(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240528BHJP
G01N 21/892 20060101ALI20240528BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240528BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
G01N21/892 A
G03G21/00 510
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
G06F3/12 310
G06F3/12 334
G06F3/12 385
(21)【出願番号】P 2020066398
(22)【出願日】2020-04-02
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】源田 大輔
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126113(JP,A)
【文献】特開2017-159600(JP,A)
【文献】特開2012-155024(JP,A)
【文献】特開2019-215392(JP,A)
【文献】特開平04-130468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G01N 21/892
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置
において記録媒体に形成
された画像
を読み取った検査画像に発生する欠陥と、前記欠陥の発生を防止するための修復動作と、前記修復動作を実施する装置とを関連付けた修復情報を保持する修復情報保持部と、
欠陥を含む
前記検査画像の表示画面において、前記欠陥が前記検査画像上で指定された場合に、前記指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出する修復動作抽出部と、
前記修復動作抽出部で抽出した修復動作の実施を、前記修復動作を実施する装置に対して指示する修復動作指示部とを備えた
情報処理装置。
【請求項2】
前記修復動作抽出部は、前記欠陥が前記検査画像上で指定された場合に、前記指定された欠陥を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記修復動作抽出部は、複数の欠陥を含む検査画像の表示画面において、前記複数の欠陥の何れかが前記検査画像上で指定された場合に、前記指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記修復動作指示部の指示は、前記画像形成装置への指示、画像読取装置への指示、または端末装置への指示である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記修復動作は、前記装置の駆動条件の補正、前記修復動作を実施する装置のクリーニング、前記修復動作の内容の報知、または詳細診断画像の形成である
請求項1~4のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記修復情報保持部は、前記欠陥と、前記修復動作を実施する装置において前記修復動作を実施する部品とを関連付けて保持する
請求項1~5のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記修復情報保持部は、前記修復動作として、前記部品に対して実施させる修復動作を保持する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記修復情報保持部は、前記欠陥に対して、順位付けした複数の前記修復動作を関連付けて保持し、
前記修復動作抽出部は、前記指定された欠陥に関連付けられた複数の修復動作を、前記順位付けされた順に抽出する
請求項1~7のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記検査画像の欠陥を検出し、検出した欠陥の特徴量を抽出する欠陥検出部を備え、
前記修復情報保持部は、前記各欠陥の特徴量に対して前記修復動作を関連付けて保持し、
前記修復動作抽出部は、前記指定された欠陥の特徴量に関連付けられた修復動作を前記修復情報保持部から抽出する
請求項1~8のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記欠陥検出部は、前記修復動作指示部によって修復動作の指示がなされた後に、記録媒体に対して前記検査画像と同じ画像が再検査画像として形成された場合に、前記記録媒体から読み取った前記再検査画像に対して前記指定された欠陥の検出を実施する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記修復動作抽出部は、前記再検査画像において前記指定された欠陥が検出された場合に、前記指定された欠陥に関連付けられた別の修復動作を、前記修復情報保持部から抽出する
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記検査画像に対して前記検査画像に発生した各欠陥にマークを付与した欠陥情報を作成する欠陥情報作成部を備え、
前記修復動作抽出部は、前記検査画像の表示画面において前記マークの何れかを指定する操作がなされたことにより、前記指定されたマークが付与された欠陥が指定されたと判断する
請求項1~11のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記検査画像を表示した表示画面の操作において前記欠陥の何れかが指定された場合に、前記指定された欠陥に付与されたマークと、前記指定された欠陥と同じ修復動作が関連付けされた欠陥に付与されたマークとを、前記表示画面において強調して表示させる表示制御部を備えた
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
