、プランジャー203の先端部203aとランセットボディ131の後端部131aとが係合する。その後、後方に向かってランセットボディ131が更に挿入されると、プランジャー203が後方へと押し込まれることになる。その結果、プランジャー203に設けられたファイヤー・スプリング208が圧縮される。ファイヤー・スプリング208が圧縮されるということは、穿刺部材133の発射に必要な力がプランジャー203に蓄えられることを意味している。
【0048】
ランセットアッセンブリ受容部材204は、使用に際してランセットアッセンブリを収納する機能を有すると共に、装填時にキャップ取外しにも寄与する。ランセットアッセンブリ受容部材204は、全体として筒形状ないしはリング形状を有しており、その内部には前方突出し部を備えている。
【0049】
受容部材204自体は、インジェクターの前端開口部に設けられ、使用時に挿入されるランセットアッセンブリを受けるようになっている。つまり、受容部材204にランセットケースの一部が収まることになるようにランセットアッセンブリをインジェクターに装填できるように構成されている。インジェクター200への装填操作においてランセットアッセンブリが受容部材204に挿入される際には、前方突出し部の存在に起因して、ランセット係合部材120には前方に移動する力(特にランセットケースに対して相対的に前方に移動する力)が働くことになる。
【0050】
具体的には、ランセットアッセンブリを受容部材204に挿入すると、ランセット係合部材の後端部120aがランセットアッセンブリ受容部材204の前方突出し部と当接することになり、ランセットケース110を引き続いて挿入すると、その前方突出し部に押されるような形態となってランセット係合部材120がランセットケース内で前方移動することになる。
【0051】
つまり、インジェクターに挿入されるランセット係合部材の後端部120aと受容部材204の前方突出し部との当接に起因して、“ランセットケースに対して相対的に前方に移動する力”がランセット係合部材に働くことになる。これにより、ランセットキャップがランセット係合部材によって押されることになり、結果的にはランセットキャップがランセットボディから分離して穿刺軌道から逸れる位置にまで移動することになる。
【0052】
又、インジェクター200はケースロック機能を有して成る。かかる機能は、ランセットアッセンブリのインジェクターへの挿入後に、ランセットアッセンブリが挿入方向と逆の方向に力を受けたとしても、ランセットアッセンブリがインジェクターから抜け落ちることなく保持される機能である。かかるケースロックは、主として、ランセットアッセンブリ受容部材204の内面に供された突起とランセットケース外面に設けられた凹部との係止によりなされる。
【0053】
図8Aは、一体的に組み合わされたエジェクターを模式的に示す斜視図である。図8Bは、エジェクターの構成要素を模式的に示す分解斜視図である。
【0054】
図8Aおよび図8Bに示すように、エジェクター217は、穿刺後にランセットアッセンブリ100をインジェクター200から取り外すエジェクター機能を有している。つまり、エジェクター217は、装填されたランセットアッセンブリ100を排出するために使用される。エジェクター217は全体形状が長尺状になっていることが好ましい。エジェクター217は、穿刺方向に延在するエジェクターメイン部206および穿刺方向に延在するエジェクターメイン部206の後端側に位置づけられたエジェクターノブ207を有して成る。
【0055】
エジェクターメイン部206とエジェクターノブ207とは一体的に組み合わされて構成されている。エジェクターメイン部206は、ランセットアッセンブリ100を直接押し出す押出部分206aと、エジェクター延在部分206bとを有して成る。エジェクター延在部分は、押出部分206aとエジェクターノブ207との間に配置され、プランジャー203を引っ張って再コッキングするために用いられる。押出部分206aとエジェクター延在部分206bとは一体的に組み合わされて構成されている。又、エジェクター延在部分206bは、穿刺方向に延在するプランジャー203を受容する領域を上面側に有する。
【0056】
エジェクター217の後端側に供されたエジェクターノブ207に外部から力を加えて前方へと押圧すると、エジェクター217は全体として前方移動することになる。これにより、エジェクターの前端部217aは、ランセット係合部材120の後端部120aに当接することになり、エジェクターの前端部217aがランセット係合部材120を押圧できるようになる。それゆえ、当接後にエジェクター217を更に前方へと移動させると、ランセット係合部材120をランセットケース110内で前方移動させることができる。
【0057】
ランセットケース110内にて前方移動したランセット係合部材120は、最終的にはランセットケース内で最も前方側に位置する。つまり、ランセット係合部材120の前端部120bが最終的にはランセットケース110の内壁部と当接する結果となる。これにより、引き続いてエジェクター217を押圧してランセット係合部材120を前方へと移動させようとすると、ランセット係合部材120に押される形態でランセットケース110も前方に押されることになる。結果として、ランセットアッセンブリ100が全体として前方に押圧されることになる。従って、継続してエジェクター217を移動させ続けると、最終的にはランセットアッセンブリ100がインジェクター200から排出される。
【0058】
ここで、本発明の一実施形態では、上記のエジェクターメイン部206とエジェクターノブ207とは一体的に組み合わされて構成されているところ、エジェクターノブ207がエジェクターメイン部206から独立して軸回転可能となっている。かかる構成を採ることで、エジェクターメイン部206とエジェクターノブ207とが全体として単一の構成部品を成している場合と比べて、以下の点で利点がある。
【0059】
具体的には、エジェクターノブ207を前方に押し込む際にエジェクターノブ207が軸回転する(即ち、ねじれる)ことがあり得る。この場合、エジェクターメイン部206とエジェクターノブ207とが全体として単一の構成部品を成していると、エジェクターノブ207と一体化したエジェクターメイン部206も同時に軸回転するおそれがある。上述のように、エジェクター延在部分206bは穿刺方向に延在するプランジャー203を受容する領域を上面側に有する。そのため、エジェクターメイン部206が軸回転すると、これに伴いその構成要素であるエジェクター延在部分206bも軸回転し得る。そのため、軸回転したエジェクター延在部分206b上に位置するプランジャー203、およびプランジャー203と係合するランセットアッセンブリ100も軸回転するおそれがある。ランセットアッセンブリ100の軸回転は、穿刺部材を通じた好適な穿刺を困難とし得る。
