(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】磁気共鳴撮像を実行するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A61B5/055 370
(21)【出願番号】P 2021548583
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(86)【国際出願番号】 US2020019530
(87)【国際公開番号】W WO2020172673
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-01-24
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521355832
【氏名又は名称】プロマクソ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】ナセブ、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ギサド、ホセ・ミゲル・アルガリン
(72)【発明者】
【氏名】マリク、プルキット
(72)【発明者】
【氏名】ドン、ホンリー
(72)【発明者】
【氏名】デ・マトス・ゴメス、ミュラー・フランシス
(72)【発明者】
【氏名】アツヒベーラ・ラーマ・パンディアン、サバレイシュ
(72)【発明者】
【氏名】クマー、ディネシュ
(72)【発明者】
【氏名】ノルテ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤナン、ラム
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0313420(US,A1)
【文献】特開2008-119091(JP,A)
【文献】特開2015-213780(JP,A)
【文献】国際公開第2018/227108(WO,A1)
【文献】特開平06-054822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0038830(US,A1)
【文献】特表2002-505596(JP,A)
【文献】特開平04-028349(JP,A)
【文献】特表2017-527424(JP,A)
【文献】特表2016-514528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴撮像システムであって、前記磁気共鳴撮像システムはハウジングを具備するものであり、
前記ハウジング
は、
前面、
静磁場を提供する永久磁石、
無線周波数送信コイル、および
片面式勾配コイルセット、
を備え、
前記磁気共鳴撮像システムが、前記前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムであり、
前記永久磁石が、該永久磁石の中心を貫き、前記ボアと同軸である開口を有しており、
前記無線周波数送信コイルが前記前面上に位置し、前記ボアと同軸である中心領域を有しており、
前記片面式勾配コイルセットが前記前面上に位置し、該片面式勾配コイルセットの中心領域の周りに配置された複数の勾配コイルを有しており、該中心領域は前記ボアと同軸であり、
前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面に近接して配置され
ており、
前記磁気共鳴撮像システムはさらに、
前記静磁場に加算または減算する磁場を生成するように構成された電磁石と、
無線周波数受信コイルと、
前記無線周波数送信コイル、前記片面式勾配コイルセット、または前記電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記前面より外側
で且つ前記ボアの前記開口部の近傍にある対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源と、
を備える磁気共鳴撮像システム。
【請求項2】
前記前面が凹面である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記永久磁石の前記静磁場が1mTから1Tまでにわたる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のリングおよび第2のリングは互いに同軸に配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記無線周波数送信コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記片面式勾配コイルセットが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、前記第1の位置および前記第2の位置が、前記片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記磁気共鳴撮像システムが前記片面式勾配コイルセットの立上り時間
を10μs未満
とするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記電磁石が前記対象領域内で前記永久磁石の前記静磁場を変化させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記無線周波数受信コイルが、前記対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記コイルが前記対象領域よりも小さい、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
磁気共鳴撮像(MRI)システムは、主として密閉型フォームファクタを活用することに集中してきた。このフォームファクタは、電磁場生成材料および撮像システム部品で撮像領域を包囲することを含む。典型的なMRIシステムは円筒形ボア磁石を含み、そこで患者が撮像のために磁石の管内に配置される。無線周波数(RF)送信(TX)および受信(RX)コイル、勾配コイルおよび永久磁石などの部品がそれに応じて配置され、患者を撮像するために管内に必要な磁場を生成する。
【0002】
それゆえに、現在のMRIシステムの大部分は複数の欠点を被っている。そのいくつかの例を以下に挙げる。第1に、これらのシステムの設置面積は相当大きく、MRIシステムは病院または外部撮像センターに収容する必要があることが多い。第2に、閉鎖型MRIシステムは介入(例えば、MRIガイド下生検、治療計画、ロボット手術および放射線治療などの画像ガイド下介入)をずっと困難にする。第3に、ほとんどの現在のMRIシステムのように、患者を実質的に包囲するように上記の主磁石部品を設置することは、患者の移動を厳しく制限し、MRIシステム内に位置付けられた患者のパニックや、撮像領域内に患者が出入りする間の追加的負担を引き起こすことが多い。他の現在のMRIシステムでは、患者は2つの大きいプレートの間に配置され、患者配置に対するいくつかの物理的制限を緩和する。それにもかかわらず、設置面積を縮小し、関心のあるさまざまな領域にわたって診療所内MRI手技を見込んだ次世代MRIシステムにおける現代的な撮像構成を提供することが必要とされている。また、さまざまな画像ガイド下介入を見込んだMRIシステム設計を提供することも必要とされている。さらに、患者の体験および患者がスキャンされ得る容易性を改善するMRIシステム設計を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが提供される。さまざまな実施形態によれば、システムは、前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、片面式(single-sided)勾配コイルセットと、を有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、システムは、電磁石と、無線周波数受信コイルと、電源とを含む。さまざまな実施形態によれば、電源は、無線周波数送信コイル、片面式勾配コイルセット、または電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、対象領域に電磁場を発生させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域は前面より外側にある。
【0004】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが提供される。さまざまな実施形態によれば、システムは、凹型の前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、少なくとも1つの勾配コイルセットとを有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが凹型の前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に電磁場を発生させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域は凹型の前面より外側にある。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域における信号を検出する無線周波数受信コイルを含む。
【0005】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法が提供される。方法は、磁気共鳴撮像システムに患者パラメータを入力することを含み、前記システムが、前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および片面式勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面に近接して配置されるハウジングと、電磁石と、無線周波数受信コイルと、前記無線周波数送信コイル、前記片面式勾配コイルセット、または前記電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源とを備えるものであり、前記方法がさらに、少なくとも1つの第1のスキャンを実行することを含む、患者ポジショニングプロトコルを実行することと、少なくとも1つの第2のスキャンを実行することと、前記少なくとも1つの第2のスキャンをレビューすることと、前記少なくとも1つの第2のスキャンのレビューに基づいて生検を実施するための少なくとも1つのパスを決定することとを含む。
【0006】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法が提供される。方法は、磁気共鳴撮像システムに患者パラメータを入力することを含み、前記システムが、凹型の前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および少なくとも1つの勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面に近接して配置され、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させるように構成されたハウジングと、前記対象領域における信号を検出する無線周波数受信コイルとを備えるものであり、前記方法がさらに、少なくとも1つの第1のスキャンを実行することを含む、患者ポジショニングプロトコルを実行することと、少なくとも1つの第2のスキャンを実行することと、前記少なくとも1つの第2のスキャンをレビューすることと、前記少なくとも1つの第2のスキャンのレビューに基づいて生検を実施するための少なくとも1つのパスを決定することとを含む。
【0007】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法が提供される。方法は、前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および片面式勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面に近接して配置されるハウジングを用意することと、電磁石を用意することと、前記無線周波数送信コイル、前記片面式勾配コイルセット、または前記電磁石のうちの少なくとも1つを作動させることにより、前記前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させることと、無線周波数受信コイルを作動させて撮像データを取得することと、取得された撮像データを再構成して分析用の出力画像を生成することと、ユーザによるレビューおよび注釈のために前記出力画像を表示することとを含む。
【0008】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法が提供される。方法は、凹型の前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および片面式勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面に近接して配置されるハウジングを用意することと、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットのうちの少なくとも1つを作動させることにより、前記凹型の前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させることと、無線周波数受信コイルを作動させて撮像データを取得することと、取得された撮像データを再構成して分析用の出力画像を生成することと、ユーザによるレビューおよび注釈のために前記出力画像を表示することとを含む。
【0009】
これらおよび他の態様および実装形態が本明細書で詳細に説明される。上記の情報および下記の詳細な説明は、さまざまな態様および実装形態の説明的な例を含み、特許請求の範囲に記載される態様および実装形態の性質および特徴を理解するための概要または枠組を提供する。図面は、さまざまな態様および実装形態の例示およびさらなる理解を提供し、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は縮尺通りに描かれることを意図していない。さまざまな図面における同様の参照番号および符号は同様の要素を示す。明確さのため、あらゆる部品があらゆる図面でラベル付けされているとは限らない。
【0011】
【
図1】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0012】
【
図2A】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0013】
【
図2B】
図2Aに示す磁気共鳴撮像システムの分解組立図である。
【0014】
【
図2C】さまざまな実施形態による、
図2Aに示す磁気共鳴撮像システムの概略正面図である。
【0015】
【
図2D】さまざまな実施形態による、
図2Aに示す磁気共鳴撮像システムの概略側面図である。
【0016】
【
図3】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0017】
【
図4】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0018】
【
図5】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム500の概略正面図である。
【0019】
【
図6A】さまざまな実施形態による、個別のコイル素子を含む無線周波数受信コイル(RF-RX)アレイの例示的概略図である。
【0020】
【
図6B】さまざまな実施形態による、ループコイル磁場に対する例示的計算とともにループコイルの例を示す図である。
【0021】
【
図6C】本明細書に開示されたさまざまな実施形態による、ループコイルの半径の関数として磁場を示す例示的なX-Yチャートである。
【0022】
【
図6D】人体の部位、すなわち前立腺のエリアにおける断面図である。
【0023】
【
図7】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する方法のフローチャートである。
【0024】
【
図8】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する別の方法のフローチャートである。
【0025】
【
図9】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法のフローチャートである。
【0026】
【
図10】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する別の方法のフローチャートである。
【0027】
【
図11A-11X】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムにおける撮像のための解剖学的スキャンの種類による患者のさまざまな位置を示す図である。
【0028】
図は必ずしも縮尺通りには描かれず、また、図中の物体は相互の関係において必ずしも縮尺通りには描かれていないと理解すべきである。図は、本明細書に開示される装置、システム、および方法のさまざまな実施形態に明確さおよび理解をもたらすことを意図した図示である。可能である限り、同一の参照番号は図面を通じて同一または同様の部分を指すために使用される。さらに、図面はいかなる意味でも本教示の範囲を限定することを意図していないと認識されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
さまざまな実施形態の以下の説明は例示的および説明的なだけであり、いかなる意味でも限定的または制限的なものと解釈されてはならない。本教示の他の実施形態、特徴、目的、および利点は、この説明および添付の図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0030】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0031】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、それらのさまざまな実施形態が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
