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  • 特許-植物性材料を組み込む無煙タバコ組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】植物性材料を組み込む無煙タバコ組成物
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20240527BHJP
   A24B 15/26 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/26
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022142760
(22)【出願日】2022-09-08
(62)【分割の表示】P 2019141950の分割
【原出願日】2014-09-08
(65)【公開番号】P2022172334
(43)【公開日】2022-11-15
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】14/021,409
(32)【優先日】2013-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/072,318
(32)【優先日】2013-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セルバン・シー・モルドベアヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー・ウェイン・マーシャル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイン・アレン・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ドウェイン・ウィリアム・ビーソン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・バーディン・カントレル
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-532490(JP,A)
【文献】特表2005-527186(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0074856(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0037175(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0138074(US,A1)
【文献】特開2011-130689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 13/00
A24B 15/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品のユーザの口腔内への挿入のために構成される製品であって、前記製品が、
タバコ由来のニコチン、
少なくとも1つの非タバコ植物性材料、及び
タバコ由来のニコチン及び前記少なくとも1つの非タバコ植物性材料と混和される溶解可能または融解可能な基剤組成物
を含み、
前記非タバコ植物性材料が、前記製品の総乾燥重量の少なくとも5%を成し、
前記非タバコ植物性材料の少なくとも第一部分が、細断された又は粒子状の植物性材料の形態である、前記製品。
【請求項2】
下記条件の1つ:
前記基剤組成物が、少なくとも80重量%の量で糖アルコールを含む溶解可能なトローチ配合物である、
前記基剤組成物が、36℃~45℃の融点を有する脂質を含む融解可能な配合物である;及び
前記製品が、天然ガム結合剤構成成分と組み合わせて糖アルコールを含む錠剤の形態である、
を満たす、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記溶解可能なトローチ配合物の前記糖アルコールが、イソマルトを含み、前記基剤組成物が、マルチトールを更に含む、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
前記タバコ由来のニコチンが医薬品グレードのニコチンである、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
前記非タバコ植物性材料が、250(μmol TE)/g以上のORAC指数値を有し;又は
前記非タバコ植物性材料が、250(μmol/Fe2+)/g以上のFRAP指数値を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
前記製品が、少なくとも20(μmol TE)/gのORAC指数値若しくは少なくとも50(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
前記非タバコ植物性材料の第二部分が、ローズマリー、オレガノ、セージ、ハイビスカス、クローブ、ローズヒップ、イエルバマテ、ココア、ターメリック、グアユサ、ハニーブッシュ、緑茶、紅茶、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモンニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項8】
前記非タバコ植物性材料の第二部分が、前記製品の総乾燥重量の少なくとも1%である、請求項7に記載の製品。
【請求項9】
前記非タバコ植物性材料の第二部分が、粒子、油又は水抽出物の形態である、請求項7に記載の製品。
【請求項10】
前記非タバコ植物性材料が、茶またはティザン材料である、請求項1に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコから作製されたまたはタバコに由来する、あるいは別の様式でタバコを組み込み、ヒトによる消費を目的とする製品に関する。
【背景技術】
【0002】
巻きタバコ、葉巻、及びパイプは、種々の形態でタバコを用いる人気のある喫煙物品である。そのような喫煙物品は、タバコを加熱または燃焼することによって使用され、エアロゾル(例えば、煙)が喫煙者によって吸入される。タバコは、いわゆる「無煙」形態でも嗜まれている。特に人気のある無煙タバコ製品は、何らかの形態の加工タバコまたはタバコを含有する配合物をユーザの口腔内に挿入することによって用いられる。
【0003】
例えば、Schwartzへの米国特許第1,376,586号、Leviへの同第3,696,917号、Pittmanらへの同第4,513,756号、Sensabaugh,Jr.らへの同第4,528,993号、Storyらへの同第4,624,269号、Tibbettsへの同第4,991,599号、Townsendへの同第4,987,907号、Sprinkle,IIIらへの同第5,092,352号、Whiteらへの同第5,387,416号、Williamsへの同第6,668,839号、Williamsへの同第6,834,654号、Atchleyらへの同第6,953,040号、Atchleyらへの同第7,032,601号、及びAtchleyらへの同第7,694,686号、Williamsへの米国特許公開第2004/0020503号、Quinterらへの同第2005/0115580号、Stricklandらへの同第2006/0191548号、Holton,Jr.らへの同第2007/0062549号、Holton,Jr.らへの同第2007/0186941号、Stricklandらへの同第2007/0186942号、Dubeらへの同第2008/0029110号、Robinsonらへの同第2008/0029116号、Robinsonらへの同第2008/0173317号、Engstromらへの同第2008/0196730号、Neilsenらへの同第2008/0209586号、Crawfordらへの同第2008/0305216号、Essenらへの同第2009/0065013号、Kumarらへの同第2009/0293889号、Gaoらへの同第2010/0291245号、及びMuaらへの同第2011/0139164号、ArnarpらへのPCT国際公開第04/095959号、及びAtchleyへの国際公開第2010/132444 A2号に記載されている無煙タバコ配合物の種類、成分、及び加工方法論を参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。市販されている例示的無煙タバコ製品には、R.J.Reynolds Tobacco CompanyのCAMEL Snus、CAMEL Orbs、CAMEL Strips、及びCAMEL Sticks;American Snuff Company,LLCのGRIZZLY湿性タバコ、KODIAK湿性タバコ、LEVI GARRETTルースタバコ、及びTAYLOR’S PRIDEルースタバコ;Swisher International,Inc.のKAYAK湿性嗅ぎタバコ及びCHATTANOOGA CHEWかみタバコ;Pinkerton Tobacco Co.LPのREDMANかみタバコ、U.S.Smokeless Tobacco CompanyのCOPENHAGEN湿性タバコ、COPENHAGEN Pouches、SKOAL Bandits、SKOAL Pouches、RED SEALロングカット、及びREVEL Mint Tobacco Packs;並びにPhilip Morris USAのMARLBORO Snus及びTabokaと称されるものが含まれる。
【0004】
数年にわたって、タバコ組成物で利用されるタバコ材料の全体的な特性または性質を変更するための種々の処理方法及び添加剤が提案されている。例えば、タバコ材料の化学特性または官能特性を変更するために、または喫煙可能なタバコ材料の場合には、タバコ材料を含む喫煙物品によって生成される主流煙の化学特性または官能特性を変更するために、添加剤または処理プロセスが利用されることがある。
【0005】
当該技術分野において、喫煙物品または無煙タバコ製品において有用なタバコ(並びにタバコ組成物及び配合物)の特徴及び性質を変更する組成物を提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第1,376,586号明細書
【文献】米国特許第3,696,917号明細書
【文献】米国特許第4,513,756号明細書
【文献】米国特許第4,528,993号明細書
【文献】米国特許第4,624,269号明細書
【文献】米国特許第4,991,599号明細書
【文献】米国特許第4,987,907号明細書
【文献】米国特許第5,092,352号明細書
【文献】米国特許第5,387,416号明細書
【文献】米国特許第6,668,839号明細書
【文献】米国特許第6,834,654号明細書
【文献】米国特許第6,953,040号明細書
【文献】米国特許第7,032,601号明細書
【文献】米国特許第7,694,686号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【文献】国際公開第2004/095959号
【文献】国際公開第2010/132444号
【発明の概要】
【0007】
本発明は、タバコ材料及び別個の植物性構成成分を含む無煙タバコ製品に関する。無煙タバコ製品への植物性材料の追加は、抗酸化特性の増強、官能的特徴の変化、及び健康または医療的利益の付加の可能性等の多数の利点を提示することができる。本出願の焦点は無煙タバコ製品であるが、本明細書に示されるタバコ/植物性組成物は、巻きタバコまたは電子巻きタバコ等の喫煙物品にも組み込まれ得る。
【0008】
本発明の種々の実施形態では、無煙タバコ製品のユーザの口腔内への挿入のために構成される無煙タバコ製品が提供され、本無煙タバコ製品は、少なくとも1つの植物性材料と混合されたタバコ材料を含み、この植物性材料は、無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約0.1%を成す。本タバコ配合物は、例えば、透水性小袋内に収容されてもよい。
【0009】
本明細書に記載される無煙タバコ製品の種々の実施形態では、本植物性材料は、約250(μmol TE)/g以上、約500(μmol TE)/g以上、または約1000(μmol TE)/g以上のORAC指数値を有し得る。いくつかの実施形態では、本植物性材料は、約250(μmol/Fe2+)/g以上、または約500(μmol/Fe2+)/g以上、または約1000(μmol/Fe2+)/g以上のFRAP指数値を有し得る。
【0010】
本無煙タバコ製品はまた、ORAC指数値またはFRAP指数値によって特徴付けられてもよく、それらの値は、無煙タバコ製品の種類及び構造、製品中のタバコの種類及び量、並びに製品中の追加の植物性材料の種類及び量によって異なるだろう。本明細書に記載される無煙タバコ製品、特に、スヌースタイプの製品の種々の実施形態では、本無煙タバコ製品は、少なくとも約50(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約80(μmol/Fe2+)のFRAP指数値を有し得る。いくつかの実施形態では、本無煙タバコ製品は、少なくとも約75(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約100(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有し得る。
【0011】
種々の種類の植物性材料が、無煙タバコ製品に含まれてもよい。例えば、本植物性材料は、ローズマリー、オレガノ、セージ、ハイビスカス、クローブ、ローズヒップ、イエルバマテ、ココア、ターメリック、グアユサ、ハニーブッシュ、緑茶、紅茶、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモンニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。いくつかの実施形態では、無煙タバコ製品は、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバマテ、またはそれらの組み合わせを組み込んでもよい。無煙タバコ製品のいくつかの実施形態では、植物性材料は、茶またはティザン材料である。加えて、植物性材料は、種々の形態で提供され得る。種々の実施形態では、タバコ材料及び植物性材料の両方は、粒子形態であってもよい。無煙タバコ材料のいくつかの実施形態では、タバコ材料及び植物性材料のうちの少なくとも1つは、油もしくは水抽出物またはエタノールもしくは他のアルコール抽出物の形態である。種々の実施形態では、タバコ材料は、タバコ由来のニコチン溶液である。
【0012】
無煙タバコ製品の種々の実施形態では、本植物性材料は、無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約1%、または少なくとも約5%を成すことができる。より多量の植物性材料が、製品のより高い抗酸化特性を達成するために使用され得る。植物性抽出物が使用されるある特定の実施形態では、本植物性材料は、無煙タバコ製品の総乾燥重量の約1%以下または約0.5%以下を成してもよい。1つの実施形態では、本植物性材料は、(i)無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約1%(または少なくとも約5%)の量で存在する細断されたもしくは粒子状の植物性材料であるか、または(ii)無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約0.1%(または少なくとも約0.5%)の任意の量で存在する植物性材料抽出物のいずれかである。
【0013】
無煙タバコ製品の種々の実施形態は、風味剤、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、塩、甘味料、着色剤、崩壊補助剤、他の抗酸化剤、湿潤剤、及び防腐剤から成る群から選択される1つ以上の追加構成成分を更に含み得る。
【0014】
本明細書に記載される無煙タバコ製品の一実施形態では、本製品は、透水性小袋内に収容されるスヌース製品の形態であってもよく、かつ無煙タバコ製品の総乾燥重量に基づき、少なくとも約50%の低温殺菌及び発酵された粒子状タバコ材料を含んでもよく、本植物性材料は、粒子形態であってもよい。更に、本植物性材料は、ローズマリー、オレガノ、セージ、ハイビスカス、クローブ、ローズヒップ、イエルバマテ、ココア、ターメリック、グアユサ、ハニーブッシュ、緑茶、紅茶、ルイボス、及びそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。ある特定の実施形態では、スヌース製品は、少なくとも約50(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約80(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有し得る。
【0015】
ある特定の実施形態では、本無煙タバコ製品は、ある特定の望ましい官能的特徴を製品に授けるのに十分な量で緑茶、グアユサ、ルイボス、またはハニーブッシュのうちの1つ以上を含む。例示的な量には、約1~約5乾燥重量パーセントの量で水抽出物として、または約5~約10乾燥重量パーセントの量で粉末の形態として存在する緑茶、グアユサ、ルイボス、もしくはハニーブッシュが挙げられる。
【0016】
種々の実施形態では、無煙タバコ製品のユーザの口腔内への挿入のために構成される無煙タバコ製品が提供され、本無煙タバコ製品は、タバコ材料及び植物性材料と混和された溶解可能または融解可能な基剤組成物を含み、本植物性材料は、無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約0.1%の量で存在する。更に、本植物性材料は、ローズマリー、オレガノ、セージ、ハイビスカス、クローブ、ローズヒップ、イエルバマテ、ココア、ターメリック、グアユサ、ハニーブッシュ、緑茶、紅茶、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモンニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。溶解可能または融解可能な基剤を含む本無煙タバコ製品は、ORAC指数値またはFRAP指数値によって特徴付けられてもよく、このような値は、より少ない総植物性材料が該製品中に典型的には存在するため、ある特定の実施形態においては、スヌース製品よりも低い。この種類の例示的な無煙タバコ製品は、少なくとも約20(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約50(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有し得る。いくつかの実施形態では、この種類の本無煙タバコ製品は、少なくとも約50(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約80(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有し得る。
【0017】
無煙タバコ製品のある特定の実施形態では、本無煙タバコ製品は、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバマテ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される植物性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、本植物性材料の少なくとも一部分は、蒸発させた植物ジュースの残留物の形態で提供され得る。種々の実施形態では、植物ジュースは、発酵されてもよい。
【0018】
種々の実施形態では、無煙タバコ製品は、基剤組成物を含んでもよく、その基剤組成物は、糖アルコールを少なくとも約80重量%の量で含む溶解可能なトローチ配合物である。いくつかの実施形態では、溶解可能なトローチ配合物の糖アルコールは、イソマルトを含み、基剤組成物は、マルチトールを更に含む。
【0019】
種々の実施形態では、無煙タバコ製品は、基剤組成物を含んでもよく、その基剤組成物は、約36℃~約45℃の融解点を有する脂質を含む融解可能な配合物である。いくつかの実施形態では、基剤組成物は、約30重量%以上の量で脂質を、及び約30重量%以上の量で充填剤を含み得る。いくつかの実施形態では、充填剤は、糖アルコールであり得る。更に、ある特定の実施形態では、糖アルコールは、イソマルトであり得る。
【0020】
種々の実施形態では、本無煙タバコ製品は、天然ガム結合剤構成成分と組み合わせて多糖充填剤または糖アルコールのいずれかを含む錠剤の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、多糖充填剤は、ポリデキストロースを含み得る。いくつかの実施形態では、錠剤の多糖充填剤構成成分は、乾燥重量基準で、錠剤配合物の約10重量パーセント~約25重量パーセントの量で存在し得る。種々の実施形態では、錠剤は、少なくとも約20乾燥重量パーセントの糖アルコール及び少なくとも約25乾燥重量パーセントの天然ガム結合剤構成成分を含み得る。錠剤は、いくつかの実施形態では、アラビアガムと組み合わせてイソマルトを含み得る。
【0021】
本発明は、以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
【0022】
実施形態1:無煙タバコ製品のユーザの口腔内への挿入のために構成される無煙タバコ製品であって、タバコ材料及び少なくとも1つの植物性材料を含み、該植物性材料が、該無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約0.1%を成す、該無煙タバコ製品。
【0023】
実施形態2:該無煙タバコ製品が、該タバコ材料及び該植物性材料と混和される溶解可能または融解可能な基剤組成物を更に含む、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0024】
実施形態3:該タバコ配合物が、透水性小袋内に収容される、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0025】
実施形態4:該植物性材料が、約250(μmol TE)/g以上のORAC指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0026】
実施形態5:該植物性材料が、約500(μmol TE)/g以上のORAC指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0027】
