(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】連続ストリップにおける収縮を可能にする収縮コンベヤおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65G 23/00 20060101AFI20240527BHJP
B29D 30/44 20060101ALI20240527BHJP
B65G 39/20 20060101ALI20240527BHJP
B65G 13/04 20060101ALI20240527BHJP
B65G 15/28 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B65G23/00 C
B29D30/44
B65G39/20
B65G13/04
B65G15/28
(21)【出願番号】P 2023503478
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 NL2022050490
(87)【国際公開番号】W WO2023038518
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ウィレム マリナス バン ビーク
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-109226(JP,A)
【文献】特開2019-194124(JP,A)
【文献】特開2001-151345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0218036(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 23/00
B29D 30/44
B65G 39/20
B65G 13/04
B65G 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続ストリップの収縮を可能にするための収縮コンベヤであって、
前記収縮コンベヤは、複数のローラと、
前記複数のローラを、相互に平行な向きであって、搬送方向と垂直な向きに保持するために、前記搬送方向に固定されて離間した複数のローラ位置を画定するフレームと、
前記複数のローラを駆動するための第1の駆動部材とを備え、
前記複数のローラの各ローラは、軸方向に延びるローラ軸を中心に回転可能なローラ本体と、前記ローラ本体に前記ローラ軸と同軸に接続された第1の被駆動部とを備え、
前記軸方向に平行な断面における前記第1の被駆動部は、第1の駆動プロファイルを有し、
前記複数のローラのうちの少なくとも3つのローラの前記第1の駆動プロファイルは先細りし、
前記第1の駆動部材は、それぞれの前記第1の駆動プロファイルに沿った前記第1の駆動部材の接触位置における前記第1の被駆動部の直径によって定められる前記第1の駆動部材の速度に対する伝達比の回転速度で、前記第1の被駆動部との接触を通じて前記複数のローラを回転させるように構成され、
前記第1の駆動部材は、前記複数のローラの前記軸方向に平行な横方向の少なくとも1つのベクトル成分で移動可能で、前記第1の駆動部材が各ローラについて異なる直径で前記少なくとも3つのローラの各ローラの前記第1の被駆動部と接触するようにする、
収縮コンベヤ。
【請求項2】
前記第1の駆動プロファイルは、前記少なくとも3つのローラの各ローラについて異なるテーパ率で先細る、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項3】
前記少なくとも3つのローラの前記第1の駆動プロファイルは、各々の第1の駆動プロファイルが前記ローラ軸の各々に対して異なるテーパ角で先細になる点で異なる、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項4】
前記第1の被駆動部が、少なくとも部分的に円錐形であり、前記少なくとも3つのローラの前記第1の被駆動部が、異なる円錐度を有する、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項5】
前記テーパ率は、前記搬送方向における前記少なくとも3つのローラのうちの各々の後続のローラについて増減する、
請求項2に記載の収縮コンベヤ。
【請求項6】
前記テーパ率は、前記少なくとも3つのローラの各後続ローラについて少なくとも部分的に直線的に増減する、
請求項5に記載の収縮コンベヤ。
【請求項7】
前記テーパ率は、前記少なくとも3つのローラの各後続ローラについて少なくとも部分的に非直線的に増減する、
請求項5に記載の収縮コンベヤ。
【請求項8】
前記搬送方向において前記少なくとも3つのローラの下流の前記複数のローラのうちの1つ以上のローラの前記第1の駆動プロファイルは、円筒形である、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項9】
前記第1の駆動プロファイルは、前記複数のローラのうちの少なくとも半分の各ローラについて異なって先細る、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項10】
前記第1の駆動部材は、前記横方向に前記移動している間に、前記搬送方向に平行のままであるように構成される、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項11】
前記第1の駆動プロファイルが、前記複数のローラの各ローラについて同じテーパ率で先細になる、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項12】
前記第1の駆動部材は、前記第1の駆動部材が前記搬送方向に平行である中立の向きと、前記第1の駆動部材が前記搬送方向に対して斜めの角度にある傾斜した向きとの間で回転するように構成される、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項13】
前記第1の駆動部材がエンドレスのベルトを備える、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項14】
前記少なくとも3つのローラの各ローラは、前記ローラ軸と同軸に前記ローラ本体に接続された第2の被駆動部を備え、前記軸方向に平行な断面における前記第2の被駆動部は、第2の駆動プロファイルを有し、前記複数のローラのうちの前記少なくとも3つのローラの前記第2の駆動プロファイルは、先細になっている、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項15】
