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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240528BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240528BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G03G21/18 167
G03G21/16 104
G03G15/08 390Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020042665
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144141
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】北川 裕章
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169521(JP,A)
【文献】特開2016-075752(JP,A)
【文献】特開2011-170130(JP,A)
【文献】特開2006-065267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/18
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成するプリント装置を内包する本体部に対して取り外し可能に装着され、前記本体部において前記プリント装置の一部を成す対象部品に対向して配置される前記プリント装置の他の一部を成す対向部品を有する装着ユニットと、
前記本体部に設けられた第1コネクターと、
前記第1コネクターに対して第1方向に沿って近づけられることにより前記第1コネクターに接続される第2コネクターと、
前記装着ユニットに設けられ、前記第2コネクターを前記第1方向に交差する第2方向に沿って変位可能に支持するとともに、前記第2コネクターを前記第2方向における予め定められた基準位置に仮保持するコネクター支持機構と、
前記本体部に設けられ、前記装着ユニットを前記基準位置に保持された前記第2コネクターが前記第1コネクターに接続される接続位置と前記接続位置よりも前記本体部から離れた位置との間で前記第1方向に沿ってスライド移動可能に案内し、さらに前記装着ユニットを前記接続位置と前記接続位置よりも前記対象部品に近い装着位置との間で前記第2方向に沿ってスライド移動可能に案内するユニット案内部と、を備え、
前記コネクター支持機構は、前記第2コネクターが前記第1コネクターに接続されている状態で、前記装着ユニットが前記接続位置と前記装着位置との間で移動することを許容し、
前記コネクター支持機構は、前記第2コネクターを前記基準位置に向けて弾性付勢することにより前記第2コネクターを前記基準位置に仮保持する弾性部材を有する、画像形成装置。
【請求項2】
シートに画像を形成するプリント装置を内包する本体部に対して取り外し可能に装着され、前記本体部において前記プリント装置の一部を成す対象部品に対向して配置される前記プリント装置の他の一部を成す対向部品を有する装着ユニットと、
前記本体部に設けられた第1コネクターと、
前記第1コネクターに対して第1方向に沿って近づけられることにより前記第1コネクターに接続される第2コネクターと、
前記装着ユニットに設けられ、前記第2コネクターを前記第1方向に交差する第2方向に沿って変位可能に支持するとともに、前記第2コネクターを前記第2方向における予め定められた基準位置に仮保持するコネクター支持機構と、
前記本体部に設けられ、前記装着ユニットを前記基準位置に保持された前記第2コネクターが前記第1コネクターに接続される接続位置と前記接続位置よりも前記本体部から離れた位置との間で前記第1方向に沿ってスライド移動可能に案内し、さらに前記装着ユニットを前記接続位置と前記接続位置よりも前記対象部品に近い装着位置との間で前記第2方向に沿ってスライド移動可能に案内するユニット案内部と、
前記ユニット案内部に案内される前記装着ユニットと接触する接触部材と、
前記接触部材を前記装着ユニットの移動経路内の干渉位置と前記装着ユニットの移動経路外の待避位置との間で変位可能に支持するとともに前記接触部材を前記干渉位置へ向けて弾性付勢する接触部材支持機構と、を備え
前記コネクター支持機構は、前記第2コネクターが前記第1コネクターに接続されている状態で、前記装着ユニットが前記接続位置と前記装着位置との間で移動することを許容し、
前記接触部材は、前記第1方向に沿って前記接続位置へ近づく前記装着ユニットから受ける力により前記接触部材支持機構の弾性付勢力に抗して前記干渉位置から前記待避位置へ変位し、前記接続位置に到達した前記装着ユニットを前記装着位置へ向けて付勢する、画像形成装置
【請求項3】
