(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】目的に合わせた縫合糸セグメントを有する双方向性有棘縫合糸
(51)【国際特許分類】
A61B 17/06 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A61B17/06
(21)【出願番号】P 2021577563
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2020055543
(87)【国際公開番号】W WO2020261033
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-26
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パーキンス・ジェイソン・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ハフ・ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】キリオン・ジョン・エイ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-090960(JP,A)
【文献】特表2007-532174(JP,A)
【文献】特表2018-526130(JP,A)
【文献】特表2018-526126(JP,A)
【文献】特表2009-536044(JP,A)
【文献】特表2011-520529(JP,A)
【文献】特表2014-500069(JP,A)
【文献】特開2000-079654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/03-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、500、600、700、800)であって、
第1の縫合糸構成を有する第1の縫合糸セグメント(102a、202a、302a、402a、502a、602a、702a、802a)であって、前記第1の縫合糸セグメントが、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、前記第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素(108a、208a、308a、408a、508a、608a、708a)を有する、第1の縫合糸セグメントと、
第2の縫合糸構成を有する第2の縫合糸セグメント(102b、202b、302b、402b、502b、602b、702b、802b)であって、前記第2の縫合糸構成が前記第1の縫合糸構成とは異なっており、前記第2の縫合糸セグメントが、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、前記第2の遠位端は、そこから一体的に形成された第2の止め要素(108b、208b、308b)を有する、第2の縫合糸セグメントと、
前記第1の縫合糸セグメントから前記第2の縫合糸セグメントへの移行部を提供するように構成された接続部分(107、207、307、407、507、607、707、807)であって、前記接続部分が、前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第1の止め要素の少なくとも一部分を含む、接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
【請求項2】
前記第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する第1のフィラメント状要素(103a、203a、303a、403a、503a、603a、703a)から延出する、第1の返し部サイズを有する第1の複数の返し部(104a、204a、304a、404a、504a、604a、704a)を含む、請求項1に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、500、600、700、800)。
【請求項3】
前記第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素(103b、203b、303b、403b、703b)から延出する、第2の返し部サイズを有する第2の複数の返し部(104b、204b、304b、404b、704b)を含む、請求項2に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、700、800)。
【請求項4】
前記第1の返し部サイズと前記第2の返し部サイズとが異なっており、かつ/又は、前記第1の複数の返し部(104a、204a、304a、404a、704a)が第1の形状を有し、前記第2の複数の返し部(104b、204b、304b、404b、704b)が第2の形状を有し、前記第1の形状と前記第2の形状とが異なっており、かつ/又は、前記第1の複数の返し部が、対称な返し部を含み、前記第2の複数の返し部が、螺旋パターンで前記第2のフィラメント状要素の周囲に形成された返し部を含む、請求項3に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、700、800)。
【請求項5】
前記第1の縫合糸セグメント(302a)及び前記第2の縫合糸セグメント(302b)並びに前記第1の止め要素(308a)及び前記第2の止め要素(308b)とは別個の第3の止め要素(308c)を更に備え、前記接続部分(307)が、前記第1の止め要素及び前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第3の止め要素の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載の創傷閉鎖デバイス(300)。
【請求項6】
前記第1の縫合糸セグメント(102a、202a、302a、402a、702a、802a)が第1のポリマー材料を含み、前記第2の縫合糸セグメント(102b、202b、302b、402b、702b、802b)が第2のポリマー材料を含み、任意選択で、前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料とが同じであるか、又は任意選択で、前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料とが異なっているか、又は任意選択で、前記第1のポリマー材料及び前記第2のポリマー材料が、前記接続部分(107、207、307、407、707、807)を形成する前に、極性基材を作り出すためにプラズマ処理されるように構成された非極性材料である、請求項3に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、700、800)。
【請求項7】
前記第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素(103b、203b、303b、403b、503b、603b、703b)を含む、請求項2に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、500、600、700、800)。
【請求項8】
前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが同じであるか、又は、前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが異なっている、請求項7に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、500、600、700、800)。
【請求項9】
前記第2のフィラメント状要素(103b、203b、303b、403b、503b、603b、703b)が、モノフィラメント又はマルチフィラメントを含む、請求項7に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、500、600、700、800)。
【請求項10】
前記第1の縫合糸セグメント(102a、202a、302a、402a、502a、602a、702a、802a)が、第1の長さを有する第1のフィラメント状要素(103a、203a、303a、403a、503a、603a、703a)を含み、前記第2の縫合糸セグメント(102b、202b、302b、402b、502b、602b、702b、802b)が、第2の長さを有する第2のフィラメント状要素を含み、前記第1の長さと前記第2の長さとが異なっている、請求項1に記載の創傷閉鎖デバイス(100、200、300、400、500、600、700、800)。
【請求項11】
前記第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する第1のフィラメント状要素(103a、203a、303a、403a、503a、603a、703a)から延出する、第1の返し部サイズを有する第1の複数の返し部(104a、204a、304a、404a、504a、604a、704a)を含み、
前記第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素(103b、203b、303b、403b、703b)から延出する、第2の返し部サイズを有する第2の複数の返し部(104b、204b、304b、404b、704b)を含み、
前記創傷閉鎖デバイスは、第3の縫合糸構成を有する第3の縫合糸セグメント(802c)を更に備え、前記第3の縫合糸セグメントが、前記第1の縫合糸セグメント及び前記第2の縫合糸セグメントのうちの少なくとも一方とは異なっている、請求項1に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項12】
前記第3の縫合糸構成が、第3のフィラメントサイズを有する第3のフィラメント状要素から延出する、第3の返し部サイズを有する第3の複数の返し部を含む、請求項11に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項13】
前記第1の返し部サイズ、前記第2の返し部サイズ、及び前記第3の返し部サイズのうちの少なくとも1つが異なっているか、又は、前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズと前記第3のフィラメントサイズとが同じであるか、又は、前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズと前記第3のフィラメントサイズとが異なっているか、又は、前記第1の複数の返し部、前記第2の複数の返し部、及び前記第3の複数の返し部のうちの少なくとも1つが、対称な返し部を含み、前記第1の複数の返し部、前記第2の複数の返し部、若しくは前記第3の複数の返し部のうちの少なくとも1つの他のものが、螺旋パターンで対応するフィラメント状要素の周囲に形成された返し部を含む、請求項12に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項14】
前記第1の複数の返し部が第1の形状を有し、前記第2の複数の返し部が第2の形状を有し、前記第3の複数の返し部が第3の形状を有し、前記第1の形状、前記第2の形状、及び前記第3の形状のうちの少なくとも1つが異なっている、請求項12に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項15】
前記第3の縫合糸セグメント(802c)が、第3の近位端及び第3の遠位端を有し、前記第3の遠位端は、そこから一体的に形成された第3の止め要素を有し、前記接続部分(807)が、前記第3の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第2の止め要素の少なくとも一部分を含む、請求項12に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項16】
前記第1の縫合糸セグメント、前記第2の縫合糸セグメント、及び前記第3の縫合糸セグメント並びに前記第1の止め要素、前記第2の止め要素、及び前記第3の止め要素とは別個の第4の止め要素を更に備え、前記接続部分が、前記第1の止め要素及び前記第3の止め要素のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分に積層された前記第4の止め要素の少なくとも一部分を含む、請求項15に記載の創傷閉鎖デバイス。
【請求項17】
前記第1の縫合糸セグメントが第1のポリマー材料を含み、前記第2の縫合糸セグメントが第2のポリマー材料を含み、前記第3の縫合糸セグメントが第3のポリマー材料を含み、任意選択で、前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料と前記第3のポリマー材料とが同じであるか、又は任意選択で、前記第1のポリマー材料、前記第2のポリマー材料、及び前記第3のポリマー材料のうちの少なくとも1つが異なっているか、又は任意選択で、前記第1のポリマー材料、前記第2のポリマー材料、及び前記第3のポリマー材料のうちの少なくとも1つが、前記接続部分を形成する前に、極性基材を作り出すためにプラズマ処理されるように構成された非極性材料である、請求項12に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項18】
前記第3の縫合糸構成が、第3のフィラメントサイズを有する第3のフィラメント状要素を含み、任意選択で、前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズと前記第3のフィラメントサイズとが同じであるか、又は任意選択で、前記第1のフィラメントサイズ、前記第2のフィラメントサイズ、及び前記第3のフィラメントサイズのうちの少なくとも1つが異なっているか、又は任意選択で、前記第3のフィラメント状要素が、モノフィラメント若しくはマルチフィラメントを含む、請求項11に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項19】
前記第1の縫合糸構成が第1の色を有し、前記第2の縫合糸構成が第2の色を有し、前記第3の縫合糸構成が第3の色を有し、前記第1の色、前記第2の色、及び前記第3の色のうちの少なくとも1つが、その他のものとは異なっている、請求項11に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項20】
前記第1の縫合糸セグメント(802a)が、第1の長さを有する前記第1のフィラメント状要素を含み、前記第2の縫合糸セグメント(802b)が、第2の長さを有する前記第2のフィラメント状要素を含み、前記第3の縫合糸セグメント(802c)が、第3の長さを有する第3のフィラメント状要素を含み、前記第1の長さ、前記第2の長さ、及び前記第3の長さのうちの少なくとも1つが、その他のものとは異なっている、請求項11に記載の創傷閉鎖デバイス(800)。
【請求項21】
前記第1の縫合糸構成が第1の色を有し、前記第2の縫合糸構成が第2の色を有し、前記第1の色と前記第2の色とが互いに異なっている、
請求項1に記載の創傷閉鎖デバイス(100、300)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの創傷及び外科的切開は、外科用縫合糸又は何らかの他の創傷閉鎖デバイスを用いて閉鎖される。例えば、外科医は、縫合糸、有棘縫合糸、及び/又は同様のものを使用して創傷又は外科的切開を閉じることができる。多くの場合、外科的処置において、外科医は、創傷又は外科的切開の一部である異なる組織層に応じて、複数の縫合糸又は創傷閉鎖デバイスを使用して、創傷又は外科的切開を閉じる必要がある。例えば、外科医は、閉鎖されている創傷又は外科的切開の所与の組織層に基づいて、適切なサイズ、長さ、材料、返し部の付いた構造、針の特性、抗菌特性、及び/又は同様のものなどの第1の組の特性を有する縫合糸又は創傷閉鎖デバイスを選択し、閉鎖されている創傷又は外科的切開の別の組織層のために、異なる1組の特性を有する別の縫合糸又は創傷閉鎖デバイスを選択する必要があり得る。残念なことに、処置中に複数の縫合糸又は創傷閉鎖デバイスを選択及び使用しなければないことは、創傷又は外科的切開を閉じるのにかかる時間を増加させ、それによって、処置自体の時間、患者が麻酔下にある時間、及び/又は同様のもが長くなり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
組織を接近させるための縫合糸が提供され得る。実施例において、縫合糸は、多目的用の又は多層組織閉鎖用の双方向性創傷閉鎖デバイスを作り出すことができるように、同じ又は異なる構成の縫合糸セグメントを有する複数の縫合糸セグメントを含むことができる。例えば、縫合糸は、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントなどの縫合糸セグメントを含む。縫合糸セグメントは、一実施例では、ポリジオキサノン(polydioxanone、PDS)などの熱可塑性材料で作製され得る。縫合糸セグメントは、縫合糸構成を有することができる。例えば、第1の縫合糸セグメントは、第1の縫合糸構成を有することができ、第2の縫合糸セグメントは、第2の縫合糸構成を有することができる。第1の縫合糸構成及び第2の縫合糸構成などの縫合糸構成は、同じであっても異なっていてもよい。一実施例では、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントなどの縫合糸セグメントは、接続部分又は移行ゾーン(例えば、接合部材)によって互いに接続され得る。
