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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】装置エアロゾル発生システム用センサー
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20240527BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240527BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240527BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/10
A24F40/42
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021524046
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2019082777
(87)【国際公開番号】W WO2020109404
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】18208667.8
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ビラ ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】コロット ギヨーム
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03357360(EP,A2)
【文献】英国特許出願公開第02533652(GB,A)
【文献】国際公開第2018/069849(WO,A1)
【文献】国際公開第97/048293(WO,A1)
【文献】特開平11-033097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/51
A24F 40/10
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体を含む液体組成物を含有するように構成された貯蔵区画を備えるカートリッジと、
前記カートリッジを受容するように構成されたエアロゾル発生装置であって、電源および、前記電源に動作可能に結合された制御電子機器を備えるエアロゾル発生装置と、
前記制御電子機器に動作可能に結合され、光を前記カートリッジの前記貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されている光源であって、前記光源から放射される光が前記液体組成物によって吸収される光源と、
前記制御電子機器に動作可能に結合され、前記光源から放射される光を検出するように位置付けられ、配向されている検出器と、を備え、
前記光源および前記検出器の両方が、前記貯蔵区画の同じ側に隣接して位置しており、前記光源の反対側の前記貯蔵区画の表面が、前記光源から前記貯蔵区画の中に放射される光を吸収するように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記制御電子機器が、前記カートリッジの前記貯蔵区画中の前記液体組成物の充填レベルを決定するように構成されているか、または前記制御電子機器が、前記貯蔵区画中の前記液体組成物の前記充填レベルを決定するために、前記検出器によって検出された信号に関するデータを別の装置に送信するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記カートリッジが前記光源および前記検出器を備え、
前記エアロゾル発生装置が前記光源および前記検出器を備え、
前記カートリッジが前記光源を備え、前記エアロゾル発生装置が前記検出器を備える、または
前記カートリッジが前記検出器を備え、前記エアロゾル発生装置が前記光源を備える、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記カートリッジが前記光源を備える時、前記カートリッジが前記光源に動作可能に結合された外部電気接点をさらに備え、前記エアロゾル発生装置が前記制御電子機器に動作可能に結合された接点を備え、前記エアロゾル発生装置の前記接点および前記カートリッジの前記外部電気接点が、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置によって受容された時に電気的に結合されるように構成されており、
前記カートリッジが前記検出器を備える時、前記カートリッジが前記検出器に動作可能に結合された外部電気接点をさらに備え、前記エアロゾル発生装置が前記制御電子機器に動作可能に結合された接点を備え、前記エアロゾル発生装置の前記接点および前記カートリッジの前記外部電気接点が、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置によって受容された時に電気的に結合されるように構成されている、請求項3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記エアロゾル発生装置が前記光源を備える時、前記カートリッジが前記光に対して透明な材料の窓を備え、前記材料が前記貯蔵区画の内表面から前記カートリッジの外部表面に延び、前記光源が、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置によって受容された時に前記窓と整列しており、
前記エアロゾル発生装置が前記検出器を備える時、前記カートリッジが前記光に対して透明な材料の窓を備え、前記材料が前記貯蔵区画の内表面から前記カートリッジの外部表面に延び、前記検出器が、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置によって受容された時に前記窓と整列している、請求項3または請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記カートリッジの前記貯蔵区画が、前記貯蔵区画の底部から前記貯蔵区画の上部に延びる長さを有し、前記光源および前記検出器が前記貯蔵区画の前記底部に隣接している、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記カートリッジの前記貯蔵区画が、前記貯蔵区画の底部から前記貯蔵区画の上部に延びる長さを有し、前記光源および前記検出器のうちの一つが前記貯蔵区画の前記底部に隣接しており、前記光源および前記検出器のうちのもう一方が前記貯蔵区画の前記上部に隣接している、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記検出器が、前記貯蔵区画内の前記光を前記検出器の表面に方向付けるように構成された光ガイドを備える、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記貯蔵区画が、前記貯蔵区画の前記底部から前記上部に延びる側壁を備え、前記側壁の内部表面が前記光源から放射される前記光を反射する、請求項7または請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記貯蔵区画が、前記貯蔵区画の底部から前記貯蔵区画の上部に延びる長さを有し、前記光源および前記検出器が前記貯蔵区画の前記上部と前記底部の間の側壁に隣接している、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記光源が複数の光源のうちの一つであり、前記検出器が複数の検出器のうちの一つであり、前記光源および検出器のそれぞれが前記制御電子機器に動作可能に結合されており、前記複数の光源および検出器が、前記貯蔵区画の長軸方向軸に対して実質的に横断的に前記貯蔵区画の周辺の周りに配置されている、請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記制御電子機器が、前記貯蔵区画の前記液体組成物中に浸漬された光源と検出器の対を検出するように構成されている、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記制御電子機器に動作可能に結合された慣性センサーをさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記制御電子機器が、前記検出器からのデータおよび前記慣性センサーからのデータに基づいて、前記カートリッジの前記貯蔵区画中の前記液体組成物の充填レベルを決定するように構成されている、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生装置が所定の配向にあることを慣性センサーが示す時、前記光源および前記検出器を起動するように前記制御電子機器が構成されている、請求項13または14に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システムを使用する方法であって、前記エアロゾル発生装置を垂直で底部を上にした配向に反転させる工程を含み、それによって前記エアロゾル発生装置が、前記貯蔵区画が空であるか、または少量の液体組成物が前記貯蔵区画に残っているかを検証することを可能にする、方法。
