IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理システム 図1
  • 特許-情報処理システム 図2
  • 特許-情報処理システム 図3
  • 特許-情報処理システム 図4
  • 特許-情報処理システム 図5
  • 特許-情報処理システム 図6
  • 特許-情報処理システム 図7
  • 特許-情報処理システム 図8
  • 特許-情報処理システム 図9
  • 特許-情報処理システム 図10
  • 特許-情報処理システム 図11
  • 特許-情報処理システム 図12
  • 特許-情報処理システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240527BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20240527BHJP
   G06N 5/04 20230101ALI20240527BHJP
【FI】
G06Q30/0201
A47L9/28 L
A47L9/28 E
A47L9/28 K
A47L9/28 N
A47L9/28 J
A47L9/28 Z
G06N5/04
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020094075
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189726
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】金山 将也
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】中川 達也
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 正史
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/097589(WO,A1)
【文献】特開2018-049321(JP,A)
【文献】特開2019-036191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A47L 9/28
G06N 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機から送信されたデータを取得する取得部と、
電気掃除機に関する情報が入力されるとユーザの属性の推定結果を出力するように学習されたモデルを用いて、前記取得部により取得された前記データから得られる入力情報に基づき前記電気掃除機のユーザの属性を推定する推定部と、
を備え、
前記入力情報は、前記電気掃除機が有するセンサにより検出された前記電気掃除機のハンドルを把持するグリップ力もしくはグリップ位置に関する情報、前記電気掃除機のヘッドに対する延長管の角度に関する情報、または前記電気掃除機に作用した加速度に関する情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、同居家族の人数を推定する、
報処理システム。
【請求項2】
前記入力情報は、前記センサにより検出された前記電気掃除機のハンドルを把持するグリップ力もしくはグリップ位置に関する情報、前記電気掃除機のヘッドに対する延長管の角度に関する情報、または前記電気掃除機に作用した加速度に関する情報である第1情報と、前記第1情報と関連付けて取得される情報であって、前記電気掃除機が使用された曜日および時間帯に関する第2情報とを含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、前記同居家族の人数を推定するとともに、2名以上の同居家族が存在すると推定される場合、前記2名以上の同居家族の構成員ごとの就業形態に関する属性を推定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記入力情報は、前記電気掃除機の運転時間に関する情報、前記電気掃除機の内部に所定量のゴミが溜まるまでの時間に関する情報、前記電気掃除機の運転終了から運転再開までの時間に関する情報、前記電気掃除機の電源のON/OFF回数に関する情報、前記電気掃除機のヘッドが持ち上げられた回数に関する情報、前記電気掃除機が使用された曜日および時間帯に関する情報、前記電気掃除機と同一のユーザの識別情報と対応付けてサーバに登録されている電気掃除機の台数に関する情報、またはロボットクリーナである前記電気掃除機によって生成された地図に関する情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、前記同居家族に関する属性を推定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記電気掃除機の運転時間に関する情報と、前記電気掃除機の内部に所定量のゴミが溜まるまでの時間に関する情報とに基づき、前記同居家族に関する属性を推定する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記入力情報は、前記電気掃除機により吸引されたゴミの種類に関する情報であって前記電気掃除機が有するカメラの撮像データに基づいて生成されて特定種類のゴミが所定量を超えて存在するか否かを示す情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、子供の有無またはペットの有無に関する属性を推定する、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記入力情報は、前記電気掃除機のヘッドに対する延長管の角度に関する情報、前記電気掃除機のハンドルに対するユーザのグリップ力に関する情報、前記電気掃除機に作用した加速度に関する情報、前記電気掃除機のフィルタ詰まりの回数に関する情報、前記電気掃除機により吸引されたゴミの種類に関する情報であって前記電気掃除機が有するカメラの撮像データに基づいて生成されて特定種類のゴミが所定量を超えて存在するか否かを示す情報、またはキャニスタ型である前記電気掃除機の使用態様に関する情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、性別に関する属性を推定する、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記入力情報は、前記電気掃除機の機種を特定可能な情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、年齢に関する属性を推定する、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記入力情報は、前記電気掃除機が使用された曜日および時間帯に関する情報、またはロボットクリーナである前記電気掃除機が稼働した曜日および時間帯に関する情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、就業形態に関する属性を推定する、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記入力情報は、前記電気掃除機の運転時間に関する情報、コードありタイプである前記電気掃除機の外部電源へのつなぎ直し回数に関する情報、前記電気掃除機に対して着脱された付属品に関する情報、前記電気掃除機のヘッドに設けられたライトの点灯状態に関する情報、前記電気掃除機と同一のユーザの識別情報と対応付けてサーバに登録されている電気掃除機の台数に関する情報、キャニスタ型である前記電気掃除機の本体部の移動に関する情報、キャニスタ型である前記電気掃除機のコードの引出量に関する情報、ロボットクリーナである前記電気掃除機によって生成された地図に関する情報、またはロボットクリーナである前記電気掃除機の落下防止センサの検出結果に関する情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、住居に関する属性を推定する、
請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記入力情報は、前記電気掃除機のブラシモータの負荷状態に関する情報、前記電気掃除機のヘッドに作用する加速度に関する情報、または前記電気掃除機に設けられたゴミセンサの検出結果に関する情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、部屋の床面タイプに関する属性を推定する、 請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記入力情報は、前記電気掃除機で検出された温度に関する情報、または前記電気掃除機が接続された外部電源の周波数に関する情報を含み、
前記推定部は、前記ユーザの属性として、居住地域に関する属性を推定する、
請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信インターフェイスを介して外部の機器から掃除動作部に係るデータを受信し、受信したデータに基づいた制御を実行する電気掃除機が知られている。
【0003】
ところで、製品開発やサービス提供などのためにユーザの属性情報を収集したい場合がある。この場合、ユーザにアンケートやウェブ上での登録などをお願いする必要があり、情報の収集負担が大きい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-000442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの属性情報の収集負担の低減を図ることができる情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理システムは、取得部と、推定部とを持つ。前記取得部は、電気掃除機から送信されたデータを取得する。前記推定部は、電気掃除機に関する情報が入力されるとユーザの属性の推定結果を出力するように学習されたモデルを用いて、前記取得部により取得された前記データから得られる入力情報に基づき前記電気掃除機のユーザの属性を推定する。前記入力情報は、前記電気掃除機が有するセンサにより検出された前記電気掃除機のハンドルを把持するグリップ力もしくはグリップ位置に関する情報、前記電気掃除機のヘッドに対する延長管の角度に関する情報、または前記電気掃除機に作用した加速度に関する情報を含む。前記推定部は、前記ユーザの属性として、同居家族の人数を推定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の情報処理システムの全体構成を示す図。