【0060】
これに対して、本発明の一実施形態では、エジェクターノブ207がエジェクターメイン部206から独立して軸回転可能となっている。そのため、エジェクターノブ207を前方に押し込む際にエジェクターノブ207が軸回転する(即ち、ねじれる)ことがあるとしても、エジェクターノブ207と一体的に組み合わされたエジェクターメイン部206が同時に軸回転することが回避される。そのため、エジェクターメイン部206の構成要素であるエジェクター延在部分206bも同時に軸回転することが回避される。そのため、エジェクター延在部分206b上に位置するプランジャー203、およびプランジャー203と係合するランセットアッセンブリ100も軸回転することが回避される。その結果として、ランセットアッセンブリ100の軸回転の回避に起因して、穿刺部材を通じた好適な穿刺が可能となる。
【0061】
又、本発明の一実施形態では、インジェクター200のハウジング201は、下記の特徴を有する。具体的には、ハウジング201は、互いに分割可能でありかつ穿刺方向に延在する少なくとも2つのサブパーツ202から構成されており、穿刺方向とは異なる方向における各サブパーツの一方の端部202a同士と他方の端部202b同士とがそれぞれ拘束部材214a、214bにより拘束される。特に限定されるものではないが、拘束部材214a、214bは、一方の側から他方の側まで連続した開口形態をなすリング状部材であることができる。
【0062】
ハウジングは例えば熱可塑性樹脂材から構成されているところ、これまでの当業者の技術常識によれば、熱可塑性樹脂材から構成されるハウジングのサブパーツ同士は超音波溶着により接続固定することが一般的であった。しかしながら、超音波溶着では、溶着の調整に時間を要し、溶着時に樹脂材料が溶け出すことでハウジング内に収容されたインジェクター200の構成要素が好適に機能しない虞があり得る。
【0063】
そこで、これまでの超音波溶着によるサブパーツ同士の接続固定による対応に代えて、上記のとおり、本発明の一実施形態では、各サブパーツ202の一方の端部202a同士と他方の端部202b同士とをそれぞれ拘束部材214a、214bにより拘束する手法を採る。
【0064】
かかる手法を採ることで、各サブパーツの一方の端部202a同士を拘束部材214aにより拘束することが可能となる。即ち、拘束部材214a内に各サブパーツの一方の端部202a同士を嵌め込むことが可能となる。同様に、各サブパーツの他方の端部202b同士を拘束部材214bにより拘束することが可能となる。即ち、拘束部材214b内に各サブパーツの他方の端部202bを嵌め込むことが可能となる。
【0065】
以上により、各サブパーツ202の一方の端部202a同士と他方の端部202b同士とをそれぞれ拘束部材214a、214bに嵌め込むことが可能となることで、穿刺方向に沿って各サブパーツ202の外縁部202c、202dを互いに当接又は連続して接触させることが可能となる。これにより、全体として各サブパーツ202から構成された単一のハウジング201を供することが可能となる。
【0066】
なお、本発明の一実施形態では、穿刺方向における、隣り合う一方のサブパーツ202の外縁部202cと他方のサブパーツ202の外縁部202dとが互いに接続可能となっていることが好ましい。具体的には、一方のサブパーツ202の外縁部202cに供された係止部材216を他方のサブパーツ202の外縁部202dに供された被係止部材(図示せず)に係止させる。これにより、拘束部材214a、214bにより連続接触させた一方のサブパーツ202の外縁部202cと他方のサブパーツ202の外縁部202dとを好適に接続固定することが可能となる。
【0067】
これに加えて又はこれに代えて、ピン215、例えばスプリングピンを用いることができる。具体的には、各サブパーツは外縁部又はその近傍にピン215と略同一の径寸法を有する孔218を有し、ピン215の一端215aは一方のサブパーツに形成された孔218に挿入され、ピン215の他端215bは他方のサブパーツに形成された孔218に挿入される。これによっても、拘束部材214a、214bにより連続接触させた一方のサブパーツ202の外縁部202cと他方のサブパーツ202の外縁部202dとを好適に接続固定することが可能となる。
【0068】
<使用態様>
以下、本発明の一実施形態に係るランセットアッセンブリ100およびインジェクター200の使用態様について説明する。
【0069】
ランセットアッセンブリ装填前
図9Aは、インジェクター200へランセットアッセンブリ100を装填する前における態様を模式的に示す断面図である。図9Bは、装填前におけるランセットアッセンブリ100を模式的に示す平面図である。図9Cは、装填前におけるランセットアッセンブリ100を模式的に示す断面図である。
【0070】
図2図5Bおよび図9A図9Cに示すように、装填前にて、ランセットボディ131の背面側に供された土手部131eの前方部分が、ランセットケース110に供された突起部分112aと係止可能となっている。かかる係止により、穿刺方向(即ち前方向)へのランセットボディ131の前進移動が抑制され得る。又、装填前にて、ランセット係合部材120の側部121の後方に配置された可撓性の係止部127に形成された突起部128がランセットケース110の内側面に供された間隙部に係止可能となっている。かかる係止により、装填前にて、ランセットケース110内にて穿刺方向(即ち前方向)へのランセット係合部材120の前進移動が抑制され得る。更に、装填前にて、平面視で、ランセットケース110の内側面に供された突起部117の前方に、ランセット係合部材120の側部121の外側に供された突起部125が配置されている。かかる配置により、装填前にて、ランセットケース110内にてランセット係合部材120の後進移動が抑制され得る。
【0071】
ランセットアッセンブリ装填開始後
図10は、インジェクター200にランセットアッセンブリ100を装填開始した後における態様を模式的に示す断面図である。
【0072】
図10に示すように、インジェクター200にランセットアッセンブリ100の装填を開始すると、ランセットボディ131のランセットボディ131の後端部131aがプランジャー203の先端部203aに係合される。この際、ランセットアッセンブリ受容部材204により、ランセット係合部材120の側部121の後方に配置された可撓性の係止部127(図9B参照)が内側に撓む。これにより、突起部128とランセットケース110の内側面に供された間隙部との係止が解除される。又、係合される際、ランセットアッセンブリ受容部材204により、ランセット係合部材120には前方方向、すなわち穿刺方向に移動する力が作用する。
