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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20240527BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240527BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20240527BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20240527BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20240527BHJP
   F21V 11/14 20060101ALI20240527BHJP
   F21V 13/10 20060101ALI20240527BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240527BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240527BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240527BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21S2/00 230
F21V3/02 400
F21V3/00 320
F21V7/04 120
F21V11/14
F21V13/10
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020112205
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022022615
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2023-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】棟近 正夫
(72)【発明者】
【氏名】村松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】藤本 佳史
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-091937(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0139108(US,A1)
【文献】特開平02-201803(JP,A)
【文献】特開2018-147876(JP,A)
【文献】中国実用新案第208041871(CN,U)
【文献】国際公開第2011/030856(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21S 2/00
F21V 3/02
F21V 3/00
F21V 7/04
F21V 11/14
F21V 13/10
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に取り付けられることの可能な照明器具であって、
光を出射する発光素子を含む光源と、
前記光源を覆うカバーと、
前記カバーを介して、記発光素子と対向する透過部と、
前記透過部に隣り合う反射部と
を備え、
前記透過部は、透過領域と反射領域とを有し、
前記透過領域は、前記カバーを通過して前記透過領域に入射される光を透過し、
前記反射領域は、前記カバーを通過して前記反射領域に入射される光を反射させ、
前記反射部は、前記カバーを通過して前記反射部に入射される光を前記取付面に向かって反射させる、照明器具。
【請求項2】
前記反射部は、前記透過部に対して傾斜し、前記透過部に対して鈍角をなす、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記透過部は、第1方向に前記発光素子と対向し、
前記透過部は、前記第1方向に直交する第2方向に略平行である、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記カバーは、前記透過部に対して、前記反射部から離れる側に傾斜する傾斜部を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記カバーと、前記反射部とを保持する保持部をさらに備え、
前記反射部と前記透過部とは一体成型品である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記反射部は、別の透過領域と、別の反射領域とを有し、
前記別の透過領域は、前記カバーを通過して前記別の透過領域に入射される光を透過し、
前記別の反射領域は、前記カバーを通過して前記別の反射領域に入射される光を反射させ、
前記カバーは、前記発光素子と前記透過部との間の部分で前記発光素子からの出射光を透過させる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたLED照明装置は、基板と、基板の表面に配置されたLED発光素子と、基板が挿通される中空ケーシングとから構成される。中空ケーシングの4つの側面のうち、基板の裏面と隣接する面と平行な1つの側面は、LED発光素子からの光を拡散させて透過させる拡散面である。また、中空ケーシングの4つの側面のうち、基板の裏面と隣接する面と直交する2つの側面は、LED発光素子からの光を透過させずに拡散面に向けて反射させる反射面である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3200708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたLED照明装置では、LED発光素子からの光が反射面から透過されないことに起因して、拡散面の明るさが大きすぎる場合がある。また、仮にLED照明装置が天井のような取付面に取り付けられる場合、LED発光素子からの光が反射面から透過されないことに起因して、取付面の明るさが小さすぎる場合がある。従って、LED照明装置の明るさと取付面の明るさとの差が大きくなる可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明器具の明るさと取付面の明るさとの差を小さくできる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、取付面に取り付けられることが可能である。照明器具は、光源と、カバーと、透過部と、反射部とを備える。光源は、光を出射する発光素子を含む。カバーは、前記光源を覆う。透過部は、前記カバーを介して、前記発光素子と対向する。