(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】自動改札機
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240527BHJP
【FI】
G07B15/00 A
G07B15/00 W
(21)【出願番号】P 2020112681
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】土橋 浩慶
(72)【発明者】
【氏名】山崎 和久
(72)【発明者】
【氏名】川合 信行
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-221764(JP,A)
【文献】特開2018-146257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路を形成する筐体と、
前記筐体に設置され、前記筐体における設置位置から前記通路の入口側に向けた検知範囲において前記通路を通行する人物が所持する危険物を検知する
第1危険物検知器と、
前記筐体に設置され、前記筐体における設置位置から前記通路の出口側に向けた検知範囲において前記通路を通行する人物が所持する危険物を検知する第2危険物検知器と、
前記第1危険物検知器の検知範囲および前記第2危険物検知器の検知範囲を含む前記通路内の画像を撮影するカメラと、
前記
第1又は第2危険物検知器によって前記人物が危険物を所持することを検出した場合、
前記カメラが撮影した画像を監視装置へ送信する制御部と、
前記通路を通行する人物が提示する乗車券媒体に記録されている情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った情報によって前記通路の通行が可能である場合に前記人物の通行を許可し、前記読取部が読み取った情報での前記通路の通行が不可である場合に前記人物の通行を阻止する通行制御部と、
を有する自動改札機。
【請求項2】
前記
第1及び第2危険物検知器は、
それぞれが前記通路を人物が通行する位置を含む検知範囲における人体と異なる物体を示す情報を含む信号を受信し、
前記制御部は、前記
第1及び第2危険物検知器が受信する信号に基づいて前記人物が危険物を所持していることを検出する、
請求項1に記載の自動改札機。
【請求項3】
前記
第1及び第2危険物検知器は、
それぞれが前記検知範囲において人体と異なる物体までの距離を示す信号を受信する
レーダで構成され、
前記制御部は、前記各レーダが受信する信号に基づいて人体と異なる物体のスキャン画像を生成し、生成したスキャン画像に基づいて前記人物が危険物を所持することを検出する、
請求項2に記載の自動改札機。
【請求項4】
さらに、前記スキャン画像を
前記監視装置へ送信する通信部を有する、
請求項3に記載の自動改札機。
【請求項5】
前記スキャン画像に対するパターン認識処理によって前記人物が所持する危険物を検出する、
請求項3又は4の何れか1項に記載の自動改札機。
【請求項6】
前記制御部は、前記人物が危険物を所持することを検出した場合、前記通行制御部によって前記人物の通行を阻止する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の自動改札機。
【請求項7】
前記制御部は、前記
第1及び第2危険物検知器によって前記人物が危険物を所持することを検知した場合、
さらに、前記読取部により前記人物が提示した乗車券媒体から読み取った情報を前記監視装置へ送信する、
前記請求項1乃至6の何れか1項に記載の自動改札機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道やバスなどの交通機関では、刃物、銃器、爆発物、有毒物質あるいは可燃物などの危険物の持ち込みを禁じている。空港等では、専用の検査場を設けて、乗客に対して持ち物検査を実施している。しかしながら、鉄道の駅などに設置される自動改札機は、利用者が所持する乗車券媒体に応じて利用者の通行を制御するものであり、危険物等を検知する機能や危険物を所持する人物の通行を阻止する機能がない。自動改札機を設置する駅の改札口などでは、利用者の円滑な通行を確保するため、専用の検査場を設けることが困難である。このため、改札口を通行する人物が危険物を所持しているかを検出できるものが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-146257号公報
【文献】特開2018-146250号公報