修復情報保持部に対し、画像形成装置
において記録媒体に形成
された画像
を読み取った検査画像に発生する欠陥と、前記欠陥の発生を防止するための修復動作と、前記修復動作を実施する装置とを関連付けた修復情報を保持させ
修復動作抽出部に対し、
欠陥を含む
前記検査画像の表示画面において、前記欠陥が前記検査画像上で指定された場合に、前記指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出させ、
前修復動作指示部に対し、前記修復動作抽出部で抽出した修復動作の実施を、前記修復動作を実施する装置に対して指示させるための
情報処理プログラム。
【請求項15】
前記欠陥が前記検査画像上で指定された場合に、前記修復動作抽出部に対し、前記指定された欠陥を特定させる
請求項14に記載の情報処理プログラム。
【請求項16】
複数の欠陥を含む検査画像の表示画面において、前記複数の欠陥の何れかが前記検査画像上で指定された場合に、前記修復動作抽出部に対し、前記指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出させる
請求項14に記載の情報処理プログラム。
【請求項17】
修復情報保持部が、画像形成装置
において記録媒体に形成
された画像
を読み取った検査画像に発生する欠陥と、前記欠陥の発生を防止するための修復動作と、前記修復動作を実施する装置とを関連付けた修復情報を保持し、
修復動作抽出部が、
欠陥を含む
前記検査画像の表示画面において、前記欠陥が前記検査画像上で指定された場合に、前記指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出し、
修復動作指示部が、前記修復動作抽出部で抽出した修復動作の実施を、前記修復動作を実施する装置に対して指示する
情報処理方法。
【請求項18】
前記欠陥が前記検査画像上で指定された場合に、前記修復動作抽出部が、前記指定された欠陥を特定する
請求項17に記載の情報処理方法。
【請求項19】
複数の欠陥を含む検査画像の表示画面において、前記複数の欠陥の何れかが前記検査画像上で指定された場合に、前記修復動作抽出部が、前記指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出する
請求項17に記載の情報処理方法。
【請求項20】
記録媒体に検査画像を形成するための複数の画像形成装置と、
前記検査画像に発生すると予測される各欠陥と、前記各欠陥の発生を防止するための修復動作と、前記修復動作を実施する装置とを関連付けた修復情報を保持する修復情報保持部と、
記録媒体から読み取った検査画像の表示画面において指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出する修復動作抽出部と、
前記修復動作抽出部で抽出した修復動作の実施を、前記複数の画像形成装置のうち前記修復動作を実施する装置を識別して、前記識別した装置に対して指示する修復動作指示部とを備えた
情報処理装置と、
を有する画像形成システム。
【請求項21】
さらに、前記修復動作の内容を報知する端末装置と、前記記録媒体から前記検査画像を読み取る画像読取装置とを有し、
前記情報処理装置の修復動作指示部は、前記修復動作抽出部が前記抽出した修復動作を、前記画像形成装置、前記画像読取装置、または前記端末装置に対して指示する
請求項20に記載の画像形成システム。
【請求項22】
前記情報処理装置は、前記画像形成装置の駆動制御部と一体に形成されている
請求項20または21に記載の画像形成システム。
【請求項23】
記録媒体から読み取った検査画像に発生すると予測される各欠陥と、前記各欠陥の発生を防止するための修復動作と、前記修復動作を実施する装置とを関連付けた修復情報を保持する修復情報保持部と、
記録媒体から読み取った検査画像の表示画面において指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出する修復動作抽出部と、
前記修復動作抽出部で抽出した修復動作の実施を、前記修復動作を実施する装置に対して指示する修復動作指示部とを備えた情報処理装置を有し、
さらに、
前記記録媒体に前記検査画像を形成するための画像形成装置と、
前記記録媒体から前記検査画像を読み取る画像読取装置と、
前記修復動作の内容を報知する端末装置とを有する画像形成システムであって、
前記画像読取装置は前記画像形成装置と一体に設けられ、
前記情報処理装置は、複数の前記画像形成装置との間で通信が可能であって、
前記情報処理装置の前記修復動作指示部は、
複数の
前記画像形成装置を識別して前記修復動作の実施を指示する
画像形成システム。
【請求項24】
前記情報処理装置の修復動作指示部は、前記修復動作抽出部が前記抽出した修復動作を、前記画像形成装置、前記画像読取装置、または前記端末装置に対して指示する
請求項23に記載の画像形成システム。
【請求項25】
前記情報処理装置は、前記画像形成装置の駆動制御部と一体に形成されている
請求項23または24に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成装置の中には、形成画像の欠陥を検出する画像検査装置を備えたものがある。このような技術として、下記特許文献1に開示の技術がある。この特許文献1には、画像検査部20によって欠陥の異常が検出された場合(ステップS5;Y)、履歴生成部21は、欠陥の異常の検出情報として欠陥の異常の名称のテキストを生成する。履歴生成部21は、生成したテキストを、スキャン画像において欠陥の異常が検出された画像領域を含む1又は複数の矩形領域に埋め込む(ステップS6)。これにより、テキストが埋め込まれたスキャン画像を表示し、異常の検出情報を簡便に確認できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述した技術においては、検出された異常を防止するための補正やメンテナンスを実施する際、異常に関する情報が表示されたスキャン画像では、補正やメンテナンスを指示する操作を実施することができない。このため、スキャン画像を確認しつつ、そのスキャン画像とは別の画像の操作、または他の操作手段によって、補正やメンテナンスを指示する必要がり、操作が煩雑であった。
