IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特許7494069カートリッジ及びカートリッジの分解方法
<>
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図1
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図2
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図3
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図4
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図5
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図6
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図7
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図8
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図9
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図10
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図11
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図12
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図13
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図14
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図15
  • 特許-カートリッジ及びカートリッジの分解方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】カートリッジ及びカートリッジの分解方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240527BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
G03G21/18 142
G03G15/08 330
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020155424
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049295
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】深澤 悠
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-004988(JP,A)
【文献】特開2013-134299(JP,A)
【文献】特開2019-185022(JP,A)
【文献】特開2003-195727(JP,A)
【文献】特開2011-081161(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0262148(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0164029(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0302678(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向における第1端部を有する枠体であって、前記第1端部に配置された第1位置決め部と、前記第1端部に配置された第1回転止め部と、を有し、前記第1位置決め部が前記第1方向に延びる第1面を含み、前記第1回転止め部が前記第1方向に延びる第2面を含む枠体と、
前記第1端部に取り付けられた第1サイド部材であって、前記第1面と当接するように前記第1位置決め部と係合する第1被位置決め部と、前記第2面と当接するように前記第1回転止め部と係合する第1被回転止め部と、を有し、前記第1被位置決め部が前記第1位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第1被回転止め部が前記第1回転止め部と係合することで、前記第1回転止め部の周りに回転することが規制される第1サイド部材と、
前記第1位置決め部もしくは前記第1回転止め部に締結された第1ネジであって、前記第1サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第1ネジと、
を有し、
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部、前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部の少なくともいずれか一方が接着されている、
ことを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部が接着されることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部は、前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部の間に形成された、0mmより大きく、0.1mm以下の隙間に入り込んだ接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第1位置決め部の一部と前記第1被位置決め部の一部が圧入されることを特徴とする請求項2または3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部が接着されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部は、前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部の間に形成された、0mmより大きく、0.1mm以下の隙間に入り込んだ接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第1回転止め部の一部と前記第1被回転止め部の一部が圧入されることを特徴とする請求項5または6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記枠体は、前記第1方向について前記第1端部の反対側に位置する第2端部と、前記第2端部に配置された第2位置決め部と、前記第2端部に配置された第2回転止め部と、
を有し、前記第2位置決め部が前記第1方向に延びる第3面を含み、前記第2回転止め部が前記第1方向に延びる第4面を含み、
前記カートリッジは、
前記第2端部に取り付けられた第2サイド部材であって、前記第3面と当接するように前記第2位置決め部と係合する第2被位置決め部と、前記第4面と当接するように前記第2回転止め部と係合する第2被回転止め部と、を有し、前記第2被位置決め部が前記第2位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第2被回転止め部が前記第2回転止め部と係合することで、前記第2回転止め部の周りに回転することが規制される第2サイド部材と、
前記第2位置決め部もしくは前記第2回転止め部に締結された第2ネジであって、前記第2サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第2ネジと、
を有し、
前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部、前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部の少なくともいずれか一方が接着されている、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部が接着されることを特徴とする請求項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部は、前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部の間に形成された、0mmより大きく、0.1mm以下の隙間に入り込んだ接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第2位置決め部の一部と前記第2被位置決め部の一部が圧入されることを特徴とする請求項9または10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部が接着されることを特徴とする請求項6から11のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部は、前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部の間に形成された、0mmより大きく、0.1mm以下の隙間に入り込んだ接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記第2回転止め部の一部と前記第2被回転止め部の一部が圧入されることを特徴とする請求項12または13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
感光部を含むドラムユニットと、
前記感光部を帯電するための帯電部材と、を有し、
前記第1サイド部材は、前記ドラムユニットを支持する第1ドラム支持部を備え、
前記第2サイド部材は、前記ドラムユニットを支持する第2ドラム支持部を備える、
ことを特徴とする請求項8から14のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記感光部に形成された静電潜像を現像するための現像ローラを含む現像ユニットを有し、
前記第1サイド部材は、前記現像ユニットを支持する第1現像支持部を備え、
前記第2サイド部材は、前記現像ユニットを支持する第2現像支持部を備える、
ことを特徴とする請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
カートリッジの分解方法であって、
前記カートリッジは、
感光部を含むドラムユニットと、
前記感光部を帯電するための帯電部材と、
前記感光部に形成された静電潜像を現像するための現像ローラを含む現像ユニットと、
枠体ユニットであって、
第1端部と、第1方向について前記第1端部の反対側に位置する第2端部と、を有する枠体であって、前記第1端部に配置された第1位置決め部と、前記第1端部に配置された第1回転止め部と、前記第2端部に配置された第2位置決め部と、前記第2端部に配置された第2回転止め部と、を有し、前記第1位置決め部が前記第1方向に延びる第1面を含み、前記第1回転止め部が前記第1方向に延びる第2面を含み、前記第2位置決め部が前記第1方向に延びる第3面を含み、前記第2回転止め部が前記第1方向に延びる第4面を含む枠体と、
前記第1端部に取り付けられた第1サイド部材であって、前記第1面と当接するように前記第1位置決め部と係合する第1被位置決め部と、前記第2面と当接するように前記第1回転止め部と係合する第1被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第1ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第1現像支持部と、を有し、前記第1被位置決め部が前記第1位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第1被回転止め部が前記第1回転止め部と係合することで、前記第1回転止め部の周りに回転することが規制される第1サイド部材と、
前記第2端部に取り付けられた第2サイド部材であって、前記第3面と当接するように前記第2位置決め部と係合する第2被位置決め部と、前記第4面と当接するように前記第2回転止め部と係合する第2被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第2ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第2現像支持部と、を有し、前記第2被位置決め部が前記第2位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第2被回転止め部が前記第2回転止め部と係合することで、前記第2回転止め部の周りに回転することが規制される第2サイド部材と、
前記第1位置決め部もしくは前記第1回転止め部に締結された第1ネジであって、前記第1サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第1ネジと、
前記第2位置決め部もしくは前記第2回転止め部に締結された第2ネジであって、前記第2サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第2ネジと、
を有する枠体ユニットと、
を有し、
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部、前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部の少なくともいずれか一方が接着され、
前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部、前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部の少なくともいずれか一方が接着されており、
前記分解方法は、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材が前記枠体に接着された状態で、前記枠体を変形させて、前記ドラムユニット、前記現像ユニットの少なくともいずれか一方を取り外す工程を含むことを特徴とするカートリッジの分解方法。
【請求項18】
カートリッジの分解方法であって、
前記カートリッジは、
感光部を含むドラムユニットと、
前記感光部を帯電するための帯電部材と、
前記感光部に形成された静電潜像を現像するための現像ローラを含む現像ユニットと、
枠体ユニットであって、
第1端部と、第1方向について前記第1端部の反対側に位置する第2端部と、を有する枠体であって、前記第1端部に配置された第1位置決め部と、前記第1端部に配置された第1回転止め部と、前記第2端部に配置された第2位置決め部と、前記第2端部に配置された第2回転止め部と、を有し、前記第1位置決め部が前記第1方向に延びる第1面を含み、前記第1回転止め部が前記第1方向に延びる第2面を含み、前記第2位置決め部が前記第1方向に延びる第3面を含み、前記第2回転止め部が前記第1方向に延びる第4面を含む枠体と、
前記第1端部に取り付けられた第1サイド部材であって、前記第1面と当接するように前記第1位置決め部と係合する第1被位置決め部と、前記第2面と当接するように前記第1回転止め部と係合する第1被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第1ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第1現像支持部と、を有し、前記第1被位置決め部が前記第1位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第1被回転止め部が前記第1回転止め部と係合することで、前記第1回転止め部の周りに回転することが規制される第1サイド部材と、
前記第2端部に取り付けられた第2サイド部材であって、前記第3面と当接するように前記第2位置決め部と係合する第2被位置決め部と、前記第4面と当接するように前記第2回転止め部と係合する第2被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第2ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第2現像支持部と、を有し、前記第2被位置決め部が前記第2位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第2被回転止め部が前記第2回転止め部と係合することで、前記第2回転止め部の周りに回転することが規制される第2サイド部材と、
前記第1位置決め部もしくは前記第1回転止め部に締結された第1ネジであって、前記第1サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第1ネジと、
前記第2位置決め部もしくは前記第2回転止め部に締結された第2ネジであって、前記第2サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第2ネジと、