実施形態6:該植物性材料が、約1000(μmol TE)/g以上のORAC指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0028】
実施形態7:該植物性材料が、約250(μmol/Fe2+)/g以上のFRAP指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0029】
実施形態8:該植物性材料が、約500(μmol/Fe2+)/g以上のFRAP指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0030】
実施形態9:該植物性材料が、約1000(μmol/Fe2+)/g以上のFRAP指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0031】
実施形態10:該無煙タバコ製品が、少なくとも約50(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約80(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0032】
実施形態11:該無煙タバコ製品が、少なくとも約75(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約100(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0033】
実施形態12:該植物性材料が、ローズマリー、オレガノ、セージ、ハイビスカス、クローブ、ローズヒップ、イエルバマテ、ココア、ターメリック、グアユサ、ハニーブッシュ、緑茶、紅茶、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモンニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0034】
実施形態13:該植物性材料が、茶またはティザン材料である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0035】
実施形態14:該タバコ材料及び該植物性材料の両方が、粒子形態である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0036】
実施形態15:該タバコ材料及び該植物性材料のうちの少なくとも1つが、油または水抽出物の形態である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0037】
実施形態16:該植物性材料が、該無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約1%を成す、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0038】
実施形態17:該植物性材料が、該無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約5%を成す、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0039】
実施形態18:風味剤、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、塩、甘味料、着色剤、崩壊補助剤、湿潤剤、及び防腐剤から成る群から選択される1つ以上の追加構成成分を更に含む、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0040】
実施形態19:該植物性材料が、(i)該無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約1%の量で存在する細断された、摩砕された、もしくは粒子状の植物性材料、または(ii)該無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約0.1%の任意の量で存在する植物性材料抽出物のいずれかである、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0041】
実施形態20:該植物性材料が、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバマテ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0042】
実施形態21:該タバコ材料が、タバコ由来のニコチン溶液である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0043】
実施形態22:該植物性材料の少なくとも一部分が、蒸発させた植物ジュースの残留物の形態で提供される、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0044】
実施形態23:該植物ジュースが、発酵される、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0045】
実施形態24:該製品が、透水性小袋内に収容されるスヌース製品の形態であり、かつ該無煙タバコ製品の総乾燥重量に基づき、少なくとも約50%の低温殺菌及び発酵された粒子状タバコ材料を含み、該植物性材料が、粒子形態である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0046】
実施形態25:該植物性材料が、ローズマリー、オレガノ、セージ、ハイビスカス、クローブ、ローズヒップ、イエルバマテ、ココア、ターメリック、グアユサ、ハニーブッシュ、緑茶、紅茶、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモンニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0047】
実施形態26:該無煙タバコ製品が、少なくとも約50(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約80(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0048】
実施形態27:該無煙タバコ製品が、少なくとも約20(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約50(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0049】
実施形態28:該基剤組成物が、少なくとも約80重量%の量で糖アルコールを含む溶解可能なトローチ配合物である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0050】
実施形態29:該溶解可能なトローチ配合物の該糖アルコールが、イソマルトを含み、該基剤組成物が、マルチトールを更に含む、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0051】
実施形態30:該基剤組成物が、約36℃~約45℃の融解点を有する脂質を含む融解可能な配合物である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0052】
実施形態31:該基剤組成物が、約30重量%以上の量の該脂質と、約30重量%以上の量の充填剤とを含む、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0053】
実施形態32:該充填剤が、糖アルコールである、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0054】
実施形態33:該糖アルコールが、イソマルトである、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0055】
実施形態34:該無煙タバコ製品が、天然ガム結合剤構成成分と組み合わせて多糖充填剤または糖アルコールのいずれかを含む錠剤の形態である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0056】
実施形態35:該多糖充填剤が、ポリデキストロースを含む、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0057】
実施形態36:該錠剤の該多糖充填剤構成成分が、乾燥重量基準で、該錠剤配合物の約10重量パーセント~約25重量パーセントの量で存在する、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0058】
実施形態37:該錠剤が、少なくとも約20乾燥重量パーセントの糖アルコール及び少なくとも約25乾燥重量パーセントの天然ガム結合剤構成成分を含む、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0059】
実施形態38:該錠剤が、アラビアガムと組み合わせてイソマルトを含む、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0060】
実施形態39:該タバコ材料及び該植物性材料の両方が、油または水抽出物の形態である、前後の実施形態のいずれかに記載の無煙タバコ製品。
【0061】
本開示のこれらのまたは他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を以下に簡単に記載される添付の図面と併せて読み取ることから明確になるだろう。本発明は、かかる特徴または要素が、本明細書に記載される具体的な実施形態において明示的に組み合わされているかどうかに関らず、上述の実施形態の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の任意の組み合わせ、並びに本開示において記載される任意の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の特徴または要素の組み合わせを含む。本開示は、開示される発明の任意の分離可能な特徴または要素が、その種々の態様及び実施形態のいずれかにおいて、文脈上明確に指定しない限り、組み合わせ可能であるように意図されているとみなされるべきであるように、総合的に読み取られるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明の実施形態の理解をもたらすために、添付の図面が参照され、それらは必ずしも縮尺通りに描かれておらず、その図面において、参照番号は本発明の記載される例示的な実施形態の構成要素を指す。図面は、例示に過ぎず、本発明を限定するものとして解釈するべきではない。
【0063】
図1】タバコ材料及び植物性材料の組み合わせで充填された外側小袋を示す、製品の幅方向に切り取られた無煙タバコ製品実施形態の上面図である。
図2】タバコ材料及び植物性材料の組み合わせ並びにその中に配置される任意のマイクロカプセルで充填された外側小袋を示す、製品の幅方向に切り取られた無煙タバコ製品実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
ここで、本発明を、添付の図面を参照してより完全に以下に説明する。本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に示される実施形態に限定されるとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。全体を通して、同様の番号は、同様の構成要素を示す。本明細書及び特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明確に指定しない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」または「乾燥重量基準」への言及は、乾燥成分(すなわち、水を除く全ての成分)の基準に基づく重量を指す。
【0065】
本発明は、別個の植物性材料(例えば、葉または抽出物)を組み込むタバコ組成物、そのようなタバコ組成物を組み込む無煙タバコ製品、及び植物性材料を含むタバコ組成物を調製して、そのような組成物を無煙タバコ製品内に組み込むための方法を提供する。植物性材料の無煙タバコ製品への追加は、特定の植物性材料の選択並びにタバコ製品の性質及び種類によって異なるだろう多数の利点を提示することができる。例示的な利点には、無煙タバコ製品の抗酸化特性の増強、無煙タバコ製品の官能的特徴の変化、及び無煙タバコ製品に関連付けられる健康または医療的利益の付加の可能性が挙げられる。植物もしくはハーブ源に由来するまたはそれらから単離される構成成分を含む本発明のある特定の実施形態では、植物性またはハーブ構成成分は、免疫系促進作用、抗酸化作用等の有利な生物学的機能を製品に追加することができる。例えば、Summersへの米国特許第4,696,315号、Dubeらへの米国出願公開第2011/0061666号、及びByrdらへの同第2012/0272976号を参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
本明細書に使用する場合、「植物性材料」という用語は、その自然形態である植物材料及び抽出物等の天然植物材料に由来する植物材料または植物材料もしくは処理された植物材料からの単離体(例えば、加熱処理、発酵、または材料の化学性質を変化させることができる他の処理プロセスに供される植物材料)を含む、任意の植物材料を指す。本開示の目的に関して、「植物性材料」には、永続的な木組織を発育せず、頻繁に、それらの医療的または官能的特徴で査定される種子生産植物を指す「ハーブ材料」が挙げられるが、これに限定されない(例えば、茶またはティザン)。植物性材料への言及は、タバコ材料を含むことは意図されていない(すなわち、あらゆるニコチアナ種を含まない)。本発明に使用される植物性材料は、限定されないが、それらの混合物を含む本明細書に示される化合物及び源のうちのいずれかを含み得る。この種類のある特定の植物性材料は、健康補助食品、栄養補給食品、「植物性化学物質」、または「機能的食品」と称されることがある。
【0067】
それらの多くが抗酸化特徴に関連付けられる例示的な植物性材料には、限定されないが、アサイベリー、ムラサキウマゴヤシ、オールスパイス、アンナットシード、杏油、バジル、ビーバーム、ワイルドベルガモット、ブラックペッパー、ブルーベリー、ボラージシードオイル、蝦夷白根、カカオ、カラマスルート、イヌハッカ、カツアーバ、カイエンペッパー、カバノアナタケ、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモ皮、グレープシード、チョウセンニンジン、イチョウ、セントジョンズワート、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホッシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココア粉末、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキネシア、ニンニク、マツヨイグサ、ナツシロギク、ショウガ、ゴールデンシール、セイヨウサンザシ、ハイビスカス花、甘葛、キャバ、ラベンダー、カンゾウ、マージョラム、ミルクシスル、ミント(マント)、ウーロン茶、ビート根、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ペニーロイヤル、ペパーミント、アカツメクサ、ルイボス(レッドまたはグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリーセージ、セイボリー、スペアミント、スピルリナ、アカニレの樹皮、ソルガムブラン高タンニン、ソルガムグレイン高タンニン、ウルシブラン、コンフリー葉及び根、ゴジベリー、グツコーラ、タイム、ターメリック、ウワウルシ、カノコソウ、ワイルドヤム根、ウィンターグリーン、ヤーコン根、イエロードック、イエルバマテ、イエルバサンタ、バコパモニエラ、アシュワガンダ、並びにシリバムマリアナムが挙げられる。
【0068】
植物性材料は、頻繁に、鉱物、アスコルビン酸等のビタミン、イソフラボン、フィトエステロール、アリル硫化物、ジチオルチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール、植物性フェノール類、トコフェノール、ユビキノン、ベンゾジオキソール、カロテノイド等のある特定の生物活性作用を提供することが知られている種々の分類の化合物を含む。より具体的には、植物由来の典型的な抗酸化物質は、次の群、すなわち、モノテルペノイドフェノール;チモール、カルバコール、メントール等のアルコール;p-シメン;カルノシン酸、カルノソール、ロスマノール等のジテルペンフェノール;コーヒー酸、クロロゲン酸、ロスマリン酸、p-クマル酸、レスベラトロール、クルクミン、オイゲノール、シナマラデヒド等のヒドロキシ桂皮酸系化合物;没食子酸、プロトカテク酸、プロピル没食子酸塩等のヒドロキシ安息香酸及び誘導体;スコポレチン、クマリン等の2-ベンゾプリオン;ケルセチン、ゲニステイン、ナリンゲニン、ジオスミン、ルチン等の4-ベンゾピロン;アスパラチン、ノトファジン等のジヒドロカルコン;エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン没食子酸塩、エピガロカテキン没食子酸塩等のフラバノール;アントシアニン及びアントシアニジン;ウルソル酸、オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸等のトリテルペン;α、β、γ、δ-トコフェノール等のトコフェノール;トコトリエノール;β-カロテンまたはルテイン等のカロテノイド;ユビキノン、CoQ10;アスコルビルパルミテート;ミリスチシン、ピペリン、サフロール等のベンゾジオキソール;ガンボジック酸、ギンゲロール等の並びに他の化合物等に分類され得る。抗酸化特性の他に、上述のある特定の化合物は、特有の風味、着色、防腐性特性、抗発癌性作用等の特性も有し得る。
【0069】
植物性材料において見られる例示的な化合物には、プロピレングリコール、乳酸、グリコール酸、アラニン、カンフル、ピルビン酸、アスパラチン、ボルネオール、メントール、リン酸塩、グリセリン、プロリン、コハク酸、チモール、グリセリン酸、2-ブテンジオン酸、3-ヒドロキシグルタル酸、リンゴ酸、5-オキソプロリン(ピログルタミン酸)、アスパラギン酸、トリヒドロキシブタン酸、グルタミン、アスパラギン、レボグルコサン、キシリトール、リビトール、2-ケト-L-グルコン酸、フルクトース、カフェイン、クエン酸、グルコサミン、ネオフィタジエン、アルトロース、キナ酸、キシルロース、グルコース、イノシトール、2-アミノ-2-デオキシグルコース、グルシトール、アスコルビン酸、グルコース、没食子酸、グルコン酸、ガラクタル酸、ヘキサデカン酸、3,4-ジヒドロキシフェニル-2-ヒドロキシプロピオン酸、グルクロン酸、ミオイノシトール、コーヒー酸、トリプトファン、リノレン酸、オクタデカン酸、ガラクツロン酸、ロスマリシン、カルノシン酸、メリビオース、カルノソール、フィトステロール、スクロース、ロスマノール、2,5-デオキシフルクトサジン、2,6-デオキシフルクトサジン、フルクトサジン、マルチトール、エピカテキン、ノソファジン(nothofagin)、オリエンチン、カテキン、エピガロカテキン、クマロイルキナ酸、トコフェロル、クロロゲン酸、スチグマステロール、ロスマリン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、グリデリニン、エピカテキン没食子酸塩、カテキン没食子酸塩、エピガロカテキン没食子酸塩、ガロカテキン没食子酸塩、ソラネソール等が挙げられるが、これらに限定されない。更なる例示的な化合物に関しては、例えば、Santhosh et al.,Phytomedicine,12(2005)216-220を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
植物性材料は、本発明の無煙タバコ組成物及び製品において種々の形態で使用され得る。例示的な形態は、細断されたまたは粒子状の(例えば、顆粒または粉末として特徴付けられる形態の摩砕もしくは粉砕された製品)形態の植物材料を含む。例示的な形態は、油、水抽出物、またはアルコール(例えば、エタノール)抽出物等の形態の植物材料の単離された構成成分も含み、固形(例えば、凍結乾燥または噴霧乾燥された形態)で任意に使用され得る。
【0071】
ある特定の実施形態では、非タバコ植物は、有利な官能的特徴(例えば、味、芳香、もしくは色)または結合剤もしくは充填剤としての機能等の他の機能的利益を提供するだろう。ある特定の実施形態では、非タバコ植物は、抗酸化品質等の望ましい生物活性または健康に関する効果に関連付けられ得る。特に好ましい実施形態では、非タバコ植物構成成分は、配合物中のタバコ由来の材料に関連付けられる官能的特徴を補い、いくつかの場合には、更にタバコのような官能的特徴に寄与するだろう。いくつかの実施形態では、非タバコ植物の存在は、製品の望ましい官能的特徴全体と調和しない口腔及び喉の官能的特徴に関連付けられ、いくつかの場合には、配合物に関連付けられない限り、口腔及び/または喉の炎症の低減に寄与することができる。緑茶(カメリアシネシス(Camellia sinesis))、グアユサ、ルイボス(特にグリーンルイボス)、及びハニーブッシュ(特にレッドハニーブッシュ)は、上述の望ましい特徴をもたらすことができる特に有利な非タバコ植物構成成分である。
【0072】
ハニーブッシュ(Cyclopia属)は、その花の蜂蜜のような芳香に名前が由来するマメ科の顕花植物である。ハニーブッシュ植物は、南アフリカに特有のものであり、例示的な種には、Cyclopia genistoides、Cyclopia longifolia、Cyclopia maculata、Cyclopia subternata、及びCyclopia intermediaが挙げられる。ハニーブッシュ植物の葉は、ティザンにおいて使用されることがある。ハニーブッシュ植物の芽(葉及び小枝)は、典型的には、収穫され、切り刻まれるか、または細断される。その後、植物材料は、より明るい色で甘味の少ない「未成熟」形態でそのまま使用されてもよく、または甘味を増強し、豊富な琥珀色を生産する「レッド」ハニーブッシュを生産するための発酵プロセスに供されてもよい。いずれかの形態のハニーブッシュは、専門の茶配給業者から購入することができる。ハニーブッシュ植物は、マンギフェリン等の抗酸化物質中に豊富であり、その癌保護利益の可能性に関して研究されている。Kokotkiewicz,A & Luczkiewics,M.2009.Honeybush(Cyclopia sp.)-A rich source of compounds with high antimutagenic properties.Fitoterapia 80(2009)3-11を参照されたい。ある特定の実施形態では、ハニーブッシュは、水抽出物形態で約1~約5乾燥重量パーセントまたは粉末形態で約5~約10乾燥重量パーセント等、最大約15乾燥重量パーセントの量で存在する。
