(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】収納棚及び配線構造
(51)【国際特許分類】
A47B 97/00 20060101AFI20240527BHJP
A47B 96/02 20060101ALI20240527BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A47B97/00 M
A47B96/02 D
A47B96/02 G
F21V33/00 110
(21)【出願番号】P 2023107851
(22)【出願日】2023-06-30
【審査請求日】2023-10-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】入矢 健二
(72)【発明者】
【氏名】北川 順
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-002101(JP,A)
【文献】特開2009-129578(JP,A)
【文献】特開2019-063263(JP,A)
【文献】特開2018-171134(JP,A)
【文献】特開2007-100476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 97/00
A47B 96/02
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁の表面に沿って配置される収納棚であって、
平面視において前記壁と直交して配置される複数の側面部と、
前記壁の表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部間に架け渡されて設けられた棚板と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置と、を備えており、
前記照明装置は、
前記棚板のうち前記壁側に位置する後端部に設けられた照明器具と、
前記照明器具に電力供給を行うための電源ケーブルと、を有しており、
前記棚板は、当該棚板の後端部に形成されて前記照明器具が収納された収納凹部を有し、前記収納凹部は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部のうち少なくとも一方の側面部は、当該少なくとも一方の側面部の後端部に形成されて前記電源ケーブルが配線されたスペースを有し、前記スペースは、前記少なくとも一方の側面部における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されて
おり、
前記少なくとも一方の側面部の後端部における前記棚板側の面には、前記電源ケーブルが通される開口部が形成され、
前記開口部は、前記棚板の前記収納凹部に面して配置され、かつ、前記スペースと前記収納凹部とを連通していることを特徴とする収納棚。
【請求項2】
壁の表面に沿って配置される収納棚であって、
平面視において前記壁と直交して配置される複数の側面部と、
前記壁の表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部間に架け渡されて設けられた棚板と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置と、を備えており、
前記照明装置は、
前記棚板のうち前記壁側に位置する後端部に設けられた照明器具と、
前記照明器具に電力供給を行うための電源ケーブルと、を有しており、
前記棚板は、当該棚板の後端部に形成されて前記照明器具が収納された収納凹部を有し、前記収納凹部は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部のうち少なくとも一方の側面部は、当該少なくとも一方の側面部の後端部に形成されて前記電源ケーブルが配線されたスペースを有し、前記スペースは、前記少なくとも一方の側面部における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されて
おり、
前記少なくとも一方の側面部は、
前記壁の表面に固定された受部と、
前記受部に固定された側面部本体と、を有していることを特徴とする収納棚。
【請求項3】
請求項
2に記載の収納棚において、
前記側面部本体は、前記壁側に位置する後端部に、平断面視において略コ字状に形成されて前記受部が嵌め込まれる嵌合溝を有していることを特徴とする収納棚。
【請求項4】
請求項
3に記載の収納棚において、
前記受部と前記側面部本体の前記嵌合溝における溝底との間には隙間が形成され、当該隙間が、前記スペースとされていることを特徴とする収納棚。
【請求項5】
請求項
4に記載の収納棚において、
前記照明装置は、前記照明器具に電力供給を行うための電源装置を有し、前記電源ケーブルは、前記電源装置と前記照明器具とを接続しており、
前記電源装置は、前記受部と共に前記嵌合溝の内側に配置され、
前記少なくとも一方の側面部の後端部における前記棚板側の面には、前記電源ケーブルが通される開口部が形成され、
前記開口部は、前記棚板の前記収納凹部に面して配置され、かつ、前記スペースと前記収納凹部とを連通していることを特徴とする収納棚。
【請求項6】
壁の表面に沿って配置される収納棚であって、
平面視において前記壁と直交して配置される複数の側面部と、
前記壁の表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部間に架け渡されて設けられた棚板と、
前記複数の側面部間に架け渡されて設けられた天板又は地板と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置と、を備えており、
前記照明装置は、
前記棚板のうち前記壁側に位置する後端部に設けられた照明器具と、
前記照明器具に電力供給を行うための電源ケーブルと、
前記照明器具に電力供給を行うための電源装置と、を有し
、前記電源ケーブルは、前記電源装置と前記照明器具とを接続しており、
前記棚板は、当該棚板の後端部に形成されて前記照明器具が収納された収納凹部を有し、前記収納凹部は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部のうち少なくとも一方の側面部は、当該少なくとも一方の側面部の後端部に形成されて前記電源ケーブルが配線されたスペースを有し、前記スペースは、前記少なくとも一方の側面部における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されて
おり、
前記天板又は前記地板は、
前記壁の表面に固定された受部と、
前記受部に固定された天板本体又は地板本体と、を有しており、
前記天板本体又は前記地板本体は、当該天板本体又は地板本体の後端部に、側面からの断面視において略コ字状に形成されて前記電源装置が収納された電源収納凹部を有し、
前記少なくとも一方の側面部の後端部における前記天板側又は前記地板側の面には、前記電源ケーブルが通される開口部が形成され、
前記開口部は、前記電源収納凹部に面して配置され、かつ、前記スペースと前記電源収納凹部とを連通していることを特徴とする収納棚。
【請求項7】
壁の表面に沿って配置される収納棚であって、
平面視において前記壁と直交して配置される複数の側面部と、
前記壁の表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部間に架け渡されて設けられた棚板と、
前記複数の側面部間に架け渡されて設けられた背板と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置と、を備えており、
前記照明装置は、
前記棚板のうち前記壁側に位置する後端部に設けられた照明器具と、
前記照明器具に電力供給を行うための電源ケーブルと、を有しており、
前記棚板は、当該棚板の後端部に形成されて前記照明器具が収納された収納凹部を有し、前記収納凹部は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部のうち少なくとも一方の側面部は、当該少なくとも一方の側面部の後端部に形成されて前記電源ケーブルが配線されたスペースを有し、前記スペースは、前記少なくとも一方の側面部における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されて
おり、
前記複数の側面部は、平面視において前記背板と直交して配置されているとともに固定され、
前記棚板は、前記背板の表面から離間して配置されていることを特徴とする収納棚。
【請求項8】
壁の表面に沿って配置される収納棚であって、
平面視において前記壁と直交して配置される複数の側面部と、
前記壁の表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部間に架け渡されて設けられた棚板と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置と、を備えており、
複数の前記棚板が、前記複数の側面部間に架け渡されて設けられており、
前記照明装置は、
前記棚板のうち前記壁側に位置する後端部に設けられた照明器具と、
前記照明器具に電力供給を行うための電源装置と、
前記電源装置と前記照明器具とを接続し、前記照明器具に電力供給を行うための電源ケーブルと、を有しており、
前記棚板は、当該棚板の後端部に形成されて前記照明器具が収納された収納凹部を有し、前記収納凹部は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部のうち少なくとも一方の側面部は、当該少なくとも一方の側面部の後端部に形成されて前記電源ケーブルが配線されたスペースを有し、前記スペースは、前記少なくとも一方の側面部における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されて
おり、
前記照明器具は、複数の前記棚板のうち少なくとも一つの棚板における前記収納凹部に収納され、
前記電源装置は、複数の前記棚板のうちいずれか一つの棚板における前記収納凹部に収納され、
前記少なくとも一方の側面部の後端部における前記いずれか一つの棚板側の面には、前記電源ケーブルが通される開口部が形成され、
前記開口部は、前記いずれか一つの棚板における前記収納凹部に面して配置され、かつ、前記スペースと前記収納凹部とを連通していることを特徴とする収納棚。
【請求項9】
請求項1
から8のいずれか一項に記載の収納棚において、
前記棚板は、
前記複数の側面部における前記棚板側の面のそれぞれに固定された受部と、
前記受部によって受けられて当該受部に固定された棚板本体と、を有しており、
前記収納凹部は、前記棚板本体の後端部に形成されていることを特徴とする収納棚。
【請求項10】
請求項
9に記載の収納棚において、
前記棚板本体は、幅方向両側端部に、正面からの断面視において略コ字状に形成されて前記受部が嵌め込まれる嵌合溝を有していることを特徴とする収納棚。
【請求項11】
請求項1
から8のいずれか一項に記載の収納棚において、
前記照明器具のうち前記棚板側の端部にはマグネットが設けられ、
前記収納凹部には、前記マグネットが吸着する金属板が設けられていることを特徴とする収納棚。
【請求項12】
請求項1に記載の収納棚に備えられ、
前記照明装置における電力供給のための電源ケーブルの配線構造であって、
前
記少なくとも一方の側面部の後端部における前記棚板側の面には、前記電源ケーブルが通される
前記開口部が
複数形成され、
複数の前
記開口部のうち一の開口部は、前記棚板の前記収納凹部に面して配置され、かつ、前記スペースと前記収納凹部とを連通しており、
前記電源ケーブルは、前記一の開口部から前記収納凹部に配線されて、前記照明器具に接続されていることを特徴とする配線構造。
【請求項13】
請求項
12に記載の配線構造において、
前記照明装置は、前記照明器具に電力供給を行うための電源装置を更に有しており、
前記電源ケーブルは、前記電源装置と前記照明器具とを接続しており、
複数の前
記開口部には、前記一の開口部とは異なる高さ位置に形成された他の開口部が含まれており、
前記電源装置から伸びる前記電源ケーブルは、前記他の開口部を通じて前記スペース内に配線され、さらに、前記一の開口部を通じて前記収納凹部に配線されて前記照明器具に接続されていることを特徴とする配線構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納棚及び配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収納空間を上下に区画する棚板の後端面に、後方に向かって光を照射する照明装置を取り付けて、収納空間の奥側の面を照らすようにした技術が知られている。
特許文献1に記載の棚板装置は、棚板本体を、後端面が収納空間の奥側面から離間するように配置し、後端面の略全幅に亘って照明装置を取り付けた構成となっている。これにより、棚板本体の略全幅から収納空間の奥側面に向かって照明装置の光を効果的に照射でき、さらに見栄えを向上できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の棚板装置において、照明装置に給電するための電源ケーブルは、照明本体部を保持する収納凹所に設けられた配線収納凹所に収納されている。また、電源ケーブルのうち棚板装置からはみ出ている部分は、収納空間の奥側面や棚板本体の左右にある内壁に配線されている。
ところが、電源ケーブルのはみ出ている部分が、収納空間の奥側面や左右の内壁における表面に配線されていると、電源ケーブルが露出することになり見栄えが良くない。また、電源ケーブルのはみ出ている部分が、収納空間の奥側面や左右の内壁における裏側に配線されていると、メンテナンスが困難となる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、収納棚における棚板の後端面に照明装置を設ける場合に、給電用の電源ケーブルを表面側から見えないようにして収納棚の見栄えを良くするとともに、照明装置に関するメンテナンスを容易に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば
図1~
図9に示すように、壁Wの表面に沿って配置される収納棚1であって、
