(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】エアカーテン形成装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/015 20060101AFI20240527BHJP
F24F 8/26 20210101ALI20240527BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240527BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240527BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20240527BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A61L9/015
F24F8/26
F24F8/80 135
F24F8/80 238
A47B13/00 Z
A47B17/00 Z
A47B96/04 Z
(21)【出願番号】P 2022200078
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2021011362の分割
【原出願日】2021-01-27
【審査請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小原 浩志
(72)【発明者】
【氏名】吉武 厚
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敬介
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-021553(JP,A)
【文献】登録実用新案第3229800(JP,U)
【文献】国際公開第2020/003867(WO,A1)
【文献】特開2001-299891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00 - 9/22
F24F 13/00 - 13/078
B08B 15/00 - 17/06
A47B 1/00 - 41/06
A47B 96/04
F24F 8/00 - 8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
机(2)の天板(4)の上方で十字状のエアカーテンを形成できるように構成されるエアカーテン装置において、
天板(4)の上面にエアカーテンを形成するための空気を吹き出す複数の吹出口(28)と、
天板(4)の上面に対する反対面にエアカーテンを形成するための空気を取り込む吸気口(22)とを備え、
複数の吹出口(28)が直線列状に並んだ一群と、複数の吹出口(28)が直線列状に並んだ一群とが直交することで十字状を成し、
一方の吹出口(28)の一群は、他方の吹出口(28)の一群より長さが長くなっており、
長い方の吹出口(28)の一群の軸方向に向けて吸気口(22)が開口して
おり、
複数の吹出口(28)が直線列状に並んだ一群と、複数の吹出口(28)が直線列状に並んだ一群との直交部分に、吸気口(22)から取り込まれた空気を複数の吹出口(28)に供給する供給口(30)を有し、
各吹出口(28)の開口は、供給口(30)から離れるにしたがって徐々に大きくなるように構成されていることを特徴とするエアカーテン装置。
【請求項2】
前記エアカーテンを形成している空気がオゾンを含む空気であることを特徴とする請求項1に記載のエアカーテン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル(机)に適用されるエアカーテン形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のテーブル型空気清浄機は、角箱状の本体の上部にテーブルが設置されており、該テーブルの上面中央部分には、本体の内部へ空気を取り込む吸込口が設けられている。本体は、その内部に電気集塵フィルターからなる集塵部と、光触媒フィルターと、吸込口から周囲空気を本体の内部に取り込む吸引力を生じさせる電動ファンとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、着席しているユーザー間にエアカーテンによる不可視の仕切りを設けることができるエアカーテン形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のエアカーテン形成装置は、机2の天板4の上方で十字状のエアカーテンを形成できるように構成したことを特徴とする。また、前記エアカーテンを形成している空気がオゾンを含む空気であることを特徴とする。
【0006】
机2または椅子3に適用される除菌消臭装置を対象とする。除菌消臭装置1は、オゾンを生成するオゾン発生部12と、オゾン発生部12で生成されたオゾンを空気に乗せて送給する送給手段13と、送給手段13で送給されるオゾンを含む空気を吹出すオゾン吹出部14と、オゾン発生部12および送給手段13の動作を制御する制御部15とを備えている。そして、少なくともオゾン吹出部14が、机2の天板4、または椅子3の座部8に設けられていることを特徴とする。なお、椅子3の座部8とは、椅子3を構成する座板6、背もたれ7、肘掛などを含む概念である。
【0007】
オゾン吹出部14は、上方に向かってオゾンを含む空気を吹き出す一群の吹出口28を備えており、一群の吹出口28が列状に配されている。
【0008】
オゾン吹出部14は、机2の天板4に設けられており、一群の吹出口28が、天板4の上面の中央部を横切るように配されている。
【0009】
オゾン吹出部14は、椅子3の座板6または背もたれ7に設けられており、一群の吹出口28が、座板6の背縁、左縁、右縁、および背もたれ7の上縁のうち、少なくともひとつの縁部に沿って配されている。
【0010】
一群の吹出口28は、直線列状に配されており、一群の吹出口28から吹出される空気が、上方に行くにしたがって列の伸び方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成されている。
【0011】
各吹出口28から吹出される空気の風圧が、一群の吹出口28の中央部から各端部側に行くほど大きくなるように設定されている。
【0012】
オゾン吹出部14は、机2の天板4の上面に設置される吹出部本体48と、吹出部本体48に設けられ、オゾンを含む空気を吹き出す一群の吹出口28とを備えている。吹出部本体48が、一群の吹出口28から上方に向かって空気を吹出す上吹出姿勢と、一群の吹出口28から側方に向かって空気を吹出す横吹出姿勢とのいずれか一方の姿勢に設置可能に構成されている。
【0013】
複数の着席位置に対応して、ユーザーが着席したことを検知して着席信号を制御部15に送信する着席検知手段40がそれぞれ設けられている。2個以上の着席検知手段40が、ユーザーの着席を検知したとき、制御部15がオゾン発生部12および送給手段13を駆動するように構成されている。
【0014】
オゾン吹出部14は、机2の天板4に設けられており、一群の吹出口28が、天板4の上面の四周縁に配されている。
【0015】
オゾン吹出部14は、机2の上面中央部に設置される吹出部本体48と、吹出部本体48に設けられ、オゾンを含む空気を吹き出す吹出ノズル50とを備えている。吹出ノズル50が、着席したユーザーに向かって空気を送給するように配されている。
【0016】
吹出ノズル50が、吹出部本体48の上下方向の中心軸線に対して放射方向に空気を送給するように構成されている。
【0017】
吹出ノズル50が、吹出部本体48に対して上下調整可能に支持されている。
【0018】
吹出部本体48に複数の吹出ノズル50が設けられている。吹出ノズル50が、オゾンを含む空気を吹き出すノズル孔49と、該ノズル孔49を開閉するノズル開閉手段62とを備えている。
【0019】
オゾン発生部12、送給手段13、および制御部15はケーシング110に内蔵され、該ケーシング110の上端にオゾン吹出部14が配されている。ケーシング110が、机2または椅子3から分離できる可搬可能なユニットとして形成され、吊り具111によって首から吊り下げられるように構成されている。
【0020】
ケーシング110は、吊り具111で吊り下げられる本体部117と、本体部117に対して前後傾動可能に支持されるヘッド部118とを備えており、ヘッド部118の上面にオゾン吹出部14が設けられている。
【0021】
本体部117の上下の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、ヘッド部118は、側面視において、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部117に対して変位可能に支持されている。ヘッド部118が前傾姿勢とされたことを検知する姿勢検知体120を備えている。姿勢検知体120がオンのとき、制御部15はオゾン発生部12を駆動し、姿勢検知体120がオフのとき、制御部15はオゾン発生部12を停止するように構成されている。
【0022】
オゾン吹出部14は、机2の天板4に設けられている。各種情報を表示する表示部134と、表示部134の正面にユーザーが着席したことを検知して着席信号を制御部15に送信する着席検知手段40および/または表示部134を起動するための起動信号を制御部15に送信する起動スイッチ135とが設けられている。制御部15が、着席信号または起動信号を受け取ると、オゾン発生部12、送給手段13、および表示部134の駆動を開始する起動ステップと、表示部134に、オゾン吹出部14からオゾンを含む空気が吹出されている旨の動作表示を表示する表示ステップとを実行するように構成されている。
【0023】
店舗に設置された、注文受付システムを搭載する店舗端末137に接続可能な通信部136を備え、表示部134は、タッチパネル式の入力手段133を備えている。制御部15が、表示ステップに次いで、通信部136を介して店舗端末137から取得したメニューデータを表示部134に表示し、ユーザーの注文を受け付ける注文受付ステップと、ユーザーが選択した注文を店舗端末137へと送信する注文送信ステップと、を実行するように構成されている。
【0024】
通信部136はインターネットに接続可能に構成されている。制御部15は、注文送信ステップが完了、または注文受付ステップがスキップされたとき、通信部136を介してインターネットから取得した情報を表示部134で閲覧可能な閲覧ステップへ移行するように構成されている。
【0025】
制御部15は、閲覧ステップへの移行後、所定の遮断時間Tが経過したとき表示部134の駆動を停止するように構成されている。注文受付ステップをスキップして閲覧ステップへ移行したときの遮断時間TS(T)が、注文送信ステップが完了して閲覧ステップへ移行したときの遮断時間TL(T)よりも短く設定されている。
制御部15は、遮断時間Tの経過後、予め設定された駆動停止時間が経過したとき、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止するように構成されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明のエアカーテン形成装置によれば、着席しているユーザー間にエアカーテンによる不可視の仕切りを設けることができ相手方への空気の移動を抑制できる。また空気にオゾンを含ませることで周囲空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0027】