【0073】
ハニーブッシュ同様、ルイボス(Aspalathus linearis)もまた、南アフリカに土着のマメ科の顕花植物であり、その葉は、ティザンにおいても使用される。ルイボス植物は、収穫され、上述のハニーブッシュと同様の手法で加工され、未成熟または赤褐色(発酵された)形態で利用可能である。いずれかの形態のルイボスは、専門の茶配給業者から購入することができる。ルイボス植物は、抗酸化物質に豊富であり、健康保護利益の可能性に関して研究されている。The Science Behind Roobios-South Africa’s Unique and Healthy Herbal Tea,South African Rooibos Council,July 2013を参照されたい。ある特定の実施形態では、ルイボスは、水抽出物形態で約1~約5乾燥重量パーセントまたは粉末形態で約5~約10乾燥重量パーセント等、最大約15乾燥重量パーセントの量で存在する。
【0074】
種々の実施形態では、植物性材料の少なくとも一部分は、水性及び/またはアルコールベースの形態で追加され得る。例えば、ジュースまたは発酵液体(例えば、ワイン、ビール、または他のアルコール飲料)は、無煙タバコ製品の形成において使用される水構成成分を完全にまたは部分的に置き換えることができる。例示的な水性構成成分には、果物ジュース、野菜ジュース、及びワインが挙げられる。無煙タバコ製品が形成された後、ジュースからの水及び/またはアルコールは、製品の水分含量が低減されるように蒸発し、無煙タバコ製品中に非水性構成成分を残す。これらの残余構成成分は、風味、芳香、色、及び他の官能的特性を無煙製品に授けることができる。任意の種類の果物ジュース、他の植物性材料に由来するジュース、及び/または植物性材料に由来する発酵されたジュースは、望ましい水準の残余構成成分が最終製品中に留まるように、無煙製品を製造するために使用される好適な量の水を置き換えることができる。そのような構成成分は、結合剤の水和を提供するために有用である場合があり、また、ある特定の官能的特徴(例えば、風味、芳香、もしくは色)または植物に関連付けられる生物活性もしくは健康的利益等の、液体が誘導される植物性構成成分に関連付けられる機能特性を導入するためにも有用であり得る。特に、赤ワインの追加は、無煙製品の風味及び抗酸化特性の好ましい変化を生産することができる。
【0075】
例えば、赤ワインは、無煙タバコ製品を生産するために使用される好適な量の水を置き換えるために使用され得る。無煙製品が、最終製品の水分含量を低減させるように乾燥させられると、ワイン中のアルコールが蒸発して、種々の残余構成成分を残し、最終製品への赤みがかった色、製品中の風味付け、及び芳香を導入することができる。
【0076】
植物性材料は、それらの抗酸化特性及び他の潜在的利益に関して評価され得る。植物性材料の評価または植物性材料を組み込むタバコ製品の評価は、例えば、2つの指数、ORAC(酸素ラジカル吸収能)及びFRAP(鉄還元潜在能力)で説明される抗酸化特性に基づいて行うことができる。
【0077】
ORACアッセイは、物質(抗酸化物質)が蛍光基質上で作用する酸化剤の作用を阻害することができる度合い及び時間の長さを説明する指数を提供する。アッセイは、酸化反応の動力の測定に基づいている。抗酸化活性(または指数)は、抗酸化物質によって除去される遊離基のモル数で特徴付けることができる。抗酸化機序は、水素原子移動(HAT)、プロトン移動(SETまたはET-PT)が続く一電子移動、及び連続プロトン喪失電子移動(SPLET)を含む。これらの機序の各々は、異なる動力に関わる。HAT機序に関して、反応は、次のように要約することができる:
【化1】
SET機序に関して、反応は、次のように要約することができる:
【化2】
SPLET機序に関して、反応は、次のように要約することができる:
【化3】
3つの機序の最終結果は、本質的に同じである:過酸化物ラジカルのはるかに反応性が少ない種への変換。
【0078】
抗酸化物質測定方法は、典型的には、標準的な抗酸化物質の存在下または評価される抗酸化物質の存在下での遊離基生成剤と、色または蛍光を有する化合物との反応の速度の測定に基づく。例えば、本発明の種々の実施形態では、ORACアッセイで使用されるラジカルは、例えば、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(AAPH)によって生産されるペルオキシルラジカルであり得る。この化合物は、N及び2つのラジカルを分解及び生成する。これらのラジカルは、分子酸素と反応して、ペルオキシルラジカルを生産する。ペルオキシルラジカルは、水素原子を抗酸化物質から取り除くことによって、または特定の蛍光性試薬を損傷して蛍光の喪失をもたらすことによって、抗酸化物質と反応することができる。例えば、蛍光タンパク質(R-PEまたはR-フィコエリトリン)は、蛍光材料として使用することができる。フルオレセインはまた、蛍光プローブ材料として使用することもできる。ペルオキシルラジカルとの反応に応じて、蛍光材料は、非蛍光生産物を産出し、蛍光の喪失は、蛍光光度計を用いて測定することができる。抗酸化物質保護の度合いは、標準的な抗酸化物質(例えば、ビタミンE類似体であるトロロクスとしても既知である6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)との比較によって定量化され、TE(トロロクス当量)中で発現される。異なる濃度のトロロクスを使用して、標準曲線を作製することができる。ORAC指数の測定は、例えば、Ou B.,Hampsch-Woodill M.,Prior R.L.Development and validation of an improved oxygen radical absorbance capacity assay using fluorescein as the fluorescent probe,J.Agric.Food Chem.,49(2001)4619-4626及びOu B.,Hampsch-Woodill M.,Flanagan J.,Deemer E.K.,Prior R.L.,Huang D.J.,Novel fluorometric assay for hydroxyl radical prevention capacity using fluorescein as the probe,J.Agric.Food.Chem.50(2002)2772-2777に記載される手順に従って実施することができ、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
一般的に、粉砕された植物性材料は、約50%のアセトン及び50%の水を含有する溶液で抽出され得る。抽出後、液体及び固体は、濾過によって分離され得る。次いで、抽出物からの試料は、希釈剤で希釈され得る。ORACアッセイは、親水性材料及び親油性材料の両方を測定することができる。例えば、手順の最初のバージョンにおいて、希釈は、約7.2のpHでリン酸緩衝液を用いて行われ得る。これは、親水性ORAC値を返す。手順の第2のバージョンでは、約50%のアセトン及び50%の水の希釈剤を使用することができ、それは、親油性ORAC値を返す。親水性及び親油性ORAC値は、所与の試料に対する同じ一般的な範囲にある傾向にある。したがって、本明細書における考察の目的において、ORAC値への参照は、親水性または親油性ORAC測定の両方を含み得る。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態では、タバコ製品において有用であり得る植物性材料は、約250(μmol/TE)/g以上、約350(μmol/TE)/g以上、約500(μmol/TE)/g以上、または約1000(μmol/TE)/g以上のORAC指数値を有する。
【0081】
FRAP分析は、Fe3+塩のFe2+塩への還元、及び着色複合体を生成するFe2+と2,4,6-トリピリジル-s-トリアジンとの反応に基づく。複合体の色(吸収)は、分光光度計を使用して規定の波長で測定され得る。FRAP指数の測定は、例えば、Benzie,I.F.F.,Strain,J.J.,The ferric reduction ability of plasma(FRAP)as a measure of “antioxidant power”:the FRAP assay,Anal.Biochem.,239(1996)70-76に記載される手順に従って実施されてもよく、参照により本明細書に組み込まれる。ORAC指数及びFRAP指数の両方が材料の抗酸化特性を測定するため、2つの指数間の相関性は、比較的強い。FRAP指数値は、(μmol/Fe2+)/g値で表される。本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記載されるタバコ製品において有用な植物性材料は、約250(μmol/Fe2+)/g以上、約350(μmol/Fe2+)/g以上、約500(μmol/Fe2+)/g以上、約1000(μmol/Fe2+)/g、または約1500(μmol/Fe2+)/g以上のFRAP指数値を有し得る。
【0082】
本発明の製品及びプロセスで利用されるニコチアナ種(すなわち、タバコ材料)からの植物の選択が、異なってもよく、特に、タバコの種類またはタバコが、異なってもよい。用いられ得るタバコは、鉄管乾燥調製もしくはバージニア(例えば、K326)、バーレー葉、日光乾燥調製(例えば、Katerini、Prelip、Komotini、Xanthi、及びYambolタバコを含むIndian Kurnool及びOrientalタバコ)、Maryland、暗色、暗色焼成、暗色空気乾燥調製(例えば、Passanda、Cubano、Jatin、及びBezukiタバコ)、明色空気乾燥調製(例えば、North Wisconsin及びGalpaoタバコ)、インディアン空気乾燥調製、Red Russian及びRusticaタバコ、並びに種々の他の珍しいまたは特殊なタバコを含む。種々の種類のタバコの説明、発育実践、及び収穫実践は、Tobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)に示され、これは参照により本明細書に組み込まれる。ニコチアナ種の植物の種々の代表的な種類は、Goodspeed,The Genus ニコチアナ,(Chonica Botanica)(1954)、Sensabaugh,Jr.らへの米国特許第4,660,577号、Whiteらへの同第5,387,416号、Lawsonらへの同第7,025,066号、及びLawrence,Jr.への同第7,798,153号、並びにMarshallらへの米国特許出願公開第2008/0245377号に示され、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。暗色空気乾燥調製タバコを含むタバコ組成物は、Marshallらへの米国特許出願公開第2008/0245377号に示され、これは参照により本明細書に組み込まれる。また、例えば、Beesonらへの米国特許出願公開第2011/0247640号に示されるタバコの種類も参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
例示的なニコチアナ種には、ニコチアナ・タバカム(N.tabacum)、ニコチアナ・ルスティカ(N.rustica)、ニコチアナ・アラタ(N.alata)、ニコチアナ・アレンツィイ(N.arentsii)、ニコチアナ・エクセルシオール(N.excelsior)、ニコチアナ・フォルゲチアナ(N.forgetiana)、ニコチアナ・グラウカ(N.glauca)、ニコチアナ・グルチノサ(N.glutinosa)、ニコチアナ・ゴセイ(N.gossei)、ニコチアナ・カワカミイ(N.kawakamii)、ニコチアナ・ナイチアナ(N.knightiana)、ニコチナナ・ラングスフォルフィー(N.langsdorffi)、ニコチアナ・オトファラ(N.otophora)、ニコチアナ・セッチェルリ(N.setchelli)、ニコチアナ・シルベストリス(N.sylvestris)、ニコチアナ・トメントサ(N.tomentosa)、ニコチアナ・トメントシフォミス(N.tomentosiformis)、ニコチアナ・アンドゥラタ(N.undulata)、ニコチアナ・x・サンデラエ(N.x sanderae)、ニコチアナ・アフリカナ(N.africana)、ニコチアナ・アンプレシカウリス(N.amplexicaulis)、ニコチアナ・ベナビデシイ(N.benavidesii)、ニコチアナ・ボナリエンシス(N.bonariensis)、ニコチアナ・デブネイ(N.debneyi)、ニコチアナ・ロンギフロラ(N.longiflora)、ニコチアナ・マリチナ(N.maritina)、ニコチアナ・メガロシフォン(N.megalosiphon)、ニコチアナ・オシデンタリス(N.occidentalis)、ニコチアナ・パニクラタ(N.paniculata)、ニコチアナ・プランバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、ニコチアナ・レイモンディイ(N.raimondii)、ニコチアナ・ロズラタ(N.rosulata)、ニコチアナ・シムランス(N.simulans)、ニコチアナ・ストックトニイ(N.stocktonii)、ニコチアナ・スアヴェオレンス(N.suaveolens)、ニコチアナ・アンブラティカ(N.umbratica)、ニコチアナ・ベルンチナ(N.velutina)、ニコチアナ・ウィガンディオイデス(N.wigandioides)、ニコチアナ・アカウリス(N.acaulis)、ニコチアナ・アカミナタ(N.acuminata)、ニコチアナ・アテヌアタ(N.attenuata)、ニコチアナ・ベンサミアナ(N.benthamiana)、ニコチアナ・カビコラ(N.cavicola)、ニコチアナ・クレベランディイ(N.clevelandii)、ニコチアナ・コルディフォリア(N.cordifolia)、ニコチアナ・コリンボサ(N.corymbosa)、ニコチアナ・フラグランス(N.fragrans)、ニコチアナ・グッドスピーディイ(N.goodspeedii)、ニコチアナ・リニアリス(N.linearis)、ニコチアナ・ミエルシイ(N.miersii)、ニコチアナ・ヌディカウリス(N.nudicaulis)、ニコチアナ・オブツシフォリア(N.obtusifolia)、ニコチアナ・オクシデンタリス(N.occidentalis)亜種ヘスペリス(Hersperis)、ニコチアナ・パウシフロラ(N.pauciflora)、ニコチアナ・ペチュニオイデス(N.petunioides)、ニコチアナ・クラドリヴァルヴス(N.quadrivalvis)、ニコチアナ・レパンダ(N.repanda)、ニコチアナ・ロツンディフォリア(N.rotundifolia)、ニコチアナ・ソランフォリア(N.solanifolia)、及びニコチアナ・スペガウイニイ(N.spegazzinii)が挙げられる。
【0084】
ニコチアナ種は、遺伝子改変または品種間交雑技法(例えば、タバコ植物は、構成成分、特性、または属性の生産を増加させるまたは減少させるために、遺伝子的に修飾されるかまたは品種間交雑され得る)を使用して誘導され得る。例えば、Fitzmauriceらへの米国特許第5,539,093号、Wahabらへの同第5,668,295号、Fitzmauriceらへの同第5,705,624号、Weiglへの同第5,844,119号、Dominguezらへの同第6,730,832号、Liuらへの同第7,173,170号、Colliverらへの同第7,208,659号、及びBenningらへの同第7,230,160号、Conklingらへの米国特許出願公開第2006/0236434号、並びにNielsenらへのPCT国際公開第2008/103935号に示される、植物の遺伝子改変の種類を参照されたい。また、Sensabaugh Jr.らへの米国特許第4,660,577号、Whiteらへの同第5,387,416号、及びDominguezらへの同第6,730,832号に示されるタバコの種類も参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
無煙タバコ製品の調製に関して、ニコチアナ種の収穫された植物が乾燥調製プロセスに供されることは典型的である。種々の種類のタバコに関する種々の種類の乾燥調製プロセスの説明は、Tobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)に示される。鉄管乾燥調製タバコを乾燥調製するための特に好ましい技法及び条件は、Nestor et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,20(2003)467-475及びPeeleへの米国特許第6,895,974号に示され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。空気乾燥調製タバコの代表的な技法及び条件は、Roton et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)305-320及びStaaf et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)321-330に示され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の種類のタバコは、燃焼乾燥調製または太陽乾燥調製等の別の種類の乾燥調製プロセスに供され得る。典型的には、収穫されたタバコは、乾燥調製され、次いで、熟成される。
【0086】
ニコチアナ種の植物の種々の一部または部分が用いられ得る。例えば、植物の実質上全て(例えば、植物全体)を収穫して、それら自体として用いることができる。あるいは、植物の種々の一部または一片を収穫するか、または収穫後の更なる使用のために分離することができる。例えば、花、葉、葉柄、茎、根、種子、及びそれらの種々の組み合わせを、更なる使用または処理のために単離することができる。
【0087】
タバコ植物またはその部分の収穫後の加工は、異なり得る。収穫後、植物またはその部分は、未成熟の形態で使用することができる(例えば、植物またはその部分は、任意の乾燥調製プロセスに供されることなく使用され得る)。例えば、植物またはその部分は、意味のある貯蔵、処理、または加工条件に供されることなく使用され得る。タバコ植物またはその部分は、後の使用のために冷蔵もしくは凍結される、凍結乾燥される、照射に供される、黄変される、乾燥される、乾燥調製される、調理される(例えば、炒る、揚げる、もしくは茹でる)、さもなければ、後の使用のために貯蔵または処理に供される。
【0088】
収穫されたタバコ植物またはその部分は、物理的に加工されてもよい。植物またはその部分は、個別の一部または一片に分離することができる(例えば、葉が、葉柄から取り除かれてもよく、並びに/または葉柄及び葉が、茎から取り除かれてもよい)。収穫された植物または個別の一部もしくは一片は、一部もしくは一片に更に細分することができる(例えば、葉は、充填剤型の一片、顆粒、粒子状、もしくは微細粉末として特徴付けられ得る一片または一部に細断される、切断される、細かく砕かれる、微粉化される、摩砕される、または粉砕されてもよい)。植物またはその一部は、外力または圧力に供されてもよい(例えば、圧縮されることによって、または圧延処理に供されることによって)。そのような加工条件を実施する場合、植物またはその部分は、その天然水分含量に近似した水分含量(例えば、収穫直後の水分含量)、植物またはその部分に水分を追加することによって達成される水分含量、または植物またはその部分を乾燥した結果として生じる水分含量を有し得る。例えば、植物またはその部分の粉末化された、微粉化された、粉砕された、または摩砕された一片は、約25重量パーセント未満、頻繁に約20重量パーセント未満、及びしばしば約15重量パーセント未満の水分含量を有し得る。
【0089】
タバコ材料は、本発明の無煙タバコ組成物及び製品において様々な形態で使用され得る。例示的な形態には、細断された、または粒子状(例えば、顆粒または粉末として特徴付けられる形態の摩砕または粉砕された製品)の形態のタバコ材料を含む。例示的な形態は、固形(例えば、凍結乾燥または噴霧乾燥された形態)で任意に使用される油または水抽出物等の形態のタバコ材料の単離された構成成分も含む。種々の実施形態では、タバコ材料は、タバコ由来のニコチン溶液であってもよい。ある特定の実施形態では、タバコは、いわゆる「細刻み」タバコ製品において使用される細断されたタバコの一部または一片のものよりも小さい平均粒径を有する一部または一片の形態で用いられる。典型的には、非常に微細に分割されたタバコ粒子または一片は、約18または16タイラーメッシュのスクリーンを通るように寸法決めされ、一般的には、約20タイラーメッシュのスクリーンを通るように寸法決めされ、頻繁に、約50タイラーメッシュのスクリーンを通るように寸法決めされ、しばしば、約60タイラーメッシュスクリーンを通るように寸法決めされ、更に、100タイラーメッシュのスクリーンを通るように寸法決めされてもよく、及び更には、200タイラーメッシュのスクリーンを通るように寸法決めされてもよい。所望に応じて、空気分級機は、望ましい大きさまたは大きさの範囲の小さく寸法決めされたタバコ粒子が収集され得ることを確実にするために使用され得る。1つの実施形態では、タバコ材料は、18または16タイラーメッシュを通るが、60タイラーメッシュを通らないように寸法決めされる粒子形態である。所望に応じて、顆粒状のタバコの異なる大きさの一片が、一緒に混合されてもよい。
【0090】
典型的には、スヌース製品に適した非常に微細に分割されたタバコ粒子または一片は、-8タイラーメッシュを超える、頻繁に、-8~+100タイラーメッシュの、しばしば、-16~+60タイラーメッシュの粒径を有する。ある特定の実施形態では、タバコは、約0.3~約2mm、より頻繁に約0.5~約1.5mm、及び最も頻繁に約0.75~約1.25mm(例えば、約1mm)の平均粒径で提供される。摩砕されたタバコ材料は、典型的には、約50ミクロン未満の平均粒径を有する一部または一片の形態で用いられる。1つの実施形態では、タバコ粒子の平均粒径は、約25ミクロン以下であり得る。
【0091】
