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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】工事管理装置及び工事管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240527BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020181795
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022072394
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大貫 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】今野 実
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-123758(JP,A)
【文献】特開2009-151667(JP,A)
【文献】特開2008-052461(JP,A)
【文献】特開2004-062621(JP,A)
【文献】特開2015-041178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる表示制御部と、
前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を生成するPR情報生成部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記敷設設備の敷設位置、及び、前記敷設設備と前記複数の需要家との接続状況に関する敷設情報に基づいて、前記複数の需要家を前記敷設設備の利用種別及び前記工事の影響の有無によって区分けし、前記複数の需要家毎の区分け表示を含む前記工事計画画像を前記モニタに表示させる、
工事管理装置。
【請求項2】
道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる表示制御部と、
前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を生成するPR情報生成部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記工事計画画像において前記工事対象区域の地図上に示された前記複数の需要家のうち一の需要家が選択された場合に、前記一の需要家に対応する前記PR情報の内容を前記モニタに表示させる、
工事管理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記工事計画画像において前記工事対象区域の地図上に示された前記複数の需要家のうち一の需要家が選択された場合に、前記一の需要家に対応する前記PR情報の内容を前記モニタに表示させる、
請求項1に記載の工事管理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記一の需要家の住所情報と、前記一の需要家が連絡事項を書き込み可能なサイトのURL情報とを含む二次元コードを前記PR情報の内容に含め、
前記工事管理装置は、前記一の需要家に対し、前記PR情報の内容の印刷要求がなされた場合に、前記一の需要家に対応する前記PR情報の内容が記載されたPR用紙をプリンタに印刷させる印刷制御部をさらに備える、
請求項2又は請求項3に記載の工事管理装置。
【請求項5】
訪問員の端末から送信された前記PR用紙の配布が完了した旨の配布完了情報及び前記PR用紙の配布完了時における前記端末の位置情報を取得した場合に、前記地図情報及び前記位置情報に基づいて複数の需要家のうち前記PR用紙の配布が完了した需要家を特定し、該特定した需要家について前記配布完了情報をデータベースに保存する管理制御部をさらに備える、
請求項4に記載の工事管理装置。
【請求項6】
前記管理制御部は、前記一の需要家が前記サイトに前記連絡事項を書き込んだ場合に、前記連絡事項の内容に関する連絡事項情報を取得し、前記一の需要家について前記連絡事項情報を前記データベースに保存する、
請求項5に記載の工事管理装置。
【請求項7】
前記管理制御部は、工事施工会社の担当者が前記連絡事項に対する回答事項を前記サイトに書き込んだ場合に、前記回答事項の内容に関する回答事項情報を取得し、前記一の需要家について前記回答事項情報を前記データベースに保存する、
請求項6に記載の工事管理装置。
【請求項8】
前記管理制御部は、前記一の需要家に対し、前記工事の進捗状況の確認要求がなされた場合に、前記一の需要家に対応して前記データベースに保存された情報に基づいて、前記PR情報の内容及び前記PR用紙の配布の実施状況を前記モニタに表示させると共に、前記連絡事項情報が前記データベースに保存されている場合には、前記連絡事項を前記モニタに表示させ、前記回答事項情報が前記データベースに保存されている場合には、前記回答事項を前記モニタに表示させる、
請求項7に記載の工事管理装置。
【請求項9】
道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる工事計画画像表示ステップと、
前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を工事管理装置で生成するPR情報生成ステップと、
を含み、
前記工事計画画像表示ステップにおいて、前記敷設設備の敷設位置、及び、前記敷設設備と前記複数の需要家との接続状況に関する敷設情報に基づいて、前記複数の需要家を前記敷設設備の利用種別及び前記工事の影響の有無によって区分けし、前記複数の需要家毎の区分け表示を含む前記工事計画画像を前記モニタに表示させる、
工事管理方法
【請求項10】
道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる工事計画画像表示ステップと、
前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を工事管理装置で生成するPR情報生成ステップと、
前記工事計画画像において前記工事対象区域の地図上に示された前記複数の需要家のうち一の需要家が選択された場合に、前記一の需要家に対応する前記PR情報の内容を前記モニタに表示させるPR情報表示ステップと、
