(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】時計用文字板および時計
(51)【国際特許分類】
G04B 19/06 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
G04B19/06 S
(21)【出願番号】P 2023031547
(22)【出願日】2023-03-02
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】502366745
【氏名又は名称】セイコーウオッチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】原 康範
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-249080(JP,A)
【文献】実開昭60-95570(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/06 - 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面にインデックスが突出して形成された第1基板と、
前記第1主面に重ねられる第2基板と、を備え、
前記第2基板に、前記インデックスを挿通させて前記インデックスを露出させる貫通孔が形成され、
前記第2基板に、凹凸を有する表面装飾が形成され
、
前記第2基板の表面は、この表面に直接形成された透明な樹脂層で覆われている、
時計用文字板。
【請求項2】
前記第1基板および前記第2基板は、金属、セラミックス、ガラス、およびプラスチックのうち1または2以上で形成され、
前記金属は、(A)銅、(B)鉄、(C)チタン、(D)金、(E)銀、および(F)白金のうち1または2以上、または、(A)から(F)のうち1または2以上を主成分とする合金である、
請求項1記載の時計用文字板。
【請求項3】
前記第2基板は、塗装、印刷、湿式めっき、乾式めっきのうち少なくとも1つによって表面処理が施されている、
請求項1記載の時計用文字板。
【請求項4】
前記第1基板と前記第2基板とは、接着剤、両面テープ、カシメのうち少なくとも1つによって結合されている、
請求項1記載の時計用文字板。
【請求項5】
請求項1~
4のうちいずれか1項に記載の時計用文字板を備える、
時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用文字板および時計に関する。
【背景技術】
【0002】
時計用の文字板の表面には、時刻などを示すインデックスが形成される。例えば、ダイバーズウオッチなどのように、常に正常に動作することが求められる場合、インデックスは、文字板の基板を凸状に成形することによって形成されることがある(例えば、特許文献1参照)。この文字板では、インデックスが基板と一体であるため、インデックスの脱落は起こりにくい。よって、脱落片を原因とする故障の可能性を低くできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の文字板では、一般的に、加工性を考慮し、薄板(板材)を用いてプレス成形などによりインデックスを形成する。そのため、凹凸による表面装飾を基板に形成する場合、製造上の理由により、凹凸の高さは使用する板材の厚みに制約されることがある。また、凹凸による表面装飾を基板に形成すると、基板のゆがみなどの不具合が生じやすかった。そのため、立体感のある表面装飾を基板表面に形成するのは難しかった。また、前記文字板では、光沢を与えるために基板表面を磨く場合、突出するインデックスが障害となって磨き作業が難しくなる場合があった。
【0005】
本発明の一態様は、凹凸による表面装飾を基板に形成でき、かつ基板表面を磨く作業が容易となる時計用文字板および時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)第1主面にインデックスが突出して形成された第1基板と、前記第1主面に重ねられる第2基板と、を備え、前記第2基板に、前記インデックスを挿通させて前記インデックスを露出させる貫通孔が形成され、前記第2基板に、凹凸を有する表面装飾が形成されている、時計用文字板。
【0007】
この構成によれば、第2基板はインデックスがないため、凹凸による表面装飾を形成する場合に、ゆがみなどの不具合が生じにくい。また、第2基板は第1基板と別体になるため、使用する板材の厚みによる制約を受けにくく、凹凸の高さを確保しやすい。そのため、基板にインデックスと表面装飾の両方を形成する場合に比べて、深い凹凸を有する表面装飾を形成することができる。よって、立体感を有する表面装飾を形成することができる。このように、表面装飾に制約が少ないため、意匠の自由度を高めることができる。
【0008】
この構成によれば、第1基板に結合させる前に、第2基板の上面を磨き、第1主面に光沢を与えることができる。第2基板はインデックスがないため、磨き作業の障害となり得る表面凸部が少ない。よって、磨き作業は容易である。
【0009】
(2)前記第2基板の表面は、透明な樹脂層で覆われている、(1)記載の時計用文字板。
【0010】
この構成によれば、第2基板の表面が透明な樹脂層で覆われているため、表面装飾に、立体的で深みがある視覚効果を与えることができる。
【0011】
(3)前記第1基板および前記第2基板は、金属、セラミックス、ガラス、およびプラスチックのうち1または2以上で形成され、前記金属は、(A)銅、(B)鉄、(C)チタン、(D)金、(E)銀、および(F)白金のうち1または2以上、または、(A)から(F)のうち1または2以上を主成分とする合金である、(1)または(2)記載の時計用文字板。