【請求項17】
前記方法が、前記エアロゾル発生装置を反転させる前記工程を開始するための指示をユーザーに提供することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
エアロゾル発生装置であって、
電源と、
前記電源に動作可能に結合された制御電子機器と、
エアロゾル形成基体を含む液体組成物を含有する貯蔵区画を有するカートリッジを受容するように構成されたレセプタクルと、
前記制御電子機器に動作可能に結合され、かつ前記カートリッジの前記貯蔵区画の中に光を放射するように位置付けられ、配向されている光源と、
前記制御電子機器に動作可能に結合され、かつ前記光が前記貯蔵区画に入った後に前記光源から放射される前記光を検出するように位置付けられ、配向されている検出器と、を備え、
カートリッジが前記レセプタクル内に受容された時、前記光源および前記検出器の両方がカートリッジの貯蔵区画の同じ側に隣接して位置するように構成され、前記光源の反対側の前記貯蔵区画の表面が、前記光源から前記貯蔵区画の中に放射される光を吸収するように構成されている、エアロゾル発生装置。
【請求項19】
エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジであって、
エアロゾル形成基体を含む液体組成物を収容するための貯蔵区画と、
前記貯蔵区画の中に光を放射するように位置付けられ、配向されている光源と、
前記光源に動作可能に結合された第一の接点であって、前記カートリッジがエアロゾル発生装置に受容された時に、前記エアロゾル発生装置の対応する第一の接点への電気的接続のために位置付けられ、配向されている、第一の接点と、
前記光源からの発光体を検出するために位置付けられ、配向されている検出器と、
前記検出器に動作可能に結合された第二の接点であって、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置に受容された時に、前記エアロゾル発生装置の対応する第二の接点への電気的接続のために位置付けられ、配向されている、第二の接点と、を備え、
前記光源および前記検出器の両方が、前記貯蔵区画の同じ側に隣接して位置しており、前記光源の反対側の前記貯蔵区画の表面が、前記光源から前記貯蔵区画の中に放射される光を吸収するように構成されている、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル形成基体を加熱することによって動作するエアロゾル発生電子システムに関する。特に、本開示は、エアロゾル形成基体を含む液体組成物で充填された消耗品を使用するシステムおよび装置に関し、かつ消耗品自体に関する。より具体的には、本開示は、消耗品中の液体組成物の充填レベルを決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体を含む液体組成物は、eリキッドと呼ばれうる。多くのeリキッドエアロゾル発生システムでは、eリキッドは、エアロゾル発生装置に受容されたカートリッジに保存され、消費者による吸入のためにeリキッドを加熱してエアロゾルを形成する。カートリッジがエアロゾル発生装置によって受容されると、eリキッドは典型的には消費者に見えない。消費者はeリキッドレベルを見ることができないため、消費者はeリキッドがいつほぼ枯渇するかを知らない可能性がある。そのため、消費者が、カートリッジのeリキッドを補充するためにすぐに利用可能なeリキッドの供給物を有していない時、または利用可能な交換用カートリッジを有していない時、eリキッドは枯渇しうる。従って、消費者は、エアロゾル発生システムの使用を不意に奪われる場合がある。加えて、カートリッジが消耗またはほぼ消耗した時、残りのeリキッドの過剰な加熱が発生する可能性があり、望ましくない化合物の発生をもたらしうる。少なくともこれらの理由から、消費者にとっては、カートリッジ内のeリキッドの充填状態を知ることが望ましい。
【0003】
エアロゾル発生装置によって受容されたカートリッジの充填状態を監視することは、課題を呈する。例えば、カートリッジはエアロゾル発生装置とは分離しており、しばしば電力供給源を有さない。加えて、カートリッジおよびエアロゾル発生装置の位置は変化してもよく、カートリッジ中の液体を移動させうる。こうした移動は、静的測定を困難にする場合があり、好ましい配向で測定値を取得することに障壁を呈しうる。さらに、カートリッジ中の液体の体積は、しばしば非常に小さく、正確なセンサーを必要としうる。加えて、センサーをeリキッドと接触させておくと、eリキッドとセンサーの間の望ましくない相互作用が生じる場合がある。例えば、eリキッドは、センサーの材料によって汚染される場合があり、センサーはeリキッドによって劣化する可能性があり、センサーは密封する必要がある場合があり、シールで問題が発生しうる。こうした要因は、より高費用の消耗品をもたらしうる。
【0004】
カートリッジ中のeリキッドの充填レベルを決定することができるエアロゾル発生eリキッドシステムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
エアロゾル発生システムは、カートリッジと、カートリッジを受容するように構成されたエアロゾル発生装置と、光源と、検出器とを備えうる。カートリッジは、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を含有するように構成された貯蔵区画を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電源と、電源に動作可能に結合された制御電子機器とを備えてもよい。光源は、制御電子機器に動作可能に結合され、光をカートリッジの貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されうる。光源から放射される光は、液体組成物によって吸収されうる。検出器は、制御電子機器に動作可能に結合され、光源から放射される光を検出するように位置付けられ、配向されてもよい。
【0006】
一部の態様において、本発明は、カートリッジと、カートリッジを受容するように構成されたエアロゾル発生装置と、光源と、検出器とを備えるエアロゾル発生システムを備えうる。カートリッジは、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を含有するように構成された貯蔵区画を備える。エアロゾル発生装置は、電源と、電源に動作可能に結合された制御電子機器とを備える。光源は、制御電子機器に動作可能に結合され、光をカートリッジの貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されている。光源から放射される光は、液体組成物によって吸収される。検出器は、制御電子機器に動作可能に結合され、光源から放射される光を検出するように位置付けられ、配向されている。光源および検出器の両方が、貯蔵区画の同じ側に隣接して位置するように構成され、光源の反対側の貯蔵区画の表面は、光源から貯蔵区画の中に放射される光を吸収するように構成されている。
【0007】
制御電子機器は、カートリッジの貯蔵区画中の液体組成物の充填レベルを決定するように構成されてもよく、または貯蔵区画中の液体組成物の充填レベルを決定するために、検出器によって検出された信号に関するデータを別の装置に送信するように構成されてもよい。
【0008】
一部の態様において、本発明は、電源と、電源に動作可能に結合された制御電子機器と、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を含有する貯蔵区画を有するカートリッジを受容するように構成されたレセプタクルとを備えうる、エアロゾル発生装置を含みうる。装置はまた、光源および検出器を含んでもよい。光源は、制御電子機器に動作可能に結合され、光を容器の貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されうる。検出器は、制御電子機器に動作可能に結合され、光が貯蔵区画に入った後に光源から放射される光を検出するように位置付けられ、配向されてもよい。
【0009】
