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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】通信システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/02 20220101AFI20240528BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20240528BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H04L43/02
H04L12/28 200Z
H04L12/28 100A
B60R16/023 P
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022552272
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 KR2021010021
(87)【国際公開番号】W WO2022025727
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0096201
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヨン-ファン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ホ-デュク
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジュン-ヒョン
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-511188(JP,A)
【文献】特開2006-064651(JP,A)
【文献】特開2005-044309(JP,A)
【文献】特開2000-156685(JP,A)
【文献】米国特許第06321150(US,B1)
【文献】特開2007-324697(JP,A)
【文献】特開2013-028238(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0079238(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110888411(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102393733(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0304213(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/02
H04L 12/28
B60R 16/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の診断コードが生成された場合、生成された診断コードに対応する診断情報を獲得するために、前記生成された診断コードに対する要請情報が含まれた第1通信パケットを生成し、生成された第1通信パケットを出力する情報要請装置と、
前記第1通信パケットを受信し、受信した第1通信パケットに含まれた各々の要請情報を抽出し、抽出された要請情報に各々対応する診断情報を抽出し、前記診断コードに対応する応答情報及び一つ以上の診断情報を含む第2通信パケットを生成し、生成された第2通信パケットを前記情報要請装置に送信する情報提供装置と、を備え、
前記情報提供装置は、
生成された診断コードが複数である場合、複数の診断コードに各々対応する前記応答情報及び前記一つ以上の診断情報を区分して含むように前記第2通信パケットを生成する、通信システム。
【請求項2】
前記情報要請装置は、
前記診断コードが複数生成された場合、生成された複数の診断コードに対する複数の要請情報を区分するための区分情報を前記第1通信パケットにさらに含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記情報提供装置は、
前記受信した第1通信パケットから前記区分情報を基準にして前記複数の要請情報を各々区分して抽出する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記情報提供装置は、
前記抽出された要請情報が複数である場合、前記複数の要請情報の各々に対応する応答情報及び一つ以上の診断情報を区分するために前記区分情報を前記第2通信パケットにさらに含む、請求項2または3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記情報提供装置は、
前記要請情報の各々に対して予め設定されたデータ識別子リストを備え、備えられたデータ識別子リストに基づいて前記要請情報の各々に対応する前記一つ以上のデータ識別子を決定し、決定されたデータ識別子に対応する前記診断情報を抽出する、請求項1から4のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記情報要請装置は、
前記データ識別子リストを備え、前記データ識別子リストに含まれた一つ以上のデータ識別子のうち一つ以上をターゲット識別子として選択し、選択された一つ以上のターゲット識別子に対する識別番号を前記第1通信パケットにさらに含む、請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記情報要請装置は、