を有する枠体ユニットと、
を有し、
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部、前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部の少なくともいずれか一方が接着され、
前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部、前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部の少なくともいずれか一方が接着されており、
前記分解方法は、
前記枠体ユニットの一部を切断して、前記ドラムユニット、前記現像ユニットの少なくともいずれか一方を取り外す工程を含むことを特徴とするカートリッジの分解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置、及び電子写真画像形成装置において用いられるカートリッジに関する。また、本発明は、カートリッジの分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置(以降、「画像形成装置」ともいう)とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、及びこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。
【0003】
カートリッジは、画像形成装置の本体(装置本体)に対して着脱可能なものである。カートリッジの例としては、感光体と、感光体に作用するプロセス手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したプロセスカートリッジがある。
【0004】
このカートリッジ方式によれば、画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらずに使用者自身で行うことができるので、格段にメンテナンス性を向上させることができる。そのため、このカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
【0005】
特許文献1には、感光ドラムを有するユニット(感光体ユニット)が、枠体と、感光ドラムを支持する支持部材を含み、支持部材が枠体に接着とビスによって固定される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-185022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した従来技術を更に発展させることを課題とする。本発明の目的の一つは、枠体と、枠体に接着によって固定される部材とを有するカートリッジにおいて、カートリッジが大型化するのを抑制しつつ、枠体と、枠体に固定される部材の位置ずれを防止することである。また、本発明の他の目的は、そのようなカートリッジを分解する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願に係る発明の一つは、以下のようなものである。
【0009】
第1方向における第1端部を有する枠体であって、前記第1端部に配置された第1位置決め部と、前記第1端部に配置された第1回転止め部と、を有し、前記第1位置決め部が前記第1方向に延びる第1面を含み、前記第1回転止め部が前記第1方向に延びる第2面を含む枠体と、
前記第1端部に取り付けられた第1サイド部材であって、前記第1面と当接するように前記第1位置決め部と係合する第1被位置決め部と、前記第2面と当接するように前記第1回転止め部と係合する第1被回転止め部と、を有し、前記第1被位置決め部が前記第1位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第1被回転止め部が前記第1回転止め部と係合することで、前記第1回転止め部の周りに回転することが規制される第1サイド部材と、
前記第1位置決め部もしくは前記第1回転止め部に締結された第1ネジであって、前記第1サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第1ネジと、
を有し、
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部、前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部の少なくともいずれか一方が接着されている、
ことを特徴とするカートリッジ。
【0010】
本出願に係る発明の一つは以下のようなものである。
【0011】
カートリッジの分解方法であって、
前記カートリッジは、
感光部を含むドラムユニットと、
前記感光部を帯電するための帯電部材と、
前記感光部に形成された静電潜像を現像するための現像ローラを含む現像ユニットと、 枠体ユニットであって、
第1端部と、第1方向について前記第1端部の反対側に位置する第2端部と、を有する枠体であって、前記第1端部に配置された第1位置決め部と、前記第1端部に配置された第1回転止め部と、前記第2端部に配置された第2位置決め部と、前記第2端部に配置された第2回転止め部と、を有し、前記第1位置決め部が前記第1方向に延びる第1面を含み、前記第1回転止め部が前記第1方向に延びる第2面を含み、前記第2位置決め部が前記第1方向に延びる第3面を含み、前記第2回転止め部が前記第1方向に延びる第4面を含む枠体と、
前記第1端部に取り付けられた第1サイド部材であって、前記第1面と当接するように前記第1位置決め部と係合する第1被位置決め部と、前記第2面と当接するように前記第1回転止め部と係合する第1被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第1ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第1現像支持部と、を有し、前記第1被位置決め部が前記第1位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第1被回転止め部が前記第1回転止め部と係合することで、前記第1回転止め部の周りに回転することが規制される第1サイド部材と、
前記第2端部に取り付けられた第2サイド部材であって、前記第3面と当接するように前記第2位置決め部と係合する第2被位置決め部と、前記第4面と当接するように前記第2回転止め部と係合する第2被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第2ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第2現像支持部と、を有し、前記第2被位置決め部が前記第2位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第2被回転止め部が前記第2回転止め部と係合することで、前記第2回転止め部の周りに回転することが規制される第2サイド部材と、
前記第1位置決め部もしくは前記第1回転止め部に締結された第1ネジであって、前記第1サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第1ネジと、
前記第2位置決め部もしくは前記第2回転止め部に締結された第2ネジであって、前記第2サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第2ネジと、
を有する枠体ユニットと、
を有し、
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部、前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部の少なくともいずれか一方が接着され、
前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部、前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部の少なくともいずれか一方が接着されており、
前記分解方法は、
前記第1サイド部材と前記第2サイド部材が前記枠体に接着された状態で、前記枠体を変形させて、前記ドラムユニット、前記現像ユニットの少なくともいずれか一方を取り外す工程を含むことを特徴とするカートリッジの分解方法。
【0012】
本出願に係る発明の一つは以下のようなものである。
【0013】
カートリッジの分解方法であって、
前記カートリッジは、
感光部を含むドラムユニットと、
前記感光部を帯電するための帯電部材と、
前記感光部に形成された静電潜像を現像するための現像ローラを含む現像ユニットと、
枠体ユニットであって、
第1端部と、第1方向について前記第1端部の反対側に位置する第2端部と、を有する枠体であって、前記第1端部に配置された第1位置決め部と、前記第1端部に配置された第1回転止め部と、前記第2端部に配置された第2位置決め部と、前記第2端部に配置された第2回転止め部と、を有し、前記第1位置決め部が前記第1方向に延びる第1面を含み、前記第1回転止め部が前記第1方向に延びる第2面を含み、前記第2位置決め部が前記第1方向に延びる第3面を含み、前記第2回転止め部が前記第1方向に延びる第4面を含む枠体と、
前記第1端部に取り付けられた第1サイド部材であって、前記第1面と当接するように前記第1位置決め部と係合する第1被位置決め部と、前記第2面と当接するように前記第1回転止め部と係合する第1被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第1ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第1現像支持部と、を有し、前記第1被位置決め部が前記第1位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第1被回転止め部が前記第1回転止め部と係合することで、前記第1回転止め部の周りに回転することが規制される第1サイド部材と、
前記第2端部に取り付けられた第2サイド部材であって、前記第3面と当接するように前記第2位置決め部と係合する第2被位置決め部と、前記第4面と当接するように前記第2回転止め部と係合する第2被回転止め部と、前記ドラムユニットを支持する第2ドラム支持部と、前記現像ユニットを支持する第2現像支持部と、を有し、前記第2被位置決め部が前記第2位置決め部と係合することで、前記第1方向と交差する方向に移動することが規制され、前記第2被回転止め部が前記第2回転止め部と係合することで、前記第2回転止め部の周りに回転することが規制される第2サイド部材と、
前記第1位置決め部もしくは前記第1回転止め部に締結された第1ネジであって、前記第1サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第1ネジと、
前記第2位置決め部もしくは前記第2回転止め部に締結された第2ネジであって、前記第2サイド部材が、前記枠体との間に挟みこまれるように配置された第2ネジと、
を有する枠体ユニットと、
を有し、
前記第1被位置決め部と前記第1位置決め部、前記第1被回転止め部と前記第1回転止め部の少なくともいずれか一方が接着され、
前記第2被位置決め部と前記第2位置決め部、前記第2被回転止め部と前記第2回転止め部の少なくともいずれか一方が接着されており、
前記分解方法は、
前記枠体ユニットの一部を切断して、前記ドラムユニット、前記現像ユニットの少なくともいずれか一方を取り外す工程を含むことを特徴とするカートリッジの分解方法。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、枠体と、枠体に接着によって固定される部材とを有するカートリッジにおいて、カートリッジが大型化するのを抑制しつつ、枠体と、枠体に取り付けられる部材の位置ずれを防止することができる。また、本発明によれば、そのようなカートリッジの分解方法を提供するこができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1に係る、ドラムユニットの斜視図である。
図2】実施例1に係る、画像形成装置の断面概略図である。
図3】実施例1に係る、カートリッジの断面図である。
図4】実施例1に係る、画像形成装置の断面図である。
図5】実施例1に係る、画像形成装置の断面図である。
図6】実施例1に係る、画像形成装置の断面図である。
図7】実施例1に係る、トレイの部分詳細図である。
図8】実施例1に係る、画像形成装置の内部を説明する斜視図である。
図9】実施例1に係る、画像形成装置の斜視図である。
図10】実施例1に係る、カートリッジの側面図(一部断面図)である。
図11】実施例1に係る、カートリッジの組立斜視図である。
図12】実施例1に係る、カートリッジの斜視図である。
図13】実施例1に係る、カートリッジの組み立てを説明する斜視図である。
図14】実施例1に係る、カートリッジの組み立てを説明する斜視図である。
図15】実施例1に係る、カートリッジの分解を説明する図である。
図16】実施例1の変形例に係る、カートリッジの分解を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面および実施例を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の機能、材質、形状、その相対配置などは、特定の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
以下、第1の実施例について図を用いて説明する。
【0018】
なお、以下の実施形態では画像形成装置として、4個のプロセスカートリッジが着脱可能な画像形成装置を例示している。
【0019】
なお、画像形成装置に装着するプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではない。必要に応じて適宜設定されるものである。
【0020】
また、以下説明する実施形態では、画像形成装置の一態様としてレーザービームプリンタを例示している。
【0021】
[画像形成装置の概略構成]
図2は画像形成装置Mの断面概略図である。また、図3はカートリッジ100の断面図である。
【0022】
この画像形成装置Mは、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置Mはプロセスカートリッジ方式であり、プロセスカートリッジを画像形成装置本体(装置本体、電子写真画像形成装置本体)170に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。
【0023】
ここで、画像形成装置Mに関して、前ドア11を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置Mを正面から見て右側を駆動側、左側を非駆動側と称す。
【0024】
また、画像形成装置Mを正面から見て上側を上面、下側を下面とする。図2は画像形成装置Mを非駆動側から見た断面図であり、紙面手前が画像形成装置Mの非駆動側、紙面右側が画像形成装置Mの正面、紙面奥側が画像形成装置Mの駆動側となる。
【0025】
また、プロセスカートリッジ(カートリッジ)100の駆動側とは、後述する感光ドラムの軸線方向において、後述するドラムカップリング部材(感光体カップリング部材)が配置された側である。また、カートリッジ100の駆動側とは、後述する現像ローラ(現像部材)の軸線方向において、後述する現像カップリング部材が配置された側でもある。
【0026】
なお感光ドラムの軸線方向とは、後述する感光ドラムの回転軸線と平行な方向である。同様に、現像ローラの軸線方向とは、後述する現像ローラの回転軸線と平行な方向である。本実施例では感光ドラムの軸線と現像ローラの軸線が略平行なので、感光ドラムの軸線方向と現像ローラの軸線方向を実質的に同じものとみなす。
【0027】
画像形成装置本体170には第1のカートリッジ100Y、第2のカートリッジ100M、第3のカートリッジ100C、第4のカートリッジ100Kが略水平方向に配置されている。
【0028】
第1~第4の各カートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤(以下トナーと称す)の色が各々異なるものである。第1~第4のカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)には画像形成装置本体170の駆動出力部から回転駆動力が伝達される。
【0029】
また、第1~第4の各カートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)には画像形成装置本体170からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される(不図示)。
【0030】
