(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】円形外科用ステープラのためのアンビル及びMIMによる関連付けられた製造方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/115 20060101AFI20240527BHJP
B22D 17/00 20060101ALI20240527BHJP
B22D 17/22 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A61B17/115
B22D17/00
B22D17/22 Z
(21)【出願番号】P 2021538249
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 IB2019060822
(87)【国際公開番号】W WO2020141381
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-11-24
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ナラガトラ・アニル・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(72)【発明者】
【氏名】グプタ・アミット
(72)【発明者】
【氏名】アチャリヤ・サンビット・クマール
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/197594(WO,A1)
【文献】米国特許第05308576(US,A)
【文献】中国実用新案第204542260(CN,U)
【文献】特開2012-239908(JP,A)
【文献】特開平05-200038(JP,A)
【文献】特開2011-041798(JP,A)
【文献】特表2005-505336(JP,A)
【文献】特開平05-212041(JP,A)
【文献】特開平08-289895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068 - 17/072
17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用円形ステープラのアンビルを製造する方法であって、前記アンビルが、ヘッドと、前記ヘッドから近位側に延在する柄と、を含み、前記方法が、
(a)金属射出成形プロセスを使用して
前記アンビルの前記ヘッドを成形することと、
(b)
前記アンビルの前記ヘッド内にステープル成形ポケットの環状配列を成形することと、
(c)前記
アンビルの前記柄を機械加工することと、
(d)
前記アンビルの前記柄を前記アンビルの前記ヘッドの中央開口部から挿入することと、
(e)キャップを前記アンビルの前記ヘッド上にオーバーモールドして、前記キャップと前記ヘッドとの間に前記柄のフランジを捕捉することにより、前記
アンビルの前記ヘッド及び前記柄を共に連結することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記柄を機械加工する前に、金属射出成形プロセスを使用して前記柄を成形することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属射出成形プロセスを使用して前記ヘッドを成形した後に、前記ヘッドの少なくとも一部分を機械加工することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属射出成形プロセスを使用して前記ヘッドを成形すること及び前記ヘッド内に前記ステープル成形ポケットの環状配列を成形することが、同時に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属射出成形プロセスを使用して前記ヘッドを成形することが、前記ヘッド内に前記ステープル成形ポケットの環状配列を成形する前に生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属射出成形プロセスを使用して前記ステープル成形ポケットの環状配列を成形した後に、前記方法が、前記ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの少なくとも一部分を圧印加工すること又は電気化学的に機械加工することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
圧印加工された又は電気化学的に機械加工された前記一部分が、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない別の部分よりもより滑らかかつより密度が高い、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
圧印加工された又は電気化学的に機械加工された前記一部分が、前記ステープル成形ポケットの環状配列の
前記少なくとも1つのステープル成形ポケットの中央部分である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記
フランジが、前記柄の遠位端から径方向外側に延在す
る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ヘッドを成形することが、遠位外面と、前記遠位外面の近位側に配設されている遠位凹部分と、を含むように前記ヘッドを成形することを更に含み、前記遠位凹部分が、前記柄の前記フランジを受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フランジが、対向する近位表面及び遠位表面を含み、前記ヘッドを前記柄と連結することが、前記フランジの前記近位表面を前記ヘッドの前記遠位凹部分と接触させることを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フランジの前記近位表面を前記ヘッドの前記遠位凹部分と接触させることが、前記ヘッドの前記遠位外面が前記フランジの前記遠位表面
と同一平面上にあるように、前記フランジの前記近位表面を前記ヘッドの前記遠位凹部分と接触させることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記キャップが、少なくとも1つの近位側に面する突起を含み、前記ヘッドが、
前記少なくとも1つの近位側に面する突起に対応する少なくとも1つ
の凹部を含み、前記キャップを前記ヘッドと連結することが、前記少なくとも1つの近位側に面する突起を前記少なくとも1つの凹部に挿入することを更に含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項14】
前記キャップが近位表面を含み、前記近位表面の直径が、前記ヘッドの前記遠位外面の直径と同一である、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の外科手術(例えば、大腸外科手術、肥満外科手術、胸部外科手術など)において、患者の消化管の一部分(例えば、胃腸管及び/又は食道など)は、望ましくない組織を除去するために又はその他の理由によって、切除される場合がある。組織を取り除いた後、端々吻合、端側吻合又は側側吻合により、消化管の残りの部分を相互に連結することができる。吻合により、吻合部位から、いかなる種類の漏れを生じることもなく、消化管の1つの部分から消化管の他の部分へと実質的に遮るもののない流路を与えることができる。
【0002】
吻合を提供するために用いられ得る器具の1つの例として、円形ステープラがある。いくつかのそのようなステープラは、組織の層を挟み、挟んだ組織の層を切断し、かつ挟んだ組織の層を貫通してステープルを打ち込み、組織の層を切断した端部の近傍で組織を実質的に相互に封止して、解剖学的管腔の切断された2つの端部を接合するように動作可能である。円形ステープラは、組織を切断し、かつ実質的に同時にその組織を封止するように構成することができる。例えば、円形ステープラは、吻合においてステープルの環状配列に対して内側である余分な組織を切断して、吻合で接合される解剖学的管腔部間の実質的に滑らかな移行を提供し得る。円形ステープラは、観血手術において、又は内視鏡手術において用いられ得る。いくつかの例では、円形ステープラの一部分を、患者の身体に元々ある開口部を貫通して挿入する。
【0003】
円形ステープラの例は、1993年4月27日に発行された米国特許第5,205,459号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;1993年12月21日に発行された米国特許第5,271,544号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;1994年1月4日に発行された米国特許第5,275,322号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;1994年2月15日に発行された米国特許第5,285,945号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;1994年3月8日に発行された米国特許第5,292,053号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;1994年8月2日に発行された米国特許第5,333,773号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;1994年9月27日に発行された米国特許第5,350,104号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;1996年7月9日に発行された米国特許第5,533,661号、発明の名称「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」;及び2014年12月16日に発行された米国特許第8,910,847号、発明の名称「Low Cost Anvil Assembly for a Circular Stapler」に記載されている。上に引用した米国特許の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