反射部は、前記透過部に隣り合う。前記透過部は、前記カバーを通過した前記光の一部を透過する。前記反射部は、前記カバーを通過した前記光の一部を前記取付面に向かって反射させる。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記反射部は、前記透過部に対して傾斜し、前記透過部に対して鈍角をなすことが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具において、前記透過部は前記基板に略平行であることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具において、前記透過部は、前記光を透過させる第1透過領域と、前記光を反射させる第1反射領域とを有することが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具において、前記カバーは、前記透過部に対して、前記反射部から離れる側に傾斜する傾斜部を含むことが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具は、保持部をさらに備えることが好ましい。保持部は、前記カバーと、前記反射部とを保持することが好ましい。前記反射部と前記透過部とは一体成型品であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、照明器具の明るさと取付面の明るさとの差を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る照明器具を示す分解斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿った照明器具の断面図である。
図4】本実施形態に係る配光部材を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係る配光部材の平面図である。
図6】本実施形態の第1変形例に係る照明器具の断面図である。
図7】本実施形態の第2変形例に係る照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を参照して説明することがある。例えば、X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。ただし、X方向及びY方向は水平方向以外の方向に平行であってもよく、Z方向は鉛直方向以外の方向に平行であってもよい。以下、本実施形態において、照明器具1が取付面Waに取り付けられている状態では、Z方向は第1方向D1に平行であり、Y方向は第2方向D2に平行であり、X方向は第3方向D3に平行である。すなわち、本実施形態において、第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3は、互いに直交する。
【0015】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態の照明器具1について説明する。図1は、本実施形態に係る照明器具1を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る照明器具1の分解斜視図である。
【0016】
本実施形態の照明器具1は、例えば、ベースライト、又は間接照明として使用される。また、本実施形態の照明器具1は、例えば、天井面、壁面、又は床面のような取付面Wa(図3参照)に取り付けられることが可能である。天井面は、斜め天井面であってもよい。あるいは、照明器具1は、取付面Waに直付けされて、取付面Waに取り付けられることが可能である。あるいは、照明器具1は、取付面Waに吊り下げられて取り付けられることが可能である。本明細書において、取付面Waとしての天井面に形成された埋込穴に挿入されて取付面Waに取り付けられる照明器具1を例に挙げて説明する。つまり、図1及び図2は斜め下から見たときの照明器具1を示す。但し、これらの向きは、本発明の照明器具1の製造時、施工時、及び使用時の向きを限定するものではない。
【0017】
図1及び図2に示すように、照明器具1は、略直方体形状を有する。具体的には、本実施形態において、照明器具1は、例えば第3方向D3に長い略直方体形状を有する。照明器具1は、配光部材5と、カバー30と、光源40と、保持部50と、筐体60と、フレーム部材70と、電源装置90とを備える。
【0018】
光源40は、例えば、基板41と、発光素子42とを含む。
【0019】
基板41は、本実施形態において、略矩形形状を有する。具体的には、本実施形態において、基板41は、第3方向D3に長い略矩形形状を有する。すなわち、基板41は、第3方向D3に延びる。また、本実施形態において、基板41は、略平板形状を有する。基板41には、発光素子42に電力を供給するための配線が形成されている。
【0020】
発光素子42は、光を出射する。発光素子42は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。発光素子42は1つであってもよく、複数であってもよい。本実施形態において、光源40は、複数の発光素子42を含む。あるいは、発光素子42は、有機EL(Electro-Luminescence)素子またはレーザーダイオードを含んでもよい。発光素子42は、基板41に配置される。具体的には、発光素子42は、基板41の実装面に取り付けられている。すなわち、発光素子42は、基板41に実装される。
【0021】
本実施形態において、複数の発光素子42は、第3方向D3に沿って1列に並ぶように配置される。但し、複数の発光素子42の配列は1列に限定されない。複数の発光素子42は、第3方向D3に沿って2列以上に並んでもよいし、千鳥状に並んでもよい。
【0022】
光源40は、複数の発光素子42を基板41の実装面上に載置して蛍光体で封止したCOB(Chip on Board)構造であってもよい。あるいは、光源40は、発光素子42と蛍光体とを一体化したユニットを基板41の実装面上に載置して基板41の導電体に電気的に接続したSMD(Surface Mount Device)構造であってもよい。あるいは、光源40は、いわゆる砲弾型の発光素子42から構成されてもよい。砲弾型の発光素子42から光源40が構成される場合、光源40は、基板41を含んでもよいし、基板41を含まなくてもよい。
【0023】
カバー30は、本実施形態において、第3方向D3に長い略角柱形状を有する。具体的には、カバー30は、例えば、略六角柱形状を有する。カバー30は、例えば、第3方向D3における両端が開放されている。
【0024】