一部の態様において、本発明は、電源と、電源に動作可能に結合された制御電子機器と、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を含有する貯蔵区画を有するカートリッジを受容するように構成されたレセプタクルとを備える、エアロゾル発生装置を含む。装置はまた、光源および検出器を含む。光源は、制御電子機器に動作可能に結合され、光を容器(またはカートリッジ)の貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されている。検出器は、制御電子機器に動作可能に結合され、光が貯蔵区画に入った後に光源から放射される光を検出するように位置付けられ、配向されている。カートリッジがレセプタクル内に受容された時、光源および検出器の両方が、カートリッジの貯蔵区画の同じ側に隣接して位置するように構成され、光源の反対側の貯蔵区画の表面は、光源から貯蔵区画の中に放射される光を吸収するように構成されている。
【0010】
本発明は、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジを含みうる。カートリッジは、エアロゾル形成基体、光源、第一の接点、検出器、および第二の接点を含みうる液体組成物を収容するための貯蔵区画を備えてもよい。光源は、光を貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されてもよい。第一の接点は、光源に動作可能に結合されうる。第一の接点は、カートリッジがエアロゾル発生装置に受容された時、エアロゾル発生装置の対応する第一の接点への電気的接続のために位置付けられ、配向されてもよい。検出器は、光源からの発光体を検出するように位置付けられ、配向されてもよい。第二の接点は、検出器に動作可能に結合されてもよい。第二の接点は、カートリッジがエアロゾル発生装置に受容された時、エアロゾル発生装置の対応する第二の接点への電気的接続のために位置付けられ、配向されてもよい。
【0011】
一部の態様において、本発明は、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジを含む。カートリッジは、エアロゾル形成基体、光源、第一の接点、検出器、および第二の接点を含む液体組成物を収容するための貯蔵区画を備える。光源は、光を貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されている。第一の接点は、光源に動作可能に結合されている。第一の接点は、カートリッジがエアロゾル発生装置に受容された時、エアロゾル発生装置の対応する第一の接点への電気的接続のために位置付けられ、配向されている。検出器は、光源からの発光体を検出するように位置付けられ、配向されている。第二の接点は、検出器に動作可能に結合されている。第二の接点は、カートリッジがエアロゾル発生装置に受容された時、エアロゾル発生装置の対応する第二の接点への電気的接続のために位置付けられ、配向されている。光源および検出器の両方が、貯蔵区画の同じ側に隣接して位置するように構成され、光源の反対側の貯蔵区画の表面は、光源から貯蔵区画の中に放射される光を吸収するように構成されている。
【0012】
本明細書に記載の液体エアロゾル形成基体を含有するシステム、装置およびカートリッジのさまざまな態様または実施形態は、現在入手可能なまたは前述のシステム、装置およびエアロゾル発生装置用カートリッジに対し一つ以上の利点を提供しうる。例えば、本発明のシステム、装置、およびカートリッジは、液体が見えない場合でも、消費者にカートリッジ内の液体組成物の充填状態について通知することを可能にする。これにより、消費者は、カートリッジを再充填または交換する必要性を予測することができ、また消費者は、液体組成物または交換用カートリッジの供給物がすぐに利用可能である時、適切な時点でカートリッジを再充填または交換することができる。加えて、交換用カートリッジが挿入されるまで、またはカートリッジ中の液体供給が補充されるまで、消費者がシステムの使用を停止しうるように、システムは、カートリッジが消耗しているか、またはほぼ消耗していることを消費者に警告することができ、これは、液体組成物の過度の加熱に関連しうる望ましくない化合物に消費者が曝露されるのを防ぐのに役立ちうる。加えて、または別の方法として、システムは、液体組成物の供給が枯渇する結果として生じうる過度の加熱を避けるために、ヒーターの温度を減少させるように構成されてもよい。これらおよびその他の利点は、本明細書に示す本開示を読むことにより当業者には容易に明らかとなる。
【0013】
本明細書に記載の感知装置および方法は、エアロゾル形成基体を含む液体組成物からエアロゾルを発生する、任意の適切なエアロゾル発生システムと共に用いられうる。「エアロゾル発生」物品、装置、またはシステムという用語は、ユーザーによって吸入されてもよいエアロゾルを形成するために、エアロゾル形成基体から揮発性化合物を放出する能力を有する物品、装置、またはシステムを指す。「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。典型的には、基体は、揮発性化合物の放出を引き起こすように加熱される。液体エアロゾル形成基体は、例えば約15℃~約30℃の周囲温度にて液体である基体である。液体エアロゾル形成基体は、液体溶液、懸濁液、分散液、およびこれに類するものを含むと考えられる。液体エアロゾル形成基体は溶液であることが好ましい。
【0014】
エアロゾル発生システムは、消費者の口に挿入するためのマウスピースを有する手持ち式システムであることが好ましい。エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を含有するように構成された貯蔵区画を備えるカートリッジを含み、カートリッジを受容するように構成されたエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル発生装置またはカートリッジは、マウスピースを備えてもよい。カートリッジはマウスピースを備えることが好ましい。
【0015】
エアロゾル発生装置は、電源と、電源に動作可能に結合された制御電子機器とを備える。電源および制御電子機器は、エアロゾル発生要素に動作可能に結合され、起動されると、エアロゾル形成基体を含む液体組成物からエアロゾルを発生するように構成されている。エアロゾル発生要素は発熱体を含むことが好ましい。発熱体は電気抵抗性のある発熱体を含むことが好ましい。発熱体は、多孔質電気抵抗材料などの液体透過性発熱体を含むことが好ましい。メッシュ発熱体は、電気抵抗性フィラメントのメッシュを備えることが好ましい。メッシュは、実質的に平面であってもよく、または実質的に平面な部分を含んでもよい。
【0016】
カートリッジまたは装置は、エアロゾル発生要素を含んでもよい。カートリッジがエアロゾル発生要素を含む場合、エアロゾル発生要素は、カートリッジがエアロゾル発生装置によって受容された時、電源および制御電子機器に電気的に結合される。エアロゾル発生装置がエアロゾル発生要素を含む場合、エアロゾル発生要素は、電源および制御電子機器に電気的に結合されており、カートリッジがエアロゾル発生装置によって受容され、エアロゾル発生要素が活性化された時、液体組成物にエアロゾルを形成させるように位置付けられている。エアロゾル発生要素が、エアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付け可能である場合、装置はエアロゾル発生要素を備えると見なされる。
【0017】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生要素が活性化された時、液体組成物から形成されるエアロゾルを、消費者がシステムの口側端を吸った時に消費者が吸入するための経路を通って流れる空気に同伴させる気流経路を画定する。
【0018】
カートリッジは、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を吸収、保存、または吸収および保存することができる保持材料を含んでもよい。保持材料は、エアロゾル形成基体を含む液体組成物と接触しており、カートリッジまたはエアロゾル発生装置の一部分でありうるエアロゾル発生要素と接触していてもよい。
【0019】
保持材料は、複数の小さい穴またはマイクロチャネルを形成する繊維状または多孔性構造を有する毛細管材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によって毛細管材料を通して搬送されてもよい。保持材料は、毛細管の束を形成する複数の繊維、糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は、保持材料の一つの表面から保持材料の概して対向する表面へ、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を運ぶために概して整列していてもよい。別の方法として、保持材料は、海綿体様または発泡体様の材料を含んでいてもよい。保持材料は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、海綿体材料もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料(例えば、紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、またはセラミック繊維など))、およびそれらの組み合わせが挙げられる。例示的な一実施形態において、保持材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリエチレンテレフタラート(PET)を含む。
