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特許7494626集積回路装置、液晶表示装置、電子機器及び移動体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】集積回路装置、液晶表示装置、電子機器及び移動体
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240528BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240528BHJP
   G09G 3/00 20060101ALI20240528BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 680H
G09G3/20 680D
G09G3/00 M
G09G3/00 V
G09G3/00 K
G02F1/133 505
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020128092
(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公開番号】P2022025330
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【弁理士】
【氏名又は名称】西河 宏晃
(74)【代理人】
【識別番号】100187539
【弁理士】
【氏名又は名称】藍原 由和
(72)【発明者】
【氏名】安江 匡
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-190798(JP,A)
【文献】特開昭61-032092(JP,A)
【文献】実開昭56-047589(JP,U)
【文献】実開昭58-185893(JP,U)
【文献】米国特許第05459374(US,A)
【文献】中国特許出願公開第102305976(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドットマトリクス表示の第1駆動波形信号、及びセグメント表示の第2駆動波形信号を出力する駆動回路と、
第1出力端子と、
第2出力端子と、
前記駆動回路を制御する制御回路と、
ドットマトリクス表示用の第1データとセグメント表示用の第2データとが入力される第1セレクターと、
ドットマトリクス表示用の第3データとセグメント表示用の第4データとが入力される第2セレクターと、
を含み、
前記駆動回路は、
前記制御回路により前記第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第1出力端子に出力し、
前記制御回路により前記第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第1出力端子に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第2出力端子に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第2出力端子に出力し、
前記駆動回路は、
前記第1出力端子に接続される第1駆動部と、
前記第2出力端子に接続される第2駆動部と、
を含み、
前記第1セレクターは、
前記制御回路により前記第1出力端子が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1データを選択して前記第1駆動部に出力し、
前記制御回路により前記第1出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2データを選択して前記第1駆動部に出力し、
前記第2セレクターは、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第3データを選択して前記第2駆動部に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第4データを選択して前記第2駆動部に出力することを特徴とする集積回路装置。
【請求項2】
請求項に記載の集積回路装置において、
前記第1セレクターは、
前記制御回路により前記第1出力端子が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、ドットマトリクス表示用の第1クロック信号に基づいて前記第1データを前記第1駆動部に出力し、
前記制御回路により前記第1出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、セグメント表示用の第2クロック信号に基づいて前記第2データを前記第1駆動部に出力し、
前記第2セレクターは、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1クロック信号に基づいて前記第3データを前記第2駆動部に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2クロック信号に基づいて前記第4データを前記第2駆動部に出力することを特徴とする集積回路装置。
【請求項3】
請求項又はに記載の集積回路装置において、
前記第1データと前記第2データを前記第1セレクターに出力し、前記第3データと前記第4データを前記第2セレクターに出力するデータ出力回路を含むことを特徴とする集積回路装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の集積回路装置において、
前記第1出力端子を含み、前記集積回路装置の長辺に配置される第1出力端子群と、
前記第2出力端子を含み、前記集積回路装置の短辺に配置される第2出力端子群と、
を含み、
前記第1出力端子群は、前記制御回路により前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定され、
前記第2出力端子群は、前記制御回路により前記セグメント表示用の出力端子に設定されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項5】
ドットマトリクス表示の第1駆動波形信号、及びセグメント表示の第2駆動波形信号を出力する駆動回路と、
第1出力端子を含む第1出力端子群と、
第2出力端子を含む第2出力端子群と、
前記駆動回路を制御する制御回路と、
を含み、
前記駆動回路は、
前記制御回路により前記第1出力端子群がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第1出力端子群に出力し、
前記制御回路により前記第1出力端子群がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第1出力端子群に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子群が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第2出力端子群に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子群が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第2出力端子群に出力することを特徴とする集積回路装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の集積回路装置において、
複数の電圧を前記駆動回路に供給する電圧供給回路を含み、
前記駆動回路は、
前記複数の電圧のうちドットマトリクス表示用の電圧に基づいて前記第1駆動波形信号を出力し、
前記複数の電圧のうちセグメント表示用の電圧に基づいて前記第2駆動波形信号を出力することを特徴とする集積回路装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の集積回路装置において、
前記制御回路は、
前記第1出力端子を前記ドットマトリクス表示用の出力端子又は前記セグメント表示用の出力端子に設定する情報、及び前記第2出力端子を前記ドットマトリクス表示用の出力端子又は前記セグメント表示用の出力端子に設定する情報を記憶する記憶回路を含むことを特徴とする集積回路装置。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の集積回路装置において、
ドットマトリクス表示のコモン駆動信号を出力する第1コモン駆動回路と、
セグメント表示のコモン駆動信号を出力する第2コモン駆動回路と、
を含み、
前記集積回路装置の長辺方向において、前記第2コモン駆動回路は、前記第1コモン駆動回路と前記駆動回路との間に配置されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の集積回路装置と、
前記集積回路装置により駆動される液晶表示パネルと、
を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
集積回路装置と、
前記集積回路装置により駆動される液晶表示パネルと、
を含み、
前記集積回路装置は、
ドットマトリクス表示の第1駆動波形信号、及びセグメント表示の第2駆動波形信号を出力する駆動回路と、
第1出力端子と、
第2出力端子と、
前記駆動回路を制御する制御回路と、
を含み、
前記駆動回路は、
前記制御回路により前記第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第1出力端子に出力し、
前記制御回路により前記第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第1出力端子に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第2出力端子に出力し、
前記制御回路により前記第2出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第2出力端子に出力し、
前記集積回路装置は、
前記液晶表示パネルの基板に実装され、
前記液晶表示パネルは、
前記第1出力端子に接続され、前記基板上に設けられる第1信号線と、
前記第2出力端子に接続され、前記基板上に設けられる第2信号線と、
を含み、
前記第1信号線と前記第2信号線は、逆方向に配線されることを特徴とする液晶表示装置
【請求項11】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の集積回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の集積回路装置を含むことを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路装置、液晶表示装置、電子機器及び移動体等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、セグメント表示用の表示駆動信号又はドットマトリクス表示用の表示駆動信号を選択信号により選択し、その選択した表示駆動信号を出力端子に出力する表示駆動回路が開示されている。特許文献1には、全ての出力端子がセグメント表示用の表示駆動信号を出力する状態と、全ての出力端子がドットマトリックス表示用の表示駆動信号を出力する状態とが、選択信号により切り替わる構成が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭59-149195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、複数の出力端子の各々に対して、独立してドットマトリクス表示かセグメント表示のいずれを選択できる回路ではなく、そのような示唆もない。表示パネルは様々なデザインが想定され、そのデザインに応じてドットマトリックス表示とセグメント表示の配置は変化する。特許文献1の構成では、ドットマトリクス表示とセグメント表示の一方しか選択できないので、様々なデザインの表示パネルに対応できないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、ドットマトリクス表示の第1駆動波形信号、及びセグメント表示の第2駆動波形信号を出力する駆動回路と、第1出力端子と、第2出力端子と、前記駆動回路を制御する制御回路と、を含み、前記駆動回路は、前記制御回路により前記第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第1出力端子に出力し、前記制御回路により前記第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第1出力端子に出力し、前記制御回路により前記第2出力端子が前記ドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、前記第1駆動波形信号を前記第2出力端子に出力し、前記制御回路により前記第2出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、前記第2駆動波形信号を前記第2出力端子に出力する集積回路装置に関係する。