【0073】
図5Aに示すように、ランセット係合部材120の側部121は、ランセットキャップ132の突状部分132bを受容可能な凹部分124を有して成る。ランセット係合部材120が前方方向への移動する力が作用すると、これに伴い、ランセット係合部材120の凹部分124に受容されたランセットキャップ132の突状部分132bも前方方向へと移動する力が作用する。これにより、ランセットキャップ132がランセットボディ131から分離され得る。
【0074】
ランセットアッセンブリ装填完了時
図11Aは、インジェクター200へのランセットアッセンブリ100の装填完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。図11Bは、インジェクター200へのランセットアッセンブリ100の装填完了時における態様を模式的に示す断面図(幅方向)である。図11Cは、装填完了時におけるランセットアッセンブリ100を模式的に示す平面図である。図11Dは、装填完了時におけるランセットアッセンブリ100を模式的に示す断面図である。
【0075】
装填完了時においては、図3Aおよび図11Aに示すように、穿刺方向に沿って延在するプランジャー203の外側面に供された突起部203bはトリガーレバー205の後方に位置づけられ、かつトリガーレバー205と突起部203bとが互いに係止された状態となる。これにより、穿刺方向へのプランジャー203の移動が抑制され、射出までの待機状態が供される。又、装填完了時においては、図11Bに示すように、ランセットケース110の外面に供された凹部111に、ランセットアッセンブリ受容部材204の突起204aが係止する。これにより、一旦挿入されたランセットケース110がインジェクター200に保持固定され得る。
【0076】
図5Aおよび図11Cに示すように、ランセット係合部材120は、ランセット係合部材120の側部121の外側に供された突起部125と当該側部121の後方に配置された可撓性の係止部127との間に、可撓性の係止部126を更に備える。ランセット係合部材120は、装填完了時までに穿刺方向に前進移動するところ、その移動途中の間に、平面視でランセットケース110の内側面に供された突起部117は、可撓性の係止部126が当該突起部117を乗り越え可能に構成されている。その一方で、当該突起部117は、可撓性の係止部126が一旦乗り越えると後進しないように構成されている。かかる構成により、装填完了時にて、ランセットケース110内にてランセット係合部材120の後進移動が抑制され得る。
【0077】
又、図5Bおよび図11Dに示すように、ランセット係合部材120は、背面側に湾曲構造を有する湾曲部123を有して成る。ランセットアッセンブリ100をインジェクター200に装填すると、ランセット係合部材120がランセット130に対して相対的に前方の穿刺方向へと移動する。かかるランセット係合部材120の前方方向への移動により、ランセット係合部材120の湾曲部123が傾斜構造を有する延在部112の端部112bと当接可能となる。
【0078】
かかる当接開始後、ランセット係合部材120が更に前進移動すると、ランセット係合部材120の湾曲部123とランセットケース110内の延在部112の端部112bとの当接領域が増える。これにより、ランセット係合部材120の湾曲部123による傾斜構造を有する延在部112の端部112bに対する押圧力が作用する。かかる押圧力の作用により、延在部112の所定箇所112cを基点として、延在部112の突起部分112aを含む所定部分を下方方向に屈曲させることができる。これにより、ランセットケース110の突起部分112aとランセットボディ131の土手部131eとの係止を解除することができる。その結果、穿刺方向(即ち前方向)へのランセットボディ131の前進移動が可能となる。
【0079】
ランセットキャップ132の突状部分132bはランセット係合部材120の凹部分124に受容されているため、ランセット係合部材120の前方方向への移動の際に、分離したランセットキャップ132も共に前方方向へと移動することが可能となる。ランセットケース110に供されたスロープ部113は、ランセットケース110の内部空間114の先端側に位置づけられている。そのため、前方方向へ移動する分離されたランセットキャップ132は、当該スロープ部113の傾斜面に沿って上方側に移動可能となる。かかる移動により、先端が露出した穿刺部材133付のランセットボディ131がランセットキャップ132に接触することなく、ランセットケース110の先端側に供された穿刺開口部116を通じて穿刺部材133を外部に突き出すことが可能となる。
【0080】
特に、本発明の一実施形態では、ランセット係合部材120の側部121に供された凹部分124は、ランセットキャップ132がランセットボディ131から分離する前および分離後のいずれの段階においても、ランセットキャップ132の突状部分132bを受容可能となっている。すなわち、分離前および分離後のいずれの段階においても、ランセットキャップ132の突状部分132bがランセット係合部材120の側部121に供された凹部分124に受容されている。
【0081】
上述のように、前方方向へ移動する分離されたランセットキャップ132は、ランセットケース110の内部空間114の前方側に供されたスロープ部113の傾斜面に沿って上方側に移動可能となる。これにより、先端が露出した穿刺部材133付のランセットボディ131がランセットキャップ132に接触することを抑制可能となっている。これに加えて、本発明の一実施形態では、分離前のみならず分離後においてもンセットキャップ132の突状部分132bが凹部分124に受容されるため、分離後にランセットキャップ132が平面視および/または側面視にて全体として傾くことを抑制可能となる。これにより、後の穿刺部材133の射出工程にて、先端が露出した穿刺部材133付のランセットボディ131がランセットキャップ132に接触することなく、穿刺方向に沿ってランセットケース110内を移動することができる。その結果として、穿刺開口部116を通じて穿刺部材133の先端を外部へと好適に射出させることができる。
【0082】
トリガーレバー押込み
図12は、インジェクター200のトリガーレバー205の押込み時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