カバー30は、光源40を覆う。具体的には、カバー30の内面が発光素子42の発光面42aに対向するように、カバー30は光源40を覆う。カバー30は、例えば、セード、又は拡散カバーである。カバー30は、透明又は半透明であり、発光素子42が出射する光を通過させる。カバー30を通過した光に対してユーザーが感じる眩しさ(グレア)を軽減するためには、カバー30は、例えば、乳白色又は半透明であり、カバー30を通過する光を拡散することが好ましい。この場合、カバー30は、例えば、乳白色又は半透明な材料からなる。本実施形態において、カバー30は、拡散カバーであり、発光素子42が出射する光を拡散する。従って、複数の発光素子42の各々が出射する光の粒粒感を抑制できる。なお、「粒粒感」とは、発光素子42からの光がカバー30の複数の箇所に局所的に到達して、カバー30の外面が複数の箇所で強く発光する状態のことである。例えば、光源40が点光源である場合、カバー30のうち、発光素子42の照射範囲内に位置する部分が、カバー30の他の部分よりも強く照射されるが、カバー30が拡散カバーであることによって、カバー30の外面に発光素子42からの光が粒状(点状)に現れること(粒粒感)を抑制できる。
【0025】
カバー30は、例えば樹脂製である。カバー30が発光素子42の出射する光を拡散する拡散カバーである場合、カバー30は、例えば、光拡散材料を含有した樹脂を成形することによって形成してもよい。あるいは、カバー30は、透明な樹脂で成形した樹脂成形品の表面に光拡散処理を施して形成してもよい。ここで、光拡散処理は、例えば、微小凹凸形成処理、及び透光白色塗装処理を含む。微小凹凸形成処理は、樹脂成形品の表面に微小な凹凸を形成する処理である。透光白色塗装処理は、透光性を有する乳白色塗料を樹脂成形品の表面に塗装する処理である。
【0026】
照明器具1は、一対のキャップ部材31をさらに備える。キャップ部材31は、例えば、エンドキャップである。一対のキャップ部材31は、それぞれ、カバー30の第3方向D3における開放された両端に取り付けられ、カバー30の両端を塞ぐ。キャップ部材31は、例えば、合成樹脂製である。キャップ部材31は、例えば、遮光性を有していてもよいし、発光素子42が出射した光を透過してもよい。また、キャップ部材31は、例えば発光素子42が出射した光を拡散してもよい。さらに、キャップ部材31の材料は、カバー30の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0027】
配光部材5は、発光素子42が出射した光の配光を定める。具体的には、配光部材5は、発光素子42が出射した光を透過したり反射したりすることによって、発光素子42が出射した光の配光を定める。その結果、配光部材5によって、照明器具1の配光領域が定まる。配光部材5は、透過部10と、反射部20とを含む。
【0028】
透過部10は、本実施形態において、略平板形状を有する。また、透過部10は、本実施形態において、略矩形形状を有する。具体的には、透過部10は、第3方向D3に長い略長方形形状を有する。透過部10は、カバー30を介して、発光素子42と対向する。具体的には、透過部10は、カバー30を介して、第1方向D1に発光素子42と対向する。すなわち、第1方向D1において、透過部10は、カバー30に対して光源40と反対の側に位置する。第1方向D1は、例えば、発光素子42の発光面42aに直交する。また、第1方向D1は、例えば、発光素子42の配置される側から、取付面Waに対向する室内に向かう方向に沿っていてもよい。さらに、第1方向D1は、例えば、取付面Waに直交してもよい。
【0029】
透過部10は、カバー30を通過した光の一部を透過させる。具体的には、透過部10は、発光素子42が出射した光のうち、カバー30を通過して透過部10に入射した光の一部を透過させる。より具体的には、透過部10は、例えば、発光素子42が出射した光のうち、カバー30の対向部33を通過して透過部10に入射した光の一部を透過させる。対向部33については、図3を参照して後述する。以下、発光素子42が出射して透過部10に入射する光を、「光LT1」と記載する場合がある(図3参照)。
【0030】
反射部20は、本実施形態において、略平板形状を有する。また、反射部20は、本実施形態において、略矩形形状を有する。具体的には、反射部20は、第3方向D3に長い略長方形形状を有する。反射部20は、透過部10に隣り合う。すなわち、反射部20は、カバー30に対して光源40と反対の側であって、透過部10の位置と異なる位置に位置する。
【0031】
反射部20は、カバー30を通過した光の一部を取付面Waに向かって反射させる。具体的には、反射部20は、発光素子42が出射した光のうち、カバー30を通過して反射部20に入射した光を取付面Waに向かって反射させる。より具体的には、反射部20は、例えば、発光素子42が出射した光のうち、カバー30の傾斜部32を通過して反射部20に入射した光を取付面Waに向かって反射させる。傾斜部32については、図3を参照して後述する。以下、反射部20に入射する光を、「光LT2」と記載する場合がある(図3参照)。
【0032】
本実施形態によれば、カバー30を通過した光の一部が透過部10によって透過され、カバー30を通過した光の一部が反射部20によって取付面Waに向かって反射される。従って、照明器具が反射部を備えない場合と比較して、照明器具1の明るさを小さくしつつ、取付面Waの明るさを大きくできる。その結果、照明器具1の明るさと、照明器具1が取り付けられる取付面Waの明るさとの差を小さくできる。ひいては、取付面Waに対向する室内にユーザーが存在する場合、ユーザーが感じる照明器具1の眩しさ(グレア)を軽減できる。
【0033】
本実施形態において、配光部材5は、2つの反射部20を含む。以下、反射部20について、図1において透過部10からY方向に向かう側に位置する反射部20を反射部20aと記載し、図1において透過部10からY方向と反対の方向に向かう側に位置する反射部20を反射部20bと記載する場合がある。反射部20aの構成と反射部20bの構成とは同様であるため、重複部分については説明を適宜省略する。
【0034】
本実施形態において、例えば、反射部20aの面積と反射部20bの面積との合計値は、透過部10の面積よりも大きい。ただし、透過部10の面積と反射部20面積との比率は特に限定されない。
【0035】
本実施形態において、透過部10と反射部20とは一体成型品である。すなわち、本実施形態において、透過部10と反射部20とは連接している。配光部材5は、例えばアルミニウムのような金属製の部材であり、光が通過するための複数の貫通孔が形成されている。すなわち、例えば、複数の貫通孔が形成された板金を折り曲げることによって、透過部10と反射部20とを含む配光部材5が形成される。ただし、反射部20が透過部10に隣り合う限り、透過部10と反射部20とは別部材であってもよい。この場合、透過部10と反射部20とは接続されていてもよいし、透過部10と反射部20との間には隙間が形成されていてもよい。
【0036】