図2】第1実施形態の電気掃除機の一例を示す斜視図。
図3】第1実施形態の電気掃除機のセンサおよび制御部の構成を示すブロック図。
図4】第1実施形態の電気掃除機から送信されるデータの一部を概念的に示す図。
図5】第1実施形態のサーバの構成を示すブロック図。
図6】第1実施形態のユーザ登録情報の内容の一例を示す図。
図7】第1実施形態の教師なし学習に関係する推定モデルの一例を示す図。
図8】第1実施形態の教師あり学習に関係する推定モデルの一例を示す図。
図9】第1実施形態のユーザ属性情報の内容の一例を示す図。
図10】第1実施形態の電気掃除機における処理の流れを示すフローチャート。
図11】第1実施形態のサーバにおける処理の流れを示すフローチャート。
図12】第2実施形態のサーバの構成を示すブロック図。
図13】第3実施形態のサーバの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の情報処理システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0009】
(第1実施形態)
<1.情報処理システムの全体構成>
図1は、実施形態の情報処理システム(ユーザ情報収集システム)1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、例えば、各家庭に配置された電気掃除機100、サーバ200、および端末装置300を含む。ただし、本明細書で「情報処理システム」とは、電気掃除機100および端末装置300を含まず、サーバ200のみを意味してもよい。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、その他の公衆回線、専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0010】
電気掃除機100は、ユーザUの住居内に配置される。電気掃除機100は、例えば、ユーザUの住居内に配置された無線ルータRおよびネットワークNWを介して、サーバ200と通信可能である。電気掃除機100については、詳しく後述する。
【0011】
サーバ200は、1台以上のサーバ装置SD(例えばクラウドサーバ)で構成される。サーバ200は、「サーバシステム」と称されてもよい。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200については、詳しく後述する。
【0012】
端末装置300は、パーソナルコンピュータなどの機器であり、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能である。端末装置300は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置300aを含む。ただし、端末装置300とサーバ装置SDは、1つの装置で一体に設けられてもよい。
【0013】
<2.電気掃除機>
<2.1 電気掃除機の全体構成>
図2は、電気掃除機100の一例を示す斜視図である。本実施形態の電気掃除機100は、いわゆるスティック型の電気掃除機であり、バッテリ15が内蔵されたコードレスタイプの電気掃除機である。電気掃除機100は、例えば、掃除機本体10、延長管20、およびヘッド(吸込口体)30を備えている。
【0014】
掃除機本体10は、例えば、本体ケース11、ハンドル(把持部)12、集塵装置13、電動送風機14、バッテリ15、回路基板16、および通信モジュール17(図3参照)を有する。
【0015】
本体ケース11は、掃除機本体10の外郭を形成している。本体ケース11は、電動送風機14、バッテリ15、回路基板16、および通信モジュール17などを収容している。本体ケース11は、後述する延長管20の一端が接続される延長管接続部11aを有する。
【0016】
ハンドル12は、本体ケース11の上後端部に設けられている。ハンドル12は、電気掃除機100を用いて床面(被掃除面)を掃除する際に、ユーザUにより把持される部位である。ハンドル12は、ユーザUによって操作される操作ボタン12aを有する。
【0017】
集塵装置13は、本体ケース11に着脱可能に装着されている。集塵装置13は、後述する電動送風機14の働きにより掃除機本体10に吸い込まれた空気中に含まれる塵埃を分離する装置である。例えば、集塵装置13は、分離部13aと、フィルタ13bとを含む遠心分離式の集塵装置である。分離部13aは、吸い込まれた空気に含まれる塵埃を空気から遠心分離(サイクロン分離)する。フィルタ13bは、分離部13aを通過した空気中に僅かに残る塵埃を分離(濾過分離)する。ただし、集塵装置13は、遠心分離式の集塵装置に限らず、紙パックなどを含む濾過式の集塵装置でもよい。
【0018】
電動送風機14は、ファンモータまたはメインモータと呼ばれるモータと、モータにより回転されるインペラとを含み、駆動されることで負圧を発生させる。電動送風機14は、発生させた負圧により後述するヘッド30の吸込口31aから集塵装置13へ含塵空気を吸い込み、集塵装置13で塵埃が分離された空気を電気掃除機100の外部に排気する。
【0019】
バッテリ15は、電動送風機14および後述するブラシモータ34などに電力を供給する電源部である。回路基板16は、配線パターンが設けられたプリント配線板と、プリント配線板に実装された複数の電子部品とを含む。回路基板16は、電気掃除機100の動作を制御する制御部80(図3参照)を実現する。通信モジュール17は、例えば高周波回路とアンテナを含み、ルータRと無線通信可能である。
【0020】
また、掃除機本体10には、ブロアアタッチメント18が着脱自在に取り付けられる。ブロアアタッチメント18は、掃除機本体10の排気風路に接続されるノズルである。ブロアアタッチメント18が取り付けられると、ユーザUは、ブロアアタッチメント18から吹き出される排気を利用して掃除を行うことができる。ブロアアタッチメント18は、「付属品」の一例である。
【0021】
次に、延長管20について説明する。延長管20は、例えば長尺状に形成されており、第1端部20aと、第2端部20bとを有する。延長管20の第1端部20aは、掃除機本体10の延長管接続部11aに気密に接続される。延長管20の第2端部20bは、ヘッド30に気密に接続される。延長管20の内部には、掃除機本体10とヘッド30とを電気的に接続する接続配線が設けられている。
【0022】
次に、ヘッド30について説明する。ヘッド30は、床面に沿って移動される部分である。ヘッド30は、例えば、ヘッドケース31、接続管32、回転ブラシ33、ブラシモータ34、およびライト35を有する。
【0023】
ヘッドケース31は、横長、すなわち左右方向に長手状に形成されている。ヘッドケース31は、ブラシモータ34を収容している。ヘッドケース31は、床面に対向する下部に、吸込口31aを有する。吸込口31aは、電動送風機14が駆動されることで、床面の塵埃を吸い込む開口部である。
【0024】
接続管32は、ヘッドケース31と延長管20の第2端部20bとを気密に接続する部分であり、ヘッドケース31に回動可能に接続されている。接続管32によりヘッドケース31と延長管20とが接続されることで、ヘッドケース31の吸込口31aから延長管20を経由して掃除機本体10に至る風路が形成される。
【0025】
回転ブラシ33は、吸込口31aに設けられ、床面に沿って配置されている。回転ブラシ33は、ヘッドケース31に対して回動可能に設けられている。回転ブラシ33は、床面から塵埃を浮かせるまたは絨毯などの毛先を立たせるなどの働きをする。ブラシモータ34は、不図示の回転駆動機構を介して回転ブラシ33に接続され、回転ブラシ33を駆動する(回転させる)。ライト35は、ヘッドケース31に設けられ、ヘッド30が薄暗いところ(ベッドやソファの下または家具の隙間など)に挿入された場合、後述する照度センサ65の検出結果に基づき点灯される。
【0026】
ここで、延長管20の第2端部20bには、ヘッド30に代えて、種々の付属品36が着脱自在に取り付け可能である。付属品36は、例えば、隙間ノズル36A、丸ブラシ36A、または布団掃除用のヘッド36Cなどである。これら付属品36は、延長管20に代えて、本体ケース11の延長管接続部11aに着脱自在に取り付け可能であってもよい。
【0027】
<2.2 電気掃除機のセンサ群および制御部の構成>
図3は、電気掃除機100のセンサ群および制御部80の構成を示すブロック図である。電気掃除機100は、例えば、電動送風機電流検出部41、電源検出部42、バッテリ残量検出部43、バッテリ温度センサ44、本体加速度センサ45、本体ジャイロセンサ46、グリップ力検出部47、ゴミセンサ48、カメラ49、集塵装置検出スイッチ50、ブロアアタッチメント検出スイッチ51、ブラシモータ電流検出部61、エンコーダ62、ヘッド加速度センサ63、ヘッドジャイロセンサ64、照度センサ65、延長管角度センサ66、および付属品検出スイッチ67を有する。以下、これらを纏めて「センサ群SU」と称する場合がある。ただし、電気掃除機100は、これらセンサやスイッチなどを全て備える必要はない。
【0028】
