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特許7494344ゲーム大会誘致プログラム、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
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  • 特許-ゲーム大会誘致プログラム、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】ゲーム大会誘致プログラム、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20240527BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240527BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240527BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240527BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/69
A63F13/65
G06Q30/0207 324
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023036978
(22)【出願日】2023-03-09
(65)【公開番号】P2023073274
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(73)【特許権者】
【識別番号】521286422
【氏名又は名称】株式会社知財図鑑
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】荒井 亮
(72)【発明者】
【氏名】荻野 靖洋
(72)【発明者】
【氏名】永井 歩
(72)【発明者】
【氏名】松岡 真吾
(72)【発明者】
【氏名】福島 由香
(72)【発明者】
【氏名】能勢 武
(72)【発明者】
【氏名】吉田 孝
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-015230(JP,A)
【文献】特開2013-247980(JP,A)
【文献】特開2017-170020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを受付手段と、記憶手段と、特典付与手段と、自治体登録手段として機能させ、
前記受付手段が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させ、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与し、
前記受付手段が自治体の端末から自治体登録情報を受け付けると、前記自治体登録手段は前記自治体の登録を行い、
前記受付手段が、前記特定エリア情報および前記特典情報を受け付けたときに、前記特定エリア情報に対応する前記自治体が前記自治体登録手段により登録が行われている場合にのみ、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて前記記憶部に記憶させる、プログラム。
【請求項2】
コンピュータを受付手段と、記憶手段と、特典付与手段と、自治体登録手段として機能させ、
前記受付手段が自治体の端末から自治体登録情報を受け付けると、前記自治体登録手段は前記自治体の登録を行い、
前記受付手段が、ゲーム大会が誘致される特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記特定エリア情報に対応する前記自治体が前記自治体登録手段により登録が行われている場合にのみ、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させ、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与する、ゲーム大会誘致プログラム。
【請求項3】
プログラムを実行することにより受付手段と、記憶手段と、特典付与手段と、自治体登録手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させ、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与し、
前記受付手段が自治体の端末から自治体登録情報を受け付けると、前記自治体登録手段は前記自治体の登録を行い、
前記受付手段が、前記特定エリア情報および前記特典情報を受け付けたときに、前記特定エリア情報に対応する前記自治体が前記自治体登録手段により登録が行われている場合にのみ、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて前記記憶部に記憶させる、コンピュータ。
【請求項4】
制御部を有するコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記制御部が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記制御部が、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させる工程と、
前記制御部が、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与する工程と、
を備え
前記制御部が自治体の端末から自治体登録情報を受け付けると、前記制御部は前記自治体の登録を行い、
前記制御部が、前記特定エリア情報および前記特典情報を受け付けたときに、前記特定エリア情報に対応する前記自治体が前記制御部により登録が行われている場合にのみ、前記制御部は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて前記記憶部に記憶させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーム大会誘致プログラム、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地方創生においては、人口の減少と大都市圏への一極集中が大きな問題となっている。例えば、東京等の大都市の人口は増加し続ける一方で、多くの地方都市では、人口の減少や高齢化が深刻な問題となっている。我が国の出生率および出生数は1970年代半ばから長期的に減少しており、人口減少に歯止めがかかっていない。そのような状況の中、地方都市では更に人口減少および高齢化が進んでいくと予想されている。また、出生地や出身地(地元)に働き先がない、または少ないことにより、地方都市から大都市部への人口の流出という現象もある。
【0003】
このような状況にかんがみ、我が国も様々な取り組みを行い、前述のような問題の解決を図ろうとしている。
【0004】
例えば、地方版総合戦略を策定して地方創生加速化給付金を活用、地方創生の深化を目指すローカル・アベノミクスの重点化や地方の自主的な発意への対応のための多額の活用が挙げられる。更に、各種交付金、事業費、その他政府の様々なプロジェクトに対して多額の予算が付けられている。しかし、これら施策があるにも関わらず、地方創生にはあまり繋がっていない。このため、交付金では、地方の生産性の向上や、国際競争力を強化していくことにより、地方企業が発展して人が集まり、地方経済が大きくなることが難しかった。
【0005】
少子高齢化の進展に的確に対応し、地方都市における人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏を含む大都市圏への人口の一極集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことが求められている。そのためには、まち・ひと・しごと創生を目指していく必要がある。また、日本人だけではなく、海外からの渡航者を含めた人々が我が国の地方都市に魅力を感じ、居住し、経済を作り上げていき、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な地域社会を創生することが大切であると思われる。
