(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】安定した柔らかく弾力のある食感を備えた水生種用の飼料
(51)【国際特許分類】
A23K 50/80 20160101AFI20240527BHJP
A23K 10/35 20160101ALI20240527BHJP
A23K 40/25 20160101ALI20240527BHJP
【FI】
A23K50/80
A23K10/35
A23K40/25
(21)【出願番号】P 2021543531
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(86)【国際出願番号】 NO2020050014
(87)【国際公開番号】W WO2020159376
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-10-11
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】521330242
【氏名又は名称】スクレッティング アクアカルチャー リサーチ センター アーエス
(73)【特許権者】
【識別番号】521330253
【氏名又は名称】ヌトレコ アイピー アセッツ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドラガノヴィク ブカシン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンケルス ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ローセンルンド グレーテ
(72)【発明者】
【氏名】フォンタニラス ラモン
(72)【発明者】
【氏名】ウレア デ ムズデカ ディアナ ロシオ
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-125715(JP,A)
【文献】特開2008-086274(JP,A)
【文献】国際公開第2010/110326(WO,A1)
【文献】特開2005-176624(JP,A)
【文献】特開2011-200260(JP,A)
【文献】国際公開第2018/128555(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00 - 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水生種用の押し出し成形された完全配合飼料であって、前記完全配合飼料は、
少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、
少なくとも1つの脂肪源、
繊維質、
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
水、
少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、
加水分解された植物蛋白質源、および
可塑剤、
を含み、
前記完全配合飼料は、完全飼料の約12.5%から約25%(w/w)までの水分含有量を含むことを特徴とする飼料。
【請求項2】
請求項1に記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約5%から約9%(w/w)の食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含むことを特徴とする飼料。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の飼料であって、前記加水分解された植物蛋白質が、約3%から約25%の加水分解度を有する加水分解された植物蛋白質であることを特徴とする飼料。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか1項に記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約5%から約15%(w/w)の加水分解された植物蛋白質を含むことを特徴とする飼料。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載の飼料であって、前記加水分解された植物蛋白質が、加水分解された小麦グルテンを含むことを特徴とする飼料。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約1.5%から約5%(w/w)の可塑剤を含むことを特徴とする飼料。
【請求項7】
請求項
6に記載の飼料であって、前記可塑剤がグリセリンを含むことを特徴とする飼料。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか1項に記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約14%から約20%(w/w)までの水分含有量を含むことを特徴とする飼料。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか1項に記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約40%から約60%(w/w)までの粗蛋白質含有量を含むことを特徴とする飼料。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか1項に記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約15%から約35%(w/w)までの粗脂肪含有量を含むことを特徴とする飼料。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか1項に記載の飼料であって、50kgのロードセルおよび直径5mmの球状シリンダーを取り付けた食感分析器を使用した直径方向の圧縮において、10gのトリガーに到達し、水平に配置された飼料ペレットを2mm s
-1のテスト前速度および2mm s
-1の一定のテスト速度で圧縮し続けることにより、35gの力を達成し、テスト後速度を10mm s
-1に、および破断感度を10gに設定して、コンピュータによって強度-時間グラフを記録することによる測定で、1000g mm
-1未満の硬度を有することを特徴とする飼料。
【請求項12】
請求項1から
10のいずれか1項に記載の飼料であって、50kgのロードセルおよび直径25mmの球状シリンダーを取り付けた食感分析器を使用した直径方向の圧縮において、5gのトリガーに到達し、水平に配置された飼料ペレットを2mm s
-1のテスト前速度および2mm s
-1の一定のテスト速度で圧縮し続けることにより、40%の圧縮を達成し、テスト後速度を10mm s
-1に設定し、コンピュータで力-歪グラフを記録し、力の最初のピークでの勾配=力(g)/歪(%)を計算することによる測定で、1000g mm
-1未満の硬度を有することを特徴とする飼料。
【請求項13】
請求項1から
12のいずれか1項に記載の水生種用の飼料を製造する方法であって、
i)
少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、
少なくとも1つの脂肪源、
繊維質
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
水
少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、
加水分解された植物蛋白質源、および
可塑剤、
を用意するステップと、
ii)少なくとも、前記少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、繊維質、ビタミン添加物、ミネラル添加物、少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、加水分解された植物蛋白質源、ならびに必要に応じて、前記少なくとも1つの脂肪源、可塑剤、および水を混合するステップと、
iii)必要に応じて、前記ステップii)の混合物を予備調整器に供給するステップと、
iv)必要に応じて、前記可塑剤および/または前記少なくとも1つの脂肪源を前記予備調整器に加えるステップと、