平面視において前記壁Wと直交して配置される複数の側面部2(側板2)と、
前記壁Wの表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられた棚板3と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置6と、を備えており、
前記照明装置6は、
前記棚板3のうち前記壁W側に位置する後端部に設けられた照明器具64,65と、
前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63と、を有しており、
前記棚板3は、当該棚板3の後端部に形成されて前記照明器具64,65が収納された収納凹部37を有し、前記収納凹部37は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部2のうち少なくとも一方の側面部2は、当該少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されて前記電源ケーブル63が配線されたスペース27(配線スペース27)を有し、前記スペース27は、前記少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されて
おり、
前記少なくとも一方の側面部2の後端部における前記棚板3側の面には、前記電源ケーブル63が通される開口部26c(26d,26e)が形成され、
前記開口部26c(26d,26e)は、前記棚板3の前記収納凹部37に面して配置され、かつ、前記スペース27と前記収納凹部37とを連通していることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27は、少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されているので、このスペース27に通された電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部の上下方向に沿って配線することができる。また、棚板3の後端部に形成された収納凹部37には、照明器具64,65が収納されているので、照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27から照明器具64,65に取り回しやすい。そのため、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えにくくすることができ、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
さらに、照明器具64,65は、壁Wの表面から離間して配置された棚板3の後端部に形成された収納凹部37に配置され、電源ケーブル63は、壁Wと直交して配置される少なくとも一方の側面部2における後端部に形成されたスペース27内に配線されているので、たとえ主電源が天井裏や床下、壁裏などの裏側部分に隠されていたとしても、照明装置6は、その多くの部分が、壁Wの表面の前方側に配置されていることとなる。そのため、照明装置6に関するメンテナンスを行う場合には、ほとんどの作業を壁Wの表側で行うことができるので、照明装置6に関するメンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
また、少なくとも一方の側面部2の後端部における棚板3側の面に形成された開口部26c(26d,26e)は、棚板3の収納凹部37に面して配置され、かつ、スペース27と収納凹部37とを連通しているので、電源ケーブル63を、開口部26c(26d,26e)を通じて、スペース27から収納凹部37に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0010】
請求項
9に記載の発明は、例えば
図1~
図3等に示すように、請求項1
から8のいずれか一項に記載の収納棚1において、
前記棚板3は、
前記複数の側面部2における前記棚板3側の面のそれぞれに固定された受部31と、
前記受部31によって受けられて当該受部31に固定された棚板本体32と、を有しており、
前記収納凹部37は、前記棚板本体32の後端部に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項9に記載の発明によれば、受部31は、複数の側面部2における棚板3側の面のそれぞれに固定され、収納凹部37は、受部31によって受けられて当該受部31に固定された棚板本体32の後端部に形成されているので、複数の側面部2に対する棚板本体32の固定箇所とは異なる位置で、照明器具64,65の収納と電源ケーブル63の配線を行うことができる。そのため、照明装置6に関するメンテナンス作業を行いやすくなる。
【0012】
請求項
10に記載の発明は、例えば
図1~
図3等に示すように、請求項
9に記載の収納棚1において、
前記棚板本体32は、幅方向両側端部に、正面からの断面視において略コ字状に形成されて前記受部31が嵌め込まれる嵌合溝33を有していることを特徴とする。
【0013】
請求項10に記載の発明によれば、棚板本体32は、幅方向両側端部に、正面からの断面視において略コ字状に形成されて受部31が嵌め込まれる嵌合溝33を有しているので、受部31が嵌合溝33に嵌め込まれた状態となるようにして、棚板本体32を、複数の側面部2間に架け渡して設けることができる。これにより、例えば受部31の上面に棚板本体32が載せられて設けられる場合とは異なり、受部31を隠すことができるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0014】
請求項
2に記載の発明は、例えば
図1~
図4等に示すように、
壁Wの表面に沿って配置される収納棚1であって、
平面視において前記壁Wと直交して配置される複数の側面部2(側板2)と、
前記壁Wの表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられた棚板3と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置6と、を備えており、
前記照明装置6は、
前記棚板3のうち前記壁W側に位置する後端部に設けられた照明器具64,65と、
前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63と、を有しており、
前記棚板3は、当該棚板3の後端部に形成されて前記照明器具64,65が収納された収納凹部37を有し、前記収納凹部37は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部2のうち少なくとも一方の側面部2は、当該少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されて前記電源ケーブル63が配線されたスペース27(配線スペース27)を有し、前記スペース27は、前記少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されており、
前記少なくとも一方の側面部2は、
前記壁Wの表面に固定された受部21と、
前記受部21に固定された側面部本体22(側板本体22)と、を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27は、少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されているので、このスペース27に通された電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部の上下方向に沿って配線することができる。また、棚板3の後端部に形成された収納凹部37には、照明器具64,65が収納されているので、照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27から照明器具64,65に取り回しやすい。そのため、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えにくくすることができ、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
さらに、照明器具64,65は、壁Wの表面から離間して配置された棚板3の後端部に形成された収納凹部37に配置され、電源ケーブル63は、壁Wと直交して配置される少なくとも一方の側面部2における後端部に形成されたスペース27内に配線されているので、たとえ主電源が天井裏や床下、壁裏などの裏側部分に隠されていたとしても、照明装置6は、その多くの部分が、壁Wの表面の前方側に配置されていることとなる。そのため、照明装置6に関するメンテナンスを行う場合には、ほとんどの作業を壁Wの表側で行うことができるので、照明装置6に関するメンテナンスを容易に行うことができる。
また、受部21が、壁Wの表面に固定され、側面部本体22が、受部21に固定されているので、収納棚1全体を、壁Wの表面に固定した壁付けの状態にすることができる。
【0016】
請求項
3に記載の発明は、例えば
図1~
図4等に示すように、請求項
2に記載の収納棚1において、
前記側面部本体22は、前記壁W側に位置する後端部に、平断面視において略コ字状に形成されて前記受部21が嵌め込まれる嵌合溝23を有していることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、側面部本体22は、壁W側に位置する後端部に、平断面視において略コ字状に形成されて受部21が嵌め込まれる嵌合溝23を有しているので、受部21が嵌合溝23に嵌め込まれた状態となるようにして、側面部本体22を、壁Wの表面に設けることができる。これにより、受部21を隠すことができるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0018】
請求項
4に記載の発明は、例えば
図1~
図4,
図7~
図9に示すように、請求項
3に記載の収納棚1において、
前記受部21と前記側面部本体22の前記嵌合溝23における溝底との間には隙間27が形成され、当該隙間27が、前記スペース27とされていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、受部21と側面部本体22の嵌合溝23における溝底との間には隙間27が形成され、当該隙間27が、電源ケーブル63が配線されたスペース27とされているので、受部21を嵌合溝23に嵌め込んだ状態とし、側面部本体22を受部21に固定するのと同時に、受部21と嵌合溝23における溝底との間に、スペース27を、手間なく容易に形成することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の収納棚1において、
前記照明装置6は、前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源装置62を有し、前記電源ケーブル63は、前記電源装置62と前記照明器具64,65とを接続しており、
前記電源装置62は、前記受部21と共に前記嵌合溝23の内側に配置され、
前記少なくとも一方の側面部2の後端部における前記棚板3側の面には、前記電源ケーブル63が通される開口部26c(26d,26e)が形成され、
前記開口部26c(26d,26e)は、前記棚板3の前記収納凹部37に面して配置され、かつ、前記スペース27と前記収納凹部37とを連通していることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、電源装置62は、受部21と共に嵌合溝23の内側に配置され、少なくとも一方の側面部2の後端部における棚板3側の面に、電源ケーブル63が通される開口部26c(26d,26e)が形成され、開口部26c(26d,26e)は、棚板3の収納凹部37に面して配置され、かつ、スペース27と収納凹部37とを連通しているので、嵌合溝23の内側に配置された電源装置62と棚板3の収納凹部37に収納された照明器具64,65とを接続する電源ケーブル63を、開口部26c(26d,26e)を通じて、スペース27から収納凹部37に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0022】
請求項
6に記載の発明は、例えば
図1,図2,図4等に示すように、
壁Wの表面に沿って配置される収納棚1であって、
平面視において前記壁Wと直交して配置される複数の側面部2(側板2)と、
前記壁Wの表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられた棚板3と、
前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられた天板5又は地板4
と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置6と、を備えており、
前記照明装置6は、
前記棚板3のうち前記壁W側に位置する後端部に設けられた照明器具64,65と、
前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63と、
前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源装置62
と、を有し、前記電源ケーブル63は、前記電源装置62と前記照明器具64,65とを接続しており、
前記棚板3は、当該棚板3の後端部に形成されて前記照明器具64,65が収納された収納凹部37を有し、前記収納凹部37は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部2のうち少なくとも一方の側面部2は、当該少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されて前記電源ケーブル63が配線されたスペース27(配線スペース27)を有し、前記スペース27は、前記少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されており、
前記天板5又は前記地板4は、
前記壁Wの表面に固定された受部51b,41と、
前記受部51b,41に固定された天板本体52又は地板本体42と、を有しており、
