(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】文書提示システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240527BHJP
G06F 16/9035 20190101ALI20240527BHJP
G06F 16/9038 20190101ALI20240527BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06F16/9035
G06F16/9038
(21)【出願番号】P 2020189146
(22)【出願日】2020-11-13
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成井 智祐
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 康次
(72)【発明者】
【氏名】長廣 憲幸
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 仁
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌典
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-338932(JP,A)
【文献】特開2016-115024(JP,A)
【文献】特開2003-271613(JP,A)
【文献】特開2009-199226(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0246628(US,A1)
【文献】米国特許第08271321(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/9035
G06F 16/9038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設毎に、当該施設に設置されている設備が対応付けされた構成管理情報を記憶する構成管理情報記憶手段と、
施設に設置される各設備に関連する1又は複数の文書毎に、当該文書を参照すべきユーザ属性が対応付けられた文書情報を記憶する文書情報記憶手段と、
前記1又は複数の文書毎に、当該文書の閲覧回数をユーザ属性毎に分類して保持する集計情報を記憶する集計情報記憶手段と、
ユーザにより指定された施設を受け付ける受付手段と、
前記ユーザのユーザ属性を取得する取得手段と、
前記文書情報記憶手段を検索することにより、前記受付手段により受け付けられた施設に設置されている設備及び前記取得手段により取得されたユーザ属性の双方に合致する文書を、前記ユーザに提示する文書として特定する検索手段と、
前記検索手段により特定された文書をリスト表示する際、前記集計情報を参照して、リスト表示する文書の並び順を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする文書提示システム。
【請求項2】
前記決定手段は、閲覧回数の多い順にリスト表示する文書を並べることを特徴とする請求項1に記載の文書提示システム。
【請求項3】
前記集計情報に保持される前記文書の閲覧回数は、更に施設毎に分類されており、
前記構成管理情報を参照することにより、当該施設に類似する施設を特定する施設特定手段を有し、
前記決定手段は、前記施設特定手段により特定された施設に対応する閲覧回数の多い順にリスト表示する文書を並べることを特徴とする請求項2に記載の文書提示システム。
【請求項4】
前記構成管理情報には、前記各施設に設置されている各設備の設置台数が含まれており、
前記施設特定手段は、前記構成管理情報を参照することにより、前記受付手段により受け付けられた施設と設備の台数構成が近い施設を、当該施設に類似する施設として特定することを特徴とする請求項3に記載の文書提示システム。
【請求項5】
前記構成管理情報には、前記各施設の規模を示す規模情報が含まれており、
前記施設特定手段は、前記構成管理情報を参照することにより、前記受付手段により受け付けられた施設と規模が近い施設を、当該施設に類似する施設として特定することを特徴とする請求項3に記載の文書提示システム。
【請求項6】
前記施設特定手段は、前記受付手段により受け付けられた施設に対応する閲覧回数が所定の閾値に達していない場合に限って、前記受付手段により受け付けられた施設に類似する施設を特定することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の文書提示システム。
【請求項7】
所定の関連性を有する設備群がそれぞれ属する1又は複数のグループに、当該グループに属する前記設備が対応付けして生成されたグループ情報を記憶するグループ情報記憶手段を有し、
前記検索手段は、前記受付手段により受け付けられた施設に設置されている設備、及び前記グループ情報を参照して当該設備と同じグループに属する設備に基づき前記文書情報記憶手段を検索することにより、前記ユーザに提示する文書を特定することを特徴とする請求項1に記載の文書提示システム。
【請求項8】
過去に他のユーザが参照した文書の順番を示す閲覧順情報を記憶する閲覧順情報記憶手段を有し、
前記決定手段は、前記検索手段により特定された文書をリスト表示する際、前記集計情報の代わりに前記閲覧順情報を参照して、リスト表示する文書の並び順を決定することを特徴とする請求項1に記載の文書提示システム。
【請求項9】
前記閲覧順情報には、前記他のユーザが指定した施設及び当該他のユーザのユーザ属性を特定するための情報が含まれており、