除菌消臭装置においては、オゾンを生成するオゾン発生部12と、オゾンを空気に乗せて送給する送給手段13と、オゾンを含む空気を吹出すオゾン吹出部14と、オゾン発生部12および送給手段13の動作を制御する制御部15とを備えるものとし、少なくともオゾン吹出部14を机2の天板4、または椅子3の座部8に設けるように構成した。これによれば、オゾン吹出部14を設けた机2の天板4、または椅子3の座部8の周囲にオゾンを直接送給して、当該オゾンでウイルスなどを不活化処理し、また臭気を脱臭処理することができる。したがって、着席したユーザーの上半身まわりの空気に対して素早く、しかも効果的に除菌消臭処理を行うことができる。
【0028】
オゾン吹出部14は、上方に向かってオゾンを含む空気を吹き出す一群の吹出口28を備え、一群の吹出口28が列状に配されていると、オゾン吹出部14から上方向に伸びるエアカーテンを形成できる。例えば、会話時や食事時において隣り合う、あるいは向かい合う相手との間にオゾン吹出部14を配することで、エアカーテンによる不可視の仕切りを設けながら、周囲空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0029】
オゾン吹出部14は、机2の天板4の上面に設けられており、一群の吹出口28が、天板4の上面の中央部を横切るように配される形態を採ることができる。このように、天板4の上面の中央部を横切るようにオゾン吹出口28が配されていると、二人掛けや四人掛けの机2の上方にエアカーテンによる不可視の仕切りを設けながら、机2の上方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0030】
オゾン吹出部14は、椅子3の座板6または背もたれ7に設けられており、一群の吹出口28が、座板6の背縁、左縁、右縁、および背もたれ7の上縁のうち、少なくともひとつの縁部に沿って配される形態を採ることができる。このように、座板6の背縁、左縁、右縁、および背もたれ7の上縁のうち、少なくともひとつの縁部に沿ってオゾン吹出口28が配されていると、椅子3の前面を除く背面および/または左右側面にエアカーテンによる不可視の仕切りを設けながら、椅子3の上方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0031】
一群の吹出口28は、直線列状に配されており、一群の吹出口28から吹出される空気が、上方に行くにしたがって列の伸び方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成されていると、オゾン吹出部14の形成長さより大きな長さのエアカーテンを形成できるので、コンパクトなオゾン吹出部14であっても大きな不可視の仕切りを設けることができる。また、広範にわたって除菌消臭処理を行うことができる。
【0032】
各吹出口28から吹出される空気の風圧が、一群の吹出口28の中央部から各端部側に行くほど大きくなるように設定されていると、オゾン吹出部14の端側から吹出される空気をより上方まで送給して、エアカーテンの端部分をその中央部分と同等の高さ位置まで形成できる。
【0033】
オゾン吹出部14は、机2の天板4の上面に設置される吹出部本体48と、吹出部本体48に設けられ、オゾンを含む空気を吹き出す一群の吹出口28とを備えており、吹出部本体48が、一群の吹出口28から上方に向かって空気を吹出す上吹出姿勢と、一群の吹出口28から側方に向かって空気を吹出す横吹出姿勢とのいずれか一方の姿勢に設置可能に構成することができる。これによれば、吹出部本体48を上吹出姿勢としたとき、机2の上方に向かってオゾンを含む空気を送給できるので、対面で会話や食事をする場合には、吹出部本体48を上吹出姿勢として向かい合う相手との間に不可視の仕切りを設けつつ、机2の上方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。また、吹出部本体48を横吹出姿勢としたとき、机2の側方に向かってオゾンを含む空気を送給できるので、隣接して会話や食事をする場合には、吹出部本体48を横吹出姿勢として隣り合う相手との間に不可視の仕切りを設けつつ、机2の側方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0034】
複数の着席位置に対応して、ユーザーが着席したことを検知して着席信号を制御部15に送信する着席検知手段40がそれぞれ設けられており、2個以上の着席検知手段40が、ユーザーの着席を検知したとき、制御部15がオゾン発生部12および送給手段13を駆動するように構成することができる。これによれば、複数のユーザーが着席したとき、オゾン吹出部14からオゾンを含む空気が吹出されるので、ユーザー間に不可視の仕切りを設けつつ、周囲空気に対して自動的に除菌消臭処理を行うことができる。着席しているユーザーが一人の場合には、空気による仕切りを必要としないので、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止して電力消費を低減できる。
【0035】
オゾン吹出部14は、机2の天板4に設けられており、一群の吹出口28が、天板4の上面の四周縁に配されている形態を採ることができる。このように、天板4の上面周囲を囲むように配されたオゾン吹出部14によれば、天板4の上面を広く利用することができ、オゾン吹出部14を設けたことによって机2の使い勝手が悪化することを回避できる。
【0036】
オゾン吹出部14は、机2の上面中央部に設置される吹出部本体48と、吹出部本体48に設けられ、オゾンを含む空気を吹き出す吹出ノズル50とを備え、吹出ノズル50が、着席したユーザーに向かって空気を送給するように配されている形態を採ることができる。このように、着席したユーザーに向かって空気を送給するように吹出ノズル50が配されていると、ユーザーに対して除菌消臭機能を有するオゾンを直接送給して、当該オゾンでウイルスなどを不活化処理し、臭気を脱臭処理することができる。
【0037】
吹出ノズル50が、吹出部本体48の上下方向の中心軸線に対して放射方向に空気を送給するようにすることができる。これによれば、机2の上面中央部を起点に、その放射方向にオゾンを直接送給して、当該オゾンでウイルスなどを不活化処理し、臭気を脱臭処理することができる。また、机2に複数人が着席した場合でも、全員に向かってオゾンを含む空気を送給できる。
【0038】
吹出ノズル50が、吹出部本体48に対して上下調整可能に支持されていると、吹出ノズル50の指向方向を調整することでユーザーが望む方向にオゾンを含む空気を送給して、空気の送給方向の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。例えば、顔部に向かって空気が送給されるのを嫌うユーザーでは、吹出ノズル50を頭上あるいは胸部方向に指向させて、顔に空気が当たらないようにすることができる。ユーザーの体格に合わせて顔部に向かって空気を送給できる。
【0039】
吹出部本体48に複数の吹出ノズル50が設けられており、吹出ノズル50が、オゾンを含む空気を吹き出すノズル孔49と、該ノズル孔49を開閉するノズル開閉手段62を備えていると、除菌消臭処理の必要がない方向に指向するノズル孔49をノズル開閉手段62で閉塞することで、他のノズル孔49から吹出されるオゾンを含む空気の量を多くすることができるので、必要な方向により多量のオゾンを含む空気を送給してより素早く、効果的に除菌消臭処理を行うことができる。
【0040】
オゾン発生部12、送給手段13、および制御部15はケーシング110に内蔵され、該ケーシング110の上端にオゾン吹出部14が配されており、ケーシング110が、机2または椅子3から分離できる可搬可能なユニットとして形成され、吊り具111によって首から吊り下げられるように構成することができる。これによれば、必要に応じてケーシング110を首から吊り下げることにより、顔部周辺の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0041】
ケーシング110は、吊り具111で吊り下げられる本体部117と、本体部117に対して前後傾動可能に支持されるヘッド部118とを備え、ヘッド部118の上面にオゾン吹出部14が設けられていると、ヘッド部118を傾動させることでオゾン吹出部14から吹出される空気の送給方向を調整することができるので、吊り具111で保持された本体部117の姿勢に関わらず、ユーザーの顔部の任意の位置にオゾンを含んだ空気を送給することができる。例えば顔面、あるいは顔面から離れた位置に空気を送給することも可能である。
【0042】
本体部117の上下の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、ヘッド部118は、側面視において、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部117に対して変位可能に支持されており、ヘッド部118が前傾姿勢とされたことを検知する姿勢検知体120を備えており、姿勢検知体120がオンのとき、制御部15はオゾン発生部12を駆動し、姿勢検知体120がオフのとき、制御部15はオゾン発生部12を停止するように構成することができる。これによれば、ヘッド部118が起立姿勢とされたとき、すなわち空気の送給方向が顔面に近く、顔に触れる空気が多いときには、オゾン発生部12を停止して、オゾン臭が持つ独特の臭気を感じることなく、ユーザーに涼感を付与することができる。また、ヘッド部118が前傾姿勢のとき、すなわち空気の送給方向が顔面から離れ、顔前により多くの空気が送給されるときには、オゾン発生部12を駆動して、顔前の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0043】
オゾン吹出部14は、机2の天板4に設けられており、各種情報を表示する表示部134と、表示部134の正面にユーザーが着席したことを検知して着席信号を制御部15に送信する着席検知手段40および/または表示部134を起動するための起動信号を制御部15に送信する起動スイッチ135とが設けられており、制御部15が、着席信号または起動信号を受け取ったとき、オゾン発生部12、送給手段13、および表示部134の駆動を開始する起動ステップを実行するように構成することができる。これによれば、ユーザーが、表示部134で情報を閲覧するために起動スイッチ135を操作または表示部134の正面に着席したときに、周囲空気に対して除菌消臭処理を開始することができる。加えて、制御部15が、表示部134に、オゾン吹出部14からオゾンを含む空気が吹出されている旨の動作表示を表示する表示ステップを実行するように構成すると、ユーザーに除菌消臭処理を行っていることを認識させることができる。
【0044】