【0020】
カートリッジは、保持材料および搬送材料を含みうる。搬送材料は、例えば芯などの毛細管作用によって、液体を材料の一方の端から他方に能動的に運ぶ材料である。保持材料は、エアロゾル形成基体を含む液体組成物と接触し、搬送材料と接触してもよい。搬送材料は、液体組成物を保持材料からエアロゾル発生要素に搬送しうる。
【0021】
搬送材料は、高保持材料に面する第一の表面と、エアロゾル発生要素に面する反対側の第二の表面とを有してもよい。搬送材料の表面の少なくとも一部分の形状は、搬送要素の第二の表面が接触しうる、エアロゾル発生要素の表面の形状に適合しうる。
【0022】
搬送材料は繊維状の構造または多孔性の構造を有してもよい。搬送材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、搬送材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。搬送材料は、搬送材料の厚さ方向と直交する、またはこれと垂直な方向に液体を主に搬送するように構成されてもよい。搬送材料は、細長い繊維を含むことが好ましく、これによって毛細管作用が繊維間の小さい空間またはマイクロチャネルの中で生じる場合がある。
【0023】
搬送材料は、少なくとも160℃以上(およそ250℃以上など)の熱分解温度を有する耐熱材料で作製されてもよい。搬送材料は、綿または処理された綿(例えば、アセチル化綿)の繊維または糸を含んでもよい。その他の適切な材料、例えばセラミック系もしくは黒鉛系の繊維質材料、または紡糸繊維、延伸繊維、もしくは押出成形繊維(繊維ガラス、セルロースアセテート、または任意の適切な耐熱性のポリマーなど)から作製された材料なども使用することが可能である。搬送材料の繊維は各々、10μm~40μmの厚さ、より具体的には15μm~30μmの厚さを有してもよい。搬送材料は異なる物理特性を有する液体とともに使用されるように、任意の適切な毛細管および空隙率を有してもよい。搬送材料は、毛細管作用によって、エアロゾル形成基体を含む液体組成物を搬送しうる。エアロゾル形成基体を含む液体組成物は、粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、蒸気圧、およびこれに類するものを含む物理的特性を有してもよく、これらは、毛細管作用による搬送材料を通したエアロゾル形成基体を含む液体組成物の搬送を容易にするために調整される。
【0024】
保持材料または保持材料および搬送材料は、存在する場合、カートリッジの貯蔵区画中に配置されてもよく、または貯蔵区画の外部にあってもよいが、保持材料は、存在する場合、貯蔵区画中に配置されたエアロゾル形成基体を含む液体組成物と接触するように位置付けられていることを条件とする。例えば、液体透過性壁または壁の液体透過性部分は、貯蔵区画の少なくとも一部分を形成する内表面を有してもよく、保持材料が接触している外表面を有してもよい。
【0025】
エアロゾル発生システムは、貯蔵区画中の液体組成物の体積を検出するための、または貯蔵区画中の液体組成物の充填レベルを検出するための感知装置を含む。感知装置は、光源および光検出器を含む。光源および検出器は、エアロゾル発生装置の制御電子機器および電源に動作可能に結合されている。光源は、光をカートリッジの貯蔵区画の中に放射するように位置付けられ、配向されている。検出器は、光源から放射された光を検出するように位置付けられ、配向されている。カートリッジまたはエアロゾル発生装置は、光源を含んでもよい。カートリッジまたはエアロゾル発生装置は、検出器を含んでもよい。
【0026】
カートリッジが光源を含む場合、光源は、カートリッジが装置によって受容された時、エアロゾル発生装置の電源および制御電子機器に動作可能に結合されていることが好ましい。例えば、カートリッジは、光源に電気的に結合された外部電気接点を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、制御電子機器および電源に動作可能に結合された、対応する接点を備えてもよい。カートリッジが装置によって受容された時、カートリッジの外部接点は、装置の対応する接点と接触して、光源を装置の制御電子機器および電源に動作可能に結合しうる。カートリッジおよび装置は、カートリッジが装置によって受容された時に電気接点間の接触を達成するのに適正な配向を確保するために対応する特徴を有しうる。
【0027】
カートリッジが光源を含む場合、光源は、貯蔵区画の内部に曝されていてもよく、または貯蔵区画の内部に対して密閉されていてもよい。例えば、カートリッジは、それを通して光源からの光が貯蔵区画の内部に伝達されうる材料の窓を備えてもよい。
【0028】
装置が光源を含む場合、カートリッジは、カートリッジが装置によって受容された時に、それを通して光が貯蔵区画の内部に伝達されうる材料の窓を含む。カートリッジおよび装置は、カートリッジが装置によって受容された時に光源および窓の適正な整列を確保するために、対応する特徴を有してもよい。
【0029】
カートリッジが検出器を含む場合、検出器は、カートリッジが装置によって受容された時、エアロゾル発生装置の電源および制御電子機器に動作可能に結合されていることが好ましい。例えば、カートリッジは、検出器に電気的に結合された外部電気接点を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、制御電子機器および電源に動作可能に結合された、対応する接点を備えてもよい。カートリッジが装置によって受容された時、カートリッジの外部接点は、装置の対応する接点と接触して、検出器を装置の制御電子機器および電源に動作可能に結合しうる。カートリッジおよび装置は、カートリッジが装置によって受容された時に電気接点間の接触を達成するのに適正な配向を確保するために対応する特徴を有しうる。
【0030】
カートリッジが検出器を含む場合、検出器は、貯蔵区画の内部に曝されていてもよく、または貯蔵区画の内部に対して密閉されていてもよい。例えば、カートリッジは、それを通して、貯蔵区画の内部からの光が、貯蔵区画の外部に位置し窓に隣接した検出器に伝達されうる、材料の窓を備えてもよい。
【0031】
装置が検出器を含む場合、カートリッジは、カートリッジが装置によって受容された時に、それを通して貯蔵区画の内部からの光が検出器に伝達されうる材料の窓を含む。カートリッジおよび装置は、カートリッジが装置によって受容された時に検出器および窓の適正な整列を確保するために、対応する特徴を有してもよい。
【0032】
光源は、エアロゾル形成基体を含む液体組成物によって吸収される波長を有する光を放射しうる。例えば、光源は、約10nm~約1mmの範囲の波長を有する光を放射してもよい。光源は赤外線を放射することが好ましい。例えば、光源は、約100nm~約1mmの範囲の波長を有する光を放射してもよい。例えば、光源は、約200nm~約25マイクロメートルの波長を有するか、または約500nm~約10マイクロメートル、もしくは約700nm~約4マイクロメートルの波長を有する光を放射してもよい。
【0033】
任意の適切な光源を用いてもよい。例えば、光源は、比較的単色であってもよく、または範囲内の波長を有する光を放射してもよい。光が放射される波長の範囲が狭いことが好ましい。
【0034】
一部の実施形態において、フィルターを用いて、フィルターを通過しうる光の波長を制限してもよい。フィルターは、例えば、特定の波長帯内の光が通過することを許容し、波長帯外の光の通過を制限する光学バンドパスフィルターであってもよい。フィルターは、光源と貯蔵区画の内部の間に位置付けられてもよい。こうしたフィルターが用いられる時、光源は、広いスペクトルの光を放射しうる。
【0035】
光源からカートリッジの貯蔵チャンバー中の液体組成物を通過する光は、全方向性、指向性、または集束性でありうる。光は、レンズを用いて光を特定の点に集中させることによってなど、任意の適切な様式で集束されうる。光は、発光ダイオード、レーザーダイオード、またはコリメータなどの指向性光源を使用することによって方向付けされうる。一部の実施形態では、光は、集束性およびコリメートされているか、または集束性および指向性でありうる。当然のことながら、全方向性光、指向性光、または集束光の使用は、用いられる検出スキームに依存しうる。用いられうる検出スキームのいくつかの例について、以下でより詳細に論じる。
