(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】測位インテグリティの最適測位方法及び通信装置
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20240527BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20240527BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20240527BHJP
【FI】
H04W64/00
H04W88/18
G01S5/02 A
(21)【出願番号】P 2022577687
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2021100588
(87)【国際公開番号】W WO2021254431
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202010561221.1
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 梦▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】常 俊仁
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/081377(WO,A1)
【文献】Swift Navigation, Deutsche Telekom,- Motivation - Rel-17 Positioning Integrity[online],3GPP TSG RAN #86 RP-192750,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_86/Docs/RP-192750.zip>,2019年12月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
G01S5/02
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスの測位インテグリティ情報をアクセスネットワークデバイス又は前記端末デバイスから測位デバイスによって取得するステップであって、前記測位インテグリティ情報は、前記アクセスネットワークデバイス又は前記端末デバイスによって予測される、第1の場面の前記端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ステップと、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たすように、前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための動作を前記測位デバイスによって行なうステップと
を含む、測位インテグリティの最適測位方法。
【請求項2】
前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための動作を前記測位デバイスによって行なう前記ステップは、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が第2の場面の前記端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを前記測位デバイスによって決定するステップであって、前記第2の場面は、前記第1の場面について前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なう前に前記端末デバイスが位置する場面である、ステップと、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が前記第2の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に対して変化している場合、前記測位インテグリティ情報によって示される、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に基づいて前記端末デバイスの測位を行なうための前記動作を前記測位デバイスによって行なうステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測位インテグリティ情報によって示される、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に基づいて前記端末デバイスの測位を行なうための前記動作を前記測位デバイスによって行なう前記ステップは、
前記端末デバイスの測位を行なうのに用いられる測位アルゴリズムを変更する動作であって、変更される測位アルゴリズムは、アップリンク到来時間差UL TDoAベース測位方法、ダウンリンク到来時間差DL TDoAベース測位方法、アップリンク到来角UL-AoAベース測位方法、ダウンリンク出射角DL-AoDベース測位方法、往復時間RTTベース測位方法、拡張セル識別子ベース測位方法、全地球航法衛星システムGNSSベース測位方法、地上ビーコンシステムTBSベース測位方法、大気圧センサベース測位方法、無線ローカルエリアネットワークWLANベース測位方法、ブルートゥース(登録商標)BTベース測位方法及びモーションセンサベース測位方法の1つ以上を備える、動作、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報を変更する動作、
測位手順を終了する動作、又は
前記端末デバイスの測位を行なうのに用いられる参照局の追加又は変更を行なう動作、の少なくとも1つを行なうステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
端末デバイスの測位インテグリティ情報をアクセスネットワークデバイス又は前記端末デバイスから測位デバイスによって取得する前記ステップは、
前記アクセスネットワークデバイスに補助データ要求メッセージを前記測位デバイスによって送るステップであって、前記補助データ要求メッセージは前記端末デバイスの測位を行なうのに必要な補助データを要求するのに用いられる、ステップ、及び
前記アクセスネットワークデバイスか
ら補助データ提供メッセージを前記測位デバイスによって受け取るステップであって、前記補助データ提供メッセージは前記測位インテグリティ情報を搬送する、ステップ、及び/又は
前記端末デバイスに位置情報要求メッセージを前記測位デバイスによって送るステップであって、前記位置情報要求メッセージは前記端末デバイスの位置情報又は位置計算に用いられる計測量を要求するのに用いられる、ステップ、及び
前記端末デバイスから位置情報提供メッセージを前記測位デバイスによって受け取るステップであって、前記位置情報提供メッセージは前記測位インテグリティ情報を搬送する、ステップ、及び/又は
外から前記端末デバイスの前記測位インテグリティ情報を前記測位デバイスによって取得するステップ
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記測位インテグリティ情報は、
前記測位インテグリティ要件、
前記第1の場面の入力データであって、前記第1の場面の前記入力データは、環境、時間及び前記測位される端末デバイスの位置の1つ以上を備える、前記第1の場面の入力データ、並びに
測位インテグリティ結果情報であって、前記測位インテグリティ結果情報は、インテグリティリスクが生じるか否かについての情報、測位誤差及びインテグリティレベルという項目の1つ以上を備える、測位インテグリティ結果情報、という情報の1つ以上を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記測位インテグリティ情報によって示される前記測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間
、インテグリティリスク及び保護レベル、の1つ以上を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が前記第2の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に対して変化している場合、前記方法は、
前記端末デバイス及び/又は前記アクセスネットワークデバイスに第1の表示情報を前記測位デバイスによって送るステップであって、前記第1の表示情報は、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たす測位方法を前記端末デバイス及び/又は前記アクセスネットワークデバイスが用いることを示す、ステップ
をさらに含む、請求項2
または3に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の表示情報は、
測位参照信号
のコンフィギュレーション情報と、終了した測位手順の表示情報と、測位インテグリティ要件情報と測位インテグリティの影響要因とのマッピング関係との1つ以上をさらに示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
測位インテグリティ情報を端末デバイスによって取得するステップであって、前記測位インテグリティ情報は第1の場面の前記端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ステップと、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たすように、前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための動作を前記端末デバイスによって行なうか、前記端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうステップと
を含む、測位インテグリティの最適測位方法。
【請求項10】
前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための動作を前記端末デバイスによって行なうか、前記端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なう前記ステップは、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が第2の場面の前記端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを前記測位デバイスによって決定するステップであって、前記第2の場面は、前記第1の場面について前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なう前に前記端末デバイスが位置する場面である、ステップと、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が前記第2の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に対して変化している場合、前記測位インテグリティ情報によって示される、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための前記動作を前記端末デバイスによって行なうか、前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なうのを補助するための前記動作を行なうステップと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記端末デバイスの測位を行なうための前記動作を前記端末デバイスによって行なうか、前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なうのを補助するための前記動作を行なう前記ステップは、
測位参照信号PRSを計測するモードを調節する動作、
前記PRSを監視するモードを調節する動作、又は
測位手順を終了する動作、の少なくとも1つを行なうステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
測位インテグリティ情報を端末デバイスによって取得する前記ステップは、
アクセスネットワークデバイスからラジオリソースコントロールRRCメッセージを前記端末デバイスによって受け取るステップであって、前記RRCメッセージは前記測位インテグリティ情報を搬送する、ステップ、又は
前記第1の場面の入力データを前記端末デバイスによって取得するステップ、及び
前記第1の場面の前記入力データと、前記測位インテグリティ要件と測位インテグリティの影響要因との予め記憶されたマッピング関係とに基づいて予測を通じて前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を前記端末デバイスによって取得するステップ
を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記測位インテグリティ情報は、
前記測位インテグリティ要件、
前記第1の場面の前記入力データであって、前記第1の場面の前記入力データは、環境、時間及び前記測位される端末デバイスの位置の1つ以上を備える、前記第1の場面の前記入力データ、又は
測位インテグリティ結果情報であって、前記測位インテグリティ結果情報は、インテグリティリスクが生じるか否かについての情報、測位誤差及びインテグリティレベルという項目の1つ以上を備える、測位インテグリティ結果情報、という情報の1つ以上を備える、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記測位インテグリティ情報によって示される前記測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間
、インテグリティリスク及び保護レベル、の1つ以上を備える、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なうのを補助するための前記動作を前記端末デバイスが行なう場合、前記方法は、
前記測位デバイスから第1の表示情報を前記端末デバイスによって受け取るステップであって、前記第1の表示情報は、前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なうのを補助するように、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たす測位方法を前記端末デバイスが用いることを示す、ステップをさらに含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の表示情報は、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報と、終了した測位手順の表示情報と、測位インテグリティ要件情報と測位インテグリティ
の影響要因とのマッピング関係についての情報との1つ以上をさらに示す、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための前記動作を前記端末デバイスが行なう場合、前記方法は、
前記測位デバイス及び/又
はアクセスネットワークデバイスに第2の表示情報を前記端末デバイスによって送るステップであって、前記第2の表示情報は、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たす測位方法を前記測位デバイス及び/又は前記アクセスネットワークデバイスが用いることを示す、ステップをさらに含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
端末デバイスの測位インテグリティ情報をアクセスネットワークデバイス又は前記端末デバイスから取得するように構成される受信部であって、前記測位インテグリティ情報は、前記アクセスネットワークデバイス又は前記端末デバイスによって予測される、第1の場面の前記端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、受信部と、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たすように、前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための動作を行なうように構成される処理部と
を備える、通信装置。
【請求項19】
前記処理部は、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が第2の場面の前記端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを決定し、前記第2の場面は、前記第1の場面について前記端末デバイスの測位
を行なう前に前記端末デバイスが位置する場面であり、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が前記第2の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に対して変化している場合、前記測位インテグリティ情報によって示される、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に基づいて前記端末デバイスの測位を行なうための前記動作を行なう、ように特に構成される、請求項18に記載の通信装置。
【請求項20】
前記処理部は、
前記端末デバイスの測位を行なうのに用いられる測位アルゴリズムを変更する動作であって、変更される測位アルゴリズムは、UL TDoAベース測位方法、DL TDoAベース測位方法、UL-AoAベース測位方法、DL-AoDベース測位方法、RTTベース測位方法、拡張セルIDベース測位方法、GNSSベース測位方法、TBSベース測位方法、大気圧センサベース測位方法、WLANベース測位方法、BTベース測位方法及びモーションセンサベース測位方法の1つ以上を備える、動作、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報を変更する動作、
測位手順を終了する動作、又は
前記端末デバイスの測位を行なうのに用いられる参照局の追加又は変更を行なう動作、
の少なくとも1つを行なうように特に構成される、請求項19に記載の通信装置。
【請求項21】
前記アクセスネットワークデバイスに補助データ要求メッセージを送るように構成される送信部であって、前記補助データ要求メッセージは前記端末デバイスの測位を行なうのに必要な補助データを要求するのに用いられる、送信部
をさらに備え、
前記受信部は、前記アクセスネットワークデバイスから補助データ提供メッセージを受け取り、前記補助データ提供メッセージは前記測位インテグリティ情報を搬送する、ように構成され、かつ/又は
前記送信部は、前記端末デバイスに位置情報要求メッセージを送り、前記位置情報要求メッセージは前記端末デバイスの位置情報又は位置計算に用いられる計測量を要求するのに用いられる、ように構成され、かつ
前記受信部は、前記端末デバイスから位置情報提供メッセージを受け取り、前記位置情報提供メッセージは前記測位インテグリティ情報を搬送する、ように構成され、かつ/又は
前記受信部は、外から前記端末デバイスの前記測位インテグリティ情報を取得するようにさらに構成される、請求項18から20のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項22】
前記測位インテグリティ情報は、
前記測位インテグリティ要件、
前記第1の場面の入力データであって、前記第1の場面の前記入力データは、環境、時間及び前記測位される端末デバイスの位置の1つ以上を備える、前記第1の場面の入力データ、並びに
測位インテグリティ結果情報であって、前記測位インテグリティ結果情報は、インテグリティリスクが生じるか否かについての情報、測位誤差及びインテグリティレベルという項目の1つ以上を備える、測位インテグリティ結果情報、という情報の1つ以上を備える、請求項18から21のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項23】
前記測位インテグリティ情報によって示される前記測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間
、インテグリティリスク及び保護レベル、の1つ以上を備える、請求項18から22のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項24】
前記送信部は、
前記端末デバイス及び/又は前記アクセスネットワークデバイスに第1の表示情報を送り、前記第1の表示情報は、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たす測位方法を前記端末デバイス及び/又は前記アクセスネットワークデバイスが用いることを示す、ようにさらに構成される、請求項
21に記載の通信装置。
【請求項25】
前記第1の表示情報は、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報と、終了した測位手順の表示情報と、測位インテグリティ要件情報と測位インテグリティの影響要因とのマッピング関係との1つ以上をさらに示す、請求項24に記載の通信装置。
【請求項26】
測位インテグリティ情報を取得するように構成される受信部であって、前記測位インテグリティ情報は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、受信部と、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たすように、前記測位インテグリティ情報に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための動作を行なうか、前記端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうように構成される処理部と