【0006】
また本開示の他の態様は、上記に記載の集積回路装置と、前記集積回路装置により駆動される液晶表示パネルと、を含む液晶表示装置に関係する。
【0007】
また本開示の更に他の態様は、上記に記載の集積回路装置を含む電子機器に関係する。
【0008】
また本開示の更に他の態様は、上記に記載の集積回路装置を含む移動体に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】液晶表示装置の構成例の平面視図。
図2】集積回路装置の構成例。
図3】電圧供給回路の構成例。
図4】昇圧部の詳細構成例。
図5】電圧調整部の詳細構成例。
図6】セレクターの詳細構成例。
図7】駆動部の詳細構成例。
図8】ドットマトリックス表示用の駆動波形信号の例。
図9】セグメント表示用の駆動波形信号の例。
図10】第1コモン駆動回路の詳細構成例。
図11】第2コモン駆動回路の詳細構成例。
図12】駆動回路、第1コモン駆動回路及び第2コモン駆動回路のレイアウト例の平面視図。
図13】駆動回路、第1コモン駆動回路及び第2コモン駆動回路のレイアウト例の平面視図。
図14】集積回路装置と液晶表示パネルの配線接続例の平面視図。
図15】集積回路装置と液晶表示パネルの配線接続例の平面視図。
図16】電子機器の構成例。
図17】移動体の例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.液晶表示装置及び集積回路装置
図1は、液晶表示装置300の構成例の平面視図である。液晶表示装置300は、液晶表示パネル200と集積回路装置100とを含む。なお、液晶表示装置300の構成は図1に限定されない。例えば、図1では集積回路装置100がCOG実装される例を説明するが、集積回路装置100の実装方法はCOG実装に限定されない。
【0012】
液晶表示パネル200は、ドットマトリックス表示部210とセグメント表示部220の両方が設けられた1枚の液晶表示パネルである。ドットマトリックス表示部210は、マトリックス状に配置された複数のドットにより表示を行う。セグメント表示部220は、予め表示物の形状に構成された電極に駆動波形信号が印加されることで表示物を表示する。セグメント表示部220は、例えばドットマトリックス表示部210の第1方向DR1側に配置される。なお、これら表示部の配置は図1に限定されない。例えば、ドットマトリックス表示部の両側にセグメント表示部が配置されてもよいし、ドットマトリックス表示部とセグメント表示部が第2方向DR2に沿って配置されてもよい。第2方向DR2は第1方向DR1に直交する。
【0013】
液晶表示パネル200は、2枚のガラス基板と、その間に封入される液晶と、を含む。各ガラス基板には透明導電膜により電極及び信号線が形成されており、2枚のガラス基板のいずれかにCOG実装された集積回路装置100と電極とが信号線によって接続される。COGはChip On Glassの略である。透明導電膜は例えばITOの薄膜であり、ITOは酸化インジウムスズの略である。一方のガラス基板のドットマトリックス表示部210には、ドットマトリックス表示用の駆動波形信号が印加される複数のカラム電極が配置され、他方のガラス基板のドットマトリックス表示部210には、ドットマトリックス表示用のコモン駆動波形信号が印加される複数のロー電極が配置される。例えば、各カラム電極は第2方向DR2に沿った直線状の電極であり、各ロー電極は第1方向に沿った直線状の電極であり、カラム電極とロー電極の交点がドットマトリックス表示のドットとなる。また、一方のガラス基板のセグメント表示部220には、セグメント表示用の駆動波形信号が印加される複数のセグメント電極が配置され、他方のガラス基板のセグメント表示部220には、セグメント表示用のコモン駆動波形信号が印加される1又は複数のコモン電極が配置される。各セグメント電極は、1又は複数のコモン電極のいずれかと向かい合って配置されている。セグメント電極とコモン電極が対向して配置された領域が、そのセグメント電極が示す表示物の表示領域となる。
【0014】
集積回路装置100は、液晶表示パネル200の表示ドライバーである。集積回路装置100は、ドットマトリックス表示用の駆動波形信号をカラム電極に出力し、ドットマトリックス表示用のコモン駆動波形信号をロー電極に出力することで、ドットマトリックス表示部210を駆動する。ドットマトリックス表示用の駆動波形信号を第1駆動波形信号とも呼ぶ。また集積回路装置100は、セグメント表示用の駆動波形信号をセグメント電極に出力し、セグメント表示用のコモン駆動波形信号をコモン電極に出力することで、セグメント表示部220を駆動する。セグメント表示用の駆動波形信号を第2駆動波形信号とも呼ぶ。集積回路装置100は、ドットマトリックス表示部210とセグメント表示部220を同時に駆動可能な1チップの集積回路装置である。集積回路装置100は、その長辺と液晶表示パネル200の辺が平行となるように、液晶表示パネル200の辺に配置されている。集積回路装置100は、例えばドットマトリックス表示部210とセグメント表示部220の第2方向DR2側に配置される。集積回路装置100は半導体チップで構成され、その端子は液晶表示パネル200のガラス基板に形成された導電性薄膜の信号線に接続されている。
【0015】
図2は、集積回路装置100の構成例である。集積回路装置100は、電圧供給回路110と駆動回路120とデータ出力回路135と第1セレクター151と第2セレクター152と制御回路160とインターフェース170と第1コモン駆動回路181と第2コモン駆動回路182と第1出力端子群TAGと第2出力端子群TBGと第1コモン端子群TCMDと第2コモン端子群TCMSと電源端子TVDDとグランド端子TVSSとを含む。なお、図2には2つの出力端子群を図示するが、3以上の出力端子群が設けられてもよい。その場合、各出力端子群に付随する駆動回路120の構成及び各出力端子群の機能等は、第1出力端子群等と同様である。
【0016】
インターフェース170は、集積回路装置100の外部に設けられる処理装置からドットマトリックス表示用の表示データとセグメント表示用のセグメントデータとを受信する。またインターフェース170は、処理装置から出力端子群の設定情報を受信してもよい。インターフェース170は、例えばシリアル又はパラレルのデータインターフェースで構成される。
【0017】
制御回路160は、インターフェース170が受信したドットマトリックス表示用の表示データをMLSデータ出力回路130に出力し、インターフェース170が受信したセグメント表示用のセグメントデータをセグメントデータレジスター140に出力する。制御回路160は、第1セレクター151にセレクト信号SDOT1を出力することで、第1出力端子群TAGをドットマトリックス表示用又はセグメント表示用に設定し、第2セレクター152にセレクト信号SDOT2を出力することで、第2出力端子群TBGをドットマトリックス表示用又はセグメント表示用に設定する。制御回路160は、セレクト信号を出力端子群の設定情報として記憶する記憶回路161を含む。記憶回路161は、レジスター、RAM、又は不揮発性メモリー等である。例えば、不揮発性メモリーに予めセレクト信号が記憶されてもよいし、或いは、インターフェース170が外部の処理装置から受信したセレクト信号を、レジスター又はRAMが記憶してもよい。制御回路160はロジック回路により構成される。なお、MLSは、Multi Line Selectionの略である。本実施形態ではドットマトリクス表示の駆動方式として、MLS方式を用いている。しかしながら、本開示においてはドットマトリクス表示の駆動方式としてMLS方式に限定されず、単線選択方式であるAP方式などであってもよい。APは、Alt Pleshkoの略である。
【0018】
データ出力回路135は、第1セレクター151及び第2セレクター152に対してデータを出力する。データ出力回路135は、MLSデータ出力回路130とセグメントデータレジスター140とを含む。
【0019】
MLSデータ出力回路130は、ドットマトリックス表示用のMLSデータDMLSA1~DMLSAn、DMLSB1~DMLSBmを出力する。n、mの各々は2以上の整数であり、nとmは同じでも異なってもよい。MLSデータ出力回路130は、インターフェース170が外部から受信したドットマトリックス表示用の表示データを記憶するRAMと、その表示データを、MLS駆動のためのMLSデータにデコードするMLSデコーダーと、を含む。
【0020】
セグメントデータレジスター140は、セグメント表示用のセグメントデータDSEGA1~DSEGAn、DESGB1~DSEGBmを出力する。セグメントデータレジスター140は、インターフェース170が外部から受信したセグメントデータを記憶するレジスターである。
【0021】
第1セレクター151は、ドットマトリックス表示を指示するセレクト信号SDOT1が入力された場合にはMLSデータDMLSA1~DMLSAnを選択して出力し、セグメント表示を指示するセレクト信号SDOT1が入力された場合にはセグメントデータDSEGA1~DSEGAnを選択して出力する。第2セレクター152は、ドットマトリックス表示を指示するセレクト信号SDOT2が入力された場合にはMLSデータDMLSB1~DMLSBmを選択して出力し、セグメント表示を指示するセレクト信号SDOT2が入力された場合にはセグメントデータDSEGB1~DSEGBmを選択して出力する。
【0022】
電圧供給回路110には、集積回路装置100の外部から電源端子TVDDを介して電源電圧VDDが供給され、グランド端子TVSSを介してグランド電圧VSSが供給される。電圧供給回路110は、コモン電圧VCと、コモン電圧VCより高い第1正極性電圧V1と、第1正極性電圧V1より高い第2正極性電圧V2と、コモン電圧VCより低い第1負極性電圧MV1と、第1負極性電圧MV1より低い第2負極性電圧MV2とを駆動回路120に供給する。また電圧供給回路110は、コモン電圧VCと、第2正極性電圧V2より高い第3正極性電圧V3と、第2負極性電圧MV2より低い第3負極性電圧MV3とを第1コモン駆動回路181に供給する。また電圧供給回路110は、コモン電圧VCと第2正極性電圧V2と第2負極性電圧MV2とを第2コモン駆動回路182に供給する。各電圧の値は、駆動される液晶表示装置の仕様に合わせるのは勿論であり、また駆動方式がMLS方式であるかAP方式であるかよっても適宜設定される。
【0023】
なお、正極性及び負極性は、コモン電圧VCを基準とした極性を意味しており、グランド電圧VSSを基準とした極性ではない。即ち、コモン電圧VCがグランド電圧VSSより高い電圧である場合に、負極性電圧がグランド電圧VSSより高いこともあり得る。正極性電圧と負極性電圧の例は、図5等で後述する。
【0024】
駆動回路120は、第1セレクター151がMLSデータDMLSA1~DMLSAnを選択したとき、ドットマトリックス表示用の第1駆動波形信号を第1出力端子群TAGに出力し、第1セレクター151がセグメントデータDSEGA1~DSEGAnを選択したとき、セグメント表示用の第2駆動波形信号を第1出力端子群TAGに出力する。また、駆動回路120は、第2セレクター152がMLSデータDMLSB1~DMLSBmを選択したとき、ドットマトリックス表示用の第1駆動波形信号を第2出力端子群TBGに出力し、第2セレクター152がセグメントデータDSEGB1~DSEGBmを選択したとき、セグメント表示用の第2駆動波形信号を第2出力端子群TBGに出力する。具体的には、第1出力端子群TAGは出力端子TA1~TAnを含み、第2出力端子群TBGは出力端子TB1~TBmを含む。駆動回路120は、出力端子TA1~TAnに対応した駆動部DA1~DAnと、出力端子TB1~TBmに対応した駆動部DB1~DBmとを含む。