前記天板本体52又は前記地板本体42は、当該天板本体52又は地板本体42の後端部に、側面からの断面視において略コ字状に形成されて前記電源装置62が収納された電源収納凹部57を有し、
前記少なくとも一方の側面部2の後端部における前記天板5側又は前記地板4側の面には、前記電源ケーブル63が通される開口部26bが形成され、
前記開口部26bは、前記電源収納凹部57に面して配置され、かつ、前記スペース27と前記電源収納凹部57とを連通していることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27は、少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されているので、このスペース27に通された電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部の上下方向に沿って配線することができる。また、棚板3の後端部に形成された収納凹部37には、照明器具64,65が収納されているので、照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27から照明器具64,65に取り回しやすい。そのため、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えにくくすることができ、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
さらに、照明器具64,65は、壁Wの表面から離間して配置された棚板3の後端部に形成された収納凹部37に配置され、電源ケーブル63は、壁Wと直交して配置される少なくとも一方の側面部2における後端部に形成されたスペース27内に配線されているので、たとえ主電源が天井裏や床下、壁裏などの裏側部分に隠されていたとしても、照明装置6は、その多くの部分が、壁Wの表面の前方側に配置されていることとなる。そのため、照明装置6に関するメンテナンスを行う場合には、ほとんどの作業を壁Wの表側で行うことができるので、照明装置6に関するメンテナンスを容易に行うことができる。
また、少なくとも一方の側面部2の後端部における天板5側又は地板4側の面に形成された開口部26bは、電源収納凹部57に面して配置され、かつ、スペース27と電源収納凹部57とを連通しているので、電源ケーブル63を、開口部26bを通じて、電源収納凹部57からスペース27に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0024】
請求項
7に記載の発明は、例えば
図7~
図9に示すように、
壁Wの表面に沿って配置される収納棚1A,1B,1C
であって、
平面視において前記壁Wと直交して配置される複数の側面部2(側板2)と、
前記壁Wの表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられた棚板3と、
前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられた背板7,8,9
と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置6と、を備えており、
前記照明装置6は、
前記棚板3のうち前記壁W側に位置する後端部に設けられた照明器具64,65と、
前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63と、を有しており、
前記棚板3は、当該棚板3の後端部に形成されて前記照明器具64,65が収納された収納凹部37を有し、前記収納凹部37は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部2のうち少なくとも一方の側面部2は、当該少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されて前記電源ケーブル63が配線されたスペース27(配線スペース27)を有し、前記スペース27は、前記少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されており、
前記複数の側面部2は、平面視において前記背板7,8,9と直交して配置されているとともに固定され、
前記棚板3は、前記背板7,8,9の表面から離間して配置されていることを特徴とする。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27は、少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されているので、このスペース27に通された電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部の上下方向に沿って配線することができる。また、棚板3の後端部に形成された収納凹部37には、照明器具64,65が収納されているので、照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27から照明器具64,65に取り回しやすい。そのため、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えにくくすることができ、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
さらに、照明器具64,65は、壁Wの表面から離間して配置された棚板3の後端部に形成された収納凹部37に配置され、電源ケーブル63は、壁Wと直交して配置される少なくとも一方の側面部2における後端部に形成されたスペース27内に配線されているので、たとえ主電源が天井裏や床下、壁裏などの裏側部分に隠されていたとしても、照明装置6は、その多くの部分が、壁Wの表面の前方側に配置されていることとなる。そのため、照明装置6に関するメンテナンスを行う場合には、ほとんどの作業を壁Wの表側で行うことができるので、照明装置6に関するメンテナンスを容易に行うことができる。
また、複数の側面部2間に架け渡されて設けられた背板7,8,9を備え、複数の側面部2は、平面視において背板7,8,9と直交して配置されているとともに固定されているので、収納棚1A,1B,1Cは、平面視において略コ字状に形成される。そのため、収納棚1A,1B,1Cは、一つの家具として、自立した状態で床F上に据え置くことが可能となる。
【0026】
請求項11に記載の発明は、例えば
図5に示すように、請求項1
から7のいずれか一項に記載の収納棚1において、
前記照明器具64,65のうち前記棚板3側の端部にはマグネットMGが設けられ、
前記収納凹部37には、前記マグネットMGが吸着する金属板SP(薄鋼板SP)が設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、照明器具64,65のうち棚板3側の端部にはマグネットMGが設けられ、収納凹部37には、マグネットMGが吸着する金属板SPが設けられているので、照明器具64,65を、マグネットMGの磁力によって、収納凹部37の溝底に取り付けることができる。すなわち、照明器具64,65は、収納凹部37の溝底に対して着脱自在の状態となっている。これにより、照明器具64,65のメンテナンスを行う場合は、特別な工具等を用いることなく、棚板3と壁Wとの間の隙間を通じて、照明器具64,65を容易に着脱できるので、照明器具64,65のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0028】
請求項
8に記載の発明は、例えば
図1~
図3,
図6等に示すように、
壁Wの表面に沿って配置される収納棚1であって、
平面視において前記壁Wと直交して配置される複数の側面部2(側板2)と、
前記壁Wの表面から離間して配置されるとともに、前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられた棚板3と、
後方に光を照射して間接照明として用いられる照明装置6と、を備えており、
複数の前記棚板3が、前記複数の側面部2間に架け渡されて設けられており、
前記照明装置6は、
前記棚板3のうち前記壁W側に位置する後端部に設けられた照明器具64,65と、
前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源装置62と、
前記電源装置62と前記照明器具64,65とを接続し、前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63と、を有しており、
前記棚板3は、当該棚板3の後端部に形成されて前記照明器具64,65が収納された収納凹部37を有し、前記収納凹部37は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、
前記複数の側面部2のうち少なくとも一方の側面部2は、当該少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されて前記電源ケーブル63が配線されたスペース27(配線スペース27)を有し、前記スペース27は、前記少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されており、
前記照明器具64,65は、複数の前記棚板3のうち少なくとも一つの棚板3における前記収納凹部37に収納され、
前記電源装置62は、複数の前記棚板3のうちいずれか一つの棚板3における前記収納凹部37に収納され、
前記少なくとも一方の側面部2の後端部における前記いずれか一つの棚板3側の面には、前記電源ケーブル63が通される開口部26c(26d,26e)が形成され、
前記開口部26c(26d,26e)は、前記いずれか一つの棚板3における前記収納凹部37に面して配置され、かつ、前記スペース27と前記収納凹部37とを連通していることを特徴とする。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27は、少なくとも一方の側面部2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されているので、このスペース27に通された電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部の上下方向に沿って配線することができる。また、棚板3の後端部に形成された収納凹部37には、照明器具64,65が収納されているので、照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部2の後端部に形成されたスペース27から照明器具64,65に取り回しやすい。そのため、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えにくくすることができ、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
さらに、照明器具64,65は、壁Wの表面から離間して配置された棚板3の後端部に形成された収納凹部37に配置され、電源ケーブル63は、壁Wと直交して配置される少なくとも一方の側面部2における後端部に形成されたスペース27内に配線されているので、たとえ主電源が天井裏や床下、壁裏などの裏側部分に隠されていたとしても、照明装置6は、その多くの部分が、壁Wの表面の前方側に配置されていることとなる。そのため、照明装置6に関するメンテナンスを行う場合には、ほとんどの作業を壁Wの表側で行うことができるので、照明装置6に関するメンテナンスを容易に行うことができる。
また、複数の棚板3が、複数の側面部2間に架け渡されて設けられており、照明器具64,65は、複数の棚板3のうち少なくとも一つの棚板3における収納凹部37に収納されているので、複数の棚板3のうち少なくとも一つ以上の棚板3における収納凹部37に対して選択的に照明器具64,65を収納することができる。
また、電源装置62は、複数の棚板3のうちいずれか一つの棚板3における収納凹部37に収納され、少なくとも一方の側面部2の後端部におけるいずれか一つの棚板3側の面には、電源ケーブル63が通される開口部26c(26d,26e)が形成され、開口部26c(26d,26e)は、いずれか一つの棚板3における収納凹部37に面して配置され、かつ、スペース27と収納凹部37とを連通しているので、いずれか一つの棚板3における収納凹部37に収納されている電源装置62から伸びる電源ケーブル63を、開口部26c(26d,26e)を通じて、収納凹部37からスペース27に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0032】
請求項
12に記載の発明は、例えば
図1~
図9に示すように、
請求項1に記載の収納棚1に備えられ、
前記照明装置6における電力供給のための電源ケーブル63の配線構造であって、
前
記少なくとも一方の側面部2の後端部における前記棚板3側の面には、前記電源ケーブル63が通される
前記開口部26b~26eが
複数形成され、
複数の前
記開口部26b~26eのうち一の開口部26c(26d,26e)は、前記棚板3の前記収納凹部37に面して配置され、かつ、前記スペース27と前記収納凹部37とを連通しており、
前記電源ケーブル63は、前記一の開口部26c(26d,26e)から前記収納凹部37に配線されて、前記照明器具64,65に接続されていることを特徴とする。
【0033】
請求項12に記載の発明によれば、少なくとも一方の側面部2の後端部における棚板3側の面に形成された複数の開口部26b~26eのうち一の開口部26c(26d,26e)は、棚板3の収納凹部37に面して配置され、かつ、スペース27と収納凹部37とを連通しており、電源ケーブル63は、一の開口部26c(26d,26e)から収納凹部37に配線されて、照明器具64,65に接続されているので、スペース27から一の開口部26c(26d,26e)を通じて収納凹部37に配線された電源ケーブル63を、収納棚1の正面側からは見えにくい位置で、照明器具64,65に接続することができる。これにより、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0034】
請求項
13に記載の発明は、例えば