図3に示すように、本実施例の第1~第4の各カートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、感光ドラム(感光部)104と、この感光ドラム104に作用するプロセス手段としての帯電手段を備えたドラム保持ユニット108を有する。また、第1~第4の各カートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、感光ドラム104上の静電潜像を現像する現像ローラ(現像手段)106を備えた現像ユニット109を有する。
【0031】
ドラム保持ユニット108と現像ユニット109は互いに結合されている。カートリッジ100のより具体的な構成については後述する。
【0032】
第1のカートリッジ100Yは、現像枠体125内にイエロー(Y)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にイエロー色のトナー像を形成する。
【0033】
第2のカートリッジ100Mは、現像枠体125内にマゼンタ(M)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にマゼンタ色のトナー像を形成する。
【0034】
第3のカートリッジ100Cは、現像枠体125内にシアン(C)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にシアン色のトナー像を形成する。
【0035】
第4のカートリッジ100Kは、現像枠体125内にブラック(K)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にブラック色のトナー像を形成する。
【0036】
第1~第4のカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニット14が設けられている。このレーザスキャナユニット14は、画像情報に対応してレーザ光Uを出力する。そして、レーザ光Uは、カートリッジ100の露光窓110を通過して感光ドラム104の表面を走査露光する。
【0037】
第1~第4のカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の下方には、転写部材としての中間転写ユニット12を設けている。この中間転写ユニット12は、駆動ローラ12e、ターンローラ12c、テンションローラ12bを有し、可撓性を有する転写ベルト12aを掛け渡している。
【0038】
第1~第4の各カートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の感光ドラム104は、その下面が転写ベルト12aの上面に接している。その接触部が一次転写部である。転写ベルト12aの内側には、感光ドラム104に対向させて一次転写ローラ12dを設けている。
【0039】
ターンローラ12cには転写ベルト12aを介して二次転写ローラ6を当接させている。転写ベルト12aと二次転写ローラ6の接触部が二次転写部である。
【0040】
中間転写ユニット12の下方には、給送ユニット4を設けている。この給送ユニット4は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ4a、給紙ローラ4bを有する。
【0041】
図2における画像形成装置本体170内の左上方には、定着装置7と、排紙装置8を設けている。画像形成装置本体170の上面は排紙トレイ13としている。
【0042】
記録媒体Sは前記定着装置7に設けられた定着手段によりトナー像が定着され、前記排紙トレイ13へ排出される。
【0043】
[画像形成動作]
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。
【0044】
第1~第4の各カートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の感光ドラム104が所定の速度で回転駆動される(図3矢印A方向)。
【0045】
転写ベルト12aも感光ドラム104の回転に順方向(図2矢印C方向)に感光ドラム104の速度に対応した速度で回転駆動される。
【0046】
レーザスキャナユニット14も駆動される。レーザスキャナユニット14の駆動に同期して、各カートリッジにおいて帯電ローラ(帯電部材)105が感光ドラム104の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。レーザスキャナユニット14は各感光ドラム104の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光Uで走査露光する。
【0047】
これにより、各感光ドラム104の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、所定の速度で回転駆動される現像ローラ106により現像される。
【0048】
前記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジ100Yの感光ドラム104にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するイエロー色のトナー像が形成される。そして、そのトナー像が転写ベルト12a上に一次転写される。
【0049】
同様に第2のカートリッジ100Mの感光ドラム104にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するマゼンタ色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト12a上にすでに転写されているイエロー色のトナー像に重畳されて一次転写される。
【0050】
同様に第3のカートリッジ100Cの感光ドラム104にはフルカラー画像のシアン成分に対応するシアン色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト12a上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色のトナー像に重畳されて一次転写される。
【0051】
同様に第4のカートリッジ100Kの感光ドラム104にはフルカラー画像のブラック成分に対応するブラック色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト12a上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色、シアン色のトナー像に重畳されて1次転写される。
【0052】
このようにして、転写ベルト12a上にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。
【0053】
一方、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで二次転写ローラ6と転写ベルト12aとの当接部である二次転写部に導入される。
【0054】
これにより、記録媒体Sが前記二次転写部へ搬送されていく過程で、転写ベルト12a上の4色重畳のトナー像が記録媒体Sの面に順次に一括転写される。
【0055】
更に詳細に、画像形成装置本体の構成を以下に説明する。
【0056】
[カートリッジ着脱構成概略]
第1~第4の各カートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)を支持するカートリッジ支持部材(以下トレイと称する)171について、図4図7を用いて更に詳細に説明する。図4は前ドア11が開いた状態でトレイ171が画像形成装置本体170の内側に位置する画像形成装置Mの断面図である。図5は前ドア11が開いた状態でトレイ171が画像形成装置本体170の外側に位置し、トレイ内部にカートリッジ100が収納された状態の画像形成装置Mの断面図である。図6は前ドア11が開いた状態でトレイ171が画像形成装置本体170の外側に位置し、トレイからカートリッジ100が取り外された状態の画像形成装置Mの断面図である。図7は、トレイ171の部分詳細図である。図7(a)は図4の状態でトレイ171を駆動側から見た部分詳細図である。図7(b)は図4の状態でトレイ171を非駆動側から見た部分詳細図である。
【0057】
図4および図5に示すように、トレイ171は、画像形成装置本体170に対して、矢印X1方向(押し込み方向)および矢印X2方向(引き出し方向)に移動可能である。すなわち、トレイ171は画像形成装置本体170に対して引き出しおよび押し込み可能に設けられ、画像形成装置本体170が水平面上に設置された状態において、トレイ171は略水平方向に移動可能に構成されている。ここで、トレイ171が画像形成装置本体170の外側に位置する状態(図5の状態)を外側位置と称す。また、前ドア11が開いた状態でトレイ171が画像形成装置本体170の内側に位置し、感光ドラム104と転写ベルト12aが離れた状態(図4の状態)を内側位置と称す。
【0058】
また、トレイ171は、外側位置で、図6で示すようにカートリッジ100を取り外し可能に装着可能な装着部171aを有する。そして、トレイ171の外側位置で装着部171aに装着された各カートリッジ100は、図7で示すように駆動側カバー116と、非駆動側カバー117によってトレイ171に支持される。そして、カートリッジ100は、装着部171aに配置された状態で、トレイ171の移動とともに画像形成装置本体170の内側に移動する。このとき、転写ベルト12aと感光ドラム104との間に隙間を空けた状態で移動する。感光ドラム104が転写ベルト12aと接触することなく、トレイ171はカートリッジ100を画像形成装置本体170の内側に移動させることができる。
【0059】
以上のように、トレイ171によって、複数のカートリッジ100をまとめて画像形成装置本体170の内側で画像形成が可能な位置に移動させることができ、また、まとめて画像形成装置本体170の外側に引き出すことができる。
【0060】
[カートリッジの電子写真画像形成装置本体への位置決め]
更に詳細に、カートリッジ100の画像形成装置本体170への位置決めについて図7を用いて説明する。
【0061】
図7に示すように、トレイ171にはカートリッジ100を保持するための位置決め部171VR、171VLが夫々設けられている。位置決め部171VRは、直線部171VR1、171VR2を有している。駆動側カバー116の円弧部116VR1、116VR2(図10参照)が前述直線部171VR1、171VR2に接触することにより、感光ドラム中心が決まる構成となっている。
【0062】
また、図7に示すトレイ171は回転決め凸部171KRを有している。図7に示す駆動側カバー116の回転決め凹部116KRと係合することにより、カートリッジ100の姿勢が装置本体170に対して決まる。
【0063】
尚、カートリッジ100の長手方向において、中間転写ベルト12aを挟んで位置決め部171VRと対向する位置(非駆動側)に、位置決め部171VL、回転決め凸部171KLが配置されている。位置決め部171VLは、直線部171VL1、171VL2を有している。非駆動側についても非駆動側カバー117の円弧部(不図示)が位置決め部171VLに、回転決め凹部117KLが回転決め凸部171KLと係合することにより、カートリッジ100の位置が決まる。非駆動側カバー117の円弧部と、駆動側カバー116の円弧部116VR1、116VR2は同様の形状である。
【0064】
こうすることで、トレイ171に対してカートリッジ100の位置を正しく決めている。
【0065】
そして、図5で示すようにトレイ171と一体になったカートリッジ100を矢印X1の方向に移動し、図4の位置まで挿入する。
【0066】
そして、前ドア11を矢印Rの方向(図4参照)に閉じる事で後述するカートリッジ押圧機構によって、カートリッジ100は押圧され、トレイ171と共に画像形成装置本体170に固定される。また、カートリッジ押圧機構の動作と連動して、転写ベルト12aが感光体4に接触する。この状態になることにより画像が形成される状態となる(図2)。
【0067】
尚、本実施例においては、位置決め部171VR、及び位置決め部171VLはトレイ171の引出動作における剛性を保つ補強の役割も兼ねているため、金属板金を用いているが、これに限定するものではない。
【0068】
[カートリッジ押圧機構]
次にカートリッジ押圧機構の詳細について図8を用いて説明する。
【0069】
図8は、画像形成装置Mの内部を説明する斜視図である。図8(a)は前ドア11を開いた状態の画像形成装置Mの内部を説明する斜視図、図8(b)は前ドア11を閉じた状態の画像形成装置Mの内部を説明する斜視図である。図8(a)は、図4の状態でカートリッジ100、トレイ171、カートリッジ押圧機構190、191、中間転写ユニット12、現像離間制御ユニット195のみを示している。図8(b)は図2の状態でカートリッジ100、トレイ171、カートリッジ押圧機構190、191、中間転写ユニット12、現像離間制御ユニット195のみを示している。
【0070】
さて、カートリッジ100は画像形成中に駆動力を受けつつ、更に一次転写ローラ12d(図2)からは反力を矢印Z1方向にも受けている。そのため、画像形成動作中にカートリッジ100が位置決め部171VR、171VLから浮くことなく安定した姿勢を保つために、カートリッジ100をZ2方向に押し付ける必要がある。
【0071】
これらを達成させる為に、本実施例においては、画像形成装置本体170にカートリッジ押圧機構(190、191)を設けている。
【0072】
カートリッジ押圧機構(190、191)は非駆動側を記憶素子押圧ユニット190、駆動側をカートリッジ押圧ユニット191が担っている。以下更に詳細に説明する。
【0073】
図4で示す前ドア11を閉じる事で、図8で示す記憶素子押圧ユニット190、及びカートリッジ押圧ユニット191は矢印Z2方向に降下する。
【0074】
記憶素子押圧ユニット190は主にカートリッジ100に設けられた記憶素子(不図示)の電気接点と接触する本体側電気接点(不図示)を有している。前ドア11と不図示のリンク機構で連動させることにより、記憶素子140と本体側電気接点の当接、非接触が可能な構成となっている。
【0075】
つまり、前ドア11を閉じる事で前記接点は当接し、前ドア11を開くことで前記接点は離間する構成となっている。
【0076】
こうすることで、カートリッジ100がトレイ171と共に画像形成装置本体170の内部を移動する際に、電気接点を摺擦せず、かつカートリッジ100の挿抜軌跡から接点を退避させることで、トレイ171の挿抜を阻害しない構成となっている。
【0077】
この記憶素子押圧ユニット190はカートリッジ100を前述の位置決め部171VRに押し付ける役割も担っている。
【0078】
また、記憶素子押圧ユニット190と同様に、カートリッジ押圧ユニット121も前ドア11を閉じる動作と連動して矢印Z2方向に降下し、カートリッジ100を前述の位置決め部171VLに押し付ける役割を担っている。
【0079】
カートリッジ押圧機構(190、191)は後述するカートリッジ100の力付与部材152L、152Rを押し下げる役割も同時に担っている。
【0080】
[駆動伝達機構]
次に、本実施形態における本体の駆動伝達機構について、図9図12を用いて説明する。
【0081】
図9は、画像形成装置Mの斜視図である。図9(a)は、前ドア11を開いた状態の画像形成装置Mの斜視図である。図9(b)は、前ドア11を閉じた状態の画像形成装置Mの斜視図である。図9(a)は図4もしくは図5の状態でカートリッジ100、及びトレイ171を省略した斜視図である。図9(b)はカートリッジ100、前ドア11及びトレイ171を省略した斜視図である。
【0082】
図12はカートリッジ100を駆動側から見た斜視図である。
【0083】
本実施形態におけるカートリッジには、図12で示すように、現像カップリング部132a、ドラムカップリング部材(感光体カップリング部材)143を有している。
【0084】
前ドア11を閉じること(図9(b)の状態)で、カートリッジ100に駆動伝達する本体側ドラム駆動カップリング180、及び本体側現像駆動カップリング185が不図示のリンク機構により矢印Y1方向に突出する構成となっている。
【0085】
また、前ドア11を開く(図9(a)の状態)ことで、ドラム駆動カップリング180、現像駆動カップリング185が矢印Y2方向に退避する構成となっている。
【0086】
カートリッジの挿抜軌跡(X1方向、X2方向)から夫々のカップリングを退避させることでトレイ171の挿抜を阻害しない構成となっている。
【0087】
尚、前ドア11を閉め、画像形成装置本体170の駆動が開始される事により、前述のドラム駆動カップリング180はドラムカップリング部材143と係合する。これに合わせて、本体側現像駆動カップリング185は現像カップリング部132aと係合する。その結果、カートリッジ100に駆動が伝達される。尚、カートリッジ100への駆動伝達は上述のように2か所に限らず、ドラムカップリングにのみ駆動を入力し、現像ローラに駆動を伝達する機構を備えてもよい。
【0088】
[中間転写ユニット構成]
次に、本実施形態における画像形成装置本体の中間転写ユニット12について図9(a)、図9(b)を用いて説明する.