前記選択された一つ以上のターゲット識別子の識別番号の各々を前記第1通信パケットに含む、請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記情報要請装置は、
前記選択された一つ以上のターゲット識別子の識別番号が連続する場合、前記識別番号のうち代表番号と前記選択されたターゲット識別子の個数を前記第1通信パケットに含む、請求項6または7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記情報提供装置は、
前記第1通信パケットから前記識別番号を抽出し、前記データ識別子リストから前記識別番号に対応するデータ識別子を前記ターゲット識別子に決定し、決定された一つ以上のターゲット識別子に対応する診断情報を抽出する、請求項6から8のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項10】
前記情報要請装置及び前記情報提供装置は、通信バスを通じて通信する、請求項1から9のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の通信システムを含む、電気自動車。
【請求項12】
一つ以上の診断コードが生成された場合、生成された診断コードに対応する診断情報を獲得するために、前記生成された診断コードに対する要請情報が含まれた第1通信パケットを生成し、生成された第1通信パケットを出力する第1通信パケット出力段階と、
前記第1通信パケットを受信し、受信した第1通信パケットに含まれた各々の要請情報を抽出する要請情報抽出段階と、
抽出された要請情報の各々に対応する診断情報を抽出する診断情報抽出段階と、
前記診断コードに対応する応答情報及び一つ以上の診断情報を含む第2通信パケットを生成し、生成された第2通信パケットを出力する第2通信パケット出力段階と、を含み、
前記第2通信パケット出力段階は、
生成された診断コードが複数である場合、複数の診断コードに各々対応する前記応答情報及び前記一つ以上の診断情報を区分して含む前記第2通信パケットを生成する、通信方法。
【請求項13】
前記第1通信パケット出力段階は、前記第1通信パケットを通信バスに出力する段階を含み、
前記第2通信パケット出力段階は、前記第2通信パケットを前記通信バスに出力する段階を含む、請求項12に記載の通信方法。
【請求項14】
電気自動車により実行される、請求項12または13に記載の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び方法に関し、より詳しくは、通信に消耗するシステム資源の浪費を減らすことができる通信システム及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2020年7月31日出願の韓国特許出願第10-2020-0096201号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能バッテリーについての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
一方、このようなバッテリーが備えられた装置には多様な電子制御装置(Electronic Control Unit;ECU)が含まれ、ECUは相互に通信して情報を提供するか、または他のECUから情報を受け得る。車両を例に挙げると、車両においては多様な機能と制御が増加し、特に、バッテリーが備えられた電気自動車が実用化するにつれ、ECU間のデータ送受信量が増大しつつある。そこで、ECU間のデータ通信の効率を向上させるための通信規格及び技術などが提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1はCAN(controller area network,コントローラエリアネットワーク)通信を用いて、データを受信する側で高速モードまたは一般モードに受信モードを変更する構成のみを開示している。但し、特許文献1は、受信モードの変更によってトラフィック負荷を改善しているため、多様な情報がリアルタイムで提供すべき電気自動車のような装置には適用されにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国特許第10-1573637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、通信負荷を減少させ、通信に消耗されるシステム資源の浪費を減らすことができる通信システム及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一面による通信システムは、一つ以上の診断コードが生成された場合、生成された診断コードの各々に対する要請情報が含まれた第1通信パケットを生成し、生成された第1通信パケットを出力するように構成された情報要請装置と、前記第1通信パケットを受信し、受信した第1通信パケットに含まれた各々の要請情報を抽出し、抽出された要請情報に各々対応する診断情報を抽出し、互いに対応する応答情報及び一つ以上の診断情報同士を区分して含む第2通信パケットを生成し、生成された第2通信パケットを前記情報要請装置に送信するように構成された情報提供装置と、を含み得る。
【0011】
前記情報要請装置は、前記診断コードが複数生成された場合、生成された複数の診断コードに対する複数の要請情報を区分するための区分情報を前記第1通信パケットにさらに含むように構成され得る。
【0012】
前記情報提供装置は、前記受信した第1通信パケットから前記区分情報に基準として前記複数の要請情報を各々区分して抽出するように構成され得る。
【0013】
前記情報提供装置は、前記抽出された要請情報が複数である場合、前記複数の要請情報の各々に対応する応答情報及び一つ以上の診断情報を区分するために前記区分情報を前記第2通信パケットにさらに含むように構成され得る。
