(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240527BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20240527BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q10/0631
(21)【出願番号】P 2022135101
(22)【出願日】2022-08-26
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(73)【特許権者】
【識別番号】521091952
【氏名又は名称】tance株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】篠田 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】岩田 俊樹
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-057044(JP,A)
【文献】特開2022-093206(JP,A)
【文献】特開2018-097752(JP,A)
【文献】特開2018-156217(JP,A)
【文献】特許第7117806(JP,B1)
【文献】特開2020-013600(JP,A)
【文献】特開2003-067611(JP,A)
【文献】特開2022-096406(JP,A)
【文献】特開平11-185165(JP,A)
【文献】全販路売上げを一括管理 (株)アントワークス,月刊食堂 第61巻 第9号 The Food Service Management,日本,株式会社柴田書店,2022年08月23日,第61巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
商品提供者の商品についてモバイル端末を介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報を前記モバイル端末から通信部を介して受信することと、
前記商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報を前記デリバリーサービスのシステムから前記通信部を介して受信することと、
前記商品について前記商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報を前記店舗の端末装置から前記通信部を介して受信することと、
前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を制御部により特定することと、
前記収支情報を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと、
前記商品提供者の前記売上に基づいて、販売促進施策の実施の要否を前記制御部により判断することと、
前記販売促進施策の実施が必要であると判断されたことに応じて、前記販売促進施策の実施が必要であることを示す通知を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと、
前記販売促進施策の実施後、前記商品提供者の売上の変化が所定値内であるとき、販売促進施策の効果が低いことを示す通知を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記デリバリー注文情報が示す注文は、複数の事業者によるデリバリーサービスを介して受け付けた注文を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記商品提供者の前記支出は、前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、
前記店舗注文情報とに基づいて特定される前記商品提供者による商品製造のための材料費を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記情報処理方法は、
前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記商品提供者の商品の材料の在庫量を前記制御部により特定することと、
特定された前記在庫量に基づいて、前記材料の発注のための処理を前記制御部により実施することと
を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、商品の注文経路別の統計情報を前記制御部により出力することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記モバイル注文情報、前記デリバリー注文情報、及び前記店舗注文情報のそれぞれは、商品の提供経路を含み、
前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記提供経路別の統計情報を前記制御部により出力することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
制御部と、通信部とを備える情報処理装置であって、
商品提供者の商品についてモバイル端末を介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報を前記モバイル端末から前記通信部を介して受信することと、
前記商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報を前記デリバリーサービスのシステムから前記通信部を介して受信することと、
