(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】顆粒配合発泡打錠剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20240528BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240528BHJP
A61K 8/362 20060101ALI20240528BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/02
A61K8/362
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2020094893
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100202430
【氏名又は名称】太田 千香子
(72)【発明者】
【氏名】梶浦 直起
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-529399(JP,A)
【文献】特表2017-507111(JP,A)
【文献】特開平03-101613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子径が0.5mm以上であり、かつ、かさ比重が0.7g/mL以下である顆粒を含有し、
使用時の炭酸ガス発生力が1.0mL/秒以上であることを特徴とする、
入浴剤用発泡打錠剤。
【請求項2】
粒子径が1.0mm以上であり、かつ、かさ比重が0.7g/mL以下である顆粒を含有し、
使用時の炭酸ガス発生力が1.0mL/秒以上であることを特徴とする、発泡打錠剤。
【請求項3】
さらに、炭酸塩及び有機酸を含有する、請求項1
または2に記載の発泡打錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の粒子径とかさ比重である顆粒を含有し、特定の炭酸ガス発生力をもつ発泡打錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から浴湯に芳香や色調を与え入浴時の気分を爽快にする、新陳代謝を活発にして冷え性などを改善する、温浴効果を得るなどの目的で、浴湯に入浴剤を入れることが一般に普及しており、例えば、粉剤、液剤、バスソルト、タブレットなど各種形態のものが実用化されている。これら入浴剤には、温浴効果やスキンケア効果などを付与するために、保湿剤、無機塩などの成分が配合されるほか、使用時にリラックス効果を高めるために、香りや見た目を演出する香料や白濁剤などが配合されている。入浴時の香りは、精神や肉体の緊張をほぐし気分を爽快にさせるため、香気のコントロールに関する研究は、従来から数多く報告されている(例えば、特許文献1~3等)。また、見た目を演出するために、色素を配合して浴湯に色付けするほか、マイカや雲母チタンを配合してパール感のある浴湯とすること(例えば、特許文献4等)や、酸化チタンを配合して天然温泉を模した白濁した浴湯とすること(例えば、特許文献5等)なども報告されている。
一方、温浴効果やスキンケア効果などを付与するために入浴剤に配合される成分は、浴湯に投入されると浴湯に溶解しやすいように設計されているため、入浴者が、浴湯中に配合成分を目視で確認することは難しく、そのため入浴時に配合成分による温浴効果やスキンケア効果などを体感するに留まっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-019175号公報
【文献】特開2009-167116号公報
【文献】特開2004-083731号公報
【文献】特開平08-291048号公報
【文献】特開2020-007241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、温浴効果やスキンケア効果などを付与するために配合される成分を、浴湯中で目視できるような入浴剤とすることにより、入浴者が配合成分による効果を体感のみならず、目視と体感の両方から実感することができる発泡打錠剤の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、顆粒の粒子径とかさ比重を特定の範囲として、さらに、炭酸ガス発生力(使用時に発生する炭酸ガス発生量を発泡打錠剤の溶解時間で除した値)を特定量以上とすることにより、前記顆粒が炭酸ガスの発泡とともに、浴湯表面まで浮上し広く拡散することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.粒子径が0.5mm以上であり、かつ、かさ比重が0.7g/mL以下である顆粒を含有し、使用時の炭酸ガス発生力が1.0mL/秒以上であることを特徴とする、発泡打錠剤。