前記第1の駆動プロファイルは、前記少なくとも3つのローラの各ローラについて異なるテーパ率で先細り、前記第2の駆動プロファイルの前記テーパ率は、前記少なくとも3つのローラの各ローラに対する同じローラの前記第1の駆動プロファイルの前記テーパ率と同じである、
請求項14に記載の収縮コンベヤ。
【請求項16】
前記第2の駆動プロファイルは、前記少なくとも3つのローラの各ローラについて同じローラの前記第1の駆動プロファイルと鏡像対称である、
請求項14に記載の収縮コンベヤ。
【請求項17】
前記第2の駆動プロファイルは、前記第1の駆動プロファイルと同じ方向に先細になっている、
請求項14に記載の収縮コンベヤ。
【請求項18】
前記第1の被駆動部および前記第2の被駆動部は、前記軸方向で、前記ローラ本体の両端で前記ローラ本体に接続されている、
請求項14に記載の収縮コンベヤ。
【請求項19】
前記収縮コンベヤは、前記複数のローラの前記第2の被駆動部に接触し、前記第2の被駆動部との前記接触を通じて前記複数のローラを回転させるための第2の駆動部材をさらに備える、
請求項14に記載の収縮コンベヤ。
【請求項20】
前記第2の駆動部材は、少なくとも前記横方向のベクトル成分で移動可能である、
請求項19に記載の収縮コンベヤ。
【請求項21】
前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材は、前記横方向に前記移動している間に、互いに平行のままであるように構成されている、
請求項20に記載の収縮コンベヤ。
【請求項22】
前記第1の駆動部材と前記第2の駆動部材は、前記駆動部材が、前記搬送方向に平行である中立の向きと、前記駆動部材が前記搬送方向に対して斜めの角度にある傾斜した向きとの間で回転するように構成される、
請求項19に記載の収縮コンベヤ。
【請求項23】
前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材は、前記横方向に対称に移動するように機械的に結合されている、
請求項19に記載の収縮コンベヤ。
【請求項24】
前記複数のローラ位置は、前記複数のローラよりも数が多い、
請求項1に記載の収縮コンベヤ。
【請求項25】
請求項1に記載の収縮コンベヤを使用して連続ストリップにおいて収縮させるための方法であって、
-前記複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に前記少なくとも3つのローラを配置するステップと、
-前記少なくとも3つのローラの前記伝達比を変化させるために、少なくとも1つのベクトル成分で前記第1の駆動部材を前記横方向に移動させるステップと、
-前記各ローラと前記第1の駆動部材との間の前記伝達比の変化に従って、異なる回転速度で前記少なくとも3つのローラを回転させるステップとを含む、
方法。
【請求項26】
前記第1の駆動プロファイルは、前記少なくとも3つのローラの各ローラについて異なるテーパ率で先細り、前記少なくとも3つのローラは、等しい数のローラ位置に配置され、前記搬送方向において前記少なくとも3つのローラの各後続ローラについて前記テーパ率が増減するようにする、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記テーパ率は、前記少なくとも3つのローラの各後続ローラについて少なくとも部分的に直線で増減する、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記テーパ率は、前記少なくとも3つのローラの各後続ローラについて少なくとも部分的に非直線で増減する、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記横方向に前記移動している間に、前記第1の駆動部材を前記搬送方向に平行に保つステップをさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の駆動部材が前記搬送方向に平行である中立の向きと、前記第1の駆動部材が前記搬送方向に対して斜めの角度にある傾斜した向きとの間で前記第1の駆動部材を回転させるステップをさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも3つのローラは、前記搬送方向に均等に離間した前記複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に配置されている、
請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも3つのローラは、前記搬送方向に不均等に離間した前記複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に配置されている、
請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、連続ストリップ、特にタイヤを成形するためのタイヤ構成要素の収縮を可能にするための収縮コンベヤおよび方法に関する。
【0002】
タイヤ構成要素、特に連続ストリップまたは頂部が押し出されると、タイヤ構成要素は冷却され、タイヤ構成要素のエラストマー材料が弛緩できるように収縮できる必要がある。
【0003】
図10は、タイヤ構成要素のための搬送経路に沿って、搬送方向に連続して配置された3つの収縮セクションを有する既知の収縮コンベヤを示す。各収縮セクションは、ローラ群と、群に含まれるローラを一定の速度で回転させるための駆動ベルトとを備える。搬送方向における各々の後続の収縮セクションについて、ローラ群は、その上に支持されたタイヤ構成要素を収縮させることができるように、前の収縮セクションよりも低い速度で駆動される。
【0004】
既知の収縮コンベヤの欠点は、ローラの速度が各ローラに関して徐々に低下していかないことである。代わりに、3つの収縮区間に対応する3段階で速度が減速され、1つの段階から次の段階へ各々移行する際に、激しい速度の差がある。これは、タイヤ構成要素のエラストマー材料の最適に満たない緩和をもたらし得る。より具体的には、既知の収縮コンベヤを出た後のタイヤ構成要素には、不整合、変形および/または残留する応力が存在し得る。
【0005】
特開平09-109226号公報は、ヘッドプーリ、テールプーリおよび1つまたは複数の中間プーリに沿って延びるエンドレスのチェーンに沿って引っ張られる複数のローラを有する可変の搬送装置を開示している。各ローラには、ヘッドプーリとテールプーリとの間にあるエンドレスのチェーンの上部経路において、レールに接触するテーパ部が設けられている。レールは、搬送方向に対して斜めの角度で配置され、ローラが前記レールに沿って搬送方向に引っ張られるにつれてより速い速度で前記レールとの接触を通じて駆動されるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特開平09-109226号公報による可変の搬送装置の逆の構成を使用してタイヤ構成要素を徐々に収縮させることができるが、この構成は依然として検討すべき技術的欠点を有する。