前記決定手段は、前記受付手段により受け付けられた施設及び前記取得手段により取得されたユーザ属性と合致する他のユーザに対応する閲覧順情報を参照して、リスト表示する文書の並び順を決定することを特徴とする請求項8に記載の文書提示システム。
【請求項10】
前記各施設の情報を管理するシステムから当該施設に設置されている設備に関する情報を収集し、前記構成管理情報を形成して前記構成管理情報記憶手段に登録する設備情報収集手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の文書提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書提示システム、特にビル等の施設に設置されている設備に関連する文書の提示に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の施設に設置されている空調等の設備に関連する文書を参照したい場合がある。例えば、保守員であれば、現地、つまり出先のビル内にて当該ビルに設置されている保守対象の設備に関連する文書を参照する。また、設計者であれば、設計中のビルと類似するビルに設置されている設備に関連する文書を参照する。このように、設備に関わるユーザは、作業目的に沿った文書を参照する場合がある。
【0003】
文書の参照に関し、より詳細な具体例をあげて説明すると、例えば、保守員が出先にて文書を参照したい場合、携帯する端末機器からシステムにアクセスし、出先となるビルの名称を入力する。システムは、入力された名称のビルを受け取ると、そのビルに設置されている設備を特定し、その特定した設備に関連する文書の文書名全てを、保守員が使用する端末機器にリスト表示する。
【0004】
保守員は、リスト表示された文書名の中から、参照したい文書を選択することで文書の内容を端末機器の画面に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-081472号公報
【文献】特開2017-113903号公報
【文献】特開2017-068464号公報
【文献】特開2002-215445号公報
【文献】特開2015-108873号公報
【文献】国際公開第2009/122525号
【文献】特開2006-048354号公報
【文献】特開2010-026691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、保守員は、施設に設置されている設備に関連する文書のリストの中から、参照したい文書を見つけ出さなくてはならない。1つの設備に対して複数の文書が用意されている場合もあるので、これに伴いリスト表示される文書の数が膨大になるおそれがある。文書の数が膨大になると、目的とする文書を見つけ出すのに労力を要する。特に、保守員が非熟練者の場合、目的とする文書を見つけることが困難になってしまう場合がある。
【0007】
本発明は、施設に設置されている設備に関連する文書を単にリスト表示する場合に比して、目的とする文書を見つけやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る文書提示システムは、施設毎に、当該施設に設置されている設備が対応付けされた構成管理情報を記憶する構成管理情報記憶手段と、施設に設置される各設備に関連する1又は複数の文書毎に、当該文書を参照すべきユーザ属性が対応付けられた文書情報を記憶する文書情報記憶手段と、前記1又は複数の文書毎に、当該文書の閲覧回数をユーザ属性毎に分類して保持する集計情報を記憶する集計情報記憶手段と、ユーザにより指定された施設を受け付ける受付手段と、前記ユーザのユーザ属性を取得する取得手段と、前記文書情報記憶手段を検索することにより、前記受付手段により受け付けられた施設に設置されている設備及び前記取得手段により取得されたユーザ属性の双方に合致する文書を、前記ユーザに提示する文書として特定する検索手段と、前記検索手段により特定された文書をリスト表示する際、前記集計情報を参照して、リスト表示する文書の並び順を決定する決定手段と、を有するものである。
【0009】
また、前記決定手段は、閲覧回数の多い順にリスト表示する文書を並べるものである。
【0010】
また、前記集計情報に保持される前記文書の閲覧回数は、更に施設毎に分類されており、前記構成管理情報を参照することにより、当該施設に類似する施設を特定する施設特定手段を有し、前記決定手段は、前記施設特定手段により特定された施設に対応する閲覧回数の多い順にリスト表示する文書を並べるものである。
【0011】
また、前記構成管理情報には、前記各施設に設置されている各設備の設置台数が含まれており、前記施設特定手段は、前記構成管理情報を参照することにより、前記受付手段により受け付けられた施設と設備の台数構成が近い施設を、当該施設に類似する施設として特定するものである。
【0012】
また、前記構成管理情報には、前記各施設の規模を示す規模情報が含まれており、前記施設特定手段は、前記構成管理情報を参照することにより、前記受付手段により受け付けられた施設と規模が近い施設を、当該施設に類似する施設として特定するものである。
【0013】
また、前記施設特定手段は、前記受付手段により受け付けられた施設に対応する閲覧回数が所定の閾値に達していない場合に限って、前記受付手段により受け付けられた施設に類似する施設を特定するものである。
【0014】
また、所定の関連性を有する設備群がそれぞれ属する1又は複数のグループに、当該グループに属する前記設備が対応付けして生成されたグループ情報を記憶するグループ情報記憶手段を有し、前記検索手段は、前記受付手段により受け付けられた施設に設置されている設備、及び前記グループ情報を参照して当該設備と同じグループに属する設備に基づき前記文書情報記憶手段を検索することにより、前記ユーザに提示する文書を特定するものである。