本実施形態において、中間転写ユニット12は、前ドア11を閉じることで不図示のリンク機構によって、矢印R2方向に上昇し、画像形成時の位置(感光ドラム104と中間転写ベルト12aが接触する位置)まで移動する構成となっている。
【0089】
また、前ドア11を開くことで、中間転写ユニット12は矢印R1方向に下降し、感光ドラム2と中間転写ベルト12aは離間する。
【0090】
つまり、トレイ171にカートリッジ100がセットされた状態において、感光ドラム104と中間転写ベルト12aは、前ドア11の開閉動作に応じて当接、離間する。
【0091】
尚、当接離間動作は、図4で示す中心点PV1を中心とした回動軌跡を描き中間転写ユニット12が上昇、下降する構成となっている。
【0092】
これは、PVIと同軸に配置されたギア(不図示)から力を受け中間転写ベルト12aは駆動される。そのため、前述の位置PV1を回動中心にすることでギア中心を動かさずに中間転写ユニット12を上昇、下降できる。こうする事でギアの中心を移動する必要が無くなりギアの位置を高精度に保つ事が可能となる。
【0093】
以上の構成によって、カートリッジ100がトレイ171にセットされた状態で、トレイ11の挿抜の際に、感光ドラム104と中間転写ベルト12aは摺動せず、感光ドラム104の傷付きや帯電メモリによる画像劣化を防止している。
【0094】
[現像離間制御ユニット]
次に、本実施形態における画像形成装置本体の離間機構について、図8を用いて説明する。
【0095】
本実施形態において、現像離間制御ユニット195は現像ユニット109の一部と係合することにより、現像ユニット109の感光ドラム104に対する離間当接動作を制御している。現像離間制御ユニット195は図8(a)で示すように画像形成装置本体170の下方に位置している。現像離間制御ユニット195は駆動側に現像離間制御ユニット195R、非駆動側に現像離間制御ユニット195Lを配置している。
【0096】
また、現像離間制御ユニット195は、感光ドラム104の長手方向(Y1、Y2方向)において、中間転写ベルト12の両側に配置される。つまり、現像離間制御ユニット195は駆動側に現像離間制御ユニット195R、非駆動側に現像離間制御ユニット195Lを配置している。
【0097】
以上のように現像離間制御ユニット195を画像形成装置本体170のデットスペースに配置することで、本体の小型化を行うことができる。
【0098】
また、現像離間制御ユニット195が現像ユニット109の一部と係合して、現像ユニット109の離間当接動作を制御するためには、現像離間制御ユニット195の一部と現像ユニット109の一部が鉛直方向(Z1、Z2方向)でオーバーラップしている必要がある。
【0099】
従って、カートリッジ100の現像ユニット109がX1方向に挿入された後、現像ユニット109の一部(本実施例の場合は力付与部材152R、152L)を突出させる。
【0100】
[カートリッジの全体構成]
カートリッジの構成について図3図11図12を用いて説明する。
【0101】
図11はカートリッジ100を感光ドラム104の軸線方向の一端側である駆動側からみた組立斜視図である。図12はカートリッジ100を駆動側から見た斜視図である。本実施例において、第1から第4のカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、同様の電子写真プロセス機構を有し、収容されているトナーの色やトナーの充填量が各々異なるものである。
【0102】
カートリッジ100は、感光ドラム104と、感光ドラム104に作用するプロセス手段を備えている。カートリッジ100はプロセス手段として、感光ドラム104を帯電させる帯電手段(帯電部材)である帯電ローラ105を有する。またカートリッジ100は、別のプロセス手段として感光ドラム104に形成された潜像を現像するための現像手段(現像部材、現像剤担持体)である現像ローラ106を備える。
【0103】
その他、プロセス手段としては、感光ドラム104の表面に残留する残留トナーを除去するためのクリーニング手段(たとえばクリーニングブレード等)が考えられる。但し、本実施例の画像形成装置では、感光ドラム104に接触するクリーニング手段を設けない構成を採用している。
【0104】
そして、カートリッジ100は、ドラム保持ユニット108と現像ユニット109とに分かれている。
【0105】
[ドラム保持ユニットの構成]
図3図11に示すように、ドラム保持ユニット108は、感光ドラム104、帯電ローラ105、第1枠体であるドラム枠体115等で構成される。感光ドラム104は、カップリング部材143とドラムフランジ142とともにドラムユニット103(図1(a)参照)として一体化されている。このドラムユニット103は、カートリッジ100の長手方向両端に設けられた駆動側カバー116、非駆動側カバー117により回転自在に支持されている。駆動側カバー116と非駆動側カバー117については後述する。
【0106】
また、図11図12に示すように、感光ドラム104の長手方向の一端近傍には、感光ドラム104に駆動力を伝達するためのカップリング部材143が設けられている。先に説明したように、カップリング部材143は、画像形成装置本体170のドラム駆動出力部としての本体側ドラム駆動カップリング180(図9参照)と係合する。画像形成装置本体170の駆動モータ(不図示)の駆動力が感光ドラム104に伝達され矢印A方向に回転される。また、感光ドラム104は長手方向の他端(第2端部)近傍にドラムフランジ142を有する。
【0107】
帯電ローラ105は、感光ドラム104に対し接触して従動回転できるように、ドラム枠体115に支持されている。
【0108】
ドラユニット103の長手方向(軸線方向)の両サイドのうち、カップリング部材143が配置された側が駆動側、ドラムフランジ142が配置された側が非駆動側である。つまり感光ドラム104の両端部のうち、駆動側の端部近傍にカップリング部材143が固定され、駆動側とは反対側の端部近傍にドラムフランジ142が固定されている。
【0109】
カートリッジ100の両サイドの内、カップリング部材143が配置された側を駆動側とよび、駆動側の反対側を非駆動側と呼ぶ。
【0110】
ドラム枠体115と、駆動側カバー116と、後述するビス116Dを有するユニットを、枠体ユニットと呼ぶことができる。枠体ユニットは、非駆動側カバー117と、後述するビス117Dを備えていてもよい。
【0111】
ドラム保持ユニット108は、枠体ユニットと、ドラムユニット103を有する、ということができる。また、カートリッジ100は、枠体ユニットを有するということができる。本実施例において、カートリッジ100は、枠体ユニットに加えて、ドラムユニット103、帯電ローラ105、現像ユニット109を備える。つまり、カートリッジ100はドラム保持ユニット108を有する、ということができる。
【0112】
[現像ユニットの構成]
現像ユニット109は、図3図11に示すように、現像ローラ106、トナー搬送ローラ107、現像ブレード130、現像枠体125などで構成されている。現像枠体125は下枠体125aと蓋部材125bにより構成される。下枠体125aと蓋部材125bは超音波溶着等で結合されている。第2の枠体(第2のケーシング)である現像枠体125は、現像ローラ106に供給するトナーを収納するトナー収納部129を有する。また、現像枠体125は後述する駆動側軸受126、非駆動側軸受127を介して、現像ローラ106、トナー搬送ローラ107を回転自在に支持し、現像ローラ106周面のトナーの層厚を規制する現像ブレード130を保持する。
【0113】
現像ブレード130は厚さ0.1mm程度のシート状金属である弾性部材130bを、L字断面を有する金属材料である支持部材130aに溶接等で取り付けたものである。現像ブレード130は長手方向一端側と他端側の二箇所を、固定ビス130cにて現像枠体125に取り付けられる。現像ローラ106は金属材料の芯金106cとゴム部106dから構成されている。
【0114】
現像ローラ106は現像枠体125の長手方向両端に取り付けられた駆動側軸受126と非駆動側軸受127によって、回転可能に支持されている。現像枠体125、駆動側軸受126、非駆動側軸受127は、カートリッジの枠体(ケーシング)の一部である。広義には、駆動側軸受126、非駆動側軸受127を現像枠体125の一部と見なすこともできる。また、駆動側軸受126、非駆動側軸受127と現像枠体125を総称して現像枠体と呼ぶことがある。
【0115】
また、図11図12に示すように、現像ユニット109の長手方向の一端側には、現像ユニット109に駆動力を伝達するための現像入力カップリング部132aが設けられている。現像入力カップリング部132aは、画像形成装置本体170の現像駆動出力部としての本体側現像駆動カップリング185(図9参照)と係合し、画像形成装置本体170の駆動モータ(不図示)の駆動力が現像ユニット109に入力される。現像ユニット109に入力された駆動力は、現像ユニット109内に設けられた不図示の駆動列によって、伝達されることで、現像ローラ106を図3の矢印D方向に回転させることが可能である。現像ユニット109の長手方向一端側には、現像入力カップリング部132aや不図示の駆動列を支持およびカバーする現像カバー部材128が設けられている。
【0116】
尚、現像ローラ106の外径は感光ドラム104の外径より小さく設定されている。感光ドラム104の外径は、直径18~22mmの範囲で設定されており、現像ローラ106の外径は、直径8~14mmの範囲で設定されている。この外径に設定することにより効率的な配置が可能となる。
【0117】
[ドラム保持ユニットと現像ユニットの組立]
図11を用いて、ドラム保持ユニット108と現像ユニット109の組み付けについて説明する。
【0118】
ドラム保持ユニット108と現像ユニット109は、カートリッジ100の長手方向両端に設けられた駆動側カバー116と非駆動側カバー117によって結合される。カートリッジ100の長手方向一端側に設けられた駆動側カバー116には、現像ユニット109を支持するための、現像ユニット支持穴(第1現像支持部)116aが設けられている。同様に、カートリッジ100の長手方向他端側に設けられた非駆動側カバー117には、現像ユニット109を支持するための、現像ユニット支持穴(第2現像支持部)117aが設けられている。現像ユニット109は、現像ユニット支持穴116a、117aによって、ドラム保持ユニット108に対して揺動可能(回転可能)に支持される。
【0119】
さらに、駆動側カバー116と非駆動側カバー117には、感光ドラム104を支持するためのドラム支持穴116b、117bが設けられている。具体的には、感光ドラム104は、カップリング部材143とドラムフランジ142を介して、駆動側カバー116と非駆動側カバー117に回転可能に支持される。感光ドラム104、駆動側カバー116、非駆動側カバー117は、ドラムユニット103として、一体的に回転可能である。つまり、ドラム支持穴116bは、ドラムユニット103を支持する第1ドラム支持部としての機能を有し、ドラム支持穴117bは、ドラムユニット103を支持する第2ドラム支持部としての機能を有する。
【0120】
ここで、一端側では駆動側カバー116の現像ユニット支持穴116aに現像カバー部材128の円筒部128bの外径部を係合させる。他端側では非駆動側カバー117の現像ユニット支持穴117aに、非駆動側軸受127の円筒部(不図示)の外径部を係合させる。
【0121】
さらに、ドラムユニット103の長手方向両端を駆動側カバー116のドラム支持穴116bと非駆動側カバー117のドラム支持穴117bに係合させる。より具体的には、カップリング部材143が駆動側カバー116のドラム支持穴116bと係合し、ドラムフランジ142が非駆動側カバー117のドラム支持穴117bに係合する。そして、駆動側カバー116と非駆動側カバー117は、ドラム保持ユニット108のドラム枠体115に固定される。ドラム保持ユニット108において、駆動側カバー116と非駆動側カバー117をドラム枠体115に固定する方法の詳細については後述する。
【0122】