【0025】
iを1以上n以下の整数とし、駆動部DAiを例にとって説明する。駆動部DB1~DBmも同様の構成及び動作である。第1セレクター151は、MLSデータDMLSAi又はセグメントデータDSEGAiを駆動部DAiに出力する。MLSデータDMLSAiは、V1、V2、VC、MV1及びMV2のいずれかの選択を指示するデータであり、セグメントデータDSEGAiは、V1及びMV1のいずれかの選択を指示するデータである。駆動部DAiは、MLSデータDMLSAiが入力されたとき、MLSデータDMLSAiの指示に基づいてV1、V2、VC、MV1及びMV2のいずれかを選択して出力端子TAiに出力する。駆動部DAiは、セグメントデータDSEGAiが入力されたとき、セグメントデータDSEGAiの指示に基づいてV1及びMV1のいずれかを選択して出力端子TAiに出力する。
【0026】
第1コモン駆動回路181は、ドットマトリックス表示用の第1コモン駆動波形信号を第1コモン端子群TCMDに出力する。具体的には、第1コモン端子群TCMDは複数のコモン端子を含み、第1コモン駆動回路181は複数のコモン駆動部を含む。1つのコモン端子に対応して1つのコモン駆動部が設けられている。制御回路160は、ドットマトリックス表示用のコモン駆動データをコモン駆動部に出力する。ドットマトリックス表示用のコモン駆動データは、V3、VC及びMV3のいずれかの選択を指示するデータである。第1コモン駆動回路181は、そのコモン駆動データの指示に基づいてV3、VC及びMV3のいずれかをコモン端子に出力する。
【0027】
第2コモン駆動回路182は、セグメント表示用の第2コモン駆動波形信号を第2コモン端子群TCMSに出力する。具体的には、第2コモン端子群TCMSは複数のコモン端子を含み、第2コモン駆動回路182は複数のコモン駆動部を含む。1つのコモン端子に対応して1つのコモン駆動部が設けられている。制御回路160は、セグメント表示用のコモン駆動データをコモン駆動部に出力する。セグメント表示用のコモン駆動データは、V2、VC及びMV2のいずれかの選択を指示するデータである。第2コモン駆動回路182は、そのコモン駆動データの指示に基づいてV2、VC及びMV2のいずれかをコモン端子に出力する。
【0028】
第1コモン端子群TCMDは、液晶表示パネル200のドットマトリックス表示部210に設けられたロー電極に接続される。第2コモン端子群TCMSは、液晶表示パネル200のセグメント表示部220に設けられたコモン電極に接続される。なお、第1出力端子群TAGは、ドットマトリックス表示部210に設けられたカラム電極、又はセグメント表示部220に設けられたセグメント電極に接続される。第1出力端子群TAGが、ドットマトリックス表示部210に設けられたカラム電極に接続される構成において、第1出力端子群TAGはドットマトリックス表示用の出力端子に設定される。第1出力端子群TAGが、セグメント表示部220に設けられたセグメント電極に接続される構成において、第1出力端子群TAGはセグメント表示用の出力端子に設定される。第2出力端子群TBGにおいても同様に設定される。
【0029】
以上に説明した本実施形態の集積回路装置100は、ドットマトリクス表示の第1駆動波形信号及びセグメント表示の第2駆動波形信号を出力する駆動回路120と、第1出力端子と、第2出力端子と、駆動回路120を制御する制御回路160と、を含む。図2において、第1出力端子群TAGに含まれる出力端子TA1~TAnのいずれかが第1出力端子に対応し、第2出力端子群TBGに含まれる出力端子TB1~TBmのいずれかが第2出力端子に対応する。駆動回路120は、制御回路160により第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第1出力端子に出力し、制御回路160により第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第1出力端子に出力する。駆動回路120は、制御回路160により第2出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第2出力端子に出力し、制御回路160により第2出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第2出力端子に出力する。
【0030】
本実施形態によれば、制御回路160は、第1出力端子と第2出力端子を、それぞれ独立にドットマトリックス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定できる。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示の様々な配置に対応できるので、液晶表示パネル200のデザイン自由度を向上できる。
【0031】
なお、ドットマトリックス表示用の駆動波形信号を第1駆動波形信号と呼んでいるだけであり、各出力端子に出力される第1駆動波形信号は、各々、異なる波形の信号であってよい。第2駆動波形信号についても同様である。
【0032】
また本実施形態の集積回路装置100は、複数の電圧を駆動回路120に供給する電圧供給回路110を含む。図2において、第2正極性電圧V2、第1正極性電圧V1、コモン電圧VC、第1負極性電圧MV1及び第2負極性電圧MV2が、複数の電圧に対応する。駆動回路120は、複数の電圧のうちドットマトリクス表示用の電圧に基づいて第1駆動波形信号を出力し、複数の電圧のうちセグメント表示用の電圧に基づいて第2駆動波形信号を出力する。図2において、第2正極性電圧V2、第1正極性電圧V1、コモン電圧VC、第1負極性電圧MV1及び第2負極性電圧MV2が、ドットマトリクス表示用の電圧に対応する。第1正極性電圧V1及び第1負極性電圧MV1が、セグメント表示用の電圧に対応する。
【0033】
このようにすれば、駆動回路120は、電圧供給回路110が供給した複数の電圧の中から電圧を選択することによって、ドットマトリックス表示用の第1駆動波形信号又はセグメント表示用の第2駆動波形信号を出力できる。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示で電圧供給回路110及び駆動回路120を共通化できるので、回路の簡素化とコストダウンを実現できる。
【0034】
また本実施形態の集積回路装置100は、ドットマトリクス表示用の第1データとセグメント表示用の第2データとが入力される第1セレクター151と、ドットマトリクス表示用の第3データとセグメント表示用の第4データとが入力される第2セレクター152と、を含む。駆動回路120は、第1出力端子に接続される第1駆動部と、第2出力端子に接続される第2駆動部と、を含む。図2において、第1出力端子を出力端子TAiとすると、駆動部DAiが第1駆動部に対応し、MLSデータDMLSAiが第1データに対応し、セグメントデータDSEGAiが第2データに対応する。また、jを1以上m以下の整数とし、第2出力端子を出力端子TBjとすると、駆動部DBjが第2駆動部に対応し、MLSデータDMLSBjが第3データに対応し、セグメントデータDSEGBjが第4データに対応する。第1セレクター151は、制御回路160により第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1データを選択して第1駆動部に出力し、制御回路160により第1出力端子が前記セグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2データを選択して第1駆動部に出力する。第2セレクター152は、制御回路160により第2出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第3データを選択して第2駆動部に出力し、制御回路160により第2出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第4データを選択して第2駆動部に出力する。
【0035】
このようにすれば、第1セレクター151が第1データを第1駆動部に出力することで、第1駆動部が第1出力端子にドットマトリックス表示用の第1駆動波形信号を出力し、第1セレクター151が第2データを第1駆動部に出力することで、第1駆動部が第1出力端子にセグメント表示用の第2駆動波形信号を出力できる。このようにして、1つの出力端子をドットマトリックス表示用又はセグメント表示用に設定できるようになる。第2出力端子についても、同様である。
【0036】
また本実施形態の集積回路装置100は、データ出力回路135を含む。データ出力回路135は、第1データと第2データを第1セレクター151に出力し、第3データと第4データを第2セレクターに出力する。
【0037】
このようにすれば、第1セレクター151は、データ出力回路135から入力される第1データ又は第2データを選択することで、ドットマトリックス表示用のデータ又はセグメント表示用のデータを第1駆動部に出力できる。第2セレクター152は、データ出力回路135から入力される第3データ又は第4データを選択することで、ドットマトリックス表示用のデータ又はセグメント表示用のデータを第2駆動部に出力できる。
【0038】
また本実施形態では、制御回路160は、記憶回路161を含む。記憶回路161は、第1出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定する情報、及び第2出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定する情報を記憶する。図2において、セレクト信号SDOT1が、第1出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定する情報に対応する。セレクト信号SDOT2が、第2出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定する情報に対応する。
【0039】
このようにすれば、記憶回路161に記憶された情報に基づいて、第1出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定し、第2出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定できる。また、これらの設定は第1出力端子と第2出力端子で独立しており、それぞれドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に自由に設定可能である。
【0040】
また本実施形態の集積回路装置100は、第1出力端子を含む第1出力端子群TAGと、第2出力端子を含む第2出力端子群TBGと、を含む。駆動回路120は、制御回路160により、第1出力端子群TAGがドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第1出力端子群TAGに出力する。制御回路160により第1出力端子群TAGがセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第1出力端子群TAGに出力する。駆動回路120は、制御回路160により、第2出力端子群TBGがドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第2出力端子群に出力し、制御回路160により第2出力端子群TBGがセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第2出力端子群に出力する。
【0041】