【0015】
また、過去に他のユーザが参照した文書の順番を示す閲覧順情報を記憶する閲覧順情報記憶手段を有し、前記決定手段は、前記検索手段により特定された文書をリスト表示する際、前記集計情報の代わりに前記閲覧順情報を参照して、リスト表示する文書の並び順を決定するものである。
【0016】
また、前記閲覧順情報には、前記他のユーザが指定した施設及び当該他のユーザのユーザ属性を特定するための情報が含まれており、前記決定手段は、前記受付手段により受け付けられた施設及び前記取得手段により取得されたユーザ属性と合致する他のユーザに対応する閲覧順情報を参照して、リスト表示する文書の並び順を決定するものである。
【0017】
また、前記各施設の情報を管理するシステムから当該施設に設置されている設備に関する情報を収集し、前記構成管理情報を形成して前記構成管理情報記憶手段に登録する設備情報収集手段を有するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、施設に設置されている設備に関連する文書を単にリスト表示する場合に比して、目的とする文書を見つけやすく提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施の形態1における文書提示システムを示すブロック構成図である。
【
図2】実施の形態1における文書提示システムを形成する情報処理装置のハードウェア構成図である。
【
図3】実施の形態1における構成管理情報記憶部に記憶される構成管理情報のデータ構成例を示す図である。
【
図4】実施の形態1における文書情報記憶部に記憶される文書情報のデータ構成例を示す図である。
【
図5】実施の形態1における閲覧履歴情報記憶部に記憶される集計情報のデータ構成例を示す図である。
【
図6】実施の形態1における文書提示処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態3における構成管理情報記憶部に記憶される構成管理情報のデータ構成例を示す図である。
【
図8】実施の形態4における構成管理情報記憶部に記憶される構成管理情報のデータ構成例を示す図である。
【
図9】実施の形態5における文書提示システムを示すブロック構成図である。
【
図10】実施の形態5における機器グループ情報記憶部に記憶される構成グループ情報のデータ構成例を示す図である。
【
図11】実施の形態6における閲覧履歴情報記憶部に記憶される閲覧順情報のデータ構成例を示す図である。
【
図12】実施の形態7における文書提示システムを示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0021】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における文書提示システム10を示すブロック構成図である。本実施の形態においては、文書提示システム10を、ビルに設置されている設備を監視するサービス企業によって利用され、設備に関連する文書をサービス企業の従事者等に提示するシステムとして利用する場合を例にして説明する。設備とは、例えば、空調、照明、昇降機等、保守作業の対象となる機器である。ビルは、施設の一例である。
【0022】
本実施の形態における文書提示システム10は、1又は複数の情報処理装置によって形成することができる。
図2は、本実施の形態における文書提示システム10を形成する情報処理装置のハードウェア構成図である。情報処理装置は、パーソナルコンピュータ(PC)やサーバコンピュータ等の従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、情報処理装置は、CPU1、ROM2、RAM3、記憶手段としてのハードディスクドライブ(HDD)4、通信手段として設けられたネットワークインタフェース(IF)5、マウスやキーボード等の入力手段及びディスプレイ等の表示手段を含むユーザインタフェース(UI)6を備える。ユーザインタフェース6が操作パネルで形成されている場合、入力手段と表示手段は兼用される。
【0023】
文書提示システム10は、ユーザインタフェース(UI)処理部11、ユーザ属性特定部12、構成情報取得部13、文書検索部14、表示データ生成部15、閲覧履歴管理部16、ユーザ情報記憶部21、構成管理情報記憶部22、文書情報記憶部23及び閲覧履歴情報記憶部24を有している。なお、本実施の形態において説明に用いない構成要素は図から省略している。
【0024】
ユーザインタフェース処理部11は、受付部111及び表示制御部112を有している。受付部111は、ユーザにより指定されたデータを受け付ける。本実施の形態の場合、受付部111は、ユーザにより指定された施設として物件名、すなわちビルの名称を受け付ける。表示制御部112は、表示データ生成部15により生成された表示データ、具体的には文書名のリストの表示制御を行う。
【0025】
本実施の形態では、ユーザは、ログインすることによって本システム10の利用を開始することを想定しているので、ユーザ属性特定部12は、ログイン時に指定されたユーザIDでユーザ情報記憶部21を検索することによってログインしたユーザの属性情報(以下、単に「ユーザ属性」)を取得する。本実施の形態において用いるユーザ属性は、ユーザが行う業務内容若しくは職務等の特性を特定しうる情報である。
【0026】
構成情報取得部13は、受付部111により受け付けられた物件名、つまりビルの名称で構成管理情報記憶部22を検索することにより、当該ビルに設置されている設備を取得する。