を含む工事管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事管理装置及び工事管理方法に関するものであり、詳しくは、道路の下に敷設されているガス管、水道管、通信回線又は電力ケーブル等の敷設設備が工事の対象となる工事対象区域に居住する需要家に対し、例えば工事のお知らせを記載したPR用紙の配布等を行う際に、その補助を行う工事管理装置及び工事管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、道路の下に敷設されているガス管、水道管、通信回線又は電力ケーブル等の敷設設備を工事する際には、工事の対象となる工事対象区域に居住する複数の需要家に対し、工事の内容、場所及び期間等を記載したPR用紙を配布(手渡し又は投函)することが行われている。
【0003】
このような敷設設備の工事では、工事対象区域に居住する複数の需要家毎に工事の影響が異なるため、PR用紙に記載する内容も複数の需要家毎に異ならせる必要がある。
【0004】
従来、このPR用紙に記載する内容は、工事対象区域の地図と工事の計画内容とを照らし合わせながら人手によって作成されていた。しかしながら、このような作業には多大な時間を要していた。
【0005】
ここで、特許文献1には、道路に設置されているガス管、水道管、通信回線、電力ケーブル等の各種施設の工事区域、工事対象施設の説明情報及びそれに対応する各引出線を示した工事区域管理図の自動作成方法において、工事区域をポリゴンの形で設定し、当該ポリゴンの外側部分の全体を抽出してこの抽出範囲を、少なくとも説明情報の表示対象域として用いるようにしたことを特徴とする工事区域管理図の自動作成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平9-293135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術をもってしても、PR用紙に記載する内容については、依然として工事対象区域の地図と工事の計画内容とを照らし合わせながら人手によって作成せざるを得ない。したがって、作業の効率化が望まれる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであって、その目的は、例えばPR用紙等に記載する内容を作成する際の作業効率を向上させることができる工事管理装置及び工事管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一態様に係る工事管理装置は、道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる表示制御部と、前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を生成するPR情報生成部と、を備え、前記表示制御部は、前記敷設設備の敷設位置、及び、前記敷設設備と前記複数の需要家との接続状況に関する敷設情報に基づいて、前記複数の需要家を前記敷設設備の利用種別及び前記工事の影響の有無によって区分けし、前記複数の需要家毎の区分け表示を含む前記工事計画画像を前記モニタに表示させる。
本発明の第二態様に係る工事管理装置は、道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる表示制御部と、前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を生成するPR情報生成部と、を備え、前記表示制御部は、前記工事計画画像において前記工事対象区域の地図上に示された前記複数の需要家のうち一の需要家が選択された場合に、前記一の需要家に対応する前記PR情報の内容を前記モニタに表示させる。
【0010】
本発明の第三態様に係る工事管理方法は、道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる工事計画画像表示ステップと、前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を工事管理装置で生成するPR情報生成ステップと、を含み、前記工事計画画像表示ステップにおいて、前記敷設設備の敷設位置、及び、前記敷設設備と前記複数の需要家との接続状況に関する敷設情報に基づいて、前記複数の需要家を前記敷設設備の利用種別及び前記工事の影響の有無によって区分けし、前記複数の需要家毎の区分け表示を含む前記工事計画画像を前記モニタに表示させる
本発明の第四態様に係る工事管理方法は、道路の下に敷設されている敷設設備が工事の対象となる工事対象区域の地図情報と、前記敷設設備の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、前記工事対象区域の地図上に前記工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタに表示させる工事計画画像表示ステップと、前記地図情報及び前記工事計画内容情報に基づいて、前記工事対象区域に居住する複数の需要家毎に、前記工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を工事管理装置で生成するPR情報生成ステップと、前記工事計画画像において前記工事対象区域の地図上に示された前記複数の需要家のうち一の需要家が選択された場合に、前記一の需要家に対応する前記PR情報の内容を前記モニタに表示させるPR情報表示ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えばPR用紙等に記載する内容を作成する際の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】工事の計画内容の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る工事管理装置を含む工事管理システムの全体構成を示す図である。
図3図2に示される工事管理装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る工事管理方法の流れを示すフローチャートである。
図5図4に示される工事計画画像表示ステップの流れを示すシーケンス図である。
図6】工事施工会社の担当者によって入力される工事の計画内容の一例を示す図である。
図7】モニタに表示される工事計画画像の一例を示す図である。
図8図4に示されるPR情報表示ステップの流れを示すシーケンス図である。
図9】複数の需要家のうち一の需要家に対応するPR情報の内容がモニタに表示される際の画面遷移の一例を説明する図である。
図10】第一層目の需要家の区分けに応じたPR情報の内容の一例を示す図である。
図11】第二層目及び第三層目の需要家向けのPR情報の内容の一例を示す図である。