【0032】
本明細書で言及されるすべての刊行物は、当該刊行物に記載され本開示との関連で使用可能なデバイス、組成物、配合物および方法を説明し開示する目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
本明細書で使用される場合、「備える」、「含有する」、「有する」、「含む」およびそれらの変種は、限定的であることを意図しておらず、包括的または非限定的であり、追加的な、列挙されていない添加物、成分、整数、要素または方法ステップを排除しない。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、システム、組成物、キット、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、システム、組成物、キット、または装置に固有の他の特徴を含み得る。
【0034】
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、磁気共鳴撮像システムを含み得る。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムは、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムは、患者の解剖学的部位を撮像するために必要な磁場を提供する磁石アセンブリを含み得る。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムは、磁石アセンブリの外部にある対象領域において撮像するように構成され得る。
【0035】
現代の磁気共鳴撮像システムで使用される典型的な磁石共鳴アセンブリは、例えば、バードケージコイル構成を含む。典型的なバードケージ構成は、例えば、撮像領域(すなわち、患者が所在する対象領域)の両側に配置されそれぞれ1つ以上のラング(rung)によって電気的に接続された2つの大きなリングを含み得る無線周波数送信コイルを含む。コイルがより多く患者を包囲すればするほど撮像信号は改善するので、バードケージコイルは典型的に、撮像領域、すなわち、患者の解剖学的標的部位が所在する対象領域内から生成される信号が十分に一様になるように患者を取り囲むように構成される。患者の快適さを改善し、現在の磁気共鳴撮像システムの煩わしい移動制限を低減するため、本明細書に記載された開示は一般に、片面式磁気共鳴撮像システムおよびその応用を含む磁気共鳴撮像システムに関する。
【0036】
本明細書に記載されるように、開示される片面式磁気共鳴撮像システムは、両側から患者へのアクセスを提供しながら片側から患者を撮像するように構成され得る。これは、アクセス開口(本明細書において「開口」、「穴」または「ボア」ともいう)を含む片面式磁気共鳴撮像システムにより可能となる。アクセス開口は、磁石アセンブリおよび磁気共鳴撮像システムの完全に外部にある対象領域に磁場を投射するように構成される。現行のシステムのように電磁場生成材料および撮像システム部品によって完全に包囲されていないため、本明細書に記載される新規な片面式構成では、磁気共鳴撮像システムから患者を出し入れする際の不要な負担が削減される一方、患者が動くことへの制限が少ない。本明細書に記載のさまざまな実施形態によれば、患者は、撮像中に患者の側に磁石アセンブリが配置されることで、開示される磁気共鳴撮像システム内に閉じ込められたと感じない。片面式すなわち一方の面からの撮像を可能にする構成は、本明細書で説明されるように、開示されるシステム部品によって可能となる。
【0037】
さまざまな実施形態によれば、開示される磁気共鳴撮像システムのさまざまなシステム部品および実施形態を構成するさまざまなシステム、および特徴のさまざまな組合せが、本明細書に開示される。
【0038】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが本明細書に開示される。さまざまな実施形態によれば、システムは、前面と、静磁場を提供する永久磁石と、永久磁石アセンブリ内のアクセス開口(本明細書において「開口」、「穴」または「ボア」ともいう)と、無線周波数送信コイルと、片面式勾配コイルセットと、を有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、システムは、電磁石と、無線周波数受信コイルと、電源とを含む。さまざまな実施形態によれば、電源は、対象領域に電磁場を発生させるために無線周波数送信コイル、片面式勾配コイルセット、または電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域が前面より外側にある。
【0039】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、前面が凹面である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。
【0040】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを含み、第1の位置および第2の位置が、片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。
【0041】
さまざまな実施形態によれば、電磁石が対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mT乃至1Tである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0042】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが本明細書に開示される。さまざまな実施形態によれば、システムは、凹型の前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、少なくとも1つの勾配コイルセットと、を有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが凹型の前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に電磁場を発生させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域が凹型の前面より外側にある。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域における信号を検出する無線周波数受信コイルを含む。
【0043】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが凹型の前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが非平面状であり、片面式であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0044】
さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、第1の位置および第2の位置が、少なくとも1つの勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成された電磁石をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mT乃至1Tである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。
【0045】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0046】
図1は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム100の概略図である。システム100はハウジング120を含む。
図1に示すように、ハウジング120は、永久磁石130と、無線周波数送信コイル140と、勾配コイルセット150と、任意選択的な電磁石160と、無線周波数受信コイル170と、電源180とを含む。さまざまな実施形態によれば、システム100は、例えば、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチ、固体リレー、もしくは機械式リレーを含むスイッチなどのさまざまな電子部品を含むことができるがそれに限定されることはない。さまざまな実施形態によれば、上に列挙したさまざまな電子部品は、無線周波数送信コイル140とともに構成され得る。
【0047】
図2Aは、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム200の概略図である。
図2Bは、磁気共鳴撮像システム200の分解組立図を示す。
図2Cは、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム200の概略正面図である。
図2Dは、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム200の概略側面図である。
図2Aおよび
図2Bに示すように、磁気共鳴撮像システム200はハウジング220を含む。ハウジング220は前面225を含む。さまざまな実施形態によれば、前面225は凹型の前面であり得る。さまざまな実施形態によれば、前面225はくぼんだ前面であり得る。
【0048】
図2Aおよび
図2Bに示すように、ハウジング220は、永久磁石230と、無線周波数送信コイル240と、勾配コイルセット250と、任意選択的な電磁石260と、無線周波数受信コイル270とを含む。
図2Cおよび
図2Dに示すように、永久磁石230は、アレイ構成で配置された複数の磁石を含み得る。永久磁石230の複数の磁石は、
図2Cの正面図に示すように全面を覆うように図示され、
図2Dの側面図に示すように水平方向の棒として図示されている。
図2Aに示すように、主永久磁石は、システムの複数の側から患者にアクセスするためのアクセス開口235を含んでもよい。
【0049】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0050】
永久磁石
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、永久磁石を含み得る。
【0051】
さまざまな実施形態によれば、永久磁石230は、対象領域290(本明細書において「所与の視野」ともいう)に静磁場を提供する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230は、
図2Cおよび
図2Dに示すように、並列構成で複数の円筒形永久磁石を含み得る。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230は、例えば、Nd系磁性材料などのような希土類系磁性材料を含むがそれに限定されることのない任意の好適な磁性材料を含み得る。
図2Aに示すように、主永久磁石は、システムの複数の側から患者にアクセスするためのアクセス開口235を含んでもよい。
【0052】
さまざまな実施形態によれば、永久磁石230の静磁場は、約50mTから約60mTまで、約45mTから約65mTまで、約40mTから約70mTまで、約35mTから約75mTまで、約30mTから約80mTまで、約25mTから約85mTまで、約20mTから約90mTまで、約15mTから約95mTまでおよび約10mTから約100mTまで、所与の視野に対して変えることができる。磁場は、約10mTから約15mTまで、約15mTから約20mTまで、約20mTから約25mTまで、約25mTから約30mTまで、約30mTから約35mTまで、約35mTから約40mTまで、約40mTから約45mTまで、約45mTから約50mTまで、約50mTから約55mTまで、約55mTから約60mTまで、約60mTから約65mTまで、約65mTから約70mTまで、約70mTから約75mTまで、約75mTから約80mTまで、約80mTから約85mTまで、約85mTから約90mTまで、約90mTから約95mTまで、および約95mTから約100mTまで変えてもよい。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230の静磁場は、約1mTから約1Tまで、約10mTから約195mTまで、約15mTから約900mTまで、約20mTから約800mTまで、約25mTから約700mTまで、約30mTから約600mTまで、約35mTから約500mTまで、約40mTから約400mTまで、約45mTから約300mTまで、約50mTから約200mTまで、約50mTから約100mTまで、約45mTから約100mTまで、約40mTから約100mTまで、約35mTから約100mTまで、約30mTから約100mTまで、約25mTから約100mTまで、約20mTから約100mTまで、および約15mTから約100mTまで変えてもよい。
【0053】
さまざまな実施形態によれば、永久磁石230はその中心にボア235を含み得る。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230はボアを含まなくてもよい。さまざまな実施形態によれば、ボア235の直径は1インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、ボア235の直径は、1インチ乃至4インチ、4インチ乃至8インチ、および10インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、
図2Aおよび
図2Bに示すように、所与の視野は球形または円筒形の視野であり得る。さまざまな実施形態によれば、球形の視野は直径が2インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、球形の視野の直径は、1インチ乃至4インチ、4インチ乃至8インチ、および10インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、円筒形の視野は長さがおよそ2インチ乃至20インチである。さまざまな実施形態によれば、円筒形の視野の長さは、1インチ乃至4インチ、4インチ乃至8インチ、および10インチ乃至20インチであり得る。
【0054】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0055】
無線周波数送信コイル
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、無線周波数送信コイルをも含み得る。
【0056】
図3は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置300の実施態様の概略図である。
図3に示すように、装置300は無線周波数送信コイル320を含み、これはコイル320から外向きにRFパワーを投射する。コイル320は、1つ以上のラング326によって接続された2つのリング322および324を有する。
図3に示すように、コイル320は電源350aおよび/または電源350b(本明細書ではまとめて「電源350」という)にも接続される。さまざまな実施形態によれば、電源350aおよび350bは電力入力および/または信号入力のために構成されることが可能であり、一般的にコイル入力と呼ぶことができる。さまざまな実施形態によれば、電源350aおよび/または350bは、電気接点352および354を1つ以上のラング326に取り付けることによって、電気接点352aおよび/または352b(本明細書ではまとめて「電気接点352」という)、ならびに電気接点354aおよび/または354b(本明細書ではまとめて「電気接点354b」という)を介して接点を提供するように構成される。コイル320は、視野340内に一様なRF磁場を投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、視野340は、患者が所在する磁気共鳴撮像のための対象領域(すなわち、撮像領域)である。患者はコイル320から離れて視野340に所在するので、装置300は片面式磁気共鳴撮像システムにおける使用に適している。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、例えば直交励磁によって、位相が互いに90度ずれた2つの信号によって電力供給され得る。
【0057】
さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、コイル320は、同じ軸に沿って同軸であるが互いにある距離に離れて配置されるリング322およびリング324を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は約0.1mから約10mまでにわたる距離だけ分離される。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は約0.2mから約5mまで、約0.3mから約2mまで、約0.2mから約1mまで、約0.1mから約0.8mまで、または約0.1mから約1mまで、にわたる距離だけ分離され、これらの間の任意の分離距離を含む。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、非同軸であるが同じ方向に沿って約0.2mから約5mまでにわたるある距離で分離されたリング322およびリング324を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は互いに対して傾斜することも可能である。さまざまな実施形態によれば、傾斜角は1度から90度まで、1度から5度まで、5度から10度まで、10度から25度まで、25度から45度まで、および45度から90度までであり得る。
【0058】
さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は同じ直径を有する。さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、リング322およびリング324は異なる直径を有し、リング322はリング324よりも大きい直径を有する。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は異なる直径を有し、リング322はリング324よりも小さい直径を有する。さまざまな実施形態によれば、コイル320のリング322およびリング324は、視野340内に一様なRFパワープロファイルを含む視野340に撮像領域を生成するように構成され、視野はRF-TXコイル内にセンタリングされず、代わりにコイル自体から空間的に外向きに投射される。
【0059】
さまざまな実施形態によれば、リング322の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、リング322の直径は、約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0060】
さまざまな実施形態によれば、リング324の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、リング324の直径は、約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0061】
さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、リング322およびリング324は1つ以上のラング326によって接続される。さまざまな実施形態によれば、1つ以上のラング326は単一の電気回路ループ(または単一の電流ループ)を形成するようにリング322およびリング324に接続される。
図3に示すように、例えば、1つ以上のラング326の1つの端部が電源350の電気接点352に接続され、1つ以上のラング326の別の端部が電気接点354に接続されることで、コイル320は電気回路を完成する。
【0062】
さまざまな実施形態によれば、リング322は不連続リングであり、電気接点352および電気接点354は、電源350によって電力供給される電気回路を形成するようにリング322の2つの反対側の端部に電気的に接続され得る。同様に、さまざまな実施形態によれば、リング324は不連続リングであり、電気接点352および電気接点354は、電源350によって電力供給される電気回路を形成するようにリング324の2つの反対側の端部に電気的に接続され得る。
【0063】
さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は非円形であり、代わりに楕円、正方形、長方形、もしくは台形、または閉ループを有する任意の形状もしくは形態の断面を有し得る。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は、2つの異なる軸平面において変化する断面を有してもよく、一次軸は円形であり、二次軸は正弦波形状または何らかの他の幾何形状を有する。さまざまな実施形態によれば、コイル320は2つのリング322および324より多くのリングを含んでもよく、それぞれが、すべてのリングにまたがり接続するラングによって接続される。さまざまな実施形態によれば、コイル320は2つのリング322および324より多くのリングを含んでもよく、それぞれが、リング間の接続点を互い違いにするラングによって接続される。さまざまな実施形態によれば、リング322はアクセスのための物理的開口を含んでもよい。さまざまな実施形態によれば、リング322は物理的開口のない中実なシートであってもよい。
【0064】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は約1μT乃至約10mTの電磁場(本明細書では「磁場」ともいう)強度を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約10μT乃至約5mT、約50μT乃至約1mT、または約100μT乃至約1mTの磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。
【0065】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約1kHz乃至約2GHzの無線周波数でパルス状の電磁場を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約1kHz乃至約1GHz、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状の磁場を発生させる(数値間の任意の周波数を含む)。
【0066】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、および1つ以上のラング326は互いに非平面状である。別の言い方をすれば、リング322、リング324、および1つ以上のラング326は、患者が所在する対象領域を包囲する3次元構造体を形成する。さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、リング322はリング324よりも対象領域に近い。さまざまな実施形態によれば、対象領域のサイズは約0.1mから約1mである。さまざまな実施形態によれば、対象領域はリング322の直径よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、対象領域は、リング324の直径およびリング322の直径の両方よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、対象領域のサイズは、リング322の直径よりも小さくリング324の直径よりも大きい。
【0067】
さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は同じ材料を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は異なる材料を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は中空な管または中実な管を含む。さまざまな実施形態によれば、中空な管または中実な管は、空冷または液冷のために構成され得る。さまざまな実施形態によれば、リング322またはリング324またはラング326のそれぞれが1つ以上の電気伝導性の巻線を含む。さまざまな実施形態によれば、巻線はリッツ線または任意の電気伝導線を含む。これらの追加的な巻線は、所望の周波数における巻線の抵抗を低減させることによってパフォーマンスを改善するために使用され得る。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326はメタマテリアルを含んでもよい。
【0068】
さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は、指定された設定に構造体の温度を維持するように設計された別個の電気的に非伝導性の熱制御チャネルを含んでもよい。さまざまな実施形態によれば、熱制御チャネルは、電気伝導性材料からなり電流を運ぶように一体化され得る。
【0069】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は、磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を含む。1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチ、固体リレー、もしくは機械式リレーを含むスイッチを含むことができる。さまざまな実施形態によれば、コイルは、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施形態によれば、コイルは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。さまざまな実施形態によれば、第1のリングおよび第2のリングは複数の巻線またはリッツ線を備える。
【0070】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は、視野にわたって磁場勾配を有する磁気共鳴撮像システムのために構成される。磁場勾配は、追加的な電磁勾配を使用せずに視野のスライスを撮像することを可能にする。本明細書で開示されるように、コイルは、それぞれが固有の帯域幅を有する複数の中心周波数を組み合わせることによって大きい帯域幅を生成するように構成され得る。それぞれの帯域幅を有するこれらの複数の中心周波数を重畳することにより、コイル320は約1kHz乃至約2GHzの所望の周波数範囲にわたる大きい帯域幅を効果的に生成することができる。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状の磁場を発生させる(数値間の任意の周波数を含む)。
【0071】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0072】
勾配コイルセット
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、勾配コイルセットをも含み得る。
【0073】
図4は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置400の実施態様の概略図である。
図4に示すように、装置400は、勾配コイルセット420(本明細書では片面式勾配コイルセット420ともいう)を含み、これは勾配磁場を外向きにコイルセット420から離れる方へ、視野430内に投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、視野430は、患者が所在する磁気共鳴撮像のための対象領域(すなわち、撮像領域)である。患者はコイルセット420から離れて視野430に所在するので、装置400は片面式MRIシステムにおける使用に適している。
【0074】
図に示すように、コイルセット420は、螺旋コイル440a、440b、440c、および440d(まとめて「螺旋コイル440」という)のさまざまなセットで、さまざまな大きさの螺旋コイルを含む。螺旋コイル440の各セットは少なくとも1つの螺旋コイルを含み、
図4は3個の螺旋コイルを含むように示されている。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルは、その中心における電気接点および螺旋コイルの外縁上の電気接点出力を有することで、中心から外縁に、またはその逆に螺旋を巻く電気伝導性材料の単一連続ループを形成する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルは、螺旋コイルの第1の位置における第1の電気接点および螺旋コイルの第2の位置における第2の電気接点を有することで、第1の位置から第2の位置に、またはその逆に電気伝導性材料の単一連続ループを形成する。
【0075】
図4に示すように、コイルセット420はその中心に開口425をも含み、螺旋コイル440が開口425の周りに配置される。開口425自体は、磁性材料を生成するためにその内部にいかなるコイル材料も含まない。コイルセット420は、コイルセット420の外縁上に開口部427をも含み、そこに螺旋コイル440が配置され得る。別の言い方をすれば、開口425および開口部427は、内部に螺旋コイル440が配置され得るコイルセット420の境界を画定する。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は中心に穴を有するボウル形状を形成する。
【0076】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は開口425の両側に形成される。例えば、螺旋コイル440aは開口425に関して螺旋コイル440cの反対側に配置される。同様に、螺旋コイル440bは開口425に関して螺旋コイル440dの反対側に配置される。さまざまな実施形態によれば、
図4に示すコイルセット420内の螺旋コイル440は、視野430内の勾配磁場に空間的符号化を生成するように構成される。
【0077】
図4に示すように、コイルセット420は、電気接点452および454を螺旋コイル440のうちの1つ以上に取り付けることによって、電気接点452および454を介して電源450にも接続される。さまざまな実施形態によれば、電気接点452は螺旋コイル440のうちの1つに接続され、次いでその螺旋コイル440は直列および/または並列に他の螺旋コイル440に接続され、次いで他の1つの螺旋コイル440が電気接点454に接続されることで電流ループを形成する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440はすべて電気的に直列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440はすべて電気的に並列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440のうちのいくつかは電気的に直列接続される一方で、他の螺旋コイル440は電気的に並列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440aは電気的に直列接続される一方で、螺旋コイル440bは電気的に並列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440cは電気的に直列接続される一方で、螺旋コイル440dは電気的に並列接続される。螺旋コイル440における各螺旋コイルまたは螺旋コイル440の各セットの間の電気的接続は、視野430に磁場を発生させるように必要に応じて構成され得る。
【0078】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、
図4に示すように広がる螺旋コイル440を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれは、螺旋コイルの各セットが別のセットから90°の角度だけ離れるように、開口425から開口部427への直線上に構成される。さまざまな実施形態によれば、440aおよび440bは互いに45°に置かれ、440cおよび440dは互いに45°に置かれるが、440cは440bの反対側で135°に置かれ、440dは440aの反対側で135°に置かれる。要するに、螺旋コイル440のセットのいずれも、螺旋コイル440の任意の数「n」個のセットに対して任意の配置で構成され得る。
【0079】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は同じ直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれは同じ直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は異なる直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれは異なる直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれにおける螺旋コイルは異なる直径を有する。さまざまな実施形態によれば、440aおよび440bは同じ第1の直径を有し、440cおよび440dは同じ第2の直径を有するが、第1の直径および第2の直径は同じでない。
【0080】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルの直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルの直径は、約0.001m乃至約9m、約0.005m乃至約8m、約0.01m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0081】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は単一の電気回路ループ(または単一の電流ループ)を形成するように接続される。
図4に示すように、例えば、螺旋コイル440における1つの螺旋コイルが電源450の電気接点452に接続され、別の螺旋コイルが電気接点454に接続されることで、螺旋コイル440は電気回路を完成する。
【0082】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は約1μT乃至約10Tの電磁場強度(本明細書では「電磁場勾配」または「勾配磁場」ともいう)を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、約100μT乃至約1T、約1mT乃至約500mT、または約10mT乃至約100mTの電磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、約1μT、約10μT、約100μT、約1mT、約5mT、約10mT、約20mT、約50mT、約100mT、または約500mTよりも大きい電磁場強度を発生させることができる。
【0083】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、立上り時間が約100μs未満の速度でパルス状の電磁場を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、立上り時間約1μs、約5μs、約10μs、約20μs、約30μs、約40μs、約50μs、約100μs、約200μs、約500μs、約1ms、約2ms、約5ms、または約10ms未満の速度でパルス状の電磁場を発生させる。
【0084】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、視野430において対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は互いに非平面状である。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットは互いに非平面状である。別の言い方をすれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれの螺旋コイル440は、患者が所在する視野430において対象領域を包囲する3次元構造体を形成する。
