(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】加熱調理装置
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240528BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A47J27/00 105B
A47J37/06 366
(21)【出願番号】P 2020086671
(22)【出願日】2020-05-18
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】双和 祥二
(72)【発明者】
【氏名】木内 草真
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-020607(JP,A)
【文献】実開昭53-077444(JP,U)
【文献】特開平07-167425(JP,A)
【文献】特開2013-078535(JP,A)
【文献】特開2002-248053(JP,A)
【文献】特開平06-221564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、
前記加熱手段は、
複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、
前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、
前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、
前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え
、
前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、
前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、
前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、
前記外周側燃焼部と前記内周側燃焼部とは、一方の熱により他方が前記調理容器を加熱しない程度の距離で離間している
ことを特徴とする加熱調理装置。
【請求項2】
調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、
前記加熱手段は、
複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、
前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、
前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、
前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え
、
前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、
前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、
前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、
前記外周側燃焼部及び前記内周側燃焼部は環状に配置されており、前記内周側燃焼部の最も外側の環状列と前記外周側燃焼部の環状列との間隔は、前記内周側燃焼部の環状列間の間隔よりも大きい
ことを特徴とする加熱調理装置。
【請求項3】
調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、
前記加熱手段は、
複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、
前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、
前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、
前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え
、
前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、
前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、
前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、
前記外周側燃焼部の内周側と前記内周側燃焼部の外周側との間に、遮熱壁が設けられている
ことを特徴とする加熱調理装置。
【請求項4】
調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、
前記加熱手段は、
複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、
前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、
前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、
前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え
、
