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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】照明灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20240528BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240528BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240528BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240528BHJP
【FI】
F21S8/08 111
F21V19/00 150
F21V23/00 120
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020111701
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2022022599
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】有松 孝之
(72)【発明者】
【氏名】清水 政宏
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-071999(JP,A)
【文献】特開2007-242479(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1527728(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0026738(US,A1)
【文献】国際公開第2013/168253(WO,A1)
【文献】特開平03-216906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 19/00
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源ユニットと、前記光源ユニットが収容される筐体とを有する照明灯であって、
前記光源ユニットは、光源部と、ケーブルが接続される端子台と、前記光源部及び前記端子台を支持する基台とを備え、
前記基台は、前記光源部を支持する基板を備え、
前記筐体は、収容された前記光源ユニットの前記基板を下方から支持する支持面を有する本体部と、前記本体部に取り付けられ、前記基板を係止する係止部とを備え、
前記係止部は、前記基板における前記支持面に支持された周縁部に対し、前記基板の中央に向かうに連れて上方となる傾きで当接した状態で付勢する
照明灯。
【請求項2】
前記係止部は、前記本体部に固定される固定部と、前記固定部から前記基台に向けて延設され、互いに間隔をあけた状態で前記周縁部に当接する一対の板バネ部とを有する
請求項1に記載の照明灯。
【請求項3】
前記本体部は、前記係止部に対して接触することで前記係止部の回転を規制する規制部を有する
請求項1または2に記載の照明灯。
【請求項4】
前記本体部に収容された前記光源ユニットを覆う蓋部を備え、
前記蓋部は、閉塞時において前記基台の一部に当接し、当該基台を前記本体部に向けて押圧している
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明灯。
【請求項5】
前記基台における端子台を支持する部位は、前記本体部に対してネジ止めされている
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明灯。
【請求項6】
前記光源ユニットは、前記基台に支持され、前記光源部及び前記端子台に接続された電源部を有する
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明灯としては、例えば光源にLED(Light Emitting Diode)を用いたLED照明灯が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-153639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、LEDとともに、外部の機器と接続される端子台、または、LED及び端子台を保持する基台等を一体化した光源ユニットを筐体に交換自在に取り付けることで、筐体自体を再利用可能とすることが検討されている。一般的にLEDは、他の光源と比較しても長寿命であるために、現状では、LEDが劣化すると照明灯全体を交換するようになっている。ところが、LED関連技術は技術革新が早く、LEDが劣化する前にもLED及びその周りの機器(光源ユニット)を、新たに開発された光源ユニットに交換する場合が想定される。この観点から、光源ユニットを筐体に容易に交換自在にすることはユーザーにとって有益である。さらに、光源ユニットの放熱対策も求められている。
【0005】
