(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240527BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2022031273
(22)【出願日】2022-03-01
【審査請求日】2022-05-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】藤埜 敏典
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】田中 寛人
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154683(JP,A)
【文献】特開平11-296587(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0122477(KR,A)
【文献】特開2002-74129(JP,A)
【文献】特開2002-189963(JP,A)
【文献】小林 太三郎 外2名,実践クーポン広告,第1版,日本,株式会社電通,1993年04月01日,pp.16-19,301,ISBN:4-88553-046-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗を運営する店舗事業者から取得した前記店舗における決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報を記憶する記憶部と、
前記特典情報を複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末に配信し、当該複数のユーザそれぞれを識別するためのユーザ識別情報と前記特典情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させる配信部と、
前記店舗において使用される店舗端末又は前記複数のユーザのうち少なくとも一部のユーザそれぞれが使用するユーザ端末から、当該一部のユーザそれぞれに対応する前記ユーザ識別情報及び前記店舗を識別するための店舗識別情報と、前記一部のユーザそれぞれによる前記店舗における商品の購入に係る決済に対応する決済金額を含む決済要求とを受信する決済要求受信部と、
前記決済要求を受信すると、受信した前記ユーザ識別情報に基づいて前記ユーザが前記決済に対応する前記決済金額を支払う処理を行うとともに、前記店舗識別情報に対応する店舗の口座に、前記決済金額から決済手数料を差し引いた金額を入金する処理を行う決済処理部と、
前記決済要求とともに受信した前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記特典情報が示す特典を、受信した前記ユーザ識別情報が示すユーザに適用し、前記ユーザに前記特典を適用すると、前記決済要求とともに受信した店舗識別情報と、適用した特典を識別するための特典識別情報と、前記
特典が適用された決済の決済金額とを関連付けた付与履歴情報を前記記憶部に記憶させる特典付与部と、
前記付与履歴情報を参照して前記一部のユーザそれぞれに対応して受信した前記決済要求に対する前記特典の適用状況を特定し、特定した前記特典の適用状況に基づいて、前記決済手数料とは異なる、前記店舗事業者に請求する請求金額であって、前記店舗事業者に対応する店舗識別情報に関連付けられている前記特典が適用された決済
の決済金額の合計額が多ければ多いほど高くなる請求金額を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記請求金額を前記店舗事業者に通知する通知部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記決済要求受信部は、前記ユーザに対応する前記決済の内容を示す決済情報を含む前記決済要求を受信し、
前記特定部は、前記特典付与部により前記特典が適用された前記一部のユーザに対応する複数の前記決済情報に基づいて前記請求金額を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記特典付与部により前記特典が適用された複数のユーザに対応する複数の前記決済情報に基づいて前記請求金額を特定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決済情報は、前記決済に対応する決済金額を含み、
前記特定部は、前記一部のユーザに対応する複数の前記決済金額の平均値、中央値、又は最頻値に基づいて前記請求金額を特定する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記特典が適用された回数に
さらに基づいて前記請求金額を特定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記一部のユーザに適用された複数の前記特典が有する金銭価値の総額に
さらに基づいて前記請求金額を特定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記特典情報が配信された前記複数のユーザの数に対する、前記特典が適用された前記一部のユーザの数に基づく、前記特典が適用された割合に
さらに基づいて前記請求金額を決定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特典付与部により前記一部のユーザに付与された特典に対応する金額の少なくとも一部を前記店舗事業者に請求する請求部をさらに有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記店舗を識別するための店舗識別情報と、前記店舗における決済に利用可能な特典の内容を示す特典情報とを記憶し、