このようにすれば、制御回路160は、第1出力端子群TAGと第2出力端子群TBGを、それぞれ独立にドットマトリックス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定できる。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示の様々な配置に対応できる。また、1端子ずつ設定しなくてもよいので、端子の設定が簡素化される。
【0042】
2.電圧供給回路
図3は、電圧供給回路110の構成例である。電圧供給回路110は、昇圧部111と電圧調整部112とを含む。
【0043】
昇圧部111は、昇圧回路とレギュレーターを用いて、電源電圧VDD及びグランド電圧VSSから電圧VOUT1~VOUT3及び第1負極性電圧MV1を生成する。電圧調整部112は、電圧VOUT1~VOUT3、第1負極性電圧MV1、電源電圧VDD及びグランド電圧VSSを用いて、第1正極性電圧V1、第2正極性電圧V2、第3正極性電圧V3、コモン電圧VC、第2負極性電圧MV2及び第3負極性電圧MV3を生成する。また、電圧調整部112は、V3-VC=VC-MV3=Vy、及びV2-V1=V1-VC=VC-MV1=MV1-MV2=Vsを調整可能である。電圧調整部112が電圧Vy、Vsを調整することで、ドットマトリックス表示のコントラストとセグメント表示のコントラストが調整される。この点については図5で後述する。
【0044】
図4は、昇圧部111の詳細構成例である。昇圧部111は、レギュレーターRGと昇圧回路CP1~CP3とを含む。
【0045】
レギュレーターRGは、電源電圧VDDを降圧することで第1負極性電圧MV1を生成する。第1負極性電圧MV1は、グランド電圧VSSと電源電圧VDDの間の電圧である。レギュレーターRGは、例えばオペアンプと抵抗によるリニアレギュレーターである。
【0046】
昇圧回路CP1は、電源電圧VDDを昇圧することで、電源電圧VDDより高い電圧VOUT1を生成する。昇圧回路CP2は、グランド電圧VSSを基準に電圧VOUT1を反転昇圧することで、グランド電圧VSSより低い電圧VOUT2を生成する。昇圧回路CP3は、グランド電圧VSSを基準に電圧VOUT2を反転昇圧することで、電圧VOUT1より高い電圧VOU3を生成する。昇圧回路CP1~CP3は、スイッチングレギュレーターであり、例えばキャパシターとスイッチにより構成されたチャージポンプ回路である。
【0047】
なお、昇圧部111の構成は図4に限定されない。例えば、昇圧回路CP3は、電圧調整部112が生成した第3負極性電圧MV3を、グランド電圧VSSを基準に反転昇圧することで、電圧VOUT3を生成してもよい。或いは、昇圧部111は、電圧VOUT1を降圧するレギュレーターを含み、昇圧回路CP2は、そのレギュレーターが生成した電圧を、グランド電圧VSSを基準に反転昇圧することで、電圧VOUT2を生成してもよい。
【0048】
図5は、電圧調整部112の詳細構成例である。電圧調整部112は、反転増幅回路であるアンプ回路AMAと、正転増幅回路であるアンプ回路AMBと、電子ボリューム機能を有する反転増幅回路であるアンプ回路AMCと、ボルテージフォロア回路であるアンプ回路AMD、AMEと、を含む。
【0049】
アンプ回路AMCは、反転増幅回路として構成されたオペアンプOPC及び抵抗RC1、RC2を含む。オペアンプOPCは電源電圧VDD及び電圧VOUT2を電源として動作する。アンプ回路AMCは、グランド電圧VSSを基準として第1負極性電圧MV1を反転増幅することで、第3負極性電圧MV3を生成する。抵抗RC2は、その抵抗値が可変に調整される可変抵抗回路である。抵抗RC2の抵抗値が調整されることで、抵抗RC1と抵抗RC2の抵抗比、即ちアンプ回路AMCのゲインが調整される。このゲインは、制御回路160の記憶回路161に記憶されている。例えば、記憶回路161が不揮発性メモリーである場合、その不揮発性メモリーに予めゲインが記憶されてもよいし、或いは記憶回路161がRAM又はレジスターである場合、インターフェース170を介して外部の処理装置からゲインがRAM又はレジスターに設定されてもよい。抵抗RC2の抵抗値が調整されることで、第3負極性電圧MV3が調整される。
【0050】
アンプ回路AMAは、反転増幅回路として構成されたオペアンプOPA及び抵抗RA1、RA2を含む。オペアンプOPAは電圧VOUT3、VOUT2を電源として動作する。アンプ回路AMAは、コモン電圧VCを基準として第3負極性電圧MV3を反転増幅することで、第3正極性電圧V3を生成する。アンプ回路AMAのゲインは-1である。第3正極性電圧V3は第3負極性電圧MV3に連動して変化するので、V3-VC=VC-MV3となる。
【0051】
MV1-VSS=Vsとし、アンプ回路AMCのゲインを-(a/2-2)とすると、MV3=-(a/2-2)×Vs+VSSである。ここで、aは上記のVyとVsの比である。後述するように、VC-MV1=MV1-VSS=Vsなので、VC-MV3=-(a/2)×Vsとなる。これをVyとすると、V3は、コモン電圧VCを基準にMV3を反転増幅した電圧なので、V3-VC=VC-MV3=Vyとなる。アンプ回路AMCのゲインが調整されることで、aが調整されるので、V3-VC=VC-MV3=Vyが調整されることになる。
【0052】
アンプ回路AMBは、正転増幅回路として構成されたオペアンプOPB及び抵抗RB1~RB4とを含む。抵抗RB1~RB4は、オペアンプOPBの出力ノードとグランド電圧VSSのノードとの間に直列接続され、抵抗RB3と抵抗RB4の間のノードがオペアンプOPBの反転入力ノードに接続される。アンプ回路AMBは、グランド電圧VSSを基準に第1負極性電圧MV1を正転増幅することで、第2正極性電圧V2を生成する。抵抗RB1~RB4の抵抗値は同じであり、アンプ回路AMBのゲインは4である。
【0053】
アンプ回路AMDは、抵抗RB1と抵抗RB2の間の電圧をゲイン1でバッファリングすることで、第1正極性電圧V1を出力する。アンプ回路AMEは、抵抗RB2と抵抗RB3の間の電圧をゲイン1でバッファリングすることで、コモン電圧VCを出力する。
【0054】
VSS=MV2とし、MV1-VSS=Vsとする。アンプ回路AMBはゲイン4でVsを増幅するので、V2-MV2=4×Vsとなる。抵抗RB1~RB4の抵抗値は同じであり、アンプ回路AMD、AMEのゲインは1なので、V2-V1=V1-VC=VC-MV1=MV1-MV2=Vsとなる。昇圧部111のレギュレーターRGは電子ボリューム機能を有し、第1負極性電圧MV1を調整可能である。第1負極性電圧MV1が調整されることで、Vsが調整され、V2、V1、VC、MV1が調整されることになる。レギュレーターRGの電子ボリューム値は、制御回路160の記憶回路161に記憶されている。例えば記憶回路161が不揮発性メモリーである場合、その不揮発性メモリーに予め電子ボリューム値が記憶されてもよいし、或いは記憶回路161がRAM又はレジスターである場合、インターフェース170を介して外部の処理装置からRAM又はレジスターに電子ボリューム値が設定されてもよい。
【0055】
ドットマトリックス表示部210の各ドットに印加される実効電圧は、上述したaとVsを用いて下式(1)(2)のように表される。Von_dutyは、ドットがオンのときの実効電圧であり、Voff_dutyは、ドットがオフのときの実効電圧である。Nはロー電極のライン数である。
Von_duty=Vs×{(a2+2a+N)/N}1/2 ・・・(1)
Voff_duty=Vs×{(a2-2a+N)/N}1/2 ・・・(2)
【0056】
上式(1)(2)のように、ドットマトリックス表示における実効電圧は、aとVsにより調整可能である。一方、セグメント表示ではV2、V1、VC、MV1、MV2を用いて駆動するので、実効電圧はVsにより調整される。このため、Vsを固定してaを調整することで、ドットマトリックス表示のコントラストのみ調整できる。例えば、ドットマトリックス表示のコントラストとセグメント表示のコントラストを、出来るだけ近づけることが可能となる。また、Vsを調整することで、ドットマトリックス表示及びセグメント表示の両方のコントラストを調整でき、最適なコントラストを実現できる。以上により生成される各電圧の値は、駆動される液晶表示装置の仕様に合わせるのは勿論であり、また駆動方式がMLS方式であるかAP方式であるかよっても適宜設定される。
【0057】
3.セレクター、駆動回路、及びコモン駆動回路
図6は、第1セレクター151の詳細構成例である。第1セレクター151は、アンド回路AN1~AN11とオア回路OR1~OR4とラッチ回路FV2、FV1、FVC、FMV1、FMV2とを含む。ここでは、1つの駆動部に対する構成を図示するが、図6と同様な構成が駆動部DA1~DAnの各駆動部に対応して設けられる。なお、図6では第1セレクター151を例に図示しているが、第2セレクター152も同様な構成である。
【0058】
第1セレクター151には、信号V2DOT、V1DOT、VCDOT、MV1DOT、MV2DOTがMLSデータとして入力され、信号V1SEG、MV1SEGがセグメントデータとして入力される。なお、ここでのMLSデータが、上述した図2におけるDMLSA1~nであり、セグメントデータがDSEGA1~nである。
【0059】
アンド回路AN1~AN7及びオア回路OR1、OR2は、信号セレクターとして機能する。この信号セレクターは、セレクト信号SDOT1がハイレベルのとき、信号V2DOT、V1DOT、VCDOT、MV1DOT、MV2DOTを選択してラッチ回路FV2、FV1、FVC、FMV1、FMV2に出力する。信号セレクターは、セレクト信号SDOT1がローレベルのとき、信号V1SEG、MV1SEGを選択してラッチ回路FV1、FMV1に出力し、ラッチ回路FV2、FVC、FMV2に対してはローレベルを出力する。
【0060】
アンド回路AN8~AN11及びオア回路OR3、OR4は、クロックセレクターとして機能する。このクロックセレクターは、セレクト信号SDOT1がハイレベルのとき、ドットマトリックス表示用の第1クロック信号CKDOTを選択してラッチ回路FV1、FMV1に出力する。クロックセレクターは、セレクト信号SDOT1がローレベルのとき、セグメント表示用の第2クロック信号CKSEGを選択してラッチ回路FV1、FMV1に出力する。ラッチ回路FV2、FVC、FMV2には、第1クロック信号CKDOTが入力される。第1クロック信号CKDOT及び第2クロック信号CKSEGは、制御回路160から第1セレクター151に入力される。
【0061】
セレクト信号SDOT1がハイレベルのとき、ラッチ回路FV2、FV1、FVC、FMV1、FMV2が第1クロック信号CKDOTにより信号V2DOT、V1DOT、VCDOT、MV1DOT、MV2DOTをラッチして信号V2ON、V1ON、VCON、MV1ON、MV2ONとして出力する。即ち、セレクト信号SDOT1がハイレベルのとき、第1セレクター151はドットマトリックス表示用のMLSデータを選択して出力する。セレクト信号SDOT1がローレベルのとき、ラッチ回路FV1、FMV1が第2クロック信号CKSEGにより信号V1SEG、MV1SEGをラッチして信号V1ON、MV1ONとして出力する。即ち、セレクト信号SDOT1がローレベルのとき、第1セレクター151はセグメント表示用のセグメントデータを選択して出力する。このとき、ラッチ回路FV2、FVC、FMV2はローレベルをラッチするので、信号V2ON、VCON、MV2ONはローレベルである。
【0062】
以上に説明した本実施形態の第1セレクター151は、制御回路160により第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、ドットマトリクス表示用の第1クロック信号CKDOTに基づいて第1データを第1駆動部に出力し、制御回路160により第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、セグメント表示用の第2クロック信号CKSEGに基づいて第2データを第1駆動部に出力する。第1出力端子及び第1駆動部については、図2で説明した通りである。図6において、第1データは、信号V2DOT、V1DOT、VCDOT、MV1DOT、MV2DOTに対応する。第2データは、信号V1SEG、MV1SEGに対応する。同様に、第2セレクター152は、制御回路160により第2出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、ドットマトリクス表示用の第1クロック信号CKDOTに基づいて第3データを第2駆動部に出力し、制御回路160により第2出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、セグメント表示用の第2クロック信号CKSEGに基づいて第4データを第2駆動部に出力する。