一部の円形ステープラは、電動作動機構を含み得る。電動作動機構を備えた円形ステープラの例は、2015年3月26日に公開され、現在は放棄されている米国特許出願公開第2015/0083772号、発明の名称「Surgical Stapler with Rotary Cam Drive and Return」;2015年3月26日に公開された米国特許出願公開第2015/0083773号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument With Drive Assembly Having Toggle Features」(現在は、2018年4月10日に発行された米国特許第9,936,949号);2015年3月26日に公開された米国特許出願公開第2015/0083774号、発明の名称「Control Features for Motorized Surgical Stapling Instrument」(現在は、2018年3月6日に発行された米国特許第9,907,552号);2015年3月26日に公開された米国特許出願公開第2015/0083775号、発明の名称「Surgical Stapler with Rotary Cam Drive」(現在は、2017年7月25日に発行された米国特許第9,713,469号)に記載されている。上に引用した米国特許出願公開の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にこの技術を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下のある特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
【
図2】バッテリパックがハンドルアセンブリから取り外され、アンビルがステープル留めヘッドアセンブリから取り外された状態で、
図1の円形ステープラを描いた斜視図である。
【
図3】
図1の円形ステープラのアンビルの斜視図である。
【
図6】
図1の円形ステープラのステープル留めヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図7】
図6のステープル留めヘッドアセンブリの内側本体部材の斜視断面図である。
【
図8】
図1の円形ステープラに組み込んでもよい第1の例示的な代替的アンビルの斜視図である。
【
図9】アンビルが柄と、ヘッドと、キャップと、を含む、
図8のアンビルの分解斜視図である。
【
図10】ヘッドがステープル成形ポケットの環状配列を含む、
図8のアンビルの柄及びヘッドの分解斜視図である。
【
図11】
図10のヘッドの斜視図であるが、ステープル成形ポケットの環状配列はまだ成形されていない。
【
図13A】圧印加工される又は電気化学的に機械加工される前のステープル成形ポケットを示す。
【
図13B】
図13Aのステープル成形ポケットを示すが、圧印加工された又は電気化学的に機械加工された後である。
【
図16】圧印加工された又は電気化学的に機械加工された後の
図13Bの個々のステープル成形ポケットの環状配列を示す。
【
図17】圧印加工された又は電気化学的に機械加工された後の個々のステープル成形ポケットの別の環状配列を示す。
【
図18】
図1の円形ステープラに組み込んでもよい第2の例示的な代替的アンビルの斜視分解図を示す。
【
図19】
図1の円形ステープラに組み込んでもよい第3の例示的な代替的アンビルの斜視分解図を示す。
【
図20】
図1の円形ステープラに組み込んでもよい
図8のアンビルの例示的な製造方法を示す。
【0007】
図面は、いかなる方法でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方法で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0009】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0010】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義する。「近位」という用語とは、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。「遠位」という用語とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。加えて、「第1の」及び「第2の」という用語は、本明細書では、外科用器具の1つ又は2つ以上の部分を区別するために使用される。例えば、第1のアセンブリ及び第2のアセンブリは、代替的にかつそれぞれ、第2のアセンブリ及び第1のアセンブリとして記載されてもよい。「第1の」及び「第2の」という用語、並びに他の数字表記は、そのような用語の単なる例示であり、本明細書に記載される発明を不必要に限定することを意図していない。
【0011】
I.例示的な外科用円形ステープル留め器具の概要
A.例示的な円形ステープル留め外科用器具
図1~
図2は、患者の消化管の一部位のような解剖学的内腔の2つの断面どうしの間で、端々吻合、側側吻合又は端側吻合を提供するために用いられ得る、例示的な外科用の円形ステープル留め器具(10)を示す。本実施例の器具(10)は、ハンドルアセンブリ(100)、シャフトアセンブリ(200)、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)、及びアンビル(400)を備える。ハンドルアセンブリ(100)は、斜めに向けられたピストルグリップ(112)を画定する、ケーシング(110)を備える。一部の変形形態では、ピストルグリップ(112)は、垂直方向に向けられている。一部の他の変形形態では、ピストルグリップ(112)は省略されている。ハンドルアセンブリ(100)は、以下に詳述するように、移動可能なインジケータ針(図示せず)を視ることを可能にするユーザフィードバック特徴部(114)を更に含む。一部の変形形態では、インジケータ針の視覚的コンテキストを提供するために、一連のハッシュマーク、着色領域、及び/又は他の固定インジケータがユーザフィードバック特徴部(114)に隣接して位置付けられている。
【0012】
器具(10)は、バッテリパック(120)を含む。バッテリパック(120)は、ピストルグリップ(112)内のモータ(160)に電力を供給するように動作可能である。特に、
図1~
図2に示すように、バッテリパック(120)は、ケーシング(110)によって画定されるソケット(116)の中に挿入され得る。バッテリパック(120)がソケット(116)内に完全に挿入された後、バッテリパック(120)のラッチ(122)が弾性的にケーシング(110)の内側特徴部に係合して、スナップ嵌めされ得る。なお、バッテリパック(120)及びハンドルアセンブリ(100)は、補完的な電気的接点、ピン及びソケット、並びに/又は、バッテリパック(120)がソケット(116)内に挿入された場合に、バッテリパック(120)からハンドルアセンブリ(100)内の電動部品への電気的通信用の経路を提供するその他の特徴部を有し得るということが理解されるはずである。シャフトアセンブリ(200)は、ハンドルアセンブリ(100)から遠位側に延在し、予め成形された屈曲部を含む。一部の変形形態では、予め成形された屈曲部は、患者の大腸内にステープル留めヘッドアセンブリ(300)を位置付けることを容易にするように構成されている。使用できる様々な好適な曲がり角度又は曲率半径が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0013】
ステープル留めヘッドアセンブリ(300)が、シャフトアセンブリ(200)の遠位端に配置される。
図1~
図2に示すように、アンビル(400)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)に隣接して、シャフトアセンブリ(200)と取り外し可能に連結するように構成されている。アンビル(400)及びステープル留めヘッドアセンブリ(300)は協働して、組織を挟む、組織を切断する、及び組織をステープル留めするといった3通りの方法で組織を操作するように構成されている。ハンドルアセンブリ(100)の近位端に設けられたノブ(130)は、ケーシング(110)に対して回転可能であり、アンビル(400)とステープル留めヘッドアセンブリ(300)との間で、組織を正確に挟むことができるようになっている。ハンドルアセンブリ(100)の安全トリガー(140)が、ハンドルアセンブリ(100)の発射トリガー(150)から遠ざかるように枢動した場合、発射トリガー(150)は、組織が切断されステープル留めされるように作動され得る。
【0014】
A.例示的なアンビル
図3~
図5に示されるように、アンビル(400)は、ヘッド(410)と、柄(420)と、を含む。ヘッド(410)は、ステープル成形ポケット(414)の環状配列を画定する近位表面(412)を含む。ステープル成形ポケット(414)は、本実施例では同心の2列の環状配列に配置される。一部の他の変形形態では、ステープル成形ポケット(414)は、同心状の3列以上の列の環状配列で配置される。ステープル成形ポケット(414)は、ステープルがステープル成形ポケット(414)内に打ち込まれると、ステープルを変形させるように構成されている。例えば、各ステープル成形ポケット(414)は、当該技術分野では既知のように、概ねU字形状のステープルを、B字形状に変形し得る。
図4に最もよく示されるように、近位表面(412)は内縁部(416)で終焉し、それによって柄(420)の周りを囲む環状凹部(418)の外側の境界線が画定される。
【0015】
柄(420)は孔(422)を画定し、孔(422)内に位置付けられた一対の枢動ラッチ部材(430)を含む。