前記配信部は、前記特典情報が配信された前記複数のユーザそれぞれに対応する前記ユーザ識別情報と、前記特典情報と、前記特典情報に対応する前記店舗識別情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記特典付与部は、前記決済要求とともに受信した前記ユーザ識別情報及び前記店舗識別情報に関連付けられている前記特典情報が示す特典を、受信した前記ユーザ識別情報が示すユーザに適用し、
前記特定部は、前記店舗事業者が運営する一以上の前記店舗それぞれの前記店舗識別情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記特典情報が示す特典の適用状況に基づいて、前記店舗事業者が運営する一以上の前記店舗それぞれの前記請求金額を特定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
店舗を運営する店舗事業者から取得した前記店舗における決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記特典情報を複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末に配信し、当該複数のユーザそれぞれを識別するためのユーザ識別情報と前記特典情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記店舗において使用される店舗端末又は前記複数のユーザのうち少なくとも一部のユーザそれぞれが使用するユーザ端末から、当該一部のユーザそれぞれに対応する前記ユーザ識別情報及び前記店舗を識別するための店舗識別情報と、前記一部のユーザそれぞれによる前記店舗における商品の購入に係る決済に対応する決済金額を含む決済要求とを受信するステップと、
前記決済要求を受信すると、受信した前記ユーザ識別情報に基づいて前記ユーザが前記決済に対応する前記決済金額を支払う処理を行うとともに、前記店舗識別情報に対応する店舗の口座に、前記決済金額から決済手数料を差し引いた金額を入金する処理を行うステップと、
前記決済要求とともに受信した前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記特典情報が示す特典を、受信した前記ユーザ識別情報が示すユーザに適用し、前記ユーザに前記特典を適用すると、前記決済要求とともに受信した店舗識別情報と、適用した特典を識別するための特典識別情報と、前記
特典が適用された決済の決済金額とを関連付けた付与履歴情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
前記付与履歴情報を参照して前記一部のユーザそれぞれに対応して受信した前記決済要求に対する前記特典の適用状況を特定し、特定した前記特典の適用状況に基づいて、前記決済手数料とは異なる、前記店舗事業者に請求する請求金額であって、前記店舗事業者に対応する店舗識別情報に関連付けられている前記特典が適用された決済の決済金額の合計額が多ければ多いほど高くなる請求金額を特定するステップと、
特定された前記請求金額を前記店舗事業者に通知するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが店舗において商品を購入したことに応じて、ユーザに特典を適用することが行われている。例えば、特許文献1には、特典を示す特典情報を配信する配信事業者が、ユーザが使用するユーザ端末に特典情報を配信しておき、ユーザが店舗において特典情報が示す特典を選択して商品を購入したことに応じて、ユーザに特典を適用することが行われている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配信事業者は、来店する確率が高い複数のユーザに対して特典情報を配信することから、高い販促効果が期待できる。これに対し、従来の技術では、特典情報の配信に対して店舗が配信事業者に支払う金額に、特典情報の配信に伴う販促効果に対応する対価が反映されていないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、特典情報の配信に対して店舗が配信事業者に支払う金額に、販促効果に対応する対価を反映させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、店舗を運営する店舗事業者から取得した前記店舗における決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報を記憶する記憶部と、前記特典情報を複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末に配信し、当該複数のユーザそれぞれを識別するためのユーザ識別情報と前記特典情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させる配信部と、前記店舗において使用される店舗端末又は前記複数のユーザのうち少なくとも一部のユーザそれぞれが使用するユーザ端末から、当該一部のユーザそれぞれに対応する前記ユーザ識別情報及び前記店舗を識別するための店舗識別情報と、前記一部のユーザそれぞれによる前記店舗における商品の購入に係る決済に対応する決済要求とを受信する決済要求受信部と、前記決済要求を受信すると、受信した前記ユーザ識別情報及び前記店舗識別情報に基づいて決済を行う決済処理部と、前記決済要求とともに受信した前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記特典情報が示す特典を、受信した前記ユーザ識別情報が示すユーザに適用する特典付与部と、前記一部のユーザそれぞれから受信した前記決済要求に対する前記特典の適用状況に基づいて、前記店舗事業者に請求する請求金額を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記請求金額を前記店舗事業者に通知する通知部と、を有する。