【0012】
この構成によれば、これらの材料を使用することにより、前記第1基板および前記第2基板の加工を容易にし、低コスト化を図ることができる。
【0013】
(4)前記第2基板は、塗装、印刷、湿式めっき、乾式めっきのうち少なくとも1つによって表面処理が施されている、(1)~(3)のうちいずれか1つに記載の時計用文字板。
【0014】
この構成によれば、これらの表面処理によって、第2基板の意匠性を高めることができる。
【0015】
(5)前記第1基板と前記第2基板とは、接着剤、両面テープ、カシメのうち少なくとも1つによって結合されている、(1)~(4)のうちいずれか1つに記載の時計用文字板。
【0016】
この構成によれば、前記第1基板と前記第2基板とが結合により一体化されることにより、時計用文字板の取り扱い性は良好となる。
【0017】
(6)(1)~(5)のうちいずれか1つに記載の時計用文字板を備える、時計。
【0018】
この構成によれば、前述のように、基板にインデックスと表面装飾の両方を形成する場合に比べて、深い凹凸を有する表面装飾を形成することができる。よって、立体感を有する表面装飾を形成することができる。
この構成によれば、第1基板に結合させる前に、第2基板の上面を磨き、第1主面に光沢を与えることができる。第2基板はインデックスがないため、磨き作業の障害となり得る表面凸部が少ない。よって、磨き作業は容易である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、凹凸による表面装飾を基板に形成でき、かつ基板表面を磨く作業が容易となる時計用文字板および時計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態に係る時計用文字板を有する時計の断面図である。
【
図2】第1実施形態に係る時計用文字板の断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る時計用文字板の一部の断面斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る時計用文字板の斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る時計用文字板の分解斜視図である。
【
図6】第2実施形態に係る時計用文字板の一部断面図である。
【
図7】第3実施形態に係る時計用文字板の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[時計]
図1は、第1実施形態に係る文字板3を有する時計1の断面図である。
図2は、文字板3の断面図である。
図3は、文字板3の一部の断面斜視図である。
図4は、文字板3の斜視図である。
図5は、文字板3の分解斜視図である。
図2および
図3は、
図4のI-I断面図である。
【0023】
図1に示すように、時計1は、時計ケース2と、文字板3と、指針4と、時計用ムーブメント5と、回転操作部7とを備える。
【0024】
時計ケース2(ケース)は、ケース本体10と、ガラス11と、ベゼル12と、裏蓋13とを備える。ケース本体10は、円筒状に形成されている。ガラス11は、ケース本体10の一方の開口を閉止する。ベゼル12は、ケース本体10の一方の開口端に設けられている。ベゼル12は、ガラス11を保持する。裏蓋13は、ケース本体10の他方の開口を閉止する。時計ケース2は、文字板3、指針4およびムーブメント5を収容する。
以下、
図1に即して各構成の位置等を仮に定める。例えば、ガラス11は裏蓋13に対して上に位置する。ここに示す位置等は、時計1の使用時の姿勢を限定しない。
【0025】
指針4は、文字板3とガラス11との間に配置されている。指針4は、ムーブメント5の回転軸14に取り付けられている。ムーブメント5は、文字板3と裏蓋13との間に配置されている。ムーブメント5は、回転軸14を駆動する駆動源などを備える。回転軸14は、文字板3の中央から、文字板3に直交する方向に延びる。
【0026】
回転操作部7は、回転軸部71と、ヘッド部72とを備える。回転操作部7(りゅうず)は、ムーブメント5内の部品を回転動作させる。
【0027】
[時計用文字板](第1実施形態)
図4に示すように、文字板3(時計用文字板)は、円板状に形成されている。文字板3は、ガラス11を介して視認可能である(
図1参照)。文字板3と直交する方向から見ることを平面視という。
【0028】
図5に示すように、第1基板21と、第2基板22と、を備える。
第1基板21は、円板状に形成されている。第1基板21は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、およびプラスチックのうち1または2以上で形成される。第1基板21を構成する金属としては、例えば、(A)銅、(B)鉄、(C)チタン、(D)金、(E)銀、および(F)白金のうち1または2以上、または、(A)から(F)のうち1または2以上を主成分とする合金を挙げることができる。「主成分」は、例えば、全体に対して50質量%を越える成分である。これらの材料を使用することにより、第1基板21の加工を容易にし、低コスト化を図ることができる。
【0029】
第1基板21の中央には、回転軸14が挿通する中央孔21cが形成されている。中央孔21cは第1基板21を厚さ方向に貫通する。
【0030】