タバコを微細に分割されたまたは粉末型の形態で提供するための手法は、異なり得る。好ましくは、タバコの一部または一片は、粉砕、摩砕等のための装置及び技法を使用して、粉末型の形態に細かく砕かれる、粉砕される、または微粉化される。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、エアコントロールミル等の装置を使用する粉砕または摩砕中に比較的乾燥している形態にある。例えば、タバコの一部または一片は、それらの水分含量が約15重量パーセント未満~約5重量パーセント未満のとき、粉砕または摩砕され得る。
【0092】
ニコチアナ種の植物またはその部分は、他の種類の加工条件に供され得る。例えば、構成成分は、互いに分離され得るか、さもなければ化学分類または個別の化合物の混合物に分別され得る。典型的な分離プロセスには、極性溶媒、有機溶媒、もしくは超臨界流体を使用する溶媒抽出、クロマトグラフィ、蒸留除去、濾過、再結晶化、及び/または溶媒-溶媒分配等の1つ以上のプロセスステップが挙げられる。例示的な抽出及び分離溶媒または担体には、水、アルコール(例えば、メタノールまたはエタノール)、炭化水素(例えば、ヘプタン及びヘキサン)、ジエチルエーテルメチレン塩化物、並びに超臨界二酸化炭素が挙げられる。タバコ材料の種々の抽出技法は、タバコ抽出物及びタバコパルプを提供するために使用され得る。例えば、Beesonらへの米国特許出願公開第2011/0247640号に記載される抽出プロセスを参照されたく、これは、参照により本明細書に組み込まれる。タバコの構成成分を抽出するための他の例示的な技法は、Fioreへの米国特許第4,144,895号、Osborne,Jr.らへの同第4,150,677号、Reidへの同第4,267,847号、Wildmanらへの同第4,289,147号、Brummerらへの同第4,351,346号、Brummerらへの同第4,359,059号、Mullerへの同第4,506,682号、Keritsisへの同第4,589,428号、Sogaらへの同第4,605,016号、Pouloseらへの同第4,716,911号、Niven,Jr.らへの同第4,727,889号、Bernasekらへの同第4,887,618号、Clappらへの同第4,941,484号、Faggらへの同第4,967,771号、Robertsらへの同第4,986,286号、Faggらへの同第5,005,593号、Grubbsらへの同第5,018,540号、Whiteらへの同第5,060,669号、Faggへの同第5,065,775号、Whiteらへの同第5,074,319号、Whiteらへの同第5,099,862号、Whiteらへの同第5,121,757号、Faggへの同第5,131,414号、Munozらへの同第5,131,415号、Faggへの同第5,148,819号、Kramerへの同第5,197,494号、Smithらへの同第5,230,354号、Faggへの同第5,234,008号、Smithへの同第5,243,999号、Raymondらへの同第5,301,694号、Gonzalez-Parraらへの同第5,318,050号、Teagueへの同第5,343,879号、Newtonへの同第5,360,022号、Clappらへの同第5,435,325号、Brinkleyらへの同第5,445,169号、Lauterbachへの同第6,131,584号、Kierulffらへの同第6,298,859号、Muaらへの同第6,772,767号、及びThompsonへの同第7,337,782号に記載され、これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
ある特定の実施形態では、溶媒が、タバコ材料追加され、材料は、所与の期間(例えば、約1時間)浸漬される。抽出プロセスに続いて、タバコパルプは、概して、例えば、これらの方法に制限されることは意図されてないが、濾過または遠心分離によって、タバコ抽出物から単離される。あるいは、いくつかの実施形態では、タバコパルプは、タバコ混合物の蒸留除去(例えば、蒸気蒸留除去)によって抽出物から単離され得る。また、Brandt et al.,LC-GC Europe,p.2-5(March,2002)and Wellings,A Practical Handbook of Preparative HPLC(2006)に示される分離技法の種類も参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。加えて、植物またはその部分は、Ishikawa et al.,Chem.Pharm.Bull.,50,501-507(2002)、Tienpont et al.,Anal.Bioanal.Chem.,373,46-55(2002)、Ochiai,Gerstel Solutions Worldwide,6,17-19(2006)、Coleman,III,et al.,J.Sci.Food and Agric.,84,1223-1228(2004)、Coleman,III et al.,J.Sci.Food and Agric.,85,2645-2654(2005)、Pawliszyn,ed.,Applications of Solid Phase Microextraction,RSC Chromatography Monographs,(Royal Society of Chemistry,UK)(1999)、Sahraoui et al.,J.Chrom.,1210,229-233(2008)、及びRaymondらへの第5,301,694号に示される種類の処理に供されてもよく、これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
タバコ抽出物はまた、更なる処理ステップにも供され得る。いくつかの実施形態では、抽出物は、例えば、Bhattacharyyaらへの米国特許公開第2007/0186940号、Reesらへの同第2011/0041859号、Jonssonらへの同第2011/0159160号、及びByrdらへの同第2012/0291793号に記載されるようにインプリントポリマーまたは非インプリントポリマーと接触させられ、これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、抽出物は、逆浸透法によって浄化及び/または凝縮される。なお更に、タバコ抽出物は、アミン官能性を有するイオン交換材料で処理されてもよく、ある特定のアルデヒド及び他の化合物を取り除くことができる。例えば、Horsewellらへの米国特許第4,033,361号及びFiglarらへの同第6,779,529号を参照されたく、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0095】
抽出ステップに続いて提供及び単離されたタバコパルプは、ある特定の実施形態では、当該技術分野で既知の任意の方法に従って白化されてもよい。例えば、種々の漂白剤または酸化剤及び酸化触媒を使用する白化方法が使用され得る。例示的な酸化剤には、過酸化物(例えば、水素過酸化物)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例示的な酸化触媒は、二酸化チタン、二酸化マンガン、及びそれらの組み合わせである。
【0096】
所望に応じて、タバコ材料は、照射される、低温殺菌される、さもなければ、制御された熱処理に供され得る。このような処理プロセスは、例えば、Muaらへの米国特許公開第2009/0025738号に詳述され、これは参照により本明細書に組み込まれる。タバコ材料はまた、酵素及び/またはプロバイオティクスで処理され、アクリルアミド形成を阻害するか、さもなければ、Chenらへの米国特許公開第2010/0300463号、同第2011/0048434号、及び同第2012/0060854号、並びに2012年4月11日出願のMarshallらへの米国特許出願第13/444,272号及び2012年7月19日出願のMoldoveanuへの米国特許出願第13/553,222号で考察されるように、タバコ材料を化学的に変化させることができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。タバコ抽出物を処理するために使用され得る例示的な酵素には、アミラーゼ(デンプンの糖への分解を触媒する)もしくはプロテアーゼ(タンパク質のペプチド結合の加水分解を触媒する)またはそれらの組み合わせを含む。タバコを処理するために使用され得るある特定の種類のプロバイオティクス及び組成成分は、Harelらへの米国特許第8,097,245号、Heimらへの同第8,097,281号、Guenicheへの同第8,101,167号、及びPlailらへの同第8,101,170号に示される例を含み、これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
上で説明されるように、「タバコ抽出物」への言及は、それらの1つまたは数個の構成成分に関連する高度に精製された抽出物を包含する。例えば、高度に精製されたタバコ由来のニコチン(例えば、98%を超えるもしくは99%を超える純度を有する医薬品グレードのニコチン)またはそれらの誘導体が、本発明において使用され得る。代表的なニコチン含有抽出物は、Brinkleyらへの米国特許第5,159,942号に示される技法を使用して提供することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。比較的高いニコチン含量を含有する抽出物は、抽出物のpHを低下させるために、例えば、クエン酸等の緩衝剤を使用して緩衝されてもよい。更に、タバコ抽出物は、実施例21に記載されるようにフラボノイド等の抗酸化物質に豊富な抽出物であり得る。
【0098】
本発明の無煙タバコ製品内のタバコ材料の相対量は、異なり得る。典型的には、無煙タバコ製品内のタバコ材料の量は、製品の乾燥重量基準で、少なくとも約10重量%、少なくとも約25重量%、または少なくとも約50重量%であり、及びいくつかの場合には、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約90重量%である。製品内のタバコ材料の典型的な範囲は、乾燥基準で、約10~約99重量%、より頻繁に、約25~約75重量%である。
【0099】
無煙タバコ製品内に組み込まれる植物性材料の量は、部分的に、製品の望ましい機能的または官能的特徴、植物性材料の種類及び形態、無煙タバコ製品の種類及び形態等に応じて異なるだろう。本発明の無煙タバコ製品内の植物性材料の代表的な量は、製品の乾燥重量基準で、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、または少なくとも約15重量%、及びいくつかの場合には、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、または少なくとも約50重量%である。製品内の植物性材料の典型的な範囲は、乾燥基準で、約0.1~約60重量%、より頻繁に、約5~約40重量%である。
【0100】
より大量のある特定の植物性材料が、製品のより高い抗酸化特性を達成するために使用されてもよい。抽出物が植物性材料として使用される場合、より少ない量が、望ましい製品特徴を達成するために必要とされ得る。植物性抽出物が使用されるある特定の実施形態では、植物性材料は、無煙タバコ製品の総乾燥重量の約1%以下または約0.5%以下を成し得る。1つの実施形態では、植物性材料は、(i)無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約1%(もしくは少なくとも約5%)の量で存在する細断された、もしくは粒子状の植物性材料、または(ii)無煙タバコ製品の総乾燥重量の少なくとも約0.1%(もしくは少なくとも約0.5%)の任意の量で存在する植物性材料抽出物、のいずれかである。
【0101】
タバコ材料及び植物性材料の相対量は、無煙タバコ製品内の植物に対するタバコの重量比で表すこともでき、例示的な比率は、約80:20~約50:50等の約99:1~約40:60を含む。
【0102】
本明細書に記載されるタバコ材料、植物性材料、及び任意の追加成分を含む無煙タバコ組成物の構成成分は、当該技術分野で既知の任意の混合技法または装置を使用して一緒に混和されてもよい。種々の構成成分は、複数のステップで、または単一のステップで一緒に混和され得る。タバコ組成物成分を密接に接触させる任意の混合方法が使用されてもよい。羽根車または撹拌可能な他の構造を特徴とする混合機器が、典型的には使用される。例示的な混合装置には、ケーシングドラム、調節シリンダーまたはドラム、液体噴霧機器、円錐型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day,Inc.からFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000、及びFKM3000の名称で利用可能なミキサー、Plough Share型のミキサーシリンダー等が挙げられる。したがって、種々の構成成分とタバコ材料との混合物全体は、性質が比較的均一である可能性がある。また、例えば、Solomonらへの米国特許第4,148,325号、Korteらへの米国特許第6,510,855号、及びWilliamsへの米国特許第6,834,654号に示される種類の方法論も参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0103】
無煙タバコ組成物または製品全体はまた、ORAC指数値またはFRAP指数値に基づいて特徴付けることもできる。このような値は、無煙タバコ製品の種類、存在するタバコ材料の種類及び量、並びに存在する他の植物性材料の種類及び量に応じて異なるだろう。例えば、ある特定の例示的な無煙タバコ製品(スヌースタイプ製品を含む)は、少なくとも約50(μmol/TE)/g、少なくとも約75(μmol/TE)/g、もしくは少なくとも約100(μmol/TE)/g、またはある特定の実施形態では、少なくとも約120(μmol/TE)/g、少なくとも約140(μmol/TE)/g、もしくは少なくとも約160(μmol/TE)/gのORAC指数値を有する。例示的な無煙タバコ製品(スヌースタイプ製品を含む)は、少なくとも約80(μmol/Fe2+)/g、少なくとも約100(μmol/Fe2+)/g、少なくとも約140(μmol/Fe2+)/g、少なくとも約200(μmol/Fe2+)/g、またはある特定の実施形態では、少なくとも約220(μmol/Fe2+)/g、少なくとも約260(μmol/Fe2+)/g、少なくとも約300(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有する。ある特定の実施形態では、特に、融解可能または溶解可能な基剤組成物を含む製品は、指数値は、やや低い場合がある。この種類の例示的な無煙タバコ製品は、少なくとも約20(μmol TE)/gのORAC指数値または少なくとも約50(μmol/Fe2+)/gのFRAP指数値を有し得る。
【0104】
本発明の無煙タバコ製品の形態は、異なり得る。1つの特定の実施形態では、製品は、粒子状タバコ材料及び粒子状植物性材料を含有するスヌースタイプ製品の形態である。スヌースタイプのタバコ配合物を配合するための手法及び方法は、スヌースタバコ製品生産の業者に明白になるだろう。
【0105】
図1を参照して、無煙タバコ製品10の第1の実施形態が示される。タバコ製品10は、小袋12の形態で透湿性容器を含み、これはタバコ材料と植物性材料との混合物を含むスヌースタイプの粒子状混合物14を含有する。図2に示されるように、例えば、無煙タバコ製品はまた、粒子状材料14内に分散される複数のマイクロカプセル16を任意に含んでもよく、マイクロカプセルは、以下により詳細に記載されるような添加剤(例えば、風味剤)を含有する。
【0106】
タバコ製品10は、典型的には、タバコ配合物を含有する1つの小袋をヒト対象/ユーザの口腔内に置くことで使用される。使用中、ユーザの口腔内の唾液は、製品の構成成分のいくつかを透水性小袋を通してユーザの口腔中に通過させる。小袋は、好ましくは、咀嚼または嚥下されない。ユーザは、タバコ風味及び満足度が提供され、製品の任意の部分を吐き出すことを必要としない。使用/嗜好の約10分間~約60分間後、典型的には、約15分間~約45分間後、実質的な量の製品がヒト対象によって摂取され、小袋は処分するためにヒト対象の口腔から取り除かれ得る。
【0107】
配合物の消費者によって使用される前の無煙タバコ製品の水分含量は、異なり得る。例えば、代表的なスヌースタイプ製品は、約20重量パーセント~約50重量パーセント、好ましくは、約20重量パーセント~約40重量パーセントの水分含量を呈し得る。配合物の水分含量を制御する手法は、異なり得る。例えば、配合物は、熱加熱または対流加熱に供され得る。
【0108】
最も好ましくは、製品のスヌースタイプ内で用いられるタバコ配合物の種類等の湿性タバコ配合物が、低温殺菌または発酵に供される。スヌースタイプのタバコ製品を低温殺菌/熱処理及び/または発酵するための技法は、スヌース製品設計及び製造業者にとって明らかだろう。
【0109】
上述のように、無煙タバコ組成物は、タバコの使用のための容器として作用する透湿性小包または小袋内に格納され得る。図1に例示される実施形態における容器小袋12等のそのような小包または小袋の組成/構築は、変更され得る。無煙タバコ製品の製造のために使用される種類の好適な小包、小袋、または容器は、CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf、及びTreAnkrareという商標名で利用可能である。無煙タバコ配合物は、ある手法で、及び従来のスヌースタイプの製品の製造のために使用される種類の構成成分を使用して、小袋に収容され、パッケージ化され得る。小袋は、ティーバッグの構築のために使用されるメッシュのようなタイプの材料と特性が類似していると考えられる種類の液体透過性容器を提供する。緩く配列された無煙タバコ配合物の構成成分は、小袋を通ってユーザの口腔内に容易に放散する。
【0110】
例示的な小袋は、ユーザによる使用中、小袋が制御された分散または溶解を経るような材料から、及びそのような手法で、製造され得る。そのような小袋材料は、メッシュ、スクリーン、有孔紙、透過性布等の形態を有し得る。例えば、メッシュのような形態のライスペーパーまたは有孔ライスペーパーから製造される小袋材料は、ユーザの口腔内で溶解し得る。結果として、小袋及びタバコ配合物各々は、通常の使用条件の間に、ユーザの口腔内で完全な分散を経ることができ、よって、小袋及びタバコ配合物の両方が、ユーザによって摂取され得る。他の例示的な小袋材料は、水分散性フィルム形成材料(例えば、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、プルラン等の結合剤)、並びに、粉砕セルロース誘導体(例えば、微細粒径木材パルプ)等の材料と組み合わせたそれらの材料を使用して製造され得る。好ましい小袋材料は、水分散性または溶解可能であるが、通常の使用条件下で、小袋がその物理的完全性の喪失を経る前に相当量のタバコ配合物含量が小袋材料を通して浸透するように設計及び製造され得る。所望に応じて、風味付け成分、崩壊補助剤、及び他の望ましい構成成分は、小袋材料内に組み込まれ得るか、または小袋材料に適合され得る。
【0111】
各小袋内に収容される材料の量は、異なり得る。より小さい実施形態では、各小袋内の材料の乾燥重量は、少なくとも約50mg~約150mgである。より大きい実施形態に関して、各小袋内の材料の乾燥重量は、好ましくは、約300mg~約500mgを超えない。いくつかの実施形態では、各小袋/容器は、Holton,Jr.らへの米国特許第7,861,728号により詳細に記載されるようにその中に香味剤部材を配置されていてもよく、これは参照により本明細書に組み込まれる。所望に応じて、他の構成成分が、各小袋内に収容されてもよい。例えば、少なくとも1つの風味付けされた細長片、一片、または風味付けされた水分散性もしくは水溶性材料のシート(例えば、呼気清涼可食フィルムタイプの材料)が、少なくとも1つのカプセルを伴って、または伴わずに各小袋内に配置されてもよい。そのような細長片またはシートは、小袋内に容易に組み込まれるために、折り畳まれてもよく、または丸められてもよい。例えば、Scottらへの米国特許第6,887,307号及びLeungらへの同第6,923,981号、並びにThe EFSA Journal(2004)85,1-32に示される種類の材料及び技術を参照されたく、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
スヌースタイプの製品及びその構成成分の種々の構成成分の説明は、Lundinらへの米国特許出願公開第2004/0118422号にも示され、これは参照により本明細書に組み込まれる。また、例えば、Lindenへの米国特許第4,607,479号、Nielsenへの同第4,631,899号、Wydickらへの同第5,346,734号、及びDerrへの同第6,162,516号、並びにHanssonらへの米国特許公開第2005/0061339号も参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。また、Kjerstadへの米国特許第5,167,244号に示される種類の小袋も参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。スヌースタイプの製品は、Merz Verpackungmaschinen GmBHからSB 51-1/T、SBL 50、及びSB 53-2/Tの名称で利用可能なもの等の装置を使用して製造することができる。スヌース小袋は、個別の小袋として提供されてもよく、または複数の小袋(例えば、2、4、5、10、12、15、20、25、または30個の小袋)が、単一の小袋もしくは個別の部分を小袋の一片のストランドもしくはマトリックスから、使用するために容易に取り除くことができるように、(例えば、端と端とを繋ぐ手法で)一緒に接合または連結されてもよい。
【0113】
本発明の製品は、従来の種類の無煙タバコ製品がパッケージ化及び貯蔵されるものとほぼ同じ手法でパッケージ化及び貯蔵することができる。例えば、複数の小包または小袋は、円筒形容器に収容され得る。所望に応じて、湿性タバコ製品(例えば、約20重量パーセントを超える水分含量を有する製品)は、(例えば、約10℃未満、頻繁に約8℃未満、及び時折約5℃未満の温度で)冷蔵され得る。あるいは、比較的乾燥したタバコ製品(例えば、約15重量パーセント未満の水分含量を有する製品)は、頻繁に、比較的広い範囲の温度下で貯蔵され得る。
【0114】