2.さらに、炭酸塩及び有機酸を含有する、1.に記載の発泡打錠剤。
3.発泡打錠剤が入浴剤用発泡打錠剤である、1.または2.に記載の発泡打錠剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明の発泡打錠剤は、水中などに投入した際に、発生する炭酸ガスの発泡とともに顆粒が水面まで浮上し、広く拡散するという効果を発揮する。
また、本発明の発泡打錠剤を入浴剤として使用する場合は、顆粒が炭酸ガスの発泡とともに、浴湯表面まで浮上しながら、広く拡散するため、顆粒に配合した成分を入浴者が目視により確認することができる。すなわち、配合成分による効果を体感のみならず、目視によっても実感することができるという効果を奏するものである。
これにより、本発明の入浴剤用発泡打錠剤は、温浴効果やスキンケア効果に加えリラックス効果などを、体感と目視の両方から実感できるという演出効果が得られ有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の発泡打錠剤や入浴剤用発泡打錠剤について詳細に説明する。
<顆粒>
本発明における発泡打錠剤は、粒子径が0.5mm以上であり、かつ、かさ比重が0.7g/mL以下の範囲である顆粒を含有するものである。
本発明における顆粒の粒子径は、篩分けにより0.5mm以上であれば良く、1.0mm以上であることが好ましく、1.4mm以上であることがより好ましい。また粒子径は4mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、2.5mm以下であることがさらに好ましい。この粒子径が0.5mmよりも小さいと、本発明の発泡打錠剤を水中に投入した際に、水面まで浮上できない顆粒が多くなる。
また、本発明における顆粒のかさ比重は、一般に「ゆるみかさ比重」といわれるものを意味し、容器(100mL)にタッピングすることなく「ゆるく」すりきりいっぱいに顆粒を充填し、充填された顆粒の重量を100で除して算出する。本発明における顆粒のかさ比重は、0.7g/mL以下であればよく、0.5g/mL以下であることが好ましく、0.4g/mL以下であることがより好ましい。またかさ比重は0.2g/mL以上であることが好ましく、0.3g/mL以上であることがより好ましく、0.4g/mL以上であることがさらに好ましい。
【0009】
本発明の発泡打錠剤は、含有する顆粒中に目的とする効果を付与する成分を配合することが好ましい。中でも、本発明における入浴剤用発泡打錠剤は、温浴効果やスキンケア効果を付与するための成分を顆粒中に配合することが好ましく、特に、生薬類を配合することが好ましい。
本発明の入浴剤用発泡打錠剤が含有する顆粒に配合する生薬類としては、例えば、カミツレ、ガイヨウ、カンピ、ウイキョウ、ケイガイ、ケイヒ、ショウキョウ、チンピ、センキュウ、ショウブ、トウキ、トウヒ、ドクダミ、トウガラシ、シラカバ、ゴボウ、ニンジン、ニンニク、チョウジ、ローズマリー、ユズ、タイム等が挙げられる。これらは生薬抽出物として配合しても良く、生薬抽出物を乾燥して配合しても良い。その配合量は、顆粒全重量に対して、0.001~50重量%の範囲が好ましく、0.1~10重量%の範囲がより好ましい。
【0010】
本発明における顆粒は、生薬類などの成分以外に無機塩類、結合剤及び色素類など各種成分、詳しくは、下記に説明する本発明の発泡打錠剤に配合することができる任意成分を用いて、例えば、乾式の造粒にて製造することにより得ることができる。
配合できる無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム等の塩化物、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、重質炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、硫酸アルミニウムカリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸カリウム、次亜硫酸ナトリウム等の硫酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム等の硝酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム等のリン酸塩、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硫化カルシウム、重硫化カルシウム、硫化カリウム、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、硫化バリウム、硫化亜鉛、硫化スズ、硫化アンチモン、硫化鉄、二硫化炭素、硫化リン等の硫化物、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、ホウ砂、ホウ酸、酸化カルシウム、臭化カリウム、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。上記無機塩類の中でも、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムが好適である。
