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特許7494302ハイベイ倉庫における外部の運輸手段の動的な運輸案内のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】ハイベイ倉庫における外部の運輸手段の動的な運輸案内のための方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240527BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B65G1/04 501
B65G61/00 530
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022536801
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2020081478
(87)【国際公開番号】W WO2021121776
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】102019134528.6
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517360594
【氏名又は名称】アモヴァ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】AMOVA GmbH
【住所又は居所原語表記】Wiesenstrasse 30, 57271 Hilchenbach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ヨハネス ファン デル メール
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ボル
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブリュック
(72)【発明者】
【氏名】カーステン ハイデ
(72)【発明者】
【氏名】ベアント クライン
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特公昭47-025313(JP,B1)
【文献】特開2019-104577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイベイ倉庫内(1)における外部の運輸手段(3)の動的な運輸案内のための方法であって、多数の貯蔵場所(12)を備えた少なくとも2つの貯蔵平面(11)と、外部の運輸手段(3)のための少なくとも1つの進入または進出可能性(21)を備えた、前記貯蔵平面(11)の下に配置された少なくとも1つの運輸平面(2)と、2つの貯蔵場所(12)間または前記貯蔵場所(12)と1つの引渡し場所(5)との間で、水平方向および/または鉛直方向の運動によって規格化された貯蔵貨物(4)を搬送し、前記規格化された貯蔵貨物(4)を1つの引渡し場所(5)において、前記貯蔵貨物(4)の鉛直方向の運動によって前記外部の運輸手段(3)上に積み降ろしするための少なくとも1つの倉庫内部の搬送システム(13)と、を有しており、該倉庫内部の搬送システム(13)が、互いに対して平行に配置された貯蔵通路(14)に沿って運動し、かつ前記運輸平面(2)内に多数の引渡し場所(5)を有しており、各引渡し場所(5)が、前記運輸平面(2)内のxy座標系により記述可能である方法において、
-前記運輸平面(2)内の各引渡し場所(5)に、前記外部の運輸手段(3)が、前記運輸平面(2)内の走行経路(6)に沿って到達することができ、
-前記運輸平面(2)内での前記外部の運輸手段(3)の前記走行経路(6)の動的な決定、積み降ろしの時点および引渡し場所(5)の割当てを、ハイベイ倉庫(1)の運用に関連するパラメータに適合させ
-前記倉庫内部の搬送システム(13)の前記貯蔵通路(14)内における前記引渡し場所(5)の決定が、引渡し場所(5)を固定するための構造的な条件によって制限されないことを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記運輸平面(2)内の8個よりも多くの引渡し場所(5)において、外部の運輸手段(3)への積み降ろしを行うことができる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記運輸平面(2)の倉庫内部の搬送システム(13)の貯蔵通路(14)に沿った8個よりも多くの引渡し場所(5)において、外部の運輸手段(3)への積み降ろしを行うことができる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