【0006】
稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにすること、地方との繋がりを築き、地方への新しい人の流れを作ること、結婚・出産・子育ての希望を叶えること、人が集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域を作ることが目標にされ得る。この目標を達成するために、地域資源・産業を活かした地域の競争力強化、専門人材の確保と育成、働き易い魅力的な就業環境と担い手の確保、テレワーク(リモートワーク)等を活用した地方移住の推進、魅力ある地方大学の実現と地域産業の創出・拡大による若者の修行・就業による地方への定着の推進、関係人口の創出・拡大、企業版ふるさと納税等による地方への資金の流れの創出・拡大、結婚・出産・子育ての支援、仕事と子育ての両立、地域の実情に応じた取り組みの推進、質の高い暮らしのための街づくりによる活力を生み、安心な生活を実現する環境の確保が求められている。上述の問題を解決するために、地域におけるSociety5.0の推進によって、デジタル技術を駆使した街づくりとして我が国が取り組むスーパーシティ構想の推進や、地域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用、地方創生SDGsの実現等の持続可能な街づくりも地方創生に繋がり得る。
【0007】
近年では、コンピュータゲームでの対戦をスポーツ競技としてとらえたeスポーツ(electronic sports)が注目を集めており、このeスポーツを盛り上げるための技術が知られている。このようなeスポーツの運営システムとして、例えば、特許文献1には、プレイヤの位置と優遇属性との関係に応じて、ゲームの進行を優遇することができるものが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】特開2022-137905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したeスポーツ等のゲームやeスポーツ以外の様々なゲームを活用して、少子高齢化の進展に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力のある日本社会を維持するために地方創生を推し進めることが求められている。
【0010】
本開示は、新たなゲーム大会誘致プログラム、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の側面は、
コンピュータを受付手段と、記憶手段と、特典付与手段として機能させ、
前記受付手段が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させ、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与する、プログラムである。
【0012】
また、第1の側面において、
前記受付手段が、前記ゲームをプレイする前記ユーザが所持するユーザ端末の位置の情報である位置情報を受け付けると、前記特典付与手段は、前記ユーザ端末の位置を前記ユーザの位置とみなして演算を行うことができる。
【0013】
また、第1の側面において、
前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置または領域は、現実空間または仮想空間における位置または領域であり、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの現実空間または仮想空間における位置から前記ユーザの現実空間または仮想空間における位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの現実空間または仮想空間における領域に前記ユーザの現実空間または仮想空間における位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている前記特典を前記ユーザに付与することができる。
【0014】
また、第1の側面において、
前記特典付与手段により前記ユーザに付与される前記特典は、前記ユーザがプレイする前記ゲームの内容を変化させるものであってもよい。
【0015】
また、第1の側面において、
前記コンピュータを送信手段として機能させ、
前記送信手段は、前記ゲームをプレイする前記ユーザが所持するユーザ端末に対して前記ユーザ端末で前記ゲームに利用されるゲーム処理指令を送信し、
前記ゲーム処理指令により前記ユーザ端末で行われる前記ゲームの内容は、前記特定エリア情報に基づいて決められてもよい。
【0016】
また、第1の側面において、
前記ゲーム処理指令により前記ユーザ端末で行われる前記ゲームの内容は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの現実空間または仮想空間における位置から前記ユーザの現実空間または仮想空間における位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの現実空間または仮想空間における領域に前記ユーザの現実空間または仮想空間における位置が入っている場合に変化させてもよい。
【0017】
また、第1の側面において、
前記ゲーム処理指令により前記ユーザ端末で行われる前記ゲームの内容は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置または領域から前記ユーザの位置までの距離に基づいて決められてもよい。
【0018】
また、第1の側面において、
変化される前記ゲームの内容は、前記ゲームにおける演出およびパラメータのうち少なくとも何れかに関するものとすることができる。
【0019】
また、第1の側面において、
前記コンピュータを自治体登録手段として更に機能させ、
前記受付手段が自治体の端末から自治体登録情報を受け付けると、前記自治体登録手段は前記自治体の登録を行い、
前記受付手段が、前記特定エリア情報および前記特典情報を受け付けたときに、前記特定エリア情報に対応する前記自治体が前記自治体登録手段により登録が行われている場合にのみ、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて前記記憶部に記憶させることができる。
【0020】
また、第1の側面において、
前記コンピュータをユーザ登録手段として更に機能させ、
前記受付手段がユーザ端末からユーザ登録情報を受け付けると、前記ユーザ登録手段は前記ユーザの登録を行い、
前記特典付与手段は、前記ユーザ登録手段により登録が行われた前記ユーザに対して、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置から前記ゲームをプレイする前記ユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている前記特典を前記ユーザに付与することができる。
【0021】
また、第1の側面において、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置から前記ゲームをプレイする前記ユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合に、前記ゲームにおいて所定の条件が満たされた前記ユーザに対してのみ、前記特定エリア情報に関連付けられている前記特典を付与することができる。
【0022】
また、第1の側面において、
前記特典付与手段は、前記ゲームをプレイする前記ユーザのうち、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からの距離が所定の閾値の距離以下である前記ユーザの人数、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に入っている前記ユーザの人数に基づいて、前記ユーザに付与される前記特典の内容を変えてもよい。
【0023】
また、第1の側面において、
前記記憶手段は、前記特定エリア情報に、人数に関する情報を関連付けて前記記憶部に予め記憶させておき、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報に対応する、前記記憶部に記憶されている人数に基づいて、前記ユーザに付与される前記特典の内容を変えてもよい。