図12図4に示されるPR用紙印刷ステップの流れを示すシーケンス図である。
図13】印刷されたPR用紙の一例を示す図である。
図14図4に示されるデータ保存ステップのうちPR用紙の配布が完了した旨の配布完了情報をデータベースに保存する流れを示すシーケンス図である。
図15】データベースに保存された配布完了情報の内容の一例を示す図である。
図16図4に示されるデータ保存ステップのうち需要家からの連絡事項の内容に関する連絡事項情報をデータベースに保存する流れを示すシーケンス図である。
図17】データベースに保存された連絡事項情報の内容の一例を示す図である。
図18】データベースに保存された回答事項情報の内容の一例を示す図である。
図19図4に示される管理内容表示ステップの流れを示すシーケンス図である。
図20】複数の需要家のうち一の需要家に対応する工事の進捗状況の第一例を示す図である。
図21】複数の需要家のうち一の需要家に対応する工事の進捗状況の第二例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0014】
本発明の一実施形態は、道路の下に敷設されているガス管、水道管、通信回線又は電力ケーブル等の敷設設備が工事の対象となる工事対象区域に居住する需要家に対し、例えば工事のお知らせを記載したPR用紙の配布等を行う際に、その補助を行う工事管理装置及び工事管理方法を提案するものである。
【0015】
(工事の計画内容の一例)
図1は、工事の計画内容の一例を示す図である。本実地形態では、一例として、ガス管100を工事の対象とする例について説明する。ガス管100の工事は、例えば、ガス管100の取替工事等である。図1に示される例において、ガス管100は、道路102の下に敷設されている。工事の対象となる工事対象区域104には、複数の需要家106が居住している。
【0016】
複数の需要家106のうち需要家106-A~Dは、分岐管108を介してガス管100に接続されている。また、複数の需要家106のうち需要家106-E~Mは、分岐管110、112を介してガス管100に接続されている。この需要家106-A~Mは、都市ガスを利用する需要家である。需要家106-D~Mは、例えば、ガス管100以外のガス供給管に接続されることにより、工事期間中にガスの供給が停止しないが、需要家106-A~Cは、例えば、ガス管100以外のガス供給管が接続されないことにより、工事期間中にガスの供給が停止する予定の需要家である。また、複数の需要家106のうち需要家106-N~Pは、そもそもガス管100に接続されておらず、都市ガスを利用せずに電気のみを利用する需要家である。
【0017】
なお、図1には、道路102に面した第一層目の需要家106-A~Pのみが図示されているが、工事対象区域104には、道路102から見て第一層目の後側に居住する第二層目の需要家、及び、第二層目の需要家の後側に居住する第三層目の需要家が存在する。
【0018】
(工事管理システムSの全体構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る工事管理装置10を含む工事管理システムSの全体構成を示す図である。この工事管理システムSは、上述の工事対象区域104(図1参照)における工事を一括管理するためのシステムである。
【0019】
この工事管理システムSは、工事管理装置10と、訪問員端末12と、複数の需要家端末14とを備える。工事管理装置10は、工事施工会社が所有するサーバである。訪問員端末12は、複数の需要家106(図1参照)を訪問する工事施工会社の社員である訪問員が所持する端末であり、複数の需要家端末14は、複数の需要家106がそれぞれ所有する端末である。工事管理装置10、訪問員端末12、及び、複数の需要家端末14は、例えばインターネット等のネットワーク16を介して相互に通信可能に接続されている。
【0020】
(工事管理装置10の構成)
図3は、図2に示される工事管理装置10の構成を示すブロック図である。この工事管理装置10は、モニタ22と、キーボード24と、マウス26と、プリンタ28と、制御装置30と、データベース32と、通信器34とを備える。モニタ22、キーボード24、マウス26、プリンタ28、データベース32、及び、通信器34は、制御装置30と通信可能に接続されている。制御装置30は、通信器34を介してネットワーク16(図2参照)と接続されている。
【0021】
制御装置30は、コンピュータによって構成されている。この制御装置30は、ハードウェア構成として、プロセッサ40と、メモリ42とを備える。プロセッサ40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される。メモリ42は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びストレージ等によって構成される。
【0022】
ROMは、各種プログラム及び各種データを格納する。RAMは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0023】
ROM又はストレージには、プログラム44が格納されている。プログラム44には、後述する各種制御を行うためのプロセスが含まれる。プロセッサ40は、プログラム44を読み出し、RAMを作業領域としてプログラム44を実行する。
【0024】
制御装置30は、機能的な構成として、情報取得部50、PR情報生成部52、表示制御部54、印刷制御部56、及び、管理制御部58を備える。これら情報取得部50等の機能部は、プロセッサ40がプログラム44を実行することで実現される。
【0025】
情報取得部50は、図2に示される訪問員端末12及び複数の需要家端末14から送信された情報、工事対象区域104の地図情報、及び、ガス管100の工事の計画内容に関する工事計画内容情報等の各種情報を取得する機能を有する。
【0026】
PR情報生成部52は、上述の工事対象区域104の地図情報と、ガス管100の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、工事対象区域104に居住する複数の需要家106毎に、工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を生成する機能を有する。
【0027】
表示制御部54は、上述の地図情報及び工事計画内容情報に基づいて、工事対象区域104の地図上に工事の計画内容を示した工事計画画像をモニタ22に表示させる機能と、工事計画画像において工事対象区域104の地図上に示された複数の需要家106のうち一の需要家106が選択された場合に、この一の需要家106に対応するPR情報の内容をモニタ22に表示させる機能とを有する。