店舗に設置された、注文受付システムを搭載する店舗端末137に接続可能な通信部136を備えており、表示部134は、タッチパネル式の入力手段133を備えており、制御部15は、表示ステップに次いで、通信部136を介して店舗端末137から取得したメニューデータを表示部134に表示し、ユーザーの注文を受け付ける注文受付ステップと、ユーザーが選択した注文を店舗端末137へと送信する注文送信ステップとを実行するように構成することができる。これによれば、店舗に設置された机2に着席したまま、店舗の商品を購入することができるので、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0045】
通信部136はインターネットに接続可能に構成されており、制御部15は、注文送信ステップが完了、または注文受付ステップがスキップされたとき、通信部136を介してインターネットから取得した情報を表示部134で閲覧可能な閲覧ステップへ移行するように構成することができる。これによれば、店舗で購入した商品を受け取るまでの待ち時間や飲食している時間、また、店舗におけるちょっとした待ち時間に情報を閲覧することができるので、ユーザーは前記各時間を有意義に過ごすことができる。
【0046】
制御部15は、閲覧ステップへの移行後、所定の遮断時間Tが経過したとき表示部134の駆動を停止するように構成されており、注文受付ステップをスキップして閲覧ステップへ移行したときの遮断時間TSが、注文送信ステップが完了して閲覧ステップへ移行したときの遮断時間TLよりも短く設定されている形態を採ることができる。これによれば、商品を購入するとより長い時間情報を閲覧することができるので、ユーザーに対して商品の購入を促すことができる。また、遮断時間Tを設定することで、長時間にわたってユーザーが机2を利用するのを抑制することができる。
【0047】
制御部15は、遮断時間Tの経過後、予め設定された駆動停止時間が経過したとき、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止するように構成されている。これによれば、自動的にオゾン発生部12および送給手段13の駆動が停止されるので、不要な電力消費を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】実施例1に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を机に適用した形態を示している。
【
図2】実施例1に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の縦断正面図である。
【
図3】実施例1に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の制御系を示すブロック図である。
【
図4】実施例2に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を机に適用した形態を示している。
【
図5】実施例2に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の部分縦断正面図である。
【
図6】実施例3に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を椅子に適用した形態を示している。
【
図7】実施例4に係る除菌消臭装置を示す斜視図であり、同装置を机に適用した形態を示している。
【
図8】実施例4に係る除菌消臭装置の縦断正面図である。
【
図10】実施例5に係る除菌消臭装置を示す縦断側面図であり、同装置を机に適用した形態を示している。
【
図12】実施例6に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の平面図である。
【
図13】実施例7に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、吹出部本体が机上で上吹出姿勢とされた状態を示している。
【
図14】実施例7に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の縦断正面図である。
【
図15】実施例7に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、吹出部本体が机上で横吹出姿勢とされた状態を示している。
【
図16】実施例8に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を机に適用した形態を示している。
【
図17】実施例8に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の部分縦断正面図である。
【
図18】実施例9に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を椅子に適用した形態を示している。
【
図19】実施例10に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を椅子に適用した形態を示している。
【
図20】実施例11に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を机に適用した形態を示している。
【
図21】実施例11に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を首から吊り下げた状態を示す正面図である。
【
図22】実施例11に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の縦断正面図である。
【
図23】実施例12に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)のオゾン吹出部を示す縦断正面図である。
【
図24】実施例13に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の縦断正面図である。
【
図25】実施例14に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の部分縦断正面図である。
【
図26】実施例15に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の側面図である。
【
図27】実施例16に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を示す斜視図であり、同装置を机に適用した形態を示している。
【
図28】実施例16に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の制御系の概略を示すブロック図である。
【
図29】実施例16に係る除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の利用方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(実施例1)
図1から
図3に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を机に適用した実施例1を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、
図1に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。なお、机とは、家庭や店舗等に設置される食卓、図書館等に設置される長机、事務所や工場に設置される作業台などの、物をのせたり、読み書きするための台が脚体で支持されているものを意味する。
図1において除菌消臭装置1は、1台の食卓としてのテーブル(机)2と4脚の椅子3からなる一組のテーブルセットのテーブル2と一体に構成されている。テーブル2は、平面視で横長長方形状の天板(台)4と、該天板4の下面四隅から下方に伸びる4本のテーブル脚(脚体)5とで構成されており、前辺部と後辺部にそれぞれ2名が左右に並んで着席できる形態である。椅子3は、平面視で四隅が丸められた正方形状の座板6、および該座板6の上面後縁に上向きに設けられた背もたれ7を備える座部8と、座板6の下面四隅から下方に伸びる4本の椅子脚9とで構成されている。なお、椅子3は肘掛を備えているものであってもよく、この場合の肘掛は座部8を構成する。
【0050】
図2において除菌消臭装置1は、オゾンを生成するオゾン発生部12と、オゾン発生部12で生成されたオゾンを空気に乗せて送給する送給手段13と、送給手段13で送給されるオゾンを含む空気を吹出すオゾン吹出部14と、オゾン発生部12および送給手段13などの動作を制御する制御部15(
図3参照)とを備えており、このうち、オゾン発生部12、送給手段13、および制御部15は、ハウジング18に内蔵されている。除菌消臭装置1は商用電源から駆動電力の供給を受ける。
【0051】
ハウジング18は横長の四角箱状に形成されており、天板4の裏面に固定されている。ハウジング18の内部には空気流路19が設けられている。空気流路19は左右方向に伸びる水平流路20と上下方向に伸びる垂直流路21とからなる、正面視において逆T字状の流路である。水平流路20の両端はハウジング18の左右の側壁にそれぞれ開口された吸気口22に連通しており、垂直流路21の上端はハウジング18の上壁に開口された送気口23と連通している。各吸気口22には、空気流路19内への異物の侵入を阻止するフィルター24が設けられている。
【0052】
オゾン発生部12および送給手段13は空気流路19内に設置されている。具体的には、オゾン発生部12は、水平流路20と垂直流路21との交差部分に設置され、送給手段13は、水平流路20の左右端寄りにそれぞれ設けられている。送給手段13はプロペラファンと、同ファンを回転駆動するファンモータとからなる軸流式の送風装置、あるいは遠心ファンと同ファンを回転駆動するファンモータとからなる遠心式の送風装置などで構成することができる。
【0053】
オゾン吹出部14は天板4に設置されており、天板4に埋設固定される吹出ベース27と、吹出ベース27の上面で開口する一群の吹出口28とを備えている。各吹出口28は、同一開口直径の丸孔で構成されている。吹出ベース27は、天板4より厚みの薄い十字ブロック状に形成されており、吹出ベース27の形状に沿って、前後に伸びる直線列状(列状)と左右に伸びる直線列状(列状)の2列の一群の吹出口28が設けられている。吹出ベース27は、該吹出ベース27の交差部分が天板4の中央に配されており、2本の直線列状に配された吹出口28の一群は天板4の中央部をそれぞれ横切っている。これにて、オゾン吹出部14は天板4の上面を4分割するように設けられている。天板4の上面と吹出ベース27の上面とは面一状になっている。なお、一群の吹出口28は、波状、円弧状、折線状などに並べられる列状であってもよく、列状とは直線列状に限らない。また、各吹出口28は丸孔以外に、楕円孔、多角形孔であってもよい。
【0054】
供給口30部分の吹出口28を基準としたとき、各吹出口28は、供給口30から離れるにしたがってその開口直径が徐々に大きくなるように構成することもできる。各吹出口28が同一の開口直径の丸孔で構成されていると、供給口30に近い位置の吹出口28からより多量のオゾンを含んだ空気が吹出されるおそれがあるが、このような構成としていると各吹出口28からほぼ均等にオゾンを含んだ空気を吹出すことができる。
【0055】