反射部20が、発光素子42から出射された光を効率的に反射するために、少なくとも配光部材5のうちのカバー30と対向する面は、反射加工されていることが好ましい。反射加工は、例えば、白色塗装、または銀色塗装を含む。あるいは、配光部材5の色は、白色または銀色のような光反射率の高い色彩であってもよい。また、配光部材5が板金から形成される場合、板金は反射率の高い色彩を有する素材で形成されることが好ましい。ただし、配光部材5の色および材料は限定されない。例えば、配光部材5は、透明色(有色透明又は無色透明)を有していてもよい。また、例えば、配光部材5は、樹脂製であってもよい。
【0037】
保持部50は、本実施形態において、第3方向D3に長い略直方体形状を有する。また、保持部50は、例えば、第3方向D3における両端が開放されている。保持部50は、例えば透明な樹脂で成形した樹脂成形品である。保持部50は、例えば光を拡散してもよいし、拡散することなく光を透過させてもよい。また、保持部50の形状は特に限定されない。
【0038】
照明器具1は、一対のキャップ部材55をさらに備える。キャップ部材55は、例えば、エンドキャップである。一対のキャップ部材55は、それぞれ、保持部50の第3方向D3における開放された両端に取り付けられ、保持部50の両端を塞ぐ。本実施形態において、キャップ部材55の材料は、保持部50の材料と同じである。ただし、キャップ部材55の材料は、保持部50の材料と異なっていてもよい。
【0039】
本実施形態において、保持部50の内部は空洞である。一対のキャップ部材55が取り付けられた保持部50の内側空間には、例えば、カバー30と反射部20とが配置される。すなわち、保持部50は、カバー30と、反射部20とを保持する。本実施形態において、反射部20と透過部10とが一体成型品であるため、保持部50は、カバー30と、配光部材5とを保持する。すなわち、保持部50は、カバー30と、透過部10と、反射部20とを保持する。保持部50の内側空間に配置されたカバー30と、透過部10とは、例えば当接する。すなわち、保持部50の内側空間に配置されたカバー30と、配光部材5とは、例えば当接する。ただし、保持部50の内側空間に配置されたカバー30と、透過部10とは、当接しなくてもよい。
【0040】
カバー30と配光部材5とは保持部50の内面に当接可能な状態で保持部50に保持されている。すなわち、保持部50の内側空間でカバー30と配光部材5とががたつくことを抑制するように、カバー30と配光部材5とが保持されている。従って、カバー30と配光部材5との互いの位置関係が固定される。また、保持部50を筐体60に取り付けたときに、カバー30と配光部材5と発光素子42との互いの位置関係が固定される。
【0041】
従って、保持部50に対してカバー30と反射部20とを取り付けることなく、保持部50によってカバー30と反射部20とが保持される。すなわち、本実施形態では、保持部50に対して、カバー30と反射部20とを接着又は固定させることなく、保持部50はカバー30と反射部20とを保持できる。その結果、照明器具1を組み立てる作業者の負担を軽減できる。加えて、カバー30と反射部20とを保持部50に接着する接着手段(例えば接着剤)又は固定する固定手段(例えばネジ)を用いることなく、保持部50にカバー30と反射部20とを保持させることができる。よって、カバー30から出射する光が接着手段又は固定手段で遮られることに起因して、影が生じたり、配光が変わったりする等の光学的影響が無い。
【0042】
ここで、カバー30及び配光部材5の保持部50への挿入方法について説明する。例えば、保持部50の第3方向D3における開放された両端の少なくとも一方から、キャップ部材31が取り付けられた状態のカバー30と配光部材5とが保持部50の内側空間に挿入され、カバー30と配光部材5とが保持部50の内側空間を第3方向D3にスライドされる。その結果、カバー30と配光部材5とが保持部50の内側空間に収容され、カバー30と配光部材5とが保持部50によって保持される。なお、反射部20と透過部10とが別部材である場合には、保持部50の第3方向D3における開放された両端の少なくとも一方から、カバー30と透過部10と反射部20との各々が保持部50の内側空間に挿入され、カバー30と透過部10と反射部20との各々が保持部50の内側空間を第3方向D3にスライドされる。その結果、カバー30と透過部10と反射部20とが保持部50の内側空間に収容され、カバー30と透過部10と反射部20とが保持部50によって保持される。そして、保持部50にキャップ部材55が取り付けられる。
【0043】
筐体60は、例えば、第3方向D3に長い略直方体形状を有する。また、筐体60は、例えば、第3方向D3における両端が開放されている。筐体60は、第1方向D1において、光源40に対してカバー30と反対の側に位置する。筐体60は、本実施形態において、取付面Waに取り付けられる(図3参照)。
【0044】
照明器具1は、一対のキャップ部材65をさらに備える。キャップ部材65は、例えば、エンドキャップである。一対のキャップ部材65は、それぞれ、筐体60の第3方向D3における開放された両端に取り付けられ、筐体60の両端を塞ぐ。本実施形態において、キャップ部材65の材質は、筐体60の材料と同じである。ただし、キャップ部材65の材料は、筐体60の材料と異なっていてもよい。例えば、筐体60の材料は、アルミニウムなどの金属であることが好ましい。この場合、放熱性を向上できる。また、例えば、キャップ部材65の材料は、樹脂であることが好ましい。この場合、複数の照明器具1を連結施工する際の配線作業を容易にすることができる。
【0045】
本実施形態において、筐体60の内部は空洞である。一対のキャップ部材65が取り付けられた筐体60の内側空間には、例えば、電源装置90が配置される。
【0046】
電源装置90は、光源40に電力を供給する。その結果、光源40は、電源装置90から供給される電力によって光を出射する。電源装置90は、電源回路ユニットを含む。電源回路ユニットは、例えば、電源回路と点灯回路とを含む。電源回路は、商用電源からの交流電源電圧を直流電源電圧に変換して、直流電源電圧を点灯回路に供給する。そして、点灯回路は、直流電源電圧を光源40に供給する。電源回路ユニットは、マイコンのようなコントローラーを含んでいてもよい。マイコンは、例えば点灯回路を制御する。
【0047】
また、筐体60の内側空間には、例えばフレーム部材70が配置される。フレーム部材70は、板形状を有する部材であり、第3方向D3に長い略矩形形状を有する。フレーム部材70には、光源40が取り付けられる。具体的には、光源40はフレーム部材70の下面に取り付けられる。より具体的には、光源40は、発光素子42がカバー30の内面に対向するようにフレーム部材70に取り付けられる。光源40は、例えば接着剤によってフレーム部材70に接着されてもよいし、ネジのような締結部材によってフレーム部材70に固定されてもよい。フレーム部材70は、例えばアルミニウムのような金属製の部材であり得る。本実施形態において、フレーム部材70は金属製であり、光源40のヒートシンクとして機能する。