【0063】
このようにすれば、ドットマトリックス表示用のデータが出力されるタイミングは、第1クロック信号CKDOTにより制御され、セグメント表示用のデータが出力されるタイミングは、第2クロック信号CKSEGにより制御される。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示で、それぞれ適切な表示タイミングで表示制御できる。
【0064】
図7は、駆動部DA1の詳細構成例である。駆動部DA1は、レベルシフターLA2、LA1、LCA、LMA1、LMA2とインバーターIA2、IA1、ICAP、ICAN、IMA1、IMA2とスイッチSA2、SA1、SCA、SMA1、SMA2とを含む。ここでは、駆動部DA1を例に説明するが、駆動部DA2~DAn、DB1~DBmも同様な構成である。
【0065】
レベルシフターLA2、LA1、LCA、LMA1、LMA2は、信号V2ON、V1ON、VCON、MV1ON、MV2ONをレベルシフトする。レベルシフト後のハイレベルはV2であり、ローレベルはMV2である。なお、「I」は入力を示し、「Q」は、入力と同じ論理レベルである非反転出力を示し、「XQ」は、入力を反転した論理レベルである反転出力を示す。
【0066】
インバーターIA2、IA1、ICAPは、レベルシフターLA2、LA1、LCAの非反転出力を論理反転して、スイッチSA2、SA1、SCAに出力する。インバーターICAN、IMA1、IMA2は、レベルシフターLCA、LMA1、LMA2の反転出力を論理反転して、スイッチSCA、SMA1、SMA2に出力する。
【0067】
スイッチSA2、SA1はP型トランジスターである。スイッチSA2のソース及びドレインの一方は駆動部DA1の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第2正極性電圧V2が入力され、ゲートにインバーターIA2の出力信号が入力される。スイッチSA1のソース及びドレインの一方は駆動部DA1の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第1正極性電圧V1が入力され、ゲートにインバーターIA1の出力信号が入力される。
【0068】
スイッチSCAは、トランスファーゲートであり、並列接続されたP型トランジスター及びN型トランジスターで構成される。トランスファーゲートの一端は駆動部DA1の出力ノードに接続され、他方にはコモン電圧VCが入力される。トランスファーゲートのP型トランジスターのゲートにはインバーターICAPの出力信号が入力され、N型トランジスターのゲートにはインバーターICANの出力信号が入力される。
【0069】
スイッチSMA1、SMA2はN型トランジスターである。スイッチSMA1のソース及びドレインの一方は駆動部DA1の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第1負極性電圧MV1が入力され、ゲートにインバーターIMA1の出力信号が入力される。スイッチSMA2のソース及びドレインの一方は駆動部DA1の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第2負極性電圧MV2が入力され、ゲートにインバーターIMA2の出力信号が入力される。
【0070】
信号V2ON、V1ON、VCON、MV1ON、MV2ONは、そのいずれか1つの信号がハイレベルであり、その他の信号はローレベルである。例えば、信号V2ONがハイレベルのとき、スイッチSA2がオンになり、スイッチSA1、SCA、SMA1、SMA2がオフになり、駆動部DA1は第2正極性電圧V2を駆動波形信号DAQ1として出力する。同様に、信号V1ON、VCON、MV1ON、MV2ONがハイレベルのとき、スイッチSA1、SCA、SMA1、SMA2がオンになり、駆動部DA1はV1、VC、MV1、MV2を駆動波形信号DAQ1として出力する。
【0071】
図8は、ドットマトリックス表示用の駆動波形信号DAQ1の例である。ここでは4フィールドで1フレームが構成される例を示す。例えば1/64デューティーの場合には1フィールドの駆動波形信号DAQ1は時系列の16個の電圧で構成されるが、図8には、その1、2、16個目のみ示している。なお、コモン駆動波形信号の図示を省略するが、第1コモン駆動回路181の動作の仕組みは駆動回路120と同様であり、その構成については図10で説明する。
【0072】
図8に示すように、セレクト信号SDOT1がハイレベルのとき、第1セレクター151はMLSデータを選択する。このとき、信号V2ON、V1ON、VCON、MV1ON、MV2ONのうち、いずれか1つの信号がハイレベルとなり、駆動部DA1は、V2、V1、VC、MV1及びMV2のいずれかを出力する。例えば第1フィールドでは、信号MV1ON、V2ON、・・・、V1ONが時系列にハイレベルとなるので、駆動部DA1は駆動波形信号DAQ1としてMV1、V2、・・・、V1を時系列に出力する。このようにして、セレクト信号SDOT1がハイレベルのとき、駆動波形信号DAQ1がドットマトリックス表示用の駆動波形信号となる。
【0073】
図9は、セグメント表示用の駆動波形信号DAQ1の例である。ここではコモン電極が4つである場合の波形例を示す。CMS1~CMS4は、その4つのコモン電極に対するコモン駆動波形信号である。
【0074】
極性信号FRは駆動極性を制御する信号である。極性信号FRがローレベルのとき負極性駆動が行われ、極性信号FRがハイレベルのとき正極性駆動が行われる。1フレームにおいて、極性信号FRはローレベルとハイレベルを4周期繰り返す。その第1周期において極性信号FRがローレベルのときコモン駆動波形信号CMS1がV2であり、極性信号FRがハイレベルのときコモン駆動波形信号CMS1がMV2であり、コモン駆動波形信号CMS2~CMS4はVCである。同様に、第2、第3、第4周期において、極性信号FRがローレベルのときコモン駆動波形信号CMS2、CMS3、CMS4がV2であり、極性信号FRがハイレベルのときコモン駆動波形信号CMS2、CMS3、CMS4がMV2である。
【0075】
セレクト信号SDOT1がローレベルのとき、第1セレクター151はセグメントデータを選択する。このとき、信号V1ON、MV1ONのうち、いずれか1つの信号がハイレベルとなり、駆動部DA1は、V1及びMV1のいずれかを出力する。図9では、極性信号FRの第1周期において、極性信号FRがローレベルのとき駆動波形信号DAQ1はMV1であり、極性信号FRがハイレベルのとき駆動波形信号DAQ1はV1である。以降、駆動波形信号DAQ1は、V1、MV1、MV1、V1、V1、MV1である。このようにして、セレクト信号SDOT1がローレベルのとき、駆動波形信号DAQ1がセグメント表示用の駆動波形信号となる。図9の波形例では、コモン駆動波形信号CMS1が印加されるコモン電極と、駆動波形信号DAQ1が印加されるセグメント電極が重なる部分は、液晶が点灯する。同様に、コモン駆動波形信号CMS2、CMS3、CMS4が印加されるコモン電極と、駆動波形信号DAQ1が印加されるセグメント電極が重なる部分は、液晶が消灯、点灯、消灯する。
【0076】
図10は、第1コモン駆動回路181の詳細構成例である。第1コモン駆動回路181は、レベルシフターLB3、LCB、LMB3とインバーターIB3、ICBP、ICBN、IMB3とスイッチSB3、SCB、SMB3とを含む。なお、図10には1つのコモン端子に対応したコモン駆動部の構成を示しており、コモン端子群TCMDの各コモン端子に対して同様な構成が設けられる。
【0077】
レベルシフターLB3、LCB、LMB3は、制御回路160からの信号V3ONd、VCONd、MV3ONdをレベルシフトする。レベルシフト後のハイレベルはV3であり、ローレベルはMV3である。
【0078】
インバーターIB3、ICBPは、レベルシフターLB3、LCBの非反転出力を論理反転して、スイッチSB3、SCBに出力する。インバーターICBN、IMB3は、レベルシフターLCB、LMB3の反転出力を論理反転して、スイッチSCB、SMB3に出力する。
【0079】
スイッチSB3はP型トランジスターである。スイッチSB3のソース及びドレインの一方はコモン駆動部の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第3正極性電圧V3が入力され、ゲートにインバーターIB3の出力信号が入力される。
【0080】
スイッチSCBは、トランスファーゲートであり、並列接続されたP型トランジスター及びN型トランジスターで構成される。トランスファーゲートの一端はコモン駆動部の出力ノードに接続され、他方にはコモン電圧VCが入力される。トランスファーゲートのP型トランジスターのゲートにはインバーターICBPの出力信号が入力され、N型トランジスターのゲートにはインバーターICBNの出力信号が入力される。
【0081】
スイッチSMB3はN型トランジスターである。スイッチSMB3のソース及びドレインの一方はコモン駆動部の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第3負極性電圧MV3が入力され、ゲートにインバーターIMB3の出力信号が入力される。
【0082】
信号V3ONd、VCONd、MV3ONdは、そのいずれか1つの信号がハイレベルであり、その他の信号はローレベルである。例えば、信号V3ONdがハイレベルのとき、スイッチSB3がオンになり、スイッチSCB、SMB3がオフになり、コモン駆動部は第3正極性電圧V3をコモン駆動波形信号CMDとして出力する。同様に、信号VCONd、MV3ONdがハイレベルのとき、スイッチSCB、SMB3がオンになり、コモン駆動部はVC、MV3をコモン駆動波形信号CMDとして出力する。
【0083】
図11は、第2コモン駆動回路182の詳細構成例である。第2コモン駆動回路182は、レベルシフターLC2、LCC、LMC2とインバーターIC2、ICCP、ICCN、IMC2とスイッチSC2、SCB、SMC2とを含む。なお、図11には1つのコモン端子に対応したコモン駆動部の構成を示しており、コモン端子群TCMSの各コモン端子に対して同様な構成が設けられる。図11には、デューティー駆動を行う場合の構成例を示すが、デューティー駆動とスタティック駆動の両方を行う場合には駆動部DA1と同様な構成を採用し、電圧V2、V1、VC、MV1、MV2を選択可能とすればよい。
【0084】
レベルシフターLC2、LCB、LMC2は、制御回路160からの信号V2ONs、VCONs、MV2ONsをレベルシフトする。レベルシフト後のハイレベルはV2であり、ローレベルはMV2である。
【0085】
インバーターIC2、ICCPは、レベルシフターLC2、LCCの非反転出力を論理反転して、スイッチSC2、SCCに出力する。インバーターICCN、IMC2は、レベルシフターLCC、LMC2の反転出力を論理反転して、スイッチSCC、SMC2に出力する。
【0086】
スイッチSC2はP型トランジスターである。スイッチSC2のソース及びドレインの一方はコモン駆動部の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第2正極性電圧V2が入力され、ゲートにインバーターIC2の出力信号が入力される。
【0087】
スイッチSCCは、トランスファーゲートであり、並列接続されたP型トランジスター及びN型トランジスターで構成される。トランスファーゲートの一端はコモン駆動部の出力ノードに接続され、他方にはコモン電圧VCが入力される。トランスファーゲートのP型トランジスターのゲートにはインバーターICCPの出力信号が入力され、N型トランジスターのゲートにはインバーターICCNの出力信号が入力される。
【0088】