【0003】
一実施例では、縫合糸セグメント及びその構成のうちの1つ又は2つ以上は、結び目のない組織制御デバイス、又は有棘縫合糸を含み得る。典型的には、有棘縫合糸は、縫合糸のフィラメント又はフィラメント状要素から外向きに延出する(例えば、それによって縫合糸セグメントを形成する)一連の「返し部」、「突出部」(例えば、本明細書では互換的に使用される)で構築される。これらの返し部、又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能する。返し部は、一実施例では、PDSなどの熱可塑性材料(例えば、吸収性及び/又は非吸収性)から作製され得る。
【0004】
更に、一実施例では、縫合糸セグメントのうちの1つ又は2つ以上は、その端部にアンカー、タブ、及び/又は同様のものを含むことができる。アンカー、タブ、及び/又は同様のものは、端部に「止め部」(例えば、止め要素)を提供することができ、この「止め部」により、縫合糸の保持強度を増加させることができ、更には、縫合糸を固定するために結び目を結ぶ必要性を排除することができる。アンカー、タブ、及び/又は同様のものは、PDSなどの熱可塑性材料(例えば、吸収性及び/又は非吸収性)から作製され得る。更に、アンカー、タブ、及び/又は同様のものは、縫合糸セグメント間の移行ゾーン又は接続部分を提供することができる。例えば、縫合糸セグメントのそれぞれの端部におけるアンカー、タブ、及び/又は同様のもののそれぞれ(例えば、対応の第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントの端部における第1の止め要素及び第2の止め要素)は、一体に接合されて、縫合糸構成間に接続部分又は移行ゾーンを形成することができる。一実施例によれば、高周波(RF)エネルギー又は別の適切なエネルギー源、熱源、及び/又は同様のものを使用して、アンカー、タブ、及び/又は同様のものを一体に接合し、それによって、縫合糸セグメントを一体に接合し、接続部分又は移行ゾーンを形成することができる。
【0005】
したがって、本明細書の実施例によれば、様々な材料(例えば、吸収性又は非吸収性ポリマー)、サイズ、長さ、アンカー形状、針、特性(例えば、抗菌特性)、構成(例えば、モノフィラメント又はマルチフィラメント)、及び/又は同様のものの2つ又は3つ以上の縫合糸又は縫合糸セグメント又は脚部(例えば、有棘及び/又は無棘縫合糸セグメント又は脚部)は、積層又は溶接法によって接合することができる。そのような実施例では、縫合糸の各得られたセグメント又は脚部は、特定の組織閉鎖を実施するために必要である適切な一連の特徴を有して独自に調整されることができ、この一連の特徴は、デバイスの各セグメント又は脚部によって異なっていてもよい。例えば、1つのセグメントは、対称、PDS製、未染色、特定のサイズ(例えば、3~0)であってもよい有棘縫合糸を含むことができ、別のセグメント又は脚部は、対称、PDS製、染色済み、同じサイズ(例えば、3~0)であってもよい有棘縫合糸を含むことができる。他の実施例では、1つの縫合糸セグメントは、タイプ(例えば、有棘及び/又は無棘)、材料(例えば、吸収性又は非吸収性ポリマー)、サイズ、長さ、アンカー形状、針、特性(例えば、抗菌特性)、構成(例えば、モノフィラメント又はマルチフィラメント)、及び/又は同様のものの組み合わせを含むことができる。
【0006】
本明細書に記載のように、複数の縫合糸セグメントを有する創傷閉鎖又は縫合デバイスは、外科医が複数の組織層を閉じること及び/又は複数の作業を一度にかつ1つのデバイスで完了させることを可能にし得る。更に、本明細書に記載の創傷閉鎖又は縫合デバイスは、複数の外科医が同時に縫合することを可能にすることができ、これにより、例えば、効率を高めることができ、及び/又は患者が麻酔下にあり得る時間を短縮することができる。
【0007】
加えて、本明細書に記載の例示的な創傷閉鎖又は縫合デバイスは、包装資材の量を低減することができる。例えば、本明細書に記載されるように、典型的には、異なる組織層を閉じるために複数の創傷閉鎖デバイスを使用する場合があり、それらのデバイスのそれぞれは、それ自体のパッケージに入っている場合がある。本明細書の実施例では、患者に合わせて調整することができる創傷閉鎖デバイスを一緒に包装することで、包装資材の量を低減することができる。
【0008】
加えて、機器及びツーリングは、創傷閉鎖デバイスの縫合糸セグメントの長さを制限し得る。例示的な創傷閉鎖デバイス及びそれを製造する方法又はプロセスは、同じ又は異なる縫合糸セグメントの長さを、現在利用可能であり得るものよりも長くすることが可能であり得る。例えば、創傷閉鎖デバイスを作るための本明細書に記載の積層プロセス又は方法は、二方向ストランド、つまりデバイスの全長を、同じ長さ又は特徴を有する一体形成された二方向ストランドを製造するために機器又はツーリングに投資していない個々のストランドの最大長の、例えば、最大で2倍にすることが可能であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書の少なくとも1つの実施例による創傷閉鎖デバイスを示す。
【
図2】
図1の創傷閉鎖デバイスの一部分の拡大図を描写する。
【
図3】例えば、接続部分を形成する前の、
図1の創傷閉鎖デバイスの止め要素の分解図である。
【
図4】
図1の創傷閉鎖デバイスの接続部分の上面図を示す。
【
図5A】
図1の創傷閉鎖デバイスの接続部分の断面図を示す。
【
図5B】
図1の創傷閉鎖デバイスの接続部分の断面図を示す。
【
図6A】
図1の創傷閉鎖デバイスの接続部分の、それぞれ、斜視図及び側面図を描写する。
【
図6B】
図1の創傷閉鎖デバイスの接続部分の、それぞれ、斜視図及び側面図を描写する。
【
図7】本明細書の実施例による創傷閉鎖デバイス及びその接続部分の別の実施例を示す。
【
図8】本明細書の実施例による創傷閉鎖デバイス及びその接続部分の別の実施例を示す。
【
図9】例えば、接続部分を形成する前の、
図8の創傷閉鎖デバイスの止め要素及び/又はタブの分解図を描写する。
【
図10】例えば、接続部分を形成する前の、
図8の創傷閉鎖デバイスの止め要素及び/又はタブの分解図を描写する。
【
図11】例えば、接続部分を形成する前の、
図8の創傷閉鎖デバイスの止め要素及び/又はタブの分解図を描写する。
【
図12】
図8の創傷閉鎖デバイスの接続部分の上面斜視図を示す。
【
図13A】
図8の創傷閉鎖デバイスの接続部分の断面図を示す。
【
図13B】
図8の創傷閉鎖デバイスの接続部分の断面図を示す。
【
図14】本明細書の実施例による創傷閉鎖デバイス及びその接続部分の別の実施例を示す。
【
図15】本明細書の実施例による創傷閉鎖デバイス及びその接続部分の別の実施例を示す。
【
図16】本明細書の実施例による創傷閉鎖デバイス及びその接続部分の別の実施例を示す。
【
図17】本明細書の実施例による創傷閉鎖デバイス及びその接続部分の別の実施例を示す。
【
図18】本明細書の実施例による創傷閉鎖デバイス及びその接続部分の別の実施例を示す。
【0010】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術のその他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、当該技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ自明の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないと見なされるべきである。
【0012】
更に、本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのうちの1つ又は2つ以上を、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点も理解されよう。それゆえに、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には明らかとなり得る。このような修正及び変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0013】
図1~
図2は、本明細書の1つ又は2つ以上の実施例による創傷閉鎖デバイス100の異なる図を示す。創傷閉鎖デバイス100は、第1の縫合糸セグメント102aと、第2の縫合糸セグメント102bと、それらの間の接続又は移行部分107を含むことができる。第1の縫合糸セグメント102a及び第2の縫合糸セグメント102bは、本明細書の実施例によるフィラメント状要素103a、103bを含むことができる。第1の縫合糸セグメント102a及び第2の縫合糸セグメント102bは、任意の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。
図1に示すように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント102aは、フィラメント状要素103aから外向きに延出する複数の返し部又は突出部104aを含むことができる。更に、一実施例に示すように、第2の縫合糸セグメント102bは、フィラメント状要素103bから外向きに延出する複数の返し部又は突出部104bを含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能し得る。更に、
図1~
図2に示される実施例では、返し部又は突出部104a、104bは対称であり得る。例えば、返し部又は突出部104a’のうちの一方は、対応する返し部104a”と形状において同様であり得、フィラメント状要素103aの(例えば、約180度)反対側から、対応する返し部104a”の反対方向に延出し得る。本明細書で使用することができる返し部又は突出部104a、104bなどの返し部の例は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許出願公開第2014/0081321号においてより詳細に説明することができる。本明細書の実施例によれば、104a、104bなどの返し部又は突出部は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許出願公開第2007/0257395号及び米国特許第7,850,894号により詳細に説明されている方法で、予め形成された材料から打ち抜かれた複合断面とするなど、任意の好適な方法によって形成され得る。
【0014】
第1の縫合糸セグメント102a及び第2の縫合糸セグメント102bは、同じ又は異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、第1の縫合糸セグメント102aは、返し部サイズ、フィラメントサイズ、材料タイプ、返しのタイプ、フィラメントタイプ及び/又は同様のものなどの異なる特性を有するフィラメント状要素103aと返し部又は突出部104aとを含み、それによって第1の縫合糸構成を形成することができる。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント102bは、返し部サイズ、フィラメントサイズ、材料タイプ、返しのタイプ、フィラメントタイプ、及び/又は同様のものなどの異なる特性を有するフィラメント状要素103bと返し部又は突出部104bとを含み、それによって第2の縫合糸構成を形成することができる。一実施例では、第1の縫合糸構成と第2の縫合糸構成とは同じであってもよい。すなわち、第1のフィラメント状要素103a及び第2のフィラメント状要素103b、並びに返し部又は突出部104a、104bは、同じサイズ、材料、タイプ、及び/又は同様のものであり得る。更に、一実施例では、第1の縫合糸構成と第2の縫合糸構成とは異なっていてもよい。すなわち、第1のフィラメント状要素103a及び第2のフィラメント状要素103b並びに/又は返し部若しくは突出部104a、104bは、異なるサイズ、材料、タイプ、及び/又は同様のものであり得る。例えば、第1の縫合糸構成は、特定の又は選択されたサイズ及び/又は材料(例えば、サイズ3~0の対称PDS有棘縫合糸)を有するフィラメント状要素103aと返し部又は突出部104aとを含むことができるが、未染色であってもよく、第2の縫合糸構成は、同じサイズ又は材料(例えば、サイズ3~0の対称PDS有棘縫合糸)を有するフィラメント状要素103bと返し部又は突出部104bとを含むことができるが、染色されていてもよい。そのような実施例では、創傷閉鎖デバイス又は縫合糸は、出血している(例えば、セグメントは、出血の中で可視であるように染色された材料であり得る)及び出血していない(例えば、セグメントは未染色材料であり得る)手術野における縫合糸又は創傷閉鎖デバイスのストランド又はセグメントの適切な可視性のために、異なる色の縫合糸セグメントを有することができる。本明細書の実施例は、(例えば、本明細書に記載される)サイズ、材料、タイプ、及び/又は同様のものの他の組み合わせを更に含むことができる。
【0015】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント102aは、その第1の近位端109aに第1の針又は挿入デバイス101aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント102bは、その第2の近位端109bに第2の針又は挿入デバイス101bを含むことができる。第1の針又は挿入デバイス101a及び第2の針又は挿入デバイス101bは、組織を貫通するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、第1の針又は挿入デバイス101a及び第2の針又は挿入デバイス101bは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、本明細書に記載されるように、第1の針又は挿入デバイス101a及び第2の針又は挿入デバイス101bが挿入されることができ、また組織を貫通して、第1の縫合糸セグメント102a及び第2の縫合糸セグメント102bが組織を貫通して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、第1の針又は挿入デバイス101aと第2の針又は挿入デバイス101bとは同じであり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイス101aと第2の針又は挿入デバイス101bとは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、第1の針又は挿入デバイス101aと第2の針又は挿入デバイス101bとは異なり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイス101aと第2の針又は挿入デバイス101bとは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0016】
図示のように、第1の縫合糸セグメント102aは、第1の遠位端106aを含むことができ、第2の縫合糸セグメントは、第2の遠位端106bを含むことができる。第1の遠位端106a及び第2の遠位端106bは、それぞれ、第1の遠位端106a及び第2の遠位端106bに取り付けられた又は第1の遠位端106a及び第2の遠位端106bから形成された固定タブ又は止め要素108a及び108bを有することができる。第1及び第2の固定タブ108a、108bは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して一体に接合されて、第1の縫合糸セグメント102aと第2の縫合糸セグメント102bとの間に移行ゾーン107(例えば、接続部分)を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、2つの固定タブ表面を一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。更に、本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分107は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。加えて、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分107、及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン107の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分のサイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0017】
図3は、例えば、接続部分(例えば、移行ゾーン107)を形成する前の、
図1~