【0014】
前記情報提供装置は、前記要請情報の各々に対して予め設定されたデータ識別子リストを備え、備えられたデータ識別子リストに基づいて前記要請情報の各々に対応する前記一つ以上のデータ識別子を決定し、決定されたデータ識別子に対応する前記診断情報を抽出するように構成され得る。
【0015】
前記情報要請装置は、前記データ識別子リストを備え、前記データ識別子リストに含まれた一つ以上のデータ識別子のうち一つ以上をターゲット識別子として選択し、選択された一つ以上のターゲット識別子に対する識別番号を前記第1通信パケットにさらに含むように構成され得る。
【0016】
前記情報要請装置は、前記選択された一つ以上のターゲット識別子の識別番号の各々を前記第1通信パケットに含むように構成され得る。
【0017】
前記情報要請装置は、前記選択された一つ以上のターゲット識別子の識別番号が連続する場合、前記識別番号のうち代表番号と前記選択されたターゲット識別子の個数を前記第1通信パケットに含むように構成され得る。
【0018】
前記情報提供装置は、前記第1通信パケットから前記識別番号を抽出し、前記データ識別子リストから前記識別番号に対応するデータ識別子を前記ターゲット識別子に決定し、決定された一つ以上のターゲット識別子に対応する診断情報を抽出するように構成され得る。
【0019】
本発明の他面による電気自動車は、本発明の一面による通信システムを含み得る。
【0020】
本発明のさらに他面による通信方法は、一つ以上の診断コードが生成された場合、生成された診断コードの各々に対する要請情報が含まれた第1通信パケットを生成し、生成された第1通信パケットを出力する第1通信パケット出力段階と、前記第1通信パケットを受信し、受信した第1通信パケットに含まれた各々の要請情報を抽出する要請情報抽出段階と、抽出された要請情報の各々に対応する診断情報を抽出する診断情報抽出段階と、対応する応答情報及び一つ以上の診断情報同士を区分して含む第2通信パケットを生成し、生成された第2通信パケットを出力する第2通信パケット出力段階と、を含み得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一面によると、複数の要請情報を含み得る第1通信パケット構造と、複数の応答情報及び各応答情報に対応する一つ以上の診断情報を含み得る第2通信パケット構造と、を採択することで、通信バスに加えられる通信負荷を画期的に減少させ、通信効率を大幅に向上させることができるという長所がある。
【0022】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0023】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例による通信システムを概略的に示した図である。
図2】本発明の一実施例による通信システムの例示的な構成を概略的に示した図である。
図3】本発明の一実施例による通信システムに用いられる第1通信パケットの構造を概略的に示した図である。
図4】本発明の一実施例による通信システムに用いられる第2通信パケットの構造を概略的に示した図である。
図5】本発明の一実施例による通信システムに用いられる第1通信パケットの例示的な構成を概略的に示した図である。
図6】本発明の一実施例による通信システムに用いられる第2通信パケットの例示的構成を概略的に示した図である。
図7】本発明の他の実施例による通信方法を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0026】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0027】
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0028】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0029】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0030】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施例による通信システム10を概略的に示した図である。図2は、本発明の一実施例による通信システム10の例示的な構成を概略的に示した図である。
【0033】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による通信システム10は、情報要請装置100及び情報提供装置200を含み得る。
【0034】
情報要請装置100は、一つ以上の診断コードが生成された場合、生成された診断コードの各々に対する要請情報が含まれた第1通信パケットを生成するように構成され得る。
【0035】
ここで、診断コード(Diagnostic trouble code; DTC)とは、電気自動車に含まれたバッテリーパック及び/または多様な電子制御装置(Electronic control unit;ECU)の状態に対する診断結果を示すものであり得る。
【0036】
望ましくは、診断コードは、情報提供装置200によって生成され、生成されたデータ識別子が情報要請装置100に提供され得る。例えば、バッテリーパックの電圧が基準電圧を超過した場合、過電圧に対する診断コードが生成され得る。この場合、診断コードを生成した情報提供装置200は、バッテリーパックと接続され、バッテリーパックの状態を診断するように構成されたBMS(Battery management system)であり得る。
【0037】