現像ユニット109は、駆動側カバー116と非駆動側カバー117によって回動(回転移動や揺動とも呼ぶ)可能に支持される。現像ユニット109はドラム保持ユニット108に対して回動可能であり、現像ローラ106は感光ドラム104に対して移動可能である。画像形成時には、現像ユニット109は、現像ローラ106が感光ドラム104に当接する位置に位置される。非画像形成時には、現像ユニット109は、現像ローラ106が感光ドラム104から離間する位置に位置される。
【0123】
上記の工程によってドラム保持ユニット108と現像ユニット109が組立てられ、カートリッジ100として一体的に形成された状態を図12に示す。
【0124】
なお、駆動側カバー116の現像ユニット支持穴116aの中心と、非駆動側カバー117の現像ユニット支持穴117aの中心とを結んだ軸線を揺動軸Kと称する。ここで、一端側の現像カバー部材128の円筒部128bは現像入力カップリング部132aと同軸である。すなわち現像ユニット109は、この揺動軸Kにおいて画像形成装置本体170より駆動力を伝達される構成である。また、揺動軸Kを中心として、現像ユニット109は回動自在に支持されている。本実施例において、揺動軸Kは、現像ローラ16の回転軸線の方向と平行である。
【0125】
[現像ユニットの当接および離間動作]
カートリッジ100のドラム保持ユニット108に対して、現像ユニット109は回動自在に支持されており、感光ドラム104に対して、現像ユニット109の現像ローラ106を当接離間させることが可能である。現像ユニット109の当接および離間動作について、図10を用いて詳細に説明する。
【0126】
図10は、カートリッジ100の側面図(一部断面図)である。図10は駆動側カバー116の一部と現像カバー部材128の一部を部分断面線CSにて部分的に省略した断面図である。
【0127】
図10に示されるように、カートリッジ100の駆動側には、力付与部材152R、離間保持部材151R、力付与部材152Rと離間保持部材151Rに連結された付勢部材(引張ばね)153が備えられる。
【0128】
現像カバー部材128は、揺動軸Kの方向に突出する円筒状の第一支持部128cと第二支持部128kを有する。離間保持部材151Rは、第一支持部128Cに回転可能に支持される。力付与部材152Rは、第二支持部128Kに支持される被支持部152Raを有する。力付与部材152Rは、被支持部152Raの長手方向に移動可能、かつ第二支持部128Kの周りに回転可能に支持される。引張りばね153は、離間保持部材151Rのばね掛け部151Rgに矢印F2方向へ力を加えることで、離間保持部材151Rを矢印B1方向に回転する付勢力を与えている。さらに引張りばね153は力付与部材152Rのばね掛け部152Rsに矢印F1方向へ力を加えることで、力付与部材152Rを矢印B3方向に移動する付勢力を与えている。
【0129】
離間保持部材151Rのばね掛け部151Rgと力付与部材152Rのバネ掛け部152Rsとを結ぶ線をGSとする。力付与部材152Rのばね掛け部152Rsと離間保持部材151Rの揺動軸HCとを結ぶ線をHSとする。ここで線GSと線HSの成す角θ2は、0°以上、90°以下に設定される。これによって力付与部材152Rは、揺動軸HCを回転中心として矢印BA方向に回転するよう付勢される。
【0130】
前ドア11を閉じると、カートリッジ押圧機構191によって力付与部材152Rが上方から下方に向けて押圧される。その結果、力付与部材152Rの下端は、カートリッジ100の下方に突出し、現像離間制御ユニット195Rの一部とオーバーラップする。力付与部材152Rが現像離間制御ユニット195Rによって移動されることにより、離間保持部材151Rは、離間位置と、解除位置との間を移動する。離間保持部材151Rが離間位置にあるとき、離間保持部材151Rは駆動側カバー116と当接し、現像ローラ106が感光ドラム104から離間した状態が保持される。離間保持部材151Rが離間位置から退避して、解除位置にあるとき、現像ローラ106が感光ドラム104に当接する当接状態となることが許容される。
【0131】
また、カートリッジ100の非駆動側には、力付与部材152Lが備えられ、非駆動側軸受127に支持される(図11参照)。カートリッジ100の非駆動側には、離間保持部材151Rに相当する不図示の離間保持部材が備えられ、非駆動側軸受127に支持される。また、カートリッジ100の非駆動側には、付勢部材153に相当する不図示の付勢部材(引張ばね)が備えられる。これらの部品の構成、配置、機能はカートリッジ100の駆動側と同じであるため、詳しい説明は省略する。
【0132】
すなわち、前ドア11が閉じられると、カートリッジ押圧機構190によって、力付与部材152Lが上方から下方に向けて押圧される。その結果、力付与部材152Lの下端は、カートリッジ100の下方に突出し、現像離間制御ユニット195Lの一部とオーバーラップする。力付与部材152Lが現像離間制御ユニット195Lによって移動されることにより、不図示の離間保持部材は、離間保持部材151Rと同様に、離間位置と、解除位置との間を移動する。
【0133】
[ドラムユニット]
カートリッジ100のドラムユニット103について、図1を用いて説明する。図1は、ドラムユニット103の斜視図である。図1(a)は、ドラムユニット103の詳細図である。図1(b)は、ドラムユニット103の全体図である。
【0134】
図1(a)、図1(b)、図11に示されるドラムユニット103は、感光ドラム(感光部、感光体)104とカップリング部材(ドラムカップリング)143、ドラムフランジ142を有する。ドラムユニット103はカートリッジ100の一部として、画像形成装置本体170に対して着脱可能である。ドラムユニット103は、画像形成装置本体170に装着されることによって、画像形成装置本体170に設けられた本体駆動ユニット(不図示)と連結し得るように構成されている。ドラムユニット103は画像形成時に矢印A方向に回転する。ドラムユニット103の回転軸線の方向について、ドラムカップリング143はドラムユニット103の駆動側に配置され、ドラムフランジ142はドラムユニット103の非駆動側に配置される。ドラムユニット103の回転軸線に沿って、ドラムユニット103を駆動側から見た際、すなわちドラムユニット103を矢印M1B方向に沿って見た際に、ドラムユニット103の回転方向は時計方向である。なお、ドラムユニット103の回転軸線は、感光ドラム104の回転軸線、カップリング部材143の回転軸線、ドラムフランジ142の回転軸線と呼ぶこともできる。
【0135】
ドラムユニットの回転方向Aを感光ドラム104の表面の動きを用いて説明すると、以下のようになる(図3参照)。なお図3では、カートリッジ100を非駆動側からみているので、ドラムユニット103の回転方向Aは反時計方向である。図3に示すように、感光ドラム104の表面は、カートリッジの内部にて帯電ローラ105の近傍の位置(帯電ローラに接触する位置)から、現像ローラ106の近傍の位置(現像ローラに接触する位置)に移動する。その後、感光ドラム104の表面は、カートリッジの下方かつ外部に露出する位置に移動し、その後、再度、カートリッジの内部に戻って帯電ローラ105の近傍の位置に移動する。
【0136】
まずカートリッジ100のドラムカップリング部材143について図1(a)を用いて説明する。
【0137】
本実施例のドラムカップリング部材143はポリアセタール樹脂を射出成型することで製造したものである。材料には、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の樹脂材料、またはこれらにガラス繊維、カーボン繊維等を配合した樹脂材料を用いてもよい。または、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料で、ダイキャスト、切削等の加工方法を用いてもよい。
【0138】
次に、ドラムカップリング部材143の形状について図1(a)を用いて説明する。以下のドラムカップリング部材143に関する説明において、軸線方向に沿って感光ドラム104から駆動伝達ユニット230(ドラム駆動カップリング180)に向かう向き(矢印M1Aの向き)を軸線方向における外側向き(外向き)とよぶ。また外側向きとは逆の向き(矢印M1Bの向き)を軸線方向における内側向きとする。
【0139】
ドラムカップリング部材143は、感光ドラム104の長手一端(駆動側端部)に取り付けられている。先に説明したように図1(a)に示す軸部143jは、ドラムユニット103を支持する駆動側カバー116(図11参照)によって回転可能に支持される。ドラムユニット103は、感光ドラム表面の潜像が現像される画像形成時には、所定の回転方向(矢印A方向)に回転するように構成されている。
【0140】
ドラムカップリング部材143は、装置本体の本体駆動ユニットから感光ドラム104を回転するための駆動力を受けるとともに、感光ドラム104の回転に負荷を加えるためのブレーキ力も合わせて受けうるように構成されている。
【0141】
ドラムカップリング部材143は、本体駆動ユニットから駆動力を受け取る第一側面部としての駆動力受け部143bが設けられている。また、ドラムカップリング部材143は、側面部143cを有する。
【0142】
駆動力受け部143bは、ドラムユニットの回転方向Aにおいて上流側に面する側面部である。また側面部143cは回転方向Aにおいて下流側に面する側面部である。
【0143】
別の言い方をすると、駆動力受け部143bと側面部143cの一方は、ドラムユニットの周方向の一方側に面しており、他方は周方向の他方側に面している。つまり駆動力受け部143bと側面部143cは、回転方向や周方向において互いに反対向きに面した側面部である。
【0144】
さらにドラムカップリング部材143は、天面部としてのらせん状斜面(傾斜部)143dが設けられている。斜面(天面部)143dは、軸線方向における外向き(矢印MA1方向)に面する部分である。つまり斜面143dは、ドラムユニットの非駆動側の端部(すなわちドラムフランジ142(図11参照)が配置された側の端部)とは反対側に向かって面する部分である。別の言い方をすると、カップリング部材143の天面(斜面143d)は、感光ドラムが位置する側とは反対向きに面する部分である。
【0145】
斜面143dは、回転方向の上流側(矢印A方向の上流側)に向かうにつれて、軸線方向の外向き(矢印MA1方向)に向かうように傾斜している。つまり、斜面143dは、回転方向の上流側に向かうにつれて、ドラムユニットの非駆動側から遠ざかる向きに向かって移動する。別の言い方をすると斜面143dは、回転方向の上流側に向かうにつれて、感光ドラムから遠ざかるように傾斜している。
【0146】
更に、ドラムカップリング部材143は、装置本体のドラム駆動カップリングの位置決めボスと係合してお互いの軸を位置決めするための開口部としての円孔部143aが設けられている。ドラムカップリング部材143は、軸線L(図1(a)参照)に沿って形成された軸部143p(図1(a)参照)を有し、その軸部143pに円孔部143aが形成されている。軸部143p、円孔部143aは軸線L上に配置されている。円孔部143aが形成されることによって、ドラムユニットの回転軸線L(図1(a)参照)からドラムカップリング部材143の内面までの間は開放された空間とされている。なお、軸部143pは前述の軸部143jよりも径が小さい。
【0147】
上記したドラムカップリング部143は、軸線L(図1(a)参照)に対して対称形状である。駆動力受け部143b、側面部143c、らせん状斜面143dは周方向に2か所配置され、それぞれ第1カップリング143r、第2カップリング143s(図58参照)を形成している。つまり第1カップリング部143rと第2カップリング部143sが軸線に対して対称な位置に配置されている。
【0148】
[駆動側カバー、非駆動側カバーの固定]
図11図13(a)、図13(b)、図13(c)、図14(a)、図14(b)、図14(c)を用いて、ドラム枠体115に対する、駆動側カバー116と非駆動側カバー117の固定について説明する。
【0149】
図13は、駆動側におけるカートリッジ100の組立を説明する斜視図である。説明のために、現像ユニット109の図示は、省略されている。
【0150】
図13(a)、図13(c)は、ドラム枠体115への駆動側カバー116の組み付けを説明する図である。図13(b)は、ドラム枠体115に駆動側カバー116が固定された状態を示す図である。図13(a)、図13(b)は駆動側から見た斜視図であり、図13(c)は非駆動側から見た斜視図である。