【0036】
光源、またはフィルターは、エアロゾル形成基体を含む液体組成物によって吸収される光の波長に基づいて選択されうる。加えて、または別の方法として、光源によって放射される光を吸収する化合物を、液体組成物に添加して、液体組成物が放射光を吸収することを確実にしてもよい。
【0037】
エアロゾル形成基体を含む任意の適切な液体組成物を、本明細書に記載されるシステムと共に使用しうる。好適なエアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、たばこ、または加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。加えて、または別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体の例としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられる。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は液体エアロゾル形成基体であることが好ましい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は、グリセロール、プロピレングリコール、水、ニコチン、および随意に一つ以上の風味剤を含む。
【0038】
任意の適切な検出器が使用されうる。例えば、検出器は、フォトダイオードなどの光検出器であってもよい。検出器は、光源によって放射されるか、または用いられる場合はフィルターを通過する、光の波長を検出するように構成されている。光源およびフィルター(存在する場合)は、赤外線を放射して通過させ、検出器は赤外線を吸収することが好ましい。例えば、検出器は、約100nm~約1mmの範囲の波長を有する光を検出しうる。例えば、検出器は、約200nm~約25マイクロメートルの波長を有するか、または約500nm~約10マイクロメートル、もしくは約700nm~約4マイクロメートルの波長を有する光を検出してもよい。一部の実施形態では、検出器は、広い波長スペクトルにわたる光を検出することができるが、検出器に到達する光の波長は、光源およびフィルター(存在する場合)によって制限される。
【0039】
カートリッジは、液体組成物を通って検出器に移動した光を方向付けるための光ガイドを含んでもよい。例えば、カートリッジは、光を検出器に方向付けるために、コリメータ、ミラーまたは別の反射面、レンズなどを含みうる。光を検出器に方向付ける装置は、用いられる検出スキームに依存しうることが理解されよう。用いられうる検出スキームのいくつかの例について、以下でより詳細に論じる。
【0040】
液体組成物は、光源によって放射された光を吸収するため、検出器に到達する光の量は、光源によって伝達される光の量と比較して減少しうる。光源によって検出される光の減少は、カートリッジの貯蔵区画中の液体組成物の体積に比例することになる。
【0041】
既知または比較的変化しない濃度の化合物を含有すると見なされうるエアロゾル形成基体を含む液体組成物について、液体組成物による光の吸光度は、貯蔵タンク中の液体組成物を通した光の経路の長さに比例するはずである。従って、貯蔵区画中により多くの液体組成物が存在する場合、より多くの光が吸収され、検出器に到達する光がより少ないはずである。
【0042】
検出器は、カートリッジの貯蔵区画内の気液界面に反射する光を検出するために、光源に対して位置付けられ、配向されうる。こうした配向では、光は、光源から液体組成物を通って気液界面へと通過し、液体組成物を通って検出器に戻りうる。これは、光が検出器に到達するために移動する経路の長さを延ばす可能性があり、よってシステムの感度を増加させうる。一部の実施形態では、検出器は、液体組成物を通過して、気液界面を通過する光を検出するように、光源に対して位置付けられ、配向される。
【0043】
光源によって放射される光が検出器に到達しうることを条件として、検出器は、光源に対して任意の適切な様式で位置付けられ、配向されてもよい。検出器は、光源に対して貯蔵区画の反対側に隣接して位置してもよく、または光源と同じ側に隣接して位置してもよい。反射信号が検出器によって検出される場合、光源および検出器は同じ側に隣接してもよい。検出器は、光源と同じ貯蔵区画の側に、またはその上に位置付けられてもよい。光源および検出器の両方は、貯蔵区画の同じ側に、またはその上に位置付けられてもよい。光源および検出器の両方は、貯蔵区画の同じ側の近くに位置付けられてもよい。
【0044】
貯蔵区画は、貯蔵区画の底部から貯蔵区画の上部へ延びる長さを有する。貯蔵区画の「底部」は、システムの口側端から最も遠い貯蔵区画の表面であってもよい。光源は、貯蔵区画の上部または底部に隣接して位置してもよく、検出器は、貯蔵区画の上部または底部に隣接して位置してもよい。光源および検出器が、貯蔵区画の対向する上側および底側に隣接している場合、カートリッジは、光を検出器に方向付けるための光ガイドを含むことが好ましい。
【0045】
貯蔵区画は、貯蔵区画の底部から上部まで延びる周辺側壁を備える。光源および検出器が貯蔵区画の対向する上側および下側に隣接している場合、側壁の内部表面は、光源から放射された光、または存在する場合はフィルターを通過した光を反射することが好ましい。
光源および検出器は、貯蔵区画の上部と底部の間の貯蔵区画の側壁に隣接していてもよい。
【0046】
システムは、複数の光源および複数の検出器を備えてもよく、それらのそれぞれが、装置上にある時、またはカートリッジ上にある時、エアロゾル発生装置の電源および制御電子機器に動作可能に結合される。複数の光源および検出器の位置および配向は、変化してもよい。一部の実施形態では、光源は、上面または底面などの一つの表面に隣接して位置付けられ、配向されており、検出器は、同じ表面または対向する表面に隣接して位置付けられ、配向されている。一部の実施形態では、光源および検出器は、側壁の周りになど、貯蔵チャンバーの周辺の周りに位置付けられている。周辺の周りの光源および検出器の位置は、交互であってもよい。
【0047】
カートリッジの貯蔵区画の内部表面は、光源から放射された光、または存在する場合はフィルターを通過した光を反射または吸収しうる。完全な光検出またはほぼ完全な光検出を達成することが意図されている場合、貯蔵区画の内部表面は光を反射することが好ましい。完全な光検出またはほぼ完全な光検出が意図されている時、光源(複数可)は全方向性であってもよい。完全な光検出またはほぼ完全な光検出が意図されている時、システムは複数の検出器を含みうる。加えて、または別の方法として、システムは、光を検出器(複数可)に方向付けるための光ガイドを含んでもよい。
【0048】
光源および検出器が、貯蔵区画の同じ側に隣接して位置し、反射によって液体組成物による吸光度を検出するように構成されている場合、光源の反対側の貯蔵区画の表面は、光源から放射された光、または存在する場合はフィルターを通過した光を吸収することが好ましい。液体組成物が貯蔵区画を満たしている時に検出器によって受信される信号は、比較的低い場合があり、液体組成物が枯渇するにつれて増大する場合があり、光が対向する表面によって吸収され、よって検出器に再び反射されない場合があるため、貯蔵区画が空の時は本質的にゼロに達しうる。光源および検出器は、カートリッジがエアロゾル発生装置に受容された時に、貯蔵区画の同じ側に隣接して位置してもよい。
【0049】
装置および装置によって受容されるカートリッジは、光源および検出器が貯蔵チャンバー中の液体組成物の体積を決定するために起動される時に特定の配向にあることが望ましい場合がある。装置および装置に受容されるカートリッジの配向を決定するのを助けるために、装置は、電源および制御電子機器に動作可能に結合された慣性センサーを備えてもよい。任意の適切な慣性センサーを用いてもよい。例えば、慣性センサーは、加速度計、ジャイロスコープ、または加速度計およびジャイロスコープを含んでもよい。慣性センサーは1軸加速度計を含むことが好ましく、その軸は、貯蔵区画の長軸方向軸に沿っている。こうした加速度計は、重力による加速度の値を測定するので、傾斜計として使用されうる。加速度計がその軸に沿って1gの値を測定する時、貯蔵区画は、底部を下にして垂直位置に配向されるべきである。こうした配向は、光源および検出器が貯蔵タンクの上面または下面に隣接している時に好ましい場合がある。
【0050】
慣性センサーからの入力は、装置の傾斜角を決定するのに使用されてもよく、これは傾斜角に基づいて貯蔵区画中の液体組成物の体積を決定するのに使用されてもよく、光源および検出器のどの対を起動させるかなどを決定するために使用されうる。
【0051】