規格化された貯蔵貨物として、コンテナを使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
種々異なる少なくとも2つの構造種類の外部の運輸手段(3)が、前記規格化された貯蔵貨物(4)の積み降ろしのために前記運輸平面(2)を走行する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記運輸平面(2)内の前記外部の運輸手段(3)の前記走行経路(6)の決定時に、前記外部の運輸手段(3)への前記規格化された貯蔵貨物(4)の積込み時の、前記外部の運輸手段(3)上での前記規格化された貯蔵貨物(4)の配向を考慮する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
-前記走行経路(6)、前記積み降ろしの時点および/または前記引渡し場所の決定を、制御システムまたは調整システムにより行い、
-前記制御システムまたは調整システムは、予め定義された目的変数に基づいて、倉庫の運用に関連するパラメータのための設定、前記走行経路(6)、積み降ろしの前記時点および/または前記引渡し場所(5)を規定しかつ/または最適化する少なくとも1つのアルゴリズムを有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
目的変数として、発送時間、ハイベイ倉庫の稼働率、運輸量、運輸流の分配、運輸手段の分配、運輸領域の稼働率、倉庫内部の搬送システムの稼働率、倉庫ストラテジ、障害状況および/またはメンテナンスを使用する、請求項記載の方法。
【請求項9】
ハイベイ倉庫の運用に関連するパラメータ、運輸量、運輸流の分配、運輸手段の分配、運輸領域の稼働率、倉庫内部の搬送システムの稼働率、倉庫ストラテジ、故障状況および/またはメンテナンスを規定しかつ/または最適化する、請求項記載の方法。
【請求項10】
制御または調整システムは、前記外部の運輸手段(3)と、データを交換する、請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
-制御または調整システムが、上位の制御システムに対するインタフェースを使用し、かつ
-システム間でのデータ交換を行う、
請求項から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記引渡し場所(5)を記述するための前記xy座標系が、前記運輸平面の少なくとも60%をカバーする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
引渡し場所(5)に向かう、または引渡し場所から遠ざかる外部の運輸手段(3)の走行経路(6)を、一連のxy座標によって記述する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
引渡し場所(5)に向かう、または引渡し場所(5)から遠ざかる外部の運輸手段(3)の走行経路(6)を、一連のxy座標と、別の設定、好適には時点または期間により記述する、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記運輸平面(2)内で、前記外部の運輸手段(3)の少なくとも1つの走行経路(6)を表示および/または制限する切替え可能な手段を使用する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの貯蔵平面と、外部の運輸手段のための少なくとも1つの進入または進出可能性を有する少なくとも1つの運輸平面とを有するハイベイ倉庫における外部の運輸手段の動的な運輸案内のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
規格化された貯蔵貨物を異なる外部の運輸手段間で積み替えるために、特に海上運輸手段から陸上運輸手段への積替時に、種々異なる貯蔵貨物の流れを互いに切り離し、場合によっては規格化された貯蔵貨物を短期間保管することが必要である。このためには通常、倉庫、特に対応する倉庫内部の搬送装置を備えたハイベイ倉庫(Hochregallager)が使用される。種々異なる外部の運輸手段がハイベイ倉庫に規格化された貯蔵貨物を供給し、かつハイベイ倉庫から貯蔵貨物を導出する。このために、自律走行式の外部の運輸手段も、人が操作する外部の運輸手段も使用することができる。
【0003】