【0024】
また、第1の側面において、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置または領域から前記ユーザの位置までの距離に基づいて、前記ユーザに付与される前記特典の内容を変えてもよい。
【0025】
また、第1の側面において、
前記受付手段が、前記特定エリア情報および前記特典情報を受け付ける際に前記ゲームのタイトルまたはモードに関するタイトル/モード情報を受け付けると、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を前記ゲームの前記タイトルまたはモードに関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記特典付与手段は、前記記憶部に記憶されている前記タイトルまたはモードの前記ゲームをプレイしている前記ユーザに対してのみ、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置から前記ゲームをプレイする前記ユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記タイトルまたはモードおよび前記特定エリア情報に関連付けられている前記特典を付与することができる。
【0026】
第2の側面は、
コンピュータを受付手段と、記憶手段と、特典付与手段と、自治体登録手段として機能させ、
前記受付手段が自治体の端末から自治体登録情報を受け付けると、前記自治体登録手段は前記自治体の登録を行い、
前記受付手段が、ゲーム大会が誘致される特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記特定エリア情報に対応する前記自治体が前記自治体登録手段により登録が行われている場合にのみ、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させ、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与する、ゲーム大会誘致プログラムである。
【0027】
第3の側面は、
プログラムを実行することにより受付手段と、記憶手段と、特典付与手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記記憶手段は、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させ、
前記特典付与手段は、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与する、コンピュータである。
【0028】
第4の側面は、
制御部を有するコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記制御部が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、前記制御部が、受け付けた前記特定エリア情報および前記特典情報を関連付けて記憶部に記憶させる工程と、
前記制御部が、前記特定エリア情報における前記特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または前記特定エリア情報における前記特定エリアの領域に前記ユーザの位置が入っている場合には前記特定エリア情報に関連付けられている特典を前記ユーザに付与する工程と、
を備えた、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0029】
本開示によれば、新たなゲーム大会誘致プログラム、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態における情報処理システムの構成要素間の情報の流れを示す図である。
図3】本実施形態における情報処理システムによる一連の動作の流れを示すフローチャートである。
図4】本実施形態における特定エリアの位置および領域を説明する図である。
図5】本実施形態における情報処理システムによる他の一連の動作の流れを示すフローチャートである。
図6】本実施形態における情報処理システムにより情報の処理が行われる際にゲーム装置のディスプレイに表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(地方創生)
上述したように、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことが求められている(まち・ひと・しごと創生法第1条)。
稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにすること、地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れを作ること、結婚・出産・子育ての希望をかなえること、ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくることを目標とされている。
この目標を達成するために、地域資源・産業を生かした地域の競争力強化、専門人材の確保と育成、働きやすい魅力的な就業環境と担い手の確保、テレワークなどを活用した地方移住の推進、魅力ある地方大学の実現と地域産業の創出・拡大による若者の修学・就業による地方への定着の推進、関係人口の創出・拡大、企業版ふるさと納税などによる地方への資金の流れの創出・拡大、結婚・出産・子育ての支援、仕事と子育ての両立、地域の実情に応じた取組の推進、質の高い暮らしのためのまちの機能の充実、地域資源を活かした個性あふれる地域の形成、安心して暮らすことができる街づくりによる活力を生み、安心な生活を実現する環境の確保が求められている。
これを解決するために、地域におけるSociety5.0の推進によって、スーパーシティ構想の推進や、地域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用、地方創生SDGsの実現などの持続可能な街づくりの実現が行われている。
【0032】
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、ゲーム大会誘致を促し、ゲームユーザやE-sportsを自治体等に誘致し地方創生を実現するための以下のような新たなゲーム大会誘致プログラム、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法を想到するに至った。
【0033】
〔本実施形態〕
本実施形態の情報処理システム1について、図面を参照して説明する。
【0034】
<情報処理システム1の説明>
本実施形態の情報処理システム1では、サーバ装置2(コンピュータ)およびユーザ端末3(ゲーム装置)が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。ユーザ端末3とは、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ポータブルタイプまたは据置タイプのゲーム専用機等であり、ユーザが特定エリアにおいてゲーム大会に参加できるものであれば特に限定されない。また、サーバ装置2には、図示しないが他のユーザのユーザ端末3(ゲーム装置)も通信ネットワーク6を介して通信可能に接続される。さらに、図1に示す例では、ゲーム大会を誘致する主催者である自治体の端末4や、後述するゲーム大会に参加したユーザへ特典を提供するための特典提供システム5も、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2に通信可能に接続されている。
【0035】
<情報処理システム1の概要>
サーバ装置2(コンピュータ)は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、所定の自治体のゲーム大会に参加する複数のユーザ端末3の各々に対してゲームに関する制御信号の送受信を行うことにより各ユーザ端末3でゲームを行わせる。また、サーバ装置2は、複数のユーザ端末3でマルチプレイを行わせることもできるようになっている。なお、所定の自治体のゲーム大会でプレイされる「ゲーム」は、単一のユーザがユーザ端末3で行うシングルプレイのゲームおよび複数のユーザがそれぞれ別のユーザ端末3で行うマルチプレイのゲームを含む。ゲームのジャンルは、対戦型ゲームおよび協調型ゲーム(チーム対抗戦を含む)、スポーツゲーム、アクションゲーム、パズルゲーム等を含む。さらに、歩数計測機能を利用して特定エリア内のパワースポットを巡るお遍路ゲーム、聖地巡礼ゲーム、マラソンゲームであってもよい。