配合できる結合剤としては、高分子結合剤が好ましく、水溶性の高分子結合剤がより好ましい。このような高分子結合剤としては、例えば、カチオン化ポリマー、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ヒドロキシエチルセルロールおよびその塩、アルギン酸およびその塩、ポリリン酸およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、結晶セルロース、アラビアゴム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、スチレン重合体エマルション、デキストリン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、カゼイン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、これら高分子結合剤をこれらの1種または2種以上用いることができる。高分子結合剤の配合量は、顆粒全重量に対して、1~80重量%の範囲が好ましく、10~70重量%の範囲がより好ましく、20~60重量%の範囲がさらに好ましい。
【0011】
本発明の発泡打錠剤は、水中に投入した際に、発生する炭酸ガスの発泡とともに顆粒が水面まで浮上し、広く拡散するものであるから、見た目の演出効果を得るため、顆粒に色素類を配合することが好ましい。配合できる色素類としては、例えば、青色1号、青色2号、赤色102号、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、緑色3号、緑色201号、緑色204号、橙色205号等の法定色素、クロロフィル、リボフラビン、アンナット、アントシアニン等の天然色素等が挙げられる。
【0012】
<使用時の炭酸ガス発生力>
本発明の発泡打錠剤は、使用時の炭酸ガス発生量及び発泡打錠剤の溶解時間から算出される炭酸ガス発生力が1.0mL/秒以上である。この炭酸ガス発生力は、1.5mL/秒以上であることが好ましく、2.0mL/秒以上であることがより好ましく、2.5mL/秒以上であることがさらに好ましい。
本発明における炭酸ガス発生力は、以下の式により算出される。
[計算式]
炭酸ガス発生力=炭酸ガス発生量(mL)÷発泡打錠剤の溶解時間(秒)
炭酸ガス発生量(mL)と発泡打錠剤の溶解時間(秒)に関しては、以下の操作による測定値を意味する。
打錠機で打錠した45gの発泡打錠剤1錠を円柱型の金属製網籠(直径10cm×高さ10cm)に入れて、これを40℃の湯200L(浴槽:概略0.68m×1.1m×高さ0.46m)に投入し、水中における前記金属製網籠の天面部すぐ上方に漏斗を載置して、発生したガス(炭酸ガス)全てをメスシリンダーに捕集して、炭酸ガス発生量および発泡打錠剤が溶解する時間(秒)を測定する。
この使用時の炭酸ガス発生量は、350mL以上であることが好ましく、400mL以上であることがより好ましい。
【0013】
本発明の発泡打錠剤は、炭酸塩及び有機酸を含有することが好ましい。
<炭酸塩>
炭酸塩としては、使用時に有機酸と反応して炭酸ガスを発生するものであればよく、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、重質炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。中でも、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明の発泡打錠剤において、炭酸塩の配合量は、発泡打錠剤全重量に対して20重量%以上75重量%以下の範囲であることが好ましく、25重量%以上70重量%以下の範囲がより好ましく、さらに、30重量%以上65重量%以下の範囲がさらに好ましい。
【0014】
<有機酸>
有機酸としては、炭酸塩と反応して炭酸ガスを発生するものであればよいが、入浴剤として使用する形態も考慮すると、例えば、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、グルタル酸、アジピン酸、安息香酸、サリチル酸およびシュウ酸等から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。中でも、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸が好ましい。