【0007】
前記決済要求受信部は、前記ユーザに対応する前記決済の内容を示す決済情報を含む前記決済要求を受信し、前記特定部は、前記特典付与部により前記特典が適用された前記一部のユーザに対応する複数の前記決済情報に基づいて前記請求金額を特定してもよい。
前記特定部は、前記特典付与部により前記特典が適用された複数のユーザに対応する複数の前記決済情報に基づいて前記請求金額を特定してもよい。
【0008】
前記決済情報は、前記決済に対応する決済金額を含み、前記特定部は、前記一部のユーザに対応する複数の前記決済金額の平均値、中央値、又は最頻値に基づいて前記請求金額を特定してもよい。
【0009】
前記決済情報は、前記決済に対応する決済金額を含み、前記特定部は、前記一部のユーザに対応する複数の前記決済金額の合計額に基づいて前記請求金額を特定してもよい。
前記特定部は、前記特典が適用された回数に基づいて前記請求金額を特定してもよい。
前記特定部は、前記一部のユーザに適用された複数の前記特典が有する金銭価値の総額に基づいて前記請求金額を特定してもよい。
【0010】
前記特定部は、前記特典情報が配信された前記複数のユーザの数に対する、前記特典が適用された前記一部のユーザの数に基づく、前記特典が適用された割合に基づいて前記請求金額を決定してもよい。
前記情報処理装置は、前記特典付与部により前記一部のユーザに付与された特典に対応する金額の少なくとも一部を前記店舗事業者に請求する請求部をさらに有してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記店舗を識別するための店舗識別情報と、前記店舗における決済に利用可能な特典の内容を示す特典情報とを記憶し、前記配信部は、前記特典情報が配信された前記複数のユーザそれぞれに対応する前記ユーザ識別情報と、前記特典情報と、前記特典情報に対応する前記店舗識別情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させ、前記特典付与部は、前記決済要求とともに受信した前記ユーザ識別情報及び前記店舗識別情報に関連付けられている前記特典情報が示す特典を、受信した前記ユーザ識別情報が示すユーザに適用し、前記特定部は、前記店舗事業者が運営する一以上の前記店舗それぞれの前記店舗識別情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記特典情報が示す特典の適用状況に基づいて、前記店舗事業者が運営する一以上の前記店舗それぞれの前記請求金額を特定してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、店舗を運営する店舗事業者から取得した前記店舗における決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報を記憶部に記憶させるステップと、前記特典情報を複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末に配信し、当該複数のユーザそれぞれを識別するためのユーザ識別情報と前記特典情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させるステップと、前記店舗において使用される店舗端末又は前記複数のユーザのうち少なくとも一部のユーザそれぞれが使用するユーザ端末から、当該一部のユーザそれぞれに対応する前記ユーザ識別情報及び前記店舗を識別するための店舗識別情報と、前記一部のユーザそれぞれによる前記店舗における商品の購入に係る決済に対応する決済要求とを受信するステップと、前記決済要求を受信すると、受信した前記ユーザ識別情報及び前記店舗識別情報に基づいて決済を行うステップと、前記決済要求とともに受信した前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記特典情報が示す特典を、受信した前記ユーザ識別情報が示すユーザに適用するステップと、前記一部のユーザそれぞれから受信した前記決済要求に対する前記特典の適用状況に基づいて、前記店舗事業者に請求する請求金額を特定するステップと、特定された前記請求金額を前記店舗事業者に通知するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特典情報の配信に対して店舗が配信事業者に支払う金額に、販促効果に対応する対価を反映させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図8】MPM方式のコード決済に対応した決済システムの動作シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[決済システムSの概要]
図1は、決済システムSの概要を示す図である。決済システムSは、ユーザが店舗において商品又はサービスを購入する場合に、ユーザが所持するユーザ端末2又は店舗が使用する店舗端末3から、決済要求を受信したことに応じて決済を行うシステムである。
【0016】
決済システムSは、情報処理装置としての決済処理装置1と、ユーザ端末2と、店舗端末3とを備える。決済処理装置1は、購入金額の決済を行うサーバである。決済処理装置1は、決済を行う他に、ユーザ端末2に対して決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報を配信し、決済において、ユーザに特典を適用する特典サービスを提供する。ユーザ端末2は、ユーザが使用する情報端末であり、例えばスマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータである。店舗端末3は、例えばPOS端末、タブレット又はパーソナルコンピュータである。
【0017】
以下、