【0008】
第1に、すべてのローラがレールに接触してレールに沿って移動するときに同じように動作することを確実にするために、それらはすべて同一の形状を有している。搬送方向(transport direction)に対してレールが傾斜する角度およびその直線形状が、レールに沿った各々の位置におけるローラの速度を決定する。搬送方向に対してガイドが傾斜する角度は調整することができるが、レールの直線性は同じままである。したがって、各ローラの速度を個別に調整する、すなわち搬送方向に速度の非線形での減少を形成する、または線形の構成から非線形の構成に変える柔軟性はない。
【0009】
第2に、各ローラの速度は、前記ローラのテーパ部とガイドとの間で接触する横方向位置によって規定され、これは、テーパ部の円錐度によって規定される範囲で変化し得る。前記範囲は、各ローラについて同じである。したがって、前記範囲に対するガイドの位置決めの精度、したがって各ローラの速度を制御することができる精度は、すべてのローラについて同じである。
【0010】
第3に、ローラは、ローラよりも大きい相対的に大きい直径をそれぞれ有するヘッドプーリおよびリターンプーリに沿って、それぞれエンドレスのチェーンの上部経路に出入りする。これにより、可変の搬送装置の上流および/または下流のコンベヤ間に相対的に大きな隙間が生じる。
【0011】
最後に、人間の操作者が収縮プロセスをチェックし、必要に応じて収縮コンベヤの連続ストリップの位置を手動で調整することが一般的である。特開平09109226号による可変の搬送装置における、移動性のエンドレスのチェーン、エンドレスのチェーンに沿うようにローラを引っ張ること、およびレールを斜めに角度付けることはすべて、特に、指または手に対して、潜在的なピンチポイントの形態で、重大な安全上の危険を生じる。
【0012】
本発明の目的は、収縮コンベヤの調整性、精度および/または安全性を改善することができる、収縮コンベヤおよび連続ストリップの収縮を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の態様によれば、本発明は、連続ストリップの収縮を可能にするための収縮コンベヤであって、収縮コンベヤは、複数のローラと、複数のローラを搬送方向に垂直な相互に平行な向きに保持するために前記搬送方向に固定されて離間された複数のローラ位置を画定するフレームと、複数のローラを駆動するための第1の駆動部材とを備え、複数のローラの各ローラは、軸方向に延びるローラ軸を中心に回転可能なローラ本体と、前記ローラ本体にローラ軸と同軸に接続された第1の被駆動部(driven part)とを備え、軸方向に平行な断面における第1の被駆動部は第1の駆動プロファイルを有し、複数のローラのうちの少なくとも3つのローラの第1の駆動プロファイルは先細りし(tapered)、第1の駆動部材は、それぞれの第1の駆動プロファイルに沿った第1の駆動部材の接触位置における第1の被駆動部の直径によって定められる第1の駆動部材の速度に対する伝達比の回転速度で、前記第1の被駆動部との接触を通じて複数のローラを回転させるように構成され、第1の駆動部材は、複数のローラの軸方向に平行な横方向の少なくとも1つのベクトル成分で移動可能で、第1の駆動部材が各ローラについて異なる直径で少なくとも3つのローラの各ローラの第1の被駆動部と接触するようにする、収縮コンベヤを提供する。
【0014】
ローラを搬送方向の固定のローラ位置に配置することによって、エンドレスのチェーン、および斜めに配置される角度付きのレールに対してローラを移動させることによって提示される危険性を、低減および/または防ぐことができる。さらに、ローラは、リターンプーリおよびヘッドプーリの周りに戻される必要がないので、収縮コンベヤと前記収縮コンベヤの上流または下流のコンベヤとの間の間隙が大幅に低減され得る。一方、上述のような可変の伝達比は、少なくとも3つのローラの速度を可変に制御するという利点を依然として備えることができる。
【0015】
一実施形態では、第1の駆動プロファイルは、少なくとも3つのローラの各ローラに対して異なるテーパ率でテーパが付けられる。言い換えれば、少なくとも3つのローラの第1の駆動プロファイルは、各々の第1の駆動プロファイルがそれぞれのローラ軸に対して異なるテーパ角で先細になるという点で異なる。異なる第1の駆動プロファイルのローラを有することによって、前記ローラに対する駆動手段の向きではなく、それぞれの第1の駆動プロファイルの差に従って前記ローラの速度を可変で制御することができる。したがって、危険なピンチポイントを防止することができる。さらに、各ローラを実質的に同じように駆動、接触、または係合させることができるため、ローラの駆動の複雑さを大幅に低減することができる。最後になってしまったが、各々の第1の駆動プロファイルは、特にテーパ率が比較的小さい場合に、前記ローラに固有である、全範囲にわたるローラの速度の比較的高いレベルの精度または制御をもたらすことができる。
【0016】
好ましい実施形態では、第1の被駆動部が、少なくとも部分的に円錐形であり、少なくとも3つのローラの第1の被駆動部が、異なる円錐度を有する。ローラの速度は、前記ローラをその円錐の形状に沿って異なる位置で係合させることによって、変化させることができる。円錐度は、速度の変わる範囲を規定する。円錐度がより高いことは相対的に広い範囲を意味し、円錐度がより低いことは相対的に狭い範囲をもたらす。
【0017】
別の実施形態では、テーパ率は、搬送方向における少なくとも3つのローラの各後続ローラについて増加または減少する。したがって、ローラの速度が変わる範囲は、最上流のローラから最下流のローラに向かって増減する。言い換えれば、速度は、最も高いテーパ率のローラで最も大きく変化させることができ、一方、速度は、最も低いテーパ率のローラで最も小さく変化させることができる。
【0018】
好ましくは、テーパ率は、少なくとも3つのローラの各々の後続のローラについて、少なくとも部分的に直線的に、増加または減少する。したがって、搬送方向の各々の後続のローラ対の間で、連続ストリップは、前記ローラ間の回転速度の一定の変化にさらされ得る。
【0019】
さらなる実施形態では、テーパ率は、少なくとも3つのローラの各後続ローラについて、少なくとも部分的に非直線的に、増加または減少する。テーパ率の増加または減少は、連続ストリップの自然の収縮挙動に従って変化させることができる。テーパ率は、例えば収縮コンベヤの上流の端部でより急速に、またその下流の端部でより緩慢に増加または減少させて、例えば、収縮コンベヤの起始部で相対的に高い収縮に、また下流で減少した収縮に対応するようにすることができる。