電動送風機電流検出部41は、シャント抵抗などを含み、バッテリ15から電動送風機14のモータに流れる電流の電流値を検出する。電動送風機14のモータに流れる電流の電流値は、電動送風機14の負荷に比例する。例えば、フィルタ13bが目詰まりし、電動送風機14の負荷が大きくなると、電動送風機電流検出部41により検出される電流値が大きくなる。このため、電動送風機電流検出部41は、電動送風機14の負荷(例えばフィルタ13bの詰まり)を検出する検出部とも言える。また別の観点では、ヘッド30が床面から浮かされ、電動送風機14の負荷が小さくなると、電動送風機電流検出部41により検出される電流値が小さくなる。このため、電動送風機電流検出部41は、床面に対するヘッド30の状態(例えばヘッド30の上げ下げ)を検出する検出部とも言える。
【0029】
電源検出部42は、充電のために電気掃除機100が外部の商用電源(例えば家庭用のコンセント)に接続された場合、商用電源に接続されたこと、および商用電源の交流周波数が50Hzであるか、60Hzであるかを検出する。
【0030】
バッテリ残量検出部43は、バッテリ15の電圧に基づき、バッテリ15の残容量を検出する。バッテリ温度センサ44は、バッテリ15に隣接して設けられ、バッテリ15の温度を検出する。バッテリ15の温度は、電気掃除機100の運転開始直後では電気掃除機100の周囲環境の温度(室温)とほぼ同じである。このため、バッテリ温度センサ44は、ユーザUの住居の室温を検出する検出部とも言える。なお、電気掃除機100は、バッテリ温度センサ44とは別に、室温を検出する専用のセンサを有してもよい。
【0031】
本体加速度センサ45は、掃除機本体10に設けられ、掃除機本体10の加速度を検出する。本体ジャイロセンサ46は、掃除機本体10に設けられ、掃除機本体10の角速度を検出する。
【0032】
グリップ力検出部47は、ハンドル12に設けられた感圧センサを含み、ハンドル12を把持するユーザの力(グリップ力)および/またはハンドル12のなかでユーザUが把持する位置(グリップ位置)を検出する。ここで一般的に、男性のグリップ力が女性のグリップ力よりも大きい場合が多い。また、グリップ位置は、ユーザUによって異なる癖が表れる要素である。
【0033】
ゴミセンサ48は、例えば掃除機本体10の吸気風路に設けられている。ゴミセンサ48は、例えば吸気風路の左右の内側面に分かれて配置された発光部と受光部とを有し、発光部から受光部に向かう光が吸気風路を通過するゴミによって遮られることで、吸い込まれたゴミを検出する。例えば、ゴミセンサ48は、発光部から受光部に向かう光が遮られている間、ゴミを吸っていると判定する。一方で、ゴミセンサ48は、発光部から受光部に向かう光が遮られていない間、ゴミを吸っていないと判定する。ゴミセンサ48(または、電気掃除機100の制御部80、或いは後述するサーバ200の情報変換部202)は、ゴミを吸っている時間とゴミを吸っていない時間との比(言い換えると、動作時間中におけるゴミを吸っている時間)に基づいて、吸ったゴミの量を測定する。
【0034】
カメラ49は、例えば、掃除機本体10の集塵装置13に設けられ、集塵装置13の内部に溜まったゴミを撮像する。これに代えて、カメラ49は、ヘッド30に設けられ、ヘッド30の前方に存在するゴミ(例えば、ヘッド30により吸い込む直前のゴミ)を撮像してもよい。または、カメラ49は、掃除機本体10の吸気風路に設けられ、電気掃除機100によって吸い込まれたゴミを撮影してもよい。カメラ49は、ゴミの種類を検出する検出部である。なお、「カメラ49がゴミの種類を検出する」とは、例えば、カメラ49によって撮像された撮像データに対して電気掃除機100の制御部80、または後述するサーバ200の情報変換部202による画像認識(例えば、パターンマッチングまたはニューラルネットワークを用いた画像認識)が行われ、ゴミの種類が判定されることを意味する。
【0035】
集塵装置検出スイッチ50は、集塵装置13に隣接する位置に設けられ、掃除機本体10に対する集塵装置13の着脱状態を検出する。ブロアアタッチメント検出スイッチ51は、掃除機本体10にブロアアタッチメント18が取り付けられた場合にブロアアタッチメント18に隣接する位置に設けられ、掃除機本体10に対するブロアアタッチメント18の取り付け状態を検出する。
【0036】
ブラシモータ電流検出部61は、シャント抵抗などを含み、バッテリ15からブラシモータ34に流れる電流の電流値を検出する。ブラシモータ34に流れる電流の電流値は、ブラシモータ34の負荷に比例する。例えば、床面が絨毯であり、電動送風機14の負荷が大きくなると、ブラシモータ34により検出される電流値が大きくなる。このため、ブラシモータ電流検出部61は、床面タイプ(フローリング/カーペット/絨毯など)を検出する検出部とも言える。
【0037】
エンコーダ62は、回転ブラシ33(またはブラシモータ34)に設けられ、回転ブラシ33(またはブラシモータ34)の回転数を検出する。例えば床面が絨毯であり、回転ブラシ33の回転数が落ちると、エンコーダ62により検出される回転数が小さくなる。このため、エンコーダ62は、床面タイプ(フローリング/カーペット/絨毯など)を検出する検出部とも言える。なお、床面タイプを検出する検出部は、ブラシモータ電流検出部61またはエンコーダ62に代えて/加えて、床面に光を照射し、その反射光の特性で床面タイプを検出する検出部でもよい。
【0038】
ヘッド加速度センサ63は、ヘッド30に設けられ、ヘッド30の加速度を検出する。ヘッドジャイロセンサ64は、ヘッド30に設けられ、ヘッド30の角速度を検出する。
【0039】
照度センサ65は、ヘッド30に設けられ、ヘッド30が薄暗いところ(ベッドやソファの下または家具の隙間など)に挿入された場合、照度が所定量以下であることを検出する。照度センサ65により照度が所定量以下であることを検出された場合、後述する制御部80は、ライト35を点灯させ、薄暗いところを照らす。
【0040】
延長管角度センサ66は、ヘッド30の接続管32に設けられ、ヘッド30に対する延長管20の角度(図2中の角度α)を検出する。例えば、電気掃除機100を使用するユーザの身長が高い場合、ヘッド30に対する延長管20の角度が大きくなる。一方で、電気掃除機100を使用するユーザの身長が低い場合、ヘッド30に対する延長管20の角度が小さくなる。このため、延長管角度センサ66は、ユーザの身長を検出する検出部とも言える。ここで一般的に、男性の身長が女性の身長よりも高い場合が多い。
【0041】
付属品検出スイッチ67は、延長管20の第2端部20b、および/または掃除機本体10の延長管接続部11aに設けられ、延長管20の第2端部20bまたは掃除機本体10の延長管接続部11aに対する付属品36の装着状態を検出する。さらに、後述する制御部80は、付属品検出スイッチ67により物体の装着が検出されている状態で、当該物体に対する通電状態を検出する。そして、制御部80は、装着された物体が通電した場合、物体がヘッド30であると判定する。一方で、制御部80は、装着された物体が通電しない場合、物体が付属品36であると判定する。以下の説明で「付属品検出スイッチ67の検出結果」とは、上述した制御部80による通電状態の検出結果を含む意味で用いる。さらに、付属品検出スイッチ67は、付属品36の種別(隙間ノズル36A、丸ブラシ36B、または布団掃除用のヘッド36C)を検出可能であってもよい。
【0042】
次に、制御部80について説明する。制御部80は、例えば、操作受付部81、モータ制御部82、情報記録部83、および情報出力部84を含む。これら機能部は、電気掃除機100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のようなハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、これら機能部の全部または一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0043】
さらに、制御部80は、記憶部85を含む。記憶部85は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。記憶部85には、識別情報I1と、状態情報I2とが記憶される。
【0044】
操作受付部81は、電気掃除機100の操作ボタン12aに対するユーザUの操作に基づき、電気掃除機100に対するユーザUの操作を受け付ける。操作受付部81により受け付けられるユーザUの操作は、例えば、電気掃除機100の電源のON/OFF、電動送風機14の運転モード(弱/強/自動など)、および回転ブラシ33の回転のON/OFFなどである。
【0045】
モータ制御部82は、操作受付部81により受け付けられたユーザUの操作に基づき、バッテリ15から電動送風機14に電力を供給し、電動送風機14を駆動する。同様に、モータ制御部82は、操作受付部81により受け付けられたユーザUの操作に基づき、バッテリ15からブラシモータ34に電力を供給し、ブラシモータ34を駆動する。
【0046】
情報記録部83は、例えばモータ制御部82から出力される制御指令および不図示のタイマを参照し、電気掃除機100の運転状態と日時情報とを対応付けて、記憶部85の状態情報I2に追加する。「電気掃除機100の運転状態」は、例えば、電気掃除機100の電源のON/OFFの状態、および電動送風機14の運転モードなどを含む。日時情報は、曜日および時刻を示す情報を含む。さらに、情報記録部83は、センサ群SUの検出結果と日時情報とを対応付けて、記憶部85の状態情報I2に追加する。センサ群SUの検出結果は、上述した各種センサやスイッチの検出結果である。これら情報は、生データが記録されてもよいし、必要な演算(加工)が行われた状態で記録されてもよい。
【0047】
情報出力部84は、通信モジュール17を介して、記憶部85に記憶された状態情報I2をサーバ200に送信する。情報出力部84は、例えば所定の周期で、状態情報I2をサーバ200に送信する。このとき、情報出力部84は、状態情報I2と、記憶部85に記憶された識別情報I1とを紐付けてサーバ200に送信する。識別情報I1は、電気掃除機100を識別するために各電気掃除機100に付与された機器IDである。状態情報I2および識別情報I1は、電気掃除機100からサーバ200に送信されるデータの一例である。以下では、状態情報I2および識別情報I1を纏めて「データD」と称する。