【0028】
印刷制御部56は、上述の一の需要家106に対し、PR情報の内容の印刷要求がなされた場合に、一の需要家106に対応するPR情報の内容が記載されたPR用紙をプリンタ28に印刷させる機能を有する。
【0029】
管理制御部58は、訪問員端末12から送信されたPR用紙の配布が完了した旨の配布完了情報及びPR用紙の配布完了時の位置情報を取得した場合に、地図情報及び位置情報に基づいて複数の需要家106のうちPR用紙の配布が完了した需要家106を特定し、該特定した需要家106について配布完了情報をデータベース32に保存する機能を有する。
【0030】
また、管理制御部58は、複数の需要家106のうち一の需要家106が所定のサイトに連絡事項を書き込んだ場合に、この連絡事項の内容に関する連絡事項情報を取得し、一の需要家106について連絡事項情報をデータベース32に保存する機能を有する。
【0031】
さらに、管理制御部58は、工事施工会社の担当者が連絡事項に対する回答事項をサイトに書き込んだ場合に、回答事項の内容に関する回答事項情報を取得し、一の需要家106について回答事項情報をデータベース32に保存する機能を有する。
【0032】
また、管理制御部58は、複数の需要家106のうちの一の需要家106に対し、工事の進捗状況の確認要求がなされた場合に、一の需要家106に対応してデータベース32に保存された情報に基づいて、PR情報の内容及びPR用紙の配布の実施状況をモニタ22に表示させる機能と、連絡事項情報がデータベース32に保存されている場合には、連絡事項をモニタ22に表示させ、回答事項情報がデータベース32に保存されている場合には、回答事項をモニタ22に表示させる機能とを有する。
【0033】
続いて、本発明の一実施形態に係る工事管理方法について説明する。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係る工事管理方法の流れを示すフローチャートである。図4に示されるように、本発明の一実施形態に係る工事管理方法は、工事計画画像表示ステップS1と、PR情報生成ステップS2と、PR情報表示ステップS3と、PR用紙印刷ステップS4と、データ保存ステップS5と、管理内容表示ステップS6とを備える。
【0035】
(工事計画画像表示ステップS1)
図5は、図4に示される工事計画画像表示ステップS1の流れを示すシーケンス図である。工事計画画像表示ステップS1は、後述する工事計画画像60(図7参照)をモニタ22に表示させるためのステップである。
【0036】
この工事計画画像表示ステップS1では、先ず、工事施工会社の担当者が、上述の工事対象区域104に対して施工する予定の工事の計画内容を工事管理装置10に入力する(ステップS1-1)。
【0037】
図6は、工事施工会社の担当者によって入力される工事の計画内容の一例を示す図である。この工事の計画内容には、例えば、「工事内容」、「工事場所」、及び、「工事期間」が含まれる。「工事内容」には、ガス管の取替工事などの工事の具体的な内容が入力される。「工事場所」には、「始点」の住所と「終点」の住所が入力される。「工事期間」には、「開始」の日時と「終了」の日時が入力される。
【0038】
工事施工会社の担当者によって工事の計画内容が工事管理装置10に入力されると、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)が、工事管理装置10に入力された工事の計画内容に関する工事計画内容情報を取得する。また、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)は、工事計画内容情報に含まれる工事対象区域104の住所情報、すなわち、「工事場所」の「始点」及び「終点」の住所情報に基づいて、ネットワーク16上のデータベース、又は、制御装置30に通信可能に接続されているデータベース32等から地図情報を抽出し、この地図情報を取得する(ステップS1-2)。
【0039】
続いて、工事管理装置10の制御装置30(表示制御部54)は、上述の地図情報及び工事計画内容情報に基づいて、工事対象区域104の地図上に工事の計画内容を示した工事計画画像の画像情報を生成する(ステップS1-3)。
【0040】
そして、工事管理装置10の制御装置30(表示制御部54)は、工事計画画像の画像情報をモニタ22に出力する(ステップS1-4)。
【0041】
すると、工事管理装置10のモニタ22は、画像情報に基づいて、工事計画画像を表示する(ステップS1-5)。
【0042】
図7は、モニタ22に表示される工事計画画像60の一例を示す図である。このように工事管理装置10(図2図3参照)のモニタ22には、工事対象区域104の地図上に工事の計画内容を示した工事計画画像60が表示される。具体的には、工事計画画像60には、図1に対応する道路102の画像に工事の計画内容が描画される。工事の計画内容には、工事の区間を示す位置表示64と、工事の内容を示す工事内容表示66等が含まれる。位置表示64は、「工事場所」の「始点」から「終点」までを示す。
【0043】
上述の地図情報には、ガス管100及びその他のガス供給管を含む複数のガス管の敷設位置、及び、それら複数のガス管と複数の需要家106との接続状況に関する敷設情報が含まれる。制御装置30(表示制御部54)は、上述の敷設情報と工事計画内容情報に基づいて、複数の需要家106を、「都市ガス」を利用しているが工事の影響がない需要家、都市ガスを利用しているが「工事期間中、都市ガス停止」が予定されている需要家、及び、都市ガスを利用せずに電気のみを利用する「NOT都市ガス」である需要家に区分けする。
【0044】
すなわち、制御装置30(表示制御部54)は、複数の需要家106を、複数のガス管の利用種別及び工事の影響の有無によって区分けする。この場合の利用種別とは、「都市ガス」、「NOT都市ガス」に相当し、「工事の影響の有無」とは、「工事期間中、都市ガス停止」に相当する。そして、制御装置30(表示制御部54)は、複数の需要家106毎の区分けを表す区分け情報を上述の画像情報に含める。
【0045】
工事管理装置10のモニタ22は、画像情報に含まれる区分け情報に基づいて、複数の需要家106毎に、「都市ガス」、「工事期間中、都市ガス停止」、「NOT都市ガス」に区分けした区分け表示を工事計画画像60に含める。具体的には、工事計画画像60には、複数の需要家106が区分け毎に異なる態様(色付け)で表示されること、及び、その区分けを表す凡例70が区分け表示として表示される。