図2の創傷閉鎖デバイス100の止め要素108a、108bの分解図を描写する。図示のように、一実施例では、止め要素108a、108bは、前縁部厚t及び前縁部幅wによって画定される前縁部を含むことができ、また、縫合糸の細長い軸に沿って長さlを有する。実施例において、止め要素108a、108bは、同じ形状、サイズ、及び/又は同様のもの(例えば、同じt、w、及びl)であり得る。更に、止め要素108a、108bは、異なる形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(例えば、止め要素308a、308bを有する
図9~
図14に示されるように)。いくつかの実施例では、第1の縫合糸セグメント102a及び第2の縫合糸セグメント102bのうちの一方は、止め要素を含むことができ、他方は、止め要素を含まなくてもよい。実施例では、本明細書に記載の止め要素は、約0.010インチ~0.025インチの厚さ(例えば、t)、約0.095インチ~0.120インチの幅(例えば、w)、及び約0.095インチ~約0.200インチの長さ(例えば、l)を有することができる。一実施例によれば、止め要素308a(例えば、約0.095インチ)は、止め要素108a、108b、208b、308c、408a、508a、608a、708a、708b、808a、及び/又は同様のものなどの他の止め要素(例えば、約0.200インチ)よりも長さが短くてもよい。
【0018】
図4~
図6Bは、それぞれ、例えば、接続部分又は移行ゾーン107の形成後(例えば、止め要素108a、108bを一体に積層した後)の
図1~
図2の創傷閉鎖デバイスの上面図、断面図、斜視図、及び側面図を示す。図示のように、第1の止め要素108aの第1の面120aは、第2の止め要素108bの第1の面122aと接合されて、移行ゾーン又は接続部分107を形成することができる。一実施例では、第1の面120aは、第1の面122aに直接積層されて、移行ゾーン又は接続部分107を形成することができる。したがって、実施例において、止め要素308aの少なくとも一部分は、止め要素308bの少なくとも一部分に(例えば、直接)積層され得る。そのような実施例では、移行ゾーン又は接続部分107を形成するために積層する間に、追加の材料が使用されない場合があり、図示のように、縫合糸セグメント又は脚部102a、102bのそれぞれは、例えば、積層前に、それ自体の一体型のエンドエフェクタ(例えば、第1及び第2の止め要素108a、108b)を有することができる。本明細書の1つ又は2つ以上の実施例によれば、第1の面120a、122aを一体に積層するために、RFエネルギーをタブ又は止め要素108a、108bの面120a、122aのそれぞれに印加し、その後、RFエネルギーが印加された2つの面を一体に接合して、移行ゾーン又は接続部分107を形成することができる。追加の実施例によれば、面(例えば、120a、122aは、熱エネルギー(例えば、赤外線及びレーザー技術及び/又はエネルギーを使用して)、機械的エネルギー(例えば、振動及び超音波技術及び/又はエネルギーを使用して)、及び/又は同様のものを印加することによって、一体に積層され得る。
【0019】
本明細書に記載されるように止め要素(例えば、108a、108b)を一体に積層するために、止め要素(例えば、それらが作製され得るPDSなどの絶縁材料)の面を、RF積層及び/又は溶接を使用して誘電的に(dielectrically)加熱することができる。接続部分又は移行ゾーン(例えば、107)を形成するための本明細書に記載されるRF積層及び/又は溶接は、(例えば、止め要素を作製することができる)PDSなどの非導電性材料又は電気絶縁材料を誘電加熱することを含む。実施例によれば、これらの誘電材料の1つ又は2つ以上のポリマー分子は、わずかな正電荷を有し得る分子の一部分を含み、分子の反対側の部分は、わずかな負電荷を有し得る。電界内に配置されると、これらの極性分子はそれら自体を配向することができ、それにより、それらの正の端は印加された電界の負の部分に面し、負の端は印加された電界の正の部分に面する。電力を印加すると、電力は、1秒あたり13~100MHzの周波数でプレートにわたって電界を変化させることができる。PDSなどの誘電体材料では、電界のそのような変化により、誘電場内で電子が代替的に引っ張られる可能性があり、分子摩擦は、材料(例えば、108a、108bの120a、122aなどの止め要素の第1の面)を一体に積層するための熱を発生させる。したがって、本明細書の実施例によれば、止め要素を一体に積層して接続部分又は移行ゾーンを形成するために、電力又はエネルギーを、特定の時間又は持続時間にわたって(例えば、第2のパラメータ)、及び特定の圧力下で(例えば、第3のパラメータ)、止め要素に印加する(例えば、第1のパラメータ)ことができる。
【0020】
本明細書の実施例によれば、脚部又はストランドとも称され得る縫合糸セグメント(例えば、102a、102b)を一体に積層することにより、典型的には、ツーリングが個々のストランドの長さ最大値を別の方法で設定することを可能にし得るツーリング制限よりも大きくあり得る全体的なデバイスの長さが可能となり得る。例えば、機器及びツーリングは、有棘縫合糸で達成することができるセグメント又はストランドの長さを制限する場合がある。本明細書に記載の積層プロセス又は方法を使用することにより、縫合デバイス又は創傷閉鎖デバイスの全長を長くすることができる。例えば、セグメント又はストランドを図示のように一体に接合することによって、同じ又は同様の長さ又は特徴を有する一体形成された縫合糸又は創傷閉鎖デバイスを生成するために機器又はツーリングに投資することなく、縫合デバイス又は創傷閉鎖デバイスの全長を個々のセグメント又はストランドの長さの最大で2倍にすることができる。
【0021】
図7は、本明細書の一実施例による創傷閉鎖デバイス200及びその接続部分207の別の実施例を示す。
図7に示すように(例えば、
図1~
図2の実施例と同様に)、創傷閉鎖デバイス200は、第1の縫合糸セグメント202aと、第2の縫合糸セグメント202bと、それらの間の接続又は移行部分207とを含むことができる。第1の縫合糸セグメント202a及び第2の縫合糸セグメント202bは、本明細書の実施例による第1のフィラメント状要素203a及び第2のフィラメント状要素203bを含むことができる。図示のように、第1のフィラメント状要素203a及び第2のフィラメント状要素203bは、異なるサイズであり得る(例えば、サイズ3~0の縫合糸をサイズ1の縫合糸に接続又は積層することができる)。例えば、第1のフィラメント状要素203aは、直径又は幅c1を有することができ、第2のフィラメント状要素203bは、直径又は幅c2を有することができる。一実施例では、直径c2は、示されるように直径c1よりも大きくてもよい。
【0022】
本明細書に記載されるように、第1の縫合糸セグメント202a及び第2の縫合糸セグメント202bは、任意の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。
図7に示されるように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント202aは、フィラメント状要素203aから外向きに延出する複数の返し部又は突出部204aを含むことができる。更に、一実施例に示すように、第2の縫合糸セグメント102bは、フィラメント状要素203bから外向きに延出する複数の返し部又は突出部204bを含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能し得る。更に、
図7に示される実施例では、返し部又は突出部204a、204bは対称であり得る。例えば、返し部又は突出部204a’のうちの一方は、対応する返し部204a”と形状において同様であり得、フィラメント状要素203aの(例えば、約180度)反対側から、対応する返し部204a”の反対方向に延出し得る。本明細書の実施例によれば、返し部又は突出部は、予め形成された材料から打ち抜かれた複合断面とするといった任意の好適な方法及び/又は本明細書に記載の任意の他の好適な方法によって形成され得る。
【0023】
第1の縫合糸セグメント202a及び第2の縫合糸セグメント202bcは、同じ又は異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、上述したように、第1の縫合糸セグメント202aは、より小さいフィラメントサイズ(例えば、より小さい断面、幅、又は直径)などの異なる特性を有するフィラメント状要素203aを含み、それによって第1の縫合糸構成を形成することができる。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント202bは、より大きなフィラメントサイズ(例えば、より大きな断面、幅、又は直径)などの異なる特性を有するフィラメント状要素203bを含み、それによって第2の縫合糸構成を形成することができる。また、本明細書に記載される色若しくは染料、返し部サイズ、縫合糸タイプ、材料、針及びそれらの特性、並びに/又は同様のものなどの各縫合糸セグメントの他の特徴は、同じでも異なっていてもよい。
【0024】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント202aは、その第1の近位端に第1の針又は挿入デバイスを含むことができ、第2の縫合糸セグメント202bは、その第2の近位端に第2の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができる(例えば、第1の針101a及び第2の針101bを有する
図1の実施例として示されるように)。第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、組織を貫通するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、本明細書に記載されるように、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスが挿入されることができ、また組織を貫通して、第1の縫合糸セグメント202a及び第2の縫合糸セグメント202bが組織を貫通して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは同じであり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは異なり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0025】
図示のように、第1の縫合糸セグメント202aは、第1の遠位端206aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント202bは、第2の遠位端206bを含むことができる。第1の遠位端206a及び第2の遠位端206bは、それぞれ、第1の遠位端206a及び第2の遠位端206bに取り付けられる又は第1の遠位端206a及び第2の遠位端206bから形成される固定タブ又は止め要素208a及び208bを有することができる。第1及び第2の固定タブ208a、208bは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して一体に接合されて、第1の縫合糸セグメント202aと第2の縫合糸セグメント202bとの間に移行ゾーン207(例えば、接続部分)を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、2つの固定タブ表面を一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。加えて、(例えば、
図8~
図13に記載される)一実施例では、追加のタブを使用して、移行ゾーン又は接続部分207を形成することができる。本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分207は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。加えて、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分207及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン207の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分のサイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0026】
図8は、本明細書の一実施例による創傷閉鎖デバイス300及びその接続部分307の別の実施例を示す。
図8に示すように(例えば、
図1~
図2の実施例と同様に)、創傷閉鎖デバイス300は、第1の縫合糸セグメント302aと、第2の縫合糸セグメント302bと、それらの間の接続又は移行部分307とを含むことができる。一実施例では、創傷閉鎖デバイス300は、多層組織閉鎖用の双方向性有棘縫合糸であってもよく、この双方向性有棘縫合糸は、逆方向に適切なサイズのアンカー形状を有するMONOCRYL材料で構成された別の縫合糸脚部又は部分(例えば、302a)、及び皮下又は皮内組織閉鎖に適した針に接合された、適切なサイズのアンカー形状を有するPDS材料で構成された1つの縫合糸脚部又は部分(例えば、302b)及び筋膜閉鎖用の針を含み得る。本明細書に記載されるように、第1の縫合糸セグメント302a及び第2の縫合糸セグメント302bは、他の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。
【0027】
第1の縫合糸セグメント302a及び第2の縫合糸セグメント302bは、本明細書の実施例による第1のフィラメント状要素303a及び第2のフィラメント状要素303bを更に含むことができる。
図8に示されるように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント302aは、フィラメント状要素303aから外向きに延出する複数の返し部又は突出部304aを含むことができる。更に、一実施例に示すように、第2の縫合糸セグメント302bは、フィラメント状要素303bから外向きに延出する複数の返し部又は突出部304bを含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能することができ、各セグメント又は部分(例えば、302a、302b)は、
図8に示されるように異なる返し部、又は(例えば、本明細書に記載され、
図1及び
図7に記載されているように)同じ返し部を含むことができる。返し部又は突出部204a、204bは対称であり得る。例えば、返し部又は突出部304a’のうちの一方は、対応する返し部304a”と形状において同様であり得、フィラメント状要素303aの(例えば、約180度)反対側から、対応する返し部304a”の反対方向に延出在し得る。本明細書の実施例によれば、返し部又は突出部は、予め形成された材料から打ち抜かれた複合断面とするといった任意の好適な方法及び/又は本明細書に記載の任意の他の好適な方法によって形成され得る。
【0028】
第1の縫合糸セグメント302a及び第2の縫合糸セグメント302bは、同じ又は異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、上述したように、第1の縫合糸セグメント302aは、MONOCRYL材料などの材料を含むことができ、返し部は、示されるように第1の形状及び/又はサイズを有し、それによって第1の縫合糸構成を形成する。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント302bは、第1の縫合糸セグメント302aとは異なる材料(例えばPDS)を含むことができ、返し部は、示されるように第2の形状及び/又はを有し、それによって第2の縫合糸構成を形成する。また、本明細書に記載されるフィラメントサイズ、色又は染料、縫合糸タイプ、針及びそれらの特性、並びに/又は同様のものなどの各縫合糸セグメントの他の特徴は、同じでも異なっていてもよい。
【0029】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント302aは、その第1の近位端に第1の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができ、第2の縫合糸セグメント302bは、その第2の近位端に第2の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができる(例えば、第1の針101a及び第2の針101bを有する
図1の実施例として示されるように)。第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、組織を貫通するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスが挿入されることができ、また組織を通過して、第1の縫合糸セグメント302a及び第2の縫合糸セグメント302bが組織を通過して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは同じであり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは異なり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0030】