前記商品について前記商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報を前記店舗の端末装置から前記通信部を介して受信することと、
前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を前記制御部により特定することと、
前記収支情報を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと
前記商品提供者の前記売上に基づいて、販売促進施策の実施の要否を前記制御部により判断することと、
前記販売促進施策の実施が必要であると判断されたことに応じて、前記販売促進施策の実施が必要であることを示す通知を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと、
前記販売促進施策の実施後、前記商品提供者の売上の変化が所定値内であるとき、販売促進施策の効果が低いことを示す通知を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと
を実施する情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
商品提供者の商品についてモバイル端末を介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報を前記モバイル端末から通信部を介して受信することと、
前記商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報を前記デリバリーサービスのシステムから前記通信部を介して受信することと、
前記商品について前記商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報を前記店舗の端末装置から前記通信部を介して受信することと、
前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を制御部により特定することと、
前記収支情報を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと
前記商品提供者の前記売上に基づいて、販売促進施策の実施の要否を前記制御部により判断することと、
前記販売促進施策の実施が必要であると判断されたことに応じて、前記販売促進施策の実施が必要であることを示す通知を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと、
前記販売促進施策の実施後、前記商品提供者の売上の変化が所定値内であるとき、販売促進施策の効果が低いことを示す通知を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することと
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などの事業者が提供する商品をスマートフォンなどのモバイル端末を介して注文するモバイルオーダーが知られている。特許文献1には、モバイルオーダーに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モバイルオーダーにより注文を受け付けた事業者は、当該注文に関する情報をデジタル情報として得ることができ、事業者がそのような情報をより効果的に活用したいという要請がある。
【0005】
本発明は、モバイルオーダーにより受けた注文に関する情報をより効果的に活用することに関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、商品提供者の商品についてモバイル端末を介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報を前記モバイル端末から通信部を介して受信することと、前記商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報を前記デリバリーサービスのシステムから前記通信部を介して受信することと、前記商品について前記商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報を前記店舗の端末装置から前記通信部を介して受信することと、前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を制御部により特定することと、前記収支情報を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することとを含む情報処理方法を実行させる。
【0007】
一実施形態に係る情報処理装置は、制御部と、通信部とを備え、商品提供者の商品についてモバイル端末を介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報を前記モバイル端末から前記通信部を介して受信することと、前記商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報を前記デリバリーサービスのシステムから前記通信部を介して受信することと、前記商品について前記商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報を前記店舗の端末装置から前記通信部を介して受信することと、前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を前記制御部により特定することと、前記収支情報を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することとを実施する。