図5に最もよく見られるように、各ラッチ部材(430)は、T字形状の遠位端(432)と、丸みのある近位端(434)と、近位端(434)に対して遠位側に位置するラッチシェルフ(436)と、を含む。T字形状の遠位端(432)が、ラッチ部材(430)を孔(422)内に固定する。ラッチ部材(430)は、遠位端(434)が、柄(420)の側壁を貫通して成形される横方向開口部(424)の近位端に位置付けられるように孔(422)内に位置付けられている。このようにして横方向開口部(424)は、遠位端(434)とラッチシェルフ(436)に対して、柄(420)によって画定される長手方向軸線から、径方向外側に反ることができるようにするクリアランスを提供する。しかしながら、ラッチ部材(430)は、遠位端(434)及びラッチシェルフ(436)を、柄(420)によって画定される長手方向軸線に向かって径方向内側に枢動するように、弾性的に付勢するように構成されている。このようにしてラッチ部材(430)は、保持クリップとして動作する。このことにより、後で詳しく説明するように、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)のトロカール(330)に、アンビル(400)が取り外し可能に固定されるのが可能とされる。柄(420)がトロカール(330)に固定され、トロカール(330)が近位側に後退されると、本体部材(310)の内側芯部材(312)内の孔(314)の内径は、ラッチ部材(430)を横方向に拘束して、ラッチシェルフ(436)とトロカール(330)のヘッド(334)の近位表面(338)との間の係合を維持する。この係合は、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)の発射中にアンビル(400)がトロカール(330)から解放されることを防止する。しかしながら、ラッチ部材(436)は、任意で設けられるものに過ぎないということが理解されるはずである。アンビル(400)は、他の任意の好適な構成要素、特徴部又は技術を用いて、トロカール(330)に取り外し可能に固定され得る。
図4に示すように、本実施例のアンビル(400)は、環状凹部(418)内の脱離ワッシャ(417)を含む。このワッシャ(417)は、ナイフ部材(340)が動きの全遠位範囲を動いた場合、ナイフ部材(340)によって破壊される。
【0016】
図3~
図4に示されるように、本実施例の柄(420)は、角度配列で柄(420)の周りに離間配置されている1組の長手方向に延在するスプライン(426)を含む。各スプライン(426)の近位端は、それぞれの導入縁部(428)を含む。以下により詳細に記載されるように、スプライン(426)は、アンビル(400)とステープル留めヘッドアセンブリ(300)との間の所定の角度整合を一貫して提供するために、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)の内側本体部材(310)の対応するスプライン(316)と係合するように構成されている。また以下に記載するように、この角度整合は、アンビル(400)のステープル成形ポケット(414)が、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)のステープル開口部(324)と適切に一貫して角度整合されることを確実にし得る。したがって、本実施例では、スプライン(426)は、ステープル成形ポケット(414)に対して正確かつ一貫して位置付けられる。ヘッド(410)及び柄(420)が最初に別個の部品として成形され、その後、共に接合される変形形態では、ヘッド(410)及び柄(420)を共に接合するために使用される機械又は他のデバイスは、ヘッド(410)及び柄(420)の適切な角度位置付けを確実かつ一貫して達成し、それによって、ステープル成形ポケット(414)に対するスプライン(426)の正確かつ一貫した位置付けを提供するために、適切な割出能力を有し得る。本明細書の教示を考慮することで、そのような結果が達成され得る様々な好適な方法が、当業者に明らかになるであろう。いくつかの他の変形形態では、ヘッド(410)及び柄(420)は、単一の一体型構造として共に同時に成形される。
【0017】
C.例示的なステープル留めヘッドアセンブリ
図7~
図8に最もよく示されるように、本実施例のステープル留めヘッドアセンブリ(300)は、シャフトアセンブリ(200)の遠位端に連結され、本体部材(310)と、スライド可能なステープルドライバ部材(図示せず)と、を備える。本体部材(310)は、遠位側に延在する円筒状内側芯部材(312)を含む。本体部材(310)は、シャフトアセンブリ(200)の外側シース(210)に確実に固定される。したがって、本体部材(310)及び外部シース(210)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)の機械的土台として共に役立つ。
【0018】
図7に示すように、本体部材(310)の内側芯部材(312)は、孔(314)を画定する。複数の長手方向に延在するスプライン(316)は、孔(314)内の角度配列で等距離に離間配置されている。スプライン(316)の遠位端は、アンビル(400)の柄(420)上のスプライン(426)の導入縁部(428)を補完するように構成された導入縁部(318)を含む。特に、以下により詳細に記載されるように、柄(420)がトロカール(330)に固定された後、以下により詳細に記載されるように、アンビル(420)がその後、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)に対して近位側に後退されるとき、導入縁部(318、428)は、互いに協働的に係合して、アンビル(400)をトロカール(330)に対して回転するように打ち込み、アンビル(400)のスプライン(426)を、本体部材(310)のスプライン(316)間の間隙と角度整合させてもよい。スプライン(316)間の間隙は、スプライン(426)の幅と実質的に等しい幅を有するように構成されてもよい。このようにして、アンビル(400)のスプライン(426)が本体部材(310)のスプライン(316)間の間隙内に位置付けられると、アンビル(400)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)に対して所定の角度整合を達成することができる。この所定の角度整合は、デッキ部材(320)のステープル開口部(324)がアンビル(400)の対応するステープル成形ポケット(414)と正確に整合されることを確実にし得る。したがって、スプライン(316、426)は、アンビル(400)が最初にトロカール(330)に固定されているときに、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)に対するアンビル(400)の角度配向にかかわらず、ステープル開口部(324)を貫通して放出されたステープルが、対応するステープル成形ポケット(414、510、530)内に一貫して正確に打ち込まれるように、互いに協働するように構成されている。
【0019】
トロカール(330)は、本体部材(310)の内側芯部材(312)内に同軸的に位置付けられている。トロカール(330)は着色領域(333)を含む。以下により詳細に記載されるように、トロカール(330)は、ノブ(130)がハンドルアセンブリ(100)のケーシング(110)に対して回転するのに反応して本体部材(310)に対して遠位側及び近位側に直動するよう動作可能である。トロカール(330)は、シャフト(332)と、ヘッド(334)と、を備える。ヘッド(334)は、尖形状の先端部(336)と、内側向きに延在する近位表面(338)と、を含む。したがって、シャフト(332)は、ヘッド(334)のちょうど近位で外径が小さくなっていて、表面(338)が、シャフト(332)のその小さくなった外径とヘッド(334)の外径との間の移行を提供する。本実施例では、先端部(336)が尖形状であるが、先端部(336)は鋭利ではない。したがって、先端部(336)は、組織との不注意な接触による組織への外傷を容易には引き起こさない。ヘッド(334)、及びシャフト(332)の遠位部分は、アンビル(420)の孔(422)に挿入されるように構成されている。近位表面(338)とラッチシェルフ(436)とは、アンビル(400)の柄(420)がトロカール(330)上に完全に着座した場合に、ラッチシェルフ(436)が近位表面(338)に係合するような、補完的な位置及び構成を有する。したがって、アンビル(400)は、ラッチ部材(430)によるスナップ嵌めを介して、トロカール(330)に固定される。ナイフ部材(340)は、遠位側に提示された、鋭利な円形の刃先(342)を含む。ナイフ部材(340)はまた、本体部材(310)の芯部材(312)を同軸的に受容するように構成されている開口部を画定する。
【0020】
デッキ部材(320)が、本体部材(310)に確実に固定されている。デッキ部材(320)は、ステープル開口部(324)の同心の2列の環状配列を画定する、遠位側に向けられたデッキ表面(322)を含む。ステープル開口部(324)は、上述のステープルドライバ及びステープル成形ポケット(414)の配置に対応するように配置されている。このように、各ステープル開口部(324)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)が作動された場合に、対応するステープルドライバが対応するステープルを、デッキ部材(320)を貫通して、対応するステープル成形ポケット(414)の中に打ち込む経路を提供するように構成されている。上述のように、ステープル開口部(322)の配置は、ステープル成形ポケット(414)の配置とちょうど同じように修正し得るということを理解されたい。また、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)が作動される前に、ステープルをステープル留めヘッドアセンブリ(300)内に収容するために、様々な構造及び技術が用いられ得るということも理解されたい。ステープルをステープル留めヘッドアセンブリ(300)内に収容するために用いられるそのような構造及び技術は、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)が作動される前に、ステープルが、ステープル開口部(324)から誤って脱落するのを防ぎ得る。このような構造及び技術が取り得る様々な好適な形態については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
図7に最もよく見られるように、デッキ部材(320)は、ナイフ部材(340)が画定する外径よりも、ほんのわずかに大きい内径を画定する。かくしてデッキ部材(320)は、ナイフ部材(340)が遠位側に、刃先(342)がデッキ表面(322)の遠位側にある点まで直動するのを可能にするように構成されている。
【0021】
(II)例示的なアンビル及び製造方法