【0048】
さらに、フレーム部材70には、例えば、保持部50及び電源装置90が取り付けられる。具体的には、フレーム部材70の上面に電源装置90が固定される。なお、保持部50とフレーム部材70との係合については、図3を参照して後述する。
【0049】
次に、引き続き図2を参照しつつ、さらに図3を参照して、配光部材5及びカバー30について詳細に説明する。図3は、図1のIII-III線に沿った照明器具1の断面図である。図面の簡略化のため、図3では、取付面Waの断面を示すハッチングを省略している。
【0050】
透過部10は、例えば、本実施形態において基板41に略平行である。具体的には、断面視において、透過部10及び基板41の各々は、第2方向D2に略平行である。従って、透過部が基板に非平行である場合と比較して、透過部10を透過する光LT1の光量が多くなり、明るさを大きくできる。
【0051】
反射部20は、本実施形態において、透過部10に対して傾斜し、透過部10に対して鈍角をなす。つまり、角度θが鈍角になるように、透過部10と反射部20とが配置される。角度θは、透過部10と、反射部20とが形成する角度である。従って、反射部20は、カバー30を通過した光LT2を取付面Waに向かって反射させる。その結果、透過部10の明るさと、取付面Waの明るさとの差をより小さくできる。
【0052】
なお、配光部材5の構成を変更することによって、発光素子42が出射する光の配光を変更できる。具体的には、例えば、透過部10に対する反射部20の角度θを変更したり、反射部20の面積と透過部10の面積との少なくとも1つを変更したりすることによって、照明器具1の明るさと、取付面Waの明るさとの各々を変更できる。すなわち、ユーザーの要望に応じて、配光部材5の構成を変更することで、照明器具1の明るさを大きくしたり、照明器具1の明るさを小さくしたり、取付面Waの明るさを大きくしたり、取付面Waの明るさを小さくしたりすることができる。
【0053】
2つの反射部20は、第2方向D2における透過部10の両端部13からそれぞれ延びる。具体的には、反射部20aは、透過部10の両端部13のうちの一方端部13aから延びる。すなわち、第3方向D3(図2参照)から照明器具1を見たときの断面視において、透過部10の一方端部13aは、反射部20aの一方端部23aに隣り合う。また、反射部20bは、透過部10の両端部13のうちの他方端部13bから延びる。すなわち、第3方向D3から照明器具1を見たときの断面視において、透過部10の他方端部13bは、反射部20bの一方端部23bに隣り合う。ここで、透過部10の両端部13は、第3方向D3に沿って延びる。すなわち、一方端部13a及び他方端部13bの各々は、第3方向D3に沿って延びる。つまり、一方端部13a及び他方端部13bの各々は、透過部10の縁に相当する。
【0054】
一方、本実施形態において、反射部20aの一方端部23aと反対側の他方端部24a、及び反射部20bの一方端部23bの反対側の他方端部24bは、例えば保持部50の内面50nに当接している。従って、保持部50は、反射部20a及び反射部20bを含む配光部材5を変位しにくい状態で保持できる。なお、反射部20aの他方端部24aと反射部20bの他方端部24bとの少なくとも1つは、保持部50の内面50nに当接していなくてもよい。ここで、反射部20aの一方端部23a及び他方端部24aの各々は、第3方向D3に沿って延びる。つまり、一方端部23a及び他方端部24aの各々は、反射部20aの縁に相当する。また、反射部20bの一方端部23b及び他方端部24bの各々は、第3方向D3に沿って延びる。つまり、一方端部23b及び他方端部24bの各々は、反射部20bの縁に相当する。
【0055】
第1方向D1において、反射部20aの一方端部23aは、反射部20aの他方端部24aよりも光源40側に位置する。従って、反射部20aは、第2方向D2において光源40から離れる側に、発光素子42が出射した光LT2を反射させる。従って、取付面Waのうち、照明器具1が埋め込まれた埋込穴と異なる領域が照射される。その結果、取付面Waが明るくなり、取付面Waの明るさと照明器具1の明るさとの差を小さくできる。
【0056】
本実施形態において、照明器具1が組み立てられた状態では、カバー30は、例えば、配光部材5及びフレーム部材70に当接する。カバー30は、傾斜部32と対向部33とを含む。
【0057】
傾斜部32は、本実施形態において、反射部20に第1方向D1に対向する。傾斜部32は、透過部10に対して、反射部20から離れる側に傾斜する。従って、反射部20を反射した光LT2のほとんどの成分は、カバー30に遮られることなく、取付面Waに到達する。その結果、取付面Waの明るさが小さくなることを抑制できる。
【0058】
具体的には、傾斜部32の両端34のうち、一方端部34aは、対向部33に接続する。一方端部34aと反対側の他方端部34bは、例えば、保持部50の内面50nに当接する。なお、他方端部34bは、内面50nに当接しなくてもよい。第1方向D1において、他方端部34bは、一方端部34aよりも光源40側に位置する。ここで、両端34は、第3方向D3に沿って延びる。すなわち、両端34は、傾斜部32の縁に相当する。
【0059】
本実施形態において、例えば、傾斜部32は、傾斜部32を通過する光を拡散する。従って、取付面Waに対向する室内にユーザーが存在する場合、ユーザーの視界に傾斜部32が入る場合であっても、ユーザーが感じる眩しさ(グレア)を軽減できる。また、傾斜部32の光の粒粒感を抑制できる。
【0060】
また、本実施形態において、複数の発光素子42は、第3方向D3に沿って1列に並ぶように基板41の中心部に配置される。この場合、複数の発光素子42を第3方向D3に沿って2列以上に並んで配置するよりも、発光素子42と傾斜部32との距離が大きくなる。従って、傾斜部32の全体にわたって、傾斜部32に単位面積あたりに入射する光の光量の差が小さくなる。その結果、傾斜部32の輝度ムラを軽減できる。
【0061】
対向部33は光源40(具体的には、発光素子42の発光面42a)に対向する。具体的には、対向部33は、光源40(具体的には、発光素子42の発光面42a)に第1方向D1に対向する。断面視において、発光素子42の発光面42aは、例えば、第2方向D2に略平行である。本実施形態において、対向部33は、発光素子42の発光面42aに略平行である。従って、対向部33が発光素子42の発光面42aに対して非平行である場合と比較して、カバー30を透過して透過部10に入射する光LT1の明るさを大きくできる。
【0062】
また、対向部33は、透過部10に対向する。具体的には、対向部33は、透過部10に第1方向D1に対向する。本実施形態において、対向部33は、透過部10に略平行である。すなわち、本実施形態において、対向部33は、断面視において、基板41に略平行である。従って、対向部33が基板41に対して非平行である場合と比較して、カバー30を透過して透過部10に入射する光LT1の明るさをさらに大きくできる。