スイッチSMC2はN型トランジスターである。スイッチSMC2のソース及びドレインの一方はコモン駆動部の出力ノードに接続され、ソース及びドレインの他方に第2負極性電圧MV2が入力され、ゲートにインバーターIMC2の出力信号が入力される。
【0089】
信号V2ONs、VCONs、MV2ONsは、そのいずれか1つの信号がハイレベルであり、その他の信号はローレベルである。例えば、信号V2ONsがハイレベルのとき、スイッチSC2がオンになり、スイッチSCC、SMC2がオフになり、コモン駆動部は第2正極性電圧V2をコモン駆動波形信号CMSとして出力する。同様に、信号VCONs、MV2ONsがハイレベルのとき、スイッチSCC、SMC2がオンになり、コモン駆動部はVC、MV2をコモン駆動波形信号CMSとして出力する。
【0090】
4.レイアウト例
図12図13に、駆動回路120、第1コモン駆動回路181及び第2コモン駆動回路182のレイアウト例の平面視図を示す。なお、図12図13には、それぞれ3つずつレイアウト例を記載しているが、各レイアウト例は独立したレイアウト例である。また、各レイアウト例を左右反転又は上下反転したものも実施可能であるとする。
【0091】
集積回路装置100が図1の液晶表示パネル200に実装された状態において、集積回路装置100の長辺が第1方向DR1に平行であり、短辺が第2方向DR2に平行であるとする。集積回路装置100は、第1短辺と、第1短辺に第1方向DR1側にて対向して位置する第2短辺と、第1長辺と、第1長辺に第2方向DR2側にて対向して位置する第2長辺と、を有する。集積回路装置100が液晶表示パネル200に実装されていない状態では、長辺方向及び短辺方向と、第1方向DR1及び第2方向DR2とは無関係であってよい。その場合には、以下の説明において、第1方向DR1を長辺方向、第2方向DR2を短辺方向と読み替えてよい。
【0092】
図12の上段は第1レイアウト例である。第1コモン駆動回路181は181aと181bに分割され、例えば、それらの出力数は同数である。第2コモン駆動回路182は182aと182bに分割され、例えば、それらの出力数は同数である。第1方向DR1に沿って、第1コモン駆動回路181a、第2コモン駆動回路182a、駆動回路120、第2コモン駆動回路182a、第1コモン駆動回路181aの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子及びコモン駆動端子は第1長辺に配置される。
【0093】
上記第1レイアウト例の集積回路装置100は、ドットマトリクス表示のコモン駆動信号を出力する第1コモン駆動回路181aと、セグメント表示のコモン駆動信号を出力する第2コモン駆動回路182aと、を含む。集積回路装置100の長辺方向において、第2コモン駆動回路182aは、第1コモン駆動回路181aと駆動回路120との間に配置される。なお、同様に、第2コモン駆動回路182bは、第1コモン駆動回路181bと駆動回路120との間に配置される。
【0094】
このようにすれば、駆動回路120と第1コモン駆動回路181aをドットマトリックス表示部210に透明導電膜の信号線で接続することで、ドットマトリックス表示部210を駆動でき、駆動回路120と第2コモン駆動回路182aをセグメント表示部220に透明導電膜の信号線で接続することで、セグメント表示部220を駆動できる。このとき、例えば図14図15で後述するような様々な配線が可能であり、それによって様々なデザインの液晶表示パネル200に対応できる。
【0095】
図12の中段は第2レイアウト例である。第1方向DR1に沿って、第2コモン駆動回路182a、駆動回路120、第2コモン駆動回路182aの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子及びセグメント表示用のコモン駆動端子は第1長辺に配置される。第1コモン駆動回路181aは第1短辺に配置され、第1コモン駆動回路181bは第2短辺に配置される。第1コモン駆動回路181aに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は第1短辺に配置され、第1コモン駆動回路181bに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は第2短辺に配置される。
【0096】
図12の下段は第3レイアウト例である。第1方向DR1に沿って、第2コモン駆動回路182a、駆動回路120、第2コモン駆動回路182aの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子及びセグメント表示用のコモン駆動端子は第1長辺に配置される。第1コモン駆動回路181a、181bは第2長辺に配置されるが、第1コモン駆動回路181aは第1短辺側に配置され、第1コモン駆動回路181bは第2短辺側に配置される。ドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は第2長辺に配置される。
【0097】
図13の上段は第4レイアウト例である。第1方向DR1に沿って、第1コモン駆動回路181、第2コモン駆動回路182a、駆動回路120、第2コモン駆動回路182aの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子及びコモン駆動端子は第1長辺に配置される。
【0098】
図13の中段は第5レイアウト例である。駆動回路120は120aと120bに分割され、例えば、駆動回路120aの出力数は駆動回路120bの出力数より多い。第1方向DR1に沿って、第1コモン駆動回路181a、第2コモン駆動回路182a、駆動回路120aの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。駆動回路120aに接続される出力端子、第1コモン駆動回路181aに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子、及び第2コモン駆動回路182aに接続されるセグメント表示用のコモン駆動端子は、第1長辺に配置される。第1コモン駆動回路181bは第1短辺に配置される。第1コモン駆動回路181bに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は第1短辺に配置される。第2方向DR2に沿って、駆動回路120b、第2コモン駆動回路182bの順に配置され、それらが第2短辺に配置される。駆動回路120bに接続される出力端子、及び第2コモン駆動回路182bに接続されるセグメント表示用のコモン駆動端子は、第2短辺に配置される。
【0099】
上記第5レイアウト例の集積回路装置100は、集積回路装置100の長辺に配置される第1出力端子群と、集積回路装置100の短辺に配置される第2出力端子群と、を含む。第1出力端子群は、制御回路160によりドットマトリックス表示用の出力端子に設定され、第2出力端子群は、制御回路160によりセグメント表示用の出力端子に設定される。図13の中段において、駆動回路120aに対応する出力端子群が第1出力端子群であり、駆動回路120bに対応する出力端子群が第2出力端子群である。なお、駆動回路120aに対応して複数の出力端子群が設けられる場合、そのうち1つ以上の出力端子群がドットマトリックス表示用の出力端子群に設定されていればよい。また、駆動回路120bに対応して複数の出力端子群が設けられる場合、そのうち1つ以上の出力端子群がセグメント表示用の出力端子群に設定されていればよい。
【0100】
このようにすれば、集積回路装置100の長辺からドットマトリックス表示部210に透明導電膜の信号線を配線し、集積回路装置100の短辺からセグメント表示部220に透明導電膜の信号線を配線できる。例えば、図13の中段では集積回路装置100の右側の第2短辺に駆動回路120bが設けられている。セグメント表示部220がドットマトリックス表示部210の右側にあるような場合において、図13の中段の構成を採用することで、透明導電膜の信号線が交差することなく、効率的に配線できる。
【0101】
図13の下段は第6レイアウト例である。第1方向DR1に沿って、第1コモン駆動回路181a、第2コモン駆動回路182a、駆動回路120a、第2コモン駆動回路182bの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子、第1コモン駆動回路181aに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子、及びセグメント表示用のコモン駆動端子は、第1長辺に配置される。第1コモン駆動回路181bは第2長辺の第1短辺側に配置される。第1コモン駆動回路181bに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は第2長辺に配置される。
【0102】
図14図15に、集積回路装置100と液晶表示パネル200の配線接続例の平面視図を示す。これらの配線接続例では、液晶表示パネル200のガラス基板上において透明導電膜の信号線が交差しないようになっている。なお、図14図15には、それぞれ3つずつ配線接続例を記載しているが、各配線接続例は独立した配線接続例である。また、各配線接続例を左右反転したものも実施可能であるとする。
【0103】
集積回路装置100には8つの出力端子群が設けられ、それに対応して駆動回路120が8つの駆動ブロック121~128を含むとする。各駆動ブロックの出力数は任意であるが、例えば同数である。矢印は、液晶表示パネル200のガラス基板上に形成された透明導電膜の信号線を示す。1つの駆動ブロックが複数の出力数を有する場合には、それに対応した1つの矢印は、複数の出力端子に接続された複数の信号線を意味する。駆動ブロックに付された「DOT」は、その駆動ブロックがドットマトリックス表示部210に対してドットマトリックス表示用の駆動波形信号を出力することを意味する。駆動ブロックに付された「SEG」は、その駆動ブロックがセグメント表示部220に対してセグメント表示用の駆動波形信号を出力することを意味する。第1コモン駆動回路181a、181bと第2コモン駆動回路182a、182bについても、複数の出力数を有する場合には、それに対応した矢印は、複数のコモン駆動端子に接続された複数の信号線を意味する。
【0104】
図14の上段は第1配線接続例である。この例では、液晶表示パネル200がドットマトリックス表示部210のみを有する場合を想定している。第1方向DR1に沿って、第1コモン駆動回路181a、第2コモン駆動回路182a、駆動ブロック121~128、第2コモン駆動回路182b、第1コモン駆動回路181bの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子及びコモン駆動端子は、第1長辺に配置される。駆動ブロック121~128は全てドットマトリックス表示用に設定される。出力端子に接続される信号線、及びドットマトリックス表示用のコモン駆動端子に接続される信号線は、第1長辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。第1長辺から、集積回路装置100の外側に向かう方向は、例えば第2方向DR2の反対方向であるが、必ずしも第2方向DR2の反対方向に平行である必要はない。セグメント表示用のコモン駆動端子は信号線に接続されない。
【0105】
図14の中段は第2配線接続例である。以下の例では、図1に示すように液晶表示パネル200の左側にドットマトリックス表示部210があり、右側にセグメント表示部220がある場合を想定している。回路配置は第1配線接続例と同様であるが、駆動ブロック121~127がドットマトリックス表示用に設定され、駆動ブロック128がセグメント表示用に設定される。駆動ブロック121~127の出力端子に接続される信号線、及び第1コモン駆動回路181a、181bに接続される信号線は、第1長辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。駆動ブロック128の出力端子に接続される信号線、及び第2コモン駆動回路182bに接続される信号線は、第1長辺から第2長辺に向かった後、第2短辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。或いは、点線で示したように、駆動ブロック128の出力端子に接続される信号線は、第2長辺から、集積回路装置100の外側に向かった後、第2短辺を回り込むように配線されてもよい。第2コモン駆動回路182aに接続されるセグメント表示用のコモン駆動端子は、信号線に接続されない。