【0048】
なお上記構成に代えて、情報記録部83が省略され、情報出力部84は、電気掃除機100の運転状態およびセンサ群SUの検出結果を、リアルタイムでサーバ200に送信してもよい。この場合、電気掃除機100の運転状態およびセンサ群SUの検出結果と、日時情報との対応付けは、サーバ200で行われてもよい。
【0049】
図4は、電気掃除機100から送信されるデータDの一部を概念的に示す図である。図4は、会社員の夫と専業主婦の妻の2人暮らしの家庭で得られるデータDの例を示す。なお図中の「電気掃除機の運転時間」は、本実施形態では実際にはサーバ200で算出される指標であるが、イメージを伝えやすくするため、ここでは図4に含めて示す。
【0050】
図4に示すデータDでは、平日である月曜午後、水曜午後、金曜午後、および休日である日曜午前に掃除が行われていることが分かる。また、月曜午後、水曜午後、および金曜午後に掃除を行ったユーザの身長よりも日曜午前に掃除を行ったユーザの身長が高く、月曜午後、水曜午後、および金曜午後に掃除を行ったユーザのグリップ力よりも日曜午前に掃除を行ったユーザのグリップ力が大きいことが分かる。これらの情報を分析することで、例えば、少なくとも2人の家族構成員がおり、それら家族構成員は男性と女性を含み、土日が休みの男性と、非就業者またはパートタイムである女性が存在する可能性が高いことが推定可能である。
【0051】
<3.サーバ>
図5は、サーバ200の構成を示すブロック図である。サーバ200は、例えば、情報取得部201、情報変換部202、学習部203、ユーザ属性推定部204、情報記録部205、および情報出力部206を含む。これら機能部は、サーバ200が有するCPUのようなハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、これら機能部の全部または一部は、ASIC、PLD、またはFPGAなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0052】
さらに、サーバ200は、記憶部207を有する。記憶部207は、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。記憶部207には、蓄積情報I11、ユーザ登録情報I12、推定モデル(学習モデル)M、およびユーザ属性情報I13が記憶される。
【0053】
情報取得部201は、電気掃除機100から送信されたデータDを取得する(受け取る)。なお、推定モデルMの学習が行われる場合には、情報取得部201は、複数の家庭でそれぞれ使用される複数の電気掃除機100からデータDを収集する。情報取得部201は、取得したデータDを蓄積情報I11として記憶部207に蓄積する。情報取得部201は、例えば各電気掃除機100について、所定期間(例えば3ヶ月)に亘りデータDを蓄積する。情報取得部201は、「取得部」の一例である。
【0054】
情報変換部202は、各電気掃除機100のデータDが蓄積された蓄積情報I11に基づき、後述する推定モデルMに入力する入力情報を生成する。推定モデルMは、ユーザUの属性(同居家族の種別(例えば同居家族の規模)、子供の有無、ペットの有無、性別、年齢、就業形態、婚姻の有無、住居タイプ(例えば住居の広さ)、部屋の床面タイプ、居住地域など)を推定するモデルである。
【0055】
(a.同居家族に関する属性を推定するための入力情報)
情報変換部202は、例えば、同居家族に関する属性を推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「同居家族推定用入力情報」と称する)として、電気掃除機100の運転時間に関する情報、電気掃除機100の内部に所定量のゴミが溜まるまでの時間に関する情報、電気掃除機100の運転終了から運転再開までの時間に関する情報、電気掃除機100の電源のON/OFF回数に関する情報、電気掃除機100のヘッド30が持ち上げられた回数に関する情報、電気掃除機100が使用された曜日および時間帯に関する情報、電気掃除機100のヘッド30に対する延長管20の角度に関する情報、電気掃除機100のハンドル12に対するユーザUのグリップ力あるいはグリップ位置に関する情報、および同一住居内にある電気掃除機100の台数に関する情報のうち1つ以上を、蓄積情報I11に基づき生成する。なお、同居家族の人数は、電気掃除機100を使用するユーザUの人数(使用人数)と見做すこともできる。
【0056】
「運転時間に関する情報」は、1回当たりの掃除における電気掃除機100の運転時間の平均値あるいは最大値、または上記所定期間(例えば3ヶ月)における電気掃除機100の運転時間の累計値などである。「1回当たりの掃除」とは、電気掃除機100の電源がOFFにされた場合でも、次に電源がONにされるまでの時間が所定時間以内(例えば10分以内)であれば、それら運転は同じ1回の掃除として計算される。「運転時間」とは、電気掃除機100の電源がONにされていた時間(すなわち電動送風機14が回転していた時間)である。上述した平均値、最大値、または累計値は、例えば、データDに含まれる「電気掃除機の運転状態」および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、同居家族の人数が多いほど、広い住宅や部屋数が多い住宅に住んでいることが多い。そして、上述した平均値、最大値、または累計値は、住居が広いほど、および/または部屋数が多いほど、大きくなる傾向にある。
【0057】
「所定量のゴミが溜まるまでの時間に関する情報」は、集塵装置検出スイッチ50によってある時に集塵装置13の取り外しが検出されてから、次に同じ取り外しが検出されるまでの時間間隔(図4中のT1参照)の平均値、またはある時点(例えば集塵装置検出スイッチ50によって集塵装置13の取り外しが検出された時点)からゴミセンサ48によって検出されたゴミが所定量に達するまでの時間の平均値などである。これら平均値は、例えば、データDに含まれる集塵装置検出スイッチ50の検出結果、ゴミセンサ48の検出結果、および日時情報などに基づいて算出される。掃除機本体10から集塵装置13が取り外される行為は、集塵装置13内にゴミが溜まり、溜まったゴミがユーザUによって捨てられた時点と見做すことができる。ここで一般的に、同居家族の人数が多いほど、ゴミの発生量が多くなる。そして、上述した平均値は、ゴミの発生量が多いほど、短くなる。
【0058】
「運転終了から運転再開までの時間に関する情報」とは、ある回の掃除が終了してから次回の掃除が開始されるまでの時間間隔(図4中のT2参照)の平均値などである。この平均値は、例えば、データDに含まれる「電気掃除機の運転状態」および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、同居家族の人数が多いほど、ゴミの発生量が多くなり、掃除の頻度が増加する。また同居家族の人数が多いほど、各同居者の所望のタイミングで掃除が行われることも増え、掃除の頻度が増加する。そして、上述した平均値は、掃除の頻度が増加するほど、短くなる。「運転終了から運転再開までの時間に関する情報」は、1回の掃除時間が短い傾向のユーザUがいることや、1回の掃除時間が長い傾向のユーザUがいることを推定する情報となり得る。言い換えると、「運転終了から運転再開までの時間に関する情報」は、電気掃除機100の使用人数の推定に有用な情報である。
【0059】
「電源のON/OFF回数に関する情報」とは、1回当たりの掃除における電気掃除機100の電源のON/OFF回数の平均値あるいは最大値、または上記所定期間(例えば3ヶ月)における電気掃除機100の電源のON/OFF回数の累計値などである。これら平均値、最大値、または累計値は、例えば、データDに含まれる「電気掃除機の運転状態」および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、同居家族の人数が多いほど、家具などが多く、部屋数も多いため、電気掃除機100の電源のON/OFF回数が多くなる。「電源のON/OFF回数に関する情報」は、1回の掃除時間が短い傾向のユーザUがいることや、1回の掃除時間が長い傾向のユーザUがいること(または、電源をこまめに停止させるユーザUがいることや、電源をあまり停止させないユーザUがいること)を推定する情報となり得る。言い換えると、「電源のON/OFF回数に関する情報」は、電気掃除機100の使用人数の推定に有用な情報である。
【0060】
「ヘッドが持ち上げられた回数」とは、1回当たりの掃除におけるヘッド30が持ち上げられた回数の平均値あるいは最大値、または上記所定期間(例えば3ヶ月)におけるヘッド30が持ち上げられた回数の累計値などである。これら平均値、最大値、または累計値は、例えば、データDに含まれる電動送風機電流検出部41の検出結果、ヘッド加速度センサ63の検出結果、ヘッドジャイロセンサ64の検出結果、および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、同居家族の人数が多いほど、家具などが多く、部屋数も多く、階段を含む住居タイプである場合も多いため、ヘッド30が持ち上げられた回数が多くなる。
【0061】
「使用された曜日および時間帯に関する情報」とは、例えば、電気掃除機100が使用された曜日が月曜から金曜であるか、または土曜・日曜・祝日であるかを示す情報や、電気掃除機100が使用された時間帯が午前/昼間/夜間のいずれであるかを示す情報などである。なお本明細書で「時間帯に関する情報」とは、時刻そのものを示す情報でもよい。これら情報は、例えば、データDに含まれる「電気掃除機の運転状態」および日時情報などに基づいて導出される。ここで一般的に、同居家族の人数が多いほど、専業主婦や非就業の高齢者、学生が含まれることが多くなる。専業主婦や非就業の高齢者、学生がいる場合、平日の午前や昼間に掃除が行われる機会が多くなる。言い換えると、電気掃除機100が使用される曜日および時間帯は、ユーザUが家事専業である場合、共働きである場合、または一人暮らしである場合などで異なる傾向を持つ。すなわち、「使用された曜日および時間帯に関する情報」は、電気掃除機100の使用人数の推定に有用な情報である。