【0027】
文書検索部14は、受付部111により受け付けられた物件名及びユーザ属性特定部12により取得されたユーザ属性で文書情報記憶部23を検索することにより、物件名及びユーザ属性の双方に合致する文書を、ユーザに提示する文書として特定する。
【0028】
表示データ生成部15は、文書検索部14により特定された文書をリスト表示することによって、ユーザにより指定されたビルに関連する文書をユーザに提示するが、この際、集計情報を参照して、リスト表示する文書の並び順を決定する。
【0029】
ユーザがリスト表示されている文書の中から閲覧したい文書を選択すると、選択された文書は、図示しない文書取得手段によって所定の格納先から取得され、表示制御部112は、取得された文書の表示させることになるが、閲覧履歴管理部16は、そのユーザによる文書の選択操作を閲覧履歴情報記憶部24に記録する。
【0030】
ユーザ情報記憶部21には、本システム10のユーザに関する個人情報が設定登録されている。個人情報としては、当該ユーザの識別情報としてのユーザIDに、認証情報や当該ユーザのユーザ属性が設定されるが、本実施の形態の場合、ユーザの属性として、後述する設計、営業、施工等当該ユーザが行う業務内容若しくは職務等、当該ユーザが参照すべき文書を特定しうる情報が少なくとも設定されているものとする。
【0031】
図3は、本実施の形態における構成管理情報記憶部22に記憶される構成管理情報のデータ構成例を示す図である。構成管理情報は、どのビルにどの機器が設置されているのかを特定するための情報である。構成管理情報は、物件名、建物番号及び機器構成を対応付けして生成される。物件名は、ビルの名称である。建物番号は、当該ビルの識別番号である。機器構成には、当該ビルに設置されている設備を特定する情報として機器名が設定される。なお、機器は、空調、照明等、いずれかの設備に属する機器である。例えば、空調設備には、空調機、除湿機等の各種機器が含まれるが、本実施の形態では、便宜的に設備と機器を同義に用いる。
【0032】
図4は、本実施の形態における文書情報記憶部23に記憶される文書情報のデータ構成例を示す図である。文書情報は、機器毎に用意されている文書を特定する情報である。文書情報は、機器を識別する機器名に、当該機器に関連する1又は複数の文書の文書名及び文書IDと、当該文書に紐付くユーザ属性と、を対応付けして生成される。
【0033】
同一の機器に関して仕様、設置、操作又は保守等、種々の記載事項があり、これらの記載事項が複数の文書に分けて記載されている場合がある。このため、1つの機器に対して複数の文書が用意される場合がある。そして、ユーザは、ユーザ属性によって参照すべき文書が異なってくると考えられる。文書に紐付くユーザ属性とは、当該文書を参照するのに適合したユーザのユーザ属性のことをいう。
【0034】
図5は、本実施の形態における閲覧履歴情報記憶部24に記憶される集計情報のデータ構成例を示す図である。集計情報は、閲覧履歴情報に含まれる。閲覧履歴管理部16は、ユーザによる文書の選択操作に応じて文書の使用ログを閲覧履歴情報記憶部24に記録する。使用ログには、選択された日時、選択された文書、選択したユーザのユーザID等が含まれているが、集計情報は、閲覧履歴管理部16が使用ログを集計することによって生成される。集計情報は、文書情報によって管理されている文書の文書名及び文書ID毎に、ユーザ情報に設定されるユーザ属性が対応付けされる。更に、ユーザ属性それぞれには、物件名及び閲覧回数が対応付けされる。物件名は、上記の通りビルの名称である。閲覧回数は、ユーザにより文書が閲覧された回数であるが、閲覧回数は、ユーザが指定して受付部111が受け付けたビル毎かつユーザ属性特定部12が特定した当該ユーザのユーザ属性毎に分類して集計される。つまり、集計情報は、
図5に示すように閲覧回数を文書毎ユーザ属性毎ビル毎に細分化して保持されるが、閲覧回数を文書毎ユーザ属性毎あるいは文書毎に集計するようにして参照することも可能である。
【0035】
文書提示システム10における各構成要素11~16は、文書提示システム10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、記憶手段21~24は、文書提示システム10に搭載されたHDDにて実現される。あるいは、RAM又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0036】
なお、
図1に示すブロック構成11~16,21~24を、1台の情報処理装置に搭載させてもよいし、複数の情報処理装置に分割して搭載させてもよい。保守員が現場、すなわち顧客となるビルに出向いて文書を閲覧する場合を想定すると、構成要素11~16は、保守員が携帯する端末機器に搭載し、記憶手段21~24は、監視センタに設置のサーバコンピュータに持たせ、端末機器は、ネットワーク経由でサーバコンピュータにアクセスするよう文書提示システム10を構築するのが好適である。一方、文書提示システム10が設置される監視センタ内に閉じて利用されるのであれば、文書提示システム10は、1台の情報処理装置で実現してもよい。
【0037】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0038】
次に、本実施の形態における動作について説明する。ここでは、設計者がビルの設計のために、参考にしたい既存のビルに設置されている機器の情報を参照したくなった場合を想定して説明する。以下、設計者に文書を提示する文書提示処理について
図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0039】
