(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】メモリシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/38 20060101AFI20240527BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20240527BHJP
G06F 12/06 20060101ALI20240527BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240527BHJP
G11C 5/04 20060101ALI20240527BHJP
G11C 5/14 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
G06F13/38 320Z
G06F3/00 L
G06F12/06 524
G06F13/38 350
G06K19/077 168
G11C5/04 210
G11C5/14 300
(21)【出願番号】P 2020158140
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 肇
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-332580(JP,A)
【文献】特開2005-071325(JP,A)
【文献】特開2009-258773(JP,A)
【文献】特開2013-214221(JP,A)
【文献】特開2019-139767(JP,A)
【文献】特開2019-149045(JP,A)
【文献】特表2019-516280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/38
G06F 3/00
G06F 12/06
G06K 19/077
G11C 5/04
G11C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置に接続可能なメモリシステムであって、
不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリを制御し、第1の電圧が供給されるコントローラと、
前記メモリシステムと前記ホスト装置
とが接続された状態で、前記ホスト装置から第1の信号及び第2の信号が入力され、前記第1の信号及び前記第2の信号が
共に前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を有する
第1の場合に
おいて、
前記第2の電圧を有する前記第2の信号を、前記第1の電圧に変換し
て第3の信号として前記コントローラに出力し、前記メモリシステムと前記ホスト装置
とが接続された状態で、前記ホスト装置から前記第1の信号が入力されず
前記第2の信号が入力され、前記第2の信号が前記第1の電圧を有する
第2の場合に
おいて、
前記第1の電圧を有する前記第2の信号を、電圧を変換させずに第4の信号として前記コントローラに出力する回路と
を具備するメモリシステム。
【請求項2】
前記回路は
前記第1の信号が入力される第1の回路を含み、
前記第1の場合において、前記第1の回路
の出力は第1の状態となり、前記第2の場合において、前記第1の回路
の前記出力は前記第1の状態とは異なる第2の状態となる請求項
1に記載のメモリシステム。
【請求項3】
前記回路は
前記第2の信号が入力される第2の回路を含み、前記第
1の回路の前記出力が前記第1の状態となる場合には、前記第2の回路は
前記第2の電圧を有する前記第2の信号を前記第3の信号に変換して出力し、前記第1の回路の前記出力が前記第2の状態となる場合には、前記第2の回路は前記第1の電圧を有する前記第2の信号を電圧変換せず前記第4の信号として出力する請求項2に記載のメモリシステム。
【請求項4】
前記ホスト装置に接続可能なコネクタを更に具備し、
前記コネクタは第1のピン及び第2のピンを含み、
前記第1のピン
及び前記第2のピンは前記回路に接続され、
前記第1のピンには前記第1の信号が入力され、前記第2のピン
には前記第2の信号が入力される請求項
1に記載のメモリシステム。
【請求項5】
前記
コネクタは、M.2規格に準拠し
た形状を有する請求項
4に記載のメモリシステム。
【請求項6】
前記メモリシステムと前記ホスト装置との間の信号の送受信はPCIe規格に準拠して行われ、
前記第1の信号は
、前記PCIe規格で規定されるVIO 1.8
V信号であり、
前記第2の信号は、
前記PCIe規格で規定されるクロック要求信号CLKREQ#、ウェイクアップ信号PEWAKE#、又は、リセット信号PERST#であ
り、
前記第2の場合、前記回路は、前記PCIe規格で規定されるVIO CFG信号を出力する請求項
1に記載のメモリシステム。
【請求項7】
