(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-24
(45)【発行日】2024-06-03
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費装置、電池セルの製造方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H01M 50/486 20210101AFI20240527BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240527BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20240527BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240527BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240527BHJP
【FI】
H01M50/486
H01M10/058
H01M50/107
H01M50/15
H01M50/533
(21)【出願番号】P 2023517274
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2021118881
(87)【国際公開番号】W WO2023039810
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲鐘▼奇能
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼▲譯▼晨
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼▲麗▼美
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲曉▼▲梅▼
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112310574(CN,A)
【文献】中国実用新案第211929598(CN,U)
【文献】特開2006-269354(JP,A)
【文献】特開2010-170920(JP,A)
【文献】特開2012-038705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/486
H01M 10/058
H01M 50/107
H01M 50/15
H01M 50/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
開口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に設置される電極アセンブリと、
前記開口を封止するためのエンドカバーアセンブリと、
緩衝部材と、
を含み、
前記エンドカバーアセンブリはエンドカバーと、絶縁部材と、アダプタ部材と、を含み、前記エンドカバーに電極端子が設けられ、前記エンドカバーは前記開口を覆い且つ前記ハウジングに接続されるように配置され、前記絶縁部材は前記エンドカバーの前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記アダプタ部材は前記電極端子と前記電極アセンブリを電気的に接続するために用いられ、
前記緩衝部材は前記絶縁部材の前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記緩衝部材は前記アダプタ部材に当接し、前記電池セルが振動する時に前記アダプタ部材を緩衝するために用いられる、電池セル。
【請求項2】
前記アダプタ部材は折り畳まれた状態の第1アダプタ部及び第2アダプタ部を含み、前記第2アダプタ部は前記第1アダプタ部の前記電極アセンブリに面する側に位置し、前記第1アダプタ部は前記電極端子に電気的に接続され、第2アダプタ部は前記電極アセンブリに電気的に接続され、前記緩衝部材は前記第2アダプタ部に当接する、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記絶縁部材は相互に接続された絶縁本体及び延伸部を含み、前記絶縁本体は前記エンドカバーに接続するように配置され、前記延伸部は前記絶縁本体の上面から前記電極アセンブリの側へ向かって延伸して突出し、且つ前記電極アセンブリから離れる方向へ凹んだ凹部を形成し、前記アダプタ部材は少なくとも部分的に前記凹部に収容される、請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記延伸部は、連続的に延伸する閉ループ構造又はノッチを有する環状構造である、請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記緩衝部材は、前記絶縁本体の前記電極アセンブリに面する側に取り付けられる、請求項3に記載の電池セル。
【請求項6】
前記緩衝部材の材質はエラストマー材料又は発泡材料である、請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記緩衝部材の材質はポリプロピレン、発泡ポリエチレン、ポリウレタンフォーム及びフッ素ゴムのうちの1種又は複数を含む、請求項5に記載の電池セル。
【請求項8】
前記絶縁本体の少なくとも一部は前記エンドカバーから離れる方向に凹み、それにより前記絶縁本体の前記電極アセンブリに面する側に突出して前記緩衝部材を形成する、請求項3に記載の電池セル。
【請求項9】
前記緩衝部材は、前記絶縁本体の前記電極アセンブリに面する側に突出する少なくとも1つの突出部で構成されるように配置される、請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電池セルを含む、電池。
【請求項11】
電気エネルギーを供給するための請求項10に記載の電池を含む、電力消費装置。