【文献】特開2018-146249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の課題を解決するために、人物が危険物を所持しているかを確認できる自動改札機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、自動改札機は、筐体と、第1危険物検知器と、第2危険物検知器と、カメラと、制御部と、読取部と、通行制御部と、を有する。筐体は、通路を形成する。第1危険物検知器は、筐体に設置され、筐体における設置位置から前記通路の入口側に向けた検知範囲において通路を通行する人物が所持する危険物を検知する。第2危険物検知器は、筐体に設置され、筐体における設置位置から前記通路の出口側に向けた検知範囲において通路を通行する人物が所持する危険物を検知する。カメラは、第1危険物検知器の検知範囲及び第2危険物検知器の検知範囲を含む通路内の画像を撮影する。制御部は、前記第1又は第2危険物検知器によって前記人物が危険物を所持することを検出した場合、前記カメラが撮影した画像を監視装置へ送信する。読取部は、通路を通行する人物が提示する乗車券媒体に記録されている情報を読み取る。通行制御部は、読取部が読み取った情報によって通路の通行が可能である場合に人物の通行を許可し、読取部が読み取った情報での前記通路の通行が不可である場合に人物の通行を阻止する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る自動改札機の外観構成を示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る自動改札機の構成例を示す上面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る自動改札機の他の構成例を示す上面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る自動改札機の制御系統の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る自動改札機を含む監視システムの構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る自動改札機の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る自動改札機1の外観構成を概略的に示す側面図である。また、
図2は、実施形態に係る自動改札機1の外観構成を示す上面図である。
自動改札機1は、たとえば、鉄道関係の駅の改札口等に設置され、利用者に対する改札(入場又は出場)業務などの通行制御(改札処理)を行うものである。自動改札機1は、たとえば、
図2に示すように、2台1組で1つの改札(入場又は出場)用の通路を形成する。自動改札機1は、改札用の通路を1方向にのみ通過可能な入場専用あるいは出場専用の専用機として用いられる場合と、改札用の通路を両方向に通過可能な両用機として用いられる場合とがある。自動改札機1は、予め入場用の専用機、出場用の専用機あるいは両用機の何れかに設定される。
【0008】
自動改札機1は、利用者が所持する券(乗車券媒体)を処理する機能を有する。自動改札機1が処理する券は、たとえば、普通乗車券、ストアードフェア(SF)カード、定期券、特急券、あるいは回数券などの券として利用される記録媒体である。自動改札機1が処理する乗車券としての記録媒体は、たとえば、磁気券(磁気乗車券)、又は、非接触ICカードなどの非接触通信機能を有する電子装置(非接触券)である。磁気券は、磁気情報を記録した記録媒体である。非接触券は、非接触で記録情報が読み取れる電子装置である。非接触券は、非接触式ICカード(又は、非接触式ICカードと同等の機能を有する電子機器)、又は、QRコード(登録商標)などのコード情報を印刷した記録媒体(以下、コード券とも称する)である。
【0009】
非接触券としてのICカードは、非接触式ICカードの通信方式(非接触通信方式)による通信機能を有し、乗車券情報を含む情報を記憶する。利用者は、通路を通過する場合、乗車券としてのICカードを自動改札機1の提示領域Rに提示する。たとえば、ICカードは、定期券、運賃精算のための料金前払い方式のストアードフェア(SF)カード、あるいは、運賃精算のための料金後払い方式のカードなどとして利用される。
【0010】
また、非接触券としてのコード券は、2次元バーコード(たとえば、QRコード(登録商標))などのコード情報が券面に印刷されたものである。コード券の券面に印刷されるコード情報は、たとえば、乗車券情報を含む情報をコード化した情報である。利用者は、通路を通過する場合、乗車券としてのコード券の券面を自動改札機1の提示領域Rに提示する。たとえば、コード券は、普通乗車券、指定券、定期券、特急券、あるいは回数券などの券として利用される記録媒体である。
【0011】
磁気券は、情報を記憶する磁気記録層を有する記録媒体である。磁気券に記録される情報(磁気情報)は、乗車券情報を含む情報である。利用者は、通路を通過する場合、乗車券としての磁気券を投入口5に投入する。たとえば、磁気券は、普通乗車券、定期券、特急券、あるいは回数券などとして利用される。