設計者は、文書提示システム10の利用を開始するためにログインする。設計者がログインすると、受付部111は、ログイン時に入力されたユーザIDを受け付けるが、ユーザ属性特定部12は、ユーザ情報を参照して、受付部111が受け付けたユーザIDに基づきログインした設計者のユーザ属性を取得する(ステップ101)。なお、本実施の形態では、ログイン時に指定されるユーザIDを利用して、ユーザ情報記憶部21からユーザ属性を自動的に取得するようにしたが、ログイン時に後述する物件名と同様にユーザ属性をユーザに指定させるようにしてもよい。
【0040】
続いて、設計者は、所定の入力画面を表示させ、その入力画面から物件名を入力する。基本的には、参考にしたい文書は、参考にしたいビルに設置されている設備に関連する文書なので、そのビルの物件名を入力する。設計者が物件名を入力すると、受付部111は、その物件名を受け付ける(ステップ102)。
【0041】
続いて、構成情報取得部13は、受付部111が受け付けた物件名で構成管理情報記憶部22を検索することにより、当該ビルに設置されている機器の構成を取得する(ステップ103)。
【0042】
続いて、文書検索部14は、文書情報記憶部23を参照して、構成情報取得部13により取得された機器毎に、当該機器においてユーザ属性特定部12が特定したユーザ属性に合致する文書を特定する(ステップ104)。
【0043】
例えば、ユーザ属性が“設計”である設計者が物件名として“ビルA”を指定した場合、
図4に示す文書情報の設定例によると、文書検索部14は、ビルAに設置されている“FMP-T”、“FCP-13”及び“LCP13”の機器毎に、ユーザ属性“設計”が対応付けられている文書“a1”、“b2”及び“b3”を特定する。
【0044】
以上のようにして特定された文書の文書名は、設計者が参照できるようにリスト表示されることになるが、表示データ生成部15は、次のようにしてリスト表示される文書名の表示順を決定する(ステップ105)。
【0045】
すなわち、表示データ生成部15は、集計情報を参照し、特定された文書の、設計者により指定されたビルに対応する閲覧回数を取得し、取得した閲覧回数に基づき表示順を決定する。閲覧回数が多いほど、同じユーザ属性であるより多くのユーザが閲覧していることになるので、基本的には、閲覧回数の多い順にリスト表示する文書を並べるのが好適である。
【0046】
前述した例のように、文書“a1”、“b2”及び“b3”が特定されると、表示データ生成部15は、各文書につき、ユーザ属性が“設計”であって 物件名が“ビルA”に対応する閲覧回数を取得し、閲覧回数の多い順に文書名を並べる。
【0047】
以上のようにして、表示データ生成部15がリスト表示する順番を決定すると、表示制御部112は、決定された順番に並べて文書名を表示させる(ステップ106)。
【0048】
ここで、ユーザである設計者がリスト表示された文書名の中から、参照したい文書を選択すると(ステップ107でY)、受付部111は、設計者により選択された文書名を受け付ける。文書取得手段(図示せず)は、設計者により選択された文書名に文書を、所定の格納先から取得する。表示制御部112は、文書取得手段によって取得された文書を画面表示させる(ステップ108)。設計者による文書の選択操作に応じて当該文書が画面表示されると、閲覧履歴管理部16は、表示された文書がユーザによって閲覧されたものとして使用ログを閲覧履歴情報記憶部24に記録する。そして、
図5に示す集計情報において閲覧された文書のユーザ属性が“設計”であって 物件名が“ビルA”に対応する閲覧回数に1を加算する(ステップ109)。その後、所定の操作に応じて文書名がリスト表示され、そのリスト表示された文書名の中から、参照したい文書が選択されると(ステップ107でY)、上記と同様にして選択された文書は画面表示され、該当する閲覧回数が1加算される。一方、ユーザが参照したい文書を選択しない場合(ステップ107でN)、処理は終了する。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ビルに設置されている設備に関連する文書をユーザに提示する場合、当該設備に関連する全ての文書ではなく、ユーザ属性に対応する文書を選出してから提示するようにしたので、ユーザは、提示された文書の中から所望の文書を探し出しやすくなる。例えば、機器名“FMP-T”の文書を提示するにしても“FMP-T”に関連する全ての文書a1,b1,・・・ではなく、ユーザのユーザ属性に対応する文書(上記例では、ユーザ属性“設計”に対応する文書“a1”)のみを提示するようにした。
【0050】
更に、本実施の形態においては、ユーザに提示する文書を、同じユーザ属性の他のユーザによる閲覧実績を加味して閲覧回数の多い順に並べるようにしたので、同じユーザ属性であるユーザにとって参照すべき文書がリストの上位に表示されることになる。また、ユーザにとって目的とする文書がリストの上位の方に表示される可能性が高くなるとも言える。特に非熟練者にとっては、同じユーザ属性のより多くのユーザによって参照されている文書を容易に見つけることができる。
【0051】
ところで、規模の大きいビルには、より多くのユーザが関わることから、当該ビルに関連する文書の閲覧回数は、相対的に多くなると考えられる。従って、ビルの規模の大きさを示す指標(例えば、延床面積)や、担当する保守員の人数等に基づいて閲覧回数が示す数値に規模の大小が表れないように調整してから、参照するようにしてもよい。
【0052】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、ユーザに提示すべき文書が特定されると、各文書につき、ユーザのユーザ属性及び当該ユーザが指定した物件名に対応する閲覧回数を取得し、閲覧回数に従って文書名の並べる順番を決めていた。