【0005】
そこで本発明は、画像形成装置で形成した画像に欠陥が検出された場合に、簡便な手順で欠陥の修復動作を指示することが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するための本発明は、記録媒体から読み取った検査画像に発生すると予測される各欠陥と、前記各欠陥の発生を防止するための修復動作と、前記修復動作を実施する装置とを関連付けた修復情報を保持する修復情報保持部と、記録媒体から読み取った検査画像の表示画面において指定された欠陥に対して関連付けられた修復動作を、前記修復情報保持部から抽出する修復動作抽出部と、前記修復動作抽出部で抽出した修復動作の実施を、前記修復動作を実施する装置に対して指示する修復動作指示部とを備えた情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置で形成した画像に欠陥が検出された場合に、簡便な手順で欠陥の修復動作を指示することが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置を有する画像形成システムの構成を示す概略図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置を有する画像形成システムのブロック図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理プログラムに基づく検査画像の表示を示す図(その1)である。
【
図4】実施形態に係る情報処理プログラムに基づく検査画像の表示を示す図(その2)である。
【
図5】実施形態に係る情報処理装置が有する欠陥の修復情報[Tb1]を示す図である。
【
図6】本発明の情報処理プログラムに基づいて作成される欠陥情報[Tb2]を示す図である。
【
図7】本発明の情報処理プログラムに基づいて実施される情報処理方法を示すフローチャート(その1)である。
【
図8】本発明の情報処理プログラムに基づいて実施される情報処理方法を示すフローチャート(その2)である。
【
図9】本発明の情報処理プログラムに基づいて作成される表示画像を示す図(その1)である。
【
図10】本発明の情報処理プログラムに基づいて作成される表示画像を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および画像形成システムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
≪画像形成システム≫
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1を有する画像形成システムの構成を示す概略図である。これらの図に示す画像形成システムは、例えば情報処理装置1と、情報処理装置1と通信可能な複数の画像形成装置2およびサービス端末装置3とを有する。以下、画像形成装置2、情報処理装置1、サービス端末装置3の順に構成を説明する。
【0011】
<画像形成装置2>
画像形成装置2は、本体装置100、リレーユニット200、画像読取装置300、パージユニット400、およびフィニッシャー500を備えたものである。
【0012】
[本体装置100]
本体装置100は、シート状の記録媒体Sに画像を形成する装置である。このような本体装置100は、ここでは一例としてトナー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であることするが、これに限定されることはなく、例えばインクジェット方式のような他の方式の装置であってもよい。
【0013】
このような本体装置100は、操作部101、表示部102、および制御部103を備えている。また電子写真方式の本体装置100であれば、画像形成ユニット104、転写ベルト105、定着部106、および媒体供給部107を備え、さらにこれらの駆動を制御するための駆動制御部100aを有する。以下、本体装置100の各構成部品を説明する。
【0014】
-操作部101、表示部102、および制御部103-
操作部101、表示部102、および制御部103は、この画像形成装置2の制御装置2aを構成するものとなっている。このうち操作部101は、例えばこの画像形成装置2を用いて実施されるジョブの設定を入力する部分である。この操作部101は、表示部102と一体に設けたタッチパネルであってもよく、表示部102と共に操作パネルを構成する。
【0015】
また表示部102は、操作部101での操作の内容を表示する。またこの表示部102は、画像形成装置2で形成された画像や、その他の画像を表示する。
【0016】
制御部103は、操作部101での操作、および本体装置100に接続された情報処理装置1からの受信信号に基づいて、本体装置100の各部を制御し、さらにリレーユニット200、画像読取装置300、パージユニット400、およびフィニッシャー500の各部の動作を制御する。このような制御部103は、計算機によって構成されている。計算機は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアである。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。
【0017】
-画像形成ユニット104-
画像形成ユニット104は、各色のトナー像を形成するためのものであって、各色に対応して設けられている。各画像形成ユニット104は、それぞれが感光体ドラム104a、および露光部104bを備え、またここでの図示を省略した帯電部、現像部、およびその他の部品を備えている。
【0018】
このうち感光体ドラム104aは、トナー像が形成される像担持体の1つであって、駆動モーターによって回転するドラム状であり、ドラム状の側周表面を像担持面としている。このような感光体ドラム104aを有する各画像形成ユニット104は、感光体ドラム104aの軸方向を平行にして配置される。