図示のように、第1の縫合糸セグメント302aは、第1の遠位端306aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント202bは、第2の遠位端306bを含むことができる。第1の遠位端306a及び第2の遠位端306bは、それぞれ、第1の遠位端306a及び第2の遠位端306bに取り付けられる又は第1の遠位端306a及び第2の遠位端306bから形成される固定タブ又は止め要素308a及び308bを有することができる。第1及び第2の固定タブ308a、308bは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して一体に接合されて、第1の縫合糸セグメント302aと第2の縫合糸セグメント302bとの間に移行ゾーン307(例えば、接続部分)を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、2つの固定タブ表面を一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。加えて、例えば
図8~
図13に記載される一実施例では、追加のタブを使用して、移行ゾーン又は接続部分307を形成することができる。本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分307は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。更に、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分307及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン307の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分サイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0031】
図9~
図11は、接続部分(例えば、又は移行ゾーン307)を形成する前の、
図8の創傷閉鎖デバイス300の止め要素及び/又はタブの分解図を描写する。図示のように、一実施例では、止め要素308aは、概して、丸みを帯びた長方形の形状(例えば、
図10に示されるような丸みを帯びた側面を有する長方形)であり得、前縁部厚t1及び前縁部幅w1によって画定される前縁部を含むことができ、また、縫合糸の細長い軸に沿って長さl1を有する。更に、止め要素308bは、概して長方形形状であり得、前縁部厚t1’及び前縁部幅w1’によって画定される前縁部を含むことができ、また、縫合糸の細長い軸又は長手方向軸に沿って長さl1’を有する。したがって、図示の実施例では、止め要素308a、308bは、異なる形状及び/又はサイズであり得る。
【0032】
更に、一実施例によれば、
図9に示される追加の止め要素303c(例えば、第3の止め要素)は、第1及び第2のフィラメント303a、303bに取り付けられていないか、又は一体的に形成されておらず、本明細書に記載される接続部分307を形成するために使用され得る。図示のように、止め要素308cは、概して長方形形状であり得、前縁部厚t1”及び前縁部幅w1”によって画定される前縁部を含むことができ、また、縫合糸の細長い軸又は長手方向軸に沿って長さl1”を有する。止め要素308cは、図示の実施例による止め要素302bと同じ及びサイズが同様であり得る。
【0033】
図12~
図13は、接続部分又は移行ゾーン307の形成後(例えば、止め要素308a、308b、308cを一体に積層した後)の
図8~
図11の創傷閉鎖デバイスの上面図及び断面図をそれぞれ示す。図示のように、移行ゾーン又は接続部分307を形成するために、第1の止め要素308aの第1の面320aは、第2の止め要素308bの第1の面322aと接合され得、第1の止め要素308aの第2の面320bは、止め要素308cの第1の面324aと接合され得る。一実施例では、移行ゾーン又は接続部分307を形成するために、第1の面320aは第1の面322aに直接積層され得、第2の面320bは第1の面324aに直接積層され得る。更に、第1の面322aの少なくとも一部分は、示されるように、第1の面324aに積層され得る。したがって、実施例において、止め要素308aの少なくとも一部分を止め要素308b及び308cの少なくとも一部分に積層することができ、かつ/又は止め要素308b及び308cの一部分を互いに積層する(例えば、直接)ことができる。そのような実施例では、移行ゾーン又は接続部分307を形成するために積層する間に、追加の材料が使用されない場合があり、図示のように、縫合糸セグメント又は脚部102a、102bのそれぞれは、例えば、積層前にエンドエフェクタ308cと積み重ねることができるそれ自体の一体型のエンドエフェクタ(例えば、第1の止め要素108a及び第2の止め要素108b)を有することができる。本明細書の1つ又は2つ以上の実施例によれば、第1の面320a、322a、第2の面320b及び第1の面324a、並びに/又は第1の面322a、324aを一体に積層するために、RFエネルギーをタブ又は止め要素308a、308b、308cの面320a、320b、322a、324aのそれぞれに印加し、その後、RFエネルギーが印加された面を一体に接合して、本明細書(例えば、上記)に記載される移行ゾーン又は接続部分307を形成することができる。
【0034】
本明細書の実施例によれば、脚部又はストランドとも称され得る縫合糸セグメント(例えば、302a、302b)を一体に積層することにより、典型的には、ツーリングが個々のストランドの長さ最大値を別の方法で設定することを可能にし得るツーリング制限よりも大きくあり得る全体的なデバイスの長さが可能となり得る。例えば、機器及びツーリングは、有棘縫合糸で達成することができるセグメント又はストランドの長さを制限する場合がある。本明細書に記載の積層プロセス又は方法を使用することにより、縫合デバイス又は創傷閉鎖デバイスの全長を長くすることができる。例えば、セグメント又はストランドを図示のように一体に接合することによって、同じ又は同様の長さ又は特徴を有する一体形成された縫合糸又は創傷閉鎖デバイスを生成するために機器又はツーリングに投資することなく、縫合デバイス又は創傷閉鎖デバイスの全長を個々のセグメント又はストランドの長さの最大で2倍にすることができる。
【0035】
図14は、本明細書の一実施例による創傷閉鎖デバイス400及びその接続部分407の別の実施例を示す。
図14に示すように、創傷閉鎖デバイス400は、第1の縫合糸セグメント402aと、第2の縫合糸セグメント402bと、それらの間の接続又は移行部分407とを含むことができる。第1の縫合糸セグメント402a及び第2の縫合糸セグメント402bは、本明細書の実施例による第1のフィラメント状要素403a及び第2のフィラメント状要素403bを含むことができる。図示のように、第1のフィラメント状要素403a及び第2のフィラメント状要素403bは、異なるサイズであり得る(例えば、サイズ0の縫合糸をサイズ3~0の縫合糸に接続又は積層することができる)。
【0036】
本明細書に記載されるように、第1の縫合糸セグメント402a及び第2の縫合糸セグメント4402bは、任意の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。一実施例では、第1の縫合糸セグメント402a及び第2の縫合糸セグメント402bは、PDSなどの同じ材料から構成され得る。他の実施例では、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントは、異なる材料から構成され得る。
【0037】
図14に示されるように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント402aは、フィラメント状要素403aから外向きに延出する複数の返し部又は突出部404aを含むことができる。更に、一実施例に示すように、第2の縫合糸セグメント402bは、フィラメント状要素403bから外向きに延出する複数の返し部又は突出部404bを含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能し得る。
【0038】
一実施例では、
図14に示されるように、返し部又は突出部404aは対称であり得る。例えば、返し部又は突出部404a’は、対応する返し部404a”と形状において同様であり得、フィラメント状要素403aの(例えば、約180度)反対側から、対応する返し部404a”の反対方向に延出し得る。本明細書の実施例によれば、返し部又は突出部404aは、予め形成された材料から打ち抜かれた複合断面とするといった任意の好適な方法及び/又は本明細書に記載の任意の他の好適な方法によって形成され得る。
【0039】
更に、一実施例では、返し部又は突出部404bは、非対称又は螺旋状であり得る。例えば、返し部404b’が隣接する返し部404b’’から非対称的に(又は螺旋状に)フィラメント403bに切り込まれるか又はその上に形成され得るように、返し部又は突出部404bは、フィラメント403bの周囲又はフィラメント403b内に、螺旋パターンなどの非対称パターンで形成されてもよい。実施例では、返し部404b’及び404b”を含む返し部がフィラメント403b上に螺旋状に切り込まれるか又は形成されるように、非対称パターンは螺旋パターンであり得る。返し部又は突出部404bなどの返し部又は突出部は、任意の他の非対称パターンで切り込まれる又は形成されることができる。本明細書で使用することができる返し部又は突出部404bなどの返し部の例は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第8,721,681号及び同第8,721,664号においてより詳細に説明することができる。本明細書の実施例によれば、404bなどの返し部又は突出部は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第6,848,152号により詳細に記載されている例示的な方法を使用するなど、切断、エッチング、射出成形、レーザー切断若しくは形成、及び/又は同様のものなどの任意の好適な方法によって形成され得る。
【0040】
第1の縫合糸セグメント402a及び第2の縫合糸セグメント402bは、異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、上述したように、第1の縫合糸セグメント402aは、対称な返し部などの異なる特性を有する返し部404aを含み、それによって第1の縫合糸構成を形成することができる。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント402bは、非対称又は螺旋状の返し部などの異なる特性を有する返し部404bを含み、それによって第2の縫合糸構成を形成することができる。また、本明細書に記載されるように、色若しくは染料、フィラメントサイズ又は特性、返し部サイズ、縫合糸タイプ、材料、針及びそれらの特性、並びに/又は同様のものなどの各縫合糸セグメントの他の特徴は、同じでも異なっていてもよい。
【0041】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント402aは、その第1の近位端に第1の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができ、第2の縫合糸セグメント402bは、その第2の近位端に第2の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができる(例えば、第1の針101a及び第2の針101bを有する
図1の実施例として示されるように)。第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、組織を貫通するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、本明細書に記載されるように、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスが挿入されることができ、また組織を貫通して、第1の縫合糸セグメント402a及び第2の縫合糸セグメント402bが組織を貫通して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは同じであり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは異なり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0042】
図示のように、第1の縫合糸セグメント402aは、第1の遠位端406aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント402bは、第2の遠位端406bを含むことができる。第1の遠位端406aは、第1の遠位端406aに取り付けられる又は第1の遠位端406aから形成される固定タブ又は止め要素408aを有することができる。第1の固定タブ408aは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して、第2の縫合糸セグメントの遠位端406b及び追加のタブ(図示せず)と一体に接合されて、移行ゾーン407(例えば、接続部分)を形成することができる。例えば、一実施例では、第1の止め要素408aを第2の縫合糸セグメントの遠位端406b及び追加のタブに積層して(例えば、
図8~
図13に記載のものと同様の)積層パターンを形成することによって、追加のタブを使用して移行ゾーン又は接続部分407を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、第1の縫合糸セグメント402a及び第2の縫合糸セグメント402bを一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分407は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。更に、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分407及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン407の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分のサイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0043】
図15は、本明細書の一実施例による創傷閉鎖500及びその接続部分507の別の実施例を示す。
図15に示すように、創傷閉鎖デバイス500は、第1の縫合糸セグメント502aと、第2の縫合糸セグメント502bと、それらの間の接続又は移行部分507とを含むことができる。第1の縫合糸セグメント502a及び第2の縫合糸セグメント502bは、本明細書の実施例による第1のフィラメント状要素503a及び第2のフィラメント状要素503bを含むことができる。図示のように、第1のフィラメント状要素503a及び第2のフィラメント状要素503bは、異なるサイズであってもよく(例えば、サイズ0の縫合糸をサイズ3~0の縫合糸に接続又は積層することができる)、異なる色(例えば、染色及び未着色)であってもよい。
【0044】
本明細書に記載されるように、第1の縫合糸セグメント502a及び第2の縫合糸セグメント502bは、任意の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。一実施例では、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントは、PDS及びMONOCRYLなどの異なる材料から構成され得る(例えば、第1の縫合糸セグメント502aは、PDSから構成され得、第2の縫合糸セグメント502bは、MONOCRYLから構成され得る)。他の実施例では、第1の縫合糸セグメント502a及び第2の縫合糸セグメント502bは、同じ材料から構成され得る。
【0045】
図15に示されるように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント502aは、フィラメント状要素503aから外向きに延出する複数の返し部又は突出部504aを含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能し得る。更に、一実施例に示すように、第2の縫合糸セグメント502bは、モノフィラメント縫合糸などの無棘縫合糸を含むことができる。
【0046】
一実施例では、
図15に示されるように、返し部又は突出部504aは対称であり得る。例えば、返し部又は突出部504a’は、対応する返し部504a”と形状において同様であり得、フィラメント状要素203aの(例えば、約180度)反対側から、対応する返し部504a”の反対方向に延出し得る。本明細書の実施例によれば、返し部又は突出部504aは、予め形成された材料から打ち抜かれた複合断面とするといった任意の好適な方法及び/又は本明細書に記載の任意の他の好適な方法によって形成され得る。
【0047】