【0151】
図14は、非駆動側におけるカートリッジ100の組立を説明する斜視図である。説明のために、現像ユニット109の図示は、省略されている。
【0152】
図14(a)、図14(c)は、ドラム枠体115への非駆動側カバー117の組み付けを説明する図である。図14(b)は、ドラム枠体115に非駆動側カバー117が固定された状態を示す図である。図14(a)、図14(b)は非駆動側から見た斜視図であり、図14(c)は駆動側から見た斜視図である。
【0153】
図11に示すように、ドラム保持ユニット108と現像ユニット109は、カートリッジ100の長手方向両端に設けられた駆動側カバー(第1サイド部材)116と非駆動側カバー(第2サイド部材)117によって結合される。
【0154】
本実施例において、カートリッジ100の長手方向は、ドラムユニット103の回転軸線の方向、現像ローラ106の回転軸線の方向と平行である。ドラム保持ユニット108は、ドラムユニット103の回転軸線の方向と平行である。現像ユニット109の長手方向は、現像ローラ106の回転軸線の方向と平行である。
【0155】
前述したように、駆動側カバー116の現像ユニット支持穴116aと、非駆動側カバー117の現像ユニット支持穴117aに現像ユニット109を係合させる。また、駆動側カバー116のドラム支持穴116bと非駆動側カバー117のドラム支持穴117bに、ドラムユニット103を係合させる。駆動側カバー116と非駆動側カバー117は、ドラム保持ユニット108のドラム枠体115に固定される。現像ユニット109がドラム保持ユニット108に対して揺動することにより、現像ローラ9は、感光ドラム104に対して当接する位置と、感光ドラム104から離間する位置の間で移動可能である。
【0156】
ドラム枠体115は、ドラムユニット103の回転軸線の方向(第1方向)について、駆動側の端部(第1端部)と、非駆動側の端部(第2端部)を有する。ドラムユニット103の回転軸線の方向について、非駆動側の端部は、駆動側の端部の反対側に位置する。駆動側の端部には、駆動側カバー116が取り付けられ、非駆動側の端部には非駆動側カバー117が取付けられている。
【0157】
ドラム枠体115は、駆動側カバー116の位置を固定するため、第1位置決め部115E1と、第1回転決め部(第1回転止め部)115K1を有する。第1位置決め部115E1と、第1回転決め部115K1は、ドラム枠体115の駆動側の端部に配置されている。
【0158】
ドラム枠体115は、非駆動側カバー117の位置を固定するため、第2位置決め部115HE1と、第2回転決め部(第2回転止め部)115HK1を有する。第2位置決め部115HE1と、第2回転決め部115HK1は、ドラム枠体115の非駆動側の端部に配置されている。
【0159】
駆動側カバー116は、第1位置決め部115E1と係合する第1位置決め穴(第1被位置決め部)116E1、第1回転決め部115K1と係合する第1回転決め穴(第1被回転止め部)116K1を有する(図11図13(a)、図13(c)参照)。
【0160】
非駆動側カバー117は、第2位置決め部115HE1と係合する第2位置決め穴(第2被位置決め部)117E1と、第2回転決め部115HK1と係合する第2回転決め穴(第2被回転止め部)117K1を有する(図11図14(a)、図14(c)参照)。
【0161】
第1位置決め部115E1、第1回転決め部115K1、第2位置決め部115HE1、第2回転決め部115HK1は、感光ドラム104の回転軸線の方向(ドラムユニット103の回転軸線の方向)に向けて延びる突出部(突起、ボス)である。
【0162】
第1位置決め部115E1と第1位置決め穴116E1が係合すると、ドラムユニット103の回転軸線の方向に沿って延びる第1位置決め部115E1の面が、第1位置決め穴116E1の内部で駆動側カバー116と当接する。その結果、ドラムユニット103の回転軸線の方向と交差する方向について、駆動側カバー116がドラム枠体115に対して移動(平行移動)することが規制される。本実施例では、ドラムユニット103の回転軸線の方向と直交する方向について、駆動側カバー116がドラム枠体115に対して移動(平行移動)することが規制される。
【0163】
また、第1回転決め部115K1と第1回転決め穴116K1が係合すると、ドラムユニット103の回転軸線の方向に沿って延びる第1回転決め部115K1の面が、第1回転決め穴116K1の内部で駆動側カバー116と当接する。その結果、駆動側カバー116が、ドラム枠体115に対して、第1位置決め部115E1の周りに回転することが規制される。
【0164】
第2位置決め部115HE1と第2位置決め穴117E1が係合すると、ドラムユニット103の回転軸線の方向に沿って延びる第2位置決め部115HE1の面が、第2位置決め穴117E1の内部で非駆動側カバー117と当接する。その結果、ドラムユニット103の回転軸線の方向と交差する方向について、非駆動側カバー117がドラム枠体115に対して移動(平行移動)することが規制される。本実施例では、ドラムユニット103の回転軸線の方向と直交する方向について、非駆動側カバー117がドラム枠体115に対して移動(平行移動)することが規制される。
【0165】
また、第2回転決め部115HK1と第2回転決め穴117K1が係合すると、ドラムユニット103の回転軸線の方向に沿って延びる第2回転決め部115HK1の面が、第2回転決め穴117K1の内部で非駆動側カバー117と当接する。その結果、非駆動側カバー117がドラム枠体115に対して第2位置決め部115HE1の周りに回転することが規制される。
【0166】
ドラム枠体115に対して、駆動側カバー116、非駆動側カバー117を強固に固定するため、本実施例では接着剤を用いる。
【0167】
第1位置決め部115E1と第2位置決め部115HE1、第1回転決め部115K1と第2回転決め部115HK1は、略同形状である。第1位置決め穴116E1と第2位置決め穴117E1、第1回転決め穴116K1と第2回転決め穴117K1は略同形状である。したがって、ドラム枠体115に対して駆動側カバー116を固定する構成と、ドラム枠体115に対して非駆動側カバー117を固定する構成とは、同じである。したがって、ドラム枠体115に対して駆動側カバー116を固定する構成を詳しく説明し、ドラム枠体115に対して非駆動側カバー117を固定する構成は、簡略化して説明する。
【0168】
第1位置決め部115E1は円柱ボスであり、ドラムユニット103の回転軸線に直交する方向の断面は、円形状を有する。第1回転決め部115K1は角ボスであり、ドラムユニット103の回転軸線に直交する方向の断面には、平面(直線)が含まれる。つまり、第1位置決め部115E1は円弧面を含み、第1回転決め部115K1は平面を含む。
【0169】
駆動側カバー116の第1位置決め穴116E1は第1位置決め部115E1に係合する円形状の穴である。第1回転決め穴116K1は第1回転決め部115K1によって規制される平面を有する穴である。つまり、第1位置決め穴116E1は円弧面を含み、第1回転決め穴116K1は平面を含む。
【0170】
なお、第1位置決め部115E1、第1回転決め部115K1、第1位置決め穴116E1、第1回転決め穴116K1の形状は、上述した形状に限られない。例えば、第1回転決め部115K1の断面が円であってもよい。第1回転決め穴116K1は第1回転決め部115K1の回転を規制する平面を有する長丸穴であってもよい。
【0171】
第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1の少なくともいずれか一方が接着されている。つまり、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1の間、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1の間の、少なくともいずれか一方に、接着剤が塗布されている。
【0172】
本実施例では、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1のそれぞれが、接着によって固定されている。第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1のどちらかを固定する場合、固定していない他方においては、駆動側カバー116がドラム枠体115の長手方向に移動し得る。本実施例の構成によれば、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1が接着され、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1が接着されている。したがって、ドラム枠体115の長手方向について、ドラム枠体115に対して駆動側カバー116を精度よく位置決めすることができる。
【0173】
また、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1のように、面同士が当接する部分に接着剤を塗布することにより、両者を強固に接着できる。特に、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1のように、平面同士が当接する部分に接着剤を塗布することにより、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1を強固に接着できる。
【0174】
第1位置決め穴116E1と第1回転決め穴116K1には、第1位置決め部115E1と第1回転決め部115K1に接着剤を流すための切り欠き部(露出部)116E2、116K2が設けられる。第1位置決め部115E1と第1回転決め部115K1には、接着剤を流すための流路溝115E2、115K2が備えられる。流路溝115E2、115K2は、ドラムユニット103の回転軸線の方向に向けて延びている。
【0175】
本実施例においては、ドラムユニット103、現像ユニット109、駆動側カバー116、非駆動側カバー117が組み合わされ、カートリッジ100が構成された後に、接着剤が塗布される。切り欠き部116E2、116K2によって、駆動側カバー116の外側に向けて、流路溝115E2、115K2が露出される。接着剤を塗布する際は、各部材を組み合わせてカートリッジ100を組み立てた後に、切り欠き部116E2、116K2を介して接着剤を塗布することで、接着剤が他の箇所に付着してしまう事を防止することが出来る。
【0176】
塗布された接着剤は、毛細管現象によって、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1の間の隙間、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1の間の隙間に広がる。接着剤を毛細管現象により安定的に流すために、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1の間の隙間、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1の間の隙間は0mmより大きく、0.1mm以下であることが好ましい。本実施例では、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1の間の隙間、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1の間の隙間は、約50μmである。
【0177】
第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1の間の隙間、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1の間の隙間があると、ドラム枠体115に対して駆動側カバー116の位置がずれる場合がある。その結果、ドラム枠体115に対する感光ドラム104や現像ユニット109の位置精度に影響が及ぶ場合がある。ドラム枠体115に対して駆動側カバー116の位置がずれることは、可能な限り抑える事が望ましい。
【0178】
そこで、本実施例では、第1位置決め部115E1の一部と第1位置決め穴116E1の一部が圧入され、第1回転決め部115K1の一部と第1回転決め穴116K1の一部が圧入される。