外部の運輸手段から倉庫内部の搬送システムへの規格化された貯蔵貨物の引渡しは、予め構造的に定義された引渡し場所において行われる。通常、引渡し場所には、外部の運輸手段が、構造的に定義された走行経路に沿って到達することができる。引渡し場所は大抵、ハイベイ倉庫の1つまたは2つの外縁部にあり、引渡しは、これらのインタフェースにおいて介在する積替装置によって行われる。外部の運輸手段から貯蔵場所への積替プロセスの経済性は、規格化された貯蔵貨物を積み替えるために実施される個別のステップに必要となる時間に依存する。現在、海運船舶の積載量は増大し、既存の港湾のスペース状況は制限されているので、積替時間をさらに短縮し、これにより経済性をさらに高めるという需要が生じている。
【0004】
従来、達成可能な積替時間は、引渡し場所への外部の運輸手段の運輸流、ハイベイ倉庫の外縁部における引渡し場所の分布および引渡し場所と貯蔵場所との間の倉庫内部の搬送システムの走行時間によって規定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、外部の運輸手段の運輸流および外部の運輸手段と倉庫内部の搬送システムとの間の相互作用を、積替時間が短縮されるように最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、請求項1に記載の方法の特徴によって解決される。運輸平面内の各引渡し場所に、外部の運輸手段が走行経路に沿って到達することができる。運輸平面内での外部の運輸手段の走行経路の動的な決定、積み降ろしの時点および引渡し場所の割当ては、倉庫の運用に関連するパラメータに依存して適合させる。走行経路とは、本発明の思想では、外部の運輸手段が、運輸平面内で走行経路を通って運輸平面内の引渡し場所に到達することができるか、または引渡し場所から離れることができることを意味する。走行経路は、本発明によれば、2つの引渡し場所を互いに接続することもでき、必ずしも常に外縁部を含む必要はない。走行経路の動的な決定は、単独の外部の運輸手段および/または複数の外部の運輸手段のための、運輸平面の走行可能な領域の時間的に制限された遮断も含む。特にこれは、種々異なる種類の外部の運輸手段の運輸平面内の可能な経路を、たとえば安全上の理由に基づいて、制限された時間だけ互いに分離することが望ましいか、または分離しなければならない場合に該当する。このことは、好適には、遮断機、光学的な信号、ゲート、可動柵および/または同等のものによって行うことができる。倉庫の運用に関連するパラメータは、たとえば、規格化された貯蔵貨物の貯蔵のための設定、特に安全設定および/または必要な電力接続部、または外部の顧客への引き続きの搬送のための設定である。運輸平面内の走行経路が可変であることにより、より多くの走行経路が外部の運輸手段のために互いに依存せずに並行して利用可能であり、渋滞が回避される。さらに、ハイベイ倉庫の外縁部における付加的な積替工程が不要である。したがって、積替時間が減少し、かつ/または所定の時間内での積替工程の回数が増加する。引渡し場所が運輸平面内でほぼ自由に変化することができるので、規格化された貯蔵貨物の引渡し場所と貯蔵場所との間の倉庫内部の搬送手段の経路を短縮することができる。
【0007】
さらに、方法の好適な実施形態が、請求項2から14の特徴部に記載されている。好適には、運輸平面内の8個より多くの、好適には16個より多くの、さらにより好適には32個より多くの引渡し場所において、運輸手段への積み降ろしを行う。引渡しを行うことができる引渡し場所または引渡し領域の個数が増大するほど、並行して行われる積替工程の回数が増え、これにより規格化された収納貨物の個別の積替時間が減少する。
【0008】
運輸平面内の搬送システムの通路に沿った8個より多くの、より好適には16個より多くの、さらに好適には32個より多くの引渡し場所において、運輸手段への積み降ろしを行うことができると好適である。搬送システムの1つの通路内の引渡し場所の個数が増大するほど、搬送システムの経路を短縮することができる。これにより、外部の運輸手段を、搬送システムの経路が短い引渡し場所へと的確にガイドすることが可能である。
【0009】
走行経路は、好適には、運輸平面内の変更不能な構造的な条件によって実質的に制限されない。たとえば遮断機、ゲート、可動の遮断部、光学的な信号発信器等のような運輸案内のための構造的な装置は、本発明の思想においては、変更不能な構造的な条件ではない。ハイベイ倉庫の構造および/または建築法に関する理由に基づいて運輸経路内の走行経路を制限する構造的な条件は、本発明の思想によれば、最小限に減らすことが望ましい。ここでの利点は、外部の運輸手段のために、引渡し場所に到達するための可能な走行経路が最大限に存在していることが望ましく、これにより走行経路を自由に適合させることができることに基づいている。
【0010】