前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、
前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、
前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、
前記調理容器が上方から前記加熱室内に収容され、前記加熱室の周縁に前記調理容器を上下方向にガイドするローラが取り付けられている
ことを特徴とする加熱調理装置。
【請求項5】
調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、
前記加熱手段は、
複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、
前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、
前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、
前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え
、
前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、
前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、
前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、
前記チャンバは、前記上壁に前記調理容器を支持する支持脚を備えている
ことを特徴とする加熱調理装置。
【請求項6】
前記支持脚は、前記補強リブの上方に位置している
ことを特徴とする
請求項5に記載の加熱調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスを用いた炊飯装置等の加熱調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天然ガスあるいはプロパンガスを燃料とする加熱調理装置が種々知られている。 例えば、特許文献1には、被加熱容器が収納される加熱室と、被加熱容器を加熱する加熱手段とを備え、加熱手段は、燃料ガスと空気との混合ガスが供給される第1室と、第1室に連通する第2室と、第2室に均一に配置され、混合ガスを燃焼させる複数の燃焼部とを有する加熱調理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、炊飯釜の底面の中心部近傍を加熱する位置に配置された内輪バーナと、炊飯釜の底面外周部を加熱する位置に、底面中心部に向かって燃焼するよう横向きに配置された外輪バーナとを備え、内輪バーナの混合ガス室及び外輪バーナの混合ガス室にそれぞれ燃料ガスと空気との混合ガスが供給される炊飯装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5975765号公報
【文献】特開2013-78535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のような加熱調理装置は、調理容器が均一に加熱され、局所加熱による焦げ付きが生じにくいものの、燃焼部を第2室に着脱する際や、加熱手段の上に物を落とすと、第2室の上面が変形する恐れがある。
このように第2室の上面が変形すると、燃焼部の着脱が困難になるだけでなく、突出した燃焼部が調理容器の底面に対して傾いてしまい、不均一になったり熱効率が低下したりする。
【0006】
特許文献2に記載のような炊飯装置は、内輪バーナが上方に向き、外輪バーナが横向きであり、外輪バーナが釜に向かって配置されていないので熱効率が悪い。また、横向きに設置された外輪バーナ及び外輪バーナの混合ガス室が離れていることで装置全体の横幅が広くなり、特に複数台の炊飯装置が並べて配置された業務用のかまどでは非常にかさばって大きなデメリットがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、チャンバの強度が高くて変形しにくく、熱効率が良好であり、構造が簡単でコンパクトな加熱調理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、前記加熱手段は、複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え、前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、前記外周側燃焼部と前記内周側燃焼部とは、一方の熱により他方が前記調理容器を加熱しない程度の距離で離間していることを特徴とする加熱調理装置である。
請求項2に係る発明は、調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、前記加熱手段は、複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え、前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、前記外周側燃焼部及び前記内周側燃焼部は環状に配置されており、前記内周側燃焼部の最も外側の環状列と前記外周側燃焼部の環状列との間隔は、前記内周側燃焼部の環状列間の間隔よりも大きいことを特徴とする加熱調理装置である。