v)必要に応じて、前記予備調整器に蒸気および/または水を加えるステップと、
vi)必要に応じて、予備調整された混合物を調理押し出し機へ供給するステップと、
vii)必要に応じて、前記可塑剤および/または前記少なくとも1つの脂肪源を前記調理押し出し機へ加えるステップと、
viii)必要に応じて、水および/または蒸気を前記ステップvii)の混合物に加えるステップと、
ix)押し出し物を作製し、必要に応じて、前記押し出し物を飼料ペレットに切断するステップと、
x)必要に応じて、前記少なくとも1つの脂肪源を、大気圧より低い気圧でのコーティングによって、前記飼料ペレットに加えるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1から
12のいずれか1項に記載の完全配合飼料を製造するための方法であって、前記方法が
i)
非加水分解蛋白質源、
任意選択の炭水化物含有源、
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤、および
加水分解された植物蛋白質源を用意するステップと、
ii)前記ステップi)で用意した材料を混合するステップと、
iii)予備調整器に前記ステップii)の混合物を供給するステップと、
iv)必要に応じて、前記可塑剤を前記予備調整器に加えるステップと、
v)前記予備調整器に蒸気を加え、必要に応じて前記予備調整器に水を加えるステップと、
vi)加熱した前記材料を前記予備調整器から調理押し出し機に供給するステップと、
vii)必要に応じて、前記可塑剤を前記調理押し出し機に加えるステップと、
viii)必要に応じて、水分をステップvii)の前記混合物に加えるステップと、
ix)少なくとも10%(w/w)の吸油能力を備えた押し出し物を作製するステップと、
x)大気圧より低い気圧で操作されるコーティング装置内の前記押し出し物に前記脂肪源を加えるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
水生種に給餌する方法であって、前記水生種に請求項1から
12のいずれか1項に記載の飼料を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項
15に記載の方法であって、前記水生種が、マグロ、サケ類、バス、テラピア、掃除魚、タラ;ヌマガレイ、シタビラメ、イシビラメ、ツノガレイ、およびオヒョウ等のカレイ類;ナマズ、カワカマスおよびカワカマスの幼魚、コイ;タイ等のタイ類;小エビ、中エビ、カニ、ロブスター、およびイセエビからなる群より選択されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔らかく弾力のある食感を備えた飼料(feed)に関する。本発明は水生種用(aquatic species)の飼料に関する。安定した柔らかく弾力のある食感を備えた飼料は、魚用飼料、小エビ(shrimp)用飼料またはタコ用飼料であってよい。特に、本発明は、魚用飼料に関し、さらにより具体的には、本発明は、マグロ(Thunnus spp.)のための魚用飼料に関する。飼料は貯蔵後も柔らかく弾力がある。マグロは、市場規模で飼育されている捕獲されたマグロ、または孵化から収穫まで閉鎖されたタンク/ネットで飼育されている養殖マグロであってよい。マグロ、特にクロマグロ(Pacific bluefin tuna)(T.orientalis)およびミナミマグロ(Southern bluefin tuna)(T.maccoyii)は、日本市場で人気があり、給料のいい捕獲物である。
【背景技術】
【0002】
水産養殖(aquaculture)を目的とした最新の市販の飼料は、いわゆる調理押し出し(cooking extrusion)によって製造される。ほとんどの成分は、調理押し出しプロセスに先立ってドライブレンドで混合される。いくつかの成分、特に液体の成分は、押し出しステップに先立って予備調整ステップで加えられてもよいし、または押し出し機のバレルに加えられてもよい。最初のブレンドまたは液体として加えられた脂肪が多すぎると、その潤滑効果のために押し出しプロセスに悪影響を及ぼす。脂肪、すなわち食用油は、押し出しプロセスの後に別個の油コーティングステップで加えられる。油コーティングステップは大気圧より低い気圧で容器の中で実施することができる。
【0003】
押し出し物は、押し出し機を出た直後に、柔らかく弾力のある食感になる。乾燥、コーティング、冷却、袋詰めの後、飼料粒子はより硬くなり、貯蔵中に最終硬度に達する。貯蔵して養魚場に輸送した後、そのような飼料は比較的硬くて脆いものである。飼料粒子が結合性を維持することは重要である。ばらばらになる飼料粒子は「壊れた」飼料およびほこりを生じさせる。小さな飼料粒子は魚によって食べられず、損失になる。
【0004】
成長のために飼育されている野生の魚の中には、離乳期間後に押し出し成形された硬い飼料を受け入れるものがあることがわかっている。しかしながら、野生の捕獲された魚、例えばマグロ、のある種は、押し出し成形された飼料を受け入れないようである。そのような魚は、「餌食」の魚、例えばニシン、イワシ、サバ等で飼育するか、または柔らかな飼料、例えば、挽いた魚から作りたての飼料粒子で飼育する。そのような給餌は、骨の折れる作業であり、より複雑な物流飼料連鎖を含み、利用率(飼料転換率(feed conversion ratio))は最適でない。
【0005】
また、孵化場で卵から育てられ、さらに水槽や網で育てられたマグロは、押し出し成形された硬い飼料を受け入れないが、柔らかな飼料を好むことがわかった。
【0006】
したがって、押し出し調理によって製造され、既知の押し出し飼料よりも柔らかく、より弾力のある飼料、特に魚用飼料に対する要望がある。飼料粒子が貯蔵中にそれらの柔らかさと弾力性を維持することは重要である。
【0007】
必要な飼料のもう1つの制約は、飼料組成が「完全」でなければならないことである。すなわち、水生種には継続的な期間にわたって1つのタイプの飼料しか提供されないため、蛋白質/アミノ酸、エネルギー、脂肪酸、ミネラル、ビタミンに関する栄養上の要求をすべて満たす必要がある。
【0008】
欧州特許第2412248号明細書は、組成が異なる内層および外層から成るマグロに適した柔らかく弾力のある飼料について説明している。内層は主に魚ミール(fish meal)を含み、外層と呼ばれる澱粉ベースの熱誘導化ゲルで覆われている。このような2層の飼料は作るのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、先行技術の欠点の内の少なくとも1つを改善すること、もしくは低減すること、または少なくとも先行技術の有用な代替技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、以下の説明および以下の特許請求の範囲で指定されている特徴によって達成される。
【0012】
本発明は、意図された水生種の栄養要求に関して完全である水生種用の調理押し出し配合飼料(cooking extruded, formulated feed)に関する。水生種用のいくつかの飼料は、調理押し出しの後に完成する。水生種用のいくつかの飼料は、調理押し出しによって可能なよりも高い脂肪レベルを必要とし、脂肪を押し出しステップの後に別個のコーティングステップで加える。このような飼料は、脂肪コーティングステップの後に完成する。完全飼料(complete feed)は、貯蔵後に柔らかく弾力がある。
【0013】
本発明者は、澱粉含有塊茎由来の増粘剤(starch contaning,tuberous originating thickening agent)、加水分解された植物蛋白質源(hydrolysed plant protein source)、および可塑剤の組み合わせが、目的の特性を達成するために重要であることを発見した。加水分解された植物蛋白質源または可塑剤成分のいずれかが除外された比較研究により、その飼料ペレットは十分に柔らかくなく十分に弾力がなく、小さな圧縮圧力でペレット内に亀裂が容易に形成されることが示された。その結果、飼料の貯蔵および輸送中に「壊れた」ペレットやほこりが形成されることになる。
【0014】
これらの成分は、従属請求項にさらに詳細に開示されている。