図1~
図4等に示すように、請求項
12に記載の配線構造において、
前記照明装置6は、前記照明器具64,65に電力供給を行うための電源装置62を更に有しており、
前記電源ケーブル63は、前記電源装置62と前記照明器具64,65とを接続しており、
複数の前
記開口部26b~26eには、前記一の開口部26cとは異なる高さ位置に形成された他の開口部26bが含まれており、
前記電源装置62から伸びる前記電源ケーブル63は、前記他の開口部26bを通じて前記スペース27内に配線され、さらに、前記一の開口部26cを通じて前記収納凹部37に配線されて前記照明器具64,65に接続されていることを特徴とする。
【0035】
請求項13に記載の発明によれば、複数の開口部26b~26eには、一の開口部26cとは異なる高さ位置に形成された他の開口部26bが含まれており、電源装置62から伸びる電源ケーブル63は、他の開口部26bを通じてスペース27内に配線され、さらに、一の開口部26cを通じて収納凹部37に配線されて照明器具64,65に接続されているので、電源装置62から伸びる電源ケーブル63を、他の開口部26bを通じて、電源収納凹部57からスペース27に向かって直接配線することができる。さらに、電源収納凹部57からスペース27に向かって配線された電源ケーブル63を、スペース27から一の開口部26cを通じて収納凹部37に直接配線することができる。すなわち、電源装置62と照明器具64,65とを、電源収納凹部57からスペース27を介して収納凹部37に配線された電源ケーブル63によって確実に接続することができる。これにより、電源装置62と照明器具64,65とを接続する電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、収納棚における棚板の後端面に照明装置を設ける場合に、給電用の電源ケーブルを表面側から見えないようにして収納棚の見栄えを良くするとともに、照明装置に関するメンテナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】収納棚及び照明装置の配線構造を説明するための斜視図である。
【
図2】収納棚及び照明装置の配線構造を説明するための断面図である。
【
図3】棚板を概略的に示した
図2におけるIII-III線断面図である。
【
図4】天板を概略的に示した
図2におけるIV-IV線端面図である。
【
図5】照明器具の取付構造を説明するための断面図である。
【
図6】照明装置の配線構造における他の例を説明するための概略図である。
【
図7】背板を備えた収納棚を説明するための、棚板を省略した平断面図である。
【
図8】背板を備えた収納棚を説明するための、棚板を省略した平断面図である。
【
図9】背板を備えた収納棚を説明するための、棚板を省略した平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方向は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
【0039】
図1等において符号1は、収納棚を示す。この収納棚1は、部屋の壁Wに固定されている。また、本実施形態における収納棚1は、部屋の床Fと天井Cとの間に亘って設けられている。つまり、収納棚1は、部屋の天井高と等しい上下寸法に設定されている。
そして、本実施形態の収納棚1は、複数の側板2と、複数の棚板3と、地板4と、天板5と、照明装置6と、を備えている。
なお、本実施形態においては、棚板3は、上下二段(二枚)とされている。つまり、各棚板3の上と地板4の上の、計三つのスペースが収納スペースとされている。ただし、棚板3の数は、これに限られるものではなく、一つ(一枚)でもよいし、三つ(三枚)以上でもよい。
【0040】
<複数の側板について>
側板2は、棚板3が架け渡されて設けられる収納棚1の側面部を構成するものであり、
図1~
図4に示すように、本実施形態においては複数用いられている。これら複数の側板2は、左右に間隔を空けて、かつ、壁Wと直交して配置されている。すなわち、壁Wの壁面(表面)から部屋の中央側に向かって突出するように配置されている。
なお、複数の側板2間における間隔寸法は、棚板3の長さ寸法(左右方向の寸法:幅寸法)と略等しいか、ごく僅かに長く設定されている。
【0041】
また、側板2は、コア材の一部として軽量基材を備えたフラッシュ構造とされており、同サイズの木製棚板に比して軽量である。
このような側板2は、壁Wに取り付けられる受部21と、この受部21に対して固定されるフラッシュ構造の棚板本体22と、を基本構造としている。
【0042】
受部21は、本実施形態においては、例えばLVL(Laminated Veneer Lumber:単層積層材)や角材からなる長尺な桟材であり、床Fに対して垂直な方向(鉛直)に配置されるとともに壁Wに固定されている。
このような受部21は、釘やビス等の固定具によって壁Wに固定されている。また、接着剤が併用されてもよい。受部21のうち、固定具が設けられる位置は、固定具の頭部が飛び出さないように座掘加工されていてもよい。
なお、本実施形態の受部21は、床Fと天井Cとの間に亘る長さの一本の桟材によって構成されているものとするが、これに限られるものではなく、複数本の桟材によって構成されているものとしてもよい。
【0043】
側板本体22の後端部には、壁Wに取り付けられた受部21が嵌め込まれる嵌合溝23が形成されている。嵌合溝23は、平面視において凹型(コ字状)に形成されており、後方に向かって開放されている。また、本実施形態の嵌合溝23は、上方及び下方にも開放された状態となっているが、これに限られるものではなく、上方と下方は閉塞されていてもよい。
なお、側板本体22の後端部は、壁Wに固定された受部21が嵌合溝23に嵌合した状態で、接着剤により受部21に固定されている。ただし、これに限られるものではなく、側板本体22の後端部は、壁Wに固定された受部21が嵌合溝23に嵌合した状態で、ビス等の固定具により側面から受部21に固定されてもよい。このようにビス等の固定具による固定とした場合には、収納棚1の移設が可能となる。
【0044】
側板本体22は、コア材と、コア材を被覆する化粧板26と、を備えている。換言すれば、側板本体22は、表面の大部分が化粧板26によって被覆されており、この化粧板26によって被覆された部分が、コア材とされている。
【0045】
化粧板26は、例えばMDF(medium density fiberboard:中密度繊維板)製の下地板材の表面に化粧シートが貼り付けられたものである。
下地板材は、MDF製であるとしたが、これに限られるものではなく、その他のファイバーボード、木質ボード等を用いてもよい。
化粧シートには、例えば木目等の模様が施されてもよいし、無地であってもよい。
このような化粧板26は、コア材に取り付けられることにより、側板本体22の後端部における嵌合溝23を構成している。
より詳細に説明すると、化粧板26は、コア材の前端面に貼り付けられているとともに、コア材における左右の側面のそれぞれに対して、コア材よりも後方(壁W側に向かう方向)に突出するようにして貼り付けられている。そして、左右それぞれの化粧板26における後方に突出する端部と、コア材の後端面と、によって嵌合溝23が構成されている。
【0046】
コア材には、軽量基材24と、固定下地材25と、が含まれている。
軽量基材24は、木材よりも軽量であり、紙材がハニカム状に形成されたペーパーハニカムによって構成されている。
また、軽量基材24としては、ペーパーハニカム以外にも、プラスチック板がハニカム状に形成されたプラスチックハニカム、発泡ウレタンや発泡スチロールを直方体状に形成したもの等を用いることが可能である。
【0047】
固定下地材25は、棚板3のうち、後述する受部31が固定される下地材である。このような固定下地材25は、例えばLVLや角材からなる芯材であり、軽量基材24における前端部の二か所と後端部の一か所の、計三か所に間隔を空けて配置されている。
前端部二か所の固定下地材25は、コア材における最も前端部分に位置する固定下地材25と、最も前端の固定下地材25と間隔を空けつつコア材のうち前方寄りに配置された固定下地材25と、を含んでいる。説明の便宜上、以下の説明では、三か所の固定下地材25のうち最も前方を第一固定下地材25aとし、前から二番目を第二固定下地材25bとし、最も後方を第三固定下地材25cとする。
第三固定下地材25cは、嵌合溝23における溝底を構成している。すなわち、嵌合溝23は、第三固定下地材25cにおける壁W側の面と、化粧板26のうち第三固定下地材25cよりも壁W側に突出した部分の内側面と、によって形成されている。
なお、これら複数の固定下地材25は、側板2の長さ方向に亘って配置されている。そのため、側板2の芯材(骨組み)としても機能する。
【0048】
軽量基材24は、上記の計三か所に配置された固定下地材25間にそれぞれ配置されている。したがって、軽量基材24は、前方寄りの一か所と、後方寄りの一か所と、に配置されている。そして、軽量基材24と各固定下地材25は接着剤によって接合されることによってコア材が形成されている。
このようなコア材の前端面に、化粧板26の前板が接着され、コア材の左右側面に、化粧板26の左右側板がそれぞれ接着された状態となっていて、これにより、側板本体22が構成されている。
【0049】
本実施形態においては、受部21の突出寸法は、嵌合溝23の溝深さ寸法(奥行寸法:前後方向の寸法)よりも短く設定されていて、受部21の突出方向側端面は、嵌合溝23の溝底(第三固定下地材25cの後端面)に到達しない。これにより、受部21の突出方向側端面と嵌合溝23の溝底面との間には、隙間27が形成された状態となっている。
隙間27は、照明装置6における各電線(電源線61、電源ケーブル63、延長用の電源ケーブル63)が通されるスペース27(以下、配線スペース27)とされており、側板2の上端部から下端部に亘って形成されている。つまり、照明装置6における各電線を、側板2の上端部から下端部まで配線することができる。
なお、配線スペース27には、上記の各電線だけでなく、例えばセンサー等のデバイスやパイプ等を通してもよい。
【0050】
<複数の棚板について>
続いて、棚板3は、
図1~
図3に示すように、床F及び天井Cから間隔を空けて配置されるとともに、左右の側板2間に架け渡されて設けられるものであり、上面に、物品が載せられて収納される。つまり、棚板3の上方は、収納スペースとされている。棚板3は、本実施形態においては複数用いられており、これら複数の棚板3は、上下に間隔を空けて配置されている。
また、これら複数の棚板3の後端部は、壁Wの壁面と間隔を空けて配置されている。つまり、棚板3は、壁Wの壁面(表面)から離間し、隙間が形成された状態で配置されている。そして、棚板3の後端面には、照明装置6における照明器具64,65が設けられている。棚板3の後端部と壁Wとの間の隙間は、少なくとも照明器具64,65が通過できる程度の寸法に設定されているものとする。
【0051】
また、棚板3は、側板2と同様、コア材の一部として軽量基材を備えたフラッシュ構造とされており、同サイズの木製棚板に比して軽量である。
このような棚板3は、複数の側板2に取り付けられる複数の受部31と、これら複数の受部31間に架け渡されて固定されるフラッシュ構造の棚板本体32と、を基本構造としている。
【0052】
受部31は、上記の側板2における受部21と同様の桟材であり、水平に配置されるとともに、側板2の側面に接した状態で、側板2の固定下地材25(第二固定下地材25b及び第三固定下地材25c)に固定されている。
このような受部31は、釘やビス等の固定具を、側板2の固定下地材25b,25cに向かって打ち込むことで固定下地材25b,25cに固定されている。また、接着剤が併用されてもよい。受部31のうち、固定具が設けられる位置は、固定具の頭部が飛び出さないように座掘加工されていてもよい。
なお、この受部31の長さ寸法は、側板2における前後方向の寸法よりも短く設定されている。また、この受部31の前端部は、側板2における複数の固定下地材25のうち最も前方に位置する第一固定下地材25aに達しない位置に配置されている。さらに、この受部31の後端部は、側板2における複数の固定下地材25のうち最も後方に位置する第三固定下地材25cよりも大きく後方に突出しない位置に配置されている。
【0053】
棚板本体32の左右両端部には、側板2に取り付けられた受部31が嵌め込まれる嵌合溝33が形成されている。嵌合溝33は、正面からの断面視(棚板3を前後に分けたときの断面視)において凹型(コ字状)に形成されており、左右両側方及び後方に向かって開放された状態となっている。前方は閉塞されている。
なお、棚板本体32の左右両端部は、側板2に取り付けられた受部31が嵌合溝33に嵌合した状態で、接着剤により受部31に固定されている。ただし、これに限られるものではなく、棚板本体32の左右両端部は、受部31が嵌合溝33に嵌合した状態で、ビス等の固定具により上面又は下面から受部31に固定されてもよい。このようにビス等の固定具による固定とした場合には、棚板3の位置変更が可能となる。
【0054】
棚板本体32の後端部には、照明装置6における照明器具64,65が収納されて設けられる収納凹部37が形成されている。収納凹部37は、側面からの断面視(棚板3を左右に分けたときの断面視)において凹型(コ字状)に形成された溝であり、後方及び左右両側方に向かって開放された状態となっている。
なお、収納凹部37は左右両側方に向かって開放され、上記の左右の嵌合溝33は後方に向かって開放されている。そのため、収納凹部37と左右の嵌合溝33は、空間的にコ字型に連続した状態となっている。
【0055】
棚板本体32は、コア材と、コア材を被覆する化粧板36と、を備えている。換言すれば、棚板本体32は、表面の大部分が化粧板36によって被覆されており、この化粧板36によって被覆された部分が、コア材とされている。
【0056】
化粧板36は、上記の側板2における化粧板26と同様、MDF製の下地板材の表面に化粧シートが貼り付けられたものであるが、これに限定されるものではない。
このような化粧板36は、コア材に取り付けられることにより、棚板本体32の左右両端部における嵌合溝33及び後端部における収納凹部37を構成している。
【0057】