装置は、表示装置を備えてもよく、または表示のためにコンピュータまたは携帯スマートフォンなどの別の装置に情報を送信するように構成されてもよい。表示装置は、貯蔵区画中の液体組成物の体積または充填レベルを決定する前に、装置を特定の配向に配向するよう消費者に警告してもよい。例えば、表示装置は、消費者に、装置を垂直で底部を下にした方向に置くよう指示するか、または装置を垂直で底部を下にした方向に配向するように構成された基部に装置を置くように指示しうる。装置が慣性センサーを含む場合、装置が適正な配向になると、光源および検出器が起動されうる。加えて、または別の方法として、装置が適正に配向されていること、および体積または充填レベルの感知を開始しうることをユーザーが示すことを可能にする制御電子機器に動作可能に結合された入力を装置は備えてもよい。
【0052】
一部の好ましい実施形態では、システムは、単一の光源と、貯蔵区画の底部に隣接した単一の検出器とを含む。装置またはカートリッジは、光源および検出器を備えてもよい。装置、および装置によって受容される貯蔵区画は、光源および検出器が起動されて、貯蔵タンク中の液体組成物の体積または充填レベルを測定する時、垂直で底部を下にした方向に配向されることが好ましい。光源、検出器、および光源から検出器への光を反射しうる貯蔵区画中の液体組成物の気液界面は、三角形の関係に配向されることが好ましい。装置は、慣性センサーを備えるか、または消費者に、装置を垂直で底部を下にした配向に置くよう警告することができることが好ましい。垂直で底部を下にした配向が検出または示されると、光源および検出器が起動されうる。検出器によって受容される光の量は、制御電子機器によって使用されて、貯蔵区画中の液体の体積または貯蔵区画の充填レベルを決定しうる。貯蔵区画の上部内表面は、貯蔵区画から放射される光を吸収することが好ましい。例えば、上部内表面は黒色であってもよい。
【0053】
液体組成物が貯蔵区画を満たしている時に検出器によって受信される信号は、液体組成物による光の吸収のために比較的低い場合があり、液体組成物が枯渇するにつれて増大する場合があり、光が対向する表面によって吸収され、よって検出器に再び反射されない場合があるため、貯蔵区画が空の時は本質的にゼロに達しうる。
【0054】
一部の場合、少量の液体組成物が貯蔵区画に残っている場合、光源から放射される信号は、反射角が大きすぎるため、検出器に到達しない場合がある。このような場合、検出器によって検出される信号は、空の貯蔵区画の信号と類似しうる。すなわち、信号は本質的にゼロに達しうる。システムは、このような場合に相補的プロセスを開始し、貯蔵区画が空であるか、または少量の液体組成物が貯蔵区画に残っているかを検証しうる。相補的プロセスには、装置を垂直で底部を上にした配向へ反転させるよう消費者に指示することが含まれ、これは、残りの液体を、底部に配向される貯蔵区画の上部に位置させる。光源および検出器は、起動されてもよい。少量の液体組成物が貯蔵区画中にある場合、光の一部は、気液界面に反射して検出器に戻り、これが信号を受信する。液体組成物が貯蔵区画に残っていない場合、光は貯蔵区画の上部によって吸収され、検出によって信号は本質的に検出されない。よって、相補的プロセスによって信号が検出された場合、少量の液体組成物が貯蔵区画に残っていると判定することができ、相補的プロセスによって信号が検出されない場合、貯蔵区画に液体組成物が残っていないと判定することができる。
【0055】
一部の好ましい実施形態では、システムは複数の光源を備え、検出器は、交互の様式で貯蔵区画の周辺の周りに位置付けられている。例えば、貯蔵区画が円筒形である場合、光源および検出器は、貯蔵区画の周辺の周りにリングを形成しうる。交互の光源および検出器の複数のリングは、貯蔵区画の周辺の周りに配置されてもよい。検出スキームは、光源から気液界面に反射して検出器への光の反射に基づくことが好ましい。光源は、検出器によって受容される光が測定されて、光源および、光が検出器に到達する前に液体組成物を通過するように配向された少なくとも一つの検出器を識別する間、連続的に起動されうる。検出器に到達する光の量は、光が液体組成物を通過しない場合、液体組成物による光の吸光度のために、光が液体組成物を通過する時に検出器に到達する光の量よりも大きい。液体組成物を通過する光を示す一つ以上の検出信号を使用して、貯蔵区画中の液体組成物の体積または貯蔵区画中の液体組成物の充填レベルを決定しうる。
【0056】
一部の好ましい実施形態では、システムは、貯蔵区画の底部または上部に隣接した光源と、貯蔵区画の底部に隣接した検出器とを備え、光源および検出器は対向する表面に隣接している。装置は、慣性センサーを備えるか、または消費者に、装置を垂直で底部を下にした配向に置くよう警告することができることが好ましい。垂直で底部を下にした配向が検出または示されると、光源および検出器が起動されうる。検出器によって受容される光の量は、制御電子機器によって使用されて、貯蔵区画中の液体の体積または貯蔵区画の充填レベルを決定しうる。エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素が貯蔵区画を通した上部から底部へまたは底部から上部への光の伝達を妨害しないような構成で貯蔵区画の側壁に沿って、かつ側壁の外部に位置付けられてもよい。エアロゾル発生要素は、貯蔵区画の側壁の一部分を形成しうる。エアロゾル発生要素およびそれに沿ってエアロゾル発生要素が位置付けられている側壁の部分は、貯蔵区画中の液体組成物に対して透過性であることが好ましい。例えば、エアロゾル発生要素は多孔性であってもよい。エアロゾル発生要素は発熱体を含むことが好ましい。カートリッジは、吸入のために消費者にエアロゾルを送達するための気流経路の一部分を形成しうる、エアロゾル発生要素とカートリッジの壁との間のチャネルを備えてもよい。
【0057】
一部の好ましい実施形態では、システムは、貯蔵区画の底部または上部に隣接した光源と、貯蔵区画の底部に隣接した検出器とを備え、光源および検出器は対向する表面に隣接している。システムは、一方の側に複数の光源を、他方の側に複数の検出器を備えてもよい。貯蔵区画の内表面は、光源(複数可)によって放射された光を反射することが好ましい。カートリッジは、光を検出器(複数可)に方向付けるための光ガイドを含んでもよい。加えて、または別の方法として、光源(複数可)は全方向性であってもよい。エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素が貯蔵区画を通した上部から底部へまたは底部から上部への光の伝達を妨害しないような構成で貯蔵区画の側壁に沿ってかつ側壁の外部に位置付けられてもよい。エアロゾル発生要素は、貯蔵区画の側壁の一部分を形成しうる。エアロゾル発生要素およびそれに沿ってエアロゾル発生要素が位置付けられている側壁の部分は、貯蔵区画中の液体組成物に対して透過性であることが好ましい。例えば、エアロゾル発生要素は多孔性であってもよい。エアロゾル発生要素は発熱体を含むことが好ましい。カートリッジは、吸入のために消費者にエアロゾルを送達するための気流経路の一部分を形成しうる、エアロゾル発生要素とカートリッジの壁との間のチャネルを備えてもよい。
【0058】
一部の好ましい実施形態では、システムは、光源と、貯蔵区画の底部に隣接した検出器とを含む。装置またはカートリッジは、光源および検出器を備えてもよい。システムは、複数の光源と、貯蔵区画の底部に隣接した複数の検出器とを備えてもよい。装置は、慣性センサーを備えてもよく、または消費者に、装置を垂直で底部を下にした配向に置くよう警告することが可能であってもよい。垂直で底部を下にした配向が検出または示されると、光源および検出器が起動されうる。貯蔵区画の上部内表面は、貯蔵区画から放射される光を吸収することが好ましい。制御電子機器は、すべての光源を同時に起動するように構成されてもよく、すべての検出器から同時に入力を受信するように構成されてもよい。
【0059】
光が放射され、検出される方法にかかわらず、検出器によって検出される信号は、吸収法則、既知の濃度の既知の成分を有する液体組成物の既知の体積を使用した較正に基づいて、または吸収法則および既知の濃度の既知の成分を有する液体組成物の既知の体積を使用した較正に基づいて評価されてもよい。制御電子機器は、変換テーブルが受信した信号と液体組成物レベルの相互関係を示すメモリを含みうる。加えて、または別の方法として、制御電子機器は、液体充填レベルを判定するために、検出された信号(複数可)に関する情報を、コンピュータまたは携帯スマートフォンなどの外部装置に提供するトランスミッタを含んでもよい。
【0060】
エアロゾル発生装置の制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラ、またはメモリとコントローラを含んでもよい。コントローラは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0061】