本発明は、スヌースタイプの無煙タバコ製品に制限されない。例えば、タバコ材料と植物性材料との混合物は、包まれていない湿性嗅ぎタバコ、包まれていない乾燥嗅ぎタバコ、かみタバコ、ペレット化されたタバコ片、押し出されたタバコ細長片または一片、粉末化された一片及び構成成分の微細に分割または摩砕された凝集体、薄片様の片(例えば、流動床でタバコ配合物構成成分を凝集することによって形成され得るもの)、(例えば、コイン、円筒、豆、立方体等の一般的な形状で形成される)成形タバコ片、タバコを含有するガムの一片、タバコ片及び/またはタバコ抽出物と組み合わせた可食材料の混合物を組み込む製品、固体非可食基質によって担持される(例えば、タバコ抽出物の形態で)タバコを組み込む製品等の種々の無煙タバコ形態に組み込まれてもよい。例えば、無煙タバコ製品は、圧迫されたタバコペレット、多重層の押し出された一片、押し出されたもしくは形成されたロッドまたはスティック、異なる種類のタバコ配合物で囲まれた1つの種類のタバコ配合物を有する組成物、テープ様フィルムのロール、容易に水に溶解可能なもしくは水分散性のフィルムまたは細長片(例えば、Chanらへの米国特許出願公開第2006/0198873号を参照されたい)、あるいは外殻(例えば、性質が透明、無色、半透明、もしくは高度に着色され得る柔軟なまたは硬い外殻)と、タバコまたはタバコ風味(例えば、何らかの形態のタバコを組み込むニュートン流体またはチキソトロピック流体)を持つ内部領域と、を持つカプセル様材料の形態を有してもよい。
【0115】
ある特定の実施形態では、本発明の無煙タバコ製品は、タバコ材料及び非タバコ植物性材料を融解可能及び/または溶解可能な基剤組成物と組み合わせるだろう。例えば、基剤組成物は、最終製品が硬化固体ゲルであるように、ゲル化剤もしくは結合剤を含む組成物等の液体またはゲル組成物を固体化することによって作製される溶解可能経口製品を指す「錠剤」の形態であってもよい。錠剤は、概して、溶解可能であり、軽く咀嚼可能な無煙タバコ製品を形成する。あるいは、基剤組成物は、トローチ配合物の形態であってもよい。基剤組成物の更なる例には、ゲル、ペースト、押し出されたスティック、または他の形状等が挙げられる。
【0116】
いくつかの実施形態では、本発明の無煙タバコ製品は、トローチ、錠剤、マイクロタブ、または他の錠剤型製品の形態を有し得る。例えば、Shawへの米国特許第4,967,773号、Acharyaへの同第5,110,605号、Damへの同第5,733,574号、Santusへの同第6,280,761号、Anderssonらへの同第6,676,959号、Wilhelmsenへの同第6,248,760号、及び同第7,374,779号、Wilhelmsenへの米国特許公開2001/0016593号、Liuらへの同第2004/0101543号、Mcneightへの同第2006/0120974号、Chauらへの同第2008/0020050号、Ginらへの同第2009/0081291号、Axelssonらへの同第2010/0004294号、Cantrellらへの同第2012/0138074号、Cantrellらへの同第2012/0118310号、Cantrellらへの同第2012/0138073号、並びにHolton,Jr.への同第2013/0074856号に示される種類のトローチ配合物並びにトローチ及び錠剤を配合及び製造するための技法を参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0117】
ある特定の種類のトローチ組成物は、固く茹でられた糖菓の調製のために一般的に使用される任意の方法を介して調製することができる。硬い糖菓の調製のための例示的な方法は、例えば、LFRA Ingredients Handbook,Sweeteners,Janet M.Dalzell,Ed.,Leatherhead Food RA(Dec.1996),pp.21-44において見ることができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
典型的には、トローチ製品を形成するとき、第1の成分の混合物が、調製される。第1の成分の混合物の組成物は、異なり得るが、しかしながら、典型的には、糖代替物を含み、種々の更なる物質(例えば、糖アルコールシロップ、NaCl、防腐剤、更なる甘味料、水、及び/または香料)を含有し得る。ある特定の実施形態では、それは、糖代替物、塩、及びバニリンを含む。他の実施形態では、第1の混合物は、糖代替物及び糖アルコールシロップを含む。典型的には、第1の成分の混合物は、処理されたタバコ抽出物または他のタバコ材料を含有しない。
【0119】
第1の成分の混合物は、融解するまで加熱され、その後、混合物は、ハードクラック段階までまたはハードクラック段階を超えて加熱される。製菓において、ハードクラック段階とは、加熱された混合物のより糸(冷却されたシロップの試料を親指と人差し指で挟んで引っ張ることによって得られる)が砕けやすい温度またはシロップを成形しようとするとひび割れを起こす温度と定義されている。現在の方法によると、ハードクラック段階が達成される温度は、製品混合物の特定の仕上がりによって異なり得るが、概して、約145℃~約170℃である。典型的には、混合物は、カラメル化が生じ始める温度である約171℃を超えては加熱されない。本発明のプロセスでは、混合物は、典型的には、ハードクラック段階の温度またはそれ以上まで加熱され、次いで、冷却される。加熱は、大気圧で、または真空下で行われ得る。典型的には、本発明の方法は、大気圧で行われる。
【0120】
1つの例示的な実施形態では、第1の成分の混合物は、高い割合のイソマルトを含み、混合物は、約143℃まで加熱される。いったん全ての構成成分が溶解されると、ハードクラック段階を超えて温度を上昇させる(例えば、約166℃まで)。混合物は、この温度まで加熱され、次いで、混合物を冷却するために熱から取り除かれる。
【0121】
ある特定の実施形態では、タバコ抽出物及び植物性構成成分(例えば、非タバコ植物抽出物)、並びに任意に、以下に記載されるような追加構成成分(例えば、更なるタバコ材料、甘味料、充填剤、風味剤、及び水)は、別々に組み合わされる。タバコ抽出物を含有する混合物は、典型的には、第1の成分の混合物が熱から取り除かれた後、第1の成分の混合物に追加される。処理されたタバコ抽出物を含有する混合物の追加は、いくつかの実施形態では、加熱された第1の成分の混合物が所定の温度(例えば、ある特定の実施形態では、約132℃)まで冷却された後にのみ生じ得る。ある特定の実施形態では、1つ以上の風味剤は、加熱された第1の成分の混合物に処理されたタバコ抽出物を含有する混合物を追加する直前に、その混合物に追加される。ある特定の風味剤は、揮発性であり、このため、好ましくは、混合物がある程度冷却された後に追加される。
【0122】
次いで、組み合わされた混合物は、望ましい形状に形成される。ある特定の実施形態では、混合物は、型に直接流入される、望ましい形状に形成される(例えば、圧延もしくは圧縮される)、または押し出される。所望に応じて、混合物は、押し出されるか、または射出成形され得る。ある特定の実施形態では、混合物は、温度の減少を必要とする場合があり、かつある特定の混合物構成成分の蒸発を制限し得る密閉システム内で望ましい形状の型に形成されるか、または押し出される。例えば、このようなシステムは、風味剤を含むが、これに限定されない揮発性構成成分の蒸発を制限し得る。無煙タバコ製品及び/またはトローチを生産する他の方法はまた、本明細書に包含されることも意図されている。
【0123】
例示的な錠剤製品を形成するために、溶解可能な無煙タバコ組成物を形成する成分は、その混合物がデンプン成形プロセスにおいて使用され得るように調製される。例示的な錠剤生産プロセスは、Ridgwayらへの米国特許第4,725,440号及びBolderらへの同第6,077,524号に示され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0124】
1つの実施形態では、プロセスは、乾燥成分と混合するための水性混合物を提供することを含む。いくつかの事例では、水性混合物は、結合剤材料を水で水和して、次いで、高剪断ミキサーまたは起泡付属品を有するホバート混合ボウルを使用して、その水和された結合剤を甘味料及び/または他の液体もしくは溶解可能構成成分と混和することによって形成され得る。
【0125】
別個のミキサーにおいて、複数の糖アルコールは、主要な糖アルコールのために、組み合わされ、高温、典型的にはハードクラック段階を超える温度まで加熱され得る。イソマルトが主要な成分である例では、糖アルコールは、融解され、155℃を超える(例えば、約160~約180℃)まで加熱され、次いで、任意に塩等の他のより揮発性が低い成分の存在下で冷却され、水和されたガムに追加され、十分に混合される。この水性混合物は、典型的には、混合物の総重量に基づき、少なくとも約30水重量パーセントの水分含量を有する。
【0126】
水性混合物は、例えば、ホバート混合ボウル内で、タバコ材料及び他の植物性材料、並びに任意に他の乾燥添加剤と混合され、スラリー形態の無煙タバコ組成物を形成する。次いで、無煙タバコ組成物は、ある期間にわたって昇温まで加熱され得る、例えば、約40℃~約80℃まで加熱される、及び典型的には、約1~約3分間にわたって約70℃まで加熱される。結果として得られる無煙タバコ組成物は、典型的には、混合物の総重量に基づき、少なくとも約25水重量パーセントの水分含量を有する。
【0127】
加熱及び脱気された混合物の粘度は、例えば、Brookfield粘度計HAシリーズ、SC4ウォータージャケット、27/13R試料チャンバ、及びNo.27スピンドルを使用して測定することができる。混合物は、典型的には、約38℃の温度まで加熱される場合、約5.7パスカル秒(Pa・s)~約6.2Pa・s、約43℃の温度まで加熱される場合、約4.9Pa・s~約5.4Pa・s、及び約50℃の温度まで加熱される場合、約4.2Pa・s~約4.7Pa・sの粘度を有するだろう。いくつかの事例では、それらの望ましい粘度を提供するように、追加の水が無煙タバコ組成物に追加されてもよい。
【0128】
いったん望ましい粘度が達成されると、次いで、加熱された無煙タバコ組成物は、例えば、デンプン型等の型の中に堆積され得る。本明細書に更に記載されるプロセスは、デンプン型を使用して無煙タバコ製品を形成することを指示するが、例えば、スターチレス型、プラスチックトレイ型、金属トレイ型、ネオプレントレイ型等の他の種類の型がプロセスにおいて使用されてもよいことに留意する。
【0129】
デンプン型の使用に関する例では、デンプン型は、デンプン型自体から水分含量を取り除くために事前に乾燥され得る。つまり、スラリーまたは粘性無煙タバコ組成物を受容する前に、デンプン型は、デンプン型内の水分を追い出すために昇温に供され得る。
【0130】
無煙タバコ組成物は、例えば、約40℃~約80℃(例えば、少なくとも約40℃または少なくとも約50℃)、及び典型的には約60℃等の昇温でデンプン型に残存する。無煙タバコ組成物は、無煙タバコ組成物の水分含量を望ましい最終水分レベルに至らせながら、無煙タバコ組成物が乾燥調製され、錠剤形態に固体化されるように、例えば、約15~25時間等の所定の期間にわたって昇温で保持され得る。これに関して、乾燥調製は、一般的に、水分喪失が生じる固体化プロセスを指し、組成物の粘度は上昇し、化学的及び物理的変化が生じ始める(例えば、結晶化、架橋、ゲル化、フィルム形成等)。無煙タバコ組成物は、冷却され、その後、デンプン型から取り除かれる。
【0131】
次いで、無煙タバコ組成物は、典型的には、組成物が、望ましい水分、形状、及び形態に平衡を保つことを可能にするのに好適な時間にわたって、及び温度で後乾燥調製を可能にする。時間及び温度は、本発明から逸脱せず、かつ製品の望ましい最終特徴に部分的に左右されて異なり得る。1つの実施形態では、後乾燥調製は、型から取り除かれた後、周囲温度で少なくとも約20時間にわたって行われる。結果として得られる錠剤製品は、本開示の態様はそのような重量に制限されないが、約0.5グラム~約5グラムの重量の個別の一片で提供され得る。
【0132】
本開示の他の態様に従って、無煙タバコ製品を調製するために型を使用するよりもむしろ、最終無煙タバコ製品が押し出される押し出しプロセスが、用いられてもよい。いくつかの事例では、湿性混合物形態内の無煙タバコ組成物は、シートに形成されて、例えば、約15水重量パーセント~約25水重量パーセントの水分含量に乾燥させ、粘着性さもなければペースト状の材料を形成することができ、これは、物理的に処理することができる形態のものである。次いで、材料は、切り刻まれるか、さもなければ、例えば、ミキサーを使用してより小さい一片に切断されてもよい。次いで、切り刻まれた材料は、押し出し機を通して、型を用いて達成することが難しいまたは不可能であり得る形状を含む、望ましい任意の形状/大きさに押し出され得る。いくつかの事例では、次いで、押し出された製品は、望ましい水分含量を達成するように乾燥されてもよい。同様の種類のプロセスは、例えば、Smylieらへの米国特許第3,806,617号に記載され、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、無煙タバコ組成物は、別の組成物との共押し出しプロセスに供されてもよい。
【0133】
加工される無煙タバコ製品の種類によって、タバコ製品は、上述のタバコ材料及び植物性材料に加えて1つ以上の追加構成成分を含み得る。例えば、タバコ材料及び植物性材料は、他のタバコ材料または風味剤、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、塩、甘味料、着色剤、崩壊補助剤、湿潤剤、及び防腐剤(これらのうちのいずれかは、図2に示されるようなカプセル化された成分であり得る)等の他の材料もしくは成分と加工される、ブレンドされる、配合される、組み合わされる、及び/または混合され得る。例えば、Muaらへの米国特許公開第2011/0315154号及びHolton,Jr.らへの同第2007/0062549号、並びにHolton,Jr.らへの米国特許第7,861,728号に示される、それらの代表的な構成成分、構成成分の組み合わせ、タバコに対するそれらの構成成分及び成分の相対量、並びそれらの構成成分を用いるための手法及び方法を参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0134】
使用され得る例示的な風味剤は、無煙タバコ製品の苦味、甘味、酸味、もしくは塩味を変化させる、配合物の認識される乾燥度もしくは湿り気、または配合物によって呈されるタバコの味の度合いを高めるように作用する構成成分またはそれらの構成成分の好適な組み合わせである。風味剤は、天然または合成であってもよく、それによって授けられる香味料の特性は、限定されないが、新鮮な、甘味のある、ハーブのような、糖菓のような、花のような、果物のような、または辛味のある、と説明され得る。香味料の特定の種類には、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、スペアミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、サンダルウッド、蜂蜜、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、リコリス、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、サクランボ、イチゴ、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。また、Leffingwell et al.,Tobacco Flavoring for Smoking Products,R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)も参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。香料は、ユーカリ等の湿潤剤、冷却剤、または平滑剤と考えられる構成成分も含み得る。これらの香味料は、未希釈(すなわち、単独)で、または複合体(例えば、スペアミント及びメントールまたはオレンジ及びシナモン)で、提供され得る。構成成分の代表的な種類は、Whiteらへの米国特許第5,387,416号、Stricklandらへの米国特許出願公開第2005/0244521号、及びQuinterらへのPCT出願公開第WO 05/041699号にも示され、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。風味剤の種類には、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、天然甘味料(例えば、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース等)、人工甘味料(例えば、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテーム等)、及びそれらの混合物が挙げられる。タバコ組成物で利用される風味剤の量は異なり得るが、典型的には、最大約10乾燥重量パーセントであり、ある特定の実施形態は、約1~約10乾燥重量パーセント等の少なくとも約1乾燥重量パーセントの風味剤含量で特徴付けられる。約0.1~約2乾燥重量パーセントの人工甘味料、約0.5~約8乾燥重量パーセントの塩化ナトリウム等の塩、及び約1~約5乾燥重量パーセントの更なる香料等の風味剤の組み合わせが、頻繁に使用される。
【0135】
例示的な充填剤材料には、砂糖大根繊維材料(例えば、International Fiber Corporationから利用可能なFIBREX(登録商標)ブレンド充填剤)等の野菜繊維材料、オート麦もしくは他の穀物(加工穀物またはポン菓子を含む)、ブラン繊維、デンプン、または微結晶性セルロース等の他の改質もしくは天然セルロース系材料が挙げられる。更なる特定の例には、コーンスターチ、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール、及びソルビトールが挙げられる。タバコ組成物内で利用される充填剤の量は、異なり得るが、典型的には、最大約20乾燥重量パーセントであり、ある特定の実施形態は、最大約10乾燥重量パーセント、最大約5乾燥重量パーセント、または最大約1乾燥重量パーセントの充填剤含量で特徴付けられる。充填剤の組み合わせが、使用されてもよい。
【0136】
典型的な結合剤は、有機もしくは無機、またはそれらの組み合わせであり得る。代表的な結合剤には、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の改質セルロース系材料、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、デンプン系結合剤、アラビアガム、ペクチン、カラゲナン、プルラン、ゼイン等が挙げられる。タバコ組成物で利用される結合剤の量は、異なり得るが、典型的には、最大約30乾燥重量パーセントであり、ある特定の実施形態は、約5~約30乾燥重量パーセント等の少なくとも約5乾燥重量パーセントの結合剤含量によって特徴付けられる。
【0137】
好ましいpH調整剤または緩衝剤は、約6~約10のpH範囲を提供する、及び/または約6~約10のpH範囲内に緩衝し、例示的な薬剤には、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属重炭酸塩、及びそれらの混合物が挙げられる。特定の例示的な材料には、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び重炭酸ナトリウムが挙げられる。タバコ組成物において利用されるpH調整剤または緩衝材料の量は、異なり得るが、典型的には最大約5乾燥重量パーセントであり、ある特定の実施形態は、約0.05~約0.2乾燥重量パーセント等の約0.5乾燥重量パーセント未満のpH調整剤/緩衝剤含量によって特徴付けられ得る。
【0138】
着色剤は、タバコ配合物に望ましい物理的属性を提供するのに十分な量で用いられ得る。例示的な着色剤には、カラメル色素、二酸化チタン、及びクルクミン等の種々の染料及び顔料が挙げられる。タバコ組成物において利用される着色剤の量は、異なり得るが、典型的には最大約3乾燥重量パーセントであり、ある特定の実施形態は、約0.5~約3乾燥重量パーセント等の少なくとも約0.1乾燥重量パーセントの着色剤含量によって特徴付けられる。
【0139】
例示的な湿潤剤には、グリセリン及びプロピレングリコールが挙げられる。タバコ組成物において利用される湿潤剤の量は、異なり得るが、典型的には最大約5乾燥重量パーセントであり、ある特定の実施形態は、約2~約5乾燥重量パーセント等の少なくとも約1乾燥重量パーセントの湿潤剤含量によって特徴付けられ得る。
【0140】
防腐剤(例えば、ソルビン酸カリウム)または崩壊補助剤(例えば、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、プレゼラチン化コーンスターチ等)等の他の成分は、典型的には、最大約10乾燥重量パーセントの量で、及び通常は、約0.5~約10乾燥重量パーセント等の少なくとも約0.1乾燥重量パーセントの量で使用される。崩壊補助剤は、概して、例えば、配合物と水との接触時に物理的完全性の喪失及び種々の構成成分材料の分散を提供することによって(例えば、水との接触時の膨張を経ることによって)、タバコ配合物の望ましい物理的属性の制御を提供するのに十分な量で用いられる。
【0141】
ある特定の実施形態では、1つ以上の物質が、製品の使用中に発達し得る喉の炎症を鎮静させるために無煙タバコ組成物に追加される。喉の炎症緩和剤は、無煙タバコ製品によって引き起こされる炎症を緩和するまたは鎮静させることができる任意の物質を含んでもよく、明示的に、反対刺激剤、麻酔薬、及び鎮痛薬を含む。喉の炎症緩和剤の例には、クエン酸ナトリウム、蜂蜜、ショウガ、ペクチン、カプサイシン、カンフル、デキストロメトルファン、エキナセア、グルコン酸亜鉛、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、グリセリン、有機酸(例えば、クエン酸、乳酸、レブリン酸、もしくはコハク酸)、及びそれらの組み合わせまたは抽出物(例えば、オレオレジンショウガ)が挙げられる。有機酸は、製品のpHを、約3~約6.5のpH範囲等の酸性範囲に移動させることによって機能する。典型的には、有機酸は、少なくとも1つのカルボン酸基(例えば、カルボン酸、ジカルボン酸、及びトリカルボン酸)を含有する有機酸である。製品において使用される喉の炎症緩和剤の量は、異なり得るが、喉の炎症のある程度の軽減(例えば、痒みの減少、喉の凹凸のある感覚、嚥下時の痛みの減少、会話中の嗄声の減少、または咳の減少)を提供するのに十分な量だろう。例示的な実施形態では、喉の炎症緩和剤は、少なくとも約1重量パーセント、または少なくとも約2重量パーセント、または少なくとも約3重量パーセント(例えば、約1~約10重量パーセント)の量で存在する。