具体的には、情報要請装置100は、生成された診断コードを各々識別して解釈し得るが、診断コードが生成された原因である診断情報は直接獲得できない。これによって、情報要請装置100は、生成された診断コードに対応する診断情報を情報提供装置200から獲得するために第1通信パケットを生成し得る。
【0038】
ここで、情報要請装置100は、複数の診断コードが生成された場合、複数の診断コードの各々に対応する複数の要請情報を第1通信パケットに含み得る。
【0039】
例えば、場合によっては同時に複数の診断コードが生成され得る。もし、一つの第1通信パケットが一つの要請情報のみを含み得るなら、情報要請装置100は、複数の第1通信パケットを生成し、複数の第1通信パケットの各々を設定された順序または任意の順序に通信バスBに出力し得る。そして、情報提供装置200は、複数の第1通信パケットを各々受信し、複数の第1通信パケットに対応する複数の第2通信パケットを通信バスBに出力し得る。このような通信過程で、通信バスBに複数の第1通信パケット及び複数の第2通信パケットが出力されるため、通信バスBが非効率的に使用されることによって通信システム10に対する通信負荷が加重し得る。したがって、本発明の一実施例による第1通信パケットには、一つ以上の要請情報が含まれ得る。
【0040】
図3は、本発明の一実施例による通信システム10に用いられる第1通信パケットの構造を概略的に示した図である。
【0041】
例えば、図3の実施例において、第1通信パケットは、総64バイト(Byte)の大きさを有し得る。ここで、2バイトはパケット情報領域に割り当てられ、62バイトは要請情報領域に割り当てられ得る。具体的には、パケット情報領域には、第1通信パケットに対する一般的な情報が含まれ得る。例えば、パケット情報領域には、通信サービスID及び情報要請方式に対する値が含まれ得る。例えば、ISO 14229規約によると、第1通信パケットのパケット情報領域に含まれる通信サービスIDは、ReadDTCInformation request Service Idパラメーターに対応し、情報要請方式は、sub-functionパラメーターに対応し得る。
【0042】
また、図3の実施例において、第1通信パケットの要請情報領域には、要請情報が含まれ得る。例えば、要請情報には、診断コードID及び診断コード保存情報が含まれ得る。ここで、診断コードIDは、診断コードを識別できる識別情報である。そして、診断コード保存情報は、生成される複数の診断コードの診断コードIDが保存された保存空間において、第1通信パケットの要請情報領域に含まれた診断コードIDが保存された位置を示す情報であり得る。例えば、ISO 14229規約によると、診断コードIDはDTCMaskRecordパラメーターに対応し、診断コード保存情報はDTCSnapshotRecordNumberパラメーターに対応し得る。
【0043】
また、情報要請装置100は、生成された第1通信パケットを出力するように構成され得る。
【0044】
例えば、図2の実施例において、情報要請装置100は、通信バスBに第1通信パケットを出力し得る。
【0045】
具体的には、情報要請装置100と情報提供装置200は、通信バスBを通じて相互に通信可能に接続され得る。例えば、情報要請装置100と情報提供装置200は、通信バスBを用いてCAN FD(Controller area network with flexible data rate) 通信を行い得る。
【0046】
情報提供装置200は、前記第1通信パケットを受信するように構成され得る。
【0047】
例えば、図2の実施例において、情報提供装置200は、通信バスBに出力された第1通信パケットを受信し得る。
【0048】
また、情報提供装置200は、受信した第1通信パケットに含まれた各々の要請情報を抽出するように構成され得る。
【0049】
例えば、第1通信パケットに複数の要請情報が含まれた場合、情報提供装置200は、第1通信パケットから複数の要請情報を各々抽出し得る。
【0050】
情報提供装置200は、抽出された要請情報の各々に対応する診断情報を抽出するように構成され得る。
【0051】
具体的には、情報提供装置200は、抽出された要請情報の各々に対応する一つ以上のデータ識別子(Data identifier;DID)を決定するように構成され得る。ここで、前記情報提供装置200は、前記要請情報の各々に対して予め設定されたデータ識別子リストを備えるように構成され得る。即ち、情報提供装置200は、診断コードの各々に対して予め設定されたデータ識別子リストを備えるように構成され得る。
【0052】
データ識別子リストは、診断コードの各々に対応する項目を含むリストであり得る。例えば、データ識別子リストは、生成される全ての診断コードの各々に対応する一つ以上のデータ識別子を定義したリストであり得る。より具体的には、データ識別子リストは、複数の診断コード別に対応する一つ以上のデータ識別子を定義したリストであり得る。
【0053】
例えば、複数の診断コードに、A診断コード、B診断コード及びC診断コードが含まれると仮定する。データ識別子リストはA診断コード、B診断コード及びC診断コードの各々に対して備えられ得る。そして、A診断コードに対応するデータ識別子リストには、A診断コードに関わる一つ以上のデータ識別子が含まれ、B診断コードに対応するデータ識別子リストにはB診断コードに関わる一つ以上のデータ識別子が含まれ、C診断コードに対応するデータ識別子リストにはC診断コードに関わる一つ以上のデータ識別子が含まれ得る。
【0054】