ここで本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかしながら、当然のことながら図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかしながら、当然のことながら、所与の図において一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、エアロゾル発生システムの一例の概略図である。
図2図2は、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジの実施形態の貯蔵区画および加熱組立品の拡大図の概略図である。
図3図3は、エアロゾル発生装置のカートリッジならびに光源および検出器の例の概略図である。
図4A図4Aは、カートリッジ、およびカートリッジを受容するように構成されたエアロゾル発生装置の例の概略図である。
図4B図4Bは、図4Aのエアロゾル発生装置のカートリッジならびに光源および検出器の水平方向での断面を示す概略図である。
図5図5は、エアロゾル発生装置の部分のセクションおよび装置によって受容されたカートリッジを示す概略図である。
図6図6は、エアロゾル発生装置の部分のセクションおよび装置によって受容されたカートリッジを示す概略図である。
図7図7は、複数の光源および複数検出器ならびに一つの貯蔵区画を含むカートリッジの一部分を示す概略図である。
図8図8は、一つの光源および一つの検出器ならびに一つの貯蔵区画を含むカートリッジの一部分を示す概略図である。
図9図9は、複数の光源および複数の検出器ならびに一つの貯蔵区画を含むカートリッジの一部分を示す概略図である。
図10図10は、一つの光源および一つの検出器ならびに一つの貯蔵区画を含むカートリッジの一部分を示す概略図である。
【0063】
ここで図1を参照すると、エアロゾル発生システム1は、二つの主構成要素、すなわちカートリッジ100およびエアロゾル発生装置300を含む。カートリッジ100は、口側端101から接続端115に延びる。カートリッジ100は、エアロゾル発生装置300の対応する接続端315に取り外し可能に接続されている。エアロゾル発生装置300は、電池310などの電源、および制御電子機器320、ならびに任意の関連付けられた電子回路(例えば、導電体、およびハウジングを通って延びる接点)が中に配置されているハウジング305を包含する。エアロゾル発生システム1は携帯型であってもよく、また従来の喫煙物品(葉巻たばこまたは紙巻たばこなど)に匹敵するサイズを有してもよい。
【0064】
カートリッジ100は、エアロゾル発生要素を収容するハウジング105を含み、この場合、電気抵抗性のある発熱体と、エアロゾル形成基体131を含む液体組成物が保持されている貯蔵区画103とを含むヒーター組立品120を備える。図1に描写するように、カートリッジ100がエアロゾル発生装置300に接続された時など、カートリッジ100がエアロゾル発生装置300によって受容された時、ヒーター要素が起動されて液体組成物131を加熱しうるように、ヒーター要素は制御電子機器320および電源310に動作可能に結合されている。ヒーター組立品120は、高保持材料および搬送材料(図示せず)を含んでもよく、高保持材料は、液体組成物131と接触しており、搬送材料は、高保持材料および発熱体と接触する。
【0065】
気流通路(図示せず)は、ハウジング105の側面上に形成された空気吸込み口(図示せず)から、ヒーター組立品120を通り過ぎ、そしてヒーター組立品120から、ハウジング105の口側端101に形成されたマウスピース開口部へと、カートリッジ100を通って延びる。
【0066】
システムは、ユーザーがカートリッジ100の口側端101を吸煙するかまたは吸って、エアロゾルをシステム1から引き出すことができるように構成されている。システム1が起動された時、制御電子機器320は、電池310からカートリッジ100への電力の供給を制御する。制御電子機器320は気流センサー(図示せず)を含んでもよく、また、ユーザーがカートリッジ100を吸煙した時、気流センサーによって検出されるので、ヒーター組立品120の発熱体に電力を供給してもよい。別の方法として、システム1は、ボタンを押すことによって、または別の類似した方法で起動されてもよい。システム1が起動されると、ヒーター組立品120の発熱体が起動し、よって搬送材料を加熱し、液体エアロゾル形成基体131を高保持材料からヒーター要素に吸い出す。ヒーター要素120は、液体エアロゾル形成基体131を加熱し、気流通路を通過して気流に同伴されるベイパーを発生する。ベイパーは通路中の気流内で冷めてエアロゾルを形成し、次いでこれは口側端101の開口部を通してユーザーの口の中に引き出される。
【0067】
カートリッジ100は、光源160と、貯蔵区画103の底部に隣接した貯蔵区画103の中に延びる光検出器165とを備える。光源160および光検出器165は、カートリッジ100の内部に対して密封されてもよい。光源160および光検出器165は、カートリッジ100が装置300によって受容される時、接点(図示せず)を通して制御電子機器320および電源310に電気的に結合する。制御電子機器320は、光を貯蔵区画130の中に放射するように位置付けられ配向された光源160を起動させるように構成され、検出器165から信号を受信するように構成されており、検出器は、貯蔵区画103中の液体組成物131と空気170の間に形成された気液界面173に反射する光源160から放射される光を検出するように位置付けられ、構成されている。カートリッジ100は、光源160から検出器167に放射される光の直線伝達を防止するための光遮断要素162、167を備える。カートリッジの貯蔵区画130またはハウジング150を画定する壁は、外部光が光検出感知システムを妨げないように、光に対して不透明である。
【0068】
貯蔵区画103が垂直で底部を下にした配向(図1に図示)に位置付けられるように装置300が配向されている時、光源160と、気液界面173と、検出器165との間に二等辺三角形が形成されるように、貯蔵区画103は形成されている。図1に示す実施形態では、貯蔵区画103の内部表面は、光源160によって放射された光を吸収することが好ましい。例えば、貯蔵区画103の内部表面は黒色であってもよい。しかしながら、貯蔵区画103の内部表面が放射光を反射する場合、感知システムは適正に機能することが予期されるであろう。
【0069】
図2は、カートリッジの貯蔵区画103の拡大図である。貯蔵区画103は、長軸方向軸A、底部内表面182、上部内表面184、および底部182から上部184へ延びる側壁186を有する。エアロゾル発生基体を含む液体組成物131は、貯蔵区画103中に保持され、加熱組立品120と連通している。気液界面173は、貯蔵区画103中の液体組成物131と空気170の間に形成される。
【0070】
光源160および光検出器165は、底面182に隣接した貯蔵区画103の中に延びる。図示するように、光源160から放射される光は、検出器165に方向付けられるために長軸方向軸Aに沿って気液界面173に反射してもよい。反射光の経路は、基部として光源160および検出器165、および等しい長さの2つの側面11、12を有する二等辺三角形を形成する。光が移動する経路長さは、液体組成物131によって吸収される光および検出器165で検出された信号に比例するはずである。
【0071】
図3は、カートリッジおよび装置の実施形態の一部の構成要素を示す。カートリッジは、口側端101を形成し、貯蔵区画103を含むハウジング105を備える。エアロゾル形成基体を含む液体組成物131は、貯蔵区画130中に配置されている。気液界面173は、貯蔵区画103中の液体組成物131と空気170の間に形成される。貯蔵区画103は、底部に隣接した第一の窓108および第二の窓109を含む。第一の窓108および第二109の窓は、光源165から放射される光に対して透明である。光源165および検出器160は、エアロゾル発生装置の一部である。カートリッジが装置によって受容された時、光源165は、第一の窓108を通して貯蔵区画103の中に光を伝達するように位置付けられ、配向されていて、検出器165は、第二の窓109を通過した放射光を検出するように位置付けられ、配向されている。検出器165は、気液界面173に反射する光を検出するように位置付けられている。
【0072】
ヒーター組立品120は、貯蔵区画103の底部の下にある。しかし、ヒーター組立品は、任意の他の適切な位置に位置付けられてもよい。
【0073】