【0179】
具体的には、図13(a)に示すように、第1位置決め部115E1と第1回転決め部115K1の根元には、第1位置決め穴116E1と第1回転決め穴116K1に圧入される圧入部115E3、115K3が設けられている。これにより、ドラム枠体115と駆動側カバー116の位置精度を精度良く決める事ができる。また、圧入部115E3、115K3によって、塗布された接着剤が漏れ出すことを防ぐ事もできる。
【0180】
接着剤は感光ドラム104や各部品に影響を及ぼさない溶剤であり、本実施例では、テルペン系溶剤を用いた。テルペン系溶剤としてはd-リモネンを用いることが好ましい。また、ドラム枠体115、駆動側カバー116、非駆動側カバー117の材質は、同種の熱可塑性樹脂であることが好ましい。ドラム枠体115と駆動側カバー116、非駆動側カバー117の材質は、PS(ポリスチレン)系樹脂を用いた。なお、接着面同士が接着硬化されていれば良いので、接着剤の材質や、ドラム枠体115と駆動側カバー116、非駆動側カバー117の材質は用途に合わせて選択が可能である。
【0181】
接着剤が塗布された後、接着剤が硬化して、ドラム枠体115と駆動側カバー116、ドラム枠体115と非駆動側カバー117が固定されるまでには、時間がかかる。接着剤が硬化するまでの間に、カートリッジ100に外力が加わると、ドラム枠体115に対して駆動側カバー116、非駆動側カバー117の位置がずれた状態となり、その状態で接着剤が硬化してしまう恐れがある。
【0182】
そこで、接着剤が硬化するまでの間、ドラム枠体115と駆動側サイドカバー116、ドラム枠体115と非駆動側カバー117を保持するため、接着剤が硬化するまでの仮止めとしての機能を有するビス116D、ビス117Dを用いる。
【0183】
本実施例では、ドラム枠体115に対し、駆動側カバー116をビス116Dによって固定する。ドラム枠体115に対し、非駆動側カバー117をビス117Dによって固定する。そしてその後、接着剤を塗布する。こうすることで、接着剤が硬化するまでの間、ドラム枠体115に対し、駆動側カバー116、非駆動側カバー117の位置を保持しておくことができる。
【0184】
ビス(第1固定部材)116Dは、駆動側カバー116が、ドラム枠体115とビス116Dの間に挟み込まれるように配置される。これにより、接着剤が硬化するまでの間、ドラム枠体115に対して、駆動側カバー116を固定させることができる。接着剤が硬化した後は、ドラム枠体115に対して、駆動側カバー116が接着によって固定される。この状態でビス116Dを取り外しても、ドラム枠体115に対して、駆動側カバー116は固定されている。
【0185】
ビス116Dは、ドラム枠体115の第1位置決め部115K1もしくは第1回転決め部115K1に締結される。こうすることで、ビス116Dを配置するためのスペースを、第1位置決め部115K1、第1回転決め部115K1を配置するためのスペースとは別に確保する必要がない。したがって、ドラム枠体115に対して駆動側カバー116を接着剤で固定する際に、駆動側カートリッジカバー116の位置ずれをビス116Dによって防止しつつ、ビス116Dを省スペースで配置できる。つまり、ドラム枠体115が大型化することを防止できる。
【0186】
本実施例では、ビス116Dは、ドラム枠体115の第1回転決め部115K1に締結される。
【0187】
ビス116Dは所謂セルフタップネジである。したがって、ビス116Dの締結による第1回転決め部115K1の変形を抑制するため、ビス116Dの締結力は、できるだけ小さい方が望ましい。第1回転決め部115K1が変形すると、ドラム枠体115に対する駆動側カバー116の位置決め精度が低下するためである。また、第1回転決め部115K1が変形し、第1回転決め穴116K1と密着すると、接着剤が流れないためである。
【0188】
ビス116Dは、接着剤が硬化するまでの間、駆動側カバー116の位置ずれを防止できる程度の締結力で締められていれば良い。したがって、本実施例では、ビス116Dは、他のビスよりも弱い力で固定されている。例えば、現像枠体125に対して、非駆動側軸受127、現像カバー部材128および駆動側軸受126、現像ブレード130は、ビスによって固定される。ビス116Dを固定する時の力は、これらのビスと比べて小さい。したがって、ビス116Dを取り外すときの力も、これのビスを取り外すときの力と比べて小さい。
【0189】
第1回転決め部115K1の厚みを増すことでも、変形は抑えることが可能であるが、ビス116Dの締結力を小さくすることで、第1回転決め部115K1を大型化せずに、変形を押さえることができる。なお、角ボスにビスを締結する際は、ビスによる変形を抑えるために、角ボス内に描ける最大円の中心軸上にビスを配置することで、角ボスの変形を抑えることが可能である。これにより、第1回転決め部115K1の変形を防止し、ドラム枠体115に対して駆動カバー116を精度よく位置決めしつつ、毛細管現象によって接着剤を効率的に流すことができる。
【0190】
なお本実施例では、ビス116Dは第1回転決め部115K1に締結されるが、第1位置決め部115E1に、ビス116Dに相当するビスが締結されてもよい。また、第1回転決め部115K1に締結されるビス116Dと、第1位置決め部115E1に締結されるビスの両方を用いてもよい。
【0191】
また、本実施例では、ドラム枠体115の第1位置決め部115E1と第1回転決め部115K1の両方を接着した。しかし、第1位置決め部115E1と第1回転決め部115K1の少なくともいずれか一方が、接着によって固定されていればよい。
【0192】
二つの部材を固定する際のコストは、ビスよりも接着剤を用いたほうが低い。本実施例では、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1を接着している。なお、接着する個所が少ないほうが、接着剤を使う量が少なくすむため、コストは安くなる。しかし、接着していない部分においては、ビスの締結力を高くして、駆動側カバー116を強固に固定する必要があり、第1回転決め部115K1にビスの締結による変形が発生する場合がある。したがって、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1を接着し、ビス116Dを小さな力で締める。その結果、駆動側カバー116をドラム枠体115に対して、位置精度よく、強固に固定することができる。
【0193】
次に、図11図14(a)、図14(b)、図14(c)を用いて、非駆動側カバー117とドラム枠体115の接着について説明する。
【0194】
図11図14(a)、図14(b)、図14(c)に示すように、 非駆動側カバー117には、ドラム枠体115の第2位置決め部115HE1と第2回転決め部115HK1と係合する第2位置決め穴117E1と、第2回転決め穴117K1が備えられる。駆動側と同様に、接着剤が硬化するまでの仮止めとしての機能を有するビス117D(固定部材、第2固定部材)によって、非駆動側カバー117の第2被回転決め部117K1とドラム枠体115の第2回転決め部115HK1が固定される。
【0195】
第2位置決め穴117E1と第2位置決め部115HE1、第2回転決め穴117K1と第2回転決め部115HK1の少なくともいずれか一方が接着されている。つまり、第2位置決め穴117E1と第2位置決め部115HE1の間、第2回転決め穴117K1と第2回転決め部115HK1の間の、少なくともいずれか一方に、接着剤が塗布されている。
【0196】
本実施例では、第2位置決め穴117E1と第2位置決め部115HE1が接着され、第2回転決め穴117K1と第2回転決め部115HK1が接着されている。
【0197】
第2位置決め穴117E1と第2回転決め穴117K1には、第2位置決め部115HE1と第2回転決め部115HK1に接着剤を流すための切り欠き部(露出部)117E2、117K2が設けられる。第2位置決め部115HE1と第2回転決め部115HK1には、接着剤を流すための流路溝115HE2、115HK2が備えられる。流路溝115HE2、115HK2は、ドラムユニット103の回転軸線の方向に向けて延びている。
【0198】
また、本実施例では、第2位置決め部115HE1の一部と第2位置決め穴117E1の一部が圧入され、第2回転決め部115HK1の一部と第2回転決め穴117K1の一部が圧入される。具体的には、第2位置決め部115HE1と第2回転決め部115HK1の根元には、第2位置決め穴117E1と第2回転決め穴117K1に圧入される圧入部115HE3、115HK3が設けられている。
【0199】
さらに、接着剤が硬化するまでの間、ドラム枠体115と非駆動側サイドカバー117、ドラム枠体115を保持するため、ビス117Dを用いる。ビス117Dは、非駆動側カバー117が、ドラム枠体115とビス117Dの間に挟み込まれるように配置される。
【0200】
駆動側と同様に、ビス117Dは、ドラム枠体115の第2位置決め部115HK1もしくは第2回転決め部115HK1に締結される。
【0201】
なお本実施例では、ビス117Dは第2回転決め部115HK1に締結されるが、第2位置決め部115HE1に、ビス117Dに相当するビスが締結されてもよい。また、第2回転決め部115HK1に締結されるビス117Dと、第2位置決め部115HE1に締結されるビスの両方を用いてもよい。
【0202】
また、本実施例では、ドラム枠体115の第2位置決め部115HE1と第2回転決め部115HK1の両方を接着した。しかし、第2位置決め部115HE1と第2回転決め部115HK1の少なくともいずれか一方が、接着によって固定されていればよい。
【0203】
切り欠き部117E2、117K2の構成および機能は、駆動側の切り欠き部116E2、116K2と同じである。流路溝115HE2、115HK2の構成および機能は、駆動側の流路溝115E2、115K2と同じである。圧入部115HE3、115HK3の構成および機能は、駆動側の圧入部115E3、115K3と同じである。ビス117Dの構成および機能、ビス117Dを締め付けるための力の条件は、駆動側のビス116Dと同じである。したがって、これらについての詳しい説明は省略する。
【0204】
<カートリッジの分解方法>
カートリッジ100が使用された後に、カートリッジ100を再び使用可能な状態とするために、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105を取り出したうえで、清掃、部品の交換、消耗したトナーの補充等が行われる場合がある。
【0205】
そこで、カートリッジ100を分解し、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105などのプロセス手段を、カートリッジ100から取り外す方法について説明する。
【0206】
ドラム枠体115と駆動側カバー116、非駆動側カバー117を接着剤で締結しているため、駆動側カバー116、非駆動側カバー117は、ビス116D、ビス117Dを外しただけではドラム枠体115から分離出来ない。したがって、ドラム枠体115に駆動側カバー116、非駆動側カバー117が接着された状態で、カートリッジ100を分解する。
【0207】
つまり、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1のいずれか一方が接着された状態で、カートリッジ100を分解する。また、第2位置決め穴117E1と第2位置決め部115HE1、第2回転決め穴117K1と第2回転決め部115HK1のいずれか一方が接着された状態で、カートリッジ100を分解する。
【0208】
本実施例では、第1位置決め穴116E1と第1位置決め部115E1、第1回転決め穴116K1と第1回転決め部115K1のそれぞれが接着された状態で、カートリッジ100を分解する。また、第2位置決め穴117E1と第2位置決め部115HE1、第2回転決め穴117K1と第2回転決め部115HK1のそれぞれが接着された状態で、カートリッジ100を分解する。
【0209】
本実施例のカートリッジ100の分解方法では、ドラム枠体115に駆動側カバー116、非駆動側カバー117が接着された状態で、ドラム枠体115を変形する変形工程が行われる。ドラム枠体115を変形させることで、現像ユニット109とドラムユニット103の少なくともいずれか一方を取り外す工程(取り外し工程、分離工程)が行われる。