を備える、通信装置。
【請求項27】
前記処理部は、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が第2の場面の前記端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを決定し、前記第2の場面は、前記第1の場面について前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なう前に前記端末デバイスが位置する場面であり、
前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件が前記第2の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に対して変化している場合、前記測位インテグリティ情報によって示される、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件に基づいて、前記端末デバイスの測位を行なうための前記動作を行なうか、前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なうのを補助するための前記動作を行なう、ように特に構成される、請求項26に記載の通信装置。
【請求項28】
前記処理部は、
PRSを計測するモードを調節する動作、及び
前記PRSを監視するモードを調節する動作、又は
測位手順を終了する動作、の少なくとも1つを行なうように特に構成される、請求項27に記載の通信装置。
【請求項29】
前記受信部は、アクセスネットワークデバイスからラジオリソースコントロールRRCメッセージを受け取り、前記RRCメッセージは前記測位インテグリティ情報を搬送する、ように特に構成され、又は
前記処理部は、
前記第1の場面の入力データを取得し、
前記第1の場面の前記入力データと、測位インテグリティと前記測位インテグリティの影響要因との予め記憶されたマッピング関係とに基づいて予測を通じて前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を取得する、
ように特に構成される、請求項26から28のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項30】
前記測位インテグリティ情報は、
前記測位インテグリティ要件、
前記第1の場面の前記入力データであって、前記第1の場面の前記入力データは、環境、時間及び前記測位される端末デバイスの位置の1つ以上を備える、前記第1の場面の前記入力データ、又は
測位インテグリティ結果情報であって、前記測位インテグリティ結果情報は、インテグリティリスクが生じるか否かについての情報、測位誤差及びインテグリティレベルという項目の1つ以上を備える、測位インテグリティ結果情報、
という情報の1つ以上を備える、請求項
29に記載の通信装置。
【請求項31】
前記測位インテグリティ情報によって示される前記測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間
、インテグリティリスク及び保護レベル、の1つ以上を備える、請求項26から30のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項32】
前記受信部は、
前記測位デバイスから第1の表示情報を受け取り、前記第1の表示情報は、前記端末デバイスの測位を前記測位デバイスが行なうのを補助するように、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たす測位方法を前記端末デバイスが用いることを示す、ようにさらに構成される、請求項26から31のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項33】
前記第1の表示情報は、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報と、終了した測位手順の表示情報と、測位インテグリティ要件情報と測位インテグリティ
の影響要因とのマッピング関係についての情報との1つ以上をさらに示す、請求項32に記載の通信装置。
【請求項34】
前記測位デバイス及び/又
はアクセスネットワークデバイスに第2の表示情報を送るように構成される送信部であって、前記第2の表示情報は、前記第1の場面の前記端末デバイスの前記測位インテグリティ要件を満たす測位方法を前記測位デバイス及び/又は前記アクセスネットワークデバイスが用いることを示す、送信部
をさらに備える、請求項26から31のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項35】
少なくとも1つのプロセッサを備える通信装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは少なくとも1つのメモリに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を前記通信装置が行なうように、前記少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラム又は指示を実行するように構成される、通信装置。
【請求項36】
少なくとも1つのプロセッサを備える通信装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは少なくとも1つのメモリに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項9から17のいずれか一項に記載の方法を前記通信装置が行なうように、前記少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラム又は指示を実行するように構成される、通信装置。
【請求項37】
論理回路とインタフェイス回路とを備える通信装置であって、前記インタフェイス回路は、コンピュータコード又は指示を受け取り、前記コンピュータコード又は前記指示を前記論理回路に伝えるように構成され、前記論理回路が前記コンピュータコード又は前記指示を動作させるとき、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法が実施される、通信装置。
【請求項38】
論理回路とインタフェイス回路とを備える通信装置であって、前記インタフェイス回路は、コンピュータコード又は指示を受け取り、前記コンピュータコード又は指示を前記論理回路に伝えるように構成され、前記論理回路が前記コンピュータコード又は指示を動作させるとき、請求項9から17のいずれか一項に記載の方法が実施される、通信装置。
【請求項39】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶し、前記コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶し、前記コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、請求項9から17のいずれか一項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月18日に中国国家知識産権局に出願され、名称が「METHOD FOR ADAPTIVELY POSITIONING POSITIONING INTEGRITY AND COMMUNICATION APPARATUS」である中国特許出願第202010561221.1号の優先権を主張し、本中国特許出願の全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本出願は測位分野に関し、特に、測位インテグリティの最適測位方法及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、システムがリアルタイムに正しい判定を行なって不具合の発生を回避することが確実にできるようにするために、システムによって提供された情報の信頼度を計測するための重要な指標としてインテグリティ(integrity)が用いられる場合がある。測位システムにおいては、インテグリティの研究の大部分が衛星航法測位システムに集中している。これは主に、衛星航法測位システムの測位正確度の要件が厳しいからであり、この要件は、第3世代パートナーシッププロジェクト(the third generation partnership project,3GPP(登録商標))における無線アクセス技術(radio access technology,RAT)-dependent測位要件よりもはるかに厳しい。しかし、RAT-dependent測位技術の進化にともない、測位システムの測位正確度は徐々に改善され、インテグリティは測位システムのパフォーマンスを検討するための重要な指標になっている。
【0004】
インテグリティの研究は全地球測位システムの用途では成熟しきっているが、インテグリティに直接関連するパフォーマンス指標は基本的には既定される。しかし、多くの測位場面で、インテグリティ要件はリアルタイムに変化し、既定されることは不可能である。たとえば、インテリジェントウェアハウジングとロジスティックスシステムでは、無人搬送車(automated guided vehicle,AGV)がリアルタイムにかつ正確に位置する必要がある。飛行機とは異なり、AGVのルートは固定されず、AGVの周囲の環境は複雑である。したがって、AGVでは異なる場面でインテグリティに対する異なる要件がある。たとえば、商品の仕分けの際、商品を受け取るためにAGVがベルトコンベアの尾部に揃えられる必要がある。この場合、インテグリティ要件は厳しくない。商品を置く際、インテグリティ要件は商品棚の仕様に関係する。この場合、インテグリティ要件は一般的に厳しい。充電の際、AGVは充電スタンドに自動的に接続される必要がある。プラグ形態の充電スタンドのインテグリティ要件はきわめて厳しい。
【0005】
インテグリティ要件が動的に変化する場面では、インテグリティ要件が事前に既定されることが不可能であることが分かる。あるいは、絶えず変化するインテグリティの要件が満たされることが不可能であり、不具合イベントが起こるおそれがある。
【発明の概要】
【0006】
本出願では、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化に適応し、これにより、不具合イベントの発生を効果的に回避する測位インテグリティの最適測位方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係れば、本出願では測位インテグリティの最適測位方法が提供される。本方法は、端末デバイスの測位インテグリティ情報をアクセスネットワークデバイス又は端末デバイスから測位デバイスが取得することであって、測位インテグリティ情報は、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスによって予測される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ことと、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を測位デバイスが行なうこととを含む。
【0008】
本出願の技術的解決手段では、測位インテグリティ要件が動的に変化する場面(scenario)について、測位デバイスが端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化を予測し、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化に対処するように、予測された測位インテグリティ要件に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を調節し、これにより、不具合イベントの発生が効果的に回避される。
【0009】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を測位デバイスが行なうことは、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを測位デバイスが決定することであって、第2の場面は、第1の場面について端末デバイスの測位を測位デバイスが行なう前に端末デバイスが位置する場面である、ことと、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化している場合、測位インテグリティ情報によって示される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を測位デバイスが行なうこととを含む。
【0010】
異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を測位デバイスが予測して対応する調節を行ない、これにより、高い測位インテグリティを常時維持することを要することなく、測位インテグリティ要件が動的に変化する場面に適応することができる。したがって、異なる場面の測位インテグリティ要件が確保されつつ、リソース利用率とシステム効率とが改善されることが可能である。
【0011】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報によって示される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を測位デバイスが行なうことは、
測位アルゴリズムを変更する動作であって、変更される測位アルゴリズムは、UL TDoAベース測位方法、DL TDoAベース測位方法、UL-AoAベース測位方法、DL-AoDベース測位方法、RTTベース測位方法、拡張セルIDベース測位方法、GNSSベース測位方法、TBSベース測位方法、大気圧センサベース測位方法、WLANベース測位方法、BTベース測位方法及びモーションセンサベース測位方法の1つ以上を含む、動作と、
端末デバイスの測位を行なうのに用いられる参照局の追加又は変更を行なう動作と
の少なくとも1つを行なうことを含む。
【0012】
異なる場面について端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化に適応するのに、測位アルゴリズムの変更や、測位参照局の追加又は変更などの複数の仕方で調節を測位デバイスが行なってもよく、調節の柔軟度が高くなる。
【0013】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実現例では、端末デバイスの測位インテグリティ情報をアクセスネットワークデバイス又は端末デバイスから測位デバイスが取得することは、以下を含む。
【0014】
アクセスネットワークデバイスに補助データ要求メッセージを測位デバイスが送ることであって、補助データ要求メッセージは端末デバイスの測位を行なうのに必要な補助データを要求するのに用いられる、こと、及びアクセスネットワークデバイスから測位補助データ提供メッセージを測位デバイスが受け取ることであって、補助データ提供メッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、こと、又は
端末デバイスに位置情報要求メッセージを測位デバイスが送ることであって、位置情報要求メッセージは端末デバイスの位置情報又は位置計算に用いられる計測量を要求するのに用いられる、こと、及び端末デバイスから位置情報提供メッセージを測位デバイスが受け取ることであって、位置情報提供メッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、こと。
【0015】
端末デバイスが位置する場面が絶えず変化するプロセスでは、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスによって予測される、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を測位デバイスがアクセスネットワーク又は端末デバイスから取得し、対応する調節を行なう結果、端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化に対処し、動的に変化する場面に適応することができる。
【0016】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報は、
測位インテグリティレベル、
測位インテグリティ要件、及び
第1の場面の入力データであって、第1の場面の入力データは、環境、時間及び測位される端末デバイスの位置の1つ以上を含む、第1の場面の入力データ
という情報の1つ以上を含む。
【0017】
測位インテグリティ情報は複数の形態のものであってもよく、これにより、測位デバイスによって測位インテグリティを取得する仕方の柔軟度を改善することができる。
【0018】
第1の態様に関して、第1の態様のいくつかの実現例では、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化している場合、本方法は、端末デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスに第1の表示情報を測位デバイスが送ることであって、第1の表示情報は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を端末デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスが用いることを示す、ことをさらに含む。
【0019】
異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化に適応するために、変化に適応するように測位デバイスによって対応する調節を行なうことに加えて、さらに、測位を測位デバイスが行なうのを補助するように、測位インテグリティの変化に適応する調節を行なうことを測位デバイスがアクセスネットワーク及び/又は端末デバイスに通知してもよく、これにより、測位インテグリティ要件の変化に対する測位システムの適応性と調節能力とが改善される。
【0020】
第2の態様に係れば、本出願では測位インテグリティの最適測位方法が提供される。本方法は、測位インテグリティ情報を端末デバイスが取得することであって、測位インテグリティ情報は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ことと、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を端末デバイスが行なうか、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうこととを含む。
【0021】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を端末デバイスが行なうか、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうことは、以下を含む。
【0022】
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを測位デバイスが決定することであって、第2の場面は、第1の場面について端末デバイスの測位を測位デバイスが行なう前に端末デバイスが位置する場面である、こと、及び
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化している場合、測位インテグリティ情報によって示される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を端末デバイスが行なうか、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうこと。
【0023】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実現例では、端末デバイスの測位を行なうための動作を端末デバイスが行なうか、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうことは、
測位参照信号PRSを計測するモードを調節する動作と、
PRSを監視するモードを調節する動作と
の少なくとも1つを行なうことを含む。
【0024】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報を端末デバイスが取得することは以下を含む。
【0025】
アクセスネットワークデバイスからラジオリソースコントロールRRCメッセージを端末デバイスが受け取ることであって、RRCメッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、こと、又は
第1の場面の入力データを端末デバイスが取得すること、及び
第1の場面の入力データと、測位インテグリティ要件と測位インテグリティの影響要因との予め記憶されたマッピング関係とに基づいて予測を通じて第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を端末デバイスが取得すること。
【0026】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を端末デバイスが行なう場合、本方法は以下をさらに含む。
【0027】
測位デバイスから第1の表示情報を端末デバイスが受け取ることであって、第1の表示情報は、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するように、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を端末デバイスが用いることを示す、こと。
【0028】
第2の態様に関して、第2の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を端末デバイスが行なう場合、本方法は以下をさらに含む。
【0029】