【0046】
(PR情報生成ステップS2)
続いて、PR情報生成ステップS2では、工事管理装置10の制御装置30(PR情報生成部52)が、上述の工事対象区域104の地図情報と、ガス管100の工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、工事対象区域104に居住する複数の需要家106毎に、工事の内容、場所及び期間を含むPR情報を生成する。PRは、Public Relationsの略語である。
【0047】
(PR情報表示ステップS3)
図8は、図4に示されるPR情報表示ステップS3の流れを示すシーケンス図である。PR情報表示ステップS3は、複数の需要家106毎のPR情報の内容をモニタ22に表示させるためのステップである。
【0048】
このPR情報表示ステップS3では、先ず、工事施工会社の担当者が、上述の工事計画画像60において工事対象区域104の地図上に示された複数の需要家106のうち、PR情報の内容を表示させたい一の需要家106を選択する(ステップS3-1)。
【0049】
図9は、複数の需要家106のうち一の需要家106に対応するPR情報の内容がモニタ22に表示される際の画面遷移の一例を説明する図である。図9の左図に示されるように、例えば、マウス26(図3参照)を操作してモニタ22に表示されたマウスポインタ72を一の需要家106に重ねた状態とし、この状態でマウス26をクリックすると、一の需要家106が選択される。
【0050】
上述のステップS3-1で一の需要家106が選択されると、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)が、一の需要家106が選択されたことを表す需要家選択情報を取得する(ステップS3-2)。
【0051】
続いて、工事管理装置10の制御装置30(表示制御部54)は、上述のステップS3-2で取得された需要家選択情報と、上述のステップS1-2で取得された工事計画内容情報及び地図情報とに基づいて、上述のステップS3-1で選択された一の需要家106に対応するPR情報の内容を生成する。このとき、工事管理装置10の制御装置30(表示制御部54)は、上述の地図情報から一の需要家106の住所情報を抽出し、この一の需要家106の住所情報と、一の需要家106が連絡事項を書き込み可能なサイトのURL情報とを含む二次元コード74をPR情報の内容に含める。さらに、工事管理装置10の制御装置30(表示制御部54)は、生成したPR情報の内容をモニタ22に表示させるための表示情報を生成する(ステップS3-3)。
【0052】
そして、工事管理装置10の制御装置30(表示制御部54)は、PR情報の内容をモニタ22に表示させるための表示情報をモニタ22に出力する(ステップS3-4)。
【0053】
すると、工事管理装置10のモニタ22は、表示情報に基づいて、上述のステップS3-1で選択された一の需要家106に対応するPR情報の内容を表示する(ステップS3-5)。
【0054】
図9の右図には、上述のステップS3-1で選択された一の需要家106に対応してモニタ22に表示されたPR情報の内容が示されている。このように、工事計画画像60において工事対象区域104の地図上に示された複数の需要家106のうち一の需要家106が選択されると、一の需要家106に対応するPR情報の内容がモニタ22に表示される。このPR情報の内容には、例えば、「ガス工事のおしらせ」、「あいさつ」、「内容」、「場所」、「期間」、「連絡先」、「ご連絡」、及び、二次元コード74が含まれる。
【0055】
「あいさつ」及び「連絡先」の具体的な内容には、予め定められた定型文が使用される。「内容」、「場所」、「期間」、「ご連絡」の具体的な内容は、上述のステップS3-2で取得された需要家選択情報と、上述のステップS2で生成されたPR情報に基づいて作成される。二次元コード74に含まれるURL情報には、予め指定されたサイトのURL情報が使用される。
【0056】
図10は、第一層目の需要家106の区分けに応じたPR情報の内容の一例を示す図である。図10において、(A)は「都市ガス」を利用しているが工事の影響がない需要家向けのPR情報の内容の一例を示す図であり、(B)は都市ガスを利用しているが「工事期間中、都市ガス停止」が予定されている需要家向けのPR情報の内容の一例を示す図であり、(C)は都市ガスを利用せずに電気のみを利用する「NOT都市ガス」である需要家向けのPR情報の内容の一例を示す図である。
【0057】
図11は、第二層目及び第三層目の需要家向けのPR情報の内容の一例を示す図である。図11において、(A)は「都市ガス」を利用しているが工事の影響がない需要家向けのPR情報の内容の一例を示す図であり、(B)は都市ガスを利用せずに電気のみを利用する「NOT都市ガス」である需要家向けのPR情報の内容の一例を示す図である。このように、PR情報表示ステップでは、複数の需要家106毎のPR情報の内容がモニタ22に表示される。
【0058】
なお、上述のPR情報生成ステップS2では、ガス管100及びその他のガス供給管を含む複数のガス管の敷設位置、及び、それら複数のガス管と複数の需要家106との接続状況に関する敷設情報として、例えば、複数の需要家106へのガス管100以外のガス供給管の有無や、ガス供給管の口径等に関するガス供給管情報を考慮して、複数の需要家106毎に、工事の内容、場所及び期間を含むPR情報が生成されてもよい。つまり、例えば、第一層目の需要家について、ガス供給管有りで、ガス供給管の口径が50mm以上である場合には、図10(A)に示されるように、「都市ガス」を利用しているが工事の影響がない需要家向けのPR情報が生成されてもよい。また、例えば、第一層目の需要家について、ガス供給管有りで、ガス供給管の口径が50mm未満である場合には、図10(B)に示されるように、都市ガスを利用しているが「工事期間中、都市ガス停止」が予定されている需要家向けのPR情報が生成されてもよい。また、例えば、第一層目の需要家について、ガス供給管無しの場合には、図10(C)に示されるように、都市ガスを利用せずに電気のみを利用する「NOT都市ガス」である需要家向けのPR情報が生成されてもよい。また、例えば、第二層目及び第三層目の需要家について、ガス供給管有りの場合には、ガス供給管の口径に関わらず、図10(A)に示されるように、「都市ガス」を利用しているが工事の影響がない需要家向けのPR情報が生成されてもよい。また、例えば、第二層目及び第三層目の需要家について、ガス供給管無しの場合には、図10(C)に示されるように、都市ガスを利用せずに電気のみを利用する「NOT都市ガス」である需要家向けのPR情報が生成されてもよい。
