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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20240527BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
H04N5/64 571Z
G09F9/00 350Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020152343
(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公開番号】P2022046345
(43)【公開日】2022-03-23
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】吉武 貴一郎
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-181037(JP,A)
【文献】実開平05-004681(JP,U)
【文献】特開2014-224866(JP,A)
【文献】特開平06-188576(JP,A)
【文献】特開2016-208473(JP,A)
【文献】特開2015-192318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の下方に配置される底面部と、前記底面部に隣接しかつ貫通孔を有する前面部と、前記前面部から前記表示部の背面側に向かって延伸する延伸部とを有するキャビネットと、
前記キャビネットの背面に配置される本体部と、前記本体部から前記貫通孔を通じて前記表示部の表示面側に突出する突出部とを有する導光部と、
前記導光部の背面に配置され、かつ基板が搭載される基板ホルダとを備えており、
前記延伸部が、前記基板ホルダの上端または前記本体部の上端に当接
前記基板ホルダは、前記基板を搭載する基板搭載面を前記表示部の背面側に備え、前記基板より前記表示面側、かつ前記底面部と前記延伸部との間に位置し、
前記基板ホルダおよび前記基板は、前記表示部と平行に配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記延伸部は、前記基板ホルダの上端に当接しており、
前記延伸部は、前記基板ホルダと係合する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記延伸部は、前記貫通孔の上部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記キャビネットは、複数の前記延伸部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記キャビネットは、
前記底面部に隣接する第1側面部および第2側面部と、
前記第1側面部から前記第2側面部側に突出し、かつ前記基板ホルダの基板搭載面に当接する第1リブと、
前記第2側面部から前記第1側面部側に突出し、かつ前記基板ホルダの基板搭載面に当接する第2リブとをさらに有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リモートコントローラ(以下、「リモコン」と略記する。)から出力された赤外線の信号光を受光することにより、操作される表示装置がある。例えば、テレビジョン装置(以下、「テレビ」と略記する。)はその一例である。テレビには、リモコンからの赤外線の信号光を受光する受光部が備えられている。
【0003】
特許文献1に、そのような従来技術の一例として、前面に画像を表示する表示部と、該表示部の背面側に配される一面が開口した箱体と、前記表示部の前側周縁部及び周側部を覆い、前記箱体と接続する枠体と、装置外部へ光を発する発光部及び遠隔操作装置の操作信号を受光する受光部を有する基板と、該基板を固定し、前記発光部の発する光を外部へ導光する第1導光部及び前記操作信号を前記受光部まで導光する第2導光部を有し、前記枠体に固定してある導光部材とを備えることを特徴とする表示装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-005348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術には、導光部材の機能を正常に発揮させることができる余地がある。
【0006】
本発明の一態様は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示装置の導光部の機能を正常に発揮させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る表示装置は、前記の課題を解決するために、表示部と、前記表示部の下方に配置される底面部と、前記底面部に隣接しかつ貫通孔を有する前面部と、前記前面部から前記表示部の背面側に向かって延伸する延伸部とを有するキャビネットと、前記キャビネットの背面に配置される本体部と、前記本体部から前記貫通孔を通じて前記表示面側に突出する突出部とを有する導光部と、前記導光部の背面に配置され、かつ基板が搭載される基板ホルダとを備えており、前記延伸部が、前記基板ホルダの上端または前記本体部の上端に当接している構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、表示装置の導光部の機能を正常に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る表示装置の外観を示す正面図である。