上述のように、器具(10)のアンビル(400)は、単一の一体型構成要素として機械加工されてもよく、又はアンビル(400)は、最初にヘッド(410)及び柄(420)を別個の部品として成形し、その後、ヘッド(410)及び柄(420)を共に接合することによって製造されてもよい。ヘッド(410)及び柄(420)は、最初に別個の部品として成形され得るため、ヘッド(410)と柄(420)との間の連結を強化することが望ましい場合がある。加えて、異なる製造プロセスを使用して、低コストでヘッド(410)及び柄(420)を作製することが望ましい場合がある。更に、操作性アンビル(400)を器具(10)で改善するために、ヘッド(410)及び/又は柄(420)の特定の部分及び表面を微細化することが望ましい場合がある。したがって、アンビル(500、600、700)が
図1~
図5を参照して上述したアンビル(400)と互換的に機能することも可能にしながら、これらの、そして他の欠陥に対処する例示的なアンビル(500、600、700)を製造することが望ましい場合がある。
【0022】
図9~
図20を参照して記載されるように、外科用器具(10)は、
図1~
図5を参照して上述したアンビル(400)の代わりに使用されることが意図されるアンビル(500、600、700)を含む。前述したように、外科用器具(10)は、本体(ハンドルアセンブリ(100)として示される)と、ハンドルアセンブリ(100)から遠位側に延在するシャフトアセンブリ(200)と、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)と、アンビル(400)と、を含む。ステープル留めヘッドアセンブリ(300)が、シャフトアセンブリ(200)の遠位端に位置付けられる。ステープル留めヘッドアセンブリ(300)は、アンビル連結特徴部(トロカール(330)として示される)と、ステープルの少なくとも1つの環状配列と、ステープルドライバと、を含む。以下により詳細に記載されるように、また、アンビル(400)の機能性と同様に、アンビル(500、600、700)はそれぞれが、トロカール(330)と連結するように構成され、それぞれが、ステープルドライバによって打ち込まれたステープルを変形させるように構成されている。
【0023】
A.第1の例示的な代替的アンビル
図9~
図12は、
図1の器具(10)に組み込んでもよい第1の例示的なアンビル(500)の様々な斜視図を示す。アンビル(500)は、ヘッド(510)と、柄(520)と、を含む。柄(520)は、ヘッド(510)から近位側に延在し、一旦成形されるとヘッド(510)と連結されるように構成されている。ヘッド(510)は、
図10に示すステープル成形ポケット(514)の環状配列を画定する近位表面(512)を含む。図示のように、ステープル成形ポケット(514)は、
図16に示されるものと同様に、同心の2列の環状配列内に配置される。あるいは、ステープル成形ポケット(514b)は、
図17に示されるものと同様に、同心の3列以上の環状配列内に配置されてもよい。
【0024】
ステープル成形ポケット(514)は、ステープルがステープル成形ポケット(514)内に打ち込まれると、ステープルを変形させるように構成されている。例えば、各ステープル成形ポケット(514)は、当該技術分野では既知のように、概ねU字形状のステープルを、B字形状に変形し得る。
図10及び
図11に最もよく示されるように、ヘッド(510)の近位表面(512)は内縁部(516)で終焉し、それによって柄(520)の周りを囲む環状凹部(518)の外側の境界線が画定される。
図10を参照してより詳細に記載されるように、ステープル成形ポケット(514)を含むヘッド(510)は、金属射出成形プロセスなどの射出成形プロセスを使用して成形されてもよい。金属射出成形(MIM)は、その後、成形プロセス(射出成形など)を使用して形成され、かつ固化される原料を作製するために、微細な粉末金属がバインダ材料と混合される、任意の金属加工プロセスを指す。金属射出成形は、大量の複雑な部品が形成されることを可能にする。あるいは、ヘッド(510)は、射出成形プロセスを使用してポリマー材料から成形されてもよい。
図13A~
図16を参照してより詳細に記載されるように、少なくとも1つのステープル成形ポケット(514)の少なくとも一部分は、ステープル成形ポケット(514)の1つ又は2つ以上の特性を改善するために、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工されてもよい。
【0025】
柄(520)は、孔(522)を画定する長手方向に延在する本体(521)を含み、孔(522)内に位置付けられた一対の枢動ラッチ部材(図示せず)を含んでもよく、これは、アンビル(400)の柄(420)を参照して上述したラッチ部材(430)と構造及び機能において同様であり得る。ラッチ部材は、遠位端が、柄(520)の側壁を貫通して成形される横方向開口部(524)の近位端に位置付けられるように孔(522)内に位置付けられている。横方向開口部(524)は、ラッチ部材に対して、柄(520)によって画定される長手方向軸線から、径方向外側に反ることができるようにするクリアランスを提供する。ラッチ部材により、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)のトロカール(330)に、アンビル(500)が取り外し可能に固定されるのが可能とされる。柄(520)がトロカール(330)に固定され、トロカール(330)が近位側に後退されると、本体部材(310)の内側芯部材(312)内の孔(314)の内径は、ラッチ部材を横方向に拘束して、トロカール(330)のヘッド(334)の近位表面(338)との係合を維持する。この係合は、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)の発射中にアンビル(500)がトロカール(330)から解放されることを防止する。アンビル(500)が、任意の他の好適な構成要素、特徴部又は技術を用いてトロカール(330)に取り外し可能に固定されてもよいように、ラッチ部材が省略されてもよい。
【0026】
図8~
図10に示されるように、柄(520)は、角度配列で柄(520)の周りに離間配置されている1組の長手方向に延在するスプライン(526)を含む。各スプライン(526)の近位端は、それぞれの導入縁部(528)を含む。スプライン(526)は、アンビル(500)とステープル留めヘッドアセンブリ(300)との間の所定の角度整合を一貫して提供するために、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)の内側本体部材(310)の対応するスプライン(316)と係合するように構成されている。この角度整合は、アンビル(500)のステープル成形ポケット(514)が、ステープル留めヘッドアセンブリ(300)のステープル開口部(324)と適切に一貫して角度整合されることを確実にし得る。したがって、スプライン(526)は、ステープル成形ポケット(514)に対して正確かつ一貫して位置付けられる。
図9に示すように、柄(520)は、柄(520)の遠位端(542)から径方向外側に延在するフランジ(540)を更に含む。その結果、フランジ(540)は、柄(520)の長手方向に延在する本体(521)よりも大きな面積を有する。フランジ(540)は、対向する近位表面及び遠位表面(544、546)を含む。
図20を参照してより詳細に記載されるように、柄(520)は、1つ又は2つ以上の機械加工プロセスを使用して機械加工されてもよい。
【0027】
図9及び
図12に示されるように、ヘッド(510)は、遠位外面(550)から近位側に延在する凹部分(548)を含む。凹部分(548)は、環状壁部(554)によって囲まれた凹面(552)を含み、開口部(556)は、柄(520)の長手方向に延在する本体(521)を受容するように構成されている凹面(552)を貫通して延在する。図示のように、開口部(556)は、遠位外面(550)及び凹面(552)の両方と同心であるが、しかしながら、遠位外面(550)及び凹面(552)に対する開口部(556)の他の位置付けもまた想定される。
図8~
図10に示されるように、凹部分(548)は、柄(520)のフランジ(540)を受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されている。凹部分(548)及びフランジ(540)は円形として示されているが、凹部分(548)及びフランジ(540)は、所望であれば、ヘッド(510)及び柄(520)の相対回転を防止し得る様々な他の形状(例えば矩形)を有し得ることも想定される。
【0028】
遠位外面(555)はまた、遠位特徴部(キャップなど)を固定するために使用され得る、2つが図示されている1つ又は2つ以上の凹部(558)を含む。ヘッド(510)はまた、遠位外面(550)から近位側に延在するテーパ状部分(560)を含んでもよい。テーパ状部分(560)は面取り部として示されている。凹部分(548)の凹面(552)は、ヘッド(510)が柄(520)と連結されると、フランジ(520)の近位表面(544)と直接接触してもよい。
図8に示すように、ヘッド(510)の遠位外面(550)は、ヘッド(510)が柄(520)と連結された後、フランジ(540)の遠位表面と概ね同一平面上にある。換言すれば、凹部分(548)の深さは、フランジ(540)の厚さとほぼ同じである。しかしながら、凹部分(548)の深さ及び/又はフランジ(540)の厚さは変化してもよい。加えて、所望であれば、遠位外面(550)は弓状であってもよい。
【0029】
図9に示すように、ヘッド(510)は、薄いアンビルプレートとして示されるキャップ(562)を使用して柄(520)に連結されてもよい。キャップ(562)は、キャップ(562)とヘッド(510)との間に柄(520)のフランジ(540)を挟むように構成されている。キャップ(562)は、近位表面及び遠位表面(564、566)を含む。一実施形態によれば、キャップ(562)は、1つ又は2つ以上のオーバーモールドプロセスを使用してヘッド(510)上にオーバーモールドされた材料(例えば、ポリマー材料)であってもよい。より具体的には、キャップ(562)は、ヘッド(510)のフランジ(540)及び/又は遠位外面(550)の遠位表面(546)上にオーバーモールドされてもよい。結果として、キャップ(562)は、別個の構成要素でなくてもよい。あるいは、キャップ(562)は、凹部(558)と連結するように構成されている1つ又は2つ以上の固定特徴部を使用して、ヘッド(510)に選択的に連結可能であってもよい。図示のように、キャップ(562)はポリマー材料から成形されるが、しかしながら、キャップ(562)は任意の好適な材料から成形されてもよい。