測位デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスに第2の表示情報を端末デバイスが送ることであって、第2の表示情報は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を測位デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスが用いることを示す、こと。
【0030】
第3の態様に係れば、本出願では測位インテグリティの最適測位方法が提供される。本方法は、端末デバイス又は測位デバイスから表示情報をアクセスネットワークデバイスが受け取ることであって、表示情報は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法をアクセスネットワークデバイスが用いることを示す、ことと、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、表示情報に基づいて、端末デバイスの測位を端末デバイス又は測位デバイスが行なうのを補助するための動作をアクセスネットワークデバイスが行なうこととを含む。
【0031】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実現例では、表示情報に基づいて、端末デバイスの測位を端末デバイス又は測位デバイスが行なうのを補助するための動作をアクセスネットワークデバイスが行なうことは、
測位参照信号を送るのに用いられる帯域幅を調節する動作と、
測位参照信号を送るのに用いられる出力を調節する動作と、
測位参照信号のコンフィギュレーションモードを調節する動作であって、測位参照信号の異なるコンフィギュレーションモードは異なる測位インテグリティレベルに対応する、動作と
の少なくとも1つを行なうことを含む。
【0032】
本出願における「測位参照信号」は通常、測位に用いられる参照信号であり、測位に用いられるアップリンク信号に限定されたり、測位に用いられるダウンリンク信号に限定されたりしない点に留意するべきである。たとえば、測位参照信号は特にダウンリンク測位参照信号PRSであってもよいし、アップリンク測位参照信号、たとえば復調参照信号(sounding reference signal,SRS)であってもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0033】
したがって、本実施形態では、RANが測位参照信号の帯域幅、送信出力、コンフィギュレーションモードなどを調節することは、RANがPRSの送信帯域幅、送信出力、コンフィギュレーションモードなどを調節することであってもよいし、RANがSRSの占有帯域幅、送信出力、コンフィギュレーションモードなどを調節することであってもよい。
【0034】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実現例では、端末デバイス又は測位デバイスから表示情報をアクセスネットワークデバイスが受け取る前に、本方法は、端末デバイスのインテグリティ情報をアクセスネットワークデバイスが取得することであって、測位インテグリティ情報は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ことと、端末デバイスにRRCメッセージをアクセスネットワークデバイスが送ることであって、RRCメッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、こととをさらに含む。
【0035】
第3の態様に関して、第3の態様のいくつかの実現例では、端末デバイスのインテグリティ情報をアクセスネットワークデバイスが取得することは、第1の場面の入力データをアクセスネットワークデバイスが取得することと、第1の場面の入力データと、測位インテグリティと測位インテグリティの影響要因との予め記憶されたマッピング関係とに基づいて予測を通じて第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件をアクセスネットワークデバイスが取得することとを含む。
【0036】
上述の第1の態様から第3の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報は、
測位インテグリティ要件、及び
第1の場面の入力データであって、第1の場面の入力データは、環境、時間及び測位される端末デバイスの位置の1つ以上を含む、第1の場面の入力データ
という情報の1つ以上を含む。
【0037】
上述の第1の態様から第3の態様のいくつかの実現例では、測位インテグリティ情報によって示される測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間、インテグリティリスク及び保護レベル
の1つ以上を含む。
【0038】
第2の態様、第3の態様又は第2の態様若しくは第3の態様の実現例の技術的効果については、第1の態様の対応する解決手段を参照する。重ねて詳細を説明しない。
【0039】
第4の態様に係れば、本出願では通信装置が提供される。通信装置は第1の態様又は第1の態様のいずれかの可能な実現例の方法を実施する機能を有する。当該機能は、ハードウェアによって実施されてもよいし、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実施されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは上述の機能に対応する1つ以上の部位を含む。
【0040】
第5の態様に係れば、本出願では通信装置が提供される。通信装置は第2の態様又は第2の態様のいずれかの可能な実現例の方法を実施する機能を有する。当該機能は、ハードウェアによって実施されてもよいし、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実施されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは上述の機能に対応する1つ以上の部位を含む。
【0041】
第6の態様に係れば、本出願では通信装置が提供される。通信装置は第3の態様又は第3の態様のいずれかの可能な実現例の方法を実施する機能を有する。当該機能は、ハードウェアによって実施されてもよいし、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実施されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは上述の機能に対応する1つ以上の部位を含む。
【0042】
第7の態様に係れば、本出願ではプロセッサ、メモリ及びトランシーバを含むネットワークデバイスが提供される。メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して動作させ、信号の送信/受信を行なうようにトランシーバを制御するように構成され、これにより、第1の態様又は第1の態様のいずれかの可能な実現例の方法を通信デバイスが行なう。
【0043】
第8の態様に係れば、本出願ではプロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む端末デバイスが提供される。メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して動作させ、信号の送信/受信を行なうようにトランシーバを制御するように構成され、これにより、第2の態様又は第2の態様のいずれかの可能な実現例の方法を通信デバイスが行なう。
【0044】
第9の態様に係れば、本出願ではプロセッサ、メモリ及びトランシーバを含むネットワークデバイスが提供される。メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して動作させ、信号の送信/受信を行なうようにトランシーバを制御するように構成され、これにより、第3の態様又は第3の態様のいずれかの可能な実現例の方法を通信デバイスが行なう。
【0045】
第10の態様に係れば、本出願ではプロセッサと通信インタフェイスとを含む通信装置が提供される。通信インタフェイスは、信号を受信して受信信号をプロセッサに伝えるように構成され、プロセッサは、第1の態様又は第1の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれるように信号を処理する。
【0046】
第11の態様に係れば、本出願ではプロセッサと通信インタフェイスとを含む通信装置が提供される。通信インタフェイスは、信号を受信して受信信号をプロセッサに伝えるように構成され、プロセッサは、第2の態様又は第2の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれるように信号を処理する。
【0047】
第12の態様に係れば、本出願ではプロセッサと通信インタフェイスとを含む通信装置が提供される。通信インタフェイスは、信号を受信して受信信号をプロセッサに伝えるように構成され、プロセッサは、第3の態様又は第3の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれるように信号を処理する。
【0048】
上記とは別に、通信インタフェイスはインタフェイス回路であってもよく、プロセッサは処理回路であってもよい。
【0049】
第13の態様に係れば、本出願ではコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶する。コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、第1の態様又は第1の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれる。
【0050】
第14の態様に係れば、本出願ではコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶する。コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、第2の態様又は第2の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれる。
【0051】
第15の態様に係れば、本出願ではコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶する。コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、第3の態様又は第3の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれる。
【0052】
第16の態様に係れば、本出願ではコンピュータプログラムプロダクトが提供され、コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードがコンピュータで動作するとき、第1の態様又は第1の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれる。
【0053】
第17の態様に係れば、本出願ではコンピュータプログラムプロダクトが提供され、コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードがコンピュータで動作するとき、第2の態様又は第2の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれる。
【0054】
第18の態様に係れば、本出願ではコンピュータプログラムプロダクトが提供され、コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードがコンピュータで動作するとき、第3の態様又は第3の態様のいずれかの可能な実現例の方法が行なわれる。
【0055】
第19の態様に係れば、本出願では、第7の態様に係るネットワークデバイスと、第8の態様に係る端末デバイスと、第9の態様に係るネットワークとの1つ以上を含む無線通信システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本出願の実施形態に適用可能である可能な測位システムアーキテクチャである。
【
図2】本出願の実施形態に適用可能である測位アーキテクチャの概略図である。
【
図3】測位インテグリティと各影響要因とのマッピング関係の例を示す。
【
図4】本出願に係る測位インテグリティ予測モデルの概略図である。
【
図5】本出願に係る測位インテグリティの最適測位方法の概略フローチャートである。
【
図6】本出願に係る測位インテグリティの最適測位方法の例である。
【
図9】インテリジェントウェアハウジング及びロジスティックスシステムの場面変化の概略図である。
【
図10】本出願に係る通信装置の概略ブロック図である。
【
図11】本出願に係る別の通信装置の概略ブロック図である。
【
図12】本出願に係る別の通信装置の概略ブロック図である。
【
図13】本出願に係る通信装置の構造の概略図である。
【
図14】本出願に係る別の通信装置の構造の概略図である。
【
図15】本出願に係る別の通信装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、添付の図面を参照して本出願の技術的解決手段を説明する。
【0058】
本出願の技術的解決手段は測位システムに適用可能であり、特に、たとえば、インテリジェントウェアハウジングやロジスティックスシステム向けの、測位されるターゲットの測位インテグリティ要件が動的に変化する測位システムに適用可能である。
【0059】
図1は本出願の実施形態に適用可能である可能な測位システムアーキテクチャである。測位システムは端末デバイス101、ネットワークデバイス102及び測位デバイス103を含んでもよい。測位デバイス103は、後述されている測位デバイス-basedタイプなどの測位デバイスベース測位方法を用いて、別のネットワーク要素(たとえば、端末デバイス101又はネットワークデバイス102)の計測結果に基づいて端末デバイス101についての測位計算を行なうように構成されている。これの代わりに、後述されているUE-basedタイプなどの端末デバイスベース測位方法を用いて、端末デバイス又は別のネットワーク要素(たとえばネットワークデバイス102)の計測結果に基づいて端末デバイス101についての測位計算を端末デバイス101が行なってもよい。ネットワークデバイス102は端末デバイス101によって送られた測位参照信号(positioning reference signal,PRS)を計測して、端末デバイスの測位を行なうのに必要な計測結果を取得してもよい。これの代わりに、端末デバイス101がネットワークデバイス102によって送られたPRSを計測して、端末デバイスの測位を行なうのに必要な計測結果を取得してもよい。さらに、測位デバイスベース測位方法では、計測結果が測位デバイス103に提供されてもよく、測位デバイス103は計測結果に基づいて端末デバイスの位置を計算する。端末デバイスベース測位方法では、端末デバイスが計測結果を取得した後、計測結果に基づいて端末デバイスの位置を計算してもよい。
【0060】
可能な実現例では、端末デバイス101がセルラリンク(Uuリンク)を用いてネットワークデバイス102と通信し、ネットワークデバイス102がNG-Cインタフェイスを用いて測位デバイス103と通信する。
【0061】
図2は本出願の実施形態に適用可能である測位アーキテクチャの概略図である。
図2に示されているように、測位プロセスの大部分は、第五世代コア(the fifth generation core,5GC)、ロケーション・マネージメント・ファンクション(location management function,LMF)、無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)及びユーザ装置(user equipment,UE)によって補助されるシステムアーキテクチャに基づいている。機能エンティティの機能は以下の通りである。
【0062】
LMFは、UEの測位と、UEへの補助データの送信とを含む、ターゲットUEに関係する異なるタイプの位置サービスをサポートすることを担う。LMFのコントロールプレーン及びユーザプレーンはそれぞれ、拡張サービング・モバイル・ロケーション・センタ(enhanced-serving mobile location center,E-SMLC)とセキュア・ユーザ・プレーン・ロケーション・プラットフォーム(secure user plane location platform,SLP)である。LMFはRAN(たとえばng-eNB/gNB)及びUEと情報を交換してもよい。たとえば、情報は測位プロトコル(new radio positioning protocol annex,NRPPa)メッセージを用いてLMFとng-eNB/gNBとの間で交換される。一例では、測位参照信号(position reference signal,PRS)又はサウンディング参照信号(sounding reference signal,SRS)のコンフィギュレーション情報、セルタイミング、セル位置情報などが取得される。別の例では、LMFとUEとの間でLTE測位プロトコル(LTE positioning protocol,LPP)メッセージを用いてUE能力情報、補助情報、計測情報などが渡される。
【0063】
ターゲットUEに関係する位置サービス要求をアクセスモビリティ管理機能(access and mobility management function,AMF)が5GC位置サービス(location service,LCS)エンティティから受け取ってもよい。これの代わりに、特定のターゲットUEの代わりにいくつかの位置サービスをAMFが有効化してもよく、AMFはLMFに位置サービス要求を転送する。AMFはUEによって返された位置情報を受け取った後、5GC LCSエンティティに関係する情報を返す。
【0064】
UEは測位をサポートするRAN及び別の提供元からのダウンリンク参照信号を計測してもよい。
【0065】
RANはターゲットUEの計測情報を設けて当該情報をLMFに渡してもよい。
【0066】
図2に示されているネットワーク要素間のインタフェイスは例として用いられているのにすぎない。
【0067】
図2に示されている測位システムでは、LMFは
図1に示されている測位デバイス103に相当する。
【0068】
本出願で提供されている測位インテグリティの最適測位方法は様々な通信システムに適用されてもよく、たとえば、ロングタームエボリューション(long term evolution,LTE)システム、LTE周波数分割複信(frequency division duplex,FDD)システム、LTE時分割複信(time division duplex,TDD)システム、5G通信システム又は第六世代(6th generation,6G)通信システムなどの様々な将来の通信システム、公衆陸上移動体通信網(public land mobile network,PLMN)、デバイス・トゥ・デバイス(device-to-device,D2D)通信システム、マシン・トゥ・マシン(machine to machine,M2M)通信システム、モノのインターネット(Internet of Things,IoT)通信システムやその他通信システムに適用されてもよい。
【0069】
本出願の端末デバイスは無線トランシーバ機能を有するデバイスである。たとえば、端末デバイスは無線接続機能を有するハンドヘルドデバイスや、無線モデムに接続される処理デバイスを含んでもよい。端末デバイスは無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)を通じてコアネットワークと通信して音声及び/又はデータをRANと交換してもよい。端末デバイスはユーザ装置(user equipment,UE)、無線端末デバイス、モバイル端末デバイス、デバイス・トゥ・デバイス(device-to-device,D2D)端末デバイス、V2X端末デバイス、マシン・トゥ・マシン/マシンタイプコミュニケーション(machine-to-machine/machine-type communications,M2M/MTC)端末デバイス、モノのインターネット(internet of things,IoT)端末デバイス、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者局(subscriber station)、移動局(mobile station)、リモート局(remote station)、アクセスポイント(access point,AP)、リモート端末(remote terminal)、アクセス端末(access terminal)、ユーザ端末(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、ユーザデバイス(user device)などであってもよい。端末デバイスは、携帯電話器(又は「セルラ」電話器と称される)、モバイル端末デバイスを有するコンピュータ、携帯可能であったり、ポケットサイズであったり、手に持てる大きさであったり、コンピュータ内蔵式であったりするモバイル装置などをさらに含んでもよく、たとえば、パーソナル通信サービス(personal communication service,PCS)電話器をさらに含んでもよい。これに加えて、端末デバイスは上記とは異なり制限が加えられたデバイスであってもよく、たとえば、電力消費量が低いデバイス、記憶容量に制限が加えられたデバイスや、計算能力に制限が加えられたデバイスであってもよい。たとえば、端末デバイスは、バーコードリーダ、無線自動識別(radio frequency identification,RFID)デバイス、センサ、全地球測位システム(global positioning system,GPS)及び又はレーザスキャナなどの情報感知デバイスを含む。端末デバイスは固定式であっても移動可能であってもよい。
【0070】