【0085】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は同じ材料を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は異なる材料を含む。さまざまな実施形態によれば、セット440a内の螺旋コイル440は同じ第1の材料を含み、セット440b内の螺旋コイル440は同じ第2の材料を含み、セット440c内の螺旋コイル440は同じ第3の材料を含み、セット440d内の螺旋コイル440は同じ第4の材料を含むが、第1、第2、第3および第4の材料は異なる材料である。さまざまな実施形態によれば、第1および第2の材料は同じ材料であるが、その同じ材料は、同じである第3および第4の材料とは異なる。要するに、螺旋コイル440のうちのいずれも、コイルセット420の構成によって同じ材料または異なる材料であり得る。
【0086】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は中空な管または中実な管を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は1つ以上の巻線を含む。さまざまな実施形態によれば、巻線はリッツ線または任意の電気伝導線を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440はメタマテリアルを含む。
【0087】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を含む。1つ以上の電子部品は、PINダイオード、機械式リレー、固体リレー、または微小電気機械システム(MEMS)スイッチを含むスイッチを含むことができる。さまざまな実施形態によれば、コイルは、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。いくつかの実施態様では、コイルは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。
【0088】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0089】
電磁石
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、電磁石をも含み得る。
【0090】
図5は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム500の概略正面図である。さまざまな実施形態によれば、システム500は、例えば、本明細書に開示されるような磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムを含む、任意の磁気共鳴撮像システムであり得る。
【0091】
図5に示すように、システム500は、無線周波数磁場を生成するための例えば磁石、電磁石、コイルを含むがそれらに限定されることのないさまざまな部品と、システム500の例えば制御、電力供給、および/または監視のためのものであるがそれらに限定されることのないさまざまな電子部品とを収納することができるハウジング520を含む。さまざまな実施形態によれば、ハウジング520は、例えば、永久磁石230、無線周波数送信コイル240、および/または勾配コイルセット250をハウジング520内に収納し得る。さまざまな実施形態によれば、システム500は、その中心にボア535をも含む。
図5に示すように、ハウジング520は、システム500の前面525をも含む。さまざまな実施形態によれば、前面525は、曲面、平面、凹面、凸面であるか、またはさもなければ直線的もしくは曲線的な表面を有し得る。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システム500は、視野530に対象領域を提供するように構成され得る。
【0092】
図5に示すように、システム500は、システム500の前面525に近接して配置された電磁石560を含む。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、システム500の前側で前面525の中心に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、例えば永久磁石230の磁場に加算または減算する磁場を生成するように構成されたソレノイドコイルであり得る。さまざまな実施形態によれば、この磁場は、核磁気共鳴からの信号またはコントラストを強めるための前分極磁場を生成することができる。
【0093】
図5に示すように、所与の視野530はシステム500の前面525の中心にある。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、所与の視野530内に配置される。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、所与の視野530と同心に配置される。さまざまな実施形態によれば、電磁石560はボア535に挿入され得る。さまざまな実施形態によれば、電磁石560はボア535に近接して設置され得る。例えば、電磁石560はボア535の前、後ろまたは中央に設置され得る。さまざまな実施形態によれば、電磁石560はボア535の入口部に近接して、または入口部に設置され得る。
【0094】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0095】
無線周波数受信コイル
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、無線周波数受信コイルをも含み得る。
【0096】
典型的なMRシステムは、撮像領域内に一様磁場を生成する。するとこの一様磁場は狭帯域の磁気共鳴周波数を発生させ、そしてこれが受信コイルによって捕捉され、増幅され、スペクトロメータによってデジタル化され得る。周波数は適切に定められた狭い帯域幅内にあるので、ハードウェアアーキテクチャは、最適なコイル品質係数を有する静的に同調されたRF-RXコイルを作成することを目標とする。大型の単一体積コイル、コイルアレイ、並列化コイルアレイ、または人体特異コイルアレイを探究したコイルアーキテクチャの多くの変形例が作成されている。しかし、これらの構造はすべて、高磁場強度で対象領域に近接し磁気ボア内でできるだけ小さい特定の周波数を撮像することに基づいている。
【0097】
さまざまな実施形態によれば、磁石の正面からずらされ、したがって従来のスキャナと比較して妨げられないことが可能な固有の撮像領域を含み得るMRIシステムが提供される。さらに、このフォームファクタは、対象領域にわたってある範囲の磁場の値を生成する組み込まれた磁場勾配を有し得る。最後に、このシステムは、典型的なMRIシステムと比較してより低い磁場強度で動作し得るため、RXコイル設計制約を緩和することが見込まれ、MRIと併用されるロボディクスのような追加機構が見込まれる。
【0098】
さまざまな実施形態によれば、MRIシステムの主磁場の固有のアーキテクチャは、異なる最適化制約のセットを生成することができる。この場合、撮像ボリュームは磁気共鳴周波数のより広い範囲にわたって広がるため、ハードウェアは、視野にわたって生成される特定の周波数を感受し捕捉するように構成され得る。この周波数スプレッドは通常、単一の周波数に同調された単一の受信コイルが感受し得るよりもずっと大きい。さらに、磁場強度は従来のシステムよりもずっと低いことが可能であるため、そして信号強度は磁場強度に比例し得るため、受信コイルネットワークの信号対雑音比を最大化することが一般的に有益であると考えられる。したがって、さまざまな実施形態によれば、感度の損失なしに視野内で発生される全範囲の周波数を取得するための方法が提供される。
【0099】
さまざまな実施形態によれば、MRIシステム内で撮像を可能にするいくつかの方法が提供される。これらの方法は、1)可変同調RF-RXコイルと、2)磁場の空間的不均一性による周波数に同調された素子を用いたRF-RXコイルアレイと、3)超低雑音前置増幅器設計と、4)特定の身体部位に対する所定の限定された視野からの信号を最適化するように設計された複数の受信コイルを用いたRF-RXアレイと、の組合せを含み得る。これらの方法は、必要に応じて任意の組合せで組み合わされ得る。
【0100】
さまざまな実施形態によれば、可変同調RF-RXコイルは、受信電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を備え得る。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含み得る。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含み得る。さまざまな実施形態によれば、受信電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施形態によれば、コイルは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。
【0101】
さまざまな実施形態によれば、RF-RXアレイは、多様な周波数にそれぞれ同調される個別のコイル素子を備え得る。適切な周波数は、例えば、特定のコイルが位置する特定の空間的位置に位置する磁場の周波数に一致するように選択され得る。
図6Aに示すように、磁場は空間の関数として変化し得るため、コイルの磁場および周波数は空間的位置に近似的に一致するように調整され得る。ここでコイルは磁場位置B1、B2、およびB3を撮像するように設計されることが可能であり、これらの磁場位置は単一の軸に沿って物理的に分離されている。
【0102】
この低磁場システムの場合、さまざまな実施形態によれば、低雑音前置増幅器が、MRIシステムの低信号環境を活用するように設計および構成され得る。この低雑音増幅器は、所望の周波数(例えば、<3MHzかつ>2MHz)で顕著な電子および電圧雑音を発生させない部品を利用するように構成され得る。典型的な接合型電界効果トランジスタ設計(J-FET)は一般的にこの周波数で適切な雑音特性を有しておらず、測定される周波数範囲に流入し得るGHz範囲で、数十dB低いが、高い周波数不安定性を生じ得る。システムの利得は好ましくは例えば全体的に>80dBであり得るので、任意の小さい不安定性または固有の電気的雑音が増幅され、信号完全性を劣化させる可能性がある。
【0103】
図6Bを参照すると、RF-RXコイルは、標的の解剖学的構造に基づいて特定の限定された視野を撮像するように設計され得る。例えば、前立腺は人体内の深さ約60ミリメートルにあるため(
図6Dを参照)、前立腺撮像のためのRXコイルを設計するには、コイルは人体内部の深さ60mmを撮像することが可能であるように構成されるべきである。ビオ・サバールの法則によれば、ループコイルの磁場は次式によって計算され得る。
【数1】
ただし、μ0=4π*10-7H/mは真空の透磁率、Rはループコイルの半径、zはコイルの中心線に沿ったその中心からの距離、そしてIはコイル上の電流である(
図6Bを参照)。I=1アンペアと仮定し、z=60mmにおける磁場(Bz)の形を求めることを目標とすると、
図6Cに示すチャートによれば最大位置はRが85mmのときである。
【0104】
人体の幾何学的制約に基づいて、ループコイルは人間の胴上で両脚の間の空間に設置され得る。したがって、そこに直径170mmのコイルを収めることは、不可能ではないにしても極めて困難である。
図6Cによれば、Rが85mmよりも小さいとき、Bz磁場の値はループの半径に比例する。したがって、コイルはできるだけ大きいことが有利である。例えば、人の間に設置され得る最大のループコイルは大きさ約10mmである。
【0105】
コイルのサイズは両脚の間の空間によって制限されるので、直径10mmのコイルの磁場は一般に前立腺の深さに到達することができない。したがって、単一のコイルは前立腺撮像に十分でない可能性があるので、この場合、相異なる方向から信号を取得する際に複数のコイルが有益となり得る。MRIシステムのさまざまな実施形態では、磁場はz方向に提供され、RFコイルはxおよびy方向に感度が高い。この例示的な場合、xy平面内のループコイルはz方向に感度が高いので人間からのRF信号を収集しないが、バタフライコイルはこの場合に使用され得る。そこで位置および配向に基づいて、RFコイルはループコイルまたはバタフライコイルであり得る。さらに、コイルは人体の下に設置されることが可能であり、そのサイズに制限はない。
【0106】
複数のRXコイルの必要性に関して、さまざまな実施形態では、それらの間のデカップリングがMRIシステムRXコイルアレイのさまざまな実施形態のために有益となり得る。それらの場合、各コイルは他のコイルとデカップルされることが可能であり、デカップリング技術は、例えば1)幾何デカップリング、2)容量性/誘導性デカップリング、および3)低/高インピーダンス前置増幅器カップリングを含み得る。
【0107】
さまざまな実施形態によれば、MRIシステムは、磁石からの異なる磁場を有することが可能であり、その強度はz方向に沿って線型に変化し得る。RXコイルはz方向における相異なる位置に位置することが可能であり、各コイルは相異なる周波数に同調されることが可能であり、それらの周波数はシステム内のコイルの位置に依存し得る。
【0108】
単一コイルループの単純さに基づいて、これらのコイルは、所望の周波数に事前同調され、例えば使い捨て基板上に印刷されることが可能な簡単な導電性トレースから作成され得る。この安価に製造される技術により臨床医は、所与の手技のために対象領域で身体上にRXコイル(またはコイルアレイ)を設置し、その後にコイルを処分することができる。例えば、さまざまな実施形態によれば、RXコイルは表面コイルであることが可能であり、これは患者の身体に取り付けること、例えば装着またはテープ止め、が可能である。他の身体部位、例えば踵または手首の場合、表面コイルは対象領域の周りに巻き付けられた単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成であってもよい。大きな侵入深さを必要とする領域、例えば胴または膝の場合、コイルはヘルムホルツコイル対からなってもよい。受信コイルに対する主な制限は、他のMRIシステムと同様である。すなわち、コイルは、主磁場B0の軸に直交する平面に感度が高くなければならない。
【0109】
さまざまな実施形態によれば、コイルは受信前置増幅器に電気的に接続された別のループに誘導結合してもよい。この設計によれば、受信コイルにより容易に妨げられずにアクセスすることが見込まれる。
【0110】
さまざまな実施形態によれば、コイルのサイズは人体の構造によって制限され得る。例えば、前立腺を撮像する場合、コイルのサイズは人間の両脚の間の空間に収まるように配置および構成されるべきである。
【0111】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0112】
プログラマブルロジックコントローラ
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)をも含み得る。PLCは、過酷な使用環境および条件で確実に動作するように設計可能な産業用デジタルコンピュータである。PLCは、外部ハウジングにおいてだけでなく内部の部品および冷却装置においても、これらの種類の条件および環境に対処するように設計可能である。したがって、PLCは組立ラインなどの製造プロセスもしくはロボット装置の制御、または高信頼度の制御ならびにプログラミングおよびプロセス故障診断の容易性を必要とする任意の作業に適応可能である。
【0113】
さまざまな実施形態によれば、システムは、擬似リアルタイムでシステムを制御可能なPLCを含み得る。このコントローラは、勾配増幅器システム、無線周波数送信システム、周波数同調システムのパワーサイクリングおよび有効化を管理することが可能であり、キープアライブ信号(例えば、ある装置によって別の装置へ送信され、2つの装置の間のリンクが動作していることをチェックするため、またはリンクが切断することを防ぐためのメッセージ)をシステムウォッチドッグに送信する。システムウォッチドッグは、コンピュータシステムによって供給されるストローブ信号を継続的に探索することができる。コンピュータスレッドがストールすると、ストローブが消失し、故障条件に入るようにウォッチドッグをトリガすることができる。ウォッチドッグが故障条件に入ると、ウォッチドッグはシステムの電源を落とすように動作することができる。
【0114】
PLCは一般にシステムへの入力および出力信号に対して低レベルの論理機能を扱うことができる。このシステムは、サブシステムが電源投入または有効化される必要があるときにサブシステムの健全性および制御を監視することができる。PLCは相異なる方法で設計可能である。1つの設計例は、4個の拡張ボードを有する1つのメインマザーボードを用いたPLCを含む。PLC上のマイクロコントローラの速度により、サブシステムは擬似リアルタイムで管理され得る一方、リアルタイムアプリケーションはシステム上のコンピュータまたはスペクトロメータによって扱うことが可能である。
【0115】
PLCは、例えば、勾配増幅器(本明細書でさらに詳細に説明される)およびRF増幅器(本明細書でさらに詳細に説明される)の電源オン/オフ、勾配増幅器およびRF増幅器の有効化/無効化、RFコイル同調のためのデジタルおよびアナログ電圧の設定、ならびにシステムウォッチドッグへのストローブ送出を含む多くの機能的分担を果たすことができる。
【0116】
上記で説明したように、理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0117】
ロボット
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、ロボットをも含み得る。
【0118】