前記回路は、トランジスタを含み、前記トランジスタを通過させた前記第2の信号を、前記第3の信号又は前記第4の信号として出力する請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項8】
基板を更に具備し、
前記不揮発性メモリ、前記コントローラ、及び前記回路は、前記基板に実装される請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項9】
前記第1の電圧は3.3Vであり、前記第2の電圧は1,8Vである請求項1に記載のメモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はメモリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリシステムの一つとしてNAND型フラッシュメモリを備えるソリッドステートドライブ(SSD)が知られている。SSDは、例えば、パーソナルコンピュータやサーバー等のホスト装置に接続される。SSDがホスト装置に接続された状態では、SSDとホスト装置の間の信号の送受信は、例えば、インターフェース規格の一つであるインターフェースPCI Express(登録商標)(PCIe)規格に準拠して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、インターフェース規格の変更に対応可能なメモリシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリシステムはホスト装置に接続可能である。前記メモリシステムは、不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリを制御し、第1の電圧が供給されるコントローラとを含む。前記メモリシステムは、前記ホスト装置に接続された状態で、前記ホスト装置から第1の信号及び第2の信号が入力され、前記第1の信号及び前記第2の信号が前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を有する場合には、前記第2の信号の前記第2の電圧を前記第1の電圧を変換し、前記ホスト装置に接続された状態で、前記ホスト装置から前記第1の信号が入力されず、第2の信号が入力され、前記第2の信号が前記第1の電圧を有する場合には、前記第2の信号の前記第1の電圧を変換しない回路を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は一実施形態に係るメモリシステムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は一実施形態に係るメモリシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は実施形態に係るメモリシステムのコネクタのピン配置の一例を示す表である。
【
図4】
図4は一実施形態に係るメモリシステムの自動電源自動切替え回路の回路図である。
【
図5】
図5は一実施形態に係るメモリシステムのレベルシフト回路の回路図である。
【
図6】
図6は一実施形態に係るメモリシステムの他のレベルシフト回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。図面は、模式的又は概念的なものである。また、図面において、同一符号は同一又は相当部分を付してある。また、簡略化のために、同一又は相当部分があっても符号を付さない場合もある。
【0008】
図1は一実施形態に係るメモリシステム1の外観構成を示す図であり、
図1(a)はメモリシステム1の外観構成の一例を模式的に示す側面図であり、
図1(b)はメモリシステム1の外観構成の一例を模式的に示す上面図である。
図2は、互いに接続されたメモリシステム1及びホスト装置100を示すブロック図である。
【0009】
メモリシステム1は、例えば、SSD、USBメモリ、SDカード、ハードディスクドライブ若しくはハイブリッドハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置である。
【0010】
ホスト装置100は、例えば、パーソナルコンビュータ若しくはサーバーなどの情報処理装置、テスタ装置、製造装置、スチルカメラ若しくはビデオカメラなどの撮像装置、タブレットコンピュータ若しくはスマートフォンなどの携帯端末、ゲーム機器、カーナピゲーションシステム(車載端末)である。
【0011】
ホスト装置100は、例えば、パーソナルコンビュータ若しくはサーバーなどの情報処理装置、タブレットコンピュータ若しくはスマートフォンなどの携帯端末、スチルカメラ若しくはビデオカメラなどの撮像装置、テスタ装置、製造装置、ゲーム機器、カーナピゲーションシステム(車載端末)である。
【0012】
以下では、メモリシステム1がSSDであり、ホスト装置100がパーソナルコンビュータであり、メモリシステム1とホスト装置100との間の信号の送受信はPCIe規格に準拠して行われる場合について説明する。
【0013】