【0008】
一実施形態に係る情報処理方法は、商品提供者の商品についてモバイル端末を介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報を前記モバイル端末から通信部を介して受信することと、前記商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報を前記デリバリーサービスのシステムから前記通信部を介して受信することと、前記商品について前記商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報を前記店舗の端末装置から前記通信部を介して受信することと、前記モバイル注文情報と、前記デリバリー注文情報と、前記店舗注文情報とに基づいて、前記商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を制御部により特定することと、前記収支情報を前記通信部を介して前記商品提供者の端末装置に送信することとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モバイルオーダーにより受けた注文に関する情報をより効果的に活用することに関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態におけるシステムの概要を説明するための概念図である。
【
図2】一実施形態におけるシステム構成の一例を示す概念図である。
【
図3】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】一実施形態における制御部の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】一実施形態におけるシステムによる例示的な処理の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図であるシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態におけるシステムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0012】
[システムの概要]
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの概要を説明する。システム1は、飲食業などの事業者の店舗で提供する商品に対して受けた注文に関する情報である注文情報を集約し、管理するためのコンピュータシステムである。
【0013】
システム1は、例えば、商品提供者の商品を注文する顧客のスマートフォンなどのモバイル端末を介して注文情報を受信し、また、顧客から当該商品の注文を受けたデリバリー事業者の装置を介して注文情報を受信し、当該注文情報を集約する。本実施形態において、商品提供者とは、例えば、飲食店又は小売店など、飲食物を含む何らかの商品を顧客に提供する事業者である。本実施形態において、スマートフォンなどのモバイル端末を介して商品を注文することをモバイルオーダーとも称する。
【0014】
また、システム1は、集約した注文情報に基づいて、商品提供者の事業に有益な情報を管理又は出力するための処理を実施する。例えば、システム1は、集約した注文情報に基づいて、店舗(又は商品提供者、以下同様。)の収支計算、在庫管理、売上予測、効果的な販売促進策の特定などを行ってもよい。システム1は、当該収支計算のために、POS(Point Of Sales)システムと連携してもよいし、当該売上予測のために、事業予測サービス事業者のシステムと連携してもよい。特定された店舗の収支計算結果、在庫の状況、売上予測結果、又は効果的な販売促進策に関する情報は、店舗の端末装置に送信されてもよい。システム1が行う処理の詳細は、後述する。
【0015】
本実施形態にかかるシステム1によれば、上記のとおり集約した注文情報に基づいて、例えば、店舗の収支計算、在庫管理、売上予測、効果的な販売促進策の特定などを実施可能である。そのため、モバイルオーダーにより受けた注文に関する情報をより効果的に活用することが可能である。
【0016】
[システムの構成]
図2を参照して、本実施形態におけるシステム1の構成の一例を説明する。システム1は、サーバ装置10、及び端末装置20(20a、20b、20c、20d)を備える。各装置は、ネットワークNを介して相互に通信可能に構成されている。
【0017】
サーバ装置10は、サーバコンピュータなどの情報処理装置である。サーバ装置10は、1つの情報処理装置(又はコンピュータ。以下同様。)によって構成されてもよいし、クラウドコンピューティング技術又は分散コンピューティング技術等を使用して複数の情報処理装置によって構成されてもよい。
【0018】
端末装置20は、パーソナルコンピュータ、モバイル端末、又は専用端末(例えば、決済端末)などの情報処理装置により構成される。端末装置20は、クラウドコンピューティング技術を使用して構成されたサーバ装置10と通信可能に構成されてもよい。
【0019】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークNには、例えば、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)など、任意のネットワークが含まれる。
【0020】