【0106】
上記の第2配線接続例では、液晶表示装置300は、集積回路装置100により駆動される液晶表示パネル200を含む。集積回路装置100は、液晶表示パネル200の基板に実装される。液晶表示パネル200は、第1出力端子に接続され、基板上に設けられる第1信号線と、第2出力端子に接続され、基板上に設けられる第2信号線と、を含む。第1信号線と第2信号線は、逆方向に配線される。ここで意味する“方向”とは、第1、第2信号線が、液晶表示パネル200の平面視で、各々第1、第2出力端子と重なる部分から配線が開始される方向を意味する。従って、“逆方向に配線される”とは、第1信号線が第1端子の位置から配線を開始される方向と、第2信号線が第2端子の位置から配線を開始される方向とが逆である、という意味である。例えば図14の中段、下段の図において、駆動ブロック121~127に接続する第1信号線の配線開始の方向を意味する矢印と、駆動ブロック128に接続する第2信号線の配線開始の方向を意味する矢印とが逆方向を指示している。図14の中段において、駆動ブロック121~127のいずれかに接続される出力端子が第1出力端子に対応し、その出力端子に接続される信号線が第1信号線に対応する。駆動ブロック128に接続される出力端子が第2出力端子に対応し、その出力端子に接続される信号線が第2信号線に対応する。駆動ブロック121~127の出力端子に接続された信号線は、第1長辺から集積回路装置100の外側に向かい、駆動ブロック128の出力端子に接続された信号線は、第1長辺から第2長辺に向かうことが、「第1信号線と第2信号線は、逆方向に配線される」に対応する。なお、「逆方向」は、第1信号線の配線方向と第2信号線の配線方向との成す角度を180度に限定するものでなく、第1信号線の配線方向と第2信号線の配線方向との成す角度は、例えば90度より大きければよい。
【0107】
本実施形態によれば、第1出力端子に接続される第1信号線と、第2出力端子に接続される第2信号線とが、逆方向に配線される。これにより、液晶表示パネル200のデザインに応じた適切な配線が可能となる。例えば図14の中段では、第1信号線が接続される駆動ブロック121~127はドットマトリックス表示用に設定されており、第2信号線が接続される駆動ブロック128はセグメント表示用に設定されている。即ち、ドットマトリックス表示部210に接続される第1信号線と、セグメント表示部220に接続される第2信号線とが、逆方向に配線されている。これにより、例えば第1コモン駆動回路181bのようなドットマトリックス表示部210に接続される回路が更に存在していても、それに接続された信号線を下から回り込むようにして、第2信号線をセグメント表示部220に接続できる。このように、配線方向を逆にすることで、液晶表示パネル200のデザインに応じた適切な配線が可能となっている。
【0108】
図14の下段は第3配線接続例である。第1方向DR1に沿って、第2コモン駆動回路182a、駆動ブロック121~128、第2コモン駆動回路182bの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子及びセグメント表示用のコモン駆動端子は、第1長辺に配置される。第1コモン駆動回路181a、及びそれに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は、第1短辺に配置される。第1コモン駆動回路181b、及びそれに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は、第2短辺に配置される。駆動ブロック121~127がドットマトリックス表示用に設定され、駆動ブロック128がセグメント表示用に設定される。駆動ブロック121~127の出力端子に接続される信号線は、第1長辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。第1コモン駆動回路181bのコモン駆動端子に接続される信号線は、第2短辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。駆動ブロック128の出力端子に接続される信号線、及び第2コモン駆動回路182bに接続される信号線は、第2長辺から、集積回路装置100の外側に向かった後、第2短辺を回り込むように配線される。第1コモン駆動回路181a及び第2コモン駆動回路182aのコモン駆動端子には、信号線が接続されない。
【0109】
図15の上段は第4配線接続例である。第1方向DR1に沿って、第2コモン駆動回路182a、駆動ブロック121~128、第2コモン駆動回路182bの順に配置され、それらが第1長辺に配置されている。出力端子及びセグメント表示用のコモン駆動端子は、第1長辺に配置される。第1コモン駆動回路181a、及びそれに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は、第2長辺の第1短辺側に配置される。第1コモン駆動回路181b、及びそれに接続されるドットマトリックス表示用のコモン駆動端子は、第2長辺の第2短辺側に配置される。駆動ブロック121~127がドットマトリックス表示用に設定され、駆動ブロック128がセグメント表示用に設定される。駆動ブロック121~127の出力端子に接続される信号線は、第1長辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。第1コモン駆動回路181aのコモン駆動端子に接続される信号線は、第2長辺から、集積回路装置100の外側に向かった後、第1短辺を回り込むように配線される。第1コモン駆動回路181bのコモン駆動端子に接続される信号線は、第2短辺から集積回路装置100の外側に向かって配線され、又は第2長辺から集積回路装置100の外側に向かった後、第2短辺を回り込むように配線される。駆動ブロック128の出力端子、及び第2コモン駆動回路182bのコモン駆動端子に接続される信号線は、第2長辺から、集積回路装置100の外側に向かった後、第2短辺を回り込むように配線される。第2コモン駆動回路182aのコモン駆動端子には、信号線が接続されない。
【0110】
図15の中段は第5配線接続例である。回路配置は第4配線接続例と同様である。駆動ブロック121~127がドットマトリックス表示用に設定され、駆動ブロック128がセグメント表示用に設定される。駆動ブロック121~128の出力端子に接続される信号線、及び第2コモン駆動回路182bのコモン駆動端子に接続される信号線は、第1長辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。第1コモン駆動回路181bのコモン駆動端子に接続される信号線は、第2長辺から第1短辺に向かった後、第1短辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。第1コモン駆動回路181aのコモン駆動端子に接続される信号線は、第2長辺に沿って第2短辺側から、集積回路装置100の外側に向かった後、第1短辺を回り込むように配線される。第2コモン駆動回路182aのコモン駆動端子には、信号線が接続されない。
【0111】
図15の下段は第6配線接続例である。回路配置は第1配線接続例と同様である。駆動ブロック121~124がドットマトリックス表示用に設定され、駆動ブロック125~128がセグメント表示用に設定される。第1コモン駆動回路181aのコモン駆動端子に接続される信号線、駆動ブロック121~128の出力端子に接続される信号線、及び第2コモン駆動回路182bのコモン駆動端子に接続される信号線は、第1長辺から、集積回路装置100の外側に向かって配線される。第1コモン駆動回路181bのコモン駆動端子に接続される信号線は、第1長辺から第2長辺へ向かい、第2長辺に沿って第2短辺側から第1短辺に向かった後、第1短辺から集積回路装置100の外側に向かって配線される。
【0112】
5.電子機器及び移動体
図16は、本実施形態の集積回路装置100を含む電子機器600の構成例である。本実施形態の電子機器として、液晶表示装置300を搭載する種々の電子機器を想定できる。例えば本実施形態の電子機器として、車載装置、電子計算機、ディスプレイ、情報処理装置、携帯型情報端末、又は携帯型ゲーム端末等を想定できる。車載装置は、例えばクラスターパネル等の車載表示装置である。クラスターパネルは、運転席の前に設けられ、メーター等が表示される表示パネルである。
【0113】
電子機器600は、処理装置400と表示コントローラー410と液晶表示装置300と記憶装置320と操作装置330と通信装置340とを含む。液晶表示装置300は、集積回路装置100と液晶表示パネル200とを含む。
【0114】
操作装置330は、ユーザーからの種々の操作を受け付けるユーザーインターフェースである。例えば、ボタン、マウス、キーボード、又はタッチパネル等で構成される。通信装置340は、表示データ又は制御データ等の通信を行うデータインターフェースである。例えばUSB等の有線通信インターフェース、又は無線LAN等の無線通信インターフェースである。記憶装置320は、通信装置340から入力された表示データを記憶する。或は、記憶装置320は、処理装置400のワーキングメモリーとして機能する。記憶装置180は、半導体メモリー、ハードディスクドライブ又は光学ドライブ等である。処理装置400は、電子機器の各部の制御処理、又は種々のデータ処理を行う。処理装置400は、通信装置340が受信した表示データ、又は記憶装置320が記憶している表示データを、表示コントローラー410に転送する。処理装置400はCPU等のプロセッサーである。表示コントローラー410は、受信した表示データを、液晶表示装置300が受け付け可能な形式に変換し、その変換された表示データを集積回路装置100へ出力する。集積回路装置100は、表示コントローラー410から転送された表示データに基づいて液晶表示パネル200を駆動する。
【0115】
図17は、本実施形態の集積回路装置100を含む移動体の構成例である。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器又は装置である。本実施形態の移動体として、例えば、車、飛行機、バイク、船舶、走行ロボット、或いは歩行ロボット等の種々の移動体を想定できる。図17は移動体の具体例としての自動車206を概略的に示している。自動車206には、液晶表示装置300と、自動車206の各部を制御する制御装置510と、が組み込まれている。液晶表示装置300は、集積回路装置100と液晶表示パネル200とを含む。制御装置510は、例えば車速や燃料残量、走行距離、各種装置の設定等の情報をユーザーに提示する表示データを生成し、その表示データを集積回路装置100に送信する。集積回路装置100は表示データに基づいて液晶表示パネル200を駆動する。これにより、情報が液晶表示パネル200に表示される。
【0116】
以上に説明した本実施形態の集積回路装置は、ドットマトリクス表示の第1駆動波形信号、及びセグメント表示の第2駆動波形信号を出力する駆動回路と、第1出力端子と、第2出力端子と、駆動回路を制御する制御回路と、を含む。駆動回路は、制御回路により第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第1出力端子に出力し、制御回路により第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第1出力端子に出力する。駆動回路は、制御回路により第2出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第2出力端子に出力し、制御回路により第2出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第2出力端子に出力する。
【0117】