【0036】
各ユーザ端末3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、各ユーザ端末3は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的には、ダウンロードおよびインストール)する。
【0037】
各ユーザには、各ユーザ端末3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報(ユーザ登録情報)が、割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、各ユーザ端末3からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。また、特典を送付するための宛先がアカウント情報として登録されてもよい。
【0038】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2と各ユーザ端末3との相互通信が可能となる。ログイン後、各ユーザ端末3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ37およびスピーカ39に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0039】
<情報処理システム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2および各ユーザ端末3等の各ハードウェア構成について説明する。
【0040】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、制御部22および記憶部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部23は、バス24を介して制御部22と電気的に接続されている。
【0041】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ユーザ端末3、自治体の端末4、特典提供システム5(特典提供業者の端末)と通信可能に接続されている。
【0042】
制御部22は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2の動作を制御する。
【0043】
制御部22は、後述する記憶部23に記憶されている各種プログラムを実行することにより、受付手段221、記憶手段222、特典付与手段223、送信手段224、自治体登録手段225、およびユーザ登録手段226として機能する。
【0044】
受付手段221は、後述する特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報や、ゲーム大会に参加する各ユーザが所持するユーザ端末3の位置の情報である位置情報を含むプレイヤー情報、自治体の端末4から自治体登録情報などを受け付ける。
【0045】
記憶手段222は、受付手段221が受け付けた特定エリア情報および特典情報を関連付けて記憶部23に記憶させる。また、記憶手段222は、特定エリア情報に、人数に関する情報を関連付けて記憶部23に記憶させることもできる。
【0046】
特典付与手段223は、特定エリア情報に関連付けられている特典を、ゲーム大会に参加したユーザに付与する。本実施形態において、特典が付与されるための「参加」とは、特定エリア情報における特定エリアの位置からゲームをプレイするユーザの位置までの距離が所定の閾値の距離以下であること、または特定エリア情報における特定エリアの領域にユーザの位置が入っていることが必要である。また、特典付与手段223は、ユーザ端末3の位置をユーザの位置とみなして演算を行うことができる。さらに、特典付与手段223は、所定の条件を満たした(クリアした)ユーザにのみ特典を付与したり、特典の内容を変更してもよい。
【0047】
なお、「特典」は特に限定されるものではなく、ゲーム大会が行われる自治体の農産物、魚介類、工芸品といった特産品やその自治体で利用できる商品券(地域振興券)やクーポン券等の有体物だけでなく、ポイント、スタンプ、NFT(non-fungible token)や位置情報を基にその自治体でのみ使えるゲームアイテム等の無体物であってもよい。なお、商品券(地域振興券)やクーポン券等はデジタルな情報として管理される無体物としてもよい。また、特典は、ゲームの内容を変化させるものであってもよく、ゲーム効果、すなわちゲームにおける演出やパラメータに関するものでもよい。さらに、特典は、ゲーム(ゲーム大会)に利用可能なものに限定されない。例えば、ダウンロード可能な自治体ゆかりの祭り楽曲、画像や映像であったり、ご当地の有名人やご当地キャラの画像、映像、NFTやアバターがもらえるように設定されてもよい。また、ユーザが自治体の出身者または戸籍登録者であると特別特典をもらえたり、大会スポンサー企業に関連する特典をもらえてもよい。所定の勝利条件を満たすと、自治体内の特定エリアに応じたプレゼントをもらえるように設定されてもよい。また、ゲーム内課金の一部を主催した自治体などの特定の自治体に寄付して、その返礼品として特典をもらえるよう設定されてもよい。
このように、所定の自治体におけるゲーム大会に参加することに対して特典が付与されれば、ゲーム大会が行われる自治体にユーザを導くことができ、地方に人と金が流れて地域が活性化し、地方創生といった社会課題を解決する。
【0048】
さらに、特典は、次回の大会や、翌日以降に、この特定エリアに訪れたときに使えるものであってもよい。これにより、再度この特定エリアにくるきっかけを創出できる。また、ゲーム大会への参加回数に応じて特典が増えるように設定されていてもよい。
【0049】
特典内容は、この特定エリアに訪れたことがある履歴情報に応じて変化してもよい。「訪れたことがある」には、このエリアでのゲーム大会に毎年参加している、旅行でこのエリアに来たことがある、ここに住んでいるために毎日訪れている(地元である)なども含み得る。「訪れたことがある」は位置情報だけで自動でカウントしてもよいし、位置情報×ユーザによるチェックイン操作によってカウントしてもよい。
【0050】
送信手段224は、ゲームをプレイするユーザが所持するユーザ端末3に対してユーザ端末3でゲームに利用されるゲーム処理指令を送信する。「ゲーム処理指令」とは、ユーザ端末3で行われるゲームの内容を変更させる指令をいう。この「ゲームの内容」とは、ゲームにおける背景画像や効果音等の演出や、ゲーム中のキャラクタ等のパラメータに関するものである。また「ゲームに利用される」とは、ゲームを開始する際だけでなく、ゲームの進行中もゲームの処理に関連するという意味である。
その他にも、送信手段224は、自治体の端末4や特典提供システム5に対して特典情報を送信することもできる(図2下部)。
【0051】
自治体登録手段225は、受付手段221が自治体の端末4から自治体登録情報を受け付けると、この自治体の登録を行う。「自治体」とは、都道府県、特別区、市町村であり、特定エリア情報における特定エリアに対応するか、または特定エリアを含むものである。なお、「特定エリア」とは土地区画だけでなく、公園、イベント会場、球場、スタジアム、集会所や公民館、古城といった施設や歴史建造物や、山、湖といった景観スポットや、橋といった建築物でもよい。また、特定エリアの位置または領域は、現実空間または仮想空間における位置または領域でもよい。
【0052】
ユーザ登録手段226は、受付手段221がユーザ端末からユーザ登録情報を受け付けると、ユーザ認証のためにユーザ登録を行う。このユーザ認証やユーザ登録は、特典を付与するためにユーザを特定できるものであれば、特に限定されない。