本発明の発泡打錠剤において、有機酸の配合量は、発泡打錠剤全重量に対して10重量%以上55重量%以下の範囲であることが好ましく、15重量%以上50重量%以下の範囲がより好ましく、さらに、45重量%より少なく含有することがさらに好ましい。
【0015】
<打錠剤>
本発明の発泡打錠剤は、例えば、顆粒、炭酸塩及び有機酸等を混合し、周知の打錠機を用いて打錠することにより製造することができる。周知の打錠機とは、臼の中に粉末混合物を充填し、下杵と上杵の間で圧縮して成形する装置である。打錠機には、1個の臼内で上下一組の杵が上下運動して圧縮する単発打錠機、水平に回転するターンテーブルの外周に、臼が等間隔に埋め込まれ、ターンテーブルが回転する間に、充填・圧縮・排出の一連の操作が連続的に行われるロータリー打錠機がある。周知の打錠機として、単発打錠機には志賀製作所製打錠機などを、ロータリー打錠機には株式会社菊水製作所製打錠機などを例示することができる。また、作製する錠剤の重量に合わせた杵臼と、例えば、ラボネクト株式会社、理研機器株式会社などの油圧式ポンプなどを用いて単発打錠し、打錠剤を作製することもできる。打錠方法は特に制限されず、直接粉末打錠法(直打法)や顆粒打錠法(間接圧縮法)により製造することができる。また、各成分の混合の順序や混合方法等は適宜選定される。
打錠機を用いるときの錠剤の大きさは、円柱状の場合には直径(多角形の場合には1辺の長さ)が80mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましく、また、10mm以上であることが好ましく、30mm以上であることがより好ましい。錠剤の厚みは、20mm以下であることが好ましく、17mm以下であることがより好ましく、また、5mm以上であることが好ましく、8mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましい。錠剤の形状は、特に限定されるものではないが、円柱状、ブロック状、球状、半球形状、多角体形状等より選択されるが、円柱状が好ましい。
【0016】
本発明の発泡打錠剤を入浴剤として使用する場合には、上述した生薬などの配合成分を含有する顆粒、炭酸塩、有機酸の他に、必要に応じて、入浴剤の分野で知られている各種成分である任意成分を1種または2種以上組み合せて配合することができる。以下に本発明の発泡打錠剤を入浴剤とする場合に配合することのできる任意成分を例示するが、ここに記載された成分等に限定されないことは言うまでもない。
【0017】
<無機塩類(炭酸塩を除く)>
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム等の塩化物、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、硫酸アルミニウムカリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸カリウム、次亜硫酸ナトリウム等の硫酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム等の硝酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム等のリン酸塩、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硫化カルシウム、重硫化カルシウム、硫化カリウム、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、硫化バリウム、硫化亜鉛、硫化スズ、硫化アンチモン、硫化鉄、二硫化炭素、硫化リン等の硫化物、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、ホウ砂、ホウ酸、酸化カルシウム、臭化カリウム、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。上記無機塩類の中でも、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩、ケイ酸カルシウムが好適であり、特に、本発明の発泡打錠剤を入浴剤とする場合には、硫酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムを含有することが好ましく、特に、硫酸ナトリウムを含有することが好ましい。
本発明の発泡打錠剤において、硫酸ナトリウムを配合する場合の配合量は、発泡打錠剤全重量に対して10重量%以上35重量%以下の範囲であることが好ましい。
【0018】
<油性成分類>
ヌカ油、ホホバ油、オリーブ油、大豆油等の天然油脂;ワセリン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素;ステアリルアルコール、セチルアルコール等のアルコール;ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;モノグリセライド、トリグリセライド等の合成油脂;シリコーン等が挙げられる。これらは、保湿成分としても含有することができる。