吹出ベース27の下面には、十字状の連通溝29が凹み形成されており、各吹出口28は連通溝29に連通されている。連通溝29は、天板4の下面に開口する供給口30と対向しており、該供給口30を介して垂直流路21と連通溝29とが連通されている。空気流路19を送給された空気は、供給口30と連通溝29を介して各吹出口28から上向きに吹出される。
【0056】
図3に示すようにオゾン発生部12は、針状に形成された放電電極33と、該放電電極33と正対するように配され、クラウン状に形成された対向電極34と、両電極33・34間にオゾンを生成するための電圧を印加する駆動ユニット35などで構成される。駆動ユニット35は、商用電源の交流電流を整流して直流電流を得る整流回路36と、該整流回路36から入力される直流電流をパルス電流に変換するパルス発生回路37と、パルス電流を高電圧化するトランスを含む昇圧回路38と、該昇圧回路38と放電電極33との間に設けられるダイオード39などで構成される。高電圧を印加した両電極33・34間でコロナ放電を生じさせることによりにオゾンが生成される。なお、オゾン発生部12は、コロナ放電方式を採用したが、これ以外に紫外線方式、低温プラズマ方式、電気分解方式などのオゾン発生装置であってもよい。
【0057】
図1に示すように天板4の前後面には、着席位置(椅子3が配される位置)に対応して椅子3に着席したユーザーを検知する着席検知手段40が設けられている。着席検知手段40は、赤外線を利用した熱検知センサ、あるいは赤外線やマイクロ波を利用した測距センサで構成することができる。このうち、測距センサは、背もたれ7を検知することによる誤検知のおそれがあるため、着席検知手段40は熱検知センサで構成することが望ましい。着席検知手段40は、ユーザーを検知している(ユーザーが着席している)状態では制御部15に向かってオン信号を出力し、ユーザーを検知していない(ユーザーが着席していない)状態では制御部15に向かってオフ信号を出力する。勿論、着席検知手段40のオフ信号とオン信号の出力は逆であってもよい。なお、着席検知手段40は、天板4上に物が乗せられたことを検知する圧力スイッチで構成することもできる。
【0058】
制御部15は、2個以上の着席検知手段40からオン信号を受信したとき、オゾン発生部12および送給手段13を起動する。これら機器(オゾン発生部12、送給手段13)の駆動が開始されると、天板4の下側の空気が吸気口22から空気流路19に取り込まれ、取り込まれた空気は、オゾン発生部12から放出されるオゾンとともに送気口23へと送給される。送気口23へ至ったオゾンを含む空気は、供給口30を介して連通溝29へと送給され、各吹出口28から上方へ吹出される。吹出口28から吹出された空気は、天板4の上方の空気に対して除菌消臭処理を行う。また、吹出口28から吹出された空気は、天板4の上方で十字のエアカーテンを形成するので、着席しているユーザー間にエアカーテンによる不可視の仕切りを設けることができる。
【0059】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、オゾン吹出部14をテーブル2の天板4に設けたので、オゾン吹出部14を設けたテーブル2の天板4の周囲にオゾンを直接送給して、当該オゾンでウイルスなどを不活化処理し、また臭気を脱臭処理することができる。したがって、着席したユーザーの上半身まわりの空気に対して素早く、しかも効果的に除菌消臭処理を行うことができる。
【0060】
オゾン吹出部14が備える、上方に向かってオゾンを含む空気を吹き出す一群の吹出口28を列状に配したので、オゾン吹出部14から上方向に伸びるエアカーテンを形成できる。例えば、会話時や食事時において隣り合う、あるいは向かい合う相手との間にオゾン吹出部14を配することで、エアカーテンによる不可視の仕切りを設けながら、周囲空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0061】
オゾン吹出部14を、テーブル2の天板4の上面に設け、一群の吹出口28を、天板4の上面の中央部を横切るように配したので、二人掛けや四人掛けのテーブル2の上方にエアカーテンによる不可視の仕切りを設けながら、テーブル2の上方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0062】
複数の着席位置に対応して、ユーザーが着席したことを検知して着席信号を制御部15に送信する着席検知手段40をそれぞれ設け、2個以上の着席検知手段40が、ユーザーの着席を検知したとき、制御部15がオゾン発生部12および送給手段13を駆動するように構成した。これによれば、複数のユーザーが着席したとき、オゾン吹出部14からオゾンを含む空気が吹出されるので、ユーザー間に不可視の仕切りを設けつつ、周囲空気に対して自動的に除菌消臭処理を行うことができる。着席しているユーザーが一人の場合には、空気による仕切りを必要としないので、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止して電力消費を低減できる。
【0063】
(実施例2)
図4および
図5は、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を机に適用した実施例2を示しており、オゾン吹出部14の設置形態が実施例1と相違する。また、テーブル2は、天板4が平面視で正方形状に形成されており、各辺部にそれぞれ1名が着席できるような形態である。本実施例では、オゾン吹出部14は天板4上面の四周縁に配されている。吹出ベース27は天板4の外形形状より僅かに小さい四角枠状に形成されており、吹出ベース27に沿って4列の一群の吹出口28が設けられている。ハウジング18とオゾン吹出部14を接続するため、天板4とハウジング18との間には、送給手段13で送気口23へ送給された空気を前後左右の4方向の分岐流路43に分岐させる分配体44が配されており、各分岐流路43の下流端と供給口30とが接続配管45で連結されている。着席検知手段40は天板4の前後左右の面にそれぞれ設けられている。その他の点は、実施例1と同じであるので、同じ構成、構造、および部材には同じ符号を付してその説明を省略する。以下の各実施例においても同じとする。
【0064】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、一群の吹出口28を、天板4の上面の四周縁に配したので、天板4の上面を広く利用することができ、オゾン吹出部14を設けたことによってテーブル2の使い勝手が悪化することを回避できる。
【0065】
(実施例3)
図6に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を椅子に適用した実施例3を示す。本実施例では、除菌消臭装置1は椅子と一体に構成されており座板6の裏面にオゾン発生部12、送給手段13、制御部15などが内蔵されるハウジング18が固定されている。オゾン吹出部14は座板6上面の左右縁と後縁(背縁)に沿って配されている。吹出ベース27は座板6の外形形状より僅かに小さいコ字枠状に形成されており、吹出ベース27に沿って3列の一群の吹出口28が設けられている。本実施例においても実施例2と同様に、天板4とハウジング18との間には分配体44と接続配管45とが配されている。背もたれ7の背中を受け止める側の面には着席検知手段40が設けられており、本実施例では、この着席検知手段40からオン信号を受信したとき、オゾン発生部12および送給手段13が起動される。なお、着席検知手段40は座板6に座ったことを検知する圧力スイッチで構成することもできる。また、除菌消臭装置1が適用された椅子3を複数用意し、これら椅子3が連動して動作できるようにすることができる。この場合には、実施例1のように、連動している椅子3のうち、2個以上の着席検知手段40からオン信号が出力されているときに、制御部15がオゾン発生部12および送給手段13を起動するように構成することができる。
【0066】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、オゾン吹出部14を椅子3の座板6に設けたので、オゾン吹出部14を設けた椅子3の座板6の周囲にオゾンを直接送給して、当該オゾンでウイルスなどを不活化処理し、また臭気を脱臭処理することができる。したがって、着席したユーザーの上半身まわりの空気に対して素早く、しかも効果的に除菌消臭処理を行うことができる。
【0067】
オゾン吹出部14を、椅子3の座板6に設け、一群の吹出口28が、座板6の背縁、左縁、および右縁に沿って配したので、椅子3の前面を除く背面および左右側面にエアカーテンによる不可視の仕切りを設けながら、椅子3の上方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0068】
(実施例4)
図7から
図9に、除菌消臭装置を机に適用した実施例4を示す。本実施例では、オゾン吹出部14を吹出部本体48と、該吹出部本体48に設けられ、オゾンを含む空気を吹き出すノズル孔49を有する吹出ノズル50とを備えるものとし、吹出部本体48に、オゾン発生部12、送給手段13、オゾン吹出部14、制御部15などを内蔵して除菌消臭装置1を構成した。また、当該除菌消臭装置1は、天板4の上面中央部に固定した。具体的には、
図8に示すように吹出部本体48は、上半部を構成する半球殻壁51と下半部を構成する有底円筒壁52とで中空ドーム状に形成されており、その内部は区画壁53で上室54と下室55とに区分されている。空気流路19はこれら上室54と下室55とで構成されており、有底円筒壁52の筒壁部分に、等間隔置きに4個の吸気口22が設けられている。オゾン発生部12および送給手段13は、区画壁53の中央部に設けられ、上室54と下室55とを連通する段付き状の連通筒部56に設置されている。
【0069】
図7において吹出ノズル50は、吹出部本体48の上側の半球殻壁51の前後左右部分にそれぞれ2個ずつ設けられており、吹出部本体48に対して傾動可能(調整可能)に支持されている。
図8に示すように各吹出ノズル50は、半球殻壁51に形成された球殻状のソケット57で傾動可能に軸支される球軸58と、筒軸状のノズル軸59とが一体に形成されており、球軸58およびノズル軸59を貫通するようにノズル孔49が形成されている。吹出ノズル50は、ノズル軸59を傾動操作することにより、その指向方向を球軸58の中心を基準にして前後左右の任意方向へ指向できるようになっている。ノズル軸59の指向方向を、例えば着席したユーザー方向へ調整すると、当該ユーザーに向かって空気を送給することができる。
【0070】
吹出ノズル50は、ノズル孔49を開閉するノズル開閉手段62を備えている。
図9に示すようにノズル開閉手段62は、ノズル孔49の中途部に設けられる、通気開口63を備えるノズル内壁64と、通気開口63上に被さる閉塞位置(
図9における2点鎖線の位置)と、通気開口63上から退避する開放位置(