【0012】
自動改札機1は、入場用あるいは出場用の通路を形成する筐体2を有する。また、筐体2は、通路側の面が後述する危険物検知センサにより検出される信号から危険物を検出しやすいような材料で構成される。たとえば、危険物検知センサがレーダである場合、筐体2の通路側の面は、プラスチックなどで構成される。
【0013】
また、自動改札機1の筐体2の上面および側面には、筐体内部における係員による保守作業などのために開閉可能なカバーを有する。カバーは、通常の動作モード(運用モード)において、図示しない施錠機構によりロックされており、係員による保守作業を受け付ける動作モード(保守モード)において、施錠機構によるロックが解除される。
【0014】
図1に示す構成例において、自動改札機1を形成する筐体2上面の一端部に、乗車券媒体として用いられる非接触券から情報を読み取る券リーダ(非接触リーダ)4が設けられている。券リーダ4は、たとえば、ICカードとの無線通信を行うICカードリーダライタ、あるいは、券面のコード情報を読み取るコードリーダである。また、券リーダ4は、ICカードリーダライタの機能とコードリーダの機能とを合わせものであっても良い。
【0015】
券リーダ4としてのICカードリーダライタは、電波の送受信を行うアンテナおよび送受信回路などにより構成される。券リーダ4としてのICカードリーダライタは、筐体上面の一端部分の提示領域RがICカードとの通信範囲となるように設置する。たとえば、改札用の通路を通行しようとする利用者がICカードを提示領域Rに提示すると、自動改札機1は、利用者が提示したICカードと通信し、当該ICカードに記録されている情報を読み取る。自動改札機1は、ICカードから読み取った情報に含まれる乗車券情報に基づいて当該利用者の通行の可否を判断し、その判断結果に基づいて当該利用者の通行を制御する。
【0016】
また、券リーダ4としてのコードリーダは、スキャナおよび認識部などにより構成される。券リーダ4としてのコードリーダは、筐体上面の一端部分の提示領域Rがコード券の券面の読取範囲となるように設置する。改札用の通路を通行しようとする利用者がコード券の読取面を装置側に向けて提示領域Rに提示すると、自動改札機1は、利用者が提示したコード券の券面をスキャンし、当該コード券の券面に印刷されているコード情報を認識する。自動改札機1は、コード券から読み取ったコード情報に含まれる乗車券情報に基づいて当該利用者の通行の可否を判断し、その判断結果に基づいて当該利用者の通行を制御する。
【0017】
また、
図1に示す構成例において、自動改札機1を形成する筐体上面の一端部には、乗車券として用いられる磁気券が投入される投入口5が設けられる。投入口5は、利用者が磁気券を投入し易いように設計される。たとえば、投入口5は、利用者となりうる人物のうち平均的な人物が磁気券を投入しやすい高さに設置される。
【0018】
また、投入口5には、シャッタ5aが設けられる。シャッタ5aは、投入口5への磁気券の投入を阻止するものである。自動改札機1が磁気券の受入れ不可な状態である場合、シャッタ5aは閉鎖され、磁気券の受入れが可能な状態である場合には、シャッタ5aは開放される。また、投入口5に投入された磁気券は、自動改札機1の筐体内に取り込まれ、筐体内の磁気券処理部(磁気読取部および磁気書込部)により情報の読み取りおよび書込みが施される。
【0019】
自動改札機1は、磁気券を処理するための磁気券処理部(後述する)を有する。磁気券処理部は、投入口5に投入された磁気券を搬送する搬送機構、および、搬送機構により搬送される磁気券に対して磁気情報の読取および書込みを行う処理機構などにより構成される。また、
図1に示す構成例において、自動改札機1は、上面における通路の退出口側の端部に磁気券処理部で処理された磁気券を排出する取出口6が設けられる。磁気券処理が処理した磁気券は、取出口6から返却されるか、もしくは、回収される。
【0020】
自動改札機1を形成する筐体の通路側の側面における両端部には、それぞれ通行者の通行の許可不許可を行う開閉動作可能な扉7、7が設けられている。扉7は、通常運用状態においては、利用者が所持するICカードに対する判定結果、あるいは、人間検知センサSあるいは近接センサの検知結果などに基づいて開閉制御される。
【0021】
自動改札機1を形成する筐体上面には、利用者あるいは係員などに対して案内を行うための案内表示部8が設けられている。案内表示部8は、たとえば、液晶表示装置などにより構成される。案内表示部8は、通路を通行する利用者に対する改札処理の結果などを案内する案内画面を表示する。たとえば、案内表示部8には、ストアードフェア(SF)カード機能を有するICカードを処理した場合には改札処理後のICカードにおけるSF残額を表示する。なお、案内表示部8は、利用者が表示内容を確認できる位置に設ければ良い。案内表示部8は、筐体上面の退出口側の端部に設定するものに限定されず、たとえば、筐体上面の中央部や筐体上面において券リーダ4に隣接して設けても良い。