【0019】
このような感光体ドラム104aの周囲に、露光部104b、およびここでの図示を省略した帯電部および現像部、クリーニングユニットが、感光体ドラム104aの軸方向にわったって配置されている。
【0020】
露光部104bは、帯電部によって帯電させた感光体ドラム104aの像担持面に、露光走査によって静電潜像を形成する。そしてここでの図示を省略した現像部は、静電潜像が形成された感光体ドラム104aの像担持面に帯電させたトナーを供給することにより、感光体ドラム104aの像担持面に各色のトナー画像を形成する。
【0021】
-転写ベルト105-
転写ベルト105は、画像形成ユニット104と並列して配置されている。この転写ベルト105は、回転する無端ベルトとして構成され、その外周面を像担持面としている。このような転写ベルト105は、画像形成ユニット104の各感光体ドラム104aの回転方向とは逆方向に回転し、像担持面31aが感光体ドラム104aの全てに順次接触する状態で配置されている。これにより感光体ドラム104aのトナー画像は、転写ベルト105の像担持面に転写される。
【0022】
また、転写ベルト105は、次に説明する媒体供給部107から搬送された記録媒体Sに対して、像担持面を接触させる状態で配置されている。これにより、転写ベルト105の像担持面のトナー画像が、記録媒体Sに転写される。
【0023】
-定着部106-
定着部106は、次に説明する媒体供給部107から搬送された記録媒体Sの搬送方向に対して、転写ベルト105の下流側に配置されている。この定着部106は、転写ベルト105からトナー画像が転写された記録媒体Sを加熱した状態でニップして搬送し、記録媒体Sに転写されたトナー像を記録媒体Sに定着させる。また、トナー像を定着させた記録媒体Sをリレーユニット200に搬送する。このような定着部106は、記録媒体Sをニップするための加熱ローラーおよび加圧ローラーなどの各部品を備えている。
【0024】
-媒体供給部107-
媒体供給部107は、大量の記録媒体Sを収容することが可能であり、収容した記録媒体Sを転写ベルト105に対して順次に供給する。
【0025】
[リレーユニット200]
リレーユニット200は、例えば本体装置100の制御部103からの指示にしたがって、本体装置100で画像形成された記録媒体Sの搬送速度を変換し、次の画像読取装置300に記録媒体Sを送り込む装置である。このリレーユニット200は、記録媒体Sの搬送速度を変換するための駆動制御部200aを有する。
【0026】
[画像読取装置300]
画像読取装置300は、本体装置100の制御部103からの指示にしたがって、本体装置100において記録媒体Sの主面に形成された画像を読み取り、読み取ることで得た検査画像の画像データを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1への検査画像の送信は、制御装置2aを介して実施してもよい。
【0027】
このような画像読取装置300は、記録媒体Sの主面を撮像するための機械要素部分であり、記録媒体Sの搬送方向[FD]に対して垂直な方向に撮像素子を配列したスキャナーと、スキャナーでの画像読み取りの駆動を制御する駆動制御部300aとを有する。なお、駆動制御部300aは、読み取った画像の良否判定を実施する構成であってもよい。
【0028】
[パージユニット400]
パージユニット400は、画像読取装置300の駆動制御部300aでの判定結果、または次に説明する情報処理装置1からの指示に基づいて、画像読取装置300を通過した記録媒体Sの搬送経路を調整する。すなわちパージユニット400は、画像読取装置300の駆動制御部300aまたは情報処理装置1において、検査画像に欠陥が有ると判断された記録媒体Sの搬送経路を変更し、廃棄用トレー401に排出する。また、その他の記録媒体Sは、次のフィニッシャー500に搬送する。このようなパージユニット400は、搬送経路を変更の駆動を制御する駆動制御部400aを有する。
【0029】
[フィニッシャー500]
フィニッシャー500は、本体装置100の制御部103からの指示にしたがって、パージユニット400から搬送された記録媒体Sに対して、必要に応じた仕上げ処理を施してトレー501に排出する。仕上げ処理は、例えばスジ付け、スリット形成、ミシン目形成などである。このようなフィニッシャー500は、仕上げ処理のための駆動を制御する駆動制御部500aを備える。
【0030】
<情報処理装置1>
図2は、実施形態に係る情報処理装置1を有する画像形成システムのブロック図であって、特に情報処理装置1の構成を説明するためのブロック図となっている。以下、先の
図1および
図2と、必要に応じた他の図に基づいて、情報処理装置1の構成を説明する。
【0031】
情報処理装置1は、画像形成装置2で形成した画像に関する検査画像[Dp]に関する画像データの処理を行うもので、特に画像に生じた欠陥を修復するための処理を実施する。このような情報処理装置1は、例えば図示したように複数の画像形成装置2と接続可能なものであるか、または1つの画像形成装置2と一体に形成された状態で他の画像形成装置2と接続可能なものであるか、または1つの画像形成装置2に専用で設けられたたものであってもよい。
【0032】
情報処理装置1は、操作部10、表示部20、および制御部30を備える。このうち操作部10は、この情報処理装置1で実施される情報処理の設定を入力する部分である。この操作部10は、次に説明する表示部20と一体に設けたタッチパネルであってもよく、表示部20とは別に設けた操作パネルであってもよい。
【0033】
また表示部20は、操作部10での操作の内容を表示する。またこの表示部20は、以降に説明する制御部30からの指示に基づいて、検査画像[Dp]を表示する。なお、このような操作部10および表示部20は、制御部30を備えた情報処理装置1との間でデータの受け渡しのための通信が可能なパーソナルコンピューターや他の外部装置のものであってもよい。
【0034】