第1基板21の上面21a(第1主面)には、複数のインデックス23が形成されている。インデックス23は、例えば、時刻を示す表示である。複数のインデックス23は、例えば、第1基板21の外周縁に近い位置に、第1基板21の周方向に間隔をおいて形成されている。複数のインデックス23は、例えば、1時~12時の位置にそれぞれ形成されている。
【0031】
インデックス23の形状は特に限定されない。インデックス23は、例えば、図形、文字、記号などの形状を有する。インデックス23は、例えば、平面視において、第1基板21の径方向に沿うバー状であってもよいし、円形状、三角形状、台形状、数字(アラビア数字、ローマ数字など)形状などであってもよい。インデックス23は、アワーマークともいう。
【0032】
図2および
図3に示すように、インデックス23は、第1基板21の上面21aから上方に突出して形成されている。インデックス23は、例えば、上壁23aと、側壁23bとを有する。側壁23bは、例えば、上壁23aの周縁から拡張しつつ垂下するスカート状とされている。
【0033】
インデックス23の突出高さは、例えば、インデックス23の一部が第2基板22の上面22aから上方に突出するように定められる(
図3参照)。これにより、インデックス23の視認性を高めることができる。
【0034】
インデックス23は、第1基板21をプレス加工することなどによって凸状に形成される。インデックス23の形成法は特に限定されない。インデックス23は、第1基板21の製造時に、表面の切削加工によって形成することもできる。第1基板21がプラスチックなどからなる場合、インデックス23は、射出成形などの成型法により形成することもできる。
【0035】
インデックス23の表面には、蓄光性材料を含む表示層24が形成されていてもよい。蓄光性材料は、光の刺激を受けてエネルギーを吸収し、吸収したエネルギーを可視光に変換して、刺激停止後も光を放出する。蓄光性材料からなる表示層24の採用により、暗所でもインデックス23を視認しやすくなる。表示層24は、第1基板21とは異なる色を呈すると、表示層24の視認性を高めることができる。表示層24は、蛍光材料によって形成してもよい。表示層24は、印刷、塗装などによって形成することができる。表示層24は、インデックス23とは別体であって、インデックス23の表面に貼り付けられていてもよい。
【0036】
第1基板21には、日車および曜車に形成された日文字等を視認可能とするカレンダー窓26が形成されている。カレンダー窓26は、平面視において矩形状に形成されている。第1基板21には、カレンダー窓26を囲む矩形状の枠状凸部27が形成されている。枠状凸部27は、第1基板21の上面21aから上方に突出して形成されている。枠状凸部27は、インデックス23と同様に、プレス加工などによって、上面21aから上方に突出する凸状に形成されている。枠状凸部27の突出高さは、インデックス23と同様に、第2基板22の上面22aより高く突出するように定められてもよい。
【0037】
第2基板22は、第1基板21の上面21aに重ねられる。
第2基板22は、第1基板21と同径の円板状に形成されている。第2基板22は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、およびプラスチックのうち1または2以上で形成される。第2基板22を構成する金属としては、例えば、(A)銅、(B)鉄、(C)チタン、(D)金、(E)銀、および(F)白金のうち1または2以上、または、(A)から(F)のうち1または2以上を主成分とする合金を挙げることができる。これらの材料を使用することにより、第2基板22の加工を容易にし、低コスト化を図ることができる。
【0038】
第2基板22の中央には、回転軸14が挿通する中央孔22cが形成されている。中央孔22cは第2基板22を厚さ方向に貫通する。
【0039】
第2基板22には、複数の貫通孔31が形成されている。貫通孔31は、インデックス23および枠状凸部27を挿通させて、インデックス23および枠状凸部27を露出させる。貫通孔31は、第2基板22の上面22aから下面にかけて第2基板22を貫通して形成されている。貫通孔31は、インデックス23および枠状凸部27に応じた形状とされている。例えば、挿通するインデックス23が円形状である場合、貫通孔31は円形状とされる。
【0040】
第2基板22の上面22a(第1主面)には、凹凸によって表面装飾32を施すことができる。表面装飾32は、縞模様、波模様、格子模様、水玉模様、木目調模様、石目調模様、幾何学模様、ランダム模様などの模様であってよい。表面装飾32は、特に限定されない。表面装飾32は、例えば、動植物等をデザイン化した図形を示すものであってもよい。表面装飾32は、第2基板22の製造時に、プレス加工、成型、切削加工などにより形成することができる。
【0041】
第2基板22の上面22aには、表面処理を施してもよい。表面処理は、例えば、塗装、印刷、湿式めっき、乾式めっきのうち少なくとも1つによって形成することができる。乾式めっきとしては、物理気相成長法(PVD:physical vapor deposition)、化学気相成長法(CVD:chemical vapor deposition)が挙げられる。これらの表面処理によって、第2基板22の意匠性を高めることができる。
【0042】
第2基板22は、例えば、第1基板21に重ねられた状態で第1基板21と結合している。第2基板22は、例えば、接着剤、両面テープ、カシメのうち少なくとも1つによって第1基板21に結合されている。第1基板21と第2基板22とが結合により一体化されることにより、文字板3の取り扱い性は良好となる。