図2】表示装置における導光部の周辺を拡大して示す図である。
図3】表示装置の内部を部分的に示す図である。
図4】表示装置の内部を部分的に示す図である。
図5】表示装置の内部を部分的に示す図である。
図6】表示装置の内部を部分的に示す図である。
図7】表示装置の内部を部分的に示す図である。
図8】表示装置の内部の断面を示す断面図である。
図9】実施形態2に係る表示装置の内部を部分的に示す図である。
図10】実施形態2に係る表示装置の断面を示す断面図である。
図11】実施形態3に係る表示装置の内部を示す図である。
図12】表示装置の内部を示す図である。
図13】実施形態4に係る表示装置の内部を部分的に示す図である。
図14】表示装置の内部を部分的に示す図である。
図15】表示装置の内部を部分的に示す図である。
図16】表示装置の内部の断面を示す断面図である。
図17】導光部の装着の成功例および失敗例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
(表示装置1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る表示装置1の外観を示す正面図である。表示装置1は、リモートコントローラから出力された赤外光によって操作可能な装置である。本実施形態では、表示装置1は、有機ELテレビジョン装置として実現されるが、これに限らず、例えばPCモニタなどの表示機能を有する各種の装置としても実現される。
【0011】
図1に示すように、表示装置1は、表示部2、フロントキャビネット4(キャビネット)、および導光部6を主に備えている。表示部2は、各種の映像を表示する表示パネルであり、例えば有機EL表示パネルとして実現される。フロントキャビネット4は、表示部2等の各種の部品を表示装置1の内部に格納する筐体部を構成する部品一つであり、筐体における前方(表示面側)に配置されるフロントキャビネット4である。図示および説明は省略するが、フロントキャビネット4は、表示部2の背面側を覆うバックキャビネットと共に、筐体部を構成する。導光部6は、フロントキャビネット4における表示部2の下方位置に配置されている。
【0012】
図2は、表示装置1における導光部6の周辺を拡大して示す図である。この図に示すように、導光部6の一部はフロントキャビネット4の表面に露出しており、それぞれが受光または発光の機能を発揮する。図2の例では、導光部6は、受光部11(突出部)、発光部12(突出部)、および発光部13(突出部)を備えている。受光部11は、導光部6の受光機能を担う部分であり、発光部12および発光部13は導光部6における発光機能を担う部分である。具体的には、受光部11は、リモコンからの赤外光を受光する。発光部12および発光部13は、表示装置1の稼働状態を示す可視光を発光する。稼働状態として、例えば表示装置1が動作中である状態、または表示装置1がスタンバイ中である状態などが挙げられる。
【0013】
図3は、表示装置1の内部を部分的に示す図である。この図に示すように、表示装置1は、表示部2、フロントキャビネット4、導光部6、基板ホルダ8、および基板10を備えている。図3には、導光部6、基板ホルダ8、および基板10をそれぞれ展開した状態の表示装置1の内部を図示している。
【0014】
フロントキャビネット4は、底面部21、前面部22、および延伸部23を少なくとも備えている。底面部21は、表示部2の下方において、表示装置1の載置面と略平行に配置されている。前面部22は、底面部21に隣接しており、底面部21よりも上方の位置において、表示部2の表示面と平行に配置されている。本実施形態では、前面部22の下端辺が、底面部21の前端辺に接続されている。前面部22は、前面部22を貫通する貫通孔24、貫通孔25、および貫通孔26を有する。貫通孔24、貫通孔25、および貫通孔26には、導光部6の一部である受光部11、発光部12、および発光部13が個別に挿入される。
【0015】
延伸部23は、全体として細長い形状を有しており、前面部22における所定位置を起点として表示部2の背面側の所定位置に向かって延伸している。延伸部23は、基板ホルダ8と係合する係合部27を有する。図3の例では、フック形状の係合部27が、延伸部23の先端に配置されている。係合部27は、延伸部23の先端からフロントキャビネット4の底面部21に向かって突出している。
【0016】
導光部6は、透光性プラスチックなどの、光を透過する材料によって構成されている。導光部6は、本体部14、受光部11、発光部12、および発光部13を備えている。本体部14は、フロントキャビネット4の背面に配置されており、かつ表示装置1の表示面の横方向に延伸している。受光部11、発光部12、および発光部13は、いずれも、本体部14から表示部2の表示面側に突出している。