例えば、ISO 14229規約で定義するスナップショット(Snapshot)データは、情報提供装置200に保存された診断コードの各々に対するデータ識別子リストと対応し得る。ISO 14229規約によると、スナップショットデータは、第1下位階層に一つ以上の診断コードに対する識別情報を含み得る。また、スナップショットデータは、第2下位階層に各々の診断コードに対応する診断情報に対する識別情報を示すデータ識別子(DID)と当該診断情報に対する値を含み得る。即ち、情報提供装置200に保存されたデータ識別子リストは各々、ISO 14229規約で定義するスナップショットデータに含まれた各々の診断コードに対応するデータ識別子と診断情報に対する値に対応し得る。
【0055】
そして、情報提供装置200は、具備されたデータ識別子リストに基づいて前記要請情報の各々に対応する前記一つ以上のデータ識別子を決定するように構成され得る。即ち、情報提供装置200は、具備されたデータ識別子リストに基づいて、要請情報に対応する診断コードに対する一つ以上のデータ識別子を決定し得る。
【0056】
具体的には、一つのデータ識別子リストには、一つ以上のデータ識別子及びそれに対応する値が含まれ得る。したがって、情報提供装置200は、第1通信パケットに含まれた要請情報に対応するデータ識別子リストを選択し、選択したデータ識別子リストに含まれた一つ以上のデータ識別子を選択し得る。
【0057】
また、情報提供装置200は、決定された一つ以上のデータ識別子に対応される診断情報を抽出するように構成され得る。
【0058】
ここで、診断情報とは、データ識別子に対応する値であり得る。即ち、データ識別子は、診断情報を識別できる識別情報であり、診断情報は、当該識別情報に対する具体的な値であり得る。
【0059】
例えば、データ識別子には、バッテリーパックの電圧情報、バッテリーパックの電流情報及びバッテリーパックの温度情報などが含まれ得る。そして、診断情報には、バッテリーパックの電圧値、バッテリーパックの電流値及びバッテリーパックの温度値などが含まれ得る。
【0060】
望ましくは、情報提供装置200には、診断コードに対応する診断情報がデータ識別子毎に予め保存され得る。例えば、情報提供装置200によってバッテリー過電圧に対する診断コードが生成されるとき、バッテリーパックの電圧情報に対するデータ識別子に対応するようにバッテリーパックの電圧値に対する診断情報が保存され得る。
【0061】
したがって、情報提供装置200は、第1通信パケットに含まれた要請情報に対応するデータ識別子を決定し、決定されたデータ識別子に対応する診断情報を抽出し得る。
【0062】
また、情報提供装置200は、相互に対応する応答情報及び一つ以上の診断情報同士を区分して含む第2通信パケットを生成するように構成され得る。
【0063】
例えば、前述したように、第1通信パケットには複数の要請情報が含まれ得る。そして、情報提供装置200は、各々の要請情報に対応するように、複数の応答情報及び複数の診断情報を含む第2通信パケットを生成し得る。望ましくは、情報提供装置200は一つの応答情報と、これに対応する一つ以上の診断情報同士が区分されるように、第2通信パケットを生成し得る。
【0064】
図4は、本発明の一実施例による通信システム10において用いられる第2通信パケットの構造を概略的に示した図である。
【0065】
例えば、図4の実施例において、第2通信パケットは、第1通信パケットと同様に、総64バイトの大きさを有し得る。但し、第2通信パケットにおいて、3バイトはパケット情報領域に割り当てられ、61バイトは応答情報領域に割り当てられ得る。具体的には、パケット情報領域には、第2通信パケットに対する一般的な情報が含まれ得る。例えば、第2通信パケットのパケット情報領域には、第1通信パケットのパケット情報領域と類似に、通信サービスID及び情報提供方式に対する値が含まれ得る。例えば、ISO 14229規約によると、第2通信パケットのパケット情報領域に含まれる通信サービスIDは、ReadDTCInformation response Service Idパラメーターに対応し、情報提供方式はreportTypeパラメーターに対応し得る。また、第2通信パケットのパケット情報領域には、フローコントロールのためのパケット番号がさらに含まれ得る。望ましくは、パケット番号は16進数で表される自然数が含まれ得る。例えば、情報提供装置200によって生成された第2通信パケットが複数である場合、パケット番号が1であれば、複数の第2通信パケットのうち一番目の第2通信パケットを示し得る。そして、パケット番号が2であれば、複数の第2通信パケットのうち二番目の第2通信パケットを示し得る。即ち、パット番号がNであれば、N個の第2通信パケットのうちN番目の第2通信パケットを示し得る。逆に、情報提供装置200によって生成された第2通信パケットが一つである場合、生成された第2通信パケットのパケット番号は1であり得る。
【0066】
また、図4の実施例において、第2通信パケットの応答情報領域には、応答情報及び診断情報が含まれ得る。例えば、応答情報には、診断コードID、診断コード状態情報及び診断コード保存情報が含まれ得る。ここで、診断コードIDは、診断コードを識別できるID情報であり、診断コード状態情報は、生成された診断コードの状態情報であり、診断コード保存情報は生成される複数の診断コードに対する診断コードIDが保存された保存空間において応答情報領域に含まれた診断コードIDが保存された位置を示す情報であり得る。例えば、ISO 14229規約によると、診断コードID及び診断コード状態情報はDTCAndStatusRecordパラメーターに対応し、診断コード保存情報は、DTCSnapshotRecordNumberパラメーターに対応し得る。より具体的には、診断コード状態情報はDTCAndStatusRecordパラメーターに含まれたstatusOfDTCパラメーターに対応し得る。