【0043】
第2基板22は、第1基板21に対して着脱自在であってもよい。これにより、第2基板22の交換が容易となる。したがって、意匠の変更、修理などに容易に対応できる。
【0044】
本実施形態の文字板3は、インデックス23が形成された第1基板21と、第1基板21に重ねられる第2基板22とを備える。第2基板22は、インデックスがないため、凹凸による表面装飾32を形成する場合に、ゆがみなどの不具合が生じにくい。また、第2基板22は第1基板21と別体になるため、使用する板材の厚みによる制約を受けにくく、表面装飾32の凹凸高さを確保しやすい。そのため、基板にインデックスと表面装飾の両方を形成する場合に比べて、深い凹凸を有する表面装飾32を形成することができる。よって、立体感を有する表面装飾32を形成することができる。文字板3では、表面装飾32に制約が少ないため、意匠の選択の自由度を高めることができる。
【0045】
本実施形態の文字板3では、第1基板21に結合させる前に、第2基板22の上面22aを磨き、上面22aに光沢を与えることができる。第2基板22はインデックスがないため、磨き作業の障害となり得る表面凸部が少ない。よって、磨き作業は容易である。
【0046】
本実施形態の文字板3では、第1基板21と第2基板22とが別体であるため、複数種類の第2基板22から任意の第2基板22を選択して使用することができる。よって、意匠の選択の自由度を高めることができる。文字板3では、第2基板22の交換可能であるため、意匠の変更、修理などに容易に対応できる。
【0047】
本実施形態の文字板3は、第1基板21と第2基板22のそれぞれを、プレス加工などにより作製することができる。そのため、文字板3は、量産性、加工容易性などの点でも優れている。
【0048】
[時計用文字板](第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る文字板103の一部断面図である。第1実施形態と共通の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0049】
図6に示すように、文字板103では、第2基板22の表面は、透明な樹脂層41で覆われている。樹脂層41は、表面装飾32を保護するとともに、表面装飾32に立体的で深みがある視覚効果を与える。樹脂層41は、例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリプロピレンなど)、ABS樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂により形成される。樹脂層41は、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂により形成されてもよい。
【0050】
樹脂層41は、例えば、次のようにして形成することができる。樹脂を未硬化の状態で第2基板22の表面に塗布し、この樹脂を硬化させる。硬化した樹脂の表面を研磨する。研磨により樹脂層41の表面凹凸を小さくし、樹脂層41に光沢を与えることができる。
【0051】
本実施形態の文字板103では、第1実施形態の文字板3と同様に、立体感を有する表面装飾32を形成することができる。文字板103においても、表面に光沢を与えるための磨き作業は容易である。
【0052】
本実施形態の文字板103では、第2基板22の表面が透明な樹脂層41で覆われているため、表面装飾32に、立体的で深みがある視覚効果を与えることができる。
【0053】
[時計用文字板](第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る文字板203の一部断面図である。第1実施形態と共通の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、文字板203では、第1基板221のインデックス23の下面側に凹部はない。文字板203では、切削加工などにより、インデックス23を有する第1基板221を形成することができる。
【0054】
本実施形態の文字板203は、第1基板221のインデックス23の下面側に凹部がないため、第1基板221の強度を高めることができる。よって、文字板203の耐久性を高めることができる。
【0055】
本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されず、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。 例えば、
図3に示す文字板3では、インデックス23は第2基板22の表面から突出しているが、第2基板の表面から突出していないインデックスも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…時計
3,103,203…文字板
21,221…第1基板
21a…上面(第1主面)
22…第2基板
23…インデックス
31…貫通孔
32…表面装飾
41…樹脂層
【要約】
【課題】凹凸による表面装飾を基板に形成でき、かつ基板表面を磨く作業が容易となる時計用文字板および時計を提供する。
【解決手段】時計用文字板3は、第1主面21aにインデックス23が突出して形成された第1基板21と、第1主面21aに重ねられる第2基板22と、を備える。第2基板22に、インデックス23を挿通させてインデックス23を露出させる貫通孔31が形成されている。第2基板22に、凹凸を有する表面装飾32が形成されている。
【選択図】
図5