前記コネクター支持機構は、前記第2コネクターを前記基準位置に向けて弾性付勢することにより前記第2コネクターを前記基準位置に仮保持する弾性部材を有する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記対象部品が、表面に静電潜像が形成される像担持体を含み、
前記対向部品が、前記像担持体の表面へトナーを供給する現像ローラーを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部に着脱可能な装着ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、トナー画像を生成し、前記トナー画像をシートに形成するプリント装置を備える。前記プリント装置は、感光体、帯電装置、レーザースキャニングユニット、現像装置、クリーニング装置、転写装置および定着装置などを備える。
【0003】
前記プリント装置の一部が、本体部に着脱可能なユニットとして構成される場合がある。例えば、前記感光体、前記帯電装置、前記現像装置および前記クリーニング装置が、前記本体部に着脱可能なプロセスユニットとして一体化されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-113143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記現像装置を含む現像ユニットが、前記感光体が設けられた前記本体部に対して着脱可能に構成される場合がある。前記現像装置が備える現像ローラーは、前記感光体に接触する状態、または、前記感光体との間にごく僅かな隙間を隔てた状態で配置される。前記感光体は、像担持体の一例である。
【0006】
前記現像ユニットが装着されるときに前記現像ローラーが前記感光体に強く接触すると、前記感光体が損傷するおそれがある。そのため、前記現像ユニットの装着は慎重を要する。前記現像ユニットは、前記プリント装置の一部を有する装着ユニットの一例である。
【0007】
一方、前記現像ユニットなどの前記装着ユニットの交換を一般ユーザーでもできるようにしたいというニーズがある。そのようなニーズに対応するため、前記装着ユニットが前記本体部に対して着脱される際に、前記感光体などの構成部品が損傷しにくいことが望まれる。
【0008】
また、前記現像ユニットは電子部品を含む。そのため、前記現像ユニットが着脱される際に、前記現像ユニットと前記本体部との間で給電線または信号線を接続するためにコネクターを接続することが必要である。
【0009】
しかしながら、前記一般ユーザーに前記コネクターを接続する作業を伴う前記装着ユニットの着脱作業を行わせることは、操作が煩雑になること、および、安全性の確保が難しくなることから好ましくない。
【0010】
本発明の目的は、装着ユニットを簡易に本体部に着脱することができ、前記装着ユニットが着脱される際に構成部品の損傷が生じにくい画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、装着ユニットと、第1コネクターと、第2コネクターと、コネクター支持機構と、ユニット案内部と、を備える。前記装着ユニットは、シートに画像を形成するプリント装置を内包する本体部に対して取り外し可能に装着され、前記本体部において前記プリント装置の一部を成す対象部品に対向して配置される前記プリント装置の他の一部を成す対向部品を有する。前記第1コネクターは、前記本体部に設けられている。前記第2コネクターは、前記第1コネクターに対して第1方向に沿って近づけられることにより前記第1コネクターに接続される。前記コネクター支持機構は、前記装着ユニットに設けられ、前記第2コネクターを前記第1方向に交差する第2方向に沿って変位可能に支持するとともに、前記第2コネクターを前記第2方向における予め定められた基準位置に仮保持する。前記ユニット案内部は、前記本体部に設けられ、前記装着ユニットを前記基準位置に保持された前記第2コネクターが前記第1コネクターに接続される接続位置と前記接続位置よりも前記本体部から離れた位置との間で前記第1方向に沿ってスライド移動可能に案内し、さらに前記装着ユニットを前記接続位置と前記接続位置よりも前記対象部品に近い装着位置との間で前記第2方向に沿ってスライド移動可能に案内する。前記コネクター支持機構は、前記第2コネクターが前記第1コネクターに接続されている状態で、前記装着ユニットが前記接続位置と前記装着位置との間で移動することを許容する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装着ユニットを簡易に本体部に着脱することができ、前記装着ユニットが着脱される際に構成部品の損傷が生じにくい画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置における作像部の斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置における作像部の平面図である。