【0062】
「ヘッドに対する延長管の角度に関する情報」とは、例えば、ある回の掃除におけるヘッド30に対する延長管20の角度の平均値と、別の回の掃除におけるヘッド30に対する延長管20の角度の平均値とが所定量を超えて異なっているか否かを示す情報である。この情報は、例えば、データDに含まれる延長管角度センサ66の検出結果および日時情報などに基づいて導出される。ここで一般的に、同居家族の人数が2人以上であれば、男性と女性が含まれる可能性が高い。そして、同居家族に男性と女性が含まれる場合、ヘッド30に対する延長管20の角度が所定量を超えて異なる場合がある。すなわち、「ヘッドに対する延長管の角度に関する情報」は、電気掃除機100の使用人数の推定に有用な情報である。
【0063】
「ハンドルに対するユーザのグリップ力に関する情報」とは、例えば、ある回の掃除におけるユーザのグリップ力の平均値(またはグリップ位置)と、別の回の掃除におけるユーザのグリップ力の平均値(またはグリップ位置)とが所定量を超えて異なっているか否かを示す情報である。この情報は、例えば、データDに含まれるグリップ力検出部47の検出結果および日時情報などに基づいて導出される。ここで一般的に、同居家族の人数が2人以上であれば、同居家族に男性と女性が含まれる可能性が高い。そして、同居家族に男性と女性が含まれる場合、ユーザのグリップ力が所定量を超えて異なる場合がある。また、同居家族の人数が2人以上であれば、異なるグリップ位置でハンドル12を把持するユーザが存在する可能性が高くなる。すなわち、「ハンドルに対するユーザのグリップ力に関する情報」は、電気掃除機100の使用人数の推定に有用な情報である。
【0064】
「同一住居内にある電気掃除機の台数に関する情報」とは、例えば、ユーザUの住居に2台以上の電気掃除機100があるか否かを示す情報である。この情報は、例えば、データDに含まれる電気掃除機100の識別情報I1(機器ID)と、記憶部207に記憶されたユーザ登録情報I12とに基づいて導出される。ここで一般的に、電気掃除機100が2台以上であれば、電気掃除機100の種別(スティック型/キャニスタ型/ロボットクリーナのような種別、または吸引力重視型/軽さ重視型のような種別など)に対する好みが複数の同居人で異なる可能性が高い。言い換えると、2台以上の電気掃除機100が存在する場合、同居家族の人数が2人以上である可能性が高くなる。すなわち、「同一住居内にある電気掃除機の台数に関する情報」は、電気掃除機100の使用人数の推定に有用な情報である。
【0065】
ここで、上述した同居家族の人数(または電気掃除機100の使用人数)は、ユーザUの世帯構成を示す属性である。さらに言えば、上述した同居家族の人数(または電気掃除機100の使用人数)と、後述する子供の有無、および/または年齢に関する属性を加えることで、より詳細な世帯構成を示す属性を推定することができる。
【0066】
例えば、電気掃除機100のユーザUが1人であると推定された場合、そのユーザUの世帯構成は単独世帯(単身世帯)と考えることができる。例えば、同居家族の人数が2人であり、かつ年代が同世代であると推定された場合、そのユーザUの世帯構成は夫婦のみの世帯であると考えることができる。
【0067】
例えば、同居家族の人数が複数人であり、その中に子供と大人が含まれると推定された場合、そのユーザUの世帯構成は親と子の世帯(2世代世帯、子育て世代)であると考えることができる。この場合、子供の有無を推定するために、後述する「子供等推定用入力情報」、「年齢推定用入力情報」、「就業形態推定用入力情報」などの情報が「同居家族推定用入力情報」に含められてもよい。
【0068】
例えば、大人の中に、子育て世代の大人と、老齢の大人が含まれると推定された場合、そのユーザUの世帯構成は3世代世帯であると考えることができる。この場合、大人の年代を推定するために、後述する「子供等推定用入力情報」、「年齢推定用入力情報」、「就業形態推定用入力情報」などの情報が「同居家族推定用入力情報」に含められてもよい。
【0069】
図6は、ユーザ登録情報I12の内容の一例を示す図である。ユーザ登録情報I12では、ユーザIDと、電気掃除機100の機器IDと、電気掃除機100の機種情報と、電気掃除機100の機種種別とが対応付けられて登録されている。ユーザ登録情報I12は、例えば、製品購入時にユーザに登録してもらうことで得られる。情報変換部202は、電気掃除機100から受信したデータDに含まれる識別情報I1(機器ID)に基づき、ユーザIDを参照することで、同一のユーザIDと対応付けられて登録されている電気掃除機100の台数を示す情報を取得する。
【0070】
(b.子供の有無、ペットの有無を推定するための入力情報)
図5に戻り説明を続ける。情報変換部202は、例えば、ユーザUの子供の有無および/またはペットの有無を推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「子供等推定用入力情報」)として、電気掃除機100により吸引されたゴミの種類に関する情報を蓄積情報I11に基づき生成する。例えば、情報変換部202は、カメラ49によって撮像された撮像データに対してパターンマッチングまたはニューラルネットワークなどを用いた画像認識を行うことにより、ゴミの種類に関する情報を生成する。「ゴミの種類に関する情報」は、特定種類のゴミが所定量を超えて存在するか否かを示す情報である。ここで一般的に、同居家族に子供がいる場合、皮脂を含むゴミが多くなる。また、ペットがいる場合、ペットの抜け毛を含むゴミが多くなる。「皮脂を含むゴミ」および/または「ペットの抜け毛」は、上記特定種類のゴミの例である。
【0071】
(c.性別を推定するための入力情報)
情報変換部202は、例えば、ユーザUの性別を推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「性別推定用入力情報」と称する)として、電気掃除機100のヘッド30に対する延長管20の角度に関する情報、電気掃除機100のハンドル12に対するユーザUのグリップ力に関する情報、電気掃除機100に作用した加速度に関する情報、電気掃除機100のフィルタ詰まりの回数に関する情報、および電気掃除機100により吸引されたゴミの種類に関する情報のうち1つ以上を、蓄積情報I11に基づき生成する。なお、「ヘッドに対する延長管の角度に関する情報」、「ハンドルに対するユーザのグリップ力に関する情報」、および「吸引されたゴミの種類に関する情報」は、上述したとおりである。ここで一般的に、ユーザUが女性の場合、ゴミに長い髪の毛が含まれる場合が多くなる。
【0072】
「加速度に関する情報」は、上記所定期間(例えば3ヶ月)に掃除機本体10に作用した加速度の平均値または最大値などである。これら平均値および最大値は、例えば、データDに含まれる本体加速度センサ45の検出結果に基づき算出される。ここで一般的に、ユーザUが男性である場合、ユーザUが女性である場合と比べて、掃除機本体10に作用する加速度が高くなる。
【0073】
「フィルタ詰まりの回数に関する情報」は、上記所定期間(例えば3ヶ月)において、ある時点(例えば例えば集塵装置検出スイッチ50によって集塵装置13の取り外しが検出された時点)から電動送風機14の負荷が所定以上に達し、ユーザUに対してフィルタ詰まりが報知(例えば制御部80の制御により不図示の報知ランプが点灯)された回数などである。この回数は、例えば、データDに含まれる電動送風機電流検出部41の検出結果および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、ユーザUが女性である場合、ユーザUが男性である場合と比べて、ゴミに長い髪の毛が含まれる場合が多くなり、フィルタ詰まりの回数が多くなる。
【0074】
(d.年齢を推定するための入力情報)
情報変換部202は、例えば、ユーザUの年齢を推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「年齢推定用入力情報」と称する)として、電気掃除機100の機種を示す情報を、蓄積情報I11に基づき導出する。この情報は、例えば、データDに含まれる電気掃除機100の識別情報I1(機器ID)と、記憶部207に記憶されたユーザ登録情報I12とに基づいて導出される。ここで一般的に、高齢者は吸引力重視の機種よりも軽さ重視の機種を好む傾向にある。また、高齢者は、スティック型よりもキャニスタ型を好む傾向にある。また、高齢者は、集塵方式として遠心分離式よりも濾過式(紙パック式)を好む傾向にある。また、20代/30代/40代など各年代で人気機種が異なる場合がある。電気掃除機100の機種を示す情報は、「機種を特定可能な情報」の一例である。
【0075】
(e.就業形態を推定するための入力情報)
情報変換部202は、例えば、ユーザUの就業形態(フルタイム/パートタイム/非就業)を推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「就業形態推定用入力情報」と称する)として、電気掃除機100が使用された曜日および時間帯に関する情報を、蓄積情報I11に基づき生成する。「使用された曜日および時間帯に関する情報」は、上述したとおりである。
【0076】
(f.住居タイプを推定するための入力情報)
情報変換部202は、例えば、ユーザUの住居タイプを推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「住居タイプ推定用入力情報」と称する)として、電気掃除機100の運転時間に関する情報、コードありタイプである電気掃除機100の外部電源(商用電源)へのつなぎ直し回数に関する情報、電気掃除機100で着脱された付属品に関する情報、電気掃除機100のヘッドに設けられたライトの点灯状態に関する情報、および同一住居内にある電気掃除機100の台数に関する情報のうち1つ以上を、蓄積情報I11に基づき生成する。「運転時間に関する情報」および「同一住居内にある電気掃除機の台数に関する情報」は、上述したとおりである。ここで一般的に、電気掃除機100が2台以上である場合、住居が広く、部屋数も多い可能性が高い。