【0142】
pHに関して頻繁に特徴付けられる無煙タバコ製品の酸度またはアルカリ度は、異なってもよく、部分的に、製品がpH調整剤または緩衝剤を用いて配合されるかどうかに左右されるだろう。典型的には、配合物のpHは、約4.5~約9の範囲に入るだろう。塩基またはアルカリ性緩衝剤が存在する場合、pHは、典型的には、約6.5~約8等の範囲の上限に向かう。製品がpH調整剤または緩衝剤を伴わずに配合される場合、ある特定の実施形態では、pHは、約4.5~約6.5の範囲だろう。タバコ配合物のpHを決定するための代表的な技法は、5gのその配合物を100mlの高速液体クロマトグラフィ水に分散させることと、結果として得られる懸濁液/溶液のpHを測定する(例えば、pHメーターを用いて)こととを含む。
【0143】
本発明のある特定の製品はまた、外側のコーティングも有し得る(例えば、外側のコーティングは、カルナバ蝋並びに/またはシェラック、艶出し組成物、及び表面研磨剤の薬学的に許容される形態等の成分から構成され得る)。コーティングの適用は、エアレス噴霧、流動床コーティング、コーティングパンの使用等の技法を使用して実現することができる。コーティングとして使用するための材料は、セルロース系材料(例えば、セルロースブチレートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、及びカルボキシメチルエチルセルロース)、並びにアクリル酸、メタクリル酸、及びそれらのエステルのポリマー及びコポリマー等の本質的に重合体であってもよい。
【0144】
本無煙タバコ製品は、任意の好適な内部パッケージ化材料及び/または外側容器内にパッケージ化され得る。また、例えば、Hensonらへの米国特許第7,014,039号、Kutschらへの同第7,537,110号、Kutschらへの同第7,584,843号、Thiellierへの同第D592,956号、Patelらへの同第D594,154号、及びBaileyらへの同第D625,178号、Robinsonらへの米国特許公開第2008/0173317号、Clarkらへの同第2009/0014343号、Bjorkholmへの同第2009/0014450号、Bellamahらへの同第2009/0250360号、Gelardiらへの同第2009/0266837号、Gelardiへの同第2009/0223989号、Thiellierへの同第2009/0230003号、Gelardiへの同第2010/0084424号、及びBaileyらへの同第2010/0133140号、Baileyらへの同第2010/0264157号、Baileyらへの同第2011/0168712号、及びGelardiらへの同第2011/0204074号に示される無煙タイプの製品のための種々の種類の容器も参照されたく、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0145】
本発明はタバコ材料と別個の植物性材料との組み合わせに焦点を置くが、本明細書に示される植物性材料のうちのいずれかが、非タバコ小袋状の製品、トローチ、フィルム、錠剤、ゲル、スティック等の中にタバコ構成成分を含まない種々の経口製品内に組み込まれてもよい。
【0146】
以下の実施例は、更に本発明を例示するために提供されるが、その範囲を限定するものとして解釈するべきではない。別途指示がない限り、全ての部及び割合は、重量に基づく。
実験
【0147】
本発明は、以下の実施例によって完全に説明されるが、この実施例は、本発明を説明するために記載されているもので、これらを限定するものとして解釈されるべきではない。以下の実施例において、gはグラムを意味し、Lはリットルを意味し、mLはミリリットルを意味し、Daはダルトンを意味する。別途指示されない限り、全ての重量割合は、水含量を除くことを意味する乾燥基準で表される。
【実施例
【0148】
実施例1
それらの抗酸化特性及びそれらの報告される潜在的健康利益が既知である10個の植物を評価する。評価される植物は、緑茶(カメリアシネンシス)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)、オレガノ(Origanum vulgare)、セージ(Salvia officinalis)、ハイビスカス花(Hibiscus rosa)、クローブ(Syzygium aromaticum)、ターメリック(Curcuma longa)、ローズヒップ(Rosa canina)、イエルバマテ(Ilex paraguariensis)、及びココア粉末(Theobroma cacao)である。この一覧に、典型的な鉄管乾燥調製タバコブレンド(Nicotiana tabacum)及びバーレーブレンドが追加され、植物と同じ手順によって分析される。
【0149】
ORAC及びFRAP指数は、植物及びタバコブレンドの各々に対して測定される。ORACアッセイは、評価される各植物性材料が、蛍光基質として作用する酸化剤の作用を阻害することができる度合い及び時間の長さを説明する指数を提供する(TEまたはトロロクス当量として表される)。FRAP指数は、抗酸化物質によるFe3+のFe2+への還元の測定に基づく(Fe2+濃度で表される)。これらの指数は、植物が、タバコ製品へ追加される時に、製品の抗酸化特徴を上昇させるより高い可能性を有するような指針を提供する。
【0150】
ORACアッセイは、上述のように、酸化反応の動力の測定に基づく。アッセイに使用される試薬は、Cell Biolabs,Inc.(San Diego,CA,92126,USA)のキットとして得られるが、同じ溶液は、別個に購入される化学物質を使用して作製することができる。キットは、0.5mLのフルオレセイン溶液(100x)、固体遊離基指標の試料、0.1mLのトロロクスの5mM溶液、及びpH=7.25で50mLの希釈剤の溶液(4x)を含有する。希釈標準溶液は、約20mLの希釈剤溶液1:4脱イオン化水;被評価試料当たり約150μLの、1:100フルオレセイン+希釈剤で作製されるフルオレセイン溶液(この溶液は、1000LU蛍光読取値に至るように若干調整され得る);キットからの溶液の1/25希釈によって作製される0.2mMトロロクス原液であり、7希釈基準はこの希釈されたトロロクス原液;及びpH=8.1でリン酸緩衝液中AAPHの80mg/mL溶液(約250μLの溶液は、約20mgのAAPHで作製される)から調製される。
【0151】
較正曲線は、以下のように生成される。25μLのトロロクス較正溶液を96ウェルクリア底部黒色マイクロタイタープレートのウェルに設置する。この溶液に、150μLのフルオレセイン溶液を追加する。セル内にいくつかの溶液を有するプレートを蛍光測定器具に設置する。480nmでの抽出波長及び520nmでの放射で、Gemini XPS Fluorescence Microplate Reader(Molecular Devices,Sunnyvale,CA 94089,USA)を用いて蛍光測定を実施する。器具のソフトウェアは、SoftMax Proであり、これは曲線下面積の多重読み取り及び測定を可能にする。溶液の温度を37℃に設定する。20分間に対して30秒の間隔で、全てのプレートに対する読み取りを実施する。全ての基準の読み取りは、1000LU前後であるべきである。20分後、プレートを読み取り器具から取り外し、室温で約5~10分間にわたって冷却する。冷却に続いて、約25μLのAAPH溶液を、トロロクス+フルオレセインを有する全セルに設置する。すぐに、96ウェルプレートを、5秒間にわたって揺れるGemini XPS器具に設置する。AAPHによって生産されるペルオキシルラジカルとの反応後、蛍光性材料は非蛍光性製品を産出し、蛍光光度計で蛍光の喪失を測定する。30分の間30秒毎に蛍光測定を実施する。酸化反応の動力を示す一連の7つの基準に対する読取値を示すグラフを生成する。基準からの面積を用いて、トロロクス濃度に対する蛍光曲線下面積をプロットする較正曲線を生成する。動力反応の変動性によって、基準の複製が、被評価試料と一緒に実行される。
【0152】
各被評価試料に対するORAC値は、一方が親水性ORACを示し、他方が親油性ORACを示す、上述の手順の2つのバージョンによって測定される。親水性バージョンに関しては、pH=7.2でリン酸緩衝液を用いて希釈が行われ、親油性バージョンに関しては、希釈は、50%アセトン及び50%水(v/v)を用いて実施される。64.2mLのNaHPO溶液を35.8mLのKHPO溶液と混合することによって、pH=7.2及び7.5 10-2mol/Lの濃度のリン酸緩衝液を調製する。13.363gのNaHPO2HOを1Lの水に溶解することによってNaHPOの溶液を調製し、10.217gのKHHPOを1Lの水に溶解することによってKHHPOの溶液を調製する。固体フルオレセインからの二重希釈を使用して、10-6mol/Lの濃度でフルオレセインの溶液を調製し、トロロクスから5mmol/Lの濃度でトロロクス原液を調製する。使用される2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(AAPH)は固体である。親水性ORACの較正に関して、7つの異なる水準でリン酸緩衝液を用いてトロロクスの原液を希釈する。親油性ORACに関して、較正濃度は、親水性試験に関するものと一致しているが、希釈は、50%アセトン及び50%水(v/v)を使用して実施される。
【0153】
ORAC値の測定のための試料の調製を以下のように実施する。まず、50%アセトン及び50%水(v/v)を含有する20mLの溶液を用いて、500mgの微細に粉砕された植物材料を抽出する。抽出を30分間にわたって手首動作振盪器(wrist action shaker)(Burrell Co.,Pittsburgh,PA,USA)上で実施する。抽出後、0.45μm孔のPVDF Watman Autovial(Watman,Clifton,NJ)を通して濾過によって液体及び固体を分離する。抽出物から、40μLは、希釈剤を用いて1.0mLに更に希釈される。この溶液は、200μLを生成するように10μLを190μLの希釈剤中に入れることによって更に20倍希釈され、それにより、較正範囲内の応答をもたらす。この希釈された試料から、25μLを96ウェルプレート上のウェル内に設置し、そこに150μLのフルオレセインを追加し、次いで、約30分間にわたってインキュベートする。この溶液に、25μLの80mg/mL AAPH溶液を追加する。各試料を2連で測定する。基準試料に関して上述されるものと同じ手順を使用して、ORAC値を測定する。
【0154】
試験される材料の各々に対するORAC指数値が、以下の表1に示される。ORAC指数は、TE(トロロクス当量μmol/g植物)で表される。以下に示されるORAC指数は、上に概説される手順に従って直接二重化測定によって得られる値を表し、測定間の相対標準偏差は、0.5%~10%の範囲内であった。表1に示されるように、試料の初期抽出がアセトン/水(50/50v/v)両方の場合において実施され、かつ更なる希釈が可溶性に影響しなかったため、ORACハイドロ数及びORACリポ数は、最も多く評価される植物と同様である。
【表1】
【0155】
FRAP分析は、Fe3+塩のFe2+塩への還元、及び着色複合体を生成するFe2+と2,4,6-トリピリジル-s-トリアジンとの反応に基づく。複合体の色(吸収)は、620nmでMicroplate Reader分光光度計SpectraMax 340 PC384(Molecular Devices,Sunnyvale,CA 94089,USA)を使用して測定される。分析に関して、以下の試薬を調製する:1)1.0Lの水中で3.1gのCHCOONa×3HO及び16mLのCHCOOHから作製されるpH3.6で300mmol/Lの酢酸緩衝液、2)100mLの溶液に対して312.33mgのTPTZ及び146mgのHClから作製される10mmol/LのTPTZ(2,4,6-トリピリジル-s-トリアジン)及び40mmol/LのHCl、3)100mLの溶液に関して540.59mgのFeCl6HOから作製される20mmol/LのFeCl6HO。10mLの酢酸緩衝液を1mLのTPTZ溶液及び1mLのFeCl溶液と混合することによって、希釈標準FRAP試薬を調製する。希釈標準FRAP試薬を日々作製する(利用目的で)。100~2000μmol/Lの範囲のFeSO7HOの原液から作製される一組の基準を使用してFRAP測定の較正を行う。本研究の原液を、水中で100mLの溶液中の56.82mgのFeSO7HOから作製し、2044μmol/LのFe2+に対応させる。この溶液から、水で希釈することによって、2044μmol/L、1533μmol/L、1022μmol/L、511μmol/L、255.5μmol/L、及び127.8μmol/Lを含有する基準を調製する。測定のため、200μLの試薬を96ウェルプレートの各試料セルに追加する。SpectraMax 340PC384器具にプレートを設置し、10秒間振盪し、37℃で10分間平衡に保つ。平衡後、10μLの試料(または基準)を各セルに追加して、吸収を620nmで10分間にわたって30秒毎に測定する。
【0156】
分析される材料の各々に対するFRAP指数値が、表2に示される。FRAP指数は、μmol Fe2+/gで表される。
【表2】
【0157】
それらの抗酸化特性及びそれらの潜在的健康利益が既知である10個の植物も、GC/MS走査技法を使用して評価する。評価された植物との比較のために、2つのタバコを含み、他の植物と同じパラメータに関して評価する。各植物及びタバコブレンドにおいて多く見られる抗酸化化合物の種類が、以下に記載される。
【0158】
走査技法は、試料の直接的シリル化、その後の抽出物のGC/MS分析で構成される。分析のため、GCバイアル瓶(隔壁を持つ2mLのねじ口バイアル瓶、Agilent,Wilmington,Delaware19808)中に50mgの複製試料を秤量した(0.1mgの精度で)。酸、アルコール、またはアミン等の活性水素を含有する化合物の全てにシリル化を行う。その結果は、種々のトリメチルシリル(TMS)誘導体の形成である。
【0159】
シリル化プロセスのために試薬及び溶媒を使用する。試薬は、1%トリメチルクロロシラン(TMCS)を含むビス(トリメチルシリル)-トリフルオロアセトアミド(BSTFA)である。溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)である。溶媒は、内部標準としてtert-ブチルヒドロキノンも含有する。100mLのDMF及び40mgのtert-ブチルヒドロキノン(全ての化合物はAldich/Sigma Saint Louis,MO 63178-9916から入手)を使用して、内部標準を含むDMF溶液を調製する。最終DMF溶液は、0.4mg/mLのtert-ブチルヒドロキノンを含有する。
【0160】
分析のため、内部標準を含む0.4mLのDMF及び1%TMCSを含む0.8mLのBSTFAを各バイアル瓶に追加する。バイアル瓶を(加熱ブロック中で)78℃で約30分間にわたって保持する。次いで、バイアル瓶を更に30分間にわたって室温で冷却する。冷却後、各バイアル瓶から溶液を、0.45μmPTFEフィルター(VWR Suwanee,GA 30024)を通して、隔壁を持つスクリューキャップの付いたねじ口バイアル瓶中に濾過して、GC/MS分析に使用する。GC/MS器具(Agilent,Wilmington,Delaware19808のAgilent 6890/5973システム等)を使用して分析を行う。分析をより重い分子に拡張するために特定の変更を初期手順に実装する。
【0161】
クロマトグラムのピークは、それらの保持時間、質量スペクトル、及びピーク領域で特徴付けられる。ピーク識別のために保持時間及び質量スペクトルを利用する。検索のために有用な質量スペクトルライブラリは、Nist8及びWiley275を含む。数個の個別の化合物を、基準との比較に基づいて識別する。各ピークの領域数を測定して、内部標準(tertブチルヒドロキノン)のピーク領域に正規化する。この種類の結果の提示は、試料内の異なる化合物の定量水準を提供しないが、依然として、どの化合物が試料内でより高いまたは低い水準であるかを示す定量的な比較を可能にする。抗酸化物質として標的され、このGC/MS走査技法により種々の植物において分析される化学化合物は、高分子抗酸化物質等のより高い分子量の(500MWを超える)分子を含まない。このような分子は、専用のHPLC方法を使用して分析される。
【0162】
シリル化された乾燥緑茶葉のGC/MS走査プロファイルは、緑茶中で見られることが予期される以下の特徴のある抗酸化物質の存在を確認する。
【表3】
【0163】
シリル化されたローズマリーのGC/MS走査プロファイルは、ローズマリー中で見られることが予期される以下の特徴のある抗酸化物質の存在を確認する。
【表4】
【0164】
微量の没食子酸(最小42.22)及びトコフェロル(最小68.05)も見られることに留意する。コーヒー酸(最小47.60)は、緑茶よりも高い水準で存在する。また、緑茶及びローズマリーに関するクロマトグラムを比較するとき、特に、2つの植物における抗酸化物質に関連している有意差が存在する。具体的には、緑茶は、カテキンを含有する一方、ローズマリーは、抗酸化特性を有するより多くの酸を含有する。加えて、ローズマリーは、カンフル、ボルネオール、及びチモール等のローズマリーの強い風味に寄与するより軽い化合物を含有する。
【0165】
シリル化されたオレガノのGC/MS走査プロファイルは、オレガノ中で見られることが予期される以下の特徴のある抗酸化物質の存在を確認する。
【表5】
【0166】
オレガノ葉は、広い範囲の抗酸化物質を、それらのうちのいくつかは、比較的低い水準で含有する。チモールは、特に、その風味に著しく寄与するオレガノ葉において上昇する。
【0167】
シリル化されたセージのGC/MS走査プロファイルは、セージ中で見られることが予期される以下の特徴のある抗酸化物質の存在を確認する。
【表6】
【0168】
セージはまた、いくつかのサビノール(sabinol)及びセージの特定の風味を授ける精油に典型的な他の揮発性化合物を含有する。
【0169】
シリル化されたハイビスカス花(乾燥)のGC/MS走査プロファイルは、本明細書で評価される他の植物に一般的ではないいくつかのピークを示す。これらのピークは、いくつかの多官能性ヒドロキシル酸に属している。その比較的低い上述のORAC指数にある通り、ハイビスカス花は、有意水準の抗酸化物質を含まない。乾燥した花は、クエン性キナ酸及び他のヒドロキシル酸等の糖(フルクトース、グルコース)並びにいくつかの酸を含有する。この材料の抗酸化特性への寄与体として、低水準のアスコルビン酸及びいくつかのクロロゲン酸のみを識別した。しかしながら、花は、上述の走査技法によって分析することが不可能ないくつかのアントシアニジンを含有する。これらのアントシアニジンは、デルフィニジン及びシアニジンを含む。
【0170】
シリル化されたクローブのGC/MS走査プロファイルは、クローブ中で見られることが予期される以下の特徴のある抗酸化物質の存在を確認する。
【表7】
【0171】
クローブは、有意な割合のオイゲノール(最小24.76)を含有し、高い水準の没食子酸及びベツリン酸も有する。ともに強い抗酸化特性を有するこれらの化合物は、クローブに対して高いORAC及びFRAP値をもたらす。
【0172】
シリル化されたターメリック(粉砕された)のGC/MS走査プロファイルは、ターメリックが、この例で評価される他の植物と比較して、有意水準の抗酸化物質を含有しないことを示す。カンフル及びチモール等の低水準のいくつかの風味豊かな揮発性化合物がターメリック中に存在し、これらは、いくつかの抗酸化特性に寄与し得る。また、極低水準のベツリン酸も存在する。本明細書で評価される他の植物とは異なるターメリックは、いくつかのシュウ酸(最小11.08)、ar-ツルメロン(最小31.82)、及びクルクミン(最小75.31)を含有する。ツメロン(Tumerone)は、いくつかの抗酸化特性を有する事が報告されている。クルクミンは、抗酸化特性も有するポリフェノールであり、ターメリックの黄色の原因となる。
【0173】
シリル化されたローズヒップ(乾燥粉砕された)のGC/MS走査プロファイルは、ローズヒップ中で見られることが予期される以下の特徴のある抗酸化物質の存在を確認する。
【表8】
【0174】
バラに対するORAC及びFRAP指数は、比較的高く、良好な抗酸化特性を示す。これらの高い値は、アスコルビン酸、オレアノール酸、及びベツリン酸の存在によって生成される可能性があり、全てが乾燥粉砕材料中に存在する。シリル化されたローズヒップのクロマトグラムに示される主ピークは、炭水化物(グルコース、フルクトース、及びスクロース)に属している。
【0175】
シリル化されたイエルバマテのGC/MS走査プロファイルは、イエルバマテ中で見られることが予期される以下の特徴のある抗酸化物質の存在を確認する。
【表9】
【0176】
イエルバマテは、相当量のカテキンも含有する緑茶と同様のプロファイルを有しない。イエルバマテは、相当水準のクロロゲン酸を有しない。
【0177】
シリル化されたココア粉末のクロマトグラムは、微量水準のカフェイン(最小37.84)、没食子酸(最小42.22)、エピカテキン(最小63.80)、及びロイコアントシアニジンとして既知の更なるクラスの抗酸化物質を示す。これらの化合物は、本明細書で使用される分離で最小80~86の間で溶出し、テオブロミン、テオフィリン、及びロイコシアニジン没食子酸塩を含む。ロイコアントシアニジンはまた、異なる単位のフラバン基が、結合部で接合されるプロアントシアニジンポリマーを形成する。これらの化合物は、抗酸化特性を有するが、しかしながら、より大きい分子は、上述のGC/MS走査技法では分析することができない。
【0178】
比較のために、鉄管乾燥調製タバコ及びバーレータバコも分析する。鉄管乾燥調製タバコは、特にクロロゲン酸(最小68.12)及びいくつかのα-トコフェノールを含む、より高いレバーの抗酸化物質を含有する。これは、鉄管乾燥調製タバコと比較してバーレータバコに対するより低いORAC及びFRAP指数を説明する。両方のタバコ材料は、評価される植物よりも小さい抗酸化物質特徴を有する。
【0179】
実施例2
グアユサ葉の抗酸化プロファイルを、タバコ製品におけるそれらの使用可能性を決定するために評価する。イレクスグアユサは、抗酸化特性のある植物である。植物は、主にエクアドルで生育されるが、ペルー及びコロンビアの一部でも見られる。慣例的に、グアユサ葉は水中で茹でられ、結果として得られる飲料は、その刺激的効果のために消費され、それはカフェイン及びテオブロミンの含量による可能性が高い。いくつかの研究では、グアユサの摂取は、動物モデルにおいて高血糖及び1型糖尿病の他の副作用の低減を助けることが示されている。
【0180】