【0053】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成されている。記憶部23には、前述のように受付手段221が受け付けた特定エリア情報および特典情報を関連付けて記憶され、本実施形態のゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ゲームの進行に必要な各種データ、地図情報などが記憶されている。また、記憶部23には、ユーザ毎の、各操作に対応する、ユーザによる操作入力の履歴情報がそれぞれ記憶される。
【0054】
<ユーザ端末3の構成>
図1に示すように、ユーザ端末3は、ディスプレイ37、タッチパッド38およびスピーカ39を有する。また、ユーザ端末3は、ネットワークインターフェース31、制御部32、グラフィック処理部33、操作部34、オーディオ処理部35および記憶部36を有し、さらにGPS機能を有している。ネットワークインターフェース31、グラフィック処理部33、操作部34、オーディオ処理部35および記憶部36は、バス40を介して制御部32と電気的に接続されている。
【0055】
ネットワークインターフェース31は、ユーザ端末3とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0056】
グラフィック処理部33は、後述する制御部32から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描写する。グラフィック処理部33は、例えばディスプレイ37と接続されており、動画形式に描写されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ37上に表示される(図6)。このようなゲーム画面において、特定エリア情報が、例えば「対戦場所」として表示されてもよい。なお、同様の画面をゲーム大会会場のスクリーンや動画共有サービスを介して観戦者の端末等でも見ることができるようになる。
【0057】
操作部34は、タッチパッド38と接続され、タッチパッド38への操作入力に関するデータをタッチパッド38との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド38をタッチすることで、ユーザ端末3に操作信号を入力する。
【0058】
オーディオ処理部35は、スピーカ39と接続され、後述する制御部32の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ39から出力させる。
【0059】
制御部32は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ユーザ端末3の動作を制御する。制御部32は、後述する記憶部36に記憶されている各種プログラムを実行することにより、通信手段321、ゲーム実行手段322および報知制御手段323として機能する。
【0060】
通信手段321は、ネットワークインターフェース31を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段321は、操作部34がタッチパッド38から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が処理可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段321は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段321は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータなどを受信する。
【0061】
ゲーム実行手段322は、ユーザ端末3のユーザによるタッチパッド38の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを後述する記憶部36から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部33によって処理されることにより、ディスプレイ37には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0062】
そして、ゲーム実行手段322は、ゲーム画像上に、ユーザ端末3のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。
【0063】
報知制御手段323は、ゲームの実行にあたり、ユーザ端末3のユーザの操作などに応じてディスプレイ37の表示制御およびスピーカ39の音声出力制御を行う。
【0064】
記憶部36は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成されている。記憶部36には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、ユーザ端末3のアカウント情報などが格納されている。
【0065】
<自治体の端末4の構成>
自治体の端末4も、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などであってもよく、特定エリア情報、特典情報、自治体登録情報などを送信できるものであれば特に限定されない。
【0066】
<特典提供システム5の構成>
特典提供システム5は、ゲーム大会の主催者に代わって、有体物や無体物を含む特典をユーザに配送または付与するものであり、既存のシステムを利用するものであってよい。また、特典の内容に応じて、特典提供システム5も様々な態様を取ることができる。例えば、特典が宿泊プラン付き温泉旅行であれば、特典提供システム5は、宿泊券を配送する代わりに、ユーザと宿泊先の両方に特典情報を送信するシステムであってもよい。
【0067】
<情報処理システム1の動作の流れ>
図3は、本実施形態における情報処理システム1(サーバ装置2)の一連の動作の流れを示すフローチャートである。
【0068】
まず、受付手段221が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報および特典情報を受け付ける(ステップSt101)。後述するように、受付手段221は、さらに、ユーザ登録情報、タイトル情報、モード情報なども受け付けることもできる。
【0069】
次に、記憶手段222は、受け付けた特定エリア情報および特典情報を関連付けて記憶部23に記憶させる(ステップSt102)。
【0070】
そして、特典付与手段223は、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離d1が所定の閾値(第1閾値)の距離以下である場合(図4(a))、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合(図4(b))には(ステップSt103の「YES」)、特定エリア情報に関連付けられている特典をユーザに付与する(ステップSt105~St106)。
他方、距離d1が所定の第1閾値の距離より大きい場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っていない場合には(ステップSt103の「NO」)、そのユーザはゲーム大会に参加しないと判断されたり、あるいは、ゲーム大会に参加できても特典が付与されないケースもあり、特定エリア情報に関連付けられている特典がユーザに付与されることはない。
【0071】
上述のように、ステップSt103で「YES」と判断された後に、ユーザの位置upと特定エリア情報における特定エリアの位置p1または特定エリア領域R内の所定の位置(以下、「特定エリア位置等」ともいう)との距離が第2閾値以下であるか判断する(ステップSt104)。
ここで、特定エリア領域R内の所定の位置とは、例えば、特定エリア領域R内の中心位置p2であってもよいし、ゲーム大会の主催者が決める特定エリア領域R内の任意の位置p3であってもよい。この場合、ユーザの位置upとの距離d2またはd3が判断対象となる(図4参照)。第2閾値を第1閾値と比較すれば、特定エリアの位置p1との関係では、第2閾値<第1閾値であるが、特定エリア領域R内の位置p2やp3との関係では、第2閾値は所望の値となってよい。
ステップSt104で「NO」と判断された場合でも、ステップSt103で「YES」と判断されているため、そのユーザには特典が付与される(ステップSt105)。他方、ステップSt104で「YES」と判断された場合、そのユーザにはこの特定エリア情報に関連付けられている特典に加えてさらに別の特典を付与する(ステップSt106)。