図2に示す例において、システム1は、1つのサーバ装置10、及び4つの端末装置20を含んで構成されているが、システム1に含まれる装置の数はこれに限定されず、システム1は、任意の数の装置を含んでもよい。例えば、システム1は、4つを超えて端末装置20を含んでもよい。なお、以降の説明において、サーバ装置10、又は端末装置20のいずれかの処理として記載されている処理の少なくとも一部が他の装置により実行されてもよい。例えば、サーバ装置10による処理として記載されている処理の一部が、端末装置20で実行されてもよいし、端末装置20による処理として記載されている処理の一部が、サーバ装置10で実行されてもよい。
【0021】
[機能構成]
図3を参照して、サーバ装置10が有する機能を説明する。サーバ装置10は、主な機能構成として、通信部11、データベース12、及び制御部13を有する。
【0022】
サーバ装置10は、一般的な情報処理装置又は専用装置などの情報処理装置が有する他の機能構成を有してもよい。サーバ装置10が有する機能構成は、例えば、サーバ装置10が有するCPU(Central Processing Unit)などの制御装置が、記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0023】
通信部11は、外部装置との通信により各種情報を受信及び送信する。例えば、通信部11は、商品提供者の商品に対して受けた注文に関する注文情報を受信する。当該注文情報は、商品についてモバイル端末(例えば、端末装置20a)を介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報、商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報、又は商品について商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報のうち少なくとも1つを含んでもよい。より詳細には、通信部11は、顧客による操作入力に応じて、モバイル端末である端末装置20aからモバイル注文情報を受信してもよい。通信部11は、モバイル端末又はその他の端末装置(例えば、端末装置20b)に対する顧客による操作入力に応じて、デリバリーサービスのシステム(図示せず。)からデリバリー注文情報を受信してもよい。通信部11は、顧客又は店舗の店員による操作入力に応じて、店舗の端末装置(例えば、端末装置20c)から店舗注文情報を受信してもよい。
【0024】
データベース12は、通信部11が受信した情報、サーバ装置10による処理に必要な情報、又はサーバ装置10により生成された情報を含む、各種の情報を記憶する。
【0025】
制御部13は、サーバ装置10により実行される各種機能の処理を制御する。例えば、制御部13は、上記モバイル注文情報と、上記デリバリー注文情報と、上記店舗注文情報とに基づいて、商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を特定してもよい。詳細には、制御部13は、上記モバイル注文情報と、上記デリバリー注文情報と、上記店舗注文情報とに基づいて、注文を受けた商品の提供のための材料費を含む、商品提供者の支出を算出してもよい。また、制御部13は、上記の材料費を算出するために必要な情報(例えば、1商品を提供するために必要な材料費)をデータベース12から取得してもよい。制御部13は、特定した収支情報を商品提供者の端末装置(例えば、端末装置20d)へ通信部11を介して送信してもよい。
【0026】
以上のように本実施形態によれば、通信部11は、商品提供者の商品についてモバイル端末である端末装置20aを介して受け付けた注文に関するモバイル注文情報を端末装置20aから受信してもよい。通信部11は、上記商品についてデリバリーサービスを介して受け付けた注文に関するデリバリー注文情報をデリバリーサービスのシステムから受信してもよい。通信部11は、上記商品について商品提供者の店舗で受け付けた注文に関する店舗注文情報を店舗の端末装置20cから受信してもよい。制御部13は、上記モバイル注文情報と、上記デリバリー注文情報と、上記店舗注文情報とに基づいて、商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を特定してもよい。通信部11は、特定された収支情報を商品提供者の端末装置20dに送信してもよい。その結果、サーバ装置10は、集約された注文情報に基づいて、例えば、店舗の収支計算を行い、特定された収支情報を商品提供者に送信するため、モバイルオーダーにより受けた注文に関する情報をより効果的に活用することが可能である。
【0027】
図4を参照して、制御部13により実行される各種機能の例をより詳細に説明する。
図4に示すように、制御部13により実行される機能は、例えば、注文・コミュニケーション統合機能131、データ連携機能132、決済情報管理機能133、及び店舗向け機能134を含む。制御部13は、上記以外の機能をさらに実行してもよいし、上記機能の一部を実行しなくてもよい。
【0028】
(A)注文・コミュニケーション統合機能131
注文・コミュニケーション統合機能131は、商品に対する注文の機能と、商品を注文する顧客(ユーザ)と商品提供者との間のコミュニケーション機能とを統合する機能である。注文・コミュニケーション統合機能131は、例えば、以下に説明するモバイルオーダー機能、デリバリー機能、店内オーダー機能、及び顧客コミュニケーション機能を有する。
【0029】
(A-1)モバイルオーダー機能