【0083】
装填完了後、図12に示すように、トリガーレバー205を押し込む。かかる押込みにより、トリガーレバー205の一端が上方に移動し、それによって穿刺方向に沿って延在するプランジャー203の外側面に供された突起部203bとトリガーレバー205との係止が解除される。
【0084】
穿刺部材射出
図13は、穿刺部材の射出態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
【0085】
上述のように、ランセットアッセンブリ100を装填すると、プランジャー203は後方へ押し込まれ、それによってプランジャー203に設けられたファイヤー・スプリング208は圧縮された状態となる。かかる圧縮状態で、突起部203bとトリガーレバー205との係止が解除されると、圧縮されたファイヤー・スプリング208が伸長し、それによって、ランセットボディ131が前進方向に移動可能となる。これにより、穿刺開口部116を通じて、ランセットボディ131に設けられた穿刺部材133の先端を外部へと好適に射出させることができる。
【0086】
穿刺部材後退
図14は、穿刺部材の後退する態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
【0087】
穿刺部材133の射出時、プランジャー203に設けられたファイヤー・スプリング(射出用スプリング)208は伸長する一方、リターン・スプリング209は圧縮され得る。圧縮されたリターン・スプリング209には伸長する力が作用するため、プランジャー203には後方向きの力が作用する。その結果、プランジャー203と係合したランセットボディ131、即ち、穿刺部材133は穿刺後に素速く後退することが可能となる。
【0088】
穿刺完了時
図15Aは、穿刺完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。図15Bは、穿刺完了時におけるランセットアッセンブリ100を模式的に示す平面図である。
【0089】
図15Aおよび図15Bに示すように、穿刺部材133の後退後、すなわち穿刺部材133が設けられたランセットボディ131の後退後、トリガーレバー205の一端が下方に移動して、穿刺方向に沿って延在するプランジャー203の外側面と当接する。以上により、穿刺部材133による穿刺が完了する。
【0090】
再コッキング
図16Aは、再コッキング開始後における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。図16Bは、再コッキング完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。
【0091】
穿刺完了後、図16Aに示すように、エジェクターノブ207の後進方向へ引っ張りを開始する。その後、図16Bに示すように、エジェクターノブ207の後進方向へ引っ張りを更に継続すると、プランジャー203が後退し、これに伴い後退するプランジャー203と係合するランセットボディ131を後退させることができる。
【0092】
ランセットアッセンブリの排出
図17Aは、ランセットアッセンブリの排出開始時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。図17Bは、ランセットアッセンブリの排出開始後プランジャーの突起部とトリガーレバーとが係止している態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。図17Cは、ランセットアッセンブリの排出開始後プランジャーとランセットボディの後端部との係合が解除されている態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。図17Dは、ランセットアッセンブリの排出完了時における態様を模式的に示す断面図(厚み方向)である。図17Eは、排出完了時におけるランセットアッセンブリを模式的に示す平面図である。図17Fは、排出完了時におけるランセットアッセンブリを模式的に示す断面(厚さ方向)である。
【0093】
穿刺完了後、図17Aに示すように、エジェクターノブ207を穿刺方向に押し込んで、ランセットアッセンブリの排出を開始する。次に、図17Bに示すように、エジェクターノブ207を穿刺方向に押し込み、これに伴いランセットケース110およびランセット係合部材が穿刺方向に押し込まれる。この際、プランジャー203の突起部203cとトリガーレバー205とが係合し、プランジャー203の穿刺方向への前進移動を抑制することができる。次に、図17Cに示すように、エジェクターノブ207を穿刺方向に更に押し込む。これに伴い、ランセットケース110およびランセット係合部材120が穿刺方向に更に押し込まれ、最終的にはランセット後端部131aとプランジャー203との係合が解除される。その結果、図17Dに示すように、ランセットアッセンブリ100をインジェクター200から排出することができる。
【0094】
なお、ランセットアッセンブリ100の排出時には、図17Eおよび図17Fに示すように、ランセットボディ131はランセット係合部材120の後側に形成された凹部分120c(平面視)へと向かって相対的に後退移動することとなる。本発明の一実施形態では、かかる後退移動完了によりランセットボディ131の上面側に形成された凸部(又は突状部分)131bがランセット係合部材120の凹部分120c(平面視)に当接可能となっている。これにより、ランセット係合部材120の凹部分120c(平面視)によりランセットボディ131の凹部分が受容され、それによってランセットボディ131の更なる後退移動を回避することができる。
【0095】
又、上述のように、ランセットアッセンブリ100の排出時には、ランセットボディ131はランセット係合部材120に対して相対的に後退移動する。この際、ランセットボディ131の可撓性のウィング部131dが、ランセット係合部材120の側部121の内側後方に設けられた突起部129を乗り越える。しかしながら、一旦乗り越えた可撓性のウィング部131dは、突起部129に係止して前方方向に向かって突起部129を再度乗り越えることができない構造となっている。これにより、ランセットボディ131が穿刺方向(すなわち前方方向)に移動することを好適に抑制することができる。
【0096】