【請求項12】
開口を有するハウジングを提供するステップと、
電極アセンブリを提供するステップと、
電極端子が設けられるエンドカバーと、絶縁部材と、アダプタ部材と、を有するエンドカバーアセンブリを提供するステップと、
緩衝部材を提供するステップと、
前記電極アセンブリを前記ハウジング内に装入するステップと、
緩衝部材を前記絶縁部材に接続するステップと、
前記アダプタ部材をそれぞれ前記電極端子及び前記電極アセンブリに電気的に接続するステップと、
前記エンドカバーを前記開口に被せて且つ前記ハウジングに接続するステップと、を含み、
前記絶縁部材は前記エンドカバーの前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記緩衝部材は前記絶縁部材の前記電極アセンブリに面する側に設置され、且つ前記緩衝部材を前記アダプタ部材に当接させる、電池セルの製造方法。
【請求項13】
開口を有するハウジングを提供するための第1提供装置と、
電極アセンブリを提供するための第2提供装置と、
電極端子が設けられるエンドカバーと、絶縁部材と、アダプタ部材と、を有するエンドカバーアセンブリを提供するための第3提供装置と、
緩衝部材を提供するための第4提供装置と、
前記電極アセンブリを前記ハウジング内に装入し、緩衝部材を前記絶縁部材に接続し、前記アダプタ部材をそれぞれ前記電極端子及び前記電極アセンブリに電気的に接続し、前記エンドカバーを前記開口に被せて且つ前記ハウジングに接続するための組み立て装置と、を含み、
前記絶縁部材は前記エンドカバーの前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記緩衝部材は前記絶縁部材の前記電極アセンブリに面する側に設置され、且つ前記緩衝部材を前記アダプタ部材に当接させる、電池セルの製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池技術分野に関し、特に電池セル、電池、電力消費装置、電池セルの製造方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
経済の発展に伴い、電池技術は各分野において、特に電気自動車分野などの交通手段の分野で幅広く応用されている。電池技術において、電池の耐用年数は車両の走行距離、使いやすさ等の性能に直接関係する。
【0003】
電池の耐用年数が短すぎると、車両の高速移動に容易に影響し、最終的にはその実用性に影響する。従って、電池の耐用年数を向上させる研究は、重大な意義及び価値を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、電池の耐用年数を向上させることができる電池セル、電池、電力消費装置、電池セルの製造方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、電池セルであって、開口を有するハウジングと、前記ハウジング内に設置される電極アセンブリと、前記開口を封止するためのエンドカバーアセンブリと、緩衝部材と、を含み、前記エンドカバーアセンブリはエンドカバーと、絶縁部材と、アダプタ部材と、を含み、前記エンドカバーに電極端子が設けられ、前記エンドカバーは前記開口を覆い且つ前記ハウジングに接続されるように配置され、前記絶縁部材は前記エンドカバーの前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記アダプタ部材は前記電極端子と前記電極アセンブリを電気的に接続するために用いられ、前記緩衝部材は前記絶縁部材の前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記緩衝部材は前記アダプタ部材に当接し、前記電池セルが振動する時に前記アダプタ部材を緩衝するために用いられる、電池セルを提供する。
【0006】
本願の実施例の技術的解決手段は、絶縁部材の前記電極アセンブリに面する側に緩衝部材を設置し、且つ緩衝部材がアダプタ部材に当接することにより、一方ではアダプタ部材と電極アセンブリとの接続不良を防ぎ、他方では電池セルが振動する時に、電極アセンブリがアダプタ部材に印加する衝撃力を効果的に緩和し、アダプタ部材が疲労破壊して電極端子と電極アセンブリとの電気的な接続不良が生じることを防ぎ、電池の耐用年数を向上させる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記アダプタ部材は折り畳まれた状態の第1アダプタ部及び第2アダプタ部を含み、前記第2アダプタ部は前記第1アダプタ部の前記電極アセンブリに面する側に位置し、前記第1アダプタ部は前記電極端子に電気的に接続され、第2アダプタ部は前記電極アセンブリに電気的に接続され、前記緩衝部材は前記第2アダプタ部に当接する。
【0008】
上記技術的解決手段において、緩衝部材は第2アダプタ部に当接し、第2アダプタ部は電極アセンブリに接続されて、第2アダプタ部が電極アセンブリに相対して移動し第2アダプタ部と電極アセンブリとの接続が離脱してしまう可能性を低減することに役立ち、同時に、緩衝部材は、電池セルが振動する時に電極アセンブリが第2アダプタ部に印加する衝撃力を効果的に緩和することができ、アダプタ部材に疲労破壊が生じることを防ぎ、電池の耐用年数を向上させる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記絶縁部材は相互に接続された絶縁本体及び延伸部を含み、前記絶縁本体は前記エンドカバーに接続するように配置され、前記延伸部は前記絶縁本体の上面から前記電極アセンブリの側へ向かって延伸して突出し、且つ前記電極アセンブリから離れる方向へ凹んだ凹部を形成し、前記アダプタ部材は少なくとも部分的に前記凹部に収容される。
【0010】