【0072】
次に、ステップSt103で「YES」と判断されたユーザ、すなわち、所定の自治体におけるゲーム大会に参加したユーザの人数が所定の数より多いか判断する(ステップSt107)。そして、参加ユーザの人数が所定の数より多い場合には(ステップSt107で「YES」)、各ユーザに追加の特典を付与するように設定される(ステップSt108)。他方、ステップSt107で「NO」の場合、何ら処理が行われることなく、プロセスは進む。
【0073】
これらの処理を経たあとに、制御部22はゲーム大会(対戦等)を開始させる。
【0074】
以上をまとめると、本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、コンピュータ(サーバ装置2)を受付手段221と、記憶手段222と、特典付与手段223として機能させ、受付手段221が、特定エリアの位置p1または領域Rに関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、記憶手段222は、受け付けた特定エリア情報および特典情報を関連付けて記憶部23に記憶させ、特典付与手段223は、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合には特定エリア情報に関連付けられている特典をユーザに付与する。
【0075】
<効果>
このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法であれば、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合、すなわち、ゲーム大会にユーザが参加する場合には、所定の特典が付与されるため、地方自治体で開催されるゲーム大会に参加するインセンティブとなる。ゲーム大会を通じてゲームユーザ(ゲーマー)、ゲームファンやゲームユーザのファン、観客が自治体に集い、その地域や周辺地域などで費やされる飲食代、宿泊代、お土産代など、様々な経済的効果が期待できる。またゲーム大会を通して自治体などが認知されたり、体験価値を与えたりできる。ひいては地方創生を実現することができる。
【0076】
また、ゲーム大会が開催される特定エリア情報と特典情報が関連付けて記憶されるため、ユーザは、ゲーム大会が開催される場所と特典の内容を容易に知ることができる。したがって、政府等が推進する全国旅行支援キャンペーンなどにおいても本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法は有益である。旅行支援などにおいて、宿泊先でゲームの特典、ゲームに利用できるクーポンやNFTが得られるようにしてもよい。このとき、特典提供システム5を宿泊システムとして機能させてもよい。
【0077】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、受付手段221が、ゲームをプレイするユーザが所持するユーザ端末3の位置の情報である位置情報を受け付けると、特典付与手段223は、ユーザ端末3の位置をユーザの位置upとみなして演算を行ってもよい。
このように、ゲームをプレイする手段であるユーザ端末3の位置をユーザの位置upとみなすことができ、ユーザの位置upを把握する手段としてユーザ端末3のGPS機能等を好適に利用できる。
【0078】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、特定エリア情報における特定エリアの位置p1または領域Rは、現実空間または仮想空間における位置または領域であり、特典付与手段223は、特定エリア情報における特定エリアの現実空間または仮想空間における位置からユーザの現実空間または仮想空間における位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの現実空間または仮想空間における領域にユーザの現実空間または仮想空間における位置が入っている場合に特定エリア情報に関連付けられている特典をユーザに付与してもよい。
地方創生を実現するために、ゲーム大会が開催される自治体にユーザやゲーム大会の観戦者等を実際に招くことが理想ではあるが、自治体の現実空間に対応する仮想空間において地方自治体の名称、名産品や建物、施設や観光スポットの仮想オブジェクトを配置したり、画像や映像をつかってPRすることができる。この場合、仮想空間内においてゲーム大会が行われても、その自治体の名称や観光スポットなどのことを知ることができ、ゲーム大会開催日に訪問や旅行できなくても、将来その自治体に実際に訪れよう、移住しようというインセンティブを与えることができる。
【0079】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、特典付与手段223によりユーザに付与される特典は、ユーザがプレイするゲームの内容を変化させるものであってもよい。
特典がゲームユーザ等にとって魅力的なゲーム内容になるものであれば、その特定エリアにてゲーム大会に参加するインセンティブとなる。例えば、その自治体に関連するアイテムを出現させて能力アップさせたり、ゲーム大会だけの特別画面を表示させたりしてもよい。この場合、その自治体の名称、名産品や観光スポットなどを知ることができ、ゲーム大会を通して自治体などが認知される。また、その地域や周辺地域などで飲食、宿泊、名産品の購入や観光地訪問などに誘導することができ、様々な経済的効果が期待できる。このように、ゲーム大会をきっかけとしてその地域などで体験価値を与えることができ、ひいては地方創生を実現することができる。なお、ゲーム大会時の訪問に限らず、将来その自治体に実際に訪れよう、移住しようというインセンティブを与えることができる。
【0080】
以下のものに限定されないが、ゲーム大会誘致を通じて地方創生という社会課題を実現するために、ゲーム大会の特典に以下のことを盛り込むことにより地方自治体のPR活動に貢献できる。
1)ゲームのキャラクタに出身地など土地に関連性が設定されている場合は、その土地である特定エリアにおいてそのキャラクタを使うときはさらなる特典(キャラクタの能力などが向上するなど)があること。これにより、ゲーム大会と自治体との相乗(コラボ)効果が生じる。
2)自治体のご当地キャラなどとのコラボ衣装がもらえること。即ち、その土地での大会ではプレイヤキャラクタの衣装として利用できること。また、大会後も継続利用できること。
3)自治体のPR画像や映像を、ゲームの背景画像や映像など(対戦中や対戦前後)において表示できること。例えば、ゲームのオープニングムービーにおいて、その土地を紹介するようなPR映像が再生されたりする。
【0081】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、コンピュータ(サーバ装置2)をユーザ登録手段226として更に機能させ、受付手段221がユーザ端末3からユーザ登録情報を受け付けると、ユーザ登録手段226はユーザの登録を行い、特典付与手段223は、ユーザ登録手段226により登録が行われたユーザに対して、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合には特定エリア情報に関連付けられている特典をユーザに付与してもよい。
このように、ユーザ登録情報をゲーム大会主催者が予め知ることができれば、参加人数を把握して大会準備をより効率的に進めることができ、また、特典を誤ってユーザに送ってしまうことを防止できる。また、参加者の属性などを把握して、属性に適したPRを適切に実施することができる。
【0082】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、特典付与手段223は、ゲームをプレイするユーザのうち、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からの距離が所定の閾値の距離以下であるユーザの人数、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rに入っているユーザの人数に基づいて、ユーザに付与される特典の内容を変えるようになっていてもよい。