【0067】
また、情報提供装置200は、生成された第2通信パケットを前記情報要請装置100に送信するように構成され得る。
【0068】
具体的には、情報提供装置200は、生成した第2通信パケットを通信バスBに出力し得る。そして、情報要請装置100は、通信バスBを介して第2通信パケットを受信し得る。その後、情報要請装置100は、受信した第2通信パケットから応答情報及び診断情報を抽出し得る。情報要請装置100が第2通信パケットから応答情報及び診断情報を抽出した場合、情報要請装置100と情報提供装置200との間の通信は終了し得る。
【0069】
本発明の一実施例による通信システム10は、複数の要請情報を含み得る第1通信パケット構造及び複数の応答情報と各応答情報に対応する一つ以上の診断情報を含み得る第2通信パケット構造を採択することで、通信バスBに加えられる通信負荷を画期的に減少させ、通信効率を大幅に向上させることができるという長所がある。
【0070】
前記情報要請装置100は、前記診断コードが複数生成された場合、生成された複数の診断コードに対する複数の要請情報を区分するための区分情報を前記第1通信パケットにさらに含むように構成され得る。
【0071】
具体的には、区分情報は、要請情報とは明確に区分されるダミーコードであり得る。したがって、情報要請装置100は、複数の要請情報を各々区分するために、複数の要請情報の間に区分情報をさらに含ませ得る。
【0072】
図5は、本発明の一実施例による通信システム10において用いられる第1通信パケットの例示的構成を概略的に示した図である。
【0073】
図3及び図5を参照すると、第1通信パケットのパケット情報領域には、19及び04が含まれ得る。具体的には、パケット情報領域に含まれた通信サービスIDは19であり、情報要請方式は40であり得る。そして、情報要請領域には、総3個の要請情報が含まれ得る。そして、各々の要請情報の間には区分情報が含まれ得る。即ち、情報要請装置100は、複数の要請情報が含まれるように第1通信パケットを生成するとき、複数の要請情報を明確に区分するために第1通信パケットに区分情報を含ませ得る。
【0074】
例えば、図5の実施例において、第1要請情報には、第1診断コードID及び第1診断コード保存情報が含まれ得る。そして、第1要請情報は、区分情報によって第2要請情報と区分され得る。第2要請情報には、第2診断コードID及び第2診断コード保存情報が含まれ得る。そして、第2要請情報は、区分情報によって第3要請情報と区分され得る。第3要請情報には、第3診断コードID及び第3診断コード保存情報が含まれ得る。
【0075】
前記情報提供装置200は、前記受信した第1通信パケットから前記区分情報を基準にして前記複数の要請情報を各々区分して抽出するように構成され得る。
【0076】
前述したように、区分情報は、複数の要請情報を各々区分可能なダミーコードであり得る。したがって、情報提供装置200は、区分情報を基準にして複数の要請情報を各々区分して抽出し得る。
【0077】
即ち、本発明の一実施例による通信システム10は、区分情報をさらに含み得る第1通信パケット構造を採択することで、一つの第1通信パケットに複数の要請情報を含んでも、情報提供装置200が複数の要請情報を各々明確に区分して抽出可能にする。
【0078】
前記情報提供装置200は、前記抽出された要請情報が複数である場合、前記複数の要請情報に対して前記対応する応答情報及び一つ以上の診断情報を各々区分するために、前記区分情報を前記第2通信パケットにさらに含むように構成され得る。
【0079】
具体的には、第1通信パケットに複数の要請情報が含まれた場合、情報提供装置200は、複数の要請情報に各々対応する一つ以上の診断情報を抽出し得る。そして、情報提供装置200は、一つの応答情報とそれに対応する一つ以上の診断情報を区分して保存するために、区分情報を第2通信パケットの応答情報領域に含み得る。ここで、区分情報は、第1通信パケットに含まれる区分情報と同一であり得る。
【0080】
図6は、本発明の一実施例による通信システム10において用いられる第2通信パケットの例示的構成を概略的に示した図である。
【0081】
図4及び図6を参照すると、第2通信パケットのパケット情報領域には、59、04及び1が含まれ得る。具体的には、パケット情報領域に含まれた通信サービスIDは59であり、情報提供方式は40であり、パケット番号は1であり得る。そして、応答情報領域には、総3個の応答情報及び総3個の診断情報が含まれ得る。そして、対応する応答情報及び診断情報同士が区分情報によって区分され得る。即ち、情報提供装置200は、複数の応答情報及び複数の診断情報が含まれるように第2通信パケットを生成するとき、対応する応答情報と診断情報同士を明確に区分するために第2通信パケットに区分情報を含み得る。
【0082】
例えば、図6の実施例において、第1応答情報には、第1診断コードID、第1診断コード状態情報及び第1診断コード保存情報が含まれ得る。第1診断情報には、第1診断コードに対応する一つ以上のデータ識別子及び各データ識別子に対応する診断情報が含まれ得る。そして、第1診断情報は、区分情報によって第2応答情報と区分され得る。第2応答情報には、第2診断コードID、第2診断コード状態情報及び第2診断コード保存情報が含まれ得る。第2診断情報には、第2診断コードに対応する一つ以上のデータ識別子及び各データ識別子に対応する診断情報が含まれ得る。そして、第2診断情報は、区分情報によって第3応答情報と区分され得る。第3応答情報には、第3診断コードID、第3診断コード状態情報及び第3診断コード保存情報が含まれ得る。第3診断情報には、第3診断コードに対応する一つ以上のデータ識別子及び各データ識別子に対応する診断情報が含まれ得る。