上記技術的解決手段において、一方では、電池セルの組み立てを行う時、延伸部はエンドカバーがハウジングの開口に被せるようにガイド作用を果たすことができ、他方では、延伸部はアダプタ部材に対して隔離保護を形成して、ハウジングとの接触による電池セルの短絡の可能性を回避することができる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記延伸部は、連続的に延伸する閉ループ構造又はノッチを有する環状構造である。
【0012】
上記技術的解決手段において、延伸部が連続的に延伸する閉ループ構造であれば、延伸部はアダプタ部材に対して隔離保護を形成して、隔離効果をさらに向上させることに役立つ。延伸部がノッチを有する環状構造であれば、延伸部のノッチはアダプタ部材が展開状態にある時に逃がし空間を提供することができ、アダプタ部材の加工工程を削減することができる。
【0013】
いくつかの実施例において、前記緩衝部材は、前記絶縁本体の前記電極アセンブリに面する側に取り付けられる。
【0014】
いくつかの実施例において、緩衝部材は、前記絶縁本体の前記電極アセンブリに面する側に取り付けられ、緩衝部材の取り付けを容易にする。
【0015】
いくつかの実施例において、前記緩衝部材の材質はエラストマー材料又は発泡材料である。
【0016】
上記技術的解決手段において、緩衝部材と第2アダプタ部との接触は弾性接触であり、アダプタ部材が疲労破壊して電極端子と電極アセンブリとの電気的な接続不良が生じることを防ぎ、電池の耐用年数を向上させる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記緩衝部材の材質はポリプロピレン、発泡ポリエチレン、ポリウレタンフォーム及びフッ素ゴムのうちの1種又は複数を含む。
【0018】
上記技術的解決手段において、上記材質の緩衝部材と第2アダプタ部との接触は弾性接触であり、アダプタ部材に疲労破壊が生じることを防ぐ。
【0019】
いくつかの実施例において、前記絶縁本体の少なくとも一部は前記エンドカバーから離れる方向に凹み、それにより前記絶縁本体の前記電極アセンブリに面する側に突出して前記緩衝部材を形成する。
【0020】
上記技術的解決手段において、一方では、緩衝部材は絶縁本体と一体成形して、緩衝部材の取り付けを省略し、組み立てステップを簡略化することができる。他方では、緩衝部材は絶縁本体がエンドカバーから離れる方向に凹んで形成されることにより、緩衝部材に一定の弾性を保持させ、緩衝部材と第2アダプタ部との接触を弾性接触として、アダプタ部材に疲労破壊が生じることを防ぐ。
【0021】
いくつかの実施例において、前記緩衝部材は、前記絶縁本体の前記電極アセンブリに面する側に突出する少なくとも1つの突出部で構成されるように配置される。
【0022】
上記技術的解決手段において、絶縁本体の電極アセンブリに面する側に突出する少なくとも1つの突出部で構成された緩衝部材を使用して、緩衝部材の弾性を保持するだけでなく、緩衝部材に一定の強度を持たせ、緩衝部材を第2アダプタ部に当接させることにより、電極アセンブリがエンドカバーアセンブリに相対して位置移動することを防ぐことができる。
【0023】
第2態様によれば、第1態様の電池セルを含む電池を提供する。
【0024】
第3態様によれば、電気エネルギーを供給するための第2態様の電池を含む電力消費装置を提供する。
【0025】
第4態様によれば、
開口を有するハウジングを提供するステップと、
電極アセンブリを提供するステップと、
電極端子が設けられるエンドカバーと、絶縁部材と、アダプタ部材と、を有するエンドカバーアセンブリを提供するステップと、
緩衝部材を提供するステップと、
前記電極アセンブリを前記ハウジング内に装入するステップと、
緩衝部材を前記絶縁部材に接続するステップと、
前記アダプタ部材をそれぞれ前記電極端子及び前記電極アセンブリに電気的に接続するステップと、
前記エンドカバーを前記開口に被せて且つ前記ハウジングに接続するステップと、を含み、
前記絶縁部材は前記エンドカバーの前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記緩衝部材は前記絶縁部材の前記電極アセンブリに面する側に設置され、且つ前記緩衝部材を前記アダプタ部材に当接させる電池セルの製造方法を提供する。
【0026】
第5態様によれば、
開口を有するハウジングを提供するための第1提供装置と、
電極アセンブリを提供するための第2提供装置と、
電極端子が設けられるエンドカバーと、絶縁部材と、アダプタ部材と、を有するエンドカバーアセンブリを提供するための第3提供装置と、
緩衝部材を提供するための第4提供装置と、
前記電極アセンブリを前記ハウジング内に装入し、緩衝部材を前記絶縁部材に接続し、前記アダプタ部材をそれぞれ前記電極端子及び前記電極アセンブリに電気的に接続し、前記エンドカバーを前記開口に被せて且つ前記ハウジングに接続するための組み立て装置と、を含み、
前記絶縁部材は前記エンドカバーの前記電極アセンブリに面する側に設置され、前記緩衝部材は前記絶縁部材の前記電極アセンブリに面する側に設置され、且つ前記緩衝部材を前記アダプタ部材に当接させる電池セルの製造システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するめに、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下に示された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【0028】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る車両の構造概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る電池の構造概略図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの分解図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの平面構造概略図である。