ORAC及びFRAP指数で記載されるグアユサ葉の抗酸化特性を評価して、緑茶のものと比較する。実施例1に記載される手順に従って、ORAC指数の測定を実施する。グアユサ及び緑茶に対するORAC指数値が、以下の表3に示される。ORAC指数は、TE(トロロクス当量μmol/g植物)で表される。
【表10】
【0181】
実施例1に記載される手順に従って、FRAP指数を測定する。グアユサ及び緑茶に対するFRAP指数値が、表4に示される。FRAP指数は、μmol Fe2+/g植物で表される。
【表11】
【0182】
加えて、CG/MS走査技法は、実施例1に記載されるように、グアユサ葉中で見られる特定の抗酸化物質の性質及び相対的水準に関する情報を提供する。グアユサのGC/MS走査プロファイルは、緑茶のものとは大きく異なるが、しかしながら、グアユサ中の化合物のプロファイルは、イレクス(Ilex paraguariensis)のものでもあるイエルバマテのものと同様であった。主要な抗酸化物質の中で、グアユサ中及びイエルバマテ中にも存在するものは、以下の通りである:
【表12】
【0183】
要約すれば、イエルバマテと同様に、グアユサは、有意水準の2つのクロロゲン酸(3-クロロゲン酸及び5-クロロゲン酸)を有する。グアユサ中にあることが報告されるテオブロミンは、クロマトグラムにおいては識別されなかった。グアユサ及びイエルバマテ中のカフェインの水準は、ほぼ同じである。グアユサは、緑茶と比較してより小さい抗酸化特性を有する。シリル化されたグアユサのクロマトグラフプロファイルは、緑茶のものと異なり、抗酸化特性に寄与する異なる化合物を示す。
【0184】
実施例3
ルイボス(Aspalathus linearis)の抗酸化プロファイルを、タバコ製品における使用可能性を決定するために評価する。ルイボスは、南アフリカのウエスタンケープ州の領域で生育する。葉は、ブッシュ茶または単にルイボスと称されるティザン(ハーブ茶)で使用される。一般的に、葉は、発酵に供され、赤みがかった茶色(レッドルイボス)及び増強された風味を生み出す。未成熟または未発酵のルイボスは、若干草のような風味を有する。
【0185】
ORAC及びFRAP指数で記載されるグリーン及びレッドルイボスの抗酸化特性を評価する。実施例1に記載される手順に従って、ORAC指数の測定を実施する。グリーン及びレッドルイボスに対するORAC指数値が、以下の表5に示される。ORAC指数は、TE(トロロクス当量μmol/g植物)で表される。
【表13】
【0186】
実施例1に記載される手順に従って、FRAP指数を測定する。グリーン及びレッドルイボスに対するFRAP指数値が、表6に示される。FRAP指数は、μmol Fe2+/g植物で表される。
【表14】
【0187】
種であり得るように、グリーンルイボスは、レッドルイボスよりも大きいORAC値及びFRAP値を有する。レッドルイボスの抗酸化特性の明らかな喪失は、緑茶と比較した紅茶の抗酸化特性の喪失と類似している。ルイボスのORAC及びFRAP値は、緑茶と非常によく似ている。
【0188】
加えて、CG/MS走査技法は、実施例1に記載されるように、ルイボス葉中で見られる特定の抗酸化物質並びに他の化合物の性質及び相対的水準に関する情報を提供する。主要な化合物の中で、ルイボス中で見られるものは以下の通りである:
【表15】
【0189】
実施例4
ハニーブッシュ葉(発酵された)の抗酸化プロファイルを、タバコ製品におけるそれらの使用可能性を決定するために評価する。ハニーブッシュ(Cyclopia)は、マメ科の顕花植物の属であり、その葉は、抗酸化特性を有する。Cyclopiaのいくつかの種は、南アフリカの南西及び南東で生育する。ハニーブッシュの葉は、ティザンまたはハーブ茶を作製するために一般的に使用される。植物は、ルイボスと多くの類似点を有し、未成熟で、及び発酵して利用可能である。発酵プロセスは、植物の細胞内酵素によって生じる酵素酸化であり、葉のORAC値を部分的に低減させる。本明細書で評価されるハニーブッシュは、発酵されるが、植物の特定の種は、不明である。緑茶と比較してORAC及びFRAP値は、あまり高くない。ハニーブッシュの抗酸化特性は、様々な抗酸化化合物によって生産される。未発酵のハニーブッシュは、タンニンが低い(0.45%)が、イソファボン(isofavone)、フラボン、桂皮酸、クメスタン、キサントノイド、マンギフェリン、及びイソマンギフェリンを含有すると報告されている。これらの化合物のほとんどは、本明細書で使用されるGC/MS方法で評価することができない。したがって、これらの化合物のうちのどれが発酵されたハニーブッシュ中で依然として活性であるのかは決定されない。
【0190】
ORAC及びFRAP指数で記載されるハニーブッシュ葉の抗酸化特性を評価して、緑茶のものと比較する。実施例1に記載される手順に従って、ORAC指数の測定を実施する。ハニーブッシュ及び緑茶に対するORAC指数値が、以下の表7に示される。ORAC指数は、TE(トロロクス当量μmol/g植物)で表される。
【表16】
【0191】
実施例1に記載される手順に従って、FRAP指数を測定する。ハニーブッシュ及び緑茶に対するFRAP指数値が、表8に示される。FRAP指数は、μmol Fe2+/g植物で表される。
【表17】
【0192】
加えて、CG/MS走査技法は、実施例1に記載されるように、ハニーブッシュ葉中で見られる特定の抗酸化物質並びに他の化合物の性質及び相対的水準に関する情報を提供する。主要な化合物の中で、ハニーブッシュ中で見られるものは以下の通りである:
【表18】
【0193】
炭水化物のうちのいくつかを除いて、クロマトグラムで見られる化合物は、入手可能な文献に示されるようなハニーブッシュ中で見られることが予期される抗酸化物質と一致しない。更に、本明細書で評価されるハニーブッシュ植物の特定の種は、緑茶と比較してより小さい抗酸化物質特徴を示す。
【0194】
実施例5
緑茶を含む実験用スヌースに対する抗酸化特性、微結晶性セルロース(MCC)及び緑茶を含有する小袋状製品、及びスヌース対照を評価する。緑茶は、市場から入手可能な市販の製品である(Shanghai Tiantan Intern.Trading Co.,Ltd.)。緑茶試料を含む実験用スヌースは、乾燥重量基準で約16.79%の摩砕された緑茶を含有する。MCCを含む小袋状材料は、約41.55%の摩砕された緑茶を含有する。スヌース対照の基本成分には、摩砕された葉身+摩砕された葉柄;塩、NaCO、NaHCO;スクラロース及びプロピレングリコールを含む。緑茶を含む実験用スヌースは、緑茶での制御下で、製品中の他の構成成分の割合を著しく変化させることなく、摩砕された葉身及び葉柄の一部を置き換えることによって作製される。小袋状材料の基本組成物は、MCCと緑茶との水準を、緑茶試料を含むスヌース内のタバコ材料と緑茶とのものといくらか等価の乾燥重量パーセント水準で保つことが意図されている。
【0195】
各試料に対するORAC値及びFRAP値を、実施例1に上述されるものと同じ手順を使用して測定する。試料に対するORAC値が、以下の表9に示される。ORAC指数は、TE(トロロクス当量μmol/g植物)で表される。
【表19】
【0196】
試料及び緑茶に対するFRAP指数値が、表10に示される。FRAP指数は、μmol Fe2+/g植物で表される。
【表20】
【0197】
加えて、実施例1に上述されるGC/MS走査技法は、3つの試料中のいくつかの抗酸化化合物の相対的水準の評価のために、及び緑茶「そのまま」からのもののこれらの水準と比較するために使用される。評価は、各材料に適用されるクロマトグラフ走査において主要な抗酸化化合物によって生成されるピークの正規化された領域数に基づいて行われる。正規化は、内部標準(400ppmのtertブチルヒドロキノン)の領域を使用して実施される。
【0198】
分析された試料中の正規化された領域数の結果は、異なる抗酸化化合物の割合が、対応製品における緑茶の割合に従うことを示す。要約すれば、緑茶の追加は、試料製品の抗酸化特性を著しく上昇させる。
【0199】
実施例6
2つの植物(緑茶葉及び凍結乾燥されたローズマリー)の少ない割合の追加時の実験用スヌースブレンドにおける抗酸化特性の変化を評価する。凍結乾燥された3つの水準のローズマリー(5%、10%、及び20%乾燥重量基準)を組み込むスヌース試料、3つの水準の緑茶(5%、10%、及び20%乾燥重量基準)を組み込むスヌース試料、並びにいずれの植物性添加物を含まない対照スヌース試料に対するORAC値を測定した。実施例1に上述されるものと同じ手順を使用して、各試料に対するORAC値を測定する。
【0200】
試料に対するORAC値が、以下の表11に示される。ORAC指数は、TE(トロロクス当量μmol/g植物)で表される。
【表21】
【0201】
スヌースタバコブレンドへの緑茶の追加並びにローズマリーの追加は、ORAC値の上昇をもたらす。更に、ORAC値の変動は、製品に追加される植物性製品の割合に対する線形の依存性を示す。
【0202】
ORAC値の測定に加えて、実施例1に上述される手順に従ってGC/MSスクリーニングを緑茶またはローズマリーのいずれかが追加されるスヌース試料に実施する。試料のクロマトグラフィ結果は、糖、タバコ特異酸、ニコチン、リン酸塩等、並びに緑茶またはローズマリーに特異的な予期される抗酸化特性を有する化合物等の典型的なタバコ化合物の存在を示す。結果は、追加された植物中に存在する特定の化合物の水準が、複合材料中で上昇し得ることも示す。
【0203】
実施例7
タバコ製品は、特定の温度(頻繁に100℃未満)で加熱される必要がある場合がある。また、タバコ製品に追加される材料が細菌を含まないことを確実にするために、植物は、100℃程度の温度で加熱される必要がある場合がある。したがって、以下の非限定的な例は、76℃、93℃、及び110℃の3つの異なる温度での1時間にわたる加熱時の緑茶及び乾燥ローズマリーの抗酸化特性の潜在的変化を決定する。
【0204】
緑茶及び乾燥ローズマリーの2~3gの試料を異なるビーカーに秤量する。各試料を異なる温度で1時間にわたって加熱する。使用される3つの温度は、76℃、93℃、及び110℃である。加熱後、ビーカーをアルミニウムホイルで被覆し、室温まで冷却する。各試料から、各分析に必要とされる量を2連で正確に秤量する。実施例1に上述されるものと同じ手順を使用して、各試料に対するORAC値及びFRAP値を測定する。
【0205】
試料に対するORAC値が、以下の表12及び13に示される。ORAC指数は、TE(トロロクス当量μmol/g植物)で表される。
【表22】
【表23】
【0206】
試料に対するFRAP指数値が、以下の表14及び15に示される。FRAP指数は、μmol Fe2+/g植物で表される。
【表24】
【表25】
【0207】
表12~15に見られるように、最大110℃まで加熱されるときの緑茶または乾燥ローズマリーのいずれかに対するORAC値及びFRAP値は、微小な変化を示す。いくつかの事例では、ORAC及びFRAP値の上昇が、加熱された試料に対して見られるようにさえ見える。これらの上昇は、分析測定における変動の結果である可能性がある。
【0208】
実施例1に上述されるGC/MS走査技法を使用して、室温及び加熱された緑茶及びローズマリー試料において見られる特定の抗酸化化合物の水準を評価する。評価は、各材料に適用されるクロマトグラフ走査において主要な抗酸化化合物によって生成されるピークの正規化された領域数に基づいて行われる。正規化は、内部標準(400ppmのtertブチルヒドロキノン)の領域を使用して実施される。
【0209】
結果は、試料の加熱が、緑茶または乾燥ローズマリー中で見られるほとんどの抗酸化化合物の水準を著しく変化させないことを示す。ローズマリーに関してのみ、カルノシン酸の水準が、110℃での加熱時に減少するように見える。同様にローズマリー中で、化合物ロスマリシン及びロスマリン酸の水準が、試料が110℃で1時間にわたって加熱されるときに若干減少する。全体的に、試料の加熱は、分析される植物の抗酸化特性に著しく影響しない。
【0210】
実施例8
経口嗅ぎタバコの代替物としての使用に適している錠剤製品は、以下の重量百分率の成分を使用して生産される。表16に列記される百分率は、水を含むことに留意されたい。
【表26】
【0211】
製品を調製するために、2倍の量のアラビアガム及び水を低速で30分間かけて高速ミキサー中で一緒に混合する。この混合物を、被覆された容器中で60℃及び25%の相対湿度で一晩加熱する。混合物を熱源から取り除き、泡部分を廃棄する。
【0212】
220グラムの上述の水和されたアラビアガム溶液を秤量する。本明細書に列記される各成分の実際のグラムは、バッチサイズによって異なり得るが、重量百分率は、ほぼ同じに留まるだろう。温かいガム混合物を、その上で約155~160°F(68~71℃)に加熱しながらゆっくりと穏やかに撹拌されるヘラを備える撹拌調理器具中に設置する。
【0213】
30グラムの水をビーカー中に秤量する。約10.0グラムの塩を水に追加し、溶解する。上に示されるレシピ水準のスクラロース(0.18グラム)、リコリス風味(1.85グラム)、カラメル色素(6.00グラム)、及びグリセリン(8.0グラム)を水に追加し、撹拌する。次いで、この水混合物を撹拌調理器具に追加する。
【0214】
別個の加熱皿中で、イソマルト粉末(137.25グラム)、エリスリトール(24.50グラム)、及びマルチトールシロップ(7.50グラム)を一緒に混合して、約350°F(177℃)まで加熱する。この混合物を加熱しながら、約12.5グラムの塩を撹拌調理器具に追加する。塩の追加に続いて、更なる風味(4.00グラム)を秤量して、撹拌調理器具に追加する。イソマルト、エリスリトール、及びマルチトール混合物を望ましい温度まで加熱した後、この混合物を約290°F(143℃)まで冷却して、次いで、ゆっくりと撹拌調理器具に追加する。撹拌調理器具中の温度を上昇させ、素早く冷却する。いったん撹拌調理器具中のスラリーを160°F(71℃)まで冷却すると、摩砕されたビート根(約50ミクロン未満の平均粒径を有する22.85グラム)及び燃焼乾燥調製された噴霧乾燥された抽出物(15.00グラム)を撹拌調理器具に追加する。スラリーを1分間にわたって撹拌する。次いで、スラリーを堆積用にディポジッター中に流入する。
【0215】
60℃、25%の相対湿度でデンプントレイを予熱してデンプンベッドを調製する。トレイ中に刻印を作製し、ディポジッターを使用してスラリーで充填する。スラリーをトレイ中に堆積させた後、堆積させた一片の上に約1インチの高さのコーンスターチが存在するように堆積させたスラリー片を篩にかけたコーンスターチで被覆する。堆積させたトレイを60℃、25%の相対湿度で17時間にわたって環境キャビネットに設置する。デンプントレイから一片を取り除き、残りのデンプンを吹き飛ばす。手で、またはコーティング皿を使用して、0.1%(0.35グラム)水準の付着防止コーティング(Capol 570C)を適用する。次いで、水分レベル及びpHを測定する。堆積する前、トレイ中のデンプン水分は、環境キャビネットでの事前乾燥後、約6%以下の水分である。各錠剤中の標的される水分含量は、乾燥後、約8%以下である。以下の表17は、上の手順に従って作製される各錠剤中の各成分の乾燥重量パーセント、並びに標的される8%の水分含量水準での各成分の重量パーセントを示す。最終製品中のビート根の量は、約5~約10乾燥重量パーセントのいずれか等、異なり得る。
【表27】
【0216】
実施例9
以下の非限定的な例は、摩砕された緑茶を組み込む錠剤製品を実証する。錠剤は、実施例8に上述されるものと同じプロセスを使用して生産されるが、しかしながら、摩砕されたビート根は、微小に摩砕された緑茶(Shanghai Special Green Teaとして市販される)で置き換えられる。湿重量百分率は、本質的に同じに留まり、8%水分含量での最終乾燥重量百分率及び重量百分率は、実施例8に上で列記されるものとほぼ同じである。緑茶は、約50ミクロン未満の平均粒径を有する。最終製品中の緑茶の量は、約3~約10乾燥重量パーセントのいずれか等、異なり得る。
【0217】
実施例10
以下の非限定的な例は、摩砕された緑茶を組み込む錠剤製品を実証する。錠剤は、実施例8に上述されるものと同じプロセスを使用して生産されるが、しかしながら、燃焼乾燥調製された噴霧乾燥された抽出物は、微小に摩砕された緑茶(Shanghai Special Green Teaとして市販される)で置き換えられ、摩砕されたビート根は、燃焼乾燥調製される摩砕されたタバコで置き換えられる。湿重量百分率は、本質的に同じに留まり、8%水分含量での最終乾燥重量百分率及び重量百分率は、実施例8に上で列記されるものとほぼ同じである。緑茶は、約50ミクロン未満の平均粒径を有する。最終製品中の緑茶の量は、約3~約10乾燥重量パーセントのいずれか等、異なり得る。
【0218】
実施例11
以下の非限定的な例は、ローズマリーを組み込む錠剤製品を実証する。錠剤は、実施例8に上述されるものと同じプロセスを使用して生産されるが、しかしながら、摩砕されたビート根は、燃焼乾燥調製される摩砕されたタバコで置き換えられ、3.0湿重量パーセントのローズマリー粉末は、燃焼乾燥調製される摩砕されたタバコ及び燃焼乾燥調製された噴霧乾燥された抽出物を含むスラリーポットに追加される。ローズマリーの8%MCでの最終乾燥重量パーセント及び重量パーセントは、それぞれ、4.22及び3.88である。アラビアガム粉末、冷水、及びイソマルト粉末の重量百分率は、追加材料を補うように若干減少する。残りの成分の重量百分率は、実施例8に上で列記されるものとほぼ同じである。ローズマリーは、約50ミクロン未満の平均粒径を有する。最終製品中のローズマリーの量は、約3~約10乾燥重量パーセントのいずれか等、異なり得る。
【0219】
実施例12
錠剤製品は、医薬品グレードのニコチン組成物がタバコ構成成分として使用され、ビート根、カラメル色素、塩、及びリコリス風味剤が取り除かれることを除いて、実施例8に示されるものと同じ一般的なプロセス及び配合物を使用して生産される。
【0220】
以下の表18は、この手順に従って作製される各錠剤中の各成分の乾燥重量パーセント、並びに標的された8%水分含量水準での各成分の重量パーセントを示す。
【表28】
【0221】
緑茶は、約50ミクロン未満の平均粒径を有する。最終製品中の緑茶の量は、約5~約15乾燥重量パーセント等で異なり得る。アラビアガム及びイソマルト含量は、緑茶重量百分率の変化に適応するように修正され得る。
【0222】
実施例13
錠剤製品は、摩砕された緑茶が2.33乾燥重量パーセントしか使用されず、2.14乾燥重量パーセントのココア及び4.39乾燥重量パーセントの凍結乾燥された緑茶抽出物が追加されることを除いて、実施例12に示されるものと同じ一般的なプロセス及び配合物を使用して生産される。イソマルト及びアラビアガムの重量百分率は、これらの変化を考慮して比例的に調整される。
【0223】
約180°F(約82℃)の温度で約10分間にわたって、1部の緑茶に対して10部の水(重量で)のスラリーで緑茶粉末を浸すことによって緑茶抽出物を調製する。浸した後、チーズクロスを通して液体抽出物を濾過し、抽出プロセスを残りのパルプに対して繰り返す。組み合わせた液体抽出物を蒸発乾燥することによって濃縮し、凍結乾燥させて粉末を形成する。
【0224】
実施例14
錠剤製品は、摩砕された緑茶が追加されず、凍結乾燥された緑茶抽出物が6.72乾燥重量パーセントまで増加されることを除いて、実施例13に示されるものと同じ一般的なプロセス及び配合物を使用して生産される。
【0225】
実施例15
錠剤製品は、風味剤が取り除かれ、イエルバマテが2.71の乾燥重量百分率で追加され、タバコ由来のニコチンが0.16乾燥重量パーセントまで低減され、摩砕された緑茶が2.71乾燥重量パーセントまで低減されることを除いて、実施例12に示されるものと同じ一般的なプロセス及び配合物を使用して生産される。残りの成分の乾燥重量百分率は、実施例12に上に示される百分率と比較して若干上昇する。
【0226】
実施例16
以下の非限定的な例は、スヌースの代替物としての使用に適している錠剤製品を作製するプロセスを実証する。錠剤製品は、以下の重量百分率の成分を使用して生産される。限外濾過されたタバコ抽出物は、ともにHolton,Jr.への米国特許出願公開第2013/0074855号及び同第2013/0074856号に記載されるように調製された抽出物であり、これは参照により本明細書に組み込まれる。表19に列記される百分率は、水を含むことに留意されたい。
【表29】
【0227】
製品を調製するために、2倍の量のアラビアガム及び水を低速で30分間かけて高速ミキサー中で一緒に混合する。この混合物を、被覆された容器中で60℃及び25%の相対湿度で一晩加熱する。混合物を熱源から取り除き、泡部分を廃棄する。
【0228】
240グラムの上述の水和されたアラビアガム溶液を秤量する。本明細書に列記される各成分の実際のグラムは、バッチサイズによって異なり得るが、重量百分率は、ほぼ同じに留まるだろう。温かいガム混合物を、その上で約155~160°F(68~71℃)に加熱しながらゆっくりと穏やかに撹拌されるヘラを備える撹拌調理器具中に設置する。
【0229】
31グラムの水をビーカー中に秤量する。約7.5グラムの塩を水に追加し、溶解する。上に示されるレシピ水準のスクラロース(0.15グラム)、着色剤(0.038グラム)、及びグリセリン(7.5グラム)を水に追加し、撹拌する。次いで、この水混合物を撹拌調理器具に追加する。
【0230】
別個の加熱皿中で、イソマルト粉末(145.00グラム)、エリスリトール(25.00グラム)、及びマルチトールシロップ(7.50グラム)を一緒に混合して、約350°F(177℃)まで加熱する。この混合物を加熱しながら、約3.00グラムの風味剤を撹拌調理器具に追加する。イソマルト、エリスリトール、及びマルチトール混合物を望ましい温度まで加熱した後、この混合物を約290°F(143℃)まで冷却して、次いで、ゆっくりと撹拌調理器具に追加する。撹拌調理器具中の温度を上昇させ、素早く冷却する。いったん撹拌調理器具中のスラリーを160°F(71℃)まで冷却すると、摩砕された緑茶(20.31グラム)及び限外濾過された燃焼乾燥調製された噴霧乾燥された抽出物(15.00グラム)を撹拌調理器具に追加する。スラリーを1分間にわたって撹拌する。次いで、スラリーを堆積用にディポジッター中に流入する。
【0231】
60℃、25%の相対湿度でデンプントレイを予熱してデンプンベッドを調製する。トレイ中に刻印を作製し、ディポジッターを使用してスラリーで充填する。スラリーをトレイ中に堆積させた後、堆積させた一片の上に約1インチの高さのコーンスターチが存在するように堆積させたスラリー片を篩にかけたコーンスターチで被覆する。堆積させたトレイを60℃、25%の相対湿度で17時間にわたって環境キャビネットに設置する。デンプントレイから一片を取り除き、残りのデンプンを吹き飛ばす。手で、またはコーティング皿を使用して、0.1%(0.35グラム)水準の付着防止コーティング(Capol 570C)を適用する。次いで、水分レベル及びpHを測定する。堆積する前、トレイ中のデンプン水分は、環境キャビネットでの事前乾燥後、約6%以下の水分である。各錠剤中の標的される水分含量は、乾燥後、約12%以下である。以下の表20は、上の手順に従って作製される各錠剤中の各成分の乾燥重量パーセント、並びに標的される12%の水分含量水準での各成分の重量パーセントを示す。