【0022】
自動改札機1を形成する筐体2の上面には、自動改札機1の状態あるいは処理状況などを報知するための状態表示部9が設けられている。たとえば、状態表示部9は、小児用の非接触券が提示された場合あるいは磁気券としての小児券が投入された場合、小児に対する改札処理であることを示す表示を行う。また、状態表示部9は、無札者を検知した場合、無札者が進入したことを示す表示を行う。また、状態表示部9は、無効な乗車券となる非接触券あるいは磁気券が提示された場合、利用者が提示した乗車券が無効券であることを示す表示を行う。
【0023】
自動改札機1を形成する筐体2の上面のセンサカバー内および筐体2の側面には、複数の人間検知センサSが設けられている。人間検知センサSは、反射型の検知センサ、あるいは透過型の検知センサにより構成される。人間検知センサSからの出力信号は、「明」あるいは「暗」の何れかとなる。人間検知センサSは、所定の検知位置に人物が存在するか否かを検知するものである。自動改札機1は、複数の人間検知センサSにより通路内の各所における人物の有無を検知する。これにより、自動改札機1は、複数の人間検知センサSの検知結果に基づいて通路を通過中の利用者の位置を判定するようになっている。
【0024】
さらに、自動改札機1は、券リーダ4および投入口5が設けられている側(通路の進入口側)の通路進入方向に面する側面には、通行案内表示部や近接センサを設けても良い。通行案内表示部は、当該自動改札機への通路への進入可否などを表示する。また、近接センサは、自動改札機1に接近してくる人物を検知する。自動改札機1は、近接センサにより通路に接近している人物を検知し、当該人物が改札処理をスムーズに受けられるようにする。たとえば、通路を両方向に通行する運用形態である場合、自動改札機1は、近接センサの検知結果に応じて通行方向(改札方向)を制御する。なお、自動改札機は、近接センサの検知結果に応じて、表示部の消灯などによって消費電力を低減させる省電力モードと通常動作モード(改札処理を実行する動作モード)との切り替え制御を行うようにしても良い。
【0025】
自動改札機1を形成する筐体2の側面には、人物が所持している危険物を検知するための危険物検知器10が設けられている。危険物検知器10は、たとえば、人物と異なる物体までの距離を計測するレーダである。危険物検知器10の一例としてのレーダは、人物と異なる物体までの距離を計測するミリ波を受信する。レーダが検知するミリ波では、人体と誘電率の異なる物体との距離を測定することができる。危険物検知器10としてのレーダは、複数のレーダを組み合わせた構成とする。また、通路内における人物の全身が検知範囲となるように配置される。
図1および
図2では、危険物検知器10としてのレーダが、筐体2の通路側の側面において垂直方向に多数のレーダを配置することにより人物の全身が検知範囲となるように構成される例を示す。
【0026】
また、
図2に示す例において、危険物検知器10としてのレーダは、自動改札機1が形成する通路の両側に入口側に向けた1セットのレーダと出口側に向けた1セットのレーダとが配置される。
図2中に示す矢印a方向が人物の通行方向とすると、
図2に示すレーダ10inRとレーダ10inLとは、通路の入口側を検知範囲とする。また、レーダ10inRとレーダ10inLとは、通路に進入してくる人物の全身における正面側からのミリ波を検知する。また、
図2に示すレーダ10outRとレーダ10outLとは、通路の出口側を検知範囲とする。レーダ10outRとレーダ10outLとは、通路から退出しようとする人物の全身における背面側からのミリ波を検知する。
図2に示すようにレーダを配置することで、人物の全身(前後左右)を検知範囲とすることが可能となる。
【0027】
また、自動改札機1を形成する筐体2の上面には、カメラ11が設けられる。カメラ11は、危険物検知器10の検知範囲を含む領域の画像を撮影する。
図2に示す例では、カメラ11inとカメラ11outとが設けられる。カメラ11inは、通路の入口側に向けて筐体2の上面における出口付近に設置される。カメラ11inは、通路の入口側に向かって、レーダ10inRとレーダ10inLとが検知範囲とする領域を含む領域の画像を撮影するように設けられる。カメラ11outは、通路の出口側に向けて筐体2の上面における入口付近に設置される。カメラ11outは、通路の出口側に向かって、レーダ10outRとレーダ10outLが検知範囲とする領域を含む領域の画像を撮影するように設けられる。
【0028】
図3は、危険物検知器10としてのレーダおよびカメラ11の他の配置例を示す図である。
図3に示す例において、危険物検知器10としてのレーダは、自動改札機1が形成する通路の片側に入口側に向けた1つのレーダと出口側に向けた1つのレーダとが配置される。