【
図5】
図4におけるA-Aに沿った断面構造概略図である。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係るエンドカバーアセンブリの構造概略図である。
【
図7】本願の別の実施例に係るエンドカバーアセンブリの構造概略図である。
【
図8】
図5に対応する本願の別の実施例に係る電池セルの構造概略図である。
【
図9】本願のいくつかの実施例に係る絶縁部材の構造概略図である。
【
図10】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの製造方法の概略フローチャートである。
【
図11】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの製造システムの概略フローチャートである。
【0029】
図面において、図面は実際の比率に従って描かれたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、明らかに、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0031】
別途定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本願おいて出願の明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの類語は、排他的ではないものを意図している。本願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序又は主従関係を説明するために用いられるものではない。
【0032】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所に該「実施例」という語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。
【0033】
本願の記載において説明すべきことは、特に明確に規定及び限定しない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」、「取り付け」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよく、又は2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0034】
本願の実施例において、同一の図面符号は同一の部材を示し、異なる実施例においては、簡潔にするために同一の部材の詳細な説明を省略する。なお、図面に示される本願の実施例における各部材の厚さ、長さ、幅等の寸法、及び集積装置の全体の厚さ、長さ、幅等の寸法は例示的な説明に過ぎず、本願を何ら限定するものではない。
【0035】
本願に出現する「複数」は2つ以上(2つを含む)を指す。
【0036】
本願の実施例において、電池セルはリチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含むことができ、本願の実施例はこれに限定されない。電池セルは円筒、扁平体、直方体、又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれにも限定されない。電池セルは一般的にパッケージの方式により円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれにも限定されない。
【0037】
本願の実施例で言及される電池は、より高い電圧及び容量を提供するために1つ以上の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。電池は、一般的に1つ又は複数の電池セルをパッケージ化するための筐体を含む。筐体は液体又は他の異物が電池セルの充放電に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0038】
電池セルは電極アセンブリ及び電解液を含み、電極アセンブリは正極シート、負極シート及びセパレータから構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間を移動することによって動作する。正極シートは正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極活物質層が塗布された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体を正極タブとする。リチウムイオン電池を例とすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極活物質層が塗布された負極集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない負極集電体を負極タブとする。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。大電流によって溶断が発生しないことを保証するために、正極タブの数は複数であり且つ一体に積層され、負極タブの数は複数であり且つ一体に積層される。また、電極アセンブリは巻回式構造であってもよく、又は積層式構造であってもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0039】
現在、電池セルは一般的にハウジング、電極アセンブリ及びエンドカバーアセンブリを含み、エンドカバーアセンブリをハウジングの開口に被せて、電極アセンブリ及び電解液に密閉空間を提供する。一般的な電池セルでは、エンドカバーが電池セルの出力極(正出力極又は負出力極)となるように、エンドカバーアセンブリのエンドカバーと電極アセンブリを、アダプタ部材を介して電気的に接続する必要がある。
【0040】