【0077】
「外部電源へのつなぎ直し回数に関する情報」は、1回当たりの掃除における外部電源へのつなぎ直し回数の平均値あるいは最大値、または上記所定期間(例えば3ヶ月)におけるつなぎ直し回数の累計値などである。「外部電源へのつなぎ直し回数」とは、例えば家庭用コンセントに対して電気掃除機100のプラグが挿抜された回数である。この回数は、例えば、データDに含まれる電源検出部42の検出結果および日時情報などに基づき算出される。ここで一般的に、部屋が広いほど、また部屋数が多いほど、上記つなぎ直し回数が多くなる。
【0078】
「着脱された付属品に関する情報」は、上記所定期間(例えば3ヶ月)において、付属品36またはブロアアタッチメント18の装着の回数を示す情報などである。付属品36またはブロアアタッチメント18の装着は、例えば、データDに含まれる付属品検出スイッチ67の検出結果、ブロアアタッチメント検出スイッチ51の検出結果、および日時情報などに基づき導出される。ここで一般的に、住居が大きいほど、付属品36やブロアアタッチメント18を用いて掃除を行う箇所が増えることが多い。
【0079】
「ライトの点灯状態に関する情報」は、掃除1回あたりにおけるライト35の点灯回数の平均値あるいは最大値、または上記所定期間(例えば3ヶ月)におけるライト35の点灯回数の累計値などである。これら平均値、最大値、または累計値は、例えば、データDに含まれる照度センサ65の検出結果および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、住居が広いほど、家具なども多くなり、ライト35の点灯が必要な薄暗い掃除箇所が増えることが多い。
【0080】
(g.床面タイプを推定するための入力情報)
情報変換部202は、例えば、部屋の床面タイプを推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「床面タイプ推定用入力情報」と称する)として、電気掃除機100のブラシモータ34の負荷状態に関する情報、電気掃除機100のヘッド30に作用する加速度に関する情報、およびゴミセンサ48の検出結果に関する情報のうち1つ以上を、蓄積情報I11に基づき生成する。
【0081】
「ブラシモータの負荷状態に関する情報」は、ブラシモータ34の負荷状態の時間変化を示す情報などである。この情報は、例えば、データDに含まれるブラシモータ電流検出部61の検出結果および日時情報などに基づき導出される。ここで一般的に、ブラシモータ34に作用する負荷は、絨毯、カーペット、フローリングのなかでは、絨毯が最も高く、次にカーペットが高く、フローリングが最も低い。
【0082】
「ヘッドに作用する加速度に関する情報」は、ヘッド30に作用する加速度の時間変化を示す情報などである。この情報は、例えば、データDに含まれるヘッド加速度センサ63の検出結果および日時情報などに基づき導出される。ここで一般的に、ヘッド30に対する抵抗は、絨毯、カーペット、フローリングのなかでは、絨毯が最も高く、次にカーペットが高く、フローリングが最も低い。このため、フローリングではヘッド30がスムーズに移動し、ヘッド30の加速度は大きくなりやすい。一方で、絨毯ではヘッド30がスムーズに移動しにくく、ヘッド30の加速度は小さくなりやすい。
【0083】
「ゴミセンサの検出結果に関する情報」は、例えば、ゴミセンサ48によってゴミが検出された時刻を時系列で示す情報などである。この情報は、例えば、データDに含まれるゴミセンサ48の検出結果および日時情報などに基づき導出される。ここで一般的に、絨毯はまんべんなくゴミが取れる一方で、フローリングでは部屋の隅にゴミが集中しやすい。このため、フローリングの掃除においては、ゴミがあまり取れない時間と、ゴミが集中的に取れる時間とがゴミセンサ48の検出結果に表れる。
【0084】
(h.居住地域を推定するための入力情報)
情報変換部202は、例えば、ユーザUの居住地域を推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「居住地域推定用入力情報」と称する)として、電気掃除機100で検出された温度に関する情報、および電気掃除機100が接続された外部電源の周波数に関する情報のうち1つ以上を、蓄積情報I11に基づき導出する。
【0085】
「温度に関する情報」は、1回当たりの掃除において電気掃除機100の運転開始直後のバッテリ15の温度を示す情報などである。この情報は、例えば、データDに含まれるバッテリ温度センサ44の検出結果および日時情報などに基づき導出される。上述したように、電気掃除機100の運転開始直後のバッテリ15の温度は、室温とほぼ同じと見做すことができる。ここで、サーバ200は、気象庁のサーバから各地の気温情報を取得し、取得した各地の気温情報とバッテリ温度センサ44の検出結果との比較結果を居住地域推定用入力情報としてもよい。このような構成によれば、各地の気温と室温との比較情報に基づき、ユーザUの住居が存在する地域を推定することができる。
【0086】
「外部電源の周波数に関する情報」は、電気掃除機100が接続された外部電源の交流周波数が50Hzであるか60Hzであるかを示す情報などである。この情報は、例えば、データDに含まれる電源検出部42の検出結果に基づき導出される。ここで、東日本での商用電源の周波数は50Hzであり、西日本での商用電源の周波数は60Hzである。
【0087】
次に、学習部203について説明する。学習部203は、上述した各種入力情報に基づき、推定モデルMを機械学習により生成する。推定モデルMは、電気掃除機100に関する情報が入力されると、電気掃除機100のユーザUの属性の推定結果を出力するように学習される。
【0088】
本実施形態では、学習部203は、ユーザUの属性を推定するための推定モデルMとして、同居家族に関する属性(例えば同居家族の規模または世帯構成)を推定する推定モデルMA、子供の有無またはペットの有無に関する属性を推定する推定モデルMB、性別に関する属性を推定する推定モデルMC、年齢に関する属性を推定する推定モデルMD、就業形態に関する属性を推定する推定モデルME、住居に関する属性(例えば住居タイプ)を推定する推定モデルMF、部屋の床面タイプに関する属性を推定する推定モデルMG、および居住地域に関する属性を推定する推定モデルMHを生成する。本明細書で「学習」とは、教師なし学習または教師あり学習のいずれを意味してもよい。以下では、教師なし学習により推定モデルMが生成される例と、教師あり学習により推定モデルMが生成される例をそれぞれ説明する。推定モデルMは、ニューラルネットワークに限定されず、数式と閾値によるモデルでもよい。
【0089】
まず、教師なし学習について説明する。例えば、学習部203は、上述した各種入力情報に基づいたクラスタリングにより、推定モデルMを生成する。クラスタリングの手法は、例えばK-means法であるが、別の手法が用いられてもよい。
【0090】
図7は、教師なし学習で得られる推定モデルMの一例を示す図である。詳しく述べると、図7は、ユーザUの同居家族に関する属性を推定するための推定モデルMAの一例である。図7に示す例では、情報変換部202によって得られた「運転時間に関する情報」と「ゴミが溜まるまでの時間に関する情報」が2つの入力情報(パラメータX1,X2)として与えられ、クラスタ数が3つ(独身/核家族/大家族)として設定された場合のモデルの生成結果である。すなわち、運転時間が相対的に短く、且つ、ゴミが溜まるまでの時間が相対的に長い第1グループG1は独身として分類され、運転時間が相対的に長く、且つ、ゴミが溜まるまでの時間が相対的に短い第3グループG3は大学族として分類され、それらの間に位置する第2グループG2は核家族として分類される。なお本明細書では「大家族」とは、核家族と対となる表現であり、拡大家族の意味で用いている。独身は、「単身世帯」と見做されてもよい。核家族は、「2世代世帯」と見做されてもよい。大家族は、「3世代世帯」と見做されてもよい。
【0091】
以上のように、ユーザUの同居家族に関する属性を推定するための推定モデルMAは、上述した電気掃除機100の運転時間に関する情報、電気掃除機100の内部に所定量のゴミが溜まるまでの時間に関する情報、電気掃除機100の運転終了から運転再開までの時間に関する情報、電気掃除機100の電源のON/OFF回数に関する情報、電気掃除機100のヘッド30が持ち上げられた回数に関する情報、電気掃除機100が使用された曜日および時間帯に関する情報、電気掃除機100のヘッド30に対する延長管20の角度に関する情報、電気掃除機100のハンドル12に対するユーザのグリップ力(またはグリップ位置)に関する情報、および同一住居内にある電気掃除機100の台数に関する情報などのうち1つ以上の入力情報(例えば2つ以上の入力情報)に基づきクラスタリングが行われることで導出される。ただしこれに代えて、推定モデルMは、上記各種情報に含まれる1つの入力情報に基づきクラスタリングが行われることで導出されてもよく、上記各種情報に含まれる3つ以上の入力情報に基づきクラスタリングが行われることで導出されてもよい。
【0092】
ここで、ユーザUとしては、丁寧に掃除を行うユーザと、時間優先でざっと掃除を行うユーザとがいる。このため、例えば電気掃除機100の運転時間に関する情報だけに基づいて同居家族の人数や住居の広さなどの属性を推定すると、推定の精度が高くなりにくい場合がある。しかしながら、例えば、「電気掃除機100の運転時間」と「ゴミが溜まるまでの時間に関する情報」など2つ以上の入力情報を補完的に用いることで、電気掃除機100の運転時間が長くてもゴミがあまり取れていない場合は、丁寧に掃除を行うタイプのユーザUであり、同居家族の人数が少ない(または住居が狭い)といった推定が可能であり、電気掃除機100の運転時間が短くてもゴミが大量に取れている場合は、時間優先でざっと掃除を行うタイプのユーザであり、同居家族の人数が多い(または住居が広い)といった推定が可能である。このように、2つ以上(さらに言えば3つ以上)の入力情報を用いることで、推定精度をさらに高めることができる。