【0020】
別の実施形態では、各々の第1の被駆動部は、最大の円周および最小の円周を有し、最大の円周は、複数のローラのすべてのローラの第1の被駆動部に対して同じである。最小の円周のみを変化させることによって、すべてのローラは、前記最大の円周で第1の被駆動部と係合するときに同じ最低の速度で駆動することができる。ローラの速度は、最小の円周と前記最大の円周との間の比に応じて変えることができる。あるいは、各々の第1の被駆動部は、最大の円周および最小の円周を有し、最小の円周は、複数のローラのすべてのローラの第1の被駆動部に対して同じである。最大の円周のみを変化させることによって、すべてのローラは、前記最大の円周で第1の被駆動部と係合するときに同じ最高の速度で駆動することができる。
【0021】
別の実施形態では、搬送方向において少なくとも3つのローラの下流の複数のローラのうちの1つ以上のローラの第1の駆動プロファイルは、円筒形である。円筒形の第1の駆動プロファイルを有するローラの速度は、一定または固定されたままである。
別の実施形態では、第1の駆動プロファイルは、複数のローラのうちの少なくとも半分の各ローラについて異なって先細る。したがって、ローラの速度は、ローラの少なくとも半分について可変的に調整することができる。
【0022】
別の実施形態では、第1の駆動部材は、横方向に前記移動している間に、搬送方向に平行または実質的に平行のままであるように構成される。したがって、第1の駆動部材は、横方向に同じ距離にわたって第1の被駆動部の各々に対して変位することができ、それぞれの第1の被駆動部の第1の駆動プロファイルのテーパ率に応じてそれぞれのローラの速度を変化させる。
【0023】
代替的な実施形態では、第1の駆動プロファイルは、複数のローラの各ローラについて同じテーパ率で先細になる。したがって、ローラはすべて同じ方法で設計または構成することができる。
【0024】
別の代替的な実施形態では、第1の駆動部材は、第1の駆動部材が搬送方向に平行または実質的に平行である中立の向きと、第1の駆動部材が搬送方向に対して斜めの角度にある傾斜した向きとの間で回転するように構成される。斜めの角度は、少なくとも3つのローラの各ローラの第1の被駆動端部の第1の駆動部材の異なる接触位置、したがって直径係合および/または伝達比をもたらすことができる。
【0025】
さらなる実施形態では、第1の駆動部材はエンドレスのベルトを備える。エンドレスのベルトは、各ローラを回転させるために第1の被駆動部に継続的な摩擦を加えることができる。
【0026】
別の実施形態では、少なくとも3つのローラの各ローラは、ローラ軸と同軸にローラ本体に接続された第2の被駆動部を備え、軸方向に平行な断面の第2の被駆動部は第2の駆動プロファイルを有し、複数のローラのうちの少なくとも3つのローラの第2の駆動プロファイルは先細になっている。各ローラに2つの被駆動部を設けることにより、ローラをより確実におよび/またはよりバランスよく駆動することができる。
【0027】
好ましくは、第2の駆動プロファイルのテーパ率は、少なくとも3つのローラの各ローラについて同じローラの第1の駆動プロファイルのテーパ率と同じである。したがって、ローラの速度は、ローラをその2つの被駆動部に同じまたは実質的に同じ方法で接触、係合、および/または駆動することによって可変に制御することができる。
【0028】
さらなる実施形態では、第2の駆動プロファイルは、少なくとも3つのローラの各ローラについて同じローラの第1の駆動プロファイルと鏡像対称である。したがって、2つの被駆動部は、鏡像対称に移動することができる接触位置で係合または駆動することができる。
【0029】
あるいは、第2の駆動プロファイルは、第1の駆動プロファイルと同じ方向に先細になる。したがって、第1の駆動部材および第2の駆動部材(後述)は、横方向に平行な同じ方向に移動することができ、それによって、前記駆動部材を変位させるための手段を単純化する。
【0030】
さらなる実施形態では、第1の被駆動部および第2の被駆動部は、前記ローラ本体の軸方向の両端でローラ本体に接続される。ローラ本体の両端に2つの被駆動部を設けることにより、ローラ本体上の連続ストリップの搬送を妨げることなく、被駆動部を容易に係合させ、接触させ、および/または駆動させることができる。
【0031】
さらなる実施形態では、収縮コンベヤは、複数のローラの第2の被駆動部に接触し、前記第2の被駆動部との前記接触を通じて複数のローラを回転させるための第2の駆動部材をさらに備える。これにより、第1の被駆動部および第2の被駆動部をその専用の駆動部材で駆動することができる。
【0032】
好ましくは、第2の駆動部材は、少なくとも横方向のベクトル成分で移動可能である。したがって、駆動部材は、それらが接触、係合、および/または駆動することになっているそれぞれの被駆動部に対して移動することができ、それによって、駆動部材とそれぞれの被駆動部との間での接触位置、したがってそれぞれのローラの速度を、前記被駆動部によって画定される駆動プロファイルに従って変化させる。
【0033】
より好ましくは、第1の駆動部材および第2の駆動部材は、横方向に前記移動している間に、互いに平行または実質的に互いに平行のままであるように構成されている。したがって、第1の駆動部材および第2の駆動部材は、同様に、第1の被駆動部および第2の被駆動部にそれぞれ係合または接触することができる。
【0034】
あるいは、第1の駆動部材と第2の駆動部材は、駆動部材が、搬送方向に平行または実質的に平行である中立の向きと、駆動部材が搬送方向に対して斜めの角度にある傾斜した向きとの間で回転するように構成される。斜めの角度は、少なくとも3つのローラの各ローラの第1の被駆動端部および第2の駆動端部の第1の駆動部材および第2の駆動部材の異なる接触位置、したがって直径係合および/または伝達比をもたらすことができる。
【0035】
さらなる実施形態では、第1の駆動部材および第2の駆動部材は、横方向に対称または実質的に対称に移動するように機械的に結合されている。これにより、ローラの両端の第1の被駆動部および第2の被駆動部に対する第1の駆動部材および第2の駆動部材の相対的な位置を、同期させて変動または調整することができる。
【0036】
別の実施形態では、複数のローラ位置は、複数のローラよりも数が多い。したがって、ローラのローラ位置を選択する際に、ある程度の柔軟性がある。いくつかのローラを一緒にグループ化することができ、規則的または不規則なローラのパターンを作成することができる。
【0037】
別の実施形態では、少なくとも3つのローラは、搬送方向に均等に離間した複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に配置されている。したがって、連続ストリップは、収縮コンベヤに沿って搬送方向に均一に支持され得る。