規格化された貯蔵貨物として、好適にはコンテナ、さらに好適には海上コンテナ、極めて好適には20フィート海上コンテナおよび/または40フィート海上コンテナを使用する。クレーンにおける対応する玉掛け工程または搬送する外部の運輸手段における固定作業を自動化することができるので、このようなコンテナの使用は好適である。
【0011】
理想的には、規格化された貯蔵貨物の積み降ろしのための運輸平面を、少なくとも2つの構造種類の外部の運輸手段、好適にはトラック、自律走行式のトラクタおよび/またはレールに関連する運輸手段が走行する。両外部の運輸手段は、運輸平面内で実質的に制限なしに自由に運動することができる。両外部の運輸手段は、この場合、大型のハイベイ倉庫の倉庫物流の分野における典型的な外部の運輸手段である。
【0012】
さらに、運輸平面内の外部の運輸手段の走行経路の決定時に、規格化された貯蔵貨物の積込み時の、外部の運輸手段上での規格化された貯蔵貨物の配向を考慮すると好適である。特に、公共空間を走行するトラックへの積込み時には、安全上の理由から、たとえばコンテナの積込み開口の位置を考慮すること必要である。さらに、コイルまたは類似する貯蔵貨物では、運輸手段上に存在する積荷固定可能性に対応して、配向を考慮しなければならない。
【0013】
理想的には、走行経路、積み降ろしの時点および/または引渡し場所の決定を、制御または調整システムにより行う。制御または調整システムは、事前に定義された目的変数に基づいて、倉庫の運用に関連するパラメータの設定、走行経路、積み降ろしの時点および/または引渡し場所を規定する少なくとも1つのアルゴリズムを有している。これにより、進行中のプロセスもしくは設定を、必要性および/または変化する状況に応じて、動的に適合させることができる。このことは、たとえば貯蔵貨物の供給時の遅延および/または規格化された貯蔵貨物の短期間での引出しのような外部の影響が、規格化された貯蔵貨物の通常の規則的な積替に影響を与える場合に特に有利である。アルゴリズム、好適には最適化を伴うアルゴリズムにより、方法はプロセスを動的に改善することができる。アルゴリズムによる最適化時の目的変数として、好適には、発送時間、ハイベイ倉庫の稼働率、運輸量、運輸流の分配、運輸手段の分配、運輸領域の稼働率、倉庫内部の搬送システムの稼働率、倉庫ストラテジ、障害状況および/またはメンテナンスを規定および/または最適化することができる。倉庫の運用に関連するパラメータとして、アルゴリズムは、好適には、運輸量、運輸流の分配、運輸手段の分配、運輸領域の稼働率、倉庫内部の搬送システムの稼働率、倉庫ストラテジ、障害状況および/またはメンテナンスを使用する。
【0014】
さらに、制御および/または調整システムが、外部の運輸手段と、データ、好適には現在地、速度、走行経路、積み降ろしの時点および/または引渡し場所を交換すると好適である。制御または調整システムと外部の運輸手段との間の通信が広範であるほど、制御または調整システムは、起こり得る逸脱に、より正確かつより良く反応することができる。この場合、制御または調整システムが、上位の制御システム、好適には海港の上位の制御システムに対するインタフェースを使用し、好適には目的変数および/または関連するパラメータの、システム間でのデータ交換を行うと好適である。これにより、ハイベイ倉庫の倉庫内部の制御または調整システムと、このシステムに関連する最適化とが、上位のロジスティクスまたは上位の物流の外部条件に適合することができるという利点も生じる。特に海港の領域では、トラックによる積替時の時間遅延よりも著しく大幅な時間遅延が生じ得る。上位の制御または調整システムに対する適切なインタフェースにより、ハイベイ倉庫の制御または調整システムはこの時間遅延に反応し、運輸案内を適合させることができる。
【0015】
運輸平面内の引渡し場所を記述するためのxy座標系が、運輸平面の少なくとも60%、好適には少なくとも80%、さらに好適には少なくとも90%をカバーしていると好適である。xy座標系の使用は、運輸平面を追跡可能な構造に容易に分割することを可能にする。外部の運輸手段の走行経路は、好適には引渡し場所に向かうように、または引渡し場所から遠ざかるように、一連のxy座標、好適にはGPS座標によって記述される。これにより、非常に複雑な走行経路も、一連の点によって簡単な形式で追跡可能に記述することができる。このような走行経路の記述は、既存の技術によって自律走行式の外部の運輸手段により処理することも、手動で操作する外部の運輸手段に送信することもできる。適切なナビゲーションソフトウェアおよび/またはナビゲーションシステムに関連して、外部の運輸手段のオペレータに走行経路を表示することができ、この運輸手段を引渡し場所へとガイドすることができる。このためには、たとえばGPS座標または修正されたGPS座標を手動の運輸手段のナビゲーションシステムに送信することができる。