【0030】
ステープル成形ポケット(514)は、ヘッド(510)が成形されると同時に、又はその後に成形されてもよい。例えば、
図11及び
図12は、ヘッド(510)の斜視図を示すが、ステープル成形ポケット(514)はまだ成形されていない。
図20を参照してより詳細に記載されるように、ヘッド(510)の少なくとも一部分は、所望であればヘッド(510)を成形した後に機械加工されてもよい。
【0031】
図13A~
図16に示されるように、ステープル成形ポケット(514)の少なくとも一部分は、射出成形プロセス(例えば、金属射出成形プロセス)を使用してステープル成形ポケット(514)を成形した後に、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工されてもよい。より具体的には、
図13Aは、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工される前のステープル成形ポケット(514a)を示し、一方、
図13Bは、圧印加工された又は電気化学的に機械加工された後の
図13Aのステープル成形ポケット(514)を示す。
図13Aに示すように、ステープル成形ポケット(514a)は、外側部分(572a、574a)間に配設された中央部分(570a)を含む。
図13B、
図14B及び
図15Bに示されるように、ステープル成形ポケット(514)の中央部分(570)は、その後、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工され、その結果、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない別の部分(例えば、外側部分(572、574))よりもより滑らかかつより密度が高い表面をもたらす。結果として、外側部分(572、574)は、ステープル成形ポケット(514)の中央部分(570)よりもより粗くかつより密度が低い表面を有する。あるいは、外側部分(572、574)を含むステープル成形ポケット(514)全体は、所望であれば、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工されてもよい。
【0032】
「圧印加工」とは、材料の表面上に塑性流れを誘導するために、ワークピースが十分に高い応力を受ける精密打抜加工の一形態である。塑性流れは、表面粒径を減少させ、ワークピースの表面を硬化させる一方で、ワークピース内のより深い材料は、その靭性及び延性を保持する。圧印加工はまた、ステープル成形ポケット(514)の寸法公差を改善する。電気化学的機械加工(ECM)は、1つ又は2つ以上の電気化学的プロセスを使用して金属を除去する方法である。電気化学的機械加工は、コスト効率のために大量生産に使用されてもよく、従来の方法を使用して機械加工することが困難な非常に硬い材料又は材料を加工するために利用される。電気化学的機械加工は、硬質金属ワークピース内の小さい又は一意的な形状の角度、複雑な輪郭、又は空洞を切断してもよい。
【0033】
図14Aは、
図13Aの線14A-14Aに沿って取られた、ステープル成形ポケット(514a)の中央部分(570a)を示し、一方で
図14Bは、
図13Bの線14B-14Bに沿って取られた、ステープル成形ポケット(514)の中央部分(570)を示す。
図14Aを
図14Bと比較する際に示されるように、圧印加工された又は電気化学的に機械加工された中央部分(570a)は、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない同一のステープル成形ポケット(514)の別の部分(例えば、外側部分(572、574))よりもより滑らかかつより密度が高い。
【0034】
図15Aは、線15A-15Aに沿って取られた、
図13Aのステープル成形ポケット(514a)の一部分を示し、一方で
図15Bは、線15B-15Bに沿って取られた、
図13Bのステープル成形ポケット(514)の一部分を示す。
図15Aを
図15Bと比較する際に示されるように、チャネル(576)は、圧印加工又は電気化学的機械加工プロセス後に結果として生じる。
図16は、圧印加工された又は電気化学的に機械加工された後の
図13Bのステープル成形ポケット(514)の環状配列を示す。より具体的には、中央部分(570)は、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工される。
【0035】
図17は、圧印加工された又は電気化学的に機械加工された後のステープル成形ポケット(514b)の別の環状配列を示す。ステープル成形ポケット(514)と同様に、ステープル成形ポケット(514b)はまた、中央部分(570b)と、外側部分(572b、574b)と、を含む。図示のように、中央部分(570b)は、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工され、その結果、圧印加工されても電気化学的に機械加工されててもいない同一のステープル成形ポケット(514b)の別の部分(例えば、外側部分(572b、574b))よりもより滑らかかつより密度が高い。
【0036】
B.第2の例示的な代替的アンビル
図18は、上述のアンビル(400、500)の代わりに
図1の器具(10)に組み込んでもよい第2の例示的なアンビル(600)の斜視図を示す。アンビル(500)と同様に、アンビル(600)は、ヘッド(610)と、柄(620)と、キャップ(662)と、を含む。以下でより詳細に記載するように、キャップ(562)とは異なり、キャップ(662)は、1つ又は2つ以上の係合特徴部を含む。ヘッド(510)と同様に、ヘッド(610)は、近位表面(612)と、ステープル成形ポケット(614)と、凹部分(648)と、遠位外面(650)と、凹面(652)と、環状壁部(654)と、開口部(656)と、凹部(658)と、テーパ状部分(660)と、を含む。柄(520)と同様に、柄(620)は、孔(622)と、横方向開口部(624)と、1組の長手方向に延在するスプライン(626)と、導入縁部(628)と、フランジ(640)と、遠位端(642)と、を含む。フランジ(540)と同様に、フランジ(640)は、対向する近位表面及び遠位表面(644、646)を含む。キャップ(562)と同様に、キャップ(662)は、対向する近位表面及び遠位表面(664、666)を含む。
【0037】
ヘッド(610)の近位表面(612)は、
図10に示されるものと同様の、ステープル成形ポケット(614)の環状配列を画定する。
図20を参照してより詳細に記載されるように、ステープル成形ポケット(614)を含むヘッド(610)は、金属射出成形プロセスを使用して成形され、その後、1つ又は2つ以上の機械加工プロセスを使用して機械加工されてもよい。
図13A~
図16のステープル成形ポケット(514)を参照して前述したように、少なくとも1つのステープル成形ポケット(614)の少なくとも一部分は、ステープル成形ポケット(614)の1つ又は2つ以上の特性を改善するために、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工されてもよい。ヘッド(610)の凹部分(648)は、遠位外面(650)から近位側に延在する。凹面(652)は環状壁部(654)によって囲まれ、開口部(656)は凹面(652)を貫通して延在する。開口部(656)は、柄(620)の貫通して長手方向に延在する本体(621)を受容するように構成されている。凹部分(648)は、柄(620)のフランジ(640)を受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されている。ヘッド(610)の凹部分(648)は、ヘッド(610)が柄(620)と連結されると、フランジ(620)の近位表面(644)と直接接触してもよい。ヘッド(610)の遠位外面(655)はまた、キャップ(662)などの遠位特徴部を固定するために使用され得る、2つが図示されている、1つ又は2つ以上の凹部(658)を含む。テーパ状部分(660)は、遠位外面(650)から近位側に延在する。
【0038】
図18に示すように、柄(620)は、ヘッド(610)から近位側に延在し、一旦成形されるとヘッド(610)と連結されるように構成されている。
図8~
図12には示されていないが、柄(620)は、外側に延在する部分(630)を含む。
図18に示されるように、フランジ(640)は、柄(620)の遠位端(642)から径方向外側に延在する。フランジ(640)は、対向する近位表面及び遠位表面(644、646)を含む。
図20を参照してより詳細に記載されるように、柄(620)は、金属射出成形プロセスを使用して成形され、その後、1つ又は2つ以上の機械加工プロセスを使用して機械加工されてもよい。結果として、ヘッド(610)及び柄(620)の両方は、金属射出成形プロセスを使用して別個に成形されてもよい。加えて、ヘッド(610)及び柄(620)の両方は、それぞれの金属射出成形プロセスから成形された後に別個に機械加工されてもよい。
【0039】
ヘッド(610)は、この例示的な実施形態で弓状キャップとして示されるキャップ(662)を使用して柄(620)に連結されてもよい。キャップ(662)は、キャップ(662)とヘッド(610)との間に柄(620)のフランジ(640)を挟むように構成されている。キャップ(562)とは異なり、キャップ(662)は、1つ又は2つ以上の固定特徴部を使用してヘッド(610)に選択的に連結可能である。例えば、キャップ(662)は、少なくとも1つの対応する凹部(658)と連結するように構成されている、少なくとも1つの近位側に面する突起(668)を含んでもよい。したがって、キャップ(662)をヘッド(610)と連結することは、近位側に面する突起(668)を凹部(658)に挿入することを含む。各凹部(662)は、遠位外面(650)を完全に貫通して延在するものとして示されているが、凹部(658)は、遠位外面(650)を部分的にのみ貫通して延在してもよいことが想定される。キャップ(662)はポリマー材料から成形されているものとして示されているが、キャップ(662)は、任意の好適な材料から成形されてもよいことが想定される。図示のように、キャップ(662)の遠位表面(666)は丸みを帯びており、半球形状を成形する。