【0015】
本発明は、独立特許請求項によって規定される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態を規定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】直径9mmの標準的なタイセイヨウサケ用飼料と本発明による8.5mmの柔らかく弾力のある飼料との間の食感の比較を示す図であり、x軸:歪(%)、y軸:力(g)である。
【
図2】
図1と同じ方法で、直径17mmの標準的なイシビラメ用飼料と本発明による20mmの柔らかく弾力のある飼料との間の食感の比較を示す図である。
【
図3】ペレットサイズの関数としての「勾配」(=力(g)/歪(%))としていくつかの標準的な魚用飼料(硬いペレット)と本発明による柔らかく弾力のある飼料との比較を示す図である。
【
図4】25℃および75%RHで最大6か月間貯蔵された、本発明による直径8.5mmの5つの異なる飼料間の食感の比較を示す図である。
【
図5】若いクロマグロ(T.orientalis)を用いた、生の飼料魚と本発明による飼料との給餌を比較した成長試験の結果を示す図である。
【
図6】パネルAは、食餌(diet)1飼料(本発明による)のサンプルを示す図である。
【
図7】パネルBは、手動で4回か5回絞った後の飼料ペレットを示す図である。
【
図8】パネルAは、食餌2飼料(小麦グルテン加水分解物のない)のサンプルを示す図である。
【
図9】パネルBは、手動で4回か5回絞った後の飼料ペレットを示す図である。
【
図10】パネルAは、食餌3飼料(グリセリンのない)のサンプルを示す図である。
【
図11】パネルBは、手動で4回か5回絞った後の飼料ペレットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[飼料]
第1の態様では、本発明は、より具体的には、水生種用の、押し出し成形された完全配合飼料(formulated complete feed)、特に、魚用の、押し出し成形された完全配合飼料に関し、前記完全配合飼料は、
少なくとも1つの非加水分解蛋白質源(non-hydrolysed protein source)、
少なくとも1つの脂肪源、
繊維質、
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
水、
少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、
加水分解された植物蛋白質源、および
可塑剤、
を含み、
前記完全配合飼料は、完全飼料の約12.5%から約25%(w/w)までの水分含有量を含む。
【0018】
適切な実施形態では、本明細書で教示される水生種用飼料は魚用飼料である。
【0019】
本明細書で使用される場合、本明細書で教示される飼料成分の重量パーセントは、本明細書で教示される完全飼料の重量に対するものであってもよい。
【0020】
本明細書で教示される押し出し成形された完全配合飼料は、少なくとも1つの炭水化物含有源を含むことができる。
【0021】
飼料中の繊維質は、原材料に固有のものであってもよく、非加水分解蛋白質源、脂肪源、炭水化物含有源、結合剤または加水分解された植物蛋白質源に由来したものであってもよく、または記載された原材料に加えて別個の繊維質として加えてもよい。
【0022】
前記飼料は、完全飼料の約5%から約9%(w/w)の食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約6%から約8%(w/w)、あるいは約7%(w/w)、あるいは約8%(w/w)の前記食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含むことができる。食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤は、アルファ化された馬鈴薯澱粉(pregelatinized potato starch)、天然の馬鈴薯澱粉もしくはタピオカ澱粉もしくはそれらの任意の組み合わせを含むか、またはそれらから本質的に成ることができる。
【0023】
前記加水分解された植物蛋白質は、約3%から約25%の加水分解度を有する加水分解された植物蛋白質とすることができる。前記飼料は、完全飼料の約5%から約15%(w/w)の加水分解された植物蛋白質を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約6%から約15%(w/w)の加水分解された植物蛋白質を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約7%から約12.5%(w/w)の加水分解された植物蛋白質を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約5%から約10%(w/w)の加水分解された植物蛋白質を含むことができる。加水分解された植物蛋白質は、加水分解された小麦グルテンを含むことができる。
【0024】
前記飼料は、完全飼料の約1.5%から約5%(w/w)の可塑剤を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約1.5%から約4%(w/w)の可塑剤を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約1.5%から約3.5%(w/w)の可塑剤を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約2%から約5%(w/w)の可塑剤を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約2%から約4%(w/w)の可塑剤を含むことができる。前記飼料は、完全飼料の約2%から約3.5%(w/w)の可塑剤を含むことができる。前記可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、転化糖(inverted sugar)、デキストロース粉末もしくは、魚ゼラチン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0025】
前記飼料は、完全飼料の、例えば、約14%から約20%(w/w)、およびさらにより好ましくは約15%(w/w)から約17%(w/w)等の約12.5%から約25%(w/w)の水分含有量を含むことができる。
【0026】
前記飼料は、完全飼料の、例えば、約35から約60%(w/w)、または約40%から約60%(w/w)等の約30から約65%(w/w)の粗蛋白質含有量(crude protein content)を含むことができる。当業者は、本明細書で教示される飼料を調製するためにどの非加水分解蛋白質源を使用できるかを知っている。非限定的な例には、小麦グルテン、大豆蛋白質等の小麦蛋白質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
前記飼料は、完全飼料の、例えば、約10から約37%(w/w)、または約15%から約35%(w/w)等の約5から約40%(w/w)の粗脂肪含有量(crude fat content)を含むことができる。粗脂肪:粗蛋白質の重量比は、約15:60から約35:40とすることができる。当業者は、どの少なくとも1つの脂肪源が本明細書での使用に適しているかを知っている。脂肪源としては、魚油、魚ミール、オキアミミール(krill meal)、イカミール、藻油、藻ミール、植物油、およびそれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0028】