図3中に示す矢印a方向が人物の通行方向とすると、
図3に示すレーダ10in´は、通路の入口側を検知範囲とし、通路に進入してくる人物の全身における正面側からのミリ波を検知するように配置される。また、
図3に示すレーダ10out´は、通路の出口側を検知範囲とし、通路から退出しようとする人物の全身における背面側からのミリ波を検知する。
図3に示すようにレーダを配置することで、レーダ10in´で人物の前面と右側面を検知範囲とし、レーダ10out´で人物の背面と左側面を検知範囲とすることが可能となる。この結果として、人物の全身(前後左右)を検知範囲とすることが可能となる。
【0029】
また、
図3に示す例では、カメラ11in´とカメラ11out´とが設けられる。カメラ11in´は、通路の入口側に向けて筐体2の上面におけるレーダ10inの配置位置付近に設置される。カメラ11in´は、通路の入口側に向かって、レーダ10in´が検知範囲とする領域を含む領域の画像を撮影するように設けられる。カメラ11out´は、通路の入口側に向けて筐体2の上面におけるレーダ10outの配置位置付近に設置される。カメラ11out´は、通路の出口側に向かって、レーダ10out´が検知範囲とする領域を含む領域の画像を撮影するように設けられる。
【0030】
次に、自動改札機1の制御系の構成について説明する。
図4は、上記のように構成された自動改札機1の制御系統の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、自動改札機1は、制御部21により全体が制御される。制御部21には、ROM(リード・オンリ・メモリ)22、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)23、記憶部24、通信部25、券リーダ4、磁気券処理部26、人間検知センサS、危険物検知器10、カメラ11、通行制御部27、表示部8、および、音声出力部28などが接続されている。
【0031】
制御部21は、CPU(プロセッサ)などにより構成され、プロセッサがROM22などのメモリに記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。たとえば、制御部21は、CPUがプログラムを実行することにより、非接触券又は磁気券から読み取った情報に基づいて通行の可否を判定する機能、人間検知センサSの検知結果から当該自動改札機1の通路内における人物の位置および移動状況などを検知する機能および、人間検知センサSの検知結果および通行の判定結果に応じて扉7の開閉を駆動制御する機能などを実現する。
【0032】
また、制御部21は、危険物検知器10が検知する信号によって通路内の人物が危険物を所持しているか否かをチェックする機能を有する。たとえば、制御部21は、危険物検知器10としてのレーダが検知する信号から危険物を検出するための2次元の画像(スキャン画像)を生成する。制御部21は、危険物検知器10としてのレーダが検知する信号から生成した2次元の画像(スキャン画像)に対する画像認識によって通路内の人物が危険物を所持していることを検出する。また、制御部21は、スキャン画像に対するパターン認識によって銃器やナイフなどの危険物を検出するようにしても良い。
【0033】
制御部21は、通路内の人物が危険物を所持することを検出した場合、警報を報知するようにしても良い。また、制御部21は、通路内の人物が危険物を所持することを検出した場合、扉7を閉じて当該人物の通行を阻止するようにしても良い。また、制御部21は、通路内の人物が危険物を所持することを検出した場合、危険物検知器10としてのレーダが検知する信号から生成した2次元の画像(スキャン画像)を監視盤30(
図5参照)やネットワークを介して接続される監視装置40(
図5参照)へ送信するようにしても良い。さらに、制御部21は、通路内の人物が危険物を所持することを検出した場合、カメラ11が当該人物を撮影した画像を監視盤30(
図5参照)やネットワークを介して接続される監視装置40(
図5参照)へ送信するようにしても良い。
【0034】
ROM22は、予めデータが記憶されている不揮発性のメモリで構成される。たとえば、ROM22には、制御部21により実行される制御プログラムや制御データなどが記憶されている。RAM23は、一時的にデータを記憶する揮発性メモリで構成される。たとえば、RAM23は、制御部21にて実行される制御プログラムなどのバッファメモリとして機能する。
【0035】
記憶部24は、書き換え可能な不揮発性メモリにより構成される。記憶部24には、たとえば、運賃情報や上位装置としてのホストコンピュータ(図示しない)からダウンロードされたデータなどが記憶されている。
【0036】