【0038】
あるいは、少なくとも3つのローラは、搬送方向に不均等に離間した複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に配置されている。ローラ間の不均一な間隔は、異なる位置で連続ストリップに異なる速度が課される結果となり得る。さらに、搬送方向における1メートル当たりのローラの量を調整して、連続ストリップの支持量を変えることができる。特に、ローラは、一対の後続のローラ間で緩むように促進するために、さらに離れて配置されてもよい。連続ストリップが緩むと、より長い長さの連続ストリップを収縮コンベヤ内に収容することができる。
【0039】
別の実施形態では、フレームは、複数のローラの各ローラを、複数のローラ位置の任意のローラ位置に交換できるよう受け入れるように構成されている。ローラは、フレーム内に簡便に配置され、フレームから取り外され得る。したがって、ローラは、容易に切替または交換することができ、収縮コンベヤを、異なる連続ストリップの異なる収縮挙動を可能な限り近くで一致させるように高度に適合可能なものにする。
【0040】
別の実施形態では、複数のローラの第1の被駆動部は交換できる。ローラを交換する代わりに、またはローラを交換することに加えて、第1の被駆動部を交換することができる。したがって、ローラは、異なる速度の範囲に対して変更することができる。
【0041】
第2の態様によれば、本発明は、前述の実施形態のいずれか1つによる収縮コンベヤを使用して連続ストリップにおいて収縮させるための方法であって、
-複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に少なくとも3つのローラを配置するステップと、
少なくとも3つのローラの伝達比を変化させるために、少なくとも1つのベクトル成分で第1の駆動部材(41)を横方向(L)に移動させるステップと、
-各ローラと第1の駆動部材との間の変化する伝達比に従って、異なる回転速度で少なくとも3つのローラ(3、103、203、303)を回転させるステップと
を含む、方法を提供する。
【0042】
上記の方法は、本発明の第1の態様による収縮コンベヤの実際の実装形態に関し、したがって同じ技術的利点を有し、それは以下では繰り返さない。
【0043】
好ましい実施形態では、少なくとも3つのローラは、等しい数のローラ位置に配置され、搬送方向において少なくとも3つのローラの各後続ローラについてテーパ率が増減するようにする。
【0044】
好ましくは、テーパ率は、少なくとも3つのローラの各々の後続のローラについて、少なくとも部分的に直線的に、増加または減少する。
【0045】
さらなる実施形態では、テーパ率は、少なくとも3つのローラの各後続ローラについて、少なくとも部分的に非直線的に減少する。
【0046】
さらなる実施形態では、方法は、横方向に前記移動している間に、搬送方向に平行または実質的に平行に保つステップをさらに含む。
【0047】
あるいは、方法は、第1の駆動部材が搬送方向に平行または実質的に平行である中立の向きと、第1の駆動部材が搬送方向に対して斜めの角度にある傾斜した向きとの間で第1の駆動部材を回転させるステップをさらに含む。
【0048】
さらなる実施形態では、少なくとも3つのローラは、搬送方向に均等に離間した複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に配置されている。
【0049】
さらなる実施形態では、少なくとも3つのローラは、搬送方向に不均等に離間した複数のローラ位置の等しい数のローラ位置に配置されている。
【0050】
さらなる実施形態では、方法は、複数のローラのうちの2つ以上のローラについて、前記複数のローラ位置のローラ位置間でローラを交換するステップをさらに含む。
【0051】
さらなる実施形態では、方法は、複数のローラのうちの2つ以上のローラの間で第1の被駆動部を交換するステップをさらに含む。
【0052】
特許請求されてはいない第3の態様によれば、本発明は、連続ストリップの収縮を可能にするための収縮コンベヤを提供し、収縮コンベヤは、複数のローラと、複数のローラを前記搬送方向に垂直な相互に平行な向きに保持するために搬送方向に離間した複数のローラ位置を画定するフレームとを備え、複数のローラの各ローラは、軸方向に延びるローラ軸を中心に回転可能なローラ本体と、ローラ軸と同軸に前記ローラ本体に接続された第1の被駆動部とを備え、軸方向に平行な断面の第1の被駆動部は、第1の駆動プロファイルを有し、複数のローラのうちの少なくとも3つのローラの第1の駆動プロファイルは、少なくとも3つのローラの各ローラについて異なるテーパ率で先細になる。
【0053】
本明細書に記載および図示された様々な態様および特徴は、可能である限り、個別に適用することができる。これらの個々の態様、特に付属の従属請求項に記載された態様および特徴は、特許の分割出願の主題とすることができる。
【0054】
本発明は、添付の概略図に示される例示的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明の第1の実施形態による複数のローラを有する収縮コンベヤの等角図を示す。
【
図3】
図2の線III-IIIによる収縮コンベヤの断面図を示す。
【
図4】
図2の線IV-IVによる収縮コンベヤの断面図を示す。
【
図5】複数のローラの異なる構成である、
図1による収縮コンベヤの上面図を示す。
【
図6】ローラを駆動する機構を露出させる、
図1による収縮コンベヤの上面図を示す。
【
図7】本発明の第2の実施形態による代替的な収縮コンベヤの上面図を示す。
【
図8】本発明の第3の実施形態による、さらなる代替的な収縮コンベヤの上面図を示す。
【
図9】本発明の第4の実施形態による、さらなる代替的な収縮コンベヤの上面図を示す。
【
図10】従来技術による収縮コンベヤの等角図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1~
図6は、連続ストリップ9、特にタイヤ成形用のタイヤ構成要素の収縮を可能にするための、本発明の第1の実施形態による収縮コンベヤ1を示す。この例示的な実施形態では、タイヤ構成要素は、実質的に三角形の断面を有する新たに押し出された頂部ストリップである。頂部ストリップが押出機を離れると、これは、冷却され、またエラストマー材料が弛緩できるようにすべく収縮できる必要がある。
【0057】