【表30】
【0232】
実施例17
以下の非限定的な例は、着色剤、緑茶、及び風味剤が取り除かれ、4.41乾燥重量パーセントのハニーブッシュ抽出物で置き換えられることを除いて、実施例16に概説されるものと同じ一般的なプロセスを使用してスヌースの代替物としての使用に適している錠剤製品を実証する。加えて、限外濾過されたタバコ抽出物は、1.52乾燥重量パーセントのタバコ由来のニコチンで置き換えられる。イソマルト及びアラビアガムの量は、残りの成分の変化に適応するように比例的に調整される。ハニーブッシュ抽出物の量は、約1~約5乾燥重量パーセント等、異なり得る。
【0233】
約180°F(約82℃)の温度で約10分間にわたって、1部のハニーブッシュに対して10部の水(重量で)のスラリーでハニーブッシュ粉末を浸すことによってハニーブッシュ抽出物を調製する。浸した後、チーズクロスを通して液体抽出物を濾過し、抽出プロセスを残りのパルプに対して繰り返す。組み合わせた液体抽出物を蒸発乾燥することによって濃縮し、凍結乾燥させて粉末を形成する。
【0234】
実施例18
以下の非限定的な例は、ハニーブッシュ抽出物が、約4.41乾燥重量パーセントの量のグリーンルイボス抽出物で置き換えられることを除いて、実施例17に概説されるものと同じ一般的なプロセスを使用してスヌースの代替物としての使用に適している錠剤製品を実証する。ルイボス抽出物の量は、約1~約5乾燥重量パーセント等、異なり得る。
【0235】
約180°F(約82℃)の温度で約10分間にわたって、1部のグリーンルイボスに対して10部の水(重量で)のスラリーでグリーンルイボス粉末を浸すことによってグリーンルイボス抽出物を調製する。浸した後、チーズクロスを通して液体抽出物を濾過し、抽出プロセスを残りのパルプに対して繰り返す。組み合わせた液体抽出物を蒸発乾燥することによって濃縮し、凍結乾燥させて粉末を形成する。
【0236】
実施例19
以下の非限定的な例は、ハニーブッシュ抽出物が、約4.41乾燥重量パーセントの量のレッド(発酵された)ルイボス抽出物で置き換えられることを除いて、実施例17に概説されるものと同じ一般的なプロセスを使用してスヌースの代替物としての使用に適している錠剤製品を実証する。ルイボス抽出物の量は、約1~約5乾燥重量パーセント等、異なり得る。
【0237】
約180°F(約82℃)の温度で約10分間にわたって、1部のレッドルイボスに対して10部の水(重量で)のスラリーでレッドルイボス粉末を浸すことによってレッドルイボス抽出物を調製する。浸した後、チーズクロスを通して液体抽出物を濾過し、抽出プロセスを残りのパルプに対して繰り返す。組み合わせた液体抽出物を蒸発乾燥することによって濃縮し、凍結乾燥させて粉末を形成する。
【0238】
実施例20
以下の非限定的な例は、ハニーブッシュ抽出物が、約1.24乾燥重量パーセントの量のイエルバマテ抽出物で置き換えられることを除いて、実施例17に概説されるものと同じ一般的なプロセスを使用してスヌースの代替物としての使用に適している錠剤製品を実証する。イエルバマテ抽出物の量は、約1~約5乾燥重量パーセント等、異なり得る。
【0239】
約180°F(約82℃)の温度で約10分間にわたって、1部のイエルバマテに対して10部の水(重量で)のスラリーでイエルバマテ粉末を浸すことによってイエルバマテ抽出物を調製する。浸した後、チーズクロスを通して液体抽出物を濾過し、抽出プロセスを残りのパルプに対して繰り返す。組み合わせた液体抽出物を蒸発乾燥することによって濃縮し、凍結乾燥させて粉末を形成する。
【0240】
実施例21
以下の非限定的な例は、ハニーブッシュ抽出物が、タバコから抽出される抗酸化物質を含むタバコ抗酸化(TAO)抽出物で置き換えられることを除いて、実施例17に概説されるものと同じ一般的なプロセスを使用してスヌースの代替物としての使用に適している錠剤製品を実証する。TAO抽出物は、約1.15乾燥重量パーセントの量で使用される。TAO抽出物の量は、約1~約5乾燥重量パーセント等、異なり得る。
【0241】
メタノールで切り刻まれた青葉を抽出し(Galpao Commun種-葉表面に多く含まれる化学物質及び抗酸化物質)、次いで、回転蒸発によりメタノールを蒸発することによって、TAO抽出物を調製する。この高粘性材料を、使用するまで4℃でプラスチックの5ガロンバケツに貯蔵する。この抽出物は、最小メタノール中で再構成され、C18逆相カラムを備えるフラッシュクロマトグラフィシステム上に注入される。抽出物を、勾配溶出を用いて極性に基づいて分離する。初期の75/25のMeOH/水溶媒混合物を用いて最初の5分間で溶出するより極性の留分を貯蔵器内に捕り、同時に溶出物の残りを廃棄する。フラボノイド分子及び高いORAC値は、この分離の極性留分に関連付けられる。次いで、全ての溶媒、MeOH、及び水が除去されるまで、収集された留分を遠心回転蒸発器(例えば、Genevac Rocket Evaporator)で蒸発させる。次いで、乾燥させた留分は、本明細書において留意される配合物に組み込まれる。あるいは、初期の乾燥させたGalpao抽出物は、再構成されてもよく、留分は、遠心分配クロマトグラフィを使用して分離されてもよい。
【0242】
実施例22
以下の非限定的な例は、水が、6.9湿重量パーセントの赤ワインで置き換えられることを除いて、実施例17に概説されるものと同じ一般的なプロセスを使用してスヌースの代替物としての使用に適している錠剤製品を実証する。具体的に、Reserve Grand Veneur,Cotes du Rhoneとラベル付けされるFrench Red 2006ビンテージが使用される。更に、ハニーブッシュ抽出物の量が低減される。赤ワイン、スクラロース、グリセリン、及びハニーブッシュ抽出物を、混合物を撹拌調理器具に追加する前に一緒に混合する。製品中のハニーブッシュ抽出物の最終乾燥重量百分率は、1.22パーセントであり、残余の赤ワインの最終乾燥重量百分率は、0.77パーセントである。
【0243】
実施例23
経口使用のための無煙タバコ製品としての使用に適した無煙タバコ錠剤組成物は、以下の手法で提供される。水性混合物を調製する。まず、結合剤材料(アラビアガム)を水で水和して、混合物を脱気し、上部の泡を取り除くことによって、水和されたガムを調製する。水和されたガムを撹拌調理器具内で穏やかに撹拌し、約82℃で加熱する。糖、コーンシロップ、水性タバコ抽出物、及びグリセリンを水和されたガムに追加して、水性混合物を得る。この水性混合物は、約32部の結合剤材料、約27部の糖、約4部のコーンシロップ、約3部のタバコ抽出物、約2部の湿潤剤、及び32部の水である。
【0244】
水性混合物を風味剤、塩(NaCl)、及び甘味料(スクラロース)と混合して、無煙タバコ組成物を形成する。植物性材料(例えば、ルイボス、緑茶、イエルバマテ、またはハニーブッシュ)を組成物に追加する。組成物を15分間にわたって混合する。無煙タバコ組成物は、約94部の水性混合物、0.6部の風味剤、1.5部の塩、0.03部のスクラロース、及び4部の植物性材料である。
【0245】
無煙タバコ組成物を約71℃まで加熱し、次いで、デンプン型に堆積させる。無煙タバコ組成物を約60℃で約30~40時間にわたってデンプン型に残す。無煙タバコ組成物を冷却し、デンプン型から取り除き、環境室温で乾燥調製する。
【0246】
実施例24
経口使用のための融解可能な無煙タバコ製品としての使用に適した無煙タバコ組成物は、以下の手法で提供される。水性タバコ抽出物(75重量%の鉄管乾燥調製タバコ及び25重量%のバーレータバコを含むタバコ混合物の抽出物)の形態のタバコ材料を、リジンの存在下で加熱処理し、噴霧乾燥させる。充填剤(イソマルト)、塩(塩化ナトリウム)、甘味料(スクラロース)、水性植物性抽出物の形態の植物性材料(例えば、ルイボス、緑茶、イエルバマテ、またはハニーブッシュ)、及び1つ以上の風味剤(例えば、バニリン及びミント)を含む種々の乾燥成分が提供される。粉末形態の全ての乾燥成分並びに噴霧乾燥されたタバコ材料を一緒に追加し、約3分間にわたって約120rpmでヘラを用いてホバートミキサー中で十分に混合する。
【0247】
約38℃~約42℃の融解点を有する脂質物質が提供される(AarhusKarlshamn USA Inc.から108-24-Bの商品名で入手可能)。脂質物質は、パーム核油及びパーム油を含有する水素化されていないラウリン酸コーティング脂肪である。
【0248】
マイクロ波を使用して脂質物質を混合容器中で融解する。融解した脂質を撹拌しながら乾燥ブレンドにゆっくりと追加する。混合容器への熱を維持しながら、全部の融解した脂質構成成分の追加は、無煙タバコ組成物の流動性スラリーを創出する。無煙タバコ製品の一片当たり約1グラム重量を達成するようにスラリーを型に堆積させる。スラリーを約45分間にわたって環境空気乾燥することによって硬化させ、その後、無煙タバコ製品の個別の一片を型から取り除く。無煙タバコ組成物の混合物は、約39部の脂質物質、55部の充填剤、2部のタバコ抽出物、2部の植物性抽出物、0.5部の塩、0.45部の甘味料、及び1.05部の風味剤である。
【0249】
実施例25
経口使用のための無煙タバコ製品としての使用に適した押し出された無煙タバコ組成物は、以下の手法で提供される。湿潤剤(Corn Products InternationalからHYSTAR 3375の商品名で入手可能)、乳化剤(Loders CroklaanからDUR-EM117の商品名で入手可能)、コーンシロップ、グリセリン、及び風味剤を混和し、加熱して、液体ブレンドを形成する。
【0250】
約100ミクロン未満の平均粒径を有する2種類のタバコ材料及び植物性材料(例えば、ルイボス、緑茶、イエルバマテ、またはハニーブッシュ)のタバコ材料ブレンドを、塩、スクラロース、結合剤材料(アラビアガム)、及びポリデキストロース粉末(Danisco A/SからLITESSEの商品名で入手可能)とホバート混合ボウル中で混合する。液体ブレンドを、タバコ材料ブレンド、結合剤材料、及びポリデキストロース粉末を含有するホバート混合ボウルに追加し、成分を、ホバートミキサー(Model N-50)中で約4~5分間にわたって約120rpmで混和して、無煙タバコ組成物を形成する。無煙タバコ組成物をホバートミキサー上で肉挽機を通過させて、液体成分を乾燥成分中に組み込む。粉砕機器を通して無煙タバコ組成物を押し出す。押し出しに応じて、無煙タバコ組成物をホバートミキサー中に設置して、粉末造粒を形成する。無煙タバコ組成物の混合物は、約14.6部の結合剤材料、31.8部の組み合わせたタバコ材料及び植物性材料、29.2部の湿潤剤、1部の乳化剤、14.6部のポリデキストロース、3.6部のコーンシロップ、2.2部のグリセリン、1.9部の塩、0.2部のスクラロース、並びに0.8部の風味剤である。
【0251】
顆粒状の無煙タバコ組成物を射出成形型に移し、約103,500kPaで1分間にわたって圧迫する。型は、無煙タバコ組成物で充填され、次いで、水圧プレスユニット(Wabach Hydraulic Press,Model12-102T,Serial2201)との係合を介して圧迫されるステンレス鋼ツーピースブロックである。周囲温度で約60分間にわたって冷却した後、無煙タバコ組成物を射出成形型から取り除く。
【0252】
実施例26
経口使用のための無煙タバコ製品としての使用に適した無煙タバコトローチ組成物は、以下の手法で提供される。イソマルト及びマルチトールシロップを、イソマルトが融解されるまでポット中で混合する。別個の容器中で、処理されたタバコ抽出物、HO、NaCl、スクラロース、植物性材料(例えば、任意に抽出物の形態で、ルイボス、緑茶、イエルバマテ、またはハニーブッシュ)、及び香料を混合して、溶液を形成する。
【0253】
イソマルト混合物を熱から取り除き、冷却する。抽出物を含有する溶液を高温のイソマルト混合物中に流入して、混ぜ入れる。任意に、摩砕されたタバコ及び/または摩砕された植物性材料をイソマルト混合物(イソマルト混合物を、抽出物を含有する溶液と組み合わせる前に、またはその組み合わされた混合物)のいずれかに追加する。
【0254】
結果として得られる組み合わされた混合物を型に流入して、無煙タバコ製品を形成する。混合物が流入するのに粘度が高くなり過ぎる場合は、混合物を、高熱を使用して(例えば、約7秒間にわたって)マイクロ波中で加熱してもよい。代表的な無煙タバコ製品混合物は、以下の表21~24において以下混合物1~3として示される。
【表31】
【表32】
【表33】
【0255】
実施例27
経口使用のための2構成成分の無煙タバコ製品としての使用に適した無煙タバコトローチ組成物は、以下の手法で提供される。
【0256】
A:琥珀色のコア構成成分の調製
イソマルト、マルチトールシロップ、及びバニリンを組み合わせて、スラリーを形成する。別個に、NaClを水と混合して、結果として得られるNaCl溶液を、調理容器中でスラリーに追加する。調理容器中のイソマルト混合物の温度を350°F(約177℃)にする。別個の容器中で、ニコチン溶液、植物性抽出物(例えば、ルイボス、緑茶、イエルバマテ、またはハニーブッシュ)、バニリン、スクラロース、クエン酸、スクラロース、追加香料(複数可)、及び着色剤(複数可)を混合する。
【0257】
イソマルト混合物を300°F(約149℃)まで冷却する。ニコチン溶液を含有する混合物を高温のイソマルト混合物に追加して、約20秒間にわたってまたは十分にブレンドされるまで撹拌する。結果として得られる混合物を熱から取り除き、ディポジッターに移す。代表的な琥珀色のコア構成成分混合物が、以下の表24に示される。
【表34】
【0258】
B:着色されていない外部構成成分の調製
イソマルト、マルチトールシロップ、及びバニリンを組み合わせて、スラリーを形成する。別個に、NaClを水と混合して、結果として得られるNaCl溶液を、調理容器中でスラリーに追加する。調理容器中のイソマルト混合物の温度を350°F(約177℃)にする。別個の容器中で、ニコチン溶液、植物性抽出物(例えば、ルイボス、緑茶、イエルバマテ、またはハニーブッシュ)、バニリン、スクラロース、クエン酸、スクラロース、及び追加香料(複数可)を混合する。
【0259】
イソマルト混合物を300°F(約149℃)まで冷却する。ニコチン及び植物性溶液を含有する混合物を高温のイソマルト混合物に追加して、約20秒間にわたってまたは十分にブレンドされるまで撹拌する。結果として得られる混合物を熱から取り除き、ディポジッターに移す。代表的な着色されていない外部構成成分混合物が、以下に示される。
【表35】
【0260】
C:無煙タバコ製品の構築
章A及びBに記載されるイソマルト混合物は、混合物がある程度の流動性を維持する温度で、以下のようにディポジッターから分配される。ディポジッターから、まず着色コア構成成分混合物を型に堆積させ、着色されていない外部構成成分混合物が続く。ワンパスまたはツーパスシステムのいずれかを使用することができる。ワンパスシステムでは、両方の構成成分は、追加型に分配される前に、単一型に分配される。まず着色コア構成成分混合物を型に堆積させ、直後に着色されていない外部構成成分混合物が続く。ツーパスシステムでは、着色コア構成成分混合物を含有するディポジッターが、まず着色混合物を一連の型に堆積させ、その後に、着色されていない外部構成成分混合物を含有するディポジッターが、着色されていない混合物を型に堆積させ、製品を形成する。本無煙タバコ製品を冷却及び固定して、次いで、型から分配する。そのような無煙タバコ製品は、製品の表面上に顕在化する琥珀色の「点」によって特徴付けられる。
【0261】
実施例28
以下の非限定的な例は、少ない割合の緑茶の追加時の、錠剤タイプの製品中におけるORAC値及び特定の抗酸化化合物の水準の上昇可能性を実証する。燃焼乾燥調製された切断充填剤タバコ及び燃焼乾燥調製タバコの噴霧乾燥された抽出物も含有する炭水化物系ガム材料を使用して、対照錠剤を作製する。味の修正のために、スクラロース及び塩も追加する。また、対照と同じ組成物を含むが、燃焼乾燥調製された切断充填剤タバコを有さず、乾燥重量で約15%の緑茶を含有する錠剤も作製する。
【0262】
実施例1に上述されるものと同じ手順を使用して、各試料に対するORAC値を測定する。試料に対するORAC値が、以下の表26に示される。ORAC指数は、TE(トロレックス当量μmol/g植物)で表される。
【表36】
【0263】
表26に見られるように、錠剤への15%の緑茶の追加は、緑茶を含まない対照製品のORAC値よりも約5倍高いORAC値を有する製品を生産する。
【0264】
2つの試料中のいくつかの抗酸化化合物の相対的水準の評価のために、実施例1に記載されるGC/MS走査技法を使用する。評価は、各材料に適用されるクロマトグラフ走査において主要な抗酸化化合物によって生成されるピークの正規化された領域数に基づいて行われる。正規化は、内部標準(400ppmのtertブチルヒドロキノン)の領域を使用して実施される。結果は、代替のタバコ製品中への緑茶の追加が、既知の抗酸化化合物を製品に追加することを示す。具体的には、緑茶の追加は、エピガロカテキン、エピカテキン没食子酸塩、及びエピガロカテキン没食子酸塩等の化合物を製品に追加した。これらの化合物は、それらの抗酸化特性並びに癌を含む多くの健康障害の治療における潜在的利益に関して知られている。
【0265】
実施例29
以下の非限定的な例は、少ない割合の乾燥ローズマリーの追加時の、錠剤タイプの製品中におけるORAC値及び特定の抗酸化化合物の水準の上昇可能性を実証する。燃焼乾燥調製された切断充填剤タバコ及び燃焼乾燥調製されたタバコの噴霧乾燥された抽出物も含有する炭水化物系ガム材料を使用して、対照錠剤を作製する。味の修正のために、スクラロース及び塩も追加する。また、対照と同じ組成物を含むが、燃焼乾燥調製された切断充填剤タバコを有さず、乾燥重量で約3%または約5.9%のローズマリーを含有する錠剤も作製する。
【0266】
実施例1に上述されるものと同じ手順を使用して、各試料に対するORAC値を測定する。試料に対するORAC値が、以下の表27に示される。ORAC指数は、TE(トロレックス当量μmol/g植物)で表される。
【表37】
【0267】
表27に見られるように、ローズマリーの追加は、製品に対するORAC値の少ない上昇を引き起こす。ローズマリーに関連付けられる抗酸化化合物は、ロスマリン酸、カルノシン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、及びウルソル酸、並びにより低い水準の他の化合物を含む。これらの化合物は、それらの抗酸化特性に関して、及び癌等の健康障害の治療におけるそれらの潜在的利益に関しても知られている。
【0268】
乾燥ローズマリーからの抗酸化化合物の含量の増加を測定するために、製品も評価する。3つの試料中のいくつかの抗酸化化合物の相対的水準の評価のために、実施例1に記載されるGC/MS走査技法を使用する。評価は、各材料に適用されるクロマトグラフ走査において主要な抗酸化化合物によって生成されるピークの正規化された領域数に基づいて行われる。正規化は、内部標準(400ppmのtertブチルヒドロキノン)の領域を使用して実施される。結果は、タバコ製品中への植物の追加が、既知の抗酸化化合物を製品に追加することを示す。具体的には、ローズマリーの追加は、ロスマリン酸、カルノシン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、及びウルソル酸等の化合物を、乾燥ローズマリーを組み込む錠剤製品に追加した。
【0269】
実施例30
以下の非限定的な例は、ある特定の植物性材料の凍結乾燥された抽出物の追加時の、錠剤製品中におけるORAC及びFRAP値並びに特定の抗酸化化合物の水準の上昇可能性を実証する。炭水化物系ガム材料、少量のスクラロースを含むいくつかの甘味料、塩(NaCl)、及びタバコ由来のニコチンを使用して、錠剤製品を作製する。特定の水準の植物性抽出物も追加する。
【0270】
緑茶(カメリアシネンシス)、グアユサ(イレクスグアユサ)、レッドルイボス、及びグリーンルイボス(Aspalathus linearis)から、並びにハニーブッシュ(Cyclopia)から、植物性抽出物を得る。抽出物の調製のため、82℃で10分間かけて葉/水を1/10の割合で水を用いて葉材料を抽出する。結果として得られる液体を、50kよりも高いMWの留分を排除する透析濾過に供する。結果として得られる液体を凍結乾燥させ、表28に示される錠剤ベースの材料に追加する。
【表38】
【0271】
実施例1に上述されるものと同じ手順を使用して、各試料に対するORAC値を測定する。試料に対するORAC値が、以下の表29及び30に示される。ORAC指数は、TE(トロレックス当量μmol/g植物)で表される。
【表39】
【表40】
【0272】
実施例1に上述されるものと同じ手順を使用して、各試料に対するFRAP指数値を測定する。試料に対するFRAP指数値が、以下の表31に示される。FRAP指数は、μmol Fe2+/g植物で表される。
【表41】
【0273】
植物性抽出物を追加していない錠剤に対するORAC及びFRAP値は、非常に低い(1.3の親水性ORAC、1.5の親油性ORAC、及び8.3のFRAP)。表29、30、及び31に示されるように、例え低水準であっても(3~4%)、異なる機能的植物からの植物性抽出物の追加は、錠剤のORAC及びFRAP指数の相当な上昇をもたらす。例えば、グリーンルイボスの追加によって、錠剤に対するORAC及びFRAP値は、抽出物を追加されていない錠剤に対する約1.5のORAC及び8.3のFRAPから、最大約200の親油性ORAC、最大約170の親水性ORAC、及び最大約231のFRAPまで上昇する。他の抽出物の追加は、抗酸化物質指数も上昇させるが、若干低い水準である。この上昇は、抽出物の追加によって錠剤に多少の抗酸化特性を授けることを示す。より高い上昇は、抽出物の追加の水準を上昇させることによって達成することができる。
【0274】
本明細書に示される本発明の多くの修正及び他の実施形態が、前述の説明及び関連付けられる図面に提示される教示の利益を有するこれらの発明が関連する技術分野の当業者には思い浮かぶだろう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に制限されず、その修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることが理解される。特定の用語が本明細書で使用されているが、これらは一般的意味及び説明的意味で使用されているにすぎず、制限の目的ではない。
図1
図2