通信部25は、自動改札機1の稼働状況を駅係員が監視するための監視盤30とのデータ通信を行うためのインターフェースである。通信部25は、監視盤30からの当該自動改札機1への制御指示を受信したり、当該自動改札機1の動作状況を示す情報を監視盤30へ送信したりする。また、通信部25は、監視盤30を介してネットワークを経由して接続される監視装置40とデータ通信を行うようにしても良い。たとえば、通信部25は、通路内の人物が危険物を所持することを検出した場合に、監視盤30あるいは監視装置40へ危険物検知器10が検知する信号から生成したスキャン画像やカメラ11が撮影した画像などを送信する。
【0037】
券リーダ4は、乗車券媒体から情報を読み取る。券リーダ4は、乗車券媒体から情報を非接触で読み取るものとする。たとえば、券リーダ4は、非接触式ICカードなどの非接触通信機能を有する電子装置から情報を読み取るカードリーダライタであっても良いし、乗車券として利用されるコード券の券面から乗車券情報を含むコード情報を読み取るコードリーダであっても良い。
【0038】
券リーダ4としてのカードリーダライタは、提示領域(所定の通信範囲)Rに提示されたICカードとのデータの送受信を行う。券リーダ4としてのカードリーダライタは、ICカードにコマンドを供給し、供給したコマンドに対するレスポンスをICカードから受信する。たとえば、カードリーダライタは、ICカードに書込みコマンドを送信することにより、ICカードに情報(たとえば、改札情報)を書き込む。また、カードリーダライタは、ICカードに読出しコマンドを送信することにより、ICカードから情報(たとえば、乗車券情報)を読み取る。
また、券リーダ4としてのコードリーダは、提示領域(所定の読取範囲)Rに提示されたコード券の券面を含む画像を読み取り、読み取った画像からコード情報の画像を抽出し、抽出したコード情報の画像から乗車券情報を含む情報を認識する。
【0039】
磁気券処理部26は、投入口5に投入された乗車券として利用される磁気券を処理する。たとえば、磁気券処理部29は、制御部21からの動作指示に基づいて磁気券から情報を読出したり磁気券に改札情報を記録したりする。
人間検知センサSは、人物の有無を検知する。人間検知センサSは、
図1に示すように、通路内の所定の各位置に設置され、各位置おける人物の有無を検知する。
【0040】
危険物検知器10は、人物が所持する危険物を検知するためのセンサを含む。危険物検知器10は、人物が所持する危険物を検知するための信号を取得するものであれば良い。危険物検知器10は、ミリ波を検知するレーダ、金属探知機、X線バックスキャッタあるいはテラヘルツ波検知装置などであっても良い。本実施形態では、危険物検知器10は、ミリ波を用いたレーダであるものとして説明するものとする。
【0041】
たとえば、危険物検知器10としてのレーダは、複数のレーダによって構成され、検知範囲におけるミリ波を検知する。
レーダは、ミリ波によって人物と誘電率の異なる物体との距離を測定する。レーダは、
図2又は
図3に示すように、通路内における人物の全身が検知範囲となるように配置される。レーダは、ミリ波によって人物と異なる物体との距離を示す信号を制御部21へ供給する。これにより、制御部21は、人物と誘電率の異なる物体を示す2次元の画像(スキャン画像)を生成できる。
【0042】
カメラ11は、通路内の人物を撮影する。
図2又は
図3に示す例では、カメラ11は、危険物検知器10としてのレーダの検知範囲を含む領域の画像を撮影する。カメラ11は、撮影した画像を制御部21へ供給する。これにより、制御部21は、危険物検知器10としてのレーダが検知する信号から生成する2次元の画像(スキャン画像)と、カメラ11が撮影する危険物検知器10の検知範囲を含む領域の撮影画像とを取得する。
【0043】
通行制御部27は、扉7を開閉する機構を含む。通行制御部27は、制御部21による制御に基づいて扉7を開閉駆動するようになっている。
表示部8は、制御部21からの指示に応じて情報を表示する。たとえば、表示部8は、制御部21からの指示に応じて通路内にいる人物に対して通行の可否を示す案内を表示する。
音声出力部28は、音声を出力する。音声出力部28は、スピーカなどにより構成される。音声出力部28は、制御部21からの指示に応じて警報を出力する。たとえば、音声出力部28は、通路内の人物が危険物を所持することを検出した場合、制御部21からの指示に応じて警報を出力する。
【0044】
次に、自動改札機1を含む監視システムの例について説明する。
図5は、自動改札機1を含む監視システムの構成例を示す図である。
図5に示すように、監視システムは、自動改札機1、監視盤30、監視装置40などを有する。監視盤30には、複数の自動改札機1が接続される。たとえば、監視盤20は、駅に設けられる改札口ごとに監視盤30が設置され、当該改札口に設置される複数の自動改札機が接続される。監視盤30は、係員による各自動改札機1の動作状態の監視、あるいは、係員の操作による自動改札機1への動作指示などを行う。また、本実施形態に係わる監視盤30は、自動改札機1が危険物を検出したことを係員に報知する装置としても機能するようにしても良い。