図1に示すように、収縮コンベヤ1はローラコンベヤである。収縮コンベヤ1は、連続ストリップ9を押出機(図示せず)から引き出す引出しコンベヤ(pull off conveyor)8のすぐ下流に配置される。収縮コンベヤ1の下流の端部には、ダンサローラ7または別の緩衝部材が設けられて、ループ状の連続ストリップ9を後続ステーション、例えば冷却ドラム(図示せず)に供給する。収縮コンベヤ1は、フレーム本体20と、アレイまたは複数のローラ位置P1、P2、...、Pnを画定するように前記フレーム本体20に形成された複数のフレームスロット21とを有するベースまたはフレーム2を備える。ローラ位置P1、P2、...、Pnは、搬送方向Tに離間している。ローラ位置P1、P2、...、Pnは、搬送方向Tに固定または静止している。言い換えると、ローラ3は、配置されると、搬送方向Tにそれぞれのローラ位置P1、P2、...、Pnに留まりながら回転する。
【0058】
この例では、ローラ位置P1、P2、...、Pnは、均等に離間している。収縮コンベヤ1は、前記ローラ位置P1、P2、...、Pnに受け入れられる、または配置される複数のローラ3をさらに備える。複数のローラ位置P1、P2、...、Pnに受け入れられると、ローラ3は共に連続ストリップ9の搬送面を形成または画定する。
図1に示す収縮コンベヤ1は、ローラ位置P1、P2、...、Pnよりも少ないローラ3を有することに留意されたい。特に、ローラ3は、1つの空のローラ位置P1、P2、...、Pnを間に挟んで配置される。あるいは、すべてのローラ位置P1、P2、...、Pnは詰まった状態でもよく、または利用可能なローラ位置P1、P2、...、Pnにわたるローラ3の異なる分布が選択されてもよい。
図5は、ローラ3のいくつかが、直接隣接するローラ位置P1、P2、...、Pnにおいて対にされ、他のものが、1つまたは複数の空のローラ位置P1、P2、...、Pnにより離間されている代替構成を示す。
【0059】
ローラ3は、フレームスロット21に交換可能または交換できるように収容されている、つまり、それらが、収縮コンベヤ1の内部に再配置されるか、または取り出して別のローラ3と交換するために、それぞれのローラ位置P1、P2、...、Pnから取り外しおよび/または除去することができることを意味する。特に、フレームスロット21が上方向に開き、ローラ3を前記上方向に自由に取り出すことができるようにしている。これはまた、挟み込みのリスクが低減されるため、操作者の安全性を高めることができる。収縮コンベヤ1は、フレーム2に現在保持されているローラ3のうちの1つ以上を交換するための予備ローラ3のセットを伴うことができる。
【0060】
図2において最もよく見られるように、各ローラ3は、ローラ軸Rを中心に回転可能なローラ本体30を備える。ローラ軸Rは、軸方向Aを画定する。この例では、ローラ本体30は、円筒形またはまっすぐな円筒形である。あるいは、ローラ本体30はクラウン加工されてもよい。ローラ3は、複数のローラ位置P1、P2、...、Pnに受け入れられるとき、互いに平行である。すなわち、ローラ軸Rは互いに平行である。より具体的には、ローラ軸Rは、軸方向Aに平行または実質的に平行、および/または搬送方向Tに垂直または実質的に垂直な横方向Lに延在することが観察され得る。フレーム2は、好ましくは、ローラ3を囲むように横方向Lにおいてローラ3の両側に追加の壁を形成されるまたは備え、それによってローラ3を固定するか、または前記横方向Lにおけるフレーム2に対するローラ3の過剰な移動を防止する。
【0061】
各ローラ3には、各ローラ本体30のローラ軸Rに対して同軸に配置または延在する第1の被駆動部31がさらに設けられている。この例では、各ローラ3は、この場合には第1の端部とは反対側のローラ本体30の第2の端部に、第2の被駆動部32をさらに備える。あるいは、被駆動部31、32は、ローラ本体30に沿って中間位置に配置されてもよい。第1の被駆動部31に関して後に記載される特徴は、必要な変更を加えて第2の被駆動部32にも適用される。
【0062】
この例では、第1の被駆動部31は、ローラ本体30の第1の端部に、横方向Lで着脱可能に取り付けられている。あるいは、第1の被駆動部31は、ローラ本体30と一体に形成されていても、ローラ本体の一部として形成されていてもよい。第1の被駆動部31は、ローラ本体30の端部に位置していなくてもよく、別法として、ローラ本体30の横方向Lの長さに沿った中間の位置に、形成または位置していてもよい。
【0063】
図2に示すように、複数のローラ3の第1の被駆動部31各々は、複数のローラ3の各ローラ3で異なる第1の駆動プロファイルF1、F2、...、Fnを有する。各々の第2の被駆動部32は、好ましくは軸方向Aに垂直な中央の平面の周りで、同じローラ3の第1の駆動プロファイルF1、F2、...、Fnと鏡像対称である第2の駆動プロファイルG1、G2、...、Gnを有する。
【0064】
特に、複数のローラ3の第1の駆動プロファイルF1、F2、...、Fnは、各ローラ3で異なるテーパ率またはテーパ角H1~Hnで、テーパ状である。より具体的には、テーパ率またはテーパ角H1~Hnは、搬送方向Tにおいて各々の後続のローラ3で減少する。この例では、搬送方向Tの最後のローラ3を除くすべてのローラ3の第1の被駆動部31が円錐形である。円錐形の第1の被駆動部31は、円錐度が異なる。特に、第1の被駆動部31の円錐度は、搬送方向Tにおいて各々の後続のローラ3で小さくなる。
【0065】
テーパ率は、第1の被駆動部31の最大の直径と最小の直径との比、または、最大の円周と最小の円周との比で表されてもよい。なお、最大の直径または最大の円周は、全被駆動部31、32で同じである。最小の直径または最小の円周は、搬送方向Tの第1のローラ3から、搬送方向Tで、最後のローラ3に向かって、徐々に増加する。
【0066】
図示の例では、減少は直線的であり、すなわち後続のローラ3の対の間に、等しい減少間隔を有する。減少はまた、連続ストリップ9の収縮の特性に応じて、非線形でも、または線形と非線形との組み合わせであってもよいことに留意されたい。例えば、連続ストリップ9が収縮コンベヤ1の上流の部分で強く収縮し、前記収縮コンベヤ1の下流の部分であまり強く収縮しない傾向がある場合、第1の駆動プロファイルF1、F2、...、Fnは適宜調整され得る。円錐度、テーパ率またはテーパ角H1、H2、...、Hnは、2つ以上のローラ3の第1の被駆動部31について、同じであってもよい。1つ以上のローラ3は、非テーパ状または非円錐状の第1の駆動プロファイルF1、F2、...、Fn、すなわち、搬送方向Tにおける最後のローラ3のような円筒状またはまっすぐな円筒状を有してもよいことに、さらに留意されたい。収縮コンベヤ1は、例えば、円筒状の第1の被駆動部31を有する収縮コンベヤ1の下流の端部に、2つ以上のローラ3を有してもよい。
【0067】
図3および
図4は、それぞれ第1のローラ位置P1および第5のローラ位置P5における2つのローラ3の断面を示す。明確に示されているように、第1のローラ位置P1(