【0083】
前記情報要請装置100は、前記受信した第2通信パケットから前記区分情報を基準にして対応する応答情報及び診断情報同士を区分して抽出するように構成され得る。
【0084】
前記情報要請装置100は、前記データ識別子リストを備えるように構成され得る。
【0085】
ここで、情報要請装置100に備えられるデータ識別子リストは、情報提供装置200に備えられたデータ識別子リストと同一であり得る。即ち、情報要請装置100と情報提供装置200は、診断コードに対応する一つ以上のデータ識別子情報を共有し得る。但し、情報提供装置200は、各々のデータ識別子に対応する診断情報(具体的な値)を保存しているが、情報要請装置100は、データ識別子リストのみを備え、診断情報を情報提供装置200から獲得する点が相異なる。
【0086】
また、情報要請装置100は、前記データ識別子リストに含まれた一つ以上のデータ識別子のうち一つ以上をターゲット識別子として選択するように構成され得る。
【0087】
具体的には、情報要請装置100は、診断コードに対してデータ識別子リストに定義された複数のデータ識別子のうち一部をターゲット識別子として選択し得る。
【0088】
例えば、A診断コードに対してデータ識別子リストに5個のデータ識別子が定義されたと仮定する。情報要請装置100は、5個のデータ識別子のうち二つのデータ識別子をターゲット識別子として選択し得る。
【0089】
そして、情報要請装置100は、選択された一つ以上のターゲット識別子に対する識別番号を前記第1通信パケットにさらに含むように構成され得る。
【0090】
即ち、情報要請装置100は、情報提供装置200に、診断コードに対する診断情報としてターゲット識別子に対応する診断情報の提供を要請し得る。
【0091】
例えば、二つのデータ識別子がターゲット識別子として選択された場合、情報要請装置100は、選択した二つのターゲット識別子に対する識別番号を第1通信パケットの要請情報領域に含み得る。
【0092】
図5の実施例において、情報要請装置100が第1通信パケットにターゲット識別子に対する識別番号をさらに含む場合、第1要請情報の大きさは増加し得る。即ち、情報要請装置100は、第1診断コードID、第1診断コード状態情報、第1診断コード保存情報及びターゲット識別子に対する識別番号を含む第1要請情報を第1通信パケットに含み得る。同様に、情報要請装置100は、第2要請情報及び第3要請情報の各々にも、対応するターゲット識別子に対する識別番号をさらに含み得る。
【0093】
そして、前記情報提供装置200は、前記第1通信パケットから前記識別番号を抽出し、前記データ識別子リストにおいて前記識別番号に対応するデータ識別子を前記ターゲット識別子に決定し、決定された一つ以上のターゲット識別子に対応する診断情報を抽出するように構成され得る。
【0094】
即ち、情報提供装置200は、第1通信パケットに含まれた要請情報に対する診断情報として第1通信パケットに含まれた識別番号に対応するターゲット識別子に対応する診断情報のみを抽出して情報要請装置100に提供し得る。
【0095】
したがって、本発明の一実施例による通信システム10は、情報要請装置100が診断情報を選択的に要請可能な通信パケット構造を採択することで、無駄に浪費されるシステム資源を節約して通信効率を向上させることができる。
【0096】
本発明による一実施例において、前記情報要請装置100は、前記選択された一つ以上のターゲット識別子の識別番号を各々前記第1通信パケットに含むように構成され得る。
【0097】
もし、選択されたターゲット識別子が一つである場合、情報要請装置100は、選択されたターゲット識別子に対する識別番号を要請情報領域に含み得る。
【0098】
もし、選択されたターゲット識別子が複数であり、選択された複数のターゲット識別子の識別番号が連続しない場合、情報要請装置100は、複数の識別番号を各々要請情報領域に含み得る。
【0099】
例えば、図5の実施例において、第1要請情報に対応するように選択されたターゲット識別子に対する識別番号が、1、3及び5であり、各々の識別番号が第1要請情報と共に要請情報領域に含まれると仮定する。また、識別番号は、要請情報領域を1バイトずつ占めると仮定する。この場合、第1通信パケットに含まれる第1要請情報の大きさは7バイトに増加し得る。
【0100】
本発明による他の実施例において、前記情報要請装置100は、前記選択された一つ以上のターゲット識別子の識別番号が連続する場合、前記識別番号のうち代表番号と前記選択されたターゲット識別子の個数を前記第1通信パケットに含むように構成され得る。
【0101】
具体的には、情報要請装置100は、所定の規則に従って複数の識別番号のうちいずれか一つの識別番号を代表番号として選択し得る。例えば、情報要請装置100は、複数の識別番号のうち最も小さい識別番号を代表番号として選択し得る。他の例で、情報要請装置100は、複数の識別番号のうち最も大きい識別番号を代表番号として選択し得る。
【0102】
ここで、複数の識別番号のうち代表番号を選択するように定義された規則は多様であり得る。即ち、情報提供装置200が第1通信パケットに含まれた代表番号及びターゲット識別子の個数に基づいて複数のターゲット識別子に対する識別番号を正確に認識可能な方法であれば、制限なく適用可能である。
【0103】
例えば、情報要請装置100によって選択されたターゲット識別子の個数が 4個であり、複数の識別番号が1、2、3及び4である場合、情報要請装置100は、代表番号として1を選択し得る。そして、情報要請装置100は、第1通信パケットの要請情報領域に代表番号に対する値として1を含み、ターゲット識別子の個数に対する値として4を含み得る。これによって、情報提供装置200は、第1通信パケットにおいて代表番号1及びターゲット識別子の個数4に基づき、情報要請装置100によって選択された複数のターゲット識別子の識別番号を1、2、3及び4に判断し得る。