前記飼料は、50kgのロードセルおよび直径5mmの球状ステンレス鋼シリンダーを取り付けた食感分析器(texture analyser)を使用した直径方向の圧縮において、10gのトリガーに到達し、水平に配置された飼料ペレットを2mm s-1のテスト前速度および2mm s-1の一定のテスト速度で圧縮し続けることにより、35gの力を達成し、テスト後速度を10mm s-1に、および破断感度(break sensitivity)を10gに設定して、コンピュータによって強度-時間グラフを記録することによる測定で、1000g mm-1未満の硬度、すなわち破壊時の強度を有することができる。前記飼料は、900g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、800g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、700g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、600g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、550g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、製造直後に1100g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、製造直後に1000g mm-1未満の硬度を有することができる。硬度は、ロードセルおよびプローブとして直径5mmの球形シリンダーを取り付けた適切な食感分析器を使用して、前記飼料を直径方向に圧縮することによって定めることができる。一旦10gのトリガーに到達すると、プローブは2mm s-1のテスト前速度および一定のテスト速度2mm s-1でサンプルを圧縮し続けることにより、35gの力を達成し得る。テスト後速度を10mm s-1に設定し、破断感度を10gに設定してもよい。あるいは、硬度は、ロードセルおよびプローブとして直径25mmの球形シリンダーを取り付けた適切な食感分析器を使用して、前記飼料を直径方向に圧縮することによって定めることができる。一旦5gのトリガーに到達すると、プローブは2mm s-1のテスト前速度および一定のテスト速度2mm s-1で、サンプルを圧縮し続けることにより、40%の圧縮を達成し、テスト後速度を10mm s-1に設定して、コンピュータで力-歪グラフを記録し、力の最初のピークでの勾配=力(g)/歪(%)を計算することができる。
【0029】
前記飼料は、25℃の温度および75%RH(相対湿度)で1か月間貯蔵した後、例えば、900g mm-1未満の硬度等、例えば、300g mm-1未満の硬度等の1000g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、25℃および75%RHで3か月間貯蔵した後、例えば、900g mm-1未満の硬度等、例えば、850g mm-1未満の硬度等の1000g mm-1未満の硬度を有することができる。前記飼料は、25℃および75%RHで6か月間貯蔵した後、例えば、950g mm-1未満の硬度等、例えば、900g mm-1未満の硬度等の1000g mm-1未満の硬度を有することができる。
【0030】
飼料は、均質であっても、実質的に均質であってもよい。適切な実施形態では、飼料を構成し、本明細書で教示される組成物を提供する実質的にすべての原材料を、一緒に混合し、一緒に処理した。一実施形態では、飼料を構成し、本明細書で教示される組成物を提供する実質的にすべての原材料は、脂肪源を除いて、一緒に混合し、一緒に処理し、その後、脂肪源を、真空コーティングによって飼料に組み込ませ、それによって実質的に均質な飼料を提供することができた。
【0031】
一実施形態では、本明細書で教示される飼料は、独特な層を欠いているか、または実質的に欠いている。
【0032】
本明細書で教示される飼料は、本明細書で教示される方法により得ることが可能である。
【0033】
[本発明による飼料の製造方法]
第2の態様では、本発明は、本明細書で教示される飼料を製造する方法を提供し、以下のステップ、すなわち、
i)
少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、
少なくとも1つの脂肪源、
繊維質、
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
水、
少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、
加水分解された植物蛋白質源、および
可塑剤、
を用意するステップと、
ii)少なくとも、少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、繊維質、ビタミン添加物、ミネラル添加物、少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、加水分解された植物蛋白質源、ならびに必要に応じて、少なくとも1つの脂肪源、可塑剤、および水を混合するステップと、
iii)必要に応じて、ステップii)の混合物を予備調整器(pre-conditioner)に供給するステップと、
iv)必要に応じて、可塑剤および/または少なくとも1つの脂肪源を予備調整器に加えるステップと、
v)必要に応じて、予備調整器に蒸気および/または水を加えるステップと、
vi)必要に応じて、予備調整された混合物を調理押し出し機(cooking extruder)へ供給するステップと、
vii)必要に応じて、可塑剤および/または少なくとも1つの脂肪源を調理押し出し機へ加えるステップと、
viii)必要に応じて、水および/または蒸気をステップvii)の混合物に加えるステップと、
ix)押し出し物を作製し、必要に応じて、押し出し物を飼料ペレットに切断するステップと、
x)必要に応じて、少なくとも1つの脂肪源を、大気圧より低い気圧(sub-atmospheric)でのコーティングによって、押し出し物および/または飼料ペレットに加えるステップと、
を含む。
【0034】
本明細書で教示される方法において、ステップi)で提供されるすべての成分は、ステップii)で一緒に混合することができる。あるいは、水は、予備調整(ステップiii)~v))および/または調理押し出し(ステップvi)~ix))の間に蒸気または水の形で加えることができる。液体可塑剤(例えば、グリセリン)の場合、前記可塑剤は、混合時に加えるか(ステップii))、または予備調整または調理押し出し中に加えることができる。可塑剤はまた、混合、予備調整および/または調理押し出しの2つ以上の間に、2つまたは3つの部分で加えることができることは、当業者にとって明らかである。水生種の飼料に使用される少なくとも1つの脂肪源は通常液体である。可塑剤と同様に、少なくとも1つの脂肪源は、混合時(ステップii))に、または予備調整または調理押し出し中に加えることができる。少なくとも1つの脂肪源が、混合、予備調整および/または調理押し出しの2つ以上の間に、2つまたは3つの部分で加えることができることは、当業者にとって明らかである。
【0035】
あるいは、少なくとも1つの脂肪源を除くすべての成分を含む飼料および/または押し出し物を、調理押し出しによって調製することができ、その後、少なくとも1つの脂肪源を、大気圧より低い気圧条件下でコーティングすること(「真空コーティング」とも呼ぶ)を使用して組み込むことができる。当業者にとって周知のように、大気圧より低い気圧条件下でのコーティングは、水生種の飼料に少なくとも1つの脂肪源を実質的に均質に組み込み、結果として水生種の飼料をもたらす。前記飼料は、均質または実質的に均質な組成を有することができる。
【0036】
調理押し出し機は、60~140℃、例えば、70~130℃、または80~120℃、または90~110℃等の比較的低温で操作することができる。
【0037】
予備調整器を使用する場合、予備調整器は、60~140℃、例えば、70~130℃、または80~120℃、または90~110℃等の比較的低温で操作することもできる。
【0038】
加えられる水および/または蒸気の量が、完全飼料の約12.5%から約25%(w/w)の水分含有量に到達するのに十分であり得ることは当業者には明らかである。
【0039】
一実施形態では、混合ステップii)を、混合物が均質または実質的に均質になるまで実施する。
【0040】
得られる飼料ペレットは、均質または実質的に均質な飼料ペレットである。
【0041】
別の態様では、本発明は、より具体的には、上記のように配合された完全な魚用飼料を製造するための方法に関し、ここで、この方法は、
i)
非加水分解蛋白質源、
任意選択の炭水化物含有源、
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤、および