図3)におけるローラ3の第1の被駆動部31の第1の駆動プロファイルF1は、第1のテーパ率または5度を超える第1のテーパ角H1で先細になり、一方、第5のローラ位置P5(
図4)におけるローラ3の第1の被駆動部31の第5の駆動プロファイルF5は、第1のテーパ率または5度以下の第5のテーパ角H5で先細になる。
【0068】
図示の例では、テーパ率またはテーパ角H1、H5は、それぞれの第1の駆動プロファイルF1、F5に沿って一定であり、線形の第1の駆動プロファイルF1、F5をもたらす。しかし、代替的な実施形態では、テーパ率またはテーパ角H1、H5は一定ではないことが想定される。第1の駆動プロファイルH1、H5は、例えば、非線形、凸状、凹状および/またはクラウン状であり得る。
【0069】
図3および
図4では、第1の被駆動部31は、ローラ本体30と一体であるものとして示されている。あるいは、第1の被駆動部31は、前記ローラ本体30に連結または固定された別個の部分であってもよい。第1の被駆動部31はまた、ローラ本体30から取り外し可能であってもよく、または前記ローラ本体30に交換可能または交換できるように接続されてもよい、すなわち、ローラ3全体を交換することなく、それぞれのローラ3の第1の駆動プロファイルF1~Fnを変更するのでもよい。
【0070】
図6に示すように、収縮コンベヤ1は、複数のローラ3の第1の被駆動部31および第2の被駆動部32にそれぞれ接触するための第1の駆動部材41および第2の駆動部材42をさらに備える。駆動部材41、42は、搬送方向Tに平行または実質的に平行な方向に延在する。駆動部材41、42は、ローラ3の下に、すなわちフレーム2によって画定されるローラ位置P1、P2、...、Pnに沿って配置される。あるいは、駆動部材41、42は、ローラ3の上方または周囲に配置され得る。
【0071】
駆動部材41、42は、前記第1の被駆動部31および前記第2の被駆動部32との前記接触または摩擦によって複数のローラ3を回転させるように構成されている。この例では、駆動部材41、42は、エンドレスのベルトである。駆動部材41、42は、被駆動部31、32に対する前記駆動部材41、42の接触位置を調整するために、矢印Dで示すように、横方向Lに移動可能である。
【0072】
駆動部材41、42は、横方向Lに対称的に移動するように機械的に結合されている。特に、収縮コンベヤ1は、駆動部材41、42を横方向Lに互いに接近および離間するように同期で移動させるための変位機構5を備える。この例では、変位機構5は、駆動部材41、42を担持する対応するナット6と係合する対向するねじ部を有する2つのスピンドルドライブ51、52を備える。2つのスピンドルドライブ51、52が存在することは、横方向Lで変位している間に、駆動部材41、42が相互に平行および/または搬送方向Tと平行のままであり得ることを確実にする。
【0073】
あるいは、駆動機構5は、駆動部材41、42を変位させるためのリンク機構、トラック、ギアラック、または他の適切な種類の機械的な部分を備えてもよい。さらなる代替の実施形態では、駆動部材41、42は、個別に制御可能なアクチュエータによって駆動され、同期して移動するように制御されてもよく、例えば、空気圧、油圧または電気のアクチュエータであってもよい。
【0074】
駆動部材41、42を平行に保つことにより、挟み込みのリスクが低減されるため、操作者の安全性をさらに向上させることができる。代替的に、変位機構5は、片側または両側で、互いに向かっておよび/または互いに離れるように、駆動部材41、42のわずかな傾斜を導入するように構成され得、搬送方向Tで収縮コンベヤ1の一端に向かうローラ3の速度に対して変位が与える影響を高めるようにする。
【0075】
収縮コンベヤ1は、駆動部材41、42を搬送方向Tに同期して駆動するように個別に制御可能および/または結合された、1つ以上の搬送ドライブ53、54をさらに備える。
【0076】
図3および
図4に示すように、駆動部材41、42は、前記駆動部材41、42の幅にわたって少なくとも1つの接触位置でローラ3に接触するように構成される。ローラ3は、重力の影響を受けながら、駆動部材41、42に載っている。円錐形の被駆動部31、32の場合、駆動部材41、42は、前記駆動部材41、42の内側に面する縁部において、それぞれの被駆動部31、32に接触することだけができる。搬送方向Tの最後のローラ3における円筒状の被駆動部31、32の場合、駆動部材41、42は、前記駆動部材41、42の全幅にわたってそれぞれの被駆動部31、32に接触することができる。
【0077】
上述の収縮コンベヤ1を使用して連続ストリップ9を収縮させる方法を、
図1~6を参照して、今より簡単に説明する。
【0078】
方法は、
図1および
図2に示すような規則的なパターン、または
図5に示すような不規則なパターンで、複数のローラ位置P1、P2、...、Pnの等しい数のローラ位置P1、P2、...、Pnに複数のローラ3を配置するステップを含む。ローラ3の間の間隔は、連続ストリップ9が後続のローラ3の間で緩む傾向に影響を及ぼし得る。緩むのを防ぐために、より多くのローラ3を設けてもよいし、意図して緩ませる場合にローラ3を省いてよい。
【0079】
方法は、各駆動プロファイルF1、F2、...、Fn、G1、G2、...、Gn間のテーパ率またはテーパ角H1、H2、...、Hnの差に従って、ローラ3を異なる回転速度で駆動するステップをさらに含む。特に、ローラ3は、それぞれの駆動プロファイルF1~Fn、G1~Gnに沿って、それぞれの駆動部材41、42とそれぞれの被駆動部31、32との間の接触位置で、それぞれの被駆動部31、32の直径、円周、または周の長さによって定められる第1の駆動部材41の速度に対する伝達比での回転速度で回転する。
図2に示すような駆動部材41、42の横方向位置では、複数のローラ3のうちの搬送方向Tの第1のローラ3は、搬送方向Tの最後のローラ3と比較して相対的に小さい円周を有し、これは一定のまたはまっすぐな円筒形の円周を有する。したがって、第1のローラ3の速度は、搬送方向Tにおける最後のローラ3の速度よりも速い。第1のローラ3と最後のローラ3との間のローラ3の回転速度は、横方向Lにおける被駆動部31、32に対する駆動部材41、42の相対的な位置に依拠して、減少するテーパ率またはテーパ角H1、H2、...、Hnに応じて、搬送方向Tにおける後続の各ローラ3と共に次第に減少する。
【0080】
方法は、第1の駆動部材41および第2の駆動部材42を横方向Lに移動させて、駆動部材41、42とローラ3との速度の伝達比を調整するステップをさらに含む。駆動部材41、42が互いに平行および/または搬送方向Tに対して平行に維持されると、駆動部材41、42と各被駆動部31、32との間の接触位置はすべて、同じ量で各駆動プロファイルF1~Fn、G1~Gnに沿って、横方向Lに変位する。それぞれの駆動プロファイルF1~Fn、G1~Gnのテーパ率またはテーパ角H1、H2、...、Hnでは、最も高いテーパ率またはテーパ角H1のローラ3で、速度が最も変化し、一方、より低いテーパ率またはテーパ角Hnのローラ3で、速度の変化が最も少ないかまたは一定のままである。