図1に示すように、メモリシステム1は、プリント基板2、不揮発性メモリ10、コントローラ20、インターフェース回路30、及びコネクタ40を備える。
【0014】
プリント基板2は、第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。第2の主面2bは第1の主面2aの反対側の主面である。第1の主面2aには、不揮発性メモリ10、コントローラ20及びコネクタ40が配置される。
【0015】
不揮発性メモリ10は、NAND型フラッシュメモリを含み、パッケージの形態でプリント基板2の主面2aに実装される。不揮発性メモリ10の実装は、例えば、BGA(Ball Grid Array)方式で行われる。
【0016】
インターフェース回路30はPCIeの規格に則したものであり、電圧自動切替え回路31及びそれに接続されたレベルシフト回路32を含む(
図2)。
【0017】
コントローラ20はパッケージの形態でプリント基板2の主面2aに実装される。コントローラ20の実装は、例えば、BGA方式で行われる。例えば、コントローラ20は、不揮発性メモリ10を制御する。
【0018】
コネクタ40は、フォームファクタの一つであるM.2(エムドットツー)に従った形状を有しており、エッジコネクタとして構成されている。コネクタ40は複数のピン40-1~40-10を含む。
図3は、コネクタ40のピン配置の一例を示す表である。
図3の例ではピン数は75であるが、
図1(b)では簡略のためにピン数は10としている。コネクタ40の各ピン40-1~40-10は、プリント基板2中の基板配線(図示せず)を介してインターフェース回路30及びコントローラ20に接続される。
【0019】
コネクタ40は、複数のポートUP1,UP2,UP3,UP4,UP5を構成する(
図2)。各ポートUP1,UP2,UP3,UP4,UP5毎にコネクタ40の異なるピンが割り当てられる。各ポートUP1,UP2,UP3,UP4,UP4,UP5毎に割り当てられるピンの数は複数である。ポートUP1,UP2,UP3はレベルシフト回路32に接続される。ポートUP4,UP5は電圧自動切替え回路31に接続される。
【0020】
ホスト装置100はコントローラ102及びコネクタ(不図示)を含む(
図2)。このコネクタは、複数のポートDP1,DP2,DP3,DP4,DP5を構成する。各ポートDP1,DP2,DP3,DP4,DP5毎にコネクタの異なるピンが割り当てられる。各ポートDP1,DP2,DP3,DP4,DP5にはコントローラ102からのロジック信号が与えられる。例えば、ポートDP1にはコントローラ102からのクロック要求信号CLKREQ#が与えられ、ポートDP2にはコントローラ102からのウェイクアップ信号PEWAKE#が与えられ、ポートDP3にはコントローラ102からのリセット信号PERST#が与えられ、ポートDP4にはコントローラ102からのVIO 1.8信号が与えられる。「#」はアクティブローの信号であることを示している。
【0021】
コネクタ40のポートUP1,UP2,UP3,UP4にはそれぞれ通信線CL1,CL2,CL3,CL4が接続される。ポートUP1,UP2,UP3,UP4は、通信線CL1,CL2,CL3,CL4を介して、ホスト装置100のポートDP1,DP2,DP3,DP4に接続される。その結果、メモリシステム1とホスト装置100とが接続される。
【0022】
メモリシステム1の複数のポートUP1~UP4、複数の通信線CL1,CL2(通信線群CL)及びホスト装置100の複数のポートDP1~DP4は、メモリシステム1とホスト装置100との聞のPCIeインターフェース4を構成する。なお、メモリシステム1とホスト装置100との聞には、低速インターフェースや電源インターフェースなど他のインターフェースが構成されていてもよい。
【0023】
メモリシステム1は、PCIeインターフェース4を介してホスト装置100から制御信号(コマンド)を受信し、受信されたコマンドに従った制御動作を行う。また、メモリシステム1は、PCIeインターフェース4を介してホスト装置100に制御信号(要求)を送信する。
【0024】
コントローラ20は、I/O回路21,22及びコア部23を含む。I/O回路21はドライバ21a及びレシーパ21bを含む。ドライバ21aはNMOSトランジスタを含む。レシーパ21bはインバータを構成するNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを含む。ドライバ21aとレシーパ21bとの接続ノードN1は、信号線SL1を介してレベルシフト回路32に接続される。I/O回路22はレシーパ22bを含む。レシーパ22bはインバータを構成するNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを含む。これらのNMOSトランジスタのゲートとPMOSトランジスタのゲートとの接続ノードN2は、信号線SL2を介してレベルシフト回路32に接続される。I/O回路21,22に供給される電圧VDD2(電源電圧)は3.3Vである。
【0025】