より詳細に説明すると、化粧板36は、その左右方向の寸法が、コア材の左右方向の寸法よりも長く設定されている。このように寸法設定された化粧板36が、コア材の前端面に貼り付けられているとともに、コア材における上面及び下面のそれぞれに貼り付けられていて、かつ、左右両端部が、コア材の左右両端部よりも側方に突出した状態となっている。これにより、化粧板36のうちコア材の左右側端面よりも突出した上下の部分と、コア材の左右側端面と、によって嵌合溝33が構成されている。
なお、化粧板36のうちコア材の前端面に貼り付けられた部分は、受部31の前端面に接する。これにより、棚板本体32の前後方向の位置決めを行うことができる。
【0058】
さらに、化粧板36のうちコア材の上面及び下面に貼り付けられた部分における前後方向の寸法は、コア材の前後方向の寸法よりも長く設定されている。このように寸法設定された化粧板36が、上記のようにコア材の前端面に貼り付けられていて、コア材が化粧板36に対して前方に詰めて配置された状態となっているので、コア材の上面及び下面に貼り付けられた部分の後端部は、コア材の後端面よりも後方に突出した状態となっている。これにより、化粧板36のうちコア材の後端面よりも突出した上下の部分と、コア材の後端面と、によって収納凹部37が構成されている。
なお、化粧板36のうちコア材の後端面よりも突出した上下の部分は、内側に折り返されるとともに接着されて厚みが増した状態となっている(
図5参照)。これにより、コア材の後端面よりも突出した上下の部分を補強することができる。
【0059】
コア材は、軽量基材34によって構成されている。
軽量基材34は、上記の側板2における軽量基材24と同様、ペーパーハニカムによって構成されているが、これに限られるものではない。
また、コア材は、軽量基材34以外にも、棚板3の芯材(骨組み)としても機能する桟材が含まれていてもよい。コア材に桟材が含まれる場合、その桟材は、コア材の前部と後部に振り分けて配置されることが好ましい。
さらに、コア材である軽量基材34の後端面は、上記のように収納凹部37の溝底を構成しており、当該後端面には、後述する薄鋼板SPが取り付けられている。
【0060】
なお、棚板本体32は、壁Wの壁面からは離間して配置されていて、左右の側板2に固定された左右の受部31によってのみ支持されるため、受部31に対してしっかりと確実に固定したい要望がある。そこで、棚板3を受ける受部31は、他の受部(例えば天板5の第一受部51a)よりも突出寸法が長く設定されているものとする。すなわち、棚板3の受部31は、長さ方向と直交する幅方向(左右方向)の寸法が、他の受部よりも長い。これにより、側板2の側面からの突出寸法を長く確保できて、棚板本体32における嵌合溝33の内側面との接触面積を大きくすることができるので、棚板本体32を、受部31に対してしっかりと確実に固定することができる。
【0061】
収納凹部37は、上記のように、照明装置6における照明器具64,65が収納されて設けられるスペースであり、
図2,
図5に示すように、上下には、化粧板36の後端部が設けられている。また、収納凹部37の左右両側方は開放されているが、その先には側板2が配置されている。そのため、収納凹部37は、実質的に後方にのみ開放された状態となっている。したがって、収納凹部37に設けられた照明器具64,65は、後方の壁Wに向かって光を照射し、間接照明として機能するようになっている。
なお、化粧板36の後端部の、後方への突出寸法を長くすることで、照明器具64,65による上下の照明範囲を狭くすることができ、反対に、後方への突出寸法を短くすることで、照明器具64,65による上下の照明範囲を広くすることができる。
【0062】
なお、本実施形態においては、棚板3は、上下二段とされているが、これに限られるものではなく、一段でもよいし、三段以上とされてもよい。棚板3は、受部31の取付位置によって任意の高さ位置に設けることができるため、棚板3の数は、特に限定されるものではない。ただし、棚板3の後端部に設けられる照明器具64,65の着脱作業は、収納棚1の前側から棚板3の後端部側に腕を入れて行われるため、上下に隣り合う棚板3間の間隔は、少なくとも人の腕が入る程度に設定されているものとする。
【0063】
<地板について>
続いて、地板4は、
図1,
図2に示すように、床Fに接した状態に配置されるとともに、左右の側板2間に架け渡されて設けられるものであり、上面に、物品が載せられて収納される。つまり、地板4の上方は、収納スペースとされている。
また、地板4の後端部は、壁Wの壁面に接して配置されている。つまり、地板4の後端面は、側板2の後端面と面一の状態になっている。
【0064】
また、地板4は、側板2や棚板3と同様、コア材の一部として軽量基材を備えたフラッシュ構造とされており、同サイズの木製棚板に比して軽量である。
このような地板4は、複数の側板2の下端部に取り付けられる複数の受部41と、これら複数の受部41間に架け渡されて固定されるフラッシュ構造の地板本体42と、を基本構造としている。
【0065】
受部41は、上記の側板2や棚板3における受部21,31と同様の桟材であり、水平に配置されるとともに、側板2の側面に接した状態で、釘やビス等の固定具によって側板2に固定されている。また、接着剤が併用されてもよい。受部41のうち、固定具が設けられる位置は、固定具の頭部が飛び出さないように座掘加工されていてもよい。
なお、受部41の長さ寸法は、側板2の前端部から後端部に亘る長さよりも若干短い程度の寸法か略等しい寸法に設定されている。そのため、この受部41は、前端部が、側板2の第一固定下地材25a又は第一固定下地材25aの近傍に対して固定具で固定され、後端部が、側板2の受部21に対して固定具で固定されている。
【0066】
地板本体42の左右両端部には、側板2に取り付けられた受部41が嵌め込まれる嵌合溝43が形成されている。嵌合溝43は、正面からの断面視において凹型(コ字状)に形成されており、左右両側方及び後方に向かって開放された状態となっている。前方は閉塞されている。
なお、地板本体42の左右両端部は、側板2に取り付けられた受部41が嵌合溝43に嵌合した状態で、接着剤により受部41に固定されている。ただし、これに限られるものではなく、地板本体42の左右両端部は、受部41が嵌合溝43に嵌合した状態で、ビス等の固定具により上面から受部41に固定されてもよい。このようにビス等の固定具による固定とした場合には、地板4の取り外しが可能となる。
【0067】
地板本体42は、コア材と、コア材を被覆する化粧板46と、を備えている。換言すれば、地板本体42は、表面の大部分が化粧板46によって被覆されており、この化粧板46によって被覆された部分が、コア材とされている。
【0068】
化粧板46は、上記の側板2や棚板3における化粧板26,36と同様、MDF製の下地板材の表面に化粧シートが貼り付けられたものであるが、これに限定されるものではない。このような化粧板46は、その左右方向の寸法が、コア材の左右方向の寸法よりも長く設定されている。このように寸法設定された化粧板46が、コア材の前端面に貼り付けられているとともに、コア材における上面及び下面のそれぞれに貼り付けられていて、かつ、左右両端部が、コア材の左右両端部よりも側方に突出した状態となっている。これにより、化粧板46のうちコア材の左右側端面よりも突出した上下の部分と、コア材の左右側端面と、によって嵌合溝43が構成されている。
なお、化粧板46のうちコア材の前端面に貼り付けられた部分は、受部41の前端面に接する。また、これと同時に、化粧板46の後端部が壁Wの壁面に当たるようになっている。これにより、地板本体42の前後方向の位置決めを行うことができる。
【0069】
コア材は、軽量基材(図示省略)によって構成されている。
軽量基材は、上記の側板2や棚板3における軽量基材24,34と同様、ペーパーハニカムによって構成されているが、これに限られるものではない。
また、コア材は、軽量基材以外にも、地板4の芯材(骨組み)としても機能する桟材が含まれていてもよい。コア材に桟材が含まれる場合、その桟材は、コア材の前部と後部に振り分けて配置されることが好ましい。
【0070】
<天板について>
続いて、天板5は、
図1,
図2,
図4に示すように、天井Cに接した状態に配置されるとともに、左右の側板2間に架け渡されて設けられるものである。なお、本実施形態の天板5は、上記のように天井Cに接した状態に配置されているため、上面には物品を置けないが、天井Cから間隔を空けて配置された場合は、天板5の上面に物品を載せて収納することができる。その場合、天板5の上方は、収納スペースとされる。
また、天板5の後端部は、壁Wの壁面に接して配置されて、天板5の後端面は、側板2の後端面と面一の状態になっている。つまり、収納棚1は、複数の側板2と地板4と天板5からなる枠体部分の後端面が面一とされて、設置時には、その後端面が壁面に接するようになっている。
【0071】
また、天板5は、側板2や棚板3と同様、コア材の一部として軽量基材を備えたフラッシュ構造とされており、同サイズの木製棚板に比して軽量である。
このような天板5は、複数の側板2の上端部に取り付けられる複数の第一受部51aと、壁Wの上端部に取り付けられる第二受部51bと、複数の第一受部51a及び第二受部51bに固定されて複数の側板2間に架け渡されるフラッシュ構造の天板本体52と、を基本構造としている。
【0072】
第一受部51a及び第二受部51bは、上記の側板2や棚板3における受部21,31と同様の桟材である。
これら第一受部51a及び第二受部51bは、それぞれが水平に配置されていて、第一受部51aは天板5の側端部を受け、第二受部51bは天板5の後端部を受ける。
【0073】
まず、第一受部51aは、側板2の側面に接した状態で、釘やビス等の固定具によって側板2の固定下地材25(第一固定下地材25a及び第三固定下地材25c)に固定されている。また、接着剤が併用されてもよい。第一受部51aのうち、固定具が設けられる位置は、固定具の頭部が飛び出さないように座掘加工されていてもよい。
第一受部51aの長さ寸法は、地板4における受部41の長さ寸法よりも短く設定されている。また、第一受部51aの前端部は、側板2の前端部に位置しており、後端部は、複数の固定下地材25のうち最も後方に位置する第三固定下地材25cよりも大きく後方に突出しない位置に配置されている。そのため、この第一受部51aは、前端部が、側板2の第一固定下地材25aに対して固定具で固定され、後端部が、側板2の第三固定下地材25cに対して固定具で固定されている。
第一受部51aの側板2からの突出寸法は、棚板3の受部31における側板2からの突出寸法よりも短く設定されている。
【0074】
天板本体52の左右両側端部には、側板2に取り付けられた第一受部51aが嵌め込まれる嵌合溝53が形成されている。嵌合溝53は、正面からの断面視において凹型(コ字状)に形成されており、左右両側方及び後方に向かって開放された状態となっている。前方は閉塞されている。
嵌合溝53に第一受部51aが嵌め込まれた状態になったとき、嵌合溝53の溝底と第一受部51aの突出方向側端面との間は、ごく僅かな隙間が出来る程度に近接するか、互いに接した状態となる。つまり、第一受部51aは、嵌合溝53の奥の方まで嵌まり込んだ状態となる。
【0075】
天板本体52の左右両端部は、側板2に取り付けられた第一受部51aが嵌合溝53に嵌合した状態で、ビス等の固定具により下面から第一受部51aに固定されている。そのため、天板本体52は、受部51からの取り外しが可能となる。ただし、これに限られるものではなく、天板本体52の左右両端部は、第一受部51aが嵌合溝53に嵌合した状態で、接着剤により第一受部51aに固定されてもよい。このように接着剤による固定とした場合、第一受部51aに対する天板本体52の接合強度が向上し、ひいては、側板2と天板5との連結強度を向上させることができる。
【0076】
第二受部51bは、壁Wの壁面(表面)に接した状態で、釘やビス等の固定具によって壁Wに固定されている。また、接着剤が併用されてもよい。第二受部51bのうち、固定具が設けられる位置は、固定具の頭部が飛び出さないように座掘加工されている。
なお、第二受部51bの長さ寸法は、天板5の幅寸法(左右方向の寸法)よりも短く、かつ、電源装置62の長さ寸法(左右方向の寸法)よりも長く設定されている。
また、第二受部51bの壁面からの突出寸法は、第一受部51aにおける側板2からの突出寸法と同程度に設定されている。
【0077】
天板本体52の後端部には、照明装置6における電源装置62が収納されて設けられるとともに、第二受部51bが嵌め込まれる電源収納凹部57が形成されている。電源収納凹部57は、側面からの断面視において凹型(コ字状)に形成された溝であり、後方及び左右両側方に向かって開放された状態となっている。
なお、電源収納凹部57は左右両側方に向かって開放され、上記の左右の嵌合溝53は後方に向かって開放されている。そのため、電源収納凹部57と左右の嵌合溝53は、空間的にコ字型に連続した状態となっている。
【0078】
電源収納凹部57に第二受部51bが嵌め込まれた状態になったとき、電源収納凹部57の溝底と第二受部51bの突出方向側端面との間には、照明装置6における電源装置62が収納される分の隙間が形成される。
より詳細に説明すると、第二受部51bの突出寸法は、電源収納凹部57の溝深さ寸法(奥行寸法:前後方向の寸法)よりも短く設定されていて、第二受部51bの突出方向側端面が、電源収納凹部57の溝底(コア材の後端面)に到達しない。これにより、第二受部51bの突出方向側端面と電源収納凹部57の溝底面との間には隙間が形成された状態となっている。そして、この隙間が、電源装置62の収納スペースとして機能している。
なお、電源収納凹部57には、電源装置62の他に、各電線(電源線61、電源ケーブル63)が通されるようになっている。
【0079】
天板本体52は、コア材と、コア材を被覆する化粧板56と、を備えている。換言すれば、天板本体52は、表面の大部分が化粧板56によって被覆されており、この化粧板56によって被覆された部分が、コア材とされている。
【0080】
化粧板56は、上記の側板2や棚板3における化粧板26,36と同様、MDF製の下地板材の表面に化粧シートが貼り付けられたものであるが、これに限定されるものではない。このような化粧板56は、その左右方向の寸法が、コア材の左右方向の寸法よりも長く設定されている。このように寸法設定された化粧板56が、コア材の前端面に貼り付けられているとともに、コア材における上面及び下面のそれぞれに貼り付けられていて、かつ、左右両端部が、コア材の左右両端部よりも側方に突出した状態となっている。これにより、化粧板56のうちコア材の左右側端面よりも突出した上下の部分と、コア材の左右側端面と、によって嵌合溝53が構成されている。