【0017】
基板ホルダ8は、基板10が搭載される基板搭載面を有するホルダである。基板ホルダ8は、表示装置1の内部において、導光部6の背面に配置されている。基板ホルダ8は、基板搭載面に搭載される基板10を保持する。基板10は、導光部6の発光機能および受光機能に対応する発光素子および受光素子(不図示)を有している。
【0018】
(表示装置1の組み立て)
図4は、表示装置1の内部を部分的に示す図である。表示装置1の組み立て時、ある段階において、導光部6、基板ホルダ8、および基板10をフロントキャビネット4に装着する手順が必要となる。その際、図4に示すように、まず導光部6をフロントキャビネット4に装着する。具体的には、導光部6の受光部11、発光部12、および発光部13を、対応するフロントキャビネット4の貫通孔24、貫通孔25、および貫通孔26に個別に挿入させるようにして、導光部6をフロントキャビネット4の前面部22にはめ込む。その際、導光部6の下部がフロントキャビネット4の底面部21に当接された状態で、導光部6がフロントキャビネット4にはめ込まれる。
【0019】
図5は、表示装置1の内部を部分的に示す図である。この図に示すように、導光部6の装着後、フロントキャビネット4における導光部6の背面側の位置に、基板ホルダ8を装着する。その際、基板ホルダ8の上端に延伸部23を当接させるようにして、基板ホルダ8を導光部6の方に近づける。基板ホルダ8が係合部27に正しく係合する位置まで基板ホルダ8を押し込むと、基板ホルダ8の装着が完了する。この状態では、フロントキャビネット4の溶着ピン31および溶着ピン32が基板ホルダ8のピン穴に挿入され、かつ基板10の基板搭載面上に突き出る。
【0020】
図6は、表示装置1の内部を部分的に示す図である。この図に示すように、基板ホルダ8の装着後、溶着ピン31および溶着ピン32をいずれも基板ホルダ8の基板搭載面に溶着させる。図7は、表示装置1の内部を部分的に示す図である。この図に示すように、基板ホルダ8を固定した後、基板ホルダ8の基板搭載面に基板10を搭載させる。その際の搭載方法は一般的なものであるため、詳細な説明は省略する。これにて、導光部6、基板ホルダ8、および基板10の装着が完了する。
【0021】
図8は、表示装置1の内部の断面を示す断面図である。この図に示すように、導光部6、基板ホルダ8、および基板10が装着された表示装置1において、延伸部23は、基板ホルダ8の上端に当接している。さらに、延伸部23の係合部27は、基板ホルダ8の基板搭載面と係合している。
【0022】
(本実施形態の利点)
表示装置1の組み立て時、導光部6はフロントキャビネット4の底面部21上に配置される。導光部6の突出部がフロントキャビネット4の貫通孔を貫通する際、導光部6の下端よりも下にフロントキャビネット4の底面部21が位置している。さらに、基板ホルダ8の上端に、延伸部23が当接している。このように、導光部6がフロントキャビネット4の底面部21および延伸部23によって覆われる状態で、導光部6の受光部11、発光部12、発光部13が、貫通孔24、貫通孔25、および貫通孔26の各周縁と当接する。導光部6の装着時、導光部6の受光部11、発光部12、および発光部13がフロントキャビネット4の前面部22を押圧し、これによりフロントキャビネット4の前面部22が応力により傾こうとする。しかし、この際、フロントキャビネット4の底部と延伸部23によって、導光部6が、フロントキャビネット4の前面部22以外の方向に向く応力に対向するため、フロントキャビネット4の前面部22が傾かない。これにより、導光部6の装着エラーの発生を抑えることができるため、導光部6に受光機能および発光機能を正常に発揮させることができる。
【0023】
導光部6および基板ホルダ8をフロントキャビネット4に装着する際、基板ホルダ8が係合部27に正しく係合する位置に基板ホルダ8をはめ込むと、導光部6および基板ホルダ8を正しい角度でフロントキャビネット4に装着することができる。これにより、表示装置1を組み立てる際、導光部6の装着エラーを発生させることなく、導光部6をフロントキャビネット4に装着することができる。その結果、受光部11、発光部12、および発光部13は、フロントキャビネット4の表面よりも奥の方に凹んでしまうことなく、フロントキャビネット4の前面部22に十分良く露出される。その結果、動作中の表示装置1において、導光部6に本来の受光機能および発光機能を正常に発揮させることができる。
【0024】
〔実施形態2〕
図9は、実施形態2に係る表示装置1Aの内部を部分的に示す図である。この図に示すように、本実施形態では、表示装置1Aは、異なる位置に配置される2つの延伸部41および延伸部42を有するフロントキャビネット4Aを備えている。図9の例では、延伸部41は、対応する貫通孔24の上部に配置され、延伸部42は、対応する貫通孔25の上部に配置されている。延伸部41は、その先端に配置される係合部43を有し、延伸部42は、その先端に配置される係合部44を有する。延伸部41および延伸部42の構造および延伸方向は、実施形態1に係る延伸部23の構造および延伸方向と変わりない。