【0040】
C.第3の例示的な代替的アンビル
図19は、上述のアンビル(400、500)の代わりに
図1の器具(10)に組み込んでもよい第3の例示的なアンビル(700)の斜視図を示す。アンビル(500)と同様に、アンビル(700)は、ヘッド(710)と、柄(720)と、を含む。ヘッド(510)と同様に、ヘッド(710)は、近位表面(712)と、ステープル成形ポケット(714)と、凹部(748)と、遠位外面(750)と、凹面(752)と、環状壁部(754)と、開口部(756)と、テーパ状部分(760)と、を含む。柄(520)と同様に、柄(720)は、孔(722)と、横方向開口部(724)と、1組の長手方向に延在するスプライン(726)と、導入縁部(728)と、フランジ(740)と、遠位端(742)と、を含む。フランジ(540)と同様に、フランジ(740)は、対向する近位表面及び遠位表面(744、746)を含む。
【0041】
ヘッド(710)の近位表面(712)は、
図10に示されるものと同様の、ステープル成形ポケット(714)の環状配列を画定する。
図20を参照してより詳細に記載されるように、ステープル成形ポケット(714)を含むヘッド(710)は、金属射出成形プロセスを使用して成形され、その後、1つ又は2つ以上の機械加工プロセスを使用して機械加工されてもよい。
図13A~
図16のステープル成形ポケット(514)を参照して前述したように、少なくとも1つのステープル成形ポケット(714)の少なくとも一部分は、ステープル成形ポケット(714)の1つ又は2つ以上の特性を改善するために、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工されてもよい。ヘッド(710)の凹部分(748)は、遠位外面(750)から近位側に延在する。凹面(752)は環状壁部(754)によって囲まれて、開口部(756)は凹面(752)を貫通して延在する。開口部(756)は、柄(720)の長手方向に延在する本体(721)を受容するように構成されている。凹部分(748)は、柄(720)のフランジ(740)を受容するようにサイズ決め、かつ構成されている。凹部分(748)の凹面(752)は、ヘッド(710)が柄(720)と連結されると、フランジ(720)の近位表面(744)と直接接触してもよい。テーパ状部分(760)は、遠位外面(750)から近位側に延在する。
【0042】
図19に示すように、柄(720)は、ヘッド(710)から近位側に延在し、一旦成形されるとヘッド(710)と連結されるように構成されている。
図8~
図12には示されていないが、柄(720)は、外側に延在する部分(730)を含む。
図19に示すように、フランジ(740)は、柄(720)の遠位端(742)から径方向外側に延在する。フランジ(740)は、対向する近位表面及び遠位表面(744、746)を含む。フランジ(740)の遠位表面(746)は、内側の浅い部分(762)と、丸みを帯びた外縁部分(764)と、を含む。図示のように、丸みを帯びた外縁部分(764)は、柄(720)の最遠位点である最遠位部分(766)を含む。フランジ(740)の近位表面(744)は、ヘッド(710)の遠位外面(750)と連結される。柄(720)は、金属射出成形プロセスを使用して成形され、その後、1つ又は2つ以上の機械加工プロセスを使用して機械加工されてもよい。
【0043】
D.例示的な製造方法
図20は、
図1の器具(10)に組み込んでもよいアンビル(500、600、700)の例示的な製造方法(800)を示す。前述したように、アンビル(500、600、700)は、ヘッド(510、610、710)と、ヘッド(510、610、710)から近位側に延在する柄(520、620、720)と、を含む。工程(802)において、方法(800)は、射出成形機(812)を使用して、ステープル成形ポケット(514、614、714)を含むヘッド(510、610、710)を成形することを含む。ステープル成形ポケット(514、614、714)は、金属射出成形を使用して、ヘッド(510、610、710)が成形されると同時に、又はその後に成形され得る。例えば、ヘッド(510、610、710)は、金属射出成形機を使用する金属射出成形プロセスを使用して成形されてもよい。工程(804)において、方法(800)は、ヘッド(510、610、710)の少なくとも一部分を機械加工することを含む。機械加工は、打抜加工又はECM機械(814)を使用して、少なくとも1つのステープル成形ポケット(514、614、714)の少なくとも一部分を圧印加工すること又は電気化学的に機械加工することを含んでもよい。前述のように、圧印加工された又は電気化学的に機械加工されたステープル成形ポケット(514、614、714)の一部分は、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない別の部分よりもより滑らかかつより密度が高い。他の利益もまた、達成され得る。
【0044】
工程(806)において、方法(800)は、射出成形機(816)を使用して、柄(520、620、720)を成形することを含む。射出成形機(816)は、射出成形機(812)と同じであっても異なっていてもよい。柄(520、620、720)は、金属射出成形機を使用する金属射出成形プロセスを使用して成形されてもよい。工程(808)において、方法(800)は、旋盤(818)を使用して、柄(520、620、720)を機械加工することを含む。所望であれば、柄(520、620、720)は、射出成形プロセスを使用して以前に成形されることなく、単一の材料片から機械加工されてもよい。
【0045】
工程(810)において、方法(800)は、ヘッド(510、610、710)を別個に製造された柄(520、620、720)と連結することを含む。柄(520、620)をヘッド(510、610)と連結することは、キャップ(562、662)とヘッド(510、610)との間に柄(520、620)のフランジ(540、640)を挟むように、キャップ(562、662)をヘッド(510、610)と連結することを含み得る。より具体的には、キャップ(662)が近位側に面する突起(668)を含む場合、キャップ(662)をヘッド(610)と連結することは、近位側に面する突起(668)をヘッド(610)の凹部(658)に挿入することを含む。ヘッド(510、610、710)を柄(520、620、720)と連結することは、例えば、1つ又は2つ以上のオーバーモールド、溶接、接着剤、及び/又は機械的固定特徴部(例えば、突起(668))を含んでもよいことが想定される。
【0046】
当業者であれば、アンビル(400、500、600、700)によって成形されたステープルは、互いに概ね向かって屈曲していることに加えて、脚部がステープルの冠部を通過する平面から角度的にオフセットされている三次元プロファイルを有することを理解するであろう。単に一例として、アンビル(400、500、600、700)を使用して成形されたステープルは、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月28日に公開された、米国特許出願公開第2014/0239037号、発明の名称「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」」(現在は、2018年10月9日に発行された米国特許第10,092,292号)に示され、記載されているステープルの少なくとも一部と同様の外観を有してもよい。単に更なる一例として、アンビル(400、500、600、700)を使用して成形されたステープルは、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年5月17日に公開された米国特許出願公開第2018/0132849号、発明の名称「Staple Forming Pocket Configurations for Circular Surgical Stapler Anvil」に示され、記載されているステープルの少なくとも一部と同様の外観を有してもよい。アンビルの更なる特徴部は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月14日に公開された米国特許出願公開第2017/0258471号;2015年3月26日に公開され、現在は放棄されている、米国特許出願公開第2015/0083772号;2015年3月26日に公開された米国特許出願公開第2015/0083774号(現在は、2018年3月6日に発行された米国特許第9,907,552号);2016年12月29日に公開された米国特許出願公開第2016/0374672号;2018年5月17日に公開された米国特許出願公開第2018/0132853号;2018年5月17日に公開された米国特許出願公開第2018/0132849号、2017年4月28日に出願された米国特許出願第15/581,640号、発明の名称「Liquid Immune Trigger Circuit for Surgical Instrument」、及び、2017年4月28日に出願された米国特許出願第15/581,546号、発明の名称「Hysteresis Removal Feature in Surgical Stapling Instrument」に記載されている。
【0047】
上記のものに加えて又はその代わりに、アンビル(400、500、600、700)は、下記特許文献の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能であってもよい。米国特許第5,205,459号;米国特許第5,271,544号;米国特許第5,275,322号;米国特許第5,285,945号;米国特許第5,292,053号;米国特許第5,333,773号;米国特許第5,350,104号;同第5,533,661号;及び/又は同第8,910,847号。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0048】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではない。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の承継者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む任意の請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0049】