【0053】
ただ、ユーザが指定した物件名のビルの閲覧回数が少なく十分な閲覧実績がない場合、文書名を有効な順番に並べることができない可能性がある。そこで、本実施の形態においては、閲覧実績が十分でないビルの代わりに閲覧実績のある他のビルの情報を提示するようにしたことを特徴とする。本実施の形態におけるシステム構成及び情報提示処理の処理手順は、実施の形態1と同じでよい。ただ、情報提示処理において、文書名の表示順を決定する処理(ステップ105)が実施の形態1と異なる。
【0054】
すなわち、表示データ生成部15は、集計情報を参照し、特定された各文書において、ユーザに指定されたビルに対応する閲覧回数が所定の閾値に達していない場合、当該ビルの閲覧回数に代えて閲覧実績のあるビルの閲覧回数に基づき文書名の表示順を決定する。
【0055】
ここで、所定の閾値と比較する閲覧回数は、例えば、ステップ104において特定された各文書に対応する、ユーザに指定されたビルに対応する閲覧回数の総数とする。もちろん、個々の閲覧回数を所定の閾値との比較対象としてもよい。
【0056】
また、閲覧実績のあるビルというのは、閲覧回数の多いビルであり、例えば、ステップ104において特定された各文書に対応する、当該ビルに対応する閲覧回数の総数が多いビルである。本実施の形態では、閲覧回数の総数が最大値となるビルに対応する閲覧回数を、ユーザに指定されたビルに対応する閲覧回数に代えて参照する。
【0057】
本実施の形態によれば、閲覧回数が少ないビルがユーザにより指定されたことにより文書名を有効な順番に並べることができない可能性がある場合に、閲覧回数の少ないビルに代えて閲覧実績のあるビルの情報を提示することができる。
【0058】
この場合、ユーザが文書を選択して表示させた場合、閲覧実績のあるビルに対応する閲覧回数ではなく、ユーザが指定したビルに対応する閲覧回数に1を加算することで、閲覧回数の少ないビルの閲覧実績を上げるようにする。
【0059】
なお、本実施の形態では、閲覧回数が少ないことで閲覧実績が十分でないビルに代えて閲覧実績のあるビルの情報を提供するようにした。ただ、ユーザが指定したビルに対応する閲覧回数が所定の閾値に達していない場合に限らずに、ユーザが指定したビルに対応する閲覧回数に基づき生成された文書名のリストと共に、閲覧実績のあるビルに対応する閲覧回数に基づき生成された文書名のリストを参考までにユーザに提示するようにしてもよい。後述する実施の形態においても同様である。
【0060】
実施の形態3.
上記実施の形態2では、ユーザにより指定されたビルに対応する閲覧回数が少ない場合に閲覧実績のあるビルに対応する閲覧回数を利用するようにした。ただ、閲覧実績のあるビルといっても、ユーザにより指定されたビルと何の関連性、共通性もないビルであれば、有効な情報を提示できているとは限らない。そこで、本実施の形態においては、閲覧実績のあるビルを、ユーザにより指定されたビルに類似する施設の中から特定するようにしたことを特徴とする。本実施の形態におけるシステム構成及び情報提示処理の処理手順は、実施の形態1,2と同じでよい。ただ、構成管理情報記憶部22に記憶される構成管理情報の設定内容は実施の形態1,2と異なる。
【0061】
図7は、本実施の形態における構成管理情報記憶部22に記憶される構成管理情報のデータ構成例を示す図である。構成管理情報は、実施の形態1と同じデータ構成であるが、各ビルにおいて、機器構成に含まれる各機器名に、当該ビルにおける当該機器の設置台数が対応付けして設定される。
【0062】
更に、本実施の形態における情報提示処理においては、文書名の表示順を決定する処理(ステップ105)が実施の形態1,2と異なる。
【0063】
すなわち、表示データ生成部15は、集計情報を参照し、特定された各文書において、ユーザに指定されたビルに対応する閲覧回数が所定の閾値に達していない場合、当該ビルに類似するビルを特定する。表示データ生成部15は、当該ビルに類似するビルを特定する際、構成管理情報を参照する。
図6に示したように、各機器には、設置台数が対応スケして設定されている。従って、表示データ生成部15は、ユーザにより指定されたビルにおける各機器の設置台数を、他のビルにおける各機器の設置台数と照合し、ユーザにより指定されたビルにおける機器の台数構成に最も類似する台数構成を持つビルを特定する。なお、最も類似する機器の台数構成かどうかを判定する技術は、従前からある技術を利用すればよく、本実施の形態の特徴事項ではない。
【0064】
表示データ生成部15は、ユーザに指定されたビルに最も類似するビルを特定すると、ユーザに指定されたビルの閲覧回数に代えて最も類似するビルの閲覧回数に基づき文書名の表示順を決定する。その他の処理は、実施の形態1,2と同じでよいので説明を省略する。
【0065】
なお、最も類似するビルの閲覧回数が所定の閾値に達していない場合も考えられる。この場合、最も類似するビルを選出せずに、類似するビルの中から閲覧実績のあるビルを選出すればよい。つまり、ユーザに指定されたビルと類似するかどうかを判定する際には、ユーザに指定されたビルとそれ以外のビルとの類似度を算出することになるが、類似度の高い順に閲覧実績の有無を判定することによって、ユーザに指定されたビルに類似するビルを特定すればよい。
【0066】
本実施の形態によれば、ユーザに指定されたビルに代えて、単に閲覧実績があるビルの情報を利用するのではなく、ユーザに指定されたビルに類似するビル、換言すると機器の設置台数という観点からしてユーザに指定されたビルと同等のビルの情報を利用することによって、より有効な情報をユーザに提示することができる。
【0067】
実施の形態4.