【0025】
図10は、実施形態2に係る表示装置1Aの断面を示す断面図である。この図に示すように、延伸部41は、導光部6の受光部11の上方に配置されており、かつ基板ホルダ8の上部に当接している。係合部43は、受光部11の上方において、基板ホルダ8に係合している。図示は省略するが、延伸部42は、導光部6の発光部12の上方に配置されており、かつ基板ホルダ8の上部に当接している。係合部44は、発光部12の上方において、基板ホルダ8に係合している。このように、本実施形態では、基板ホルダ8は、2つの延伸部41および延伸部42に当接している。さらに、基板ホルダ8は、2つの係合部43および係合部44に係合している。
【0026】
本実施形態では、貫通孔24から露出する受光部11をユーザが押した場合に、貫通孔24の上部に位置する延伸部41の係合部43によって、ユーザが押した導光部6部分に働く力が相殺される。これにより、導光部6が表示装置1の内部に移動することをより効果的に防ぐことができる。同様に、貫通孔25から露出する発光部12をユーザが押した場合に、貫通孔25の上部に位置する延伸部42の係合部44によって、ユーザが押した導光部6部分に働く力が相殺される。これにより、導光部6が表示装置1の内部に移動することをより効果的に防ぐことができる。
【0027】
さらに、本実施形態では、2つの延伸部41および延伸部42によって基板ホルダ8を支えるので、基板ホルダ8の前方に配置される導光部6をより強固にフロントキャビネット4Aに固定することができる。
【0028】
本実施形態では、フロントキャビネット4Aは、貫通孔24または貫通孔25とは異なる位置の上方に配置される2つの延伸部41および延伸部42を有してもよい。あるいは、フロントキャビネット4Aは、3つ以上の複数の延伸部23を有してもよい。いずれの場合も、基板ホルダ8の前方に配置される導光部6をより強固にフロントキャビネット4Aに固定することができる。
【0029】
〔実施形態3〕
図11は、実施形態3に係る表示装置1Bの内部を示す図である。本実施形態に係る表示装置1Bは、側面部51(第1側面部)、側面部52(第2側面部)、リブ53(第1リブ)、およびリブ54(第2リブ)をさらに有するフロントキャビネット4Bを備えている。なお、実施形態1および2においても、フロントキャビネット4(およびフロントキャビネット4A)が側面部51および側面部52を有することは、本実施形態と同様である。本実施形態以外の他の実施形態において側面部51および側面部52に言及しないのは、これらの実施形態に係る表示装置1の特徴を説明する上でその言及が必要ないだけに過ぎない。
【0030】
フロントキャビネット4Bにおいて、側面部51および側面部52は、互いに対向する位置に配置されており、かつ底面部21および前面部22に隣接している。リブ53は、側面部51に配置されており、かつ側面部51から側面部52側に突出している。また、リブ53は、フロントキャビネット4Bに装着された基板ホルダ8の基板搭載面に当接する。リブ54は、側面部52に配置されており、かつ側面部52から側面部51側に突出している。また、リブ54は、フロントキャビネット4Bに装着された基板ホルダ8の基板搭載面に当接する。このように、フロントキャビネット4Bに装着された基板ホルダ8では、基板ホルダ8の両端部が、リブ53およびリブ54によって支持される。
【0031】
図12は、表示装置1Bの内部を示す図である。この図に示すように、フロントキャビネット4Bは、溶着ピン31および溶着ピン32を有していない。したがって、表示装置1Bを組み立てる際、基板ホルダ8を装着した後の溶着作業は不要である。
【0032】
本実施形態では、延伸部23、リブ53、およびリブ54を含む複数の構造物によって、導光部6および基板ホルダ8を支えるので、導光部6および基板ホルダ8をより強固に固定することができる。また、延伸部23、リブ53、およびリブ54による固定が十分強固であることから、基板ホルダ8をフロントキャビネット4Bに溶着によって別途固定する手間を省くことができる。さらに、リブ53およびリブ54という単純な構造を有するフロントキャビネット4Bは、実施形態2に係る延伸部41および延伸部42を有するフロントキャビネット4Aに比べて、より簡素な構造とすることができる。
【0033】
〔実施形態4〕
図13は、実施形態4に係る表示装置1Cの内部を部分的に示す図である。この図に示すように、本実施形態に係る表示装置1Cは、延伸部23に当接する導光部6Cを有している。導光部6Cでは、導光部6Cの本体部14における中央部分の一部が、本体部14における中央部分と異なる他の箇所よりも、導光部6Cの上部方向に突出している。より詳細には、当該中央部分の一部は、延伸部23に当接する位置まで延伸している。このように、本実施形態では、延伸部23が本体部14の上端に当接している。
【0034】