【0104】
本発明の他の実施例による電気自動車は、本発明の一実施例による通信システム10を含み得る。
【0105】
通信システム10に含まれた情報提供装置200と情報要請装置100が通信可能に接続された通信バスBは、電気自動車の車両通信ネットワークであり得る。例えば、通信バスBは、CAN FD通信が可能な通信バスBであり得る。
【0106】
情報提供装置200及び情報要請装置100は、電気自動車に含まれ得る多様な電子制御装置が適用可能である。例えば、電子制御装置には、電気自動車に備えられ得るACU(Airbag Control Unit)、BCM(Body Control Module)、ECU(Engine Control Unit)、PCM(Powertrain Control Module)、TCU(Transmission Control Unit)、ABS(Anti-lock Braking System)、ESC(Electronic Stability Control)、HPCU(Hybrid Power Control Unit)、BMS(Battery Management System)及びMCU(Motor Control Unit)などが含まれ得る。
【0107】
もし、情報提供装置200がBMSである場合、情報提供装置200は、バッテリーパックに対する診断情報を提供し得る。
【0108】
本発明の他の実施例による電気自動車は、通信システム10を用いて電子制御装置同士の通信が行われ得るため、車両通信ネットワークの負荷が減少する。これによって、車両通信ネットワークを通じて通信可能な電子制御装置のシステム資源が無駄に浪費されず、効率的に活用可能である。
【0109】
一方、情報要請装置100によって生成される第1通信パケットには、別のヘッド領域がさらに含まれ得る。そして、ヘッド領域には、第1通信パケットの要請情報領域に含まれたデータレングスコード(Data length code;DLC)が含まれ得る。
【0110】
即ち、情報提供装置200は、第1通信パケットを受信した場合、第1通信パケットのヘッド領域に含まれたデータレングスコードを先に確認することで、第1通信パケットの要請情報領域に含まれた一つ以上の要請情報を正確に抽出可能である。
【0111】
図7は、発明の他の実施例による通信方法を概略的に示した図である。
【0112】
通信方法の各段階は、本発明の一実施例による通信システム10によって行われ得る。以下では、説明の便宜のために、前述した内容と重複する内容は省略するか、または簡略に説明する。
【0113】
図7を参照すると、通信方法は、第1通信パケット出力段階S100、要請情報抽出段階S200、診断情報抽出段階S300及び第2通信パケット出力段階S400を含み得る。
【0114】
第1通信パケット出力段階S100は、一つ以上の診断コードが生成された場合、生成された診断コードの各々に対する要請情報が含まれた第1通信パケットを生成し、生成された第1通信パケットを出力する段階であり、情報要請装置100によって行われ得る。
【0115】
例えば、情報要請装置100は、図3に示した第1パケット構造を用いて、要請情報を含む通信パケットを生成し得る。この場合、情報要請装置100は、複数の要請情報を一つの第1通信パケットに含み得る。
【0116】
要請情報抽出段階S200は、前記第1通信パケットを受信し、受信した第1通信パケットに含まれた各々の要請情報を抽出する段階であり、情報提供装置200によって行われ得る。
【0117】
即ち、情報提供装置200と情報要請装置100は、通信バスBによって相互に通信可能に構成され得る。
【0118】
診断情報抽出段階S300は、要請情報抽出段階S200で抽出された要請情報の各々に対応する診断情報を抽出する段階であり、情報提供装置200によって行われ得る。
【0119】
具体的には、情報提供装置200は備えられたデータ識別子リストに基づいて、抽出した要請情報に対応する一つ以上のデータ識別子を決定し得る。第1通信パケットから複数の要請情報が抽出された場合、情報提供装置200は、複数の要請情報の各々に対して一つ以上のデータ識別子を決定し得る。そして、情報提供装置200は、決定されたデータ識別子に対応する診断情報を抽出し得る。
【0120】
例えば、診断コードは、情報提供装置200によって生成され得る。したがって、情報提供装置200は、生成した診断コードに対応するデータ識別子及び診断情報を保存し得る。したがって、情報提供装置200は、予め保存された複数の診断情報のうち前記決定されたデータ識別子に対応する診断情報を抽出し得る。
【0121】
第2通信パケット出力段階S400は、対応する応答情報及び一つ以上の診断情報同士を区分して含む第2通信パケットを生成し、生成された第2通信パケットを出力する段階として、情報提供装置200によって行われ得る。
【0122】
例えば、情報提供装置200は、図4に示した第2パケット構造を用いて、応答情報及び一つ以上の診断情報同士を区分して含む通信パケットを生成し得る。
【0123】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0124】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0125】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7