図4図4は、実施形態に係る画像形成装置における作像部の一部分解断面図である。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置における作像部の第1断面図である。
図6図6は、実施形態に係る画像形成装置における現像ユニットの一部分解斜視図である。
図7図7は、実施形態に係る画像形成装置におけるコネクター支持機構の分解斜視図である。
図8図8は、実施形態に係る画像形成装置における現像ユニットが装着される途中の作像部の第1断面図である。
図9図9は、実施形態に係る画像形成装置における現像ユニットが装着される途中の作像部の第2断面図である。
図10図10は、実施形態に係る画像形成装置における作像部の第2断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、電子写真方式でシート9に画像を形成するプリント処理を実行する装置である。例えば、画像形成装置10は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置または複合機である。
【0016】
図1に示されるように、画像形成装置10は、シート収容部1、シート送出装置2、シート搬送装置3およびプリント装置4を備える。プリント装置4は、前記プリント処理を実行する。シート搬送装置3およびプリント装置4は、本体部100内に設けられている。
【0017】
シート送出装置2は、シート収容部1に収容されたシート9を1枚ずつ本体部100内の搬送路300へ送り出す。搬送路300は、シート9の通路を成すシート搬送路である。
【0018】
シート搬送装置3において、複数組の搬送ローラー対31が、シート送出装置2によって搬送路300へ送り出されたシート9を搬送路300に沿って搬送し、さらにシート9を排紙トレイ101へシート9を排出する。
【0019】
プリント装置4は、搬送路300に沿って搬送されるシート9にトナー画像を形成する。プリント装置4は、光走査ユニット40、感光体41、帯電装置42、現像装置43、転写装置44、クリーニング装置45および定着装置46などを備える。
【0020】
ドラム状の感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の外周面を帯電させる。光走査ユニット40は、帯電した感光体41の外周面にレーザー光を走査する。これにより、静電潜像が感光体41の表面に形成される。
【0021】
現像装置43は、前記静電潜像が形成された感光体41の外周面にトナーを供給することにより、前記静電潜像をトナー画像へ現像する。現像装置43は、トナーを収容する現像槽430と、感光体41の表面に前記トナーを供給する現像ローラー431とを備える。
【0022】
さらに、現像装置43は、搬送スクリュー432および現像バイアス印加部433なども備える。搬送スクリュー432は、現像槽430内で前記トナーを循環させつつ撹拌する。現像バイアス印加部433は、現像ローラー431にバイアス電圧を印加する。現像ローラー431および搬送スクリュー432は、不図示の駆動装置によって回転駆動される。
【0023】
転写装置44は、シート9に感光体41上の前記トナー画像を転写する。クリーニング装置45は、前記トナー像の転写後に感光体41上に残存するトナーを除去する。定着装置46は、シート9に転写された前記トナー画像を加熱しつつ加圧する。これにより、前記トナー画像がシート9に定着する。
【0024】
以下の説明において、感光体41および感光体41の周囲に配置され前記トナー画像の処理に関する機器のことを作像部4xと称する。本実施形態において、作像部4xは、感光体41、帯電装置42、現像装置43、クリーニング装置45を含む。
【0025】
図2は、作像部4xの斜視図であり、図3は、作像部4xの平面図である。図4,5,8~10において、J-Jと記されている図は、図3におけるJ-J断面を示し、K-Kと記されている図は、図3におけるK-K断面を示す。
【0026】
ところで、現像装置43を含む現像ユニット43xが、感光体41が設けられた本体部100に対して着脱可能に構成される場合がある。本実施形態においても、現像装置43は、現像ユニット43xとしてユニット化されており、現像ユニット43xは、本体部100に対して取り外し可能に装着されている。
【0027】
現像装置43が備える現像ローラー431は、感光体41に接触する状態、または、感光体41との間にごく僅かな隙間を隔てた状態で配置される。感光体41は、像担持体の一例である。
【0028】
現像ユニット43xが装着されるときに現像ローラー431が感光体41に強く接触すると、感光体41が損傷するおそれがある。そのため、現像ユニット43xの装着は慎重を要する。
【0029】