前立腺生検などのいくつかの医療手技では、患者が不快な伏臥位で長時間の手技を我慢することが典型的であり、これは手技全体の間に1つの特定の体位で静止したままでいることを含むことが多い。このような長い手技では、金属性の強磁性ニードルがMRIシステムからのガイダンスを用いて生検のために使用されると、ニードルはMRIシステムの強力な磁石からの引力を受けることがあり、そのために長い手技の間にニードルをその経路から逸脱させる可能性がある。非磁性ニードルを使用する場合であっても、局所的な磁場歪みが磁気共鳴画像における歪みを引き起こす可能性があるため、ニードルの周囲の画像品質が低品質になり得る。このような歪みを回避するため、複雑な圧縮空気機構を有する空気圧ロボットが従来のMRIシステムとともに動作するように設計されてきた。その場合でも、現在利用可能なMRIシステムのフォームファクタのため、標的の解剖学的構造へのアクセスは困難なままである。
【0119】
本明細書で提示されるさまざまな実施形態は、例えばロボット支援の侵襲的医療手技を含む医療手技におけるガイドのために使用するように構成された、改良されたMRIシステムを含む。本明細書に開示される技術、方法および装置は、医療手技におけるロボット(本明細書で一般的に「ロボットシステム」という)を自動的に誘導するためのガイダンスとして磁気共鳴撮像を使用するガイド下ロボットシステムに関する。さまざまな実施形態によれば、開示される技術は、ロボットシステムを、ガイダンスとしての磁気共鳴撮像と組み合わせる。さまざまな実施形態によれば、本明細書に開示されるロボットシステムは、他の好適な撮像技術、例えば超音波、X線、レーザ、または任意の他の好適な診断もしくは撮像方法、と組み合わされる。
【0120】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0121】
スペクトロメータ
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、スペクトロメータをも含み得る。
【0122】
スペクトロメータは、画像を生成するために使用されるすべてのリアルタイムシグナリングを制御するように動作することができる。スペクトロメータは、RF送信(RF-TX)波形、勾配波形、周波数同調トリガ波形、および消去ビット波形を生成する。そしてこれらの波形はRF受信機(RF-RX)信号と同期される。このシステムは、周波数掃引RF-TXパルスおよび位相サイクルRF-TXパルスを発生させることができる。掃引RF-TXパルスは、より効果的かつ効率的にサンプルボリュームを励起するための不均一なB1+磁場(RF-TX磁場)を見込んでいる。また、システムは、現在の構成セットを有する複数のRF-RXチャネルを4個の受信機チャネルにデジタル化することもできる。しかし、このシステムアーキテクチャは、基礎となるハードウェアまたはソフトウェアアーキテクチャを変更することを必要とせずに、送信および受信チャネルの数を最大で32個の送信チャネルおよび16個の受信チャネルに増加させるための容易なシステム拡張を見込んでいる。
【0123】
スペクトロメータは、例えば、RF-TX(本明細書でさらに詳細に説明される)波形、X勾配波形、Y勾配波形、消去ビット波形、周波数同調トリガ波形およびRF-RXウィンドウの発生および同期、ならびに、例えば直交復調の後に例えばカスケード接続積分櫛形(CIC)フィルタデシメーションなどの有限インパルス応答フィルタデシメーションを使用したRF-RXデータのデジタル化および信号処理を含む多くの機能的分担を果たすことができる。
【0124】
スペクトロメータは相異なる方法で設計可能である。1つの設計例は、3個の主要な部品、すなわち1)Basic RF-TXドーターカードおよびBasic RF-RXドーターカードで動作する第1のソフトウェア設計無線機(SDR1)と、2)LFRF TXドーターカードおよびBasic RF-RXドーターカードで動作する第2のソフトウェア設計無線機(SDR2)と、3)2個の装置を同期させることが可能なクロック分配モジュール(オクトクロック)と、を用いたスペクトロメータを含む。
【0125】
SDRは、送信信号と受信MRI信号との間のリアルタイム通信装置である。それらは、10Gbit光ファイバを通じてSmall Form-factor Pluggable Plusトランシーバ(SFP+)通信プロトコルを使用してコンピュータと通信可能である。この通信速度は、波形が高い忠実度および高い信頼度で発生されることを可能にすることができる。
【0126】
各SDRは、組込みフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル-アナログコンバータ、アナログ-デジタルコンバータ、および相異なるドーターカードを組み込むための4個のモジュールスロットを有するマザーボードを含み得る。これらのドーターカードのそれぞれは、関連するTXまたはRXチャネルの周波数応答を変化させるように機能することができる。さまざまな実施形態によれば、システムは、例えば、Basic RFバージョン、および低周波数(LF)RFバージョンを含む多くの変形ドーターカードを利用することができる。Basic RFドーターカードは、RF信号の発生および測定のために使用可能である。LF RFバージョンは、勾配、トリガおよび消去ビット信号の発生のために使用可能である。
【0127】
オクトクロックは、高精度の時間および周波数基準分配を提供しながら、共通のタイミングソースにマルチチャネルSDRシステムを同期させるために使用可能である。オクトクロックは、例えば、8ウェイの時間および周波数分配(1PPSおよび10MHz)を用いてそれを行うことができる。オクトクロックの一例はEttus Octoclock CDAであり、これは2つ以上のSDRソース間で位相コヒーレンシを保証するために8個までのSDRに共通クロックを分配することができる。
【0128】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0129】
RFアンプ/勾配アンプ
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、無線周波数増幅器(RF増幅器)および勾配増幅器をも含み得る。
【0130】
RF増幅器は、低パワーの無線周波数信号をより高いパワーの信号に変換することができる一種の電子増幅器である。動作時に、RF増幅器は低振幅で信号を受け取り、平坦な周波数応答で例えば60dBまでの利得を提供する。この増幅器は、3位相AC入力電圧を受け取ることができ、10%の最大デューティサイクルを有し得る。増幅器は、5Vのデジタル信号によってゲーティングされ得るため、MRIが信号を受信しているときに不要なノイズは発生しない。
【0131】
動作時に、勾配増幅器は、信号が勾配コイルに到達する前に信号のエネルギーを増大させることができ、それにより磁場強度は、後の受信信号の局在化のために主磁場における変動を生成するほど十分に強くなることができる。勾配増幅器は、独立に制御可能な2個のアクティブな増幅チャネルを有し得る。各チャネルはそれぞれXまたはYチャネルに電流を送出することができる。空間符号化の第3軸は一般に主磁場(B0)における永久勾配によって扱われる。パルスシーケンスの変動する組合せを用いて、信号は3次元的に局在化され、物体を生成するように再構成され得る。
【0132】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0133】
ディスプレイ/GUI
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、例えばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の形態でディスプレイをも含み得る。さまざまな実施形態によれば、GUIは、磁気共鳴撮像手順を実行するために必要な情報を伝達するために必要な任意の企図される形態をとり得る。
【0134】
さらに、認識されるべきであるが、ディスプレイは、例えば、ラックマウント型コンピュータ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、サーバ、クライアント、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えば、PDA、携帯電話、スマートフォン、パームトップなど)、クラスタグリッド、ネットブック、組込みシステム、または、所与のアプリケーションもしくは環境に望ましい、もしくは適している可能性のある任意の他の種類の特殊もしくは汎用ディスプレイ装置などの、いくつかの他の形態のうちの任意のものとして具現化され得る。
【0135】
GUIは、コンピュータソフトウェアのための対話型の視覚的コンポーネントのシステムである。GUIは、情報を伝達するオブジェクトを表示し、ユーザによってとられ得るアクションを表現することができる。オブジェクトは、ユーザがそれらと対話するときに色、大きさ、または可視性を変化させる。GUIオブジェクトは、例えば、アイコン、カーソル、およびボタンを含む。これらのグラフィカル要素は、サウンド、または透過性およびドロップシャドウのような視覚的効果で強調されることがある。
【0136】
ユーザは、入力装置を使用してGUIと対話することができる。入力装置は、例えば、方向情報およびコマンド選択をプロセッサに通信しディスプレイ上のカーソル移動を制御するための英数字および他のキー、マウス、トラックボールまたはカーソル方向キーを含み得る。入力装置は、タッチスクリーン入力機能とともに構成されたディスプレイであってもよい。この入力装置は典型的に、第1軸(すなわち、x)および第2軸(すなわち、y)の2つの軸における2個の自由度を有し、それにより装置は平面内の位置を指定することが可能である。しかし、理解されるべきであるが、3次元(x、yおよびz)カーソル移動を見込んだ入力装置も本明細書で企図されている。
【0137】
さまざまな実施形態によれば、タッチスクリーン、またはタッチスクリーンモニタは、ユーザがMRIと対話することを可能にする主要なヒューマンインタフェース装置として機能し得る。スクリーンは、対話型の仮想キーボードを有する投影された容量性タッチセンシティブディスプレイを有し得る。タッチスクリーンは、例えば、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)をユーザに表示すること、ユーザ入力をシステムのコンピュータに中継すること、およびスキャンを開始または停止することを含むいくつかの機能を有し得る。
【0138】
さまざまな実施形態によれば、GUIビューは、典型的には、適切なボタン、編集フィールド、ラベル、画像などを用いてユーザに表示された(Qtウィジェット)スクリーンであり得る。これらのスクリーンは、ウィジェットの配置、それらの配列、フォント、色などを制御するための、例えば、Qtデザイナツールなどのデザイナツールを使用して構築され得る。ユーザインタフェース(UI)サブコントローラが、それぞれのビューモジュールの挙動(表示および応答)を制御するように構成されたモジュールを所有し得る。
【0139】
いくつかのアプリケーションユーティリティ(App Util)モジュールが特定の機能を実行し得る。例えば、S3モジュールは、システムと、例えばアマゾンウェブサービス(AWS)との間のデータ通信を扱うことができる。イベントフィルタは、ユーザ入力が要求されるときに有効な文字がスクリーンに表示されることを保証するために存在し得る。ダイアログメッセージは、さまざまなステータス、プログレスメッセージを示し、またはユーザプロンプトを要求するために使用され得る。さらに、システムコントローラモジュールは、サブコントローラモジュールとシステム内の主要なデータ処理ブロック、すなわちパルスシーケンスジェネレータ、パルスインタプリタ、スペクトロメータおよび再構成との間の調整を扱うために利用され得る。
【0140】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0141】
処理モジュール
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなワークフローまたは方法、およびさまざまなワークフローまたは方法の実施形態を構成するステップのさまざまな組合せは、処理モジュールをも含み得る。
【0142】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは多くの機能を果たす。例えば、処理モジュールは一般に、スキャン中に取得される信号データを受信し、データを処理し、それらの信号を再構成して、システムユーザによって視認され(例えば、ユーザにGUIを表示するタッチスクリーンモニタを介して)、分析され、注釈されることが可能な画像を生成するように動作可能である。一般に、画像を作成するため、NMR信号は3次元空間に局在化されなければならない。磁気勾配コイルは信号を局在化し、RF取得の前または最中に動作する。パルスシーケンスと呼ばれる、RFおよび勾配コイルの適用シーケンスを規定することにより、取得される信号は、特定の磁場およびRF磁場配置に対応する。数学的演算子および画像再構成技術を使用して、これらの取得された信号のアレイが画像に再構成され得る。通常、これらの画像は磁場勾配の簡単な線型結合から生成される。さまざまな実施形態によれば、システムは、例えば、勾配磁場、RF磁場、およびパルスシーケンスの事前知識から、取得された信号を再構成するように動作可能である。
【0143】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは、スキャン手順中に患者の動きを補償するようにも動作可能である。動き(例えば、拍動する心臓、呼吸する肺、全体的な患者の移動)は、MRIにおけるアーチファクトの最もありふれたソースのうちの1つであり、このようなアーチファクトは、画像における誤解釈および後続の診断品質における損失につながることによって画像品質に影響を及ぼす。したがって、動き補償プロトコルが、時間、空間解像度、時間解像度、および信号対雑音比における最小限のコストでこれらの問題に対処することに役立ち得る。
【0144】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは、信号を雑音除去し、画像の信号対雑音比を改善するように設計された人工知能機械学習モジュールを含んでもよい。
【0145】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは、生検などの、後続の患者介入手技のためのパスを計画する際に臨床医を支援するためにも動作可能である。さまざまな実施形態によれば、介入手技を実行するためにロボットがシステムの一部として提供され得る。処理モジュールは、例えば生検を必要とする体の適切な領域に正しくアクセスするために、画像分析に基づいて、ロボットに命令を通信することができる。
【0146】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、以下に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0147】
さまざまな実施形態によれば、開示される磁気共鳴撮像システムのさまざまなシステム、およびさまざまなシステムの構成要素および実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せが本明細書に開示される。
【0148】
図7は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する方法S100のフローチャートである。さまざまな実施形態によれば、方法S100は、ステップS110で磁気共鳴撮像システムに患者パラメータを入力することを含む。さまざまな実施形態によれば、システムは、前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、片面式勾配コイルセットとを有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、システムは、電磁石と、無線周波数受信コイルと、電源とを含む。さまざまな実施形態によれば、電源が、対象領域に電磁場を発生させるために無線周波数送信コイル、片面式勾配コイルセット、または電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域は前面より外側にある。
【0149】
図7に示すように、方法S100は、ステップS120で少なくとも1つの第1のスキャンを実行することを含む、患者ポジショニングプロトコルを実行することと、ステップS130で少なくとも1つの第2のスキャンを実行することと、ステップS140で少なくとも1つの第2のスキャンをレビューすることと、ステップS150で少なくとも1つの第2のスキャンのレビューに基づいて生検を実施するための少なくとも1つのパスを決定することと、をも含む。
【0150】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、前面が凹面である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。
【0151】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを含み、第1の位置および第2の位置が、片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。
【0152】
さまざまな実施形態によれば、電磁石が対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mTから1Tである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0153】