請求項3に係る発明は、調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、前記加熱手段は、複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え、前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、前記外周側燃焼部の内周側と前記内周側燃焼部の外周側との間に、遮熱壁が設けられていることを特徴とする加熱調理装置である。
請求項4に係る発明は、調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、前記加熱手段は、複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え、前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、前記調理容器が上方から前記加熱室内に収容され、前記加熱室の周縁に前記調理容器を上下方向にガイドするローラが取り付けられていることを特徴とする加熱調理装置である。
請求項5に係る発明は、調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、前記加熱手段は、複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備え、前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画しており、前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であり、前記チャンバは、前記上壁に前記調理容器を支持する支持脚を備えていることを特徴とする加熱調理装置である。
請求項6に係る発明は、前記支持脚は、前記補強リブの上方に位置していることを特徴とする請求項5に記載の加熱調理装置である。
また、別発明として、以下のものでもよい。
手段1は、調理容器の少なくとも一部が収納される加熱室と、前記加熱室に収納された前記調理容器を加熱する加熱手段と、を備える加熱調理装置であって、前記加熱手段は、複数の表面燃焼式の燃焼部と、前記燃焼部の下方に設けられ、前記燃焼部に燃料ガスと空気との混合ガスを供給するチャンバと、を有し、前記チャンバは、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上端に架設され、複数の貫通孔が形成された上壁とを有し、前記燃焼部は、前記上壁の上面に、前記貫通孔のそれぞれに対応して、前記調理容器の底面に向けて着脱可能に取り付けられ、前記チャンバは、前記上壁と前記底壁とに接続されて前記上壁が変形するのを防止する補強リブを備えていることを特徴とする加熱調理装置である。
【0009】
手段2は、前記燃焼部は、前記調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、前記外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部と、を有し、前記補強リブは、前記チャンバの内部を前記外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、前記内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画していることを特徴とする手段1に記載の加熱調理装置である。
【0010】
手段3は、前記外周側チャンバ及び内周側チャンバに、前記混合ガスを供給する供給路がそれぞれ接続され、前記供給路を介する前記外周側チャンバ及び内周側チャンバへの前記混合ガスの供給量が別々に制御可能であることを特徴とする手段2に記載の加熱調理装置である。
【0011】
手段4は、前記外周側燃焼部と前記内周側燃焼部とは、一方の熱により他方が前記調理容器を加熱しない程度の距離で離間していることを特徴とする手段3に記載の加熱調理装置である。
【0012】
手段5は、前記外周側燃焼部及び前記内周側燃焼部は環状に配置されており、前記内周側燃焼部の最も外側の環状列と前記外周側燃焼部の環状列との間隔は、前記内周側燃焼部の環状列間の間隔よりも大きいことを特徴とする手段3に記載の加熱調理装置である。
【0013】
手段6は、前記外周側燃焼部の内周側と前記内周側燃焼部の外周側との間に、遮熱壁が設けられていることを特徴とする手段3に記載の加熱調理装置である。
【0014】
手段7は、前記調理容器が上方から前記加熱室内に収容され、前記加熱室の周縁に前記調理容器を上下方向にガイドするローラが取り付けられていることを特徴とする手段1乃至手段6のうちいずれかに記載の加熱調理装置である。
【0015】
手段8は、前記チャンバは、前記上壁に前記調理容器を支持する支持脚を備えていることを特徴とする手段1乃至手段6のうちいずれかに記載の加熱調理装置である。
【0016】
手段9は、前記支持脚は、前記補強リブの上方に位置していることを特徴とする手段8に記載の加熱調理装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、チャンバの底壁と上壁とを接続する補強リブを設けてあるので、上壁に燃焼部を着脱する際や、チャンバ上に物を落とした場合等にチャンバの上壁が変形しにくく、上壁の変形により、燃焼部の着脱が困難になったり、燃焼部が傾いて熱効率が低下するのを防ぐことができ、調理の際の熱によってチャンバが歪むのも防止できる。
また、すべての燃焼部が調理容器の底面に向いているので熱効率が良く、燃焼部を横向きとしたものに比べて横幅が狭くて済み、チャンバ自体も一つで構造も簡単であり、複数並設してもかさばらない。