加水分解された植物蛋白質源を用意するステップと、
ii)ステップi)で提供される材料を混合するステップと、
iii)予備調整器にステップii)の混合物を供給するステップと、
iv)必要に応じて、可塑剤を予備調整器に加えるステップと、
v)予備調整器に約60~100℃の温度で蒸気を加え、必要に応じて、予備調整器に水を加えるステップと、
vi)加熱した材料を予備調整器から調理押し出し機のバレルに供給するステップと、
vii)必要に応じて、可塑剤を調理押し出し機のバレルに加えるステップと、
viii)必要に応じて、水分をステップvii)の混合物に加えるステップと、
ix)混合物を押し出し機のバレル内で約70~120℃の温度に保つステップと、
x)少なくとも10%(w/w)の吸油能力を備えた切断された多孔質押し出し物を作製するステップと、
xi)大気圧より低い気圧で操作されるコーティング装置内の切断された多孔質押し出し物に脂肪源を加えるステップと、
を含む。
【0042】
調理押し出し機は、押し出し物の膨張後に最小直径3mmの押し出し物を作製するための貫通穴を備えたダイプレートを備えることができる。
【0043】
[使用方法]
本開示は、水生種に給餌する方法を教示し、前記方法は、本明細書で教示されるような飼料を前記水生種に投与または給餌するステップを含む。
【0044】
本開示はまた、水生種の体重増加および/または1日平均増加量および/または特定の成長速度を改善する方法を教示し、前記方法は、本明細書で教示されるような飼料を前記水生種に投与または給餌するステップを含む。
【0045】
また、本開示は、水生種におけるFCR(飼料転換率)を改善する方法を教示し、前記方法は、本明細書で教示されるような飼料を前記水生種に投与または給餌するステップを含む。
【0046】
一実施形態では、水生種は、魚(finfish)と甲殻類(crustaceans)から選択される。
【0047】
一実施形態では、水生種は、マグロ(tuna)、ハタ(groupers)、サケ類(salmonids)、バス(basses)、テラピア(tilapia)、掃除魚(cleaner fish)、タラ(cod fish);ヌマガレイ(flounder)、シタビラメ(soles)、イシビラメ(turbot)、ツノガレイ(plaice)、およびオヒョウ(hailbut)等のカレイ類(flat fish);ナマズ(catfish)、カワカマス(pike)およびカワカマスの幼魚(pickerel)、コイ(carps);タイ(sea bream)等のタイ類(breams);小エビ(shrimp)、中エビ(prawns)、カニ(crabs)、ロブスター(lobsters)、およびイセエビ(crawfish)からなる群から選択される。好ましい実施形態では、水生種は、マグロである。
【0048】
水生種の体重増加および/または1日平均増加量および/または特定の成長速度は、「餌食となる魚(prey fish)」または「餌魚(bait fish)」としても知られ、食物のためにより大きな捕食動物に捕食される小さな遠海魚(pelagic fish)である、水生種飼料魚(aquatic species forage fish)を給餌することに比べて、および/または挽いた飼料魚に基づく水生種の飼料、前記飼料は湿潤または半湿潤飼料として知られている、を給餌することに比べて、改善されたと見なすことができる。
【0049】
同様に、水生種のFCRは、水生種飼料魚を給餌すること、および/または粉砕した飼料魚に基づく湿潤飼料または半湿潤飼料を水生種に給餌することに比べて改善されたと見なすことができる。
【0050】
[定義]
本発明を、以下の意味を有する用語によって説明する。
【0051】
「押し出し」または「調理押し出し」とは、一軸押し出し機(single screw extruder)または二軸押し出し機(double screw extruder)のいずれかによる押し出しプロセスを意味する。押し出し機のバレル内で100℃を超える条件で押し出すことに加えて、押し出しまたは調理押し出しは、以下において、一軸押し出し機のバレルまたは二軸押し出し機のバレルのいずれかの押し出し機のバレルにおける高温条件での押し出しプロセスをさらに意味する。高温条件とは、押し出し機のバレルの少なくとも1つのゾーンが70℃または70℃超に維持されていることを意味する。押し出し成形された飼料とは、押し出しプロセスによって製造された飼料を意味する。
【0052】
「配合飼料(formulated feed))」とは、魚ミールおよびオキアミミール等の海洋蛋白質;大豆ミール、菜種ミール、小麦グルテン、トウモロコシグルテン、ルピナスミール、エンドウ豆ミール、ヒマワリ種子ミール、米ミール等の植物性蛋白質;および血液ミール、骨ミール、羽毛ミール、鶏ミール等の食肉処理場の廃棄物等の1つまたは複数の蛋白質源から構成される飼料を意味するが、これに限定されるものではない。それぞれが独自のアミノ酸プロファイルを有する異なる蛋白質源を混合することにより、特定の制限内で、飼料が意図される魚の種に適合した飼料において所望のアミノ酸プロフィルを達成することが可能である。
【0053】
配合飼料はさらに、エネルギー源として、魚油等の油および/または菜種油および大豆油等の植物油を含む。配合飼料にはまた、通常、小麦または小麦粉、馬鈴薯粉、米、米粉、エンドウ豆粉、豆またはタピオカ粉等の澱粉が豊富な原料の形の結合剤が含まれており、飼料に所望の強度と形状の安定性を与える。
【0054】
配合飼料には、魚等の水生種の良好な成長と良好な健康に対処するために必要なミネラルとビタミンがさらに含まれている。飼料は、特定の効果を達成するために、顔料等のさらなる添加剤をさらに含むことができる。
【0055】
したがって、配合飼料は、蛋白質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、および任意の他の添加物の間の相対量が、魚等の水生種の年齢または生活段階に基づいて、魚等の水生種の栄養のニーズに最適に適合するように計算される複合飼料である。給餌は1種類の飼料のみで行われ、飼料のすべての部分が栄養的に適切であるのが一般的である。
【0056】
乾燥した配合飼料とは、押し出しタイプの飼料を意味する。
【0057】
以下に、好ましい実施形態の例を説明し、分析結果を添付の図面に示す。
【実施例】
【0058】
[飼料食感の分析方法(Feed texture analysing method)#1]
破壊時の強度(硬度)を、50kgのロードセルを取り付けた食感分析器(TA XT2、モデル1000R;SMS Stable Micro Systems、Blackdown Rural Industries、Surrey、英国)を使用して、直径方向の圧縮によって測定した。一旦10gのトリガーに到達すると、プローブはサンプルを圧縮し続ける。直径5mmの球状ステンレス鋼シリンダー(P/5S,Stable Micro Systems)を使用して、2mm s-1のテスト前速度および一定のテスト速度2mm s-1で、水平に配置されたペレットにシリンダーを押し当てて、35gの力を達成することによって、分析を行った。テスト後速度を10mm s-1に設定し、破断感度を10gに設定した。コンピュータによって強度-時間グラフを記録し、ウィンドウズ(登録商標)用テキスチャエクスポーネント(version6.1.7.0、Stable Micro Systems)を使用して分析し、破壊の強度を、10個のペレットについて記録した。強度を、10個のペレットの平均値として報告した。
【0059】
[飼料食感の分析方法#2]
破壊時の強度(硬度)と弾力性を、50kgのロードセルを取り付けた、方法#1と同じ食感分析器を使用して直径方向の圧縮によって測定した。一旦5gのトリガーに到達すると、プローブはサンプルを圧縮し続ける。直径25mmの球状ステンレス鋼シリンダー(P/25、Stable Micro Systems)を使用して、2mm s-1のテスト前速度および一定のテスト速度2mm s-1で、水平に配置されたペレットにシリンダーを押し当てて40%の圧縮を達成することによって、分析を行った。テスト後速度を10mm s-1に設定した。コンピュータによって力-歪(%)グラフを記録し、分析し、「勾配」すなわち、勾配=力(g)/歪(%)として、報告した。破壊の強度を、10個のペレットの平均値として報告した。