発明者らは、電池セルが使用過程において、例えば車両に用いられる場合、車両を運行させると、電池セルが振動し、電池セルが振動する過程で電極アセンブリがエンドカバーアセンブリに相対して変位し、アダプタ部材が折り畳まれた状態にあることで、アダプタ部材に疲労破壊と接続不良が発生しやすく、エンドカバーと電極アセンブリの正常な電気的な接続ができず、電池セルが正常に使用できなくなり、電池の耐用年数に影響を与えることを発見した。
【0041】
これに鑑み、本願の実施例は技術的解決手段を提供し、電池セルはハウジングと、電極部材と、エンドカバーアセンブリと、緩衝部材と、を含み、エンドカバーアセンブリはエンドカバーと、絶縁部材と、アダプタ部材と、を含み、エンドカバーに電極端子が設けられ、エンドカバーはハウジングの開口を覆い且つハウジングに接続されるように配置され、絶縁部材はエンドカバーの電極アセンブリに面する側に設置され、アダプタ部材は電極端子と電極アセンブリを電気的に接続するために用いられ、緩衝部材は絶縁部材の電極アセンブリに面する側に設置され、緩衝部材はアダプタ部材に当接し、電池セルが振動する時にアダプタ部材を緩衝するために用いられ、電池セルが振動する時にアダプタ部材が受ける衝撃力を緩和して、アダプタ部材の疲労破壊を防ぎ、電池の耐用年数を向上させる。
【0042】
本願の実施例に記載の技術的解決手段は電池及び電力消費装置に適用される。
【0043】
電力消費装置は車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、宇宙機、電動玩具、電動工具などであってもよい。車両はガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。宇宙機は航空機、ロケット、宇宙飛行機及び宇宙船等を含む。電動玩具はゲーム機、電動自動車玩具、電動船舶玩具及び電動航空機玩具等の固定式又は移動式の電動玩具を含む。電動工具は電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、電動インパクトドライバ、コンクリートバイブレータ及び電動カンナ等の金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含む。本願の実施例は上記電力消費装置について特に限定しない。
【0044】
以下の実施例では説明の便宜上、本願の実施例の電力消費装置を車両1000として説明する。
【0045】
図1を参照し、
図1は本願のいくつかの実施例に係る車両1000の構造概略図であり、車両1000の内部に電池100が設置され、電池100は車両1000の底部又は前側又は後側に設置されてもよい。電池100は、車両1000へ電力を供給するために用いることができ、例えば、車両1000の動作電源として用いることができる。
【0046】
車両1000はさらにコントローラ200及びモータ300を含むことができ、コントローラ200は、電池100がモータ300へ電力を供給するように制御するために用いられ、例えば、車両1000の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力の必要を賄う。
【0047】
いくつかの実施例において、電池100は車両1000の動作電源としてだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1000に駆動動力を提供することができる。
【0048】
いくつかの実施例において、
図2を参照し、
図2は本願のいくつかの実施例に係る電池100の構造概略図であり、電池100は筐体10及び電池セル20を含み、電池セル20は筐体10内に収容される。
【0049】
筐体10は円柱体、直方体等の様々な形状であってもよい。なお、筐体10は様々な構造であってもよい。
【0050】
いくつかの実施例において、筐体10は第1部分11及び第2部分12を含むことができ、第1部分11と第2部分12を相互に被せることにより、電池セル20を収容するための収容空間13を画定する。なお、第1部分11と第2部分12との接続箇所はシール部材によって実際に密封することができ、シール部材はシールリング、シーラント等であってもよい。
【0051】
第1部分11及び第2部分12は、直方体、円筒などの様々な形状であってもよい。第1部分11は片側が開口した中空構造であってもよく、第2部分12も片側が開口した中空構造であってもよく、第2部分12の開口側を第1部分11の開口側に被せて、収容空間13を有する筐体10を形成する。なお、第1部分11は片側が開口した中空構造で、第2部分12が板状構造であってもよく、第2部分12を第1部分11の開口側に被せて、収容空間13を有する筐体10を形成する。
【0052】
電池100において、電池セル20は、1つであってもよく、複数であってもよい。電池セル20が複数であれば、複数の電池セル20の間は直列接続又は並列接続又は直並列接続することができ、直並列接続とは複数の電池セル20に直列接続だけでなく並列接続もあることを指す。複数の電池セル20がまず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールがさらに直列接続又は並列接続又は直並列接続されて一体を形成して、筐体10内に収容されてもよい。又は、全ての電池セル20の間が直接、直列接続又は並列接続又は直並列接続され、さらに全ての電池セル20で構成された一体が筐体10内に収容されてもよい。電池セル40は円筒構造であってもよく、六面を有する角形構造であってもよく、ここでは電池セル40の外形構造を限定しない。本願の実施例において、電池セル40が円筒形構造であることを例として説明する。
【0053】
図3を参照し、
図3は本願のいくつかの実施例に係る電池セル20の分解図であり、ここでアダプタ部材234は展開状態であり、電池セル20はハウジング21、電極アセンブリ22及びエンドカバーアセンブリ23を含むことができる。ハウジング21は開口211を有し、電極アセンブリ22はハウジング21内に収容され、エンドカバーアセンブリ23は開口211に被せるために用いられる。