【0045】
監視装置40は、ネットワークを介して各駅や各改札口に設置された自動改札機1と通信する機能を有する。
図5に示す構成例では、監視装置40は、監視盤30を介して自動改札機と通信する構成となっている。監視装置40は、自動改札機1が危険物を所持する人物を検出したことを示す通知を受け、監視員あるいは警備員に報知する。また、監視装置40は、自動改札機1から危険物検知器を用いて危険物を検知(スキャン)したスキャン画像を取得し、スキャン画像を表示装置に表示して監視員あるいは警備員に提供する。また、監視装置40は、自動改札機1から危険物を所持していることが検出された人物の撮影画像を取得し、当該人物の撮影画像を表示装置に表示して監視員あるいは警備員に報知する。また、監視装置40は、画像による人物の追跡システムに接続し、当該人物の撮影画像を人物の追跡システムに提供することで当該人物の追跡を行うようにても良い。
【0046】
次に、実施形態に係わる自動改札機1の動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る自動改札機1の動作例を説明するためのフローチャートである。
自動改札機1の制御部21は、利用者に対する改札処理が可能な状態において前記通路に進入する人物がいるか否かを検知する(S11)。人物を検知すると、制御部21は、危険物検知器10を用いて危険物の検出処理を行う(S12)。制御部21は、危険物検知器10によって検知範囲における危険物を検出するための信号を受信する。制御部21は、危険物検知器10が受信する信号に基づいて人物が危険物を所持しているか否かを検出する(S13)。
【0047】
たとえば、危険物検知器10としてのレーダは、複数のレーダによって検知範囲において人物と異なる物体までの距離を示す信号としてのミリ波を受信する。制御部21は、複数のレーダによって検知した信号に基づいて検知範囲における人物と異なる物体を示す2次元の画像(スキャン画像)を生成する。制御部21は、危険物検知器10が検知(受信)した信号から生成した2次元の画像(スキャン画像)に基づいて危険物の有無(人物が危険物を所持しているか否か)を判定する。また、制御部21は、スキャン画像に対するパターン認識によって銃器やナイフなどの危険物を検出するようにしても良い。
【0048】
危険物を検出しなかった場合(S13、NO)、制御部21は、当該人物が提示する乗車券媒体に記録されている情報に応じて改札処理(通行制御)を行う(S14)。制御部21は、券リーダ4あるいは磁気券処理部26により当該人物が提示する乗車券媒体に記録されている情報を読み取り、読み取った情報により当該通路を通行可能とするか否かを判定する。制御部21は、乗車券媒体に記録されている情報に基づいて通路の通行を許可する場合、通行制御部27により扉を開放して当該人物を通行させるとともに、表示部8に通行可である旨の案内を表示する。また、制御部21は、乗車券媒体に記録されている情報に基づいて通路の通行を不可とする場合、通行制御部27により扉を閉じて当該人物の通行を阻止するとともに、表示部8に通行不可である旨の案内を表示する。
【0049】
危険物を検出した場合(S13、YES)、制御部21は、警報を報知する(S15)。たとえば、制御部21は、音声出力部28により警報を出力する。また、制御部21は、通信部25により通信可能となっている監視盤30あるいは監視装置40に対して危険物を検出した旨の警報を通知するようにしても良い。この場合、制御部21は、監視盤30あるいは監視装置40によって係員に警報を報知することができる。
【0050】
危険物を検出した場合(S13、YES)、制御部21は、通信部25により監視盤30およびネットワークを介して、危険物検知器10が検知した信号から生成したスキャン画像を監視装置40へ送信する(S16)。これにより、監視装置40は、危険物を検出した自動改札機1からスキャン画像を取得でき、取得したスキャン画像を表示装置などに表示できる。この場合、自動改札機1は、監視装置40にスキャン画像を提供でき、監視員などにスキャン画像のチェックを行わせることができる。
【0051】
また、危険物を検出した場合(S13、YES)、制御部21は、当該人物の通行を阻止する(S17)。たとえば、制御部21は、通行制御部27により扉を閉じて当該人物の通行を阻止するとともに、表示部8に危険物が検出されたために通行不可である旨の案内を表示する。これにより、自動改札機1は、危険物を所持している可能性がある人物の通行を阻止できる。
【0052】