図8は、本実施の形態における構成管理情報記憶部22に記憶される構成管理情報のデータ構成例を示す図である。構成管理情報は、実施の形態1に対し、延床面積を追加したデータ構成を有している。上記実施の形態3では、ユーザに指定されたビルに類似するビルを特定するために、機器の設置台数を参照するようにした。本実施の形態では、延床面積を参照することを特徴としている。すなわち、本実施の形態における表示データ生成部15は、ユーザに指定されたビルに類似するビルを特定する際、ユーザに指定されたビルの延床面積に最も近い延床面積のビルを、ユーザに指定されたビルと最も類似するビルとして特定する。その他の処理は、実施の形態3と同じでよいので、説明を省略する。
【0068】
本実施の形態によれば、ユーザに指定されたビルに代えて、単に閲覧実績があるビルの情報を利用するのではなく、ユーザに指定されたビルに類似するビル、換言するとビルの規模という観点からしてユーザに指定されたビルと同等のビルの情報を利用することによって、より有効な情報をユーザに提示することができる。
【0069】
なお、上記説明では、各ビルの規模を示す規模情報として、延床面積という指標を用いて説明したが、規模情報としては、延床面積に限定する必要はない。例えば、規模情報として、ビルの階数、従事者数、部屋数、機器設置台数等他の指標を利用してもよい。
【0070】
実施の形態5.
図9は、本実施の形態における文書提示システム10を示すブロック構成図である。実施の形態1と同じ構成要素には、同じ符号を付け、説明を省略する。本実施の形態における文書提示システム10は、実施の形態1における構成に、機器グループ情報記憶部25を追加した構成を有している。
【0071】
図10は、本実施の形態における機器グループ情報記憶部25に記憶される構成グループ情報のデータ構成例を示す図である。グループ情報は、各グループの識別情報としてのグループID毎に、複数の機器名が対応付けして生成される。各グループには、所定の関連性を有する同類の機器群が属する。
図10には、各グループにおいて、どのような関連性があるのかを示す語句を便宜的に示している。例えば、グループ1,2(性能類似)は、同等の性能を有する機器が属するグループである。グループ3(他社製品、性能類似)は、グループ1,2と同様に同等の性能を有する機器が属するグループであるが、グループ1,2が自社製品で構成されているのに対し、グループ3は、自社製品(FCP13)と、その自社製品と同等の性能を有する他社製品とで構成される。グループ4(同一ビル設備)は、ビル設備を構築する際に一般的に組み合わせて使用されることが多い機器によって構成されるグループである。
【0072】
次に、本実施の形態における動作について説明するが、本実施の形態における情報提示処理の処理手順は、実施の形態1と同じでよい。ただ、情報提示処理において、機器の構成を取得する処理(ステップ103)が実施の形態1と異なる。
【0073】
すなわち、構成情報取得部13は、受付部111が受け付けた物件名で構成管理情報記憶部22を検索することにより、当該ビルに設置されている機器の構成を取得するところまでは同じである。本実施の形態における構成情報取得部13は、更に機器グループ情報を参照して、取得した各機器が属するグループを特定する。そして、取得した機器がいずれかのグループに属している場合、そのグループに属している機器を取得する。
【0074】
例えば、ユーザが物件名として“ビルA”を指定した場合、構成情報取得部13は、構成管理情報を参照することで、“FMP-T”、“FCP-13”及び“LCP13”を取得する。そして、構成情報取得部13は、機器グループ情報を参照することにより、“FMP-T”がグループ1に属していることがわかる。これにより、構成情報取得部13は、グループ1に属している他の機器“FMP-P”を取得する。同様に、FCP13はグループ2,3に属しているので、構成情報取得部13は、グループ2に属している他の機器“FCP-14”、“FCP-15”と、グループ3に属している他の機器“FCPU”、“FNP-11”を取得する。
【0075】
以上のようにして、機器の構成を取得した後の処理は、実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。ただ、リスト表示させる文書名の並び順は、ユーザが指定したビルに関連する文書と、そうでない文書とに分けて表示するようにしてもよいし、分けることなく閲覧回数の多い順に並べて表示させるようにしてもよい。
【0076】
ユーザは、指定したビルAに設置されている設備の情報を参照したいが、それとは別にビルAに設置されている設備に類似した設備や他社製品の情報も参照したい場合がある。例えば、ビルAに設置されている設備に関連する文書の記載に不備がある場合、記載が不十分である場合、また、保守作業においては、現場に他社製品がある場合等である。本実施の形態では、このような場合にも対処可能なように、ビルAに設置されている設備と関連性のある設備に関連する文書を特定し、ビルAに設置されている設備に関連する文書と合わせてユーザに提示できるようにした。
【0077】
実施の形態6.