【0054】
ハウジング21は円柱体、直方体等の様々な形状であってもよい。ハウジング21の形状は、電極アセンブリ22の具体的な形状に応じて決定することができる。例えば、電極アセンブリ22が円筒構造である場合、ハウジング21は円筒構造を選択することができ、電極アセンブリ22が直方体構造である場合、ハウジング21は直方体構造を選択することができる。
【0055】
例示的に、
図3において、ハウジング21は両端が開口した中空円筒構造である。
【0056】
ハウジング21の材質はいくつもあり、例えば、プラスチック、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金等であってもよく、本願の実施例はこれについて特に限定しない。
【0057】
エンドカバーアセンブリ23は、エンドカバー231と、絶縁部材232と、電極端子233と、アダプタ部材234と、を含む。エンドカバー231は、ハウジング21の開口211を覆い且つハウジング21に接続されるように配置される。例えば、エンドカバー231は、ハウジング21に溶接接続されてもよい。絶縁部材232及び電極端子233は、いずれもエンドカバー231に設置される。絶縁部材232は、エンドカバー231のハウジング21の内部に近い側に設置される。電極端子233は、アダプタ部材234を介して電極アセンブリ22と電気的に接続される。いくつかの例において、エンドカバーアセンブリ23の数は2つである。電極アセンブリ22の対向する両端における各端に、1つのエンドカバーアセンブリ23が対応して設置される。ハウジング21は、対向する2つの開口211を有する。2つのエンドカバー231はそれぞれ2つの開口211を覆い且ついずれもハウジング21に接続される。
【0058】
本願の実施例において、
図4及び
図5を参照し、
図4は本願のいくつかの実施例に係る電池セル20の平面構造概略図であり、
図5は
図4におけるA-Aに沿った断面構造概略図であり、本願の実施例の電池セル20はハウジング21と、電極部材22と、エンドカバーアセンブリ23と、緩衝部材24と、を含み、ハウジング21は開口211を有し、電極アセンブリ22はハウジング21内に設置され、エンドカバーアセンブリ23は開口211を封止するために用いられ、エンドカバーアセンブリ23はエンドカバー231と、絶縁部材232と、アダプタ部材234と、を含み、エンドカバー231に電極端子233が設けられ、エンドカバー231は開口211を覆い且つハウジング21に接続されるように配置され、絶縁部材232はエンドカバー231の電極アセンブリ22に面する側に設置され、アダプタ部材234は電極端子233と電極アセンブリ22を電気的に接続するために用いられる。緩衝部材24は絶縁部材232の電極アセンブリ22に面する側に設置され、緩衝部材24はアダプタ部材234に当接し、電池セル20が振動する時にアダプタ部材234を緩衝するために用いられる。
【0059】
エンドカバー231とハウジング21とは、電極アセンブリ22をハウジング21内に密封するように接続される。絶縁体232は、電極アセンブリ22とエンドカバー231とを隔離することができる。緩衝部材24は絶縁部材232の電極アセンブリ22に面する側に設置され、アダプタ部材234は電極アセンブリ22に接続され、緩衝部材24と電極アセンブリ22は共にアダプタ部材234の少なくとも一部を押圧し、それによりアダプタ部材234は電極アセンブリ22に相対して位置移動しにくくなり、アダプタ部材234が電極アセンブリ22に相対して移動しアダプタ部材234と電極アセンブリ22との接続が離脱してしまう可能性を低減することに役立つ。同時に、緩衝部材24も、電極アセンブリ22がエンドカバーアセンブリ23に相対して位置移動しにくくさせることができ、電池セル20が振動する時に、電極アセンブリ22がエンドカバーアセンブリ23に相対して移動しアダプタ部材234に衝撃力を加え、アダプタ部材234に疲労破壊が発生する可能性を回避する。
【0060】
なお、例示的に、緩衝部材24の数を2つとして、アダプタ部材234の両側辺に対称に配置してアダプタ部材234を押圧するものであってもよく、又は、アダプタ部材234の各側辺に複数の緩衝部材24を設置してもよい。
【0061】
本願の実施例の技術的解決手段は、絶縁部材232の電極アセンブリ22に面する側に緩衝部材24を設置し、且つ緩衝部材24がアダプタ部材234に当接することにより、一方ではアダプタ部材234と電極アセンブリ22との接続不良を防ぎ、他方では電池セル20が振動する時に、電極アセンブリ22がアダプタ部材に印加する衝撃力を効果的に緩和し、アダプタ部材234が疲労破壊して電極端子233と電極アセンブリ22との電気的な接続不良が生じることを防ぎ、電池の耐用年数を向上させる。
【0062】
いくつかの実施例において、引き続き
図5を参照し、アダプタ部材234は折り畳まれた状態の第1アダプタ部2341及び第2アダプタ部2342を含み、第2アダプタ部2342は第1アダプタ部2341の電極アセンブリ22に面する側に位置し、第1アダプタ部2341は電極端子233に電気的に接続され、第2アダプタ部2342は電極アセンブリ22に電気的に接続され、緩衝部材24は第2アダプタ部2342に当接する。
【0063】
アダプタ部材234は、第1アダプタ部2341を介して電極端子233に接続される。例えば、第1アダプタ部2341と電極端子233とはリベット2331で接続される。アダプタ部材234は、第2アダプタ部2342を介して電極アセンブリ22に接続される。例えば、第2アダプタ部2342と電極端子22とは溶接接続される。電池セル20の組み立て時に、第2アダプタ部2342は第1アダプタ部2341に対して折り曲げられ、電池セル20の組み立てが完了した後に、第1アダプタ部2341及び第2アダプタ部2342が折り畳まれた状態にあるようにする。
【0064】