本発明の目的は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、筐体に対する光源ユニットの交換性を高めるとともに、光源ユニットの放熱性も高めることができる照明灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明灯は、光源ユニットと、光源ユニットが収容される筐体とを有する照明灯であって、光源ユニットは、光源部と、ケーブルが接続される端子台と、光源部及び端子台を支持する基台とを備え、筐体は、収容された光源ユニットを下方から支持する支持面を有する本体部と、本体部に取り付けられ、光源ユニットを係止する係止部とを備え、係止部は、基台における支持面に支持された周縁部に対し、基台の中央に向かうに連れて上方となる傾きで当接した状態で付勢する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明灯によれば、筐体に対する光源ユニットの交換性を高めるとともに、光源ユニットの放熱性も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る照明灯を備える照明柱の外観を示す概念図である。
図2図1の照明灯の構成を示す断面図である。
図3図1の照明灯に備わる蓋部を開放させた状態を示す平面図である。
図4図1の照明灯に備わる蓋部を開放させた状態を示す側面図である。
図5図1の照明灯に備わる本体部と光源ユニットとを分解して示す分解斜視図である。
図6】実施の形態に係る規制部及び係止部の概略構成を示す斜視図である。
図7図6の規制部及び係止部を分解して示す分解斜視図である。
図8図6の規制部及び係止部と、基板との係止態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る照明灯について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、同一又は同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0010】
(実施の形態)
[照明灯]
まず、本実施の形態に係る照明灯10を備えた照明柱1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る照明灯10を備えた照明柱1の外観を示す概念図である。
【0011】
図1に示すように、照明柱1は、その最上部に設けられ且つ照明用の光を発する照明灯10と、地面等から立設する支柱2とを備えている。照明灯10は、光源にLED321(Light Emitting Diode:図2参照)を用いて道路を照らすLED照明灯であり、支柱2によって支持されている。また、商用電源等の電力系統に電気的に接続された電力ケーブルが、支柱2内に通されて、照明灯10に電気的に接続されることで、照明灯10に電力が供給される。なお、照明灯10は、支柱2に据え付けられるのではなく、柱以外の構造物に取り付けられるように構成されていてもよい。また、照明灯10の設置場所は、道路(歩道や車道)脇には限定されず、例えば、公園等の広場内、工場の敷地内、ガソリンスタンドのサービスステーション内等、どのような場所にでも設置可能である。
【0012】
次に、照明灯10の構成について詳細に説明する。図2は、図1の照明灯10の構成を示す断面図である。図3は、図1の照明灯10に備わる蓋部60を開放させた状態を示す平面図である。図4は、図1の照明灯10に備わる蓋部60を開放させた状態を示す側面図である。図5は、図1の照明灯10に備わる本体部50と光源ユニット30とを分解して示す分解斜視図である。
【0013】
なお、以下の説明及び図面中において、照明灯10の長手方向をY軸方向と定義する。また、照明灯10の左右方向をX軸方向と定義する。また、照明灯10の厚み方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向側(一方側)を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対側(他方側)を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
【0014】
本実施の形態では、Z軸方向が上下方向に対して傾くように、照明灯10が支柱2に取り付けられている(図1参照)。しかしながら、説明の便宜上、以下の説明においては、Z軸プラス方向を上方と称し、Z軸マイナス方向を下方と称する場合もある。
【0015】
図2図5に示すように、照明灯10は、筐体20と、筐体20に収容される光源ユニット30と、筐体20に取り付けられた防鳥針40とを備えている。
【0016】
[筐体]
筐体20は、上方が開放された本体部50と、本体部50の上方に配置されて、当該本体部50の開放部分を開閉する蓋部60とを備えている。本体部50及び蓋部60のそれぞれの材質は、特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、または亜鉛合金等の高い熱伝導性を有する金属材料から形成されている。
【0017】