【0018】
加えて、燃焼部が、調理容器の底面の外周部を下方から加熱する外周側燃焼部と、外周側燃焼部より内周側で前記調理容器の底面を下方から加熱する内周側燃焼部とを有し、補強リブが、チャンバの内部を外周側燃焼部に混合ガスを供給する外周側チャンバと、内周側燃焼部に混合ガスを供給する内周側チャンバとに区画すれば、別々に燃焼部に混合ガスを供給でき、燃焼部が調理容器の底面を均等に加熱するためむらなく調理でき、燃焼部に混合ガスを供給するチャンバの構造も簡単である。
【0019】
加えて、外周側チャンバ及び内周側チャンバに混合ガスを供給する供給路をそれぞれ接続し、供給路を介する外周側チャンバ及び内周側チャンバへの混合ガスの供給量を別々に制御可能とすることにより、簡単な構造で、調理容器の外周側と、これより内周側を加熱する火力に強弱の差を設けることができ、これにより、調理容器内の対流を促進して高品質の調理が可能となり、調理の種類や進行状況に応じて外周側と内周側の火力を最適なバランスに調整できる。
【0020】
加えて、外周側燃焼部と内周側燃焼部とは、一方の熱により他方が調理容器を加熱しない程度の距離で離間させたり、外周側燃焼部の内周側と前記内周側燃焼部の外周側との間に、遮熱壁が設けられているので、一方が燃焼させ他方の燃焼を停止したとしても正確に調理容器を加熱することができる。
【0021】
加えて、外周側燃焼部及び内周側燃焼部は環状に配置されており、内周側燃焼部の最も外側の環状列と外周側燃焼部の環状列との間隔は、内周側燃焼部の環状列間の間隔よりも大きいので、比較的交換することも多い外周側燃焼部の交換作業性を向上させている。
【0022】
加えて、調理容器が上方から加熱室内に収容される場合、加熱室の周縁に調理容器を上下方向にガイドするローラを取り付けると、調理容器の着脱が容易となる。
【0023】
加えて、チャンバの上壁に、調理容器の底面を支持する支持脚を備えているので、大きさの異なる調理容器を用いることができ、調理容器の重量が支持脚を介してチャンバの上壁に加わっても、補強リブで補強されたチャンバは変形しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1の実施形態を示す加熱調理装置の縦断面図である。
【
図2】第1の実施形態を示す加熱調理装置の平断面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る燃焼部の斜視図である。
【
図4】第1の実施形態を示す加熱調理装置の要部拡大断面図である。
【
図5】第2の実施形態を示す加熱調理装置の縦断面図である。
【
図6】第2の実施形態を示す加熱調理装置の平断面図である。
【
図7】第3の実施形態を示す加熱調理装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面を参照する等して詳細に説明する。なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0026】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を
図1乃至
図4に基づいて説明する。
図1は、加熱調理装置の縦断面図、
図2は、加熱調理装置の平断面図、
図3は、燃焼部の斜視図、
図4は、加熱調理装置の要部拡大断面図である。
【0027】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の加熱調理装置1は、加熱調理容器である炊飯釜2を収納可能な加熱室3と、加熱室3に収納された炊飯釜2を加熱する加熱手段4とを備える。
炊飯釜2は、上面が開口した平面円形の釜本体20と、釜本体20の上面を閉鎖可能な蓋21とからなり、釜本体20の外周囲に沿って鍔片22が張り出している。
【0028】
加熱室3は上方に開口した平面円形の凹部であり、加熱室3の外周面は断熱材30で被覆されている。
加熱室3の直径は、釜本体20の直径よりも大きく、鍔片22の直径よりも小さい。したがって、加熱室3には、炊飯釜2の鍔片22よりも下の部分を上方から収容することができる。
【0029】
加熱室3の上部の周縁には、炊飯釜2を上下方向にガイドするローラ34が設けられている。具体的には、加熱室3の上部の周縁に、その中心に向かって張り出し片31が形成され、張り出し片31の先端に支持壁32が上下方向に設けられる。支持壁32の上端には、複数の空気抜き用の切り欠き33が形成されている。
支持壁32の下部にはローラ34が取り付けられる。ローラ34は、加熱室3の接線方向に沿う軸を中心として回転可能であり、炊飯釜2を加熱室3に出し入れする際に上下方向にガイドするようになっている。
炊飯釜2を加熱室3に収容すると、支持壁32の上端が鍔片22の下面に当たって炊飯釜2を支持する。支持壁32の上端には切り欠き33が形成されているので、炊飯釜2が収容された加熱室3と、加熱室3の外部とは切り欠き33を介して連通されることになる。
【0030】
加熱手段4は、複数の表面燃焼式の燃焼部5と、燃焼部5に燃料ガス(都市ガス、プロパンガス等)と空気との混合ガスを供給するチャンバ6とを有する。
【0031】
燃焼部5は、耐熱金属を素材とし、
図3及び
図4に示すように、上下端面が開口した円筒状本体50と、円筒状本体50の上端面に取り付けられた面状燃焼部51と、円筒状本体50の下端外周囲から張り出すフランジ52とを有する。
面状燃焼部51は、金属繊維をニット状に編んだもの等の多孔質材であり、円筒状本体50の上端に溶接等で固定される。