制御部13は、モバイルオーダーにより注文可能な商品情報を端末装置20などの外部装置から通信部11を介して受信し、当該商品情報に基づいて、モバイルオーダー用メニューを作成し、生成した当該メニューの情報をデータベース12に記憶可能である。また、顧客による商品注文のためのモバイル端末(例えば、端末装置20a)に対する操作入力に応じて、制御部13は、(後述のデリバリーサービスのシステムを介さずに)当該モバイル端末から商品に対する注文情報(モバイル注文情報)を、通信部11を介して受け付け、登録する機能である。
【0030】
また、制御部13は、受け付けたモバイルオーダーについて、決済に関する処理を行ってもよい。決済に関する処理は、例えば、決済実行の命令を外部システムに送信することを含んでもよい。制御部13は、外部装置から受信した情報に基づいて、モバイルオーダーを行う顧客の情報をユーザ情報としてデータベース12に記憶してもよい。
【0031】
(A-2)デリバリー機能
システム1は、外部システムであるデリバリーサービスのシステムと連携してもよい。例えば、制御部13は、モバイル端末又はその他の端末装置(例えば、端末装置20b)に対する顧客による操作入力に応じて、デリバリーサービスのシステム(図示せず。)から通信部11を介してデリバリー注文情報を受信してもよい。
【0032】
システム1は、複数のデリバリーサービスのシステムと連携してもよい。すなわち、制御部13は、通信部11を介して受信するデリバリー注文情報は、複数の事業者によるデリバリーサービスを介して受け付けた注文を含んでもよい。
【0033】
(A-3)店内オーダー機能
制御部13は、店舗で注文可能な商品情報を店舗の端末装置20(例えば、端末装置20c)などの外部装置から通信部11を介して受信し、当該商品情報に基づいて、店内オーダー用メニューを作成し、生成した当該メニューの情報をデータベース12に記憶可能である。本実施形態において、顧客により店舗で行われる注文を店内オーダーと称する。また、制御部13は、顧客又は店舗の店員による操作入力に応じて、店舗の端末装置(例えば、端末装置20c)から通信部11を介して店舗注文情報を受信する。
【0034】
(A-4)顧客コミュニケーション機能
制御部13は、商品等に関するクーポン又は割引情報など、顧客に対する特典に関する情報を顧客の端末装置20に通信部11を介して送信する。特典に関する情報の内容、又は当該情報の送信のタイミングは、任意に設定される。例えば、制御部13は、店舗の店員による操作に応じて、端末装置20から通信部11を介して設定情報を受信し、当該設定情報に応じて、特典に関する情報の内容、又は当該情報の送信のタイミングを設定してもよい。
【0035】
(B)データ連携機能132
データ連携機能132は、サーバ装置10が受信したデータの連携、及びシステム1の外部システムとのデータの連携を行う機能である。データ連携機能132は、例えば、以下に説明するオーダー情報履歴記録、POS情報記録、外部情報取得、在庫情報管理、人的リソース情報管理、資金情報管理、販売促進施策管理、及び在庫リソース施策最適化の機能を有する。
【0036】
(B-1)オーダー情報履歴記録
制御部13は、上記で通信部11を介して受信したモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報と、を店舗が受けた注文情報として、データベース12に記憶する。すなわち、制御部13は、店舗が受けた注文情報をデータベース12に集約する。
【0037】
データベース12に記憶された注文情報は、例えば、注文日時、注文内容、注文数量、対応状況(例えば、注文された商品が提供済みであるか否か)、決済状況(例えば、決済が完了済みであるか否か)、注文経路、提供経路、及び顧客情報のうち、少なくとも一部を含んでもよい。注文経路は、例えば、モバイルオーダー、デリバリーサービス経由、又は店内オーダーを含んでもよい。提供経路は、例えば、イートイン、テイクアウト、又はデリバリーを含んでもよい。顧客情報は、商品を注文した顧客に関する情報であり、例えば、顧客識別情報、性別、年代、居住地、又は住所(配送先)のうち、少なくとも一部を含んでもよい。
【0038】
データベース12は、例えば、商品情報として、商品の材料情報、又は商品の調理負荷情報を記憶してもよい。当該材料情報は、例えば、商品の調理(又は製造)に必要な材料費、材料の種類、各材料の調達単価、及び商品に使用される各材料の量の情報を含んでもよい。調理負荷情報は、例えば、調理に必要な時間及び必要な人員数を含んでもよい。
【0039】
制御部13は、データベース12に記憶された情報に基づいて、商品提供者の支出を算出してもよい。商品提供者の支出は、当該商品提供者による商品製造のための材料費を含んでもよい。例えば、制御部13は、モバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて特定される商品提供者による商品製造のための材料費を上記支出の少なくとも一部として算出してもよい。具体的には、制御部13は、データベース12に記憶されたモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報と、商品情報とに基づいて、注文された商品の材料費を算出してもよい。すなわち、商品提供者の支出は、モバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて特定される商品提供者による商品製造のための材料費を含んでもよい。また、制御部13は、所定期間(例えば、1日、又は1月)におけるモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて特定される商品提供者による所定期間における商品製造のための材料費を上記支出の少なくとも一部として算出してもよい。
【0040】