図1を参照しながら、決済が完了するまでの流れを説明する。なお、以下の説明において、商品又はサービスをまとめて商品という。まず、店舗を運営する店舗事業者は、店舗端末3等を利用して店舗における決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報を決済処理装置1に登録する(
図1における(1))。
【0018】
決済処理装置1は、登録された特典情報を、来店する確率が高いと判定した複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末2に配信する(
図1における(2))。決済処理装置1は、複数のユーザそれぞれを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDと、特典情報とを関連付けて記憶する(
図1における(3))。ユーザIDは、例えば、決済処理装置1に係る決済サービスを提供する決済事業者がユーザに付与するIDである。
【0019】
複数のユーザの少なくとも一部のユーザは、店舗において商品の購入を行う。決済処理装置1は、所定の決済方式に対応して、ユーザ端末2と店舗端末3との少なくともいずれかから、ユーザのユーザIDと、店舗の店舗IDと、ユーザの店舗における商品の購入に係る決済に対応する決済要求とを受信する(
図1における(4))。
【0020】
所定の決済方式は、例えば、コードを用いた決済方式である。コードを用いた決済方式には、CPM(Consumer Presented Mode)方式の決済方式と、MPM(Merchant Presented Mode)方式の決済方式とが含まれる。CPM方式は、二次元バーコード等の決済用コードをユーザ端末2に表示させ、店舗側で決済用コードが読み込まれたことに応じて決済を行う方式である。MPM方式は、決済用コードが店舗で提示されユーザ側で決済用コードが読み込まれたことに応じて決済を行う方式である。以下の説明において、コードを用いた決済方式をコード決済という。
【0021】
決済処理装置1は、決済要求を受信すると、当該決済要求とともに受信したユーザIDに関連付けられている特典情報が示す特典を、受信したユーザIDが示すユーザに適用し(
図1における(5))、受信したユーザIDと、店舗IDと、決済情報とに基づいて決済を行う(
図1における(6))。
【0022】
決済処理装置1は、複数のユーザのうち、一部のユーザそれぞれから受信した決済要求に対する特典の適用状況に基づいて、店舗事業者に請求する請求金額を特定する(
図1における(7))。決済処理装置1は、特定した請求金額を店舗事業者に通知する(
図1における(8))。特典の適用状況は、特典情報が配信された複数のユーザに対して特典が適用された実績及び特典が適用されたときの決済の内容を示している。
【0023】
決済処理装置1は、来店する確率が高い複数のユーザに対して特典情報を配信することから、高い販促効果が期待できる。そして、決済処理装置1は、当該特典情報の配信に対して店舗が配信事業者に支払う金額に、特典の適用状況に基づく販促効果に対応する対価を反映させることができる。
【0024】
以下、決済処理装置1、ユーザ端末2及び店舗端末3の構成の詳細を説明する。なお、所定の決済方式がCPM方式のコード決済であるものとして説明を行う。
【0025】
[決済処理装置1の機能構成]
図2は、決済処理装置1の機能構成を示す図である。決済処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
通信部11は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末2及び店舗端末3とデータを送受信するための通信インターフェースである。
【0026】
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、登録部131、配信部132、決済要求受信部133、決済処理部134、特典付与部135、特定部136、通知部137、及び請求部138として機能させる決済用プログラムを記憶する。
【0027】
また、記憶部12は、特典を管理するための特典管理情報を記憶する。
図3は、特典管理情報の一例を示す図である。
図3に示すように、特典管理情報は、特典を識別するための特典IDと、当該特典を提供する店舗の店舗IDと、当該特典の内容を示す特典情報と、特典を配信する対象であるユーザの属性を示す属性情報と、特典情報の配信数と、特典情報が配信された日時を示す配信日とを少なくとも関連付けた情報である。
【0028】
特典情報には、特典内容と、特典の説明文とが含まれている。特典内容が示す特典は、例えば、店舗における決済に対応する決済金額に対する所定の割引額の割引、決済後におけるユーザへの所定の払戻額の払い戻し、又はユーザが店舗等で利用可能なポイント、景品の提供である。
【0029】
また、記憶部12は、特典を配信したユーザを管理する配信管理情報を記憶する。
図4は、配信管理情報の一例を示す図である。
図4に示すように、配信管理情報は、特典の特典IDと、当該特典が適用される店舗の店舗IDと、当該特典に対応する特典情報が配信されたユーザ端末2に対応するユーザのユーザIDとを関連付けた情報である。
図4に示すように、一つの特典情報は、複数のユーザに配信される。また、一人のユーザに対し、一以上の特典情報が配信される。
【0030】
また、記憶部12は、複数のユーザそれぞれのユーザ情報を記憶する。
図5は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザ情報は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザの属性を示す属性情報とを少なくとも関連付けた情報である。ユーザの属性は、例えば、性別、年齢、居住地、職種等を示す情報である。
【0031】
また、記憶部12は、ユーザに対する特典の付与履歴を示す付与履歴情報を記憶する。
図6は、付与履歴情報の一例を示す図である。