コア部23は、I/O回路21,22経由で信号を受け、受けた信号に従った所定の制御を行う。例えば、コア部23は、書き込みコマンド及びデータをI/O回路21,22経由で受けた場合、書き込みコマンドに従ってデータを不揮発性メモリ10に書き込む。また、コア部23は、所定の制御に従い、信号をI/O回路21,22経由で出力する。例えば、コア部23は、読み出しコマンドをI/O回路21,22経由で受けた場合、NAND型フラッシュメモリ10からデータを読み出し、読み出されたデータをI/O回路21,22経由で出力する。
【0026】
メモリシステム1は、PCIeの規格に則した高速差動信号(TX、RX)をPCleインターフェース4経由でホスト装置100と送受信する。また、メモリシステム1は、メモリシステム1の動作に必要な制榔信号をPC1eインターフェース4経由でホスト装置100と送受信する。そのような制御信号は、例えば、
図2に示すような、クロック要求信号CLKREQ#、ウェイクアップ信号PEWAKE#、リセット信号PERST#などのロジック信号がある。クロック要求信号CLKREQ#はポートDP1内の一つのピンに入力される。リセット信号PEWAKE#はポートDP2内の一つのピンに入力される。リセット信号PERST#がポートDP3内の一つのピンに入力される。
【0027】
クロック要求信号CLKREQ#は、基準クロック信号の供給をクロックジェネレータ(不図示)に対して要求するための信号である。クロックジェネレータはホスト装置100の外部又は内部に設けられる。
ウェイクアップ信号PEWAKE#は、ホスト装置100がメモリシステム1を起動させたいときにホスト装置100からメモリシステム1へ送信される信号である。リセット信号PERST#は、ホスト装置100がメモリシステム1を初期化したいときにホスト装置100からメモリシステム1へ送信される信号である。
【0028】
クロック要求信号CLKREQ#、基準クロック信号REFCLK、リセット信号PERST#などのロジック信号の電圧VDD1は現状では3.3Vである。しかし、今後、電圧VDDlは1.8Vとなる予定である。
【0029】
SSDを量産している途中で電圧VDDlが3.3Vから1.8Vに切り替わるスケジュールになっている場合、その切替えに対応するためには、例えば、3.3V用の基板及び1.8V用の基板をそれぞれ準備するか、一つの基板で選択ジャンパ等を電圧に応じて実装する等して準備する必要がある。
【0030】
本実施形態では、3.3Vから1.8Vへの切替えに対応するために、本実施形態のメモリシステム1内のインターフェース回路30は電圧自動切替え回路31を含む。電圧自動切替え回路31はポートUP4に接続され、ポートUP4はホスト装置100のポートDP4に接続される。
【0031】
電圧VDDlが1.8Vの場合、ホスト装置100のポートDP4にはVIO 1.8V信号(第1の信号)を伝送するためのピンが設けられる。その結果、ホスト装置100のコントローラ102からポートDP4、ポートUP4を経由して電圧自動切替え回路31にはVIO 1.8V信号が入力される。
【0032】
一方、電圧VDDlが3.3Vの場合、ホスト装置100のポートDP4にはVIO 1.8V信号を伝送するためのピンは設けられない。その結果、電圧自動切替え回路31にはVIO 1.8V信号は入力されない。
【0033】
電圧自動切替え回路31にVIO 1.8V信号が入力された場合、電圧自動切替え回路31は電圧が1.8Vの第1の出力信号を出力する。一方、電圧自動切替え回路31にVIO 1.8V信号が入力されない場合、電圧自動切替え回路31は電圧が3.3Vの第2の出力信号を出力する。このように本実施形態では、VIO 1.8V信号の入力の有無の違いにより、電圧自動切替え回路31は電圧の異なる出力信号(第1の出力信号、第2の出力信号)を出力する。本実施形態では、第1の出力信号は第2の出力信号よりも低い。
【0034】
レベルシフト回路32には第1の出力信号又は第2の出力信号が電圧自動切替え回路31から入力される。第1の出力信号が入力された場合、レベルシフト回路32は、入力されるロジック信号(CLKREQ#、PEWAKE#、PERST#)の電圧を1.8Vから3.3Vに変換する。一方、第2の出力信号が入力された場合、レベルシフト回路32は、入力されるロジック信号(CLKREQ#、PEWAKE#、PERST#)の電圧を変換しない。
【0035】
図4は、電圧自動切替え回路31の回路図である。電圧自動切替え回路31は、バイポーラトランジスタQ1~Q5、抵抗R1~R5及びキャパシタC1を含む。バイポーラトランジスタQ1~Q3,Q5,Q6はNPN型バイポーラトランジスタであり、バイポーラトランジスタQ4はPNP型バイポーラトランジスタである。
【0036】
バイポーラトランジスタQ1のベースは、抵抗R1を介してグランドに接続されるとともに、バイポーラトランジスタQ5のコレクタに接続される。
【0037】