【0210】
ドラムユニット103の回転軸線に直交する平面に、ドラム枠体115を投影した際の投影面積は、当該平面に駆動側カバー116、非駆動側カバー117を投影した際の投影面積よりも小さい。したがって、ドラム保持ユニット108は、ドラム枠体115の部分で、ドラムユニット103の回転軸線に交差する方向に変形しやすくなっている。
【0211】
[現像ユニットの取り外し(分離)方法]
図15は、本実施例にかかるカートリッジ100の分解を説明する図である。図15は、カートリッジ100の分離斜視図であり、現像ユニット109とドラムユニット103と帯電ローラ105の分離を示した図である。
【0212】
まず、現像ユニット109を、カートリッジ100から取り外す方法を説明する。
【0213】
図11図15に示すように、駆動側カバー116の現像ユニット支持穴116aには現像カバー部材128の円筒部128bが係合し、非駆動側カバー117の現像ユニット支持穴117aに非駆動側軸受127の円筒部(不図示)が係合している。そのため、これらの部分の係合を解除すれば、カートリッジ100から現像ユニット109を取り外すことが可能である。
【0214】
本実施例では、ドラム枠体115に駆動側カバー116、非駆動側カバー117が接着された状態で、ドラム枠体115を変形させることで、これらの部分の係合を解除することができる。この場合、ドラム枠体115は、ドラムユニット103の回転軸線に交差する方向に向けて、ドラム枠体115の中央部を変形させることが好ましい。
【0215】
ドラム枠体115を変形させることで、駆動側カバー116と現像カバー部材128の係合、非駆動側カバー117と非駆動側軸受127の係合を解除することができる。なお、ドラム枠体115を変形させた状態で、駆動側カバー116と現像カバー部材128の係合、非駆動側カバー117と非駆動側軸受127の係合の両方を解除してもよいし、いずれか一方の係合を解除してもよい。
【0216】
[ドラムユニット及び帯電ローラを分離する方法]
次にドラムユニット103及び帯電ローラ105を分離する方法を説明する。
【0217】
図3に示すように、ドラム枠体115を有するドラム保持ユニット108にはドラムユニット103と帯電ローラ105が取り付けられている。感光ドラム104と、帯電ローラ105中心軸105cの材質は金属である。
【0218】
非駆動側カバー117には、金属ピンであるアースピン145が挿入されている。より具体的には、アースピン145は、非駆動側カバー117に圧入されて固定されている。アースピン145はドラムフランジ142に挿入されている。
【0219】
まず、図15に示すように、ドラムフランジ142と、非駆動側カバー117に挿入されているアースピン(挿入軸)145を外す。
【0220】
ドラム枠体115と駆動側カバー116、非駆動側カバー117は接着されている。アースピン145を外した後に、ドラム枠体115を撓ませる(変形させる)ことで、ドラムユニット103を取り外すことができる。より具体的には、ドラム枠体115を撓ませることで、感光ドラム支持穴116b(図11参照)ドラム支持穴117bを長手方向で外側に向けて移動し、ドラムユニット103を取り外すことが可能である。
【0221】
本実施例では、ドラムユニット103の回転軸線の方向に関して、ドラムユニット103と感光ドラム支持穴117bが係合する長さ(オーバーラップする長さ)は、ドラムユニット103と感光ドラム支持穴116bが係合する長さよりも短い。したがって、感光ドラム支持穴117bからドラムユニット103を分離した後、感光ドラム支持穴116bからドラムユニット103を分離することが好ましい。
【0222】
帯電ローラ105は帯電ローラ軸受け105dに回転可能に係合している。ドラムユニット103を取り外した後、ドラム枠体115の帯電ローラ軸受け部105dから帯電ローラ105の中心軸105cを取り外すことで、帯電ローラ105を分離することができる。なお、帯電ローラ105の取り外し時には、ドラム枠体115を変形させる必要はない。
【0223】
現像ユニット109をカートリッジ100から分離した後に、必要に応じて、部品の交換もしくは清掃、現像ユニット109へのトナーの充填を行って、現像ユニット109を再び使用可能な状態にすることができる。
【0224】
ドラムユニット103を分離した後、必要に応じて、感光ドラム104の清掃もしくは交換を行って、ドラムユニット103を再び使用可能な状態にすることができる。また、帯電ローラ105も、必要に応じて、清掃して再び使用可能な状態にすることができる。
【0225】
ドラム枠体115、駆動側カバー116、非駆動側カバー117を有する枠体ユニットに対して、現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ105を取り付けることで、カートリッジ100を再び使用可能な状態にすることができる。つまり、カートリッジ100を製造することができる。
【0226】
この際、現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ105として、当該カートリッジ100から取り外された現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ105を使用することができる。また、別のカートリッジ100から取り外された現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ10を使用することもできる。また、新たな現像ユニット109、新たなドラムユニット103、新たな帯電ローラ105を使用することもできる。どの部品を用いるかは、適宜選択することができる。
【0227】
<変形例>
変形例として、カートリッジ100を分解し、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105などのプロセス手段を、カートリッジ100から取り外す別の方法について説明する。
【0228】
本変形例におけるカートリッジ100の分解方法では、ドラム保持ユニット108の一部を切断する切断工程が行われ、現像ユニット109とドラムユニット103の少なくともいずれか一方を取り外す工程(取り外し工程、分離工程)が行われる。
【0229】
図16は、変形例に係るカートリッジ100の分解を説明する図である。図16は、ドラム保持ユニット108の一部を切断してプロセス手段を分離する工程を示している。
【0230】
図16に示すように、ドラム枠体115に駆動側カバー116、非駆動側カバー117が接着された状態で、ドラム枠体115を切断することで、ドラム枠体115は長手方向(ドラムユニット103の回転軸線の方向)に分離することができる。本実施例では、ドラム枠体115の中央部を切断している。ドラム枠体115を切断することで、ドラム枠体115に駆動側カバー116、非駆動側カバー117が接着された状態で、駆動側カバー116、非駆動側カバー117は、互いに対して離れるように移動できる。つまり、駆動側カバー116、非駆動側カバー117は、互いに対して長手方向に分離できる。その結果、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105などのプロセス手段を、それぞれの部品を支持する支持部から取り外すことができる。
【0231】
ドラム枠体115を切断する方法によって、プロセス手段を分離し、各プロセス手段を新品に交換したり、または清掃して再利用し、切断したドラム枠体115を再度接着したり、新たなドラム枠体に取り付ける事で、再度カートリッジ化して使用することが可能である。
【0232】
現像ユニット109をカートリッジ100から分離した後に、必要に応じて、部品の交換もしくは清掃、現像ユニット109へのトナーの充填を行って、現像ユニット109を再び使用可能な状態にすることができる。
【0233】
ドラムユニット103を分離した後、必要に応じて、感光ドラム104の清掃もしくは交換を行って、ドラムユニット103を再び使用可能な状態にすることができる。また、帯電ローラ105も、必要に応じて、清掃して再び使用可能な状態にすることができる。
【0234】
ドラム枠体115、駆動側カバー116、非駆動側カバー117を有する枠体ユニットに対して、現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ105を取り付けることで、カートリッジ100を再び使用可能な状態にすることができる。つまり、カートリッジ100を製造することができる。
【0235】
この際、現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ105として、当該カートリッジ100から取り外された現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ105を使用することができる。また、別のカートリッジ100から取り外された現像ユニット109、ドラムユニット103、帯電ローラ10を使用することもできる。また、新たな現像ユニット109、新たなドラムユニット103、新たな帯電ローラ105を使用することもできる。どの部品を用いるかは、適宜選択することができる。
【0236】
また、本実施例では、ドラム枠体115を切断する方法を説明したが、駆動側カバー116、非駆動側カバー117を切断することで、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105を取り外すことも可能である。
【0237】
例えば、駆動側カバー116の現像ユニット支持穴116a、非駆動側カバー117の現像ユニット支持穴117aの近傍を切断して、現像ユニット109を取り外してもよい。また、駆動側カバー116のドラム支持穴116bと非駆動側カバー117のドラム支持穴117bの近傍を切断して、ドラムユニット103を取り外してもよい。ドラムユニット103を取り外すことで、帯電ローラ105もドラム枠体115から取り外すことができる。
【0238】
なお、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105を傷つけることを抑制するためには、ドラム枠体115を切断することが好ましい。また、ドラムユニット103の回転軸線に直交する平面に、ドラム枠体115を投影した際の投影面積は、当該平面に駆動側カバー116、非駆動側カバー117を投影した際の投影面積よりも小さい。したがって、ドラム枠体115を切断することで、切断する長さを短くすることができる。
【0239】
切断されたドラム枠体115、駆動側カバー116、非駆動側カバー117は、修復し、カートリッジ100を組み立てる際に、再度使用することができる。また、新たなドラム枠体115、駆動側カバー116、非駆動側カバー117を使用して、カートリッジ100を組み立ててもよい。
【0240】
また、接着剤を剥がす溶剤を使用することで、駆動側カバー116、非駆動側カバー117をドラム枠体115から分離してもよい。この場合、駆動側カバー116、非駆動側カバー117をドラム枠体115から分離した後に、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105を取り外すことができる。
【0241】
また、現像ユニット109やドラムユニット103、帯電ローラ105は必要な場合にだけ取り外せばよい。つまり、現像ユニット109を取り外さずに、ドラムユニット103、帯電ローラ105を取り外すこともできる。同様に、ドラムユニット103、帯電ローラ105を取り外さずに、現像ユニット109を取り外してもよい。
【符号の説明】
【0242】
100 カートリッジ
103 ドラムユニット
104 感光ドラム
108 ドラム保持ユニット
109 現像ユニット
115 ドラム枠体
115E1 第1位置決め部
115K1 第1回転決め部
115HE1 第2位置決め部
115HK1 第2回転決め部
116 駆動側カバー
116E1 第1位置決め穴
116K1 第1回転決め穴
117 非駆動側カバー
117E1 第2位置決め穴
117K1 第2回転決め穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16