外科用円形ステープラのアンビルを製造する方法であって、アンビルが、ヘッドと、ヘッドから近位側に延在する柄と、を含み、方法が、(a)金属射出成形プロセスを使用して外科用円形ステープラのヘッドを成形することと、(b)ヘッド内にステープル成形ポケットの環状配列を成形することと、(c)外科用円形ステープラの柄を機械加工することと、(d)別個に製造された外科用円形ステープラのヘッド及び柄を共に連結することと、を含む、方法。
【実施例2】
【0050】
柄を機械加工する前に、金属射出成形プロセスを使用して柄を成形することを更に含む、実施例1に記載の方法。
【実施例3】
【0051】
金属射出成形プロセスを使用してヘッドを成形した後に、ヘッドの少なくとも一部分を機械加工することを更に含む、実施例1~2のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例4】
【0052】
金属射出成形プロセスを使用してヘッドを成形すること及びヘッド内にステープル成形ポケットの環状配列を成形することが、同時に実行される、実施例1~2のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例5】
【0053】
金属射出成形プロセスを使用してヘッドを成形することが、ヘッド内にステープル成形ポケットの環状配列を成形する前に生じる、実施例1~2のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例6】
【0054】
金属射出成形プロセスを使用してステープル成形ポケットの環状配列を成形した後に、方法が、ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの少なくとも一部分を圧印加工すること又は電気化学的に機械加工することを更に含む、実施例1~5のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例7】
【0055】
圧印加工された又は電気化学的機械加工された一部分が、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない別の部分よりもより滑らかかつより密度が高い、実施例6に記載の方法。
【実施例8】
【0056】
圧印加工された又は電気化学的に機械加工された一部分が、ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの中央部分である、実施例6~7のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例9】
【0057】
柄が、柄の遠位端から径方向外側に延在するフランジを含む、実施例1~8のいずれか1項又は2項以上に記載の装置。
【実施例10】
【0058】
ヘッドを成形することが、遠位外面と、遠位外面の近位側に配設されている遠位凹部分と、を含むようにヘッドを成形することを更に含み、遠位凹部分が、柄のフランジを受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されている、実施例9に記載の方法。
【実施例11】
【0059】
フランジが、対向する近位表面及び遠位表面を含み、ヘッドを柄と連結することが、フランジの近位表面をヘッドの遠位凹部分と接触させることを更に含む、実施例10に記載の方法。
【実施例12】
【0060】
フランジの近位表面をヘッドの遠位凹部分と接触させることが、ヘッドの遠位外面がフランジの遠位表面と概ね同一平面上にあるように、フランジの近位表面をヘッドの遠位凹部分と接触させることを更に含む、実施例11に記載の方法。
【実施例13】
【0061】
フランジが、内側の浅い部分と、丸みを帯びた外縁部分と、を含み、ヘッドを柄と連結することが、フランジの近位表面をヘッドの遠位表面と連結することを更に含む、実施例9~12のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例14】
【0062】
ヘッドを柄と連結することが、キャップとヘッドとの間に柄のフランジを挟むように、ヘッドをキャップと連結することを更に含む、実施例9~13のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例15】
【0063】
キャップが、少なくとも1つの近位側に面する突起を含み、ヘッドが、少なくとも1つの対応する凹部を含み、キャップをヘッドと連結することが、少なくとも1つの近位側に面する突起を少なくとも1つの凹部に挿入することを更に含む、実施例14に記載の方法。
【実施例16】
【0064】
外科用円形ステープラのアンビルを製造する方法であって、アンビルが、ヘッドと、ヘッドから近位側に延在する柄と、を含み、ヘッドが、ステープル成形ポケットの環状配列を含み、方法が、(a)ステープル成形ポケットの環状配列を含むヘッドを成形することと、(b)ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの少なくとも一部分を圧印加工すること又は電気化学的に機械加工することと、(c)柄を機械加工することと、(d)ヘッドを別個に製造された柄と連結することと、を含む、方法。
【実施例17】
【0065】
圧印加工された又は電気化学的に機械加工された一部分が、少なくとも1つのステープル成形ポケットの中央部分であり、中央部分が、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工されると、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない別の部分よりもより滑らかかつより密度が高い、実施例16に記載の方法。
【実施例18】
【0066】
柄を機械加工する前に、金属射出成形プロセスを使用して柄を成形することを更に含む、実施例16~17のいずれか1項又は2項以上に記載の方法。
【実施例19】
【0067】
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位側に延在するシャフトと、(c)シャフトの遠位端に位置付けられたステープル留めヘッドアセンブリであって、(i)アンビル連結特徴部と、(ii)ステープルの少なくとも1つの環状配列と、(iii)ステープルの少なくとも1つの環状配列を打ち込むように動作可能である、ステープルドライバと、を含む、ステープル留めヘッドアセンブリと、を含む、ステープル留めヘッドアセンブリと、(d)アンビルであって、アンビルが、アンビル連結特徴部と連結するように構成され、アンビルが、ステープルドライバによって打ち込まれたステープルを変形させるように更に構成され、アンビルが、(i)柄と、(ii)柄と連結されるように構成されたヘッドであって、ヘッドが、ステープル成形ポケットの環状配列を含み、ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの一部分が、ステープル成形ポケットの残部よりもより滑らかかつより密度が高い表面を有する、ヘッドと、を備える、アンビルと、を備える、外科用器具。
【実施例20】
【0068】
一部分が、第1の外側部分と第2の外側部分との間に介在する中央部分であり、第1の外側部分及び第2の外側部分が、ステープル成形ポケットの中央部分よりもより粗くかつより密度が低い表面を有する、実施例19に記載の外科用器具。
【実施例21】
【0069】
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位側に延在するシャフトと、(c)シャフトの遠位端に位置付けられたステープル留めヘッドアセンブリであって、(i)アンビル連結特徴部と、(ii)ステープルの少なくとも1つの環状配列と、(iii)ステープルの少なくとも1つの環状配列を打ち込むように動作可能である、ステープルドライバと、を含む、ステープル留めヘッドアセンブリと、を含む、ステープル留めヘッドアセンブリと、(d)アンビルであって、アンビルが、アンビル連結特徴部と連結するように構成され、アンビルが、ステープルドライバによって打ち込まれたステープルを変形させるように更に構成され、アンビルが、(i)柄と、(ii)柄と連結され、かつ金属射出成形プロセスを使用して成形されるように構成されたヘッドであって、ヘッドが、ステープル成形ポケットの環状配列を含む、ヘッドと、を備える、アンビルと、を備える、外科用器具。
【実施例22】
【0070】
ヘッドが、金属射出成形プロセスを使用して成形された後に機械加工される、実施例21に記載の外科用器具。
【実施例23】
【0071】
ステープル成形ポケットのヘッド及び環状配列が、金属射出成形プロセス中に同時に成形される、実施例21~22のいずれか1項又は2項以上に記載の外科用器具。
【実施例24】
【0072】
ステープル成形ポケットの一部分が、ステープル成形ポケットの残部よりも滑らかかつより密度が高い表面を生成するように、圧印加工され、又は電気化学的機械加工されている、実施例21~23のいずれか1項又は2項以上に記載の外科用器具。
【実施例25】
【0073】
圧印加工された又は電気化学的に機械加工された一部分が、ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの中央部分である、実施例24に記載の外科用器具。
【実施例26】
【0074】
柄が、金属射出成形プロセスを使用して成形され、柄の遠位端から径方向外側に延在するフランジを含む、実施例21~25のいずれか1項又は2項以上に記載の外科用器具。
【実施例27】
【0075】
ヘッドが、遠位外面と、遠位外面の近位側に配設されている遠位凹部分と、を更に含み、遠位凹部分が、柄のフランジを受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されている、実施例26に記載の外科用器具。
【実施例28】
【0076】
フランジが、対向する近位表面及び遠位表面を含み、フランジの近位表面が、ヘッドの遠位凹部分に接触するように構成されている、実施例27に記載の外科用器具。
【実施例29】
【0077】
フランジの近位表面が、ヘッドの遠位外面がフランジの遠位表面と概ね同一平面上にあるように、ヘッドの遠位凹部分に接触するように構成されている、実施例28に記載の外科用器具。
【実施例30】
【0078】
フランジが、内側の浅い部分と、丸みを帯びた外縁部分と、を含み、フランジの近位表面が、ヘッドの遠位表面と連結されている、実施例26~28のいずれか1項又は2項以上に記載の外科用器具。