ゲーム大会の参加人数が多くなるほど特典がより豪華になるのであれば、プレイヤとしてまたは観戦者としてゲーム大会に参加しよう(特定エリアに赴こう)というユーザ側の意欲も増すことになる。また、プレイヤがユーザ(観戦者)に特定エリアに入るように誘ったり、ユーザが他のユーザを誘ったりするなどゲームユーザ同士でのコミュニケーションを活性化することもできる。
【0083】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、記憶手段222は、特定エリア情報に、人数に関する情報を関連付けて記憶部23に予め記憶させておき、特典付与手段223は、特定エリア情報に対応する、記憶部23に記憶されている人数に基づいて、ユーザに付与される特典の内容を変えるようになっていてもよい。
ゲーム大会が行われる自治体の人口に応じて、例えば、人口の少ない自治体では特典の内容をより豪華なものにすることによって、東京圏への人口の過度の集中を是正し、地方創生を推し進めることができる。
【0084】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、特典付与手段223は、特定エリア情報における特定エリアの位置p1または領域Rからユーザの位置upまでの距離に基づいて、ユーザに付与される特典の内容を変えるようになっていてもよい。
特定エリア位置等までの位置がより近いユーザに対してより豪華な特典を与えることとすれば、ゲーム大会にユーザをよりコミットさせることができる。また、プレイヤがユーザ(観戦者)に特定エリアにより近い位置に入るように誘ったり、ユーザが他のユーザを誘ったりするなどゲームユーザ同士でのコミュニケーションを活性化することもできる。
【0085】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、受付手段221が、特定エリア情報および特典情報を受け付ける際にゲームのタイトルまたはモードに関するタイトル/モード情報(タイトル情報またはモード情報)を受け付けると、記憶手段222は、受け付けた特定エリア情報および特典情報をゲームのタイトルまたはモードに関連付けて記憶部23に記憶させ、特典付与手段223は、記憶部23に記憶されているタイトルまたはモードのゲームをプレイしているユーザに対してのみ、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合にはタイトルまたはモードおよび特定エリア情報に関連付けられている特典を付与してもよい。
このように、参加するゲーム大会においてユーザは自分の得意分野のゲーム(タイトル)を選択することができ、また、開催するゲーム大会のゲーム内容が全くの新作であれば話題を呼び、地理的特徴にやや劣る自治体であってもユーザを集め、地方創生を推し進めることができる。
さらに、たとえば、あるタイトルのゲームの中で、「通常モード」、「対戦モード」、「地方大会モード」というものがあり、「地方大会モード」を選択するとその特定エリアで特典を得られるようになってもよい。また、地方大会モードを選択した場合は、そのモードを選択したユーザ同士でチャットなどの交流ができたり、特定エリアに関する特産品や観光スポットに関する情報(観光案内やクーポンなど)を表示してもよい。また地方大会モードを選択したユーザのために、宿泊システムなどを介して所定の宿泊施設や宿泊プランを予約できるようにしてもよく、予約して宿泊することで地域において利用できるクーポンを取得できるようにしてもよい。
【0086】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、有体物および無体物を含む特典は、サーバの管理者だけでなく(図2のケース1)、ゲーム大会の主催者自身や宿泊施設、または特典提供システム5や宿泊システムによって特典を配送または付与することができる(図2のケース2、ケース3)。例えば、NFTの場合には自治体の端末4(特典提供システム5)などからURLをユーザ端末3に送ることもできる。ユーザは、URLにアクセスすることによりNFTを自身のアカウントに対応付けることができる。
【0087】
また、このような本実施形態に係るプログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、ゲーム大会の主催者は自治体行政に限定されず、自治体に活動拠点を置く企業や団体であってもよい。組織形態にかかわりなく人手不足を解消するために、将来にわたって活力のある日本社会を維持し地方創生を推し進めたいと願うことは同じである。
【0088】
〔他の実施形態〕
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本開示、その適用物またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本開示の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0089】
前記実施形態においては、特典付与後にゲーム大会が開始される一例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、ゲーム大会は特典が付与される前に開始されてもよい。以下、ゲーム大会を主催するのが自治体である場合も含めて本開示の他の実施形態について説明する。
【0090】
図5は、情報処理システム1による一連の動作の流れの他の例を示すフローチャートである。このような一連の動作の他の例について以下に説明する。なお、図3を参照して説明した同一の事項についての説明は適宜省略する。
【0091】
まず、受付手段221が、特定エリアの位置または領域に関する特定エリア情報、特典情報および自治体登録情報等を受け付け、自治体登録手段225はこの自治体の登録を行う(ステップSt201)。
【0092】
次に、特定エリア情報に対応する自治体が自治体登録手段225により登録が行われている場合にのみ、記憶手段222は、受け付けた特定エリア情報および特典情報を関連付けて記憶部23に記憶させる(ステップSt202)。
【0093】
そして、特典付与手段223は、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離d1が所定の閾値(第1閾値)の距離以下である場合(図4(a))、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合(図4(b))には(ステップSt203の「YES」)、特定エリア情報に関連付けられている特典をユーザに付与する(ステップSt205)。なお、本実施形態では、特典をユーザに付与する前にゲームが開始される設定になっている(ステップSt204)。他の実施形態として、ゲーム開始後にユーザが特定エリア位置等に到達した場合でも参加特典だけでも付与されるよう設計されてもよい。
他方、距離d1が所定の第1閾値の距離より大きい場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っていない場合には(ステップSt203の「NO」)、そのユーザはゲーム大会に参加しないと判断されたり、あるいは、ゲーム大会に参加できても特典が付与されないケースもあり、特定エリア情報に関連付けられている特典がユーザに付与されることはない。
【0094】
ゲーム開始後もユーザは移動できるため、ユーザの位置upと特定エリア位置等との距離が第2閾値以下であるか判断する(ステップSt206)。第1閾値と第2閾値の関係は上述の通りである。あるいは、ステップSt203と同様の処理が行われてもよい。
ステップSt206で「YES」と判断された場合、送信手段224により、特定エリア情報に基づきゲームの内容を変更するゲーム処理指令を送信される(ステップSt207)。他方、ステップSt206で「NO」と判断された場合、ゲームの内容は変更されない。
【0095】
以上のような処理を行ってゲーム大会は継続する。