本適用例では、端末デバイスの機能を実施するように構成されている装置は端末デバイスであってもよいし、端末デバイスをサポートして機能を実施することができる装置であってもよく、たとえば、チップシステムであってもよい。当該装置は端末デバイスに設置されてもよい。本適用例では、チップシステムはチップを含んでもよいし、チップと、別のディスクリート構成要素とを含んでもよい。以下の実施形態では、説明のための例としてUEが用いられている。
【0071】
本出願のアクセスネットワークデバイスは端末デバイスに無線通信機能を提供するデバイスである。たとえば、アクセスネットワークデバイスは、5Gの次世代NodeB(generation nodeB,gNB)、発展NodeB(evolved node B,eNB)、ベースバンドユニット(baseband unit,BBU)、送受信ポイント(transmitting and receiving point,TRP)、送信ポイント(transmitting point,TP)及びモバイルスイッチングセンタを含むが、これらに限定されない。これの代わりに、アクセスネットワークデバイスはクラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network,CRAN)場面中の無線コントローラ、センタライズドユニット(centralized unit,CU)及び/又はディストリビューテッドユニット(distributed unit,DU)であってもよいし、アクセスネットワークデバイスは将来の発展PLMNネットワーク中の中継局、アクセスポイント、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、5Gのネットワークデバイス、アクセスネットワークデバイスなどであってもよい。
【0072】
端末デバイスは異なる通信システムの複数のアクセスネットワークデバイスと通信してもよい。たとえば、端末デバイスはLTEシステムをサポートするアクセスネットワークデバイスと通信してもよいし、5Gをサポートするアクセスネットワークデバイスと通信してもよいし、LTE及び5Gをサポートするデュアル・コネクティビティ・アーキテクチャのアクセスネットワークデバイスと通信してもよい。本出願ではこれは限定されない。
【0073】
同様に、アクセスネットワークデバイスの機能を実施するように構成されている装置はアクセスネットワークデバイスであってもよいし、アクセスネットワークデバイスをサポートして機能を実施することができる装置であってもよく、たとえばチップシステムであってもよい。当該装置はアクセスネットワークデバイスに設置されてもよい。以下の実施形態では、説明のための例としてアクセスネットワークデバイスが用いられている。
【0074】
個々の位置計算場所に基づいて測位方法が以下のタイプにほぼ分類され得る。
【0075】
(1)UE-based:UEは補助データに基づいて位置を計算することを担い、計測結果を提供してもよい。
【0076】
(2)LMF-based:UEは計測値を提供するが、位置を計算しない。LMFが補助データに基づいた計算を担う。本測位方法はUE-assistedとも呼ばれる。
【0077】
(3)Standalone:UEはネットワーク補助データを用いずに計測と位置計算とを行なう。
【0078】
本出願で提供されている測位方法はUE-basedタイプ、LMF-basedタイプ及びstandaloneタイプに適用可能である。測位タイプが異なる場合において、本解決手段では、端末デバイスの測位インテグリティ要件のリアルタイム変化が予測されることが可能であり、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件のリアルタイム変化に対処するように、対応する動作が行なわれることが可能である。
【0079】
適宜、本出願の実施形態のインテグリティ(integrity)の名称が別の名称であってもよく、たとえば、無欠性や完備性でもあってもよい。本出願ではこれは限定されない。異なる名称のすべてが同じ物理的意味を表わし、言い換えると、計測されたパラメータの計測の信頼済みプログラム又は信頼度を指す。たとえば、本出願の測位システムでは、「測位インテグリティ」は測位結果の信頼度である。
【0080】
以下、個々の測位タイプについて本出願の技術的解決手段を個別に説明する。
【0081】
本出願で提供されている測位インテグリティの最適測位方法を説明する前に、本出願で提供されている測位インテグリティ予測プロセスに用いられる必要がある測位インテグリティ予測モデルをまず説明する。
【0082】
測位インテグリティ予測モデルはオフライン(offline)で構築されてもよく、測位インテグリティ予測をオンライン(online)で完遂してもよい。
【0083】
offline:測位インテグリティに影響を及ぼす要因が解析される。たとえば、測位インテグリティに影響を及ぼす要因は、測位される対象の位置、時間、環境などを含んでもよい。上記とは別に、各要因が粒度の細かい要因にさらに細分されてもよく、細分は限定されない。たとえば、環境が屋内環境と屋外環境とにさらに分類されてもよく、屋外環境は温度、風、雨、雪、煙霧や曇りなどの天気要素を含んでもよい。屋内環境は屋内での人流、商品の流れなどを含んでもよい。
【0084】
たとえば、測位インテグリティ要件はいくつかの異なるレベルに設定されてもよく、たとえば、低(low)、中(medium)、高(high)、超高(ultra-high)に設定されてもよく、各影響要因と測位インテグリティとのマッピング関係が機械学習や統計などの方法を用いて取得される。
図3に示されているように、
図3は測位インテグリティと各影響要因とのマッピング関係の例を示す。上記に加えて、マッピング関係が記憶される。さらに、マッピング関係が記憶される。
【0085】
online:ネットワークデバイス(たとえばアクセスネットワークデバイス)又は端末デバイスが特定の場面の測位される対象(たとえば端末デバイス)の入力データを取得し、測位インテグリティと測位インテグリティの各影響要因とのマッピング関係であって、測位インテグリティ予測モデルを用いて構築されるマッピング関係に基づいて特定の場面の測位される対象の測位インテグリティを予測する。
【0086】
本適用例で列記されている測位インテグリティに影響を及ぼす要因は一例として用いられるのにすぎないことが当然分かる。測位場面が異なる場合、測位インテグリティに影響を及ぼす要因は大幅に変化する場合がある。したがって、特定の場面又は環境に基づいて要因が解析される。ただし、測位インテグリティに影響を及ぼす要因が決定された後は、測位インテグリティを予測する方法は同じである。
【0087】
測位される対象が位置する場面が絶えず変化する場合、異なる場面の入力データも異なる。したがって、異なる場面の測位インテグリティを予測するのに異なる場面の入力データが用いられる場合に取得された測位インテグリティも互いに異なる。したがって、測位される対象が位置する場面がリアルタイムに変化する場合、測位インテグリティのリアルタイム変化が予測モデルを用いて予測されてもよい。これに対応して、測位される対象が位置する特定の場面について、特定の場面の測位インテグリティ要件を満たすことができる対応する測位動作を用いて、測位システムによって、測位される対象の測位を行なって測位インテグリティの変化に適応する。
【0088】
図4は本出願に係る測位インテグリティ予測モデルの概略図である。
図4に示されているように、予測モデルは入力(input)、予測機能(prediction function,PF)、出力(input)及びフィードバック/補正(feedback/correction)という4つの部分を主に含む。様々な部分の機能が以下の通りに説明されている。
【0089】
入力:ネットワーク又はユーザから取得され、測位インテグリティの各影響要因である入力データ。
【0090】
たとえば、測位システムのアクセスネットワーク(RAN)又はUEが指示、監視、計測やメッセージ交換などの手法でネットワーク外又はネットワーク内から測位インテグリティの各影響要因の入力データを取得してもよく、たとえば、環境、時間や測位される対象の位置を取得してもよい。
【0091】
予測機能:各影響要因の入力データが機械学習又は統計解析などの方法を用いて解析され、測位インテグリティが予測される。
【0092】
出力は予測された測位インテグリティを出力するのに用いられ、出力によって、対応する設定及び調節を測位システムが行なうのを補助する。
【0093】
たとえば、測位インテグリティを表わす関係する指標は入力であってもよく、たとえば、アラート限界(alert limit,AL)、アラートまでの時間(time to alert,TTA)、インテグリティリスク(integrity level,IR)、保護レベル(protection level,PL)や誤差境界(error bounding,EB)を含んでもよい。
【0094】
上記とは別に、インテグリティを表わす関係する指標も、インテグリティ要件情報とみなされてもよい。これの代わりに、測位インテグリティ要件情報は、
アラート限界、アラートまでの時間、インテグリティリスク及び保護レベル
の1つ以上を含む。
【0095】
アラート限界は水平アラート限界と垂直アラート限界とを含んでもよく、これらは、最大許容水平位置誤差又は最大許容垂直位置誤差をそれぞれ意味する。水平誤差を超える場合、このことは、測位システムが期待される用途に適用可能ではないことを示す。この指標の値が既定されてもよく、特定の測位サービスに関係する。
【0096】
アラートまでの時間は、測位システムが許容誤差範囲を超えた時刻から、測位システムがアラームを発生させる時刻までの最大許容時間である。この指標の値が既定されてもよく、特定の測位サービスに関係する。
【0097】
インテグリティリスクは、測位誤差がアラーム限界を超える確率(probability)、すなわち、システムインテグリティが危険をともなうものである確率である。この指標の値が既定されてもよく、特定の測位サービスに関係する。
【0098】
保護レベルは水平保護レベルと垂直保護レベルとを含んでもよく、これらは、水平方向及び垂直方向の測位位置の統計的上限をそれぞれ意味する。民間航空システムでは、実際の動作プロセスの際に、航空機の実際の位置が既知であることが不可能であり、したがって、実際の測位誤差が既知であることが不可能であるということがこの指標の背景にある。したがって、新たなパラメータが設けられて、測位誤差がアラート限界を超える可能性を計測する必要がある。たとえば、測位誤差の分布が計測から取得されることが可能である場合、指標は、Prob(PE<PL)=ε_PLを通じて計算されることが可能であり、ここで、ε_PLは既定の閾値であり、また、特定の測位サービスに関係する。PEは測位誤差(positioning error)を示す。
【0099】
誤差境界は測位誤差の上限であり、測位正確度を確保するのに用いられる。
【0100】
フィードバック/補正:実施プロセスで起こるずれを予測機能に測位システムによってフィードバックして予測方法とプロセスとを補正する。
【0101】
PFによって予測される測位インテグリティ要件に基づいて測位のためのいくつかの動作を最適に調節するように実行システムが構成される。たとえば、PRSリソースのコンフィギュレーションモードが調節され、PRSの計測又は監視のモードが調節され、作動モードが変更され、測位に用いられる関係するパラメータのコンフィギュレーションが調節される。
【0102】
上記に加えて、実行システムは、予測誤差と補正情報とをフィードバックして、PFの予測機能を連続的に調節するようにさらに構成される。
【0103】
特定の実現例では、予測モデルはオフラインで構築されて、測位計算を行なうデバイス(たとえば、アクセスネットワークデバイスや端末デバイス)によって予め記憶されてもよい。測位される対象が測位される必要があるとき、測位される対象が位置する場面の各影響要因の入力データがオンラインで取得され、予め記憶されている予測モデルに基づいて測位される対象が位置する場面の測位インテグリティが予測され、当該場面の予測された測位インテグリティが出力される。
【0104】
上記とは別に、測位デバイスベース測位方法では、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスが、予測された測位インテグリティを対応するメッセージを用いて測位デバイスに渡し、これにより、測位デバイスが測位計算を行なう。これの代わりに、端末デバイスベース測位方法では、予測を通じて測位インテグリティを取得した後、測位インテグリティを測位計算に端末デバイスが直接用いてもよい。
【0105】
以下、測位デバイスベース測位方法と端末デバイスベース測位方法とにおける本出願の技術的解決手段の適用例を個別に詳細に説明する。
【0106】
1.測位デバイスベース(測位デバイス-based)測位方法
本出願の実施形態では、測位デバイスは、測位システム中にあり、かつ測位される対象(たとえば端末デバイス)についての測位計算を行なうことを担うデバイスであってもよい。測位デバイスは、UE、AMF又は5GC LCSエンティティによって開始され、かつターゲット端末デバイスについての要求である位置サービス要求に基づいてターゲット端末デバイスの測位を行なってもよい。測位の際、測位デバイスはターゲット端末デバイスの測位能力に基づいて、用いられる測位方法を選択してもよい。本適用例では、測位デバイス(たとえば、LMF、位置管理要素(location management component,LMC)や、新世代通信システムのLMFと同様の機能を有する測位デバイス)の名称は限定されない。以下の実施形態では、測位デバイスがLMFである例が説明に用いられている。本出願ではこれは限定されない。
【0107】
図5は本出願に係る測位インテグリティの最適測位方法の概略フローチャートである。
【0108】
510:測位デバイスがアクセスネットワークデバイス又は端末デバイスから端末デバイスの測位インテグリティ情報を取得する。
【0109】
測位インテグリティ情報は、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスによって予測される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す。
【0110】
これの代わりに、測位インテグリティ情報は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す。
【0111】
本適用例では、「第1の場面」は、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうときに端末デバイスが位置する場面である。第1の場面はいかなる場面であってもよいし、第1の場面は、測位される端末デバイスが位置する場面の例を表わしてもよいことが分かる。上述されているように、測位インテグリティに影響を及ぼす多くの要因が存在してもよい。要因の入力データが異なることで、異なる測位場面が生じる。
【0112】
たとえば、インテリジェントウェアハウジングやロジスティックスシステムでは、商品を搬送するプロセスの際、AGVが、時間、AGVの位置、倉庫内での商品の流れ、人流が異なる、異なる場面に位置する。
【0113】
上記とは別に、測位インテグリティ情報には複数の形態があってもよい。
【0114】
一実現例では、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスが第1の場面の入力データを取得し、測位インテグリティ情報として第1の場面の入力データを測位デバイスに提供する。たとえば、第1の場面の入力データは第1の場面の測位インテグリティの各影響要因の入力データを含む。
【0115】
別の実現例では、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスが第1の場面の入力データを取得し、第1の場面の入力データと予め記憶された予測モデルとに基づいて第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を予測し、最後に、測位インテグリティ情報として第1の場面の端末デバイスの予測された測位インテグリティ要件を測位デバイスに提供する。
【0116】
さらに別の実現例では、測位デバイスが予測を通じて第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を取得する。
【0117】
さらに別の実現例では、測位デバイスが外から第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を取得する。
【0118】
たとえば、本記載における「外」は外部アプリケーション(application,app)、センサなどであってもよい。
【0119】
上記とは別に、上述の異なる実現例のあらゆる組合せを用いて測位デバイスが端末デバイスの測位インテグリティ情報を取得する。たとえば、実現例の1つを通じて測位インテグリティ情報の情報の一部分を測位デバイスが取得し、別の実現例を通じて測位インテグリティ情報の情報の他の部分を取得する。
【0120】
たとえば、測位インテグリティ情報は特に測位インテグリティレベルであってもよい。これの代わりに、測位インテグリティ情報は測位インテグリティを表わすのに用いられる各指標(たとえば、上述のアラート限界、アラートまでの時間、インテグリティリスク、保護レベルや誤差境界)の値であってもよい。
【0121】
上記とは別に、測位インテグリティ情報は、
測位インテグリティ要件情報、
測位インテグリティ結果情報、及び
第1の場面の入力データであって、第1の場面の入力データは、端末デバイスの環境情報、時間情報及び位置情報の1つ以上を含む、第1の場面の入力データ
という情報の1つ以上を含む。
【0122】
インテグリティ結果情報は、インテグリティリスクが生じるか否かについての情報、測位誤差又はインテグリティレベルという項目の1つ以上を含む。
【0123】
さらに、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスが第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ情報を対応するメッセージを用いて測位デバイスに送信する。
【0124】
たとえば、LMF-based測位方法では、RAN又はUEが、予測された測位インテグリティ(integrity level)をIE NR-MeasQualityを用いて報告してもよい。IE NR-MeasQualityは以下のように示される場合がある。
--ASN1START
NR-MeasQuality-r16::=SEQUENCE{
timingMeasQualityValue-r16 INTEGER(0...31),timingMeasQualityResolution-r16 ENUMERATED{mdot1,m1,m10,m30,...},
integrityLevel-r17 ENUMERATED{L,M,H,UH,...}
...
}
--ASN1STOP
【0125】
integrityLevelはインテグリティレベルを表わし、上記のフィールドでは一例として通信プロトコルのrelease-17(すなわちr17)を用いており、したがって、integrityLevel-r17と表わされている。たとえば、測位インテグリティレベルは数個のレベルに分割されており、当該レベルが列挙されており、当該レベルはL(low)、M(medium)、H(high)やUH(ultra-high)であってもよい。
【0126】
520:測位デバイスが、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なう動作を行なう。
【0127】
上記とは別に、測位デバイスによって取得される測位インテグリティ情報が第1の場面の入力データであり、測位デバイスが第1の場面の入力データに基づいて、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を予測する。これの代わりに、測位デバイスによって取得される測位インテグリティ情報は、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスによって予測される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティレベルであり、たとえば、高、低、中又は超高である。第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に適応するために、測位デバイスが測位インテグリティに対応する動作を行なう必要がある。
【0128】
たとえば、測位デバイスは、
端末デバイスの測位を行なうのに用いられる測位アルゴリズムを変更する動作であって、変更される測位アルゴリズムは、
アップリンク到来時間差(uplink time difference of arrival,UL TDoA)ベース測位方法、ダウンリンク到来時間差(downlink time difference of arrival,DL TDoA)ベース測位方法、アップリンク到来角(uplink angle of arrival,UL-AoA)ベース測位方法、ダウンリンク出射角(uplink angle of departure,DL-AoD)ベース測位方法、往復時間(Multi-round trip time,RTT)ベース測位方法、拡張セル識別子(enhanced cell identifier)ベース測位方法、全地球航法衛星システム(global navigation satellite system,GNSS)ベース測位方法、地上ビーコンシステム(terrestrial beacon systems,TBS)ベース測位方法、大気圧センサベース測位方法、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)ベース測位方法、ブルートゥース(登録商標)(bluetooth(登録商標),BT)ベース測位方法及びモーションセンサベース測位方法
の1つ以上を含む、動作と、
端末デバイスの測位を行なうのに用いられる参照局の追加又は変更を行なう動作と
の1つを行なってもよい。