図8は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する方法S200のフローチャートである。さまざまな実施形態によれば、方法S200は、ステップS210で磁気共鳴撮像システムに患者パラメータを入力することを含む。さまざまな実施形態によれば、システムは、凹型の前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、少なくとも1つの勾配コイルセットとを有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが凹型の前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に電磁場を発生させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域は凹型の前面より外側にある。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域における信号を検出する無線周波数受信コイルを含む。
【0154】
図8に示すように、方法S200は、ステップS220で少なくとも1つの第1のスキャンを実行することを含む、患者ポジショニングプロトコルを実行することと、ステップS230で少なくとも1つの第2のスキャンを実行することと、ステップS240で少なくとも1つの第2のスキャンをレビューすることと、ステップS250で少なくとも1つの第2のスキャンのレビューに基づいて生検を実施するための少なくとも1つのパスを決定することと、を含む。
【0155】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが凹型の前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが非平面状であり、片面式であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0156】
さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、第1の位置および第2の位置が、少なくとも1つの勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成された電磁石をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mTから1Tの磁場である。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。
【0157】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域の周りに同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0158】
図9は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法S300のフローチャートである。さまざまな実施形態によれば、方法S300は、ステップS310で前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、片面式勾配コイルセットとを有するハウジングを用意することを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、方法S300は、ステップS320で電磁石を用意することを含む。さまざまな実施形態によれば、方法S300は、ステップS330で対象領域に電磁場を発生させるために無線周波数送信コイル、片面式勾配コイルセット、または電磁石のうちの少なくとも1つを作動させることを含む。さまざまな実施形態によれば、対象領域は前面より外側にある。
【0159】
さまざまな実施形態によれば、方法S300は、ステップS340で無線周波数受信コイルを作動させて撮像データを取得することと、ステップS350で取得された撮像データを再構成して分析用の出力画像を生成することと、ステップS360でユーザによるレビューおよび注釈のために出力画像を表示することと、を含む。
【0160】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、前面が凹面である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。
【0161】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを含み、第1の位置および第2の位置が、片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。
【0162】
さまざまな実施形態によれば、電磁石が対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mTから1Tである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが対象領域の周りに同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0163】
図10は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法S400のフローチャートである。さまざまな実施形態によれば、方法S400は、ステップS410で凹型の前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、片面式勾配コイルセットとを有するハウジングを用意することを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面に近接して配置される。
【0164】
さまざまな実施形態によれば、方法S400は、ステップS420で無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットのうちの少なくとも1つを作動させて対象領域に電磁場を発生させることを含む。さまざまな実施形態によれば、対象領域は凹型の前面より外側にある。
【0165】
さまざまな実施形態によれば、方法S400は、ステップS430で無線周波数受信コイルを作動させて撮像データを取得することと、ステップS440で取得された撮像データを再構成して分析用の出力画像を生成することと、ステップS450でユーザによるレビューおよび注釈のために出力画像を表示することと、を含む。
【0166】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが凹型の前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが非平面状であり、片面式であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0167】
さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、第1の位置および第2の位置が、少なくとも1つの勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成された電磁石をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mTから1Tである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。
【0168】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域の周りに同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0169】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0170】
患者受入れ
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなワークフローまたは方法、およびさまざまなワークフローまたは方法の実施形態を構成するステップのさまざまな組合せは、患者受入れステップをも含み得る。
【0171】
本明細書のさまざまな実施形態によれば、このステップの一部として、任意のすべての関連する情報は、磁気共鳴システムのパフォーマンスに関連するすべてのデータの受入れを含めて、患者受入れステップの一部であり得る。
【0172】
さまざまな実施形態によれば、患者受入れステップは、ユーザによって入力されたデータだけでなく、何であれ任意のメモリソースからダウンロードされたデータ、例えば、リモートデータ記憶構成要素(例えば、クラウド)、オンボードデータストレージ構成要素、またはポータブルデータストレージ構成要素(例えば、外部フラッシュ/ソリッドステートドライブおよび外部ハードドライブ)からのデータをも含み得る。
【0173】
さまざまな実施形態によれば、さらにメモリソースに関連して、ボードデータストレージ構成要素(例えば、MRIシステム内のコンピューティングシステム上の)はランダムアクセスメモリ(RAM)もしくは他のダイナミックメモリ、または読出し専用メモリ(ROM)もしくは他のスタティック記憶装置であり得る。
【0174】
さまざまな実施形態によれば、さらにメモリソースに関連して、リモートまたはポータブルのデータストレージ構成要素は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)、ならびにメディアドライブおよびリムーバブルストレージインタフェースを含み得る。メディアドライブは、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、CDもしくはDVDドライブ(RもしくはRW)、フラッシュドライブ、または他のリムーバブルもしくは固定メディアドライブなどの、固定またはリムーバブル記憶媒体をサポートするためのドライブまたは他のメカニズムを含み得る。これらの例が示すように、記憶媒体は、特定のコンピュータソフトウェア、命令、またはデータをその中に記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0175】
さまざまな実施形態によれば、記憶装置は、コンピュータプログラムまたは他の命令もしくはデータがコンピューティングシステムにロードされることを可能にする他の類似の手段を含み得る。このような手段は、例えば、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェース、リムーバブルメモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリモジュール)およびメモリスロット、ならびに、ソフトウェアおよびデータが記憶装置からコンピューティングシステムに転送されることを可能にする他のリムーバブルストレージユニットおよびインタフェースなどのリムーバブルストレージユニットおよびインタフェースを含み得る。
【0176】
さまざまな実施形態によれば、ユーザ入力、アップロード、ダウンロードなどが可能なデータタイプは、例えば、患者の名前、患者の性別、患者の体重、患者の身長、患者の連絡先情報、患者の生年月日、患者の主治医、および患者の人種を含み得る。さらに、任意の過去の生検に対する患者のグリソンスコア、性交の頻度、患者が食事をした最終時刻、および患者のPSAレベルなどの情報を含む臨床ベースラインがユーザ入力されることも可能である。
【0177】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0178】
患者ポジショニング
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなワークフローまたは方法、およびさまざまなワークフローまたは方法の実施形態を構成するステップのさまざまな組合せは、患者ポジショニングステップをも含み得る。
【0179】
ポジショニングの前段階として、患者は一般に患者準備およびスクリーニングのプロセスを受け、それにより患者は、撮像に禁忌となり得るペースメーカーなどの異物および装置についてスクリーニングされる。アレルギーを含む患者の重要な健康状態、および患者受入れプロセスの一部として受け取られた患者データもレビューされる。
【0180】
標準的な全身MRIにおけるポジショニングのため、患者は一般に、通常は仰臥位で台に載せられる。受信機撮像コイルが対象身体部位(頭、胸、膝など)の周りに配置される。EKGまたは呼吸同期が必要とされる場合、これらの装置はこの時に取り付けられる。鼻橋または臍などの鍵となる解剖学的構造が、後のガイダンスを使用する目標物として特定され、これはガントリ上のボタンを押すことによって台位置と相互に関係づけられる。
【0181】
さまざまな実施形態によれば、本明細書における基礎として
図11A~
図11Xに示される例示的なシステムを使用して、患者は、解剖学的スキャンの種類によって任意の数の相異なる位置にポジショニングされる。
【0182】
図11Aに示すように、腹部がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位で面上に横になることができる。図示のように、腹部スキャンのために、患者は、台に近いほうの腕を伸ばし、他方の腕を体の横に置いて、ボアの側を向いて横向きに寝るようにポジショニングされ得る。腹部領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0183】
図11Bに示すように、付属肢(例えば、腕または手)がスキャンされる領域である場合、患者は仰臥位で面上に横になることができる。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、スキャンされるべき腕または手をボアのちょうど前に置いて寝るようにポジショニングされ得る。
【0184】
図11Cに示すように、付属肢(例えば、腕または手)がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることもできる。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、スキャンされるべき腕がボアのちょうど前に位置するように、その腕をシステムに対して上げて座るようにポジショニングされ得る。
【0185】
図11Dに示すように、付属肢(例えば、肘)がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることもできる。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、スキャンされるべき肘がボアのちょうど前に位置するように、その肘をシステムに対して持ち上げ他方の腕を楽にして座るようにポジショニングされ得る。
【0186】
図11Eに示すように、付属肢(例えば、膝)がスキャンされる領域である場合、患者は、スキャンされるべき一方の脚を持ち上げて立つように位置付けられてもよい。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、立ってボアの側を向き、膝がボアのちょうど前になるように対象の脚を持ち上げ他方の脚は安定のために地面にしっかり置くようにポジショニングされ得る。
【0187】
図11Fに示すように、付属肢(例えば、膝)がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位をとることもできる。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、対象の脚を曲げ、他方の脚を台上に置いて伸ばして、ボアの側を向いて横向きに寝るようにポジショニングされ得る。患者の膝はボアのちょうど前になるように位置付けられ得る。
【0188】
図11Gに示すように、付属肢(例えば、足)がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位をとることもできる。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、対象の脚を曲げて台上に置いて、他方の脚を伸ばして、ボアとは反対側を向いて横向きに寝るようにポジショニングされ得る。患者の足はボアのちょうど前になるように位置付けられ得る。
【0189】
図11Hに示すように、付属肢(例えば、足)がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることもできる。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、対象の脚をボアに向かって伸ばし、他方の脚を楽にして、ボアの側を向いて座るようにポジショニングされ得る。患者の足はボアのちょうど前になるように位置付けられ得る。
【0190】
図11Iに示すように、付属肢(例えば、手首)がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることができる。図示のように、付属肢スキャンのために、患者は、対象の手首がボアのちょうど前になり他方の腕が横に楽になるようにして、システムに対して並列に座るようにポジショニングされ得る。
【0191】
図11Jに示すように、胸部がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位で面上に横になることができる。図示のように、胸部スキャンのために、患者は、一方の腕を頭上に伸ばし、他方の腕を体の横に置いて、ボアの側を向いて横向きに寝るようにポジショニングされ得る。胸部領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0192】
図11Kに示すように、胸部がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることもできる。図示のように、胸部スキャンのために、患者は、両腕を伸ばしてシステムの上に置くようにして、座ってボアの側を向くようにポジショニングされ得る。胸部領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0193】
図11Lに示すように、胸部がスキャンされる領域である場合、患者は膝立ち位をとることもできる。図示のように、胸部スキャンのために、患者は、両腕を伸ばしてシステムの上に置くようにして、膝立ちでボアの側を向くようにポジショニングされ得る。胸部領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0194】