【0016】
さらに、引渡し場所に向かう、または引渡し場所から遠ざかる運輸手段の走行経路を、一連のxy座標および別の設定、好適には時点または期間によって記述すると好適である。経路と、設定としての時間とを組み合わせることにより、渋滞を回避するための意図的な停止点、停止時間を使用することができる。これにより、渋滞リスクなしに外部の運輸手段のスループットを向上させることができる。
【0017】
好適には、運輸平面内で、外部の運輸手段のための少なくとも1つの走行経路を表示および/または制限する切替え可能な手段を使用する。特に、1つの運輸平面内で、自律式の外部の運輸手段と手動で操作される外部の運輸手段とを同時に運転する場合、これにより、走行経路の分離または保護を容易に実現することができる。
【0018】
明細書には以下の3つの図面が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ハイベイ倉庫の側面図である。
図2】運輸平面を上から見た平面図である。
図3】ハイベイ倉庫の制御/調整系統を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を上述の図面を参照しながら以下に実施例の形態で詳細に説明する。全ての図面において、同一の技術要素には同一の参照符号を付している。
【0021】
図1は、運輸平面2と、この運輸平面2の上に位置する12個の貯蔵平面11とを有するハイベイ倉庫1の断面を示している。種々異なる24個の倉庫内部の搬送システム13が、ハイベイ倉庫1内で、規格化された貯蔵貨物4を、ハイラック16の貯蔵列15に沿った貯蔵通路14内で、ハイラック16内の規格化された貯蔵貨物4の特定の貯蔵場所12へと運動させる。さらに、倉庫内部の搬送システム13は、規格化された貯蔵貨物4を、貯蔵平面11の下側で、運輸平面2を走行する外部の運輸手段3から引き取りまたは引き渡すことができる。図示された実施例では、ハイベイ倉庫1は、規格化された海上コンテナの積替に合わせて設計されている。
【0022】
図2は、上から見た平面図でハイベイ倉庫1の下側の運輸平面2を示している。倉庫内部の搬送システム13の、互いに平行に延びる貯蔵通路14内で、規格化された貯蔵貨物4を外部の運輸手段3に引き渡すことができる。この場合、引渡し場所5は、貯蔵通路14内で実質的に自由に変化させることができる。これにより、貯蔵通路14内に多数の可能な引渡し場所5が発生する。引渡し場所5に向かう外部の運輸手段3の可能な走行経路6が矢印によって示されている。これと同様に、外部の運輸手段3の進出経路6が図示されている。この場合、トラック31または自律走行式のトラクタ32による走行の他に、レールに関連する運輸手段33または搬送手段が到達可能である貯蔵通路14が図示されている。この場合、レール61は、このレール61が貯蔵通路14に沿って延びているように配向される。これにより、レールに関連する運輸手段33にとって、貯蔵通路14内の多数の引渡し場所5に到達することが可能である。同様に、トラック3が積込み時に好適な配向を有していることを確認することができる。
【0023】
図3は、ハイベイ倉庫1の制御または調整システムの制御および調整系統を示す概略図である。上位の制御システムが、インタフェースによりデータをハイベイ倉庫1の制御または調整システムに伝達する。制御および調整システム内の最適化アルゴリズムは、これらのデータを処理し、一方では上位のシステムに、他方では外部の運輸手段3に伝達する。トラック31には、対応する進入可能性21、引渡し場所5および走行経路6のGPS座標、引渡し時点が伝達される。自律走行式のトラクタ32には、さらにハイベイ倉庫1内での停止時点および速度が伝達される。制御または調整システムは、トラック31から、現在地および引渡し場所5への到達、または運輸平面2の走行および運輸平面2からの退出に関する情報を戻される。倉庫内部の搬送システム13は、たとえば、外部の運輸手段3への規格化された貯蔵貨物4の引渡しを、制御または規制システムに報知する。自律走行式の運輸手段32は、上述のデータの他に、ハイベイ倉庫1の環境に関連して自律走行式の運輸手段32を説明するデータも送信する。これは、たとえば、積込み状況、ハイベイ倉庫1外の場所、速度、利用可能性および/またはタンク内容物であってよい。
【符号の説明】
【0024】
1 ハイベイ倉庫
11 貯蔵平面
12 貯蔵場所
13 倉庫内部の搬送システム
14 貯蔵通路
15 貯蔵列
16 ハイラック
2 運輸平面
21 進入または進出可能性
3 運輸手段
31 トラック
32 自立走行式のトラクタ
33 レールに関連する運輸手段
4 貯蔵貨物
5 引渡し場所
6 走行経路
61 レール
図1
図2
図3