なお、化粧板56のうちコア材の前端面に貼り付けられた部分は、第一受部51aの前端面に接する。また、これと同時に、化粧板56の後端部が壁Wの壁面に当たるようになっている。これにより、天板本体52の前後方向の位置決めを行うことができる。
【0081】
さらに、化粧板56のうちコア材の上面及び下面に貼り付けられた部分における前後方向の寸法は、コア材の前後方向の寸法よりも長く設定されている。このように寸法設定された化粧板56が、上記のようにコア材の前端面に貼り付けられていて、コア材が化粧板56に対して前方に詰めて配置された状態となっているので、コア材の上面及び下面に貼り付けられた部分の後端部は、コア材の後端面よりも後方に突出した状態となっている。これにより、化粧板56のうちコア材の後端面よりも突出した上下の部分と、コア材の後端面と、によって電源収納凹部57が構成されている。
【0082】
コア材は、軽量基材54によって構成されている。
軽量基材54は、上記の側板2や棚板3における軽量基材24,34と同様、ペーパーハニカムによって構成されているが、これに限られるものではない。
また、コア材は、軽量基材54以外にも、天板5の芯材(骨組み)としても機能する桟材が含まれていてもよい。コア材に桟材が含まれる場合、その桟材は、コア材の前部と後部に振り分けて配置されることが好ましい。
【0083】
なお、本実施形態においては、電源装置62のメンテナンス時に天板本体52を取り外す場合があることから、天板本体52は第一受部51a及び第二受部51bに接着されないが、電源収納凹部57が天板5に備えられていない場合は、天板本体52は第一受部51a及び第二受部51bに接着されてもよい。すなわち、電源収納凹部57が地板4に備えられている場合は、地板本体42は受部41に接着されない。
【0084】
<照明装置について>
続いて、照明装置6は、図示しない主電源(例えば分電盤やコンセントなど)から伸びる電源線61と、この電源線61が接続された電源装置62と、この電源装置62から伸びる電源ケーブル63と、この電源ケーブル63が接続された第一照明器具64と、この第一照明器具64から伸びる延長用の電源ケーブル63と、この延長用の電源ケーブル63が接続された第二照明器具65と、を備えている。
なお、本実施形態においては、上下二段の棚板3のうち、上段の棚板3における収納凹部37に第一照明器具64が収納され、下段の棚板3における収納凹部57に第二照明器具65が収納されている。ただし、これに限られるものではなく、照明器具64(65)は、上下二段の棚板3のうちいずれか一方の収納凹部にのみ収納されるものとしてもよい。換言すれば、複数の棚板3の全てに照明器具64(65)を設けるパターンを採用してもよいし、複数の棚板3のうち一つの棚板3にのみ照明器具64(65)を設けるパターンを採用してもよいし、三つの棚板3のうち二つの棚板3に照明器具64(65)を設けるようなパターンを採用してもよい。
【0085】
電源線61は、電気を伝送するための線状部材であり、本実施形態においては、天井Cの裏側(天井裏)から電源装置62に向かって配線されている。
天井Cを構成する天井材には、この電源線61が通される通孔(図示省略)が形成されている。当該通孔は、複数の側板2のうち隣り合う一方の側板2における配線スペース27の上方に位置しており、電源線61を、配線スペース27内に引き込むことができるようになっている。
【0086】
また、電源装置62は、天板5の後端部に形成された電源収納凹部57に収納されているため、電源装置62に接続される電源線61は、配線スペース27から電源収納凹部57に通す必要がある。
そこで、配線スペース27に電源線61が通された側板2における化粧板26のうち、電源収納凹部57に面する部位には、第一開口部26aが形成されている。これにより、電源線61は、配線スペース27から第一開口部26aを通じて電源収納凹部57に配線されるようになっている。
【0087】
電源装置62は、交流電流を直流電流に変換する変換器としての機能を有する。したがって、電源装置62は、電源線61を通じて主電源から送られてきた交流電流を直流電流に変換し、電源ケーブル63及び延長用の電源ケーブル63を通じて第一照明器具64や第二照明器具65に送ることができる。そして、本実施形態においては、長さ方向一端部に、電気が入力される入力端子を備え、長さ方向他端部に、電気が出力される出力端子を備えている。
なお、この電源装置62は、照明器具64,65の調光を行う調光器としての機能を有していてもよい。
【0088】
このような電源装置62は、化粧板56のうちコア材の後端面よりも後方に突出している部分に固定された状態で、電源収納凹部57に収納されている。なお、本実施形態においては、
図2に示すように、電源装置62は、化粧板36における上側の後方に突出している部分の下面に固定されている。ただし、これに限られるものではなく、電源装置62は、第二受部51bの突出方向側端面に固定されてもよい。
【0089】
電源ケーブル63は、電気を伝送するための線状部材であり、本実施形態においては、天板5の電源収納凹部57に収納された電源装置62から、天板5の直下に位置する棚板3の収納凹部37に収納された第一照明器具64に向かって配線されている。
より詳細に説明すると、電源ケーブル63は、電源装置62から、電源収納凹部57内を通って、複数の側板2のうち隣り合う他方の側板2に向かって伸びている。他方の側板2における化粧板26のうち電源収納凹部57に面する部位には、第二開口部26bが形成されている。電源ケーブル63は、この第二開口部26bを通じて、他方の側板2における配線スペース27に配線される。
【0090】
また、他方の側板2における化粧板26のうち、天板5の直下に配置された上段の棚板3の高さ位置で、かつ、当該棚板3における収納凹部37に面する部位には、第三開口部26cが形成されている。他方の側板2における配線スペース27に配線された電源ケーブル63は、この第三開口部26cを通じて上段の棚板3における収納凹部37に向かって配線され、第一照明器具64に接続された状態となっている。これにより、第一照明器具64は、通電が可能となり、照明をつける(オンにする)ことができる。
【0091】
本実施形態においては、上段の棚板3の下方に下段の棚板3が配置されており、当該下段の棚板3における収納凹部37に収納された第二照明器具65に電気を伝送するには、第一照明器具64と第二照明器具65とを延長用の電源ケーブル63によって接続する。
延長用の電源ケーブル63は、電源ケーブル63と同様の、電気を伝送するための線状部材である。そして、延長用の電源ケーブル63は、第一照明器具64から、上段の棚板3における収納凹部37内を通って、複数の側板2のうち隣り合う一方の側板2に向かって伸びている。一方の側板2における化粧板26のうち収納凹部37に面する部位には、第四開口部26dが形成されている。延長用の電源ケーブル63は、この第四開口部26dを通じて、一方の側板2における配線スペース27に配線される。
【0092】
一方の側板2における化粧板26のうち、下段の棚板3の高さ位置で、かつ、当該棚板3における収納凹部37に面する部位には、第五開口部26eが形成されている。一方の側板2における配線スペース27に配線された延長用の電源ケーブル63は、この第五開口部26eを通じて下段の棚板3における収納凹部37に向かって配線され、第二照明器具65に接続された状態となっている。これにより、第二照明器具65は、通電が可能となり、照明をつける(オンにする)ことができる。つまり、電源装置62からの電力供給を、第一照明器具64を介して、第二照明器具65まで行うことができる。そして、第一照明器具64と第二照明器具65には、同時に電力供給が行われるようになっている。
【0093】
第一照明器具64及び第二照明器具65は、
図1等に示すように、棚板3の幅方向に沿って長尺に形成された照明器具であり、LED(Light Emitting Diode)を光源としている。そして、本実施形態においては、長さ方向一端部に、電気が入力される入力端子を備え、長さ方向他端部に、電気が出力される出力端子を備えている。
【0094】
このような第一照明器具64及び第二照明器具65は、
図5に示すように、収納凹部37のうち溝底に設けられている。
より詳細に説明すると、収納凹部37における溝底を構成するコア材(軽量基材34)の後端面には、薄鋼板SPが取り付けられている。また、第一照明器具64及び第二照明器具65のうち発光部とは反対の裏側面にはマグネットMGが取り付けられている。すなわち、第一照明器具64及び第二照明器具65は、マグネットMGの磁力によって、収納凹部37の溝底に取り付けられるようになっている。そのため、第一照明器具64及び第二照明器具65は、収納凹部37の溝底に対して着脱自在となっている。メンテナンスを行う場合は、棚板3と壁Wとの間の隙間から、手指によって照明器具64,65を容易に取り外すことができる。換言すれば、特別な工具等を用いることなく、照明器具64,65を着脱でき、メンテナンス作業がしやすくなっている。
【0095】
また、電源線61、電源ケーブル63、延長用の電源ケーブル63の各電線は、一つ又は複数のコネクタ部を備え、当該コネクタ部のそれぞれの位置で、一方側と他方側に分離可能に構成されている。各電線におけるコネクタ部は、電源収納凹部57や収納凹部57に収納されていることが好ましいが、配線スペース27のうち、各開口部26a~26eから容易に引っ張り出せる位置に収納されていてもよい。これにより、例えば電源装置62や各照明器具64,65の交換や各電線の交換が必要になったときに、容易に交換作業を行うことができる。
なお、各開口部26a~26eは、本実施形態においては孔として、側板2の化粧板26を貫通して形成されているが、これに限られるものではなく、切欠部として、化粧板26の後端部から切欠形成されてもよい。上記のように棚板3は任意の高さ位置に設けることができるため、棚板3を現場施工する場合は、各開口部26a~26eも現場施工される場合がある。その場合には、現場の状況や配線の状況次第で、孔と切欠部を適宜選択してもよい。つまり、各開口部26a~26eの全てを孔として形成してもよいし、全てを切欠部として形成してもよいし、開口部26a~26eごとに孔と切欠部を使い分けてもよい。
【0096】
本実施形態においては、以上のように、主電源から始まり、電源装置62と各照明器具64,65に対して電力供給を行うのに必要な各電線61,63は、隣り合う双方の側板2と電源収納凹部57と収納凹部37を通じて、クランク状(ジグザグ状)に曲折して配置されている。このような照明装置6の配線構造は、あたかも、7セグメントディスプレイで表す数字の「2」又は「5」のような状態となっている。
【0097】
また、側板2が三つ以上用いられる場合は、左右に棚板3が設けられている状態とされた側板2(真ん中の側板2)の化粧板26における左右の部位に開口部が形成されて、電線が通貫するように配線されてもよい。つまり、例えば側板2が三つ用いられると、棚板3が、真ん中の側板2を挟んで隣り合うように配置される場合があるが、そのような場合には、電線(延長用の電源ケーブル63)が、
図6(a)に示すように、左右に隣り合う一方の棚板3から他方の棚板3に向かって配線される必要がある。その場合、延長用の電源ケーブル63は、真ん中の側板2における化粧板26を通貫するように配置される。
【0098】
また、本実施形態における照明器具64,65は、長さ方向一端部に入力端子を備え、長さ方向他端部に出力端子を備えているが、長さ方向両端部のうちいずれか一方に入力端子と出力端子の双方を備えていてもよい。各照明器具64,65が、長さ方向一端部に入力端子及び出力端子を備えていると、
図6(b)に示すように、電源ケーブル63を、左右の側板2のうち一方にまとめて配線することが可能となる。このような照明装置6の配線構造は、あたかも、7セグメントディスプレイで表す数字の「3」のような状態となっている。
なお、長さ方向両端部のうちいずれか一方に入力端子と出力端子の双方を備えている照明器具64,65が用いられる場合、一方の側板2の化粧板26に形成される開口部は、入力側の電線(電源線61、電源ケーブル63)と出力側の電線(電源ケーブル63、延長用の電源ケーブル63)の双方が通る程度の径に設定されているものとする。ただし、これに限られるものではなく、上記のように、状況に応じて切欠部としてもよい。
【0099】
また、本実施形態における電源装置62は、長さ方向一端部に入力端子を備え、長さ方向他端部に出力端子を備えているが、長さ方向両端部のうちいずれか一方に入力端子と出力端子の双方を備えていてもよい。そして、電源装置62及び各照明器具64,65が長さ方向一端部に入力端子及び出力端子を備えていると、電源線61及び電源ケーブル63を、左右の側板2のうち一方にまとめて配線することが可能となる。すなわち、これら電源線61及び電源ケーブル63を、
図6(c)に示すように、左右の側板2のうち他方の側板2における配線スペース27に配線しない状態にすること可能となる。このような照明装置6の配線構造は、あたかも、7セグメントディスプレイで表す数字の「3」のような状態となっている。
そして、このような配線が可能になると、他方の側板2の代わりに、部屋の壁を用いることができる。すなわち、部屋の壁が、棚板3が架け渡されて設けられる側面部として機能することになる。図示はしないが、例えば部屋が、一の壁と、この一の壁と直交して入隅を形成する他の壁と、を有しており、一つの側板2が、一の壁と直交して設けられ、かつ、他の壁と平行に配置された状態にすると、一つの側板2と他の壁との間に、棚板3や地板4、天板5を架け渡して設けることができる。ここに、
図6(c)に示すような配線構造を適用すると、他の壁側に電源線61及び電源ケーブル63を配線することなく、一つの側板2側だけに配線を行い、各照明器具64,65への通電が可能となる。
【0100】
なお、
図1及び