第1の縫合糸セグメント502a及び第2の縫合糸セグメント502bは、異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、上述したように、第1の縫合糸セグメント502aは、対称な返し部などの異なる特性を有する返し部404aを含み、それによって第1の縫合糸構成を形成することができ、染色されることができ、第1のサイズのフィラメントを有することができる。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント502bは、モノフィラメント縫合糸であり得、未染色であり得、第1のサイズとは異なり得る第2のサイズのフィラメントであり得る。また、各縫合糸セグメントの他の特徴は、本明細書に記載されるように同じでも異なっていてもよい。
【0048】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント502aは、その第1の近位端に第1の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができ、第2の縫合糸セグメント502bは、その第2の近位端に第2の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができる(例えば、第1の針101a及び第2の針101bを有する
図1の実施例として示されるように)。第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、組織を貫通するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、本明細書に記載されるように、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスが挿入されることができ、また組織を貫通して、第1の縫合糸セグメント502a及び第2の縫合糸セグメント502bが組織を貫通して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは同じであり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは異なり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0049】
図示のように、第1の縫合糸セグメント502aは、第1の遠位端506aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント502bは、第2の遠位端506bを含むことができる。第1の遠位端506aは、第1の遠位端506aに取り付けられる又は第1の遠位端506aから形成される固定タブ又は止め要素508aを有することができる。第1の固定タブ又は止め要素508aは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して、第2の縫合糸セグメントの遠位端506b及び追加のタブ又は止め要素(図示せず)と一体に接合されて、移行ゾーン507(例えば、接続部分)を形成することができる。例えば、一実施例では、第1の止め要素508aを第2の縫合糸セグメント502bの遠位端506b及び追加のタブに積層して(例えば、
図8~
図13に記載のものと同様の)積層パターンを形成することによって、追加のタブを使用して移行ゾーン又は接続部分507を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、第1の縫合糸セグメント502a及び第2の縫合糸セグメント502bを一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分507は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。更に、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分507及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン507の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分のサイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0050】
図16は、本明細書の一実施例による創傷閉鎖デバイス600及びその接続部分607の別の実施例を示す。
図16に示すように、創傷閉鎖デバイス600は、第1の縫合糸セグメント602aと、第2の縫合糸セグメント602bと、それらの間の接続又は移行部分607とを含むことができる。第1の縫合糸セグメント602a及び第2の縫合糸セグメント602bは、本明細書の実施例による第1のフィラメント状要素603a及び第2のフィラメント状要素603bを含むことができる。図示のように、第1のフィラメント状要素603a及び第2のフィラメント状要素603bは、異なるサイズであり得る(例えば、サイズ0の縫合糸をサイズ2~0の縫合糸に接続又は積層することができる)。
【0051】
本明細書に記載されるように、第1の縫合糸セグメント602a及び第2の縫合糸セグメント602bは、任意の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。一実施例では、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントは、PDS及びVICRYLなどの異なる材料から構成され得る(例えば、第1の縫合糸セグメント602aは、PDSから構成され得、第2の縫合糸セグメント602bは、VICRYLから構成され得る)。他の実施例では、第1の縫合糸セグメント602a及び第2の縫合糸セグメント602bは、同じ材料から構成され得る。
【0052】
図16に示されるように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント602aは、フィラメント状要素603aから外向きに延出する複数の返し部又は突出部604aを含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能し得る。更に、一実施例に示すように、第2の縫合糸セグメント602bは、マルチ(mulit)フィラメント縫合糸などの無棘縫合糸を含むことができる。
【0053】
一実施例では、
図16に示されるように、返し部又は突出部504aは対称であり得る。例えば、返し部又は突出部604a’は、対応する返し部604a”と形状において同様であり得、フィラメント状要素603aの(例えば、約180度)反対側から、対応する返し部604a”の反対方向に延出し得る。本明細書の実施例によれば、返し部又は突出部604aは、予め形成された材料から打ち抜かれた複合断面とするといった任意の好適な方法及び/又は本明細書に記載の任意の他の好適な方法によって形成され得る。
【0054】
第1の縫合糸セグメント602a及び第2の縫合糸セグメント602bは、異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、上述したように、第1の縫合糸セグメント602aは、対称な返し部などの異なる特性を有する返し部604aを含み、それによって第1の縫合糸構成を形成することができ、かつ、第1のサイズのフィラメントを有することができる。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント602bは、マルチフィラメント縫合糸であり得、第1のサイズとは異なり得る第2のサイズのフィラメントを有し得る。また、各縫合糸セグメントの他の特徴は、本明細書に記載されるように同じでも異なっていてもよい。
【0055】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント602aは、その第1の近位端に第1の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができ、第2の縫合糸セグメント602bは、その第2の近位端に第2の針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができる(例えば、第1の針101a及び第2の針101bを有する
図1の実施例として示されるように)。第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、組織を貫通するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、本明細書に記載されるように、第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイスが挿入されることができ、また組織を貫通して、第1の縫合糸セグメント602a及び第2の縫合糸セグメント602bが組織を貫通して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは同じであり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは異なり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0056】
図示のように、第1の縫合糸セグメント602aは、第1の遠位端606aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント602bは、第2の遠位端606bを含むことができる。第1の遠位端606aは、第1の遠位端606aに取り付けられる又は第1の遠位端606aから形成される固定タブ又は止め要素608aを有することができる。第1の固定タブ又は止め要素608aは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して、第2の縫合糸セグメントの遠位端606b及び追加のタブ又は止め要素(図示せず)と一体に接合されて、移行ゾーン607(例えば、接続部分)を形成することができる。例えば、一実施例では、第1の止め要素608aを第2の縫合糸セグメント602bの遠位端606b及び追加のタブに積層して(例えば、
図8~
図13に記載のものと同様の)積層パターンを形成することによって、追加のタブを使用して移行ゾーン又は接続部分607を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、第1の縫合糸セグメント602a及び第2の縫合糸セグメント602bを一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分607は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。更に、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分607及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン607の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分のサイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0057】
図17は、本明細書の一実施例による創傷閉鎖デバイス700及びその接続部分707の別の実施例を示す。実施例において、創傷閉鎖デバイス700は、本明細書に記載の創傷閉鎖デバイスの他の例示的な特徴又は特性のうちの1つ又は2つ以上を有することができる。例えば、
図17に示すように、創傷閉鎖デバイス700は、第1の縫合糸セグメント702aと、第2の縫合糸セグメント702bと、それらの間の接続又は移行部分707とを含むことができる。第1の縫合糸セグメント702a及び第2の縫合糸セグメント702bは、本明細書の実施例による第1のフィラメント状要素703a及び第2のフィラメント状要素703bを含むことができる。図示のように、第1のフィラメント状要素703aと第2のフィラメント状要素703bとは、異なる長さであり得る(例えば、第1のフィラメント状要素703aは、第2のフィラメント状要素703bより長くてもよい)。
【0058】
本明細書に記載されるように、第1の縫合糸セグメント702a及び第2の縫合糸セグメント702bは、任意の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。一実施例では、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントは、PDS及びVICRYLなどの異なる材料から構成され得る(例えば、第1の縫合糸セグメント702aは、PDSから構成され得、第2の縫合糸セグメント702bは、VICRYLから構成され得る)。他の実施例では、第1の縫合糸セグメント702a及び第2の縫合糸セグメント702bは、同じ材料から構成され得る。
【0059】
図17に示されるように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント702aは、フィラメント状要素403aから外向きに延出する複数の返し部又は突出部704aを含むことができる。更に、一実施例に示すように、第2の縫合糸セグメント702bは、フィラメント状要素703bから外向きに延出する複数の返し部又は突出部404bを含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能し得る。
【0060】
一実施例では、
図17に示されるように、返し部又は突出部704a、704bは対称であり得る。例えば、返し部又は突出部704a、704b、対応する返し部と形状において同様であり得、フィラメント状要素703a、703bの(例えば、約180度)反対側から、対応する返し部の反対方向に延出し得る。本明細書の実施例によれば、返し部又は突出部704a、704bは、予め形成された材料から打ち抜かれた複合断面とするといった任意の好適な方法及び/又は本明細書に記載の任意の他の好適な方法によって形成され得る。
【0061】
更に、一実施例では、返し部又は突出部704a、704bは、非対称又は螺旋状であり得る(図示せず)。例えば、返し部が、隣接する返し部から非対称的に(又は螺旋状に)フィラメントに切り込まれるか又はフィラメント上に形成され得るように、返し部又は突出部704a、704bは、フィラメントの周囲又はフィラメント内に、螺旋パターンなどの非対称パターンで形成されてもよい。一実施例では、返し部及びを含む返し部がフィラメント上に螺旋状に切り込まれるか又は形成されるように、非対称パターンは螺旋パターンであり得る。返し部又は突出部などの返し部又は突出部は、任意の他の非対称パターンで切り込まれるか又は形成されることができる。本明細書で使用することができる返し部又は突出部404bなどの返し部の例は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第8,721,681号及び同第8,721,664号においてより詳細に説明することができる。本明細書の実施例によれば、などの返し部又は突出部は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第6,848,152号により詳細に記載されている例示的な方法を使用するなど、切断、エッチング、射出成形、レーザー切断若しくは形成、及び/又は同様のものなどの任意の好適な方法によって形成され得る。
【0062】
更に別の実施例では、第1の縫合糸セグメント702a又は第2の縫合糸セグメント702bのうちの1つ又は2つ以上は、異なる長さ、特性、及び/又は同様のものを有する本明細書に記載されるようなモノフィラメント又はマルチフィラメント縫合糸を含むことができる。したがって、縫合糸セグメント702a、702bは、有棘、無棘、及び/又は任意の他の縫合糸タイプ及び特性を含むことができる。
【0063】
例えば、第1の縫合糸セグメント702a及び第2の縫合糸セグメント702bは、異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、上述したように、第1の縫合糸セグメント702aは、第1の長さを含み、それによって第1の縫合糸構成を形成することができる。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント702bは、第2の長さであり、それによって第2の縫合糸構成を形成することができる。また、本明細書に記載されるように、色若しくは染料、フィラメントサイズ又は特性、返し部サイズ、縫合糸タイプ、材料、針及びそれらの特性、並びに/又は同様のものなどの各縫合糸セグメントの他の特徴は、同じでも異なっていてもよい。
【0064】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント702aは、その第1の近位端に第1の針又は挿入デバイス701aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント702bは、その第2の近位端に第2の針又は挿入デバイス701bを含むことができる。第1の針又は挿入デバイス701a及び第2の針又は挿入デバイス701bは、組織を通過するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、第1の針又は挿入デバイス701a及び第2の針又は挿入デバイス701bは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、本明細書に記載されるように、第1の針又は挿入デバイス701a及び第2の針又は挿入デバイス701bが挿入されることができ、また組織を貫通して、第1の縫合糸セグメント702a及び第2の縫合糸セグメント702bが組織を貫通して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは同じであり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイス701a及び第2の針又は挿入デバイス701bは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、第1の針又は挿入デバイスと第2の針又は挿入デバイスとは異なり得る。例えば、第1の針又は挿入デバイス701aと第2の針又は挿入デバイス701bとは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0065】