【0063】
筐体60は、側面視において、略U字形状を有する。具体的には、筐体60は、側面視において、角ばった略U字形状を有する。本実施形態において、筐体60は、ベース部61と、一対の壁部62と、一対の鍔部63とを含む。
【0064】
ベース部61は、本実施形態において、基板41に略平行である。一対の壁部62の各々は、ベース部61から第1方向D1に沿って延びる。すなわち、一対の壁部62の各々は、第2方向D2に対向する。
【0065】
一対の鍔部63は、それぞれ、一対の壁部62の先端から第2方向D2に外側に向けて延びる。例えば、照明器具1が備える取付バネ(不図示)と鍔部63とで取付面Waを挟むことによって、照明器具1が取付面Waに取り付けられる。すなわち鍔部63は、取付面Waを支持する。照明器具1が取付面Waに埋め込まれている状態において、取付バネは、例えば、取付面Waに対して配光部材5と反対の側に位置する。なお、本実施形態のように、照明器具1が取付面Waに埋め込まれる場合には、例えば、建造物に施工された固定部材(例えば吊りボルト)にベース部61を固定することによって、照明器具1が取付面Waに取り付けられてもよい。この場合、照明器具1は、取付バネを備えていてもよいし、備えなくてもよい。すなわち、この場合には、取付バネを省略できる。また、本実施形態のように、照明器具1が取付面Waに埋め込まれる場合に、筐体60は、一対の鍔部63を含む。ただし、照明器具1が取付面Waに直付けされたり、取付面Waに吊り下げられる場合には、筐体60は、一対の鍔部63を含んでもよいし、含まなくてもよい。すなわち、この場合には、一対の鍔部63を省略できる。
【0066】
照明器具1は、取付金具80をさらに備える。取付金具80は、本体部81と、一対の弾性部82とを有する。
【0067】
本体部81は、例えばフレーム部材70に係合する。本体部81がフレーム部材70に係合することにより、取付金具80がフレーム部材70に固定される。
【0068】
弾性部82は、本体部81の第2方向D2における両端から、光源40から離れるように第1方向D1に延びる。弾性部82は、湾曲しており、第2方向D2の外側に向かう弾性を有する。従って、弾性部82から筐体60に向かって付勢力が作用する。その結果、取付金具80に固定されたフレーム部材70を介して、保持部50が筐体60に取り付けられる。例えば、筐体60に近づくように第1方向D1に、取付金具80に取り付けられた保持部50を押圧することによって、筐体60に、保持部50を取りつけることができる。一方、筐体60から離れるように第1方向D1に保持部50を引っ張ることによって、筐体60から、保持部50を取り外すことができる。つまり、保持部50は、筐体60に対して着脱自在である。具体的には、筐体60から離れるように第1方向D1に保持部50を引っ張ることによって、筐体60から、保持部50、フレーム部材70、及び取付金具80を取り外すことができる。
【0069】
フレーム部材70は、一対の被係合部71を有する。断面視において、一対の被係合部71は、例えば、フレーム部材70のうち、第2方向D2における両端に形成された凹部である。
【0070】
保持部50は、例えば、係合部51を含む。係合部51は、保持部50の側面の先端部分に位置する。係合部51は、被係合部71に係合する。従って、フレーム部材70に保持部50が取り付けられる。その結果、保持部50に対してカバー30と配光部材5とを取り付けることなく、フレーム部材70と保持部50とによって形成された空間に、配光部材5とカバー30とを収容できる。
【0071】
ここで、本実施形態において、フレーム部材70は、例えば、第1方向D1にカバー30に当接している。すなわち、カバー30は、フレーム部材70に取り付けられることなく保持部50に保持される。
【0072】
次に、図4及び図5を参照して、配光部材5について詳細に説明する。図4は、配光部材5を示す斜視図である。詳しくは、図4は、斜め下から見たときの配光部材5を示す。図5は、配光部材5を上から見たときの平面図を示す。
【0073】
透過部10は、第1反射領域11と、第1透過領域12とを有する。本実施形態において、透過部10は、複数の第1透過領域12を有する。本実施形態において、第1透過領域12は、略真円形状を有する。本実施形態において、複数の第1透過領域12は、三角格子状に配置される。第1透過領域12は、光を透過させる。第1反射領域11は、光を反射させる。従って、透過部10に入射した光LT1(図3参照)の一部が透過し、透過部10に入射した光LT1の一部がカバー30側に反射される。その結果、透過部10を通過する光が大きくなりすぎることを抑制できる。すなわち、透過部10の明るさが大きくなりすぎることを抑制できる。具体的には、透過部10のうち、カバー30に対向する面と反対側の面の明るさが大きくなりすぎることを抑制できる。
【0074】
なお、複数の第1透過領域12の配置は、特に限定されない。例えば、複数の第1透過領域12は、例えば、正方格子状、又は矩形格子状に配置されていてもよい。また、第1透過領域12は、透過部10において、等間隔に配置されてもよいし、不等間隔に配置されていてもよい。さらに、複数の第1透過領域12の大きさは、均一であってもよいし、不均一であってもよい。さらに、透過部10の単位面積あたりの第1透過領域12の個数は、透過部10の部分ごとに均一であってもよいし、不均一であってもよい。この場合、透過部10を通過する光の単位面積あたりの大きさを均一にしたり、不均一にしたりできる。例えば、透過部10の第2方向D2における中央付近が、透過部10の第2方向D2における外側付近よりも発光素子42との距離が近いと、透過部10の第2方向D2における中央付近に入射する光が、透過部10の第2方向D2における外側付近に入射する光よりも大きい場合がある。そこで、透過部10の第2方向D2における中央付近の単位面積あたりの第1透過領域12の個数を、透過部10の第2方向D2における外側付近単位面積あたりの第1透過領域12の個数よりも少なくすることによって、透過部10の全体にわたって、透過部10を通過する光の大きさが不均一になることを軽減できる。つまり、透過部10のうち、カバー30に対向する面と反対側の面における照射ムラを軽減できる。
【0075】
反射部20は、第2反射領域21と、第2透過領域22とを有する。また、本実施形態において、反射部20は、複数の第2透過領域22を有する。本実施形態において、第2透過領域22は、略真円形状を有する。本実施形態において、第2透過領域22の大きさは、第1透過領域12の大きさと略同一である。本実施形態において、複数の第2透過領域22は、三角格子状に配置される。第2透過領域22は、光を透過させる。第2反射領域21は、光を反射させる。従って、反射部20に入射した光LT2(図3参照)の一部が取付面Waに向かって反射され、反射部20に入射した光LT2の一部が透過する。