図4Aは、カートリッジ100と、カートリッジ100を受容するように構成されたエアロゾル発生装置300とを備えるシステムを示す。カートリッジ100が装置300によって受容された時、交互の光源160および検出器165のリング169がカートリッジ100の貯蔵区画103の周辺を囲むように、エアロゾル発生装置300は、交互の光源160および検出器165のリング169を備える。カートリッジ100は、カートリッジ100が装置300によって受容された時に、装置300の電源および制御電子機器と動作可能に結合するヒーター組立品120を含む。カートリッジ100は、消費者の口に挿入するための口側端101を形成する。エアロゾル形成基体を含む液体組成物131は、貯蔵区画103中に配置されている。気液界面173は、貯蔵区画103中の液体組成物131と空気170の間に形成される。側壁、またはその一部は、光源160によって放射される光に対して透明であり、光源160からの光が貯蔵区画103に入ることを可能にし、放射光が貯蔵区画103を出て検出器165に到達することを可能にする。光源は全方向性であることが好ましい。
【0074】
図4Bでは、装置およびカートリッジは、貯蔵区画103中の液体組成物131と空気170の間に形成された気液界面173が、貯蔵区画103の長軸方向軸と平行に延びるように水平に位置付けられている。この構成では、光源160および検出器165の一部は、液体組成物131のレベルより上にあり、一部は、液体組成物131より下にある。検出器で受信された信号に基づいて、液体組成物131のレベルより下の光源160および検出器165の少なくとも一対を識別するために、検出器165で光が検出される間、光源160は順次起動されうる。こうした対のうちの一つ以上を使用して、貯蔵区画103中の液体組成物131の充填レベルまたは体積を決定しうる。当然のことながら、液体組成物の充填レベルまたは体積は、装置およびカートリッジが類似のプロセスを使用して異なる配向にある時にも検出されうる。
【0075】
図5では、カートリッジ100は、エアロゾル発生装置300によって受容されている。装置ハウジング300は、カートリッジ100を受容するためのくぼみを画定するハウジング305を有する。カートリッジ100は、貯蔵区画130およびヒーター組立品120を備える。ヒーター組立品120が、貯蔵区画103の底部から上部への貯蔵区画103を通した光の伝達を妨げないように、ヒーター組立品120は、貯蔵区画103の側壁に沿って位置付けられている。エアロゾル形成基体を含む液体組成物131は、貯蔵区画103中に配置され、気液界面173は、貯蔵区画103の液体組成物131と空気170の間に形成される。
【0076】
通路400は、発熱体120とエアロゾル発生装置300のハウジング305の間に形成される。通路400は、気流経路の一部分を形成して、吸入のためにエアロゾルを消費者に運ぶ。
【0077】
光160および検出器165は、貯蔵区画103の外側に位置付けられている。従って、貯蔵区画は上部および底部に透明な部分を備え、光源160から放射された光が貯蔵区画130を通って検出器165に到達することを可能にする。
【0078】
図6で、エアロゾル発生装置300およびカートリッジ100は、図5に図示されかつそれに関して論じられたものと類似しており、類似の構成要素は類似の番号で標識されている。図6で、カートリッジ100は、光ガイド460および465を含む。貯蔵区画103の底部にある光ガイド460は、光源160から放射された光を、カートリッジの底面全体へと、貯蔵区画の長軸方向軸に概して平行な方向に放射するように構成されている。光ガイド460は、概して放物線状であり、表面の光ガイド460に当たる光源160からの光がカートリッジ100の長さに対して概して平行に反射されるように、光を反射する。貯蔵区画103の上部にある光ガイド465は、貯蔵区画103の上部を通って伝達される実質的にすべての光を検出器165に方向付けるように構成されている。光ガイド465は概して放物線状であり、光ガイド465の表面に衝突する光は検出器165に向かって反射される。一部の例(図示せず)では、検出器は、検出のために光を中心に反射する放物線状の光ガイドの内部中心に、またはその近くに位置付けられうる。
【0079】
エアロゾル発生装置300は、貯蔵区画103中の液体組成物131の体積または充填レベルをより正確に決定するために、充填レベルまたは体積の割合に対する総信号振幅を特徴付ける配向を決定するための慣性センサーを含んでもよい。図7では、カートリッジは、複数の光源160と、貯蔵区画103の底部に隣接した検出器165とを交互に含む。光源160および検出器165をカートリッジの同じ側に有することは、電子構成要素を一つの側に制限するため、より実用的な設計が提供される。検出器165は、貯蔵区画103中のエアロゾル形成基体を含む液体組成物131と空気170の間に形成された気液界面173に反射する光を検出するように位置付けられ、配向されている。明確にするために、光は、二つの光源160からのみ放射されるものとして示されているが、任意の数の光源から放射されうる。検出器165のすべてによって受信される信号は、液体組成物131の充填レベルまたは体積を決定するために合計されてもよい。合計として、検出器165によって検出された信号は、配向が既知である場合に液体の体積を決定する簡単な方法を提供する。しかし、検出器165によって受信されたデータは、液体の体積を決定するための他の方法で評価されてもよい。
【0080】
図8では、カートリッジは、貯蔵区画103の底部に隣接して位置付けられた光源160および検出器165を含む。分離壁169は、光源160と検出器165の間に位置付けられている。検出器165は、貯蔵区画103中のエアロゾル形成基体を含む液体組成物131と空気170の間に形成された気液界面173に反射する光を検出するように位置付けられ、配向されている。貯蔵区画の内部表面は、光源によって放射される光を反射する。図8のカートリッジは、シンプルさの利点を有する。広い放射角を有する光源160は一つのみであり、検出器165は一つのみである。高い放射角では、検出器165は、一つの光源160のみを使用して、すべての配向で信号を受信することができる。加えて、光源160および検出器165は、装置の同じ側にあり、これも設計を単純化する。
【0081】
図9では、カートリッジは、貯蔵区画103の底部に隣接して位置付けられた複数の光源160と、貯蔵区画103の上部に隣接して位置付けられた複数の検出器165とを含む。検出器165は、光源160から貯蔵区画103を通って底部から上部へ放射される光を検出するように位置付けられ、配向されている。既知の配向については、受信されたすべての信号の合計と液体の充填体積との間に関係がある。図9のカートリッジは、気液界面173を通って伝達される光の信号を測定するように構成されており、これは装置がカートリッジの上部および底部を囲む場合に適している場合がある。
【0082】
図10では、カートリッジは、貯蔵区画103の底部に隣接して位置付けられた一つの光源160と、貯蔵区画103の上部に隣接して位置付けられた一つの検出器165とを含む。検出器165は、光源160から貯蔵区画103を通って底部から上部へ放射される光を検出するように位置付けられ、配向されている。光源は全方向性である。貯蔵区画103の内部表面は、光源160によって放射される光を反射する。既知の配向については、受信されたすべての信号の合計と液体の充填体積の間に関係がある。図10のカートリッジは、気液界面173を通って伝達される光の信号を測定するように構成されていて、これは装置がカートリッジの上部および底部を囲む場合に適している場合がある。
【0083】
本明細書で使用されるすべての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0084】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0085】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「または」という用語は概して、「および/または」を含む意味で用いられるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0086】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「備える(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0087】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一のまたはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【0088】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0089】
上記に例示された実施形態は限定するものではない。上述の実施形態と一貫性のある他の実施形態が、当業者に明らかであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10