【0093】
以上、いくつかの入力情報の例について説明したが、入力情報は上記例に限定されない。入力情報は、電気掃除機100から受信するデータDに含まれる情報で、具体例として紹介しきれなかった種々の情報を適宜用いることができる。
【0094】
続いて、他の推定モデルMB~MHについて説明する。子供の有無またはペットの有無に関する属性を推定する推定モデルMBは、上述した電気掃除機100により吸引されたゴミの種類に関する情報などを入力情報としてクラスタリングが行われることで導出される。クラスタ数は、例えば2つ(子供の有無、またはペットの有無)に設定される。
【0095】
性別に関する属性を推定する推定モデルMCは、上述した電気掃除機100のヘッド30に対する延長管20の角度に関する情報、電気掃除機100のハンドル12に対するユーザのグリップ力に関する情報、電気掃除機100に作用した加速度に関する情報、および電気掃除機100のフィルタ詰まりの回数に関する情報などのうち1つ以上(例えば2つ以上)を入力情報としてクラスタリングが行われることで導出される。クラスタ数は、2つ(男性/女性)に設定される。
【0096】
年齢に関する属性を推定する推定モデルMDは、上述した電気掃除機100の機種を示す情報などを入力情報としてクラスタリングが行われることで導出される。クラスタ数は、例えば3つ(若者/子育て世代/高齢者)に設定される。
【0097】
就業形態に関する属性を推定する推定モデルMEは、上述した電気掃除機100が使用された曜日および時間帯に関する情報などを入力情報としてクラスタリングが行われることで導出される。クラスタ数は、例えば3つ(フルタイム/パートタイム/非就業)に設定される。
【0098】
住居に関する属性を推定する推定モデルMFは、上述した電気掃除機100の運転時間に関する情報、コードありタイプである電気掃除機100の外部電源へのつなぎ直し回数に関する情報、電気掃除機100で着脱された付属品に関する情報、電気掃除機100のヘッドに設けられたライトの点灯状態に関する情報、および同一住居内にある電気掃除機100の台数に関する情報などのうち1つ以上(例えば2つ以上)を入力情報としてクラスタリングが行われることで導出される。クラスタ数は、例えば3つ(大型住居/中型住居/小型住居)に設定される。
【0099】
部屋の床面タイプに関する属性を推定する推定モデルMGは、上述した電気掃除機100のブラシモータ34の負荷状態に関する情報、電気掃除機100のヘッド30に作用する加速度に関する情報、およびゴミセンサ48の検出結果に関する情報のうち1つ以上(例えば2つ以上)を入力情報としてクラスタリングが行われることで導出される。クラスタ数は、例え3つ(フローリング/カーペット/絨毯)に設定される。
【0100】
居住地域に関する属性を推定する推定モデルMHは、上述した電気掃除機100で検出された温度に関する情報、および電気掃除機100が接続された外部電源の周波数に関する情報などのうち1つ以上(例えば2つ以上)を入力情報としてクラスタリングが行われることで導出される。クラスタ数は、例えば9つ(北海道/東北/関東甲信越/東海/北陸/関西/中国/四国/九州沖縄)または2つ(東日本/西日本)に設定される。
【0101】
一方で、図8は、教師あり学習で用いられる推定モデルMの一例を示す図である。教師あり学習で用いられる推定モデルMは、入力層、隠れ層(中間層)、および出力層を含むニューラルネットワークによって構成される。推定モデルMは、教師データを用いたディープラーニングなどによって入力層、隠れ層、および出力層に含まれるノード間の重み付け係数などが調整されることで学習が行われる。教師データは、例えば、アンケートに協力してくれたユーザやウェブ上で登録を行ってくれたユーザ(以下「特定ユーザ」と称する)の電気掃除機100から収集された上記各種入力情報と、上記特定ユーザがアンケートで記入またはウェブ上で登録してくれたユーザ属性の正解データとが対応付けられたデータである。
【0102】
本実施形態では、教師あり学習における推定モデルMの出力情報は、上記教師なし学習で説明した各種のクラスタリングの分類が相当する。例えば、同居家族に関する属性を推定するための推定モデルMAは、電気掃除機100の運転時間に関する情報、電気掃除機100の内部に所定量のゴミが溜まるまでの時間に関する情報、電気掃除機100の運転終了から運転再開までの時間に関する情報、電気掃除機100の電源のON/OFF回数に関する情報、電気掃除機100のヘッド30が持ち上げられた回数に関する情報、電気掃除機100が使用された曜日および時間帯に関する情報、電気掃除機100のヘッド30に対する延長管20の角度に関する情報、電気掃除機100のハンドル12に対するユーザのグリップ力(またはグリップ位置)に関する情報、および同一住居内にある電気掃除機100の台数に関する情報などのうち1つ以上(例えば2つ以上)が入力情報として用いられ、出力情報として独身/核家族/大家族のいずれかであることを示す推定結果が出力されるように学習が行われる。なお入力情報の一部または全部は、情報変換部202によって算出または導出された情報に限らず、電気掃除機100から受信したデータDそのもの(例えばセンサ群SUの検出結果を示す時系列データ)でもよい。これらは、他の推定モデルMB~MHについても同様である。
【0103】
ユーザ属性推定部204は、学習部203により得られた推定モデルMを用いて、ユーザ属性の判定対象の電気掃除機100(以下「判定対象掃除機100」と称する)から受信したデータDに基づき、判定対象掃除機100のユーザUのユーザ属性を推定する。ここで「推定」とは、最も確からしい1つの属性候補を判定することに限定されず、複数の属性候補のそれぞれの確率(例えば、独身の可能性:13%、核家族の可能性:65%、大家族の可能性:22%)などを出力する場合も含む。
【0104】
ユーザ属性推定部204は、判定対象掃除機100から得られたデータDに基づく入力情報を推定モデルMに入力し、推定モデルMの出力情報として判定対象掃除機100のユーザUのユーザ属性の推定結果を得る。本実施形態では、ユーザ属性推定部204は、判定対象掃除機100から得られたデータDに基づく入力情報として、上述した同居家族推定用入力情報、子供等推定用入力情報、性別推定用入力情報、年齢推定用入力情報、就業形態推定用入力情報、住居タイプ推定用入力情報、床面タイプ推定用入力情報、および居住地域推定用入力情報をそれぞれ対応する推定モデルMA~MGに入力し、推定モデルMA~MGの出力情報として、判定対象掃除機100のユーザUの同居家族の種別(例えば同居家族の規模または世帯構成)、子供の有無、ペットの有無、性別、年齢、就業タイプ、住居タイプ、床面タイプ、および居住地域の推定結果を出力させる。
【0105】
情報記録部205は、ユーザ属性推定部204によって推定されたユーザ属性を、ユーザ属性情報I13として記憶部207に記憶させる。
【0106】
図9は、ユーザ属性情報I13の内容の一例を示す図である。ユーザ属性情報I13では、例えば、ユーザIDと、同居家族の種別と、子供の有無、ペットの有無(不図示)、性別、年齢、就業形態、住居タイプ(例えば住居の広さ)、床面タイプ(不図示)、および居住地域(不図示)などが対応付けられて登録される。
【0107】
情報出力部206は、上述した処理によって得られたユーザ属性情報I13を、端末装置300に送信する。これにより、ユーザ属性情報I13は、製品開発やサービス提供に利用可能になる。
【0108】
<4.処理の流れ>
次に、処理の流れについて説明する。
図10は、電気掃除機100における処理の流れを示す図である。まず、制御部80は、電気掃除機100の電源がONにされたか否かを判定する(S101)。電気掃除機100の電源がOFFである場合、制御部80は、電気掃除機100の電源がONにされるまで待機する。
【0109】
一方で、電気掃除機100の電源がONにされた場合(S101:YES)、制御部80は、センサ群SUで検出された検出結果を、所定の周期またはリアルタイムで、サーバ200に送信する(S102)。
【0110】
次に、制御部80は、電気掃除機100の電源がOFFにされたか否かを判定する(S103)。電気掃除機100の電源がONである場合(S103:NO)、制御部80は、S102の処理を繰り返す。一方で、電気掃除機100の電源がOFFにされた場合(S103:YES)、制御部80は、一連の処理を終了する。そして、電気掃除機100は、例えば、所定期間に亘り上述した処理(S101~S103)を繰り返す。
【0111】
図11は、サーバ200における処理の流れを示す図である。前提として、電気掃除機100からサーバ200に送信されたデータDは、情報取得部201によって取得され、蓄積情報I11として蓄積されている。
【0112】
まず、情報変換部202は、蓄積情報I11に基づき、上述した各種入力情報を導出する(S201)。次に、ユーザ属性推定部204は、導出した各種入力情報を推定モデルMA~MHにそれぞれ入力することで、出力情報としてユーザ属性の推定結果を得る(S202)。次に、情報出力部206は、ユーザ属性推定部204により推定されたユーザ属性を端末装置300に出力させる。
【0113】
<5.作用>
比較例として、アンケートやウェブ上で性別、年齢、家族構成などの情報や、掃除する時間を入力してもらうことで、ユーザの属性情報を収集することが考えられる。しかしながらこれら場合、入力が手間でユーザが情報を入力してくれないことがあり、またユーザが入力してくれる情報が実態と合わない場合もある。また、詳細な使用状況をアンケート形式でユーザに確認することも難しい。
【0114】