【0060】
実施例に示されている直径9mmおよび22mmの標準的な配合された乾燥ペレットを、当業者にとって周知のように、通常の方法で押し出しによって製造した。押し出し後の乾燥により、総水分含有量を約7~8%に調整した。本発明によるマグロの給餌に適した柔らかく弾力のある魚用飼料ペレットを、以下に記載するように別々に調製した。
【0061】
実施例に示されている配合された魚用飼料は、大西洋クロマグロ(T.thynnus)の理論的な栄養要件を満たしている。直径8.5mm、25mm、35mmのマグロ用飼料の配合物を表1Aに示す。8.5mmのマグロ用飼料は、9mmの標準的な配合された乾燥ペレットに対応し、25mmのマグロ用飼料は、22mmの標準的な配合された乾燥ペレットに対応しているが、これらは同等な飼料サイズである。
【0062】
[マグロの給餌に適した魚用飼料の製造]
本発明による第1の直径8.5mmの魚用飼料を、以下のように製造した。乾燥成分を、0.75mmのスクリーンサイズを備えたデニセン(Dinnissen)30kWのハンマーミル(Dinnissen、Sevenum、オランダ)内の垂直ミキサーで予備混合し、粉砕した。次いで、この成分をデニセンの水平リボンミキサー(500LTR)で7分間混合した。飼料マッシュを、径差予備調整器(DDC2;Wenger Manufacturing、Sabetha、KS、米国)で調整し、スクリュー直径85mmのウェンジャー(Wenger)X-85一軸押し出し機で押し出した。成分を記載のように押し出し、直径8.5mm、長さ約9mmの押し出し物を得た。ナイフの回転速度を、押し出し物の規定長によって調節した。
【0063】
乾燥温度を25℃に設定し、製品をウェンジャーシリーズIII三帯域水平乾燥機(horizontal 3-zones dryer)でちょうど5分間乾燥した。通常、これらの条件では、製品は公称重量の約1%の水分しか失わないため、プロセス全体を「乾燥プロセスなし」と見なすことができる。続いて、得られたペレットを、フォーベルグ6-l真空塗工機(Forberg、オスロ、ノルウェー)で、油でコーティングした。押し出しプロセスへの総水分添加量、すなわち予備調整器および/または押し出し機のバレルに加える総水分添加量は、乾燥中の水分の損失がほとんどないことを考慮し、そして押し出し機のダイの「蒸発」およびコーティング中の水分の損失の明細を明らかにして、最終製品の総水分含有量が15%になるように計算した。実際の水分添加量を表2に示す。
【0064】
本発明による直径8.5mmの第2の魚用飼料を、上記のように製造したが、ウェンジャーTX-57二軸押し出し機(twin screw extruder)で押し出した。押し出し機のバレルは直径57mmであり、長さ対直径の比は17.5:1であった。押し出し機のバレルは、4つのヘッドセクションで構成され、各セクションは蒸気加熱(セクション1~4)または水冷(セクション2~4)のいずれかを可能にするためにジャケットが付けられている。第2、第3および第4セクションの温度制御は、加熱および冷却の電力入力の平衡を保つことにより達成した。成分を記載されているように押し出し、直径が約8.5mm、長さが約9.5mmの押し出し物を得た。ナイフの回転速度を、押し出し物の規定長によって調節した。
【0065】
得られた魚用飼料を、ウェンジャーシリーズIII三帯域水平乾燥機で、約850g kg-1乾物まで乾燥した。
【0066】
続いて、得られた第1の8.5mm魚用飼料および第2の8.5mm魚用飼料に、フォーベルグ60-l真空塗工機で魚油をコーティングした。
【0067】
本発明による直径25mmの魚用飼料を、市販の押し出し機(ウェンジャー、X-175一軸押し出し機)で製造した。この魚用飼料は、直径8.5mmの魚用飼料の製造について説明したのと同じ手順を使用して調製した。プロセスパラメータは、表2に見出すことができる。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
[食感分析]
図1および
図2に示すように、飼料食感の分析方法#1を飼料食感の分析方法#2の曲線の形状と組み合わせて使用した場合、押し出し成形された製品を柔らかいと見なすための許容しきい値(accepted threshold)は1000g/mmの力である。力が1000g/mm未満である場合、製品は柔らかい。
【0073】
いくつかの事例では、標準的な飼料粒子は、例えば使用する飼料成分に応じて、飼料食感の分析方法#1を使用して、しきい値1000g/mmを下回り、飼料食感の分析方法#2の曲線の形状よりも低くなる場合があるが、
図1および
図2に示されているものと同一のままである。
【0074】
食感分析の結果を、
図3に示すように異なる形式で表示する場合がある。「勾配」(=力/歪)として、力の最初のピークでの「力(g)」と「歪(%)」の値の各ペアを割り当てる。「勾配」をペレットサイズの関数として示し、各測定された魚用飼料ペレットについてプロットする。力の最初のピークがない場合は、例えば、柔らかく弾力のある魚用飼料の
図1を参照すれば、値のペアがグラフの終点、すなわち、ペレットにひび割れが入ることなく40%の圧縮に到達している。
【0075】
<実施例1>
本発明による第1の直径8.5mmの魚用飼料を、表2および表3に記載されているように、また表1Aに示されているレシピに従って製造した。主成分の実際の含有量を、表1Bに示す。8.5mmの飼料を、標準的な、すなわち市販の直径9mmのタイセイヨウサケの魚用飼料と比較した。
【0076】
飼料の食感を、飼料食感の分析方法#1および飼料食感の分析方法#2で説明されているように分析した。飼料食感の分析方法#2の結果を、
図1に示す。
【0077】
図1に示されているサケの飼料曲線の形状は、標準的な硬くて脆い押し出し飼料粒子の典型的なものである。飼料粒子の硬度または最初の亀裂点を表す最大の力の値は、かなり早い段階で生じ、すなわちプローブの貫通距離が短くなり、その結果、ピークが急になる。最初の亀裂の後、飼料粒子が絶え間なく小さな粒子に分解されている間、飼料粒子は依然としてある程度の抵抗を示しているため、力は直ちにゼロにならない。
【0078】
他方、本発明による柔らかくて弾力のある魚用飼料粒子は、完全に異なる形状の曲線を示す。これは柔らかくて弾力のあるサンプルには典型的である。プローブが飼料粒子を破壊したり最初のピークに到達したりせずに圧縮する距離が長いことは、飼料粒子が破壊されていないことを示している。これはペレットの弾力性を示している。最初のピークの前の短い貫通距離は、脆い飼料粒子を示し、一方、破壊前の長い貫通距離は、より弾力のある飼料粒子を示す。さらに、弾力のある魚用飼料粒子の最大破壊力は、タイセイヨウサケの飼料粒子と比較して著しく低い。
【0079】
飼料食感の分析方法#1で測定した第1の8.5mmの弾力のある魚用飼料の硬度値は、516g mm-1であった。9mmのタイセイヨウサケの飼料、すなわち同等なサイズの硬度は、3778g mm-1であった。
【0080】
弾力のある魚用飼料は、出願人によって確立された商業ガイドライン(データは提示せず)に従って、沈下速度、吸油能力、耐久性等の標準的な品質基準を示した。
【0081】
<実施例2>
本発明による直径25mmの魚用飼料を、表2および表3に記載されているように、また表1Aに示されているレシピに従って製造した。主成分の実際の含有量を、表1Bに示す。直径25mmの飼料を、標準的な、すなわち市販の直径22mmのイシビラメの魚用飼料と比較した。
【0082】
飼料の食感を、飼料食感の分析方法#1および飼料食感の分析方法#2で説明されているように分析した。飼料食感の分析方法#2の結果を、
図2に示す。
【0083】
標準的なイシビラメの飼料は、最初の亀裂、すなわち最大の力の値の前の抵抗が全くないか、または非常にわずかな抵抗を示し、したがって、力はすぐにゼロに低下し、急なピークになる。
【0084】
22mmの標準的なイシビラメの飼料の硬度値は、3874g mm-1であったが、本発明による25mmのマグロ用飼料の硬度は416g mm-1であった。
【0085】
弾力のある魚用飼料は、出願人によって確立された商業ガイドライン(データは提示せず)に従って、沈下速度、吸油能力、耐久性等の標準的な品質基準を示した。
【0086】
図1および