【0096】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、コンピュータ(サーバ装置2)を受付手段221と、記憶手段222と、特典付与手段223および自治体登録手段225として機能させ、受付手段221が自治体の端末4から自治体登録情報を受け付けると、自治体登録手段225は自治体の登録を行い、受付手段221が、ゲーム大会が誘致される特定エリアの位置p1または領域Rに関する特定エリア情報および特典情報を受け付けると、特定エリア情報に対応する自治体が自治体登録手段225により登録が行われている場合にのみ、記憶手段222は、受け付けた特定エリア情報および特典情報を関連付けて記憶部23に記憶させ、特典付与手段223は、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合には特定エリア情報に関連付けられている特典をユーザに付与する。
【0097】
<効果>
このような本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法でも、自治体行政にとって効率的に地方創生を実現することができる。
上述したように、ゲーム大会にユーザが参加する場合に所定の特典が付与されることから、地方自治体で開催されるゲーム大会に参加するインセンティブとなる。ゲーム大会を通じてゲームユーザ(ゲーマー)、ゲームファンやゲームユーザのファン、観客が自治体に集い、その地域や周辺地域などで費やされる飲食代、宿泊代、お土産代など、様々な経済的効果が期待できる。またゲーム大会を通して自治体が認知されたり、体験価値を与えたりできる。ひいては地方創生を実現することができる。
さらに、ユーザはゲーム大会が開催される場所、自治体、特典の内容を容易に知ることができる。したがって、政府等が推進する全国旅行支援キャンペーンなどにおいても本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法は有益である。旅行支援などにおいて、宿泊先でゲームの特典、ゲームに利用できるクーポンやNFTが得られるようにしてもよく、このとき、特典提供システム5を宿泊システムとして機能させてもよいのは上述の通りである。
【0098】
また、このような本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、コンピュータ(サーバ装置2)を送信手段224として機能させ、送信手段224は、ゲームをプレイするユーザが所持するユーザ端末3に対してユーザ端末3でゲームに利用されるゲーム処理指令を送信し、ゲーム処理指令によりユーザ端末3で行われるゲームの内容は、特定エリア情報に基づいて決められるようになっていてもよい。
このように、ゲーム開始後にも、自治体に関連させて、ユーザにとってより魅力あるゲーム大会を実行することができる。例えば、ゲームの背景画像を自治体の実際の風景にすることもでき、ゲームキャラクタの姿もご当地キャラや特産品に関連する表示にすることもできる。また、技名やキャラクタ名を自治体に関連した名称にすることもできる。
【0099】
また、このような本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、ゲーム処理指令によりユーザ端末3で行われるゲームの内容は、特定エリア情報における特定エリアの現実空間または仮想空間における位置からユーザの現実空間または仮想空間における位置までの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの現実空間または仮想空間における領域にユーザの現実空間または仮想空間における位置が入っている場合に変化するようになっていてもよい。
このように、ゲーム開始後でも、ユーザの移動に合わせてゲーム内容を変更することができ、仮想空間においてゲーム大会が行われても、未来において地方創生が実現するキーとなる。すなわち、自治体の現実空間に対応する仮想空間において地方自治体の名称、名産品や建物、施設や観光スポットの仮想オブジェクトを配置したり、画像や映像をつかってPRすることができる。仮想空間内においてゲーム大会が行われても、その自治体の名称や観光スポットなどを知ることができ、ゲーム大会開催日に訪問や旅行できなくても、将来その自治体に実際に訪れよう、移住しようというインセンティブを与えることができる。
【0100】
また、このような本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、ゲーム処理指令によりユーザ端末3で行われるゲームの内容は、特定エリア情報における特定エリアの位置p1または領域Rからユーザの位置upまでの距離に基づいて決められるようになっていてもよい。
特定エリア位置等までの距離がより短いユーザに対してより魅力的なゲームを提供できるとすれば、ゲーム大会にユーザをよりコミットさせることができる。また、プレイヤがユーザ(観戦者)に特定エリアにより近い位置に入るように誘ったり、ユーザが他のユーザを誘ったりするなどゲームユーザ同士でのコミュニケーションを活性化することもできる。
【0101】
また、このような本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、変化されるゲームの内容は、ゲームにおける演出およびパラメータのうち少なくとも何れかに関するものである。
このように、ゲームの内容を細かく調整することができる。例えば、ゲームのサウンド効果を変化させたり、ゲームキャラクタのアイテムを自治体にゆかりの民芸品デザインに変化させたり、格闘ゲーム等で特殊技を発動可能に変化させたりする設定としてもよい。また、技名やキャラクタ名を自治体に関連した名称にすることもできる。
この場合にも、その自治体の名称、名産品や観光スポットなどを知ることができ、ゲーム大会を通して自治体などが認知される。また、その地域や周辺地域などで飲食、宿泊、名産品の購入や観光地訪問などに誘導することができ、様々な経済的効果が期待できる。このように、ゲーム大会をきっかけとしてその地域などで体験価値を与えることができ、ひいては地方創生を実現することができる。なお、ゲーム大会時の訪問に限らず、将来その自治体に実際に訪れよう、移住しようというインセンティブを与えることができる。
【0102】
また、このような本実施形態に係るゲーム大会誘致プログラム、コンピュータ(サーバ装置2)および情報処理方法において、特典付与手段223は、特定エリア情報における特定エリアの位置p1からゲームをプレイするユーザの位置upまでの距離が所定の閾値の距離以下である場合、または特定エリア情報における特定エリアの領域Rにユーザの位置upが入っている場合に、ゲームにおいて所定の条件が満たされたユーザに対してのみ、特定エリア情報に関連付けられている特典を付与してもよい。
ゲーム中にゲーム課題をクリアしていくにしたがってレア度の高い特典をさらに得られるとしたら、そのようなゲーム大会が開催される自治体にユーザは自然と集まり、ゲーム大会にユーザをよりコミットさせることができる。
上述したように、ゲーム大会誘致を通じて地方創生という社会課題を実現するために、ゲーム大会の特典に、例えば、以下のことを盛り込むことにより地方自治体のPR活動に貢献できる。
1)ゲームのキャラクタに出身地など土地に関連性が設定されている場合は、その土地である特定エリアにおいてそのキャラクタを使うときはさらなる特典(キャラクタの能力などが向上するなど)があること。これにより、ゲーム大会と自治体との相乗(コラボ)効果が生じる。
2)自治体のご当地キャラなどとのコラボ衣装がもらえること。即ち、その土地での大会ではプレイヤキャラクタの衣装として利用できること。また、大会後も継続利用できること。
3)自治体のPR画像や映像を、ゲームの背景画像や映像など(対戦中や対戦前後)において表示できること。例えば、ゲームのオープニングムービーにおいて、その土地を紹介するようなPR映像が再生されたりする。
このように、本ゲーム大会誘致プログラム等における特典は、ゲームユーザや観戦者がゲーム大会に参加するインセンティブとなるだけでなく、地方自治体の魅力を伝えるPR手段ともなり得るものである。したがって、多種多様な特典が提供され得る。
【0103】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理システム
2 サーバ装置(コンピュータ)
3 ユーザ端末
4 自治体の端末
22 制御部
23 記憶部
221 受付手段
222 記憶手段
223 特典付与手段
224 送信手段
225 自治体登録手段
226 ユーザ登録手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6