図9における実線の位置)との間で回転変位する開閉翼65と、開閉翼65を回転操作する操作つまみ66とを備えている。通気開口63は四分円環状に形成され、ノズル内壁64の中央を対称点として2個の通気開口63が点対称状に設けられている。開閉翼65は四分円状に形成され、ノズル内壁64の中央を対称点として2個の開閉翼65が点対称状に設けられており、両開閉翼65は操作つまみ66に一体に形成されている。操作つまみ66は、ノズル内壁64の中央部に回転自在に支持されている。操作つまみ66を回転操作して通気開口63上に被さる開閉翼65の重なり量を変更すると、通気開口63を通過する空気の量を調整することができ、ノズル孔49から吹出される空気の量が大小に可変される。通気開口63を開閉翼65で閉塞する(開閉翼65を閉塞位置にする)と、ノズル孔49から空気が吹出すのを停止できる。
【0071】
吹出部本体48の頂部には、電源ボタン67が設置されており、除菌消臭装置1が停止している状態において、電源ボタン67を押込み操作すると、制御部15はオゾン発生部12および送給手段13を起動する。逆に除菌消臭装置1が駆動している状態において、電源ボタン67を押込み操作すると、制御部15はオゾン発生部12および送給手段13を停止する。
【0072】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、オゾン吹出部14を、テーブル2の上面中央部に設置される吹出部本体48と、吹出部本体48に設けられ、オゾンを含む空気を吹き出す吹出ノズル50とを備えるものとし、吹出ノズル50を、着席したユーザーに向かって空気を送給するように配した。これによれば、ユーザーに対して除菌消臭機能を有するオゾンを直接送給して、当該オゾンでウイルスなどを不活化処理し、臭気を脱臭処理することができる。
【0073】
吹出ノズル50を、吹出部本体48に対して上下調整可能に支持したので、吹出ノズル50の指向方向を調整することでユーザーが望む方向にオゾンを含む空気を送給して、空気の送給方向の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。例えば、顔部に向かって空気が送給されるのを嫌うユーザーは、吹出ノズル50を頭上あるいは胸部方向に指向させて、顔に空気が当たらないようにすることができる。ユーザーの体格に合わせて顔部に向かって空気を送給できる。
【0074】
吹出部本体48に複数の吹出ノズル50を設け、吹出ノズル50を、オゾンを含む空気を吹き出すノズル孔49と、該ノズル孔49を開閉するノズル開閉手段62を備えるように構成したので、除菌消臭処理の必要がない方向に指向するノズル孔49をノズル開閉手段62で閉塞することで、他のノズル孔49から吹出されるオゾンを含む空気の量を多くすることができ、必要な方向により多量のオゾンを含む空気を送給してより素早く、効果的に除菌消臭処理を行うことができる。
【0075】
(実施例5)
図10および
図11は、除菌消臭装置を机に適用した実施例5を示しており、吹出部本体48と吹出ノズル50の構成が実施例4と相違する。吹出部本体48の半球殻壁51は、上側の球冠壁70と下側の球帯壁71とに分割されている。球冠壁70の下端縁と球帯壁71の上端縁との間には間隙72が形成されており、本実施例では間隙72が吹出ノズル50に相当する。連通筒部56と球帯壁71との上端どうしは、円環状の天壁73で連結されている。球冠壁70と天壁73とで囲まれる領域が上室54として構成されており、空気流路19は上室54および下室55と、両室54・55を連通する連通筒部56とで構成されている。
【0076】
連通筒部56の上端には、4個のリブ74で支持された軸受ブロック75が設けられている。球冠壁70の下面中央には、下向きに回転軸76が突設されており、該回転軸76の下端が、軸受ブロック75に固定されたベアリング77で軸支されている。また、球冠壁70の下面には、平板状の8個の受風片78が等間隔置きに下向きに延設されている。平面視において受風片78の伸び方向で規定される中心軸線は、連通筒部56の接線方向に一致している。電源ボタン67は、吹出部本体48の前周面に設置されている。
【0077】
電源ボタン67を押込み操作してオゾン発生部12および送給手段13を起動させると、オゾンを含んだ空気が連通筒部56上端のリブ74の間から上室54に送給される。上室54に送給された空気は、球冠壁70の内面で外向きに変向され、間隙72(吹出ノズル50)より吹出部本体48の上下方向の中心軸線に対して放射方向に空気が送給される。このとき、球冠壁70で外向きに変向された空気は受風片78に当たり、回転軸76で軸支された球冠壁70を回転させるので、間隙72から吹出される空気は周方向に満遍なく送給される。
図11に示す平面視において、各受風片78は球冠壁70の中心を通る軸線に対して外側端が内側端よりも時計まわり方向にずれて位置しているので、球冠壁70は反時計まわりに回転する。
【0078】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、吹出ノズル50を、吹出部本体48の上下方向の中心軸線に対して放射方向に空気を送給するように構成したので、テーブル2の上面中央部を起点に、その放射方向にオゾンを直接送給して、当該オゾンでウイルスなどを不活化処理し、臭気を脱臭処理することができる。また、テーブル2に複数人が着席した場合でも、全員に向かってオゾンを含む空気を送給できる。
【0079】
上記の実施例では、受風片78を利用して空気が周方向に満遍なく送給されるように構成したが、例えば受風片78を省略して、連通筒部56に同筒部56を送給される空気に対して旋回流を生じさせるような構造を付与することもできる。これによれば、連通筒部56上端のリブ74の間から上室54に送給される空気に径方向に対して傾く流れを生じさせることができるので、間隙72(吹出ノズル50)から吹出される空気を周方向に満遍なく送給できる。
【0080】
(実施例6)
図12は、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例6を示しており、オゾン発生部12および送給手段13を外部ユニット81として、テーブル2または椅子3とは別体で設けた点、つまり除菌消臭装置1を構成するオゾン吹出部14だけをテーブル2または椅子3に設けた点が上記の各実施例と相違する。本実施例においては、テーブル2の並び方向を左右方向と規定する。外部ユニット81は四角箱状のケース体82を備え、ケース体82にオゾン発生部12、送給手段13、制御部15などが内蔵されている。ケース体82の上面には、その右縁に吸気口22が設けられ、左縁にはユニット吹出口83が設けられている。
【0081】
外部ユニット81は、2台のテーブル2にそれぞれ設けられたオゾン吹出部14と、隣接配置される3脚のソファー(椅子)3における肘掛(座部8)それぞれ設けられたオゾン吹出部14とに、オゾンを含む空気を送給している。テーブル2のオゾン吹出部14は実施例1と同様の構成であり、ソファー3間のオゾン吹出部14は中空箱体の上壁に一群の吹出口28が形成されたものである。外部ユニット81とオゾン吹出部14とは、メイン配管84とメイン配管84から枝分かれするサブ配管85とを介して接続されている。メイン配管84およびサブ配管85は床下に設置されており、外部ユニット81、テーブル2、およびソファー3の近傍で床上に引き出されている。
【0082】
ケース体82の内部には、吸気口22からメイン配管84の上流端へと至る空気流路19が形成されており、該空気流路19内にオゾン発生部12および送給手段13が設置されている。ケース体82の内部において空気流路19は分岐されてユニット吹出口83に接続されている。オゾン発生部12および送給手段13を駆動すると、外部ユニット81上方の空気が吸気口22から空気流路19に取り込まれ、取り込まれた空気は、オゾン発生部12から放出されるオゾンとともにメイン配管84へと送給される。メイン配管84を送給されるオゾンを含む空気は、サブ配管85を介してオゾン吹出部14へと送給され、一群の吹出口28から吹出される。また、オゾンを含む空気の一部は、ユニット吹出口83から吹出される。ソファー3間のオゾン吹出部14から上方に向かって吹出される空気は、隣接するソファー3間にエアカーテンからなる不可視の仕切りを形成する。
【0083】
上記の本実施例のように、除菌消臭装置1を構成するオゾン発生部12、送給手段13、および制御部15は、テーブル2や椅子3とは別体に設けることができ、少なくともオゾン吹出部14がテーブル2や椅子3に設けられていればよい。
【0084】
(実施例7)
図13から
図15に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例7を示す。本実施例では、オゾン吹出部14を中空箱状の吹出部本体48と、該吹出部本体48に設けられる一群の吹出口28とを備えるものとし、吹出部本体48に、オゾン発生部12、送給手段13、オゾン吹出部14、制御部15などを内蔵して除菌消臭装置1を構成した。除菌消臭装置1は、テーブル2の天板4上に載置される据え置き型とされており、天板4上の任意の位置に載置できるようになっている。
図13に示すように、吹出部本体48は四角箱状に形成されており、その上壁に一群の吹出口28が設けられ、右側壁にフィルター24が配された吸気口22が設けられている。吹出部本体48は、一群の吹出口28から上方に向かって空気を吹出す上吹出姿勢(
図13に示す吹出部本体48の下壁が天板4に面する姿勢)と、一群の吹出口28から側方に向かって空気を吹出す横吹出姿勢(
図15に示す吹出部本体48の左壁が天板4に面する姿勢)とのいずれか一方の姿勢で天板4上面に載置可能に構成されている。
【0085】
吹出部本体48の内部には、吸気口22から一群の吹出口28へと至る空気流路19が設けられており、該空気流路19は吸気口22から左右中央に向かって伸びる水平流路87と、水平流路87に連通する、吹出部本体48の上側の内部空間からなるチャンバー室88とで構成されている。オゾン発生部12および送給手段13は水平流路20に設置されている。一群の吹出口28は、左右に長い長方形状の吹出開口89が多数のルーバー90で区画されて構成されて直線列状に配されている。各ルーバー90は、上下の中途部で屈曲されており、屈曲部より上側部分の伸び方向と垂直軸とで挟まれる角度をルーバー角度と規定したとき、各ルーバー90のルーバー角度は、中央から左右の端部に行くにしたがって大きくなるように設定されている。このように構成した一群の吹出口28によれば、送給手段13で送給された空気は、上方に向かって左右方向に広がる扇状のエアカーテンを形成する。
【0086】
空気流路19を除く吹出部本体48の内部には、制御部15と、オゾン発生部12および送給手段13へ電力を供給する電源電池91と、吹出部本体48の姿勢を検知する加速度センサからなる姿勢検知センサ92とが設置されている。電源電池91は二次電池からなり吹出部本体48の左壁の内面部に配置され、制御部15および姿勢検知センサ92は、吹出部本体48の下壁の内面部に配置されている。
【0087】
本実施例の除菌消臭装置1は、電源スイッチに換えて人感センサ93が設けられており、人感センサ93がユーザーを検知すると制御部15はオゾン発生部12および送給手段13を駆動するように構成されている。人感センサ93は、一群の吹出口28に隣接するように吹出部本体48の上壁に設けられており、先の着席検知手段40と同様に、赤外線を利用した熱検知センサ、あるいは赤外線やマイクロ波を利用した測距センサで構成することができる。
【0088】