【0059】
(PR用紙印刷ステップS4)
図12は、図4に示されるPR用紙印刷ステップS4の流れを示すシーケンス図である。PR用紙印刷ステップS4は、複数の需要家106のうち一の需要家106に対し、PR情報の内容の印刷要求がなされた場合に、一の需要家106に対応するPR情報の内容が記載されたPR用紙をプリンタ28に印刷させるためのステップである。
【0060】
上述のPR情報表示ステップS3で説明した通り、工事施工会社の担当者が、上述の工事計画画像60において工事対象区域104の地図上に示された複数の需要家106のうち、PR情報を表示させたい一の需要家106を選択すると、一の需要家106に対応するPR情報の内容がモニタ22に表示される(図9参照)。
【0061】
PR用紙印刷ステップS4では、先ず、工事施工会社の担当者が、マウス26等を操作して印刷実行指令を工事管理装置10の制御装置30に対して入力する(ステップS4-1)。
【0062】
すると、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)が、一の需要家106に対する印刷実行指令を取得する(ステップS4-2)。
【0063】
工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)が、一の需要家106に対する印刷実行指令を取得すると、工事管理装置10の制御装置30(印刷制御部56)は、上述の一の需要家106に対し、PR情報の内容の印刷要求がなされたと判断し、一の需要家106に対応するPR情報の内容を印刷するためのPR用紙印刷情報を生成する(ステップS4-3)。
【0064】
そして、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)は、PR用紙印刷情報を工事管理装置10のプリンタ28に出力する(ステップS4-4)。
【0065】
すると、工事管理装置10のプリンタ28は、PR用紙印刷情報に基づいて、上述の一の需要家106に対応するPR用紙を印刷する(ステップS4-5)。
【0066】
図13は、印刷されたPR用紙80の一例を示す図である。PR用紙80は、原則として、モニタ22に表示されたPR情報の内容と同一である。つまり、PR用紙80に記載された内容には、例えば、「ガス工事のおしらせ」、「あいさつ」、「内容」、「場所」、「期間」、「連絡先」、「ご連絡」、及び、二次元コード74が含まれる。
【0067】
(データ保存ステップS5)
図14は、図4に示されるデータ保存ステップS5のうちPR用紙80の配布が完了した旨の配布完了情報をデータベース32に保存する流れを示すシーケンス図である。
【0068】
このデータ保存ステップS5では、先ず、工事施工会社の訪問員が、複数の需要家106にPR用紙80を配布する(ステップS5-1)。このとき、訪問員は、第1層目の需要家106については、住宅を訪問しPR用紙80を手渡しする。一方、訪問員は、第2層目及び第3層目の需要家106については、住宅に設置されたポストにPR用紙80を投函する。
【0069】
工事施工会社の訪問員は、各需要家106にPR用紙80を配布する毎に、PR用紙80の配布を完了した旨の入力を訪問員端末12に対して行う(ステップS5-2)。このとき、工事施工会社の訪問員は、PR用紙80の配布種別、すなわち、住宅を訪問しPR用紙80を手渡ししたか、それとも、住宅に設置されたポストにPR用紙80を投函したかということを訪問員端末12に入力する。また、工事施工会社の訪問員は、PR用紙80の配布を完了した旨の入力を各需要家106の住宅の位置で行う。
【0070】
PR用紙80の配布を完了した旨の入力が訪問員端末12に対して行われると、訪問員端末12は、PR用紙80の配布が完了した旨の配布完了情報を取得する(ステップS5-3)。
【0071】
また、訪問員端末12は、PR用紙80の配布が完了した旨の配布完了情報を取得すると、PR用紙80の配布完了時の位置情報、すなわち配布完了情報を取得したときの訪問員端末12の位置情報を取得する(ステップS5-4)。位置情報は、例えば、訪問員端末12のGPS(Global Positioning System)機能等を用いて取得される。
【0072】
そして、訪問員端末12は、PR用紙80の配布が完了した旨の配布完了情報と共に、PR用紙80の配布完了時における訪問員端末12の位置情報を送信する(ステップS5-5)。配布完了情報には、PR用紙80の配布種別と配布日時が含まれる。
【0073】
このようにして工事施工会社の訪問員が各需要家106にPR用紙80を配布する毎に、訪問員端末12から配布完了情報及び位置情報が送信されると、その都度、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)が、訪問員端末12から送信された配布完了情報及び位置情報を取得する(ステップS5-6)。
【0074】
続いて、工事管理装置10の制御装置30(管理制御部58)は、取得した位置情報に基づいて、地図情報(住所情報)から位置情報に対応する需要家106を特定する(ステップS5-7)。
【0075】
そして、工事管理装置10の制御装置30(管理制御部58)は、特定した需要家106について配布完了情報をデータベース32に保存する(ステップS5-8)。
【0076】
図15は、データベース32に保存された配布完了情報の内容の一例を示す図である。このように、データ保存ステップでは、工事施工会社の訪問員が各需要家106へのPR用紙80の配布を完了する毎に、各需要家106についてPR用紙80の配布が完了した旨の配布完了情報がデータベース32に保存される。
【0077】
なお、配布完了情報には、需要家106の「氏名」、「住所」、「都市ガスの利用の有無」等の需要家情報の他に、「配布種別」、及び、「配布日時」等が含まれる。
【0078】
図16は、図4に示されるデータ保存ステップS5のうち需要家106からの連絡事項の内容に関する連絡事項情報をデータベースに保存する流れを示すシーケンス図である。
【0079】
このデータ保存ステップS5では、先ず、複数の需要家106のうち一の需要家106が、PR用紙80に記載された二次元コード74を需要家端末14に読み込ませる。これにより、需要家端末14が二次元コード74に含まれるURL情報を読み込み、このURL情報に対応するサイトにアクセスする(ステップS5-11)。
【0080】