図示のように、第1の縫合糸セグメント702aは、第1の遠位端706aを含むことができ、第2の縫合糸セグメント702bは、第2の遠位端706bを含むことができる。第1の遠位端706a及び第2の遠位端706bは、それぞれ、第1の遠位端706a及び第2の遠位端706bに取り付けられる又は第1の遠位端706a及び第2の遠位端7706bから形成される第1の固定タブ又は止め要素708a及び第2の固定タブ又は止め要素(図示せず)を有することができる。第1の固定タブ及び第2の固定タブは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して一体に接合されて、第1の縫合糸セグメント702aと第2の縫合糸セグメント702bとの間に移行ゾーン707(例えば、接続部分)を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、2つの固定タブ表面を一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。加えて、(例えば、
図8~
図13に記載される)一実施例では、追加のタブを使用して、移行ゾーン又は接続部分707を形成することができる。本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分707は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。更に、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分707及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン707の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分のサイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0066】
図18は、本明細書の一実施例による創傷閉鎖デバイス800及びその接続部分807の別の実施例を示す。実施例において、創傷閉鎖デバイス800は、本明細書に記載の創傷閉鎖デバイスの他の例示的な特徴又は特性のうちの1つ又は2つ以上を有することができる。例えば、
図18に示すように、創傷閉鎖デバイス800は、第1の縫合糸セグメント802aと、第2の縫合糸セグメント802bと、第3の縫合糸セグメント802cと、それらの間の接続又は移行部分807とを含むことができる。実施例では、点線で示されるように、創傷閉鎖デバイス800は、創傷閉鎖デバイス800が創傷を閉じるために適切な特徴及び/又は同様のものを有することができるように、追加の縫合糸セグメントを更に含むことができる。
【0067】
第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、本明細書の実施例によるそれぞれのフィラメント状要素を含むことができる。本明細書に記載されるように、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、任意の好適な外科用縫合糸材料(すなわち、吸収性、及び非吸収性ポリマー材料、金属、又はセラミック材料)から構成され得る。一実施例では、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、PDS及びVICRYLなどの異なる材料から構成され得る(例えば、第1の縫合糸セグメント802aは、PDSから構成され得、第2の縫合糸セグメント802b及び第3の縫合糸セグメントは、VICRYLから構成され得、及び/又はそれらの任意の他の組み合わせ)。他の実施例では、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、同じ材料から構成され得る。
【0068】
図18に示されるように、一実施例では、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸802cは、フィラメント状要素から外向きに延出する複数の返し部又は突出部を含むことができる。本明細書に記載されるように、返し部又は突出部は、縫合糸の保持強度を増加させるように、及び/又は糸結びの必要性を排除するように機能し得る。返し部又は突出部は、本明細書に記載されるように対称であり得る。更に、実施例では、返し部又は突出部は、本明細書に記載されるように、非対称又は螺旋状(図示せず)であり得る。更に別の実施例では、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cのうちの1つ又は2つ以上は、異なる長さ、特性、及び/又は同様のものを有する本明細書に記載されるようなモノフィラメント又はマルチフィラメント縫合糸を含むことができる。したがって、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、有棘、無棘、及び/又は任意の他の縫合糸タイプ及び特性を含むことができる。
【0069】
例えば、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、異なる縫合糸構成を含むことができる。例えば、上述したように、第1の縫合糸セグメント802aは、第1の組の特性又は特徴を含み、それによって第1の縫合糸構成を形成することができる。更に、一実施例では、第2の縫合糸セグメント802bは、第2の組の特性又は特徴を含み、それによって第2の縫合糸構成を形成することができる。加えて、第3の縫合糸セグメント803cは、第3の組の特性又は特徴を含み、それによって第3の縫合糸構成を形成することができる。構成のうちの1つ又は2つ以上は、同じ及び/又は異なり得る。実施例において、各縫合糸セグメントの特徴又は特性は、本明細書に記載されるように、同じ又は異なる長さ、色又は染料、フィラメントサイズ又は特性、返し部サイズ、縫合糸タイプ、材料、針及びそれらの特性、及び/又は同様のものであり得る、以下のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0070】
一実施例では、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、それらのそれぞれの近位端に針又は挿入デバイス(図示せず)を含むことができる。第1の針又は挿入デバイス及び第2の針又は挿入デバイス(例えば、101a、101bと同様であり得る)は、組織を貫通するように構成された任意の好適な針又は挿入デバイスであり得る。更に、針又は挿入デバイスは、鋼、Ethalloy、及び/又は同様のものなどの任意の好適な材料で作製されることができ、直線状、湾曲状、及び/又は同様のものなどの任意の好適な形状及びサイズであってもよく、かつ又は、針又は挿入デバイスが挿入されることができ、また組織を貫通して、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cが組織を貫通して組織を接近させることができるように、テーパ状切断部、テーパ状先端部、丸い先端、及び/又は同様のもなどの任意の他の好適な特性を有してもよい。一実施例では、針又は挿入デバイスは同じであり得る。例えば、針又は挿入デバイスは、同じ材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに同じ特性を有し得る)。追加の実施例では、針又は挿入デバイスは異なり得る。例えば、針又は挿入デバイスは、異なる材料、形状、サイズ、及び/又は同様のものであり得る(すなわち、それらは互いに異なる1つ又は2つ以上の特性を有し得る)。
【0071】
本明細書に記載されるように、1つ又は2つ以上の実施例では、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cは、それぞれの遠位端を含むことができる。それらの遠位端は、それぞれ、そこに取り付けられるか又はそこから形成される本明細書に記載の固定タブ又は止め要素を有することができる。固定タブは、本明細書に記載される積層などの様々な方法を使用して一体に接合されて、第1の縫合糸セグメント802a、第2の縫合糸セグメント802b、及び第3の縫合糸セグメント802cの相互間に移行ゾーン807(例えば、接続部分)を形成することができる。したがって、本明細書の実施例では、固定タブ又は止め要素は、RFエネルギー、又は異質材料を一体に接合する他の手段を使用して、固定タブ表面を一体に積層することにより二方向ストランドを形成するのに十分な表面積を提供することができる。
【0072】
加えて、(例えば、
図8~
図13に記載される)一実施例では、追加のタブを使用して、移行ゾーン又は接続部分807を形成することができる。本明細書の実施例では、移行ゾーン又は接続部分807は、1つの縫合糸セグメントと別の縫合糸セグメントとの間の移行点(例えば、本明細書に記載のように一体に接続された2つの縫合糸間の移行点)であり得る。更に、1つ又は2つ以上の実施例によれば、移行ゾーン又は接続部分807及び各それぞれの固定タブ又は止め要素は、各脚部を組織内に適切に着座させた可能性があるという触覚インジケータを、創傷閉鎖デバイスのユーザに提供することができる。積層後、一実施例では、接続部分又は移行ゾーン807の一部分もまた、トリミングされ又は打ち抜かれて、移行ゾーン又は接続部分のサイズを減少させるか、又はその形状を変化させることができる。
【0073】
本明細書に記載の創傷閉鎖デバイス及び主題の様々な態様は、他の例示的なセットとは独立し得る、又はそれと組み合わせることができる、以下の実施例のセットに記載され得る。
【0074】
実施例セット1.
実施例1-創傷閉鎖デバイスが提供され得る。創傷閉鎖デバイスであって、第1の縫合糸構成を有する第1の縫合糸セグメントと、第2の縫合糸構成を有する第2の縫合糸セグメントであって、第1の縫合糸セグメントとは異なっている、第2の縫合糸セグメントと、第1の縫合糸セグメントから第2の縫合糸セグメントへの移行部を提供するように構成された接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
【0075】
実施例2-第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する第1のフィラメント状要素から延出する、第1の返し部サイズを有する第1の複数の返し部を含む、実施例1に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0076】
実施例3-第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素から延出する、第2の返し部サイズを有する第2の複数の返し部を含む、実施例1及び/又は2の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0077】
実施例4-第1の返し部サイズと第2の返し部サイズとが異なっている、実施例3に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0078】
実施例5-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが同じである、実施例3に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0079】
実施例6-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施例2~5の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0080】
実施例7-第1の複数の返し部が第1の形状を有し、第2の複数の返し部が第2の形状を有し、第1の形状と第2の形状とが異なっている、実施例3~6の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0081】
実施例8-第1の縫合糸セグメントが、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有し、第2の縫合糸セグメントが、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、第2の遠位端は、そこから一体的に形成された第2の止め要素を有し、接続部分が、第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された第1の止め要素の少なくとも一部分を有する、実施例1~7の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0082】
実施例9-第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメント並びに第1の止め要素及び第2の止め要素とは別個の第3の止め要素を更に備え、接続部分が、第1の止め要素及び第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された第3の止め要素の少なくとも一部分を含む、実施例8に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0083】
実施例10-第1の複数の返し部が、対称な返し部を含み、第2の複数の返し部が、螺旋状の返し部を含む、実施例3~9の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0084】
実施例11-第1の縫合糸セグメントが第1のポリマー材料を含み、第2の縫合糸セグメントが第2のポリマー材料を含む、実施例1~10の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0085】
実施例12-第1のポリマー材料と第2のポリマー材料とが同じである、実施例11に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0086】
実施例13-第1のポリマー材料と第2のポリマー材料とが異なっている、実施例11に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0087】
実施例14-第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料が、接続部分を形成する前に、極性基材を作り出すためにプラズマ処理されるように構成された非極性材料である、実施例11に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0088】
実施例15-第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素を含む、実施例1~14の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0089】
実施例16-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが同じである、実施例15に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0090】
実施例17-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施例15に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0091】
実施例18-第2のフィラメント状要素が、モノフィラメントを含む、実施例15に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0092】
実施例19-第2のフィラメント状要素が、マルチフィラメントを含む、実施例15に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0093】
実施例20-第1の縫合糸構成が第1の色を有し、第2の縫合糸構成が第2の色を有し、第1の色と第2の色とが互いに異なっている、実施例1~19の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0094】
実施例21-第1の縫合糸セグメントが、第1の長さを有する第1のフィラメント状要素を含み、第2の縫合糸セグメントが、第2の長さを有する第2のフィラメント状要素を含み、第1の長さと第2の長さとが異なっている、実施例1~20の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0095】
実施例セット2.