横吹出姿勢とされた吹出部本体48の傾きを変更するために、スタンド(傾き調整手段)94が設けられている。スタンド94は、前後一対の引出壁95と、両引出壁95を上側で連結する橋絡壁96と、両引出壁95を下側で連結する回動軸97とを備えている。回動軸97は、吹出部本体48を前後に貫通する軸孔98に挿通されており、スタンド94は吹出部本体48に対して回動軸97まわりに揺動できる。吹出部本体48と引出壁95との間には、節動構造99が設けられており、該節動構造99は引出壁95の内面に突設される節動突起100と、該節動突起100が係合する節動凹み101とからなる。節動凹み101は、回動軸97を中心とする円弧上に3個設けられている。スタンド94は、スタンド94の外面が吹出部本体48の表面と面一状になる収納位置から所定角度ずつ2段階に引き出すことができる。スタンド94を引き出して横吹出姿勢にある吹出部本体48の傾きを変更することにより、側方に向かって吹出される空気の送給方向を上下に調整することができる。
【0089】
傾き調整手段94は上記のスタンドに限らず、横吹出姿勢にある吹出部本体48の下面一端側を支点として他端側が持ち上がるように保持する脚体であってもよい。脚体(傾き調整手段94)は、例えば吹出部本体48に回動可能に支持されたひとつの板体あるいは二つの棒体、または吹出部本体48から出没自在に支持された板体や棒体で構成することができる。上吹出姿勢にある吹出部本体48の傾きを変更するための傾き調整手段94を設けることも可能である。
【0090】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、一群の吹出口28を直線列状に配し、一群の吹出口28から吹出される空気が、上方に行くにしたがって列の伸び方向に広がる扇状の空気の流れを形成するように構成したので、オゾン吹出部14の形成長さより大きな長さのエアカーテンを形成でき、コンパクトなオゾン吹出部14であっても大きな不可視の仕切りを設けることができる。また、広範にわたって除菌消臭処理を行うことができる。
【0091】
オゾン吹出部14を構成する吹出部本体48を、一群の吹出口28から上方に向かって空気を吹出す上吹出姿勢と、一群の吹出口28から側方に向かって空気を吹出す横吹出姿勢とのいずれか一方の姿勢に設置可能に構成した。これによれば、吹出部本体48を上吹出姿勢としたとき、テーブル2の上方に向かってオゾンを含む空気を送給できるので、対面で会話や食事をする場合には、吹出部本体48を上吹出姿勢として向かい合う相手との間に不可視の仕切りを設けつつ、テーブル2の上方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。また、吹出部本体48を横吹出姿勢としたとき、テーブル2の側方に向かってオゾンを含む空気を送給できるので、隣接して会話や食事をする場合には、吹出部本体48を横吹出姿勢として隣り合う相手との間に不可視の仕切りを設けつつ、テーブル2の側方の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0092】
(実施例8)
図16および
図17に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例8を示す。本実施例では、オゾン吹出部14を中空体からなる吹出部本体48と、該吹出部本体48に設けられる一群の吹出口28とを備えるものとし、吹出部本体48に、オゾン発生部12、送給手段13、オゾン吹出部14、制御部15、電源電池91などを内蔵して除菌消臭装置1を構成した。除菌消臭装置1は、吹出部本体48の形状を利用してテーブル2の天板4に掛止保持されるように構成されており、天板4の縁部の任意の位置に取り付けることができる。吹出部本体48は、横長四角箱状の吹出部ケース104と、該吹出部ケース104の後側に一体に形成される掛止部105とで構成されている。掛止部105は、上下一対の挟持顎106で構成されており、上下の挟持顎106の対向間隔は、天板4の厚み寸法より僅かに大きく設定されている。テーブル2の側方から上下の挟持顎106の間に天板4が差し込まれるように除菌消臭装置1を装着することにより、オゾン吹出部14を天板4の縁部に掛止保持できる。
【0093】
吸気口22は吹出部ケース104の左壁に設けられ、一群の吹出口28は吹出部ケース104の上壁に設けられている。吹出部ケース104の内部には、吸気口22から一群の吹出口28に至る空気流路19およびチャンバー室88が形成されており、該空気流路19の中央部にオゾン発生部12が設置され、空気流路19の吸気口22寄りに送給手段13が設置されている。制御部15および電源電池91は、空気流路19外である吹出部ケース104の右寄りの内部に設置されている。
【0094】
一群の吹出口28は吹出部ケース104の上面に形成されている。一群の吹出口28は、左右に長い長方形状の吹出開口89が多数のルーバー90で区画されて構成されている。各ルーバー90は、その全体が垂直軸に対して傾斜されており、ルーバー90と垂直軸とで挟まれる角度をルーバー角度と規定したとき、各ルーバー90のルーバー角度は、中央から左右の端部に行くにしたがって大きくなるように設定されている。また、ルーバー90の下端側で規定される各吹出口28の開口面積は、中央から左右の端部に行くにしたがって大きくなるように設定されている。このように構成した一群の吹出口28によれば、一群の吹出口28において、左右中央から左右の各端部側に行くほど、吹出される空気の風圧が大きくなり、端部側の吹出口28から吹出される空気は、中央より上方へと送給される。上側の挟持顎106の上面には、除菌消臭装置1の動作をオンオフする電源ボタン67が設置されている。
【0095】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、各吹出口28から吹出される空気の風圧を、一群の吹出口28の中央部から各端部側に行くほど大きくなるように設定したので、オゾン吹出部14の端部側から吹出される空気をより上方まで送給して、エアカーテンの端部分をその中央部分と同等の高さ位置まで形成できる。
【0096】
(実施例9)
図18に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例9を示す。本実施例の除菌消臭装置1は、吹出部本体48の形状を利用して椅子3の座板6に掛止保持されるように構成した点が実施例8と相違する。吹出部本体48を構成する上下の挟持顎106の対向間隔は、座板6の厚み寸法より僅かに大きく設定されている。椅子3の背面側から上下の挟持顎106の間に座板6が差し込まれるように除菌消臭装置1を装着することにより、オゾン吹出部14を座板6の背縁に掛止保持できる。
【0097】
(実施例10)
図19に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例10を示す。本実施例の除菌消臭装置1は、吹出部本体48の形状を利用して椅子3の背もたれ7に掛止保持されるように構成した点が実施例9と相違する。吹出部本体48を構成する掛止部105は、側面視で横臥L字状の鉤腕107からなり、椅子3の上方から鉤腕107を背もたれ7に引っ掛けるように除菌消臭装置1を装着することにより、オゾン吹出部14を背もたれ7の上端に掛止保持できる。
【0098】
上記の実施例7から実施例10では、オゾン発生部12、送給手段13、制御部15などを吹出部本体48に内蔵して構成したが、実施例2および3のように、ハウジング18に前記機器を内蔵し、接続配管45でオゾンを含む空気をオゾン吹出部14に送給する形態や、実施例6のように外部ユニット81からオゾンを含む空気を供給する形態であってもよい。
【0099】
(実施例11)
図20から
図22に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例11を示す。本実施例では、オゾン発生部12、送給手段13、制御部15、および電源電池91などは、正面視で砲弾形状の薄箱体で構成されたケーシング110に内蔵されて除菌消臭装置1が構成されており、除菌消臭装置1は、可搬可能なユニットとして形成され、その下壁が天板4に接するようにテーブル(机)2上に載置できる。また、ケーシング110には吊り具111が連結されており、吊り具111によって首から吊り下げられるように構成されている。なお、除菌消臭装置1は、椅子3の座板6に載置することも可能である。
【0100】
ケーシング110の上部には、一群の吹出口28からなるオゾン吹出部14が配されている。ケーシング110の左右の側面には、それぞれ吸気口22が開口されており、ケーシング110の内部には、各吸気口22から一群の吹出口28に至る空気流路19が形成されている。空気流路19は左右方向に伸びる水平流路20と上下方向に伸びる垂直流路21とからなる、正面視において逆T字状の流路である。送給手段13は、水平流路20と垂直流路21との合流部分に設置され、オゾン発生部12は垂直流路21に設置されている。制御部15および電源電池91は、水平流路20よりも下側のケーシング110の内部に設置されている。
【0101】
一群の吹出口28(オゾン吹出部14)は、上突状に湾曲する上壁に開口された吹出開口89が多数のルーバー90で区画されて構成されている。各ルーバー90は扇子の骨状に等間隔置きに配されており、ルーバー90の下端は垂直流路21の下流端に臨んでいる。一群の吹出口28から吹出される空気は、扇状に広がるように上方に向かって送給される。ケーシング110の前面の右寄りには、電源ボタン67が設置されている。
【0102】
吊り具111はベルト状に形成されており、ケーシング110の左右の側面に設けられた一対の吊り具連結部112に連結されている。吊り具連結部112はタックボタン状に突出形成されており、吊り具111の両端にそれぞれ開設された掛け孔113を吊り具連結部112に掛け止めることにより、ケーシング110に吊り具111を連結することができる。吊り具連結部112は、ケーシング110の上下寸法の中央よりも上側の左右側面に配されており、ケーシング110の内部に設けられた、オゾン発生部12、送給手段13、制御部15、および電源電池91などの構成部材の設置位置よりも上側に位置している。掛け孔113は吊り具111の端部において、吊り具111の長さ方向に複数個設けることができる。この場合には、吊り具連結部112に掛け止める掛け孔113を変更することで、吊り具111の全長を調節してユーザーの好みの上下位置に除菌消臭装置1を保持することができる。
【0103】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、オゾン発生部12、送給手段13、および制御部15を内蔵し、その上端にオゾン吹出部14を配したケーシング110を、テーブル2または椅子3から分離できる可搬可能なユニットとして形成し、吊り具111によって首から吊り下げられるように構成したので、必要に応じてケーシング110を首から吊り下げることにより、顔部周辺の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0104】
(実施例12)