【0076】
なお、第2透過領域22の大きさは、第1透過領域12の大きさと異なっていてもよい。また、複数の第2透過領域22の配置は、特に限定されない。例えば、複数の第2透過領域22は、例えば、正方格子状、又は矩形格子状に配置されていてもよい。さらに、第2透過領域22は、反射部20において、等間隔に配置されてもよいし、不等間隔に配置されていてもよい。さらに、複数の第2透過領域22の大きさは、均一であってもよいし、不均一であってもよい。さらに、反射部20の単位面積あたりの第2透過領域22の個数は、反射部20の部分ごとに均一であってもよいし、不均一であってもよい。この場合、反射部20を反射する光の単位面積あたりの大きさを均一にしたり、不均一にしたりできる。例えば、反射部20bのうち一方端部23bに近い箇所ほど発光素子42との距離が短くなり、反射部20bのうちの他方端部24bに近い箇所ほど発光素子42との距離が長くと、反射部20bのうち一方端部23bに近い箇所ほど反射部20bに入射する光が大きくなり、反射部20bのうち他方端部24bに近い箇所ほど反射部20bに入射する光が小さくなる場合がある。そこで、反射部20bのうち一方端部23bに近い箇所ほど単位面積あたりの第2透過領域22の個数を多くし、反射部20bのうち他方端部24bに近い箇所ほど単位面積あたりの第2透過領域22の個数を少なくすることによって、反射部20bの全体にわたって、反射部20bを反射する光の大きさが不均一になることを軽減できる。反射部20aもまた、反射部20bと同様である。
【0077】
具体的には、本実施形態において、第1透過領域12は、貫通孔によって構成される。また、本実施形態において、第2透過領域22は、貫通孔によって構成される。従って、透過部10と反射部20とを同じ材料で形成できる。同じ材料とは、例えば貫通孔を形成された板金である。その結果、透過部10と反射部20とを容易に製造できる。また、透過部10と反射部20とが一体成型品である場合、貫通孔を形成された板金を折り曲げるだけで、透過部10と反射部20と製造できる。ひいては、板金を折り曲げる角度と、板金を折り曲げる位置との少なくとも1つを変更するだけで、構成の異なる配光部材5を容易に製造できる。
【0078】
図5に示すように、第1方向D1から配光部材5を見たとき、透過部10の第1透過領域12は略真円形状を有するが、透過部10に対して傾斜する反射部20の第2透過領域22は略楕円形状を有する。第1方向D1から配光部材5を見たときの平面視において、第2透過領域22の大きさは、実際の第2透過領域22の大きさに対して、第3方向D3に沿った大きさが略同一であり、第2方向D2に沿った大きさは小さくなる。すなわち、第1方向D1から配光部材5を見たときの平面視において、第2透過領域22は、実際の第2透過領域22よりも小さい。従って、反射部20が、透過部10に対して鈍角をなすように透過部10に対して傾斜しない場合と比較して、第2透過領域22を透過する光LT2の明るさが小さくなる。その結果、取付面Waに向かって反射する光LT2の明るさが大きくなり、取付面Waの明るさと照明器具1の明るさとの差を小さくできる。
【0079】
(第1変形例)
次に、図6を参照して、本実施形態の第1変形例に係る照明器具1xについて説明する。配光部材5xの形状が、本実施形態に係る配光部材5xの形状と異なる点で、第1変形例は本実施形態と異なる。以下、第1変形例が本実施形態と異なる点を主に説明する。
【0080】
図6は、本実施形態の第1変形例に係る照明器具1xの断面図である。図6に示すように、本変形例において、配光部材5xは、透過部10xと、2つの反射部20xとを含む。透過部10xは、2つの反射部20xに隣り合う。本変形例において、透過部10xは、2つの反射部20xの各々と接続されている。
【0081】
本変形例において、透過部10xは、断面視において、略V字形状を有する。透過部10xは、第3方向D3(図1参照)に延びる2つの主面10xsを含む。主面10xsの第2方向D2に対する傾きは、主面10xsに隣り合う反射部20xの第2方向D2に対する傾きと略同一である。
【0082】
透過部10xは、対向部33に第1方向D1に対向する。本変形例において、透過部10xは、対向部33に当接する。ただし、透過部10xは、対向部33に当接しなくてもよい。また、反射部20xは、傾斜部32に第1方向D1に対向する。
【0083】
本変形例において、透過部10xは、カバー30を通過した光を透過する。具体的には、透過部10xは、例えば、カバー30の対向部33を通過した光を透過する。加えて、反射部20xは、カバー30を通過した光を取付面Waに向かって反射させる。具体的には、反射部20xは、例えば、カバー30の傾斜部32を通過した光を取付面Waに向かって反射させる。従って、取付面Waの明るさを大きくすることができる。その結果、照明器具1の明るさと取付面Waの明るさとの差を小さくすることができる。
【0084】
ここで、例えば本変形例に係るカバー30の大きさ及び形状は、それぞれ、図3で示したカバー30の大きさ及び形状と同じである。従って、断面視において、第2方向D2に対する反射部20xの傾きは、図3で示した第2方向D2に対する反射部20の傾きより緩やかである。
【0085】
(第2変形例)
次に、図7を参照して、本実施形態の第2変形例に係る照明器具1yについて説明する。配光部材5yの形状が本実施形態に係る配光部材5の形状と異なる点と、カバー30yの形状が本実施形態に係るカバー30の形状と異なる点とで、第2変形例は本実施形態と異なる。以下、第2変形例が本実施形態と異なる点を主に説明する。
【0086】
図7は、本実施形態の第2変形例に係る照明器具1yの断面図である。図7に示すように、本変形例において、配光部材5yは、透過部10yと、2つの反射部20yとを含む。透過部10yは、2つの反射部20yに隣り合う。本変形例において、透過部10yは、2つの反射部20yの各々と接続されている。
【0087】
本変形例において、透過部10yは、断面視において、略V字形状を有する。透過部10yは、第3方向D3(図1参照)に延びる2つの主面10ysを含む。主面10ysの第2方向D2に対する傾きは、主面10ysに隣り合う反射部20yの第2方向D2に対する傾きと略同一である。また、本変形例において、保持部50に保持されるときの反射部20yの第2方向D2に対する角度は、図3で示した反射部20の第2方向D2に対する角度と略同一である。
【0088】
本変形例において、カバー30yは、傾斜部32yと対向部33yとを含む。対向部33yは、光源40(具体的には発光素子42)に対向する。具体的には、対向部33yは、光源40(具体的には発光素子42)に第1方向D1に対向する。傾斜部32yは、対向部33yに対して、反射部20yから離れる側に傾斜する。