フランジ52には、複数(4個程度)のネジ挿通孔53が周方向に等間隔で形成される。
【0032】
燃焼部5は、
図2に示すように、炊飯釜2の底面外周部を下方から加熱する外周側燃焼部5Aと、外周側燃焼部5Aより内周側で炊飯釜2の底面を下方から加熱する内周側燃焼部5Bとから成る。
本実施形態では、外周側燃焼部5Aは、18個であり、炊飯釜2の底面外周部の直下に位置するよう環状に等間隔で配置される。
内周側燃焼部5Bは、炊飯釜2の底面中心の直下に1個配置され、その外側に6個、さらにその外側に12個がそれぞれ炊飯釜2と同心の環状に等間隔で形成されている。
【0033】
内周側燃焼部5Bの最も外側の環状列と外周側燃焼部5Aの環状列との間隔P1は、内周側燃焼部5Bの環状列間の間隔P2よりも大きくしており、外周側燃焼部5Aと内周側燃焼部5Bの外周側とが、どちらか一方の延焼部が燃焼して他方の燃焼部が燃焼を停止した場合に、一方の燃焼部の延焼部の熱によって他方の延焼部が発火したりするなど一方の燃焼部の熱の影響を受けて他方が炊飯釜2を加熱しない程度の距離としている。
また、外周側燃焼部5Aは比較的交換することも多いため、内周側燃焼部5Bの最も外側の環状列と外周側燃焼部5Aの環状列との間隔P1は、内周側燃焼部5Bの環状列間の間隔P2よりも大きくして、交換作業しやすいように配慮している。
本実施形態では、内周側燃焼部5Bの環状列間の間隔P2は70mm間隔で配置されているが、最も外側の内周側燃焼部5Bと外周側燃焼部5Aとの間隔P1は85mm間隔で配置されている。
【0034】
チャンバ6は、炊飯釜2の釜本体20とほぼ同径の円筒形であり、加熱室3の内部において、加熱室3に収容された炊飯釜2の底面から間隔をあけて下方に設置される。
チャンバ6は、底壁60と、底壁60の周縁から立設けられた側壁61と、側壁61の上端に架設されてチャンバ6の内部空間全体を覆う上壁62とを有する。
【0035】
上壁62の燃焼部5を設置する位置には貫通孔63が形成される。
貫通孔63は、直径が燃焼部5の円筒状本体50の内径より小さい円形である。また、貫通孔63の周囲には、燃焼部5のネジ挿通孔53と対応するネジ孔64が環状に等間隔で形成されている。なお、本実施形態では、ネジ孔64は、上壁62を貫通するように形成されているが、これに限られず有底形状に形成されるようにしても良い。この場合は、混合ガスが漏れにくい。
【0036】
上壁62の上面には、貫通孔63のそれぞれに対応して燃焼部5が着脱可能に取り付けられる。
燃焼部5のフランジ52を上壁62の上面に重ね、ネジ挿通孔53に通したネジ54をネジ孔64にねじ込むことにより、燃焼部5が面状燃焼部51を炊飯釜2の釜本体20の底面に向けてチャンバ6の上面に取り付けられる。面状燃焼部51と炊飯釜2の釜本体20の底面との間隔は30mm程度としている。
【0037】
チャンバ6の内部には、上壁62と底壁60とに接続されて上壁62が変形するのを防止する補強リブ65が設けられる。チャンバ6の底壁60、側壁61、上壁62と補強リブ65は溶接等により一体に形成される。
補強リブ65は、外周側燃焼部5Aの内周側と内周側燃焼部5Bの外周側との間に設けられる。また、補強リブ65は、チャンバ6の周方向に沿って延びて、チャンバ6の内部を外周側燃焼部5Aに混合ガスを供給する外周側チャンバ6Aと、内周側燃焼部5Bに混合ガスを供給する内周側チャンバ6Bとに区画している。
【0038】
外周側チャンバ6A及び内周側チャンバ6Bには、それぞれ燃料ガス(都市ガスあるいはプロパンガス)と空気との混合ガスを供給する供給路7A,7Bが底壁60を介して接続されている。また、供給路7A,7Bを通した外周側チャンバ6A及び内周側チャンバ6Bへの混合ガスの供給量は別々に制御可能となっている。すなわち、図示しないが、供給路7A,7Bは、燃料ガス供給管及び空気供給管が接続された混合ガス供給管から分岐しており、各供給路7A,7Bには、混合ガス供給量を調整する流量調節装置(オリフィスあるいはバルブ)が設けられている。混合ガスの流量調節は、手動で行ってもよいし、流量調節装置が接続された制御装置によって行ってもよい。
【0039】
なお、図示しないが、チャンバ6には、炊飯釜2の釜本体20の底面に当接して温度を検知し、炊飯釜2の温度が設定以上になった時に供給路7A,7Bへの混合ガスの供給をする停止する安全装置が設置されている。
また、外周側チャンバ6A及び内周側チャンバ6Bにはそれぞれ不図示の火炎検出装置が設置され、外周側燃焼部5Aの失火と内周側燃焼部5Bの失火を検知している。
【0040】
加熱室3に収容された炊飯釜2に対して加熱調理装置1で炊飯を行なう際には、流量調節装置を開き、供給路7A,7Bを介して外周側チャンバ6A及び内周側チャンバ6Bに混合ガスを供給し、この混合ガスに図示しない点火装置によって点火する。外周側チャンバ6Aと内周側チャンバ6Bへの混合ガスの流量比率は2:1としておく。
すると、燃焼部5の面状燃焼部51からの放射熱で炊飯釜2が加熱され、炊飯が行われる。
【0041】
燃焼部5は炊飯釜2の底面全体をカバーして配置されているので、炊飯釜2の底面は満遍なく加熱され、むらのない炊飯が行われる。また、外周側チャンバ6Aと内周側チャンバ6Bへの混合ガス供給量が異なるので、すなわち、外周側燃焼部5Aと内周側燃焼部5Bの火力が異なるので、炊飯釜2内の対流が促進され、高品質の米飯が得られる。
【0042】
なお、炊飯の進行状況によって変化する炊飯釜2内の水量等に応じて、外周側チャンバ6Aと内周側チャンバ6Bへの混合ガスの流量比率は適宜変更する。