【0129】
上記とは別に、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうための動作を行なうことは、
端末デバイスの測位方法を変更する動作、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報を変更する動作、又は
測位手順を終了する動作
の1つ以上を行なうことを含む。
【0130】
上記の代わりに、測位方法は測位アルゴリズムでもある。
【0131】
測位デバイスが異なる測位アルゴリズムを用いて同じ入力データに基づいて測位計算を行なう場合、取得された測位インテグリティは異なる場合がある点に留意するべきである。言い換えると、異なる測位アルゴリズムの測位正確度は異なる。したがって、第1の場面の測位される端末デバイスの測位インテグリティ要件を取得した後、測位デバイスが、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、上述の測位アルゴリズムから、予測された測位インテグリティ要件を満たすことができる測位アルゴリズムを選択する。
【0132】
上記に加えて、測位デバイスが、さらに、1の場面の測位される端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、測位に用いられる参照局を追加しかつ/又は測位に用いられる参照局を変更してもよい。測位に用いられる参照局と、異なる参照局の個数も測位インテグリティに影響を及ぼすことが当然分かる。たとえば、通常、測位に用いられる参照局の個数が多いことは測位インテグリティが高いことを示し、測位に用いられる参照局の個数が少ないことは測位インテグリティが低いことを示す。したがって、測位デバイスが測位に用いられる参照局の個数又は参照局を変更することも、測位される端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化に適応するのに用いられ得る動作の1つとして用いられてもよい。
【0133】
上記に加えて、対応する動作を行なうことを測位デバイスがRAN及び/又はUEにシグナリングを通じて通知することをさらに行なってもよい(たとえばステップ530)。
【0134】
530:測位デバイスがアクセスネットワークデバイス及び/又は端末デバイスに第1の表示情報を送る。
【0135】
測位デバイスから第1の表示情報を受け取ると、アクセスネットワークデバイス及び/又は端末デバイスが第1の表示情報に基づいて対応する動作を行なって、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすことができる測位を測位デバイスが行なうのを補助する。
【0136】
第1の表示情報は、第1の場面の端末の測位インテグリティ要件を満たす測位方法を端末デバイス又はアクセスネットワークデバイスが用いることを示す。
【0137】
上記の代わりに、第1の表示情報は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を測位デバイスが用いることを示す。
【0138】
上記の代わりに、第1の表示情報は、測位インテグリティレベルに対応する測位方法をRAN又はUEが用いて、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助することを示す。
【0139】
たとえば、本実現例では、異なる測位インテグリティレベルと測位方法との間の対応、たとえば、高い測位インテグリティレベルに対応する、PRS計測期間及び用いられるバイナリの量並びにPRSを送るのに用いられる帯域幅及び出力や、低い測位インテグリティレベルに対応する、PRS計測期間及び用いられるバイナリの量並びにPRSを送るのに用いられる帯域幅及び出力について測位デバイスとRANとUEとが予め取り決めを行なってもよい。測位デバイスから第1の表示情報を受け取った後、アクセスネットワークデバイス及び/又はUEが第1の表示情報によって示される測位インテグリティレベルの要件に基づいて対応する動作を行なって、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助し、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を測位結果が満たすことを可能にする。
【0140】
アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスによって行なわれる「対応する」動作は、端末デバイスの測位を行なうのに用いられかつ第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすことができる動作であることが当然分かる。
【0141】
たとえば、RANが測位デバイスから第1の表示情報を受け取るとき、RANは、
測位参照信号を送るのに用いられる帯域幅を調節する動作と、
測位参照信号を送るのに用いられる出力を調節する動作と、
測位参照信号のコンフィギュレーションモードを調節する動作であって、測位参照信号の異なるコンフィギュレーションモードは異なる測位インテグリティレベルに対応する、動作と
の1つ以上を行なってもよい。
【0142】
上記とは別に、測位参照信号は通常、測位に用いられる参照信号であり、測位に用いられるアップリンク信号であっても、測位に用いられるダウンリンク信号であってもよい。たとえば、測位参照信号はPRSであってもSRSであってもよい。これは限定されない。
【0143】
RANが、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たすように測位参照信号の帯域幅、出力、コンフィギュレーションモードなどを調節することが当然分かる。
【0144】
たとえば、UEがRAN又は測位デバイスから第1の表示情報を受け取るとき、UEは、
PRSを計測するモードを調節する動作と、
PRSを監視するモードを調節する動作と
の1つ以上を行なってもよい。
【0145】
たとえば、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作をUEが行なうことは、
測位参照信号を計測するモードを変更する動作、
測位参照信号を監視するモードを調節する動作、又は
測位手順を終了する動作
の1つ以上を行なうことを含む。
【0146】
たとえば、PRSを計測するモードは通常モード(normal mode)と緩和計測モード(relaxed measurement mode)とを含んでもよい。PRSを監視するモードは通常モード(normal mode)と間欠受信(discontinuous reception,DRX)モードとを含んでもよい。異なるモードのパラメータ設定は通常異なる。
【0147】
たとえば、PRSを計測するモードの調節はPRS計測期間の変更と、PRSを計測するのに用いられるバイナリの量の変更とを含んでもよい。同様に、PRSを監視するモードの調節はPRSの監視のon duration時間の変更、DRXサイクルのコンフィギュレーションの変更などを含んでもよく、DRXサイクルは長いサイクル、短いサイクルなどに分類されてもよい。
【0148】
同様に、UEによって行なわれる上述の動作も第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たすように行なわれる調節である。
【0149】
540:測位デバイスが位置計算を行なう。
【0150】
図5の鎖線は、そのステップが適宜選択可能なステップであり、必ず行なわれるわけではないことを示す点に留意するべきである。たとえば、ステップ510において、測位デバイスによって取得される測位インテグリティ情報はRANから取得されてもUEから取得されてもよい。
図5では、測位デバイスがRANから測位インテグリティ情報を取得するものが例として用いられている。
【0151】
上記に加えて、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすために、測位デバイスだけが対応する調節を行なってもよいし、測位デバイスが、対応する調節を行なうことをRANかUEかのいずれかに通知してもRANとUEとの両方に通知してもよい。これは限定されない。したがって、ステップ530も適宜選択可能なステップである。
【0152】
本出願の技術的解決手段では、測位インテグリティ要件がリアルタイムに変化する場面について、ネットワークデバイス(たとえばアクセスネットワークデバイス又は測位デバイス)が事前に測位インテグリティ要件の変化を予測し、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、予測された測位インテグリティに基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を調節し、これにより、不具合イベントの発生を効果的に回避することができる。
【0153】
上記に加えて、本出願の技術的解決手段では、測位デバイスが測位インテグリティのリアルタイム変化を予測し、対応する調節を行なうことを測位システムの関係する機能部分に通知して、異なる場面の測位インテグリティ要件に適応するので、高い測位インテグリティを常時維持する必要がない。したがって、異なる場面の測位インテグリティ要件が確保されつつ、リソース利用率とシステム効率とが改善されることが可能である。
【0154】
図5は、所定の場面(たとえば第1の場面)の端末デバイスの測位インテグリティを予測し、当該場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、予測された測位インテグリティに基づいて対応する測位動作を行なう手順を説明している。端末デバイスが位置する場面がリアルタイムに変化するときに、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が本出願の方法を用いて予測されることが可能である。このようにして、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすことができる測位動作が行なわれることが可能であり、これにより、異なる場面の測位インテグリティの変化に適応することができ、測位インテグリティが連続的に変化する場面に本方法が適用可能である。
【0155】
図6を参照して、以下、端末デバイスが第2の場面にあるものから第1の場面にあるものに変化するプロセスの際に本出願の解決手段を用いて測位インテグリティの変化に適応する方法を説明する。たとえば、
図6では、測位デバイス-based測位方法が説明のための例として用いられている。
【0156】
図6は本出願に係る測位インテグリティの最適測位方法の例である。
【0157】
610:測位デバイスがアクセスネットワークデバイス又は端末デバイスから第2の場面の測位インテグリティ情報を取得する。
【0158】
第2の場面の測位インテグリティ情報は第2の場面の測位される端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す。言い換えると、第2の場面の測位インテグリティ情報は第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す。第2の場面は、測位デバイスが第1の場面について端末デバイスの測位を行なう前に端末デバイスが位置する場面であることが当然分かる。言い換えると、第2の場面に基づいて端末デバイスに対して測位デバイスによって行なわれる測位は、第1の場面に基づいて端末デバイスに対して測位デバイスによって行なわれる、以前の測位である。
【0159】
図6では、測位デバイスがアクセスネットワークデバイスから第2の場面の測位インテグリティ情報を取得する例が用いられている。これとは別に、上記とは異なり、点線で示されているステップ610に示されているように、測位デバイスが端末デバイスから第2の場面の測位インテグリティ情報を取得してもよい。
【0160】
測位インテグリティ情報の説明については、上述の説明を参照する。本記載では重ねて詳細を説明しない。
【0161】
620:測位デバイスが、第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、第2の場面の測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なう。
【0162】
たとえば、測位デバイスが、第2の場面の測位インテグリティに対応する測位アルゴリズムを用いること、測位のために用いられる適切な数量の参照局を選択すること、などを行なってもよい。上述の説明を参照し、重ねて詳細を説明しない。
【0163】
上記とは別に、さらに、対応する動作を行なうことを測位デバイスがアクセスネットワークデバイス/又は端末デバイスに通知して、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助してもよい(たとえばステップ630)。
【0164】
630:測位デバイスがアクセスネットワークデバイス及び/又は端末デバイスに表示情報Aを送り、表示情報Aは、第2の場面の測位インテグリティレベルに適応する測位方法を測位デバイスが用いることを示す。
【0165】
アクセスネットワークデバイスが測位デバイスから表示情報Aを受け取るとき、PRSを送るのに用いられる帯域幅及び出力のコンフィギュレーションを行なうことによって測位デバイスによって用いられる測位方法と協働してもよい。
【0166】
同様に、端末デバイスが測位デバイスから表示情報Aを受け取るとき、PRS計測期間、計測される必要があるバイナリの量、DRXサイクルなどを選択することによって測位デバイスによって用いられる測位方法と協働してもよい。
【0167】
640:測位デバイスが端末デバイスについての測位計算を行なう。
【0168】
測位デバイスがアクセスネットワークデバイス(測位のために選択された参照局を含む)と端末デバイスとの補助を受けてPRSの計測結果を取得し、選択された測位アルゴリズムを用いて第2の場面に対する端末デバイスについての測位計算を行なう。このようにして取得された測位結果は第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすことができる。
【0169】
端末デバイスが位置する場面が第2場面から第1場面に変化したとする。場面が変化することにより、異なる場面の測位インテグリティの影響要因の入力データも変化することが当然分かる。新たな場面では、端末デバイスの測位インテグリティ要件も変化する場合がある。
【0170】
650:測位デバイスがアクセスネットワークデバイス又は端末デバイスから第1の場面の測位インテグリティ情報を取得する。
【0171】
第1の場面の測位インテグリティ情報は第1の場面の測位される端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す。言い換えると、第1の場面の測位インテグリティ情報は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す。
【0172】
660:第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを測位デバイスが決定する。
【0173】
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件は第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しない場合があり得る。
【0174】
たとえば、第2の場面の測位インテグリティレベルが高(high)であり、第1の場面の測位インテグリティレベルも依然として高である。これの代わりに、第2の場面の測位インテグリティレベルが中(medium)であり、第1の場面の測位インテグリティレベルも依然として中である。
【0175】
この場合、測位デバイスが、ステップ620の、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なうことを継続してもよく、言い換えると、端末デバイスの第2の場面に対する測位が行なわれるときに用いられた測位アルゴリズム、測位に用いられる参照局などが変更される必要がない。これに加えて、測位デバイスがRAN及びUEに調節を行なうことを通知する必要がない。言い換えると、RAN及びUEも、第2の場面で用いられる測位動作を不変にしておくことを継続する。
【0176】
測位デバイス、アクセスネットワークデバイス及びUEが測位動作を調節しない場合、端末デバイスの第1の場面に対する測位が行なわれ、取得された測位結果も第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすことができる。
【0177】
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化するという別の場合があり得る。
【0178】
たとえば、第2の場面の測位インテグリティレベルが低であり、第1の場面の測位インテグリティレベルが中である。これの代わりに、第2の場面の測位インテグリティレベルが中であり、第1の場面の測位インテグリティレベルが高である。これの代わりに、第2の場面の測位インテグリティレベルが高であり、第1の場面の測位インテグリティレベルが低である。
【0179】
この場合、測位デバイスが、新たな場面(すなわち第1の場面)の端末デバイスの測位インテグリティ要件に適応するように、測位動作に対する対応する調節を行なう必要がある(たとえばステップ670)。
【0180】
670:測位デバイスが、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なう。
【0181】
たとえば、測位デバイスが、用いられる測位アルゴリズムを変更すること、測位に用いられる参照局を変更することなどを行なう。
【0182】
たとえば、測位デバイスが第1の場面の測位インテグリティ要件に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なうことは、
端末デバイスの測位を行なうのに用いられる測位方法を変更する動作、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報を変更する動作、又は
測位手順を終了する動作
の1つ以上を行なうことを含む。
【0183】
上記に加えて、さらに測位デバイスがRAN及びUEに調節を行なうことを通知してもよい(たとえばステップ680)。
【0184】
680:測位デバイスがアクセスネットワークデバイス及び/又は端末デバイスに表示情報Bを送り、表示情報Bは、第1の場面の測位インテグリティレベルに適応する測位方法を測位デバイスが用いることを示す。
【0185】
アクセスネットワークデバイスが測位デバイスから表示情報Bを受け取るとき、PRSを送るのに用いられる帯域幅、出力などを調節することによって測位デバイスによって用いられる測位方法と協働してもよい。
【0186】
同様に、端末デバイスが測位デバイスから表示情報Bを受け取るとき、PRS計測期間、計測される必要があるバイナリの量、DRXサイクルなどを調節することによって測位デバイスによって用いられる測位方法と協働してもよい。
【0187】
たとえば、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化し、測位デバイスがアクセスネットワークデバイス及び/又は端末デバイスに表示情報Bを送り、表示情報Bは、
端末デバイスの測位方法と、測位参照信号のコンフィギュレーション情報と、終了した測位手順の表示情報と、測位インテグリティ要件情報と測位インテグリティの影響要因とのマッピング関係についての情報と
の1つ以上を示す。
【0188】
第1の場面の測位インテグリティ要件が第2の場面の測位インテグリティ要件よりも高い場合、測位デバイスによって行なわれ得る動作が、測位正確度が高い測位アルゴリズムを選択すること、測位に用いられる参照局の個数を増加させることなどを含んでもよいことが当然分かる。これとは別に、表示情報Bに基づいてRANによって行なわれる調節は、PRSを送るのに用いられる出力及び/又は帯域幅を増加させることなどを含んでもよい。表示情報Bに基づいてUEによって行なわれる調節は、短いPRS計測期間を用いること、PRS計測により多くのバイナリを用いること、PRSを計測するon duration時間を増加させることなどを含んでもよい。すなわち、第2の場面と比較して、測位デバイス、RAN及びUEのすべてが第1の場面に対する端末デバイスのより高い測位インテグリティ要件を満たすのに用いられる動作を用いる。
【0189】
これに対して、第1の場面の測位インテグリティ要件が第2の場面の測位インテグリティ要件よりも低い場合、リソース利用率を改善してリソースの無駄を減少させるという考えに基づいて、測位デバイスによって行なわれ得る動作は、測位正確度が低い測位アルゴリズムを選択すること、測位に用いられる参照局の個数を減少させることなどを含む。これとは別に、RANによって行なわれる調節は、PRSを送るのに用いられる出力及び/又は帯域幅を減少させることなどを含んでもよい。UEによって行なわれる調節は、長いPRS計測期間を用いること、PRS計測用いられるバイナリの量を減少させることなどを含んでもよい。すなわち、第2の場面と比較して、測位デバイス、RAN及びUEのすべてが第1の場面に対する端末デバイスのより低い測位インテグリティ要件を満たすのに用いられる動作を用いる。
【0190】
端末デバイスが位置する場面が変化するとき、測位デバイス、アクセスネットワークデバイス及びUEが、異なる場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件の変化に対処するように、変化した場面の測位インテグリティに適応する調節を行なうことが分かる。
【0191】
690:測位デバイスが端末デバイスについての測位計算を行なう。
【0192】
測位デバイスがアクセスネットワークデバイス(測位のために調節された参照局を含む)と端末デバイスとの補助を受けてPRSの計測結果を取得し、調節された測位アルゴリズムを用いて第1の場面に対する端末デバイスについての測位計算を行なう。このようにして取得された測位結果は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすことができる。