以上の事からも、ランセットアッセンブリ100の排出時において、先端部133aが露出した穿刺部材133が取付け固定されたランセットボディ131の前進移動および後退移動の両方を好適に回避することができる。又、上述のように、ランセットアッセンブリ100の排出前段階である装填完了時において、ランセット係合部材120は相対的に前進移動するところ、その前進移動途中の間に、平面視で可撓性の係止部126がランセットケースの内側面に設けられた突起部117を一旦乗り越え、その後突起部117を再度乗り越えて後進しないようになっている。すなわち、ランセット係合部材120の可撓性の係止部126は、ランセットケース110の突起部117に係止される。これにより、ランセットケース110からランセット係合部材120が抜け出ることを回避することが可能である。
【0097】
その結果、本発明の一実施形態に従えば、ランセットアッセンブリ100の排出時において、ランセット係合部材120および先端部133aが露出した穿刺部材133が取付け固定されたランセットボディ131のいずれもがランセットケース110から抜け出ることを好適に回避することができる。その結果、ランセットアッセンブリ100の排出完了後において、穿刺部材133の先端部133aが人の皮膚に穿刺されることを好適に回避することができる。それ故、本発明の一実施形態に従えば、より安全な環境下で、使用済みのランセットアッセンブリ100を廃棄処分等することが可能である。
【0098】
上述の事からも分かるように、本発明の一実施形態では、大きく分けて以下の工程を順に経る。
工程1:ランセットアッセンブリ100をインジェクター200内に装填する工程
工程2:装填完了後にランセットアッセンブリ100の構成要素である穿刺部材を射出させる工程
工程3:射出させた穿刺部材を後退させて穿刺完了させる工程
工程4:エジェクターノブを後進方向へ引っ張ることで再コッキングさせる工程
工程5:ランセットアッセンブリ100をインジェクター200から外部に排出する工程
【0099】
<イレギュラー態様>
ここで、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイス300の使用時において、例えば、以下のイレギュラー態様が発生することが考えられる。
【0100】
1.上記工程1完了時点におけるランセットアッセンブリ100の引抜き態様
図18Aは、インジェクター内へと装填完了後のランセットアッセンブリの外部への引抜き開始時における態様を模式的に示す断面図である。図18Bは、インジェクター内へと装填完了後のランセットアッセンブリの外部への引抜き途中時における態様を模式的に示す断面図である。図18Cは、インジェクター内へと装填完了後のランセットアッセンブリの外部への引抜き完了時における態様を模式的に示す断面図である。
【0101】
上述のように、通常モードでは、上記工程1に従いインジェクター200内へとランセットアッセンブリ100を装填完了させた後、次いで上記工程2に従い穿刺部材133を外部へと射出することが通常である。しかしながら、場合によっては、図18A図18Cに示すように、工程1から工程2に移行する前に、インジェクター内への装填完了後のランセットアッセンブリ100を外部へと不意に引き抜いてしまうことが考えられる。
【0102】
この点につき、装填完了時においては、図18A図18Cに示すように、穿刺方向に沿って延在するプランジャー203の外側面に供された突起部203bはトリガーレバー205の後方に位置づけられ、かつトリガーレバー205と突起部203bとが互いに係止された状態となる。これにより、穿刺方向へのプランジャー203の移動を抑制することができる。
【0103】
かかる穿刺方向へのプランジャー203の移動が抑制されている状態で、ランセットアッセンブリ100を外部(穿刺方向/前進方向)へと不意に引き抜く場合、ランセットアッセンブリ100の構成要素であるランセットボディ131の突状の後端部131aはプランジャー203の先端部203aと係合されているため、ランセットボディ131自体は前進移動しない。その一方、ランセット係合部材120の可撓性の係止部126とランセットケース110の突起部117との係止により、ランセットケース110とランセット係合部材120とは一体化された状態となっている。そのため、例えばランセットケース110を手等で掴んで外部(穿刺方向/前進方向)へと引っ張ると、ランセットケース110とランセット係合部材120とが一体化移動することとなる。
【0104】
以上の事から、外部へのランセットアッセンブリ100の不意の引き抜き時には、図17Eおよび図17Fに示す態様と同じように、ランセットボディ131はランセット係合部材120に対して相対的に後退移動する。かかる後退移動が完了すると、ランセットボディ131の上面側に形成された凸部131bがランセット係合部材120の凹部分120c(平面視)に当接する。これにより、ランセット係合部材120の凹部分120c(平面視)によりランセットボディ131の凹部分が受容されて、ランセットボディ131の更なる後退移動を回避することができる。
【0105】
又、外部へのランセットアッセンブリ100の不意の引き抜き時には、図17Eおよび図17Fに示す態様と同じように、ランセットボディ131はランセット係合部材120に対して相対的に後退移動する。この際、ランセットボディ131の可撓性のウィング部131dが、ランセット係合部材120の側部121の内側後方に設けられた突起部129を乗り越える一方で、一旦乗り越えた可撓性のウィング部131dは突起部129に係止する。これにより、ランセットボディ131が穿刺方向(すなわち前方方向)に移動することを好適に抑制することができる。
【0106】
以上の事からも、外部へとランセットアッセンブリ100が不意に引き抜かれたとしても、先端部133aが露出した穿刺部材133が取付け固定されたランセットボディ131の前進移動および後退移動の両方を好適に回避することができる。又、装填完了時点にて既に、ランセット係合部材120の可撓性の係止部126はランセットケース110の突起部117に係止されているため、ランセットケース110からのランセット係合部材120の引き抜きを回避することが可能である。
【0107】
その結果、外部へとランセットアッセンブリ100が不意に引き抜かれたとしても、ランセット係合部材120および先端部133aが露出した穿刺部材133が取付け固定されたランセットボディ131のいずれもランセットケース110から抜け出ることを好適に回避することができる。
【0108】
2.上記工程1の途中時点(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)におけるランセットアッセンブリ100の引抜き態様