図6に示すいずれの照明装置6も、主電源及び電源線61の一部を除く大部分が、壁Wの表面側に配置された状態となっている。換言すれば、照明装置6のうちほとんどの部分を、壁Wの裏側に配置する必要がない。そのため、メンテナンスがしやすいのはもちろんのこと、収納棚1を設置する上での障害や制約も生じにくいというメリットがある。
【0101】
また、本実施形態においては、主電源は天井裏にあるとされているが、床下にあってもよい。その場合、地板4に電源収納凹部が形成され、その電源収納凹部に電源装置62が収納されることとなる。それに伴って、床下の主電源からの電源線61は、床材に形成された通孔に通されて、複数の側板2のうち隣り合う一方の側板2における配線スペース27に引き込まれる。
また、壁Wの裏側に主電源が設けられてもよい。その場合、壁仕上げ材に通孔が形成されて電源線61が通される。そして、電源装置62は、天板5に形成された電源収納凹部57に収納されてもよいし、地板4に形成された電源収納凹部に収納されてもよい。
【0102】
なお、第一照明器具64及び第二照明器具65は、主電源から電源装置62を介して電力供給を受けているが、電源装置62が電池(乾電池、充電池)を備えて、主電源から電力供給を受けなくてもよい。つまり、電源線61も使用されない。この場合、電源装置62は、変換器としての機能は有さず、電力供給源としての機能を有するものとされる。これにより、天井Cに、電源線61が通される通孔を形成する必要もなくなり、照明装置6の配線全てを、壁Wの表面側(収納棚1の裏面側)で行うことができるので、メンテナンスしやすい。
また、第一照明器具64及び第二照明器具65が電池式の場合も、これら第一照明器具64及び第二照明器具65は、あくまでも間接照明として使用されるものであるため、収納棚1は、壁Wの壁面に沿って配置される。
【0103】
<有利な効果>
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、少なくとも一方の側板2の後端部に形成された配線スペース27は、少なくとも一方の側板2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されているので、この配線スペース27に通された電源ケーブル63を、少なくとも一方の側面部の上下方向に沿って配線することができる。また、棚板3の後端部に形成された収納凹部37には、照明器具64,65が収納されているので、照明器具64,65に電力供給を行うための電源ケーブル63を、少なくとも一方の側板2の後端部に形成された配線スペース27から照明器具64,65に取り回しやすい。そのため、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えにくくすることができ、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
さらに、照明器具64,65は、壁Wの表面から離間して配置された棚板3の後端部に形成された収納凹部37に配置され、電源ケーブル63は、壁Wと直交して配置される少なくとも一方の側板2における後端部に形成された配線スペース27内に配線されているので、たとえ主電源が天井裏や床下、壁裏などの裏側部分に隠されていたとしても、照明装置6は、その多くの部分が、壁Wの表面の前方側に配置されていることとなる。そのため、照明装置6に関するメンテナンスを行う場合には、ほとんどの作業を壁Wの表側で行うことができるので、照明装置6に関するメンテナンスを容易に行うことができる。
【0104】
また、少なくとも一方の側板2の後端部における棚板3側の面に形成された開口部26c(26d,26e)は、棚板3の収納凹部37に面して配置され、かつ、配線スペース27と収納凹部37とを連通しているので、電源ケーブル63を、開口部26c(26d,26e)を通じて、配線スペース27から収納凹部37に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0105】
また、棚板3の受部31は、複数の側板2における棚板3側の面のそれぞれに固定され、収納凹部37は、受部31によって受けられて当該受部31に固定された棚板本体32の後端部に形成されているので、複数の側板2に対する棚板本体32の固定箇所とは異なる位置で、照明器具64,65の収納と電源ケーブル63の配線を行うことができる。そのため、照明装置6に関するメンテナンス作業を行いやすくなる。
【0106】
また、棚板本体32は、幅方向両側端部に、正面からの断面視において略コ字状に形成されて受部31が嵌め込まれる嵌合溝33を有しているので、受部31が嵌合溝33に嵌め込まれた状態となるようにして、棚板本体32を、複数の側板2間に架け渡して設けることができる。これにより、例えば受部31の上面に棚板本体32が載せられて設けられる場合とは異なり、受部31を隠すことができるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0107】
また、側板2の受部21が、壁Wの表面に固定され、側板本体22が、受部21に固定されているので、収納棚1全体を、壁Wの表面に固定した壁付けの状態にすることができる。
【0108】
また、側板本体22は、壁W側に位置する後端部に、平断面視において略コ字状に形成されて側板2の受部21が嵌め込まれる嵌合溝23を有しているので、受部21が嵌合溝23に嵌め込まれた状態となるようにして、側板本体22を、壁Wの表面に設けることができる。これにより、受部21を隠すことができるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0109】
また、側板2の受部21と側板本体22の嵌合溝23における溝底との間には隙間27が形成され、当該隙間27が、配線スペース27とされているので、受部21を嵌合溝23に嵌め込んだ状態とし、側板本体22を受部21に固定するのと同時に、受部21と嵌合溝23における溝底との間に、配線スペース27を、手間なく容易に形成することができる。
【0110】
また、少なくとも一方の側板2の後端部における天板5側の面に形成された開口部26bは、電源収納凹部57に面して配置され、かつ、配線スペース27と電源収納凹部57とを連通しているので、電源ケーブル63を、開口部26bを通じて、電源収納凹部57から配線スペース27に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
地板4に電源収納凹部が形成される場合は、少なくとも一方の側板2の後端部における地板4側の面に形成された開口部26bが、電源収納凹部に面して配置され、かつ、配線スペース27と電源収納凹部とを連通していることとなる。そして、天板5に電源収納凹部57が形成される場合と同様の効果を得ることができる。
【0111】
また、照明器具64,65のうち棚板3側の端部にはマグネットMGが設けられ、収納凹部37には、マグネットMGが吸着する金属板SPが設けられているので、照明器具64,65を、マグネットMGの磁力によって、収納凹部37の溝底に取り付けることができる。すなわち、照明器具64,65は、収納凹部37の溝底に対して着脱自在の状態となっている。これにより、照明器具64,65のメンテナンスを行う場合は、特別な工具等を用いることなく、棚板3と壁Wとの間の隙間を通じて、照明器具64,65を容易に着脱できるので、照明器具64,65のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0112】
また、少なくとも一方の側板2の後端部における棚板3側の面に形成された複数の開口部26b~26eのうち一の開口部26c(26d,26e)は、棚板3の収納凹部37に面して配置され、かつ、配線スペース27と収納凹部37とを連通しており、電源ケーブル63は、一の開口部26c(26d,26e)から収納凹部37に配線されて、照明器具64,65に接続されているので、配線スペース27から一の開口部26c(26d,26e)を通じて収納凹部37に配線された電源ケーブル63を、収納棚1の正面側からは見えにくい位置で、照明器具64,65に接続することができる。これにより、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0113】
また、複数の開口部26b~26eには、一の開口部26cとは異なる高さ位置に形成された他の開口部26bが含まれており、電源装置62から伸びる電源ケーブル63は、他の開口部26bを通じて配線スペース27内に配線され、さらに、一の開口部26cを通じて収納凹部37に配線されて照明器具64,65に接続されているので、電源装置62から伸びる電源ケーブル63を、他の開口部26bを通じて、電源収納凹部57から配線スペース27に向かって直接配線することができる。さらに、電源収納凹部57から配線スペース27に向かって配線された電源ケーブル63を、配線スペース27から一の開口部26cを通じて収納凹部37に直接配線することができる。すなわち、電源装置62と照明器具64,65とを、電源収納凹部57から配線スペース27を介して収納凹部37に配線された電源ケーブル63によって確実に接続することができる。これにより、電源装置62と照明器具64,65とを接続する電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0114】
なお、複数の開口部26a~26eのうち電源線61が通される開口部26aは、配線スペース27と電源収納凹部57とを連通している。そのため主電源と電源装置62とを接続する電源線61を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0115】
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態の収納棚1は、側板2、棚板3、地板4、天板5のコア材がペーパーハニカムによって構成されているので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
さらに、本実施形態の照明装置6は、ほとんどの部分が壁Wの壁面の正面側に配置されており、メンテナンスがしやすい。そのため、照明装置6の部分的な部品交換なども容易に行うことができるので、例えば照明装置6を完全に交換してしまうような過度なメンテナンスが防止される。これにより、脱炭素社会の実現と持続可能な開発目標の達成に貢献できる。
【0116】
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
【0117】
〔変形例1〕
上記の実施形態において、収納棚1は背板を備えておらず、各棚板3及び地板4の上方に形成された収納スペースの奥は、壁Wの壁面が見えている状態となっていたが、本変形例の収納棚1Aは、
図7に示すように、背板7を備えている。すなわち、本変形例の収納棚1Aは、平面視において略コ字状に形成されるため、一つの家具として、自立した状態で床F上に据え置くことが可能となる。
なお、
図7においては、棚板3を省略している。
【0118】
背板7は、幅方向(左右方向)の両端部に、受部71がそれぞれ設けられている。受部71は、上記の実施形態における側板2の受部21と同様に、側板2の嵌合溝23に嵌め込まれる部位である。したがって、側板2における側板本体22の後端部は、背板7に固定された受部71が嵌合溝23に嵌合した状態で、接着剤により受部71に固定されている。
【0119】
また、受部71は、壁Wの壁面からの突出寸法が、上記の実施形態における側板2の受部21と同様に、嵌合溝23の溝深さ寸法(奥行寸法:前後方向の寸法)よりも短く設定されている。そのため、受部71の突出方向側端面は、嵌合溝23の溝底(第三固定下地材25cの後端面)に到達しない。これにより、受部71の突出方向側端面と嵌合溝23の溝底面との間には、隙間27(配線スペース27)が形成された状態となっている。
【0120】
なお、収納棚1Aは、上記のように自立することが可能となるが、背板7を壁Wの壁面に固定してもよい。背板7を壁Wの壁面に固定する場合は、受部71の突出方向側端面から、ビス等の固定具を壁Wに向かって打ち込むようにする。これにより、固定具を配線スペース27内に隠すことができるので見栄えを良くすることができる。
【0121】
〔変形例2〕
本変形例の収納棚1Bは、
図8に示すように、背板8を備えている。すなわち、本変形例の収納棚1Bも、平面視において略コ字状に形成され、一つの家具として、自立した状態で床F上に据え置くことが可能となる。
なお、
図8においては、棚板3を省略している。
【0122】
背板8は、幅方向(左右方向)の両端部に、側板2の嵌合溝23に嵌め込まれる受部81がそれぞれ一体形成されている。そのため、側板2における側板本体22の後端部は、背板8に一体形成された受部81が嵌合溝23に嵌合した状態で、接着剤により受部81に固定されている。
本変形例の背板8は、ある程度の厚みを持ち、中身が詰まった中実の板材であり、例えば無垢材(板材:製材)や集成材、合板等によって構成されている。そして、このような板材の幅方向両端部には、側板2の化粧板26における左右の後端部のうち一方の後端部が差し込まれる溝と、他方の後端部が嵌め合わされる切欠部と、が形成されている。すなわち、これら溝と切欠部との間が、本変形例の受部81とされている。
【0123】
また、受部81は、壁Wの壁面からの突出寸法が、上記の実施形態における側板2の受部21よりも長く、嵌合溝23の溝深さ寸法(奥行寸法:前後方向の寸法)と略等しく設定されている。そのため、嵌合溝23に受部81が嵌め込まれた状態になったとき、嵌合溝23の溝底と受部81の突出方向側端面との間は、ごく僅かな隙間が出来る程度に近接するか、互いに接した状態となる。つまり、受部81は、嵌合溝23の奥の方まで嵌まり込んだ状態となる。
なお、このように受部81が、嵌合溝23の奥の方まで嵌まり込んだ状態になると、配線スペース27が確保できない。そのため、本変形例の側板2は、第三固定下地材25cを、上記の実施形態における側板2の第三固定下地材25cの位置よりも前方に寄せて配置するとともに、更に第三固定下地材25cから後方に間隔を空けて縦桟材28を配置した構成となっている。そして、第三固定下地材25cと縦桟材28との間の隙間27が、配線スペース27として使用されるようになっている。これにより、側板2の内部に、各電線61,63を隠すことができるので見栄えを良くすることができる。