緩衝部材24は第2アダプタ部2342に当接し、第2アダプタ部2342は電極アセンブリ22に接続され、緩衝部材24と電極アセンブリ22は共に第2アダプタ部2342を押圧し、それにより第2アダプタ部2342は電極アセンブリ22に相対して位置移動しにくくなり、第2アダプタ部2342が電極アセンブリ22に相対して移動し第2アダプタ部2342と電極アセンブリ22との接続が離脱してしまう可能性を低減することに役立つ。同時に、緩衝部材24は、電池セル20が振動する時に電極アセンブリ22が第2アダプタ部2342に印加する衝撃力を効果的に緩和することができ、アダプタ部材234に疲労破壊が生じることを防ぎ、電池の耐用年数を向上させる。
【0065】
いくつかの実施例において、引き続き
図5を参照し、絶縁部材232は相互に接続された絶縁本体2321及び延伸部2322を含み、絶縁本体2321はエンドカバー231に接続するように配置され、延伸部2322は絶縁本体2321の上面から電極アセンブリ22の側へ向かって延伸して突出し、且つ電極アセンブリ22から離れる方向へ凹んだ凹部2323を形成し、アダプタ部材234は少なくとも部分的に凹部2323に収容される。
【0066】
絶縁部材232は絶縁本体2321を介してエンドカバー231に接続される。絶縁部材232は絶縁本体2321を介してエンドカバー231に予め接続して固定し、次に絶縁部材232が付いたエンドカバー231とハウジング21を組み立てることができる。一方では、絶縁部材232が延伸部2322を有することにより、電池セル20の組み立て時に、延伸部2322は、エンドカバー231がハウジング21の開口211に被せるようにガイド作用を果たすことができる。他方では、アダプタ部材234は少なくとも部分的に凹部2323に収容され、例示的に、
図5に示すように、アダプタ部材234は凹部2323に収容され、延伸部2322はアダプタ部材234に対して隔離保護を形成して、ハウジング21との接触による電池セル20の短絡の可能性を回避することができる。
【0067】
なお、いくつかの実施例において、延伸部2322を電極アセンブリ22に押圧し、緩衝部材24と共に作用させて、電極アセンブリ22をエンドカバーアセンブリ23に相対して位置移動しにくくすることができる。別の実施例において、延伸部2322を電極アセンブリ22に押圧せず、緩衝部材24を第2アダプタ部2342に押圧することにより、電極アセンブリ22をエンドカバーアセンブリ23に相対して位置移動しにくくするようにしてもよい。
【0068】
いくつかの実施例において、
図6及び
図7を参照し、
図6は本願のいくつかの実施例に係るエンドカバーアセンブリ23の構造概略図であり、
図7は本願の別の実施例に係るエンドカバーアセンブリ23の構造概略図であり、延伸部2322は、連続的に延伸する閉ループ構造又はノッチ23221を有する環状構造である。
【0069】
いくつかの実施例において、
図6は、アダプタ部材234が電極端子233に接続されているが、アダプタ部材234が折り曲げられていない状態を概略的に示す。延伸部2322はノッチ23221を有する環状構造であり、延伸部2322のノッチ23221は展開状態にあるアダプタ部材234を逃がすことができる。アダプタ部材234は該ノッチ23221を貫通することができ、それによりアダプタ部材234の加工製造過程において、アダプタ部材234の第1アダプタ部2341及び第2アダプタ部2342は平坦な状態を保持し、アダプタ部材234の加工工程を削減することができる。
【0070】
いくつかの実施例において、
図7は、アダプタ部材234が電極端子233に接続されているが、アダプタ部材234が折り曲げられていない状態を概略的に示す。延伸部2322は連続的に延伸する閉ループ構造であり、第1アダプタ部2341と電極端子233を接続した後、アダプタ部材234が延伸部2322を逃がすことができるようにするために、アダプタ部材234の第1アダプタ部2341と第2アダプタ部2342は加工製造時に折り曲げる必要がある。延伸部2322が連続的に延伸する閉ループ構造であるため、折り畳まれた状態のアダプタ部材234に対して隔離保護を形成することができ、隔離効果をさらに向上させることに役立つ。
【0071】
いくつかの実施例において、引き続き
図5~
図7を参照し、緩衝部材24は、絶縁本体2321の電極アセンブリ22に面する側に取り付けられる。緩衝部材24は絶縁本体2321に取り付けられ、ここでの取り付けは緩衝部材24と絶縁本体2321が固定接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、具体的には、接着を用いてもよく、スナップ式接続等を用いてもよい。緩衝部材24は絶縁本体2321の電極アセンブリ22に面する側に取り付けられ、緩衝部材24の取り付けを容易にする。
【0072】
いくつかの実施例において、緩衝部材24の材質はエラストマー材料又は発泡材料であり、緩衝部材24と第2アダプタ部2342との接触を弾性接触として、アダプタ部材234が疲労破壊して電極端子233と電極アセンブリ22との電気的な接続不良が生じることを防ぎ、電池の耐用年数を向上させる。
【0073】
いくつかの実施例において、緩衝部材24の材質はポリプロピレン、発泡ポリエチレン、ポリウレタンフォーム及びフッ素ゴムのうちの1種又は複数を含む。緩衝部材24は設計の必要に応じてそのうちの1種又は複数を選択して製造することができ、ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、ポリウレタンフォーム及びフッ素ゴムのうちの1種又は複数で製造された緩衝部材24を採用し、緩衝部材24と第2アダプタ部2342との接触を弾性接触として、アダプタ部材234に疲労破壊が生じることを防ぐ。
【0074】
いくつかの実施例において、
図8を参照し、
図8は