【0193】
以下、測位デバイスがLMFである例を用い、
図7A及び
図7Bを参照して、測位デバイスベース測位方法の手順全体を一例を用いて説明する。
【0194】
図7A及び
図7Bは本出願で提供されている測位方法の例を示す。
【0195】
まず、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスが機械学習や統計などの方法を用いて事前に測位インテグリティ要件と測位インテグリティの各影響要因とのマッピング関係を取得し、すなわち、測位インテグリティ予測モデルを構築する。
【0196】
701:LMFがUEについての位置サービス要求(すなわち位置要求)を受け取る。
【0197】
たとえば、LMFが、複数の場合に基づいて端末デバイスについての位置サービスを提供してもよい。たとえば、AMFがターゲットUEの代わりに位置要求を開始する(たとえばステップ701a)。これの代わりに、5GC LCSエンティティ、たとえばゲートウェイ・モバイル・ロケーション・センタ(gateway mobile location center,GMLC)がターゲットUEに関係する位置要求をAMFに送る(たとえばステップ701b)。これの代わりに、UEが位置要求を開始する(たとえばステップ701c)。
【0198】
702:AMFが位置要求をLMFに送る。
【0199】
703:LMFが能力要求メッセージをUEに送り、能力要求メッセージは、UEの測位能力を報告するようにUEに要求するのに用いられる。
【0200】
704:UEが能力提供メッセージをLMFに送り、能力提供メッセージはUEの測位能力を示す情報を含む。
【0201】
能力要求メッセージも能力提供メッセージもUEとLMFとの間のLTE測位プロトコル(LTE positioning protocol,LPP)メッセージである。たとえば、能力要求メッセージは特にLPP request capabilitiesであってもよく、能力提供メッセージは特にLPP provide capabilitiesであってもよい。
【0202】
LMFがUEの測位能力を取得し、したがって、UEの測位能力に適応する測位方法を選択することができることが当然分かる。
【0203】
705:LMFがRANに補助情報要求メッセージを送り、補助情報要求メッセージは測位補助データをRANに要求するのに用いられる。
【0204】
706:RANがLMFに補助情報提供メッセージを送り、補助情報提供メッセージは測位補助データを含み、UEの測位インテグリティ情報をさらに含む。
【0205】
補助情報要求メッセージも補助情報提供メッセージもRANとLMFとの間のNR測位プロトコル(NR positioning protocol annex,NRPPa)メッセージである。たとえば、補助情報要求メッセージは特にNRPPa Information Requestであってもよく、能力提供メッセージは特にNRPPa Information Responseであってもよい。
【0206】
すなわち、RANが測位補助データとしてUEの測位インテグリティ情報をLMFに提供する。
【0207】
測位計算を行なうのに異なる測位方法が用いられるときに必要な測位補助データは異なる場合があり、LMFによって選択された測位方法に関係する。
【0208】
上記とは別に、ステップ707の測位インテグリティ情報は、測位インテグリティ予測モデルに基づいてRANによって予測される、第1の場面のUEの測位インテグリティレベルであってもよいし、第1の場面の入力データであってもよい。
【0209】
707:UEがLMFに補助データ要求メッセージを送り、補助データ要求メッセージはLMFに測位補助データを要求するのに用いられる。
【0210】
708:LMFがUEに補助データ提供メッセージを返し、補助データ提供メッセージは測位補助データを含む。
【0211】
補助データ要求メッセージも補助データ提供メッセージもLPPメッセージである。たとえば、補助データ要求メッセージは特にLPP request assistance dataであってもよく、補助データ提供メッセージは特にLPP provide assistance dataであってもよい。
【0212】
上述の実現例では、RANがステップ705~707を用いて、LMFにUEの測位インテグリティ情報を提供することができる。別の実現例では、これの代わりに、後続のステップ709及び710で説明されているように、UEの測位インテグリティ情報がUEによってLMFに提供されてもよい。
【0213】
709:LMFがUEに位置要求メッセージを送り、位置要求メッセージはUEの位置情報を要求するのに用いられる。
【0214】
710:UEがLMFに位置情報提供メッセージを送り、位置情報提供メッセージはUEの位置情報を含み、UEの測位インテグリティ情報をさらに含む。
【0215】
上記とは別に、ステップ710の測位インテグリティ情報は第1の場面のUEの測位インテグリティ要件であってもよいし、第1の場面の入力データであってもよい。これは限定されない。
【0216】
測位インテグリティ情報が第1の場面のUEの測位インテグリティレベルである場合、UEが第1の場面の入力データと予め記憶された測位インテグリティ予測モデルとに基づいて予測を通じて第1の場面のUEの測位インテグリティレベルを取得してもよい。
【0217】
上記とは別に、通常、LMFがUEの測位インテグリティ情報をRANからステップ707及び708を用いて取得してもよいし、測位インテグリティ情報をUEからステップ709及び710を用いて取得してもよい。2つの仕方のいずれかが選択されてもよい。
【0218】
これとは別に、LMFが測位インテグリティ情報を取得する仕方は上記とは異なり、上述の異なる仕方のいかなる組合せであってもよい。これは限定されない。
【0219】
上記に加えて、本出願では実施形態のメッセージ(又は情報)名称は限定されず、メッセージ名称は例として用いられているのにすぎない。異なるメッセージを区別するために、上記の代わりに、メッセージは番号「第1」、「第2」などを用いて区別されてもよい。
【0220】
たとえば、LMFがUEの測位インテグリティ情報を以下のプロセスで取得してもよい。
【0221】
LMFがRANに第1の情報を送り、第1の情報は端末デバイスの測位インテグリティ情報を要求するのに用いられ、LMFがRANから第2の情報を受け取り、第2の情報は測位インテグリティ情報を示し、かつ/又は
LMFがUEに第3の情報を送り、第3の情報はUEの測位インテグリティ情報を要求するのに用いられ、LMFがUEから第4の情報を受け取り、第4の情報はUEの測位インテグリティ情報を示し、かつ/又は
LMFが外から端末デバイスの測位インテグリティ情報を取得する。
【0222】
711:LMFがRAN又はUEから第1の場面のUEの測位インテグリティ情報を取得した後、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たすように、UEの測位を行なうための動作を行なう。
【0223】
特に、測位システム(たとえば、RAN又はUE)が予測を通じて第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を取得するとき、第1の場面よりも前の場面の測位インテグリティ要件が変化する場合に対して、LMFが新たな場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に適応するように、端末デバイスの測位を行なうための動作を対応して調節してもよい。
【0224】
たとえば、LMFが、
測位方法を変更する動作と、
測位参照局の追加及び/又は変更を行なう動作と
の1つ以上を行なってもよい。
【0225】
たとえば、LMFが、
測位方法を変更する動作、
測位参照信号のコンフィギュレーション情報を変更する動作、又は
測位手順を変更する動作
の1つ以上を行なってもよい。
【0226】
上記とは別に、UEの測位を行なうための動作を対応して調節することに加えて、さらに、UEの測位インテグリティ要件の変化に最適に対処するように、対応する動作を行なうことをLMFがRAN及び/又はUEに通知してもよい(たとえば、後続のステップ712及び713)。
【0227】
712:LMFがRANに第1の表示情報を送り、第1の表示情報は、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法をRANが用いることを示す。
【0228】
713:LMFがUEに第1の表示情報を送り、第1の表示情報は、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法をUEが用いることを示す。
【0229】
上記とは別に、LMFがステップ712及び713のいずれかを行なっても両方を行なってもよい。
【0230】
RANがLMFから第1の表示情報を受け取ると、ステップ714を行なう。
【0231】
714:RANが、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を用いて第1の表示情報に基づいて対応する調節を行なう。
【0232】
たとえば、RANが対応する調節を行なうことは、
測位参照信号を送るのに用いられる帯域幅を調節する動作と、
測位参照信号を送るのに用いられる出力を調節する動作と、
測位参照信号のコンフィギュレーションモードを調節する動作であって、測位参照信号の異なるコンフィギュレーションモードは異なる測位インテグリティレベルに対応する、動作と
の1つ以上を行なうことを含む。
【0233】
RANが、新たな場面のUEの測位インテグリティ要件に適応するように上述の調節を行なうことが当然分かる。
【0234】
RANがLMFから第1の表示情報を受け取ると、ステップ714を行なう。
【0235】
同様に、LMFから第1の表示情報を受け取ると、UEがステップ717を行なう。
【0236】
715:UEが、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を用いて第1の表示情報に基づいて対応する調節を行なう。
【0237】
たとえば、UEが対応する調節を行なうことは、
PRSを計測するモードを調節する動作と、
PRSを監視するモードを調節する動作と
の1つ以上を含む。
【0238】
たとえば、UEが対応する調節を行なうことは、
測位参照信号を計測するモードを調節する動作、
測位参照信号を監視するモードを調節する動作、又は
測位手順を終了する動作
の1つ以上を含む。
【0239】
同様に、UEが、新たな場面のUEの測位インテグリティ要件に適応するようにも上述の調節を行なう。
【0240】
716:LMFがUEの位置を計算する。
【0241】
さらに、LMFが計算からUEの位置を取得した後、さらにLMFが測位結果を、UEの位置サービス要求を開始するネットワーク要素に提供してもよい(たとえば、以下のステップ717~719)。
【0242】
717:LMFがAMFにUEの測位結果を送る。
【0243】
718:AMFが5GC LCSに測位結果を送る。
【0244】
719:AMFがUEに測位結果を送る。
【0245】
上述では測位デバイス測位方法を詳細に説明しており、以下ではUEベース測位方法を説明する。
【0246】
2.UEベース(UE-based)測位方法
本出願の技術的解決手段がUE-based測位方法に適用される場合、測位プロセスは上述の測位デバイス-based測位方法と同様である。測位システムによって取得された測位インテグリティ情報がUEに提供されるため、測位計算がUEで行なわれる点に違いがある。他のプロセスについては、測位デバイス-basedの関係する説明を参照し、本記載では重ねて詳細を説明しない。
【0247】
図8を参照して、以下、一例を用いてUE-based測位場面における本出願で提供されている測位方法の手順を説明する。
【0248】
【0249】
801:LMFがUEについての位置サービス要求を受け取る。
【0250】
たとえば、AMFがターゲットUEの代わりに位置要求を開始する(たとえばステップ801a)。これの代わりに、5GC LCSエンティティがターゲットUEに関係する位置要求をAMFに送る(たとえばステップ801b)。これの代わりに、UEが位置要求を開始する(たとえばステップ801c)。
【0251】
802:AMFが位置要求をLMFに送る。
【0252】
803:LMFが能力要求メッセージをUEに送り、能力要求メッセージは測位能力を報告するようにUEに要求するのに用いられる。
【0253】
804:UEが能力提供メッセージをLMFに送り、能力提供メッセージはUEの測位能力を示す情報を含む。
【0254】
ステップ803及び804についてはステップ703及び704をそれぞれ参照し、重ねて詳細を説明しない。
【0255】
805:LMFがRANにNRPPa情報要求メッセージを送り、NRPPa情報要求メッセージは測位補助データをRANに要求するのに用いられる。
【0256】
806:RANがLMFにNRPPa情報応答メッセージを送り、NRPPa情報応答メッセージは測位補助データを含む。
【0257】
807:UEがLMFに補助データ要求メッセージを送り、補助データ要求メッセージは測位補助データをLMFに要求するのに用いられる。
【0258】
808:LMFがUEに補助データ提供メッセージを返し、補助データ提供メッセージは測位補助データを含む。
【0259】
809:RANがUEにRRCメッセージを送り、RRCメッセージは第1の場面のUEの測位インテグリティ情報を含む。
【0260】
ステップ809では、第1の場面のUEの測位インテグリティ情報は第1の場面のUEの入力データであってもよいし、予め記憶された測位インテグリティ予測モデルに基づいてRANによって予測される、第1の場面のUEの測位インテグリティレベルであってもよい。これは限定されない。
【0261】
上記に加えて、
図8A及び
図8Bの例では、ステップ809でUEがRRCメッセージを用いてRANから測位インテグリティ情報を取得する。別の実現例では、これの代わりに、UEが測位インテグリティ予測モデルを予め記憶し、測位インテグリティを第1の場面の入力データに基づいて予測を通じて取得し、測位インテグリティをネットワーク側に報告することなくリモートで測位インテグリティを直接用いてもよく、これにより、測位システムの効率が改善される。言い換えると、端末デバイスが第1の場面の端末デバイス(すなわち端末デバイス)の測位インテグリティ要件を予測してもよい。
【0262】
別の実現例では、上記の代わりに、端末デバイスが外から端末デバイスの測位インテグリティ情報を取得してもよい。
【0263】
たとえば、本記載における「外」は外部アプリケーション(application,app)、センサなどであってもよい。
【0264】
UEが測位インテグリティ情報を取得する。第1の場面よりも前の、UEが位置する場面の測位インテグリティ要件に対して測位インテグリティ要件が変化する場合、UEが、新たな場面に対するUEの測位インテグリティ要件に適応するように、UEの測位を行なうための動作を対応して調節してもよい(たとえばステップ810)。
【0265】
810:UEが、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たすように測位動作を行なう。
【0266】
たとえば、UEが、
PRSを計測するモードを調節する動作と、
PRSを監視するモードを調節する動作と
の1つ以上を行なってもよい。
【0267】
たとえば、UEが対応する調節を行なうことは、
測位参照信号を計測するモードを変更する動作
測位参照信号を監視するモードを調節する動作、又は
測位手順を終了する動作
の1つ以上を含む。
【0268】
上記とは別に、さらに、UEが、対応する動作を行なうことをRAN及び/又はLMFに通知してもよい(たとえば、ステップ811及びステップ812)。すなわち、UEがステップ811及びステップ812のいずれかを行なっても両方を行なってもよい。これは限定されない。
【0269】
811:UEがRANに第2の表示情報を送り、第2の表示情報は、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法をRANが用いることを示す。
【0270】
812:UEがLMFに第2の表示情報を送り、第2の表示情報は、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法をLMFが用いることを示す。
【0271】
RANが第2の表示情報をUEから受け取ると、ステップ813を行なう。
【0272】
813:RANが、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を用いて第2の表示情報に基づいて対応する調節を行なう。
【0273】
たとえば、RANが対応する調節を行なうことは、
測位参照信号を送るのに用いられる帯域幅を調節する動作と、
測位参照信号を送るのに用いられる出力を調節する動作と、
測位参照信号のコンフィギュレーションモードを調節する動作であって、測位参照信号の異なるコンフィギュレーションモードは異なる測位インテグリティレベルに対応する、動作と
の1つ以上を行なうことを含む。
【0274】
LMFが第2の表示情報をUEから受け取ると、ステップ814を行なう。
【0275】
814:LMFが、第1の場面のUEの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を用いて第2の表示情報に基づいて対応する調節を行なう。
【0276】
たとえば、LMFが対応する調節を行なうことは、
測位アルゴリズムを調節する動作と、
測位に用いられる参照局を変更する動作であって、変更は参照局の個数を増加又は減少させること、参照局を変更することなどを含む、動作と
の1つ以上を行なうことを含む。
【0277】
815:UEが位置を計算する。
【0278】
さらに、計算を通じてUEの位置情報を取得した後、UEが測位結果を、UEの位置を要求するネットワーク要素にさらに提供してもよい(たとえば、ステップ816~818)。
【0279】
816:UEが測位結果をLMFに提供する。
【0280】
上記とは別に、ステップ816では、測位結果をLMFに提供することに加えて、UEがLMFに第1の場面のUEの予測された測位インテグリティ情報をさらに提供してもよい。これは限定されない。
【0281】
817:LMFが5GC LCSに測位結果を送る。
【0282】
818:LMFが測位結果をAMFに提供する。
【0283】
本出願で提供されている測位方法がUE-based場面に適用される場合、UEが異なる場面の測位インテグリティ要件の変化を予測し、その後、UEの測位インテグリティ要件の変化に適応するように、測位インテグリティ要件を満たすことができる動作を行ない、これにより、不具合イベントの発生が効果的に回避される。
【0284】
上記に加えて、測位インテグリティの変化を予測した後、UEが変化をLMFに報告する必要がなく、UEはリモートで変化を直接用いることができ、これにより、遅延が効果的に減少する。
【0285】
LMFが測位インテグリティ情報を取得する上述の仕方と同様に、UEがUE-based測位場面のネットワークデバイスから測位インテグリティ情報を取得する実施形態では、メッセージ又は情報の名称は例として用いられているのにすぎず、これの代わりに、メッセージが番号を用いて区別されてもよい。
【0286】
上記に加えて、UEが測位インテグリティ情報を取得する仕方が、上記とは異なり上述の異なる仕方のいかなる組合せであってもよい。
【0287】
たとえば、端末デバイスがネットワーク側から測位インテグリティ情報を取得する解決手段は以下の通りである。
【0288】
端末デバイスがRANに第5の情報を送り、第5の情報は端末デバイスの測位インテグリティ情報を要求するのに用いられ、
端末デバイスがRANから第6の情報を受け取り、第6の情報は端末デバイスの測位インテグリティ情報を示し、かつ/又は
端末デバイスが測位デバイス(たとえばLMF)に第7の情報を送り、第7の情報は端末デバイスの測位インテグリティ情報を要求するのに用いられ、
端末デバイスは測位デバイスから第8の情報を受け取り、第8の情報は端末デバイスの測位インテグリティ情報を示し、かつ/又は
端末デバイスが外から端末デバイスの測位インテグリティ情報を取得する。
【0289】
本出願のすべてのノード及びメッセージの名称は説明を容易にするために設定されている名称にすぎず、実際のネットワークにおける名称は異なってもよい。本出願では様々なノード及びメッセージの名称が限定されるとは当然解されない。反対に、本出願のノード又はメッセージと同じか類似する機能を有する任意の名称が本出願の方法又はその均等置換物とみなされてもよい。
【0290】
本出願のすべての実現例のステップの間に不可欠の実行シーケンスは存在せず、本出願で示されている実行シーケンスは説明のための例にすぎないことが当然分かる。
【0291】
上記に加えて、本出願のすべての実現例では、実現例のあらゆる組合せ解決手段が本出願の保護範囲に含まれる。
【0292】
以下、測位インテグリティがリアルタイムに変化する場面での本出願の技術的解決手段の適用を簡潔に説明するのに一例としてインテリジェントウェアハウジング及びロジスティックスシステムを用いる。
【0293】
インテリジェントウェアハウジング及びロジスティックスシステムでは、AGVはリアルタイムにかつ正確に測位される必要がある。また、AGVの周囲の環境が複雑であるので、AGVの測位インテグリティ要件が動的である。以下では、インテリジェントウェアハウジング及びロジスティックスシステムの測位インテグリティレベルが超高、高、中、低の4つのレベルに分類されるとする。
【0294】
図9はインテリジェントウェアハウジング及びロジスティックスシステムの場面変化の概略図である。
【0295】
図9の(a)に示されているように、AGVが商品の仕分けの場面にある。商品の仕分けの際、商品を受け取るためにAGVがベルトコンベアの尾部に揃えられる必要がある。この場合、測位インテグリティ要件はベルトコンベアの幅及び高さに関係し、測位インテグリティは中レベルに属する。