【0081】
ローラ3の速度は、テーパ角H1、H2、...、Hnと、駆動部材41、42が搬送方向Tに1つまたは複数の搬送ドライブ53、54によって駆動される速度との間の関係によって決定される。駆動部材41、42の速度は、搬送方向Tにおける第1のローラ31の速度を常に一定に保つように調整することができる。次いで、第1のローラ3の下流の後続のローラ3のテーパ角H1、H2、...、Hnにより、駆動部材41、42の速度と組み合わせて、前記第1のローラ3に対する後続のローラ3の速度が決まる。
【0082】
例えば、横方向位置で、駆動部材41、42が被駆動部31、32に接触しているとき、すべての被駆動部31、32が同じ最大の直径である場合に、すべてのローラ3で速度が100%となる。しかし、駆動部材41、42がより外側の位置まで横方向に移動され、駆動部材41、42の速度が同じままである場合、第1のローラ3の速度は最も増加し、搬送方向Tにおける後続ローラ3の速度は次第に減少する。しかし、第1のローラ3は、一定の速度、または少なくとも引出しコンベヤ8の速度に一致する速度で回転することが好ましい。したがって、1つまたは複数の搬送ドライブ53、54を制御して、駆動部材41、42の速度を低下させることができ、第1のローラ3の速度が、駆動プロファイルF1、G1に対する駆動部材41、42の横方向の位置が変化したにもかかわらず、一定または実質的に一定のままであるようにする。駆動部材41、42の速度が低下すると、搬送方向Tにおいて、後続のローラ3を横切る速度が徐々に低下する。
【0083】
なお、ローラ3に対する駆動部材41、42の横方向位置は、すべての被駆動部31、32について同じである、前記横方向Lにおける各駆動プロファイルF1~Fn、G1~Gnの幅によって規定される範囲内に、制御することができる。これは、特に、例えば0に近い、非常に小さいものでしかないテーパ率またはテーパ角のローラ3について、それぞれの駆動プロファイルF1~Fn、G1~Gnの端点間の直径の差が、相対的に小さいことを意味する。さらに、前記相対的に小さい直径の差は、駆動部材41、42を、それぞれの駆動プロファイルを横切って横方向Lに移動させることによって、非常に正確な速度の制御、または非常に高い分解能での制御を可能にする。
【0084】
図7は、本発明の第2の実施形態による代替的な収縮コンベヤ101を示し、これは、搬送方向Tにおいて後続の各ローラ103が増加するテーパ角で先細になる駆動プロファイルF101~Fn、G101、Gnを有する被駆動部131、132を有するローラ103を特徴とする点で、上述の収縮コンベヤ1とは異なる。特に、駆動部131、132は、すべての駆動部131、132について同じである最小の直径と、搬送方向Tにおいて第1のローラ103から搬送方向Tにおいて最後のローラ103に向かって増加する最大の直径とを有する。したがって、前述の実施形態とは対照的に、第1のローラ103は常に駆動部材41、42の速度に対して一定の比率で駆動されるが、後続のローラの速度は、駆動部材41、42の速度と、増加するテーパ角との間の関係次第で増加する。これにより、第1のローラ103の速度を一定に保つために駆動部材41、42の速度を調整する必要がないので、それらの制御を簡単にすることができる。
【0085】
図8は、本発明の第3の実施形態によるさらなる代替的な収縮コンベヤ201を示し、これは、一定のテーパ角で先細になる駆動プロファイルF201~Fn、G201~Gnを有する被駆動部231、232を有するローラ203を特徴とする点で、前述の実施形態とは異なる。つまり、テーパ角は、すべての被駆動部231、232で同じである。可変の速度の差は、駆動部材241、242を、前記駆動部材241、242が搬送方向Tに平行または実質的に平行である中立の向きから、前記駆動部材241、242が搬送方向Tに対して斜めの角度にある傾斜した向き(skewed orientation)に傾斜または回転させることによって生じる。傾斜させることは、ローラ203の範囲について、横方向Lにおける駆動部材241、242間の可変の接触位置を有効にする。特に、駆動部材241、242は、被駆動部231、232の最小の直径またはその付近で第1のローラ203と接触し、最大の直径またはその付近で最後のローラ203と接触するように傾斜され得る。
【0086】
図9は、本発明の第4の実施形態によるさらなる代替的な収縮コンベヤ301を示し、これは、第1の駆動部31に対して鏡像対称ではない第2の被駆動部332を有するローラ303を特徴とする点で、本発明の第1の実施形態(
図1~6)とは異なる。このため、第2の駆動プロファイルG301~Gnは、第1の駆動プロファイルF1~Fnと同じ方向に先細りする。したがって、駆動部材41、42は、互いに接近および離間する代わりに、横方向Lに平行な同じ方向に移動することができ、それによって変位機構(図示せず)の単純化を可能にする。
【0087】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれ、本発明の範囲を限定することを意味しないことを理解されたい。上部の論述から、本発明の範囲に依然包含される多くの変形形態が、当業者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0088】
1 収縮コンベヤ
2 フレーム
20 フレーム本体
21 フレームスロット
3 ローラ
30 ローラ本体
31 第1の被駆動部
32 第2の被駆動部
41 第1の駆動部材
42 第2の駆動部材
5 変位機構
51 第1のスピンドルドライブ
52 第2のスピンドルドライブ
53 第1の搬送ドライブ
54 第2の搬送ドライブ
6 ナット
7 ダンサローラ
8 引出しコンベヤ
9 連続ストリップ
101 代替的な収縮コンベヤ
103 ローラ
131 第1の被駆動部
132 第2の被駆動部
201 さらなる代替的な収縮コンベヤ
203 ローラ
231 第1の被駆動部
232 第2の被駆動部
301 さらなる代替的な収縮コンベヤ
303 ローラ
332 第2の被駆動部
A 軸方向
D 駆動部材の移動
F1~Fn 第1の駆動プロファイル
F101~Fn 第1の駆動プロファイル
F201~Fn 第1の駆動プロファイル
G1~Gn 第2の駆動プロファイル
G101~Gn 第2の駆動プロファイル
G201~Gn 第2の駆動プロファイル
G301~Gn 第2の駆動プロファイル
H1~Hn テーパ角
L 横方向
P1~Pn ローラ位置
R ローラ軸
T 搬送方向