需要家端末14がサイトにアクセスすると、需要家端末14のモニタ22にサイトが表示される。このサイトは、工事施工会社によって管理及び運営されている。このサイトには、工事施工会社への連絡事項を記入するためのコメント欄が設けられている。そして、一の需要家106は、必要に応じて、需要家106の端末に連絡事項を入力する(ステップS5-12)。
【0081】
需要家106が連絡事項を入力すると、需要家端末14から連絡事項の内容に関する連絡事項情報が送信される(ステップS5-13)。
【0082】
需要家端末14から連絡事項情報が送信されると、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)が、連絡事項情報を取得する(ステップS5-14)。
【0083】
そして、工事管理装置10の制御装置30(管理制御部58)は、複数の需要家106のうち連絡事項を書き込んだ一の需要家106について連絡事項情報をデータベース32に保存する(ステップS5-15)。
【0084】
図17は、データベース32に保存された連絡事項情報の内容の一例を示す図である。このように、データベース32には、複数の需要家106毎に連絡事項が保存される。
【0085】
また、工事施工会社の担当者が、連絡事項に対する回答事項をサイトに書き込んだ場合、工事管理装置10の制御装置30(管理制御部58)は、回答事項の内容に関する回答事項情報を取得し、一の需要家106について回答事項情報をデータベース32に保存する。
【0086】
図18は、データベース32に保存された回答事項情報の内容の一例を示す図である。このように、データベース32には、複数の需要家106毎に連絡事項に対する回答事項が保存される。
【0087】
なお、工事施工会社の担当者が、連絡事項に対する回答事項をサイトに書き込んだ場合、一の需要家106の需要家端末14に回答事項情報が転送され、需要家端末14のモニタ22に回答事項が表示されてもよい。
【0088】
(管理内容表示ステップS6)
図19は、図4に示される管理内容表示ステップS6の流れを示すシーケンス図である。この管理内容表示ステップS6は、前記複数の需要家106のうちの一の需要家106に対し、工事の進捗状況の確認要求がなされた場合に、一の需要家106に対応してデータベース32に保存された情報の内容をモニタ22に表示させるためのステップである。
【0089】
この管理内容表示ステップS6では、先ず、工事施工会社の担当者が、上述の工事計画画像60において工事対象区域104の地図上に示された複数の需要家106のうち、工事の進捗状況の確認をしたい一の需要家106を選択する(ステップS6-1)。
【0090】
なお、この一の需要家106を選択する操作が、上述の一の需要家106についてPR情報を表示させるための操作と区別されるために、一の需要家106を選択した場合には、一の需要家106についてPR情報の内容を表示させるのか、又は、一の需要家106について工事の進捗状況を表示させるのかについて選択肢がモニタ22に表示される。
【0091】
そして、上述のステップS6-1で一の需要家106が選択され、さらに、一の需要家106について工事の進捗状況を表示させるための選択肢が選択されると、工事管理装置10の制御装置30(情報取得部50)が、一の需要家106に対して工事の進捗状況の確認要求がなされたことを表す需要家選択情報を取得する(ステップS6-2)。
【0092】
続いて、工事管理装置10の制御装置30(管理制御部58)は、上述のステップS6-2で取得された需要家選択情報に基づいて、選択された一の需要家106に対応する情報をデータベース32から取得する(ステップS6-3)。この情報には、工事管理の進捗状況に応じて、PR情報、配布完了情報、連絡事項情報及び回答事項情報が含まれる。
【0093】
次いで、工事管理装置10の制御装置30(管理制御部58)は、ステップS6-3で取得した情報に基づいて、一の需要家106について工事の進捗状況を表す進捗状況情報を生成する(ステップS6-4)。
【0094】
そして、工事管理装置10の制御装置30(管理制御部58)は、進捗状況情報をモニタ22に出力する(ステップS6-5)。
【0095】
すると、工事管理装置10のモニタ22は、進捗状況情報に基づいて、一の需要家106に対応する工事の進捗状況を表示する(ステップS6-6)。
【0096】
図20は、一の需要家106に対応する工事の進捗状況の第一例を示す図である。このように、工事管理装置10のモニタ22には、一の需要家106に対応する工事の進捗状況として、複数の需要家106毎に、「需要家106」、「配布状況」、「配布日時」、「連絡事項」、「回答事項」の内容が具体的に表示される。
【0097】
なお、一の需要家106に対してPR用紙80の配布が完了していない場合には、ステップS6-3で取得される情報には、配布完了情報が含まれないため、モニタ22の「配布状況」の欄には、例えば、「未配布」が表示される。また、一の需要家106から連絡事項が得られていない場合には、ステップS6-3で取得される情報には、連絡事項情報が含まれないため、モニタ22の「連絡事項」の欄には、「-」が表示される。同様に、一の需要家106に対して回答事項が与えられていない場合には、ステップS6-3で取得される情報には、回答事項情報が含まれないため、モニタ22の「回答事項」の欄には、「-」が表示される。
【0098】
図20は、複数の需要家106毎に工事の進捗状況が一覧で表示される例であるが、複数の需要家106毎に工事の進捗状況が次のように表示されてもよい。
【0099】
図21は、一の需要家106に対応する工事の進捗状況の第二例を示す図である。この第二例では、モニタ22に工事計画画像60が表示されている状態で、例えば、マウス26(図3参照)を操作してモニタ22に表示されたマウスポインタ72を一の需要家106に重ねた状態とし、この状態でマウス26をクリックする等により工事の進捗状況の確認要求をすると、ポップアップ表示82が表示される。そして、このポップアップ表示82には、一の需要家106に対応する工事の進捗状況が表示される。
【0100】
このように、管理内容表示ステップでは、複数の需要家106のうちの一の需要家106に対し、工事の進捗状況の確認要求がなされた場合には、一の需要家106に対応してデータベース32に保存された情報に基づいて、PR情報の内容及びPR用紙80の配布の実施状況がモニタ22に表示される。また、連絡事項情報がデータベース32に保存されている場合には、連絡事項がモニタ22に表示され、回答事項情報がデータベース32に保存されている場合には、回答事項がモニタ22に表示される。
【0101】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0102】