本実施形態において、感光体41は、本体部100においてプリント装置4の一部を成す対象部品の一例である。また、現像ローラー431は、感光体41に対向して配置されるプリント装置4の他の一部を成す対向部品の一例である。また、現像ユニット43xは、プリント装置4の一部を有する装着ユニットの一例である。
【0030】
一方、現像ユニット43xなどの前記装着ユニットの交換を一般ユーザーでもできるようにしたいというニーズがある。そのようなニーズに対応するため、前記装着ユニットが本体部100に対して着脱される際に、感光体41などの構成部品が損傷しにくいことが望まれる。
【0031】
また、現像ユニット43xは、現像バイアス印加部433などの電子部品を含む。そのため、現像ユニット43xが本体部100に装着される際に、現像ユニット43xと本体部100との間で給電線または信号線を接続するためにコネクターを接続することが必要である。
【0032】
しかしながら、前記一般ユーザーに前記コネクターを接続する作業を伴う前記装着ユニットの着脱作業を行わせることは、操作が煩雑になること、および、安全性の確保が難しくなることから好ましくない。
【0033】
画像形成装置10は、現像ユニット43xを簡易に本体部100に着脱することができ、現像ユニット43xが着脱される際に感光体41の損傷が生じにくくするための構成を備える。以下、その構成について説明する。
【0034】
図2~10において、下方向D11、上方向D12、前方向D21および後方向D22が矢印で示されている。さらに、第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3が矢印で示されている。本実施形態において、第1方向D1は上下方向であり、第2方向D2は前後方向であり、第3方向D3は幅方向である。
【0035】
図4に示されるように、作像部4xは、本体部100の一部を成す作像ベース部4yと、作像ベース部4yに対して取り外し可能に装着される現像ユニット43xとを含む。作像ベース部4yは、ドラムユニット41x、ユニット案内部51および本体コネクター53を含む。本体コネクター53は、第1コネクターの一例である。
【0036】
また、ユニットコネクター434およびコネクター支持機構435が、現像ユニット43xに設けられている。ユニットコネクター434は、本体コネクター53に対して第1方向D1に沿って上方から近づけられることにより本体コネクター53に接続される。ユニットコネクター434は、第2コネクターの一例である。
【0037】
ユニットコネクター434は、現像ユニット43xが備える現像バイアス印加部433などの電子部品と電気的に接続されている。また、本体コネクター53は、現像ユニット43xが備える前記電子部品に電力を供給する給電回路および前記電子部品から出力される信号を入力する信号入力機器のうちの一方または両方と電気的に接続されている。
【0038】
ユニットコネクター434が本体コネクター53に接続されることにより、現像ユニット43xが備える前記電子部品が、本体部100の前記給電回路および前記信号入力機器の一方または両方と電気的に接続される。
【0039】
コネクター支持機構435は、現像ユニット43xに設けられ、ユニットコネクター434を第2方向D2に沿って変位可能に支持する。第2方向D2は、第1方向D1に交差する方向の一例である。本実施形態において、第2方向D2は第1方向D1に直交する方向である。
【0040】
さらに、コネクター支持機構435は、ユニットコネクター434を第2方向D2における予め定められた基準位置に仮保持する。図6は、ユニットコネクター434を支持するコネクター支持機構435が現像ユニット43xに取り付けられる前の状態を示す。
【0041】
図7に示されるように、コネクター支持機構435は、コネクター支持部材4351と、スライド支持部4352と、バネ4353とを備える。
【0042】
コネクター支持部材4351は、ユニットコネクター434を支持する。スライド支持部4352は、コネクター支持部材4351を第2方向D2に沿ってスライド変位可能に支持する。
【0043】
バネ4353は、コネクター支持部材4351を介してユニットコネクター434を前記基準位置に向けて弾性付勢することにより、ユニットコネクター434を前記基準位置に仮保持する。バネ4353は、弾性部材の一例である。
【0044】
本実施形態において、前記基準位置は、ユニットコネクター434の可動範囲における後方D22の端の位置である。バネ4353は、コネクター支持部材4351を後方D22へ弾性付勢することにより、ユニットコネクター434を前記基準位置に仮保持する。
【0045】
なお、コネクター支持機構435が、バネ4353の代わりに、コネクター支持部材4351を第2方向D2において係止する係止機構を備えてもよい。前記係止機構は、コネクター支持部材4351を係止することにより、ユニットコネクター434を前記基準位置に仮保持する。
【0046】