<高分子物質類>
カチオン化ポリマー、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ヒドロキシエチルセルロールおよびその塩、アルギン酸およびその塩、ポリリン酸およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、結晶セルロース、アラビアゴム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、スチレン重合体エマルション、デキストリン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、カゼイン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。上記高分子物質類の中でも、本発明の発泡打錠剤を入浴剤とする場合には、流動パラフィン、デキストリン、ポリエチレングリコールを含有することが好ましく、これらは製剤助剤としても好適である。
【0019】
<香料成分・精油成分類>
ハッカ、ユーカリ、レモン、バーベナ、シトロネラ、カヤプテ、サルビア、タイム、クローブ、ローズマリー、ヒソップ、ジャスミン、カモミール、ネロリ、ヨモギ、ペリーラ、マジョラム、ローレル、ジュニパーベリー、ナツメグ、ジンジャー、オニオン、ガーリック、ラベンダー、ベルガモット、クラリーセージ、ペパーミント、バジル、ローズ、プチグレン、シナモン、メース、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、ロジノール、オレンジ、アルテミシア、カンフル、メントール、シネオール、オイゲノール、ヒドロキシシトロネラール、サンダルウッド、コスタス、ラブダナム、アンバー、ムスク、α-ピネン、リモネン、サリチル酸メチル、ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、センキュウ、トウヒ、トウキ、ショウキョウ、シャクヤク、オウバク、オウゴン、サンシン、ケイヒ、ニンジン、ブクリョウ、ドクカツ、ショウブ、ガイヨウ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、ウイキョウ、チンピ、カミツレ等の精油類、亜硝酸アミル、トリメチルシクロヘキサノール、アリルサルファイド、ノニルアルコール、デシルアルコール、フェニルエチルアルコール、炭酸メチル、炭酸エチル、フェニル酢酸エステル、グアイアコール、インドール、クレゾール、チオフェノール、p-ジクロロベンゼン、p-メチルキノリン、イソキノリン、ピリジン、アブシンス油酢酸、酢酸エステル等の「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1960)、「香りの百科」,日本香料協会編,朝倉書店(1989)、「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Pajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)、「Perfume and Flavor Chemicals(aroma chemicals)」,Vols.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「香料と調香の基礎知識」, 中島基貴編著,産業図書(1995)、「合成香料 化学と商品知識」,印藤元一著,化学工業日報社(1996)、「香りの百科事典」,谷田貝光克編,丸善(2005)に記載の香料成分や精油成分が挙げられる。これらの香料成分、精油成分は、1種単独で使用されても、また2種以上を任意に組み合わせて、調合香料として使用することもできる。さらに、溶剤、香料安定化剤等を適宜混合し、香料組成物として使用することもできる。
【0020】
<生薬類>
本発明の発泡打錠剤は、顆粒以外の部分にも生薬を配合してもよい。配合できる生薬としては、顆粒に配合できる生薬類と同じである。
<酵素類>
トリプシン、α-キモトリプシン、ブロメライン、パパイン、プロテアーゼ、プロクターゼ、セラチオペプチダーゼ、リゾチーム、ペプシン等が挙げられる。
<顔料・鉱物類>
酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、ベンガラ、黄酸化鉄、マイカ、雲母、チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、ベントナイト、ゼオライト、無水ケイ酸、メタケイ酸、中性白土等、これらの被覆粒(顆粒)等が挙げられる。上記顔料・鉱物類の中でも、本発明の打錠剤を入浴剤とする場合には、酸化チタンを含有することが好ましく、これは製剤助剤としても好適である。