導光部6Cは、受光部11、発光部12、および発光部13に加えて、上面部15をさらに備えている。上面部15は、本体部14における中央部分の先端、すなわち延伸部23との当接位置を起点として、表示装置1Cの内部方向に延伸している。上面部15は、フロントキャビネット4の底面部21と略平行に配置されている。フロントキャビネット4Bの延伸部23は、導光部6Cの中央位置に配置されており、かつ上面部15に当接している。延伸部23の係合部27は、上面部15の先端部分に係合している。このように、本実施形態では、基板ホルダ8ではなく、導光部6Cが係合部27に係合している。
【0035】
図14は、表示装置1Cの内部を部分的に示す図である。この図に示すように、表示装置1Cは、中央部分が僅かに窪んだ基板ホルダ8Cを備えている。基板ホルダ8Cの構造は、他の各実施形態に係る基板ホルダ8と基本的に同一であるが、その上端における中央部分が僅かに窪んでいる。窪みがある範囲は、導光部6Cの上面部15の幅以上である。このような窪みがあることにより、基板ホルダ8の装着時に、基板ホルダ8の上部が導光部6Cの上面部15に衝突することを防止することができる。
【0036】
図15は、表示装置1Cの内部を部分的に示す図である。この図に示すように、基板ホルダ8Cに対する基板10の装着方法は、先述した各本実施形態と変わらないため、詳細な説明は省略する。図16は、表示装置1Cの内部の断面を示す断面図である。この図に示すように、導光部6C、基板ホルダ8C、および基板10が装着された表示装置1Cにおいて、延伸部23は、導光部6Cの本体部14の上端および上面部15の表面に当接している。さらに、延伸部23の係合部27は、導光部6Cの上面部15と先端に係合している。
【0037】
図17は、導光部6Cの装着の成功例および失敗例を説明する図である。図17の1010は、導光部6Cの正しい装着例を示し、1020および1030は、導光部6Cの装着エラー例を示す。この図の1010に示すように、導光部6Cの上面部15が係合部27に正しく係合するように導光部6Cをフロントキャビネット4にはめ込めば、導光部6Cを正しい角度でフロントキャビネット4に装着することができる。この場合、導光部6Cの受光部11が貫通孔24に対して真っ直ぐ挿入されている。図17の1020では、上面部15が係合部27に引っかかって正しく係合しないので、導光部6Cの装着が不完全になる。すなわち、受光部11が貫通孔24の露出面まで到達しておらず、フロントキャビネット4の奥まった位置に留まっている。したがって、リモコンの赤外光を受光する機能が低くなる問題が生じ得る。図17の1030では、導光部6Cがフロントキャビネット4の前面部22に対して誤って斜めに装着されているので、受光部11の先端が表示部2の正面方向を向いていない。この場合も、1020に示す例と同様に、リモコンの赤外光を受光する機能が低くなる問題が生じ得る。
【0038】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、表示部と、前記表示部の下方に配置される底面部と、前記底面部に隣接しかつ貫通孔を有する前面部と、前記前面部から前記表示部の背面側に向かって延伸する延伸部とを有するキャビネットと、前記キャビネットの背面に配置される本体部と、前記本体部から前記貫通孔を通じて前記表示部の表示面側に突出する突出部とを有する導光部と、前記導光部の背面に配置され、かつ基板が搭載される基板ホルダとを備えており、前記延伸部が、前記基板ホルダの上端または前記本体部の上端に当接している構成である。
【0039】
本発明の態様2に係る表示装置は、前記態様1において、前記延伸部は、前記基板ホルダの上端に当接しており、前記延伸部は、前記基板ホルダと係合する係合部を有する構成である。
【0040】
本発明の態様3に係る表示装置は、前記態様2において、前記延伸部は、前記貫通孔の上部に配置されている構成である。
【0041】
本発明の態様4に係る表示装置は、前記態様1~3のいずれかにおいて、前記キャビネットは、複数の前記延伸部を有する構成である。
【0042】
本発明の態様5に係る表示装置は、前記態様1~4のいずれかにおいて、前記キャビネットは、前記底面部に隣接する第1側面部および第2側面部と、前記第1側面部から前記第2側面部側に突出し、かつ前記基板ホルダの基板搭載面に当接する第1リブと、前記第2側面部から前記第1側面部側に突出し、かつ前記基板ホルダの基板搭載面に当接する第2リブとをさらに有する構成である。
【0043】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0044】
1、1A、1B、1C 表示装置
2 表示部
4、4A、4B フロントキャビネット
6、6C 導光部
8、8C 基板ホルダ
10 基板
11 受光部
12、13 発光部
14 本体部
15 上面部
21 底面部
22 前面部
23、41、42 延伸部
24、25、26 貫通孔
27、43、44 係合
31、32 溶着ピン
51、52 側面部
53、54 リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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