制御部13は、データベース12に記憶された情報に基づいて、統計情報を生成してもよい。例えば、制御部13は、データベース12に記憶されたモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて、商品の注文経路別の統計情報を生成し、出力してもよい。具体例として、制御部13は、データベース12に記憶されたモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて、ある商品に対してなされた注文について、モバイルオーダー、デリバリーサービス経由、及び店内オーダーのそれぞれの割合を算出し、出力してもよい。
【0041】
制御部13は、例えば、データベース12に記憶されたモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて、商品の提供経路別の統計情報を生成し、出力してもよい。具体例として、制御部13は、データベース12に記憶されたモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて、注文されたある商品の提供経路ついて、イートイン、テイクアウト、及びデリバリーのそれぞれの割合を算出し、出力してもよい。
【0042】
(B-2)POS情報記録
制御部13は、決済端末である端末装置20、又はPOS端末である端末装置20から通信部11を介して店舗の売上情報を受信し、データベース12に記憶してもよい。データベース12に記憶された売上情報は、例えば、決済手段、決済日時、売上金額、及び売上経路(例えば、店舗端末、モバイルオーダー、又はデリバリーサービス)のうち、少なくとも一部を含んでもよい。
【0043】
(B-3)外部情報取得
制御部13は、天気予報情報、外部イベント情報など、顧客動向・売上動向に影響を与える外部情報を外部システムから通信部11を介して取得し、データベース12に記憶する。
【0044】
(B-4)在庫情報管理
制御部13は、注文情報及び商品情報に基づいて、商品の材料の在庫管理を行う。例えば、制御部13は、各材料の現在の在庫量情報をデータベース12に記憶し、通信部11を介して受信した注文情報及び商品情報に基づいて、注文を受けた商品に使用される材料を特定し、使用される量だけ各材料の在庫量を減らした値を現在の在庫量として特定し、データベース12に記憶する。在庫量情報は、例えば、各材料について、種類、在庫量、仕入れ日、及び利用期限のうち、少なくとも一部を含んでもよい。
【0045】
また、制御部13は、材料の自動発注のための処理を行ってもよい。例えば、制御部13は、データベース12に記憶されたモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて、対象となる店舗(商品提供者)の商品の材料の現在の在庫量を上記の方法により特定し、特定された在庫量に基づいて、上記材料の発注のための処理を実施してもよい。制御部13は、例えば、上記材料の在庫量が予め設定された所定値未満となったことに応じて、上記材料の発注のための処理を実施してもよい。材料の発注のための処理は、例えば、材料を販売する事業者のシステムへの材料の発注情報の送信処理を含んでもよい。
【0046】
(B-5)人的リソース情報管理
制御部13は、例えば、外部システムである人的リソース管理システムから通信部11を介して受信した情報に基づいて、店舗におけるスタッフの勤務情報、又は人件費(若しくは人件費単価)、又は勤怠に関する情報である人的リソース情報を取得し、データベース12に記録する。また、制御部13は、例えば、所定期間(例えば、1日又は1月)の人的リソース情報に基づいて、所定期間の人件費を算出してもよい。
【0047】
(B-6)資金情報管理
制御部13は、例えば、外部システムである金融機関のシステム又は会計管理システムから通信部11を介して受信した情報に基づいて、店舗の資金情報を特定し、データベース12に記憶することにより、店舗の資金情報を管理する。
【0048】
(B-7)販売促進施策管理
制御部13は、データベース12に記憶された情報又は外部システムから取得した情報に基づいて、商品の販売促進策の実施の要否を判断してもよい。例えば、制御部13は、商品提供者の売上に基づいて、販売促進施策の実施の要否を判断してもよい。商品提供者の売上は、モバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて、特定されてもよい。制御部13は、例えば、売上が所定の閾値以下であることに基づいて、販売促進施策の実施が必要であると判断してもよい。制御部13は、販売促進施策の実施が必要であると判断されたことに応じて、販売促進施策の実施が必要であることを示す通知を、通信部11を介して商品提供者の端末装置20に送信してもよい。
【0049】
(B-8)在庫・リソース・施策最適化
制御部13は、上記の制御部13による処理結果、又はデータベース12に記憶された情報に基づいて、材料の在庫、人的リソース、又は販売促進施策の最適化のための通知を、通信部11を介して商品提供者の端末装置20に送信してもよい。例えば、制御部13は、材料の在庫量が所定閾値以上であるときに、在庫量が余剰であることを示す通知を、通信部11を介して商品提供者の端末装置20に送信してもよい。また、制御部13は、人的リソース(例えば、人件費)が所定閾値以上であるときに、そのことを示す通知を、通信部11を介して商品提供者の端末装置20に送信してもよい。また、制御部13は、販売促進施策の実施後、売上の変化が所定値内であるときに、販売促進施策の効果が低いことを示す通知を、通信部11を介して商品提供者の端末装置20に送信してもよい。
【0050】
(C)決済情報管理機能133