バイポーラトランジスタQ1のコレクタは、抵抗R2を介して3.3Vの電源電圧に接続されるとともに、バイポーラトランジスタQ2,Q3,Q6のベースに接続される。ババイポーラトランジスタQ1のエミッタは、グランドに接続されるとともに、バイポーラトランジスタQ2,Q3,Q6のエミッタとキャパシタC1に接続される。
【0038】
なお、キャパシタC1は、バイポーラトランジスタQ5がオン状態となるタイミングを調整するためのものであり、必ずしも必要ではない。
【0039】
バイポーラトランジスタQ2のコレクタは、抵抗R3を介して3.3Vの電源電圧に接続されるとともに、バイポーラトランジスタQ4のベースに接続される。
【0040】
バイポーラトランジスタQ3のコレクタは、抵抗R4を介して3.3Vの電源電圧に接続され、かつキャパシタC1を介してグランドに接続されるとともに、バイポーラトランジスタQ5のベースに接続される。
【0041】
バイポーラトランジスタQ4のコレクタは、バイポーラトランジスタQ5のエミッタに接続される。
また、バイポーラトランジスタQ4のエミッタは3.3Vの電源電圧に接続される。
【0042】
バイポーラトランジスタQ5のコレクタは、ポートUP4内のVIO 1.8V信号が出力されるピンに接続される。
【0043】
バイポーラトランジスタQ6のコレクタは、ポートUP5内のVIO CFG信号を出力するピンに接続される。
【0044】
ロジック信号が3.3Vの場合、メモリシステム1のポートUP4内にはVIO 1.8V信号を伝送するためのピンはあるが、ホスト装置100のポートDP4内にはVIO 1.8V信号を伝送するためのピンはない。そのため、ポートUP4は非接続のオープン状態(Not Connect)となり、バイポーラトランジスタQ1のベースに接続された抵抗R1により、バイポーラトランジスタQ1のベースがグランド(GND)レベルになることにより、バイポーラトランジスタQ1はオフ状態となる。
その結果、バイポーラトランジスタQ2,Q3,Q4,Q6はオン状態となり、出力電圧は3.3Vとなる。
【0045】
ロジック信号が3.3Vの場合、バイポーラトランジスタQ6のコレクタ電流は、VIO CFG信号として用いることが可能である。VIO CFG信号は、メモリシステム1のロジック信号が3.3Vであることをホスト装置100に知らせるための信号であり、その信号がグランドレベルの時に、メモリシステム1のロジック信号が3.3Vであることを示す。この場合、メモリシステム1のポートUP5内にはVIO CFG信号を伝送するためのピンが設けられる。
【0046】
ロジック信号が1.8Vの場合、ポートUP4及びポートDP4内にはVIO 1.8V信号を伝送するためのピンがある。そのため、バイポーラトランジスタQ1のベースとバイポーラトランジスタQ5のコレクタにはVIO 1.8V信号が入力され、バイポーラトランジスタQ1はオン状態となる。その結果、バイポーラトランジスタQ2,Q3,Q4,Q6はオン状態となり、抵抗4を介してイポーラトランジスタQ5はオン状態となり、出力電圧が1.8Vとなる。
【0047】
図5は、レベルシフト回路32の回路図である。この回路図は、
図4の電圧自動切替え回路31を用いた場合のものである。
【0048】
レベルシフト回路32は、NMOSトランジスタNM1、NMOSトランジスタNM2及びNMOSトランジスタNM3、並びに、プルアップ抵抗11、プルアップ抵抗12及びプルアップ抵抗R13を含む。
【0049】
NMOSトランジスタNM1のゲートは、バイポーラトランジスタQ4のコレクタ及びバイポーラトランジスタQ5のエミッタに接続される。NMOSトランジスタNM1のソースSは、ポートDP1内のクロック要求信号CLKREQ#が与えられるピンに接続される。NMOSトランジスタNM1のドレインDはプルアップ抵抗R11の一端に接続される。プルアップ抵抗R11の他端は3.3Vの電源電圧に接続される。ドレインDは出力としてクロック要求信号CLKREQBを出力する。「B」はローアクティブ信号として用いられる信号であることを示している。NMOSトランジスタNM1のソースSとドレインDとの間には寄生ダイオードD1が存在する。寄生ダイオードD1のアノード及びカソードはそれぞれソースS及びドレインDに接続される。
クロック要求信号CLKREQ#及びCLKREQBは双方向の信号であり、ポートUP1内のクロック要求信号CLKREQB用のピンからのロー信号は寄生ダイオードD1を通して、NMOSトランジスタNM1のソースSの電位を降下させ、ゲートGとソースS間に電位差が生じる。その結果、NMOSトランジスタNM1がオン状態となり、ポートDP1内のクロック要求信号CLKREQ#用のピンにロー信号が伝わる。
【0050】