【0089】
透過部10yは、対向部33yに第1方向D1に対向する。本変形例において、透過部10yは、対向部33yに当接する。ただし、透過部10yは、対向部33yに当接しなくてもよい。また、反射部20yは、傾斜部32yに第1方向D1に対向する。
【0090】
本変形例において、カバー30yの対向部33yから光源40までの長さLyは、図3で示したカバー30の対向部33から光源40までの長さよりも短い。従って、対向部33yの明るさが大きくなる。さらに、本変形例において、透過部10yは、カバー30yを通過した光を透過する。具体的には、透過部10yは、例えば、カバー30yの対向部33yを通過した光を透過する。加えて、反射部20yは、カバー30を通過した光を取付面Waに向かって反射させる。具体的には、反射部20yは、例えば、カバー30の傾斜部32yを通過した光を取付面Waに向かって反射させる。従って、取付面Waの明るさ及び照明器具1yの明るさを大きくしつつ、照明器具1yの明るさと取付面Waの明るさとの差を小さくすることができる。
【0091】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。
【0092】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0093】
本実施形態において、照明器具1は、略直方体形状を有した。ただし、照明器具1が透過部10と反射部20とを備える限り、照明器具1は、直方体形状と異なる形状を有していてもよい。例えば、照明器具1は、略立方体形状を有していてもよいし、略円筒形状を有していても良いし、略多角筒形状を有していてもよい。
【0094】
また、本実施形態において、カバー30は、断面視において、略台形形状を有した。ただし、カバー30が傾斜部32を有する限り、カバー30は、略三角形形状、略多角形形状、略半円形状を有していてもよい。
【0095】
さらに、本実施形態において、カバー30の第3方向D3における両端には、それぞれ一対のキャップ部材31が取り付けられた。すなわち、カバー30とキャップ部材31とは、別部材であった。ただし、カバー30と一対のキャップ部材31とは、一体成型品であってもよい。また、保持部50の第3方向D3における両端には、それぞれ一対のキャップ部材55が取り付けられた。すなわち、保持部50とキャップ部材55とは、別部材であった。ただし、保持部50と一対のキャップ部材55とは、一体成型品であってもよい。さらに、筐体60の第3方向D3における両端には、それぞれ一対のキャップ部材65が取り付けられた。すなわち、筐体60とキャップ部材65とは、別部材であった。ただし、筐体60と一対のキャップ部材65とは、一体成型品であってもよい。
【0096】
さらに、本実施形態において、第1透過領域12は、貫通孔によって構成され、第2透過領域22は、貫通孔によって構成された。ただし、第1透過領域12及び第2透過領域22が光を透過する限り、第1透過領域12及び第2透過領域22は、貫通孔によって構成されなくてもよい。例えば、配光部材5が、透明な樹脂製であり、第1反射領域11と第2反射領域21とに相当する領域を反射加工することによって、第1透過領域12及び第2透過領域22を規定してもよい。この場合、第1透過領域12及び第2透過領域22は、透明な樹脂によって構成される。
【0097】
さらに、本実施形態において、カバー30と配光部材5とは別部材であったが、カバー30と配光部材5とは一体成型品であってもよい。
【0098】
さらに、本実施形態において、透過部10は、第1反射領域11と、第1透過領域12とを有した。また、反射部20は、第2反射領域21と、第2透過領域22とを有した。ただし、透過部10が第1反射領域11と、第1透過領域12とを有する限り、反射部20は、第2透過領域22を有しなくてもよい。
【0099】
本願は、更に以下の付記を開示する。なお、以下の付記は、本発明を限定するものではない。
【0100】
[付記1]
取付面に取り付けられることの可能な照明器具であって、
光を出射する発光素子を含む光源と、
前記光源を覆うカバーと、
前記カバーを介して、前記発光素子と対向する透過部と、
前記透過部に隣り合う反射部と
を備え、
前記透過部は、前記カバーを通過した前記光の一部を透過し、
前記反射部は、前記カバーを通過した前記光の一部を取付面に向かって反射させる、照明器具。
【0101】
[付記2]
前記反射部は、前記透過部に対して傾斜し、前記透過部に対して鈍角をなす、請求項1に記載の照明器具。
【0102】
[付記3]
前記透過部は、第1方向に前記発光素子と対向し、
前記透過部は、前記第1方向に直交する第2方向に略平行である、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【0103】
[付記4]
2つの前記反射部を備え、
前記透過部は、第1方向に前記発光素子と対向し、
前記2つの反射部は、前記第1方向に直交する第2方向における前記透過部の両端部からそれぞれ延びる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明器具。
【0104】
[付記5]
前記透過部は、前記光を透過させる第1透過領域と、前記光を反射させる第1反射領域とを有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明器具。
【0105】
[付記6]
前記第1透過領域は、貫通孔によって構成され、
前記反射部は、前記光を透過させる第2透過領域と、前記光を反射させる第2反射領域とを有し、
前記第2透過領域は、貫通孔によって構成される、請求項5に記載の照明器具。
【0106】
[付記7]
前記カバーは、前記透過部に対して、前記反射部から離れる側に傾斜する傾斜部を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の照明器具。
【0107】
[付記8]
前記カバーと、前記反射部とを保持する保持部をさらに備え、
前記反射部と前記透過部とは一体成型品である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明器具。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、照明器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0109】
1 照明器具
10 透過部
13 両端部
11 第1反射領域
12 第1透過領域
20 反射部
21 第2反射領域
22 第2透過領域
30 カバー
32 傾斜部
40 光源
41 基板
42 発光素子
42a 発光面
50 保持部
D1 第1方向
D2 第2方向
Wa 取付面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7