本体部50は、上方が開放した略箱状に形成されており、光源ユニット30が収容される。具体的には、本体部50は、X軸方向視においてY軸マイナス方向の端部が厚く、Y軸プラス方向に向かうに連れて先細る形状となっている(図2参照)。また、本体部50は、Z軸方向視において、Y軸マイナス方向の基部が幅狭であり、Y軸方向の略中央部から幅が膨らんだ形状となっている。以降、本体部50において、幅狭な部分(基部)を連結部51と称し、膨らんだ部分(中央部~先端部)を照明部52と称す。連結部51と照明部52との間には、これらを区画する区画壁53が設けられている。区画壁53は、X軸方向に沿って延設されており、その中央部に、上方が開放した切欠部531が形成されている。切欠部531内には、光源ユニット30の一部が収容されている。
【0018】
連結部51は、支柱2に連結される部位である。連結部51には、支柱2が締結される締結部511が設けられている(図3等参照)。締結部511は、略円筒状の部材であり、その内部に支柱2の一部が挿入された状態で、ボルト等で締め付けられることにより、締結部511に支柱2の一部が締結され連結される。
【0019】
連結部51において、X軸マイナス方向の端部の内底面には、Y軸方向に所定の間隔をあけて配置された複数のボス512a、512b、512cが立設されている。各ボス512a、512b、512cの上端面には、雌ネジが形成されている。複数のボス512a、512b、512cのうち、Y軸プラス方向の2つのボス512a、512bは、光源ユニット30を固定するためのものであり、残りのボス512cは、本体部50に収容される他の部材(例えばケーブルなど)を固定するためのものである。
【0020】
照明部52は、光源ユニット30からの光を照射する部位である。照明部52には、区画壁53に連続し、当該区画壁53とともに光源ユニット30を囲む囲壁54が設けられている。
【0021】
照明部52の下面であって、区画壁53及び囲壁54の内方には、光源ユニット30からの光を外部に透過させるための開口55が形成されている。開口55は、Z軸方向視(平面視)略矩形状であり、各角部が湾曲している。開口55は、透光性のカバー56により覆われている。
【0022】
カバー56は、透光性を有する平板状かつZ軸方向視(平面視)略矩形状の部材である。カバー56の各角部は湾曲している。カバー56及び開口55のそれぞれにおいて、一対の辺はY軸方向で対向してX軸方向に沿って延設しており、他の一対の辺はX軸方向で対向してY軸方向に沿って延設している。
【0023】
カバー56は、例えば、ガラスまたは樹脂等によって形成されている。なお、カバー56の形状は平面視略矩形状には限定されず、平面視で円形状、楕円形状、多角形状等でもよい。カバー56は、平板状にも限定されず、半楕円球状、半球状、半円柱状、半楕円柱状等でもよい。カバー56の材質も特に限定されない。
【0024】
照明部52における開口55よりも上方の部位には、光源ユニット30を下方から支持する支持面57が形成されている。支持面57は、開口55の周縁に沿って延設されており、平面状に形成されている。具体的には、支持面57は、開口55においてY軸プラス方向の一辺と、X軸方向で対向する一対の辺とに沿いながら、Z軸方向視において逆C字状に形成されている。なお、支持面57は、開口55の全周にわたって延設されていてもよいし、断続的に延設されていてもよい。また、支持面57は、光源ユニット30に接する部分が面接触するのであれば、全体として連続した平面状に形成されていてもよいし、部分的に平面状に形成されていてもよい。
【0025】
支持面57には、光源ユニット30を係止する係止部80が取り付けられた規制部70が設けられている。具体的には、支持面57においてY軸プラス方向の部位に2つの規制部70がX軸方向に所定の間隔をあけて設けられており、支持面57においてX軸方向で対向する部位のそれぞれに1つの規制部70が設けられている。各規制部70には、一つの係止部80が取り付けられている。
【0026】
このように本実施の形態では、規制部70及び係止部80は4組設けられているが、その組数はこれに限定されない。光源ユニット30を安定して係止するためには規制部70及び係止部80は複数組設けられていればよい。規制部70及び係止部80の詳細については後述する。
【0027】
蓋部60は、本体部50に収容された光源ユニット30を覆う開閉式の蓋体である。蓋部60は、Y軸マイナス方向の端部がヒンジ61を介して本体部50に連結されている。これにより、蓋部60は、ヒンジ61によりY軸マイナス方向の端部を中心に、X軸方向周りに回動する。蓋部60は、下方が開放された箱状に形成されており、閉塞時において蓋部60の下端周縁が全周にわたって本体部50の上端周縁に対して重なり合う。蓋部60の下端周縁と本体部50の上端周縁との間には、密閉性を高めるべく、全周にわたってパッキンが介在していてもよい。
【0028】
蓋部60の上面は、X軸方向視において上方に向かって突出した曲面形状となっている(図2参照)。このため、蓋部60において、Y軸プラス方向の端部の上面は、Y軸プラス方向に向かうに連れて徐々に下方へと向かう傾斜面となっている。
【0029】
蓋部60の内天面には、本体部50の区画壁53に対応する位置に、Z軸マイナス方向に向けて突出した押さえ部62が設けられている。押さえ部62は、X軸方向に延設された板状の部位であり、その下端部(先端部)で光源ユニット30の一部に当接している。