また、このようにして配線スペース27を確保すると、嵌合溝23の溝底は縦桟材28の後端面によって構成されることとなる。
【0124】
なお、本変形例の収納棚1Bも、自立することが可能となるが、背板8を壁Wの壁面に固定してもよい。背板8を壁Wの壁面に固定する場合は、受部81の突出方向側端面から固定具を壁Wに向かって打ち込むようにするが、受部81のうち、固定具が設けられる位置は、固定具の頭部が飛び出さないように座掘加工されているものとする。
【0125】
〔変形例3〕
本変形例の収納棚1Cは、
図9に示すように、背板9を備えている。すなわち、本変形例の収納棚1Cも、平面視において略コ字状に形成され、一つの家具として、自立した状態で床F上に据え置くことが可能となる。
なお、
図9においては、棚板3を省略している。
【0126】
背板9は、コア材の一部として軽量基材を備えたフラッシュ構造とされており、同サイズの木製棚板に比して軽量である。
このような背板9は、左右の側板2に取り付けられる複数の受部91と、これら受部91に対して固定されるフラッシュ構造の背板本体92と、を基本構造としている。すなわち、本変形例の収納棚1Cは、上記の変形例における収納棚1A,1Bとは異なり、側板勝ち(背板負け)の状態となっている。
【0127】
受部91は、床Fに対して垂直な方向(鉛直)に配置されるとともに、側板2の後端部における側面(化粧板26)に対して接着剤によって固定されている。より詳細に説明すると、複数の受部91のうち左側の受部91は、左側の側板2の後端部における右側面に固定されている。また、右側の受部91は、右側の側板2の後端部における左側面に固定されている。
【0128】
背板本体92の左右側端部には、左右の側板2に取り付けられた受部91が嵌め込まれる嵌合溝93が形成されている。嵌合溝93は、平面視において凹型(コ字状)に形成されており、側方に向かって開放されている。また、本実施形態の嵌合溝93は、上方及び下方にも開放された状態となっているが、これに限られるものではなく、上方と下方は閉塞されていてもよい。
なお、受部91が、背板本体92の嵌合溝93に嵌め込まれた状態のとき、背板本体92の後端面と、側板2の後端面は面一になる。
【0129】
背板本体92は、コア材と、コア材を被覆する化粧板96と、を備えている。
化粧板96は、コア材の前側面と後側面のそれぞれに貼り付けられているとともに、コア材よりも左右側方(側板2に向かう方向)に突出するようにして貼り付けられている。そして、前後それぞれの化粧板26における側方に突出する端部と、コア材の側端面と、によって嵌合溝93が構成されている。
【0130】
コア材には、軽量基材94と、桟材95と、が含まれている。
軽量基材94は、ペーパーハニカムによって構成されているが、これに限られるものではない。
桟材95は、コア材における両側端部と、これら両側端部の桟材95よりも中央側とに設けられて、背板9における芯材(骨組み)として機能している。また、コア材における両側端部の桟材95は、嵌合溝93における溝底を構成している。すなわち、嵌合溝93は、桟材95における側端面と、化粧板96のうちコア材よりも側板2側に突出した部分の内側面と、によって形成されている。
軽量基材94は、上記の計四か所に配置された桟材95間にそれぞれ配置されている。そして、軽量基材94と各桟材95は接着剤によって接合されることによってコア材が形成されている。
【0131】
本変形例において、受部91の突出寸法は、嵌合溝93の溝深さ寸法(奥行寸法:左右方向の寸法)と略等しく設定されている。そのため、嵌合溝93に受部91が嵌め込まれた状態になったとき、嵌合溝93の溝底と受部91の突出方向側端面との間は、ごく僅かな隙間が出来る程度に近接するか、互いに接した状態となる。つまり、受部91は、嵌合溝93の奥の方まで嵌まり込んだ状態となる。
また、受部91と背板本体92との接合は、側板2に取り付けられた受部91が嵌合溝93に嵌合した状態で、ビス等の固定具により前面から受部91に固定されているが、これに限られるものではなく、接着剤により固定されてもよい。
【0132】
また、背板9は、ある程度の厚みを持っているため、背板9の前面は、壁Wの壁面からの突出寸法が大きい。そのため、照明器具64,65を、背板9の前面との間に間隔を空けて配置するには、本変形例における側板2の配線スペース27を、背板9の前面から前方に間隔を空けた位置に配置しなければならない。
そこで、本変形例の側板2も、第三固定下地材25cを、上記の実施形態における側板2の第三固定下地材25cの位置よりも前方に寄せて配置するとともに、更に第三固定下地材25cから後方に間隔を空けて縦桟材28を配置することで、やや前方寄りの配線スペース27を形成している。
また、このようにして配線スペース27を確保すると、嵌合溝23の溝底は縦桟材28の後端面によって構成されることとなる。
【0133】
なお、本変形例の側板2における受部21は、壁Wの壁面からの突出寸法が、嵌合溝23の溝深さ寸法(奥行寸法:前後方向の寸法)と略等しく設定されている。そのため、嵌合溝23に受部21が嵌め込まれた状態になったとき、嵌合溝23の溝底と受部21の突出方向側端面との間は、ごく僅かな隙間が出来る程度に近接するか、互いに接した状態となる。つまり、受部21は、嵌合溝23の奥の方まで嵌まり込んだ状態となる。
【0134】
本変形例の収納棚1Cも、自立することが可能となっているが、壁Wの壁面に固定してもよい。収納棚1Cを壁Wの壁面に固定する場合は、側板2における受部21の突出方向側端面から固定具を壁Wに向かって打ち込むようにするが、受部21のうち、固定具が設けられる位置は、固定具の頭部が飛び出さないように座掘加工されているものとする。
【0135】
〔変形例4〕
上記の実施形態における棚板3は、側板2の側面に固定された受部31が、棚板本体32の側端部に形成された嵌合溝33に嵌め込まれた状態となるように設けられるものとしたが、本変形例においては、図示はしないが、棚板本体が、側板2の側面に固定された受部の上に載せられた状態となっている。
【0136】
棚板本体は、上記の実施形態における棚板本体32と同様に、左右の側板2間の間隔と略等しい幅寸法に設定されており、左右の側板2間に架け渡されている。
受部は、左右の側板2における各々の棚板側の面に固定されており、左右の受部の上面に、棚板本体が載せられて固定されている。
したがって、棚板本体における左右の側端部には嵌合溝は形成されていなくてもよい。
また、受部は、露出することになるため、単に角材等が用いられるだけでな、表面が化粧面とされていることが望ましい。
なお、本変形例における棚板本体は、側板2の側面に固定された受部の上面に対し、接着剤又はビス等の固定具により固定されている。
【0137】
棚板本体の後端部には収納凹部37が形成されており、照明器具64,65が収納されて設けられている。そして、側板2のうち棚板側の側面を構成する化粧板26には、上記の実施形態と同様に、電源ケーブル63が通される開口部26b~26eが形成されているが、これらの開口部26b~26eは、化粧板26のうち、受部の上面に載せられた棚板の後端部における収納凹部37に面する部位に形成されているものとする。
【0138】
〔変形例5〕
上記の実施形態において、電源装置62は、天板5の電源収納凹部57に設けられていて、地板4に対して電源収納凹部が備えられていてもよいものとしたが、本変形例においては、図示はしないが、収納棚1が天板5及び地板4を備えていない。そのため、本変形例の収納棚1は、複数の側板2のうち一つの側板2に電源収納凹部を備えている。
【0139】
より詳細に説明すると、本変形例における複数の側板2のうち一つの側板2は、壁Wの表面に固定された受部21と、受部21に固定された側板本体22と、を有している。
本変形例の受部21は、一本の長尺な桟材ではなく、複数本の桟材によって構成されており、これら複数本の桟材は、上下方向に間隔を空けて配置されている。そして、上方に配置された桟材と、下方に配置された桟材との間に形成された空間に電源装置62が配置されている。したがって、本変形例の電源装置62は、受部21と共に、側板本体22の後端部に形成された嵌合溝23の内側に配置されることとなる。すなわち、本変形例における側板2の嵌合溝23は、電源装置62が収納される電源収納凹部として機能する。
【0140】
なお、本変形例の電源装置62は、嵌合溝23内に収まるサイズに設定されているものとする。
また、電源装置62は、受部21とともに壁Wに固定されてもよいし、受部21に対して固定されてもよいし、嵌合溝23の溝底に固定されてもよいが、そのいずれにも固定されず、単に嵌合溝23内に収納されるだけでもよい。
【0141】
主電源からの電源線61は、電源装置62が配置されている側板2における配線スペース27に直接引き込まれて電源装置62に接続されている。
また、電源装置62から伸びる電源ケーブル63は、配線スペース27内に通されるとともに、棚板3の収納凹部37に面して形成された開口部26cに通されて収納凹部37へと配線されている。そして、その電源ケーブル63は、収納凹部37に収納された照明器具64,65に接続されている。
【0142】
本変形例によれば、電源装置62は、受部21と共に嵌合溝23の内側に配置され、一つの側板2の後端部における棚板3側の面に、電源ケーブル63が通される開口部26cが形成され、開口部26cは、棚板3の収納凹部37に面して配置され、かつ、配線スペース27と収納凹部37とを連通しているので、嵌合溝23の内側に配置された電源装置62と棚板3の収納凹部37に収納された照明器具64,65とを接続する電源ケーブル63を、開口部26cを通じて、配線スペース27から収納凹部37に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0143】
〔変形例6〕
変形例においても、図示はしないが、収納棚1が天板5及び地板4を備えていない。そのため、本変形例の収納棚1は、複数の棚板3のうち一つの棚板3に電源収納凹部を備えている。
【0144】
より詳細に説明すると、複数の棚板3はいずれも後端部に収納凹部37が形成された状態となっている。本変形例においては、複数の棚板3のうちいずれか一つの棚板3の収納凹部37が、電源装置62が収納される電源収納凹部として利用されている。そして、このような電源収納凹部として機能する収納凹部37に、電源装置62が収納されている。
【0145】
電源装置62は、収納凹部37の溝底に取り付けられている。この場合、電源装置62は、照明器具64,65と同様に、マグネットMGの磁力によって、収納凹部37の溝底に取り付けられるようにすることが望ましい。これにより、電源装置62は、収納凹部37の溝底に対して着脱自在となるので、メンテナンスを行う場合は、棚板3と壁Wとの間の隙間から、手指によって電源装置62を容易に取り外すことができる。換言すれば、特別な工具等を用いることなく、電源装置62を着脱でき、メンテナンス作業がしやすくなっている。
【0146】
主電源からの電源線は、複数の側板2のうち一方の側板2における配線スペース27内に通されるとともに、電源装置62が収納されている棚板3の収納凹部37に面して形成された開口部26cに通されて収納凹部37へと配線されている。
また、電源装置62から伸びる電源ケーブル63は、複数の側板2のうち他方の側板2における開口部26dに通されるか、配線の状況次第では、一方の側板2における開口部26cに通されるようになっている。そして、電源ケーブル63は、電源装置62が収納凹部37に収納されている棚板3とは異なる他の棚板3の収納凹部37に収納されている照明器具64,65まで配線されている。
【0147】
本変形例によれば、電源装置62は、複数の棚板3のうちいずれか一つの棚板3における収納凹部37に収納され、一方の側板2の後端部におけるいずれか一つの棚板3側の面には、電源ケーブル63が通される開口部26cが形成され、開口部26cは、いずれか一つの棚板3における収納凹部37に面して配置され、かつ、配線スペース27と収納凹部37とを連通しているので、いずれか一つの棚板3における収納凹部37に収納されている電源装置62から伸びる電源ケーブル63を、開口部26c,26dを通じて、収納凹部37から配線スペース27に向かって直接配線することができる。これにより、電源ケーブル63を、収納棚1の正面側から見えないように配線できるので、収納棚1の見栄えを良くすることができる。
【0148】
なお、本変形例においては、上記のように、電源ケーブル63は、電源装置62が収納凹部37に収納されている棚板3から、他の棚板3の収納凹部37に収納されている照明器具64,65まで配線されているものとしたが、電源装置62と第一照明器具64とを同一の収納凹部37に収納してもよい。つまり、電源装置62と第一照明器具64を、同一の棚板3における収納凹部37に並べて収納してもよい。そして、第一照明器具64から伸びる電源ケーブル63を、配線スペース27を通して第二照明器具65に接続してもよい。
【符号の説明】
【0149】
W 壁
F 床
C 天井
SP 鋼板
MG 磁石
1 収納棚
2 側板
21 受部
22 側板本体
23 嵌合溝
24 軽量基材
25a 第一固定下地材
25b 第二固定下地材
25c 第三固定下地材
26 化粧板
27 隙間(配線スペース)
3 棚板
31 受部
32 棚板本体
33 嵌合溝
34 軽量基材
36 化粧板
37 収納凹部
5 天板
51a 第一受部
51b 第二受部
52 天板本体
53 嵌合溝
54 軽量基材
56 化粧板
57 電源収納凹部
6 照明装置
61 電源線
62 電源装置
63 電源ケーブル
64 第一照明器具
65 第二照明器具
【要約】
【課題】電源ケーブルを表面側から見えないようにして収納棚の見栄えを良くするとともに、照明装置に関するメンテナンスを容易に行うことができるようにする。
【解決手段】照明装置6が、収納棚1における棚板3の後端部に設けられた照明器具64,65と、給電用の電源ケーブル63と、を有しており、棚板3は、後端部に形成されて照明器具64,65が収納された収納凹部37を有し、収納凹部37は、側面からの断面視において略コ字状とされて後方に開放されており、複数の側面部2のうち少なくとも一方の側板2は、当該少なくとも一方の側板2の後端部に形成されて電源ケーブル63が配線されたスペース27を有し、スペース27は、少なくとも一方の側板2における後端部の上下方向に沿って中空状に形成されている。
【選択図】
図1