図6に示すように、付与履歴情報は、特典が付与されたユーザのユーザIDと、特典を示す特典IDと、特典に対応する決済が行われた店舗を示す店舗IDと、特典に対応する決済の決済金額と、特典が付与された特典付与時刻とを関連付けた情報である。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された決済用プログラムを実行することにより、登録部131、配信部132、決済要求受信部133、決済処理部134、特典付与部135、特定部136、通知部137、及び請求部138として機能する。
【0033】
登録部131は、店舗を運営する店舗事業者から、店舗における決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報と、店舗の店舗IDとを取得し、取得した特典情報と、店舗IDとを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0034】
例えば、登録部131は、店舗端末3から、店舗IDを含み、特典情報の設定要求を受信する。登録部131は、設定要求を受信すると、特典情報の設定画面を店舗端末3に表示させ、ユーザ端末2に配信する特典情報を受け付ける。例えば、登録部131は、特典情報と、当該特典情報を配信するユーザの属性と、配信数とを受け付ける。登録部131は、設定画面を介して特典情報と、ユーザの属性と、配信数とを受け付けると、当該特典情報と、受信した設定要求に含まれる店舗IDとを関連付けて、特典管理情報として記憶部12に記憶させる。登録部131は、特典情報を配信するユーザの属性を受け付けることとしたが、これに限らず、ユーザの属性を受け付けないようにしてもよい。
【0035】
配信部132は、特典情報を複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末2に配信し、当該複数のユーザそれぞれを識別するためのユーザIDと、特典情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。例えば、配信部132は、登録部131により特典管理情報に新たに登録された特典情報に関連付けられているユーザの属性と、配信数とを特定する。配信部132は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、特定したユーザの属性に対応する複数のユーザIDを特定する。配信部132は、複数のユーザIDの中から、特定した配信数のユーザIDを選択し、選択したユーザIDに対応するユーザ端末2に特典情報を配信する。なお、配信部132は、付与履歴情報を参照して、複数のユーザの中から、特典を使用する回数が多いユーザ、すなわち来店する確率が高いユーザを特定してもよい。そして、配信部132は、特定したユーザに特典情報を配信してもよい。
【0036】
配信部132は、特典情報を配信すると、当該特典情報に対応する特典IDと、当該特典情報に対応する店舗IDと、配信先のユーザ端末2に対応するユーザIDとを関連付けて配信管理情報として記憶部12に記憶させる。また、配信部132は、特典情報を配信すると、当該特典情報を配信した配信日を、当該特典情報に関連付けて記憶させる。
【0037】
決済要求受信部133は、店舗端末3又は複数のユーザのうち少なくとも一部のユーザそれぞれが使用するユーザ端末2から、当該一部のユーザそれぞれに対応するユーザID及び店舗を識別するための店舗IDと、当該一部のユーザそれぞれによる店舗における商品の購入に係る決済に対応する決済要求とを受信する。一部のユーザは複数のユーザであるものとするが、一人のユーザであってもよい。また、決済要求受信部133は、一人のユーザから、決済要求を複数回受信してもよい。
【0038】
具体的には、まず、決済要求受信部133は、ユーザ端末2から、ユーザ端末2のユーザのユーザIDと、当該ユーザが店舗で決済するための決済用コードの発行要求とを受信する。決済要求受信部133は、決済用コードの発行要求を受信すると、決済用トークンを生成する。決済用トークンは、決済用コードの発行要求とともに受信したユーザIDに対応した決済用コードを生成するためのデータ列である。決済要求受信部133は、受信したユーザIDと、生成した決済用トークンとを関連付けて記憶部12に記憶させる。決済要求受信部133は、生成した決済用トークンを、決済用コードの発行要求を送信したユーザ端末2に送信する。
【0039】
決済要求受信部133は、送信した決済用トークンに基づいてユーザ端末2が表示した決済用コードを読み取った店舗端末3から、当該決済用コードから抽出された当該決済用トークンと、店舗IDと、ユーザの店舗における商品の購入に関する決済に対応する決済情報とを含む決済要求を受信する。決済情報には、ユーザの店舗における商品の購入に対応する決済金額が含まれている。
【0040】
決済処理部134は、決済要求を受信すると、受信したユーザID及び店舗IDに基づいて決済を行う。具体的には、まず、決済処理部134は、決済要求受信部133が決済要求を受信すると、当該決済要求に含まれる決済用トークンと一致する決済用トークンが記憶部12に記憶されているか否かを判定する。決済処理部134は、一致する決済用トークンが記憶部12に記憶されていると判定すると、当該決済用トークンに関連付けられて記憶部12に記憶されている、決済用コードの発行要求とともに受信したユーザIDを特定する。
【0041】
決済処理部134は、特定したユーザIDに対応するユーザの電子通貨の口座から決済金額を引き落とす支払処理を実行する。決済処理部134は、ユーザの電子通貨の口座から決済金額を引き落とす支払処理を実行したが、これに限らない。例えば、支払手段として、電子口座からの引き落としではなく、クレジットカードを用いた支払手段がユーザにより選択されている場合、決済処理部134は、支払処理として、クレジットカード会社に対して、決済金額の支払いの事前承認申請(オーソリゼーション)を行うようにしてもよい。この場合、クレジットカード会社から、承認を受け付けたことを支払処理の完了としてもよい。