図2の曲線の比較は、飼料粒子サイズを8~9mmから約20mmに増加させても、本発明による飼料粒子の食感を変化させないことを示している。
【0087】
図3に示されるように、「ペレットサイズ」-「勾配」図における本発明によるペレットは、ペレットサイズの関数として線形分布に従う。分布は次の式に従うことが可能である:勾配=33.5×(ペレットサイズ)-235。対照的に、既知の技術の硬いペレットは、次の式に従うことが可能である:勾配=202×(ペレットサイズ)-1364。
【0088】
<実施例3>
本発明による直径8.5mmの5つの異なる飼料を、表2および表3に記載されているように、また表4に示されているレシピに従って、製造した。目的は、飼料の貯蔵寿命を評価することであった。さまざまな量のプロピオン酸カルシウムを、保存料(preservative)としてレシピに加えた。飼料を、全貯蔵期間中、25℃の温度および75%RH(相対湿度)で貯蔵した。
【0089】
【0090】
サンプリングを、1か月、3か月、6か月の貯蔵後に行った。サンプルを、微生物の品質、すなわち、カビ、好気性細菌、嫌気性細菌、およびウェルシュ菌(Clostridium perfringens)について、ならびに硬度について分析した。硬度の結果を
図4に示す。
【0091】
一般に、微生物学の結果は、抗カビ剤(anti-molding agent)を添加せずに製品を6か月間貯蔵できることを示している(結果は示さず)。さらに、6か月の貯蔵後、この試験で製造されたすべての製品に関する食感は許容範囲内であった。
【0092】
1か月のサンプルと3か月のサンプルの間にいくらかの硬化が観察された。その後、硬度は、貯蔵期間の3~6か月の間安定した状態を維持した。すべてのサンプルは、6か月の貯蔵後に、1000g mm-1未満の硬度を示したので、すべてのサンプルは貯蔵の間、柔らかく弾力のあるままであったことになる。
【0093】
<実施例4>
本発明による直径35mmの魚用飼料を、表2および表3に記載されているように、また表1Aに示されているレシピに従って、パイロット規模で製造した。主成分の実際の含有量を、表1Bに示す。
【0094】
製品の測定された硬度は、443g mm-1であった。さらに、このタイプの飼料の標準的な品質基準は、出願人の商業ガイドライン(データは提示せず)に従った。
【0095】
<実施例5>
本発明によるマグロ用の35mmの飼料を、8.5mmのマグロ用飼料について記載されたのと同じ方法で製造した。比較とプロセス規模の影響を確認するために、第2の一軸押し出し機(X-175、Wenger Manufacturing,直径175mmのスクリューを備える)を使用して、35mmの新しいマグロ用飼料を製造した。
【0096】
直径35mmの魚用飼料を、表2および表3に記載されているように、また表1Aに示されているレシピに従って製造した。
【0097】
飼料は柔らかく弾力があった。さらに、このタイプの飼料の標準的な品質基準は、出願人の商業ガイドライン(データは提示せず)に従った。
【0098】
<実施例6>
体重約6kgの若いクロマグロ(T.orientalis)を、2017年に巾着網で漁獲し、和歌山(西日本)近くの商業的な魚養殖場(commercial fish farm)の4つの海上生け簀(sea cage)に移した。各生け簀には、日本のマイワシ(Japanese sardine)(Sardinops melanostictus)、マアジ(Japanese horse mackerel)(Trachurus japonicas)、マサバ(chub mackerel)(Scomber japonicas)、および/または、ゴマサバ(blue mackerel)(S.australasicus)から主として成る生の飼料魚を、見かけの満足度まで給餌された約850匹の魚が入れられていた。2つの生け簀に入れた魚を、成長試験の開始前の1か月の期間にわたって、本発明によるソフトEP食餌を食べるために引き離した。成長試験では、ソフトEPと生の飼料魚を比較し、2017年12月11日に開始した。その試験は、2018年4月10日まで4か月間継続した。周囲の水温は、試験開始時の19℃から2月~3月の14~15℃に低下し、その後、試験終了時に17℃に向かって再び上昇した。魚には見かけの満足度まで給餌し、体の大きさ/成長の発達は毎月AQ1カメラシステムを使用して追跡した。試験中の生存率は高く(≧99%)、食餌とは無関係であった。ソフトEPを給餌された魚(初期体重から約30%増加)は、生の飼料魚を給餌された魚(約5%の増加)と比較して、大幅に成長した(
図5)。特に水温が低下し、水温が低い時期には、ソフトEPは生の飼料魚よりも優れた成長を支援した。魚の体重増加1kgあたりに使用される飼料乾物(kg)として計算された飼料転換率(FCR)も、生の飼料魚の給餌(5.3および11.2)と比較して、ソフトEP(3.5および6.0)の方が優れていた。
【0099】
<実施例7>
以下の3つの食餌を、直径20mmのペレットに調理押し出しすることによって調製し、弾力性と破断強度を評価した。食餌1は小麦グルテン加水分解物およびグリセリンの両方を含んでいた。しかし、食餌2は小麦グルテン加水分解物を欠き、食餌3はグリセリンを欠いていた。
【0100】
【0101】
食餌1のペレットは、滑らかな表面と光沢のある外観を有していた。ペレットは柔らかく弾力があり(
図6A)、破壊することなく(
図6B)、容易に4~5回絞ることができた。
【0102】
対照的に、食餌2および食餌3のペレットは、引きちぎれた縁部、粗い切断面、顕著な突起および溝を有していた(それぞれ、
図7Aおよび
図8A)。これらのペレットは弾力性がなかった。このペレットは、一度絞った後、既に割れていた/破壊されていた。4~5回絞った後、食餌はかなり破壊され、バラバラになり始めた(それぞれ、
図7Bおよび
図8B)。
【0103】
したがって、本明細書で教示されるように、柔らかくて弾力のあるペレットを得るためには、植物蛋白質加水分解物および可塑剤の両方が必要なのであった。
【0104】
上記実施形態は、本発明を例示するものであり制限するものではなく、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態を設計することができることに留意されたい。請求項において、括弧の間に配置されたいかなる参照記号も、請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。「含む(comprise)」という動詞およびその語形変化の使用は、請求項に記載された以外の構成要素またはステップの存在を排除するものではない。構成要素につけられた冠詞「a」または「an」は(構成要素の単数表記は)、当該構成要素の複数の存在を排除するものではない。
【0105】
特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有効に用いられ得ないことを示すものではない。
(1)水生種用の押し出し成形された完全配合飼料であって、前記完全配合飼料は、
少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、
少なくとも1つの脂肪源、
繊維質、
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
水、
少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、
加水分解された植物蛋白質源、および
可塑剤、
を含み、
前記完全配合飼料は、完全飼料の約12.5%から約25%(w/w)までの水分含有量を含むことを特徴とする飼料。
(2)(1)に記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約5%から約9%(w/w)の食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含むことを特徴とする飼料。
(3)(2)に記載の飼料であって、前記食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤が、アルファ化された馬鈴薯澱粉を含むことを特徴とする飼料。
(4)(2)に記載の飼料であって、前記食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤が、天然の馬鈴薯澱粉を含むことを特徴とする飼料。