図5に対応する本願の別の実施例に係る電池セル20の構造概略図であり、絶縁本体2321の少なくとも一部はエンドカバー231から離れる方向に凹み、それにより絶縁本体2321の電極アセンブリ22に面する一側に突出して緩衝部材24を形成する。緩衝部材24は絶縁本体2321がエンドカバー231から離れる方向に凹んで形成され、緩衝部材24は絶縁本体2321と一体成形して、緩衝部材24の取り付けを省略し、組み立てステップを簡略化することができる。緩衝部材24は絶縁本体2321の電極アセンブリ22に面する側に突出し、エンドカバー231に面する側はエンドカバー231から離れる方向に凹んで、緩衝部材24に一定の弾性を保持させ、緩衝部材24と第2アダプタ部2342との接触を弾性接触として、アダプタ部材234に疲労破壊が生じることを防ぐ。
【0075】
いくつかの実施例において、
図9を参照し、
図9は本願のいくつかの実施例に係る絶縁部材232の構造概略図であり、緩衝部材24は絶縁本体2321の電極アセンブリ22に面する側に突出する少なくとも1つの突出部241で構成されるように配置される。突出部241の側辺部2411は補強リブの役割を果たすことができるため、異なる数の突出部241で構成される緩衝部材24は異なる数の側辺部2411を有し、異なる数の突出部241で構成される緩衝部材24の弾性を異ならせる。絶縁本体2321の電極アセンブリ22に面する側に突出する少なくとも1つの突出部241で構成された緩衝部材24を使用して、緩衝部材24の弾性を保持するだけでなく、緩衝部材24に一定の強度を持たせ、緩衝部材24を第2アダプタ部2342に当接させることにより、電極アセンブリ22がエンドカバーアセンブリ23に相対して位置移動することを防ぐことができる。
【0076】
本願の実施例はさらに電池セル20の製造方法を提供し、
図10を参照し、
図10は本願のいくつかの実施例に係る電池セル20の製造方法の概略フローチャートである。電池セル20の製造方法は、
開口211を有するハウジング21を提供するS100と、
電極アセンブリ22を提供するS200と、
電極端子233が設けられるエンドカバー231と、絶縁部材232と、アダプタ部材234と、を有するエンドカバーアセンブリ23を提供するS300と、
緩衝部材24を提供するS400と、
電極アセンブリ22をハウジング21内に装入するS500と、
緩衝部材24を絶縁部材232に接続するS600と、
アダプタ部材234をそれぞれ電極端子231及び電極アセンブリ22に電気的に接続するS700と、
エンドカバー231を開口211に被せて且つハウジング21に接続するS800と、を含み、
絶縁部材232はエンドカバー231の電極アセンブリ22に面する側に設置され、緩衝部材24は絶縁部材232の電極アセンブリ22に面する側に設置され、且つ緩衝部材24をアダプタ部材234に当接させる。
【0077】
上記方法において、ステップS100、ステップS200、ステップS300及びステップS400の順序は制限されず、例えば、まずステップS400を実行し、次にステップS300を実行し、次にステップS200を実行し、次にステップS100を実行してもよい。
【0078】
なお、上記各実施例が提供する製造方法によって製造される電池セル20の関連構造は、前記各実施例が提供する電池セル20を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0079】
本願の実施例はさらに電池セル20の製造システム2000を提供し、
図11を参照し、
図11は本願のいくつかの実施例に係る電池セルの製造システムの概略ブロック図であり、電池セル20の製造システム2000は、
開口211を有するハウジング21を提供するための第1提供装置2100と、
電極アセンブリ22を提供するための第2提供装置2200と、
電極端子233が設けられるエンドカバー231と、絶縁部材232と、アダプタ部材234と、を有するエンドカバーアセンブリ23を提供するための第3提供装置2300と、
緩衝部材24を提供するための第4提供装置2400と、
電極アセンブリ22をハウジング21内に装入し、緩衝部材24を絶縁部材232に接続し、アダプタ部材234をそれぞれ電極端子231及び電極アセンブリ22に電気的に接続し、エンドカバー231を開口211に被せて且つハウジング21に接続するための組み立て装置2500と、を含み、
絶縁部材232はエンドカバー231の電極アセンブリ22に面する側に設置され、緩衝部材24は絶縁部材232の電極アセンブリ22に面する側に設置され、且つ緩衝部材24をアダプタ部材234に当接させる。
【0080】
なお、上記実施例が提供する製造システム2000によって製造される電池セル20の関連構造は、前記各実施例が提供する電池セル20を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0081】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、種々の改良を行い、その構成要素を等価物に置換することができる。特に、各実施例で言及した各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、いずれも任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
【符号の説明】
【0082】
10 筐体
11 第1部分
12 第2部分
13 収容空間
20 電池セル
21 ハウジング
211 開口
22 電極アセンブリ
23 エンドカバーアセンブリ
231 エンドカバー
232 絶縁部材
2321 絶縁本体
2322 延伸部
23221 ノッチ
2323 凹部
233 電極端子
2331 リベット
234 アダプタ部材
2341 第1アダプタ部
2342 第2アダプタ部
24 緩衝部材
241 突出部
2411 側辺部
100 電池
200 コントローラ
300 モータ
1000 車両
2000 製造システム
2100 第1提供装置
2200 第2提供装置
2300 第3提供装置
2400 第4提供装置
2500 組み立て装置