図23に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例12を示す。本実施例では、隣り合うルーバー90どうしの間隔をオゾン吹出部14の中央部では相対的に狭く、両端部では相対的に広くなるように構成した点が実施例11と相違する。ルーバー90の下端側で規定される各吹出口28の開口面積は、中央から左右の端部に行くにしたがって大きくなるように設定されている。このように構成した一群の吹出口28によれば、一群の吹出口28において、左右中央から左右の各端部側に行くほど、吹出される空気の風圧が大きくなり、端部側の吹出口28から吹出される空気は、中央より上方へと送給されるので、顔前に左右方向に大きく広がるエアカーテンを形成できる。
【0105】
(実施例13)
図24に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例13を示す。本実施例では、垂直流路21の下流側を3つの分割流路114に区画し、各分割流路114に送給手段13をそれぞれ設置した点が実施例11と相違する。オゾン発生部12は、送給手段13よりも上流側の垂直流路21に配されている。中央の分割流路114は、オゾン吹出部14の中央部に位置する3個の吹出口28に連通しており、左右の分割流路114のそれぞれは、オゾン吹出部14の左右の端部に位置する3個の吹出口28にそれぞれ連通している。また、左右の分割流路114に設置された送給手段13の空気の送給能力は、中央の分割流路114に設置された送給手段13の空気の送給能力に比べて、相対的に大きく設定されている。
【0106】
このように構成した垂直流路21および送給手段13によれば、左右の分割流路114を送給される空気は、中央の分割流路114を送給される空気に比べて流量が大きくなる。したがって、一群の吹出口28において、左右中央から左右の各端部側に行くほど、吹出される空気の風圧が大きくなり、端部側の吹出口28から吹出される空気は、中央より上方へと送給される。
【0107】
(実施例14)
図25に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例14を示す。本実施例では、オゾン発生部12が送給手段13を兼ねるようにした点が実施例11と相違する。本実施例のオゾン発生部12は、対となる放電電極33および対向電極34を5組備えている。対の電極33・34は、下側に放電電極33が配され、上側に対向電極34が配される状態で、垂直流路21に左右方向に並列して設置されている。図示していないがオゾン発生部12を構成する駆動ユニット35は、電源電池91に隣接して設置される。放電電極33と対向電極34との間に高電圧を印加しコロナ放電を生じさせると、オゾンとともにイオンが生成され、放電により加速された当該イオンによって、放電電極33から対向電極34に向かう、すなわちオゾン吹出部14に向かう気流(イオン風)が生じる。本実施例では、このイオン風でオゾン吹出部14に向かってイオンを含む空気を送給するので、オゾン発生部12が送給手段13を兼ねるように構成されている。
【0108】
上記の実施例11から実施例14においては、電源ボタン67とは別にオゾン発生部12のオンとオフとを切換えるオゾン切換スイッチを設けることができる。つまり、オゾン切換スイッチをオン状態としたときオゾン発生部12が駆動され、オゾン切換スイッチをオフ状態としたときオゾン発生部12が停止されるように構成することができる。これにより、オゾン切換スイッチをオフ状態として除菌消臭装置1を駆動すると、オゾンを含まない空気によるエアカーテン形成装置として、あるいはオゾンを含まない空気が送給される扇風機として除菌消臭装置1を利用することができる。
【0109】
(実施例15)
図26に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)の実施例15を示す。本実施例では、ケーシング110を本体部117と、本体部117の上端に配されるヘッド部118とで構成した点が実施例11と異なる。ヘッド部118は左右方向に伸びる水平軸からなる支軸119で連結されており、該支軸119によりヘッド部118は、本体部117に対して前後傾動可能に支持されている。オゾン発生部12、送給手段13、制御部15、および電源電池91などは本体部117に内蔵されており、一群の吹出口28からなるオゾン吹出部14はヘッド部118の上壁(上面)に設けられている。本実施例では、ケーシング110を本体部117とヘッド部118で構成したことにより、垂直流路21は本体部117側とヘッド部118側に分断されるが、当該分断部分は可撓性を有するチューブ(図示していない)で接続されており、該チューブを介して送給手段13で送給されるオゾンを含む空気が、オゾン吹出部14へと送給される。
【0110】
ヘッド部118は、側面視において本体部117の上下の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢(
図26において実線で示す)と、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢(
図26において一点鎖線で示す)との間で、本体部117に対して変位可能に支持されている。ヘッド部118は、前傾姿勢、後傾姿勢、およびオゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢(
図26において二点鎖線で示す)において、不図示の節動構造で各位置に保持されるように構成されている。なお、各姿勢の間におけるヘッド部118は、本体部117とヘッド部118とを連結する支軸119部分の摩擦抵抗により、傾動させた位置で仮保持される。
【0111】
本体部117とヘッド部118との間に、ヘッド部118が前傾姿勢とされたことを検知する姿勢検知体120が設けられている。姿勢検知体120は、本体部117に設けられる磁気センサ121と、ヘッド部118に設けられるマグネット122からなる非接触式のスイッチで構成されており、制御部15に向かってオン信号またはオフ信号を出力する。磁気センサ121は、マグネット122を検知している(ヘッド部118が前傾姿勢になっている)状態ではオン信号を出力し、マグネット122を検知していない(ヘッド部118が前傾姿勢になっていない)状態ではオフ信号を出力する。勿論、磁気センサ121のオフ信号とオン信号の出力は逆であってもよい。制御部15は、姿勢検知体120がオン信号を出力している状態ではオゾン発生部12および送給手段13を駆動し、姿勢検知体120がオフ信号を出力している状態ではオゾン発生部12を停止し送給手段13のみを駆動する。姿勢検知体120は非接触式のスイッチに換えて、リミットスイッチなどの接触式のスイッチで構成することもできる。
【0112】
吊り具111で首から吊り下げて除菌消臭装置1を胸元に保持し、ヘッド部118を前傾姿勢とした状態で除菌消臭装置1を駆動すると、空気の送給方向は顔面から離れ、顔前により多くの空気が送給されるので、顔前にオゾンを含む空気でエアカーテンを形成でき、顔前において除菌消臭処理を行うことができる。また、顔前に不可視の仕切りを設けることができるので、当該仕切りで除菌消臭装置1のユーザーと対面者による食事や会話の際における相手方への空気の移動を抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、仕切りが気になることもない。
【0113】
吊り具111で首から吊り下げて除菌消臭装置1を胸元に保持し、ヘッド部118を起立姿勢、または後傾姿勢とした状態で除菌消臭装置1を駆動すると、送給手段13で送給される空気の送給方向が顔面に近く、顔に触れる空気が多くなるので、送給される空気で涼感をユーザーに与えることができる。このとき、オゾン発生部12は停止されているので、ユーザーはオゾン独特の臭気(オゾン臭)を感じることはない。
【0114】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、ケーシング110は、吊り具111を備える本体部117と、本体部117に対して前後傾動可能に支持されるヘッド部118とを備えるものとし、ヘッド部118の上面にオゾン吹出部14を設けたので、ヘッド部118を傾動させることでオゾン吹出部14から吹出される空気の送給方向を調整することができ、吊り具111で胸元に保持された本体部117の姿勢に関わらず、ユーザーの顔部の任意の位置にオゾンを含んだ空気を送給することができる。例えば顔面、あるいは顔面から離れた位置に空気を送給することも可能である。
【0115】
本体部117の上下の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、ヘッド部118は、側面視において、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、オゾン吹出部14の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部117に対して変位可能に支持した。また、ヘッド部118が前傾姿勢とされたことを検知する姿勢検知体120を備え、姿勢検知体120がオンのとき、制御部15はオゾン発生部12を駆動し、姿勢検知体120がオフのとき、制御部15はオゾン発生部12を停止するように構成した。これによれば、ヘッド部118が起立姿勢とされたとき、すなわち空気の送給方向が顔面に近く、顔に触れる空気が多いときには、オゾン発生部12を停止して、オゾン臭が持つ独特の臭気を感じることなく、ユーザーに涼感を付与することができる。また、ヘッド部118が前傾姿勢のとき、すなわち空気の送給方向が顔面から離れ、顔前により多くの空気が送給されるときには、オゾン発生部12を駆動して、顔前の空気に対して除菌消臭処理を行うことができる。
【0116】
(実施例16)
図27から
図29に、除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)を机に適用した実施例16を示す。本実施例では、オゾン発生部12、送給手段13、オゾン吹出部14、制御部15などをユニットケース125に内蔵して除菌消臭装置1を構成し、当該除菌消臭装置1を天板4に固定するようにした点が実施例1と相違する。ユニットケース125は、平面視で十字状のユニットベース126と、ユニットベース126の上面に上向きに立設される、十字壁状の吹出壁127とを備えている。
【0117】
ユニットベース126は前後左右のベースブロック128を備え、各ベースブロック128の突端面にそれぞれ吸気口22が設けられ、各ベースブロック128の内部に、空気流路19と、同流路19に設置されるオゾン発生部12および送給手段13がそれぞれ設けられている。吹出壁127の内部は中空状に形成されており、ベースブロック128の内部に設けられた空気流路19の下流端のそれぞれは、吹出壁127の内部空間に連通している。吹出壁127の上壁には、前後に伸びる直線列状(列状)と左右に伸びる直線列状(列状)の2列の一群の吹出口28が十字状に設けられている。制御部15はベースブロック128の接合部分に設置されている。
【0118】
本実施例の除菌消臭装置1は端末装置131を備えており、該端末装置131は、左右に伸びる吹出壁127の前後面にそれぞれ設けられている。端末装置131は、端末装置131を起動する電源ボタン132と、タッチパネル型液晶からなる入力手段133を兼ねる表示部134とを備えている。端末装置131が取付けられる壁面には、同装置131に隣接して、端末装置131(表示部134)の正面にユーザーが着席したことを検知して着席信号を制御部15に送信する着席検知手段40が設けられている。電源ボタン132は、表示部134を起動させる起動信号を制御部15に送信する起動スイッチ135を兼ねている。勿論、起動スイッチ135を個別に設けることもできる。