実施例1-創傷閉鎖デバイスが提供され得る。創傷閉鎖デバイスは、第1のフィラメント状要素と、そこから延出する第1の複数の返し部とを含む第1の縫合糸セグメントであって、第1の縫合糸セグメントは、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、第1の近位端は、そこに取り付けられた針を有し、第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有し、第1の縫合糸セグメントは、第1の縫合糸構成を有する、第1の縫合糸セグメントと、第2のフィラメント状要素と、そこから延出する第2の複数の返し部とを含む第2の縫合糸セグメントであって、第2の縫合糸セグメントは、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、第2の近位端は、そこに取り付けられた針を有し、第2の遠位端は、そこから一体的に形成された止め要素を有し、第2の縫合糸セグメントは、第2の縫合糸構成を有し、第2の縫合糸セグメントは第1の縫合糸セグメントとは異なっている、第2の縫合糸セグメントと、第1の縫合糸セグメントと第2の縫合糸セグメントとを接合するように構成された接続部分であって、第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された第1の止め要素の少なくとも一部分を含む、接続部分と、を備える。
【0096】
実施例2-第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメント並びに第1の止め要素及び第2の止め要素とは別個の第3の止め要素を更に備え、接続部分が、第1の止め要素及び第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された第3の止め要素の少なくとも一部分を含む、実施例1に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0097】
実施例3-第1の縫合糸構成が、第1の返し部サイズを有する第1の複数の返し部を含む、実施例1及び/又は2の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0098】
実施例4-第2の縫合糸構成が、第2の返し部サイズを有する第2の複数の返し部を含む、実施例3に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0099】
実施例5-第1の返し部サイズと第2の返し部サイズとが異なっている、実施例3及び/又は4の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0100】
実施例6-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが同じである、実施例2~5の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0101】
実施例7-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施例2~5の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0102】
実施例8-第1の縫合糸構成が、対称である第1の複数の返し部を含み、第2の縫合糸構成が、螺旋状である第2の複数の返し部を含む、実施例2~7の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0103】
実施例9-第1の縫合糸構成が第1の色を有し、第2の縫合糸構成が第2の色を有し、第1の色と第2の色とが互いに異なっている、実施例1~8の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0104】
実施例セット3.
実施例1-創傷閉鎖デバイスが提供され得る。創傷閉鎖デバイスであって、第1のフィラメント状要素と、第1の複数の返し部とを含む第1の縫合糸セグメントであって、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、第1の近位端は、そこに取り付けられた針を有し、第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有する、第1の縫合糸セグメントと、第2のフィラメント状要素を含む第2の縫合糸セグメントであって、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、第2の近位端は、そこに取り付けられた針を有する、第2の縫合糸セグメントと、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントとは別個の第2の止め要素と、第1の縫合糸セグメントと第2の縫合糸セグメントとを接合するように構成された接続部分であって、第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された第1の止め要素の少なくとも一部分を含み、縫合糸構成の第2の遠位端の少なくとも一部分が第1の止め要素の一部分と第2の止め要素の一部分との間に積層されている、接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
【0105】
実施例2-第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する第1のフィラメント状要素を含み、第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素を含む、実施例1に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0106】
実施例3-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが同じである、実施例2に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0107】
実施例4-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施例2に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0108】
実施例5-第2の縫合糸構成が、モノフィラメントである第2のフィラメント状要素を含む、実施例1~4の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0109】
実施例6-第2の縫合糸構成が、マルチフィラメントである第2のフィラメント状要素を含む、実施例1~4の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0110】
実施例7-第1の縫合糸構成が第1の色を有し、第2の縫合糸構成が第2の色を有し、第1の色と第2の色とが互いに異なっている、実施例1~6の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0111】
実施例セット3.
実施例1-創傷閉鎖デバイスが提供され得る。創傷閉鎖デバイスであって、第1の縫合糸構成を第1の縫合糸セグメントと、第2の縫合糸構成を有する第2の縫合糸セグメントであって、第1の縫合糸セグメントとは異なっている、第2の縫合糸セグメントと、第3の縫合糸構成を有する第3の縫合糸セグメントであって、第1の縫合糸セグメント及び第2の縫合糸セグメントの少なくとも一方とは異なっている、第3の縫合糸セグメントと、第1の縫合糸セグメントから第2の縫合糸セグメントへの移行部を提供するように構成された接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
【0112】
実施例2-第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する第1のフィラメント状要素から延出する、第1の返し部サイズを有する第1の複数の返し部を含む、実施例1に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0113】
実施例3-第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素から延出する、第2の返し部サイズを有する第2の複数の返し部を含む、実施例1及び/又は2のうちの1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0114】
実施例4-第3の縫合糸構成が、第3のフィラメントサイズを有する第3のフィラメント状要素から延出する、第3の返し部サイズを有する第3の複数の返し部を含む、実施例1~3の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0115】
実施例5-第1の返し部サイズ、第2の返し部サイズ、及び第3の返し部サイズのうちの少なくとも1つが異なっている、実施例4に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0116】
実施例6-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズと第3のフィラメントサイズとが同じである、実施例4に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0117】
実施例7-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズと第3のフィラメントサイズとが異なっている、実施例2~6の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0118】
実施例8-第1の複数の返し部が第1の形状を有し、第2の複数の返し部が第2の形状を有し、第3の複数の返し部が第3の形状を有し、第1の形状、第2の形状、及び第3の形状のうちの少なくとも1つが異なっている、実施例2~7の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0119】
実施例9-第1の縫合糸セグメントが、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有し、第2の縫合糸セグメントが、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、第2の遠位端は、そこから一体的に形成された第2の止め要素を有し、第3の縫合糸セグメントが、第3の近位端及び第3の遠位端を有し、第3の遠位端は、そこから一体的に形成された第3の止め要素を有し、接続部分が、第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された第1の止め要素の少なくとも一部分と、第3の止め要素の少なくとも一部分に積層された第2の止め要素の少なくとも一部分とを含む、実施例2~8の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0120】
実施例10-第1の縫合糸セグメント、第2の縫合糸セグメント、及び第3の縫合糸セグメント並びに第1の止め要素、第2の止め要素、及び第3の止め要素とは別個の第4の止め要素を更に備え、接続部分が、第1の止め要素及び第3の止め要素のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分に積層された第4の止め要素の少なくとも一部分を含む、実施例9に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0121】
実施例11-第1の複数の返し部、第2の複数の返し部、及び第3の複数の返し部のうちの少なくとも1つが、対称な返し部を含み、第1の複数の返し部、第2の複数の返し部、又は第3の複数の返し部のうちの少なくとも1つの他のものが、螺旋状の返し部を含む、実施例2~10の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0122】
実施例12-第1の縫合糸セグメントが第1のポリマー材料を含み、第2の縫合糸セグメントが第2のポリマー材料を含み、第3の縫合糸セグメントが第3のポリマー材料を含む、実施例1~11の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0123】
実施例13-第1のポリマー材料と第2のポリマー材料と第3のポリマー材料とが同じである、実施例12に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0124】
実施例14-第1のポリマー材料、第2のポリマー材料、及び第3のポリマー材料のうちの少なくとも1つが異なっている、実施例12に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0125】
実施例15-第1のポリマー材料、第2のポリマー材料、及び第3のポリマー材料のうちの少なくとも1つが、接続部分を形成する前に、極性基材を作り出すためにプラズマ処理されるように構成された非極性材料である、実施例12に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0126】
実施例16-第3の縫合糸構成が、第3のフィラメントサイズを有する第3のフィラメント状要素を含む、実施例1~3の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0127】
実施例17-第1のフィラメントサイズと第2のフィラメントサイズと第3のフィラメントサイズとが同じである、実施例16に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0128】
実施例18-第1のフィラメントサイズ、第2のフィラメントサイズ、及び第3のフィラメントサイズのうちの少なくとも1つが異なっている、実施例16に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0129】
実施例19-第3のフィラメント状要素が、モノフィラメントを含む、実施例16~18の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0130】
実施例20-第3のフィラメント状要素が、マルチフィラメントを含む、実施例16~18の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0131】
実施例21-第1の縫合糸構成が第1の色を有し、第2の縫合糸構成が第2の色を有し、第3の縫合糸構成が第3の色を有し、第1の色、第2の色、及び第3の色のうちの少なくとも1つがその他のものとは異なっている、実施例1~20の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0132】
実施例22-第1の縫合糸セグメントが、第1の長さを有する第1のフィラメント状要素を含み、第2の縫合糸セグメントが、第2の長さを有する第2のフィラメント状要素を含み、第3の縫合糸セグメントが、第3の長さを有する第3のフィラメント状要素を含み、第1の長さ、第2の長さ、及び第3の長さのうちの少なくとも1つが、その他のものとは異なっている、実施例1~21の1つ又は2つ以上に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0133】
本明細書に記載される器具の変形形態のいずれも、上記のものに加えて、又はそれらの代わりに、種々のその他の特徴を含み得ることを理解されたい。ほんの一例として、本明細書に記載される器具のいずれも、本明細書に参照により組み込まれる種々の参考文献のいずれかにおいて開示される種々の特徴のうちの1つ以上を更に含むことができる。本明細書の教示は、本明細書に引用されるその他の参考文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用されてもよく、そのため、本明細書の教示は、本明細書に引用される参考文献のいずれかの教示と多くの方法で容易に組み合わされてもよいこともまた理解されたい。更に、当業者であれば、本明細書の種々の教示が、電気外科器具、ステープル留め器具、及び他の種類の外科器具に容易に適用され得ることを認識するであろう。本明細書の教示が組み込まれてもよいその他の種類の器具が、当業者には容易に明らかとなるであろう。
【0134】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又は他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。したがって、また必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0135】
上記の装置の変形形態は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手術に適用するだけでなく、ロボット支援医療処置及び手術にも適用することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、Intuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどのロボット外科用システムに容易に組み込むことができる。同様に、本明細書の種々の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日公開)の種々の教示と容易に組み合わされてもよいことを、当業者には理解されよう。
【0136】
上記の変形形態は、単回使用後に廃棄されるように設計されてよく、又はそれらは複数回使用されるように設計され得る。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態を、再調整施設において、又は処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。そのような技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本出願の範囲内にある。
【0137】
単に例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製バックのような閉鎖及び封止された容器に入れる。次に、容器及び装置を、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線の場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることがある。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。装置はまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0138】