【0030】
蓋部60のY軸プラス方向の端部には、貫通孔64が形成されている。この貫通孔64には、蓋部60を本体部50に固定するための固定ネジ63が挿通されている。
【0031】
[光源ユニット]
光源ユニット30は、図2及び図5に示すように、基台31と、光源部32と、端子台33と、照度センサ34と、電源部35とを一体的に備えている。つまり、光源ユニット30は、基台31と、光源部32と、端子台33と、照度センサ34と、電源部35と、がユニット化(モジュール化)されている。
【0032】
基台31は、光源部32と、端子台33と、照度センサ34と、電源部35とを支持する部位である。基台31は、基板311と、立壁312と、台座313とを備えている。
【0033】
基板311は、光源部32を支持する平板状の基板である。具体的には、基板311は、下面で光源部32を支持している。基板311は、照明部52の開口55を覆う形状に形成されており、その外周縁が照明部52の支持面57により下方から支持されるようになっている。基板311の外周縁において各規制部70に対応する位置には、矩形凹状に切り欠かれた凹部314が形成されている。各凹部314に対して、各規制部70に取り付けられた係止部80が引っかかることで、光源ユニット30を係止するようになっている。凹部314と係止部80との係止形態については後述する。基板311の材質は特に限定されないが、例えばアルミニウム等の金属によって形成されている。
【0034】
立壁312は、基板311と台座313とを連結する部位であり、照度センサ34を支持する部位である。立壁312は、基板311におけるY軸マイナス方向の端部に取り付けられている。立壁312は、基部315と、基部315に対して折り曲げられた立設部316とを備えたX軸方向視でL字状の板金である。基部315は、平板状かつ矩形状の部位であり、基板311と平行な姿勢で、基板311におけるY軸マイナス方向の端部にネジ止めされている。立設部316は、平板状かつ矩形状の部位であり、基部315のY軸マイナス方向の端部からZ軸プラス方向に向けて立設されている。立設部316は、区画壁53の切欠部531内に収容されている。立設部316の上端部は、閉塞時における蓋部60の押さえ部62によって本体部50に向けて押圧されている(図2参照)。これにより、光源ユニット30が本体部50に向けて付勢され、より強固に固定されることになる。
【0035】
台座313は、端子台33を支持する部位である。台座313は、平板状の板金であり、立壁312の上部に取り付けられた状態で、Y軸マイナス方向に延設されている。台座313におけるX軸マイナス方向の端部には、X軸マイナス方向に延びる小片状の第一取付部317が設けられている。また、台座313におけるY軸マイナス方向の端部には、Y軸マイナス方向に延びる小片状の第二取付部318が設けられている。第一取付部317は、本体部50に備わるボス512aにネジ止めされ、第二取付部318は、本体部50に備わるボス512bにネジ止めされている。これにより、光源ユニット30が本体部50に対してより強固に固定されることになる。なお、金属製のネジでネジ止めされる場合、端子台33は当該ネジ及び台座313を介して本体部50に接地(アース)されることになる。
【0036】
光源部32は、基板311の下面に実装された複数のLED321(発光素子)である。複数のLED321は、基板311上でマトリクス上に配列されているが、LED321の個数や配置位置等は特に限定されない。LED321は、SMD(Surface Mount Device)型のLEDであってもよいし、COB(Chip On Board)型のLEDであってもよい。また、本実施の形態では、光源部32は、基板311の下面に取り付けられたレンズ体322で全体的に覆われている。レンズ体322は、透光性を有する樹脂またはガラス等の材料から形成されており、各LED321が発する光を、放射状に拡散するように配光する。なお、レンズ体322は、基板311に設けられていなくてもよい。
【0037】
端子台33は、各種ケーブル(図示省略)が接続される部位である。端子台33には、照明灯10の外部から引き込まれた電力ケーブルや、電源部35に接続されたケーブルなどが接続されている。
【0038】
照度センサ34は、照明灯10周囲環境の照度を検出するセンサである。照度センサ34は、立壁312の基部315上に配置されている。
【0039】
電源部35は、電力ケーブル、端子台33及びケーブルを介して照明灯10の外部から供給された電力を、光源部32に供給する電源回路である。電源部35は、基板311の上面に支持されている。電源部35は、照度センサ34に接続されており、照度センサ34の検出結果に基づいて、光源部32に対する電力供給をON/OFFするようになっている。つまり、電源部35は、照度センサ34の検出結果が所定の閾値以上であるときは、光源部32に対する電力供給をOFFとして消灯状態とし、照度センサ34の検出結果が所定の閾値未満であるときは、光源部32に対する電力供給をONとして点灯状態とする。
【0040】
[防鳥針]