(5)(2)に記載の飼料であって、前記食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤が、タピオカ澱粉を含むことを特徴とする飼料。
(6)(1)から(5)のいずれか1つに記載の飼料であって、前記加水分解された植物蛋白質が、約3%から約25%の加水分解度を有する加水分解された植物蛋白質であることを特徴とする飼料。
(7)(1)から(6)のいずれか1つに記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約5%から約15%(w/w)の加水分解された植物蛋白質を含むことを特徴とする飼料。
(8)(1)から(7)のいずれか1つに記載の飼料であって、前記加水分解された植物蛋白質が、加水分解された小麦グルテンを含むことを特徴とする飼料。
(9)(1)から(8)のいずれか1つに記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約1.5%から約5%(w/w)の可塑剤を含むことを特徴とする飼料。
(10)(9)に記載の飼料であって、前記可塑剤がグリセリンを含むことを特徴とする飼料。
(11)(1)から(10)のいずれか1つに記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約14%から約20%(w/w)までの水分含有量を含むことを特徴とする飼料。
(12)(1)から(11)のいずれか1つに記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約40%から約60%(w/w)までの粗蛋白質含有量を含むことを特徴とする飼料。
(13)(1)から(12)のいずれか1つに記載の飼料であって、前記飼料が、完全飼料の約15%から約35%(w/w)までの粗脂肪含有量を含むことを特徴とする飼料。
(14)(12)または(13)に記載の飼料であって、粗脂肪:粗蛋白質の比率が約15:60~約35:40であることを特徴とする飼料。
(15)(1)から(14)のいずれか1つに記載の飼料であって、50kgのロードセルおよび直径5mmの球状シリンダーを取り付けた食感分析器を使用した直径方向の圧縮において、10gのトリガーに到達し、水平に配置された飼料ペレットを2mm s
-1
のテスト前速度および2mm s
-1
の一定のテスト速度で圧縮し続けることにより、35gの力を達成し、テスト後速度を10mm s
-1
に、および破断感度を10gに設定して、コンピュータによって強度-時間グラフを記録することによる測定で、1000g mm
-1
未満の硬度を有することを特徴とする飼料。
(16)(1)から(14)のいずれか1つに記載の飼料であって、50kgのロードセルおよび直径25mmの球状シリンダーを取り付けた食感分析器を使用した直径方向の圧縮において、5gのトリガーに到達し、水平に配置された飼料ペレットを2mm s
-1
のテスト前速度および2mm s
-1
の一定のテスト速度で圧縮し続けることにより、40%の圧縮を達成し、テスト後速度を10mm s
-1
に設定し、コンピュータで力-歪グラフを記録し、力の最初のピークでの勾配=力(g)/歪(%)を計算することによる測定で、1000g mm
-1
未満の硬度を有することを特徴とする飼料。
(17)(1)から(16)のいずれか1つに記載の水生種用の飼料を製造する方法であって、
i)
少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、
少なくとも1つの脂肪源、
繊維質
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
水
少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、
加水分解された植物蛋白質源、および
可塑剤、
を用意するステップと、
ii)少なくとも、前記少なくとも1つの非加水分解蛋白質源、繊維質、ビタミン添加物、ミネラル添加物、少なくとも部分的に食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤を含む結合剤、加水分解された植物蛋白質源、ならびに必要に応じて、前記少なくとも1つの脂肪源、可塑剤、および水を混合するステップと、
iii)必要に応じて、前記ステップii)の混合物を予備調整器に供給するステップと、
iv)必要に応じて、前記可塑剤および/または前記少なくとも1つの脂肪源を前記予備調整器に加えるステップと、
v)必要に応じて、前記予備調整器に蒸気および/または水を加えるステップと、
vi)必要に応じて、予備調整された混合物を調理押し出し機へ供給するステップと、
vii)必要に応じて、前記可塑剤および/または前記少なくとも1つの脂肪源を前記調理押し出し機へ加えるステップと、
viii)必要に応じて、水および/または蒸気を前記ステップvii)の混合物に加えるステップと、
ix)押し出し物を作製し、必要に応じて、前記押し出し物を飼料ペレットに切断するステップと、
x)必要に応じて、前記少なくとも1つの脂肪源を、大気圧より低い気圧でのコーティングによって、前記飼料ペレットに加えるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
(18)(1)から(16)のいずれか1つに記載の完全配合飼料を製造するための方法であって、前記方法が
i)
非加水分解蛋白質源、
任意選択の炭水化物含有源、
ビタミン添加物、
ミネラル添加物、
食用の澱粉含有塊茎由来の増粘剤、および
加水分解された植物蛋白質源を用意するステップと、
ii)前記ステップi)で用意した材料を混合するステップと、
iii)予備調整器に前記ステップii)の混合物を供給するステップと、
iv)必要に応じて、前記可塑剤を前記予備調整器に加えるステップと、
v)前記予備調整器に蒸気を加え、必要に応じて前記予備調整器に水を加えるステップと、
vi)加熱した前記材料を前記予備調整器から調理押し出し機に供給するステップと、
vii)必要に応じて、前記可塑剤を前記調理押し出し機に加えるステップと、
viii)必要に応じて、水分をステップvii)の前記混合物に加えるステップと、
ix)少なくとも10%(w/w)の吸油能力を備えた押し出し物を作製するステップと、
x)大気圧より低い気圧で操作されるコーティング装置内の前記押し出し物に前記脂肪源を加えるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
(19)(18)に記載の方法であって、前記調理押し出し機が、前記押し出し物の膨張後に最小直径3mmの押し出し物を作製するための貫通穴を備えたダイプレートを備えることを特徴とする方法。
(20)水生種に給餌する方法であって、前記水生種に(1)から(16)のいずれか1つに記載の飼料を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
(21)水生種の体重増加および/または1日平均増加量および/または成長速度を改善する方法であって、前記水生種に(1)から(16)のいずれか1つに記載の飼料を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
(22)水生種における飼料転換率(FCR)を改善する方法であって、前記水生種に(1)から(16)のいずれか1つに記載の飼料を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
(23)(19)から(21)のいずれか1つに記載の方法であって、前記水生種が魚類、例えば魚および甲殻類から選択されることを特徴とする方法。
(24)(19)から(22)のいずれか1つに記載の方法であって、前記水生種が、マグロ、サケ類、バス、テラピア、掃除魚、タラ;ヌマガレイ、シタビラメ、イシビラメ、ツノガレイ、およびオヒョウ等のカレイ類;ナマズ、カワカマスおよびカワカマスの幼魚、コイ;タイ等のタイ類;小エビ、中エビ、カニ、ロブスター、およびイセエビからなる群より選択されることを特徴とする方法。
(25)(19)から(23)のいずれか1つに記載の方法であって、前記水生種がマグロであることを特徴とする方法。