<色素類>
青色1号、青色2号、赤色102号、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、緑色3号、緑色201号、緑色204号、橙色205号等の法定色素、クロロフィル、リボフラビン、アンナット、アントシアニン等の天然色素等が挙げられる。
<ビタミン類およびその誘導体>
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH、パントテン酸、ニコチン酸又はその誘導体、ビタミンEニコチン酸エステル、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、保湿成分としても含有することができる。
【0021】
<海藻抽出物類>
アナアオサ、ミル、ウスバアオノリ、ヒトエグサ、スジアオノリ、カサノリ、ヘライワヅタ、ハネモ、ナガミル等の緑藻植物、ウミウチワ、アミジグサ、モズク、イロロ、マツモ、イワヒゲ、ハバノリ、ウルシグサ、カジメ、マコンブ、ワカメ、トロロコンブ、ヒジキ、アラメ、ホンダワラ、ウミトラノオ等の褐藻植物、マルバアマノリ、アサクサノリ、スサビノリ、ウミゾウメン、ヒラクサ、マクサ、トリアシ、ハナフノリ、フクロフノリ、トサカノリ、トゲキリンサイ、アカバギンナンソウ、コトジツノマタ、ツノマタ、アヤニシキ、マクリ、エゴノリ、オゴノリ、イバラノリ等の紅藻植物等から得られる抽出物等が挙げられる。これらは、保湿成分としても含有することができる。
<植物抽出物類>
アロエ抽出物、緑茶抽出物、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス、ユーカリエキス、ローヤルゼリーエキス、レモン抽出液、ローズヒップ抽出液、モモの葉エキス等が挙げられる。抽出方法に特に制限はない。これらは、保湿成分や香料成分としても含有することができる。
【0022】
<冷感物質類>
メントール、カンフル、チモール等のメントール誘導体、単環式化合物、二環式アルコール、三環式アルコール、三環式アミド、ハッカ油等が挙げられる。
<保湿成分類>
セラミド、セラミド誘導体、セラミド類似物質などのセラミド類等;乳酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グルタミン酸二ナトリウム等の有機酸塩類;イソプレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、キシロース、キシリトール、ソルビトール等の多価アルコール類;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子類、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類、コラーゲンやその誘導体、蛋白質、ケラチン、フィブロインおよびその加水分解物;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル類、シア脂、スクワラン、プラセンタ、アルブチン、カゼイン、シルク、はちみつ等が挙げられる。
【0023】
<溶剤>
精製水、イオン交換水、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール-tert-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等のグリコールエーテル類、n-パラフィン等のパラフィン類、ジエチルフタレート、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、その他3-メチル-4-メトキシブタノール、N-メチルピロリドン、炭酸プロピレン等が挙げられる。
【0024】
<界面活性剤>
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤;石けん用素地などの脂肪酸エステル、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等の陰イオン系界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0025】
<退色防止剤>
グリシン、アラニン、グルタミン酸などのアミノ酸;サリチル酸およびその塩等が挙げられる。
<pH調整剤>
リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。
<殺菌剤>
イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ジクロロイソシアヌル酸、銀ゼオライト、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼントニウム、塩化クロルヘキシジン、ヒノキチオール、フェノール、グリチルリチン酸塩およびその誘導体等が挙げられる。