防鳥針40は、蓋部60に接続される基端部41と、基端部41から延設された一対の針部42とを備えた金属部材である。基端部41は、X軸方向に延設された平板状の部位であり、蓋部60のY軸プラス方向の端部に設けられたネジ穴(図示省略)にネジ(図示省略)を螺合することで蓋部60に取り付けられている。蓋部60の閉塞時には基端部41が本体部50と蓋部60とに挟まれている。一対の針部42は、X軸方向に所定の間隔をあけて基端部41から延びている。各針部42は、蓋部60におけるY軸プラス方向の端部から、蓋部60の上面に対向する姿勢で延びている。これにより、蓋部60の上面に止まろうとする鳥を遮ることができる。各針部42は細く長い部位であるために、鳥が各針部42自体に止まりにくい。仮に各針部42上に鳥が止まったとしても、鳥の自重で各針部42が振動するので、鳥の滞在を阻害することができる。
【0041】
[規制部及び係止部]
次に、規制部70及び係止部80について説明する。なお、本実施の形態では、各組の規制部70及び係止部80は全て基本的に同じ構造なので、照明部52においてY軸方向中央部かつX軸マイナス方向に配置された組を例示して説明し、他の組についての説明は省略する。
【0042】
図6は、実施の形態に係る規制部70及び係止部80の概略構成を示す斜視図である。図7は、図6の規制部70及び係止部80を分解して示す分解斜視図である。図8は、図6の規制部70及び係止部80と、基板311との係止態様を示す断面図である。具体的には、図8は、係止部80に備わる一対の板バネ部82の並び方向に直交する切断面を見た断面図である。一対の板バネ部82の並び方向は、Y軸方向に沿う方向であるが平行な方向ではないために、図8では、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の各座標を図示していない。なお、以降の説明では、説明の便宜上、各方向を挙げて説明しているが、厳密にはその対象は各方向に対し沿ってはいるものの平行ではない、つまり、各方向に対してわずかに傾いている。
【0043】
図6図8に示すように、規制部70は、囲壁54の内面及び支持面57から突出した略直方体状の部位である。規制部70の上面は、平面状に形成されており、雌ネジ72が形成されている。規制部70の上面であって囲壁54側の端部には、上方に突出し、Y軸方向に延設されたリブ71が形成されている。規制部70は、基板311の凹部314内に配置されている。
【0044】
係止部80は、基板311の周縁部に当接する板バネである。具体的には、係止部80は、板金を折り曲げることで形成された板バネであり、固定部81と、一対の板バネ部82とを一体的に備えている。
【0045】
固定部81は、規制部70の上面に固定される部位である。固定部81は、Y軸方向に沿うように延設されており、そのY軸方向中央部であって、X軸プラス方向の端部にX軸方向に沿う切欠811が形成されている。切欠811内には、規制部70の雌ネジ72に螺合するネジ90が挿入される。ネジ90が切欠811を介して雌ネジ72に螺合されると、当該ネジ90のネジ頭が固定部81を締結することで、固定部81が規制部70の上面に固定される。固定後においては、固定部81におけるX軸プラス方向の端縁が、規制部70のリブ71に対して線接触されている。このため、規制部70のリブ71によって、ネジ90を中心とした係止部80の回転が規制され、係止部80の姿勢を安定させることができる。
【0046】
一対の板バネ部82は、それぞれ固定部81のX軸マイナス方向の端部から基板311に向けて延設された部位である。一対の板バネ部82は、Y軸方向に所定の間隔をあけて配置されている。一対の板バネ部82のうち、一方の板バネ部82は、固定部81のY軸マイナス方向の端部から延設されており、他方の板バネ部82は、固定部81のY軸プラス方向の端部から延設されている。一対の板バネ部82の間には規制部70が配置されている。
【0047】
一対の板バネ部82のそれぞれは、第一部位821と第二部位822とを有している。各第一部位821は、固定部81から延設されており、Z軸マイナス方向に向かうに連れて規制部70から離れるように傾斜している。各第二部位822は、各第一部位821の先端部から延設されており、Z軸マイナス方向に向かうに連れて規制部70に近づくように傾斜している。つまり、各第二部位822は、基板311(基台31)の中央に向かうに連れて上方となる傾きで傾斜している。各第二部位822の先端部は、基板311の凹部314内に収容された状態で、本体部50の支持面57に当接している。
【0048】
次に、光源ユニット30を本体部50に取り付ける際の係止部80の動作について説明する。
【0049】