以上詳述したように、本発明の一実施形態によれば、工事計画画像表示ステップS1では、図7に示されるように、地図情報及び工事計画内容情報に基づいて、工事対象区域104の地図上に工事の計画内容を示した工事計画画像60がモニタ22に表示される。したがって、工事計画画像60により、工事施工会社の担当者が工事の内容を容易に把握できると共に、この工事の内容を複数の担当者で共有することができる。
【0103】
また、工事計画画像表示ステップS1では、ガス管100及びその他のガス供給管を含む複数のガス管の敷設位置、及び、それら複数のガス管と複数の需要家106との接続状況に関する敷設情報に基づいて、複数の需要家106が複数のガス管の利用種別及び工事の影響の有無によって区分けされ、この複数の需要家106毎の区分け表示が工事計画画像60に含まれる。したがって、この区分け表示により、担当者が複数の需要家106毎の複数のガス管の利用種別及び工事の影響の有無を容易に把握することができる。
【0104】
また、PR情報生成ステップS2では、図9図11に示されるように、工事対象区域104の地図情報と、工事の計画内容に関する工事計画内容情報とに基づいて、工事対象区域104に居住する複数の需要家106毎に、工事の内容、場所及び期間を含むPR情報が自動的に生成される。したがって、PR用紙80に記載する内容を人手によって作成しなくて済むので、PR用紙80に記載する内容を作成する際の作業効率を向上させることができる。
【0105】
また、PR情報表示ステップS3では、図9に示されるように、工事計画画像60において工事対象区域104の地図上に示された複数の需要家106のうち一の需要家106が選択された場合に、この一の需要家106に対応するPR情報の内容がモニタ22に表示される。これにより、担当者が複数の需要家106毎のPR情報の内容を容易に確認することができる。
【0106】
また、PR情報表示ステップS3では、一の需要家106の住所情報と、一の需要家106が連絡事項を書き込み可能なサイトのURL情報とを含む二次元コード74がPR情報の内容に含められる。そして、PR用紙印刷ステップS4では、上述の一の需要家106に対し、PR情報の内容の印刷要求がなされた場合に、図13に示されるように、一の需要家106に対応するPR情報の内容が記載されたPR用紙80がプリンタ28で印刷される。したがって、このPR用紙80に記載されたPR情報の内容には、上述の二次元コード74が含まれるので、需要家106が工事施工会社に連絡したい事項がある場合には、二次元コード74を需要家端末14に読み込ませることにより、連絡事項を記入するためのサイトに容易にアクセスすることができる。これにより、需要家106から工事施工会社に連絡事項を容易に伝えることができる。
【0107】
また、データ保存ステップS5では、訪問員端末12から送信されたPR用紙80の配布が完了した旨の配布完了情報及びPR用紙80の配布完了時における端末の位置情報に基づいて複数の需要家106のうちPR用紙80の配布が完了した需要家106を特定し、該特定した需要家106について配布完了情報(図15参照)がデータベース32に保存される。これにより、PR用紙80の配布が完了した需要家106を円滑かつ正確に集計することができるので、PR用紙80を配布する際の作業効率を向上させることができる。
【0108】
また、データ保存ステップS5では、複数の需要家106のうち一の需要家106がサイトに連絡事項を書き込んだ場合に、一の需要家106について連絡事項の内容に関する連絡事項情報(図17参照)がデータベース32に保存される。これにより、一の需要家106から受けた連絡事項を記録としてデータベース32に保存し管理することができる。
【0109】
同様に、データ保存ステップS5では、工事施工会社の担当者が連絡事項に対する回答事項をサイトに書き込んだ場合に、一の需要家106について回答事項の内容に関する回答事項情報(図18参照)がデータベース32に保存される。これにより、一の需要家106に与えた回答事項を記録としてデータベース32に保存し管理することができる。
【0110】
また、管理内容表示ステップS6では、複数の需要家106のうち一の需要家106に対し、工事の進捗状況の確認要求がなされた場合に、一の需要家106に対応してデータベース32に保存された情報に基づいて、PR情報の内容及びPR用紙80の配布の実施状況(図20図21参照)がモニタ22に表示される。これにより、担当者が複数の需要家106毎のPR情報の内容及びPR用紙80の配布の実施状況を容易に確認することができる。
【0111】
また、管理内容表示ステップS6では、一の需要家106について連絡事項情報がデータベース32に保存されている場合には、連絡事項がモニタ22に表示され、回答事項情報がデータベース32に保存されている場合には、回答事項がモニタ22に表示される。したがって、担当者が工事の進捗に応じて連絡事項及び回答事項を確認したいときには、この連絡事項及び回答事項を迅速に確認することができる。
【0112】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0113】
上述の本発明の一実施形態では、工事管理装置10のプリンタ28によってPR用紙80が印刷され、このPR用紙80が複数の需要家106に配布されるが、工事管理装置10によってPR情報が複数の需要家106にメールで配信されてもよい。
【0114】
この場合には、本発明の一実施形態によれば、工事対象区域104に居住する複数の需要家106毎に、工事の内容、場所及び期間を含むPR情報が自動的に生成される。したがって、メールに記載するPR情報の内容を人手によって作成しなくて済むので、PR情報の内容を作成する際の作業効率を向上させることができる。
【0115】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0116】
S…工事管理システム、10…工事管理装置、12…訪問員端末、14…需要家端末、16…ネットワーク、22…モニタ、24…キーボード、26…マウス、28…プリンタ、30…制御装置、32…データベース、34…通信器、40…プロセッサ、42…メモリ、44…プログラム、50…情報取得部、52…情報生成部、54…表示制御部、56…印刷制御部、58…管理制御部、60…工事計画画像、64…位置表示、66…工事内容表示、70…凡例、72…マウスポインタ、74…二次元コード、80…PR用紙、82…ポップアップ表示、100…ガス管、104…工事対象区域、106…需要家
図1
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