【実施例31】
【0079】
キャップが、キャップとヘッドとの間に柄のフランジを挟むようにヘッドと固定可能に連結されている、実施例26~29のいずれか1項又は2項以上に記載の外科用器具。
【実施例32】
【0080】
キャップが、少なくとも1つの近位側に面する突起を含み、ヘッドが、少なくとも1つの対応する凹部を含み、少なくとも1つの近位側に面する突起が、少なくとも1つの凹部に挿入されるように構成されている、実施例31に記載の外科用器具。
【0081】
IV.その他
本明細書で述べる教示、表現、実施形態、実施例などのうちいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書で述べるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることもまた理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0082】
本明細書の教示の少なくとも一部はまた、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月14日に公開された米国特許出願公開第2017/0258471号、発明の名称「Methods and Systems for Performing Circular Stapling」の1つ又は2つ以上の教示と容易に組み合わせることができる。本明細書の教示を適用できるその他の適切な種類の器具、及びそのような器具に本明細書の教示を適用できる様々な方法が、当業者には明らかになるであろう。
【0083】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0084】
上記のデバイスの変形形態は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれ得る。
【0085】
上述の変形形態は、1回の使用後に廃棄するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程と、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程と、その後の再組み立て工程の、任意の組み合わせと、を含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は手技の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本発明の範囲内にある。
【0086】
単に一例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0087】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0088】
〔実施の態様〕
(1) 外科用円形ステープラのアンビルを製造する方法であって、前記アンビルが、ヘッドと、前記ヘッドから近位側に延在する柄と、を含み、前記方法が、
(a)金属射出成形プロセスを使用して外科用円形ステープラの前記ヘッドを成形することと、
(b)前記ヘッド内にステープル成形ポケットの環状配列を成形することと、
(c)前記外科用円形ステープラの前記柄を機械加工することと、
(d)別個に製造された前記外科用円形ステープラの前記ヘッド及び前記柄を共に連結することと、を含む、方法。
(2) 前記柄を機械加工する前に、金属射出成形プロセスを使用して前記柄を成形することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記金属射出成形プロセスを使用して前記ヘッドを成形した後に、前記ヘッドの少なくとも一部分を機械加工することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記金属射出成形プロセスを使用して前記ヘッドを成形すること及び前記ヘッド内に前記ステープル成形ポケットの環状配列を成形することが、同時に実行される、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記金属射出成形プロセスを使用して前記ヘッドを成形することが、前記ヘッド内に前記ステープル成形ポケットの環状配列を成形する前に生じる、実施態様1に記載の方法。
【0089】
(6) 前記金属射出成形プロセスを使用して前記ステープル成形ポケットの環状配列を成形した後に、前記方法が、前記ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの少なくとも一部分を圧印加工すること又は電気化学的に機械加工することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 圧印加工された又は電気化学的に機械加工された前記一部分が、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない別の部分よりもより滑らかかつより密度が高い、実施態様6に記載の方法。
(8) 圧印加工された又は電気化学的に機械加工された前記一部分が、前記ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの中央部分である、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記柄が、前記柄の遠位端から径方向外側に延在するフランジを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記ヘッドを成形することが、遠位外面と、前記遠位外面の近位側に配設されている遠位凹部分と、を含むように前記ヘッドを成形することを更に含み、前記遠位凹部分が、前記柄の前記フランジを受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されている、実施態様9に記載の方法。
【0090】
(11) 前記フランジが、対向する近位表面及び遠位表面を含み、前記ヘッドを前記柄と連結することが、前記フランジの前記近位表面を前記ヘッドの前記遠位凹部分と接触させることを更に含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記フランジの前記近位表面を前記ヘッドの前記遠位凹部分と接触させることが、前記ヘッドの前記遠位外面が前記フランジの前記遠位表面と概ね同一平面上にあるように、前記フランジの前記近位表面を前記ヘッドの前記遠位凹部分と接触させることを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記フランジが、内側の浅い部分と、丸みを帯びた外縁部分と、を含み、前記ヘッドを前記柄と連結することが、前記フランジの近位表面を前記ヘッドの遠位表面と連結することを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(14) 前記ヘッドを前記柄と連結することが、キャップと前記ヘッドとの間に前記柄の前記フランジを挟むように、前記ヘッドを前記キャップと連結することを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(15) 前記キャップが、少なくとも1つの近位側に面する突起を含み、前記ヘッドが、少なくとも1つの対応する凹部を含み、前記キャップを前記ヘッドと連結することが、前記少なくとも1つの近位側に面する突起を前記少なくとも1つの凹部に挿入することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0091】
(16) 外科用円形ステープラのアンビルを製造する方法であって、前記アンビルが、ヘッドと、前記ヘッドから近位側に延在する柄と、を含み、前記ヘッドが、ステープル成形ポケットの環状配列を含み、前記方法が、
(a)前記ステープル成形ポケットの環状配列を含む前記ヘッドを成形することと、
(b)前記ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの少なくとも一部分を圧印加工すること又は電気化学的に機械加工することと、
(c)前記柄を機械加工することと、
(d)前記ヘッドを別個に製造された前記柄と連結することと、を含む、方法。
(17) 圧印加工された又は電気化学的に機械加工された前記一部分が、前記少なくとも1つのステープル成形ポケットの中央部分であり、前記中央部分が、圧印加工され、又は電気化学的に機械加工されると、圧印加工されても電気化学的に機械加工されてもいない別の部分よりもより滑らかかつより密度が高い、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記柄を機械加工する前に、金属射出成形プロセスを使用して前記柄を成形することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 外科用器具であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位側に延在するシャフトと、
(c)前記シャフトの遠位端に位置付けられたステープル留めヘッドアセンブリであって、
(i)アンビル連結特徴部と、
(ii)ステープルの少なくとも1つの環状配列と、
(iii)前記ステープルの少なくとも1つの環状配列を打ち込むように動作可能である、ステープルドライバと、を含む、ステープル留めヘッドアセンブリと、を含む、ステープル留めヘッドアセンブリと、
(d)アンビルであって、前記アンビルが、前記アンビル連結特徴部と連結するように構成され、前記アンビルが、前記ステープルドライバによって打ち込まれた前記ステープルを変形させるように更に構成され、前記アンビルが、
(i)柄と、
(ii)前記柄と連結されるように構成されたヘッドであって、前記ヘッドが、ステープル成形ポケットの環状配列を含み、前記ステープル成形ポケットの環状配列の少なくとも1つのステープル成形ポケットの一部分が、前記ステープル成形ポケットの残部よりもより滑らかかつより密度が高い表面を有する、ヘッドと、を備える、アンビルと、を備える、外科用器具。
(20) 前記一部分が、第1の外側部分と第2の外側部分との間に介在する中央部分であり、前記第1の外側部分及び前記第2の外側部分が、前記ステープル成形ポケットの前記中央部分よりもより粗くかつより密度が低い表面を有する、実施態様19に記載の外科用器具。