また制御部30は、計算機によって構成されている。計算機は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアであって、ここでの図示を省略したCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)やHDD(hard disk drive)のような不揮発性の記憶部を備える。
【0035】
このような制御部30は、各種の画像および各種のプログラムを不揮発性の記憶部に保存し、保存されたプログラムに基づく処理を実行する。不揮発性の記憶部が保持する各種のプログラムは、本実施形態において特徴的な画像に生じた欠陥を修復するための情報処理プログラムを含む。この情報処理プログラムの詳細は、以降の情報処理方法において説明する。
【0036】
不揮発性の記憶部が保持する各種のプログラムを実行する各機能部は、欠陥検出部31、修復情報保持部32、欠陥情報作成部33、表示制御部34、修復動作抽出部35、修復動作指示部36、および検査履歴作成部37である。これらの各機能部は、以下の通りである。
【0037】
[欠陥検出部31]
欠陥検出部31は、記録媒体Sから読み取った検査画像[Dp]の欠陥を検出する。検査画像[Dp]は、何れかの画像形成装置2の本体装置100において記録媒体Sに形成した画像を、画像読取装置300で読み取ったデータである。この欠陥検出部31は、画像形成装置2において形成された画像を画像読取装置300で読み取ることによって得られた検査画像[Dp]と、欠陥のない基準画像のとの比較によって、検査画像[Dp]に発生した欠陥を検出する。
【0038】
図3は、実施形態に係る情報処理プログラムに基づく検査画像[Dp]の表示を示す図(その1)である。また
図4は、実施形態に係る情報処理プログラムに基づく検査画像[Dp]の表示を示す図(その2)である。検査画像[Dp]は、画像領域1001aと、画像領域1001aよりも一回り大きい撮像領域1001bを有する。画像領域1001aは、本体装置100(
図1参照)において画像が形成される領域である。ここでは一例として、画像領域1001aに、単色の下地とアルファベットとが形成されている場合を示した。
【0039】
これらの図に示すように、検査画像[Dp]には、画像形成装置2を構成する各装置の部品の劣化や汚れに起因して、様々な欠陥[d1]~[d6]が生じる場合がある。これらの欠陥[d1]~「d6」は、スジ、帯、あるいはムラとも言われる方向成分を有する欠陥や、ホタルと称されるトナー濃度が薄い点状の欠陥や、斑点と称される不要部にトナーが印刷される欠陥のような点状の欠陥などである。方向成分を有する欠陥は、検査画像[Dp]上の一方向に連続するアドレスにおいて連続的に発生している欠陥である。検査画像[Dp]上の一方向とは、記録媒体Sの搬送方向[FD]であるか、またはこれに対する垂直方向[CD]の何れかである。
【0040】
これらの欠陥[d1]~「d6」は、画像形成装置2を構成する各装置の部品ごとに、特徴的な欠陥の特徴量を有する。例えば方向成分を有する欠陥[d1],[d2],[d4],[d6]であれば、欠陥の特徴量は、欠陥の位置、欠陥の延設方向、欠陥の延設方向の長さ、欠陥の延設方向と垂直な方向の幅、欠陥の強度、および発生サイクルを含む。また点状の欠陥[d3],[d5]の場合、欠陥の特徴量は、欠陥の位置、欠陥のサイズ、欠陥の強度、および発生サイクルを含む。
【0041】
なお、欠陥の強度とは、基準画像に対する検査画像の差分の大きさであることとする。また特徴量のうち、欠陥の位置は、例えば、欠陥[d1],[d6]のように、画像領域1001aの外の撮像領域1001bに生じているものもあり、撮像領域1001bも欠陥の位置範囲に含む。
【0042】
なお、
図4の欠陥[d2]にみられるように、欠陥の発生サイクルは、複数の検査画像[Dp]にわたって検知される場合が多い、このため、欠陥検出部31は、複数の検査画像[Dp]にわたって、欠陥[d1]~[d6]の特徴量を抽出する。
【0043】
また欠陥検出部31は、各欠陥に対して抽出した特徴量を過去の情報に基づいて分類して識別するための欠陥識別情報を有することとする。欠陥検出部31は、欠陥識別情報を参照し、抽出した特徴量に識別情報(例えば識別番号)を付与する。またこの場合、欠陥検出部31は、検出した欠陥の特徴量が、いずれの識別番号の特徴量とも合致しない場合には、識別不可能を示す識別番号を付す。
【0044】
また欠陥検出部31は、検査画像[Dp]に発生した欠陥のうち、特に指定された欠陥についての検出を実施する。以上のような欠陥検出部31による欠陥検出および欠陥の特徴量の抽出処理の手順は、以降の情報処理方法において詳細に説明する。
【0045】
[修復情報保持部32]
修復情報保持部32は、欠陥検出部31において検出した欠陥の発生を防止するための、画像形成装置2における部品の修復情報[Tb1]を保持する。
【0046】
図5は、実施形態に係る情報処理装置1が有する欠陥の修復情報[Tb1]を示す図である。この図に示すように、修復情報[Tb1]は、(1)欠陥の特徴量、(2)部品、(3)修復動作、および(4)動作順位[n]を関連付けた情報である。これらの情報は、次の通りである。
【0047】
(1)欠陥の特徴量は、検査画像[Dp]に発生すると予測される欠陥の特徴量であって、例えば欠陥検出部31において付与される特徴量の識別情報であることとする。
【0048】
(2)部品は、画像形成装置2を構成する部品のうち、各特徴量を有する欠陥の発生容易であると推定される部品であって、その部品を備えた装置情報も含む。
図1を参照すると、画像形成装置2を構成する部品は、例えば、本体装置100に設けられた感光体ドラム104a、転写ベルト105、さらには画像形成ユニット104を構成する他の部品、定着部106の他、画像の調整を行うための各種のセンサーを含む。また、画像形成装置2を構成する部品は、画像読取装置300に設けたスキャナーや、さらには撮像用の照明光の照射装置も含む。
【0049】