前記係止機構によるコネクター支持部材4351の係止は、予め定められた力を超える前方D21への外力がコネクター支持部材4351に加わるときに解除される。例えば、前記係止機構が、コネクター支持部材4351を係止する可撓性の係止部を備える。前記可撓性の係止部は、一定の力を超える外力が加わることによってコネクター支持部材4351の係止を解除する。
【0047】
ユニット案内部51は、作像ベース部4yに設けられ、第1ユニット案内部51a,51bおよび第2ユニット案内部51cを含む。第1ユニット案内部51aは、一対の側方ユニット案内部51aおよび後方ユニット案内部51bを含む。一対の側方ユニット案内部51aは、作像ベース部4yにおける現像ユニット43xが配置されるユニット収容空間400に対して第3方向D3の両側の部分に設けられている。後方ユニット案内部51bは、作像ベース部4yにおけるユニット収容空間400に対して後方向D22側の部分に設けられている。第2ユニット案内部51cは、作像ベース部4yにおけるユニット収容空間400に対して下方向D11側の部分に設けられている。
【0048】
一方、現像ユニット43xは、一対の側方ユニット案内部51aによって第1方向D1に沿って案内される一対の側方被案内部43aと、後方ユニット案内部51bによって第1方向D1に沿って案内される後方被案内部43bとを有する(図4参照)。さらに、現像ユニット43xは、第2ユニット案内部51cによって第2方向D2に沿って案内される第2被案内部43cを有する(図4,5参照)。
【0049】
第1ユニット案内部51aは、現像ユニット43xの第2方向D2および第3方向D3の移動を制限しつつ、現像ユニット43xを所定の接続位置と前記接続位置よりも作像ベース部4yから離れた位置との間で第1方向D1に沿ってスライド移動可能に案内する。前記接続位置は、前記基準位置に保持されたユニットコネクター434が本体コネクター53に接続されるときの現像ユニット43xの位置である。
【0050】
具体的には、一対の側方ユニット案内部51aは、それぞれ第1方向D1に沿う溝を形成している。一対の側方被案内部43aは、現像ローラー131の回転軸の延長線上において第3方向D3の両外側へ突出して形成されている。現像ユニット43xが第1方向D1に沿って前記接続位置に対して接近または離隔するときに、側方被案内部43a各々の頭頂部および第2方向D2の両端の側面が、側方ユニット案内部51a各々が形成する前記溝の底面および両側面に摺動する。これにより、一対の側方ユニット案内部51aは、一対の側方被案内部43aの第2方向D2および第3方向D3の移動を制限しつつ、一対の側方被案内部43aを第1方向D1に沿って案内する。
【0051】
また、後方ユニット案内部51bは、第1方向D1に沿う平面を形成している。後方被案内部43bは、後方向D21へ突出し、第1方向D1に沿って形成された複数のリブである(図6参照)。現像ユニット43xが第1方向D1に沿って前記接続位置に対して接近または離隔するときに、後方被案内部43bの頭頂部が、後方ユニット案内部51bに対して摺動する。これにより、後方ユニット案内部51bは、後方被案内部43bの第2方向D2の移動を制限しつつ、後方被案内部43bを第1方向D1に沿って案内する。その結果、現像ユニット43xが第1方向D1に沿って案内される。
【0052】
現像ユニット43xが第1ユニット案内部51aによって前記接続位置へ案内されることにより、ユニットコネクター434は、第1方向D1に沿って本体コネクター53に近づき、さらに、本体コネクター53に接続される。ユニットコネクター434および本体コネクター53は、いわゆるドロアコネクターである。
【0053】
第2ユニット案内部51cは、現像ユニット43xの下方向D11への移動を制限しつつ、現像ユニット43xを前記接続位置と前記接続位置よりも感光体41に近い装着位置との間で第2方向D2に沿ってスライド移動可能に案内する。
【0054】
具体的には、第2被案内部43cは、現像ユニット43xの底面の一部を成し、第2ユニット案内部51cは、第2方向D2に沿う平面を形成している。第2ユニット案内部51cは、第2被案内部43cに当接することにより、現像ユニット43xの下方向D11への移動を制限する。
【0055】
現像ユニット43xが第2方向D2に沿って前記装着位置と前記接続位置との間で移動するときに、第2被案内部43cが、第2ユニット案内部51cに対して摺動する。これにより、第2ユニット案内部51cは、第2被案内部43cの下方向D11への移動を制限しつつ、第2被案内部43cを第2方向D2に沿って案内する。その結果、現像ユニット43xが第2方向D2に沿って案内される。
【0056】
現像ユニット43xが前記装着位置に存在する状態が、現像ユニット43xの装着が完了した状態である。本実施形態において、前記装着位置は、前記接続位置に対し後方の位置である。
【0057】
図8,9は、現像ユニット43xが前記接続位置に存在する状態を示し、図5,10は、現像ユニット43xが前記装着位置に存在する状態を示す。