【0042】
また、決済処理部134は、決済情報に含まれている店舗IDで特定される店舗の口座に、受信した決済要求に含まれる決済金額に対応する金額を入金する処理を実行する。例えば、決済処理部134は、決済金額から決済サービスに対応する決済手数料を差し引いた金額を店舗受取金額として算出し、決済情報に含まれている店舗IDで特定される店舗の口座に、算出した店舗受取金額を入金する処理を実行する。なお、決済処理部134は、所定時間(例えば1カ月)おきに、所定期間(例えば1カ月間)において算出された店舗受取金額を合計し、店舗受取金額の合計額を、店舗IDで特定される店舗の口座にまとめて入金するようにしてもよい。
【0043】
特典付与部135は、決済要求とともに受信したユーザIDに関連付けられている特典情報が示す特典を、受信したユーザIDが示すユーザに適用する。具体的には、特典付与部135は、記憶部12に記憶されている配信管理情報を参照し、受信した決済要求に含まれている決済用トークンに関連付けられているユーザIDと、受信した決済要求に含まれている店舗IDとに関連付けられている特典IDを特定する。特典付与部135は、特定した特典IDが示す特典を、特定したユーザIDが示すユーザに付与する。
【0044】
特典付与部135は、複数の特典IDを特定した場合に、複数の特典IDそれぞれに対応する特典のうち、適用する一以上の特典の選択をユーザ端末2から受け付け、選択された特典をユーザに適用してもよい。
【0045】
また、特典が決済金額からの割引である場合、特典付与部135は、決済処理部134による決済処理が実行される前に、受信した決済情報に含まれる決済金額に対し、割引金額を減算するようにしてもよい。この場合、決済処理部134は、特典付与部135により割引が適用された後の決済金額に基づいて支払処理を行ってもよい。
【0046】
また、特典付与部135は、ユーザに特典を付与すると、特典の付与履歴を示す付与履歴情報を記憶部12に記憶させる。具体的には、特典付与部135は、決済処理部134により決済された金額、すなわち、決済に対応するユーザの電子口座から差し引かれた金額と、決済要求に含まれる店舗IDと、当該ユーザのユーザIDと、当該ユーザに付与された特典の特典IDと、特典が付与された時刻である特典付与時刻とを関連付けて付与履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0047】
特定部136は、特典情報が配信された複数のユーザのうち、特典付与部135により特典が適用された一部のユーザそれぞれから受信した決済要求に対する特典の適用状況に基づいて、店舗事業者に請求する請求金額を特定する。特定部136は、特典の適用状況としての、特典情報が配信された複数のユーザに対して特典が適用された実績、及び特典が適用された複数の決済の内容に基づいて、店舗事業者に請求する請求金額を特定する。特定部136は、例えば所定時間おき(例えば一カ月おき)に、当該一部のユーザに対応する複数の決済情報に基づいて請求金額を特定する。
【0048】
例えば、記憶部12に、店舗の店舗IDと、店舗事業者を識別する事業者IDとを関連付けて記憶させておく。事業者IDに関連付けられている一以上の店舗IDに関連付けられて記憶部12に記憶されている特典情報が示す特典の適用状況に基づいて、当該店舗事業者に請求する請求金額を特定する。
【0049】
特定部136は、所定時間おきに記憶部12に記憶されている付与履歴情報を参照し、特典ID及び店舗IDごとに、特典が付与されたユーザに対応する複数の決済情報それぞれに含まれる複数の決済金額を特定する。そして、特定部136は、特典ID及び店舗IDごとに、特典情報が配信された複数のユーザのうち、特典が適用された一部のユーザに対応する複数の決済金額の平均値、中央値、最頻値、又は合計額に基づいて請求金額を特定する。例えば、特定部136は、当該一部のユーザに対応する複数の決済金額の平均値、中央値、最頻値、合計額のいずれかの金額の所定割合を、店舗事業者に請求する請求金額と特定する。
【0050】
なお、特定部136は、当該一部のユーザに対応する複数の決済金額の平均値、中央値、最頻値、又は合計額に基づいて請求金額を特定したが、これに限らない。特定部136は、特典が適用された回数に基づいて請求金額を特定してもよい。また、特定部136は、特典情報が配信された複数のユーザの数に対する、当該特典情報が示す特典が適用された一部のユーザの数に基づく、特典が適用された割合に基づいて請求金額を決定してもよい。例えば、特定部136は、特典が適用された回数が多ければ多いほど、請求金額が高くなるように請求金額を特定したり、特典が適用された割合が高ければ高いほど、請求金額が高くなるように請求金額を特定したりする。
【0051】
また、特定部136は、当該一部のユーザに適用された複数の特典が有する金銭価値の総額にさらに基づいて請求金額を特定してもよい。例えば、特定部136は、ユーザに適用された複数の特典が有する金銭価値の総額が多ければ多いほど、請求金額が高くなるように請求金額を特定する。
【0052】
特典が適用された回数、特典が適用された割合、ユーザに適用された特典が有する金銭価値の総額は、特典情報の配信の効率に関係する。したがって、決済処理装置1は、特典が適用された回数、特典が適用された割合、ユーザに適用された特典が有する金銭価値の総額に基づいて請求金額を特定することにより、特典情報の配信効率に対する対価を請求金額に反映することができる。
【0053】
通知部137は、決済処理部134による決済処理が完了すると、決済が完了したことを示す決済完了情報をユーザ端末2に送信し、決済が完了したことをユーザに通知する。通知部137は、特典付与部135によりユーザに特典が付与された場合に、特典が付与されたことを示す情報を含む決済完了情報をユーザ端末2に送信し、ユーザに特典が付与されたことをユーザに通知する。