一方で、本実施形態では、情報処理システム1は、電気掃除機100から送信されたデータDを取得する情報取得部201と、機械学習されたモデルMを用いて、情報取得部201により取得されたデータDから得られる入力情報に基づき電気掃除機100のユーザUの属性を推定するユーザ属性推定部204とを含む。このような構成によれば、ユーザUによる入力がなくても、ユーザUの電気掃除機100の使用結果に基づきユーザUの属性を推定することができる。これにより、ユーザUの属性情報の収集負担の低減を図ることができる。
【0115】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、電気掃除機100Aがキャニスタ型である点で第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0116】
図12は、第2実施形態のサーバ200の構成を示す図である。本実施形態では、電気掃除機100Aは、キャニスタ型の電気掃除機である。電気掃除機100Aは、センサ群SUに含まれる検出部として、本体着地検出部71と、コード引出量検出部72とを有する。本体着地検出部71は、例えば、電気掃除機100Aが床面にある場合に床面に接するスイッチを含み、床面に対して電気掃除機100Aが接しているか浮いているかを検出する。コード引出量検出部72は、例えば、コードが巻かれたリールの回転量を検出するエンコーダを含み、電気掃除機100Aから引き出されたコードの長さ(コードの引出量)を検出する。本体着地検出部71およびコード引出量検出部72の検出結果は、データDの一部としてサーバ200に送信される。
【0117】
本実施形態では、情報変換部202は、例えば、性別推定用入力情報の1つとして、電気掃除機100Aの使用態様に関する情報を含む。「使用態様に関する情報」は、電気掃除機100Aの掃除機本体10が床面に着地した状態で掃除が行われているか、ユーザUによって電気掃除機100Aの掃除機本体10が床面から持ち上げられた状態で掃除が行われたかを示す情報などである。この情報は、例えば、データDに含まれる「電気掃除機100Aの運転状態」、本体着地検出部71の検出結果(またはヘッド加速度センサ63の検出結果)、および日時情報などに基づいて導出される。ここで一般的に、ユーザUが男性の場合、ユーザUが女性の場合と比べて、電気掃除機100Aの掃除機本体10が床面から持ち上げられた状態で掃除が行われることが多い。
【0118】
本実施形態では、情報変換部202は、例えば、住居タイプ推定用入力情報の1つとして、電気掃除機100Aの掃除機本体10の移動に関する情報を含む。掃除機本体10は、車輪を有して床面に置かれる部分である。掃除機本体10は、「本体部」の一例である。「掃除機本体10の移動に関する情報」は、1回当たりの掃除において電気掃除機100Aの掃除機本体10が移動した距離の平均値あるいは最大値、または上記所定期間(例えば3ヶ月)における電気掃除機100Aの掃除機本体10が移動した距離の累計値などである。上述した平均値、最大値、または累計値は、例えば、データDに含まれる本体加速度センサ45の検出結果、本体ジャイロセンサ46の検出結果、および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、キャニスタ型の電気掃除機100Aは、部屋が狭い場合でも広い場合でもヘッド30の動きはほぼ同じであることが多いが、部屋が狭い場合は掃除機本体10の移動距離が短く、部屋が広い場合は掃除機本体10の移動距離が長くなることが多い。
【0119】
本実施形態では、情報変換部202は、例えば、住居タイプ推定用入力情報の1つとして、電気掃除機100Aのコードの引出量に関する情報を含む。「コードの引出量に関する情報」は、1回当たりの掃除において電気掃除機100Aのコードの引出量の平均値あるいは最大値、または上記所定期間(例えば3ヶ月)における電気掃除機100Aのコードの引出量の累計値などである。上述した平均値、最大値、または累計値は、例えば、データDに含まれるコード引出量検出部72の検出結果および日時情報などに基づいて算出される。ここで一般的に、電気掃除機100Aのコードは、部屋が狭い場合はあまり引き出されず、部屋が広い場合は長く引き出されることが多い。
【0120】
本実施形態では、ユーザ属性推定部204は、電気掃除機100Aの使用態様に関する情報に基づき、ユーザUの性別を推定する。なお、ユーザ属性推定部204は、電気掃除機100Aの使用態様に関する情報に基づき、ユーザUの年齢を推定してもよい。すなわち、若者と比べて高齢者は、電気掃除機100Aの掃除機本体10を持ち上げて掃除する回数が少ない傾向にある。
【0121】
本実施形態では、ユーザ属性推定部204は、電気掃除機100Aの掃除機本体10の移動に関する情報、および/または電気掃除機100Aのコードの引出量に関する情報に基づき、ユーザUの住居タイプ(例えば部屋の広さ)を推定する。なお、ユーザ属性推定部204は、電気掃除機100Aの掃除機本体10の移動に関する情報、および/または電気掃除機100Aのコードの引出量に関する情報に基づき、同居家族の属性(人数)を推定してもよい。
【0122】
このような構成によれば、第2実施形態と同様に、ユーザUの属性情報の収集負担の低減を図ることができる。
【0123】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、電気掃除機100Bがロボットクリーナである点で第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0124】
図13は、第3実施形態のサーバ200の構成を示す図である。本実施形態では、電気掃除機100Bは、自動走行でゴミを集めるロボットクリーナである。電気掃除機100Bは、センサ群SUに含まれる検出部として、地図生成部75と、落下防止センサ76と、照度センサ65とを有する。地図生成部75は、電気掃除機100Bの自動走行の結果に基づき、部屋の地図情報を生成する。落下防止センサ76は、電気掃除機100Bの進行方向の先に段差(例えば階段)が無いかを検出するためのセンサである。照度センサ65は、第1実施形態と同様に、電気掃除機100Bがベッドの下方に入った場合などに照度が所定量以下であることを検出する。地図生成部75により生成された地図情報、落下防止センサ76の検出結果、および照度センサ65の検出結果は、データDの一部としてサーバ200に送信される。
【0125】
本実施形態では、情報変換部202は、例えば、同居家族推定用入力情報の1つとして、電気掃除機100Bの地図生成部75により生成された地図に関する情報を含む。「地図に関する情報」は、住居の部屋数や各部屋の広さを示す情報などである。
【0126】
本実施形態では、情報変換部202は、例えば、就業形態推定用入力情報の1つとして、電気掃除機100Bが稼働した曜日および時間帯に関する情報を含む。この情報は、例えば、データDに含まれる「電気掃除機100Bの運転状態」および日時情報に基づいて導出される。ここで一般的に、ユーザUは、自身が外出にしている間にロボットクリーナである電気掃除機100Bを用いて掃除を行うことが多い。このため、電気掃除機100Bが稼働した曜日および時間帯は、ユーザUが住居にいない時間(仕事中の時間)と見做すことができる。
【0127】
本実施形態では、情報変換部202は、例えば、住居タイプ推定用入力情報の1つとして、電気掃除機100Bの落下防止センサ76の検出結果に関する情報を含む。「落下防止センサ76の検出結果に関する情報」とは、階段と見做せる段差の有無を示す情報などである。階段と見做せる段差が存在する場合、住居が広い可能性が高まる。
【0128】
本実施形態では、情報変換部202は、例えば、婚姻の有無(結婚/未婚)に関する属性を推定するために推定モデルMに入力する入力情報(以下「婚姻推定用入力情報)と称する」として、電気掃除機100Bに設けられた照度センサ65の検出結果に関する情報を含む。「照度センサ65の検出結果に関する情報」とは、照度が連続して所定量以下となる領域の広さを示す情報などである。照度が連続して所定量以下となる領域の広さは、ユーザUの住居に置かれたベッドの広さと見做すことができる。このため、照度が連続して所定量以下となる領域の広さがシングルベッドのサイズであれば、未婚である可能性が高くなる。また、照度が連続して所定量以下となる領域が2つ以上ある場合、既婚である可能性(ベッドが2つ以上ある可能性)が高くなる。
【0129】
本実施形態では、ユーザ属性推定部204は、地図生成部75により生成された地図に関する情報に基づき、同居家族の種別(独身/核家族/大家族)を推定する。また、ユーザ属性推定部204は、電気掃除機100Bが稼働した曜日および時間帯に関する情報に基づき、就業形態に関する属性を推定する。
【0130】
本実施形態では、ユーザ属性推定部204は、落下防止センサ76の検出結果に関する情報に基づき、住居タイプに関する属性を推定する。また、ユーザ属性推定部204は、照度センサ65の検出結果に関する情報に基づき、婚姻の有無に関する属性を推定する。
【0131】
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、ユーザUの属性情報の収集負担の低減を図ることができる。
【0132】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、電気掃除機から送信されたデータを取得する取得部と、機械学習されたモデルを用いて、前記取得部により取得された前記データに基づき前記電気掃除機のユーザの属性を推定する推定部とを持つことにより、ユーザの属性情報の収集負担の低減を図ることができる。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0134】
100,100A,100B…電気掃除機、200…サーバ、201…情報取得部(取得部)、202…情報変換部、203…学習部、204…ユーザ属性推定部(推定部)、M…推定モデル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13