<その他>
ブドウ糖、ショ糖、トレハロース、フィトコラージュ、イソフラボン、パラオキシ安息香酸エステル、野菜または果物抽出物(エキス)、海洋深層水等が挙げられる。
上述した任意成分の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。また、用途に応じて本発明の打錠剤は、必要に応じて、公知の水溶性フィルム等で覆ってもよい。
【実施例】
【0026】
以下に実施例において本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
<参考試験1:顆粒条件確認試験>
[参考試験顆粒1]
下記5種類の顆粒A、D、Eはハンマーで粉砕、顆粒Bはハサミで切断、顆粒Cは篩の中で崩し、これらを篩分けにより4種類の粒子径(a:2.0mm以上2.36mm未満、b:1.4mm以上2.0mm未満、d:0.5mm以上1.0mm未満、e:0.5mm未満)のものに分類し、参考試験顆粒1とした。
顆粒A:フレーク状のL-メントール
顆粒B:花びら型固形入浴剤(市販品)
顆粒C:フリーズドライタイプインスタントコーヒー(市販品)
顆粒D:岩塩
顆粒E:米粒
上記参考試験顆粒1を、容器(100mL)にタッピングすることなく「ゆるく」すりきりいっぱいに充填し、充填された顆粒の重量を測定し、この測定値を100で除して、かさ比重を算出した。
[参考試験検体1]
上記参考試験顆粒1を30粒、炭酸水素ナトリウム30重量部、炭酸ナトリウム6.6重量部、硫酸ナトリウム25.7重量部、コハク酸35重量部、結合剤2重量部、その他(香料や色素等)0.7重量部を単発式打錠機(志賀製作所製)により約98kN(約10t)の圧力で打錠し、直径50mm、厚さ約15mm、全量45gの円柱状の参考試験検体1を作成した。
【0028】
[試験方法]
打錠機で打錠した45gの参考試験検体1の1錠を、40℃の湯200L(浴槽:概略0.68m×1.1m×高さ0.46m)に投入し、参考試験検体1の全てが溶解する間、浴湯表面にまで浮上した顆粒数を計測し、顆粒の浮上率(%)を算出した。試験は3回行い、この顆粒の浮上率(%)の平均値を下記評価方法により評価した。
[評価方法]
〇:顆粒の浮上率(%)が50%以上である
×:顆粒の浮上率(%)が50%未満である
表1に、参考試験顆粒1の粒子径、かさ比重および、顆粒の浮上率(%)の平均値とその評価結果をまとめて示す。
【0029】
【0030】
表1の結果から、発泡打錠剤に含有される顆粒が浴湯表面に浮上するためには、顆粒の粒子径とかさ比重が特定の範囲のものであることが重要であることが確認された。
【0031】
<参考試験2:発泡条件確認試験>
[参考試験顆粒2]
上記「参考試験1:顆粒条件確認試験」で使用した顆粒Bの粒子径b(1.4mm以上2.0mm未満)を参考試験顆粒2(かさ比重:0.26g/mL)とした。
[参考試験検体2]
(処方1)
上記参考試験顆粒2を30粒、炭酸水素ナトリウム30重量部、炭酸ナトリウム6.6重量部、硫酸ナトリウム25.7重量部、コハク酸35重量部、結合剤2重量部、その他(香料や色素等)0.7重量部を単発式打錠機(志賀製作所製)により約98kN(約10t)の圧力で打錠し、直径50mm、厚さ約15mm、全量45gの円柱状の参考試験検体2(処方1)を作成した。
(処方2)
上記参考試験顆粒2を30粒、炭酸水素ナトリウム50重量部、炭酸ナトリウム6.6重量部、硫酸ナトリウム15.7重量部、コハク酸25重量部、結合剤2重量部、その他(香料や色素等)0.7重量部を単発式打錠機(志賀製作所製)により約98kN(約10t)の圧力で打錠し、直径50mm、厚さ約15mm、全量45gの円柱状の参考試験検体2(処方2)を作成した。
(処方3)
上記参考試験顆粒2を30粒、炭酸水素ナトリウム30重量部、炭酸ナトリウム6.6重量部、硫酸ナトリウム53.7重量部、コハク酸7重量部、結合剤2重量部、その他(香料や色素等)0.7重量部を単発式打錠機(志賀製作所製)により約98kN(約10t)の圧力で打錠し、直径50mm、厚さ約15mm、全量45gの円柱状の参考試験検体2(処方3)を作成した。
【0032】
[試験方法]
(炭酸ガス発生量、発泡打錠剤の溶解時間)
打錠機で打錠した45gの参考試験検体2の1錠を円柱型の金属製網籠(直径10cm×高さ10cm)に入れて、これを40℃の湯200L(浴槽:概略0.68m×1.1m×高さ0.46m)に投入し、水中における前記金属製網籠の天面部のすぐ上方に漏斗を載置して発生したガス(炭酸ガス)全てをメスシリンダーに捕集して、炭酸ガス発生量(mL)と参考試験検体2の全量が溶解するまでの時間(秒)を測定した。
(炭酸ガス発生力)
下記計算式により、炭酸ガス発生力を算出した。
[計算式]