図11Mに示すように、頭部がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位で面上に横になることができる。図示のように、頭部スキャンのために、患者は、頭部をボアのちょうど前に置いて、ボアとは反対側を向いて横向きに寝るようにポジショニングされ得る。
【0195】
図11Nに示すように、頭部がスキャンされる領域である場合、患者は仰臥位で面上に横になることができる。図示のように、頭部スキャンのために、患者は、頭頂をボアのちょうど前に位置するようにシステムに向けて、仰向けに寝るようにポジショニングされ得る。
【0196】
図11Oに示すように、心臓がスキャンされる領域である場合、患者は座位または立位をとることができる。図示のように、心臓スキャンのために、患者は、心臓領域がボアのちょうど前に位置するようにボアの側を向いて座るようにポジショニングされ得る。
【0197】
図11Pに示すように、腎臓がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位で面上に横になることができる。図示のように、腎臓スキャンのために、患者は、台に近いほうの腕を伸ばし、他方の腕を体の横に置いて、ボアの側を向いて横向きに寝るようにポジショニングされ得る。腎臓領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0198】
図11Qに示すように、肝臓がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位で面上に横になることができる。図示のように、肝臓スキャンのために、患者は、台に近いほうの腕を伸ばし、または曲げて頭部を載せ、他方の腕を体の横に置いて、ボアの側を向いて横向きに寝るようにポジショニングされ得る。肝臓領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0199】
図11Rに示すように、肺がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることができる。図示のように、肺スキャンのために、患者は、肺領域がボアのちょうど前に位置するように、ボアとは反対側を向いて座るようにポジショニングされ得る。
【0200】
図11Sに示すように、頸部がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位で面上に横になることができる。図示のように、頸部スキャンのために、患者は、横向きに寝てボアとは反対側を向くようにポジショニングされ得る。頸部領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0201】
図11Tに示すように、骨盤がスキャンされる領域である場合、患者は切石位で面上に横になることができる。図示のように、骨盤スキャンのために、患者は、背中を台に載せ、両脚を上げてシステムの上に載せるようにポジショニングされ得る。骨盤領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0202】
図11Uに示すように、骨盤がスキャンされる領域である場合、患者は側臥位で面上に横になることもできる。図示のように、骨盤スキャンのために、患者は、横向きに寝てボアとは反対側を向くようにポジショニングされ得る。身体の骨盤領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0203】
図11Vに示すように、骨盤がスキャンされる領域である場合、患者は伏臥位をとることもできる。図示のように、骨盤スキャンのために、患者は、ボアとは反対側を向いて面に胸を当てて寄りかかるようにポジショニングされ得る。骨盤領域はボアのちょうど前になるようにポジショニングされ得る。
【0204】
図11Wに示すように、肩がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることができる。図示のように、肩スキャンのために、患者は、スキャンされるべき肩がボアのちょうど前に位置するように、システムに隣接して座るようにポジショニングされ得る。
【0205】
図11Xに示すように、脊椎がスキャンされる領域である場合、患者は座位をとることができる。図示のように、脊椎スキャンのために、患者は、後ろ向きにボアとは反対側を向いて脊椎がボアのちょうど前に位置して座るようにポジショニングされ得る。
【0206】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0207】
生検ガイダンス
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなワークフローまたは方法、およびさまざまなワークフローまたは方法の実施形態を構成するステップのさまざまな組合せは、開示されるMRIシステムを使用した生検ガイダンスをも含み得る。
【0208】
さまざまな実施形態によれば、開示されるMRIシステムを使用した生検ガイダンスの手技は、経会陰式生検、経会陰式LDR近接照射療法、経会陰式HDR近接照射療法、経会陰式レーザアブレーション、経会陰式冷凍アブレーション、経会陰式HIFU、胸部生検、脳深部刺激療法(DBS)、脳生検、肝生検、腎生検、肺生検、冠動脈ステント挿入、脳ステント挿入、および強度変調放射線治療ガイダンスからなる医療手技のリストのうちの1つを含み得る。
【0209】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0210】
較正
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなワークフローまたは方法、およびさまざまなワークフローまたは方法の実施形態を構成するステップのさまざまな組合せは、較正ステップをも含み得る。
【0211】
較正はプロセスの多くの形態をとり得る。一般に、較正は、画像品質を保証するために、患者に対して実行されるスキャンと同様の完全スキャンを実行することを含む。さまざまな実施形態によれば、所定の期間後、ユーザは、例えば、RF較正ルーチンなどの較正ルーチンを開始するよう促され得る。較正を開始することの一部として、較正の進行を可能にするように較正ファントムがポジショニングされる。較正ファントムは多くの形態をとり得る。一般に、較正ファントムは、MRIシステムの均一性、撮像パフォーマンスおよび配向アスペクトの試験、調整または監視のために撮像される既知のサイズおよび組成の物体(通常は人工物)であり得る。ファントムは、液体で満たされた容器またはさまざまなサイズおよび形状のプラスチック構造体で満たされることが多い瓶であり得る。
【0212】
特に、RF較正ルーチンは、画像品質を保証するために、例えば、信号パワー、信号持続時間および信号帯域幅などのRFパルスパラメータを最適化する。較正ルーチンは、パラメータおよびシーケンスの所定のセットを使用して較正ファントムから信号データを取得する。較正データは、撮像スキャン中に使用されるべきパラメータセットを決定するために処理され得る。
【0213】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0214】
前分極装置(Pre-Polarizer)
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなワークフローまたは方法、およびさまざまなワークフローまたは方法の実施形態を構成するステップのさまざまな組合せは、前分極(pre-polarization)ステップをも含み得る。
【0215】
いくつかの実施形態では、前分極装置はシステム電源によって充電され得る。この分極装置への電力供給は、主磁場強度を増大または減少させることによって視野内の磁場を一時的に変化させる。そして、この磁場の変化は、視野内で整列した核スピンの総数の変化を生じ、核スピンが緩和する時定数を変化させる。磁場の増大により、より多くの核スピンが磁場と整列することが見込まれるため、所与のボクセルからの信号が一時的に増大する。磁場の減少は物体の緩和特性を変化させ、視野内のコントラストを強めることが見込まれ得る。
【0216】
さまざまな実施形態によれば、前分極装置は、磁場強度、したがって信号強度を増大させるように最初に充電されてもよい。そして、核スピンが整列するための適切な時間(所望のスピンのT1時間によって規定される)待機した後、前分極装置は取り外され得る。この前分極装置の電源が落とされると、整列しているスピンが緩和してエネルギーを放出し始めるが、システムが前分極パルスを印加しなかった場合よりも増大した信号レベルで依然として磁気共鳴システムによって撮像され得る。
【0217】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0218】
実施形態の列挙
1.磁気共鳴撮像システムであって、前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および片面式勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面に近接して配置されるハウジングと、電磁石と、無線周波数受信コイルと、前記無線周波数送信コイル、前記片面式勾配コイルセット、または前記電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源と、を備える磁気共鳴撮像システム。
【0219】
2.前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面上に位置する、実施形態1のシステム。
【0220】
3.前記前面が凹面である、実施形態1~2のうちのいずれか1つのシステム。
【0221】
4.前記永久磁石が、該永久磁石の中心を貫く開口を有する、実施形態1~3のうちのいずれか1つのシステム。
【0222】
5.前記永久磁石の前記静磁場が1mTから1Tまでにわたる、実施形態1~4のうちのいずれか1つのシステム。
【0223】
5-1.前記永久磁石の前記静磁場が10mTから195mTまでにわたる、実施形態1~4のうちのいずれか1つのシステム。
【0224】
6.前記無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える、実施形態1~5のうちのいずれか1つのシステム。
【0225】
7.前記無線周波数送信コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態1~6のうちのいずれか1つのシステム。
【0226】
8.前記片面式勾配コイルセットが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態1~7のうちのいずれか1つのシステム。
【0227】
9.前記片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、前記第1の位置および前記第2の位置が、前記片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある、実施形態1~8のうちのいずれか1つのシステム。
【0228】
10.前記片面式勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である、実施形態1~9のうちのいずれか1つのシステム。
【0229】
11.前記電磁石が前記対象領域内で前記永久磁石の前記静磁場を変化させるように構成される、実施形態1~10のうちのいずれか1つのシステム。
【0230】
12.前記電磁石の磁場強度が10mTから1Tである、実施形態1~11のうちのいずれか1つのシステム。
【0231】
13.前記無線周波数受信コイルが、前記対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態1~12のうちのいずれか1つのシステム。
【0232】
14.前記無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態1~13のうちのいずれか1つのシステム。
【0233】
15.前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態1~14のうちのいずれか1つのシステム。
【0234】
16.前記磁気共鳴撮像システムが、前記前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムである、実施形態1~15のうちのいずれか1つのシステム。
【0235】
17.磁気共鳴撮像システムであって、凹型の前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および少なくとも1つの勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面に近接して配置され、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させるように構成されたハウジングと、前記対象領域における信号を検出する無線周波数受信コイルと、を備える磁気共鳴撮像システム。
【0236】
18.前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面上に位置する、実施形態17に記載のシステム。
【0237】
19.前記永久磁石の前記静磁場が1mTから1Tまでにわたる、実施形態17~18のうちのいずれか1つのシステム。
【0238】
20.前記永久磁石の前記静磁場が10mTから195mTまでにわたる、実施形態17~19のうちのいずれか1つのシステム。
【0239】
21.前記無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える、実施形態17~20のうちのいずれか1つのシステム。
【0240】
22.前記無線周波数送信コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態17~21のうちのいずれか1つのシステム。
【0241】
23.前記少なくとも1つの勾配コイルセットが非平面状で、片面式であり、かつ前記対象領域を部分的に包囲するように配向されており、さらに前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態17~22のうちのいずれか1つのシステム。
【0242】
24.前記少なくとも1つの勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、前記第1の位置および前記第2の位置が、前記少なくとも1つの勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある、実施形態17~23のうちのいずれか1つのシステム。
【0243】
25.前記少なくとも1つの勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である、実施形態17~24のうちのいずれか1つのシステム。
【0244】
26.前記永久磁石が、該永久磁石の中心を貫く開口を有する、実施形態17~25のうちのいずれか1つのシステム。
【0245】
27.前記対象領域内で前記永久磁石の前記静磁場を変化させるように構成された電磁石をさらに備える、実施形態17~26のうちのいずれか1つのシステム。
【0246】
28.前記無線周波数受信コイルが、前記対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態17~27のうちのいずれか1つのシステム。
【0247】
29.前記無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態17~28のうちのいずれか1つのシステム。
【0248】
30.前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態17~29のうちのいずれか1つのシステム。
【0249】
31.前記電磁石の磁場強度が10mTから1Tである、実施形態27のシステム。
【0250】
32.前記磁気共鳴撮像システムが、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである、実施形態17~31のうちのいずれか1つのシステム。
【0251】
33.磁気共鳴撮像を実行する方法であって、磁気共鳴撮像システムに患者パラメータを入力することを含み、前記システムが、前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および片面式勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面に近接して配置されるハウジングと、電磁石と、無線周波数受信コイルと、前記無線周波数送信コイル、前記片面式勾配コイルセット、または前記電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源とを備えるものであり、前記方法がさらに、少なくとも1つの第1のスキャンを実行することを含む、患者ポジショニングプロトコルを実行することと、少なくとも1つの第2のスキャンを実行することと、前記少なくとも1つの第2のスキャンをレビューすることと、前記少なくとも1つの第2のスキャンのレビューに基づいて生検を実施するための少なくとも1つのパスを決定することとを含む、磁気共鳴撮像を実行する方法。
【0252】
34.前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面上に位置する、実施形態33の方法。
【0253】
35.前記前面が凹面である、実施形態33~34のうちのいずれか1つの方法。
【0254】
36.前記永久磁石が、該永久磁石の中心を貫く開口を有する、実施形態33~35のうちのいずれか1つの方法。
【0255】
37.前記永久磁石の前記静磁場が1mTから1Tまでにわたる、実施形態33~36のうちのいずれか1つの方法。
【0256】