調理の進行状況により、外周側燃焼部5A及び内周側燃焼部5Bのいずれか一方のみを燃焼させ、混合ガスの供給を停止して他方の燃焼を停止させることがあるが、外周側燃焼部5Aと内周側燃焼部5Bとは十分な距離を持って配置されているので、一方の熱で他方が(チャンバ6内に残った混合ガスを燃料として)発火するなどして他方が炊飯釜2を加熱しない。
【0043】
燃焼部5は、製造時の取り付けの際や、長期間使用により交換する際に、燃焼部5を固定するネジ54を着脱などのときに、チャンバ6の上壁62に外力が加わるが、補強リブ65が設けられているので上壁62の変形を防ぐことができる。
また、補強リブ65を設けたことにより、調理の際などに物を上壁62に落下させたりしても上壁62が変形するのを防止できる。また、上壁62をはじめ比較的薄い板厚にしても調理の際の熱でチャンバ6が歪むのを防止できる。
【0044】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を
図5及び
図6と共に説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0045】
第2の実施形態では、チャンバ6の上壁62の上面において、外周側燃焼部5Aの内周側と内周側燃焼部5Bの外周側との間で補強リブ65の上方に、チャンバ6の周方向に沿って遮熱壁8が立設される。遮熱壁8は、内周側燃焼部5Bから加熱室3の外部への排気を妨げないように、遮熱壁8と炊飯釜2の底面との間、遮熱壁8間に隙間をあけて、外周側燃焼部5Aと内周側燃焼部5Bとの間に位置して配置される。
本実施形態によれば、外周側燃焼部5Aの内周側と内周側燃焼部5Bの外周側との距離を大きくしなくても、一方の熱で他方が発火するのを防止できるようにしても良いが、第1の実施形態と同様の距離としても良い。
【0046】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態を
図7と共に説明する。なお、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0047】
第3の実施形態では、加熱室3の周縁に支持壁32を設けておらず、遮熱壁8の少なくとも3か所を上方へ延ばして、炊飯釜2の釜本体20の底面を支持する支持脚9が形成されている。支持脚9は周方向に等間隔で設けられ、炊飯釜2を安定して支持できるようになっている。
炊飯釜2及びその内容物の重量は、支持脚9を支持するチャンバ6の上壁62に加わるが、上壁62は補強リブ65で補強されているので変形しにくい。
【0048】
また、支持脚9で支持できる大きさであれば、加熱室3の周縁から吊り下げることができない小さい炊飯釜2であっても加熱調理することができる。
この時、外周側チャンバ6Aへの混合ガスの供給を停止して、外周側燃焼部5Aの燃焼を止めることができる。この場合にも、内周側燃焼部5Bの熱は遮熱壁8で遮断されるので、外周側燃焼部5Aが発火することはない
【0049】
[その他の変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、以下のようなものも含まれる。
【0050】
本発明の加熱調理装置は、炊飯装置に限定されず、その他の調理を行なう装置とすることもできる。
また、燃焼部の数や大きさ、燃焼部間の間隔等は、調理の種類、加熱室の大きさ等によって適宜選択可能である。例えば、本実施形態ではP1をP2より大きくしたが、これを同じにしても良い。
【0051】
上記実施形態では、加熱調理装置が一つの加熱室及びチャンバを備えているが、業務用の加熱調理装置では、複数の加熱室を並設し、各加熱室にチャンバを設置して、同時に大量の調理を行なうようにすることも可能である。
この場合、すべての外周側チャンバに接続される供給路を同時に制御し、すべての内周側チャンバに接続される供給路を同時に制御すると、複数の加熱室に収納された調理容器間で調理の品質に差が生じない。
【0052】
上記実施形態では、燃焼部をチャンバの上壁にネジで留め付けているが、混合ガスが漏れないよう着脱可能に取り付ける固定構造であればよく、例えば、チャンバの上壁に形成した貫通孔をネジ孔とし、このネジ孔に燃焼部の下端部に形成した雄ネジ部を螺合することもできる。
【0053】
上記実施形態では、チャンバを外周側チャンバと内周側チャンバに区画してあるが、内周側チャンバをさらに複数の小チャンバに区画し、外周側チャンバ及びすべての小チャンバにそれぞれ供給路を接続してもよい。
このようにすると、調理の種類等に応じて、三つ以上の供給路を介して供給される混合ガスの流量を互いに相違させ、調理容器内の対流パターンを複雑にしてさらに高品質の調理を行なうことができる。
【0054】
第3の実施形態では、遮熱壁の一部を高く延ばして支持脚としているが、チャンバの上壁の上面に載置される着脱可能なフレーム状の支持脚としてもよい。
【0055】
いずれの実施形態における各技術的事項を他の実施形態に適用して実施例としても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 加熱調理装置
2 炊飯釜
20 釜本体
21 蓋
22 鍔片
3 加熱室
30 断熱材
31 張り出し片
32 支持壁
33 切り欠き
34 ローラ
4 加熱手段
5 燃焼部
5A 外周側燃焼部
5B 内周側燃焼部
50 円筒状本体
51 面状燃焼部
52 フランジ
53 ネジ挿通孔
54 ネジ
6 チャンバ
6A 外周側チャンバ
6B 内周側チャンバ
60 底壁
61 側壁
62 上壁
63 貫通孔
64 ネジ孔
65 補強リブ
7A,7B 供給路
8 遮熱壁
9 支持脚