炭酸ガス発生力=上記「炭酸ガス発生量(mL)」÷上記「発泡打錠剤の溶解時間(秒)」
(浮上率)
打錠機で打錠した45gの参考試験検体2の1錠を、40℃の湯200Lに投入し、浴湯表面にまで浮上した顆粒数を計測し、顆粒の浮上率(%)を算出した。試験は3回行い、この顆粒の浮上率(%)の平均値を下記評価方法により評価した。
[評価方法]
〇:顆粒の浮上率(%)が50%以上である。
×:顆粒の浮上率(%)が50%未満である
表2に、参考試験検体2の炭酸水素ナトリウムとコハク酸の配合量、炭酸ガス発生量(mL)、発泡打錠剤の溶解時間(秒)、炭酸ガス発生力および、顆粒の浮上率(%)の平均値とその評価結果をまとめて示す。
【0033】
【0034】
表2の結果から、発泡打錠剤に含有される顆粒が浴湯表面に浮上するためには、発泡打錠剤の炭酸ガス発生量及び発泡打錠剤の溶解時間から算出される炭酸ガス発生力が特定以上必要であることが確認された。
【0035】
<顆粒含有発泡打錠剤の顆粒浮上確認試験>
<実施例1>
炭酸塩(炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウム)57.6重量部、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩12.0重量部、結合剤29.6重量部、その他(香料や色素等)0.8重量部を使用して、乾式の造粒により、粒子径が1.0mm以上1.4mm未満の範囲であり、かさ比重が0.58g/mLである実施例1の顆粒を作製した。
炭酸水素ナトリウム52.8重量部、炭酸ナトリウム7.6重量部、硫酸ナトリウム20.7重量部、コハク酸15.5重量部、結合剤2.0重量部、その他(香料や色素等)1.4重量部に、上記実施例1の顆粒30粒を加えたものを均一に混合して、単発式打錠機を用いて約98kN(約10t)の圧力で打錠し、直径50mm×厚さ約15mm、全量45gの円柱状の実施例1の発泡打錠剤を作製した。
【0036】
<実施例2~8、比較例1~5>
表3に記載の配合量(表3中の数字は重量%を意味している。)において、実施例1の発泡打錠剤と同様に、実施例2~8、比較例1~5の発泡打錠剤を作製した。
得られた発泡打錠剤(実施例1~8、比較例1~5)を使用して、上記「参考試験2:発泡条件確認試験」と同様に試験を3回行い、炭酸ガス発生量(mL)、発泡打錠剤の溶解時間(秒)、炭酸ガス発生力および、顆粒の浮上率(%)と、顆粒の浮上率(%)の平均値により評価を行った。発泡打錠剤の溶解時間(秒)については、発泡打錠剤全量の溶解時間を計測した。
実施例1~8、比較例1~5の打錠剤の配合量、顆粒の粒子径とかさ比重と、それぞれの炭酸ガス発生量(mL)、発泡打錠剤の溶解時間(秒)、炭酸ガス発生力および、顆粒の浮上率(%)とその評価結果を、実施例1~8を表3に、比較例1~5を表4にまとめて示す。
なお、表3、4中の顆粒粒子径のa~eは、下記の範囲を意味する。
粒子径a:2.0mm以上2.36mm未満
粒子径b:1.4mm以上2.0mm未満
粒子径c:1.0mm以上1.4mm未満
粒子径d:0.5mm以上1.0mm未満
粒子径e:0.5mm未満
【0037】
【0038】
【0039】
表3に示すとおり、粒子径が0.5mm以上であり、かつ、かさ比重が0.7g/mL以下である顆粒を含有する発泡打錠剤は、使用時の炭酸ガス発生力が1.0mL/秒以上であると、炭酸ガスの発泡とともに、配合した顆粒の50%以上が浴湯表面まで浮上し拡がることが確認された。特に、炭酸ガス発生力が2.0mL/秒以上(実施例2、4、7、8)であると、顆粒浮上率(%)は飛躍的に向上することが明らかとなった。
一方、表4に示すとおり、粒子径が0.5mm以上であり、かつ、かさ比重が0.7g/mL以下である顆粒を含有する発泡打錠剤であっても、使用時の炭酸ガス発生力が1.0mL/秒より低いと(比較例1~4)、顆粒浮上率(%)は30%にも至らないことが確認された。また、発泡打錠剤は、使用時の炭酸ガス発生力が1.0mL/秒以上であっても、配合された顆粒の粒子径が0.5mm未満であると(比較例5)、顆粒は全く浮上しないことも明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の発泡打錠剤は、水中に投入した際に、発生する炭酸ガスの発泡とともに顆粒が水面まで浮上し、広く拡散するという効果を発揮する。
また、本発明の発泡打錠剤を入浴剤として使用すると、顆粒が炭酸ガスの発泡とともに、浴湯表面まで浮上しながら、広く拡散するため、顆粒に配合した成分の存在を入浴者が目視により確認することができるので、配合成分による効果を体感のみならず、目視によっても実感することができるという効果を奏するものである。
すなわち、本発明の入浴剤用発泡打錠剤は、温浴効果やスキンケア効果に加えリラックス効果を、体感と目視の両方から実感できるという演出効果が得られ有用である。