決済情報管理機能133は、POSシステムと連携し、店舗における取引(注文)に関する決済情報又は売上情報を取得する機能である。取得された決済情報又は売上情報は、他の機能で使用される。決済情報は、例えば、決済手段、決済日時、又は決済金額を含んでもよい。売上情報は、例えば、決済手段、決済日時、売上金額、又は売上経路(例えば、モバイルオーダー又はデリバリーサービス経由)を含んでもよい。
(D)店舗向け機能134
店舗向け機能134は、店舗(又は商品提供者)がシステム1を利用するためのユーザインタフェースを提供する機能である。例えば、制御部13は、ユーザインタフェースのための情報を店舗(又は商品提供者)の端末装置20に通信部11を介して送信し、端末装置20は、受信した情報に基づいて、ユーザインタフェースを表示部に表示する。当該ユーザインタフェースは、例えば、決済、オーダー確認、顧客とのコミュニケーション(例えば、商品等に関するクーポン又は割引情報の配信)、売上確認、又は上記の統計情報確認のためのインタフェースを含む。
【0051】
[処理フロー]
図5を参照して、システム1における例示的な処理フローを説明する。以下に説明する各処理ステップは、例えば、サーバ装置10及び端末装置20が有する制御部が、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0052】
システム1において実行される処理の詳細は既に説明しているため、以下の処理フローの説明において、既に説明した内容については簡略化又は省略する。なお、
図5に示す処理の例おいて、端末装置20aは、店舗の顧客が使用するモバイル端末である。端末装置20bは、デリバリーサービスを利用する顧客が使用する端末装置である。端末装置20cは、店舗の端末装置である。
【0053】
ステップS51において、端末装置20aは、商品を注文する顧客による操作入力に応じて受け付けた注文情報をモバイル注文情報として、サーバ装置10に送信する。
【0054】
ステップS52において、端末装置20bは、デリバリーサービスを利用して商品を注文する顧客による操作入力に応じて受け付けた注文情報をデリバリー注文情報として、デリバリーサービスのシステム(図示せず。)を介してサーバ装置10に送信する。
【0055】
ステップS53において、端末装置20cは、店舗にて商品を注文する顧客による操作入力に応じて受け付けた注文情報を店舗注文情報として、サーバ装置10に送信する。
【0056】
ステップS53において、サーバ装置10は、受信したモバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とに基づいて、商品提供者の支出及び売上に関する収支情報を特定する。
【0057】
ステップS54において、サーバ装置10は、ステップS53で特定した収支情報を商品提供者の端末装置20dに送信する。
【0058】
以上のように本実施形態によれば、サーバ装置10は、モバイル注文情報と、デリバリー注文情報と、店舗注文情報とを集約した注文情報に基づいて、例えば、店舗の収支計算を行い、特定された収支情報を商品提供者に送信するため、モバイルオーダーにより受けた注文に関する情報をより効果的に活用することが可能である。
【0059】
[ハードウェア構成]
図7を参照して、サーバ装置10及び端末装置20をコンピュータ800により実現する場合における、コンピュータ800のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0060】
図7に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。コンピュータ800は、図示しないが、各種アクチュエータ(例えば、モータ)、測位モジュール(例えば、GPSモジュール)、又は各種センサを含んでもよい。
【0061】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における各種の処理を制御する制御部である。
【0062】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0063】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。なお、記憶装置805は、メモリ803と同じデバイスであってよい。
【0064】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0065】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0066】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0067】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0068】
[変形例]
上記実施形態におけるシステム1(又は、サーバ装置10、若しくは端末装置20)を実装するためのプログラムは、CD-ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0069】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0070】
1 システム
10 サーバ装置
11 通信部
12 データベース
13 制御部
20 端末装置
21 通信部
22 データベース
23 制御部
800 コンピュータ
801 プロセッサ
803 メモリ
805 記憶装置
807 入力I/F部
809 データI/F部
811 通信I/F部
813 表示装置
N ネットワーク