本実施形態によれば、制御回路は、第1出力端子と第2出力端子を、それぞれ独立にドットマトリックス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定できる。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示の様々な配置に対応できるので、液晶表示パネルのデザイン自由度を向上できる。
【0118】
また本実施形態の集積回路装置は、複数の電圧を駆動回路に供給する電圧供給回路を含んでもよい。駆動回路は、複数の電圧のうちドットマトリクス表示用の電圧に基づいて第1駆動波形信号を出力し、複数の電圧のうちセグメント表示用の電圧に基づいて第2駆動波形信号を出力してもよい。
【0119】
このようにすれば、駆動回路は、電圧供給回路が供給した複数の電圧の中から電圧を選択することによって、ドットマトリックス表示用の第1駆動波形信号又はセグメント表示用の第2駆動波形信号を出力できる。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示で電圧供給回路及び駆動回路を共通化できるので、回路の簡素化とコストダウンを実現できる。
【0120】
また本実施形態の集積回路装置は、ドットマトリクス表示用の第1データとセグメント表示用の第2データとが入力される第1セレクターと、ドットマトリクス表示用の第3データとセグメント表示用の第4データとが入力される第2セレクターと、を含んでもよい。駆動回路は、第1出力端子に接続される第1駆動部と、第2出力端子に接続される第2駆動部と、を含んでもよい。第1セレクターは、制御回路により第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1データを選択して第1駆動部に出力し、制御回路により第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2データを選択して第1駆動部に出力してもよい。第2セレクターは、制御回路により第2出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第3データを選択して第2駆動部に出力し、制御回路により第2出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第4データを選択して第2駆動部に出力してもよい。
【0121】
このようにすれば、第1セレクターが第1データを第1駆動部に出力することで、第1駆動部が第1出力端子にドットマトリックス表示用の第1駆動波形信号を出力し、第1セレクターが第2データを第1駆動部に出力することで、第1駆動部が第1出力端子にセグメント表示用の第2駆動波形信号を出力できる。また、第2セレクターが第3データを第2駆動部に出力することで、第2駆動部が第2出力端子にドットマトリックス表示用の第1駆動波形信号を出力し、第2セレクターが第4データを第2駆動部に出力することで、第2駆動部が第2出力端子にセグメント表示用の第2駆動波形信号を出力できる。このようにして、各出力端子を独立にドットマトリックス表示用又はセグメント表示用に設定できるようになる。
【0122】
また本実施形態では、第1セレクターは、制御回路により第1出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、ドットマトリクス表示用の第1クロック信号に基づいて第1データを第1駆動部に出力し、制御回路により第1出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、セグメント表示用の第2クロック信号に基づいて第2データを第1駆動部に出力してもよい。第2セレクターは、制御回路により第2出力端子がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1クロック信号に基づいて第3データを第2駆動部に出力し、制御回路により第2出力端子がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2クロック信号に基づいて第4データを第2駆動部に出力してもよい。
【0123】
このようにすれば、ドットマトリックス表示用のデータが出力されるタイミングは、第1クロック信号により制御され、セグメント表示用のデータが出力されるタイミングは、第2クロック信号により制御される。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示で、それぞれ適切な表示タイミングで表示制御できる。
【0124】
また本実施形態の集積回路装置は、データ出力回路を含んでもよい。データ出力回路は、第1データと第2データを第1セレクターに出力し、第3データと第4データを第2セレクターに出力してもよい。
【0125】
このようにすれば、第1セレクターは、データ出力回路から入力される第1データ又は第2データを選択することで、ドットマトリックス表示用のデータ又はセグメント表示用のデータを第1駆動部に出力できる。第2セレクターは、データ出力回路から入力される第3データ又は第4データを選択することで、ドットマトリックス表示用のデータ又はセグメント表示用のデータを第2駆動部に出力できる。
【0126】
また本実施形態では、制御回路は、記憶回路を含んでもよい。記憶回路は、第1出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定する情報、及び第2出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定する情報を記憶してもよい。
【0127】
このようにすれば、記憶回路に記憶された情報に基づいて、第1出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定し、第2出力端子をドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定できる。また、これらの設定は第1出力端子と第2出力端子で独立しており、それぞれドットマトリクス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に自由に設定可能である。
【0128】
また本実施形態の集積回路装置は、第1出力端子を含む第1出力端子群と、第2出力端子を含む第2出力端子群と、を含んでもよい。駆動回路は、制御回路により、第1出力端子群がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第1出力端子群に出力し、制御回路により第1出力端子群がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第1出力端子群に出力してもよい。駆動回路は、制御回路により、第2出力端子群がドットマトリクス表示用の出力端子に設定されたとき、第1駆動波形信号を第2出力端子群に出力し、制御回路により第2出力端子群がセグメント表示用の出力端子に設定されたとき、第2駆動波形信号を第2出力端子群に出力してもよい。
【0129】
このようにすれば、制御回路は、第1出力端子群と第2出力端子群を、それぞれ独立にドットマトリックス表示用の出力端子又はセグメント表示用の出力端子に設定できる。これにより、ドットマトリックス表示とセグメント表示の様々な配置に対応できる。また、1端子ずつ設定しなくてもよいので、端子の設定が簡素化される。
【0130】
また本実施形態の集積回路装置は、第1出力端子群と第2出力端子群とを含み、第1出力端子群は、第1出力端子を含み、集積回路装置の長辺に配置され、第2出力端子群は、第2出力端子を含み、集積回路装置の短辺に配置されてもよい。第1出力端子群は、制御回路によりドットマトリックス表示用の出力端子に設定されてもよい。第2出力端子群は、制御回路によりセグメント表示用の出力端子に設定されてもよい。
【0131】
このようにすれば、集積回路装置の長辺からドットマトリックス表示部に透明導電膜の信号線を配線し、集積回路装置の短辺からセグメント表示部に透明導電膜の信号線を配線できる。例えば、集積回路装置の右側の第2短辺に駆動回路が設けられ、セグメント表示部がドットマトリックス表示部の右側にあるような場合において、透明導電膜の信号線が交差することなく、効率的に配線できる。
【0132】
また本実施形態の集積回路装置は、ドットマトリクス表示のコモン駆動信号を出力する第1コモン駆動回路と、セグメント表示のコモン駆動信号を出力する第2コモン駆動回路と、を含んでもよい。集積回路装置の長辺方向において、第2コモン駆動回路は、第1コモン駆動回路と駆動回路との間に配置されてもよい。
【0133】
このようにすれば、駆動回路と第1コモン駆動回路をドットマトリックス表示部に透明導電膜の信号線で接続することで、ドットマトリックス表示部を駆動でき、駆動回路と第2コモン駆動回路をセグメント表示部に透明導電膜の信号線で接続することで、セグメント表示部を駆動できる。このとき、信号線の様々な配線が可能であり、それによって様々なデザインの液晶表示パネルに対応できる。
【0134】
また本実施形態の液晶表示装置は、上記のいずれかに記載の集積回路装置と、集積回路装置により駆動される液晶表示パネルと、を含む。
【0135】
また本実施形態の液晶表示装置において、集積回路装置は、液晶表示パネルの基板に実装されてもよい。液晶表示パネルは、第1出力端子に接続され、基板上に設けられる第1信号線と、第2出力端子に接続され、基板上に設けられる第2信号線と、を含んでもよい。第1信号線と第2信号線は、逆方向に配線されてもよい。
【0136】
本実施形態によれば、第1出力端子に接続される第1信号線と、第2出力端子に接続される第2信号線とが、逆方向に配線される。これにより、液晶表示パネルのデザインに応じた適切な配線が可能となる。例えば、第1信号線が接続される第1出力端子がドットマトリックス表示用に設定されており、第2信号線が接続される第2出力端子がセグメント表示用に設定される場合を想定すると、ドットマトリックス表示部に接続される第1信号線と、セグメント表示部に接続される第2信号線とが、逆方向に配線される。これにより、透明導電膜の信号線を交差させることなくドットマトリックス表示部とセグメント表示部に対して信号線を配線することが可能となり、液晶表示パネルのデザインに応じた適切な配線が可能となる。
【0137】
また本実施形態の電子機器は、上記のいずれかに記載の集積回路装置を含む。
【0138】
また本実施形態の移動体は、上記のいずれかに記載の集積回路装置を含む。
【0139】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また集積回路装置、液晶表示パネル、液晶表示装置、電子機器及び移動体等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0140】
100…集積回路装置、110…電圧供給回路、111…昇圧部、112…電圧調整部、120,120a,120b…駆動回路、121~128…駆動ブロック、130…MLSデータ出力回路、140…セグメントデータレジスター、151,152…セレクター、160…制御回路、170…インターフェース、180…記憶装置、181,181a,181b…第1コモン駆動回路、182,182a,182b…第2コモン駆動回路、200…液晶表示パネル、206…自動車、210…ドットマトリックス表示部、220…セグメント表示部、300…液晶表示装置、320…記憶装置、330…操作装置、340…通信装置、400…処理装置、410…表示コントローラー、510…制御装置、600…電子機器、AMA~AME…アンプ回路、CMD,CMS…コモン駆動波形信号、DAQ1…駆動波形信号、DMLSA1…MLSデータ、DR1…第1方向、DR2…第2方向、DSEGA1…セグメントデータ、MV1…第1負極性電圧、MV2…第2負極性電圧、MV3…第3負極性電圧、RG…レギュレーター、TA1~TAn,TB1~TBm…出力端子、TAG…第1出力端子群、TBG…第2出力端子群、TCMD…第1コモン端子群、TCMS…第2コモン端子群、V1…第1正極性電圧、V2…第2正極性電圧、V3…第3正極性電圧、VC…コモン電圧、VDD…電源電圧、VSS…グランド電圧
図1
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