【0058】
図8,9に示されるように、現像ユニット43xが前記接続位置に存在するときに、現像ローラー431は、感光体41に対して所定の隙間4300を隔てて離隔している。一方、図5,10に示されるように、現像ユニット43xが前記装着位置に存在するときに、現像ローラー431は、感光体41に接触する状態、または、感光体41との間に隙間4300よりも小さなごく僅かな隙間を隔てた状態である。
【0059】
コネクター支持機構435は、ユニットコネクター434が本体コネクター53に接続されている状態で、現像ユニット43xが前記接続位置と前記装着位置との間で移動することを許容する。
【0060】
従って、現像ユニット43xが作像ベース部4yに装着される場合に、まず、現像ユニット43xが第1ユニット案内部51aの案内により前記接続位置へ移動されることにより、現像ローラー431が感光体41に対して比較的大きな隙間4300を隔てた状態で、ユニットコネクター434が本体コネクター53に接続される(図4,8,9参照)。
【0061】
さらに、現像ユニット43xが第2ユニット案内部51cの案内により前記接続位置から前記装着位置へ移動されることにより、現像ユニット43xの装着が完了する。また、現像ユニット43xが作像ベース部4yから取り外される場合には、現像ユニット43xの装着の場合の操作と逆の操作が行われればよい。
【0062】
従って、ユーザーなどの作業者は、ユニットコネクター434を本体コネクター53に接続する作業を行うことなく、現像ユニット43xを簡易に本体部100に着脱することができる。
【0063】
また、現像ユニット43xがコネクター接続のために前記接続位置へ押し込まれた段階では、現像ローラー431は、感光体41に対して隙間4300を隔てた状態である。
【0064】
さらに、現像ユニット43xが前記接続位置から前記装着位置へ移動するときには、前記コネクター接続が終了しているため、現像ユニット43xが感光体41へ向けて強く押し込まれる必要がない。
【0065】
従って、現像ユニット43xが着脱されるときに、現像ローラー431と感光体41との接触による感光体41の損傷が生じにくい。
【0066】
画像形成装置10は、付勢機構52をさらに備える(図4,5,8参照)。付勢機構52は、接触部材521、スライド支持部522およびバネ523を備える。
【0067】
接触部材521は、ユニット案内部51によって案内される現像ユニット43xと接触する部材である。スライド支持部522は、接触部材521を現像ユニット43xの移動経路内の干渉位置と現像ユニット43xの移動経路外の待避位置との間で変位可能に支持する。
【0068】
バネ523は、接触部材521を前記干渉位置へ向けて弾性付勢する。スライド支持部522およびバネ523は、接触部材支持機構の一例である。
【0069】
接触部材521は、第1方向D1に沿って前記接続位置へ近づく現像ユニット43xから受ける力によりバネ523の弾性付勢力に抗して前記干渉位置から前記待避位置へ変位する(図8,9参照)。バネ523は、前記接続位置に到達した現像ユニット43xを前記装着位置へ向けて付勢する。
【0070】
付勢機構52の作用により、現像ユニット43xの前記接続位置から前記装着位置への移動が自動化される。なお、現像ユニット43xが取り外される場合、前記作業者は、バネ523の付勢力に抗して現像ユニット43xを前記装着位置から前記接続位置へ移動させる。
【0071】
[応用例]
ドラムユニット41xなどの他の装着ユニットが、が本体部10に対して取り外し可能に装着される場合がある。この場合、現像ユニット43xの着脱の構造が、前記他の装着ユニットの着脱の構造として採用されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 :シート収容部
2 :シート送出装置
3 :シート搬送装置
4 :プリント装置
4x :作像部
4y :作像ベース部
10 :画像形成装置
31 :搬送ローラー対
40 :光走査ユニット
41 :感光体
41x :ドラムユニット
42 :帯電装置
43 :現像装置
43x :現像ユニット(装着ユニット)
44 :転写装置
45 :クリーニング装置
46 :定着装置
51 :ユニット案内部
51a,51b:第1ユニット案内部
51c :第2ユニット案内部
52 :付勢機構
53 :本体コネクター
100 :本体部
101 :排紙トレイ
300 :搬送路
430 :現像槽
431 :現像ローラー
432 :搬送スクリュー
433 :現像バイアス印加部
434 :ユニットコネクター
435 :コネクター支持機構
521 :接触部材
522 :スライド支持部
523 :バネ
4351 :コネクター支持部材
4352 :スライド支持部
4353 :バネ
図1
図2
図3
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図10