本発明の様々な実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な修正のいくつかについて述べたが、他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の詳細に限定されないものとして理解される。
【0139】
〔実施の態様〕
(1) 創傷閉鎖デバイスであって、
第1の縫合糸構成を有する第1の縫合糸セグメントと、
第2の縫合糸構成を有する第2の縫合糸セグメントであって、前記第1の縫合糸セグメントとは異なっている、第2の縫合糸セグメントと、
前記第1の縫合糸セグメントから前記第2の縫合糸セグメントへの移行部を提供するように構成された接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
(2) 前記第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する第1のフィラメント状要素から延出する、第1の返し部サイズを有する第1の複数の返し部を含む、実施態様1に記載の創傷閉鎖デバイス。
(3) 前記第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素から延出する、第2の返し部サイズを有する第2の複数の返し部を含む、実施態様2に記載の創傷閉鎖デバイス。
(4) 前記第1の返し部サイズと前記第2の返し部サイズとが異なっている、実施態様3に記載の創傷閉鎖デバイス。
(5) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが同じである、実施態様3に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0140】
(6) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施態様3に記載の創傷閉鎖デバイス。
(7) 前記第1の複数の返し部が第1の形状を有し、前記第2の複数の返し部が第2の形状を有し、前記第1の形状と前記第2の形状とが異なっている、実施態様3に記載の創傷閉鎖デバイス。
(8) 前記第1の縫合糸セグメントが、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、前記第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有し、前記第2の縫合糸セグメントが、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、前記第2の遠位端は、そこから一体的に形成された第2の止め要素を有し、前記接続部分が、前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第1の止め要素の少なくとも一部分を含む、実施態様3に記載の創傷閉鎖デバイス。
(9) 前記第1の縫合糸セグメント及び前記第2の縫合糸セグメント並びに前記第1の止め要素及び前記第2の止め要素とは別個の第3の止め要素を更に備え、前記接続部分が、前記第1の止め要素及び前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第3の止め要素の少なくとも一部分を含む、実施態様8に記載の創傷閉鎖デバイス。
(10) 前記第1の複数の返し部が、対称な返し部を含み、前記第2の複数の返し部が、螺旋状の返し部を含む、実施態様3に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0141】
(11) 前記第1の縫合糸セグメントが第1のポリマー材料を含み、前記第2の縫合糸セグメントが第2のポリマー材料を含む、実施態様3に記載の創傷閉鎖デバイス。
(12) 前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料とが同じである、実施態様11に記載の創傷閉鎖デバイス。
(13) 前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料とが異なっている、実施態様11に記載の創傷閉鎖デバイス。
(14) 前記第1のポリマー材料及び前記第2のポリマー材料が、前記接続部分を形成する前に、極性基材を作り出すためにプラズマ処理されるように構成された非極性材料である、実施態様11に記載の創傷閉鎖デバイス。
(15) 前記第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素を含む、実施態様2に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0142】
(16) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが同じである、実施態様15に記載の創傷閉鎖デバイス。
(17) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施態様15に記載の創傷閉鎖デバイス。
(18) 前記第2のフィラメント状要素が、モノフィラメントを含む、実施態様15に記載の創傷閉鎖デバイス。
(19) 前記第2のフィラメント状要素が、マルチフィラメントを含む、実施態様15に記載の創傷閉鎖デバイス。
(20) 前記第1の縫合糸構成が第1の色を有し、前記第2の縫合糸構成が第2の色を有し、前記第1の色と前記第2の色とが互いに異なっている、実施態様1に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0143】
(21) 前記第1の縫合糸セグメントが、第1の長さを有する第1のフィラメント状要素を含み、前記第2の縫合糸セグメントが、第2の長さを有する第2のフィラメント状要素を含み、前記第1の長さと前記第2の長さとが異なっている、実施態様1に記載の創傷閉鎖デバイス。
(22) 創傷閉鎖デバイスであって、
第1のフィラメント状要素と、そこから延出する第1の複数の返し部とを含む第1の縫合糸セグメントであって、前記第1の縫合糸セグメントは、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、前記第1の近位端は、そこに取り付けられた針を有し、前記第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有し、前記第1の縫合糸セグメントは、第1の縫合糸構成を有する、第1の縫合糸セグメントと、
第2のフィラメント状要素と、そこから延出する第2の複数の返し部とを含む第2の縫合糸セグメントであって、前記第2の縫合糸セグメントは、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、前記第2の近位端は、そこに取り付けられた針を有し、前記第2の遠位端は、そこから一体的に形成された止め要素を有し、前記第2の縫合糸セグメントは、第2の縫合糸構成を有し、前記第2の縫合糸セグメントは前記第1の縫合糸セグメントとは異なっている、第2の縫合糸セグメントと、
前記第1の縫合糸セグメントと前記第2の縫合糸セグメントとを接合するように構成された接続部分であって、前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第1の止め要素の少なくとも一部分を含む、接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
(23) 前記第1の縫合糸セグメント及び前記第2の縫合糸セグメント並びに前記第1の止め要素及び前記第2の止め要素とは別個の第3の止め要素を更に備え、前記接続部分が、前記第1の止め要素及び前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第3の止め要素の少なくとも一部分を含む、実施態様22に記載の創傷閉鎖デバイス。
(24) 前記第1の縫合糸構成が、第1の返し部サイズを有する前記第1の複数の返し部を含む、実施態様22に記載の創傷閉鎖デバイス。
(25) 前記第2の縫合糸構成が、第2の返し部サイズを有する前記第2の複数の返し部を含む、実施態様24に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0144】
(26) 前記第1の返し部サイズと前記第2の返し部サイズとが異なっている、実施態様25に記載の創傷閉鎖デバイス。
(27) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが同じである、実施態様25に記載の創傷閉鎖デバイス。
(28) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施態様20に記載の創傷閉鎖デバイス。
(29) 前記第1の縫合糸構成が、対称である前記第1の複数の返し部を含み、前記第2の縫合糸構成が、螺旋状である前記第2の複数の返し部を含む、実施態様22に記載の創傷閉鎖デバイス。
(30) 前記第1の縫合糸構成が第1の色を有し、前記第2の縫合糸構成が第2の色を有し、前記第1の色と前記第2の色とが互いに異なっている、実施態様22に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0145】
(31) 創傷閉鎖デバイスであって、
第1のフィラメント状要素と、第1の複数の返し部とを含む第1の縫合糸セグメントであって、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、前記第1の近位端は、そこに取り付けられた針を有し、前記第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有する、第1の縫合糸セグメントと、
第2のフィラメント状要素を含む第2の縫合糸セグメントであって、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、前記第2の近位端は、そこに取り付けられた針を有する、第2の縫合糸セグメントと、
前記第1の縫合糸セグメント及び前記第2の縫合糸セグメントとは別個の第2の止め要素と、
前記第1の縫合糸セグメントと前記第2の縫合糸セグメントとを接合するように構成された接続部分であって、前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第1の止め要素の少なくとも一部分を含み、前記縫合糸構成の第2の遠位端の少なくとも一部分が前記第1の止め要素の前記一部分と前記第2の止め要素の前記一部分との間に積層されている、接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
(32) 前記第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する前記第1のフィラメント状要素を含み、前記第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する前記第2のフィラメント状要素を含む、実施態様31に記載の創傷閉鎖デバイス。
(33) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが同じである、実施態様32に記載の創傷閉鎖デバイス。
(34) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズとが異なっている、実施態様32に記載の創傷閉鎖デバイス。
(35) 前記第2の縫合糸構成が、モノフィラメントである前記第2のフィラメント状要素を含む、実施態様31に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0146】
(36) 前記第2の縫合糸構成が、マルチフィラメントである前記第2のフィラメント状要素を含む、実施態様31に記載の創傷閉鎖デバイス。
(37) 前記第1の縫合糸構成が第1の色を有し、前記第2の縫合糸構成が第2の色を有し、前記第1の色と前記第2の色とが互いに異なっている、実施態様31に記載の創傷閉鎖デバイス。
(38) 創傷閉鎖デバイスであって、
第1の縫合糸構成を有する第1の縫合糸セグメントと、
第2の縫合糸構成を有する第2の縫合糸セグメントであって、前記第1の縫合糸セグメントとは異なっている、第2の縫合糸セグメントと、
第3の縫合糸構成を有する第3の縫合糸セグメントであって、前記第1の縫合糸セグメント及び前記第2の縫合糸セグメントのうちの少なくとも一方とは異なっている、第3の縫合糸セグメントと、
前記第1の縫合糸セグメントから前記第2の縫合糸セグメントへの移行部を提供するように構成された接続部分と、を備える、創傷閉鎖デバイス。
(39) 前記第1の縫合糸構成が、第1のフィラメントサイズを有する第1のフィラメント状要素から延出する、第1の返し部サイズを有する第1の複数の返し部を含む、実施態様38に記載の創傷閉鎖デバイス。
(40) 前記第2の縫合糸構成が、第2のフィラメントサイズを有する第2のフィラメント状要素から延出する、第2の返し部サイズを有する第2の複数の返し部を含む、実施態様39に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0147】
(41) 前記第3の縫合糸構成が、第3のフィラメントサイズを有する第3のフィラメント状要素から延出する、第3の返し部サイズを有する第3の複数の返し部を含む、実施態様40に記載の創傷閉鎖デバイス。
(42) 前記第1の返し部サイズ、前記第2の返し部サイズ、及び前記第3の返し部サイズのうちの少なくとも1つが異なっている、実施態様41に記載の創傷閉鎖デバイス。
(43) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズと前記第3のフィラメントサイズとが同じである、実施態様41に記載の創傷閉鎖デバイス。
(44) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズと前記第3のフィラメントサイズとが異なっている、実施態様41に記載の創傷閉鎖デバイス。
(45) 前記第1の複数の返し部が第1の形状を有し、前記第2の複数の返し部が第2の形状を有し、前記第3の複数の返し部が第3の形状を有し、前記第1の形状、前記第2の形状、及び前記第3の形状のうちの少なくとも1つが異なっている、実施態様41に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0148】
(46) 前記第1の縫合糸セグメントが、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、前記第1の遠位端は、そこから一体的に形成された第1の止め要素を有し、前記第2の縫合糸セグメントが、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、前記第2の遠位端は、そこから一体的に形成された第2の止め要素を有し、前記第3の縫合糸セグメントが、第3の近位端及び第3の遠位端を有し、前記第3の遠位端は、そこから一体的に形成された第3の止め要素を有し、前記接続部分が、前記第2の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第1の止め要素の少なくとも一部分と、前記第3の止め要素の少なくとも一部分に積層された前記第2の止め要素の少なくとも一部分とを含む、実施態様41に記載の創傷閉鎖デバイス。
(47) 前記第1の縫合糸セグメント、前記第2の縫合糸セグメント、及び前記第3の縫合糸セグメント並びに前記第1の止め要素、前記第2の止め要素、及び前記第3の止め要素とは別個の第4の止め要素を更に備え、前記接続部分が、前記第1の止め要素及び前記第3の止め要素のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分に積層された前記第4の止め要素の少なくとも一部分を含む、実施態様46に記載の創傷閉鎖デバイス。
(48) 前記第1の複数の返し部、前記第2の複数の返し部、及び前記第3の複数の返し部のうちの少なくとも1つが、対称な返し部を含み、前記第1の複数の返し部、前記第2の複数の返し部、又は前記第3の複数の返し部のうちの少なくとも1つの他のものが、螺旋状の返し部を含む、実施態様41に記載の創傷閉鎖デバイス。
(49) 前記第1の縫合糸セグメントが第1のポリマー材料を含み、前記第2の縫合糸セグメントが第2のポリマー材料を含み、前記第3の縫合糸セグメントが第3のポリマー材料を含む、実施態様41に記載の創傷閉鎖デバイス。
(50) 前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料と前記第3のポリマー材料とが同じである、実施態様49に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0149】
(51) 前記第1のポリマー材料、前記第2のポリマー材料、及び前記第3のポリマー材料のうちの少なくとも1つが異なっている、実施態様49に記載の創傷閉鎖デバイス。
(52) 前記第1のポリマー材料、前記第2のポリマー材料、及び前記第3のポリマー材料のうちの少なくとも1つが、前記接続部分を形成する前に、極性基材を作り出すためにプラズマ処理されるように構成された非極性材料である、実施態様49に記載の創傷閉鎖デバイス。
(53) 前記第3の縫合糸構成が、第3のフィラメントサイズを有する第3のフィラメント状要素を含む、実施態様40に記載の創傷閉鎖デバイス。
(54) 前記第1のフィラメントサイズと前記第2のフィラメントサイズと前記第3のフィラメントサイズとが同じである、実施態様53に記載の創傷閉鎖デバイス。
(55) 前記第1のフィラメントサイズ、前記第2のフィラメントサイズ、及び前記第3のフィラメントサイズのうちの前記少なくとも1つが異なっている、実施態様53に記載の創傷閉鎖デバイス。
【0150】
(56) 前記第3のフィラメント状要素が、モノフィラメントを含む、実施態様53に記載の創傷閉鎖デバイス。
(57) 前記第3のフィラメント状要素が、マルチフィラメントを含む、実施態様53に記載の創傷閉鎖デバイス。
(58) 前記第1の縫合糸構成が第1の色を有し、前記第2の縫合糸構成が第2の色を有し、前記第3の縫合糸構成が第3の色を有し、前記第1の色、前記第2の色、及び前記第3の色のうちの少なくとも1つが、その他のものとは異なっている、実施態様38に記載の創傷閉鎖デバイス。
(59) 前記第1の縫合糸セグメントが、第1の長さを有する第1のフィラメント状要素を含み、前記第2の縫合糸セグメントが、第2の長さを有する第2のフィラメント状要素を含み、前記第3の縫合糸セグメントが、第3の長さを有する第3のフィラメント状要素を含み、前記第1の長さ、前記第2の長さ、及び前記第3の長さのうちの少なくとも1つが、その他のものとは異なっている、実施態様38に記載の創傷閉鎖デバイス。