【0054】
通知部137は、特定部136が特定した請求金額を店舗事業者に通知する。例えば、記憶部12には、店舗事業者の事業者IDと、店舗事業者の連絡先を示す連絡先情報とを関連付けて予め記憶させておく。通知部137は、特定部136が、店舗事業者の事業者IDに関連付けられている一以上の店舗IDそれぞれに請求する請求金額を特定すると、当該事業者IDに関連付けられている連絡先情報が示す連絡先に請求金額を示す請求金額情報を通知する。
【0055】
通知部137は、店舗事業者に、特定部136が特定した、店舗事業者が運営する一以上の店舗それぞれの請求金額の合計額を含む請求金額情報を店舗事業者に通知する。通知部137は、特定部136が特定した、店舗事業者が運営する一以上の店舗それぞれの請求金額と、当該一以上の店舗それぞれの店舗IDとを関連付けた明細情報を含む請求金額情報を店舗事業者に通知してもよい。また、請求金額情報には、請求金額の算出の根拠となった根拠情報が含まれていてもよい。根拠情報は、例えば、特典が適用された複数のユーザに対応する決済金額の平均値、中央値、最頻値、又は合計額を示す情報、特典が適用された回数、特典が適用された割合、及びユーザに適用された特典が有する金銭価値の総額の少なくともいずれかである。
【0056】
請求部138は、店舗事業者に対し、特定部136が特定した請求金額を請求する。また、請求部138は、特典付与部135によりユーザに付与された特典に対応する金額の少なくとも一部を店舗事業者に請求してもよい。
【0057】
[動作シーケンス]
図7は、決済システムSの動作シーケンス図である。なお、
図7に示すシーケンス図では、ユーザ端末2は1台のみ示されているが、実際には複数台のユーザ端末2が存在するものとする。
【0058】
まず、決済処理装置1の登録部131は、店舗端末3から、店舗IDと、特典情報とを受信し(S1)、受信した店舗IDと特典情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる(S2)。
【0059】
続いて、配信部132は、特典情報を複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末2に配信し(S3)、当該複数のユーザそれぞれを識別するためのユーザIDと、特典情報に対応する特典ID及び店舗IDとを関連付けて配信管理情報として記憶部12に記憶させる(S4)。
【0060】
特典情報が配信された複数のユーザのうちの一部のユーザは、特典情報が示す特典の適用を受けるために、店舗において商品等を購入する。商品等を店舗で購入するユーザのユーザ端末2は、決済用コードの表示操作を受け付けると(S5)、ユーザIDと、決済用コードの発行要求とを決済処理装置1に送信する(S6)。
【0061】
続いて、決済処理装置1の決済要求受信部133は、ユーザ端末2から、ユーザIDと、決済用コードの発行要求とを取得すると、決済用トークンを生成し、受信したユーザIDと、生成した決済用トークンとを関連付けて記憶部12に記憶させる(S7)。決済要求受信部133は、生成した決済用トークンを、決済用コードの発行要求を送信したユーザ端末2に送信する(S8)。
【0062】
ユーザ端末2は、決済処理装置1から受信した決済用トークンに基づく決済用コードを生成し、生成した決済用コードを自身の表示部に表示させる(S9)。ユーザが店舗において、ユーザ端末2に表示された決済用コードを提示し、店舗端末3が決済用コードを読み取る(S10)。
【0063】
また、店舗端末3は、店員が入力した商品ID又は商品に付されたバーコードから読み取った商品IDに基づいて商品の価格を特定し、決済金額を算出する(S11)。店舗端末3は、S11において算出された決済金額を含む決済情報と、店舗IDと、S10において読み取られた決済用コードに含まれている決済用トークンとを含む決済要求を決済処理装置1に送信する(S12)。
【0064】
決済処理装置1の決済要求受信部133は、店舗端末3から、決済情報と、決済用トークンとを含む決済要求を受信する。決済処理部134は、記憶部12に記憶されている決済用トークンと、受信した決済用トークンが一致する場合に、決済用トークンに関連付けて記憶部12に記憶されているユーザIDを特定する。決済処理部134は、特定したユーザIDと、受信した決済要求に含まれている店舗ID及び決済情報とに基づいて決済処理を実行する(S13)。
【0065】
続いて、特典付与部135は、決済要求に含まれている決済用トークンに関連付けられているユーザIDが示すユーザに特典を適用する(S14)。具体的には、特典付与部135は、記憶部12に記憶されている配信管理情報を参照し、受信した決済要求に含まれている決済用トークンに関連付けられているユーザIDと、受信した決済要求に含まれている店舗IDとに関連付けられている特典IDを特定する。特典付与部135は、特定した特典IDが示す特典を、特定したユーザIDが示すユーザに付与する。
【0066】
続いて、通知部137は、ユーザ端末2に決済完了情報を送信する(S15)。通知部137は、ユーザに特典が付与された場合に、特典が付与されたことを示す情報を含む決済完了情報をユーザ端末2に送信する。
【0067】
その後、特定部136は、特典情報が配信された複数のユーザのうち、特典付与部135により特典が適用された一部のユーザそれぞれから受信した決済要求に対する特典の適用状況に基づいて、店舗事業者に請求する請求金額を特定する(S16)。
【0068】
続いて、通知部137は、特定部136が特定した請求金額を店舗事業者に通知する(S17)。
続いて、請求部138は、店舗事業者に対し、特定部136が特定した請求金額を請求する(S18)。
【0069】
[変形例1]
また、上述の説明において、所定の決済方式が、CPM方式のコード決済である場合を例として説明したが、以下にMPM方式のコード決済を用いた例を簡単に説明する。