図8では、取り付け途中の基板311及び係止部80を破線で示している。例えば作業者によって、光源ユニット30が本体部50の上方から本体部50内に挿入される。このとき、基板311の各凹部314は、各係止部80の一対の板バネ部82に当接する。具体的には、基板311の各凹部314の底部が、各係止部80の各第一部位821に当接する。この状態で、作業者によって基板311が下方へと押されると、各係止部80の各板バネ部82が、各第一部位821の基部を起点に徐々に弾性変形し、規制部70側へと近づく(図8の破線参照)。その後、各凹部314の底部が第一部位821と第二部位822との境界を通過すると、各板バネ部82に対する負荷が解除されるので、元の形状へ復元しようとする。この際、各板バネ部82が元の形状に完全に戻る前に、各凹部314の底部の上面(基板311の周縁部の上面)に当接する(図8の実線参照)。これにより、光源ユニット30の基台31の一部である基板311が係止部80で係止されることとなる。前述したように、この状態では、各板バネ部82は元の形状に完全に戻っておらず、各第二部位822が基板311の上面の周縁部に対し、常に付勢力を付与した状態となっている。一つの係止部80に着目すると、各板バネ部82の第二部位822が基板311の上面の周縁部に対し付勢力を付与しているので、付勢力を分散して基板311に付与することができる。
【0050】
また、各第二部位822は、基板311の中央に向かうに連れて上方となる傾きで傾斜している。このため、各第二部位822から基板311に付勢される付勢力は、基板311の上面に垂直な方向の力(押圧力)と、当該上面に平行な方向の力(規制力)とに分解される。押圧力は、基板311を支持面57に押し付ける力である。規制力は、基板311の位置ズレを規制する力である。押圧力の方が規制力よりも大きければ、基板311を本体部50の支持面57に密着させて両者をより確実に面接触させることができる。これにより、光源ユニット30の熱を本体部50により確実に伝えることができ、光源ユニット30の放熱性を高めることが可能である。
【0051】
具体的には、各第二部位822と基板311の上面とがなす角度αは45度未満とすれば、押圧力を規制力よりも大きくすることが可能である。さらに、押圧力:規制力=8:2となるような角度αまたはそれ未満の角度にすることがより好ましい。
【0052】
その後、作業者は、端子台33の第一取付部317をボス512aにネジ止めし、第二取付部318をボス512bにネジ止めする。これにより、光源ユニット30が本体部50に固定される。
【0053】
また、光源ユニット30の交換時においては、作業者は、まず端子台33の第一取付部317及び第二取付部318からネジを外す。次いで、作業者は、各係止部80の各板バネ部82を弾性変形させて、基板311に対する係止を解除した状態で光源ユニット30を本体部50から取り外す。
【0054】
[効果等]
以上のように、実施の形態に係る照明灯10によれば、係止部80は、基板311における支持面57に支持された周縁部に対し、基板311の中央に向かうに連れて上方となる傾きで当接した状態で付勢する。これにより、係止部80が基板311に付与する付勢力が、基板311の上面に垂直な方向の押圧力と、当該上面に平行な方向の規制力とに分解される。押圧力によって基板311を支持面57に押さえつけることで、当該支持面57に基板311を密着させて両者をより確実に面接触させることができる。これにより、光源ユニット30の熱を本体部50により確実に伝えることができ、光源ユニット30の放熱性を高めることが可能である。一方、規制力によって基板311の位置規制を行えるために、正確な位置に基板311を保持することが可能である。
【0055】
また、係止部80は板バネであるので、当該係止部80を弾性変形させるだけで、容易に光源ユニット30を本体部50(筐体20)に対して着脱することが可能である。
【0056】
このように、実施の形態に係る照明灯10によれば、筐体20に対する光源ユニット30の交換性を高めるとともに、光源ユニット30の放熱性も高めることが可能である。交換性が高められていれば、新たに開発された光源ユニット30を筐体20に対して容易に交換することができ、筐体20の再利用も容易に行うことが可能である。
【0057】
また、係止部80は、互いに間隔をあけた状態で基板311の周縁部に当接する一対の板バネ部82を有している。これにより、各板バネ部82が基板311の上面の周縁部に対し付勢力を付与しているので、付勢力を分散して基板311に付与することができる。したがって、付勢力の集中を抑制することができ、安定して基板311を規制することが可能である。
【0058】
また、規制部70のリブ71が、係止部80の固定部81に対して接触することで係止部80の回転を規制している。このように、係止部80の回転が規制されていれば、係止部80の姿勢が安定化される。これにより、交換時における係止部80の動作も安定化されるので、光源ユニット30の交換性をより高めることができる。さらに、光源ユニット30の取り付け後においては、基板311に安定して付勢力を付与できるので、光源ユニット30の放熱性や、光源ユニット30に対する位置決め性をより高めることも可能である。
【0059】
また、蓋部60の押さえ部62が、蓋部60の閉塞時に基台31の一部(立壁312)に当接し、当該基台31を本体部50に向けて押圧している。これにより、閉塞時においては、光源ユニット30が本体部50に向けて付勢され、より強固に固定されることになる。また、基板311が支持面57により密着するので、光源ユニット30の熱を本体部50により確実に伝えることができる。
【0060】