また、危険物を検出した場合(S13、YES)、制御部21は、通信部25により監視盤30およびネットワークを介して、カメラ11が撮影した画像を監視装置40へ送信する(S18)。たとえば、制御部21は、カメラ11が危険物を所持していることが検出された人物を撮影した撮影画像を取得する。制御部21は、通信部25により監視盤30およびネットワークを介して、当該人物の撮影画像を監視装置40へ送信する。これにより、監視装置40は、危険物を所持していることが検出された人物を撮影した撮影画像を表示装置などに表示でき、監視員などによる当該人物のチェックが可能となる。また、監視装置40は、自動改札機1から取得する撮影画像から危険物を所持していることが検出された人物(又は人物の画像)を特定でき、当該人物を人物追跡システムなどによって追跡することも可能となる。
【0053】
なお、S15、S16又はS18の処理において、制御部21は、当該人物が提示する乗車券媒体から読み取るIDなどの情報も監視装置40へ送信するようにしても良い。さらに、制御部21は、S15、S16又はS18の処理において、カメラ11が撮影した画像から抽出する当該人物の顔画像などの情報も監視装置40へ送信するようにしても良い。
【0054】
また、S16~S18の処理は、すべての処理を
図6に示す手順で実施することに限定されるものではない。S16~S18の処理は、何れか処理を省略したり、
図6に示す手順とは異なる手順で実施したりしても良い。また、危険物を検出した場合であっても、S16~S18の処理と並行してS15として説明したような改札処理を実施するようにしても良い。
【0055】
上記のような実施形態に係る自動改札機は、危険物検知器を用いて通路を通行する人物に対して危険物を検知するための信号を取得し、危険物検知器が取得する信号に基づいて人物が危険物を所持することを検出した場合、危険物を検出したことを示す情報を報知する。これにより、通路を通行しようとする人物が危険物を所持しているかを確認でき、人物が危険物を所持していることを報知できる自動改札機を提供できる。
【0056】
また、上述した実施形態に係る自動改札機は、人物が危険物を所持することを検出した場合、扉を閉じて当該人物の通行を阻止する。これにより、実施形態に関わる自動改札機によれば、危険物を所持している人物が駅構内に入場したりすることを阻止できる。また、実施形態に係る自動改札機は、人物が危険物を所持することを検出した場合、当該人物の撮影画像を外部装置としての監視装置へ送信する。これにより、外部の監視装置で危険物を所持していることが検出された人物の画像を監視員や警備員が確認できる。また、監視装置が危険物を所持していることが検出された人物の画像を外部の追跡システムに提供することで当該人物の追跡や継続的な監視などを行うことも可能となる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
通路を形成する筐体と、
前記通路を通行する人物が所持する危険物を検知する危険物検知器と、
前記危険物検知器によって前記人物が危険物を所持することを検出した場合、危険物を検出したことを示す情報を報知する制御部と、
前記通路を通行する人物が提示する乗車券媒体に記録されている情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った情報によって前記通路の通行が可能である場合に前記人物の通行を許可し、前記読取部が読み取った情報での前記通路の通行が不可である場合に前記人物の通行を阻止する通行制御部と、
を有する自動改札機。
[2]
前記危険物検知器は、前記通路を人物が通行する位置を含む検知範囲における人体と異なる物体を示す情報を含む信号を受信し、
前記制御部は、前記危険物検知器が受信する信号に基づいて前記人物が危険物を所持していることを検出する、
[1]に記載の自動改札機。
[3]
前記危険物検知器は、前記検知範囲において人体と異なる物体までの距離を示す信号を受信する複数のレーダで構成され、
前記制御部は、前記各レーダが受信する信号に基づいて人体と異なる物体のスキャン画像を生成し、生成したスキャン画像に基づいて前記人物が危険物を所持することを検出する、
[2]に記載の自動改札機。
[4]
さらに、前記スキャン画像を監視装置へ送信する通信部を有する、
[3]に記載の自動改札機。
[5]
前記スキャン画像に対するパターン認識処理によって前記人物が所持する危険物を検出する、
[3]又は[4]の何れか1つに記載の自動改札機。
[6]
前記制御部は、前記人物が危険物を所持することを検出した場合、前記通行制御部によって前記人物の通行を阻止する、
[1]乃至[5]の何れか1つに記載の自動改札機。
[7]
前記通路内の画像を撮影するカメラを有し、
前記制御部は、前記危険物検知器によって前記人物が危険物を所持することを検知した場合、前記カメラが撮影した画像を監視装置へ送信する、
[1]乃至[6]の何れか1つに記載の自動改札機。
【符号の説明】
【0058】
1…自動改札機、2…筐体、4…券リーダ、7…扉、10…危険物検知器(レーダ)、11…カメラ、21…制御部、25…通信部、26…磁気券処理部、27…通行制御部、30…監視盤、40…監視装置。