【0296】
図9の(b)に示されているように、商品が搬送される場面にAGVがある。AGVは通路を通過したり、上の階に登ったり、下の階に降りたりする必要がある場合があり、搬送プロセス時に遭遇する障害を回避する必要がある場合がある。この場合、測位インテグリティ要件は複雑であり、主に搬送プロセス時の人流や、AGVと障害との距離などの要因に関係し、低レベル、中レベル、高レベルの間で頻繁に変化する場合がある。
【0297】
図9の(c)に示されているように、商品が置かれる場面にAGVがある。この場合、測位インテグリティ要件は商品棚の仕様に関係し、また、測位インテグリティレベルが高レベルに属し、誤差境界は通常、約数十センチメートルである。
【0298】
図9の(d)に示されているように、AVGが充電の場面にあり、AGVは充電スタンドに自動的に接続される必要がある。今日、充電スタンドは一般的にはコンタクトバンド形態の充電スタンドとプラグ形態の充電スタンドとに分類される。この場合、測位インテグリティ要件はきわめて高い。特に、プラグ形態の充電スタンドは僅か数センチメートルの誤差境界に対応する場合がある。
【0299】
図9から、異なる場面には異なる測位インテグリティ要件があることが分かる。これに加えて、特定の場面においてさえ、AGVの測位インテグリティ要件が変化する。たとえば、
図9の(b)では、商品を搬送するプロセス時に障害(たとえば、人、別のAGVや落ちている商品)に遭遇すると、測位インテグリティ要件は高くなる。時刻又は期間が異なる場合に、商品の流れや人流が異なることも、測位インテグリティ要件に影響を及ぼす。商品の量が増加するのに応じて、AGVの流動度が増加する。これの代わりに、勤務時間の人流は休憩時間の人流よりも激しく、AGVの測位インテグリティ要件も高い。
【0300】
本出願の技術的解決手段に係れば、測位システムはAGVが位置する場面をリアルタイムに取得し、当該場面のAGVの測位インテグリティ要件を予測して、要件を満たすように、対応する動作を行なう。AGVが位置する場面が連続的に変化する場合、測位システムが異なる場面の測位インテグリティ要件を予測し、測位インテグリティの動的な変化の要件に適応するように、各場面に適応可能である調節を行なう。
【0301】
上記では本出願で提供されている測位インテグリティの最適測位方法を詳細に説明しており、以下では本出願で提供されている通信装置を説明する。
【0302】
図10は本出願に係る通信装置の概略ブロック図である。
図10に示されているように、通信装置1000は受信部1100、送信部1200及び処理部1300を含む。
【0303】
受信部1100は、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスから端末デバイスの測位インテグリティ情報を取得し、測位インテグリティ情報は、アクセスネットワークデバイス又は端末デバイスによって予測される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ように構成されている。
【0304】
処理部1300は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なうように構成されている。
【0305】
上記とは別に、受信部1100と送信部1200とが、上記とは異なり1つのトランシーバユニットに組み込まれてもよく、受信及び送信機能を有してもよい。本記載ではこれは限定されない。
【0306】
一実施形態では、処理部1300は、
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを決定し、第2の場面は、第1の場面について端末デバイスの測位を測位デバイスが行なう前に端末デバイスが位置する場面であり、
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化している場合、測位インテグリティ情報によって示される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なう、
ように特に構成される。
【0307】
別の実施形態では、処理部1300は、
端末デバイスの測位を行なうのに用いられる測位アルゴリズムを変更する動作であって、変更される測位アルゴリズムは、
UL TDoAベース測位方法、DL TDoAベース測位方法、UL-AoAベース測位方法、DL-AoDベース測位方法、RTTベース測位方法、拡張セルIDベース測位方法、GNSSベース測位方法、TBSベース測位方法、大気圧センサベース測位方法、WLANベース測位方法、BTベース測位方法及びモーションセンサベース測位方法
の1つ以上を含む、動作と、
端末デバイスの測位を行なうのに用いられる参照局の追加又は変更を行なう動作と
の少なくとも1つを行なうように特に構成される。
【0308】
別の実施形態では、送信部1200は、アクセスネットワークデバイスに補助データ要求メッセージを送り、補助データ要求メッセージは端末デバイスの測位を行なうのに必要な補助データを要求するのに用いられる、ように構成され、
受信部1100は、アクセスネットワークデバイスから補助データ提供メッセージを受け取り、補助データ提供メッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、ように構成され、又は
送信部1200は、端末デバイスに位置情報要求メッセージを送り、位置情報要求メッセージは端末デバイスの位置情報又は位置計算に用いられる計測量を要求するのに用いられる、ように構成され、
受信部1100は、端末デバイスから位置情報提供メッセージを受け取り、位置情報提供メッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、ように構成される。
【0309】
上記とは別に、いくつかの実施形態では、測位インテグリティ情報は、
測位インテグリティ要件、及び
第1の場面の入力データであって、第1の場面の入力データは、環境、時間及び測位される端末デバイスの位置の1つ以上を含む、第1の場面の入力データ
という情報の1つ以上を含む。
【0310】
上記とは別に、いくつかの実施形態では、測位インテグリティ情報によって示される測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間、インテグリティリスク及び保護レベル
の1つ以上を含む。
【0311】
別の実施形態では、送信部1200は、
端末デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスに第1の表示情報を送り、第1の表示情報は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を端末デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスが用いることを示す、
ようにさらに構成される。
【0312】
一実現例では、通信装置1000は方法実施形態の測位デバイスであってもよい。本実現例では、受信部1100が受信器であってもよく、送信部1200が送信器であってもよい。これの代わりに、受信器と送信器とがトランシーバに組み込まれてもよい。処理部1300は処理装置であってもよい。
【0313】
別の実現例では、通信装置1000は測位デバイスに設置されるチップや集積回路であってもよい。本実現例では、受信部1100及び送信部1200が通信インタフェイスやインタフェイス回路であってもよい。たとえば、受信部1100が入力インタフェイスや入力回路であり、送信部1200が出力インタフェイスや出力回路であり、処理部1300が処理装置であってもよい。
【0314】
上述の実現例では、処理装置の機能がハードウェアによって実施されてもよいし、対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実施されてもよい。
【0315】
たとえば、処理装置は1つ以上のメモリと1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。1つ以上のメモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。1つ以上のプロセッサは1つ以上のメモリに記憶されているコンピュータプログラムを読み込んで実行して、方法実施形態で測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を通信装置1000が行なうのを可能にする。
【0316】
上記とは別に、処理装置はプロセッサのみを含んでもよく、コンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリが処理装置の外に位置する。プロセッサは回路/配線を通じてメモリに接続されて、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを読んで実行する。
【0317】
別の例では、処理装置はチップや集積回路であってもよい。
【0318】
図11は本出願に係る通信装置の概略ブロック図である。
図11に示されているように、通信装置2000は受信部2100、送信部2200及び処理部2300を含む。
【0319】
受信部2100は、測位インテグリティ情報を取得し、測位インテグリティ情報は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ように構成されている。
【0320】
処理部2300は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たすように、測位インテグリティ情報に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なうか、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうように構成されている。
【0321】
上記とは別に、受信部2100と送信部2200とが、上記とは異なり1つのトランシーバユニットに組み込まれてもよく、受信及び送信機能を有してもよい。本記載ではこれは限定されない。
【0322】
一実施形態では、処理部2300は、
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化しているか否かを決定し、第2の場面は、第1の場面について端末デバイスの測位を測位デバイスが行なう前に端末デバイスが位置する場面であり、
第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件が第2の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に対して変化している場合、測位インテグリティ情報によって示される、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件に基づいて、端末デバイスの測位を行なうための動作を行なうか、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なう、
ように特に構成される。
【0323】
別の実施形態では、処理部2300は、
PRSを計測するモードを調節する動作と、
PRSを監視するモードを調節する動作と
の少なくとも1つを行なうように特に構成される。
【0324】
別の実施形態では、受信部2100は、アクセスネットワークデバイスからRRCメッセージを受け取り、RRCメッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、ように特に構成され、又は
処理部2300は、
第1の場面の入力データを取得し、
第1の場面の入力データと、測位インテグリティと測位インテグリティの影響要因との予め記憶されたマッピング関係とに基づいて予測を通じて第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を取得する
ように特に構成される。
【0325】
いくつかの実施形態では、測位インテグリティ情報は、
測位インテグリティ要件、及び
第1の場面の入力データであって、第1の場面の入力データは、環境、時間及び測位される端末デバイスの位置の1つ以上を含む、第1の場面の入力データ
という情報の1つ以上を含む。
【0326】
いくつかの実施形態では、測位インテグリティ情報によって示される測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間、インテグリティリスク及び保護レベル
の1つ以上を含む。
【0327】
別の実施形態では、受信部2100は、
測位デバイスから第1の表示情報を受け取り、第1の表示情報は、端末デバイスの測位を測位デバイスが行なうのを補助するように、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を端末デバイスが用いることを示す、
ようにさらに構成されている。
【0328】
別の実施形態では、送信部2200は、
測位デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスに第2の表示情報を送り、第2の表示情報は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法を測位デバイス及び/又はアクセスネットワークデバイスが用いることを示す、
ようにさらに構成される。
【0329】
一実現例では、通信装置2000は方法実施形態の端末デバイスであってもよい。本実現例では、受信部2100が受信器であってもよく、送信部2200が送信器であってもよい。これの代わりに、受信器と送信器とがトランシーバに組み込まれてもよい。処理部2300は処理装置であってもよい。
【0330】
別の実現例では、通信装置2000は端末デバイスに設置されるチップや集積回路であってもよい。本実現例では、受信部2100及び送信部2200が通信インタフェイスやインタフェイス回路であってもよい。たとえば、受信部2100が入力インタフェイスや入力回路であり、送信部2200が出力インタフェイスや出力回路であり、処理部2300が処理装置であってもよい。
【0331】
上述の実現例では、処理装置の機能がハードウェアによって実施されてもよいし、対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実施されてもよい。
【0332】
たとえば、処理装置は1つ以上のメモリと1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。1つ以上のメモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。1つ以上のプロセッサは1つ以上のメモリに記憶されているコンピュータプログラムを読み込んで実行して、方法実施形態で端末デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を通信装置2000が行なうのを可能にする。
【0333】
上記とは別に、処理装置はプロセッサのみを含んでもよく、コンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリが処理装置の外に位置する。プロセッサは回路/配線を通じてメモリに接続されて、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを読んで実行する。
【0334】
別の例では、処理装置はチップや集積回路であってもよい。
【0335】
図12は本出願に係る通信装置の概略ブロック図である。
図12に示されているように、通信装置3000は受信部3100、送信部3200及び処理部3300を含む。
【0336】
受信部3100は、端末デバイス又は測位デバイスから表示情報を受け取り、表示情報は、第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を満たす測位方法をアクセスネットワークデバイスが用いることを示す、ように構成されている。
【0337】
処理部3300は、第1の場面の端末の測位インテグリティ要件を満たすように、表示情報に基づいて、端末デバイスの測位を端末デバイス又は測位デバイスが行なうのを補助するための動作を行なうように構成されている。
【0338】
上記とは別に、受信部3100と送信部3200とが、上記とは異なり1つのトランシーバユニットに組み込まれてもよく、受信及び送信機能を有してもよい。本記載ではこれは限定されない。
【0339】
一実施形態では、処理部3300は、
測位参照信号を送るのに用いられる帯域幅を調節する動作と、
測位参照信号を送るのに用いられる出力を調節する動作と、
測位参照信号のコンフィギュレーションモードを調節する動作であって、測位参照信号の異なるコンフィギュレーションモードは異なる測位インテグリティレベルに対応する、動作と
の少なくとも1つを行なうように特に構成される。
【0340】
別の実施形態では、処理部3300は、端末デバイスのインテグリティ情報を取得し、測位インテグリティ情報は第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を示す、ようにさらに構成され、
送信部3200は、端末デバイスにRRCメッセージを送り、RRCメッセージは測位インテグリティ情報を搬送する、ようにさらに構成される。
【0341】
別の実施形態では、処理部3300は、
第1の場面の入力データを取得し、
第1の場面の入力データと、測位インテグリティと測位インテグリティの影響要因との予め記憶されたマッピング関係とに基づいて予測を通じて第1の場面の端末デバイスの測位インテグリティ要件を取得する
ように特に構成される。
【0342】
いくつかの実施形態では、測位インテグリティ情報は、
測位インテグリティ要件、及び
第1の場面の入力データであって、第1の場面の入力データは、環境、時間及び測位される端末デバイスの位置の1つ以上を含む、第1の場面の入力データ
という情報の1つ以上を含む。
【0343】
いくつかの実施形態では、測位インテグリティ情報によって示される測位インテグリティ要件の計測指標は、
アラート限界、アラートまでの時間、インテグリティリスク及び保護レベル
の1つ以上を含む。
【0344】
一実現例では、通信装置3000は方法実施形態のアクセスネットワークデバイスであってもよい。本実現例では、受信部3100が受信器であってもよく、送信部3200が送信器であってもよい。これの代わりに、受信器と送信器とがトランシーバに組み込まれてもよい。処理部3300は処理装置であってもよい。
【0345】
別の実現例では、通信装置3000はアクセスネットワークデバイスに設置されるチップや集積回路であってもよい。本実現例では、受信部3100及び送信部3200が通信インタフェイスやインタフェイス回路であってもよい。たとえば、受信部3100が入力インタフェイスや入力回路であり、送信部3200が出力インタフェイスや出力回路であり、処理部3300が処理装置であってもよい。
【0346】
上述の実現例では、処理装置の機能がハードウェアによって実施されてもよいし、対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実施されてもよい。
【0347】
たとえば、処理装置は1つ以上のメモリと1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。1つ以上のメモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。1つ以上のプロセッサは1つ以上のメモリに記憶されているコンピュータプログラムを読み込んで実行して、方法実施形態でアクセスネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を通信装置3000が行なうのを可能にする。
【0348】
上記とは別に、処理装置はプロセッサのみを含んでもよく、コンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリが処理装置の外に位置する。プロセッサは回路/配線を通じてメモリに接続されて、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを読んで実行する。
【0349】
別の例では、処理装置はチップや集積回路であってもよい。
【0350】
図13は本出願に係る通信装置の構造の概略図である。
図13に示されているように、通信装置10は1つ以上のプロセッサ11、1つ以上のメモリ12及び1つ以上の通信インタフェイス13を含む。プロセッサ11は、信号の受信/送信を行なうように通信インタフェイス13を制御するように構成されている。メモリ12はコンピュータプログラムを記憶するように構成されている。プロセッサ11は、メモリ12からコンピュータプログラムを呼び出し、本出願の方法実施形態で測位デバイスによって行なわれる手順及び/又は動作が行なわれるように、コンピュータプログラムを動作させるように構成されている。
【0351】
たとえば、プロセッサ11は
図10に示されている処理部1300の機能を有してもよく、通信インタフェイス13は
図10に示されている受信部1100及び/又は送信部1200の機能を有してもよい。特に、プロセッサ11は、
図1~
図9の測位デバイスによって内部的に行なわれる処理又は動作を行なうように構成されてもよく、通信インタフェイス13は、
図1~
図9の測位デバイスによって行なわれる送信の働き及び/又は受信の働きを行なうように構成されている。
【0352】
一実現例では、通信装置10は方法実施形態の測位デバイスであってもよい。本実現例では、通信インタフェイス13はトランシーバであってもよい。トランシーバは受信器と送信器とを含んでもよい。
【0353】
上記とは別に、プロセッサ11はベースバンド装置であってもよく、通信インタフェイス13は高周波装置であってもよい。
【0354】
別の実現例では、通信装置10はアクセスネットワークデバイスに設置されるチップであってもよい。本実現例では、通信インタフェイス13はインタフェイス回路又は入力/出力インタフェイスであってもよい。