図8は、MPM方式のコード決済に対応した決済システムSの動作シーケンス図である。
【0070】
S21からS24までの処理は、S1からS4までの処理と同様であるので説明を省略する。
ユーザが店舗において購入する商品を店員に持ち込んだことに応じて、店員は店舗端末3を操作する。店舗端末3は、店員が入力した商品ID又は商品に付されたバーコードから読み取った商品IDを取得し、当該商品IDに関連付けられている商品の価格を特定することにより、決済金額を算出する。店舗端末3は、自身が備える表示部に決済金額を表示させる(S25)。
【0071】
店舗端末3は、決済用コードの発行要求に係る操作を受け付けると、決済用コードの発行要求と、店舗IDとを決済処理装置1に送信する(S26)。決済処理装置1の決済要求受信部133は、決済用コードの発行要求と店舗情報とを取得すると、決済用トークンを生成し、店舗IDと関連付けて記憶部12に記憶させる(S27)。決済要求受信部133は、生成した決済用トークンを、決済用コードの発行要求を送信した店舗端末3に送信する(S28)。
【0072】
店舗端末3は、決済処理装置1から受信した決済用トークンに基づく決済用コードを生成し、生成した決済用コードを自身の表示部に表示させる(S29)。ユーザは、ユーザ端末2を操作して、店舗端末3に表示された決済用コードをユーザ端末2に読み取らせる(S30)。
【0073】
ユーザ端末2は、決済用コードから決済用トークンを抽出すると、ユーザから決済金額の入力を受け付ける(S31)。ユーザ端末2は、決済金額を含む決済情報と、決済用コードから抽出した決済用トークンと、ユーザIDとを含む決済要求を決済処理装置1に送信する(S32)。
【0074】
決済処理装置1の決済要求受信部133は、ユーザ端末2から、決済情報と、決済用トークンと、ユーザIDとを含む決済要求を受信する。決済処理部134は、記憶部12に記憶されている決済用トークンと、受信した決済用トークンが一致する場合に、決済用トークンに関連付けて記憶部12に記憶されている店舗IDを特定する。決済処理部134は、特定した店舗IDと、受信した決済要求に含まれているユーザID及び決済情報とに基づいて決済処理を実行する(S33)。
S34からS38までの処理は、S14からS18までの処理と同様であるので説明を省略する。
【0075】
決済システムSが以上のように動作することで、決済処理装置1は、ユーザ端末2に表示された決済用コードを読み取った店舗端末3から決済情報を受信することにより決済を行う場合と同様に、特典を適用し、当該特典の適用状況に基づいて店舗事業者に請求する請求金額を特定することができる。
【0076】
なお、MPM方式のコード決済において、決済時に決済用コードの発行要求が行われるものとしたが、決済時よりも前のタイミングで行われてもよい。この場合、決済用コードの発行要求は、店舗端末3を介して行われてもよいし、郵送や電子メール等により行われてもよい。また、店舗端末3が、自身に設けられた表示部に決済用コードを表示させることとしたが、これに限らない。例えば、店員が、紙等に印刷された決済用コードをユーザに提示してもよい。
【0077】
この場合、ユーザ端末2は、ユーザの操作に応じて、自身に設けられた撮像部により店舗において提示された決済用コードを撮像し、撮像した決済用コードから決済用トークンを抽出するとともに、ユーザから店舗における決済に対応する決済金額の入力を受け付ける。決済用トークンには、決済処理装置1が店舗を識別するために店舗IDが含まれていてもよい。ユーザ端末2は、決済金額の入力を受け付けると、当該決済金額を含む決済情報と、抽出した決済用トークンと、ユーザIDとを含む決済要求を決済処理装置1に送信する。決済処理部134は、決済要求受信部133が、決済情報と、決済用トークンと、ユーザIDとを含む決済要求をユーザ端末2から受信すると決済処理を実行する。
【0078】
[変形例2]
また、上述の説明において、所定の決済方式は、コードを用いた決済方式であることとしたが、これに限らない。例えば、決済処理装置1が、ユーザの決済時にユーザIDと、店舗IDと、決済情報とを取得できるものであれば、所定の決済方式は、コード決済を用いた決済方式と異なる、NFC等の近距離無線通信を用いた決済方式、クレジットカード、プリペイドカードを用いた決済方式であってもよい。
【0079】
[決済システムSによる効果]
以上説明したように、本実施形態に係る決済処理装置1は、店舗を運営する店舗事業者から取得した店舗における決済に対して適用される特典の内容を示す特典情報を記憶し、特典情報を複数のユーザそれぞれが使用するユーザ端末2に配信する。決済処理装置1は、店舗端末3又はユーザ端末2から、ユーザIDと、店舗IDと、ユーザによる店舗における商品の購入に係る決済に対応する決済要求とを受信すると、受信したユーザID及び店舗IDに基づいて決済を行い、当該ユーザ識別情報に関連付けられている特典情報が示す特典を、受信したユーザIDが示すユーザに適用する。決済処理装置1は、特典情報を配信した複数のユーザのうちの一部のユーザそれぞれから受信した決済要求に対する特典の適用状況に基づいて、店舗事業者に請求する請求金額を特定し、店舗事業者に通知する。このようにすることで、決済処理装置1は、特典情報の配信に対して店舗が配信事業者に支払う金額に、特典の適用状況に基づく販促効果に対応する対価を反映させることができる。
【0080】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0082】
1 決済処理装置
2 ユーザ端末
3 店舗端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 登録部
132 配信部
133 決済要求受信部
134 決済処理部
135 特典付与部
136 特定部
137 通知部
138 請求部
S 決済システム