(3)修復動作は、検査画像[Dp]において検出された欠陥の発生を防止するために、その発生原因であると推定される部品に対して実施する動作の内容である。修復動作は、部品毎に決められた内容であって、1種類または複数種類が関連付けされている。1つの部品に対いて複数の修復動作が関連付けされていてもよい。
【0050】
例えば、画像読取装置300のスキャナーであれば、紙粉などのゴミが付いている場合に、検査画像[Dp]における画像領域1001aの外の撮像領域1001bにはみ出した位置にまで延設される欠陥[d1],[d6](
図3参照)が発生する。この場合のスキャナーに対する修復動作としては、クリーニング、またはスキャナーの修理や交換の通報が関連付けされる。修理や交換の通報は、画像形成装置2であるか、またはサービス端末装置3である。
【0051】
また画像形成装置2における本体装置100の帯電極、感光体ドラム104a、転写ベルト105に異物が付着していたり、劣化が生じた場合には、回転方向にムラやスジなどの欠陥[d2]や点状の欠陥[d3],[d5]が発生する場合がある。この場合は、欠陥[d2],[d3],[d5]の発生サイクルによって推定される部品のクリーニング、または修理や交換の通報が関連付けされる。部品が感光体ドラム104aであれば、クリーニングとは感光体ドラム104aの表面の塗布膜を均一にならす感光体クリーニングである。また修理や交換の通報は、画像形成装置2であるか、またはサービス端末装置3である。
【0052】
また、(3)修復動作の中には補正処理も含まれる。一例として、検査画像[Dp]の垂直方向[CD]の濃度ムラの欠陥に対しては、本体装置100の露光部104bの発光量の補正処理が関連付けされていることとする。
【0053】
なお、(3)修復動作には、詳細診断処理(a)および詳細診断処理(b)が含まれることとする。これらの詳細診断処理(a)および詳細診断処理(b)は、例えば欠陥の特徴量が分類できない場合に実施される修復動作であって、例えば基準となるカラーチャートやその他のチャートの形成の指示であることとする。
【0054】
(4)動作順位[n]は、(1)欠陥の特徴量に対して関連付けされた(2)部品に対して実施される修復動作が複数種類存在する場合に、その修復動作を実施する優先順位である。
【0055】
以上のような(1)欠陥の特徴量、(2)部品、(3)修復動作、および(4)動作順位[n]を関連付けた修復情報[Tb1]は、過去のデータに基づいて作成された情報であることとする。またこの修復情報[Tb1]は、情報処理装置1の制御部30が学習機能を有している場合には、この学習機能によって更新される情報であってもよい。
【0056】
[欠陥情報作成部33]
欠陥情報作成部33は、各欠陥の発生位置の目印となるマークを、各欠陥に対して付与する。先の
図3および
図4に示すように、欠陥情報作成部33は、検査画像[Dp]について検出された各欠陥[d1]~[d6]に対して、その発生位置の目印となるマーク[M1]~[M6]を付与する。付与するマーク[M1]~[M6]は、例えば点状の欠陥[d3],[d5]であれば、これらを個別に囲むマーク[M3],[M5]を付与する。また、方向成分を有する欠陥[d1],[d2],[d4],[d6]であれば、欠陥の端部に方向成分を有する各マーク[M1],[M2],[M4],[M6]を付与する。
【0057】
また欠陥情報作成部33は、検査画像[Dp]に発生した各欠陥に関する欠陥情報を作成する。
図6は、本発明の情報処理プログラムに基づいて作成される実施される欠陥情報[Tb2]の一例を示す図である。
【0058】
この図に示すように、欠陥情報作成部33は、欠陥検出部31が検出した全ての欠陥についての欠陥情報[Tb2-1]~[Tb2-6]を作成する。欠陥情報[Tb2-1]~[Tb2-6]は、各欠陥[d1]~[d6]の識別情報と、各欠陥[d1]~[d6]に対して抽出された特徴量(特徴量の識別番号)およびマーク[M1]~[M6]に関する情報である。マーク[M1]~[M6]に関する情報は、検査画像[Dp]における各マーク[M1]~[M6]のアドレス情報を含む。また欠陥情報[Tb2-1]~[Tb2-6]は、検査画像[Dp]を取得した画像形成装置2の識別情報を有する。
【0059】
また欠陥情報作成部33は、これらの欠陥情報[Tb2-1]~[Tb2-6]を、対応する欠陥情報[Tb2]として保存する。以上のような欠陥情報作成部33による欠陥情報[Tb2]の作成手順は、以降の情報処理方法において詳細に説明する。
【0060】
[表示制御部34]
表示制御部34は、表示部20に表示する検査画像[Dp]に対して、欠陥情報作成部33で付与したマーク[M1]~[M6]を表示させる。また表示制御部34は、検査画像[Dp]を表示した表示画面の操作において、欠陥[d1]~[d6]の何れか、またはマーク[M1]~[M6]の何れかが指定された場合に、これらを強調して表示させる。以上のような表示制御部34による表示制御の手順は、以降の情報処理方法において詳細に説明する。
【0061】
[修復動作抽出部35]
修復動作抽出部35は、検査画像[Dp]の表示画面において、欠陥[d1]~[d6]の何れか、またはマーク[M1]~[M6]の何れかを指定する操作がなされたことにより、修復情報保持部32から修復動作を抽出する。修復動作抽出部35による抽出処理の手順は、以降の情報処理方法において詳細に説明する。
【0062】
[修復動作指示部36]
修復動作指示部36は、修復動作抽出部35で抽出した修復動作の実施を、修復動作を実施する装置に対して指示する。修復動作指示部36による修復動作の指示の手順は、以降の情報処理方法において詳細に説明する。
【0063】
[検査履歴作成部37]
検査履歴作成部37は、欠陥検出部31による欠陥の検出処理結果に基づいて、検査画像[Dp]の検査結果に関するレポートを作成する。検査履歴作成部37による履歴作成の手順は、以降の情報処理方法において詳細に説明する。
【0064】
<サービス端末装置3>
サービス端末装置3は、画像形成装置2のサービス担当者が保持する端末装置であって、表示部などの報知手段を備えたものである。
【0065】
≪情報処理方法≫
次に、上述した画像形成システムが備える情報処理装置1によって実施される情報処理方法を説明する。
図7は、本発明の情報処理プログラムに基づいて実施される情報処理方法を示すフローチャート(その1)である。また
図8は、本発明の情報処理プログラムに基づいて実施される情報処理方法を示すフローチャート(その2)である。これらのフローチャートは、
図1~
図6を用いて説明した情報処理装置1が有する情報処理プログラムによって実施される情報処理方法の手順を示している。以下、
図7および
図8のフローチャートに沿って、先の
図1~
図6および必要に応じた他の図を参照しつつ、実施形態の画像処理方法を説明する。
【0066】
[ステップS101]
先ず
図7のステップS101において、欠陥検出部31は、画像形成装置2から検査画像[Dp]を取得したか否かの判断を実施する。ここで取得する検査画像[Dp]は、画像形成装置2が有する画像読取装置300が、記録媒体Sから読み取った画像であって、画像形成装置2の制御部203から情報処理装置1に送信された情報である。欠陥検出部31は、検査画像[Dp]を取得した(YES)と判断した場合に、次のステップS102に進む。
【0067】
[ステップS102]
ステップS102において、欠陥検出部31は、取得した検査画像[Dp]について、欠陥検出処理を実施する。この場合、欠陥検出部31は、取得した検査画像[Dp]と、基準画像とを比較することで、検査画像[Dp]に生じている欠陥を検出する。この基準画像は、例えば検査画像[Dp]と共に画像形成装置2の制御部103から取得した画像であるか、または外部装置から取得した画像であることとする。
【0068】
[ステップS103]
ステップS103において、欠陥情報作成部33は、ステップS102で検出した全ての欠陥[d1]~[d6]についての欠陥情報[Tb2-1]~[Tb2-6](
図6参照)を作成する。この際、欠陥情報作成部33は、ステップS102において検出した各欠陥[d1]~[d6]の識別情報に対して、欠陥[d1]~[d6]の特徴量を抽出する。また、各欠陥[d1]~[d6]の発生位置の目印となるマーク[M1]~[M6]を、各欠陥[d1]~[d6]に対して付与する。
【0069】
欠陥情報作成部33は、検査画像[Dp]を取得した画像形成装置2の識別情報と共に、欠陥[d1]~[d6]の特徴量と、付与したマーク[M1]~[M6]を関連付けた欠陥情報[Tb2-1]~[Tb2-6]を作成する。そして、これらの欠陥情報[Tb2-1]~[Tb2-6]を、対応する欠陥情報[Tb2]として保存する。
【0070】
[ステップS104]
ステップS104において、検査履歴作成部37は、対応する欠陥情報[Tb]に欠陥情報があるか否かの判断を実施する。そして、欠陥情報がある(YES)と判断した場合には、フローのA方向のステップS201(
図8)に進む。一方、欠陥情報がない(NO)と判断した場合には、ステップS105に進む。
【0071】
[ステップS105]
ステップS105において、検査履歴作成部37は、欠陥検出部31による欠陥の検出処理結果に基づいて、検査画像[Dp]の検査結果に関する検査履歴を作成し、検査画像[Dp]に関する欠陥検査の情報処理を終了させる。
【0072】
[ステップS201]
一方、
図8に示すステップS201において、表示制御部34は、検査画像[Dp]の各欠陥に対してマーク[M1]~[M6]を付与した表示画面1001を表示部20に表示させる(
図3および
図4参照)。
【0073】
[ステップS202]
ステップS202において、修復動作抽出部35は、欠陥[d1]~[d6]に対してマーク[M1]~[M6]が付与された検査画像[Dp]の表示画面1001において、各欠陥[d1]~[d6]のうちの何れかを指定する操作がなされたか否かの判断を実施する。
【0074】
ここで、各欠陥[d1]~[d6]のうちの何れかを指定する操作とは、例えば、各欠陥[d1]~[d6]に付与されたマーク[M1]~[M6]のタッチ動作であるか、または表示されたカーソル1002を用いてのクリック動作である。修復動作抽出部35は、検査画像[Dp]の表示画面1001において、マーク[M1]~[M6]の何れかを指定する操作がなされたことにより、そのマーク(例えばマーク[M1])が付与された欠陥(例えば欠陥[d1])が指定されたと判断する。
【0075】
修復動作抽出部35は、指定する操作がなされた(YES)と判断された場合に、次のステップS204に進む。
【0076】
[ステップS203]
ステップS203において、修復動作抽出部35は、動作順位[n]=1とする処理を実施する。
【0077】
[ステップS204]
ステップS204において、修復動作抽出部35は、対応する欠陥情報[Tb2](
図6参照)と、修復情報保持部32に保持した修復情報[Tb1](
図5参照)とから、動作順位[n]([n]=1)の修復動作を抽出する。
【0078】
この際、修復動作抽出部35は、対応する欠陥情報[Tb2](
図6参照)を照合して、指定された欠陥[d1]の特徴量(例えば001)を抽出する。次いで修復動作抽出部35は、修復情報[Tb1](
図5参照)を照合し、(1)特徴量(001)に対して関連付けされた(2)部品(例えばスキャナ:画像読取装置)を抽出し、さらに該当する動作順位[n](例えば[n]=1:クリーニング処理)の修復動作を抽出する。
【0079】
さらに修復動作抽出部35は、指定された欠陥[d1]と同じ修復動作が関連付けされた他の欠陥(例えば欠陥[d6])がある場合には、その欠陥[d6]を抽出する。また、修復動作抽出部35は、指定された欠陥[d1]と同じ特徴量(例えば001)に関連付けされた他の欠陥(例えば欠陥[d6])がある場合には、その欠陥[d6]を抽出するようにしてもよい。そして、抽出した欠陥[d6]を、指定した欠陥[d6]に追加する。
【0080】
[ステップS205]
ステップS205において、表示制御部34は、指示された欠陥[d1], [d6]に付与されたマーク[M1],[M6]を強調して表示部20に表示させる。
図9および
図10は、本発明の情報処理プログラムに基づいて作成される表示画像を示す図(その1)および(その2)である。これらの図に示すように、表示制御部34は、指示された欠陥[d1],[d6]に付与されたマーク[M1],[M6]を点滅させるか、マーク[M1],[M6]の表示を大きくしたり、マーク[M1],[M6]の輝度を高くしてもよい。なお、指定した欠陥の発生サイクルが複数ページにわたる大きさである場合いは、
図10に示すように一つの表示画面に複数ページ分の検査画像[Dp]を表示する。
【0081】
[ステップS206]
ステップS206において、修復動作抽出部35は、修復情報[Tb1](
図5参照)から、指定された欠陥[d1]に関連付けられた修復動作の抽出有りか否かの判断を実施し、抽出あり(YES)と判断した場合には次のステップS207に進む。一方、抽出なし(NO)と判断した場合には、ステップS207aに進む。
【0082】
[ステップS207a]
ステップS207aにおいて、修復動作抽出部35は、指定された欠陥[d1],[d6]に対応する修復動作の抽出処理を終了させ、指定された欠陥[d1],[d6]の欠陥情報[Tb2-1],[Tb2-6]に、修復動作を抽出できなかった情報を付与する。そして、対応する欠陥情報[Tb2]から指定された欠陥[d1],[d6]の欠陥情報[Tb2-1],[Tb2-6]を削除する。その後、フローのB方向の
図7に示したステップS104に戻る。
【0083】
[ステップS207]
ステップS207において、修復動作指示部36は、ステップS204で抽出した修復動作の実施を、修復動作を実施する装置に対して指示する。例えばステップS204において、(2)部品としてスキャナ(画像読取装置)を抽出し、さらに該当する動作順位[n](例えば[n]=1:クリーニング処理)が抽出された場合であれば、検査画像[Dp]を取得した画像形成装置2に対して、抽出した修復動作の実施の指示を送信する。なお、(2)部品として抽出したスキャナは画像読取装置300に設けられているが、本実施形態においては、画像読取装置300は本体装置100と一体の画像形成装置2として設けられている。このため、修復動作指示部36は、検査画像[Dp]を取得した画像形成装置2に対して、抽出した修復動作の実施の指示を送信する構成であってよい。
【0084】
また、修復動作指示部36は、修復処理が終了した後に、検査画像[Dp]を取得した画像形成装置2に対して、検査画像[Dp]と同一の画像の形成と、形成した画像の読み取りと、読み取った検査画像[Dp]の情報処理装置1への送信を指示する。
【0085】
これにより、修復動作の実施の指示を受信した画像形成装置2は、指示された修復動作として、例えば画像読取装置300のスキャナーのクリーニング処理を実施する。そして、クリーニング処理が終了した後には、検査画像[Dp]と同一の画像の形成を実施し、形成された画像を記録媒体から読み取り、読み取った画像を再検査用の検査画像[Dp]として情報処理装置1に送信する。
【0086】
[ステップS208]
ステップS208において、欠陥検出部31は、画像形成装置2から検査画像[Dp]を取得したか否かの判断を実施する。ここで取得する検査画像[Dp]は、ステップS207において修復動作指示部36が修復動作の実施を指示した画像形成装置2から送信された画像であって、再検査用の検査画像[Dp]となる。
【0087】
欠陥検出部31は、検査画像[Dp]を取得した(YES)と判断した場合に、次のステップS209に進む。
【0088】
[ステップS209]
ステップS209において、欠陥検出部31は、取得した再検査用の検査画像[Dp]について、指定された欠陥[d1],[d6]を検出する処理を実施する。この場合、欠陥検出部31は、直前に取得した検査画像[Dp]について、指定された欠陥[d1],[d6]の検出処理を行う。
【0089】
[ステップS210]
ステップS210において、欠陥検出部31は、直前に取得した検査画像[Dp]において、指定された欠陥[d1],[d6]が消失したか否かの判断を実施する。そして、消失した(YES)と判断した場合にはステップS211に進み、消失していない(NO)と判断した場合にはステップS212に進む。
【0090】
[ステップS211]
ステップS211において、修復動作抽出部35は、消失したと判断された欠陥[d1],[d6]に対応する修復動作の抽出処理を終了させ、欠陥[d1],[d6]の欠陥情報[Tb2-1],[Tb2-6]に、欠陥が消失した情報を付与する。そして、対応する欠陥情報[Tb2]から、欠陥[d1],[d6]の欠陥情報[Tb2-1],[Tb2-6]を削除する。その後、フローのB方向の
図7に示したステップS104に戻る。
【0091】
[ステップS212]
ステップS212において、修復動作抽出部35は、動作順位[n]=[n]+1とする処理を実施する。その後、ステップS204に戻り、指定した欠陥[d1],[d6]についての修復動作の抽出処理を実施し、以降のステップを続けて実施する。
【0092】
≪実施形態の効果≫
以上説明した実施形態によれば、検査画像[Dp]の表示画面において、欠陥[d1]に付与したマーク[M1]を指定する操作がなされたことにより、指定された欠陥に関連付けられた修復動作の実施が、修復動作を実施する装置に対して自動的に指示される。これにより、検査画像[Dp]の表示画面において、目的とする欠陥[d1]を指定するといった簡便な動作によって、欠陥[d1]の発生を防止するための修復動作を開始させることが可能になる。
【符号の説明】
【0093】
1…情報処理装置
2…画像形成装置(修復動作を実施する装置)
3…端末装置(修復動作を実施する装置)
31…欠陥検出部
32…修復情報保持部
33…欠陥情報作成部
34…表示制御部
35…修復動作抽出部
36…修復動作指示部
100…本体装置(画像形成装置)
300…画像読取装置(修復動作を実施する装置)
1001…表示画面
S…記録媒体
[Dp]…検査画像
[d1]~[d6]…欠陥
[M1]~[M6]…マーク
[Tb1]…修復情報
[Tb2]…欠陥情報
[Tb2-1]~[Tb2-6]…欠陥情報