また、端子台33を支持する台座313が本体部50に対してネジ止めされているので、光源ユニット30は端子台33の近傍においても本体部50に固定される。したがって、光源ユニット30をより安定的に本体部50に固定することが可能である。ネジを着脱することで、台座313に対する規制及びその解除を容易に行うことができ、交換性も維持することが可能である。
【0061】
また、光源ユニット30においては、基板311上に電源部35が支持されている。つまり、電源部35を含めてユニット化された光源ユニット30においても、筐体20に対する光源ユニット30の交換性を高めるとともに、光源ユニット30の放熱性も高めることが可能である。
【0062】
(その他)
以上、本発明の実施の形態に係る照明灯10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0063】
例えば、上記実施の形態では、複数の係止部80の全てが板バネである場合を例示した。しかしながら、複数の係止部のうち、少なくとも1つの係止部が板バネであればよい。例えば、上記実施の形態で例示した複数の係止部80のうち、支持面57においてY軸プラス方向の部位に取り付けられる2つの係止部を、弾性変形しない爪部とする。この態様において、光源ユニット30を本体部50に取り付ける際には、作業者は、基板311のY軸プラス方向の端部の各凹部314を2つの爪部に引っ掛けて、当該各凹部314を中心として基板311を下方に回転させる。これにより、基板311のX軸方向で対向する各凹部314が、X軸方向で対向する各板バネの一対の板バネ部82に当接する。この状態で、作業者によって基板311が下方へと押されると、各板バネの各板バネ部82は、弾性変形して各凹部314を下方へと通過させた後に、元の形状へと復元しようとすることで各凹部314を係止する。この場合においても、各板バネ部82は基板311に対して常に付勢力を付与した状態となっている。また、光源ユニット30を本体部50から取り外す際には、作業者は、各板バネの各板バネ部82を弾性変形させて、基板311に対する係止を解除し、2つの爪部から基板311を引き抜くことで、光源ユニット30を本体部50から取り外す。このように、複数の係止部のうち、少なくとも1つの係止部が板バネであれば、筐体20に対する光源ユニット30の交換性を高めるとともに、光源ユニット30の放熱性も高めることが可能である。
【0064】
また、上記実施の形態では、係止部80が一対の板バネ部82を有している場合を例示したが、一つの係止部における板バネ部の設置個数は、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0065】
また、上記実施の形態では、規制部70のリブ71が係止部80の固定部81の端縁に線接触することで、ネジ90を中心とした係止部80の回転を規制している場合を例示したが、面接触していても係止部80の回転を規制することは可能である。ネジ90を中心とした係止部の回転を規制できるのであれば、係止部と規制部とが接触する箇所は如何様でもよい。例えば、板バネ部の端縁と規制部の側面とが接触することなどが挙げられる。
【0066】
また、上記実施の形態では、蓋部60の押さえ部62が、立壁312に当接することで基台31を本体部50に向けて押さえている場合を例示した。しかしながら、蓋部60は、光源ユニット30のいずれかの部位を押さえていればよいし、押さえていなくてもよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、台座313が本体部50にネジ止めされる場合を例示したが、台座313が係止部によって本体部50に係止されていてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、複数のLED321からなる光源部32を例示して説明したが、LED以外の光源からなる光源部であってもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、係止部80が板バネである場合を例示したが、基板311の周縁部に対して、基板311の中央に向かうに連れて上方となる傾きで当接した状態で付勢するのであれば、如何なる部材を係止部として採用することも可能である。
【0070】
なお、上記実施の形態及びその変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1 照明柱
2 支柱
10 照明灯
20 筐体
30 光源ユニット
31 基台
32 光源部
33 端子台
34 照度センサ
35 電源部
40 防鳥針
41 基端部
42 針部
50 本体部
51 連結部
52 照明部
53 区画壁
54 囲壁
55 開口
56 カバー
57 支持面
60 蓋部
61 ヒンジ
62 押さえ部
63 固定ネジ
64 貫通孔
70 規制部
71 リブ
72 雌ネジ
80 係止部
81 固定部
82 板バネ部
90 ネジ
311 基板
312 立壁
313 台座
314 凹部
315 基部
316 立設部
317 第一取付部
318 第二取付部
321 LED
322 レンズ体
511 締結部
512a、512b、512c ボス
531 切欠部
811 切欠
821 第一部位
822 第二部位
α 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8