図19Aは、インジェクター内へと装填途中(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)のランセットアッセンブリの外部への引抜き開始時における態様を模式的に示す断面図である。図19Bは、インジェクター内へと装填途中(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)のランセットアッセンブリの外部への引抜き途中時における態様を模式的に示す断面図である。図19Cは、インジェクター内へと装填途中(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)のランセットアッセンブリの外部への引抜き完了時における態様を模式的に示す断面図である。
【0109】
上述のように、通常モードでは、上記工程1に従いインジェクター200内へとランセットアッセンブリ100を装填完了させた後、次いで上記工程2に従い穿刺部材133を外部へと射出することが通常である。しかしながら、場合によっては、図19A図19Cに示すように、工程1の途中時点(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)にて、インジェクター内からランセットアッセンブリ100を外部へと不意に引き抜いてしまうことが考えられる。
【0110】
この点につき、装填途中時点(プランジャー203の先端部203aへのランセットボディ131の突状の後端部131aの係合時点)において、図19Aに示すようにトリガーレバー205の先端は、エジェクターメイン部206の押出部分206aにある突状部分206aによりプランジャー203の外側面から離隔するように一旦持ち上げられる。
【0111】
この点につき、装填途中時点(プランジャー203の先端部203aへのランセットボディ131の突状の後端部131aの係合時点)にて、ランセットアッセンブリ100を外部(穿刺方向/前進方向)へ引き抜くと、ランセットボディ131の後端部131aがプランジャー203の先端部203aと係合していることで、プランジャー203も前進移動する。既述のように、エジェクターの構成要素であるエジェクター延在部分206bは、穿刺方向に延在するプランジャー203を受容する領域を有する(図8Aおよび図8B参照)。かかるエジェクターによるプランジャー203の受容により、プランジャー203の前進移動に伴い、エジェクターも前進移動可能となる。
【0112】
これにより、図19Bに示すように、トリガーレバー205の先端の直下に、エジェクターメイン部206の押出部分206aにある突状部分206aが位置しなくなる。そのため、トリガーレバー205の先端が、プランジャー203の外側面に接し、かつプランジャー203の外側面に供された突起部203cの前方に位置づけられる。これにより、トリガーレバー205の先端と突起部203cとが互いに係止可能となり、それにより、ランセットボディ131が前進移動しても、ランセットボディ131と係合したプランジャー203の前進移動を抑制することができる。
【0113】
上記装填途中時点では、ランセットアッセンブリ100を外部(穿刺方向/前進方向)へ引き抜くと、ランセットボディ131の突状の後端部131aは上記のとおり穿刺方向への移動が抑制されたプランジャー203の先端部203aと係合されているため、ランセットボディ131自体は前進移動しない。
【0114】
上記装填途中時点は、プランジャー203の先端部203aへのランセットボディ131の突状の後端部131aの係合時点となっているため、ランセットアッセンブリ100の内部状態は実質的に図9Bに示すような状態となっている。そのため、平面視で、ランセットケース110の内面に設けられた突起部117の前方に、ランセット係合部材120の側部121の外側に設けられた突起部125が位置づけられた状態となっている。かかる配置により、上記装填途中時点でランセットアッセンブリ100の外部(穿刺方向/前進方向)への引き抜きを開始して、ランセットケース110が前方に移動するとしても、ランセットケース110の突起部117がランセット係合部材120の突起部125に係止可能となる。そのため、ランセットケース110とランセット係合部材120とは一体化された状態となり、前方方向に向かってランセットケース110とランセット係合部材120とが一体化移動することとなる。
【0115】
そして、上記のランセットボディ131自体が前進移動しない状態で、かかる前方方向に向かうランセットケース110とランセット係合部材120との一体化移動が開始すると、図17Eおよび図17Fに示す態様と同じように、ランセットボディ131はランセット係合部材120に対して相対的に後退移動する。かかる後退移動が完了すると、ランセットボディ131の上面側に形成された凸部131bがランセット係合部材120の凹部分120c(平面視)に当接する。これにより、ランセット係合部材120の凹部分120c(平面視)によりランセットボディ131の凹部分が受容されて、ランセットボディ131の更なる後退移動を回避することができる。
【0116】
又、上記のランセットボディ131自体が前進移動しない状態で、前方方向に向かうランセットケース110とランセット係合部材120との一体化移動が開始すると、図17Eおよび図17Fに示す態様と同じように、ランセットボディ131の可撓性のウィング部131dが、ランセット係合部材120の側部121の内側後方に設けられた突起部129を乗り越える一方で、一旦乗り越えた可撓性のウィング部131dは突起部129に係止する。これにより、ランセットボディ131が穿刺方向(すなわち前方方向)に移動することを好適に抑制することができる。
【0117】
以上の事からも、装填途中時点(プランジャー203の先端部203aへのランセットボディ131の突状の後端部131aの係合時点)にて、外部へとランセットアッセンブリ100が不意に引き抜かれたとしても、先端部133aが露出した穿刺部材133が取付け固定されたランセットボディ131の前進移動および後退移動の両方を好適に回避することができる。
【0118】
又、上記のとおり、装填途中時点でランセットアッセンブリ100の外部(穿刺方向/前進方向)への引き抜きを開始すると、ランセット係合部材120の突起部125とランセットケース110の突起部117とが相互に係止される状態となる。
【0119】