【0355】
図14は本出願に係る通信装置の構造の概略図である。
図14に示されているように、通信装置20は1つ以上のプロセッサ21、1つ以上のメモリ22及び1つ以上の通信インタフェイス23を含む。プロセッサ21は、信号の受信/送信を行なうように通信インタフェイス23を制御するように構成されている。メモリ22はコンピュータプログラムを記憶するように構成されている。プロセッサ21は、メモリ22からコンピュータプログラムを呼び出し、本出願の方法実施形態で端末デバイスによって行なわれる手順及び/又は動作が行なわれるように、コンピュータプログラムを動作させるように構成されている。
【0356】
たとえば、プロセッサ21は
図11に示されている処理部2300の機能を有してもよく、通信インタフェイス23は
図11に示されている受信部2100及び/又は送信部2200の機能を有してもよい。特に、プロセッサ21は、
図1~
図9の端末デバイスによって内部的に行なわれる処理又は動作を行なうように構成されてもよく、通信インタフェイス23は、
図1~
図9の端末デバイスによって行なわれる送信の働き及び/又は受信の働きを行なうように構成されている。重ねて詳細を説明しない。
【0357】
図15は本出願に係る通信装置の構造の概略図である。
図15に示されているように、通信装置30は1つ以上のプロセッサ31、1つ以上のメモリ32及び1つ以上の通信インタフェイス33を含む。プロセッサ31は、信号の受信/送信を行なうように通信インタフェイス33を制御するように構成されている。メモリ32はコンピュータプログラムを記憶するように構成されている。プロセッサ31は、メモリ32からコンピュータプログラムを呼び出し、本出願の方法実施形態でアクセスネットワークデバイスによって行なわれる手順及び/又は動作が行なわれるように、コンピュータプログラムを動作させるように構成されている。
【0358】
たとえば、プロセッサ31は
図12に示されている処理部3300の機能を有してもよく、通信インタフェイス33は
図12に示されている受信部3100及び/又は送信部3200の機能を有してもよい。特に、プロセッサ31は、
図1~
図9のアクセスネットワークデバイスによって内部的に行なわれる処理又は動作を行なうように構成されてもよく、通信インタフェイス33は、
図1~
図9のアクセスネットワークデバイスによって行なわれる送信の働き及び/又は受信の働きを行なうように構成されている。重ねて詳細を説明しない。
【0359】
上記とは別に、メモリと上述の装置実施形態のメモリとが物理的に独立した部位であってもよいし、メモリはプロセッサと一体化されてもよい。本明細書ではこれは限定されない。
【0360】
上記に加えて、本出願ではコンピュータ可読記憶媒体がさらに提供される。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶する。コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、本出願の方法実施形態の測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は手順が行なわれる。
【0361】
本出願ではコンピュータ可読記憶媒体がさらに提供される。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶する。コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、本出願の方法実施形態の端末デバイスによって行なわれる動作及び/又は手順が行なわれる。
【0362】
本出願ではコンピュータ可読記憶媒体がさらに提供される。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指示を記憶する。コンピュータ指示がコンピュータで動作するとき、本出願の方法実施形態のアクセスネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は手順が行なわれる。
【0363】
本出願ではコンピュータプログラムプロダクトがさらに提供される。コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムコード又は指示を含む。コンピュータプログラムコード又は指示がコンピュータで動作するとき、本出願の方法実施形態の測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は手順が行なわれる。
【0364】
本出願ではコンピュータプログラムプロダクトがさらに提供される。コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムコード又は指示を含む。コンピュータプログラムコード又は指示がコンピュータで動作するとき、本出願の方法実施形態の端末デバイスによって行なわれる動作及び/又は手順が行なわれる。
【0365】
本出願ではコンピュータプログラムプロダクトがさらに提供される。コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムコード又は指示を含む。コンピュータプログラムコード又は指示がコンピュータで動作するとき、本出願の方法実施形態のアクセスネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は手順が行なわれる。
【0366】
上記に加えて、本出願ではチップがさらに提供される。チップはプロセッサを含む。コンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリがチップとは独立に配置される。プロセッサは、チップが設置されているネットワークデバイスが、いずれかの方法実施形態で測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を行なうように、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0367】
さらに、チップは通信インタフェイスを含んでもよい。通信インタフェイスは入力/出力インタフェイス、インタフェイス回路などであってもよい。さらに、チップはメモリを含んでもよい。
【0368】
本出願ではチップがさらに提供される。チップはプロセッサを含む。コンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリがチップとは独立に配置される。プロセッサは、チップが設置されている端末デバイスが、いずれかの方法実施形態で端末デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を行なうように、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0369】
さらに、チップは通信インタフェイスを含んでもよい。通信インタフェイスは入力/出力インタフェイス、インタフェイス回路などであってもよい。さらに、チップはメモリを含んでもよい。
【0370】
本出願ではチップがさらに提供される。チップはプロセッサを含む。コンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリがチップとは独立に配置される。プロセッサは、チップが設置されているネットワークデバイスが、いずれかの方法実施形態でアクセスネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を行なうように、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0371】
さらに、チップは通信インタフェイスを含んでもよい。通信インタフェイスは入力/出力インタフェイス、インタフェイス回路などであってもよい。さらに、チップはメモリを含んでもよい。
【0372】
上記に加えて、本出願では、論理回路と通信インタフェイスとを含む通信装置(たとえばチップ)がさらに提供される。通信インタフェイスは信号を受信して信号を論理回路に伝えるように構成される。論理回路は信号を処理し、これにより、いずれかの方法実施形態で測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理が行なわれる。
【0373】
本出願では、論理回路と通信インタフェイスとを含む通信装置(たとえばチップ)がさらに提供される。通信インタフェイスは信号を受信して信号を論理回路に伝えるように構成される。論理回路は信号を処理し、これにより、いずれかの方法実施形態で端末デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理が行なわれる。
【0374】
本出願では、論理回路と通信インタフェイスとを含む通信装置(たとえばチップ)がさらに提供される。通信インタフェイスは信号を受信して信号を論理回路に伝えるように構成される。論理回路は信号を処理し、これにより、いずれかの方法実施形態でアクセスネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は処理が行なわれる。
【0375】
上記に加えて、本出願では、少なくとも1つのプロセッサを含む通信装置がさらに提供される。少なくとも1つのプロセッサは少なくとも1つのメモリに結合される。少なくとも1つのプロセッサは、いずれかの方法実施形態で測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理が行なわれるように、少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラム又は指示を実行するように構成される。
【0376】
本出願では、少なくとも1つのプロセッサを含む通信装置がさらに提供される。少なくとも1つのプロセッサは少なくとも1つのメモリに結合される。少なくとも1つのプロセッサは、いずれかの方法実施形態で端末デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理が行なわれるように、少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラム又は指示を実行するように構成される。
【0377】
本出願では、少なくとも1つのプロセッサを含む通信装置がさらに提供される。少なくとも1つのプロセッサは少なくとも1つのメモリに結合される。少なくとも1つのプロセッサは、いずれかの方法実施形態でアクセスネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は処理が行なわれるように、少なくとも1つのメモリに記憶されているコンピュータプログラム又は指示を実行するように構成される。
【0378】
上記に加えて、本出願では、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む通信デバイスがさらに提供される。メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して動作させ、信号の受信/送信を行なうようにトランシーバを制御するように構成され、これにより、いずれかの方法実施形態で測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を端末デバイスが行なう。
【0379】
本出願では、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む通信デバイスがさらに提供される。メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して動作させ、信号の受信/送信を行なうようにトランシーバを制御するように構成され、これにより、いずれかの方法実施形態でネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を端末デバイスが行なう。
【0380】
本出願では、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む通信デバイスがさらに提供される。メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して動作させ、信号の受信/送信を行なうようにトランシーバを制御するように構成され、これにより、いずれかの方法実施形態で測位デバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を端末デバイスが行なう。
【0381】
本出願では、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む通信デバイスがさらに提供される。メモリはコンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して動作させ、信号の受信/送信を行なうようにトランシーバを制御するように構成され、これにより、いずれかの方法実施形態でアクセスネットワークデバイスによって行なわれる動作及び/又は処理を通信デバイスが行なう。
【0382】
上記に加えて、本出願では、本出願の実施形態の測位デバイス、端末デバイス及びアクセスネットワークデバイスの1つ以上を含む無線通信システムがさらに提供される。
【0383】
本出願の実施形態のプロセッサは集積回路チップであってもよく、信号処理能力を有する。一実施プロセスでは、上述の方法実施形態のステップがプロセッサのハードウェア集積論理回路を用いて実施されても、ソフトウェアの形態の指示を用いて実施されてもよい。プロセッサは汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor,DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array,FPGA)や別のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲートやトランジスタ論理デバイスや、ディスクリートハードウェア構成要素であってもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいし、プロセッサが任意の従来のプロセッサなどであってよい。本出願の実施形態で開示されている方法のステップは、ハードウェア符号化プロセッサによって行なわれて完遂したり、符号化プロセッサのハードウェアとソフトウェアモジュールとの組合せによって行なわれて完遂したりするように直接的に与えられてもよい。ソフトウェアモジュールはランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ、プログラム可能読出し専用メモリ、電気的に消去可能なプログラム可能メモリやレジスタなどの本技術における成熟技術である記憶媒体内に位置してもよい。記憶媒体はメモリ中に位置し、プロセッサはメモリ中の情報を読み込んで、プロセッサのハードウェアと組み合せて上記の方法のステップを完遂する。
【0384】
本出願の実施形態のメモリは揮発メモリであっても不揮発メモリであってもよいし、揮発メモリと不揮発メモリとの両方を含んでもよい。不揮発メモリは読出し専用メモリ(read-only memory,ROM)、プログラム可能読出し専用メモリ(programmable ROM,PROM)、消去可能なプログラム可能読出し専用メモリ(erasable PROM,EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能読出し専用メモリ(electrically EPROM,EEPROM)やフラッシュメモリであってもよい。揮発メモリは外部キャッシュとして用いられるランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)であってもよい。例(ただし、限定を課す説明ではない)を通じて、多くの形態のRAMが利用可能であり、たとえば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(static RAM,SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(dynamic RAM,DRAM)、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchronous DRAM,SDRAM)、ダブル・データ・レート・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(double data rate SDRAM,DDR SDRAM)、拡張シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(enhanced SDRAM,ESDRAM)、synchlinkダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(synchlink DRAM,SLDRAM)及びダイレクトrambusランダム・アクセス・メモリ(direct rambus RAM,DRRAM)が利用可能である。本明細書で説明されているシステム及び方法のメモリが上記のメモリと、別の適切なタイプの任意のメモリとを含む(ただし、これらに限定されない)点に留意するべきである。
【0385】
本明細書に開示されている実施形態で説明されている例と組み合せれば、部位とアルゴリズムステップとが電子ハードウェアや、コンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって実施されることが可能であることに当業者は想到するといえる。機能がハードウェアによって行なわれるのかソフトウェアによって行なわれるのかは技術的解決手段の具体的な用途及び設計制約条件に依存する。当業者は特定の用途毎に、説明されている機能を実施するのに異なる方法を用いることができるが、この実施が本出願の範囲を越えるとは当然考えられない。
【0386】
簡便に説明するために、上述のシステム、装置及び部位の詳細な作動プロセスについては、上述の方法実施形態の対応するプロセスを参照することは当業者によって明確に理解されるといえる。本記載では重ねて詳細を説明しない。
【0387】
本出願で提供されているいくつかの実施形態では、開示されているシステム、装置及び方法が他の仕方で実施されてもよいことが当然分かる。たとえば、説明されている装置実施形態は例にすぎない。たとえば、部位への分割は論理的機能の分割にすぎず、実際に実施する際には他の分割であってもよい。たとえば、複数の部位や構成要素が別のシステムに組み入れらたり組み込まれたりしてもよいし、いくつかの特徴が無視されたり行なわれなかったりしてもよい。上記に加えて、表示されたり説明されたりしている相互結合又は直接結合又は通信接続がいくつかの境界部を通じて実施されてもよい。装置間や部位間の間接結合や通信接続が電子的形態で実施されても、機械形態で実施されても、他の形態で実施されてもよい。
【0388】
分離されている部分として説明されている部位が物理的に分離されてもよいし、物理的に分離されなくてもよく、部位として表示されている部分が物理的部位であってもよいし、物理的部位でなくてもよいし、1つの位置に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分散してもよい。部位の一部又は全部が実施形態の解決手段の目的を達成するように実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0389】
上記に加えて、本出願の実施形態の機能部位が一体化されて1つの処理部位にされてもよいし、部位の各々が物理的に単独で存在してもよいし、あるいは、2つ以上の部位が一体化されて1つの部位にされる。
【0390】
本出願における用語「及び/又は」は、関連づけられた対象を説明するための関連関係を示すのにすぎず、3つの関係が存在してもよいことを示す。たとえば、A及び/又はBは、Aのみが存在する、AとBとの両方が存在する、Bのみが存在する、の3つの場合を示す場合がある。A、B及びCの各々は単数であっても複数であってもよい。これは限定されない。
【0391】
上記に加えて、本出願における「複数」は2以上を意味する。
【0392】
機能がソフトウェア機能部位の形態で実施され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、機能がコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づけば、ソフトウェア製品の形態で、本出願の技術的解決手段が必須なものとして実施されてもよし、従来の技術に貢献する部分が実施されてもよいし、技術的解決手段の一部が実施されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバやネットワークデバイスであってもよい)に本出願の実施形態で説明されている方法のステップの全部又は一部を行なうように指示するためのいくつかの指示を含む。
【0393】
上記の説明は本出願の特定の実現例にすぎず、本出願の保護範囲を限定することは意図されていない。本出願で開示されている技術的範囲内の当業者によって容易に想起される任意の変形や置換が本出願の保護範囲に入ることになる。したがって、本出願の保護範囲は請求項の保護範囲にしたがうことになる。
【符号の説明】
【0394】
10 通信装置
11 プロセッサ
12 メモリ
13 通信インタフェイス
20 通信装置
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信インタフェイス
30 通信装置
31 プロセッサ
32 メモリ
33 通信インタフェイス
101 端末デバイス
102 ネットワークデバイス
103 測位デバイス
1000 通信装置
1100 受信部
1200 送信部
1300 処理部
2000 通信装置
2100 受信部
2200 送信部
2300 処理部
3000 通信装置
3100 受信部
3200 送信部
3300 処理部