上記各実施の形態においては、基本的に文書の閲覧回数を参照して、リスト表示する文書名の並び順を決定するようにした。本実施の形態では、他のユーザの閲覧実績に基づき得られる文書の閲覧順を参照してリスト表示する文書名の並び順を決定することを特徴としている。本実施の形態におけるシステム構成及び情報提示処理の処理手順は、実施の形態1と同じでよい。ただ、閲覧履歴情報記憶部24には、閲覧順情報が記憶される点が実施の形態1と異なる。
【0078】
図11は、本実施の形態における閲覧履歴情報記憶部24に記憶される閲覧順情報のデータ構成例を示す図である。閲覧履歴管理部16は、前述したようにユーザによる文書の選択操作に応じて文書の使用ログを閲覧履歴情報記憶部24に記録するが、更に記録した使用ログを解析することによって閲覧順情報を生成する。閲覧順情報は、ユーザID、物件名、使用日時及び文書閲覧順が対応付けして生成される。ユーザIDには、本システム10にログインして文書を閲覧したユーザのユーザIDが設定される。物件名には、当該ユーザが指定した物件名が設定される。使用日時には、当該ユーザが文書にアクセスしていた期間の始期及び終期が設定される。文書閲覧順には、当該ユーザが閲覧した文書が、文書の閲覧順がわかるように設定される。
【0079】
更に、本実施の形態における情報提示処理においては、文書名の表示順を決定する処理(ステップ105)が実施の形態1と異なる。
【0080】
すなわち、表示データ生成部15は、閲覧履歴情報記憶部24の中から、ステップ104において特定された文書を含む閲覧順情報を抽出し、その抽出した閲覧順情報に含まれる文書閲覧順に従って文書名が表示されるように文書名の表示順を決定する。
【0081】
ところで、抽出される閲覧順情報は、本システム10にログインしているユーザと同じユーザ属性であり、かつ同じ物件名を指定した他のユーザによる閲覧により生成された閲覧実績であることが望ましいと考えられる。従って、表示データ生成部15は、閲覧履歴情報記憶部24の中から閲覧順情報を抽出する際には、過去に閲覧したユーザのユーザ属性及び物件名を参照して抽出対象とする閲覧順情報を事前に絞り込むように処理してもよい。なお、閲覧順情報には、ユーザIDが含まれているので、ユーザ情報を参照することでユーザ属性を特定できる。
【0082】
また、本システム10にログインしているユーザと同じユーザ属性であり、かつ同じ物件名を指定した他のユーザは、ステップ104において特定された全ての文書を閲覧しているとは限らない。従って、ステップ104において特定された全ての文書のうち閲覧されている文書を優先してリスト表示の上位に表示されるように処理してもよい。閲覧されている文書が複数存在する場合、その文書の並び順は、集計情報を参照して決定してもよい。
【0083】
上記各実施の形態においては、それぞれ特徴事項を有しているが、各実施の形態において説明した構成又は処理を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0084】
実施の形態7.
図12は、本実施の形態における文書提示システム10を示すブロック構成図である。実施の形態1と同じ構成要素には、同じ符号を付け、説明を省略する。本実施の形態における文書提示システム10は、実施の形態1における構成に、設備情報収集部17を追加した構成を有している。構成管理情報記憶部22には、各物件に対応する構成管理情報が記憶されるが、設備情報収集部17は、対応する物件(つまり、ビル)から当該ビルの設備に関する情報を収集して構成管理情報記憶部22に登録する。より具体的には、設備情報収集部17は、各ビルに設置されている当該ビルの情報を管理するビルシステム7から当該ビルに設置されている設備の構成、各設備の設置台数を含む設備に関する情報をインターネット等のネットワーク8を介して取得し、取得した情報から上記各実施の形態において用いるデータ構成の構成管理情報を形成して、構成管理情報記憶部22に登録する。設備情報収集部17は、実施の形態4で用いる規模情報も設備に関する情報に含めて収集してもよい。
【0085】
設備情報収集部17は、各ビルの構成に関する情報を、各ビルシステム7に定周期的に問い合わせることによって収集するようにしてもよいし、ビルの設備の構成が変更されたことに伴い、ビルシステム7から通知を受けることによって収集するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 ハードディスクドライブ(HDD)、5 ネットワークインタフェース(IF)、6 ユーザインタフェース(UI)、7 ビルシステム、8 ネットワーク、10 文書提示システム、11 ユーザインタフェース(UI)処理部、12 ユーザ属性特定部、13 構成情報取得部、14 文書検索部、15 表示データ生成部、16 閲覧履歴管理部、17 設備情報収集部、21 ユーザ情報記憶部、22 構成管理情報記憶部、23 文書情報記憶部、24 閲覧履歴情報記憶部、25 機器グループ情報記憶部、111 受付部、112 表示制御部。