更に、インジェクター200にランセットアッセンブリ100の装填を開始すると、ランセットアッセンブリ受容部材204により、ランセット係合部材120の側部121の後方に配置された可撓性の係止部127(図9B参照)が一旦内側に撓む。これにより、突起部128とランセットケース110の内側面に供された間隙部との係止が一旦解除される。しかしながら、装填途中時点(プランジャー203の先端部203aへのランセットボディ131の突状の後端部131aの係合時点)にて、ランセットアッセンブリ100を引き抜くと、一旦内側に撓んだランセット係合部材120の可撓性の係止部127が解放されるため、ランセットケース110の内側面に供された間隙部に再度係止可能となる。
【0120】
その結果、装填途中時点でランセットアッセンブリ100の外部への引き抜きを開始したとしても、(1)ランセット係合部材120の突起部125とランセットケース110の突起部117との係止および(2)ランセット係合部材120の可撓性の係止部127とランセットケース110の内側面に供された間隙部との係止の両方が達成される。
それ故、ランセットケース110内におけるランセット係合部材120の前進移動および後退移動の両方を好適に回避することが可能である。
【0121】
以上の事からも、装填途中時点(プランジャー203の先端部203aへのランセットボディ131の突状の後端部131aの係合時点)にて、外部へとランセットアッセンブリ100が不意に引き抜かれたとしても、ランセット係合部材120および先端部133aが露出した穿刺部材133が取付け固定されたランセットボディ131のいずれもランセットケース110から抜け出ることを好適に回避することができる。
【0122】
3.上記工程5完了後におけるインジェクター200内へのランセットアッセンブリ100の再装填態様
図20Aは、一旦排出が完了したランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填開始時における態様を模式的に示す断面図である。図20Bは、一旦排出が完了したランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填途中時における態様を模式的に示す断面図である。図20Cは、一旦排出が完了したランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填完了時における態様を模式的に示す断面図である。
【0123】
上述のように、通常モードでは、上記工程5に従い、ランセットアッセンブリ100をインジェクター200から外部に排出して廃棄処分等することが通常である。しかしながら、場合によっては、図20A図20Cに示すように、上記工程5完了後にインジェクター200内へとランセットアッセンブリ100を誤って再装填してしまうことが考えられる。
【0124】
この点につき、上記工程5完了後にインジェクター200内へのランセットアッセンブリ100の再装填を誤って開始すると(図20A参照)、ランセットボディ131の後端部131aがプランジャー203の先端部203aに係合される(図20B参照)。かかる係合の際に、ランセットアッセンブリ受容部材204により、ランセット係合部材120には前方方向、すなわち穿刺方向に移動する力が作用する。
【0125】
そして、装填が完了すると、ランセットケース110の外面に供された凹部111に、ランセットアッセンブリ受容部材204の突起204aが係止する。これにより、挿入されたランセットケース110がインジェクター200に保持固定され得る(図20C参照)。
【0126】
ここで、本態様では、上記工程5完了後における一旦排出が完了したランセットアッセンブリ100がインジェクター200内へと再装填される。そのため、図17Eおよび図17Fに示す態様と同じように、ランセットボディ131の可撓性のウィング部131dがランセット係合部材120の突起部129に係止された状態が維持されている。そのため、ランセットボディ131が穿刺方向(すなわち前方方向)への移動が回避された状態が維持されている。
【0127】
以上の事から、一旦排出が完了したランセットアッセンブリ100の再装填完了後に、利用者又は第三者が、トリガーレバー205を誤って再び押し込み、圧縮されたファイヤー・スプリングと接続されたプランジャー203を介してランセットボディ131に前進方向に移動する力が仮に作用するとしても、以下の効果が奏され得る。具体的には、上記のとおり可撓性のウィング部131dとランセット係合部材120の突起部129との係止状態維持により、ランセットボディ131に設けられた穿刺部材133の先端部133aの外部への射出を好適に回避することができる。
【0128】
更に、仮に再装填完了させたランセットアッセンブリ100に対して再排出する力が更に作用するとしても、図17Eおよび図17Fに示す態様と同様、可撓性のウィング部131dとランセット係合部材120の突起部129との係止状態維持により、ランセットボディ131に設けられた穿刺部材133の先端部133aの外部への射出を好適に回避することができる。これに加えて、ランセットアッセンブリ100の最初の排出時にて、ランセット係合部材120の可撓性の係止部126がランセットケース110の突起部117に既に係止されているため、ランセットケース110からランセット係合部材120が抜け出ることを回避することも可能である。
【0129】
4.上記工程1の途中時点(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)にて外部へと引き抜いたランセットアッセンブリ100のインジェクター200内への再装填態様
図21Aは、図19Cに示すインジェクター内へと装填途中に外部へと引き抜いたランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填開始時における態様を模式的に示す断面図である。図21Bは、図19Cに示すインジェクター内へと装填途中に外部へと引き抜いたランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填途中時における態様を模式的に示す断面図である。図21Cは、図19Cに示すインジェクター内へと装填途中に外部へと引き抜いたランセットアッセンブリのインジェクター内への再装填完了時における態様を模式的に示す断面図である。
【0130】
上述のように、通常モードでは、上記工程1に従いインジェクター200内へとランセットアッセンブリ100を装填完了させた後、次いで上記工程2に従い穿刺部材133を外部へと射出することが通常である。しかしながら、場合によっては、工程1の途中時点(プランジャーの先端部へのランセットボディの突状の後端部の係合時点)にて、インジェクター内からランセットアッセンブリ100を外部へと不意に引き抜いてしまい、その後、図21A図21Cに示すように引き抜いたランセットアッセンブリ100をインジェクター200内へと再装填してしまうことが考えられる。