37-1.前記永久磁石の前記静磁場が10mTから195mTまでにわたる、実施形態33~36のうちのいずれか1つの方法。
【0257】
38.前記無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える、実施形態33~37のうちのいずれか1つの方法。
【0258】
39.前記無線周波数送信コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態33~38のうちのいずれか1つの方法。
【0259】
40.前記片面式勾配コイルセットが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態33~39のうちのいずれか1つの方法。
【0260】
41.前記片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、前記第1の位置および前記第2の位置が、前記片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある、実施形態33~40のうちのいずれか1つの方法。
【0261】
42.前記片面式勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である、実施形態33~41のうちのいずれか1つの方法。
【0262】
43.前記電磁石が前記対象領域内で前記永久磁石の前記静磁場を変化させるように構成される、実施形態33~42のうちのいずれか1つの方法。
【0263】
44.前記電磁石の磁場強度が10mTから1Tである、実施形態33~43のうちのいずれか1つの方法。
【0264】
45.前記無線周波数受信コイルが、前記対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態33~44のうちのいずれか1つの方法。
【0265】
46.前記無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態33~45のうちのいずれか1つの方法。
【0266】
47.前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域の周りに同心である、実施形態33~46のうちのいずれか1つの方法。
【0267】
48.前記磁気共鳴撮像システムが、前記前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムである、実施形態33~47のうちのいずれか1つの方法。
【0268】
49.磁気共鳴撮像を実行する方法であって、磁気共鳴撮像システムに患者パラメータを入力することを含み、前記システムが、凹型の前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および少なくとも1つの勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面に近接して配置され、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させるように構成されたハウジングと、前記対象領域における信号を検出する無線周波数受信コイルとを備えるものであり、前記方法がさらに、少なくとも1つの第1のスキャンを実行することを含む、患者ポジショニングプロトコルを実行することと、少なくとも1つの第2のスキャンを実行することと、前記少なくとも1つの第2のスキャンをレビューすることと、前記少なくとも1つの第2のスキャンのレビューに基づいて生検を実施するための少なくとも1つのパスを決定することとを含む、磁気共鳴撮像を実行する方法。
【0269】
50.前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面上に位置する、実施形態49の方法。
【0270】
51.前記永久磁石の前記静磁場が1mTから1Tまでにわたる、実施形態49~50のうちのいずれか1つの方法。
【0271】
52.前記永久磁石の前記静磁場が10mTから195mTまでにわたる、実施形態49~51のうちのいずれか1つの方法。
【0272】
53.前記無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える、実施形態49~52のうちのいずれか1つの方法。
【0273】
54.前記無線周波数送信コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態49~53のうちのいずれか1つの方法。
【0274】
55.前記少なくとも1つの勾配コイルセットが非平面状で、片面式であり、かつ前記対象領域を部分的に包囲するように配向されており、さらに前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態49~54のうちのいずれか1つの方法。
【0275】
56.前記少なくとも1つの勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、前記第1の位置および前記第2の位置が、前記少なくとも1つの勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある、実施形態49~55のうちのいずれか1つの方法。
【0276】
57.前記少なくとも1つの勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である、実施形態49~56のうちのいずれか1つの方法。
【0277】
58.前記永久磁石が、該永久磁石の中心を貫く開口を有する、実施形態49~57のうちのいずれか1つの方法。
【0278】
59.前記対象領域内で前記永久磁石の前記静磁場を変化させるように構成された電磁石をさらに備える、実施形態49~58のうちのいずれか1つの方法。
【0279】
60.前記無線周波数受信コイルが、前記対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態49~59のうちのいずれか1つの方法。
【0280】
61.前記無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態49~60のうちのいずれか1つの方法。
【0281】
62.前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態49~61のうちのいずれか1つの方法。
【0282】
63.前記電磁石の磁場強度が10mTから1Tである、実施形態59の方法。
【0283】
64.前記磁気共鳴撮像システムが、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである、実施形態49~63のうちのいずれか1つの方法。
【0284】
65.磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法であって、前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および片面式勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面に近接して配置されるハウジングを用意することと、電磁石を用意することと、前記無線周波数送信コイル、前記片面式勾配コイルセット、または前記電磁石のうちの少なくとも1つを作動させることにより、前記対象領域が前記前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させることと、無線周波数受信コイルを作動させて撮像データを取得することと、取得された撮像データを再構成して分析用の出力画像を生成することと、ユーザによるレビューおよび注釈のために前記出力画像を表示することとを含む、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法。
【0285】
66.前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記前面上に位置する、実施形態65の方法。
【0286】
67.前記前面が凹面である、実施形態65~66のうちのいずれか1つの方法。
【0287】
68.前記永久磁石が、該永久磁石の中心を貫く開口を有する、実施形態65~67のうちのいずれか1つの方法。
【0288】
69.前記永久磁石の前記静磁場が1mTから1Tまでにわたる、実施形態65~68のうちのいずれか1つの方法。
【0289】
69-1.前記永久磁石の前記静磁場が10mTから195mTまでにわたる、実施形態65~68のうちのいずれか1つの方法。
【0290】
70.前記無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える、実施形態65~69のうちのいずれか1つの方法。
【0291】
71.前記無線周波数送信コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態65~70のうちのいずれか1つの方法。
【0292】
72.前記片面式勾配コイルセットが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態65~71のうちのいずれか1つの方法。
【0293】
73.前記片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、前記第1の位置および前記第2の位置が、前記片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある、実施形態65~72のうちのいずれか1つの方法。
【0294】
74.前記片面式勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である、実施形態65~73のうちのいずれか1つの方法。
【0295】
75.前記電磁石が前記対象領域内で前記永久磁石の前記静磁場を変化させるように構成される、実施形態65~74のうちのいずれか1つの方法。
【0296】
76.前記電磁石の磁場強度が10mTから1Tである、実施形態65~75のうちのいずれか1つの方法。
【0297】
77.前記無線周波数受信コイルが、前記対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態65~76のうちのいずれか1つの方法。
【0298】
78.前記無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態65~77のうちのいずれか1つの方法。
【0299】
79.前記無線周波数送信コイルおよび前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態65~78のうちのいずれか1つの方法。
【0300】
80.前記磁気共鳴撮像システムが、前記前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムである、実施形態65~79のうちのいずれか1つの方法。
【0301】
81.磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法であって、凹型の前面、静磁場を提供する永久磁石、無線周波数送信コイル、および少なくとも1つの勾配コイルセットを備え、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記前面に近接して配置されるハウジングを用意することと、前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットのうちの少なくとも1つを作動させることにより、前記凹型の前面より外側にある対象領域に電磁場を発生させることと、無線周波数受信コイルを作動させて撮像データを取得することと、取得された撮像データを再構成して分析用の出力画像を生成することと、ユーザによるレビューおよび注釈のために前記出力画像を表示することとを含む、磁気共鳴撮像システムでスキャンを実行する方法。
【0302】
82.前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記凹型の前面上に位置する、実施形態81の方法。
【0303】
83.前記永久磁石の前記静磁場が1mTから1Tまでにわたる、実施形態81~82のうちのいずれか1つの方法。
【0304】
84.前記永久磁石の前記静磁場が10mTから195mTまでにわたる、実施形態81~83のうちのいずれか1つの方法。
【0305】
85.前記無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える、実施形態81~84のうちのいずれか1つの方法。
【0306】
86.前記無線周波数送信コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態81~85のうちのいずれか1つの方法。
【0307】
87.前記少なくとも1つの勾配コイルセットが非平面状で、片面式であり、かつ前記対象領域を部分的に包囲するように配向されており、さらに前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態81~86のうちのいずれか1つの方法。
【0308】
88.前記少なくとも1つの勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、前記第1の位置および前記第2の位置が、前記少なくとも1つの勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある、実施形態81~87のうちのいずれか1つの方法。
【0309】
89.前記少なくとも1つの勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である、実施形態81~88のうちのいずれか1つの方法。
【0310】
90.前記永久磁石が、該永久磁石の中心を貫く開口を有する、実施形態81~89のうちのいずれか1つの方法。
【0311】
91.前記対象領域内で前記永久磁石の前記静磁場を変化させるように構成された電磁石をさらに備える、実施形態81~90のうちのいずれか1つの方法。
【0312】
92.前記無線周波数受信コイルが、前記対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態81~91のうちのいずれか1つの方法。
【0313】
93.前記無線周波数受信コイルが、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態81~92のうちのいずれか1つの方法。
【0314】
94.前記無線周波数送信コイルおよび前記少なくとも1つの勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態81~93のうちのいずれか1つの方法。
【0315】
95.前記電磁石の磁場強度が10mTから1Tである、実施形態91の方法。
【0316】
96.前記磁気共鳴撮像システムが、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである、実施形態81~95のうちのいずれか1つの方法。
【0317】
本明細書は多くの具体的な実装形態の詳細を含むが、これらは任意の実施形態または特許請求の範囲となり得る対象の範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、特定の実施形態の特定の実装に固有の特徴の記述と解釈されるべきである。個別の実装形態の文脈で本明細書に記載されるいくつかの特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装されることも可能である。逆に、単一の実装形態の文脈で記載されるさまざまな特徴は、個別に複数の実装形態で、または、任意の好適な部分的組合せにおいて実装されることも可能である。さらに、諸特徴はいくつかの組合せにおいて作用するものとして上述され、そのようなものとして最初に特許請求の範囲に記載されているかもしれないが、特許請求の範囲の組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってその組合せから削除されることが可能であり、特許請求の範囲の組合せは部分的組合せを、または部分的組合せの変形を対象としてもよい。
【0318】
同様に、動作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示された特定の順序もしくは逐次的順序で実行されること、または図示された動作のすべてが実行されることを要求していると理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上記の実装形態におけるさまざまなシステム構成要素の分離は、すべての実装形態におけるそのような分離を要求していると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品に統合されること、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることが可能であると理解されるべきである。
【0319】
「または」への言及は、「または」を用いて記載される任意の用語が、記載された用語の単一、複数、およびすべてのもののいずれをも示し得るように包括的と解釈され得る。「第1」、「第2」、「第3」などのラベルは、順序を示すことを必ずしも意味せず、同様または類似の項目または要素間を単に区別するために一般的に使用される。
【0320】
本開示に記載される実装形態へのさまざまな変更は当業者には直ちに明らかであろうし、本明細書に規定される一般的原理は本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の実装形態にも適用可能であろう。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図しておらず、本開示すなわち本明細書に開示される原理および新規な特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきである。