(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240528BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240528BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
B41J29/38 201
H04N1/00 912
H04N1/00 350
G06F3/12 303
G06F3/12 375
(21)【出願番号】P 2020083095
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 正樹
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-067144(JP,A)
【文献】特開2018-156596(JP,A)
【文献】特開2006-107081(JP,A)
【文献】特開2004-023693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 -29/70
G06F 3/09 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に関係する複数ジョブからなるワークフローを管理装置から取得して実行する情報処理装置であって、
取得した前記ワークフローを生成した装置が配されているネットワーク上の第一領域と、前記情報処理装置が配されているネットワーク上の第二領域とが一致するかを判断する第一判断部と、
前記ワークフロー内に、サーバー装置に対してサービスを依頼するジョブが含まれるかを判断する第二判断部と、
領域が一致せず、
前記ジョブが含まれる
と判断された場合、前記第二領域
から前記サーバー装置に対して前記サービス
を依頼するか依頼しないかを判断する第三判断部と、
前記サーバー装置へ依頼しないと判断された場合、代替のサービスを提示する提示部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
さらに、
提示された前記代替のサービスの選択を利用者から受け付ける受付部と、
前記ワークフロー内において、前記サーバー装置に対してサービスを依頼する前記ジョブを、選択された前記代替のサービスを依頼するジョブに置き換える置換部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
さらに、第二領域から、サーバー装置により提供されるサービスに接続可能か否かを示す接続可否情報を記憶している記憶部を備え、
前記第三判断部は、前記記憶部に記憶されている前記接続可否情報を用いて、前記第二領域から、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより、前記サーバー装置に対して依頼する前記サービスに接続可能か否かを判断することにより、前記
サーバー装置へ依頼するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第三判断部は、前記サービスに接続不可と判断する場合、前記
サーバー装置へ依頼しないと判断する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記第二領域において、接続可能なサービスを提示する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
さらに、第二領域において、接続可能なサービスの対価を記憶している記憶部を備え、
前記第三判断部は、前記記憶部に記憶されている前記サービスの対価を用いて、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより、前記サーバー装置
へ依頼するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第三判断部は、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼する前記サービスの対価より、安い対価により提供されるサービスが存在する場合、前記
サーバー装置へ依頼しないと判断する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼される前記サービスの対価より、安い対価により提供されるサービスを提示する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
さらに、第二領域において、接続可能なサービスにアクセスする際の通信速度を記憶している記憶部を備え、
前記第三判断部は、前記記憶部に記憶されている前記通信速度を用いて、前
記サーバー装置へ依頼するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第三判断部は、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼する前記サービスにアクセスする際の通信速度より、速い通信速度のサービスが存在する場合、前記
サーバー装置へ依頼しないと判断する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼する前記サービスにアクセスする際の通信速度より、速い通信速度のサービスを提示する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
第二領域から、接続可能なサービスにおいて、言語に関する処理が提供され、
さらに、
第二領域において、接続可能なサービスについて、サポートされる言語を記憶している記憶部と、
前記ワークフロー内に含まれ、前記サーバー装置に対してサービスを依頼する前記ジョブにおいて、処理対象となるデータ内に含まれる言語を特定する言語特定部とを備え、
前記第二判断部は、前記ワークフロー内に、言語に関する処理を提供するサービスを依頼するジョブが含まれるかを判断し、
前記第三判断部は、前記ワークフロー内に、言語に関する処理を提供するサービスを依頼するジョブが含まれる場合、前記言語特定部により特定された言語が、前記記憶部に記憶されている言語と一致するか否かにより、前
記サーバー装置へ依頼するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記言語特定部は、処理対象となる前記データから、文字列を抽出し、抽出した文字列により、言語を特定する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第三判断部は、前記言語特定部により特定された言語が、前記記憶部に記憶されている言語と一致しない場合、前記
サーバー装置へ依頼しないと判断する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記言語特定部により特定された言語に一致する言語をサポートするサービスを提示する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記提示部は、さらに、前記代替のサービスを提供する企業の情
報を提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
さらに、
利用者から、複数のジョブの入力を受け付ける受付部と、
入力された複数のジョブを連結して、一つのワークフローを生成する生成部と、
生成された前記ワークフローを前記管理装置に記憶させるために、前記ワークフローを前記管理装置に対して送信する送信部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記受付部は、ジョブ毎に、ジョブのコマンド名及びコマンドの設定条件、並びに、ジョブの実行順序を受け付け、
前記ジョブには、当該情報処理装置において実行されるジョブ及びサーバー装置に対してサービスを依頼するジョブが含まれ、
前記生成部は、受け付けた前記実行順序に従って、前記複数のジョブを配置することにより、前記ワークフローを生成す
る
ことを特徴とする請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記受付部は、さらに、当該情報処理装置が配されるネットワーク上の領域を示す領域情報の入力を受け付け、
さらに、入力された前記領域情報を記憶する記憶部を備え、
前記送信部は、さらに、入力された前記領域情報を前記ワークフローに対応付けて前記管理装置に記憶させるため、前記領域情報を前記管理装置に対して送信する
ことを特徴とする請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記受付部は、さらに、認証された利用者を識別する利用者識別子の入力を受け付け、
前記送信部は、さらに、入力された前記利用者識別子を前記ワークフローに対応付けて前記管理装置に記憶させるため、前記利用者識別子を前記管理装置に対して送信する
ことを特徴とする請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項21】
相互に関係する複数のジョブからなるワークフローを管理装置から取得して実行する情報処理装置において用いられる制御方法であって、
取得した前記ワークフローを生成した装置が配されているネットワーク上の第一領域と、前記情報処理装置が配されているネットワーク上の第二領域とが一致するかを判断し、
前記ワークフロー内に、サーバー装置に対してサービスを依頼するジョブが含まれるかを判断し、
領域が一致せず、かつ、
前記ジョブが含まれる
と判断された場合、前記第二領域
から前記サーバー装置に対して前記サービス
を依頼するか依頼しないかを判断し、
前記サーバー装置へ依頼しないと判断された場合、代替のサービスを提示する
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置において、サーバー装置に対してサービスを依頼するジョブを含み、相互に関係する複数のジョブの、一つのワークフローとしての実行を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripherals)などの画像形成装置は、相互に関係する複数のジョブを、一連のジョブとして実行する機能を備えている。この一連のジョブをワークフローと称する(特許文献1)。
【0003】
例えば、MFPにおいて原稿をスキャンして画像データを得るジョブと、得られた画像データをクラウドサーバーに転送し、クラウドサーバーにおいて、画像データから文字列を抽出するOCR処理を実行させ、抽出された文字列を当該MFPに返送させるジョブと、MFPにおいてクラウドサーバーから受信した文字列を指定の宛先にE-mailにより送信するジョブとが、一つのワークフローとして、MFPにおいて実行される。
【0004】
MFPは、利用者の操作により、ワークフローを内部に記憶することができる。利用者は、記憶されたワークフローを指定するだけで、当該ワークフローを実行できる。
【0005】
また、第1のMFPは、利用者の操作により、第1のMFPにネットワークを介して接続された管理サーバーに、ワークフローを記憶させることができる。ネットワークを介して管理サーバーに接続された第2のMFPは、利用者の操作により、管理サーバーからワークフローを取得し、取得したワークフローを実行することができる。
【0006】
例えば、通常、東京に設置された第1のMFPを利用する利用者が、第2のMFPが設置された福岡に出張する場合、第2のMFPを操作して、管理サーバーからワークフローを取得し、取得したワークフローを実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、例えば、国又は複数の国からなる広域国際領域(以下、国等と呼ぶ。)毎に、構築されたネットワーク上の領域毎に、クラウドサーバーにより提供されるクラウドサービスの内容が異なることがある。
【0009】
このため、A国に設置された第1のMFPにおいて、管理サーバーから取得したワークフローの実行結果と、B国に設置された第2のMFPにおいて、管理サーバーから取得したワークフローの実行結果とが異なることがある。
【0010】
例えば、A国においては、X社による翻訳サービスの提供が許可されるが、B国においては、X社による翻訳サービスの提供が許可されないことがある。この場合、ワークフローが、X社による翻訳サービスを依頼するジョブを含む場合、B国においては、そもそも、このワークフローを実行することができない。
【0011】
また、A国においては、X社による翻訳サービスの提供のみが許可されるが、B国においては、Y社による翻訳サービスの提供のみが許可される場合がある。この場合、ワークフローが、(X社、Y社を問わない)翻訳サービスを含む場合、A国及びB国におけるワークフローの実行結果としての翻訳内容が異なることがある。
【0012】
さらに、例えば、国毎に、クラウドサービスの処理性能、使用料金等が異なる場合もある。
【0013】
本開示は、ネットワーク上の領域毎に、サーバー装置により提供されるサービスの内容が異なることに起因する上記のような問題を解決し、ワークフローを作成した装置が配されたネットワーク上の第一領域と、ワークフローを実行する装置が配されたネットワーク上の第二領域とが異なる場合であっても、第二領域において、適切なサービスを提供することができる情報処理装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本開示の一態様は、相互に関係する複数ジョブからなるワークフローを管理装置から取得して実行する情報処理装置であって、取得した前記ワークフローを生成した装置が配されているネットワーク上の第一領域と、前記情報処理装置が配されているネットワーク上の第二領域とが一致するかを判断する第一判断部と、前記ワークフロー内に、サーバー装置に対してサービスを依頼するジョブが含まれるかを判断する第二判断部と、領域が一致せず、前記ジョブが含まれると判断された場合、前記第二領域から前記サーバー装置に対して前記サービスを依頼するか依頼しないかを判断する第三判断部と、前記サーバー装置へ依頼しないと判断された場合、代替のサービスを提示する提示部とを備えることを特徴とする。
【0015】
ここで、さらに、提示された前記代替のサービスの選択を利用者から受け付ける受付部と、前記ワークフロー内において、前記サーバー装置に対してサービスを依頼する前記ジョブを、選択された前記代替のサービスを依頼するジョブに置き換える置換部とを備えるとしてもよい。
【0016】
ここで、さらに、第二領域から、サーバー装置により提供されるサービスに接続可能か否かを示す接続可否情報を記憶している記憶部を備え、前記第三判断部は、前記記憶部に記憶されている前記接続可否情報を用いて、前記第二領域から、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより、前記サーバー装置に対して依頼する前記サービスに接続可能か否かを判断することにより、前記サーバー装置へ依頼するか否かを判断してもよい。
【0017】
ここで、前記第三判断部は、前記サービスに接続不可と判断する場合、前記サーバー装置へ依頼しないと判断してもよい。
【0018】
ここで、前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記第二領域において、接続可能なサービスを提示してもよい。
【0019】
ここで、さらに、第二領域において、接続可能なサービスの対価を記憶している記憶部を備え、前記第三判断部は、前記記憶部に記憶されている前記サービスの対価を用いて、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより、前記サーバー装置へ依頼するか否かを判断してもよい。
【0020】
ここで、前記第三判断部は、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼する前記サービスの対価より、安い対価により提供されるサービスが存在する場合、前記サーバー装置へ依頼しないと判断してもよい。
【0021】
ここで、前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼される前記サービスの対価より、安い対価により提供されるサービスを提示してもよい。
【0022】
ここで、さらに、第二領域において、接続可能なサービスにアクセスする際の通信速度を記憶している記憶部を備え、前記第三判断部は、前記記憶部に記憶されている前記通信速度を用いて、前記サーバー装置へ依頼するか否かを判断してもよい。
【0023】
ここで、前記第三判断部は、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼する前記サービスにアクセスする際の通信速度より、速い通信速度のサービスが存在する場合、前記サーバー装置へ依頼しないと判断してもよい。
【0024】
ここで、前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記第二領域において、前記ワークフロー内に含まれる前記ジョブにより依頼する前記サービスにアクセスする際の通信速度より、速い通信速度のサービスを提示してもよい。
【0025】
ここで、第二領域から、接続可能なサービスにおいて、言語に関する処理が提供され、さらに、第二領域において、接続可能なサービスについて、サポートされる言語を記憶している記憶部と、前記ワークフロー内に含まれ、前記サーバー装置に対してサービスを依頼する前記ジョブにおいて、処理対象となるデータ内に含まれる言語を特定する言語特定部とを備え、前記第二判断部は、前記ワークフロー内に、言語に関する処理を提供するサービスを依頼するジョブが含まれるかを判断し、前記第三判断部は、前記ワークフロー内に、言語に関する処理を提供するサービスを依頼するジョブが含まれる場合、前記言語特定部により特定された言語が、前記記憶部に記憶されている言語と一致するか否かにより、前記サーバー装置へ依頼するか否かを判断してもよい。
【0026】
ここで、前記言語特定部は、処理対象となる前記データから、文字列を抽出し、抽出した文字列により、言語を特定してもよい。
【0027】
ここで、前記第三判断部は、前記言語特定部により特定された言語が、前記記憶部に記憶されている言語と一致しない場合、前記サーバー装置へ依頼しないと判断してもよい。
【0028】
ここで、前記提示部は、前記代替のサービスとして、前記言語特定部により特定された言語に一致する言語をサポートするサービスを提示してもよい。
【0029】
ここで、前記提示部は、さらに、前記代替のサービスを提供する企業の情報を提示してもよい。
【0030】
ここで、さらに、利用者から、複数のジョブの入力を受け付ける受付部と、入力された複数のジョブを連結して、一つのワークフローを生成する生成部と、生成された前記ワークフローを前記管理装置に記憶させるために、前記ワークフローを前記管理装置に対して送信する送信部とを備える、としてもよい。
【0031】
ここで、前記受付部は、ジョブ毎に、ジョブのコマンド名及びコマンドの設定条件、並びに、ジョブの実行順序を受け付け、前記ジョブには、当該情報処理装置において実行されるジョブ及びサーバー装置に対してサービスを依頼するジョブが含まれ、前記生成部は、受け付けた前記実行順序に従って、前記複数のジョブを配置することにより、前記ワークフローを生成してもよい。
【0033】
ここで、前記受付部は、さらに、当該情報処理装置が配されるネットワーク上の領域を示す領域情報の入力を受け付け、さらに、入力された前記領域情報を記憶する記憶部を備え、前記送信部は、さらに、入力された前記領域情報を前記ワークフローに対応付けて前記管理装置に記憶させるため、前記領域情報を前記管理装置に対して送信してもよい。
【0034】
ここで、前記受付部は、さらに、認証された利用者を識別する利用者識別子の入力を受け付け、前記送信部は、さらに、入力された前記利用者識別子を前記ワークフローに対応付けて前記管理装置に記憶させるため、前記利用者識別子を前記管理装置に対して送信してもよい。
【0035】
また、本開示の一態様は、相互に関係する複数のジョブからなるワークフローを管理装置から取得して実行する情報処理装置において用いられる制御方法であって、取得した前記ワークフローを生成した装置が配されているネットワーク上の第一領域と、前記情報処理装置が配されているネットワーク上の第二領域とが一致するかを判断し、前記ワークフロー内に、サーバー装置に対してサービスを依頼するジョブが含まれるかを判断し、領域が一致せず、かつ、前記ジョブが含まれると判断された場合、前記第二領域から前記サーバー装置に対して前記サービスを依頼するか依頼しないかを判断し、前記サーバー装置へ依頼しないと判断された場合、代替のサービスを提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
上記の態様によると、ワークフローを作成した装置が配されたネットワーク上の第一領域と、ワークフローを実行する装置が配されたネットワーク上の第二領域とが異なる場合であっても、第二領域において、適切なサービスを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】MFP10a1が備える制御回路100の構成を示す。
【
図3】(a)一例としてのワークフロー141を示す。(b)ワークフロー141における動作を示すフローチャートである。
【
図4】接続可否テーブル401のデータ構造を示す。
【
図5】サービス一覧テーブル411のデータ構造を示す。
【
図7】通信速度テーブル431のデータ構造を示す。
【
図8】サポート言語テーブル441のデータ構造を示す。
【
図9】企業情報テーブル451のデータ構造を示す。
【
図10】利用者数テーブル461のデータ構造を示す。
【
図11】MFP10a1の操作パネル169に表示される画面501を示す。
【
図12】(a)操作パネル169に表示される画面511を示す。(b)操作パネル169に表示される画面521を示す。(c)操作パネル169に表示される画面531を示す。
【
図15】MFP10a1における動作を示すフローチャートである。
【
図16】MFP10a1及び管理装置30におけるワークフローの作成処理の動作を示すフローチャートである。
【
図17】MFP10a1及び管理装置30におけるワークフローの実行の動作を示すフローチャート(その1)である。
図18へ続く。
【
図18】MFP10a1及び管理装置30におけるワークフローの実行の動作を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
1 実施の形態
1.1 通信システム5
通信システム5は、
図1に示すように、MFP10a1、10a2、10a3、サーバー装置20a1、20a2、20a3と、MFP10b1、10b2、10b3、サーバー装置20b1、20b2、20b3と、MFP10c1、10c2、10c3、サーバー装置20c1、20c2、20c3と、管理装置30とから構成されている。
【0039】
国等毎に、全体として一つの通信用のネットワークが構築されている。複数の国等のネットワークが、相互に接続され、その結果、地球上には、全体として一つの通信用のネットワークが構築されている。国等毎に、構築された一つの通信用のネットワークの及ぶ範囲を、ネットワーク上の領域と呼ぶ。各領域は、領域IDにより識別される。
【0040】
MFP10a1、10a2、10a3、サーバー装置20a1、20a2、20a3は、領域ID「R01」により識別されるネットワーク1a内に配されている。
【0041】
また、MFP10b1、10b2、10b3、サーバー装置20b1、20b2、20b3は、領域ID「R02」により識別されるネットワーク1b内に配されている。
【0042】
さらに、MFP10c1、10c2、10c3、サーバー装置20c1、20c2、20c3は、領域ID「R03」により識別されるネットワーク1c内に配されている。
【0043】
また、管理装置30は、領域A、領域B、領域Cとは異なる領域内に配されている。なお、管理装置30は、領域A、領域B、領域Cのいずれかの領域内に配されているとしてもよい。
【0044】
ネットワーク1a、ネットワーク1b及びネットワーク1cは、ネットワーク4に接続されている。また、管理装置30も、ネットワーク4に接続されている。
【0045】
サーバー装置20a1は、例えば、翻訳サービス及びOCRサービスを提供し、サーバー装置20a2は、例えば、翻訳サービスを提供し、サーバー装置20a3は、例えば、OCRサービスを提供する。また、サーバー装置20b1は、例えば、翻訳サービス及びOCRサービスを提供し、サーバー装置20b2は、例えば、翻訳サービスを提供し、サーバー装置20b3は、例えば、OCRサービスを提供する。さらに、サーバー装置20c1は、例えば、翻訳サービス及びOCRサービスを提供し、サーバー装置20c2は、例えば、翻訳サービスを提供し、サーバー装置20c3は、例えば、OCRサービスを提供する。なお、これらのサーバー装置は、その他のサービスを提供してもよい。
【0046】
ネットワーク1a内に配されているどの装置も、ネットワーク1aによって、その接続先を制限されない。また、ネットワーク1c内に配されているどの装置も、ネットワーク1cによって、その接続先を制限されない。
【0047】
従って、領域A内のどのMFPも、領域A内のどのサーバー装置にも接続できるし、領域C内のどのサーバー装置にも接続できる。また、領域C内のどのMFPについても、同様である。
【0048】
一方、ネットワーク1bは、ネットワーク1b内に配されている全ての装置に対して、ネットワーク1b外への接続を制限している。また、ネットワーク1bは、ネットワーク1b外に配されている全ての装置に対して、ネットワーク1b内への接続を制限している。
【0049】
このため、領域A内のどのMFPも、領域B内のどのサーバー装置にも接続できないし、領域C内のどのMFPも、領域B内のどのサーバー装置にも接続できない。
【0050】
領域B内のどのMFPも、領域B内のどのサーバー装置にも接続できる。しかし、領域B内のどのMFPも、領域A内のどのサーバー装置にも接続できないし、領域C内のどのサーバー装置にも接続できない。例外的に、領域B内のどのMFPも、管理装置30に接続できる。
【0051】
なお、上記の接続制限は、一例であって、これには限定されない。
【0052】
1.2 MFP10a1
ここでは、MFP10a1~10a3、10b1~10b3、10c1~10c3を代表して、MFP10a1について、説明する。なお、MFP10a2~10a3、10b1~10b3、10c1~10c3については、MFP10a1と同様の構成を有しているので、その説明を省略する。
【0053】
MFP10a1(情報処理装置)は、
図1に示すように、スキャナー、プリンター及びコピー機の機能を有するタンデム型のカラー複合機である。
【0054】
MFP10a1は、この図に示すように、筐体底部に、記録シートを収容し、給送する給紙部153が設けられている。給紙部153の上方には、電子写真方式により画像を形成するプリンター152が設けられている。プリンター152のさらに上方に、原稿を読み取って画像データを生成するイメージリーダー151、及び、操作画面を表示し、利用者から入力操作を受け付ける操作パネル169が設けられている。
【0055】
イメージリーダー151は、自動原稿搬送装置を有している。自動原稿搬送装置は、原稿トレイにセットされた原稿を、搬送路を介して、1枚ずつ原稿ガラス板へ搬送する。イメージリーダー151は、自動原稿搬送装置によって原稿ガラス板の所定位置に搬送された原稿、又は、利用者により原稿ガラス板の上に載置された原稿をスキャナーの移動によって読み取り、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の多値デジタル信号からなる画像データを得る。
【0056】
イメージリーダー151で得られた各色成分の画像データは、制御回路100において各種のデータ処理を受け、更にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される。
【0057】
プリンター152は、駆動ローラーと従動ローラーとバックアップローラーとにより張架される中間転写ベルト162、二次転写ローラー161、中間転写ベルト162に対向して中間転写ベルト162の走行方向に沿って所定間隔で配置された作像部160Y、160M、160C、160K、定着部163、制御回路100等からなる。
【0058】
作像部160Y、160M、160C、160Kは、それぞれ、Y、M、C、K色のトナー像を作像する。具体的には、各作像部は、像担持体である感光体ドラム、感光体ドラム表面を露光走査するためのLEDアレイ、帯電チャージャー、現像器、クリーナー及び一次転写ローラーなどからなる。
【0059】
給紙部153は、サイズの異なる記録シートを収容する複数の給紙カセットと、この記録シートを各給紙カセットから搬送路に繰り出すための複数のピックアップローラーとから構成されている。
【0060】
作像部160Y~160Kのそれぞれにおいて、各感光体ドラムは、帯電チャージャーにより一様に帯電され、LEDアレイにより露光され、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。各静電潜像は、対応する色の現像器により現像され、各感光体ドラムの表面にY~K色のトナー像が形成され、トナー像は、中間転写ベルト162の裏面側に配設された各一次転写ローラーの静電作用により、中間転写ベルト162の表面上に順次転写される。
【0061】
中間転写ベルト162上で、Y~K色のトナー像が多重転写されるように、各色の作像タイミングがずらされている。
【0062】
一方、給紙部153のいずれかの給紙カセットから、作像部160Y~160Kによる作像動作に合わせて、記録シートが給送される。
【0063】
記録シートは、二次転写ローラー161とバックアップローラーとが中間転写ベルト162を挟んで対向する二次転写位置へと搬送路上を搬送され、二次転写位置で、二次転写ローラー161の静電的作用により、中間転写ベルト162上で多重転写されたY~K色のトナー像が記録シートへ二次転写される。Y~K色のトナー像が二次転写された記録シートは、さらに定着部163まで搬送される。
【0064】
記録シートの表面のトナー像は、定着部163の加熱ローラーとこれに圧接された加圧ローラーとの間に形成される定着ニップを通過する際に、加熱及び加圧により、記録シートの表面に融着して定着され、記録シートは、定着部163を通過した後、排出トレイ164へ送出される。
【0065】
操作パネル169には、液晶表示板などで構成される表示部が設けられ、利用者によって設定された内容や各種のメッセージを表示する。また、操作パネル169(提示部)は、後述する代替のサービスを提示する。操作パネル169(受付部)は、利用者から、コピー開始の指示、コピー枚数の設定、コピー条件の設定、データの出力先の設定、代替のサービスの選択などを受け付け、受け付けた内容を制御回路100に通知する。
【0066】
1.3 制御回路100
制御回路100は、
図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、画像メモリ104、画像処理回路105、ネットワーク通信回路106、スキャナー制御回路107、入出力回路108、プリンター制御回路109及び記憶デバイス110等から構成されている。
【0067】
CPU101、ROM102及びRAM103は、主制御部120を構成している。
【0068】
CPU101は、マイクロプロセッサーであって、フェッチ部、解読部、実行部、レジスタファイル、命令カウンターなどから構成されている。フェッチ部は、メモリであるROM102又はRAM103に記憶されているコンピュータープログラムから、命令コードを1個ずつ読み出す。ここで、コンピュータープログラムは、所定の機能を達成するために、コンピューターに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。解読部は、読み出した命令コードを解読する。実行部は、解読結果に従って動作する。
【0069】
RAM103は、各種の制御変数及び操作パネル169により設定されたコピー枚数などを一時記憶すると共に、CPU101によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0070】
ROM102には、コピー動作などの各種ジョブを実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0071】
CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0072】
また、主制御部120は、操作パネル169から利用者の操作の指示を受信する。例えば、利用者の操作が、コピーの指示である場合、主制御部120は、スキャナー制御回路107に対して、画像の読み取りを実行させ、プリンター制御回路109に対して、読み取りにより生成した画像データによる画像形成処理を実行させる。
【0073】
また、例えば、利用者の操作がワークフローの実行の指示である場合、主制御部120は、管理装置30に対して、ワークフローの要求を、ネットワーク通信回路106に送信するよう指示し、管理装置30からワークフローを受信し、受信したワークフローを実行する。ワークフローを実行する際に、主制御部120は、ワークフローを構成する複数のジョブを実行するように、画像処理回路105、ネットワーク通信回路106、スキャナー制御回路107、プリンター制御回路109等を制御する。ワークフロー内に、サーバー装置に対してサービスの実行を依頼するジョブが含まれる場合、主制御部120は、サーバー装置に対して、そのサービスの実行するよう指示する。ここで、ワークフローは、複数のジョブを含み、これらの複数のジョブは、相互に関係している。
【0074】
また、主制御部120は、CPU101が、制御プログラムに従って動作することにより、
図2に示すように、統括制御部121、ワークフロー作成処理部122、ワークフロー実行処理部123としての機能を果たす。統括制御部121、ワークフロー作成処理部122、ワークフロー実行処理部123については、後述する。
【0075】
画像メモリ104は、プリントジョブ等の画像データを一時的に記憶する。
【0076】
画像処理回路105は、例えば、イメージリーダー151で得られたR、G、Bの各色成分の画像データに対して、各種のデータ処理を施して、Y、M、C、Kの各再現色の画像データに変換する。また、画像処理回路105は、OCR処理(Optical character recognition、画像から文字を認識して抽出する文字認識処理)を実行する。
【0077】
ネットワーク通信回路106(送信部)は、ネットワーク1a及びネットワーク4を介して、管理装置30に対して、ワークフロー、ワークフローの要求等を送信する。また、ネットワーク通信回路106(取得部)は、管理装置30から、ネットワーク4及びネットワーク1aを介して、ワークフロー等を受信する。
【0078】
また、ネットワーク通信回路106は、ネットワーク1aを介して、サーバー装置20a1、20a2、20a3に対して、翻訳やOCRの実行を依頼するジョブ(以下、クラウドジョブと呼ぶ。)を送信し、サーバー装置20a1、20a2、20a3から、ネットワーク1aを介して、クラウドジョブの実行結果を受信する。
【0079】
スキャナー制御回路107は、イメージリーダー151を制御し、原稿の画像の読み取り動作を実行させる。
【0080】
記憶デバイス110については、次に説明する。
【0081】
1.4 記憶デバイス110
記憶デバイス110(記憶部)は、不揮発性の半導体メモリから構成されている。なお、記憶デバイス110は、ハードディスクから構成されている、としてもよい。
【0082】
記憶デバイス110は、領域ID127、利用者ID128、ワークフロー131、接続可否テーブル401、サービス一覧テーブル411、利用料テーブル421、通信速度テーブル431、サポート言語テーブル441、企業情報テーブル451、利用者数テーブル461等を記憶するための領域を備えている。
【0083】
ここで、接続可否テーブル401、サービス一覧テーブル411、利用料テーブル421、通信速度テーブル431、サポート言語テーブル441、企業情報テーブル451、利用者数テーブル461は、予め、例えば、MFP10a1がオフィス等に設置されるときに、管理装置30から取得し、記憶デバイス110に記憶されている。
【0084】
(1)領域ID127
領域ID127は、ネットワーク上の領域を識別する識別情報である。その領域内に、MFP10a1が配されるネットワークが設置される。
【0085】
製造されたMFP10a1がどの領域に出荷されるか、予め、分かっているので、MFP10a1が出荷される直前に、その領域を識別する領域IDが記憶デバイス110に書き込まれる。
【0086】
(2)ワークフロー
(ワークフロー131)
ワークフロー131は、上述したように、相互に関係する複数のジョブからなる。
【0087】
ワークフロー131は、利用者により、新たに作成され、又は、管理装置30から取得される。
【0088】
ワークフロー131は、
図2に示すように、複数のジョブ情報132から構成されている。各ジョブ情報132は、一つのジョブに対応している。
【0089】
各ジョブ情報132は、番号133、コマンド名134、詳細135等を含んでいる。
【0090】
ここで、番号133は、ジョブ情報132を識別する識別情報であり、また、番号133は、ワークフロー131内におけるジョブの実行順序を示す。
【0091】
コマンド名134は、ジョブとして実行されるコマンドの名称である。コマンド名134の例は、「スキャン設定」、「E-mail送信設定」、「スキャン動作」、「翻訳処理」、「E-mail送信動作」等である。ここで、「スキャン設定」、「E-mail送信設定」、「スキャン動作」、「E-mail送信動作」は、MFP10a1内で実行されるジョブである。一方、「翻訳処理」は、サーバー装置20a1等で実行されるクラウドジョブである。
【0092】
詳細135においては、それぞれのジョブにおける詳細が定義される。例えば、「スキャン設定」では、詳細135として、「解像度」、「カラー設定」等が定義される。「E-mail送信設定」では、詳細135として、「送信先」等が定義される。「翻訳処理」では、詳細135として、「接続先」等が定義される。
【0093】
(ワークフロー141)
ワークフローは、
図2に示すワークフロー131のデータ構造には、限定されない。
【0094】
ワークフローは、
図3(a)に示すワークフロー141のようなデータ構造を有してもよい。
【0095】
ワークフロー141も、ワークフロー131と同様に、利用者により、新たに作成され、又は、管理装置30から取得される。
【0096】
ワークフロー141は、
図3(a)に示すように、複数のジョブ情報142から構成されている。各ジョブ情報142は、一つのジョブに対応している。
【0097】
各ジョブ情報142は、番号143、コマンド名144、条件145、詳細146等を含んでいる。
【0098】
番号143、コマンド名144、詳細146については、
図2に示すワークフロー131において説明した通りである。
【0099】
条件145は、ワークフロー141内において、条件145を含むジョブ情報より、前に配置されたジョブ情報により示されるジョブの実行結果に基づいて、条件145を含むジョブ情報により示されるジョブを実行する際の条件、例えば、ジョブを実行するか否か、を示している。
【0100】
一例として、ワークフロー141に含まれるジョブ情報142dは、条件145d「スキャン枚数:10枚以上」を含む。この条件145dは、ジョブ情報142dより、前に配置されたジョブ「スキャン動作」による実行結果として、スキャン枚数が10枚以上の場合に、ジョブ情報142dにより示されるジョブが実行されることを示す。
【0101】
また、一例として、ジョブ情報142eは、条件145e「スキャン枚数:10枚未満」を含む。この条件145eは、ジョブ情報142eより、前に配置されたジョブ「スキャン動作」による実行結果として、スキャン枚数が10枚未満の場合に、ジョブ情報142eにより示されるジョブが実行されることを示す。
【0102】
ワークフロー141により実行される複数のジョブの実行手順を
図3(b)に示す。
【0103】
図3(a)に示すように、ワークフロー141は、ジョブ情報142a、142b、・・・、142fを含んでいる。
【0104】
ワークフロー141が実行されると、
図3(b)に示すように、ジョブ情報142a、142b、142cに対応するステップS11、S12、S13が実行される。
【0105】
ステップS14では、ステップS13における実行結果が参照されて、分岐の条件判断がなされる。
【0106】
ステップS14において、条件を満たす場合(「YES」)、ジョブ情報142dに対応するステップS15が実行される。
【0107】
一方、ステップS14において、条件を満たさない場合(「NO」)、ジョブ情報142eに対応するステップS16が実行される。
【0108】
ステップS15又はステップS16が終了すると、ステップS17において、ジョブ情報142fに対応するステップS17が実行される。
【0109】
(3)利用者ID128
利用者ID128(利用者識別子)は、MFP10a1の利用者を識別する識別情報である。
【0110】
利用者ID128は、利用者がMFP10a1にログインした後に、一時的に、記憶デバイス110に書き込まれる。利用者の指示したジョブ又はワークフローの実行が終了すると、利用者ID128は、記憶デバイス110から消去される。
【0111】
(4)接続可否テーブル401
接続可否テーブル401は、国等のネットワーク上の領域毎に、その国等のネットワーク上の領域から、サーバー装置20a1、20a2、20a3、20b1、20b2、20b3、20c1、20c2、20c3等の、サービスを提供する提供元に対して、接続が可能か否かを示すデータテーブルである。
【0112】
接続可否テーブル401は、
図4に示すように、複数の接続可否情報402を含んでいる。各接続可否情報402は、上記のサービスを提供する提供元(サービスURLにより示される。URL:Uniform Resource Locator)に対応している。
【0113】
各接続可否情報402は、サービスURL403及び国等のネットワーク上の領域毎の接続可否405、406、407、408、409を含んでいる。
【0114】
ここで、サービスURL403は、上記の通り、サービスの提供元を示すURLである。
【0115】
接続可否405、406、407、408、409は、それぞれ、国等のネットワーク上の領域としての、US(アメリカ合衆国)、EU(欧州連合)、AP(アジア太平洋地域)、JP(日本)、CN(中国)からの接続の可否を示す。「OK」は、接続可を示し、「NG」は、接続不可を示す。
【0116】
一例としての接続可否テーブル401によると、サービスURL「example1.com」に対して、US、EU、AP、JP、CNからの接続が可能である。また、サービスURL「example2.com」に対して、US、EU、AP、JPからの接続が可能であり、CNからの接続が不可能である。さらに、サービスURL「example3.com」に対して、EU、AP、JP、CNからの接続が可能であり、USからの接続が不可能である。
【0117】
(5)サービス一覧テーブル411
サービス一覧テーブル411は、国等のネットワーク上の領域毎に、提供が可能なサービスを示すデータテーブルである。
【0118】
サービス一覧テーブル411は、
図5に示すように、複数のサービス情報412から構成されている。各サービス情報412は、サービスを提供する提供元に対応している。
【0119】
各サービス情報412は、カテゴリー413及びサービスURL414を含む。
【0120】
カテゴリー413は、提供されるサービスが属するカテゴリーを示す。
【0121】
サービスURL414は、サービスを提供する提供元のURLを示す。
【0122】
一例として、
図5に示すサービス一覧テーブル411によると、カテゴリー「翻訳」について、二つのサービスURLが示され、カテゴリー「OCR」についても、二つのサービスURLが示されている。
【0123】
(6)利用料テーブル421
利用料テーブル421は、国等のネットワーク上の領域毎に、サービスが提供される際に利用者に課される利用料(サービスの対価)を示すデータテーブルである。
【0124】
利用料テーブル421は、
図6に示すように、複数の利用料情報422から構成されている。各利用料情報422は、サービスを提供する提供元に対応している。
【0125】
各利用料情報422は、カテゴリー423、サービスURL424及び利用料425を含む。
【0126】
カテゴリー423は、提供されるサービスが属するカテゴリーを示す。
【0127】
サービスURL424は、サービスを提供する提供元のURLを示す。
【0128】
利用料425は、サービスが提供される際に利用者に課される利用料である。この利用料は、サービスを利用する単位に応じて課される。例えば、サービスを利用する利用時間又はサービスの利用量に応じて、利用料が課される。
【0129】
一例として、
図6に示す利用料テーブル421によると、カテゴリー「翻訳」について、二つのサービスURL及び利用料が示され、カテゴリー「OCR」についても、二つのサービスURL及び利用料が示されている。
【0130】
(7)通信速度テーブル431
通信速度テーブル431は、国等のネットワーク上の領域毎に、サービスが提供される際に、そのサービスにアクセスする際における通信速度を示すデータテーブルである。
【0131】
通信速度テーブル431は、
図7に示すように、複数の通信速度情報432から構成されている。各通信速度情報432は、サービスを提供する提供元に対応している。
【0132】
各通信速度情報432は、カテゴリー433、サービスURL434及び通信速度435を含む。
【0133】
カテゴリー433は、提供されるサービスが属するカテゴリーを示す。
【0134】
サービスURL434は、サービスを提供する提供元のURLを示す。
【0135】
通信速度435は、サービスが提供される際に、そのサービスにアクセスする際における通信速度である。
【0136】
一例として、
図7に示す通信速度テーブル431によると、カテゴリー「翻訳」について、二つのサービスURL及び通信速度が示され、カテゴリー「OCR」についても、二つのサービスURL及び通信速度が示されている。
【0137】
(8)サポート言語テーブル441
サポート言語テーブル441は、国等のネットワーク上の領域毎に、言語に関係するサービスが提供される際に、そのサービスにおいてサポートされている言語を示すデータテーブルである。
【0138】
サポート言語テーブル441は、
図8に示すように、複数のサポート言語情報442から構成されている。各サポート言語情報442は、言語に関係するサービスを提供する提供元に対応している。
【0139】
各サポート言語情報442は、カテゴリー443、サービスURL444及びサポート言語445を含む。
【0140】
カテゴリー443は、提供される言語に関係するサービスが属するカテゴリーを示す。
【0141】
サービスURL444は、サービスを提供する提供元のURLを示す。
【0142】
サポート言語445は、言語に関係するサービスが提供される際に、そのサービスにおいて、サポートされる一つ又は複数の言語を示す。
【0143】
一例として、
図8に示すサポート言語テーブル441には、カテゴリー「翻訳」について、サービスURL及びサポート言語の組が、二つ示されている。
【0144】
二つのサービスURLのうち、一つのサービスURLにおいてサポートされる言語は、「en」、「ja」、「de」であり、もう一つのサービスURLにおいてサポートされる言語は、「en」、「ja」、「zh」である。
【0145】
ここで、「en」、「ja」、「de」及び「zh」は、それぞれ、「英語」、「日本語」、「ドイツ語」及び「中国語」である。
【0146】
(9)企業情報テーブル451
企業情報テーブル451は、国等のネットワーク上の領域毎に、サービスが提供される際に、そのサービスを提供する提供元の企業に関する情報を示すデータテーブルである。
【0147】
企業情報テーブル451は、
図9に示すように、サービスURL452及び企業情報453からなる複数の組を含む。各組は、サービスを提供する提供元に対応している。
【0148】
サービスURL452は、サービスを提供する提供元のURLを示す。
【0149】
企業情報453は、国454、創業年455及びサービス提供国数456を含む。
【0150】
国454は、サービスを提供する提供元の企業が創立された国を示す。
【0151】
創業年455は、サービスを提供する提供元の企業が創立された年を示す。
【0152】
サービス提供国数456は、当該サービスの提供元によりサービス提供される国等の総数を示す。
【0153】
(10)利用者数テーブル461
利用者数テーブル461は、サービスが提供される際に、そのサービスを利用する利用者の総数を、年毎に示すデータテーブルである。
【0154】
利用者数テーブル461は、
図10に示すように、複数の利用者数情報462から構成されている。各利用者数情報462は、サービスを提供する提供元に対応している。
【0155】
各利用者数情報462は、サービスURL463、年464及び利用者数465を含む。
【0156】
サービスURL463は、サービスを提供する提供元のURLを示す。
【0157】
年464は、利用者の総数が集計された年を示す。
【0158】
利用者数465は、その年464に、サービスURL463から提供されたサービスを利用した利用者の総数を示す。
【0159】
1.5 操作パネル169に表示される画面の例
ここでは、操作パネル169に表示される画面の例について、説明する。
【0160】
(1)MFP10a1において、領域IDを設定する場合に表示される画面501について、説明する。
【0161】
画面501は、
図11に示すように、MFP10a1が配されているネットワーク上の領域を識別する識別情報である領域ID127を、記憶デバイス110に書き込むための画面である。
【0162】
MFP10a1の製造者は、製造されたMFP10a1がどの国等、つまり、どのネットワーク上の領域に出荷されるか、分かっているので、画面501により、MFP10a1が配される国等を選択する。
【0163】
画面501は、国等毎に、当該国等を示す表示503及び選択ボタン502、並びに、領域IDの書込みを指示するボタン504及び領域IDの書込みをキャンセルするボタン505を含む。
【0164】
製造者により、一つの国等を示す表示503に対応する選択ボタン502が選択され、次に、ボタン504が操作されると、表示503に対応する領域IDが記憶デバイス110に書き込まれる。
【0165】
(2)MFP10a1において、ワークフローを生成する場合に表示される画面について、説明する。
【0166】
(a)画面511
ワークフローを生成する場合、ジョブを選択する画面511について、説明する。
【0167】
画面511は、
図12(a)に示すように、スキャン設定、スキャン動作、E-mail送信設定、E-mail送信動作、ファイル転送、クラウドサービス設定を、それぞれ、選択するチェックボックス512、513、・・・、517、ジョブの選択を承認するためのボタン518及びジョブの選択を終了するためのボタン519を含んでいる。
【0168】
画面511は、上記のジョブ以外のジョブを設定するための項目を含むとしてもよい。
【0169】
利用者により、チェックボックス512が選択され、続いて、ボタン518が操作されると、ジョブ「スキャン設定」がワークフロー内に生成される。
【0170】
利用者により、ボタン519が操作されると、ワークフローの生成が完了する。
【0171】
(b)画面521
画面511において、スキャン設定が選択され、続いて、ボタン518が操作されると、次に、
図12(b)に示すように、画面521が表示される。
【0172】
画面521は、スキャン設定において、設定されるべき項目を含む。例えば、解像度について、200dpi、300dpi、400dpiをそれぞれ選択するためのチェックボックス522、523、524、色設定について、モノクロ、カラーをそれぞれ選択するためのチェックボックス525、526及び選択を終了するためのボタン527を含んでいる。
【0173】
利用者により、チェックボックス522、523、524のいずれか一つが選択され、チェックボックス525、526のいずれか一つが選択され、続いて、ボタン527が操作されると、スキャン詳細の生成が完了する。
【0174】
(c)画面531
画面511において、クラウドサービス設定が選択され、続いて、ボタン518が操作されると、次に、
図12(c)に示すように、画面531が表示される。
【0175】
画面531は、クラウドサービス設定において、設定されるべきサービスの項目を含む。例えば、画面531は、3種類の翻訳サービス及び3種類のOCRサービスをそれぞれ選択するためのチェックボックス532、533、・・・、537、サービスの選択を終了するためのボタン538を含んでいる。
【0176】
利用者により、チェックボックス532、533、・・・、537のいずれか一つが選択され、続いて、ボタン538が操作されると、ジョブ「クラウドサービス設定」がワークフロー内に生成される。
【0177】
1.6 主制御部120
上述したように、主制御部120は、CPU101が、制御プログラムに従って動作することにより、
図2に示すように、統括制御部121、ワークフロー作成処理部122、ワークフロー実行処理部123としての機能を果たす。
【0178】
(1)統括制御部121
CPU101が、制御プログラムに従って動作することにより、統括制御部121は、画像メモリ104、画像処理回路105、ネットワーク通信回路106、スキャナー制御回路107、入出力回路108、プリンター制御回路109及び記憶デバイス110等を統一的に制御する。また、統括制御部121は、ワークフロー作成処理部122及びワークフロー実行処理部123を統一的に制御する。
【0179】
操作パネル169が入力を受け付けると、統括制御部121は、操作パネル169から、入出力回路108を介して、入力を受信する。操作パネル169から受信する入力は、初期設定、コピー、ワークフロー作成、ワークフロー実行、その他の処理である。
【0180】
受信した入力が、初期設定、コピー、ワークフロー作成、ワークフロー実行、その他の処理である場合、それぞれ、統括制御部121は、初期設定、コピー、ワークフロー作成、ワークフロー実行、その他の処理を実行するように、制御する。
【0181】
受信した入力が初期設定の場合、統括制御部121は、操作パネル169に、画面501を表示するよう制御する。画面501が表示されると、統括制御部121は、操作パネル169から、国等の設定を受け付け、受け付けた国等に対応する領域IDを選択し、選択した領域IDを記憶デバイス110に書き込む。
【0182】
受信した入力がコピーの場合については、上述した通りである。
【0183】
受信した入力がワークフロー作成又はワークフロー実行である場合、それぞれ、統括制御部121は、ワークフロー作成処理部122又はワークフロー実行処理部123に対して、ワークフロー作成処理又はワークフロー実行処理を行なうよう、制御する。
【0184】
ワークフロー作成処理部122及びワークフロー実行処理部123については、次に説明する。
【0185】
(2)ワークフロー作成処理部122
ワークフロー作成処理部122(生成部)は、以下に示すように、利用者の操作により、ワークフローを生成し、生成したワークフローを管理装置30に対して送信する。
【0186】
ワークフロー作成処理部122は、利用者に対してログインを要求し、利用者のログインにより、利用者を識別する利用者IDを取得する。
【0187】
ワークフロー作成処理部122は、ジョブのリストとして、
図12(a)に示す画面511を表示する。画面511により、利用者から、ジョブの選択を受け付け、さらに、
図12(b)に示す画面521、
図12(c)に示す画面531等により、利用者から、ジョブの詳細を受け付ける。ワークフロー作成処理部122は、ワークフローの全てのジョブについて、利用者からの、ジョブの選択及び詳細の受付けを繰り返す。ジョブの選択及び詳細の受付けが終了すると、ワークフロー作成処理部122は、受け付けたジョブを含むワークフローを生成する。
【0188】
ワークフロー作成処理部122は、記憶デバイス110から、領域IDを読み出す。
【0189】
ワークフロー作成処理部122は、利用者ID、領域ID及びワークフローを、ネットワーク通信回路106により、ネットワーク1a及びネットワーク4を介して、管理装置30へ送信する。
【0190】
(3)ワークフロー実行処理部123
ワークフロー実行処理部123は、以下に示すように、ワークフローを実行する。
【0191】
ワークフロー実行処理部123は、
図2に示すように、実行制御部123a、領域判断部123b(第一判断部)、サービス判断部123c(第二判断部)、適性判断部123d(第三判断部)、言語特定部123e及び置換部123fから構成されている。
【0192】
実行制御部123aは、領域判断部123b、サービス判断部123c、適性判断部123d、言語特定部123e及び置換部123fを統一的に制御する。
【0193】
実行制御部123aは、利用者に対してログインを要求し、利用者のログインにより、利用者を識別する利用者IDを取得する。
【0194】
利用者IDを取得すると、実行制御部123aは、利用者ID及びワークフローの要求を、ネットワーク通信回路106により、ネットワーク1a及びネットワーク4を介して、管理装置30へ送信する。
【0195】
上記の要求に応じて、実行制御部123aは、管理装置30から、ネットワーク4、ネットワーク1a及びネットワーク通信回路106を介して、ワークフロー及び領域IDを受信する。ここで、利用者IDに対応するワークフローが複数存在する場合、実行制御部123aは、管理装置30から、複数のワークフローを受信する。
【0196】
ワークフローを受信すると、実行制御部123aは、操作パネル169に、受信したワークフローからなるワークフロー一覧を表示するように、制御する。ここで、ワークフロー一覧は、全てのワークフローに含まれる全てのジョブを含むとしてもよい。また、ワークフロー一覧は、全てのワークフローについて、各ワークフローを識別する識別名であるワークフロー名を含むとしてもよい。
【0197】
実行制御部123aは、操作パネル169から、利用者の操作により、ワークフロー一覧から、選択された一つのワークフローの指定を受け取る。
【0198】
一つのワークフローの指定を受け取ると、実行制御部123aは、記憶デバイス110に記憶されている領域IDを読み出す。
【0199】
領域IDを読み出すと、サービス判断部123cは、指定されたワークフロー内に含まれる、ジョブをチェックし、サーバー装置に対してサービス(以下、クラウドサービスと呼ぶ。)を依頼するジョブ(以下、クラウドジョブと呼ぶ。)が含まれるか否かを判断する。
【0200】
次に、領域判断部123bは、管理装置30から受信した領域ID(受信した領域IDにより識別される領域を、第一領域と呼ぶ。)と、記憶デバイス110から読み出した領域ID(読み出した領域IDにより識別される領域を、第二領域と呼ぶ。)とが一致するか否かを判断する。
【0201】
ワークフロー内に、クラウドジョブが含まれないと判断される場合、又は、管理装置30から受信した領域IDと、記憶デバイス110から読み出した領域IDとが一致すると判断される場合、実行制御部123aは、ワークフローに含まれるジョブをその順序に従って、実行する。ワークフロー内の全てのジョブの実行が終了すると、ワークフロー実行処理部123における処理は、終了する。
【0202】
一方、ワークフロー内に、クラウドジョブが含まれると判断され、かつ、管理装置30から受信した領域IDと、記憶デバイス110から読み出した領域IDとが一致しないと判断される場合、実行制御部123aは、ワークフロー内に含まれるクラウドジョブ毎に、以下の(a)~(e)を繰り返す。
【0203】
(a)クラウドサービスに接続が可能か否かの判断
適性判断部123dは、接続可否テーブル401に含まれる接続可否情報を用いて、MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続が可能か否かを判断する。これにより、クラウドジョブが依頼するクラウドサービスの実施が適切か否かを判断する
クラウドサービスに接続が可能か否かの判断を行なうために、適性判断部123dは、
図4に示す接続可否テーブル401を用いる。
【0204】
例えば、ワークフロー内のクラウドジョブが依頼するクラウドサービスのサービスURLが「example1.com」であり、MFP10a1が配されている領域が「JP」である場合、接続可否テーブル401内の「JP」についての接続可否が「OK」であるので、適性判断部123dは、領域「JP」から、サービスURL「example1.com」への接続が可能であると判断する。
【0205】
また、例えば、ワークフロー内のクラウドジョブが依頼するクラウドサービスのサービスURLが「example2.com」であり、MFP10a1が配されている領域が「CN」である場合、接続可否テーブル401内の「CN」についての接続可否が「NG」であるので、適性判断部123dは、領域「CN」から、サービスURL「example2.com」への接続が不可能であると判断する。
【0206】
さらに、例えば、ワークフロー内のクラウドジョブが依頼するクラウドサービスのサービスURLが「example3.com」であり、MFP10a1が配されている領域が「US」である場合、接続可否テーブル401内の「US」についての接続可否が「NG」であるので、適性判断部123dは、領域「US」から、サービスURL「example3.com」への接続が不可能であると判断する。
【0207】
MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続が可能であると判断される場合、実行制御部123aは、当該クラウドサービスを問題なく実行することができる。
【0208】
一方、MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続が不可能であると判断される場合、実行制御部123aは、
図5に示す国等毎に提供が可能なサービスを示すサービス一覧テーブル411を用いて、MFP10a1が配されている領域において、提供が可能なサービスを、代替サービスとして、選択する。この場合、実行制御部123aは、当該クラウドジョブと同一のカテゴリーに属するサービスを選択する。
【0209】
ここで、例えば、ワークフロー内のクラウドジョブが依頼するクラウドサービスのサービスURLが「example2.com」であり、MFP10a1が配されている領域が「CN」である場合、接続可否テーブル401によると、領域「CN」から、サービスURL「example2.com」への接続が不可能である。
【0210】
しかし、接続可否テーブル401によると、領域「CN」から、サービスURL「example1.com」又は「example3.com」への接続が可能である。
【0211】
従って、実行制御部123aは、サービスURL「example1.com」及び「example3.com」を候補として仮に選択する。
【0212】
次に、実行制御部123aは、サービス一覧テーブル411から、サービスURL「example1.com」又は「example3.com」を含む対応するサービス情報を選択する。サービス一覧テーブル411には、サービスURL「example1.com」が存在するので、実行制御部123aは、サービス一覧テーブル411から、サービスURL「example1.com」を含むサービス情報を、代替サービスとして、選択する。
【0213】
この際、例えば、クラウドジョブのカテゴリーが「翻訳」である場合、実行制御部123aは、サービス一覧テーブル411から、カテゴリー「翻訳」を含むサービス情報を選択する。上記の例の場合、実行制御部123aは、サービス一覧テーブル411から、カテゴリー「翻訳」及びサービスURL「http://example1.com/api/translate/」を含むサービス情報412aを選択する。
【0214】
次に、実行制御部123aは、サービス一覧テーブル411から選択したサービス情報を、操作パネル169に対して出力し、選択したサービス情報を、代替サービスとして、提示させる。上記の例の場合、実行制御部123aは、操作パネル169に、カテゴリー「翻訳」及びサービスURL「http://example1.com/api/translate/」を含むサービス情報412aを、代替サービスとして、提示させる。
【0215】
(b)領域における利用料の判断
適性判断部123dは、利用料テーブル421に含まれる利用料情報、つまり、サービスの対価を用いて、MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続する場合、クラウドサービスを利用する際の利用料が安いか否かを判断する。つまり、適性判断部123dは、MFP10a1が配されている領域において、ワークフロー内に含まれるクラウドジョブにより依頼するクラウドサービスの利用料より、安い利用料により提供されるサービスが存在するか否かを判断する。これにより、クラウドサービスの実施が適切かを判断する。
【0216】
クラウドサービスを利用する際の利用料が安いか否かの判断を行なうために、適性判断部123dは、
図6に示す利用料テーブル421を用いる。
【0217】
例えば、クラウドジョブが依頼するクラウドサービスのサービスURLが「example2.com」である場合、適性判断部123dは、利用料テーブル421を用いて、クラウドサービスを利用する際の利用料について、サービスURL「example2.com」の利用料と、その他のサービスURLの利用料とを比較する。利用料テーブル421によると、サービスURL「http://example1.com/api/translate/」の利用料は、「1」であり、サービスURL「http://example2.com/api/translate/」の利用料は、「2」である。
【0218】
従って、実行制御部123aは、より利用料が安い、サービスURL「http://example1.com/api/translate/」を含む利用料情報を、代替サービスとして、選択する。
【0219】
次に、実行制御部123aは、利用料テーブル421から選択した利用料情報を、操作パネル169に対して出力し、選択した利用料情報を、代替サービスとして、提示させる。上記の例の場合、実行制御部123aは、操作パネル169に、カテゴリー「翻訳」及びサービスURL「http://example1.com/api/translate/」を含むサービス情報422aを、代替サービスとして、提示させる。
【0220】
(c)領域における通信速度の判断
適性判断部123dは、通信速度テーブル431に含まれる通信速度情報を用いて、MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続する場合、アクセスの通信速度が高いか否かを判断する。つまり、適性判断部123dは、MFP10a1が配されている領域において、ワークフロー内に含まれるクラウドジョブにより依頼するクラウドサービスにアクセスする際の通信速度より、速い通信速度のサービスが存在するか否かを判断する。これにより、当該クラウドサービスの実施が適切かを判断する
クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに対するアクセスの通信速度が高いか否かの判断を行なうために、適性判断部123dは、
図7に示す通信速度テーブル431を用いる。
【0221】
例えば、クラウドサービスのサービスURLが「example2.com」である場合、適性判断部123dは、通信速度テーブル431を用いて、クラウドサービスにアクセスする際の通信速度について、サービスURL「example2.com」に対する通信速度と、その他のサービスURLに対する通信速度とを比較する。通信速度テーブル431によると、サービスURL「http://example1.com/api/translate/」に対する通信速度は、「50」であり、サービスURL「http://example2.com/api/translate/」に対する通信速度は、「40」である。
【0222】
従って、実行制御部123aは、より通信速度が高い、サービスURL「http://example1.com/api/translate/」を含む通信速度情報を、代替サービスとして、選択する。
【0223】
次に、実行制御部123aは、通信速度テーブル431から選択した通信速度情報を、操作パネル169に対して出力し、選択した通信速度情報を、代替サービスとして、提示させる。上記の例の場合、実行制御部123aは、操作パネル169に、カテゴリー「翻訳」及びサービスURL「http://example1.com/api/translate/」を含む通信速度情報432aを、代替サービスとして、提示させる。
【0224】
(d)言語処理を伴う場合の判断
サービス判断部123cは、取得したワークフロー内に、言語に関する処理を提供するサービスを依頼するジョブが含まれるかを判断する。言い換えると、サービス判断部123cは、ワークフロー内のクラウドジョブが依頼するクラウドサービスがデータの言語処理を含むか否かを判断する。
【0225】
サービス判断部123cにより、ワークフロー内に、言語に関する処理を提供するサービスを依頼するジョブが含まれると判断される場合、言語特定部123eは、ワークフロー内に含まれ、クラウドサービスを依頼するクラウドジョブにおいて、処理対象となるデータ内に含まれる言語を特定する。ここで、処理対象となるデータが、例えば、スキャンにより得られた画像データである場合、言語特定部123eは、画像処理回路105に対して、得られた画像データにOCRを実行するよう制御する。言語特定部123eは、画像処理回路105から抽出された文字列を受け取り、受け取った文字列を用いて、画像データ内に含まれる言語を特定する。
【0226】
適性判断部123dは、サポート言語テーブル441に含まれるサポート言語情報を用いて、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスにおいて、言語特定部123eにより特定された言語を処理可能か否かを判断する。これにより、クラウドサービスの実施が適切かを判断する。
【0227】
適性判断部123dは、言語特定部123eにより特定された言語を処理可能か否かの判断を、次のようにして行なう。
【0228】
適性判断部123dは、
図8に示すサポート言語テーブル441から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに対応するサービスURLを含むサポート言語情報を読み出す。次に、適性判断部123dは、読み出したサポート言語情報からサポート言語を抽出する。次に、適性判断部123dは、抽出したサポート言語の中に、言語特定部123eにより特定された言語が含まれるか否かを判断する。
【0229】
抽出したサポート言語の中に、言語特定部123eにより特定された言語が含まれると判断する場合、適性判断部123dは、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスにおいて、言語特定部123eにより特定された言語を処理可能と判断する。この場合、当該クラウドジョブを実行することに問題はない。
【0230】
一方、抽出したサポート言語の中に、言語特定部123eにより特定された言語が含まれないと判断する場合、適性判断部123dは、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスにおいて、言語特定部123eにより特定された言語を処理不可能と判断する。この場合、実行制御部123aは、サポート言語テーブル441から、言語特定部123eにより特定された言語をサポート言語として含むサポート言語情報を抽出する。次に、実行制御部123aは、抽出したサポート言語情報に含まれるサービスURLを、代替サービスとして、選択する。
【0231】
次に、実行制御部123aは、サポート言語テーブル441から抽出して選択したサービスURLを、操作パネル169に対して出力し、選択したサービスURLを、代替サービスとして、提示させる。
【0232】
(e)代替サービスの受付け及び置換
実行制御部123aは、操作パネル169から、代替サービスに切り替えるか否かの指示を受け取る。
【0233】
代替サービスに切り替える指示を受け取る場合、置換部123fは、ワークフロー内のクラウドジョブに含まれるクラウドサービスを、切り替えを受け付けた代替サービスに置換する。
【0234】
代替サービスに切り替えない指示を受け取る場合、代替サービスへの置換は、行われない。
【0235】
(f)ワークフローの実行
ワークフロー内に含まれるクラウドジョブ毎の(a)~(e)の繰返しが終了すると、実行制御部123aは、置換部123fにより、ワークフロー内のクラウドジョブに含まれるクラウドサービスが、切り替えを受け付けた代替サービスに置換された場合、置換された代替サービスを含むワークフローを実行する。一方、置換部123fにより、代替サービスへの置換がされない場合、実行制御部123aは、代替サービスへの置換がされないワークフローを実行する。
【0236】
1.7 管理装置30
管理装置30は、
図13に示すように、CPU301、ROM302、RAM303、ハードディスク304、ネットワーク通信回路305等から構成されている。
【0237】
RAM303は、CPU301によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0238】
ROM302には、管理装置30が有する機能を実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0239】
CPU301は、ROM302に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0240】
CPU301、ROM302及びRAM303は、主制御部311を構成している。
【0241】
CPU301が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部311は、ハードディスク304及びネットワーク通信回路305等を統一的に制御する。また、CPU301が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部311は、統括制御部312及び入出力部313を構成している。
【0242】
(1)ハードディスク304
ハードディスク304は、
図13に示すように、ワークフローテーブル331を記憶してい。また、ハードディスク304は、ワークフロー341、・・・を記憶するための領域を備えている。
【0243】
ワークフロー341、・・・は、MFP10a1等から受信したワークフローである。
【0244】
ワークフローテーブル331は、
図13に示すように、複数のワークフロー情報332を記憶するための領域を備えている。
【0245】
各ワークフロー情報332は、各MFPから受信したワークフローに対応している。
【0246】
各ワークフロー情報332は、ワークフローID333、利用者ID334及び領域ID335を含んでいる。
【0247】
ワークフローID333は、ワークフローを識別する識別情報である。
【0248】
利用者ID334は、当該ワークフローの生成及び使用に係る利用者を識別する識別情報である。
【0249】
領域ID335は、当該ワークフローを生成した装置が配された領域を識別する識別情報である。
【0250】
(2)ネットワーク通信回路305
ネットワーク通信回路305は、ネットワーク4を介して、外部の装置に接続されている。ネットワーク通信回路305は、ネットワーク4を介して、外部の装置との間で、情報の送受信を行う。
【0251】
ネットワーク通信回路305は、例えば、MFP10a1から、領域ID、利用者ID及びワークフローを受信する。領域ID、利用者ID及びワークフローを受信すると、ネットワーク通信回路305は、受信した領域ID、利用者ID及びワークフローを統括制御部312に対して、出力する。
【0252】
また、ネットワーク通信回路305は、例えば、MFP10a1から、ワークフローの要求及び利用者IDを受信する。ワークフローの要求及び利用者IDを受信すると、ネットワーク通信回路305は、ワークフローの要求及び利用者IDを統括制御部312に対して、出力する。
【0253】
さらに、ネットワーク通信回路305は、統括制御部312から、例えば、MFP10a1を宛先とするワークフロー及び領域IDを受け取る。MFP10a1を宛先とするワークフロー及び領域IDを受け取ると、ネットワーク通信回路305は、MFP10a1を宛先として、ワークフロー及び領域IDをネットワーク4に送信する。MFP10a1を宛先とするワークフロー及び領域IDは、ネットワーク4、ネットワーク1aを介して、MFP10a1に送信される。
【0254】
(3)統括制御部312
統括制御部312は、ハードディスク304及びネットワーク通信回路305を統一的に制御する。また、統括制御部312は、入出力部313を制御する。
【0255】
統括制御部312は、ネットワーク通信回路305から、例えば、MFP10a1からの領域ID、利用者ID及びワークフローを受信する。また、統括制御部312は、ネットワーク通信回路305から、例えば、MFP10a1からのワークフローの要求及び利用者IDを受信する。
【0256】
領域ID、利用者ID及びワークフローを受信すると、統括制御部312は、受信したワークフローを識別するワークフローIDを生成する。次に、統括制御部312は、入出力部313に対して、受信したワークフローを、生成したワークフローIDをファイル名として、ハードディスク304に書き込むように、制御する。また、統括制御部312は、入出力部313に対して、生成したワークフローID、受信した利用者ID及び領域IDからなるワークフロー情報を、ワークフローテーブル331に追加的に書き込むように、制御する。
【0257】
また、MFP10a1からのワークフローの要求及び利用者IDを受信すると、統括制御部312は、入出力部313に対して、要求されたワークフローを読み出すように、制御する。また、統括制御部312は、入出力部313に対して、受信した利用者IDを含むワークフロー情報を、ワークフローテーブル331から読み出すように、制御する。続いて、統括制御部312は、読み出されたワークフロー情報から領域IDを抽出する。次に、統括制御部312は、読み出したワークフロー及び抽出した領域IDを、MFP10a1を宛先として送信するように、ネットワーク通信回路305に対して、出力する。
【0258】
(4)入出力部313
入出力部313は、統括制御部312の制御により、統括制御部312から受け取ったワークフローをハードディスク304にワークフローを書き込む。また、入出力部313は、統括制御部312の制御により、ハードディスク304からワークフローを読み出し、読み出したワークフローを統括制御部312に対して出力する。
【0259】
また、入出力部313は、統括制御部312の制御により、統括制御部312から受け取ったワークフロー情報を、ワークフローテーブル331に、追加的に書き込む。
【0260】
また、入出力部313は、統括制御部312の制御により、ワークフローテーブル331から、ワークフロー情報を読み出し、読み出したワークフロー情報を統括制御部312に対して出力する。
【0261】
1.8 サーバー装置20a1
ここでは、サーバー装置20a1~20a3、20b1~20b3、20c1~20c3を代表して、サーバー装置20a1について、説明する。なお、サーバー装置20a2、20a3、20b1~20b3、20c1~20c3については、サーバー装置20a1と同様の構成を有しているので、その説明を省略する。
【0262】
サーバー装置20a1は、
図14に示すように、CPU201、ROM202、RAM203、ハードディスク204、ネットワーク通信回路205等から構成されている。
【0263】
RAM203は、CPU201によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0264】
ROM202には、サーバー装置20a1が有する機能を実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0265】
CPU201は、ROM202に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0266】
CPU201、ROM202及びRAM203は、主制御部211を構成している。
【0267】
CPU201が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部211は、ハードディスク204及びネットワーク通信回路205等を統一的に制御する。また、CPU201が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部211は、統括制御部212、翻訳処理部213、OCR処理部214、・・・を構成している。
【0268】
(1)ハードディスク204
ハードディスク204は、主制御部211による作業領域として用いられる。また、翻訳処理部213、OCR処理部214、・・・等による生成物の保管領域として、用いられる。
【0269】
(2)ネットワーク通信回路205
ネットワーク通信回路205は、外部の装置との間で、情報の送受信を行う。
【0270】
(3)主制御部211
主制御部211は、上述したように、統括制御部212、翻訳処理部213、OCR処理部214、・・・から構成されている。
【0271】
ここで、主制御部211は、翻訳処理部213を含まないとしてもよいし、OCR処理部214を含まないとしてもよい。また、主制御部311は、翻訳、OCR等以外のサービスを実行するサービス処理部を含むとしてもよい。
【0272】
統括制御部212は、ハードディスク204、ネットワーク通信回路205、翻訳処理部213、OCR処理部214等を統一的に制御する。
【0273】
翻訳処理部213は、外部の装置から、ネットワーク通信回路205を介して、受信したデータ(文字情報)を、例えば、日本語から英語、フランス語、ドイツ語又は中国語等に翻訳し、例えば、英語から、日本語、フランス語、ドイツ語又は中国語等に翻訳する機能を有する。翻訳処理部213は、翻訳結果を、ネットワーク通信回路205を介して、外部の装置に対して、送信する。
【0274】
OCR処理部214は、外部の装置から、ネットワーク通信回路205を介して、受信した画像データが表す画像から、文字を認識して、文字を抽出する。OCR処理部214は、抽出した文字列を、ネットワーク通信回路205を介して、外部の装置に対して、送信する。
【0275】
1.9 各装置における動作
ここでは、各装置における動作について、説明する。
【0276】
(1)MFP10a1における動作
MFP10a1における動作について、
図15に示すフローチャートを用いて説明する。
【0277】
操作パネル169は、操作者の入力を受け付ける。統括制御部121は、操作パネル169から、入出力回路108を介して、入力を受信する(ステップS101)。
【0278】
統括制御部121は、受信した入力が、初期設定、コピー、ワークフロー作成、ワークフロー実行及びその他である場合、それぞれ、統括制御部121は、初期設定の処理、コピーの処理、ワークフロー作成の処理、ワークフロー実行及びその他の処理を実行するように、制御する。
【0279】
具体的には、受信した入力が初期設定である場合(ステップS102で「初期設定」)、統括制御部121は、画面501において、設定された領域に対応する領域IDを記憶デバイス110に書き込むことにより、領域IDを設定する(ステップS103)。次に、統括制御部121は、制御をステップS101に移し、処理を繰り返す。
【0280】
受信した入力がコピーである場合(ステップS102で「コピー」)、統括制御部121は、スキャナー制御回路107及びプリンター制御回路109を制御して、コピーを実行する(ステップS104)。次に、統括制御部121は、制御をステップS101に移し、処理を繰り返す。
【0281】
受信した入力がワークフロー作成である場合(ステップS102で「ワークフロー作成」)、統括制御部121は、ワークフロー作成を実行するように、ワークフロー作成処理部122を制御する(ステップS105)。次に、統括制御部121は、制御をステップS101に移し、処理を繰り返す。
【0282】
受信した入力がワークフロー実行である場合(ステップS102で「ワークフロー実行」)、統括制御部121は、ワークフローを実行するように、ワークフロー実行処理部123を制御する(ステップS106)。次に、統括制御部121は、制御をステップS101に移し、処理を繰り返す。
【0283】
受信した入力がその他である場合(ステップS102で「その他」)、統括制御部121は、その他の処理を実行するように、制御する(ステップS107)。次に、統括制御部121は、制御をステップS101に移し、処理を繰り返す。
【0284】
以上により、MFP10a1の全体の動作についての説明を終了する。
【0285】
なお、MFP10a2、10a3、10b1~10b3、10c1~10c3においても、MFP10a1と同様に動作する。
【0286】
(2)ワークフローの作成処理の動作
MFP10a1及び管理装置30におけるワークフローの作成処理の動作について、
図16に示すフローチャートを用いて説明する。
【0287】
ワークフロー作成処理部122は、利用者に対してログインを要求し、利用者のログインにより、利用者を識別する利用者IDを取得する(ステップS151)。
【0288】
ワークフロー作成処理部122は、ジョブのリストとして、画面511を表示する(ステップS152)。
【0289】
ワークフロー作成処理部122は、画面511により、利用者から、ジョブの選択を受け付け(ステップS153)、さらに、画面521、画面531等により、利用者から、ジョブの詳細を受け付ける(ステップS154)。次に、ワークフロー作成処理部122は、コマンド名及びジョブの詳細を記憶する(ステップS155)。
【0290】
ワークフロー作成処理部122は、ジョブの選択が終了したか否かを判断する(ステップS156)。ジョブの選択が終了していない場合(ステップS156で「NO」)、ワークフロー作成処理部122は、制御をステップS153に移して、利用者からの、ジョブの選択及び詳細の受付けを繰り返す。
【0291】
ジョブの選択が終了すると場合(ステップS156で「YES」)、ワークフロー作成処理部122は、受け付けたジョブを含むワークフローを生成する(ステップS157)。
【0292】
ワークフロー作成処理部122は、記憶デバイス110から、領域IDを読み出す(ステップS158)。
【0293】
次に、ワークフロー作成処理部122は、利用者ID、領域ID及びワークフローを、ネットワーク通信回路106により、ネットワーク1a及びネットワーク4を介して、管理装置30へ送信する(ステップS159)。管理装置30の統括制御部312は、ネットワーク通信回路305から、MFP10a1からの領域ID、利用者ID及びワークフローを受信する(ステップS159)。
【0294】
次に、統括制御部312は、入出力部313に対して、受信したワークフローを、生成したワークフローIDをファイル名として、ハードディスク304に書き込むように、制御する(ステップS160)。また、統括制御部312は、入出力部313に対して、生成したワークフローID、受信した利用者ID及び領域IDからなるワークフロー情報を、ワークフローテーブル331に追加的に書き込むように、制御する(ステップS161)。
【0295】
これにより、ワークフローの作成処理が終了する。
【0296】
なお、MFP10a2、10a3、10b1~10b3、10c1~10c3においても、MFP10a1と同様に動作する。
【0297】
(3)ワークフローの実行の動作
MFP10a1及び管理装置30におけるワークフローの実行の動作について、
図17及び
図18に示すフローチャートを用いて、説明する。
【0298】
実行制御部123aは、利用者に対してログインを要求し、利用者のログインにより、利用者を識別する利用者IDを取得する(ステップS201)。
【0299】
利用者IDを取得すると、実行制御部123aは、利用者ID及びワークフローの要求を、ネットワーク通信回路106により、ネットワーク1a及びネットワーク4を介して、管理装置30へ送信する(ステップS202)。管理装置30は、MFP10a1から、ワークフローの要求及び利用者IDを受信する(ステップS202)。
【0300】
管理装置30の統括制御部312は、入出力部313により、要求されたワークフローを読み出し、また、統括制御部312は、入出力部313により、ワークフローテーブル331から、受信した利用者IDに対応する領域IDを読み出す(ステップS203)。次に、統括制御部312は、読み出したワークフロー及び領域IDを、MFP10a1を宛先として送信するように、ネットワーク通信回路305に対して、出力する(ステップS204)。
【0301】
実行制御部123aは、管理装置30から、ネットワーク4、ネットワーク1a及びネットワーク通信回路106を介して、ワークフロー及び領域IDを受信する(ステップS204)。
【0302】
実行制御部123aは、操作パネル169により、ワークフロー一覧を表示する(ステップS205)。
【0303】
実行制御部123aは、操作パネル169から、利用者の操作により、ワークフロー一覧から、一つのワークフローの選択及び実行を受け付ける(ステップS206)。
【0304】
次に、実行制御部123aは、記憶デバイス110に記憶されている領域IDを読み出す(ステップS207)。
【0305】
サービス判断部123cは、指定されたワークフロー内に含まれる、ジョブをチェックし(ステップS208)、クラウドサービスを依頼するクラウドジョブが含まれるか否かを判断する(ステップS209)。
【0306】
クラウドサービスを依頼するクラウドジョブが含まれると判断される場合(ステップS209で「YES」)、領域判断部123bは、管理装置30から受信した領域IDと、記憶デバイス110から読み出した領域IDとが一致するか否かを判断する(ステップS210)。
【0307】
ワークフロー内に、クラウドジョブが含まれないと判断される場合(ステップS209で「NO」)、又は、管理装置30から受信した領域IDと、記憶デバイス110から読み出した領域IDとが一致すると判断される場合(ステップS210で「一致」)、実行制御部123aは、ワークフローに含まれるジョブをその順序に従って、実行する(ステップS211)。ワークフロー内の全てのジョブの実行が終了すると、ワークフロー実行処理部123における処理は、終了する。
【0308】
一方、ワークフロー内に、クラウドジョブが含まれると判断され(ステップS209で「YES」)、かつ、管理装置30から受信した領域IDと、記憶デバイス110から読み出した領域IDとが一致しないと判断される場合(ステップS210で「不一致」)、実行制御部123aは、ワークフロー内に含まれるクラウドジョブ毎に、次のステップS232~S243を繰り返す(ステップS231~S244)。
【0309】
次に、ステップS232~S243の各々について、説明する。
【0310】
適性判断部123dは、MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続が可能か否かを判断する(ステップS232)。
【0311】
MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続が不可能であると判断される場合(ステップS232で「NO」)、実行制御部123aは、提供が可能なサービスを、代替サービスとして、提示する(ステップS233)。
【0312】
適性判断部123dは、MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続する場合、クラウドサービスを利用する際の利用料が最も安いか否かを判断する(ステップS234)。最も安くないと判断される場合(ステップS234で「NO」)、実行制御部123aは、最も安い代替サービスを提示させる(ステップS235)。
【0313】
適性判断部123dは、MFP10a1が配されている領域から、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスに接続する場合、アクセスの通信速度が最も高いか否かを判断する(ステップS236)。最も高くないと判断される場合(ステップS236で「NO」)、実行制御部123aは、アクセスの通信速度が最も高い代替サービスを提示させる(ステップS237)。
【0314】
次に、サービス判断部123cは、ワークフロー内のクラウドジョブが依頼するクラウドサービスがデータの言語処理を含むか否かを判断する(ステップS238)。
【0315】
サービス判断部123cにより、ワークフロー内のクラウドジョブが依頼するクラウドサービスがデータの言語処理を含むと判断される場合(ステップS238で「YES」)、言語特定部123eは、ワークフロー内に含まれ、クラウドサービスを依頼するクラウドジョブにおいて、処理対象となるデータ内に含まれる言語を特定する(ステップS239)。適性判断部123dは、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスにおいて、言語特定部123eにより特定された言語を処理可能か否かを判断する(ステップS240)。
【0316】
適性判断部123dが、当該クラウドジョブが依頼するクラウドサービスにおいて、言語特定部123eにより特定された言語を処理不可能と判断する場合(ステップS240で「NO」)、実行制御部123aは、特定された言語を処理可能な代替サービスを提示する(ステップS241)。
【0317】
実行制御部123aは、操作パネル169から、代替サービスに切り替えるか否かの指示を受け取る。代替サービスに切り替える指示を受け取る場合(ステップS242で「YES」)、置換部123fは、ワークフロー内のクラウドジョブに含まれるクラウドサービスを、切り替えを受け付けた代替サービスに置換する(ステップS243)。
【0318】
代替サービスに切り替えない指示を受け取る場合(ステップS242で「NO」)、代替サービスへの置換は、行われない。
【0319】
ワークフロー内に含まれるクラウドジョブ毎のステップS232~S243の繰返しが終了すると、実行制御部123aは、代替サービスに置換されたワークフロー、又は、代替サービスへの置換がされないワークフローを実行する(ステップS245)。
【0320】
これにより、ワークフローの実行が終了する。
【0321】
なお、MFP10a2、10a3、10b1~10b3、10c1~10c3においても、MFP10a1と同様に動作する。
【0322】
1.10 その他の実施例
上記の実施の形態においては、ネットワーク1aに配されているMFP10a1は、
図16に示す手順に従って、ワークフローを生成し、生成したワークフローを管理装置30に送信し、MFP10a1は、
図17及び
図18に示す手順に従って、ワークフローを実行している。
【0323】
(1)ここで、ネットワーク1aに配されているMFP10a1は、
図16に示す手順に従って、ワークフローを生成し、生成したワークフローを管理装置30に送信し、ネットワーク1bに配されているMFP10b1は、
図17及び
図18に示す手順に従って、管理装置30からワークフローを取得し、実行してもよい。
【0324】
(2)また、ネットワーク1bに配されているMFP10b1は、
図16に示す手順に従って、ワークフローを生成し、生成したワークフローを管理装置30に送信し、ネットワーク1cに配されているMFP10c1は、
図17及び
図18に示す手順に従って、管理装置30からワークフローを取得し、実行してもよい。
【0325】
(3)また、ネットワーク1cに配されているMFP10c1は、
図16に示す手順に従って、ワークフローを生成し、生成したワークフローを管理装置30に送信し、ネットワーク1aに配されているMFP10a1は、
図17及び
図18に示す手順に従って、管理装置30からワークフローを取得し、実行してもよい。
【0326】
1.11 まとめ
上記の態様によると、実行対象であるワークフロー内に、クラウドサービスを依頼するクラウドジョブが含まれ、当該ワークフローを作成した装置が配されたネットワーク上の第一領域と、ワークフローを実行するMFPが配されたネットワーク上の第二領域とが一致せず、第二領域におけるクラウドサービスの実施が適切でないと判断される場合、クラウドサービスを代替するサービスが提示される。このため、第一領域と第二領域とが異なる場合であっても、第二領域において、適切なサービスを提供することができるという効果を奏する。
【0327】
2 その他の変形例
本開示の態様について、上記の実施の形態に基づいて説明しているが、上記の実施の形態に限定されない。以下に示すようにしてもよい。
【0328】
(1)上記の実施の形態において、通信システム5は、スキャナー、プリンター及びコピー機の機能を有するタンデム型のカラー複合機であるMFP(情報処理装置)を含む、としている。
【0329】
しかし、これには、限定されない。
【0330】
通信システム5は、MFPに代えて、又は、MFPと共に、外部からプリントジョブを受信し、プリントジョブを実行するプリンター(情報処理装置)を含むとしてもよい。また、MFPに代えて、又は、MFPと共に、原稿を読み取り、画像データを生成し、生成した画像データを外部の装置へ送信するスキャナー(情報処理装置)を含むとしてもよい。
【0331】
また、通信システム5は、MFPに代えて、又は、MFPと共に、コンピューターシステム(情報処理装置)を含むとしてもよい。コンピューターシステムは、典型的には、パーソナルコンピューターである。コンピューターシステムは、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、マウス、キーボード、ディスプレィ、通信回路等を含む。ROM、RAM又はハードディスクに記憶されているコンピュータープログラムに従って、CPUが動作することにより、コンピューターシステムは、その機能を果たす。
【0332】
上記のMFP、プリンター、スキャナー、又は、コンピューターシステムは、相互に関係する複数のジョブからなるワークフローの実行を制御する。複数のジョブの中には、サーバー装置に対してサービスを依頼するジョブが含まれる。
【0333】
(2)上記の実施の形態においては、
図17に示すように、ステップS209において、サービス判断部123cは、クラウドサービスを依頼するクラウドジョブが含まれるか否かを判断し、クラウドサービスを依頼するクラウドジョブが含まれると判断される場合、ステップS210において、領域判断部123bは、管理装置30から受信した領域IDと、記憶デバイス110から読み出した領域IDとが一致するか否かを判断する。
【0334】
しかし、ステップS209及びステップS210の判断の順序は、これには、限定されない。
【0335】
ステップS210の判断をした後に、ステップS209の判断をしてもよい。
【0336】
つまり、領域判断部123bは、管理装置30から受信した領域IDと、記憶デバイス110から読み出した領域IDとが一致するか否かを判断する。次に、受信した領域IDと読み出した領域IDとが一致しない場合に、サービス判断部123cは、ワークフロー内に、クラウドサービスを依頼するクラウドジョブが含まれるか否かを判断してもよい。
【0337】
(3)上記の実施の形態においては、ワークフロー実行処理部123の実行制御部123aは、ワークフロー内に含まれるクラウドジョブ毎に、以下の判断項目(a)~(d)を繰り返す。
【0338】
(a)クラウドサービスに接続が可能か否かの判断
(b)領域における利用料の判断
(c)領域における通信速度の判断
(d)言語処理を伴う場合の判断
しかし、これには限定されない。
【0339】
実行制御部123aは、ワークフロー内に含まれるクラウドジョブ毎に、判断項目(a)~(e)の少なくとも一つの判断項目を繰り返し実行してもよい。
【0340】
また、
図18に示すフローチャートによると、実行制御部123aは、判断項目(a)~(d)をこの順序に従って実行する。しかし、これには限定されない。
【0341】
実行制御部123aは、判断項目(a)~(d)から、少なくとも一つの判断項目を選択し、選択した判断項目を任意の順序に並べ、その順序に従って、判断項目を実行してもよい。
【0342】
(4)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0343】
本開示に係る情報処理装置は、ワークフローを作成した装置が配されたネットワーク上の第一領域と、ワークフローを実行する装置が配されたネットワーク上の第二領域とが異なる場合であっても、第二領域において、適切なサービスを提供することができるという効果を奏する。このため、情報処理装置において、サーバー装置に対してサービスを依頼するジョブを含み、相互に関係する複数のジョブの、一つのワークフローとしての実行を制御する技術として有用である。
【符号の説明】
【0344】
1a、1b、1c、4 ネットワーク
5 通信システム
10a1、10a2、10a3 MFP
10b1、10b2、10b3 MFP
10c1、10c2、10c3 MFP
100 制御回路
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 画像メモリ
105 画像処理回路
106 ネットワーク通信回路
107 スキャナー制御回路
108 入出力回路
109 プリンター制御回路
110 記憶デバイス
120 主制御部
121 統括制御部
122 ワークフロー作成処理部
123 ワークフロー実行処理部
123a 実行制御部
123b 領域判断部
123c サービス判断部
123d 適性判断部
123e 言語特定部
123f 置換部
151 イメージリーダー
152 プリンター
153 給紙部
160Y~160K 作像部
20a1、20a2、20a3 サーバー装置
20b1、20b2、20b3 サーバー装置
20c1、20c2、20c3 サーバー装置
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 ハードディスク
205 ネットワーク通信回路
211 主制御部
212 統括制御部
213 翻訳処理部
214 OCR処理部
30 管理装置
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 ハードディスク
305 ネットワーク通信回路
311 主制御部
312 統括制御部
313 入出力部