NMOSトランジスタNM2のゲートは、バイポーラトランジスタQ4のコレクタ及びバイポーラトランジスタQ5のエミッタに接続される。NMOSトランジスタNM2のソースSは、ポートDP2内のウェイクアップ信号PEWAKE#が与えられるピンに接続される。NMOSトランジスタNM2のドレインDはプルアップ抵抗R12の一端に接続される。プルアップ抵抗R12の他端は3.3Vの電源電圧に接続される。ドレインDは出力としてウェイクアップ信号PEWAKEBを出力する。NMOSトランジスタNM2のソースSとドレインDとの間には寄生ダイオードD2が存在する。寄生ダイオードD2のアノード及びカソードはそれぞれソースS及びドレインDに接続される。ウェイクアップ信号PEWAKE#及びPEWAKEBは双方向の信号であり、ウェイクアップ信号PEWAKEBからのロー信号は寄生ダイオードD2を通して、NMOSトランジスタNM2のソースSの電位を降下させる。その結果、NMOSトランジスタNM2のゲートGとソースSの間に電位差が生じ、NMOSトランジスタNM2のオン状態となるので、ポートUP2にはロー信号が伝わる。
ウェイクアップ信号PEWAKE#及びPEWAKEBは双方向の信号であり、ポートUP2内のPEWAKEB用のピンからのロー信号は寄生ダイオードD2を通して、NMOSトランジスタNM2のソースSの電位を降下させ、ゲートGとソースS間に電位差が生じること。その結果、NM2がオン状態となり、ポートDP内のウェイクアップ信号PEWAKE#用のピンにロー信号が伝わる。
【0051】
NMOSトランジスタNM3のゲートは、バイポーラトランジスタQ4のコレクタ及びバイポーラトランジスタQ5のエミッタに接続される。NMOSトランジスタNM3のソースSは、ポートDP3内のリセット信号PERST#が与えられるピンに接続される。NMOSトランジスタNM3のドレインDはプルアップ抵抗R13の一端に接続される。プルアップ抵抗R13の他端は3.3Vの電源電圧に接続される。ドレインDは出力としてリセット信号PERSTBを出力する。NMOSトランジスタNM3のソースSとドレインDとの間には寄生ダイオードD3が存在する。寄生ダイオードD3のアノード及びカソードはそれぞれソースS及びドレインDに接続される。
【0052】
ロジック信号が3.3Vの場合、バイポーラトランジスタQ4はオン状態、バイポーラトランジスタQ5はオフ状態である。オン状態のバイポーラトランジスタQ4の出力電圧は3.3Vである。この出力電圧はNMOSトランジスタNM1~NM3のゲートに入力される。
【0053】
その結果、ロジック信号が3.3Vの場合、NMOSトランジスタNM1のドレインDに接続されたプルアップ抵抗R11により、3.3Vのクロック要求信号CLKREQBとしてNMOSトランジスタNM1のドレインDから出力される。NMOSトランジスタNM2のソースSに入力される3.3Vのウェイクアップ信号PEWAKE#は電圧変換はされず、3.3Vのウェイクアップ信号PEWAKEBとしてNMOSトランジスタNM1のドレインDから出力される。NMOSトランジスタNM3のソースSに入力される3.3Vのリセット信号PERST#は電圧変換はされず、3.3Vのリセット信号PERSTBとしてNMOSトランジスタNM3のドレインDから出力される。このクロック要求信号CLKREQBとウェイクアップ信号PEWAKEBは、I/O回路21の出力ノードN1に入力される。また、リセット信号PERSTBは、I/O回路22のノードN2に入力される。
【0054】
一方、ロジック信号が1.8Vの場合、バイポーラトランジスタQ4はオフ状態、バイポーラトランジスタQ5はオン状態である。オン状態のバイポーラトランジスタQ5の出力電圧は1.8Vである。この出力電圧はNMOSトランジスタNM1~NM3のゲートに入力される。
【0055】
その結果、ロジック信号が1.8Vの場合、NMOSトランジスタNM1のソースSに入力される1.8Vのクロック要求信号CLKREQ#は、プルアップ抵抗11によってプルアップされた3.3Vのクロック要求信号CLKREQBとしてNMOSトランジスタNM1のドレインDから出力される。NMOSトランジスタNM2のソースSに入力される1.8Vのウェイクアップ信号PEWAKE#は、プルアップ抵抗12によってプルアップされた3.3Vのウェイクアップ信号PEWAKEBとしてNMOSトランジスタNM1のドレインDから出力される。NMOSトランジスタNM3のソースSに入力される1.8Vのリセット信号PERST#は、プルアップ抵抗11によってプルアップされた3.3Vのリセット信号PERSTBとしてNMOSトランジスタNM3のドレインDから出力される。
【0056】
なお、以上述べた実施形態では、電圧自動切替え回路31及びレベルシフト回路32はインターフェース回路30内に設けられているが、電圧自動切替え回路31及びレベルシフト回路32はインターフェース回路30外に設けることも可能である。また、
図5ではNMOSトランジスタMN1~MN3を用いたが、
図6に示すようにバイポーラトランジスタBP1~BP3を用いたレベルシフト回路も実施することができる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…メモリシステム
2…プリント基板
4…PCIeインターフェース
10…不揮発性メモリ
20…コントローラ
31…電圧自動切替え回路(第1の回路)
32…レベルシフト回路(第2の回路)
40…インターフェース
100…ホスト装置