【0119】
制御部15は、無線で情報を送受信する通信部136と、時間を計時するためのタイマー138とを備えている。通信部136は、除菌消臭装置1を一体に備えたテーブル2を店舗(例えばスーパーマーケット等のフードコート)に設置したとき、店舗に設置された、注文受付システムを搭載する店舗端末137に接続可能に構成されている。また、通信部136はインターネットにも接続可能に構成されている。端末装置131には、通信部136を介して店舗端末137の注文受付システムにアクセスするための注文アプリケーションがインストールされており、端末装置131から注文受付システムに対して注文等の指令を送信することができる。なお、通信部136は、それぞれの端末装置131に設けることもできる。
【0120】
次に、本実施例に係る除菌消臭装置1の利用方法を説明する。ユーザーが起動スイッチ135(電源ボタン132)を押込み操作すると、起動スイッチ135は制御部15に向かって起動信号を送信する。また、ユーザーが、端末装置131(表示部134)の正面に着席すると、着席検知手段40は制御部15に向かって着席信号を送信する。起動信号または着席信号を受信した制御部15は(ステップS1でYES、またはステップS2でYES)、起動ステップを実行する。起動ステップにおいては、制御部15はオゾン発生部12、送給手段13、および端末装置131を起動し(ステップS3)、タイマー138を作動させる。なお、制御部15は、着席信号を受信したときタイマー138を作動させ、着席信号を所定時間(例えば5秒)継続して受信したときにこれら機器を起動することが望ましく、これにより、着席検知手段40の検知範囲を人が横切った際に除菌消臭装置1が駆動されるのを回避できる。
【0121】
オゾン発生部12および送給手段13が起動されると、一群の吹出口28からオゾンを含む空気が上方に向かって送給され、天板4の上方に十字状のエアカーテンが形成される。また、端末装置131が起動されると、表示部134による各種情報の表示、および入力手段133による入力操作が可能となる。これら機器(オゾン発生部12、送給手段13、端末装置131)を起動させる起動ステップが完了すると、制御部15は表示ステップを実行する。表示ステップにおいては、制御部15は表示部134にオゾンを含む空気でエアカーテンが形成されていることをユーザーに認識させる情報(例えば「除菌消臭処理実施中」など)を所定時間(例えば30秒)表示する(ステップS4)。
【0122】
表示ステップが完了すると、制御部15は注文受付ステップを実行する。注文受付ステップにおいては、制御部15は端末装置131の注文アプリケーションを起動し、さらに通信部136を介して店舗端末137にアクセスして、注文アプリケーションと注文受付システムとをリンクさせる(ステップS5)。注文アプリケーションと注文受付システムとのリンクが確立されると、注文受付システムに登録されている店舗のメニューを表示部134に表示して注文を受け付ける。このとき、制御部15はタイマー138をリセットしたのち再度作動させる。表示部134には、メニューとともに、選択したメニューを注文受付システムに送信するための送信ボタンと、注文せずメニューの表示をスキップするスキップボタンとが表示される。
【0123】
続いて、制御部15は、表示されたメニューの注文が決定されるか、または注文がスキップされるかを注文受付時間(例えば5分)が経過するまで待機する(ステップS6でNO、ステップS7でNO、ステップS8でNO)。注文受付ステップで、入力手段133を使用してメニューが決定された状態で送信ボタンが選択されると(ステップS6でYES)、制御部15は注文送信ステップを実行する。注文送信ステップにおいては、制御部15は決定されたメニューを注文受付システムに送信する(ステップS9)。
【0124】
注文送信ステップが完了(ステップS9)、または注文受付ステップで注文をスキップ(ステップS7でYES)すると、制御部15は閲覧ステップへ移行する。閲覧ステップにおいては、制御部15は表示部134に通信部136を介して取得した情報(webページなど)を表示して閲覧可能な状態とする。入力手段133で表示部134に表示される情報を変更することも可能である。制御部15は、閲覧ステップへの移行と同時にタイマー138をリセットしたのち再度作動させ、閲覧ステップの経過時間tを計時する。
【0125】
閲覧ステップの経過時間tが所定の遮断時間Tに達すると、制御部15は端末装置131(表示部134)の駆動を停止する。遮断時間Tは、注文送信ステップが完了して閲覧ステップへ移行した場合と、注文受付ステップで注文をスキップして閲覧ステップへ移行した場合とでは、その設定時間が異なっている。前者の場合の遮断時間TL(T)は、後者の場合の遮断時間TS(T)に比べて長く設定されている。
【0126】
注文送信ステップが完了して閲覧ステップへと移行すると、制御部15は遮断時間TLを設定し(ステップS10)、タイマー138の計時が遮断時間TLに達すると(ステップS11でYES)、端末装置131(表示部134)の駆動を停止する(ステップS12)。続いて、制御部15は遮断時間TLの経過後、すなわち端末装置131が停止してから所定時間(例えば5分)が経過すると、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止して(ステップS13)、除菌消臭装置1を停止させる。
【0127】
一方、注文がスキップされて閲覧ステップへと移行すると、制御部15は遮断時間TSを設定し(ステップS14)、タイマー138の計時が遮断時間TSに達すると(ステップS15でYES)、端末装置131(表示部134)の駆動を停止する(ステップS12)。続いて、制御部15は遮断時間TSの経過後、すなわち端末装置131が停止してから所定時間(例えば5分)が経過すると、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止して(ステップS13)、除菌消臭装置1を停止させる。
【0128】
上記の注文受付ステップにおいて注文受付時間が経過した場合には、制御部15は端末装置131(表示部134)の駆動を停止し(ステップS12)さらに所定時間(例えば5分)が経過すると、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止して(ステップS13)、除菌消臭装置1を停止させる。
【0129】
制御部15は、常時着席検知手段40の信号を監視しており、起動ステップの完了後においては、所定時間(例えば5分)オフ信号が継続されると、端末装置131(表示部134)の正面にユーザーがいないと判断して、除菌消臭装置1を停止させる。
【0130】
以上のように、本実施例の除菌消臭装置1においては、着席検知手段40および電源ボタン132(起動スイッチ135)を備えるものとし、制御部15を、着席信号または起動信号を受け取ったとき、オゾン発生部12、送給手段13、および表示部134の駆動を開始する起動ステップを実行するように構成したので、ユーザーが、表示部134で情報を閲覧するために起動スイッチ135を操作または表示部134の正面に着席したときに、周囲空気に対して除菌消臭処理を開始することができる。加えて、制御部15を、表示部134に、オゾン吹出部14からオゾンを含む空気が吹出されている旨の動作表示を表示する表示ステップを実行するように構成したので、ユーザーに除菌消臭処理を行っていることを認識させることができる。
【0131】
制御部15を、表示ステップに次いで、通信部136を介して店舗端末137から取得したメニューデータを表示部134に表示し、ユーザーの注文を受け付ける注文受付ステップと、ユーザーが選択した注文を店舗端末137へと送信する注文送信ステップとを実行するように構成したので、店舗に設置されたテーブル2に着席したまま、店舗の商品を購入することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0132】
制御部15を、注文送信ステップが完了、または注文受付ステップがスキップされたとき、通信部136を介してインターネットから取得した情報を表示部134で閲覧可能な閲覧ステップへ移行するように構成したので、店舗で購入した商品を受け取るまでの待ち時間や飲食している時間、また、店舗におけるちょっとした待ち時間に情報を閲覧することができ、ユーザーは前記各時間を有意義に過ごすことができる。
【0133】
制御部15を、閲覧ステップへの移行後、所定の遮断時間Tが経過したとき表示部134の駆動を停止するように構成し、注文受付ステップをスキップして閲覧ステップへ移行したときの遮断時間TSを、注文送信ステップが完了して閲覧ステップへ移行したときの遮断時間TLよりも短く設定した。これによれば、商品を購入するとより長い時間情報を閲覧することができるので、ユーザーに対して商品の購入を促すことができる。また、遮断時間Tを設定することで、長時間にわたってユーザーがテーブル2を利用するのを抑制することができる。
【0134】
制御部15を、遮断時間Tの経過後、予め設定された駆動停止時間が経過したとき、オゾン発生部12および送給手段13の駆動を停止するように構成したので、自動的にオゾン発生部12および送給手段13の駆動が停止され、不要な電力消費を回避することができる。
【0135】
上記の表示ステップで表示部134に表示した情報(除菌処理実施中)は、表示ステップが完了して注文受付ステップに移行しても引き続き表示を継続させることができる。この場合、情報の表示は表示ステップの時よりも小さく、例えば注文受付画面の邪魔にならない表示部の隅部に小さく表示する。そして、当該情報の表示は端末装置131の停止(ステップS12)とともに消去する。これにより、エアカーテンが形成されていないことをユーザーに認識させることができるので、より一層長時間の利用を抑制することができる。
【0136】
上記の実施例では、着席検知手段40および起動スイッチ135(電源ボタン132)備えるものとして除菌消臭装置1を構成したが、着席検知手段40および起動スイッチ135は、いずれか一方が設けてあればよい。つまり、起動スイッチ135を省略して、着席検知手段40がオゾン発生部12、送給手段13、表示部134を起動するための手段として構成することができる。この場合には、着席検知手段40が起動スイッチ135を兼ねる。また、着席検知手段40を省略して、起動スイッチ135がオゾン発生部12、送給手段13、表示部134を起動するための手段として構成することができる。この場合には、起動スイッチ135が着席検知手段40を兼ねる。
【符号の説明】
【0137】
1 除菌消臭装置(エアカーテン形成装置)
2 机(テーブル)
3 椅子
4 天板
6 座板
7 背もたれ
8 座部
12 オゾン発生部
13 送給手段
14 オゾン吹出部
15 制御部
28 吹出口
40 着席検知手段
48 吹出部本体
49 ノズル孔
50 吹出ノズル
62 ノズル開閉手段
110 ケーシング
111 吊り具
117 本体部
118 ヘッド部
120 姿勢検知体
133 入力手段
134 表示部
135 起動スイッチ
136 通信部
137 店舗端末
T 遮断時間