【0131】
この点につき、途中で引き抜いたランセットアッセンブリ100の再装填を誤って開始すると(図21A参照)、ランセットボディ131の後端部131aがプランジャー203の先端部203aに係合される(図21B参照)。かかる係合の際に、ランセットアッセンブリ受容部材204により、ランセット係合部材120には前方方向、すなわち穿刺方向に移動する力が作用する。
【0132】
そして、かかる再装填が完了すると、ランセットケース110の外面に供された凹部111に、ランセットアッセンブリ受容部材204の突起204aが係止する。これにより、挿入されたランセットケース110がインジェクター200に保持固定され得る(図21C参照)。
【0133】
ここで、本態様では、途中で引き抜いたランセットアッセンブリ100がインジェクター200内へと再装填される。そのため、図17Eおよび図17Fに示す態様と同じように、ランセットボディ131の可撓性のウィング部131dがランセット係合部材120の突起部129に係止された状態が維持されている。そのため、ランセットボディ131が穿刺方向(すなわち前方方向)への移動が回避された状態が維持されている。
【0134】
以上の事から、一旦排出が完了したランセットアッセンブリ100の再装填完了後に、利用者又は第三者が、トリガーレバー205を誤って再び押し込み、圧縮されたファイヤー・スプリングと接続されたプランジャー203を介してランセットボディ131に前進方向に移動する力が仮に作用するとしても、以下の効果が奏され得る。具体的には、上記のとおり可撓性のウィング部131dとランセット係合部材120の突起部129との係止状態維持により、ランセットボディ131に設けられた穿刺部材133の先端部133aの外部への射出を好適に回避することができる。
【0135】
又、図21Bおよび図21Cに示すように、ランセット係合部材120は再装填完了時までに穿刺方向に向かって前進移動する。かかる前進移動途中の間に、平面視で可撓性の係止部126がランセットケース110の内側面に供された突起部117を乗り越え、一旦乗り越えると、可撓性の係止部126はランセットケース110の突起部117に係止され得る。これにより、再装填完了時にて、ランセットケース110内にてランセット係合部材120の後進移動を抑制することができる。
【0136】
更に、仮に再装填完了させたランセットアッセンブリ100に対して再排出する力が更に作用するとしても、図17Eおよび図17Fに示す態様と同様、可撓性のウィング部131dとランセット係合部材120の突起部129との係止状態維持により、ランセットボディ131に設けられた穿刺部材133の先端部133aの外部への射出を好適に回避することができる。これに加えて、再装填完了時にて、ランセット係合部材120の可撓性の係止部126がランセットケース110の突起部117に既に係止されているため、ランセットケース110からランセット係合部材120が抜け出ることを回避することも可能である。
【0137】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
【産業上の利用可能性】
【0138】
上述したようなランセットアッセンブリおよびインジェクターから構成される穿刺デバイスを用いると、より簡便でかつより安全に採血できる。従って、かかる穿刺デバイスは、糖尿病患者の採血に限らず、採血を必要とする各種用途で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0139】
100 ランセットアッセンブリ
110 ランセットケース
111 ランセットケースの外面に形成された凹部
112 ランセットケース内部に形成された延在部
112a 延在部の突起部分
112b 延在部の端部
112c 延在部の所定箇所
113 ランセットケース内部に形成されたスロープ部
114 ランセットケースの内部空間
115 ランセットケースの開口後端
116 ランセットケースの穿刺開口部
117 ランセットケースの内面に形成された突起部
118 ランセット係合部材の前端部が露出するためのランセットケースの露出開口部
120 ランセット係合部材
120a ランセット係合部材の後端部
120b ランセット係合部材の前端部
120c ランセット係合部材の凹部分(平面視)
121 ランセット係合部材の側部
123 ランセット係合部材の背面側に供された湾曲部
124 ランセット係合部材の凹部分
125 ランセット係合部材の突起部
126 ランセット係合部材の可撓性係止部
127 ランセット係合部材の可撓性係止部
128 可撓性係止部に設けられた突起部
129 ランセット係合部材の側部の内側に形成された突起部
130 ランセット
131 ランセットボディ
131a ランセットボディの突状の後端部
131b ランセットボディの主面(上面)上に形成された凸部(突状部)
131c ランセットボディの側部
131d ランセットボディの可撓性ウィング部
131e ランセットボディの背面側に形成された土手部
132 ランセットキャップ
132a ランセットキャップのキャップメイン部分
132b ランセットキャップのキャップメイン部分
133 穿刺部材
133a 穿刺部材の先端部
134 連結部材
200 インジェクター
201 ハウジング
202 サブパーツ
202a サブパーツの一方の端部
202b サブパーツの他方の端部
203 プランジャー
203a プランジャーの先端部
203b プランジャーの突起部
203c プランジャーの突起部
204 ランセットアッセンブリ受容部材
204a ランセットアッセンブリ受容部材の突起
205 トリガーレバー
206 エジェクターメイン部
206a エジェクターメイン部の押出部分
206a 押出部分にある突状部分
206b エジェクターメイン部のエジェクター延在部分
207 エジェクターノブ
208 ファイヤー・スプリング(射出用スプリング)
209 リターン・スプリング
210 アジャスター・リング
211 アジャスター・スプリング
212 インジケーター
213 ダイヤル
214a 拘束部材
214b 拘束部材
215 ピン
215a ピンの一端
215b ピンの他端
216 係止部材
217 エジェクター
217a エジェクターの前端部
218 サブパーツに形成された孔
219 アジャスター(穿刺深さ調節部材)
300 穿刺デバイス
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C